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特許7624431(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4245 20060101AFI20250123BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20250123BHJP
   C07D 413/12 20060101ALN20250123BHJP
【FI】
A61K31/4245
A61P9/00
A61P9/10
A61P9/12
A61P3/06
A61P13/12
A61P17/00
A61P3/00
A61P11/00
A61P3/10
A61P21/04
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/02
A61K9/20
A61K9/48
C07D413/12
【請求項の数】 47
(21)【出願番号】P 2022502215
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2020042387
(87)【国際公開番号】W WO2021011807
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】62/875,350
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504236628
【氏名又は名称】サイトキネティックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】トム, ノーマ
(72)【発明者】
【氏名】ファイファー, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】アンデルセン, デニス
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, チー
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/144041(WO,A1)
【文献】有機化合物結晶作製ハンドブック-原理とノウハウ-,2008年07月25日,pp. 57-79
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33-33/44
A61P 1/00-43/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物であって、前記多形は、多形形態IVであり、前記多形形態IVは、
a)11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン、ならびに/または
b)3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターン、ならびに/または
c)3.7±0.2、7.7±0.2、11.1±0.2、12.4±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.5±0.2、16.6±0.2、17.9±0.2、18.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、19.9±0.2、20.9±0.2、21.5±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、25.8±0.2、26.2±0.2、27.1±0.2、27.4±0.2、28.0±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、30.0±0.2、30.5±0.2、30.8±0.2、31.0±0.2、31.4±0.2、33.8±0.2、35.0±0.2、35.7±0.2、36.1±0.2、36.7±0.2、37.9±0.2、38.1±0.2、39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパター
を有する、医薬組成物。
【請求項2】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物であって、前記多形は、多形形態IVであり、前記多形形態IVは、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する、医薬組成物。
【請求項3】
前記多形形態IVは、3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記多形形態IVは、3.7±0.2、7.7±0.2、11.1±0.2、12.4±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.5±0.2、16.6±0.2、17.9±0.2、18.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、19.9±0.2、20.9±0.2、21.5±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、25.8±0.2、26.2±0.2、27.1±0.2、27.4±0.2、28.0±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、30.0±0.2、30.5±0.2、30.8±0.2、31.0±0.2、31.4±0.2、33.8±0.2、35.0±0.2、35.7±0.2、36.1±0.2、36.7±0.2、37.9±0.2、38.1±0.2および39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記多形形態IVが、DSCによって決定すると、00±2℃に吸熱の開始を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記多形形態IVが、TGAによって決定すると、開始から200℃までに0.003%の重量減少を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記組成物が、0.5重量%~50重量%の(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも90%が、形態IVで存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記組成物全体の重量基準で、少なくとも約5.0%または少なくとも10%が、多形形態IVである、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記組成物が、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質形態または非結晶形態を実質的に含まない、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記薬学的に許容される賦形剤が、マンニトール、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、および炭酸マグネシウムのうちの1つまたはそれより多くから選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記組成物が、錠剤またはカプセル剤であり、重量基準で5%未満の不純物を含有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物が、錠剤またはカプセル剤であり、重量基準で1%未満の不純物を含有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形であって、前記多形は、多形形態Iであり、前記多形形態Iは3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、14.4±0.2および22.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン有する、多形。
【請求項15】
前記多形形態Iは、3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、18.6±0.2、22.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2および26.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する、請求項14に記載の多形。
【請求項16】
前記多形形態Iは、3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、14.9±0.2、16.6±0.2、17.8±0.2、18.6±0.2、21.6±0.2、22.2±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.2±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2、25.8±0.2、26.1±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、29.4±0.2、29.9±0.2、30.6±0.2、33.8±0.2、36.1±0.2、36.8±0.2、37.8±0.2および39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する、請求項14または15に記載の多形。
【請求項17】
前記多形形態Iは、DSCによって決定すると、199±2℃に吸熱の開始を有する、請求項14~16のいずれか一項に記載の多形。
【請求項18】
前記多形形態Iは、TGAによって決定すると、200℃未満で0.2%の重量減少を有する、請求項14~17のいずれか一項に記載の多形。
【請求項19】
前記多形形態Iは、DVSによって決定すると、5~90%の相対湿度(RH)範囲にわたり、0.60%w/wの水分の取込みを有する、請求項14~18のいずれか一項に記載の多形。
【請求項20】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形であって、前記多形は、多形形態IIであり、前記多形形態IIは3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2および20.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン有する、多形。
【請求項21】
前記多形形態IIは、3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、22.3±0.2および23.3±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する、請求項20に記載の多形。
【請求項22】
前記多形形態IIは、3.7±0.2、7.4±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、17.0±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、21.6±0.2、22.3±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.3±0.2、24.8±0.2、25.8±0.2、27.4±0.2、28.8±0.2、29.5±0.2および30.5±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する、請求項20または21に記載の多形。
【請求項23】
前記多形形態IIは、DSCによって決定すると、199±2℃に吸熱の開始を有する、請求項20~22のいずれか一項に記載の多形。
【請求項24】
前記多形形態IIは、TGAによって決定すると、開始から200℃までに0.18%の重量減少を有する、請求項20~23のいずれか一項に記載の多形。
【請求項25】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形であって、前記多形は、多形形態IIIであり、前記多形形態IIIは、9.6±0.2、10.9±0.2、15.8±0.2および18.1±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する、多形。
【請求項26】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形であって、前記多形は、多形形態Vであり、前記多形形態Vは11.5±0.2、16.3±0.2、20.0±0.2、21.2±0.2および24.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン有する、多形。
【請求項27】
前記多形形態Vは、11.5±0.2、16.3±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、21.2±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2および26.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する、請求項26に記載の多形。
【請求項28】
前記多形形態Vは、5.7±0.2、8.3±0.2、11.5±0.2、16.3±0.2、17.2±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2、26.7±0.2、28.1±0.2、29.2±0.2、29.7±0.2、29.9±0.2および31.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する、請求項26または27に記載の多形。
【請求項29】
前記多形形態Vは、5.7±0.2、8.3±0.2、11.5±0.2、13.8±0.2、15.5±0.2、15.8±0.2、16.3±0.2、16.6±0.2、17.2±0.2、17.8±0.2、18.5±0.2、18.9±0.2、19.1±0.2、19.8±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、21.6±0.2、23.0±0.2、23.1±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.2±0.2、24.3±0.2、24.6±0.2、24.7±0.2、25.2±0.2、25.6±0.2、26.7±0.2、27.1±0.2、27.3±0.2、27.5±0.2、27.9±0.2、28.1±0.2、28.4±0.2、28.9±0.2、29.2±0.2、29.7±0.2、29.8±0.2、29.9±0.2、30.4±0.2、30.6±0.2、31.1±0.2、31.3±0.2、31.5±0.2、32.0±0.2、32.9±0.2、33.0±0.2、33.2±0.2、33.5±0.2、34.4±0.2、34.6±0.2、34.9±0.2、35.3±0.2、35.7±0.2、36.0±0.2、36.2±0.2、36.5±0.2、36.6±0.2、37.0±0.2、37.1±0.2、37.5±0.2、37.8±0.2、37.9±0.2、38.3±0.2、38.4±0.2、38.7±0.2、38.8±0.2、39.3±0.2、39.4±0.2、39.6±0.2および39.9±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する、請求項26~28のいずれか一項に記載の多形。
【請求項30】
(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ、またはステップ(1)の前記混合物から前記溶媒を除去するステップ
を含み、必要に応じて、
a)前記溶媒がジクロロメタン(DCM)を含む、および/または
b)ステップ(2)が、前記溶媒を除去するステップを含む、
請求項14に記載の多形を調製する方法。
【請求項31】
a)水中で請求項14に記載の形態Iを摩砕するステップ、または
b)(1)請求項14に記載の形態Iとエタノールとの混合物を形成するステップ、および
(2)前記ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含み、必要に応じて、
i)ステップ(1)が、前記混合物を約60℃まで加熱するステップを含む、および/あるいは
ii)ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約-5℃、約-10℃、約-15℃または約-20℃まで冷却するステップを含む、
請求項20に記載の多形を調製する方法。
【請求項32】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形を調製する方法であって、前記多形は、多形形態IVであり、前記多形形態IVは、
a)11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターン;ならびに/または
b)3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターン;ならびに/または
c)3.7±0.2、7.7±0.2、11.1±0.2、12.4±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.5±0.2、16.6±0.2、17.9±0.2、18.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、19.9±0.2、20.9±0.2、21.5±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、25.8±0.2、26.2±0.2、27.1±0.2、27.4±0.2、28.0±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、30.0±0.2、30.5±0.2、30.8±0.2、31.0±0.2、31.4±0.2、33.8±0.2、35.0±0.2、35.7±0.2、36.1±0.2、36.7±0.2、37.9±0.2、38.1±0.2、39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパター
を有し、前記方法は、
(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒が、アセトニトリル(ACN)、またはACNと水との混合物を含む、ステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含み、必要に応じて、
A)ステップ(1)が、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと前記溶媒との混合物を約80℃に加熱するステップを含む;および/または
B)ステップ(2)が、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと前記溶媒との前記混合物を約20℃まで冷却するステップを含む、
方法。
【請求項33】
前記多形形態IVは、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記多形形態IVは、3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記多形形態IVは、3.7±0.2、7.7±0.2、11.1±0.2、12.4±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.5±0.2、16.6±0.2、17.9±0.2、18.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、19.9±0.2、20.9±0.2、21.5±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、25.8±0.2、26.2±0.2、27.1±0.2、27.4±0.2、28.0±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、30.0±0.2、30.5±0.2、30.8±0.2、31.0±0.2、31.4±0.2、33.8±0.2、35.0±0.2、35.7±0.2、36.1±0.2、36.7±0.2、37.9±0.2、38.1±0.2、39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記多形形態IVは、DSCによって決定すると、200±2℃に吸熱の開始を有する、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記多形形態IVは、TGAによって決定すると、開始から200℃までに0.003%の重量減少を有する、請求項32~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒が酢酸エステルを含むステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含む、請求項26に記載の多形を調製する方法であって、必要に応じて、
a)前記溶媒が酢酸エチルを含む、および/または
b)ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約5℃まで冷却するステップを含む、および/または
c)長針状形態で存在する前記多形を分離するステップをさらに含む、
方法。
【請求項39】
請求項14~29のいずれか一項に記載の多形、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項40】
心臓疾患を処置することを必要とする対象の心臓疾患を処置することにおける使用のための、請求項14~29のいずれか一項に記載の多形を含む組成物、または請求項1~13もしくは39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記心臓疾患が、肥大型心筋症(HCM)である、請求項40に記載の使用のための組成物。
【請求項42】
前記HCMが、閉塞性もしくは非閉塞性であるか、またはサルコメアおよび/もしくは非サルコメア変異と関連する、請求項41に記載の使用のための組成物。
【請求項43】
前記心臓疾患が、駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)である、請求項40に記載の使用のための組成物。
【請求項44】
前記心臓疾患が、拡張機能障害、原発性または続発性拘束型心筋症、心筋梗塞および狭心症、左心室流出路閉塞、高血圧性心臓疾患、先天性心臓疾患、心虚血、冠状動脈性心臓疾患、糖尿病性心臓疾患、うっ血性心不全、右心不全、心腎症候群、ならびに浸潤性心筋症からなる群から選択される、請求項40に記載の使用のための組成物。
【請求項45】
前記心臓疾患が、心臓老化、加齢に起因する拡張機能障害、左心室肥大および求心性左心室リモデリングからなる群から選択される1つまたはそれより多くの状態であるか、またはそれに関係する、請求項40に記載の使用のための組成物。
【請求項46】
小左心室内腔、内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、小左心室内腔、内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置することにおける使用のための、請求項14~29のいずれか一項に記載の多形を含む組成物、または請求項1~13もしくは39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
心臓サルコメアを阻害することにおける使用のための、請求項14~29のいずれか一項に記載の多形を含む組成物、または請求項1~13もしくは39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月17日に出願の米国仮出願第62/875,350号への優先権およびその利益を主張し、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形、その組成物、それらの調製方法およびそれらの使用方法が、本明細書において提供される。
【背景技術】
【0003】
背景
心臓サルコメアは、心筋機能を調節する収縮性の構造タンパク質の網目構造から構成される。心臓サルコメアの構成成分は、例えば、収縮性を増大するか、または完全な弛緩を促進して、それぞれ収縮機能および拡張機能をモジュレートすることによって、様々な心臓疾患および状態を処置するための標的を提示する。心筋収縮の力および速度は、臓器機能の主要決定因子であり、アクチンおよびミオシンの周期的相互作用によってモジュレートされる。アクチンとミオシンの結合の調節は、筋フィラメント調節タンパク質の網目構造および細胞内Ca2+のレベルによって決定される。トロポニン複合体およびトロポミオシンは、アクチン結合部位の利用性を支配する細いフィラメントタンパク質であり、必須軽鎖および調節軽鎖、ならびにミオシン結合タンパク質Cは、ミオシンの位置および機械特性をモジュレートする。
【0004】
心臓サルコメアの異常は、様々な心臓疾患および状態、例えば肥大型心筋症(HCM)および駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)の推進原因として特定されている。サルコメアのタンパク質における変異は、心筋を、「高」または「低」収縮のいずれかにすることによって疾患を引き起こす。心臓サルコメアのモジュレーターは、収縮性のバランスを取り戻し、疾患経過を停止または逆行させるために使用することができる。
【0005】
心臓サルコメアを標的にする現在の薬剤、例えば変力物質(心臓の収縮能を増大する薬物)は、心臓組織に対する選択性が低く、認識されている有害効果をもたらし、それにより使用が制限される。これらの有害効果には、変力的に刺激された心筋における細胞質Ca++およびサイクリックAMP濃度の上昇から生じ得る、エネルギー消費率の増大、弛緩異常の増悪、および潜在的な不整脈原性副作用によって引き起こされた細胞損傷が含まれる。現在の薬剤の限界を考慮すると、HCMおよびHFpEFにおいて心臓機能を改善するための新しい手法が必要である。
【0006】
新しい作用機序を活用し、短期間および長期間の両方にわたって、症状の軽減、安全性、および患者死亡率に関してより良好なアウトカムを有することができる薬剤への必要性は、まだ非常に大きい。現在の薬剤を上回る改善された治療指数を有する新しい薬剤は、これらの臨床アウトカムを達成するための手段を提供する。心臓サルコメアを対象とする(例えば、心臓ミオシンを標的にすることによって)薬剤の選択性は、この治療指数の改善を達成するための重要な手段として特定されている。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドは、平滑筋ミオシンに対してほとんどまたはまったく効果を有していない、心臓ミオシンの選択的アロステリック阻害剤である。この化合物の利点には、より幅広い治療指数、心臓弛緩に対する影響の少なさ、より良好な薬物動態、およびより良好な安全性が含まれ、したがってこのことは、心臓疾患および状態の潜在的な処置を提供する。
【0007】
薬物候補、例えば(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを利用可能な医薬製品へと移行させるためには、該薬物候補が、多形形態、ならびに大規模スケールでの生成、輸送、保管および使用前調製の際に遭遇する可能性が高い条件下において、これらの形態の相対安定性および相互変換を有するかどうかを理解することが重要となり得る。強固な製造プロセスにより安定な多形を制御して生成することができることが、規制当局の承認およびマーケティングにとって重要となり得る。高純度(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの大規模生成プロセスは、特定の多形形態の使用によって改善することができる。したがって、様々な化学的および物理的安定性を有する(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの様々な新規結晶形態、ならびにその製剤および使用が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
一態様では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形が、本明細書において提供される。
【0009】
別の態様では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形を調製する方法が、本明細書において提供される。
【0010】
別の態様では、本明細書に記載されている、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形を含有する組成物が、本明細書において提供される。
【0011】
別の態様では、心臓疾患の処置を必要とする対象において、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形を使用する、心臓疾患を処置する方法が、本明細書において提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iの実験によるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【0013】
図1B図1Bは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iの示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)のグラフを示す。
【0014】
図1C図1Cは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iの動的水蒸気吸着(DVS)のグラフを示す。
【0015】
図2A図2Aは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIの実験によるXRPDパターンを示す。
【0016】
図2B図2Bは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIのDSCおよびTGAのグラフを示す。
【0017】
図3A図3Aは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IおよびIIIの混合物の実験によるXRPDパターンを示す。
【0018】
図3B図3Bは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IおよびIIIの混合物のDSCおよびTGAのグラフを示す。
【0019】
図4A図4Aは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVの実験によるXRPDパターンを示す。
【0020】
図4B図4Bは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVのDSCおよびTGAのグラフを示す。
【0021】
図5図5は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Vの実験によるXRPDパターンおよび2つのモデル化パターンを示す(上から下に、223Kでのモデル化、273Kでのモデル化、実験)。
【0022】
図6A図6Aは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIの2つの実験によるXRPDパターンを示す:(a)上部に乾燥前に;および(b)下部に乾燥後(オーブン、真空、25℃で24時間)に測定した形態VIのXRPD。
【0023】
図6B図6Bおよび6Cは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIのTGAのグラフを示す。図6Bは、25~300℃の範囲にわたる、形態VIのオーブン乾燥試料(オーブン、真空、25℃で一晩)の重量減少を示す。図6Cは、熱重量分析前に、オーブン乾燥(オーブン、真空、25℃で一晩)、および150℃でのさらなる加熱を施した、形態VIの試料に関する、25~300℃の範囲にわたるTGAプロットを示す。
図6C図6Bおよび6Cは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIのTGAのグラフを示す。図6Bは、25~300℃の範囲にわたる、形態VIのオーブン乾燥試料(オーブン、真空、25℃で一晩)の重量減少を示す。図6Cは、熱重量分析前に、オーブン乾燥(オーブン、真空、25℃で一晩)、および150℃でのさらなる加熱を施した、形態VIの試料に関する、25~300℃の範囲にわたるTGAプロットを示す。
【0024】
図6D図6Dおよび6Eは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIのDSCのグラフを示す。図6Dは、25~300℃の範囲にわたる、形態VIのオーブン乾燥試料(オーブン、真空、25℃で一晩)のDSCプロットを示す。図6Eは、熱重量分析前に、オーブン乾燥(オーブン、真空、25℃で一晩)、および150℃でのさらなる加熱を施した、形態VIの試料に関する、25~300℃の範囲にわたるDSCプロットを示す。
図6E図6Dおよび6Eは、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIのDSCのグラフを示す。図6Dは、25~300℃の範囲にわたる、形態VIのオーブン乾燥試料(オーブン、真空、25℃で一晩)のDSCプロットを示す。図6Eは、熱重量分析前に、オーブン乾燥(オーブン、真空、25℃で一晩)、および150℃でのさらなる加熱を施した、形態VIの試料に関する、25~300℃の範囲にわたるDSCプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
定義
本明細書で使用する場合、および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明白に示さない限り、複数形を含む。
【0026】
本明細書で使用する場合、および別段の指定がない限り、用語「約」および「およそ」は、組成物または剤形の成分の用量、量または重量パーセントと連携して使用する場合、当業者によって、指定の用量、量または重量パーセントから得られる薬理学的効果に等価な効果をもたらすと認識される、用量、量または重量パーセントを意味する。具体的には、用語「約」および「およそ」が、本文脈において使用される場合、指定の用量、量または重量パーセントの15%以内、10%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内または0.5%以内の用量、量または重量パーセントを企図する。
【0027】
本明細書で使用する場合、用語「多形」または「多形形態」とは、化合物の結晶形態を指す。異なる多形は、例えば、結晶格子中の分子もしくはイオンの配列または立体構造の結果として、融解温度、融解熱、溶解度、溶解速度および/または振動スペクトルなどの異なる物理特性を有することがある。多形によって示される物理特性の差異は、医薬パラメーター、例えば、保管安定性、圧縮性、密度(製剤化および製品の製造において重要である)および溶解速度(バイオアベイラビリティにおける重要因子である)に影響を及ぼすことがある。安定性の差異は、化学反応性の変化(例えば、ある剤形が、1つの多形から構成される場合に、別の多形から構成される場合よりも迅速に変色するような酸化の差異)、機械的変化(例えば、速度論的に有利な多形が、熱力学的に一層安定な多形に変換すると、保管時に錠剤が砕ける)、またはそれらの両方(例えば、1つの多形の錠剤は、高湿度時に分解を一層、受けやすい)から生じ得る。極端な場合、溶解度/溶解の差異の結果として、いくつかの多形遷移が、効力の欠如、または他の極端な場合では、毒性をもたらす恐れがある。さらに、結晶形態の物理特性は、処理において重要となることがある;例えば、1つの多形は溶媒和物を形成する可能性が一層高いか、または濾過して不純物不含になるよう洗浄するのは困難である(例えば、粒子形状およびサイズ分布は、多形間で異なることがある)。
【0028】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」は、状態に対する所望の薬理学的作用および/または生理的作用をもたらす量を示す。この作用は、その状態もしくは症状を完全にまたは部分的に予防する点で予防的、ならびに/または状態および/もしくは状態に起因し得る有害作用に対する部分的または完全な治癒の点で治療的であり得る。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される担体」およびその同語言語は、当業者に公知の、個体(例えば、哺乳動物または非哺乳動物)への投与に適切な、アジュバント、結合剤、希釈剤などを指す。2つまたはそれより多くの担体の組合せ物もまた、企図される。本明細書に記載されている薬学的に許容される担体、および任意の追加の構成成分は、当業者によって認識されると思われる通り、特定の剤形に対する意図される投与経路(例えば、経口、非経口)での使用と適合可能であるべきである。
【0030】
用語「処置する」、「処置すること」および「処置」は、障害、疾患もしくは状態、または障害、疾患もしくは状態に関連する症状のうちの1つまたはそれより多くを軽減するまたは無効にすること;あるいは疾患、障害もしくは状態、またはそれらの1つもしくはそれより多くの症状の進行、広がり、または悪化を減速させることを含むことが意図される。多くの場合、対象が治療剤から引き出す有益な効果は、疾患、障害または状態の完全な治癒をもたらさない。
【0031】
用語「対象」とは、以下に限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、サル、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットまたはマウスを含めた動物を指す。用語「対象」および「患者」は、例えば、哺乳動物対象、例えばヒトを参照して、本明細書において互換的に使用される。
【0032】
本明細書で使用する場合、用語「~において実質的に示されている」には、例えば、XRPDパターン、DSCのグラフ、TGAのグラフまたはGVSのグラフを述べる場合、本明細書において図示されているものと必ずしも同じではないが、当業者によって検討されると、実験誤差または偏差の範囲内に収まる、パターンまたはグラフを含む。
【0033】
一部の実施形態では、用語「実質的に純粋な」は、多形形態が、重量基準で約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、または約1%未満の不純物を含有することを意味する。他の実施形態では、「実質的に純粋な」とは、不純物を含まない物質を指す。不純物は、副生物、または化学反応に由来する未反応試薬、混入物質、分解生成物、他の多形形態、水および溶媒を例えば含むことができる。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「実質的に不含の」は、多形形態を含む組成物が、表示されている物質(単数または複数)を、重量基準で、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満、含有することを意味する。
多形
【0035】
一態様では、以下に示されている構造を有する化合物
【化1】
である、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形が、本明細書において提供される。この多形は、医学的または医薬的使用に適切な特性、例えば、ある特定の条件下でのバイオアベイラビリティおよび安定性を有することができる。
【0036】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形は、バイオアベイラビリティおよび安定性という利点をもたらすことができ、医薬組成物中の活性剤としての使用に適切となり得る。医薬品原薬の結晶構造の変化は、医薬製品の、溶解速度(これは、バイオアベイラビリティなどに影響を及ぼすことがある)、製造性(例えば、取り扱いの容易さ、精製の容易さ、既知の強度の用量を常に調製することが可能であることなど)、および安定性(例えば、熱的安定性、保管可能期間(分解に対する耐性を含む)など)に影響を及ぼし得る。このような変化は、様々な投与量または送達形態、例えば、錠剤およびカプセル剤を含む固形経口剤形中の医薬組成物の調製または製剤化の方法に影響を及ぼすことがある。他の形態、例えば非結晶形態または非晶質形態と比較すると、多形は、所望のまたは適切な吸湿性、粒子サイズ制御、溶解速度、溶解度、純度、物理的および化学的安定性、製造性、収率、再現性および/またはプロセス制御を実現することができる。したがって、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形は、活性剤の製造プロセス、活性剤の薬物製品形態の安定性もしくは保管性の改善、または活性剤として適切なバイオアベイラビリティおよび/もしくは安定性を有するという利点を実現することができる。
【0037】
ある特定の条件、例えば異なる溶媒および/または温度の使用により、本明細書に記載されている1つまたはそれより多くの有利な特徴を示し得る、本明細書に記載されている多形形態I~VIを含めた、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの様々な多形を生成することが見出された。本明細書に記載されている多形の調製方法、およびこれらの多形の特徴付けが、以下に一層詳細に記載されている。
形態I
【0038】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iが、本明細書において提供される。
【0039】
一部の実施形態では、形態Iは、図1Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する。XRPDを使用した、形態Iに関して観察され得る2シータ角度および相対ピーク強度が、表1に示されている。
【表1】
【0040】
一部の実施形態では、多形形態Iは、図1Aに実質的に示されているか、または表1に提示されているXRPDパターンにおいて、2シータ角度に、最高強度を含む、少なくとも2本、少なくとも3本、少なくとも4本、少なくとも5本、少なくとも6本、少なくとも7本、少なくとも8本、少なくとも9本または少なくとも10本のピークを示すXRPDパターンを有する。相対強度は、試料調製、マウント作業、ならびにスペクトルを得るために使用した機器および分析手順および設定を含めた、いくつかの要因に応じて、変わり得ることを理解すべきである。相対ピーク強度およびピーク帰属は、実験誤差の範囲内で変わり得る。一部の実施形態では、多形形態Iの場合を含めた、本明細書において一覧表示されているピーク帰属は、約±0.6度、±0.4度、±0.2度または±0.1度の2シータだけ変動し得る。
【0041】
一部の実施形態では、多形形態Iは、3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、14.9±0.2、16.6±0.2、17.8±0.2、18.6±0.2、21.6±0.2、22.2±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.2±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2、25.8±0.2、26.1±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、29.4±0.2、29.9±0.2、30.6±0.2、33.8±0.2、36.1±0.2、36.8±0.2、37.8±0.2および39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態Iは、3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、18.6±0.2、22.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2および26.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態Iは、3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、14.4±0.2および22.4±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。例えば、不純物、溶媒、または試験試料中に存在する他の多形もしくは非晶質形態の存在のために、図1に示されているもの、または表1に提示されているものとは別のXRPDパターンにおいてさらなるピークが観察されることがあることを理解すべきである。
【0042】
一部の実施形態では、形態Iは、図1Bに実質的に示されている示差的DSCのグラフを有する。一部の実施形態では、形態Iは、DSCによって決定すると、約199℃に吸熱の開始を有すると特徴付けられる。一部の実施形態では、形態Iは、DSCによって決定すると、199±2℃(例えば、199±1.9℃、199±1.8℃、199±1.7℃、199±1.6℃、199±1.5℃、199±1.4℃、199±1.3℃、192±1.2℃、199±1、199±0.9℃、199±0.8℃、199±0.7℃、199±0.6℃、199±0.5℃、199±0.4℃、199±0.3℃、199±0.2℃または199±0.1℃)に吸熱の開始を有すると特徴付けられる。
【0043】
一部の実施形態では、形態Iは、図1Bに実質的に示されているTGAのグラフを有する。
【0044】
一部の実施形態では、形態Iは、図1Cに実質的に示されているDVSのグラフを有する。
【0045】
形態Iの一部の実施形態では、以下の(a)~(f)の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つまたはすべてが該当する:
(a)形態Iは、3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、14.4±0.2および22.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、18.6±0.2、22.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2および26.1±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;または3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、14.9±0.2、16.6±0.2、17.8±0.2、18.6±0.2、21.6±0.2、22.2±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.2±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2、25.8±0.2、26.1±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、29.4±0.2、29.9±0.2、30.6±0.2、33.8±0.2、36.1±0.2、36.8±0.2、37.8±0.2および39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する;
(b)形態Iは、図1Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する;
(c)形態Iは、図1Bに実質的に示されているDSCのグラフを有する;
(d)形態Iは、DSCによって決定すると、約199℃に吸熱の開始を有すると特徴付けられる;
(e)形態Iは、図1Bに実質的に示されているTGAのグラフを有する;および
(f)形態Iは、図1Cに実質的に示されているDVSのグラフを有する。
形態II
【0046】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIが、本明細書において提供される。
【0047】
一部の実施形態では、形態IIは、図2Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する。XRPDを使用した、形態IIに関して観察され得る2シータ角度および相対ピーク強度が、表2に示されている。
【表2】
【0048】
一部の実施形態では、多形形態IIは、図2Aに実質的に示されているか、または表2に提示されているXRPDパターンにおいて、2シータ角度に、最高強度を含む、少なくとも2本、少なくとも3本、少なくとも4本、少なくとも5本、少なくとも6本、少なくとも7本、少なくとも8本、少なくとも9本または少なくとも10本のピークを示すXRPDパターンを有する。相対強度は、試料調製、マウント作業、ならびにスペクトルを得るために使用した機器および分析手順および設定を含めた、いくつかの要因に応じて、変わり得ることを理解すべきである。相対ピーク強度およびピーク帰属は、実験誤差の範囲内で変わり得る。一部の実施形態では、多形形態IIの場合を含めた、本明細書において一覧表示されているピーク帰属は、約±0.6度、±0.4度、±0.2度または±0.1度の2シータだけ変動し得る。
【0049】
一部の実施形態では、多形形態IIは、3.7±0.2、7.4±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、17.0±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、21.6±0.2、22.3±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.3±0.2、24.8±0.2、25.8±0.2、27.4±0.2、28.8±0.2、29.5±0.2および30.5±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態IIは、3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、22.3±0.2および23.3±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態IIは、3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2および20.4±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。例えば、不純物、溶媒、または試験試料中に存在する他の多形もしくは非晶質形態の存在のために、図2Aに示されているもの、または表2に提示されているものとは別のXRPDパターンにさらなるピークが観察されることがあることを理解すべきである。
【0050】
一部の実施形態では、形態IIは、図2Bに実質的に示されているDSCのグラフを有する。一部の実施形態では、形態IIは、DSCによって決定すると、約199℃に吸熱の開始を有すると特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IIは、DSCによって決定すると、約199±2℃(例えば、199±1.9℃、199±1.8℃、199±1.7℃、199±1.6℃、199±1.5℃、199±1.4℃、199±1.3℃、199±1.2℃、199±1、199±0.9℃、199±0.8℃、199±0.7℃、199±0.6℃、199±0.5℃、199±0.4℃、199±0.3℃、199±0.2℃または199±0.1℃)に吸熱の開始を有すると特徴付けられる。
【0051】
一部の実施形態では、形態IIは、図2Bに実質的に示されているTGAのグラフを有する。
【0052】
形態IIの一部の実施形態では、以下の(a)~(e)の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたはすべてが該当する:
(a)形態IIは、3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2および20.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、22.3±0.2および23.3±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;または3.7±0.2、7.4±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、17.0±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、21.6±0.2、22.3±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.3±0.2、24.8±0.2、25.8±0.2、27.4±0.2、28.8±0.2、29.5±0.2および30.5±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する;
(b)形態IIは、図2Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する;
(c)形態IIは、図2Bに実質的に示されているDSCのグラフを有する;
(d)形態IIは、DSCによって決定すると、約199℃に融解吸熱の開始を有すると特徴付けられる;および
(e)形態IIは、図2Bに実質的に示されているTGAのグラフを有する。
形態III
【0053】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIIが、本明細書において提供される。
【0054】
一部の実施形態では、形態IおよびIIIの混合物は、図3Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する。XRPDを使用した、形態IおよびIIIの混合物に関して観察され得る2シータ角度および相対ピーク強度が、表3に示されている。
【表3】
【0055】
一部の実施形態では、多形形態IIIは、9.6±0.2、10.9±0.2、15.8±0.2および18.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態IIIは、9.6±0.2、10.9±0.2、14.5±0.2、15.8±0.2および18.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態IIIは、9.6±0.2、10.9±0.2、14.5±0.2、15.8±0.2、18.1±0.2および20.2±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。相対強度は、試料調製、マウント作業、ならびにスペクトルを得るために使用した機器および分析手順および設定を含めた、いくつかの要因に応じて、変わり得ることを理解すべきである。相対ピーク強度およびピーク帰属は、実験誤差の範囲内で変わり得る。一部の実施形態では、多形形態IIIの場合を含めた、本明細書において一覧表示されているピーク帰属は、約±0.6度、±0.4度、±0.2度または±0.1度の2シータだけ変動し得る。
【0056】
一部の実施形態では、多形形態IおよびIIIの混合物は、図3Bに実質的に示されているDSCのグラフを有する。
【0057】
一部の実施形態では、多形形態IおよびIIIの混合物は、図3Bに実質的に示されているTGAのグラフを有する。
形態IV
【0058】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVが、本明細書において提供される。
【0059】
一部の実施形態では、形態IVは、図4Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する。XRPDを使用した、形態IVに関して観察され得る2シータ角度および相対ピーク強度が、表4に示されている。
【表4】
【0060】
一部の実施形態では、多形形態IVは、図4Aに実質的に示されているか、または表4に提示されているXRPDパターンにおいて、2シータ角度に、最高強度を含む、少なくとも2本、少なくとも3本、少なくとも4本、少なくとも5本、少なくとも6本、少なくとも7本、少なくとも8本、少なくとも9本または少なくとも10本のピークを示すXRPDパターンを有する。相対強度は、試料調製、マウント作業、ならびにスペクトルを得るために使用した機器および分析手順および設定を含めた、いくつかの要因に応じて、変わり得ることを理解すべきである。相対ピーク強度およびピーク帰属は、実験誤差の範囲内で変わり得る。一部の実施形態では、多形形態IVの場合を含めた、本明細書において一覧表示されているピーク帰属は、約±0.6度、±0.4度、±0.2度または±0.1度の2シータだけ変動し得る。
【0061】
一部の実施形態では、多形形態IVは、3.7±0.2、7.7±0.2、11.1±0.2、12.4±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.5±0.2、16.6±0.2、17.9±0.2、18.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、19.9±0.2、20.9±0.2、21.5±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、25.8±0.2、26.2±0.2、27.1±0.2、27.4±0.2、28.0±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、30.0±0.2、30.5±0.2、30.8±0.2、31.0±0.2、31.4±0.2、33.8±0.2、35.0±0.2、35.7±0.2、36.1±0.2、36.7±0.2、37.9±0.2、38.1±0.2、39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態IVは、3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態IVは、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。例えば、不純物、溶媒、または試験試料中に存在する他の多形もしくは非晶質形態の存在のために、図4Aに示されているもの、または表4に提示されているものとは別のXRPDパターンにさらなるピークが観察されることがあることを理解すべきである。
【0062】
一部の実施形態では、形態IVは、図4Bに実質的に示されているDSCのグラフを有する。一部の実施形態では、形態IVは、DSCによって決定すると、約200℃に吸熱の開始を有すると特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IVは、DSCによって決定すると、約200±2℃(例えば、200±1.9℃、200±1.8℃、200±1.7℃、200±1.6℃、200±1.5℃、200±1.4℃、200±1.3℃、200±1.2℃、200±1、200±0.9℃、200±0.8℃、200±0.7℃、200±0.6℃、200±0.5℃、200±0.4℃、200±0.3℃、200±0.2℃または200±0.1℃)に融解吸熱の開始を有すると特徴付けられる。
【0063】
一部の実施形態では、形態IVは、図4Bに実質的に示されているTGAのグラフを有する。
【0064】
形態IVの一部の実施形態では、以下の(a)~(e)の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたはすべてが該当する:
(a)形態IVは、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;または3.7±0.2、7.7±0.2、11.1±0.2、12.4±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.5±0.2、16.6±0.2、17.9±0.2、18.5±0.2、18.6±0.2、19.1±0.2、19.9±0.2、20.9±0.2、21.5±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、22.4±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、25.8±0.2、26.2±0.2、27.1±0.2、27.4±0.2、28.0±0.2、28.6±0.2、29.0±0.2、30.0±0.2、30.5±0.2、30.8±0.2、31.0±0.2、31.4±0.2、33.8±0.2、35.0±0.2、35.7±0.2、36.1±0.2、36.7±0.2、37.9±0.2、38.1±0.2、39.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する;
(b)形態IVは、図4Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する;
(c)形態IVは、図4Bに実質的に示されているDSCのグラフを有する;
(d)形態IVは、DSCによって決定すると、約200℃に融解吸熱の開始を有すると特徴付けられる;および
(e)形態IVは、図4Bに実質的に示されているTGAのグラフを有する。
形態V
【0065】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Vが、本明細書において提供される。
【0066】
一部の実施形態では、形態Vは、図5に実質的に示されているXRPDパターンを有する。XRPDを使用した、形態Vに関して観察され得る2シータ角度および相対ピーク強度が、表5に示されている。
【表5-1】
【表5-2】
【0067】
一部の実施形態では、多形形態Vは、図5に実質的に示されているか、または表5に提示されているXRPDパターンにおいて、2シータ角度に、最高強度を含む、少なくとも2本、少なくとも3本、少なくとも4本、少なくとも5本、少なくとも6本、少なくとも7本、少なくとも8本、少なくとも9本または少なくとも10本のピークを示すXRPDパターンを有する。相対強度は、試料調製、マウント作業、ならびにスペクトルを得るために使用した機器および分析手順および設定を含めた、いくつかの要因に応じて、変わり得ることを理解すべきである。相対ピーク強度およびピーク帰属は、実験誤差の範囲内で変わり得る。一部の実施形態では、多形形態Vの場合を含めた、本明細書において一覧表示されているピーク帰属は、約±0.6度、±0.4度、±0.2度または±0.1度の2シータだけ変動し得る。
【0068】
一部の実施形態では、多形形態Vは、5.7±0.2、8.3±0.2、11.5±0.2、13.8±0.2、15.5±0.2、15.8±0.2、16.3±0.2、16.6±0.2、17.2±0.2、17.8±0.2、18.5±0.2、18.9±0.2、19.1±0.2、19.8±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、21.6±0.2、23.0±0.2、23.1±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.2±0.2、24.3±0.2、24.6±0.2、24.7±0.2、25.2±0.2、25.6±0.2、26.7±0.2、27.1±0.2、27.3±0.2、27.5±0.2、27.9±0.2、28.1±0.2、28.4±0.2、28.9±0.2、29.2±0.2、29.7±0.2、29.8±0.2、29.9±0.2、30.4±0.2、30.6±0.2、31.1±0.2、31.3±0.2、31.5±0.2、32.0±0.2、32.9±0.2、33.0±0.2、33.2±0.2、33.5±0.2、34.4±0.2、34.6±0.2、34.9±0.2、35.3±0.2、35.7±0.2、36.0±0.2、36.2±0.2、36.5±0.2、36.6±0.2、37.0±0.2、37.1±0.2、37.5±0.2、37.8±0.2、37.9±0.2、38.3±0.2、38.4±0.2、38.7±0.2、38.8±0.2、39.3±0.2、39.4±0.2、39.6±0.2および39.9±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態Vは、5.7±0.2、8.3±0.2、11.5±0.2、16.3±0.2、17.2±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2、26.7±0.2、28.1±0.2、29.2±0.2、29.7±0.2、29.9±0.2および31.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態Vは、11.5±0.2、16.3±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、21.2±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2および26.7±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態Vは、11.5±0.2、16.3±0.2、20.0±0.2、21.2±0.2および24.7±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。例えば、不純物、溶媒、または試験試料中に存在する他の多形もしくは非晶質形態の存在のために、図5に示されているもの、または表5に提示されているものとは別のXRPDパターンにさらなるピークが観察されることがあることを理解すべきである。
【0069】
形態Vの一部の実施形態では、以下の(a)~(b)の少なくとも1つまたは両方が該当する:
(a)形態Vは、11.5±0.2、16.3±0.2、20.0±0.2、21.2±0.2および24.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;11.5±0.2、16.3±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、21.2±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2および26.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;または5.7±0.2、8.3±0.2、11.5±0.2、16.3±0.2、17.2±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2、26.7±0.2、28.1±0.2、29.2±0.2、29.7±0.2、29.9±0.2および31.1±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する;および
(b)形態Vは、図5に実質的に示されているXRPDパターンを有する。
形態VI
【0070】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIが、本明細書において提供される。
【0071】
一部の実施形態では、形態VIは、図6Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する。XRPDを使用した、形態VIに関して観察され得る2シータ角度および相対ピーク強度が、表6に示されている。
【表6-1】
【表6-2】
【0072】
一部の実施形態では、多形形態VIは、図6Aに実質的に示されているか、または表6に提示されているXRPDパターンにおいて、2シータ角度に、最高強度を含む、少なくとも2本、少なくとも3本、少なくとも4本、少なくとも5本、少なくとも6本、少なくとも7本、少なくとも8本、少なくとも9本または少なくとも10本のピークを示すXRPDパターンを有する。相対強度は、試料調製、マウント作業、ならびにスペクトルを得るために使用した機器および分析手順および設定を含めた、いくつかの要因に応じて、変わり得ることを理解すべきである。相対ピーク強度およびピーク帰属は、実験誤差の範囲内で変わり得る。一部の実施形態では、多形形態VIの場合を含めた、本明細書において一覧表示されているピーク帰属は、約±0.6度、±0.4度、±0.2度または±0.1度の2シータだけ変動し得る。
【0073】
一部の実施形態では、多形形態VIは、3.0±0.2、5.0±0.2、5.4±0.2、5.9±0.2、7.2±0.2、8.1±0.2、8.9±0.2、9.6±0.2、9.9±0.2、10.6±0.2、12.1±0.2、13.3±0.2、14.0±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、15.0±0.2、15.4±0.2、16.1±0.2、16.5±0.2、17.8±0.2、18.9±0.2、19.0±0.2、19.2±0.2、19.6±0.2、20.0±0.2、20.3±0.2、20.7±0.2、21.1±0.2、21.9±0.2、22.6±0.2、22.9±0.2、23.6±0.2、23.8±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.5±0.2、26.4±0.2、26.7±0.2、27.3±0.2、27.6±0.2、28.2±0.2、28.5±0.2、29.0±0.2、29.6±0.2、29.9±0.2、30.4±0.2、30.9±0.2、31.6±0.2、32.2±0.2、32.6±0.2、33.1±0.2、33.3±0.2、34.5±0.2、35.0±0.2、35.5±0.2および38.5±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態VIは、5.4±0.2、5.9±0.2、8.1±0.2、9.6±0.2、10.6±0.2、12.1±0.2、14.0±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。一部の実施形態では、多形形態VIは、10.6±0.2、12.1±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有する。例えば、不純物、溶媒、または試験試料中に存在する他の多形もしくは非晶質形態の存在のために、図6Aに示されているもの、または表6に提示されているものとは別のXRPDパターンにさらなるピークが観察されることがあることを理解すべきである。
【0074】
一部の実施形態では、形態VIは、図6Bに実質的に示されているTGAのグラフ、または図6Cに実質的に示されているTGAのグラフを有する。一部の実施形態では、形態VIは、TGAによって決定すると、25℃~200℃の間に約2%±0.5%の重量減少を示す。
【0075】
一部の実施形態では、形態VIは、図6Dに実質的に示されているDSCのグラフ、または図6Eに実質的に示されているDSCのグラフを有する。一部の実施形態では、形態VIは、DSCによって決定すると、約200±2℃(例えば、200±1.9℃、200±1.8℃、200±1.7℃、200±1.6℃、200±1.5℃、200±1.4℃、200±1.3℃、200±1.2℃、200±1、200±0.9℃、200±0.8℃、200±0.7℃、200±0.6℃、200±0.5℃、200±0.4℃、200±0.3℃、200±0.2℃または200±0.1℃)に融解吸熱の開始を有すると特徴付けられる。一部の実施形態では、形態VIは、約200±2℃(例えば、200±1.9℃、200±1.8℃、200±1.7℃、200±1.6℃、200±1.5℃、200±1.4℃、200±1.3℃、200±1.2℃、200±1、200±0.9℃、200±0.8℃、200±0.7℃、200±0.6℃、200±0.5℃、200±0.4℃、200±0.3℃、200±0.2℃または200±0.1℃)に吸熱の開始、約115±2℃(例えば、115±1.9℃、115±1.8℃、115±1.7℃、115±1.6℃、115±1.5℃、115±1.4℃、115±1.3℃、115±1.2℃、115±1、115±0.9℃、115±0.8℃、115±0.7℃、115±0.6℃、115±0.5℃、115±0.4℃、115±0.3℃、115±0.2℃または115±0.1℃)に発熱の開始、もしくは約41±2℃(例えば、41±1.9℃、41±1.8℃、41±1.7℃、41±1.6℃、41±1.5℃、41±1.4℃、41±1.3℃、41±1.2℃、41±1、41±0.9℃、41±0.8℃、41±0.7℃、41±0.6℃、41±0.5℃、41±0.4℃、41±0.3℃、41±0.2℃または41±0.1℃)に吸熱の開始、またはそれらの組合せを有すると特徴付けられる。
【0076】
形態VIの一部の実施形態では、以下の(a)~(g)の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、またはすべてが該当する:
(a)形態VIは、10.6±0.2、12.1±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;5.4±0.2、5.9±0.2、8.1±0.2、9.6±0.2、10.6±0.2、12.1±0.2、14.0±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターン;または3.0±0.2、5.0±0.2、5.4±0.2、5.9±0.2、7.2±0.2、8.1±0.2、8.9±0.2、9.6±0.2、9.9±0.2、10.6±0.2、12.1±0.2、13.3±0.2、14.0±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、15.0±0.2、15.4±0.2、16.1±0.2、16.5±0.2、17.8±0.2、18.9±0.2、19.0±0.2、19.2±0.2、19.6±0.2、20.0±0.2、20.3±0.2、20.7±0.2、21.1±0.2、21.9±0.2、22.6±0.2、22.9±0.2、23.6±0.2、23.8±0.2、24.4±0.2、24.8±0.2、25.5±0.2、26.4±0.2、26.7±0.2、27.3±0.2、27.6±0.2、28.2±0.2、28.5±0.2、29.0±0.2、29.6±0.2、29.9±0.2、30.4±0.2、30.9±0.2、31.6±0.2、32.2±0.2、32.6±0.2、33.1±0.2、33.3±0.2、34.5±0.2、35.0±0.2、35.5±0.2および38.5±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有する;
(b)形態VIは、図6Aに実質的に示されているXRPDパターンを有する;
(c)形態VIは、図6Bまたは図6Cに実質的に示されているTGAのグラフを有する;
(d)形態VIは、TGAによって決定すると、25℃~200℃の間で約2%±0.5%の重量減少を有する;
(e)形態VIは、図6Dまたは図6Eに実質的に示されているDSCのグラフを有する;および
(f)形態IVは、DSCによって決定すると、約200℃に融解吸熱の開始を有すると特徴付けられる;および
(g)形態VIは、DSCによって決定すると、約200℃に吸熱の開始、約115℃に発熱の開始もしくは約41℃に吸熱の開始、またはそれらの任意の組合せを有すると特徴付けられる。
組成物
【0077】
同様に、本明細書に記載されている多形、例えば、形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V、形態VIまたはそれらの混合物を含有する組成物が、本明細書において提供される。一部の実施形態では、本組成物は、形態Iを含有する。一部の実施形態では、本組成物は、形態IIを含有する。一部の実施形態では、本組成物は、形態IIIを含有する。一部の実施形態では、本組成物は、形態IとIIIとの混合物を含有する。一部の実施形態では、本組成物は、形態IVを含有する。一部の実施形態では、本組成物は、形態Vを含有する。一部の実施形態では、本組成物は、形態VIを含有する。一部の実施形態では、本組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。
【0078】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態Iを含有する組成物が提供される。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態II~VIのうちの、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたはすべてを実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質形態または非結晶形態を実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの塩を実質的に含まない。
【0079】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態Iを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態Iである。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態Iを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態Iで存在する。
【0080】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IIを含有する組成物が提供される。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態I、III、IV、VおよびVIのうちの、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたはすべてを実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質形態または非結晶形態を実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの塩を実質的に含まない。
【0081】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IIを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が形態IIである。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IIを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態IIで存在する。
【0082】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IIIを含有する組成物が提供される。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態I、II、IV、VおよびVIのうちの、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたはすべてを実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質形態または非結晶形態を実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの塩を実質的に含まない。
【0083】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IIIを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が形態IIIである。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IIIを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態IIIで存在する。
【0084】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IVを含有する組成物が提供される。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態I~III、VおよびVIのうちの、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたはすべてを実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質形態または非結晶形態を実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの塩を実質的に含まない。
【0085】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IVを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が形態IVである。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IVを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態IVで存在する。
【0086】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態Iおよび形態IVを含有する組成物が提供される。一部の実施形態では、形態Iおよび形態IVは、99:1、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80、10:90または1:99の重量比で存在する。一部の実施形態では、形態I:形態IVの重量比は、90:10~99:1の間である。形態Iおよび形態IVを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が形態Iである。形態Iおよび形態IVを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態Iで存在する。形態Iおよび形態IVを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が形態IVである。形態Iおよび形態IVを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態IVで存在する。
【0087】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態Vを含有する組成物が提供される。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態I~IVおよびVIのうちの、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたはすべてを実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質形態または非結晶形態を実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの塩を実質的に含まない。
【0088】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態Vを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が形態Vである。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態Vを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態Vで存在する。
【0089】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態VIを含有する組成物が提供される。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態I~Vのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたはすべてを実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの非晶質形態または非結晶形態を実質的に含まない。一部の実施形態では、本組成物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの塩を実質的に含まない。
【0090】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態VIを含有する組成物の一部の実施形態では、組成物全体の重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が形態VIである。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態VIを含有する組成物の一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの重量基準で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または少なくとも99.9%が、形態VIで存在する。
【0091】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている多形形態のうちの1つまたはそれより多く(例えば、形態I、II、III、IV、V、VIまたはそれらの混合物)、および1つまたはそれより多くの薬学的に許容される担体を含有する錠剤またはカプセル剤が提供される。一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの実質的に純粋な多形形態I、および1つまたはそれより多くの薬学的に許容される担体を含有する錠剤またはカプセル剤が提供される。一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの実質的に純粋な多形形態II、および1つまたはそれより多くの薬学的に許容される担体を含有する錠剤またはカプセル剤が提供される。一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの実質的に純粋な多形形態III、および1つまたはそれより多くの薬学的に許容される担体を含有する錠剤またはカプセル剤が提供される。一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの実質的に純粋な多形形態IV、および1つまたはそれより多くの薬学的に許容される担体を含有する錠剤またはカプセル剤が提供される。一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの実質的に純粋な多形形態V、および1つまたはそれより多くの薬学的に許容される担体を含有する錠剤またはカプセル剤が提供される。一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの実質的に純粋な多形形態VI、および1つまたはそれより多くの薬学的に許容される担体を含有する錠剤またはカプセル剤が提供される。
調製方法
形態I
【0092】
一部の実施形態では、(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップ、および(2)ステップ(1)の混合物を冷却するステップ、またはステップ(1)の混合物から溶媒を除去するステップを含む、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iを調製する方法が提供される。一部の実施形態では、溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはプロパノール)、酢酸エステル(例えば、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチル)、エーテル(例えば、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルエーテルまたは2-メチルテトラヒドロフラン)、ケトン(例えば、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン)、ニトリル(例えば、アセトニトリル)、アミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、非芳香族炭化水素(例えば、ヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)もしくは水、またはそれらの混合物を含む。一部の実施形態では、溶媒は、アセトン、アセトニトリル(ACN)、ジクロロメタン(DCM)、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)、2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)、2-プロパノール(IPA)、テトラヒドロフラン(THF)、水、ジエチルエーテル(EtO)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、水、酢酸エチルもしくはヘキサン、またはそれらの混合物を含む。一部の実施形態では、溶媒はDCMを含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、約80℃、約75℃、約70℃、約65℃、約60℃、約55℃、約50℃、約45℃、約40℃または約35℃などよりも高い温度(例えば、室温より高い温度)まで混合物を加熱するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、室温で行われる。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)の混合物から溶媒を除去するステップを含む。形態Iはまた、以下の実施例6に記載されている適切な方法を使用して調製することができることが理解される。
【0093】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iを調製する方法は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを調製する方法をさらに含み、この方法は、(1)tert-ブチルN-[(1R)-5-(N-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル]カルバメートをプロパン酸プロパノイルと反応させて、これによって、tert-ブチルN-[(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル]カルバメートを形成するステップ、(2)tert-ブチルN-[(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル]カルバメートをトリフルオロ酢酸(TFA)と反応させて、これによって、(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンを形成するステップ、および(3)(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンを1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸と反応させて、これによって、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを形成するステップを含む。
形態II
【0094】
一部の実施形態では、水中で(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iを摩砕するステップを含む、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIを調製する方法が提供される。一部の実施形態では、(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iと溶媒との混合物を形成するステップであって、溶媒が、アルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはプロパノール)を含むステップ、および(2)ステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIを調製する方法が提供される。一部の実施形態では、溶媒はエタノールを含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、高温、例えば約80℃、約75℃、約70℃、約65℃、約60℃、約55℃、約50℃、約45℃、約40℃または約35℃まで混合物を加熱するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、混合物を約60℃まで加熱するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(2)が行われる前に、貧溶媒が添加される。一部の実施形態では、貧溶媒は水である。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)が行われる温度より低い温度までステップ(1)の混合物を冷却するステップ、例えば、約20℃、約15℃、約10℃、約5℃、約0℃、約-5℃、約-10℃、約-15℃または約-20℃までステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む。形態IIはまた、以下の実施例6に記載されている適切な方法を使用して調製することができることが理解される。
形態Iおよび形態IIIの混合物
【0095】
一部の実施形態では、(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iと溶媒との混合物を形成するステップであって、溶媒が、エーテル(例えば、メチルt-ブチルエーテル、ジエチルエーテル、2-メチルテトラヒドロフランまたはジオキサン)もしくは非芳香族炭化水素(例えば、ヘキサン)、またはそれらの混合物を含む、ステップ、(2)ステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IとIIIとの混合物を調製する方法が提供される。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンもしくはジオキサン、またはその混合物を含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、高温、例えば約80℃、約75℃、約70℃、約65℃、約60℃、約55℃、約50℃、約45℃、約40℃または約35℃まで混合物を加熱するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、約60℃で行われる。一部の実施形態では、ステップ(2)が行われる前に、貧溶媒が添加される。一部の実施形態では、貧溶媒は水である。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)が行われる温度より低い温度までステップ(1)の混合物を冷却するステップ、例えば、約20℃、約15℃、約10℃、約5℃、約0℃、約-5℃、約-10℃、約-15℃または約-20℃までステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む。形態IとIIIの混合物はまた、以下の実施例6に記載されている適切な方法を使用して調製することができることが理解される。
形態IV
【0096】
一部の実施形態では、(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、溶媒が、ニトリル(例えば、アセトニトリル(ACN))もしくは水、またはそれらの混合物を含む、ステップ、および(2)ステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVを調製する方法が提供される。一部の実施形態では、溶媒は、ACNもしくは水、またはそれらの混合物を含む。一部の実施形態では、溶媒は、ACN、またはACNと水との混合物を含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、高温、例えば、約80℃、約75℃、約70℃、約65℃、約60℃、約55℃、約50℃、約45℃、約40℃または約35℃まで混合物または溶媒を加熱するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、混合物または溶媒を約80℃まで加熱するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)が行われる温度より低い温度までステップ(1)の混合物を冷却するステップ、例えば、約20℃、約15℃、約10℃、約5℃、約0℃、約-5℃、約-10℃、約-15℃または約-20℃までステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)の混合物を約20℃まで冷却するステップを含む。
【0097】
一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVを調製する方法は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドをさらに調製するステップを含み、このステップは、(1)1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸を(R)-1-アミノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボニトリル塩酸塩と反応させて、これにより、(R)-N-(5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル(metyl)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを形成するステップ;(2)(R)-N-(5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドをヒドロキシルアミンと反応させて、これにより、(R,Z)-N-(5-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを形成するステップ;および(3)R,Z)-N-(5-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドをプロピオン酸と反応させるステップを含む。
形態V
【0098】
一部の実施形態では、(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、溶媒が酢酸エステル(例えば、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチル)を含む、ステップ、および(2)ステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Vを調製する方法が提供される。一部の実施形態では、溶媒は酢酸エチルを含む。一部の実施形態では、ステップ(1)は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドおよび溶媒を室温で混合するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)が行われる温度より低い温度までステップ(1)の混合物を冷却するステップ、例えば、約15℃、約10℃、約5℃、約0℃、約-5℃、約-10℃、約-15℃または約-20℃までステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)の混合物を約5℃まで冷却するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、長針状形態で存在する多形を分離するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、溶媒が酢酸エチルを含む、ステップ、(2)ステップ(1)の混合物を約5℃まで冷却するステップ、および(3)長針状形態で存在する多形を分離するステップを含む。
形態VI
【0099】
一部の実施形態では、(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、溶媒が、ニトリル(例えば、アセトニトリル(ACN))および水を含む、ステップ、および(2)ステップ(1)の混合物を撹拌するステップを含む、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIを調製する方法が提供される。一部の実施形態では、溶媒は、ACNおよび水を含む。一部の実施形態では、ステップ1において調製された混合物は、飽和に近い溶液、飽和溶液またはスラリーである。一部の実施形態では、ステップ1において調製される混合物は、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの固体形態と溶媒とを一緒にするステップであって、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの固体形態が、形態I、形態IV、形態Vまたはそれらの任意の組合せ物を含有する、ステップを含む。一部の実施形態では、固体形態は、形態VIを、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの別の固体形態(例えば、形態I、IVまたはV)と組み合わせて含有する。一部の実施形態では、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの固体形態は、形態IVと形態VIとの組合せ物を含む。一部の実施形態では、ステップ(2)は、約0℃~約30℃の間、約0℃~約25℃の間、約0℃~約20℃の間、約0℃~約15℃の間、または約0℃~約10℃の間の温度で混合物を撹拌するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(2)は、ステップ(1)が行われる温度より低い温度までステップ(1)の混合物を冷却するステップ、例えば、約0℃~約20℃の間、約0℃~約15℃の間、または約0℃~約10℃の間までステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む。一部の実施形態では、ステップ(2)は、約20℃、約15℃、約12℃、約10℃、約8℃、約5℃、約2℃または約0℃の温度までステップ(1)の混合物を冷却するステップを含む。
使用方法
【0100】
本明細書において提供される多形形態および組成物は、個体または対象における疾患もしくは状態を処置または予防するために使用されてもよい。
【0101】
理論に拘泥するものではないが、提供される多形形態および組成物は、ミオシンを阻害することによって作用すると考えられる。この阻害は、潜在的に、アクチンフィラメントと相互作用する独立なミオシン頭部の数を減少させて、収縮量を低減する。心筋収縮の低減は、過剰収縮が問題となる心臓疾患の処置にとって重要となり得る。一部の実施形態では、個体または対象における心臓疾患を処置または防止する方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓疾患を処置または防止することを必要とする対象における心臓疾患を処置または防止する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓疾患を処置することを必要とする対象における心臓疾患を処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、確立または診断された心臓疾患を処置することを必要とする対象における確立または診断された心臓疾患を処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓疾患を防止することを必要とする対象における心臓疾患を防止する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0102】
また本明細書では、対象における心臓疾患を処置するための医薬の製造における、本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。一部の態様では、治療によってヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、本明細書に記載される通りの多形形態が提供される。本明細書において一部の実施形態では、治療によってヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、心臓疾患の処置または防止に使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、心臓疾患の処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、確立または診断された心臓疾患の処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において他の実施形態では、心臓疾患の防止に使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、HCMと関連する疾患または状態の処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態の処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、心臓疾患と関連する症候の寛解に使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において他の実施形態では、心臓疾患と関連する症候のリスクの低減に使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において他の実施形態では、小左心室内腔、内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、左心室から出る血流の閉塞、心肥大、心拍出量の減少、左心室の弛緩不全、高左心室充満圧、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態の処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書においてある特定の実施形態では、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態の処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、筋ジストロフィーの処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において一部の実施形態では、糖原病の処置において使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。本明細書において他の実施形態では、心臓サルコメアのモジュレート、例えば心臓サルコメアの阻害に使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。さらなる本明細書において他の実施形態では、心臓ミオシンの増強に使用するための、形態I、II、III、IV、VまたはVIなどの多形形態およびその組成物が提供される。
【0103】
一部の実施形態では、対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、対象は、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、またはヒトである。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。一部の実施形態では、対象は、確立または診断された心臓疾患を有する。一部の実施形態では、対象は、確立または診断された肥大型心筋症(HCM)を有する。一部の実施形態では、対象は、心臓疾患を発症するリスクがある。一部の実施形態では、対象は、心臓疾患のリスクを増大する変異を有する。一部の実施形態では、対象は、肥大型心筋症(HCM)のリスクを増大する変異を有する。一部の実施形態では、変異は、サルコメア変異である。一部の実施形態では、変異は、ミオシン重鎖β(MHC-β)、心筋トロポニンT(cTnT)、トロポミオシンアルファ-1鎖(TPM1)、ミオシン結合タンパク質C心臓型(MYBPC3)、心臓トロポニンI(cTnI)、ミオシン必須軽鎖(ELC)、タイチン(TTN)、ミオシン調節軽鎖2心室/心筋アイソフォーム(MLC-2)、心筋アルファアクチン、筋肉LIMタンパク質(MLP)、またはタンパク質キナーゼAMP活性化非触媒サブユニットガンマ2(PRKAG2)における変異である。一部の実施形態では、変異は、MHC-βにおける変異である。一部の実施形態では、対象は、確認されている遺伝的病因が存在しない、確立または診断された肥大型心筋症を有する。
【0104】
一部の実施形態では、対象は、進行性症状の高いリスクを有する。一部の実施形態では、対象は、心房細動、心室頻脈性不整脈、脳卒中、および/または急死の高いリスクを有する。一部の実施形態では、対象は、運動能力の低減を有する。一部の実施形態では、運動能力の低減は、同齢の対照集団と比較したものである。一部の実施形態では、対象は、心臓疾患を処置するための外科的介入または経皮的アブレーションに適格である。
【0105】
一部の実施形態では、心臓疾患は、肥大型心筋症(HCM)である。一部の実施形態では、心臓疾患は、閉塞性HCMである。一部の実施形態では、心臓疾患は、非閉塞性HCMである。一部の実施形態では、HCMは、サルコメア変異と関連する。一部の実施形態では、HCMは、非サルコメア変異と関連する。一部の実施形態では、心臓疾患は、サルコメアおよび/または非サルコメア変異によって引き起こされた閉塞性または非閉塞性HCMである。一部の実施形態では、サルコメア変異は、ミオシン重鎖β(MHC-β)、心筋トロポニンT(cTnT)、トロポミオシンアルファ-1鎖(TPM1)、ミオシン結合タンパク質C心臓型(MYBPC3)、心臓トロポニンI(cTnI)、ミオシン必須軽鎖(ELC)、タイチン(TTN)、ミオシン調節軽鎖2心室/心筋アイソフォーム(MLC-2)、心筋アルファアクチン、または筋肉LIMタンパク質(MLP)における変異である。一部の実施形態では、サルコメア変異は、MHC-βにおける変異である。一部の実施形態では、非サルコメア変異は、タンパク質キナーゼAMP活性化非触媒サブユニットガンマ2(PRKAG2)における変異である。
【0106】
本明細書において一部の実施形態では、HCMと関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、疾患または状態は、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、およびヌーナン症候群である。
【0107】
また本明細書では、HCMと関連する疾患または状態を処置するための医薬の製造における、本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。
【0108】
一部の実施形態では、心臓疾患は、駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)である。一部の実施形態では、心臓疾患は、拡張機能障害である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心筋症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、原発性または続発性拘束型心筋症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、冠動脈疾患によって引き起こされた状態または症状である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心筋梗塞または狭心症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、左心室流出路閉塞である。一部の実施形態では、心臓疾患は、高血圧性心臓疾患である。一部の実施形態では、心臓疾患は、先天性心臓疾患である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心虚血および/または冠状動脈性心臓疾患である。一部の実施形態では、心臓疾患は、糖尿病性心臓疾患である。他の実施形態では、心臓疾患は、うっ血性心不全である。一部の実施形態では、心臓疾患は、右心不全である。他の実施形態では、心臓疾患は、心腎症候群である。一部の実施形態では、心臓疾患は、浸潤性心筋症である。一部の実施形態では、心臓疾患は、心臓老化または加齢に起因する拡張機能障害であるか、またはそれに関係する状態である。一部の実施形態では、心臓疾患は、左心室肥大および/または求心性左心室リモデリングであるか、またはそれに関係する状態である。
【0109】
一部の実施形態では、個体または対象における続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、疾患は、高血圧、心臓弁膜症(大動脈弁狭窄、僧帽弁逆流)、メタボリック症候群(糖尿病、肥満)、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調、ダノン病、ヌーナン症候群、またはポンペ病である。
【0110】
また本明細書では、続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置するための医薬の製造における、本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。
【0111】
一部の実施形態では、対象における心臓疾患と関連する症候を寛解させる方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含み、症候が、心臓の弾力性の不良または低減、拡張期左心室弛緩の不良または低減、左心房圧異常(例えば、異常に高い左心房圧)、発作性または永久的心房細動、左心房および肺毛細血管楔入圧の増大、左心室拡張期圧の増大、失神、拡張期中の心室弛緩、心室線維症、左心室肥大、左心室腫瘤、左心室壁厚の増大、左心室中部内腔(mid-cavity)閉塞、僧帽弁の収縮期前方運動の増大、左心室流出路閉塞、胸痛、労作時呼吸困難、失神寸前状態、運動能力異常、ならびに疲労から選択される1つまたはそれより多くである、方法が提供される。
【0112】
一部の実施形態では、個体または対象における小左心室内腔、内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、左心室から出る血流の閉塞、心肥大、心拍出量の減少、左心室の弛緩不全、高左心室充満圧、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0113】
一部の実施形態では、個体または対象における小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0114】
また本明細書では、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置するための医薬の製造における、本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。
【0115】
一部の実施形態では、個体または対象における筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。また本明細書では、筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)を処置するための医薬の製造における、本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。
【0116】
一部の実施形態では、個体または対象における糖原病を処置する方法であって、それを必要とする個体または対象に、本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。また本明細書では、糖原病を処置するための医薬の製造における、本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。
【0117】
また、個体または対象における心臓サルコメアをモジュレートするための方法であって、それを必要とする個体または対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、心臓サルコメアを阻害する方法であって、心臓サルコメアを、本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば本明細書において提供される多形形態および組成物と接触させるステップを含む、方法が提供される。さらに本明細書では、個体または対象の心臓サルコメアの阻害のための医薬の製造における、本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。
【0118】
また、個体または対象における心臓ミオシンを増強するための方法であって、それを必要とする個体または対象に、治療有効量の本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば本明細書において提供される多形形態および組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。さらに本明細書では、個体または対象における心臓ミオシンの増強のための医薬の製造における、本明細書に記載される通りの少なくとも1つの化学実体、例えば本明細書において提供される多形形態および組成物の使用が提供される。
【0119】
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、処置の有効性をモニタリングするステップをさらに含む。指標の例として、限定されるものではないが、以下の、ニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類、運動能力、心臓の弾力性、拡張期左心室弛緩、左心房圧、発作性または永久的心房細動、左心房および肺毛細血管楔入圧、左心室拡張期圧、失神、拡張期中の心室弛緩、心室線維症、左心室肥大、左心室腫瘤、左心室壁厚、左心室中部内腔閉塞 僧帽弁の収縮期前方運動、左心室流出路閉塞、胸痛、労作時呼吸困難、失神寸前状態、運動能力異常、および疲労の1つまたはそれより多くの改善が挙げられる。これらの指標は、自己報告、歩行時ECGを含むECG、心エコー検査、心臓MRI、CT、生検、心肺運動負荷試験(CPET)、およびアクティグラフィーを含む、当技術分野で公知の技術によってモニタリングすることができる。
【0120】
一部の実施形態では、本明細書に記載される多形形態およびその組成物は、心筋細胞の収縮性を低減する。一部の実施形態では、多形形態およびその組成物は、心筋細胞の収縮性を、40%超、例えば45%超、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超低減する。一部の実施形態では、多形形態およびその組成物は、心筋細胞の収縮性を、40%~90%、例えば40%~80%、40~70%、50%~90%、50%~80%または50%~70%低減する。一部の実施形態では、多形形態およびその組成物は、心筋細胞におけるカルシウムトランジェントを著しく変えない。一部の実施形態では、多形形態およびその組成物は、心筋細胞におけるATPアーゼ活性を低減する。収縮性、ATPアーゼ活性、およびカルシウムトランジェントを測定する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、カルシウム標識化、電気生理学的記録、および顕微鏡的イメージングによるものである。一部の実施形態では、多形形態およびその組成物は、チトクロムP450(CYP)タンパク質を、著しく阻害も誘導もしない。
【0121】
一部の実施形態では、対象は、処置前に、正常よりも厚い左心室壁を有する。一部の実施形態では、対象は、処置前に、15mm超、例えば18mm超、20mm超、22mm超、25mm超、または30mm超の左心室壁厚を有する。一部の実施形態では、左心室壁厚は、処置後に、5%超、例えば8%超、10%超、12%超、15%超、20%超、または30%超低減される。左心室壁厚は、当技術分野で公知の方法によって、例えば心エコー検査、CTスキャン、または心臓MRIによって測定することができる。
【0122】
一部の実施形態では、対象は、処置前に、異常心臓線維症を有する。一部の実施形態では、異常心臓線維症は、処置後に、5%超、例えば8%超、10%超、12%超、15%超、20%超、または30%超低減される。心臓線維症は、当技術分野で公知の方法によって、例えば生検または心臓MRIによって測定することができる。
【0123】
一部の実施形態では、対象は、処置前に、運動能力の低減を有する。一部の実施形態では、対象の運動能力は、処置後に、5%超、例えば8%超、10%超、12%超、15%超、20%超、または30%超増大する。一部の実施形態では、運動能力は、心肺運動負荷試験(CPET)によって測定される。CPETは、酸素消費の変化(VO最大値)を測定する。CPETおよびVO最大値を測定する方法は、当技術分野で周知である(Malhotra et al., JACC:Heart Failure, 2016, 4(8):607-616、Guazzi et al., J Amer College Cardiol, 2017, 70 (13):1618-1636、Rowin et al., JACC:Cariovasc Imaging, 2017, 10(11):1374-1386)。一部の実施形態では、VO最大値は、処置後に、1mL/kg/m超、例えば1.2mL/kg/m超、1.4mL/kg/m超、1.5mL/kg/m超、1.7mL/kg/m超、2mL/kg/m超、2.2mL/kg/m超、2.5mL/kg/m超、3mL/kg/m超、3.2mL/kg/m超、または3.5mL/kg/m超改善される。
【0124】
一部の実施形態では、対象は、処置前に、II、III、またはIVのニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類を有する。一部の実施形態では、対象は、処置前に、IIIまたはIVのニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類を有する。一部の実施形態では、対象は、処置前に、IVのニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類を有する。一部の実施形態では、対象は、処置後に、同じNYHA機能分類を維持するか、またはNYHA機能分類が低減する。
【0125】
一部の実施形態では、VO最大値は、処置後に、1mL/kg/m超、例えば1.2mL/kg/m超、1.4mL/kg/m超、1.5mL/kg/m超、1.7mL/kg/m超、または2mL/kg/m超改善され、対象は、NYHA機能分類が低減する。一部の実施形態では、VO最大値は、処置後に、2.5mL/kg/m超、3mL/kg/m超、3.2mL/kg/m超、または3.5mL/kg/m超改善され、対象は、同じNYHA機能分類を維持するか、またはNYHA機能分類が低減する。
【0126】
一部の実施形態では、対象の毎日の機能および/または活性レベルは、処置後に改善される。毎日の機能および/または活性レベルの改善は、例えば、ジャーナル処理またはアクティグラフィー、例えばFITBIT(登録商標)またはFITBIT(登録商標)様モニターによって測定することができる。
【0127】
一部の実施形態では、対象は、処置後に、息切れの低減、胸痛の低減、不整脈の負荷、例えば心房細動および心室不整脈の低減、心不全の発生率の低減、ならびに心室流出路閉塞の低減の1つまたはそれより多くを有する。
投薬量
【0128】
本明細書に開示および/または記載される多形形態および組成物は、治療的に有効な投薬量、例えば病状のために処置を提供するのに十分な投薬量で投与される。ヒト投薬量レベルは、本明細書に記載される化学実体についてまだ最適化されていないが、一般に1日用量は、約0.01~100mg/kg(体重)、一部の実施形態では、約0.05~10.0mg/kg(体重)、一部の実施形態では、約0.10~1.4mg/kg(体重)の範囲である。したがって、70kgのヒトへの投与では、一部の実施形態では、投薬量範囲は、1日当たり約0.7~7000mg、一部の実施形態では、1日当たり約3.5~700.0mg、一部の実施形態では、1日当たり約7~100.0mgになるはずである。投与される化学実体の量は、例えば、処置される対象および病状、苦痛の重症度、投与の方式およびスケジュール、ならびに担当医の判断に依存して決まることになる。例えば、経口投与のための例示的な投薬量範囲は、1日当たり約5mg~約500mgであり、例示的な静脈内投与の投薬量は、1日当たり約5mg~約500mgであり、それぞれ、薬物動態に応じる。
【0129】
1日用量は、1日に投与される総量である。1日用量は、限定されるものではないが、毎日、2日ごと、各週、2週ごと、毎月、または多様な間隔で投与することができる。一部の実施形態では、1日用量は、1日から対象の生涯にわたる期間投与される。一部の実施形態では、1日用量は、1日1回投与される。一部の実施形態では、1日用量は、複数の分割用量で、例えば2回、3回、または4回の分割用量で投与される。一部の実施形態では、1日用量は、2回の分割用量で投与される。
【0130】
本明細書に記載される多形形態および組成物の投与は、限定されるものではないが、経口、舌下、皮下、非経口、静脈内、鼻腔内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸、または眼内投与を含む、治療剤のための任意の許容される投与方法によって行うことができる。一部の実施形態では、多形形態または組成物は、経口または静脈内投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示および/または記載される多形形態または組成物は、経口投与される。
【0131】
薬学的に許容される組成物には、固体、半固体、液体およびエアロゾル剤形、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁液剤、坐剤、およびエアロゾル形態が含まれる。本明細書に開示および/または記載される多形形態はまた、持続放出もしくは制御放出剤形(例えば、制御/持続放出丸剤、デポー注射、浸透圧ポンプ、または経皮(エレクトロトランスポートを含む)パッチ形態)で長期間投与することができ、および/または所定の速度でパルス投与することができる。一部の実施形態では、組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位剤形で提供される。
【0132】
本明細書に記載される多形形態は、単独で、または1つもしくはそれより多くの従来の医薬担体もしくは賦形剤(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウム)と組み合わせて投与することができる。所望に応じて、医薬組成物は、少量の非毒性の補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤等(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミン)を含有することもできる。一般に、医薬組成物は、企図された投与方法に応じて、約0.005重量%~95重量%、または約0.5重量%~50重量%の本明細書に開示および/または記載される化合物を含有する。このような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であるか、または明らかとなり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaを参照されたい。
【0133】
一部の実施形態では、組成物は、丸剤または錠剤の形態をとり、したがって組成物は、本明細書に開示および/または記載される多形形態と共に、希釈剤(例えば、ラクトース、スクロース、リン酸二カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、および/または結合剤(例えば、デンプン、アカシアガム、ポリビニルピロリジン(polyvinylpyrrolidine)、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体)の1つまたはそれより多くを含有することができる。他の固体剤形には、ゼラチンカプセル剤にカプセル化された、散剤、顆粒剤(marume)、溶液剤または懸濁液剤(例えば、炭酸プロピレン、植物油またはトリグリセリド中)が含まれる。
【0134】
薬学的に投与できる液体組成物は、例えば、本明細書に開示および/または記載される多形形態、ならびに必要に応じた薬学的な添加剤を、担体(例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、グリセロール、グリコール、エタノール等)に溶解、分散または懸濁させるなどして、溶液または懸濁液を形成することによって調製することができる。注射剤は、液体溶液もしくは懸濁液として、エマルジョンとして、または注射前に液体に溶解もしくは懸濁させるのに適した固体形態のいずれかの従来の形態で、調製することができる。このような非経口組成物に含有されている多形形態のパーセンテージは、例えば、多形形態の物理的性質、多形形態の活性および対象の必要性に応じて決まる。しかし、溶液中0.01%~10%の活性成分のパーセンテージを用いることが可能であり、組成物が、後に別の濃度に希釈されることになっている固体である場合には、より高くてもよい。一部の実施形態では、組成物は、溶液中、約0.2~2%の本明細書に開示および/または記載される多形形態を含む。
【0135】
本明細書に記載される多形形態および組成物の医薬組成物はまた、ネブライザーのためのエアロゾルもしくは溶液として、または吹送法のための微細粉末として、単独で、またはラクトースなどの不活性担体と組み合わせて呼吸器に投与することができる。このような場合、医薬組成物の粒子は、50ミクロン未満、または一部の実施形態では、10ミクロン未満の直径を有することができる。
【0136】
さらに、医薬組成物は、本明細書に開示および/または記載される多形形態、ならびに1つまたはそれより多くのさらなる薬品、医薬品、アジュバント等を含むことができる。適切な薬品および医薬品には、本明細書に記載されるものが含まれる。
キット
【0137】
また、本明細書で提供される多形形態または組成物のいずれかを含む製造品およびキットが提供される。製造品は、ラベル付きの容器を含むことができる。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、および試験管が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成することができる。容器は、本明細書で提供される医薬組成物を保持することができる。容器上のラベルは、医薬組成物が、本明細書に記載される状態を防止、処置または抑制するために使用されることを示すことができ、in vivoまたはin vitroのいずれかで使用するための指示を示すこともできる。
【0138】
一態様では、本明細書で記載される多形形態または組成物、および使用するための使用説明書を含むキットが本明細書で提供される。キットは、心臓疾患の処置を必要とする個体または対象における心臓疾患の処置において使用するための使用説明書を含むことができる。キットはさらに、多形形態または組成物の投与において使用することができる任意の材料または装置、例えばバイアル、シリンジ、またはIVバッグを含むことができる。キットは、無菌パッケージングを含むこともできる。
組合せ物
【0139】
本明細書に記載される多形形態および組成物は、単独で、または前述の障害、疾患もしくは状態の処置において有用な他の治療薬および/もしくは治療剤と組み合わせて投与することができる。
【0140】
本明細書に記載される多形形態および組成物は、心臓疾患、例えばHCMまたはHFpEFを処置するための他の1つまたはそれより多くの治療薬と組み合わせることができる。一部の実施形態では、1つまたはそれより多くの治療薬には、心臓の神経ホルモン刺激を下方調節することによって心不全の進行を遅延させ、心臓リモデリングを防止することを試みる治療薬(例えば、ACE阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)、β-遮断薬、アルドステロン受容体アンタゴニスト、または神経エンドペプチダーゼ阻害剤)が含まれる。一部の実施形態では、1つまたはそれより多くの治療薬には、心臓収縮性を刺激することによって心臓機能を改善する治療薬(例えば、陽性変力剤、例えば、β-アドレナリンアゴニストであるドブタミンまたはホスホジエステラーゼ阻害剤であるミルリノン)が含まれる。他の実施形態では、1つまたはそれより多くの治療薬には、心臓前負荷を低減する治療薬(例えば、利尿剤、例えばフロセミド)または後負荷を低減する治療薬(それに限定されるものではないが、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、レニン阻害剤、または平滑筋ミオシンモジュレーターを含む任意のクラスの血管拡張薬)が含まれる。
【0141】
本明細書に記載される多形形態および組成物は、HCMまたはHFpEFを処置するための他の1つまたはそれより多くの治療薬と組み合わせることができる。一部の実施形態では、多形形態および/組成物は、β-遮断薬、ベラパミル、および/またはジソピラミドと組み合わせることができる。
【0142】
一部の例示的な実施形態が以下に提供される。
1. (R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形。
2. 3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、14.4±0.2および22.4±0.2度の2シータ角度にXRPDパターンのピークを有することを特徴とする、実施形態1に記載の多形。
3. 3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、18.6±0.2、22.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2および26.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1または2に記載の多形。
4. 図1Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1~3のいずれか一項に記載の多形。
5. 図1Bに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、実施形態1~4のいずれか一項に記載の多形。
6. DSCによって決定すると、約199℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、実施形態1~5のいずれか一項に記載の多形。
7. 図1Bに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、実施形態1~6のいずれか一項に記載の多形。
8. 図1Cに実質的に示されているDVSのグラフを有することを特徴とする、実施形態1~7のいずれか一項に記載の多形。
9. 3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2および20.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1に記載の多形。
10. 3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、22.3±0.2および23.3±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1または9に記載の多形。
11. 図2Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1、9および10のいずれか一項に記載の多形。
12. 図2Bに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、実施形態1および9~11のいずれか一項に記載の多形。
13. DSCによって決定すると、約199℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、実施形態9~12のいずれか一項に記載の多形。
14. 図2Bに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、実施形態1および9~13のいずれか一項に記載の多形。
15. 9.6±0.2、10.9±0.2、15.8±0.2および18.1±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1に記載の多形。
16. 11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1に記載の多形。
17. 3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1または16に記載の多形。
18. 図4Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1、16および17のいずれか一項に記載の多形。
19. 図4Bに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、実施形態1および16~18のいずれか一項に記載の多形。
20. DSCによって決定すると、約200℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、実施形態1および16~19のいずれか一項に記載の多形。
21. 図4Bに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、実施形態1および16~20のいずれか一項に記載の多形。
22. 11.5±0.2、16.3±0.2、20.0±0.2、21.2±0.2および24.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1に記載の多形。
23. 11.5±0.2、16.3±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、21.2±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2および26.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1または22に記載の多形。
24. 5.7±0.2、8.3±0.2、11.5±0.2、16.3±0.2、17.2±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2、26.7±0.2、28.1±0.2、29.2±0.2、29.7±0.2、29.9±0.2および31.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1、22および23のいずれか一項に記載の多形。
25. 図5に実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1および22~24のいずれか一項に記載の多形。
26. 10.6±0.2、12.1±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1に記載の多形。
27. 5.4±0.2、5.9±0.2、8.1±0.2、9.6±0.2、10.6±0.2、12.1±0.2、14.0±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1または26に記載の多形。
28. 図6Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、実施形態1、26および27のいずれか一項に記載の多形。
29. 図6Bまたは図6Cに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、実施形態1および26~28のいずれか一項に記載の多形。
30. DSCによって決定すると、約200℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、実施形態1および26~29のいずれか一項に記載の多形。
31. 図6Dまたは図6Eに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、実施形態1および26~30のいずれか一項に記載の多形。
32. (1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ、またはステップ(1)の前記混合物から前記溶媒を除去するステップ
を含む、実施形態2~8のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
33. 前記溶媒がジクロロメタン(DCM)を含む、実施形態32に記載の方法。
34. ステップ(2)が、前記溶媒を除去するステップを含む、実施形態32または33に記載の方法。
35. 水中で形態Iを摩砕するステップを含む、実施形態9~14のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
36. (1)形態Iとエタノールとの混合物を形成するステップ、および
(2)前記ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含む、実施形態9~14のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
37. ステップ(1)が、前記混合物を約60℃まで加熱するステップを含む、実施形態36に記載の方法。
38. ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約-5℃、約-10℃、約-15℃または約-20℃まで冷却するステップを含む、実施形態36または37に記載の方法。
39. (1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒が、アセトニトリル(ACN)、またはACNと水との混合物を含む、ステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含む、実施形態16~21のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
40. ステップ(1)が、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと前記溶媒との混合物を約80℃に加熱するステップを含む、実施形態39に記載の方法。
41. ステップ(2)が、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと前記溶媒との前記混合物を約20℃まで冷却するステップを含む、実施形態39または40に記載の方法。
42. (1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒が酢酸エステルを含むステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含む、実施形態22~25のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
43. 前記溶媒が酢酸エチルを含む、実施形態42に記載の方法。
44. ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約5℃まで冷却するステップを含む、実施形態42または43に記載の方法。
45. 長針状形態で存在する前記多形を分離するステップをさらに含む、実施形態42~44のいずれか一項に記載の方法。
46. (1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒がニトリルおよび水を含む、ステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を撹拌するステップ
を含む、実施形態26~31のいずれか1つに記載の多形を調製する方法。
47. 前記溶媒がアセトニトリルを含む、実施形態46の方法。
48. ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約0℃~約10℃の間まで冷却するステップを含む、実施形態46または47に記載の方法。
49. 実施形態1~31のいずれか一項に記載の多形、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
50. 心臓疾患を処置することを必要とする対象の心臓疾患を処置する方法であって、実施形態1~31のいずれか一項に記載の多形、または実施形態49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
51. 前記心臓疾患が、肥大型心筋症(HCM)である、実施形態50に記載の方法。
52. 前記HCMが、閉塞性もしくは非閉塞性であるか、またはサルコメアおよび/もしくは非サルコメア変異と関連する、実施形態51に記載の方法。
53. 前記心臓疾患が、駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)である、実施形態50に記載の方法。
54. 前記心臓疾患が、拡張機能障害、原発性または続発性拘束型心筋症、心筋梗塞および狭心症、左心室流出路閉塞、高血圧性心臓疾患、先天性心臓疾患、心虚血、冠状動脈性心臓疾患、糖尿病性心臓疾患、うっ血性心不全、右心不全、心腎症候群、ならびに浸潤性心筋症からなる群から選択される、実施形態50に記載の方法。
55. 前記心臓疾患が、心臓老化、加齢に起因する拡張機能障害、左心室肥大および求心性左心室リモデリングからなる群から選択される1つまたはそれより多くの状態であるか、またはそれに関係する、実施形態50に記載の方法。
56. HCMと関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、肥大型心筋症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、実施形態1~31のいずれか一項に記載の多形、または実施形態49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
57. 前記疾患または状態が、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、およびヌーナン症候群からなる群から選択される、実施形態56に記載の方法。
58. 続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置する方法であって、実施形態1~31のいずれか一項に記載の多形、または実施形態49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
59. 前記疾患または状態が、高血圧、心臓弁膜症、メタボリック症候群、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調、ダノン病、ヌーナン症候群、およびポンペ病からなる群から選択される、実施形態58に記載の方法。
60. 小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、実施形態1~31のいずれか一項に記載の多形、または実施形態49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
61. 筋ジストロフィーおよび糖原病から選択される疾患または状態を処置することを必要とする対象における、筋ジストロフィーおよび糖原病から選択される疾患または状態を処置する方法であって、実施形態1~31のいずれか一項に記載の多形、または実施形態49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
62. 心臓サルコメアを阻害する方法であって、前記心臓サルコメアを、実施形態1~31のいずれか一項に記載の多形、または実施形態49に記載の医薬組成物と接触させるステップを含む、方法。
【実施例
【0143】
以下の実施例は、本出願に開示されている実施形態を理解する際のさらなる手助けとなるよう提示されており、本実施例に関する当業者に周知の従来の方法を理解していることを前提とする。これ以降に記載されている具体的な物質および条件は、本明細書において開示されている実施形態の特定の態様を例示することを意図するものであり、その妥当な範囲を限定すると解釈するべきではない。
【0144】
本明細書において以下の略語が使用され得る:
【表1A】
【0145】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態は、以下に記載されている手順を使用して、XRPD、DSCおよびTGAを含む、様々な分析技法によって特徴付けた。
XRPD
【0146】
Rigaku Smart-Lab X線回折システムは、線源X線ビームを使用して、反射Bragg-Brentano幾何学向けに構成されたものであった。X線源は、40kVおよび44maで操作された、Cuの長い微小焦点管である。その線源は、試料において、高角度での幅の狭い線から低角度での幅の広い長方形へと変化する入射ビームプロファイルを与える。ビーム調整スリットをX線源の線上に使用し、この線に沿って、およびこの線に垂直方向の両者において、最大ビームサイズが確実に10mm未満となるようにした。Bragg-Brentano幾何学は、光学に対する収束構成要素として働く、試料自体と一緒になった受動発散スリットおよび受光スリットによって制御される並行集中型幾何学である。Bragg-Brentano幾何学の固有の解像度は、使用される回折計の半径および受光スリットの幅によって一部が決まる。Rigaku Smart-Labは、通常、2θが0.1°またはそれ未満のピーク幅を与えるように動作する。X線ビームの軸方向発散は、入射ビーム経路と回折ビーム経路の両方における5.0度のソラースリットによって制御される。
【0147】
粉末試料は、試料表面を平らに、および試料ホルダーの基準面と一致するレベルに保つために、軽い手動圧力を使用して、低バックグラウンドSiホルダー中に用意した。各試料は、2θが0.02°となる有効刻み幅で2θを毎分6°の連続スキャンを使用して、2θを2~40°まで分析した。
DSC
【0148】
DSC分析は、TA Instruments Q2000機器を使用して行った。機器温度較正は、インジウムを使用して行った。DSCセルは、各分析の間、毎分約50mLの窒素パージ下に維持した。試料を標準的なひだ付きアルミニウム製パンに入れて、毎分10℃の速度で、25℃から350℃まで加熱した。
TGA
【0149】
TGAは、TA Instruments Q50機器を使用して行った。この機器の天秤は、クラスMの重量を使用して較正し、温度較正は、アルメルを使用して行った。窒素パージは、天秤では、毎分約40mLとし、炉では、毎分約60mLとした。予め風袋測定した白金製パンに各試料を入れて、毎分10℃の速度で、20℃から350℃まで加熱した。
DVS
【0150】
DVS分析は、TA Instruments Q5000動的水蒸気吸着分析器で行った。この機器は、湿度に関して、標準重量および臭化ナトリウム標準品を用いて較正した。試料は、25℃において、60分間の最大平衡時間で、10%の相対湿度(RH)の刻みで、RH5%から95%まで(吸着サイクル)およびRH95%から5%まで(脱着サイクル)分析した。
(実施例1)
形態Iの調製
【0151】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iは、以下に提示されているスキームに従って調製した。
【化2】
【0152】
工程1:tert-ブチルN-[(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル]カルバメートの調製:tert-ブチルN-[(1R)-5-(N-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル]カルバメート(16g、54.9mmol、1.0当量)のジオキサン(300mL)溶液に、プロパン酸プロパノイル(8.4g、64.5mmol、1.2当量)を加えた。この混合物を105℃で8時間、撹拌し、室温まで冷却して減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE、1/9)によって精製すると、17.5g(97%)のtert-ブチルN-[(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル]カルバメートが白色固体として得られた。
【0153】
工程2:(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンの調製:tert-ブチルN-[(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル]カルバメート(17.6g、53.4mmol、1.0当量)のDCM(120mL)溶液に、TFA(24mL)を加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌し、減圧下で濃縮した。次に、この混合物をエタノール(50mL)および水(5mL)に注ぎ入れて、pHを水酸化ナトリウム溶液(2N)により12に調節した。次に、この混合物をジクロロメタン(200mL)により3回、抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮すると、11.2gの(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンが褐色油状物として得られた。
工程3:(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iの調製。DMF(540mL)中の1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(27.1g、214.55mmol、1.05当量)およびEDCI(58.8g、306.50mmol、1.5当量)の撹拌溶液に、室温でHOAt(41.7g、306.50mmol、1.5当量)およびDIPEA(105.6g、817.34mmol、4当量)を加えた。この混合物を室温で5分間、撹拌し、次に、(1R)-5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン塩酸塩(54.3g、204.34mmol、1当量)を加えた。得られた混合物を室温でさらに2時間、撹拌した。この反応物を室温で水/氷に注ぎ入れた。析出した固体を濾過によって採集し、水(1000mL)により3回、洗浄した。固体をDCM(1500mL)に溶解した。有機相をNHCl(500mL、飽和水溶液)で3回、およびブライン(500mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られ、これをEtOAc/n-ヘキサン=1/2(600mL)で摩砕することによって精製し、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(62.0704g、89.14%)の形態Iが濁った白色の固体として得られた。LRMS (ES) m/z 338 [M+H]. 1H NMR: (DMSO, 300MHz, ppm): δ 8.41 (1H, d, J=8.4 Hz), 8.16 (1H, s), 7.91-7.79 (3H, m), 7.34 (1H, d, J=7.9 Hz), 5.53 (1H, q, J=8.3 Hz), 3.84 (3H, s), 3.13-2.81 (4H, m), 2.44 (1H, dd, J=7.9, 4.7 Hz), 1.95 (1H, m), 1.33 (3H, t, J=7.5 Hz).
【0154】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IをXRPD、DSC、TGAおよびDVSによって分析した。図1Aは、形態IのXRPDパターンを示す。図1Bは、形態IのDSCおよびTGAのグラフを示す。DSCのグラフに示される通り、約199℃で吸熱の開始が観察された。TGAのグラフに示される通り、200℃未満で0.2%の重量減少が観察された。図1Cは、形態IのDVSのグラフを示す。図1Cに示される通り、DVSによって決定すると、5~90%の相対湿度(RH)範囲にわたり、0.60%w/wの水分の取込みが観察された。
(実施例2)
形態IIの調製
【0155】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIは、以下に提示されている方法に従って調製した。
方法1
【0156】
ステンレス鋼製ボールを備えるPEEK製摩砕用カップに18.2mgの(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iを入れて、10μLの水を加えた。この摩砕用カップを100%の出力で20分間、Retschミルに入れた。スパチュラを用いて摩砕用カップから固体を擦り出し、XRPDによって分析した。この固体は形態IIと決定した。
方法2
【0157】
20mLのガラス製バイアルに19.5mgの(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iを入れて、磁気撹拌しながら60℃のプレート上で加熱した。この固体が溶解するまで、ガラス製バイアルにエタノールを加えた(4mLのエタノールを加えた)。次に、このバイアルをプレートから取り出し、16mLの冷水(冷蔵庫中で冷却した)を加えた。次に、このバイアルを4日間、冷蔵庫に入れた。4日後にバイアルを遠心分離にかけて、液体をデカンテーションし、得られた固体を空気乾燥して、XRPDによって分析した。この固体は形態IIと決定した。
【0158】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IIを、XRPD、DSCおよびTGAによって分析した。図2Aは、形態IIのXRPDパターンを示す。図2Bは、形態IIのDSCおよびTGAのグラフを示す。DSCのグラフに示される通り、約199℃に吸熱の開始が観察された。TGAのグラフに示される通り、開始から200℃までに約0.18%の重量減少が観察された。
(実施例3)
形態Iと形態IIIとの混合物の調製
【0159】
1ドラムのガラス製バイアル中に、19.1mgの(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iをヘキサン1mL中で懸濁させた。60℃のホットプレート上で磁気撹拌しながら、固体が溶解するまで、ジオキサンをゆっくりと加えた(2.2mLのジオキサンを加えた)。次に、加熱をオフにしてこのバイアルに栓をした。このバイアルを2日間、冷凍庫(約-15℃)に置いた。2日後、次に、このバイアルを4日間、冷蔵庫に置いた。4日後に、このバイアルを遠心分離にかけて、液体をデカンテーションし、得られた固体を空気乾燥して、XRPDによって分析し、形態IとIIIとの混合物であると決定した。
【0160】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IとIIIとの混合物をXRPD、DSCおよびTGAによって分析した。図3Aは、形態IとIIIとの混合物のXRPDパターンを示す。図2Bは、形態IとIIIとの混合物のDSCおよびTGAのグラフを示す。DSCのグラフに示される通り、約107℃で発熱の開始および約196℃で吸熱の開始が観察された。TGAのグラフに示される通り、開始から125℃までに約18.89%の重量減少が観察された。
(実施例4)
形態IVの調製
【0161】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVは、以下に提示されているスキームに従って調製した。
【化3】
【0162】
工程1:(R)-N-(5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの調製。2-MeTHF(71.6g、83.3mL、7.93体積量)中の1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(10.5g、0.0833mol、1.00当量)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.054g、0.057mL、0.00074mol、0.0089当量)の混合物を20±5℃で撹拌した。塩化オキサリル(9.98g、0.0786mol、0.945当量)の溶液を少なくとも45分間にわたり添加し、出発原料である1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸の≦15%しか残留しなくなるまで、30±5℃で反応させた。この混合物を20±5℃まで冷却した(容器1)。2-MeTHF(66.1mL、(R)-1-アミノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボニトリル塩酸塩に対して4.3体積量)中の(R)-1-アミノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボニトリル塩酸塩(15.4g、0.0791mol、0.95当量)の混合物を20±5℃で、4N水酸化ナトリウム溶液(79mL、0.316mol、3.8当量)で処理した。得られた混合物を、20±5℃で少なくとも30分間、撹拌した(容器2)。この反応混合物に、温度<30℃を維持しながら、新しく調製した1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸クロリドの溶液を加えた。添加を完了した後、中間体の(R)-1-アミノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルボニトリル塩酸塩の≦5%しか残留しなくなるまで、この混合物を20±5℃で反応させた。次に、この混合物を濾過した。得られたフィルターケーキを、濾液のpHが8.5±1.5になるまで、2-MeTHF(25mL)、次いで水で洗浄した。次に、この固体を乾燥して単離した。18.9g(89.6%)の(R)-N-(5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドが、明灰色固体として得られた。
【0163】
工程2:(R,Z)-N-(5-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの調製。(R)-N-(5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(15.0g、0.0563mol、1.00当量)のNMP(77.3g、75.1mL、5.0体積量)溶液を5±5℃まで冷却し、温度を≦15℃に維持しながら、ヒドロキシルアミン水溶液(水中の50%、11.2g、0.169mol、3.00当量)をゆっくりと加えた。≦2%の(R)-N-(5-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドしか残留しなくなるまで、得られた混合物を少なくとも16時間、20±5℃で撹拌した。反応混合物を65±5℃に加熱し、温度を≧50℃に維持しながら、酢酸イソプロピル(150mL、10体積量)で処理した。得られた混合物を20±5℃までゆっくりと冷却し、少なくとも2時間、撹拌した。次に、この混合物を15±5℃まで冷却し、少なくとも1時間、撹拌した。固体生成物を濾過により採集した。湿潤フィルターケーキを酢酸イソプロピル(2×70mL)で洗浄し、固体を乾燥した。次に、物質をパッケージした。14.62g(86.7%)の(R,Z)-N-(5-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを濁った白色の固体として得た。
【0164】
工程3:(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVの調製。H NMRによって決定すると、20%以下の未反応プロピオン酸しか残留しなくなるまで、アセトニトリル(105.1g、133.7mL)中でプロピオン酸(4.25g、0.057mol、1.10当量)および1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(8.87g、0.0547mol、1.05当量)の混合物を20±5℃で撹拌した。活性化されたプロピオン酸溶液を、アセトニトリル(45.0g、57.3mL)中の(R,Z)-N-(5-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(15.6g、0.0521mol、1.00当量)に移した。この反応混合物の温度を50±5℃に調節し、残留する(R,Z)-N-(5-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドが≦2%になるまで、この混合物を50±5℃で撹拌した。反応の完了を確認すると、この反応混合物に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)(15.87g、0.104mol、2.00当量)を加えた。混合物の温度を70±5℃に調節し、残留する非環化中間体が2%以下になるまで、この混合物を70±5℃で撹拌した。反応の完了を確認した後、この反応混合物を水(48mL)でクエンチした。回分温度を55±5℃に調節し、この溶液を研磨濾過した。得られた濾液を約10体積量まで濃縮した。この混合物を80±5℃に調節し、温度を≧70℃に維持しながら、少なくとも1時間にわたり水(310mL)をゆっくりと投入した。この混合物を80±5℃に調節し、得られたスラリーを少なくとも2時間、80±5℃で撹拌した。この混合物を少なくとも4時間にわたり、20±5℃までゆっくりと冷却し、少なくとも2時間、20±5℃で撹拌した。この混合物を濾過した。得られたフィルターケーキを水(3×120mL)により洗浄し、LOD≦1%に到達するまで、真空オーブン中で乾燥した。次に、物質をパッケージした。合計が16.32gの(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVが、92.8%の収率で濁った白色の固体として得られた。
【0165】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態IVを、XRPD、DSCおよびTGAによって分析した。図4Aは、形態IVのXRPDパターンを示す。図4Bは、形態IVのDSCおよびTGAのグラフを示す。DSCのグラフに示される通り、約200℃で吸熱の開始が観察された。TGAのグラフに示される通り、開始から200℃までに約0.003%の重量減少が観察された。
(実施例5)
形態Vの調製
【0166】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Vは、以下に提示されている方法に従って調製した。
【0167】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを室温で酢酸エチルと混合した。この混合物を5℃まで冷却した。2つのタイプの多形形態が生成した。繊維様微細ニードル形態で存在するタイプのものを分離し、XRPDによって多形形態IVであることを確認した。長針状形態で存在するタイプのものを分離し、XRPDによって多形形態Vであることを確認した。図5は、形態Vの実験によるおよびモデル化XRPDパターンを示している。
(実施例6)
形態VIの調製
【0168】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIは、以下に提示されている方法に従って調製した。
方法1
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(形態VI)(500mg)に、60:40のアセトニトリル:水(8mL)を加え、周囲温度で48時間、撹拌子を使用して撹拌した。固体を吸引濾過によって単離し、XRPD、DSCおよびTGAによって分析した。
【0169】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態VIを、XRPD、DSCおよびTGAによって分析した。図6Aは、形態VIの実験によるXRPDパターンを示す。図6Bおよび6Dは、オーブン乾燥(24時間、25℃)後に測定した、それぞれ、形態VIのTGAおよびDSCのグラフを示す。図6BのTGAのグラフに示される通り、25~65℃の間に約2.185%の重量減少が観察された。図6DのDSCのグラフに示される通り、約41℃に幅広い吸熱の開始、約115℃に小さな発熱の開始、および200℃に鋭い吸熱の開始が観察された。
【0170】
図6Cおよび6Eは、オーブン乾燥および加熱(25℃で24時間のオーブン乾燥;150℃での加熱)後に測定した、それぞれ、形態VIのTGAおよびDSCのグラフを示す。図6CのTGAのグラフに示される通り、200℃まで無視できる程度の減少が観察された。図6EのDSCのグラフに示される通り、200℃に鋭い吸熱の開始が観察された。
方法2
【0171】
水(1mL)中の10~90%アセトニトリル中で、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(形態I、IVまたはV)(30mg)の固体を用いてスラリーを調製し、次に、このスラリーを2~8℃で24時間、撹拌子を用いて撹拌した。固体を吸引濾過によって単離し、XRPDによって多形形態VIであると特定した。
(実施例7)
多形スクリーニング
【0172】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形形態Iを様々な条件下で様々な溶媒と混合した。生成した試料をXRPDによって分析した。結果が、以下の表6に提示されている。
【表6-3】
【表6-4】
(実施例8)
形態Iと形態IVとの間の競合的スラリー実験
【0173】
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの形態IおよびIVの前に、競合的スラリー実験を行い、ある温度範囲(2~60℃)にわたる最も安定な形態を決定した。形態IVが、試験した全温度範囲にわたり、形態Iよりも安定であることが判明した。競合的スラリー実験の結果が、以下の表7に提示されている。
【表7】
(実施例9)
筋原線維アッセイ
【0174】
未変性サルコメアの状況において、全長心臓ミオシンのATPアーゼ活性に対する(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの効果を評価するために、除膜筋原線維アッセイを実施した。トリトンX-100などの洗浄剤の存在下でウシの心臓の左心室組織をホモジナイズすることによって、ウシ心臓筋原線維を得た。このような処置により、膜および可溶性細胞質タンパク質の大部分は除去されるが、心臓サルコメアアクトミオシン装置は無傷で残される。筋原線維調製物は、Ca2+調節方式でATPを加水分解する能力を保持する。化合物の存在下および非存在下における、このような筋原線維調製物のATPアーゼ活性を、定義された最大率分画(すなわち、25%、75%)まで活性化するCa2+濃度でアッセイした。小分子剤を、ウシ心臓筋原線維の定常状態のATPアーゼ活性を阻害するそれらの能力について、ピルビン酸キナーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼ(PK/LDH)共役酵素系を使用してアセスメントした。このアッセイは、NADHを酸化して340nmでの吸光度変化をもたらすことによって、ミオシンによって生成されたADPをATPに再生する。小分子剤を試験する前に、ウシ心臓筋原線維を、それらのカルシウム応答性についてアセスメントし、筋原線維系の50%(pCa50)または75%(pCa75)活性化のいずれかを達成するカルシウム濃度を、小分子剤の阻害活性をアセスメントするための最終的な条件として選択した。すべての酵素活性を、12mMのPIPES(ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)、pH6.8の2mM塩化マグネシウムを含有する緩衝溶液(PM12緩衝剤)中で測定した。最終的なアッセイ条件は、1mg/mLのウシ心臓筋原線維、4U/mLのピルビン酸キナーゼ、6U/mLの乳酸デヒドロゲナーゼ、50μMのATP、0.1mg/mLのBSA(ウシ血清アルブミン)、10ppmの消泡剤、1mMのDTT、0.5mMのNADH、1.5mMのPEP、0.6mMのEGTA、および筋原線維ATPアーゼ活性の50%または75%活性化のいずれかを達成するのに十分な量のCaClであった。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドのIC15(CDMF75)は0.4μMであり、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドのIC50(CDMF75)は1.4μMである。
(実施例10)
筋細胞アッセイ
【0175】
成体雄性Sprague-Dawleyラットを麻酔し、心臓を速やかに切除し、すすぎ、上行大動脈をカニューレ処置した。60cmHOの灌流圧力で、連続的な逆行性灌流を心臓に対して開始した。最初に心臓を、名目的にCa2+を含まない以下の組成の改変クレブス溶液で灌流した。113mMのNaCl、4.7mMのKCl、0.6mMのKHPO、0.6mMのNaHPO、1.2mMのMgSO、12mMのNaHCO、10mMのKHCO、30mMのタウリン、5.5mMのグルコースおよび10mMのHepes(すべてSigma)。この培地は再循環させず、95%O/5%CO混合物を用いて絶えず曝気する。およそ3分後、心臓を、コラゲナーゼ(Worthington)および12.5μMの最終カルシウム濃度を補充した改変クレブス緩衝剤で灌流した。心臓の外観が白く、軟らかく見えた後、心臓をカニューレから除去した。心房および血管を除去し、心室を、鉗子を用いて慎重により小さい切片に解剖した。組織を、ピペット研和の反復によってホモジナイズし、コラゲナーゼ反応を、10%仔ウシ血清(BCS)によって停止させ、沈殿させ、5%BCSおよび12.5uMのCaClを含有する灌流緩衝剤に再懸濁させた。CaCl溶液を最終濃度1.2mMまで段階的に添加することによって、筋細胞をカルシウム耐性にした。次に、細胞を洗浄し、タイロード緩衝剤(137mMのNaCl、3.7mMのKCl、0.5mMのMgCl、11mMのグルコース、4mMのHepes、および1.2mMのCaCl、pH7.4)に再懸濁させた。細胞を、実験を開始する前に37℃で60分間維持し、単離して5時間以内に使用した。細胞調製物は、細胞が最初に、標準(基底の>150%)およびイソプロテレノール(ISO、基底の>250%)処置に対する収縮応答を実証することによってQC基準に合格した場合のみ使用した。さらに、基底収縮性が3~8%の間であった細胞だけを、化合物を用いるその後の実験で使用した。
【0176】
タイロード緩衝剤中一定分量の筋細胞を、加熱プラットフォームを備えた灌流チャンバ(シリーズ20 RC-27NE、Warner Instruments)に入れた。筋細胞を接着させ、チャンバを37℃に加熱し、細胞を37℃のタイロード緩衝剤で灌流させた。筋細胞に、白金電極(閾値を20%上回る)で1Hzにおいてフィールド刺激を与えた。ペーシングの前に明らかな条線を有し、無活動であった細胞だけを、収縮性実験のために使用した。基底収縮性を決定するために、筋細胞を、40倍対物レンズによって画像化した。可変フレーム率(60~240Hz)の電荷結合デバイスカメラを使用し、画像をデジタル化し、240Hzのサンプリング速度でコンピュータースクリーンにディスプレイした(IonOptix Milton、MA)。細胞収縮が経時的に安定になったら、試験化合物(0.01~15μM)を、チャンバ内に筋細胞上で5分間灌流させた。次に、筋細胞の収縮性、ならびに収縮および弛緩の速度を、エッジ検出を使用して記録した。
【0177】
化合物1つにつき、2つまたはそれよりも多い異なる筋細胞調製物から5個またはそれよりも多い個々の筋細胞を試験した。細胞ごとに、基底における(化合物注入の1分前と定義される)および化合物を添加した後の(出発化合物を灌流して5分後と定義される)、20またはそれを超える収縮性トランジェントを平均化し、比較した。これらの平均トランジェントを、IonWizardソフトウェア(IonOptix)を使用して分析して、拡張期の長さおよび短縮率の変化を決定した。短縮率は、((静止時の長さ-収縮ピーク時の長さ)割る静止時の長さ)として算出した。ベースラインからの短縮率の変化パーセントは、((投薬後の短縮率/基底の短縮率)×100)として算出した。ベースラインからの短縮率の低減パーセントは、(100-ベースラインからの短縮率の変化パーセント)として算出した。最大収縮および弛緩速度(um/秒)も決定した。個々の細胞からの結果を平均化し、SEMを算出した。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの効果を、以下に提供する。
【表1B】
FS%=各細胞の(ベースライン後のピーク高さパーセント/ベースライン前のピーク高さパーセント)×100の平均
(実施例11)
ラット心臓収縮性における急性薬力学的効果の心エコー検査アセスメント。
【0178】
心エコー検査によるin vivo心臓機能のアセスメントを、イソフルラン(1~3%)麻酔下の雄性Sprague Dawleyラットで実施した。左心室の2-D M-モード画像を、連続的IV注入または経口胃管栄養法による化合物の投与前、投与中、および投与後に、傍胸骨長軸図で取得した。in vivo短縮率を、M-モード画像分析によって、以下の算出を用いて決定した。((拡張終期径-収縮終期径)/拡張終期径×100)。連続的IV注入実験では、3つの投薬前ベースラインのM-モード画像を、化合物の注入前に1分間隔で得た。化合物を、50%プロピレングリコール(PG):16%Captisol:10%ジメチルアセトアミド(DMA)中で製剤化し、頸静脈カテーテルを介して1mL/kg/時の速度で送達した。注入中、M-モード画像を、5分間隔で得た。短縮率がベースラインから最大で60%低減した時点で点滴を停止した。血液試料を採取して、化合物の血漿濃度を決定した。データは、短縮率が投薬前ベースライン収縮性の50%となる濃度である、推定IC50値として報告した。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドについて得られたIC50値は、7.2±0.20μM(平均値±標準偏差)である。
【0179】
経口投薬研究では、3つの投薬前ベースラインのM-モード画像を、化合物の投与前に1分間隔で得た。(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC2910):0.1%Tween80懸濁液中で製剤化し、単回用量(5mL/kg)として経口胃管栄養法によって送達した。24時間の期間にわたる選択した時間点において、M-モード心エコー検査測定のために、ラットを軽く麻酔した。様々な用量レベルを評価した。評価した最高用量における心臓短絡率に及ぼす化合物の効果を、ベースライン短縮率(=100%)の低減パーセントとして以下に示す。
【表1C】
【0180】
心エコー検査測定と同時に、血液試料を摂取して、対応する化合物血漿濃度を決定した。短縮率が、それぞれ投薬前ベースライン収縮性の50%および10%となる濃度である、推定IC50およびIC10値は、7.9μM(IC50)および0.8μM(IC10)である。
【0181】
本明細書に引用した書類のすべて、表および図を含めた、本明細書において引用されている特許、特許出願および刊行物を含めたすべての書類は、その全体がすべての目的のため参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0182】
本明細書に記載される化合物、使用、および方法についての前述の記述により、当業者は、本明細書に記載される化合物、使用、および方法を作製し、使用することができるが、当業者は、本明細書の特定の実施形態、方法、および実施例の変形形態、組合せ、および均等物の存在を理解し、認識されよう。したがって、本明細書で提供される化合物、使用、および方法は、前述の実施形態、方法、または実施例によって限定されるべきではなく、むしろ本明細書で提供される化合物、使用、および方法の範囲および趣旨に含まれるあらゆる実施形態および方法を包含する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの多形。
(項目2)
3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、14.4±0.2および22.4±0.2度の2シータ角度にXRPDパターンのピークを有することを特徴とする、項目1に記載の多形。
(項目3)
3.7±0.2、11.2±0.2、12.9±0.2、13.5±0.2、14.4±0.2、18.6±0.2、22.4±0.2、24.7±0.2、25.0±0.2および26.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、項目1または2に記載の多形。
(項目4)
図1Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1~3のいずれか一項に記載の多形。
(項目5)
図1Bに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、項目1~4のいずれか一項に記載の多形。
(項目6)
DSCによって決定すると、約199℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、項目1~5のいずれか一項に記載の多形。
(項目7)
図1Bに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、項目1~6のいずれか一項に記載の多形。
(項目8)
図1Cに実質的に示されているDVSのグラフを有することを特徴とする、項目1~7のいずれか一項に記載の多形。
(項目9)
3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2および20.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1に記載の多形。
(項目10)
3.7±0.2、9.8±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、14.7±0.2、16.1±0.2、18.5±0.2、20.4±0.2、22.3±0.2および23.3±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、項目1または9に記載の多形。
(項目11)
図2Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1、9および10のいずれか一項に記載の多形。
(項目12)
図2Bに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、項目1および9~11のいずれか一項に記載の多形。
(項目13)
DSCによって決定すると、約199℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、項目9~12のいずれか一項に記載の多形。
(項目14)
図2Bに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、項目1および9~13のいずれか一項に記載の多形。
(項目15)
9.6±0.2、10.9±0.2、15.8±0.2および18.1±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1に記載の多形。
(項目16)
11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、22.8±0.2および24.4±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1に記載の多形。
(項目17)
3.7±0.2、11.1±0.2、12.8±0.2、13.5±0.2、21.9±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.5±0.2、24.4±0.2および24.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、項目1または16に記載の多形。
(項目18)
図4Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1、16および17のいずれか一項に記載の多形。
(項目19)
図4Bに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、項目1および16~18のいずれか一項に記載の多形。
(項目20)
DSCによって決定すると、約200℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、項目1および16~19のいずれか一項に記載の多形。
(項目21)
図4Bに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、項目1および16~20のいずれか一項に記載の多形。
(項目22)
11.5±0.2、16.3±0.2、20.0±0.2、21.2±0.2および24.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1に記載の多形。
(項目23)
11.5±0.2、16.3±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、21.2±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2および26.7±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1または22に記載の多形。
(項目24)
5.7±0.2、8.3±0.2、11.5±0.2、16.3±0.2、17.2±0.2、19.1±0.2、20.0±0.2、20.2±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、23.3±0.2、24.0±0.2、24.7±0.2、25.6±0.2、26.7±0.2、28.1±0.2、29.2±0.2、29.7±0.2、29.9±0.2および31.1±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、項目1、22および23のいずれか一項に記載の多形。
(項目25)
図5に実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1および22~24のいずれか一項に記載の多形。
(項目26)
10.6±0.2、12.1±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含むXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1に記載の多形。
(項目27)
5.4±0.2、5.9±0.2、8.1±0.2、9.6±0.2、10.6±0.2、12.1±0.2、14.0±0.2、15.0±0.2、16.1±0.2および17.8±0.2度の2シータ角度にピークを含む、XRPDパターンを有することを特徴とする、項目1または26に記載の多形。
(項目28)
図6Aに実質的に示されているXRPDパターンを有することを特徴とする、項目1、26および27のいずれか一項に記載の多形。
(項目29)
図6Bまたは図6Cに実質的に示されているTGAのグラフを有することを特徴とする、項目1および26~28のいずれか一項に記載の多形。
(項目30)
DSCによって決定すると、約200℃に吸熱の開始を有することを特徴とする、項目1および26~29のいずれか一項に記載の多形。
(項目31)
図6Dまたは図6Eに実質的に示されているDSCのグラフを有することを特徴とする、項目1および26~30のいずれか一項に記載の多形。
(項目32)
(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ、またはステップ(1)の前記混合物から前記溶媒を除去するステップ
を含む、項目2~8のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
(項目33)
前記溶媒がジクロロメタン(DCM)を含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
ステップ(2)が、前記溶媒を除去するステップを含む、項目32または33に記載の方法。
(項目35)
水中で形態Iを摩砕するステップを含む、項目9~14のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
(項目36)
(1)形態Iとエタノールとの混合物を形成するステップ、および
(2)前記ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含む、項目9~14のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
(項目37)
ステップ(1)が、前記混合物を約60℃まで加熱するステップを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約-5℃、約-10℃、約-15℃または約-20℃まで冷却するステップを含む、項目36または37に記載の方法。
(項目39)
(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒が、アセトニトリル(ACN)、またはACNと水との混合物を含む、ステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含む、項目16~21のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
(項目40)
ステップ(1)が、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと前記溶媒との混合物を約80℃に加熱するステップを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
ステップ(2)が、(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと前記溶媒との前記混合物を約20℃まで冷却するステップを含む、項目39または40に記載の方法。
(項目42)
(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒が酢酸エステルを含むステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を冷却するステップ
を含む、項目22~25のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
(項目43)
前記溶媒が酢酸エチルを含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約5℃まで冷却するステップを含む、項目42または43に記載の方法。
(項目45)
長針状形態で存在する前記多形を分離するステップをさらに含む、項目42~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
(1)(R)-N-(5-(5-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと溶媒との混合物を形成するステップであって、前記溶媒がニトリルおよび水を含む、ステップ、および
(2)ステップ(1)の前記混合物を撹拌するステップ
を含む、実施形態26~31のいずれか1つに記載の多形を調製する方法。
(項目47)
前記溶媒がアセトニトリルを含む、実施形態46の方法。
(項目48)
ステップ(2)が、ステップ(1)の前記混合物を約0℃~約10℃の間まで冷却するステップを含む、実施形態46または47に記載の方法。
(項目49)
項目1~31のいずれか一項に記載の多形、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目50)
心臓疾患を処置することを必要とする対象の心臓疾患を処置する方法であって、項目1~31のいずれか一項に記載の多形、または項目49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目51)
前記心臓疾患が、肥大型心筋症(HCM)である、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記HCMが、閉塞性もしくは非閉塞性であるか、またはサルコメアおよび/もしくは非サルコメア変異と関連する、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記心臓疾患が、駆出分画が保たれた心不全(HFpEF)である、項目50に記載の方法。
(項目54)
前記心臓疾患が、拡張機能障害、原発性または続発性拘束型心筋症、心筋梗塞および狭心症、左心室流出路閉塞、高血圧性心臓疾患、先天性心臓疾患、心虚血、冠状動脈性心臓疾患、糖尿病性心臓疾患、うっ血性心不全、右心不全、心腎症候群、ならびに浸潤性心筋症からなる群から選択される、項目50に記載の方法。
(項目55)
前記心臓疾患が、心臓老化、加齢に起因する拡張機能障害、左心室肥大および求心性左心室リモデリングからなる群から選択される1つまたはそれより多くの状態であるか、またはそれに関係する、項目47に記載の方法。
(項目56)
HCMと関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、肥大型心筋症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、項目1~31のいずれか一項に記載の多形、または項目49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目57)
前記疾患または状態が、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、およびヌーナン症候群からなる群から選択される、項目56に記載の方法。
(項目58)
続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、続発性左心室壁肥厚と関連する疾患または状態を処置する方法であって、項目1~31のいずれか一項に記載の多形、または項目49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目59)
前記疾患または状態が、高血圧、心臓弁膜症、メタボリック症候群、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調、ダノン病、ヌーナン症候群、およびポンペ病からなる群から選択される、項目58に記載の方法。
(項目60)
小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置することを必要とする対象における、小左心室内腔および内腔閉塞、運動過多性左心室収縮、心筋虚血、または心臓線維症と関連する疾患または状態を処置する方法であって、項目1~31のいずれか一項に記載の多形、または項目49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目61)
筋ジストロフィーおよび糖原病から選択される疾患または状態を処置することを必要とする対象における、筋ジストロフィーおよび糖原病から選択される疾患または状態を処置する方法であって、項目1~31のいずれか一項に記載の多形、または項目49に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
(項目62)
心臓サルコメアを阻害する方法であって、前記心臓サルコメアを、項目1~31のいずれか一項に記載の多形、または項目49に記載の医薬組成物と接触させるステップを含む、方法。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E