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特許7624436分離装置、処理設備、2つの空間領域を分離する方法及び工作物を処理する方法
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  • 特許-分離装置、処理設備、2つの空間領域を分離する方法及び工作物を処理する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】分離装置、処理設備、2つの空間領域を分離する方法及び工作物を処理する方法
(51)【国際特許分類】
   F26B 15/12 20060101AFI20250123BHJP
   F26B 9/00 20060101ALI20250123BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20250123BHJP
   F26B 25/10 20060101ALI20250123BHJP
   F24F 9/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
F26B15/12 Z
F26B9/00 C
F26B21/00 Z
F26B25/10
F24F9/00 L
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022514605
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 DE2020100773
(87)【国際公開番号】W WO2021043373
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】102019213430.0
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】オリバー イグラウアー-アングリク
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ボール
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-519856(JP,A)
【文献】実開昭52-133092(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0291856(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0015856(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1777998(KR,B1)
【文献】中国実用新案第207729777(CN,U)
【文献】国際公開第2018/230180(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/021324(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/021326(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/098056(WO,A1)
【文献】実開昭52-053471(JP,U)
【文献】中国実用新案第208222770(CN,U)
【文献】中国実用新案第208312632(CN,U)
【文献】特開2012-112636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B
F24F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの空間領域(156)を分離する分離装置(120)であって、分離装置(120)が、2つの空間領域(156)の間へ投入すべき分離流体を供給するための供給装置(122)を有し、供給装置(122)が分離流体を供給するための、なくとも2つのガイド部材(134)を有し、前記ガイド部材がイドプレート(140)として形成されており、
分離装置(120)が、分離流体を搬出するための搬出装置(166)を有し、搬出装置(166)と、分離装置(120)のブロッキング装置(164)の1つ又は複数のブロッキング部材(162)とが、分離装置(120)の分離平面(170)の互いに対向する側に配置されている、分離装置(120)
【請求項2】
ガイド部材(134)が、互いに対して少なくとも概ね平行かつ/又は少なくとも概ね垂直に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の分離装置(120)。
【請求項3】
ガイド部材(134)が、空間領域(156)の1つの、又は2つの空間領域(156)の天井領域(142)から始まって下方へ向かって延びている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の分離装置(120)。
【請求項4】
ガイド部材(134)が、2つの空間領域(156)を互いに接続する通過開口部(154)の幅(B)の少なくとも約70%わたって延びている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の分離装置(120)。
【請求項5】
分離流体が、2つのガイド部材(134)の間を通してのみ、2つの空間領域(156)の間へ投入可能である、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分離装置(120)。
【請求項6】
分離装置(120)が、分離流体をブロックするブロッキング装置(164)を有し、ブロッキング装置(164)が1つ又は複数のブロッキング部材(162)を有しており、前記ブロッキング部材は、2つの空間領域(156)の少なくとも1つの中へ分離流体が広がることを阻止し、あるいは少なくとも減少させ、1つ又は複数のブロッキング部材(162)が分離装置(120)の底領域(158)内に配置されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の分離装置(120)。
【請求項7】
出装置(166)が離装置(120)の底領域(158)内に配置されている、ことを特徴とする請求項に記載の分離装置(120)。
【請求項8】
搬出装置(166)が1つ又は複数の吸い出しスリット(168)を有し、前記吸い出しスリットが少なくとも部分的に、分離装置(120)の分離平面(170)に対して平行に変位した平面に沿って延びている、ことを特徴とする請求項7に記載の分離装置(120)。
【請求項9】
分離装置(120)が2つの空間領域(156)を互いに分離し、前記空間領域内を互いに異なる温度が支配しており、分離流体が供給装置(122)によって、2つの空間領域(156)のより暖かい空間領域内の温度と、2つの空間領域(156)のより冷たい空間領域内の温度との間にある温度で供給可能である、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の分離装置(120)。
【請求項10】
供給装置(122)によって、分離流体がその供給前に冷却可能である、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の分離装置(120)。
【請求項11】
工作物(102)を処理する処理設備(100)あって、前記処理設備(100)が:
-工作物(102)を処理するための処理室(106)を有し、前記処理室が1つ又は複数の処理室セクション(108)を有し;
-請求項1から10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの分離装置(120)を有し、少なくとも1つの処理室セクション(108)が空間領域(156)の1つを形成し、つの前記空間領域が少なくとも1つの分離装置(120)によって他の空間領域(156)から分離可能である、
処理設備(100)。
【請求項12】
他の空間領域(156)が、
a)処理室(106)の他の処理室セクション(108);又は
b)処理設備(100)とは異なる装置の空間セクション;又は
c)処理設備(100)の周囲(128)、
である、ことを特徴とする請求項11に記載の処理設備(100)。
【請求項13】
処理設備(100)が、工作物(102)を移送するための移送装置(112)を有し、前記移送装置が移送装置(112)の移送方向(114)に沿って分離装置(120)を通って延びている、ことを特徴とする請求項11又は12のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項14】
移送装置(112)がクロック移送装置であって、かつ
分離装置(120)が工作物(102)の2つのクロック場所(184)の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の処理設備(100)。
【請求項15】
ガイド部材(134)の下側(152)が、少なくとも部分的、移送装置(112)によって移送すべき工作物(102)の移送輪郭に対して相補的に形成されている、ことを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項16】
処理設備(100)が複数の処理室モジュール(110)を有し、各処理室モジュール(110)が処理室セクション(108)を包囲し、かつ分離装置(120)が2つの処理室モジュール(110)の間に配置され、あるいは2つの処理室モジュール(110)の間に統合されている、ことを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項17】
求項1から10のいずれか1項に記載の分離装置(120)を用いて2つの空間領域(156)を分離する方法であって、供給装置(122)を用いて分離流体が2つの空間領域(156)の間へ投入され、分離流体がなくとも2つのガイド部材(134)によって案内される、空間領域を分離する方法。
【請求項18】
少なくとも2つのガイド部材(134)が、ガイドプレート(140)として形成されており、かつ/又は少なくとも概ね互いに対して平行かつ/又は垂直に配置されている、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
分離流体が熱い分離流体として準備されて、その後少なくとも2つの異なる、かつ/又は空間的に互いに分離して配置された、分離装置(120)へ分配され、分離流体が分離装置(120)の1つ内で、選択的に分離装置(120)の正確に1つの中で、流体添加によって、給装置(122)の内部及び/又は少なくとも2つのガイド部材(134)の間で、冷却される、ことを特徴とする請求項17又は18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
工作物(102)を処理する方法であって、前記方法が以下のものを有する:
-2つの空間領域(156)を分離するために分離装置(120)を通して工作物(102)を移送し;
求項17から19のいずれか1項に記載の方法を実施することによって、2つの空間領域(156)の間へ分離流体流を供給することにより、空間領域(156)を互いに分離する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの空間領域、たとえば処理設備の処理室の2つの処理室セクション、を分離する分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、工作物を処理する処理設備の処理室の入口又は出口にロックを設けて、処理室内部に配置されている流体、たとえば空気を、処理設備を包囲する周囲空気から効率的に分離することを可能にすることができる。特に、望ましくない空気交換を最小限にし、あるいは阻止することができ、それによってたとえば、処理室内に配置されている流体を調整するため、特に空気を調整するためのエネルギ消費を最小限にすることができる。
【0003】
この種のロックは、たとえばフローシリンダを発生させることにより効率的な流体分離を可能にすることはできるが、概ね比較的大きい建造空間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、構造が簡単であって、効率的な流体分離を可能にする、分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の分離装置によって解決される。
【0006】
この分離装置は、好ましくは2つの空間領域を分離するための分離装置である。
【0007】
好ましくは、分離装置は、2つの空間領域の間へ投入すべき分離流体を供給するための供給装置を有している。
【0008】
この供給装置は、分離流体を案内するために、1つ又は複数のガイド部材、特に少なくとも2つのガイド部材を有している。
【0009】
1つ又は複数のガイド部材、特にすべてのガイド部材は、好ましくは固定的かつ/又は移動できないように形成され、かつ/又は配置されている。
【0010】
1つ又は複数のガイド部材、特に少なくとも2つのガイド部材が、ガイドプレートとして形成されていると、効果的であり得る。
【0011】
本発明の形態において、複数の、あるいはすべてのガイド部材、特に少なくとも2つのガイド部材は、少なくとも概ね、互いに対して平行に配置されている。
【0012】
それに対して代替的又は補足的に、1つ又は複数の、あるいはすべてのガイド部材は、少なくとも概ね垂直に配置することができる。
【0013】
特に、1つ又は複数の、あるいはすべてのガイド部材、特に少なくとも2つのガイド部材は、互いに最大で約10°、特に最大で約5°、好ましくは最大で約2°の角度を形成することができる。
【0014】
その代わりに、あるいはそれに加えて、少なくとも1つのガイド部材、少なくとも2つのガイド部材又はすべてのガイド部材は、重力方向に対して最大で約10°、好ましくは最大で約5°、たとえば最大で約2°だけ傾斜して配置することができる。
【0015】
分離流体は、特に空気、たとえば調整かつ/又は浄化された空気及び/又は周囲空気及び/又は建屋空気である。
【0016】
好ましくは、分離装置は、2つの空間領域の流体作用的な分離を可能にし、すなわちそれぞれの空間領域内に配置されている流体は、空間にわたって互いに混合されず、あるいはごくわずかしか混合されない。
【0017】
分離装置は、特に、2つの空間領域内に配置されている流体間の流体交換の減少及び/又は阻止に用いられる。
【0018】
好ましくは、分離装置によって、空間領域の一方からのより熱い空気が、2つの空間領域の他方からのより冷たい空気と混合されることを、阻止することができる。
【0019】
1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材は、好ましくは、空間領域の1つ又は2つの空間領域の天井領域から始まって下方へ向かって延びている。
【0020】
特に1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材は、1つ又は2つの空間領域の天井に配置し、特に固定することができ、かつこの天井から始まって下方へ向かって延びることができる。
【0021】
その場合に天井は、特に、1つの空間領域又は2つの空間領域を下方へ向かって画成する壁である。
【0022】
1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材は、2つの空間領域を互いに接続する通過開口部の幅の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約90%にわたって延びることができる。
【0023】
特に、1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材は、水平方向において、2つの空間領域を互いに接続する通過開口部の幅全体にわたって延びることができる。
【0024】
分離流体を供給することによって、好ましくは、分離流体ベール、特に空気ベールを発生させることができ、そのベールが好ましくは、2つの空間領域を互いに接続する通過開口部の幅の少なくとも約70%、たとえば少なくとも約90%にわたって延びる。好ましくは、分離流体ベール、特に空気ベールは、2つの空間領域を互いに接続する通過開口部の幅全体にわたって延びている。
【0025】
1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材が、金属プレートを有し、あるいは金属プレートから形成されていると、効果的であり得る。
【0026】
1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材は、好ましくは凹凸がなく、かつ/又はフラットに形成されている。
【0027】
1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材が、2つの主要延び方向において、その2つの主要延び方向に対して垂直となる、そのそれぞれの厚み方向におけるよりも、少なくとも100倍、好ましくは少なくとも500倍の広がりを有していると、効果的であり得る。
【0028】
好ましくは2つのガイド部材の間の間隔は、1つ又は2つのガイド部材の材料厚みの最大で約20倍、たとえば最大で約10倍である。
【0029】
たとえば2つのガイド部材の互いに対する間隔は、最大で約5cm、たとえば最大で約2cmとすることができる。
【0030】
少なくとも2つのガイド部材が、たとえばウェブによって、互いに結合され、そのウェブが特に、少なくとも2つのガイド部材の間の領域内で分離流体の主要流れ方向に対して平行に延びていると、効果的であり得る。
【0031】
本発明の形態において、1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材は、少なくとも部分的に、2つの空間領域を互いに接続する通過開口部の最大又は平均的な高さの、少なくとも約5%、特に少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%にわたって延びることができる。
【0032】
本発明の形態において、2つの空間領域の間へ投入すべき分離流体の体積流の少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約80%、たとえば少なくとも約90%、特に100%が、ガイド部材の間、特に2つのガイド部材の間を通して、2つの空間領域の間へ投入可能、とすることができる。
【0033】
特に、分離流体は2つのガイド部材の間を通してのみ、2つの空間領域の間へ投入可能とすることができる。
【0034】
したがって供給装置は、好ましくは、分離流体を供給するために、少なくとも2つのガイド部材によってその終端領域に形成される供給開口部以外の供給開口部を有していない。
【0035】
少なくとも2つのガイド部材は、特に、2つの空間領域の間へ分離流体を供給するための唯一の、かつ/又はつながったスリットノズルを形成している。
【0036】
分離装置は、分離流体をブロックするためのブロッキング装置を有することができる。
【0037】
ブロッキング装置は、1つ又は複数のブロッキング部材を有しており、そのブロッキング部材が2つの空間領域の少なくとも1つの中へ分離流体流が広がるのを阻止し、あるいは少なくとも減少させる。
【0038】
好ましくは1つ又は複数のブロッキング部材は、分離装置の底領域内に配置されており、たとえば1つ又は2つの空間領域の底上に配置及び/又は固定されている。
【0039】
1つ又は複数あるいはすべてのブロッキング部材は、好ましくは反跳部材、特に反跳プレートとして形成されている。
【0040】
1つ又は複数あるいはすべてのブロッキング部材が、底領域から始まって、特に底から始まって、上方へ向かって延び、特に少なくとも概ね垂直上方へ向かって延びていると、効果的であり得る。
【0041】
ブロッキング装置の1つ又は複数あるいはすべてのブロッキング部材が分離平面に対して平行に変位して配置されており、その分離平面に沿って分離装置により2つの空間領域が互いに分離可能であると、効果的であり得る。
【0042】
分離平面は、特に2つのガイド部材の間を通って延びている。
【0043】
好ましくは分離平面は、2つのガイド部材の対称平面、特にミラー平面である。
【0044】
分離平面が実質的に垂直に配置されており、好ましくは分離平面が2つの空間領域の間へ分離流体を供給するための供給スリットの中心平面を形成すると、効果的であり得る。
【0045】
分離装置が、分離流体を搬出するための搬出装置を有していると、効果的であり得る。
【0046】
搬出装置は、特に分離装置の底領域内に配置され、たとえば1つ又は2つの空間領域の底に統合されている。
【0047】
好ましくは搬出装置が1つ又は複数の吸い出しスリットを有し、その吸い出しスリットが特に部分的あるいは少なくとも概ね完全に、分離装置の分離平面に対して平行に配置されている。
【0048】
1つ又は複数あるいはすべての吸い出しスリットが、分離平面に対して平行に変位して配置された1つ又は複数の平面に沿って延びていると、効果的であり得る。
【0049】
1つ又は複数あるいはすべての吸い出しスリットが、好ましくは中断されずにそれぞれの平面に沿って配置かつ/又は形成されるか、あるいはいくつかに分かれて中断されて配置かつ/又は形成されている。
【0050】
搬出装置、特に出口開口部、たとえば吸い出しスリットと、分離装置のブロッキング装置の1つ又は複数のブロッキング部材とが、分離装置の分離平面の互いに対向する側に配置されていると、効果的であり得る。
【0051】
ブロッキング装置の1つ又は複数あるいはすべてのブロッキング部材は、好ましくは分離平面に関して、特に分離平面から始まって、空間領域の1つへ向かって変位しており、1つ又は複数あるいはすべての出口開口部、特に吸い出しスリットは、好ましくは分離平面に関して、特に分離平面から始まって、2つの空間領域の他の1つへ向かって変位して配置されている。
【0052】
このような配置によって、特に、分離流体ベールは、実質的に分離平面に沿って1つ又は複数のガイド部材から下方へ向かって延びて、分離装置の底領域内の片側で吸い出すことができ、その場合に同時に1つ又は複数のブロッキング部材によって他の側への流れの広がりを阻止しあるいは少なくとも減少させることを、可能とすることができる。
【0053】
それによって2つの空間領域の特に場所をとらない、流れ効率的な分離が可能である。
【0054】
この分離装置は、特に、工作物を処理する処理設備内で使用するのに適している。
【0055】
したがって本発明は、工作物を処理する処理設備、特にコーティングされた車両ボディを乾燥させる乾燥設備にも関する。
【0056】
処理設備は、好ましくは:
工作物を処理する処理室を有し、その処理室が1つ又は複数の処理室セクションを有し;
2つの空間領域を分離する少なくとも1つの分離装置、特に本発明に係る分離装置を有し、その場合に少なくとも1つの処理室セクションが空間領域の一方を形成し、その空間領域が少なくとも1つの分離装置によって空間領域の他方から分離可能である。
【0057】
特に処理設備は、複数の分離装置、たとえば複数の本発明に係る分離装置を有することができる。
【0058】
処理設備は、好ましくは、分離装置に関連して説明した1つ又は複数の特徴及び/又は利点を有している。
【0059】
他の空間領域は、処理室の他の処理室セクションとすることができる。
【0060】
それに対して代替的に、他の空間領域は、処理設備とは異なる装置の空間領域とすることができる。
【0061】
さらにそれに対して代替的に、他の空間領域は処理設備の周囲とすることができる。
【0062】
処理設備が、工作物を移送する移送装置を有し、その移送装置が特に移送装置の移送方向に沿って分離装置を通り抜けて延びていると、効果的であり得る。
【0063】
その場合に分離装置の分離平面は、移送方向に対して特に斜め、たとえば垂直に、方向づけされている。
【0064】
移送装置がクロック移送装置(Taktfordervorrichtung、サイクル移送装置)であると、効果的であり得る。
【0065】
分離平面は、好ましくは、処理すべき工作物がたとえばクロック移送に基づいて少なくとも一時的に滞留する、2つの直接隣接する位置又は場所の間に延びている。
【0066】
クロック移送装置として形成されている移送装置の1クロック内で、好ましくはそれぞれ1つの工作物が、空間領域の1つに配置されているクロック場所(Taktplatz、インデックス位置)(位置、プレース)からそれに連続する、他の空間領域内に配置されているクロック場所(位置、スペース)へ移送される。
【0067】
本発明の形態において、1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材の下側は少なくとも部分的又は少なくとも概ね、移送装置を用いて移送すべき工作物の移送輪郭に対して相補的に形成することができる。
【0068】
1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材の下側は、少なくとも部分的及び/又は少なくとも概ね、移送方向に沿って工作物を移送する場合にその工作物が通過する空間領域の上側に対して相補的に形成されている。
【0069】
分離装置の供給装置、特に1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材は、好ましくは工作物輪郭に適合して形成されている。
【0070】
たとえば、処理設備が車両ボディの処理に用いられる場合に、1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材の下側は、垂直方向さらに上に配置されている領域を有することができ、その領域が車両ボディのルーフ領域に合わせて成形されており、1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材の下側の垂直方向さらに下に配置されている領域は、フロントボンネット領域に合わせて成形されている。さらに1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材の下側の、さらに上に配置された領域とさらに下に配置された領域を互いに結合する、垂直方向に対して斜めに方向づけされた中間領域を設けることができ、その中間領域は車両ボディのフロントガラス領域に合わせて成形されている。
【0071】
本発明の形態において、処理設備は複数の処理室モジュールを有している。
【0072】
各処理室モジュールは、好ましくは処理室セクションを包囲し、かつ/又はクロック移送装置のクロック場所を形成する。
【0073】
分離装置は、たとえば2つの処理室モジュールの間に配置され、あるいは2つの処理室モジュールの間に統合されている。
【0074】
分離装置に隣接する1つ又は2つの処理室モジュールは、好ましくは、循環空気装置のための吸い出しを有していない。それによって、分離流体流のために流れガイドを好ましくは最適化することができる。
【0075】
特に分離流体ベール、たとえば空気ベールは、特に分離作用を減少させる循環空気流の横流を減少させながら、実質的に垂直方向に発生させることができる。
【0076】
本発明は、さらに、分離装置を用いて2つの空間領域を分離する方法に関する。
【0077】
これに関する本発明の課題は、簡単に実施することができ、かつ効率的な流体分離を可能にする方法を提供することにある。
【0078】
この課題は、本発明によれば、独立の方法請求項の特徴によって解決される。
【0079】
分離装置を用いて2つの空間領域を分離する方法は、特に本発明に係る分離装置を用いて2つの空間領域を分離する方法である。
【0080】
好ましくは、供給装置を用いて2つの空間領域を分離する方法において、分離流体が2つの空間領域の間へ投入される。
【0081】
分離流体は、好ましくは少なくとも2つのガイド部材によって案内される。
【0082】
好ましくは、少なくとも2つのガイド部材は、ガイドプレートとして形成されている。
【0083】
少なくとも2つのガイド部材が、少なくとも概ね互いに対して平行かつ/又は少なくとも概ね、互いに対して垂直に配置されていると、効果的であり得る。
【0084】
2つの空間領域を分離するための本発明に係る方法は、特に、工作物を処理する方法において適用するのに適している。
【0085】
したがって本発明は、工作物を処理する、特にコーティングされた車両ボディを乾燥させる、方法にも関する。
【0086】
好ましくは、工作物を処理する方法は以下のものを有する:
2つの空間領域を分離する分離装置を通して工作物を案内し;
2つの空間領域の間へ分離流体を供給することにより、特に2つの空間領域を分離するための本発明に係る方法を実施することによって、空間領域を互いに分離する。
【0087】
1つ又は複数の上述した方法は、好ましくは、本発明に係る分離装置及び/又は本発明に係る処理設備との関連において記述された1つ又は複数の特徴及び/又は利点を有している。
【0088】
好ましくはさらに、分離装置、処理設備及び/又は上述した方法の1つ又は複数は、以下で説明する特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有する:
【0089】
分離装置は、たとえば任意の設備、たとえば処理設備の流入ロック/入口ロック又は流出ロック/出口ロックを形成することができる。
【0090】
さらに分離装置は、処理設備の内部あるいは2つの処理設備の間に、中間ロックを形成することができる。
【0091】
好ましくは分離装置を用いて、フローシリンダの形成が中断され、あるいは少なくとも最小限に抑えられる。分離装置の分離作用は、好ましくは少なくとも大部分、供給装置によって発生される分離流体ベールによって生じる。
【0092】
特に2つのガイド部材の間の領域内で、1つ又は複数あるいはすべてのガイド部材へ分離流体を供給することは、好ましくは漏斗形状の連通セクションを介して行われ、その連通セクションは特に天井領域内、たとえば天井壁に、配置されている。
【0093】
連通セクションを介して、たとえば2つのガイド部材の間に形成されたガイド通路が、好ましくは、たとえば1つ又は2つの空間領域の上方の圧力室ボックス内に形成された圧力室と流体接続されている。
【0094】
この種の圧力室ボックスは、たとえば、分離流体を2つの空間領域の間へ供給する前にその分離流体を浄化し、かつ/又は駆動するために、1つ又は複数のフィルタ部材及び/又は1つ又は複数の送風機を有することができる。
【0095】
連通セクションは、好ましくは、少なくとも概ね、少なくとも1つのガイド部材及び/又は通過開口部の幅全体にわたって延びている。
【0096】
好ましくは、分離流体の温度は、1つ又は複数の空間領域内の流体の温度よりも高い。
【0097】
分離装置は、たとえば2つの空間領域を互いに分離し、それらの空間領域内には互いに異なる温度、特に平均ガス温度及び/又は平均空間温度が支配している。
【0098】
1つの形態において、移送方向に沿って、あるいはそれに抗して、より冷たい空間領域に分離装置が続くようにすることができる。さらに、移送方向に沿って、あるいはそれに抗して、分離装置に、より暖かい空間領域が続くようにすることができる。
【0099】
その場合に「より冷たい空間領域」と「より暖かい空間領域」という記載は、互いに関係し、すなわちより冷たい空間領域内の温度はより暖かい空間領域内よりも低い。
【0100】
特に、より冷たい空間領域からのより冷たいガスが分離流体内へ、かつ/又はより暖かい空間領域内へ混合されることを少なくとも部分的に補償するために、分離流体に、より暖かい空間領域内の温度に比較して、かつ/又はより冷たい空間領域内の温度に比較して、上昇した温度を有する分離流体を供給することができる。
【0101】
それに対して代替的に、分離流体に、より暖かい空間領域内の温度に比較して、かつ/又はより冷たい空間領域内の温度に比較して、低下された温度を供給することができる。それによって特に、より暖かい空間領域内のより暖かいガスがより冷たい空間領域内へ流入する場合に、より冷たい空間領域の過熱を回避することができる。
【0102】
より冷たい空間領域内に少なくとも1つのブロッキング部材が配置されていると、効果的であり得る。
【0103】
さらに、より暖かい空間領域内に、少なくとも1つの出口開口部、特に少なくとも1つの吸い出しスリットが配置されていると、効果的であり得る。
【0104】
特に分離流体が2つの空間領域の間へ流入する前及び/又は流入する間、分離流体の温度が、より暖かい空間領域内の温度、特に平均室温及び/又は平均ガス温度と、より冷たい空間領域内の温度、特に平均室温及び/又は平均ガス温度との間にあると、効果的であり得る。
【0105】
分離装置が、互いに異なる温度が支配する2つの空間領域を互いに分離し、その場合に分離流体が供給装置によって、2つの空間領域のより暖かい空間領域内の温度と、2つの空間領域のより冷たい空間領域内の温度との間の温度で供給可能であると、特に効果的であり得る。
【0106】
特に分離流体の温度を変化させるために、供給空気流、たとえば少なくとも温度に関して調整されていないガス流、たとえば新鮮空気流が分離流体に、特に上流側で、供給可能、かつ/又は供給装置内で混合可能であると、効果的であり得る。供給空気流は、たとえば、新鮮空気熱伝達体のそばを通過し、あるいはそばを通過可能な、バイパス流である。
【0107】
分離流体が熱い分離流体として準備されて、その後少なくとも2つの異なる分離装置へ分配され、その場合に分離流体が分離装置の少なくとも1つ、特に分離装置の正確に1つの中で、流体、好ましくは供給空気流の混合によって、選択的に供給装置の内部及び/又は少なくとも2つのガイド部材の間で、冷却されると、効果的であり得る。
【0108】
供給空気流によって冷却された分離流体が供給される、分離装置は、たとえば入口ロック/流入ロック、中間ロック又は出口ロック/流出ロックである。
【0109】
本発明の形態において、分離装置に直接隣接して配置された1つ又は複数の入口開口部を用いて1つ又は複数の空間領域内へ向けられている、ガス流、たとえば循環空気流は、その質量流に関し、かつ/又はその体積流に関し、ガス流の流れ速度及び/又はその温度に関して、他の入口開口部、選択的にすべての入口開口部を通して向けられるガス流とは異なることができる。そのためにたとえば、制御を設けることができ、その制御が1つ又は複数の方法特徴を実施するように形成され、かつ整えられており、かつ/又はその制御を用いて、たとえば弁装置、フラップ装置及び/又は閉ループ制御装置を使用して、開ループ制御可能かつ/又は閉ループ制御可能である。そのために簡単なやり方で、1つ又は複数の機械的及び/又は手動及び/又は自動で操作可能な絞りシートを設けることができる。
【0110】
分離装置に直接隣接して配置されている1つ又は複数の入口開口部が、少なくとも1つの弁装置及び/又はフラップ装置及び/又は閉ループ制御装置を有すると、あるいは少なくとも1つの弁装置及び/又はフラップ装置及び/又は閉ループ制御装置が、分離装置に直接隣接して配置されている1つ又は複数の入口開口部に対応づけられていると、効果的であり得る。
【0111】
さらに、分離装置に直接隣接して配置されている空間領域の、特に処理室セクションの、すべての入口開口部が、少なくとも1つの弁装置及び/又はフラップ装置及び/又は閉ループ制御装置を有すると、あるいは少なくとも1つの弁装置及び/又はフラップ装置及び/又は閉ループ制御装置が、分離装置に直接隣接して配置されている空間領域の、特に処理室セクションの、すべての入口開口部に対応づけられていると、効果的であり得る。
【0112】
好ましくは少なくとも1つの弁装置及び/又はフラップ装置及び/又は閉ループ制御装置を用いて、1つ又は複数の入口開口部を通して供給されるガス流が、分離装置の直接的な周囲において、その流れ速度に関し、かつ/又はその衝撃に関して減少され、それによって分離装置内を支配する分離流体流にできるだけ影響が少ないようにされる。
【0113】
1つ又は複数のフラップ装置及び/又は弁装置及び/又は閉ループ制御装置を用いて、特に入口開口部の開口横断面及び/又はフィルタ装置の供給流横断面へ直接影響を及ぼすことができる。
【0114】
たとえば、分離装置のより近くに配置されている入口開口部のために、減少された質量流及び/又は体積流を設けることができる。
【0115】
好ましくは、供給装置は、特に分離装置の分離平面内でできる限り均一の空気流を得るために、自己調整するように形成されている。特に、ガイド部材の工作物輪郭適合によって、ガイド部材の幅にわたって、特にガイドなしの流れルートに関して、変化する流れルートが生じ、その場合にガイド部材の間で案内される流れルートが短いセクションが、全体としてより少ない流れ抵抗をもたらすので、分離平面に沿って分離流体のガイドなしのルート区間の長さが異なるにもかかわらず、好ましくは少なくとも概ね均一な分離流体流を得ることができる。特にそれによって、均一な分離流体ベールを発生させることができる。
【0116】
本発明の他の好ましい特徴及び利点が、実施例についての以下の説明及び図面表示の対象である。
【0117】
図面において:
【図面の簡単な説明】
【0118】
図1図1は、処理設備の2つの処理室モジュールを図式的に斜視図で示しており、それらの処理室モジュールの間に分離装置が配置されている。
図2図2は、図1の分離装置を含めた処理モジュールの他の図式的な斜視図である。
図3図3は、図1の分離装置を含めた処理モジュールの第3の図式的な斜視図である。
図4図4は、図1の処理モジュールの1つを、処理設備の移送装置の移送方向に沿った視線で見る、図式的な垂直の横断面図である。
図5図5は、図1の分離装置の図式的な垂直の横断面図である。
図6図6は、図1の処理室モジュールと分離装置を図式的に示す垂直の縦断面図である。
図7図7は、図6の領域VIIを拡大して示している。
図8図8は、図6の領域VIIIを拡大して示している。
【発明を実施するための形態】
【0119】
等しい部材又は機能的に等価の部材は、すべての図において同一の参照符号を有している。
【0120】
図1から8において全体を符号100で示す処理設備は、たとえば工作物102を処理するために用いられる。
【0121】
工作物102は、たとえば車両ボディであって、それが処理設備100によって乾燥される。
【0122】
特に処理設備100は、塗装設備及び/又は乾燥設備である。
【0123】
処理設備100は、特にハウジング104を有しており、それが処理室106を包囲している。
【0124】
処理室106は、特に複数の処理室セクション108を有している。
【0125】
好ましくは処理設備100は、複数の処理室モジュール110を有しており、その場合に各処理室モジュール110は、好ましくは処理室106の処理室セクション108を包囲している
【0126】
処理設備100は、好ましくはさらに移送装置112を有しており、それを用いて工作物102が移送方向114に沿って処理室106を通り抜けることができる(特に図5と6を参照)。
【0127】
1つ又は複数の処理室モジュール110は、好ましくは1つの循環空気ガイド116、特にそれぞれ循環空気ガイド116を有している。
【0128】
各循環空気ガイド116は、循環空気流をそれぞれの処理室セクション108へ供給するために、好ましくは1つ又は複数の入口開口部118を有している。
【0129】
選択的に、各循環空気ガイド116は、さらに、循環空気をそれぞれの処理室セクション108から搬出し、特に吸い出すことができるようにするために、1つ又は複数の出口開口部を有することができる。
【0130】
少なくとも1つの循環空気ガイド116を用いて、特に、移送方向114に対して実質的に横方向、たとえば少なくとも大体において垂直に、方向づけされた循環空気流をそれぞれの処理室セクション108内に発生させることができる。
【0131】
図1から8に示す処理設備100の実施形態において、好ましくは分離装置120が設けられており、それを用いて2つの処理室モジュール110の2つの処理室セクション108が、好ましくは流体作用的に、互いに分離可能である。
【0132】
特に分離装置120を用いて、2つの処理室セクション108の間の流体交換、特に空気交換を阻止し、あるいは少なくとも減少させることができる。
【0133】
そのために、分離装置120は、2つの処理室モジュール110の間に配置されており、あるいは処理室モジュール110へ向いた、他の処理室モジュール110の終端領域内に配置され、あるいはその中に統合されている。
【0134】
分離装置120は、特に、分離流体流、たとえば空気流、を供給するための供給装置122を有している。
【0135】
そのために供給装置122は、特に、分離流体流を駆動するための送風機124及び選択的に、分離流体流を加熱、冷却、除湿及び/又は与湿するための1つ又は複数の調整ユニット及び/又は分離流体流から不純物を除去するための1つ又は複数のフィルタ部材126を有している。
【0136】
分離流体流は、特に、たとえば分離装置120及び/又は処理設備100の周囲128からの、空気流である。
【0137】
吸い込み130を用いて、分離流体流が効果的に吸い込まれて、供給装置122の圧力室ボックス132を介して供給装置122の1つ又は複数のガイド部材134へ供給される。
【0138】
特に図6と7から読みとれるように、圧力室ボックス132が連通セクション136によって、2つのガイド部材134の間に形成されているガイド通路138と流体作用的に接続されているので、圧力室ボックス132からの分離流体が2つのガイド部材134の間へ投入可能である。
【0139】
連通セクション136は、横断面及び/又は縦断面において、好ましくは実質的にV字形状に配置され、かつ/又は形成されている。
【0140】
連通セクション136によって、分離流体をガイド通路138へ特に均一に供給することが可能である。
【0141】
ガイド部材134は、好ましくはガイドプレート140として形成されている。
【0142】
好ましくはガイド部材134は、互いに対して実質的に平行に配置され、かつ/又は天井領域142から始まって重力方向144に対して少なくとも大体において平行に下方へ延びている。
【0143】
特に、ガイド部材134は、処理設備100の1つ又は2つの処理室モジュール110の天井壁146に配置し、特にそれに固定することができる。
【0144】
ガイド部材134は、特に固定的及び/又は移動しないように配置され、かつ/又は形成されている。
【0145】
特に図1から4に明らかなように、ガイド部材134によって、供給装置122の供給開口部148が形成されている。
【0146】
供給開口部148は、特に供給スリット150であって、その供給スリットが特にガイド部材134の下側152に配置及び/又は形成されている。
【0147】
その場合に下側152は、特にガイド部材134の、天井領域142とは逆の端部である。
【0148】
特に、ガイド部材134の下側152は、ガイド部材134の、重力方向144に関して下方の端部である。
【0149】
特に図4から明らかなように、供給開口部148は、好ましくは少なくとも大体において通過開口部154の幅B全体にわたって延びており、その通過開口部は、分離装置120によって互いに分離すべき空間領域156、特に処理室セクション108を互いに接続している。
【0150】
その場合にガイド部材134は、処理すべき工作物102の外側輪郭に対して少なくとも大体において相補的に形成された形状を有している。
【0151】
特にガイド部材134の下側152は、分離装置120を通して移送すべき工作物102の外側輪郭の上側に対して、少なくとも大体において相補的に適合して形成されている。
【0152】
したがってガイド部材134は、特にブラインドを形成することができ、そのブラインドが通過開口部154を少なくとも大体において、分離装置120を通して工作物102を移送するために必要な、形状及び/又は横断面まで減少させる。
【0153】
供給装置122を用いて、特に分離流体流を重力方向144に沿って上から下へ向かって、2つの空間領域156の間、特に2つの処理室セクション108の間へ、投入することができる。
【0154】
特に図6と8から明らかなように、分離装置120の、天井領域142と対向する底領域158内には、好ましくは供給装置122から直接流着する搬出開口部が配置されておらず、かつ/又は形成されていない。
【0155】
むしろ好ましくは、1つ又は複数の出口開口部160と、ブロッキング装置164の1つ又は複数のブロッキング部材162との組合せが設けられている。
【0156】
特に1つ又は複数の出口開口部160を有する搬出装置166は、好ましくは、ガイド部材134の直接的な延長上ではなく、むしろ移送方向114に沿って変位して配置されている。
【0157】
特に、2つの出口開口部160は、つながった、かつ/又は中断された吸い出しスリット168として形成されており、その吸い出しスリットが特に底領域158内で、分離装置120の分離平面170に対して少なくとも大体において平行に延びている。
【0158】
分離平面170は、特に、ガイド部材134のミラー平面及び/又はガイド通路138の中心平面である。
【0159】
特に分離平面170は、移送方向114に対して少なくとも大体において垂直に形成されている。
【0160】
分離平面170は、さらに、2つの処理室モジュール110の間に配置された、かつ/又は延びる、平面とすることができる。
【0161】
好ましくは、搬出装置166の全出口開口部160は、分離平面170の唯一の側に配置されている。
【0162】
分離平面170のこの側と対向する側に、好ましくはブロッキング装置164の1つ又は複数のブロッキング部材162が配置されている。
【0163】
特に図6から読みとれるように、ブロッキング部材162は底領域158、特に底壁172から始まって上へ向かって、特に重力方向144に抗して上へ向かって、延びている。
【0164】
1つ又は複数のブロッキング部材162は特に次のように、すなわちガイド部材134によって重力方向144に沿って上から下へ向かって案内され、底領域158内で方向変換される分離流体が、少なくとも移送方向114に対して平行となる方向においてブロックされるように、堰き止め作用を可能にする。図1から8に示す処理設備100の実施形態において、1つ又は複数のブロッキング部材162によって特に、分離流体が底領域158内で移送方向114に抗して広がって、それによってたとえばフローシリンダが形成されることがないようにされる。
【0165】
分離平面170の、1つ又は複数のブロッキング部材162と対向する側に配置されている、1つ又は複数の出口開口部160を用いて、分離流体は、好ましくは同様にフローシリンダを形成せずに、吸い出すことができる。
【0166】
それによって、分離流体によって形成される分離流体ベール、特に空気ベールは、好ましくは移送方向114に沿って特にわずかな広がりしか持たないので、分離装置120は全体として小さい組み込み空間しか必要としない。
【0167】
特に図1、2及び5から読みとれるように、好ましくは複数のブロッキング部材162、あるいは少なくとも1つ又は複数の中断されたブロッキング部材162が設けられており、その場合に1つ又は複数の中断部174の間を通して移送装置112の1つ又は複数の部材、たとえばレールなどが案内されている。
【0168】
さらに、特に図6、7及び8に関して、補償装置176の選択が指摘される。
【0169】
補償装置176は、特に、移送方向114に沿った処理室モジュール110の温度による長さ変化を補償することができる。
【0170】
そのために補償装置176は、好ましくは1つ又は複数の補償部材178を有しており、その補償部材は、2つの処理室モジュール110の間及び/又は処理室モジュール110と分離装置120の間に、たとえば湾曲した、弧を描いた、かつ/又は蛇行した、結合部材として形成されている。
【0171】
供給装置122に関して、さらに確認すべきことは、特に圧力室ボックス132、送風機124、1つ又は複数の調整ユニット及び/又は1つ又はフィルタ部材126を、天井領域142内に、特に天井壁146上に、配置することができることである。
【0172】
1つ又は複数のフィルタ部材126、1つ又は複数の調整ユニット及び/又は圧力室ボックス132の内部空間は、好ましくはアクセス部材180、たとえばアクセスフラップ182を用いて、処理室セクション108からアクセスできる。それによって供給装置122、特に1つ又は複数のフィルタ部材126の簡単かつコスト的に好ましい保守を行うことができる。
【0173】
図6内で示唆されるように、好ましくは同時に複数の工作物102が処理室106内に配置されている。
【0174】
移送装置112は、たとえば連続的な移送装置112である。
【0175】
それに対して好ましくは、クロック移送装置が移送装置112として設けられている。
【0176】
その場合に移送装置112によって、特に工作物102をクロック駆動において1つのクロック場所184からそれに続くクロック場所184へ移送することができる。
【0177】
その場合に分離装置120と移送装置112は、特に、分離装置120が2つのクロック場所184の間に配置されるように、配置し、かつ形成されている。
【0178】
特に、工作物102の一時的な停止の間、できる限り中断のない分離流体ベール、特に空気ベールを発生させることができるようにするために、分離平面170は2つのクロック場所184の間に延びている。それによって2つの空間領域156、特に処理室セクション108の流体作用的な分離を行うことができる。
【0179】
ガイド部材134、ブロッキング装置164及び/又は搬出装置166を使用することによって、分離装置120は好ましくは特にコンパクトに形成することができるので、分離装置120によってもたらされる、クロック場所184の間の空間損失を、できる限り小さく抑えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8