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特許7624512エンドツーエンドリレーを使用したレーダ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】エンドツーエンドリレーを使用したレーダ
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/185 20060101AFI20250123BHJP
   H01Q 25/00 20060101ALI20250123BHJP
   H01Q 1/28 20060101ALI20250123BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20250123BHJP
   G01S 13/90 20060101ALI20250123BHJP
   H04B 7/10 20170101ALI20250123BHJP
【FI】
H04B7/185
H01Q25/00
H01Q1/28
H04B7/08 802
G01S13/90 176
H04B7/10 B
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2023528596
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2020060922
(87)【国際公開番号】W WO2022108577
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】グリーニッジ,デイビッド,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ビュアー,ケネス,ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,クレイグ,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハンシャリック,デイビッド,ジェイ.
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/214674(WO,A1)
【文献】米国特許第10574338(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0090990(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/185
H01Q 25/00
H01Q 1/28
H04B 7/08
G01S 13/90
H04B 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星(120)を使用して撮像するための方法であって、
衛星アクセスノード(130)においてリターンダウンリンク信号(133)を受信することであって、前記リターンダウンリンク信号(133)は、地理的領域を照射する前記衛星のアンテナアレイ(127)の複数のリターンアップリンク供給装置(128)によって受信されたリターンアップリンク信号(173)の複合体を含む、受信することと、
複数のビーム信号(425)を取得するために複数のビーム重みセット(433)に従って前記リターンダウンリンク信号(133)を処理することであって、前記複数のビーム重みセット(433)は、それぞれの複数のビームカバレッジパターン(512)に対応し、前記リターンダウンリンク信号(133)を処理することは、第1のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第1のサブセットを取得するために、前記リターンダウンリンク信号(133)の第1の持続時間に対応する前記リターンダウンリンク信号(133)の信号データの第1のセットを、第1のビーム重みセット(434)を前記第1の持続時間に対応する前記信号データの第1のセットに適用することによって処理することと、第2のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第2のサブセットを取得するために、前記信号データの第1のセットに第2のビーム重みセット(434)を適用することによって、前記第1の持続時間に対応する前記信号データの第1のセットを処理することと、を含み、前記第1のビームカバレッジパターン(510)は、第1の偏波及び第1の周波数範囲に関連付けられた第1の複数のビームカバレッジエリア(515)を含み、前記第2のビームカバレッジパターン(510)は、前記第1の偏波及び前記第1の周波数範囲に関連付けられた第2の複数のビームカバレッジエリア(515)を含み、前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)は、前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)からオフセット(520)される、処理することと、
前記複数のビーム信号(425)に対応する画像ピクセル値を含む前記照射された地理的領域の画像(460)を取得するために、前記複数のビーム信号(425)を処理することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)のうちの各ビームカバレッジエリア(515)は、前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)のうちの対応するビームカバレッジエリア(515)と部分的に重複する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記照射された地理的領域の前記画像(460)を取得するために前記複数のビーム信号(425)を処理することは、
前記複数のビーム信号(425)の前記第1のサブセットから画像データ点の第1のセットを生成することと、
前記複数のビーム信号(425)の前記第2のサブセットから画像データ点の第2のセットを生成することと、
前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)及び前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)のビーム位置情報に基づいて前記画像ピクセル値をピクセル位置に割り当てることによって、前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)と前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)との間の前記オフセット(520)に従って、前記画像データ点の第1のセットと前記画像データ点の第2のセットとを組み合わせることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のビーム重みセット(434)に従って前記リターンダウンリンク信号(133)を処理することは、
前記第1のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第3のサブセットを取得するために、第3のビーム重みセット(434)に従って、前記リターンダウンリンク信号(133)の第2の持続時間に対応する信号データの第2のセットを処理することと、
前記第2のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第4のサブセットを取得するために、第4のビーム重み(434)セットに従って、前記信号データの第2のセットを処理することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記照射された地理的領域の前記画像(460)を取得するために前記複数のビーム信号(425)を処理することは、
ビーム信号の第1のフィルタリングされたサブセットを取得するために、前記複数のビーム信号(425)の前記第1及び第3のサブセットをフィルタリングすることと、
前記ビーム信号の第1のフィルタリングされたサブセットから画像データ点の第1のセットを生成することと、
ビーム信号の第2のフィルタリングされたサブセットを取得するために、前記複数のビーム信号(425)の前記第2及び第4のサブセットをフィルタリングすることと、
前記ビーム信号の第2のフィルタリングされたサブセットから画像データ点の第2のセットを生成することと、
前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)と前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)との間の前記オフセットに従って、前記画像データ点の第1のセットと前記画像データ点の第2のセットとを組み合わせることと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記照射された地理的領域の前記画像を取得するために前記複数のビーム信号(425)を処理することは、
前記複数のビーム信号(425)の前記第3のサブセットから画像データ点の第3のセットを生成することと、
前記複数のビーム信号(425)の前記第4のサブセットから画像データ点の第4のセットを生成することと、
画像データ点の第1のフィルタリングされたセットを取得するために、前記画像データ点の第1及び第3のセットをフィルタリングすることと、
画像データ点の第2のフィルタリングされたセットを取得するために、前記画像データ点の第2及び第4のセットをフィルタリングすることと、
前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)と前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)との間の前記オフセット(520)に従って、前記画像データ点の第1のフィルタリングされたセットと前記画像データ点の第2のフィルタリングされたセットとを組み合わせることと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記リターンダウンリンク信号(133)は、複数のリターンダウンリンク信号(133)を含み、前記複数のリターンダウンリンク信号(133)の各々は、前記衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の供給装置(128)によって受信されるリターンアップリンク信号(173)に対応する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記リターンダウンリンク信号(133)を受信することは、
それぞれの複数の衛星アクセスノード(130)において複数のリターンダウンリンク信号(133)を受信することを含み、前記複数のリターンダウンリンク信号(133)の各々は、前記リターンアップリンク信号(173)のうちの1つ以上の複合体を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のビームカバレッジパターンの各々(510)は、複数のビームカバレッジエリア(515)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記衛星は、ビーコン信号を送信し、前記衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の複数の供給装置(128)において受信された前記ビーコン信号のそれぞれの反射を中継し、前記リターンダウンリンク信号(133)は、前記中継されたそれぞれの反射を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記衛星アクセスノード(130)は、順方向アップリンク信号(132)を送信し、前記衛星(120)は、前記衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の複数の順方向ダウンリンク供給装置(128)を介して前記順方向アップリンク信号(132)を中継し、前記衛星(120)は、前記アンテナアレイ(127)の複数のリターンアップリンク供給装置(128)において受信された前記中継された順方向リンク信号のそれぞれの反射を中継し、前記リターンダウンリンク信号(133)は、前記中継されたそれぞれの反射を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記順方向アップリンク信号(133)は、前記地理的領域内の複数のユーザ端末(150)への送信のための複数の順方向ユーザデータストリームを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記衛星(120)は、第1の衛星(120)であり、1つ以上の第2の衛星(122)は、前記地理的領域にわたってそれぞれの照射信号(145)を送信し、前記第1の衛星(120)は、前記第1の衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の複数のリターンアップリンク供給装置(128)において受信された前記照射信号(145)のそれぞれの反射を中継し、前記リターンダウンリンク信号(133)は、前記中継されたそれぞれの反射を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の衛星(120)は、静止(GEO)衛星であり、前記1つ以上の第2の衛星(122)の各々は、低地球軌道(LEO)衛星Wである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
衛星(120)を使用して撮像する撮像システムであって、
リターンダウンリンク信号(133)を受信するように構成された衛星アクセスノード(130)であって、前記リターンダウンリンク信号(133)は、地理的領域を照射する前記衛星のアンテナアレイ(127)の複数のリターンアップリンク供給装置(128)によって受信されたリターンアップリンク信号(173)の複合体を含む、衛星アクセスノード(130)と、
少なくとも1つのプロセッサ(630)と、を備え、前記少なくとも1つのプロセッサ(630)は、
複数のビーム信号(425)を取得するために複数のビーム重みセット(433)に従って前記リターンダウンリンク信号(133)を処理することであって、前記複数のビーム重みセット(433)は、それぞれの複数のビームカバレッジパターン(512)に対応し、前記リターンダウンリンク信号(133)を処理することは、第1のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第1のサブセットを取得するために、前記リターンダウンリンク信号(133)の第1の持続時間に対応する前記リターンダウンリンク信号(133)の信号データの第1のセットを、第1のビーム重みセット(434)を前記第1の持続時間に対応する前記信号データの第1のセットに適用することによって処理することと、第2のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第2のサブセットを取得するために、前記信号データの第1のセットに第2のビーム重みセット(434)を適用することによって、前記第1の持続時間に対応する前記信号データの第1のセットを処理することと、を含み、前記第1のビームカバレッジパターン(510)は、第1の偏波及び第1の周波数範囲に関連付けられた第1の複数のビームカバレッジエリア(515)を含み、前記第2のビームカバレッジパターン(510)は、前記第1の偏波及び前記第1の周波数範囲に関連付けられた第2の複数のビームカバレッジエリア(515)を含み、前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)は、前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)からオフセット(520)される、処理することと、
前記複数のビーム信号(425)に対応する画像ピクセル値を含む前記照射された地理的領域の画像(460)を取得するために、前記複数のビーム信号(425)を処理することと、を行うように構成されている、撮像システム。
【請求項16】
前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)のうちの各ビームカバレッジエリア(515)は、前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)のうちの対応するビームカバレッジエリア(515)と部分的に重複する、請求項15に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記照射された地理的領域の前記画像(460)を取得するために前記複数のビーム信号(425)を処理することは、
前記複数のビーム信号(425)の前記第1のサブセットから画像データ点の第1のセットを生成することと、
前記複数のビーム信号(425)の前記第2のサブセットから画像データ点の第2のセットを生成することと、
前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)及び前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)のビーム位置情報に基づいて前記画像ピクセル値をピクセル位置に割り当てることによって、前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)と前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)との間の前記オフセット(520)に従って、前記画像データ点の第1のセットと前記画像データ点の第2のセットとを組み合わせることと、を含む、請求項15に記載の撮像システム。
【請求項18】
前記複数のビーム重みセット(433)に従って前記リターンダウンリンク信号(133)を処理することは、
前記第1のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第3のサブセットを取得するために、第3のビーム重みセット(434)に従って、前記リターンダウンリンク信号(133)の第2の持続時間に対応する信号データの第2のセットを処理することと、
前記第2のビームカバレッジパターン(510)に対応する前記複数のビーム信号(425)の第4のサブセットを取得するために、第4のビーム重みセット(434)に従って、前記信号データの第2のセットを処理することと、を含む、請求項15に記載の撮像システム。
【請求項19】
前記照射された地理的領域の前記画像を取得するために前記複数のビーム信号(425)を処理することは、
ビーム信号(425)の第1のフィルタリングされたサブセットを取得するために、前記複数のビーム信号(425)の前記第1及び第3のサブセットをフィルタリングすることと、
前記ビーム信号(425)の第1のフィルタリングされたサブセットから画像データ点の第1のセットを生成することと、
ビーム信号(425)の第2のフィルタリングされたサブセットを取得するために、前記複数のビーム信号(425)の前記第2及び第4のサブセットをフィルタリングすることと、
前記ビーム信号(425)の第2のフィルタリングされたサブセットから画像データ点の第2のセットを生成することと、
前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)と前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)との間の前記オフセット(520)に従って、前記画像データ点の第1のセットと前記画像データ点の第2のセットとを組み合わせることと、を含む、請求項18に記載の撮像システム。
【請求項20】
前記照射された地理的領域の前記画像(460)を取得するために前記複数のビーム信号(425)を処理することは、
前記複数のビーム信号(425)の前記第3のサブセットから画像データ点の第3のセットを生成することと、
前記複数のビーム信号(425)の前記第4のサブセットから画像データ点の第4のセットを生成することと、
画像データ点の第1のフィルタリングされたセットを取得するために、前記画像データ点の第1及び第3のセットをフィルタリングすることと、
画像データ点の第2のフィルタリングされたセットを取得するために、前記画像データ点の第2及び第4のセットをフィルタリングすることと、
前記第2の複数のビームカバレッジエリア(515)と前記第1の複数のビームカバレッジエリア(515)との間の前記オフセット(520)に従って、前記画像データ点の第1のフィルタリングされたセットと前記画像データ点の第2のフィルタリングされたセットとを組み合わせることと、を含む、請求項18に記載の撮像システム。
【請求項21】
前記リターンダウンリンク信号(133)は、複数のリターンダウンリンク信号(133)を含み、前記複数のリターンダウンリンク信号(133)の各々は、前記衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の供給装置(128)によって受信されるリターンアップリンク信号(173)に対応する、請求項15~20のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項22】
前記リターンダウンリンク信号(133)を受信することは、
それぞれの複数の衛星アクセスノード(130)において複数のリターンダウンリンク信号(133)を受信することを含み、前記複数のリターンダウンリンク信号(133)の各々は、前記リターンアップリンク信号(173)のうちの1つ以上の複合体を含む、請求項15~20のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項23】
前記複数のビームカバレッジパターンの各々(510)は、複数のビームカバレッジエリア(515)を含む、請求項15~22のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項24】
前記衛星は、ビーコン信号を送信し、前記衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の複数の供給装置(128)において受信された前記ビーコン信号のそれぞれの反射を中継し、前記リターンダウンリンク信号(133)は、前記中継されたそれぞれの反射を含む、請求項15~20のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項25】
前記衛星アクセスノード(130)は、順方向アップリンク信号(132)を送信し、前記衛星(120)は、前記衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の複数の順方向ダウンリンク供給装置(128)を介して前記順方向アップリンク信号(132)を中継し、前記衛星(120)は、前記アンテナアレイ(127)の複数のリターンアップリンク供給装置(128)において受信された前記中継された順方向リンク信号のそれぞれの反射を中継し、前記リターンダウンリンク信号(133)は、前記中継されたそれぞれの反射を含む、請求項15~23のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項26】
前記順方向アップリンク信号(132)は、前記地理的領域内の複数のユーザ端末(150)への送信のための複数の順方向ユーザデータストリームを含む、請求項25に記載の撮像システム。
【請求項27】
前記衛星(120)は、第1の衛星(120)であり、1つ以上の第2の衛星(122)は、前記地理的領域にわたってそれぞれの照射信号(145)を送信し、前記第1の衛星(120)は、前記第1の衛星(120)の前記アンテナアレイ(127)の複数のリターンアップリンク供給装置(128)において受信された前記照射信号(145)のそれぞれの反射を中継し、前記リターンダウンリンク信号(133)は、前記中継されたそれぞれの反射を含む、請求項15~23のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項28】
前記第1の衛星(120)は、静止(GEO)衛星であり、前記1つ以上の第2の衛星(122)の各々は、低地球軌道(LEO)衛星である、請求項27に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
以下は、概して、ビームフォーミングされたアンテナシステムに関し、より具体的には、マルチスタティック合成開口レーダに関する。衛星通信システムなど、一部のビームフォーミングされたアンテナシステムでは、受信デバイスは、供給アレイの供給要素のセットの各々において信号を受信するように構成されたアンテナを含み得る。供給要素信号のセットは、受信ビームフォーミング構成に従って処理することができ、該構成は、供給要素信号のそれぞれの信号に位相シフト又は振幅スケーリングを適用することを含み得る。処理は、一部の例では、種々のスポットビームカバレッジエリアに対応するスポットビーム信号を生成することに関連し得、これにより、アンテナのサービスカバレッジエリアにわたる通信リソースの種々の割り振りをサポートすることができる。
【発明の概要】
【0002】
説明される技術は、マルチスタティック合成開口レーダをサポートする改善された方法、システム、デバイス、及び装置に関する。一部の例では、アンテナは、衛星、飛行機、無人航空機(UAV)、又はサービスカバレッジエリアにわたる通信サービス若しくは他の受信能力をサポートする何らかの他のタイプのデバイスなどのビークルに含まれ得る。アンテナは、供給要素のセットを有する供給アレイを含むことができ、供給要素の各々は、それぞれの供給要素において受信されたエネルギーに対応する供給要素信号に関連付けられ得る。代替的に、デバイスは、対応する供給アレイ(例えば、同じ又は異なる供給アレイ)を介して供給アレイにおいて受信された信号を中継することができる。地上システム(例えば、複数のアクセスノード端末)は、中継信号を受信することができる。受信処理システムは、信号(例えば、供給要素信号又はアクセスノード信号)、又は他の関係するシグナリングを受信し、指向性受信をサポートするために種々のビームフォーミング技術を実行することができる。
【0003】
リアルタイム通信をサポートするために、受信処理システムは、第1のビームフォーミング構成に従って、供給要素信号などの受信されたシグナリングを処理して、1つ以上のスポットビーム信号を生成することができる。スポットビーム信号の各々は、アンテナのそれぞれのスポットビームに対応することができ、一部の例では、複数のスポットビーム(例えば、スポットビームカバレッジエリア)のそれぞれのスポットビームに対してスケジューリングされた通信を含むことができる。
【0004】
マルチスタティック合成開口レーダをサポートするために、受信処理システムは、ビーム信号のセットを生成するために、各々が1つ以上のレーダ画像ピクセルビームを含むビームカバレッジパターンに対応する、複数のビーム重みセットに従って(例えば、ある持続時間の間)供給要素信号を処理することができる。供給要素信号は、反射された照明信号(例えば、ビーコン信号、通信信号)からの信号エネルギー、又は受動的に受信された信号エネルギー(例えば、対応する照明信号を伴わない)を表すことができる。供給要素信号を処理することから取得されたビーム信号の複数のセットは、次いで、画像ピクセル値を取得するために処理され、画像ピクセル値は、画像を取得するために組み合わせられ得る。供給要素信号の処理は、照明源を考慮に入れてもよく、照明源は、供給要素信号の受信機又はリレーと同じであってもよく、場合によっては、異なる送信機であってもよい。場合によっては、供給要素信号の複数のセット(例えば、それぞれが持続時間に対応する)を処理し、組み合わせて、画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1Aは、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする通信システムの図を示す。図1Bは、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする衛星のアンテナアセンブリを示す。図1Cは、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートするアンテナアセンブリの供給アレイアセンブリを示す。
図2図2A図2Dは、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする供給アレイアセンブリを有するアンテナアセンブリのアンテナ特性の例を示す。
図3図3A及び図3Bは、本明細書で開示する例による、ネイティブアンテナパターンカバレッジエリア上にスポットビームカバレッジエリアを形成するためのビームフォーミングの一例を示す。
図4図4は、本明細書で開示する例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする受信処理システムの一例を示す。
図5図5は、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする複合ビームカバレッジパターンの一例を示す。
図6図6は、本明細書で開示する例によるマルチスタティック合成開口レーダのための技術をサポートするデバイスを含むシステムの図を示す。
図7図7は、本明細書で開示する例によるマルチスタティック合成開口レーダのための技術をサポートするプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書で説明される技術によるシステムは、マルチスタティック合成開口レーダの種々の例をサポートし得る。例えば、供給アレイアンテナは、衛星、飛行機、無人航空機(UAV)、又はサービスカバレッジエリアにわたって通信サービス若しくは他の受信能力をサポートする何らかの他のタイプのデバイスなどのビークルに含まれ得る。アンテナは、供給要素のセットを有する供給アレイを含むことができ、信号受信をサポートするために、供給要素の各々は、それぞれの供給要素において受信されたエネルギーに対応する供給要素信号に関連付けられ得る。代替的に、デバイスは、対応する供給アレイ(例えば、同じ又は異なる供給アレイ)を介して供給アレイにおいて受信された信号を中継することができる。地上システム(例えば、複数のアクセスノード端末)は、中継信号を受信することができる。受信処理システムは、信号(例えば、供給要素信号又はアクセスノード端末信号)を受信し、指向性受信をサポートするために種々のビームフォーミング技術を実行することができる。受信処理システムの構成要素は、1つ以上の地上局に含まれてもよく、又は衛星若しくは他のビークルに含まれてもよく、該ビークルは、処理されている供給要素信号に関連付けられたアンテナを含んでよく、含まなくてもよい。一部の例では、受信処理システムの構成要素は、ビークルと地上セグメントとの間に分散された構成要素を含む、2つ以上のデバイスの間に分散され得る。
【0007】
本明細書で説明する種々の態様によれば、複数の供給信号又はアクセスノード端末信号は、撮像領域内の画像点の異なるセットを取得するために、複数のビーム重みセットに従って処理され得る。供給信号又はアクセスノード端末信号は、能動的に送信された信号の反射(例えば、反射ビーコン信号、反射通信信号)、又は受動的に収集された信号(例えば、他の通信信号、熱放射、又は他の信号の放射又は反射)を含み得る。画像点のセットは、マルチスタティック合成開口レーダ画像に組み合わされ得る。
【0008】
本明細書は、マルチスタティック合成開口レーダのための技術の種々の例を提供し、かかる例は、本明細書で説明する原理による例の範囲、適用可能性、又は構成の限定ではない。むしろ、以下の説明は、本明細書で説明される原理の実施形態を実装するのを可能にする説明を当業者に提供するであろう。要素の機能及び配置において様々な変更が行われてもよい。
【0009】
したがって、本明細書で開示される例による種々の実施形態は、必要に応じて、種々の手順又は構成要素を省略、置換、又は追加し得る。例えば、方法は、説明した順序とは異なる順序で実行され得ること、及び種々のステップが追加、省略、又は組み合わされ得ることを理解されたい。また、特定の実施例に関して説明される態様及び要素は、様々な他の実施例において組み合わされてもよい。また、以下のシステム、方法、デバイス、及びソフトウェアは、個別に又は集合的に、より大きいシステムの構成要素であってもよく、他の手順が、それらのアプリケーションに優先するか、又は他の方法でそれらのアプリケーションを修正してもよいことを理解されたい。
【0010】
図1Aは、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする衛星システム100の図を示している。衛星システム100は、宇宙セグメント101及び地上セグメント102を含むいくつかのネットワークアーキテクチャを使用することができる。宇宙セグメント101は、1つ以上の衛星120を含み得る。地上セグメント102は、1つ以上のアクセスノード端末130(例えば、ゲートウェイ端末、地上局)、及びネットワークオペレーションセンター(NOC)又は他の中央処理センター若しくはデバイス、並びに衛星及びゲートウェイ端末指揮センターなどのネットワークデバイス141を含み得る。一部の例では、地上セグメント102はまた、衛星120を介して通信サービスを提供されるユーザ端末150を含み得る。
【0011】
種々の例では、衛星120は、サービスカバレッジエリア内に配置された1つ以上のアクセスノード端末130及び/又は種々のユーザ端末150の間の無線通信をサポートするように構成され得、これは、一部の例では、衛星120の主要なタスク又はミッションであり得る。一部の例では、衛星120は、情報収集のために構成され得、(例えば、データ収集又は受信ミッションにおける)電磁データ、光学データ、熱データ、又は他のデータの地理的分布を検出するための種々のセンサを含み得る。一部の例では、衛星120は、地上デバイスに対するその軌道位置が比較的固定されるか、又は動作許容範囲若しくは他の軌道窓内(例えば、軌道スロット内)に固定されるように、静止軌道に展開され得る。他の実施例では、衛星120は任意の適切な軌道(例えば、低地球軌道(LEO)、中地球軌道(MEO)など)で動作し得る。
【0012】
衛星120は、フェーズドアレイアンテナアセンブリ(例えば、直接放射アレイ(DRA))、フェーズドアレイ供給反射器(PAFR)アンテナ、又は(例えば、通信若しくはブロードキャストサービス、又はデータ収集サービスの)信号の受信若しくは送信のための当技術分野で知られている任意の他の機構などのアンテナアセンブリ121を使用することができる。通信サービスをサポートするとき、衛星120は、1つ以上のアクセスノード端末130から順方向アップリンク信号132を受信し、対応する順方向ダウンリンク信号172を1つ以上のユーザ端末150に提供し得る。衛星120はまた、1つ以上のユーザ端末150からリターンアップリンク信号173を受信し、対応するリターンダウンリンク信号133を1つ以上のアクセスノード端末130に転送することができる。種々の物理層送信変調及びコーディング技術(例えば、適応コーディング及び変調(ACM))が、アクセスノード端末130又はユーザ端末150の間の信号の通信のために衛星120によって使用され得る。
【0013】
アンテナアセンブリ121は、1つ以上のビームフォーミングされたスポットビーム125を介して通信又は他の信号受信をサポートすることができ、これは、サービスビーム、衛星ビーム、又は任意の他の適切な用語で称され得る。信号は、スポットビーム125の空間電磁放射パターンに従ってアンテナアセンブリ121を介して渡すことができる。通信サービスをサポートする場合、スポットビーム125は、1つの周波数又は連続した周波数範囲などの単一の搬送波を使用することができ、これはまた、単一の偏波に関連付けられ得る。一部の例では、スポットビーム125は、ユーザ端末150のみをサポートするように構成され得、その場合、スポットビーム125は、ユーザスポットビーム又はユーザビーム(例えば、ユーザスポットビーム125-a)と称され得る。例えば、ユーザスポットビーム125-aは、衛星120とユーザ端末150との間の1つ以上の順方向ダウンリンク信号172及び/又は1つ以上のリターンアップリンク信号173をサポートするように構成され得る。一部の例では、スポットビーム125は、アクセスノード端末130のみをサポートするように構成され得、その場合、スポットビーム125は、アクセスノードスポットビーム、アクセスノードビーム、又はゲートウェイビーム(例えば、アクセスノードスポットビーム125-b)と称され得る。例えば、アクセスノードスポットビーム125-bは、衛星120とアクセスノード端末130との間の1つ以上の順方向アップリンク信号132及び/又は1つ以上のリターンダウンリンク信号133をサポートするように構成され得る。他の実施例では、スポットビーム125は、ユーザ端末150とアクセスノード端末130の両方にサービスするように構成され得、したがって、スポットビーム125は、衛星120とユーザ端末150とアクセスノード端末130との間の順方向ダウンリンク信号172、リターンアップリンク信号173、順方向アップリンク信号132、及び/又はリターンダウンリンク信号133の任意の組み合わせをサポートし得る。
【0014】
スポットビーム125は、スポットビームカバレッジエリア126内で、ターゲットデバイス(例えば、ユーザ端末150及び/又はアクセスノード端末130)間の通信サービス、又は他の信号受信をサポートし得る。スポットビームカバレッジエリア126は、閾値を上回るスポットビーム125の信号電力、信号対雑音比(SNR)、又は信号対干渉プラス雑音比(SINR)を有する、地面又は何らかの他の基準表面上に投影されるような、関連するスポットビーム125の電磁放射パターンのエリアによって定義され得る。スポットビームカバレッジエリア126は、任意の適切なサービスエリア(例えば、円形、楕円形、六角形、局所、地域、国家、など)をカバーすることができ、スポットビームカバレッジエリア126内に配置された任意の数のターゲットデバイスとの通信サービスをサポートすることができる。種々の例では、空中又は水中のターゲットデバイスなどのターゲットデバイスは、スポットビーム125内に配置され得るが、スポットビームカバレッジエリア126の基準表面(例えば、地表面、陸地表面、湖若しくは海洋などの水域の表面、又は高度若しくは高度における基準表面であり得る基準表面160)には配置されない場合がある。
【0015】
通信リンクのためのビームフォーミングは、重複するネイティブ供給要素パターンを有する1つ以上のアンテナアセンブリ121の複数の供給要素によって送信及び/又は受信される信号の信号位相(又は時間遅延)、及びあるときには信号振幅を調整することによって実行され得る。一部の例では、一部又は全ての供給要素は、オンボードビームフォーミング(OBBF)、地上ベースのビームフォーミング(GBBF)、エンドツーエンドビームフォーミング、又は他のタイプのビームフォーミングの種々の例を可能にするために協働する構成受信及び/又は送信供給要素のアレイとして配置することができる。
【0016】
衛星120は、それぞれのスポットビームカバレッジエリア126をカバーする複数のビームフォーミングされたスポットビーム125をサポートすることができ、その各々は、隣接するスポットビームカバレッジエリア126と重複してもしなくてもよい。例えば、衛星120は、任意の数(例えば、数十、数百、数千)のスポットビームカバレッジエリア126の組み合わせによって形成されるサービスカバレッジエリア(例えば、地域カバレッジエリア、国家カバレッジエリア、半球カバレッジエリア)をサポートすることができる。衛星120は、1つ以上の周波数帯域、及びその任意の数のサブバンドによって通信サービスをサポートすることができる。例えば、衛星120は、国際電気通信連合(ITU)Ku、K、又はKaバンド、Cバンド、Xバンド、Sバンド、Lバンド、Vバンドなどにおける動作をサポートすることができる。
【0017】
一部の例では、サービスカバレッジエリアは、地上送信ソース又は地上受信機のいずれかがそこから、かつ/又はそこに衛星120を介して通信サービスに参加(例えば、それに関連する信号を送信及び/又は受信)し得るカバレッジエリアとして定義され得、複数のスポットビームカバレッジエリア126によって定義され得る。一部のシステムでは、各通信リンクのサービスカバレッジエリア(例えば、順方向アップリンクカバレッジエリア、順方向ダウンリンクカバレッジエリア、リターンアップリンクカバレッジエリア、及び/又はリターンダウンリンクカバレッジエリア)は異なり得る。サービスカバレッジエリアは、衛星120がサービス中である(例えば、サービス軌道にある)ときにのみアクティブであり得るが、衛星120は、アンテナアセンブリ121の物理的構成要素とそれらの相対位置とに基づくネイティブアンテナパターンを有することができる(例えば、ネイティブアンテナパターンを有するように設計又は構成され得る)。衛星120のネイティブアンテナパターンは、衛星のアンテナアセンブリ121に対するエネルギー(例えば、アンテナアセンブリ121から送信された及び/又はアンテナアセンブリ121によって受信されたエネルギー)の分布を指すことができる。
【0018】
一部のサービスカバレッジエリアでは、隣接するスポットビームカバレッジエリア126は、ある程度の重複を有し得る。一部の例では、マルチカラー(例えば、2色、3色、又は4色の再使用パターン)が使用され得、「色」は、直交通信リソース(例えば、周波数リソース、偏波など)の組み合わせを指す。4色パターンの一例では、重複するスポットビームカバレッジエリア126はそれぞれ、4色のうちの1つを割り当てることができ、各色は、周波数(例えば、1つ以上の周波数範囲、1つ以上のチャネル)及び/又は信号偏波(例えば、右旋円偏波(RHCP)、左旋円偏波(LHCP)など)、又は別様で直交リソースの一意の組み合わせを割り振ることができる。重複する領域を有するそれぞれのスポットビームカバレッジエリア126に異なる色を割り当てることで、(例えば、それぞれの色に従ってそれぞれのスポットビームに対応する送信をスケジューリングすることによって、それぞれの色に従ってそれぞれのスポットビームに対応する送信をフィルタリングすることにより)それらの重複するスポットビームカバレッジエリア126に関連付けられたスポットビーム125間の干渉を低減又は排除することができる。したがって、周波数及びアンテナ偏波のこれらの組み合わせは、反復する非重複「4色」再使用パターンにおいて再使用することができる。一部の例では、通信サービスは、より多くの又はより少ない色を使用することによって提供され得る。追加的又は代替的に、スポットビーム125間の時分割及び/又は他の干渉緩和技術が使用され得る。例えば、スポットビーム125は、ACM、干渉除去、時空間符号化などの緩和技術を使用して干渉が緩和された状態で、同じリソース(同じ偏波及び周波数範囲)を同時に使用することができる。
【0019】
一部の例では、衛星120は、「ベントパイプ」衛星として構成され得る。ベントパイプ構成では、衛星120は、信号をそれらの宛先に再送信する前に、受信されたキャリア信号の周波数及び偏波変換を実行することができる。一部の例では、衛星120は、(例えば、GBBFによって)比較的小さいスポットビーム125を生成するために使用されるフェーズドアレイアンテナを用いて、非処理ベントパイプアーキテクチャをサポートすることができる。衛星120は、K個の汎用経路をサポートすることができ、その各々は、任意の瞬間に順方向経路又はリターン経路として割り振ることができる。比較的大きい反射器は、アンテナ供給要素のフェーズドアレイによって照射されてもよく、反射器のサイズ並びにアンテナ供給要素の数及び配置によって設定される制約内でスポットビーム125の種々のパターンを作成する能力をサポートする。フェーズドアレイ供給反射器を、アップリンク信号132、173、又は両方を受信することと、ダウンリンク信号133、172、又は両方を送信することとの両方のために採用され得る。
【0020】
衛星120は、多重スポットビームモードで動作し、地球の異なる領域に方向付けられた多数の比較的狭いスポットビーム125に従って送信又は受信することができる。これは、種々の狭いスポットビーム125へのユーザ端末150の分離を可能にするか、又は別様で、送信又は受信信号の空間分離をサポートし得る。一部の例では、受信(Rx)又は送信(Tx)フェーズドアレイに関連付けられたビームフォーミングネットワーク(BFN)は、動的であり得、Txスポットビーム125(例えば、ダウンリンクスポットビーム125)及びRxスポットビーム125(例えば、アップリンクスポットビーム125)の位置の移動を可能にする。
【0021】
ユーザ端末150は、固定端末(例えば、地上ベースの固定端末)、又はボート、航空機、地上ベースのビークルなどの端末などの移動端末を含み得る、衛星120と信号を通信するように構成された様々なデバイスを含み得る。ユーザ端末150は、衛星120を介してデータ及び情報を通信し得、該通信は、ネットワークデバイス141、又はネットワーク140に関連付けられた何らかの他のデバイス若しくは分散サーバなどの宛先デバイスへのアクセスノード端末130を介した通信を含み得る。ユーザ端末150は、例えば、デジタルビデオ放送-衛星-第2世代(DVB-S2)、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロ波アクセス(WiMAX)、ロングタームエボリューション(LTE)若しくは第5世代(5G)プロトコルなどのセルラー通信プロトコル、又はデータオーバーケーブルサービスインターフェース仕様(DOCSIS)規格によって定義されたものを含む、種々の物理層送信変調及びコーディング技術に従って信号を通信することができる。
【0022】
アクセスノード端末130は、衛星120との間で順方向アップリンク信号132及びリターンダウンリンク信号133をサービスすることができる。アクセスノード端末130は、地上局、ゲートウェイ、ゲートウェイ端末、又はハブとしても知られ得る。アクセスノード端末130は、アクセスノード端末アンテナシステム131及びアクセスノード受信機135を含むことができる。アクセスノード端末アンテナシステム131は、双方向通信が可能であり、衛星120と確実に通信するために適切な送信電力及び受信感度を備えて設計され得る。一部の例では、アクセスノード端末アンテナシステム131は、衛星120の方向に高い指向性を有し、他の方向において低い指向性を有するパラボラ反射器を備え得る。アクセスノード端末アンテナシステム131は、様々な代替的な構成を含み、直交偏波間の高い分離、動作周波数帯域における高効率、低ノイズ、などのようなフィーチャを動作させることを含み得る。
【0023】
通信サービスをサポートするときに、アクセスノード端末130は、ユーザ端末150へのトラフィックをスケジュールし得る。代替的に、かかるスケジューリングは、衛星システム100の他の部分において(例えば、ネットワークオペレーションセンター(NOC)及び/又はゲートウェイコマンドセンターを含み得る1つ以上のネットワークデバイス141において)実行され得る。図1Aには1つのアクセスノード端末130が示されているが、本開示による例は、複数のアクセスノード端末130を有する通信システムにおいて実装され得、その各々は、互いに及び/又は1つ以上のネットワーク140に結合され得る。
【0024】
衛星120は、1つ以上のスポットビーム125(例えば、それぞれのアクセスノードスポットビームカバレッジエリア126-bに関連付けられ得るアクセスノードスポットビーム125-b)を介して、リターンダウンリンク信号133を送信すること及び/又は順方向アップリンク信号132を受信することによって、アクセスノード端末130と通信し得る。アクセスノードスポットビーム125-bは、例えば、(例えば、衛星120によって中継される)1つ以上のユーザ端末150のための通信サービス、又は衛星120とアクセスノード端末130との間の任意の他の通信をサポートし得る。
【0025】
アクセスノード端末130は、ネットワーク140と衛星120との間のインターフェースを提供することができ、一部の例では、ネットワーク140と1つ以上のユーザ端末150との間で送られるデータ及び情報を受信するように構成され得る。アクセスノード端末130は、それぞれのユーザ端末150に配信するために、データ及び情報をフォーマットし得る。同様に、アクセスノード端末130は、衛星120から(例えば、1つ以上のユーザ端末150から発信され、ネットワーク140を介してアクセス可能な宛先に方向付けられた)信号を受信するように構成され得る。アクセスノード端末130はまた、ネットワーク140上で送信するために受信された信号をフォーマットし得る。
【0026】
ネットワーク140は、任意の種類のネットワークであり得、例えば、インターネット、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、イントラネット、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、仮想LAN(VLAN)、光ファイバーネットワーク、ハイブリッド光ファイバー同軸ネットワーク、ケーブルネットワーク、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)、公衆交換データネットワーク(PSDN)、公衆陸上移動体ネットワーク、及び/又は本明細書に記載されるように、デバイス間の通信をサポートする任意の他の種類のネットワークを含み得る。ネットワーク140は、有線及び無線接続並びに光リンクの両方を含み得る。ネットワーク140は、アクセスノード端末130を、同じ衛星120又は異なる衛星120又は他のビークルと通信し得る他のアクセスノード端末と接続し得る。
【0027】
1つ以上のネットワークデバイス141は、アクセスノード端末130と結合することができ、衛星システム100の態様を制御することができる。種々の例では、ネットワークデバイス141は、アクセスノード端末130とコロケートされるか、又は別様でアクセスノード端末130の近くにあり得るか、あるいは有線及び/又は無線通信リンクを介してアクセスノード端末130及び/又はネットワーク140と通信するリモートインストレーションであり得る。
【0028】
衛星システム100は、マルチスタティック合成開口レーダをサポートする種々の技術に従って構成され得る。例えば、複数の供給信号(例えば、アンテナアセンブリ121において受信された信号)又はアクセスノード端末信号(例えば、アクセスノード端末アンテナシステム131において受信された信号)は、撮像領域内の画像点の異なるセットを取得するために、複数のビーム重みセットに従って処理されてもよい。場合によっては、供給信号又はアクセスノード端末信号は、アクティブに送信された信号の反射を含み得る。例えば、衛星120は、スポットビームカバレッジエリア126のうちの1つ以上にわたって照明信号145を送信することができる。場合によっては、照明信号145は、スポットビームカバレッジエリア126の各々を含む領域にわたってブロードビーコン信号として送信されてもよい。例えば、照明信号145は、信号取得及びタイミング同期のために端末(例えば、ユーザ端末、アクセスノード端末)によって使用されるビーコン信号であってもよい。追加的又は代替的に、照明信号145は、1つ以上の異なる衛星によって送信され得る。例えば、衛星120はGEO衛星であってもよく、照明信号145は1つ以上のLEO衛星122によって送信されてもよい。したがって、受信信号を撮像するための開口は、照射領域及びGEO衛星120に対するLEO衛星122の相対的な移動によって画定され得る。
【0029】
追加的又は代替的に、順方向ダウンリンク信号172は、照明信号として使用され得る。照明信号145又は順方向ダウンリンク信号172は、地形又は物体(例えば、地上ベース又は空中物体)によって反射され、供給信号又はアクセスノード端末信号中で(例えば、リターンアップリンク信号173又はリターンダウンリンク信号132中の補助信号として)受信され得る。追加的又は代替的に、供給信号又はアクセスノード端末信号は、偶発的信号(例えば、他の通信信号の放射又は反射、熱放射、又は他の信号)を含み得る。画像点のセットは、マルチスタティック合成開口レーダ画像に組み合わされ得る。
【0030】
図1Bは、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする衛星120のアンテナアセンブリ121を示している。図1Bに示すように、アンテナアセンブリ121は、供給アレイアセンブリ127と、電磁信号(例えば、インバウンド電磁信号180)がリモートソースから受信されたときに集中する焦点領域123を有するように成形された反射器122とを含むことができる。同様に、焦点領域123に配置された供給アレイアセンブリ127によって放射された信号は、反射器122によって出射平面波(例えば、アウトバウンド電磁信号180)に反射される。供給アレイアセンブリ127及び反射器122は、供給アレイアセンブリ127の複数の供給要素128の各々のためのネイティブ供給要素パターンの複合体によって形成されたネイティブアンテナパターンに関連付けられ得る。
【0031】
衛星120は、本明細書で説明されるように、衛星120がサービス軌道にあるときに、アンテナアセンブリ121のネイティブアンテナパターンに従って動作し得る。ネイティブアンテナパターンは、供給アレイアセンブリ127の供給要素128のパターン、反射器122に対する供給アレイアセンブリ127の相対位置(例えば、焦点オフセット距離129、又は焦点位置におけるその欠如)などに少なくとも部分的に基づき得る。ネイティブアンテナパターンは、ネイティブアンテナパターンカバレッジエリアに関連付けられ得る。本明細書で説明されるアンテナアセンブリ121は、アンテナアセンブリ121のネイティブアンテナパターンカバレッジエリアを用いて特定のサービスカバレッジエリアをサポートするように設計され得、種々の設計特性が、(例えば、分析又はシミュレーションによって)計算的に決定され、かつ/又は(例えば、アンテナテスト範囲上で又は実際の使用において)実験的に測定され得る。
【0032】
図1Bに示すように、アンテナアセンブリ121の供給アレイアセンブリ127は、反射器122と反射器122の焦点領域123との間に配置される。具体的には、供給アレイアセンブリ127は、焦点領域123から焦点オフセット距離129に配置される。したがって、アンテナアセンブリ121の供給アレイアセンブリ127は、反射器122に対してデフォーカスされた位置に配置することができる。直接オフセット供給アレイアセンブリ127として図1Bに示されているが、フロント供給アレイアセンブリ127、並びに二次反射器(例えば、カセグレンアンテナなど)の使用を含む他のタイプの構成、又は反射器122のない構成(例えば、DRA)が使用され得る。
【0033】
図1Cは、本明細書に開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートするアンテナアセンブリ121の供給アレイアセンブリ127を示している。図1Cに示されるように、供給アレイアセンブリ127は、信号(例えば、通信サービスに関連付けられた信号、衛星120の構成又は制御に関連付けられた信号、データ収集又はセンサ配置の受信信号)を通信するための複数の供給要素128を有し得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、供給要素128は、受信アンテナ要素、送信アンテナ要素、又は送信と受信の両方をサポートするように構成されたアンテナ要素(例えば、トランシーバ要素)を指し得る。受信アンテナ要素は、電磁信号を電気信号に変換する物理トランスデューサ(例えば、無線周波数(RF)トランスデューサ)を含み得、送信アンテナ要素は、電気信号によって励起されたときに電磁信号を放出する物理トランスデューサを含み得る。場合によっては、送信及び受信のために同じ物理的トランスデューサが使用され得る。
【0035】
供給要素128の各々は、例えば、供給ホーン、偏波トランスデューサ(例えば、異なる偏波を有する2つの組み合わされた要素として機能し得るセプタム偏波ホーン)、マルチポートマルチバンドホーン(例えば、デュアル偏波LHCP/RHCPを有するデュアルバンド20GHz/30GHz)、キャビティ付きスロット、逆F、スロット付き導波路、ビバルディ、ヘリカル、ループ、パッチ、又はアンテナ要素若しくは相互接続されたサブ要素の組み合わせの任意の他の構成を含み得る。供給要素128の各々はまた、RF信号トランスデューサ、低雑音増幅器(LNA)、又は電力増幅器(PA)を含み得るか、又は別様でそれらと結合され得、周波数変換、ビームフォーミング処理などの他の信号処理を実行し得る衛星120内のトランスポンダと結合され得る。
【0036】
反射器122は、供給アレイアセンブリ127と1つ以上のターゲットデバイス(例えば、ユーザ端末150、アクセスノード端末130)又は物体(例えば、地形特徴、ビークル、建物、空中物体)との間で信号を反射するように構成され得る。供給アレイアセンブリ127の各供給要素128は、それぞれのネイティブ供給要素パターンに関連付けることができ、このネイティブ供給要素パターンは、(例えば、反射器122からの反射後に地表面、平面、又は体積上に投影される)投影ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリアに関連付けることができる。マルチ供給アンテナのためのネイティブ供給要素パターンカバレッジエリアの集合は、ネイティブアンテナパターンと称され得る。供給アレイアセンブリ127は、任意の数(例えば、数十、数百、数千など)の供給要素128を含むことができ、これらは、任意の適切な配置(例えば、線形アレイ、弓形アレイ、平面アレイ、ハニカムアレイ、多面体アレイ、球形アレイ、楕円体アレイ、又はこれらの組み合わせ)で配置することができる。供給要素128は、円形、楕円形、正方形、長方形、六角形、及びその他などの種々の形状を有するポート又は開口を有することができる。
【0037】
図2A図2Dは、本明細書で開示する例による、マルチスタティック合成開口レーダをサポートする供給アレイアセンブリ127-aを有するアンテナアセンブリ121-aのアンテナ特性の例を示している。アンテナアセンブリ121-aは、所与の位置からの受信された送信を複数の供給要素128-aに拡散するか、又は供給要素128-aからの送信された電力を比較的大きいエリアにわたって拡散するか、あるいはその両方である状態で動作していてもよい。
【0038】
図2Aは、供給アレイアセンブリ127-aの供給要素128-aに関連付けられたネイティブ供給要素パターン210-aの図面201を示している。具体的には、図面201は、それぞれ供給要素128-a-1、128-a-2、及び128-a-3に関連付けられたネイティブ供給要素パターン210-a-1、210-a-2、及び210-a-3を示している。ネイティブ供給要素パターン210-aは、それぞれの供給要素128の各々に関連付けられた空間放射パターンを表し得る。例えば、供給要素128-a-2が送信しているとき、送信された電磁信号は、反射器122-aから反射され、(供給要素128及び/又は反射器122の特性に応じて他の形状が可能であるが)概して円錐形のネイティブ供給要素パターン210-a-2中で伝搬してもよい。3つのネイティブ供給要素パターン210-aがアンテナアセンブリ121-aに対して示されているが、アンテナアセンブリ121の供給要素128の各々は、それぞれのネイティブ供給要素パターン210に関連付けられる。アンテナアセンブリ121-aに関連付けられたネイティブ供給要素パターン210-aの複合体(例えば、ネイティブ供給要素パターン210-a-1、210-a-2、210-a-2、及び図示されていない他のネイティブ供給要素パターン210-a)は、ネイティブアンテナパターン220-aと称され得る。
【0039】
供給要素128-aの各々はまた、基準表面(例えば、地面若しくは水面、ある高さにおける基準表面、又は何らかの他の基準平面若しくは基準表面)上へのネイティブ供給要素パターン210-aの投影を表すネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a(例えば、それぞれ供給要素128-a-1、128-a-2、及び128-a-3に関連するネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a-1、211-a-2、及び211-a-3)に関連し得る。ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、種々のデバイス(例えば、アクセスノード端末130及び/又はユーザ端末150)がそれぞれの供給要素128によって送信された信号を受信し得るエリアを表し得る。追加的又は代替的に、ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、種々のデバイスからの送信がそれぞれの供給要素128によって受信され得るエリアを表し得る。例えば、ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a-1、211-a-2、及び211-a-3内に配置された関心エリア230-aに配置されるデバイスは、供給要素128-a-1、128-a-2、及び128-a-3によって送信された信号を受信し得、供給要素128-a-1、128-a-2、及び128-3-aによって受信された送信を有し得る。アンテナアセンブリ121-aに関連付けられたネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a(例えば、ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a-1、211-a-2、211-a-2、及び図示されていない他のネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a)の複合体は、ネイティブアンテナパターンカバレッジエリア221-aと称され得る。
【0040】
供給アレイアセンブリ127-aは、ネイティブ供給要素パターン210-a、したがってネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-aが実質的に重複するように、反射器122-aに対してデフォーカスされた位置で動作していてもよい。したがって、ネイティブアンテナパターンカバレッジエリア221-a中の各位置は、関心ポイントへの送信又は関心ポイントからの受信が複数の供給要素128を採用し得るように、複数の供給要素128に関連付けられ得る。図面201は一定の縮尺で描かれておらず、ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、概して、各々が反射器122-aよりもはるかに大きいことを理解されたい。
【0041】
図2Bは、関心ポイント230-aからの送信240-aに対するアンテナアセンブリ121-aの信号受信を示す図面202を示している。関心ポイント230-aからの送信240-aは、反射器122-aの全体、又は反射器122-aの一部を照射し、次いで、反射器122-aの形状、及び反射器122-a上の送信240の入射角に従って、供給アレイアセンブリ127-aに向かってフォーカスされ、方向付けられ得る。供給アレイアセンブリ127-aは、反射器122-aに対してデフォーカスされた位置で動作することができ、その結果、送信240-aは、複数の供給要素128(例えば、各々が関心ポイント230-bを含むネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a-1、211-a-2、及び211-a-3に関連付けられた供給要素128-a-1、128-a-2、及び128-a-3)上にフォーカスすることができる。
【0042】
図2Cは、ゼロオフセット角度235-aから測定された角度を参照して、供給アレイアセンブリ127-aの3つの供給要素128-aに関連付けられたネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250-aの図面203を示している。例えば、ネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250-a-1、250-a-2、及び250-a-3は、それぞれ、供給要素128-a-1、128-a-2、及び128-a-3に関連付けられ得、したがって、ネイティブ供給要素パターン210-a-1、210-a-2、及び210-a-3の利得プロファイルを表し得る。図面203に示されるように、各ネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250の利得は、ピーク利得からいずれかの方向にオフセットされた角度において減衰し得る。図面203では、ビーム輪郭レベル255-aは、アンテナアセンブリ121-aを介した通信サービス又は他の受信若しくは送信サービスをサポートするための(例えば、所望の情報レートを与えるための)所望の利得レベルを表し得、したがって、それは、それぞれのネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a(例えば、ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-a-1、211-a-2、及び211-a-3)の境界を画定するために使用され得る。ビーム輪郭レベル255-aは、例えば、ピーク利得からの-1dB、-2dB、又は-3dBの減衰を表し得るか、あるいは絶対信号強度、SNRレベル、又はSINRレベルによって定義され得る。3つのネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250-aが示されているが、他のネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250-aが他の供給要素128-aに関連付けられ得る。
【0043】
図面203に示されるように、ネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250-aの各々は、ビーム輪郭レベル255-aより上の利得プロファイルの相当の部分について別のネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250-aと交差し得る。したがって、図面203は、供給アレイアセンブリ127の複数の供給要素128が特定の角度で(例えば、ネイティブアンテナパターン220-aの特定の方向で)信号通信をサポートし得るネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250の構成を示している。一部の例では、この条件は、供給アレイアセンブリ127の供給要素128、又はネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211が高い重複度を有していると称され得る。
【0044】
図2Dは、(例えば、供給要素128-a-1、128-a-2、及び128-a-3を含む)供給アレイアセンブリ127-aの複数の供給要素128の理想化されたネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211の2次元アレイを示す図面204を示している。ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、基準表面(例えば、通信衛星からある距離にある平面、地面からある距離にある平面、ある高度にある球面、地面など)に対して示され得、基準表面に隣接する体積(例えば、基準表面と通信衛星との間の実質的に円錐形の体積、基準表面の下の体積など)を更に含み得る。複数のネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-aは、ネイティブアンテナパターンカバレッジエリア221-aを集合的に形成し得る。8つのネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-aが示されているが、供給アレイアセンブリ127は、各々がネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211に関連付けられた任意の数(例えば、8つよりも少ない又は8つよりも多い)の供給要素128を有し得る。
【0045】
各ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211の境界は、ビーム輪郭レベル255-aにおけるそれぞれのネイティブ供給要素パターン210に対応し得、各ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211のピーク利得は、「x」で指定された位置(例えば、それぞれのネイティブ供給要素パターン210又はネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211の公称のアラインメント又は軸)を有し得る。ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211a-1、211-a-2、及び211-a-3は、それぞれ、ネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250-a-1、250-a-2、及び250-a-3に関連するネイティブ供給要素パターンの投影に対応し得、図面203は、図面204の断面260-aに沿ったネイティブ供給要素パターン利得プロファイル250を示している。
【0046】
ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、カバレッジエリアが簡単のために円形として示されているため、本明細書では理想化されたものと称される。しかしながら、種々の例では、ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、円形以外の何らかの形状(例えば、楕円、六角形、矩形など)であり得る。したがって、タイリングされたネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、図面204に示されているよりも多くの互いとの重複を有し得る(例えば、場合によっては、3つよりも多くのネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211が重複し得る)。
【0047】
供給アレイアセンブリ127-aが反射器122-aに対してデフォーカスされた位置に配置されている状態を表し得る図面204において、各ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211の実質的な部分(例えば、大部分)は、隣接するネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211と重複する。サービスカバレッジエリア(例えば、アンテナアセンブリ121の複数のスポットビームの総カバレッジエリア)内の位置は、2つ以上の供給要素128のネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211内に配置され得る。例えば、アンテナアセンブリ121-aは、3つ以上のネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211が重複するエリアが最大化されるように構成されてもよい。一部の例では、この条件はまた、供給アレイアセンブリ127の供給要素128、又はネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211が高い重複度を有していると称され得る。8つのネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211が示されているが、供給アレイアセンブリ127は、同様にネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211に関連付けられた任意の数の供給要素128を有し得る。
【0048】
場合によっては、単一のアンテナアセンブリ121が、ユーザ端末150又はアクセスノード端末130の間で信号を送信及び受信するために使用され得る。他の例では、衛星120は、信号を受信し、信号を送信するための別個のアンテナアセンブリ121を含むことができる。衛星120の受信アンテナアセンブリ121は、衛星120の送信アンテナアセンブリ121と同じ又は同様のサービスカバレッジエリアに向けられ得る。したがって、受信のために構成されたアンテナ供給要素128のための一部のネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211は、当然ながら、送信のために構成された供給要素128のためのネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211に対応し得る。これらの場合、受信供給要素128は、それらの対応する送信供給要素128と同様の方法で(例えば、異なる供給アレイアセンブリ127の同様のアレイパターンを用いて、信号処理ハードウェアへの同様の配線及び/又は回路接続、同様のソフトウェア構成及び/又はアルゴリズムなどを用いて)マッピングすることができ、送信及び受信ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211のための同様の信号経路及び処理をもたらす。しかしながら、場合によっては、受信供給要素128と送信供給要素128とを異なる方法でマッピングすることが有利であり得る。
【0049】
高い重複度を有する複数のネイティブ供給要素パターン210は、1つ以上のスポットビーム125を提供するためにビームフォーミングによって組み合わされ得る。スポットビーム125のビームフォーミングは、重複するネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211を有する1つ以上の供給アレイアセンブリ127の複数の供給要素128によって送信及び/又は受信される信号の信号位相又は時間遅延、及び/又は信号振幅を調整することによって実行することができる。かかる位相及び/又は振幅調整は、供給要素信号にビーム重み(例えば、ビームフォーミング係数)を適用することと称され得る。(例えば、供給アレイアセンブリ127の送信供給要素128からの)送信の場合、送信される信号の相対位相、及び時には振幅は、供給要素128によって送信されるエネルギーが所望の位置(例えば、スポットビームカバレッジエリア126の位置)で強め合うように重畳するように調整される。(例えば、供給アレイアセンブリ127の供給要素128を受信することなどによる)受信のために、受信信号の相対的な位相、及び時には振幅が、(例えば、同じ又は異なるビーム重みを適用することによって)調整され、その結果、供給要素128によって(例えば、スポットビームカバレッジエリア126の位置における)所望の位置から受信されたエネルギーは、所与のスポットビームカバレッジエリア126に対して強め合うように重畳する。
【0050】
ビームフォーミングという用語は、送信、受信、又は両方のためであるかどうかにかかわらず、ビーム重みの適用を指すために使用され得る。ビーム重み又は係数を計算することは、通信チャネル特性の直接的又は間接的な発見を含み得る。ビーム重み計算及びビーム重み適用のプロセスは、同じ又は異なるシステム構成要素において実行され得る。適応ビームフォーマは、ビーム重み又は係数を動的に計算することをサポートする機能を含み得る。
【0051】
スポットビーム125は、異なるビーム重みを適用することによって、操向され、選択的に形成され、かつ/又は別様に再構成されてもよい。例えば、アクティブなネイティブ供給要素パターン210又はスポットビームカバレッジエリア126の量、スポットビーム125の形状のサイズ、ネイティブ供給要素パターン210及び/又はスポットビーム125の相対利得、並びに他のパラメータは、経時的に変化してもよい。アンテナアセンブリ121は、比較的狭いスポットビーム125を形成するためにビームフォーミングを適用し得、改善された利得特性を有するスポットビーム125を形成することが可能であり得る。狭いスポットビーム125は、1つのビーム上で送信された信号が、他のスポットビーム125上で送信された信号から区別されることを可能にして、例えば、送信された信号と受信された信号との間の干渉を回避するか、又は受信された信号の空間的分離を識別し得る。
【0052】
一部の例では、狭いスポットビーム125は、より大きいスポットビーム125が形成されるときよりも、周波数及び偏波がより大きく再利用されることを可能にし得る。例えば、狭く形成されたスポットビーム125は、重複しない不連続なスポットビームカバレッジエリア126を介して信号通信をサポートすることができ、一方、重複するスポットビーム125は、周波数、偏波、又は時間において直交させることができる。一部の例では、より小さいスポットビーム125の使用によるより大きい再使用は、送信及び/又は受信されるデータの量を増加させることができる。追加的又は代替的に、ビームエッジにおいてより鋭い利得ロールオフを提供するためにビームフォーミングが使用されてもよく、これは、スポットビーム125のより大きな部分を通じてより高いビーム利得を可能にし得る。したがって、ビームフォーミング技術は、所与の量のシステム帯域幅に対して、より高い周波数再利用及び/又はより大きいシステム容量を与えることが可能であり得る。
【0053】
一部の衛星120は、OBBFを使用して、供給要素128のアレイを介して送信及び/又は受信された信号を電子的にステアリングする(例えば、衛星120においてビーム重みを供給要素信号に適用する)ことができる。例えば、衛星120は、フェーズドアレイマルチフィードパービーム(MFPB)オンボードビームフォーミング能力を有し得る。一部の例では、ビーム重みは、地上ベースの計算センターにおいて(例えば、アクセスノード端末130において、ネットワークデバイス141において、通信サービスマネージャにおいて)計算され、次いで、衛星120に送信され得る。一部の例では、ビーム重みは、オンボードアプリケーションのために衛星120において事前構成されるか、又は別様で決定され得る。
【0054】
場合によっては、スポットビーム125を形成するために使用される各供給要素128の位相及び利得を制御するために、衛星120において相当の処理能力が関与し得る。かかる処理能力は、衛星120の複雑さを増大させる可能性がある。したがって、場合によっては、衛星120は、狭いスポットビーム125を電子的に形成するという利点を依然として提供しながら、衛星120の複雑さを低減するためにGBBFで動作することができる。一部の例では、ビーム重み又は係数は、関連するシグナリングを衛星120に送信する前に地上セグメント102において(例えば、1つ以上の地上局において)適用され得、これは、信号処理の中でもとりわけ、種々の時間、周波数、又は空間多重化技術に従って、地上セグメント102において供給要素信号を多重化することを含み得る。したがって、衛星120は、かかるシグナリングを受信し、場合によっては逆多重化し、それぞれのアンテナ供給要素128を介して関連する供給要素信号を送信して、地上セグメント102において適用されたビーム重みに少なくとも部分的に基づく送信スポットビーム125を形成することができる。一部の例では、衛星120は、それぞれのアンテナ供給要素128を介して供給要素信号を受信し、受信された供給要素信号を地上セグメント102(例えば、1つ以上の地上局)に送信することができ、これは、信号処理の中でもとりわけ、種々の時間、周波数、又は空間多重化技術に従って衛星120において供給要素信号を多重化することを含み得る。したがって、地上セグメント102は、かかるシグナリングを受信し、場合によっては逆多重化し、受信された供給要素信号にビーム重みを適用して、それぞれのスポットビーム125に対応するスポットビーム信号を生成することができる。
【0055】
別の例では、本開示による衛星システム100は、種々のエンドツーエンドビームフォーミング技術をサポートすることができ、これは、エンドツーエンドリレーとして動作する衛星120又は他のビークルを介してエンドツーエンドスポットビーム125を形成することに関連し得る。例えば、衛星120は、各々が受信供給要素と送信供給要素との間に結合された複数の受信/送信信号経路(例えば、トランスポンダ)を含んでもよい。エンドツーエンドビームフォーミングシステムでは、ビーム重みは、地上セグメント102の中央処理システム(CPS)において計算され得、エンドツーエンドビーム重みは、衛星120においてではなく、地上セグメント102内で適用され得る。エンドツーエンドスポットビーム125内の信号は、衛星アクセスノード(SAN)であり得るアクセスノード端末130のアレイにおいて送信及び受信され得る。任意の適切なタイプのエンドツーエンドリレーが、エンドツーエンドビームフォーミングシステムにおいて使用され得、異なるタイプのアクセスノード端末130が、異なるタイプのエンドツーエンドリレーと通信するために使用され得る。
【0056】
CPS内のエンドツーエンドビームフォーマは、以下を考慮するエンドツーエンドビーム重みの1つのセットを計算することができる。(1)エンドツーエンドリレーまでの無線信号アップリンク経路、(2)エンドツーエンドリレーを経る受信/送信信号経路、(3)エンドツーエンドリレーからの無線信号ダウンリンク経路。ビーム重みはマトリクスとして数学的に表され得る。一部の例では、OBBF及びGBBF衛星システムは、アンテナアセンブリ121上の供給要素128の数によって設定されたビーム重みベクトル次元を有し得る。対照的に、エンドツーエンドビーム重みベクトルは、エンドツーエンドリレー上の供給要素128の数ではなく、アクセスノード端末130の数によって設定される次元を有し得る。概して、アクセスノード端末130の数は、エンドツーエンドリレー上の供給要素128の数と同じではない。更に、形成されたエンドツーエンドスポットビーム125は、エンドツーエンドリレーの送信又は受信供給要素128のいずれにおいても終端されない。むしろ、形成されたエンドツーエンドスポットビーム125は、エンドツーエンドスポットビーム125がアップリンク信号経路、(衛星120又は他の適切なエンドツーエンドリレーを介した)リレー信号経路、及びダウンリンク信号経路を有し得るため、効果的に中継され得る。
【0057】
エンドツーエンドビームフォーミングシステムは、ユーザリンク及びフィーダリンクの両方、並びにエンドツーエンドリレーを考慮に入れることができるため、特定の方向に所望のエンドツーエンドスポットビーム125(例えば、順方向スポットビーム125又はリターンスポットビーム125)を形成するために、ビーム重みの単一のセットのみが必要とされる。したがって、エンドツーエンド順方向ビーム重みの1つのセットは、アクセスノード端末130から、順方向アップリンクを介して、エンドツーエンドリレーを介して、及び順方向ダウンリンクを介して送信され、組み合わされてエンドツーエンド順方向スポットビーム125を形成する信号をもたらす。逆に、リターンアップリンク、エンドツーエンドリレー、及びリターンダウンリンクを介してリターンユーザから送信される信号は、エンドツーエンドリターンスポットビーム125を形成するために適用されるエンドツーエンドリターンビーム重みを有する。一部の条件下では、アップリンクの特性とダウンリンクの特性とを区別することは困難又は不可能であり得る。したがって、形成されたフィーダリンクスポットビーム125、形成されたスポットビーム指向性、及び個々のアップリンク及びダウンリンクキャリア対干渉比(C/I)は、システム設計においてもはや従来の役割を有さない可能性があるが、アップリンク及びダウンリンク信号対雑音比(Es/No)及びエンドツーエンドC/Iの概念は、依然として関連する可能性がある。
【0058】
図3A及び図3Bは、本明細書で開示する例による、ネイティブアンテナパターンカバレッジエリア221-b上にスポットビームカバレッジエリア126を形成するためのビームフォーミングの一例を示している。図3Aにおいて、図面300は、デフォーカシングされたマルチ供給アンテナアセンブリ121によって提供され得る複数のネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211を含むネイティブアンテナパターンカバレッジエリア221-bを示している。ネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211の各々は、アンテナアセンブリ121の供給アレイアセンブリ127のそれぞれの供給要素128に関連付けられ得る。図3Bにおいて、図面350は、北米大陸のサービスカバレッジエリア310にわたるスポットビームカバレッジエリア126のパターンを示している。スポットビームカバレッジエリア126は、図3Aの複数のネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211に関連付けられた供給要素128を介して搬送される信号にビームフォーミング係数を適用することによって与えられ得る。
【0059】
スポットビームカバレッジエリア126の各々は、一部の例では、それぞれのスポットビームカバレッジエリア126内の通信サービス又は他の主要な若しくはリアルタイムのミッションをサポートするように構成された所定のビームフォーミング構成に基づき得る、関連付けられたスポットビーム125を有し得る。スポットビーム125の各々は、それぞれのスポットビームカバレッジエリア126を含むネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211のための複数の供給要素128を介して搬送される信号の複合体から形成され得る。例えば、図3Bに示されるスポットビームカバレッジエリア126-cに関連付けられたスポットビーム125は、図3Aにおいて黒い実線で示されるネイティブ供給要素パターンカバレッジエリア211-bに関連付けられた8つの供給要素128を介した信号の複合体であり得る。種々の例では、重複するスポットビームカバレッジエリア126を有するスポットビーム125は、周波数、偏波、及び/又は時間において直交してもよく、一方、重複しないスポットビーム125は、互いに非直交であってもよい(例えば、タイリングされた周波数再利用パターン)。他の例では、非直交スポットビーム125は、ビーム間干渉を管理するために使用されるACM、干渉除去、又は時空間符号化などの干渉緩和技術を用いて、種々の程度の重複を有し得る。
【0060】
ビームフォーミングは、OBBF、GBBF、又はエンドツーエンドビームフォーミング受信/送信信号経路を使用して、衛星を介して送信又は受信される信号に適用され得る。したがって、図3Bに示されるスポットビームカバレッジエリア126にわたって提供されるサービスは、アンテナアセンブリ121のネイティブアンテナパターンカバレッジエリア221-b並びに適用されるビーム重みに基づき得る。サービスカバレッジエリア310は、スポットビームカバレッジエリア126の実質的に一様なパターン(例えば、等しい又は実質的に等しいビームカバレッジエリアサイズ及び重複の量を有する)を経て与えられるものとして示されているが、ある例では、サービスカバレッジエリア310に対するスポットビームカバレッジエリア126は、非一様であり得る。例えば、人口密度の高いエリアには、比較的小さいスポットビーム125を使用して通信サービスを提供してもよく、一方、人口密度の低いエリアには、比較的大きいスポットビーム125を使用して通信サービスを提供してもよい。
【0061】
本明細書で開示する例による衛星システムは、マルチスタティック合成開口レーダをサポートするために種々のビームフォーミング技術を採用し得る。例えば、複数の供給信号(例えば、供給要素128において受信された信号)又はアクセスノード端末信号(例えば、アクセスノード端末アンテナシステム131において受信された信号)は、撮像領域内(例えば、ネイティブアンテナパターンカバレッジエリア221内)の画像点の異なるセットを取得するために、複数のビーム重みセットに従って処理されてもよい。供給信号又はアクセスノード端末信号は、能動的に送信された信号又は受動的に収集された信号の反射を含み得る。画像点のセットは、マルチスタティック合成開口レーダ画像を取得するために組み合わされてもよい。
【0062】
図4は、本明細書で開示する例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする受信処理システム400の一例を示している。例示的な受信処理システム400は、供給要素信号受信機410と、ビームフォーミングプロセッサ420と、ビーム重みセットマネージャ430と、ビーム信号プロセッサ440と、画像プロセッサ450とを含む。
【0063】
供給要素信号受信機410は、供給アレイアセンブリ127を有するアンテナアセンブリ121に関連する供給要素信号405を受信するように構成することができる。一部の例では、供給要素信号受信機410は、アンテナアセンブリに結合された、衛星120、又はかかるアンテナアセンブリ121を含む他のビークルの構成要素を指し得る。例えば、衛星120は、OBBFをサポートしてもよく、受信された信号のためのビームフォーミングと、地上セグメントへのビーム信号の送信とを実行してもよい。
【0064】
GBBFシステムなどの一部の例では、供給要素信号受信機410は、かかるアンテナアセンブリ121を含むデバイスとは別個であるが、供給要素信号405の受信をサポートするために(例えば、リターンリンク133などの無線通信リンクを介して)かかるデバイスと通信している地上セグメント102の構成要素を指し得る。例えば、供給要素信号受信機410は、地上セグメント102のリターンチャネルフィーダリンクダウンコンバータを指してもよく、これは、1つ以上の衛星120から受信スポットビーム125を構築するための供給要素信号405又は他のシグナリングを受信するように構成された構成要素であってもよい。一部の例では、供給要素信号受信機410は、1つ以上の地上局を介してリターンリンク133によって供給要素信号を受信することができ、供給要素信号405は、周波数分割多重化、時分割多重化、偏波多重化、空間多重化、又は他の技術などの種々の技術に従って多重化され得る。したがって、供給要素信号受信機410は、供給要素信号405を受信又は処理するために、種々のシグナリングを逆多重化又は復調するように構成され得る。
【0065】
一部の例では、供給要素信号405は、それぞれの供給要素128のトランスデューサから未加工の信号として受信され得る。一部の例では、供給要素信号405は、衛星120又は地上セグメント102の構成要素におけるフィルタリング、組み合わせ、又は他の処理を含み得る、フィルタリングされた信号又は他の方法で処理された信号として受信され得る。供給要素信号受信機410は、供給要素信号415をビームフォーミングプロセッサ420に供給することができる。一部の例では、供給要素信号415を生成するために、供給要素信号405は、マルチスタティック合成開口レーダに関連する周波数帯域をサポートするようにフィルタリングされるか、又は場合によっては処理され得る。例えば、供給要素信号405は、レーダ用途のための関心周波数帯域に加えて、通信のために使用される周波数帯域を含み得る。供給要素信号415を生成するために、供給要素信号受信機410は、レーダ用途のための関心周波数の範囲に従って供給要素信号405をフィルタリングするように構成されてもよく、又は供給要素信号受信機410は、供給要素信号405の他の処理(例えば、周波数変換、オーバーサンプリング、ダウンサンプリング)を実行するように構成されてもよい。
【0066】
更に他の場合には、供給要素信号405は、エンドツーエンドビームフォーミングシステムのアクセスノード端末信号(例えば、アクセスノード端末アンテナシステム131において受信された信号)に対応し得る。したがって、供給要素信号の各々は、エンドツーエンドリレーの1つ以上の受信供給装置において受信され、エンドツーエンドリレーの対応する1つ以上の送信供給装置を介してアクセスノード端末のうちの1つに中継される、リターンアップリンク信号の複合体を表し得る。
【0067】
供給要素信号405は、反射された照明信号(例えば、ビーコン信号、通信信号)からの信号エネルギー、又は受動的に受信された信号エネルギー(例えば、反射のために衛星システム100によって送信された対応する照明信号を伴わない)を表すことができる。
【0068】
一部の例では、供給要素信号405は、複数の偏波の各々に対応する複数の信号を含み得、マルチスタティック合成開口レーダアプリケーションは、異なる偏波を使用するように構成され得る。供給要素信号受信機410は、供給要素信号405を組み合わせるか又は他の方法で処理して、同じ供給要素128、又は異なる偏波に関連付けられた共通のポート若しくは開口を共有する2つ以上の供給要素128に対応する供給要素信号415を取得することができる。供給要素信号受信機410は、供給要素信号415をビームフォーミングプロセッサ420に供給することができる。供給要素信号受信機410はまた、後の処理のために供給要素信号405又は他の関連するシグナリングをサンプリングし、記憶するように構成され得る。
【0069】
ビームフォーミングプロセッサ420は、ビーム重み又は係数を適用することによって供給要素信号415を処理して、マルチスタティック合成開口レーダに関連するターゲットスポットビーム信号を生成するように構成され得る。ビームフォーミングプロセッサ420によって形成されたスポットビーム125は、レーダ画像ピクセルビームに対応し得る。ビームフォーミングプロセッサ420は、複数のビーム重みセット433を適用することができ、各ビーム重みセット434は、1つ以上のレーダ画像ピクセルビームに対応する。各ビーム重みセット434は、供給要素信号の数に対応する第1の次元を有することができる。例えば、第1の次元は、OBBF又はGBBFシステムのための供給装置の数、あるいはエンドツーエンドリレーを採用するシステムのためのアクセスノード端末の数に等しくてもよい。ビーム重みセット434は、各ビーム重みセットについて同じである第2の次元を有し得るか、又は一部のビーム重みセットは、第2の次元について異なるサイズを有し得る。例えば、第2の次元は、ビーム重みセット434から生成されたビーム信号の数に対応してもよく、ビーム重みセット434は各々、同じ数のビーム信号を生成してもよく、又は一部のビーム重みセット434は、異なる数のビーム信号を生成してもよい。ビーム重みセット434の各係数は、(例えば、振幅成分と位相成分とを含む)複素ビーム重みであり得る。ビームフォーミングプロセッサ420は、持続時間に対応する供給要素信号415を受信し、複数のビーム重みセット433の各々に従って供給要素信号415を処理し得る。複数のビーム重みセット433の各々について、ビームフォーミングプロセッサ420は、ビームカバレッジパターンに対応するビーム信号425(例えば、レーダ画像ピクセルビーム)のセットを生成し得る。
【0070】
一例では、供給要素信号415は、(例えば、エンドツーエンドリレーから)衛星アクセスノードにおいて受信されたリターンダウンリンク信号に対応し得る。リターンダウンリンク信号は、地理的領域を照射するアンテナを介して衛星によって受信されたリターンアップリンク信号の複合体であり得る。供給要素信号415を処理することは、複数のビーム重みセットに従って、リターンダウンリンク信号の第1の持続時間に対応するリターンダウンリンク信号の信号データの第1のセットを処理することを含み得る。場合によっては、処理することは、第1のビームカバレッジパターンに対応する複数のビーム信号の第1のサブセットを取得するために第1のビーム重みセットに従って信号データの第1のセットを処理することと、第2のビームカバレッジパターンに対応する複数のビーム信号425の第2のサブセットを取得するために第2のビーム重みセットに従って信号データの第1のセットを処理することとを含む。処理することは、複数のビーム信号425の追加のサブセットを取得するために、追加のビーム重みセットに従って信号データの第1のセットを処理することを含み得る。
【0071】
ビーム信号プロセッサ440は、ビーム信号425に対応する画像ピクセル値を生成することができる。画像ピクセル値は、(例えば、レーダ画像ピクセルビームに関連付けられた信号レベルに基づいて)各レーダ画像ピクセルビームについて生成され得る。ビーム信号425の各セットについて、ビーム信号プロセッサ440は、ビーム信号425のセットにおいて検出された種々の信号レベルに画像成分(例えば、輝度、色)を割り当てることができる。加えて、ビーム信号プロセッサ440は、(例えば、ビーム重みセット433からの対応するビームカバレッジパターンに従って)ビーム位置情報432を受信し、対応するビーム位置情報に基づいて画像値をピクセル位置に割り当てることができる。例えば、第2のビーム重みセットに対応する第2のビームカバレッジパターンが、第2のビーム重みセットに対応する第1のビームカバレッジパターンからオフセットされる場合、ビーム信号プロセッサ440は、オフセットに少なくとも部分的に基づいて画像信号値445を決定し得る。
【0072】
一部の例では、ビーム信号425のセットを処理することは、照明信号に基づき得る。例えば、供給要素信号405が(例えば、衛星又は異なる衛星によって送信された)照明信号からの反射エネルギーを含む場合、ビーム信号プロセッサ440は、対応するビーム信号と照明信号との相関(例えば、照明信号と対応するビーム信号との間の振幅及び/又は位相コヒーレンス)に基づいて各画像値を決定することができる。更に、ビーム信号プロセッサ440は、画像値を決定するために外部情報を適用することができる。外部情報は、画像値の決定を通知するために使用される、他のソース(例えば、衛星画像、高度データ、物体データベース)から取得された既知の地形特徴(例えば、高度、建築物、表面組成)についての情報を含み得る。例えば、高度データを使用して、照明信号に対するビーム信号の位相関係を較正してもよい。一部の態様では、照明信号は通信信号であり得、異なる位置が異なる通信信号に関連付けられ得る(例えば、照明は、異なるスポットビームにおいて異なり得る順方向ダウンリンク信号172であり得る)。ビーム信号プロセッサ440は、画像値を決定する際に使用され得るビーム情報455を受信することができる。例えば、ビーム情報455は、スポットビーム125について、ビーム信号(例えば、変調されたデータ信号、シンボル情報)及び他のビームパラメータ(例えば、ビームカバレッジエリアにわたるビーム利得)を含んでもよい。したがって、ビーム信号プロセッサ440は、画像ピクセルビームに対応する位置における送信信号及びビーム利得に基づいて、決定されたビーム信号を評価して、画像値を決定することができる。ビーム信号プロセッサ440は、画像信号値445のセット(例えば、ビーム信号425のセットに対応する画像信号値の各セット)を画像プロセッサ450に出力することができる。
【0073】
場合によっては、ビーム信号プロセッサ440は、(例えば、異なる持続時間に対応する)供給要素信号の異なるセットから生成されたビーム信号をフィルタリングすることができる。例えば、ビームフォーミングプロセッサ420は、信号データの第1のセットのために使用される複数のビーム重みセットと同じであるか又は異なり得る第2の複数のビーム重みセットに従って、リターンダウンリンク信号の第2の持続時間に対応するリターンダウンリンク信号の信号データの第2のセットを処理してもよい。場合によっては、複数のビーム重みセット及び第2の複数のビーム重みセットの各々は、実質的に同じ又は重複するビームカバレッジパターンを与えるように構成され得る。例えば、信号データの第2のセットを処理することは、第1のビームカバレッジパターンに対応する複数のビーム信号の第3のサブセットを取得するために、第3のビーム重みセットに従ってリターンダウンリンク信号の第2の持続時間に対応する信号データの第2のセットを処理することと、第2のビームカバレッジパターンに対応する複数のビーム信号の第4のサブセットを取得するために、第4のビーム重みセットに従って信号データの第2のセットを処理することとを含んでもよい。すなわち、第1のビーム重みセット及び第3のビーム重みセットは、少なくとも一部の実質的に重複する画像ピクセルビームを有するビームカバレッジパターンを提供するように決定され得る。
【0074】
ビーム信号プロセッサ440は、ビーム信号のフィルタリングされたサブセットを取得するために、複数のビーム信号の複数のサブセットをフィルタリングすることができる。例えば、ビーム信号プロセッサ440は、ビーム信号のフィルタリングされたサブセットを取得するために、異なる10セント硬貨の持続時間に対応する処理された供給要素信号に関連する複数のビーム信号にフィルタリング関数を適用してもよい。フィルタリング関数は、例えば、平均化、又は他の有限インパルス応答(FIR)若しくは無限インパルス応答(IIR)フィルタであってもよい。したがって、ビーム信号プロセッサ440は、フィルタリングされたビーム信号から画像信号値445を生成することができる。
【0075】
画像プロセッサ450は、画像信号値445の各セットを受信し、画像信号値445のセットを処理して画像460を生成することができる。すなわち、画像プロセッサ450は、ビーム信号425の複数のセットについての画像信号値445のセットを組み合わせて、画像460を生成することができる。ビーム信号プロセッサ440によって実行されるフィルタリングに加えて、又はその代わりに、画像プロセッサ450は、画像信号値445をフィルタリングして画像460を生成することができる。例えば、画像プロセッサ450は、(例えば、同じピクセル位置に対応する)画像信号値の複数のセットを組み合わせて、画像460を取得してもよい。フィルタリングは、平均化、又は他のFIR若しくはIIRフィルタリングを含み得る。一部の例では、各レーダ画像ピクセルビームに関連付けられた撮像値は、3次元(3D)空間に変換することができ、したがって、画像プロセッサ450は、撮像領域のボクセルのセット又は3D表現を生成することができる。
【0076】
一部の例では、ビームフォーミングプロセッサ420は、複数の周波数範囲又は偏波の各々について複数のビーム重みセット433を用いて供給要素信号を処理することができ、ビーム信号プロセッサ440及び画像プロセッサ450は、異なる周波数範囲又は偏波からのレーダ画像ピクセルビームの値を組み合わせて、1つ以上の画像を生成することができる。例えば、レーダ画像ピクセルビームの第1のセットは、(例えば、偶発的な)信号エネルギーの受動的検出に関連付けられたレーダ画像ピクセルビームに対応してもよく、レーダ画像ピクセルビームの第2のセットは、照射源から(例えば、衛星又は1つ以上の異なる衛星から)反射された信号エネルギーに対応してもよい。かかる組み合わされたデータは、例えば、熱放出に関連する情報を反射された信号エネルギーと重ね合わせて、撮像された領域に関する追加の情報を提供することができる。
【0077】
追加的又は代替的に、ビームフォーミングプロセッサ420は、異なる期間に対応する供給要素信号の複数のセットを処理することができ、画像プロセッサ440は、異なる期間に対応するビーム信号425を組み合わせることができる。例えば、供給要素信号405は、GEO衛星の供給要素信号、又はGEOエンドツーエンドリレーによって中継されるアクセスノード端末信号に対応することができ、照明信号は、1つ以上のLEO衛星によって送信することができる。LEO衛星の照射角によって与えられる合成開口は、LEO衛星の異なる位置に対応する複数の期間を処理することによって提供され得る。したがって、複数の期間のうちの1つに対応する供給要素信号の各セットは、ビーム信号の複数のセットを取得するために、複数のビーム重みセット及び照明源(例えば、LEO衛星)の位置に従って処理され得、ビーム信号の複数のセットは、期間に対応するビーム信号の複合セットを取得するために組み合わされ得る。ビーム信号の追加の複合セットは、異なる期間に対して取得され、1つ以上の照明源に対する照明の角度範囲に対応する合成開口を取得するために組み合わされ得る。
【0078】
場合によっては、受信処理システム400は、通信サービス又はデータ収集サービスなど、リアルタイム又は主要なミッションをサポートするように構成され得る。例えば、ビームフォーミングプロセッサ420(又は場合によっては異なるビームフォーミングプロセッサ)は、スポットビーム信号を生成するためにビーム重み又は係数を適用することによって供給要素信号415を処理するように構成されてもよい。ビームフォーミングプロセッサ420によって形成されるスポットビーム125は、実質的に重複しないスポットビームカバレッジエリア126を有する所定のビームを指すことができ、所与の位置に対して、異なる周波数帯域、偏波、又はその両方を使用することができる。生成されたスポットビーム信号は、ビーム信号プロセッサ440(又は異なるビーム信号プロセス)を通して処理され得、(例えば、ユーザ端末150によって送信されたデータ信号を取得するために)種々のリターンリンク通信をサポートするための復調のためにモデム(図示せず)に受け渡すことができる。場合によっては、リターンリンク通信をサポートするために適用されるビーム重みセットは、レーダ画像ピクセルビームのためのビーム信号の複数のセットを取得するために使用される複数のビーム重みセットとは異なり得る(例えば、レーダ画像ピクセルビームは、リターンリンク通信のために使用されるスポットビームとは異なり得る)か、又はリターンリンク通信をサポートするために適用されるビーム重みセットは、複数のビーム重みセットの一部であり得る。
【0079】
場合によっては、供給要素信号受信機410は、リターンリンク通信に関連付けられた信号の信号キャンセル又は抑制を実行して、供給要素信号415を取得するように構成することができる。
【0080】
図5は、本明細書で開示される例によるマルチスタティック合成開口レーダをサポートする複合ビームカバレッジパターン500の一例を示している。複合ビームカバレッジパターン500は、ビームカバレッジパターン512のセットを含むことができ、ビームカバレッジパターン510のセットの各ビームカバレッジパターン512は、異なるビーム重みセットに対応する。図示の例では、複合ビームカバレッジパターン500は、ビームカバレッジパターン510-a、510-b、510-c、510-d、510-e、510-f、510-g、510-h、及び510-iを含む9つのビームカバレッジパターン510を含む。ビームカバレッジパターンの各々は、互いにオフセットされ得る(例えば、1つの次元におけるオフセット、2つ以上の次元におけるオフセット)。例えば、第1のビームカバレッジパターン510-aは、第2のビームカバレッジパターン510-bからオフセット520だけオフセットされてもよい。したがって、例示的な複合ビームカバレッジパターン500によれば、供給要素信号415のデータのセットは、各ビームカバレッジパターンに対応するビーム信号の9つのセットを取得するために、それぞれ異なるビーム重みセットで9回処理され得る。しかしながら、複合ビームカバレッジパターン500は一例にすぎず、複合ビームカバレッジパターンは、任意の数のビームカバレッジパターンについて生成されてもよい。ビーム信号の各セットは、各々が複合ビームカバレッジパターン500内の位置に対応する1つ以上のビーム信号を含み得る。各ビーム信号は、次いで、(例えば、ビーム信号内の入射信号又は反射信号の信号値に対応する)画像値を割り当てられ得る。
【0081】
各ビームカバレッジパターン510は、他のビームカバレッジパターンと重複しないものとして示されているが、各ビームカバレッジパターンは、1つ以上の空間方向から受信された信号電力を表すことができ、ビームカバレッジパターンの部分は、互いに重複することができることを理解されたい。ビームカバレッジパターンは、所与のビーム重みセットに割り当てられた空間情報を表すことができ、概して、受信ビームフォーミング信号エネルギーの各領域の中心とすることができる。すなわち、所与のビームカバレッジエリア515のビーム利得パターン(例えば、3dBなどの利得等高線によって与えられる)は、衛星の軌道又は地形特徴及び適用されるビーム重みセットに応じて円形又は種々の形状とすることができ、重心(例えば、1dB又は3dB等高線などのビーム等高線の)又はビームカバレッジエリア515の最も高いビームフォーミング利得の位置に基づいてビーム信号に位置が割り当てられる。
【0082】
図6は、本明細書で開示する例による、マルチスタティック合成開口レーダのための技術をサポートするデバイス605を含むシステム600の図を示している。デバイス605は、本明細書で説明する受信処理システムの構成要素の一例であるか、又はそれを含み得る。デバイス605は、マルチスタティックビームフォーミングシステム610、I/Oコントローラ615、データベースコントローラ620、メモリ625、プロセッサ630、及びデータベース635を含む、通信を送信及び受信するための構成要素を含む、双方向データ通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、1つ以上のバス(例えば、バス640)を介して電子通信していてもよい。
【0083】
マルチスタティックビームフォーミングシステム610は、本明細書で説明するような受信処理システム400の一例であり得る。場合によっては、マルチスタティックビームフォーミングシステム610は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。例えば、マルチスタティックビームフォーミングシステム610は、(例えば、I/Oコントローラ615を介して)供給要素信号を受信し、マルチスタティック合成レーダ開口画像を生成するために供給要素信号を処理してもよい。供給要素信号は、ビームフォーミング衛星(例えば、OBBF又はGBBFシステム)の供給要素において受信された供給要素信号に対応し得るか、又はエンドツーエンドリレーを採用するシステムのためのアクセスノード端末信号であり得る。マルチスタティックビームフォーミングシステム610は、複数のビーム重みセットに従って供給要素信号を処理することができ、各ビーム重みセットは、レーダ画像ピクセルビームのパターンに対応することができる。マルチスタティックビームフォーミングシステム610は、レーダ画像ピクセルビームの各セットに対して画像ピクセル値のセットを生成することができ、画像ピクセル値のセットを組み合わせて1つ以上の画像を生成することができる。マルチスタティックビームフォーミングシステム610は、(例えば、ディスプレイデバイス上での表示又は記憶媒体上での記憶のために)I/Oコントローラ615を介して出力信号650中で画像を出力し得る。
【0084】
I/Oコントローラ615は、デバイス605のための入力信号645及び出力信号650を管理することができる。I/Oコントローラ615は、デバイス605に統合されていない周辺機器を管理することもできる。場合によっては、I/Oコントローラ615は、外部周辺機器への物理的接続又はポートを表すことができる。場合によっては、I/Oコントローラ615は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、又は別の既知のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムを利用してもよい。他の場合には、I/Oコントローラ615は、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、又は同様のデバイスを表すか、又はそれらと対話することができる。場合によっては、I/Oコントローラ615は、プロセッサの一部として実装され得る。場合によっては、ユーザは、I/Oコントローラ615を介して、又はI/Oコントローラ615によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス605と対話することができる。
【0085】
データベースコントローラ620は、データベース635におけるデータ記憶及び処理を管理することができる。場合によっては、ユーザは、データベースコントローラ620と対話することができる。他の場合には、データベースコントローラ620は、ユーザ対話なしに自動的に動作することができる。データベース635は、単一のデータベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク、又は緊急バックアップデータベースの一例であり得る。データベース635は、例えば、マルチスタティックビームフォーミングシステム610によって使用するための複数のビーム重みセットを記憶し得る。
【0086】
メモリ625は、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読取り専用メモリ(ROM)を含み得る。メモリ625は、(例えば、プロセッサ630によって)実行されたとき、本明細書で説明する種々の機能をプロセッサに実行させる命令を含む、コンピュータ可読、コンピュータ実行可能ソフトウェアを記憶し得る。例えば、メモリ625は、本明細書で説明するマルチスタティックビームフォーミングシステム610の動作のための命令を記憶してもよい。場合によっては、メモリ625は、とりわけ、周辺構成要素又はデバイスとの対話などの基本的なハードウェア又はソフトウェア動作を制御することができる基本入出力システム(BIOS)を含むことができる。
【0087】
プロセッサ630は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば、汎用プロセッサ、DSP、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック構成要素、ディスクリートハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせ)を含むことができる。場合によっては、プロセッサ630は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成され得る。他の場合には、メモリコントローラは、プロセッサ630に統合され得る。プロセッサ630は、種々の機能を実行するためにメモリ625に記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。
【0088】
図7は、本明細書で開示する例によるマルチスタティック合成開口レーダのための技術をサポートするプロセスフロー700を示している。プロセスフロー700は、例えば、図4の受信処理システム400又は図6のマルチスタティックビームフォーミングシステム610によって実装され得る。
【0089】
プロセスフロー700は、受信信号のビームフォーミングをサポートするシステム(例えば、OBBFシステム、GBBFシステム、エンドツーエンドビームフォーミングシステム)からマルチスタティック合成開口レーダ画像を形成するためのプロセスを表し得る。
【0090】
システムは、705において、地理的領域を照射するアンテナを備える衛星に関連付けられた供給要素信号を受信することができる。例えば、供給要素信号は、ビームフォーミング衛星(例えば、OBBF又はGBBFシステム)の供給要素において受信された供給要素信号に対応し得るか、又はエンドツーエンドリレーを採用するシステムのためのアクセスノード端末信号であってもよい。受信された供給要素信号は、ある期間に対応し得る。例えば、供給要素信号は、通信システム(例えば、通信シンボル又はフレーム)の持続時間に対応し得るフレームタイミングに従って処理されてもよい。
【0091】
710において、システムは、I個のビームカバレッジパターンに対応するI個のビーム重みセットを取得し得る。例えば、I個のビーム重みセットの各々は、地理的領域の地理的位置に関連付けられ得る1つ以上のレーダ画像ピクセルビームに関連付けられてもよい。関連付けられた地理的位置は、例えば、地理的中心(例えば、重心)又はレーダ画像ピクセルビームの最高利得の点であってもよい。
【0092】
715において、システムは、ビーム信号のi番目のセットを取得するために、i番目のビーム重みセットに従って供給要素信号を処理することができる。
【0093】
720において、システムは、供給要素信号の処理のための追加のビーム重みセットが存在するかどうかを判定することができる。例えば、i<I(ここで、i∈{1…I})である場合、システムは、iをインクリメントし、715に戻って、次のビーム重みセットに従って供給要素信号を処理してもよい。I個のビーム重みセットが720において処理された場合、システムは、725に進み、ビーム信号のセットを処理することができる。
【0094】
720において、システムは、照射された地理的領域の画像を取得するためにビーム信号のセットを処理することができる。例えば、システムは、ビーム信号の各々にピクセル画像値を割り当ててもよい。場合によっては、ビーム信号の各々へのピクセル画像値の割り当ては、供給要素信号が、偶発的な又は受動的な放射に関連する信号情報を含むか、又は照明源の反射に関連する信号情報を含むかを考慮に入れることができる。照明源は、例えば、ブロードビーム信号(例えば、ビーコン信号などからの照射された地理的領域をカバーするシングルビーム)、又はマルチビーム信号(例えば、マルチビーム衛星を介した通信のためのユーザビーム)であり得る。マルチビーム信号を使用する照明の場合、システムは、ビーム信号と、ビーム信号に関連付けられた位置における対応するビーム信号の特性とに基づいて、ピクセル画像値を決定することができる。例えば、第1のビーム信号は、ユーザビームの中心に関連付けられてもよく、第2のビーム信号は、ユーザビームのエッジに関連付けられてもよい。システムは、ビーム信号の位置におけるユーザビームの入射エネルギーによってビーム信号をスケーリングすることによって、ピクセル画像値を決定することができる。すなわち、第1のビーム信号及び第2のビーム信号は、ユーザビームの利得パターンによって正規化され得る。
【0095】
したがって、システムは、ビーム信号のセットに対応するピクセル画像値の複数のセットを取得することができる。次いで、システムは、ピクセル画像値の複数のセットを組み合わせて、照射された地理的領域の少なくとも一部の画像を取得することができる。上述したように、システムは、複数の周波数帯域又は偏波に対してビーム重みセット処理を実行して、画像の各ピクセル位置に対する複数のピクセル画像値を取得することができ、そして複数のピクセル画像値を(例えば、ピクセル輝度又は色相により)組み合わせて、画像の各最終ピクセル画像値を取得することができる。
【0096】
記載された技術は、可能な実装形態を指し、動作及び構成要素は、再配置又はさもなければ修正されてもよく、他の実装形態が可能であることに留意されたい。2つ以上の方法又は装置からの更なる部分を組み合わせてもよい。
【0097】
本明細書に記載の情報及び信号は、様々な異なる技術及び技術のいずれかを使用して表すことができる。例えば、説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、若しくはこれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0098】
本明細書の開示に関して説明した種々の例示的なブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート又はトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0099】
本明細書で説明した機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして格納されてもよく、又は送信され得る。他の例及び実装形態は、本開示及び添付の特許請求の範囲内にある。例えば、ソフトウェアの性質上、本明細書に記載の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハード配線、又はこれらのいずれかの組み合わせによって実行されるソフトウェアを使用して実装することができる。機能を実装する特徴部はまた、機能の部分が異なる物理的位置に実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置されてもよい。
【0100】
コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ記憶媒体と、コンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。例として、限定ではなく、非一時的なコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を運搬若しくは記憶するために使用することができ、汎用目的若しくは特殊目的コンピュータ、若しくは汎用目的若しくは特殊目的プロセッサによってアクセスすることができる任意の他の非一時的媒体を含み得る。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に称される。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、ラジオ、及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、ラジオ、及びマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)及びディスク(disc)は、本明細書で使用されるとき、CD、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザーで光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0101】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されるとき、項目のリスト(例えば、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」などの語句によって前置きされた項目のリスト)において使用される「又は」は、例えば、「少なくとも1つのA、B、又はC」のリストが、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、A及びB及びC)を意味するように、包括的なリストを示す。また、本明細書で使用されるとき、「に基づく」という語句は、条件の限定されたセットへの参照として解釈されてはならない。例えば、「条件Aに基づく」と記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づき得る。換言すれば、本明細書で使用されるとき、「に基づく」という語句は、「に少なくとも部分的に基づく」という語句と同じように解釈されるものとする。
【0102】
添付の図面では、類似の構成要素又は特徴部は、同じ参照ラベルを有することができる。更に、同じタイプの様々な構成要素は、類似の構成要素の中で区別するダッシュ及び第2のラベルによる参照ラベルに従うことによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベル、又は他の後続の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のうちのいずれか1つに適用可能である。
【0103】
添付の図面に関して本明細書に記載された説明は、例示的な構成について説明しており、実装され得る又は特許請求の範囲内に入る全ての例を表すとは限らない。本明細書で使用される「例示的な」という用語は、「例、実例、又は例証としての役割を果たす」を意味し、「好ましい」又は「他の例より有利」ではない。詳細な説明は、説明される技術の理解を与えるための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの具体的な詳細を伴わずに実践されてもよい。一部の例では、説明されている例の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形態で示されている。
【0104】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作製又は使用することを可能にするために提供されている。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明した例及び設計に限定されず、本明細書で開示した原理及び新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7