(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物、その製造方法、除草組成物、及び用途
(51)【国際特許分類】
C07D 239/54 20060101AFI20250123BHJP
A01N 43/54 20060101ALI20250123BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20250123BHJP
C07D 405/12 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
C07D239/54 CSP
A01N43/54 F
A01P13/00
C07D405/12
(21)【出願番号】P 2023547574
(86)(22)【出願日】2022-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2022075322
(87)【国際公開番号】W WO2022166938
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】202110167827.1
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523296508
【氏名又は名称】ジァンスー フラッグ ケミカル インダストリー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU FLAG CHEMICAL INDUSTRY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 309 Changfeng River Road, Nanjing Chemical Industry Park Nanjing, Jiangsu 210000 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ジャン プー
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ カイチョン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ヤオジュン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ ダン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ピン
(72)【発明者】
【氏名】ブ ロン
(72)【発明者】
【氏名】バイ ツォンチァン
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表平04-502473(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19741411(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00831091(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第1325624(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 239/54
A01N 43/54
A01P 13/00
C07D 405/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物であって、その構造は一般式(I)によって示され、
【化1】
式において、
R
1及びR
2は、それぞれ水素又はメチル基から選ばれ、または、R
1及びR
2と、結合している炭素と一緒に三員環を形成し、
R
3はC
1~3アルコキシ
C
1~3アルキル基、C
1~3ハロアルコキシC
1~3アルキル基、C
2~6アルケノキシC
1~3アルキル基、C
2~6ハロアルケノキシC
1~3アルキル基、C
2~6アルキノキシC
1~3アルキル基、C
2~6ハロアルキノキシC
1~3アルキル基、C
1~3アルキルS(O)
nC
1~3アルキル基、C
3~6酸素含有シクロアルキルC
1~3アルキル基、又はC
3~9酸素含有シクロアルキル基から選択され、
n=0、1、又は2であり、
R
1が水素から選択され、R
2がメチル基から選択されるとき、それに結合している炭素原子は、R配置若しくはS配置から選択されてもよく、又はその2つの混合物であり、混合物において、RとSの比は、1:99~99:1である、ことを特徴とするカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物。
【請求項2】
カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物であって、
R
1及びR
2は、それぞれ水素又はメチル基から選ばれ、または、R
1及びR
2と、結合している炭素と一緒に三員環を形成し、
R
3はC
1~3アルコキシ
C
1~3アルキル基、C
1~3ハロアルコキシC
1~3アルキル基、C
2~6アルケノキシC
1~3アルキル基、C
2~6ハロアルケノキシC
1~3アルキル基、C
2~6アルキノキシC
1~3アルキル基、C
2~6ハロアルキノキシC
1~3アルキル基、C
3~6酸素含有シクロアルキルC
1~3アルキル基、又はC
3~9酸素含有シクロアルキル基から選択され、
R
1が水素から選択され、R
2がメチル基から選択されるとき、それに結合している炭素原子は、R配置若しくはS配置から選択されてもよく、又はその2つの混合物であり、混合物において、RとSの比は、1:99~99:1である、ことを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物。
【請求項3】
カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物であって、
R
1及びR
2は、それぞれ水素又はメチル基から選ばれ、
R
3はC
1~3アルコキシ
C
1~3アルキル基、C
1~3ハロアルコキシC
1~3アルキル基、C
2~6アルケノキシC
1~3アルキル基、C
2~6ハロアルケノキシC
1~3アルキル基、C
2~6アルキノキシC
1~3アルキル基、C
2~6ハロアルキノキシC
1~3アルキル基、C
3~6酸素含有シクロアルキルC
1~3アルキル基、又はC
3~9酸素含有シクロアルキル基から選択され、
R
1が水素から選択され、R
2がメチル基から選択されるとき、それに結合している炭素原子は、R配置若しくはS配置から選択されてもよく、又はその2つの混合物であり、混合物において、RとSの比は、1:99~99:1である、ことを特徴と請求項1に記載のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物。
【請求項4】
カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物の製造方法あって、この方法は、溶媒が存在する条件下で、式(II)によって示される酸化合物を、
R
3
-OHと接触反応させることを含
む、
【化2】
(ここで、一般式(I)
、(II)
及びR
3
-OHにおいて、関連するR
1、R
2及びR
3の定義はいずれも請求項1における定義と同じである
)ことを特徴と
する請求項1~3のいずれか1項に記載のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物の製造方法。
【請求項5】
前記反応の温度は、0~160℃であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記反応の時間は2~15時間であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記反応の溶媒は、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、n-ヘプタン、n-オクタン、及びn-ノナンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記式(II)によって示されるカルボン酸系化合物と、
R
3
-OHとの使用量のモル比は1:1~4である
(ここで、R
3
-OHの定義は請求項1における定義と同じである)ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~3に記載のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物の雑草防除に用いられる
使用。
【請求項10】
請求項1~3に記載のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物を活性成分とし、組成物における活性成分の重量%含有量は0.1-99.9%であることを特徴とする組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬除草剤領域に関し、具体的に、カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物、その製造方法、除草組成物、及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
除草剤による化学除草は、雑草防除において、最も経済的、効果的な手段である。しかし、単一品種又は単一作用方式の化学除草剤を長期、連続、高用量に使用すると、雑草の薬物耐性や抵抗変化といった問題が起こりやすい。新しい品種の農薬を開発することは、上記課題を解決するための重要な手段である。
【0003】
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO,EC 1 .3 .3 .4)は、プロトポルフィリノーゲンIXからプロトポルフィリンIXへの酸化を触媒することができる。PPOは、クロロフィル及びヘムの同じ生合成工程における重要な酵素である。植物体内のPPOを抑制することで、最終的に基質プロトポルフィリンIXが蓄積し、細胞質に漏出し、細胞質の脂質過酸化及び植物白化になり、植物が死亡する。過去数十年にわたって、PPOは、除草剤の重要な標的として広く研究されてきた。
【0004】
除草剤として、ウラシル系化合物についての研究は20世紀60年代に始まり、90年代にピークに達した。近年、開発された品種は多くないが、いくつかの特許が公開され、例えば、CIBA-GEIGY社がUS5183492Aにおいて、以下の一般式の構造を開示した。
【化1】
【0005】
その後、Syngenta社が商品化の除草剤ブタフェナシル(Butafenacil、US5183492A)における化合物47)の開発に成功し、主にぶどう園を含む果樹園、綿畑、非農耕地に使用し、イネ科雑草、広葉雑草、カヤツリグサ類などを防除し、良好な雑草防除効果がみられる。
【化2】
【0006】
US5183492Aでは、以下のベンゾイルオキシプロピオン酸CK(明細書における化合物1) の製造について同時に開示した。
【化3】
【0007】
以上からわかるように、従来のウラシル系化合物除草剤の種類は比較的単一であり、選択の余地が少ない。市場には、良好な除草活性を有する新型ウラシル系除草剤を必要としている。
【発明の概要】
【0008】
本発明において、解決すべき技術的課題は、良好な除草活性を有する新型ウラシル系除草剤を提供することである。
【0009】
本発明において、上記の技術的課題を解決するための技術的解決手段は以下の通りである。
【0010】
カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物であって、その構造は一般式(I)によって示されている。
【化4】
【0011】
式において、
R1及びR2は、それぞれ水素又はメチル基から選ばれる。または、R1及びR2と、結合している炭素と一緒に三員環を形成する。
R3はC1~3アルコキシ1~3アルキル基、C1~3ハロアルコキシC1~3アルキル基、C2~6アルケノキシC1~3アルキル基、C2~6ハロアルケノキシC1~3アルキル基、C2~6アルキノキシC1~3アルキル基、C2~6ハロアルキノキシC1~3アルキル基、C1~3アルキルS(O)nC1~3アルキル基、C3~6酸素含有シクロアルキルC1~3アルキル基、又はC3~9酸素含有シクロアルキル基から選択される。
n=0、1、又は2である。
R1が水素から選択され、R2がメチル基から選択されるとき、それに結合している炭素原子は、R配置若しくはS配置から選択されてもよく、又はその2つの混合物である。
【0012】
本発明の好ましい化合物は、一般式(I)において、
R1及びR2は、それぞれ水素又はメチル基から選ばれる。または、R1及びR2と、結合している炭素と一緒に三員環を形成する。
R3はC1~3アルコキシ1~3アルキル基、C1~3ハロアルコキシC1~3アルキル基、C2~6アルケノキシC1~3アルキル基、C2~6ハロアルケノキシC1~3アルキル基、C2~6アルキノキシC1~3アルキル基、C2~6ハロアルキノキシC1~3アルキル基、C3~6酸素含有シクロアルキルC1~3アルキル基、又はC3~9酸素含有シクロアルキル基から選択される。
R1が水素から選択され、R2がメチル基から選択されるとき、それに結合している炭素原子は、R配置若しくはS配置から選択されてもよく、又はその2つの混合物である。混合物において、RとSの比は、1:99~99:1である。
【0013】
本発明のより好ましい化合物は、一般式(I)において、
R1及びR2は、それぞれ水素又はメチル基から選ばれる。
R3はC1~3アルコキシ1~3アルキル基、C1~3ハロアルコキシC1~3アルキル基、C2~6アルケノキシC1~3アルキル基、C2~6ハロアルケノキシC1~3アルキル基、C2~6アルキノキシC1~3アルキル基、C2~6ハロアルキノキシC1~3アルキル基、C3~6酸素含有シクロアルキルC1~3アルキル基、又はC3~9酸素含有シクロアルキル基から選択される。
R1が水素から選択され、R2がメチル基から選択されるとき、それに結合している炭素原子は、R配置若しくはS配置から選択されてもよく、又はその2つの混合物である。混合物において、RとSの比は、1:99~99:1である。
【0014】
以上に示された一般式(I)の化合物の定義について、使用された用語の一般的な定義をまとめて以下のように示す。
【0015】
ハロゲン:フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素である。アルキル基:直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基又はsec-ブチル基、及び異性体である。アルケニル基:直鎖又は分枝鎖アルケン系であり、例えば、ビニール基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、並びに、異なるブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル異性体である。アルケニル基は、さらに、例えば、1,2-プロパジエニル基及び2,4-ヘキサジエニルなどのポリエン系を含む。アルキニル基:例えば、エチニル基、プロピニル基並びに異なるブチニル、ペンチニル及びヘキシニル異性体などの直鎖又は分枝鎖アルキン類である。アルキニル基は、さらに、例えば、2,4-ヘキサジイニル基などのポリインを含む。アルコキシアルキル基:アルキル基-O-アルキル基-であり、例えばCH3OCH2-である。ハロアルコキシアルキル基:アルキル基-O-アルキル基-であり、これらのアルキル基における水素原子はハロゲン原子によって部分的又は全部置換されてもよい。例えば、ClCH2OCH2-である。アルケノキシアルキル基:アルケニル基-O-アルキル基-であり、例えばCH2=CHCH2OCH2CH2-である。ハロアルケノキシアルキル基:アルケニル基-O-アルキル基-であり、ここで、OとCH2=CHとは直接結合しておらず、これらのアルケニル基における水素原子はハロゲン原子によって部分的又は全部置換されてもよい。例えばClCH=CHCH2OCH2CH2-である。アルキノキシアルキル基:アルキニル基-O-アルキル基-であり、例えばCH≡CCH2OCH2CH2-であり、ここで、OとCH≡Cとは直接結合していない。ハロアルキノキシアルキル基:アルキニル基-O-アルキル基-であり、これらのアルキニル基における水素原子はハロゲン原子によって置換されてもよい。例えば、ClC≡CCH2OCH2CH2-である。アルカンS(O)nアルキル基:アルキル基-S(O)n-アルキル基であり、n=0、1、又は2である。例えば、CH3SCH2CH2-、CH3SOCH2CH2-、CH3SO2CH2CH2-である。酸素含有シクロアルキル基:置換又は非置換の環状酸素含有アルキル基、例えば、酸素含有シクロプロピル基である。置換基は、メチル基、ハロゲン、シアノ基などである。酸素含有シクロアルキルアルキル基:置換又は非置換の、環状酸素含有アルキル基を有するアルキル基、例えば、酸素含有シクロブチル基である。置換基は、メチル基、ハロゲン、シアノ基などである。
【0016】
本発明の化合物の一部は、表1に示される具体的な化合物で説明できる。ただし、本発明はこれらの化合物に限定されない。
【化5】
【0017】
【0018】
本発明による第2の観点では、カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物の合成方法を提供する。その方法は、溶媒が存在する条件下で、式(II)によって示される酸化合物を、異なる置換のアルコール、ハロゲン化又はスルホン酸エステル化合物と接触反応させることを含む。
【化6】
ここで、一般式(I)及び(II)において、関連するR
1、R
2及びR
3の定義はいずれも請求項1における定義と同じである。
【0019】
上記反応の温度は、0~160℃で、好ましくは20~120℃である。時間は、2~15時間で、好ましくは3~12時間である。
【0020】
上記反応の溶媒は、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、n-ヘプタン、n-オクタン、及びn-ノナンから選択される少なくとも1種である。
【0021】
上記反応において、式(II)によって示されるカルボン酸系化合物を、異なる置換のアルコール、ハロゲン化又はスルホン酸エステル化合物の使用量のモル比は1:1~4であり、好ましくは1:1.1~3である。
【0022】
本発明の一般式(I)の化合物の一部は、中間体1-8をさらにエステル化することによって直接得られる。
【化7】
【0023】
本発明の一般式(I)の化合物の一部は、中間体1-8をエステル化することによって、一般式(II)のカルボン酸を直接得られ、または、対応するエステルを加水分解し、一般式(II)のカルボン酸を得る。一般式(II)のカルボン酸は、さらに、対応する塩化アシルに調製されてから、異なる置換のアルコールと接触反応させ、本発明の一般式(I)の化合物の一部を得ることができる。一般式(II)のカルボン酸は、脱水剤によって、異なる置換のアルコールと接触反応させ、本発明の一般式(I)の化合物の一部を得ることもできる。一般式(II)のカルボン酸は、ハロゲン化又はスルホン酸エステル化合物と接触反応させ、本発明の一般式(I)の化合物の一部を得ることもできる。
【化8】
【0024】
反応は、適切な溶媒において行われる。適切な溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン又は酢酸エチルなどから選択されてもよい。反応は、アルカリの有無にかかわらず、行うことができる。アルカリの存在下で行う場合、反応速度を早めることができる。前記アルカリは、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム、又はナトリウムアミドなどのアルカリ金属水素化物、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、例えば、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、N-メチルピロール、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機アルカリから選択されてもよい。脱水剤を使用する場合、例えば、1-エチル- (3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミドなどを脱水剤として使用できる。塩化アシルは、塩化チオニル、塩化オキサリルなどのアシル化試薬を用いて調製してもよい。反応温度は、-10℃から、反応において選ばれる適切な溶媒の沸点温度までであってもよく、通常は、0~100℃である。反応の時間は30分間~20時間であり、通常は1~10時間である。
【0025】
R3-X又はR3-OHは、いずれも市販されている。Xは、脱離基であり、塩素、臭素、ヨウ素、又はスルホン酸エステルから選ばれる。
【0026】
本発明の前記方法は、前記原料に対する必要な前処理及び反応生成物に対する必要な後処理を含んでもよい。前処理と後処理の実施手段は、乾燥、洗浄、叩解、濾過、遠心分離、カラムクロマトグラフィー、再結晶などを含むが、これらに限定されない。本発明の実施例部分において、いくつかの具体的な処理手段が提供されているが、当業者は、これらを本発明に対する制限と理解すべきではない。
【0027】
明確な注釈がある場合以外は、反応式中の基の定義は前文と同じである。
【0028】
本発明による第3の観点では、カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物の除草剤としての用途を提供する。
【0029】
本発明による第4の観点では、一般式(I)の化合物を活性成分とし、組成物における活性成分の重量%含有量は0.1-99.9%である除草組成物を提供する。
【0030】
本発明の化合物は、広範囲の経済的に重要な単子葉及び双子葉植物の一年生有害植物に対して、優れた殺滅活性を有し、複数種の雑草を効果的に制御することができ、低用量で良好な結果を得ることができ、除草剤として使用することができる。したがって、本発明は、雑草制御に用いられる一般式(I)の化合物の用途をさらに含む。
【0031】
したがって、本発明は、望ましくない植物を防除する、又は植物の成長を調節するための方法に関し、1種又は複数種の本発明の化合物を、植物(例えば、単子葉若しくは双子葉雑草、又は望ましくない作物植物などの有害植物)、種子(例えば、穀粒、種子、又は、塊茎若しくは芽を有する若苗部分などの無性生殖の繁殖体)、又は植物が成長している領域(例えば、栽培領域)に施す。本発明の化合物は、植え付ける前(適切であれば、土壌に導入することによるものであり)、苗の前又は苗の後に使用することができる。以下に言及される、本発明の化合物が防除する各代表的な単子葉又は双子葉雑草植物群の例は、本発明を説明するためのものであり、決して本発明を限定するものではない。
【0032】
単子葉有害植物属は、エギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、ヌカボ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、Apera、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、イヌビエ(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ(Eleusine)、スズメガヤ属(Eragrostis)、ナルコビエ属(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、テンツキ属(Fimbristylis)、アメリカコナギ属(Heteranthera)、チガヤ属(Imperata)、カモノハシ属(Ischaemum)、アゼガヤ属(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、セタリア属(Setaria)、モロコシ属(Sorghum)がある。
【0033】
双子葉有害植物属は、アブチロン属(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ(Ambrosia)、Anoda、アンテミス属(Anthemis)、Aphanes、ヨモギ属(Artemisia)、ハマアカザ属(Atriplex)、ベリス属(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、カッシア属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、ヌスビトハギ属(Desmodur)、イヌスイバ属属(Emex)、エリシマム属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、チシマオドリコソウ属(Galeopsis)、コゴメギク属(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、バッシア属(Kochia)、オドリコソウ属(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、アゼナ属(Lindernia)、シカギク属(Matricaria)、ミント属(Mentha)、ヤマアイ属(Mercurialis)、Mullugo、ワスレナグサ属(Japanese)、ケシ属(Papaver)、アサガオ属(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、スイバ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、セスバニア属(Sesbania)、シダ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ノゲシ属(Sonchus)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、シャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ属(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、オナモミ属(Xanthium)がある。
【0034】
苗の前に本発明の化合物を土壌に施用するとき、有害植物の種子の成長は処理後に停止する。有害植物は、施用時点の成長期にとどまり、または、一定期間後に死亡する。これにより、非常に早い時点において、作物植物に有害な雑草による競争を持続的に排除することができる。
【0035】
苗の後に本発明の化合物を緑色植物部位に施用するとき、成長は処理後に停止する。有害植物は、施用時点の成長期にとどまり、または、一定期間後に死亡する。これにより、非常に早い時点において、作物植物に有害な雑草による競争を持続的に排除することができる。
【0036】
したがって、本発明の技術的解決手段は、一般式(I)の化合物を雑草制御に用いられる用途が含まれる。
【0037】
また、本発明の一般式(I)の化合物は、植物の乾燥及び/又は落葉にも適用する。
【0038】
前述したように、本発明では、活性成分と補助剤からなる農薬除草剤が提供される。前記活性成分は、前述したカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物の少なくとも1種を含む。
【0039】
好ましくは、前記農薬除草剤における前記活性成分の含有量は0.1-99.9重量%である。
【0040】
本発明では、前記除草剤に含まれる補助剤の具体的な種類について、特別に制限せず、例えば、除草剤分野においてよく使われる各種の表面活性剤、溶媒などであってもよい。
【0041】
例えば、本発明に記載のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物は、後の使用のために、溶媒で溶解し、及び希釈することができる。溶媒で溶解し、及び希釈した後の濃度は、好ましくは0.05~0.4 g/Lである。前記カルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物を溶解する溶媒は、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミドの少なくとも1種を含んでもよく、前記希釈用の試薬は、常用の添加剤を含む水などであってもよい。好ましくは、前記ウラシル系化合物が溶解されている溶液に、本分野内の除草剤における常用の添加剤を添加してもよい。添加剤は、例えば、表面活性剤、乳化剤などの1種又は複数種である。
【0042】
本発明に記載のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物の防除効果を強化し、その使用範囲を広げるために、本発明のカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物は単独で使用してもよく、または他の常用の除草剤(例えば、アトラジン、フェントラザミド、ブロモキシニル、ペントキサゾン、メソトリオンなど)と配合して使用してもよい。そして、配合して使用する際の比率について、特に限定することなく、配合後の防除効果が強化され、使用範囲が広くなり、安全性が向上すれば、本分野において通常使われる比率を踏まえて選択することができる。
【0043】
本発明において、化合物の名称と構造式との間に矛盾がある場合、構造式に準ずる。構造式に明らかな誤りがあるものを除く。
【0044】
本発明によって提供されるカルボン酸エステルフラグメントを含むウラシル系化合物は従来の技術に比べて、より優れた除草活性を有している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、実施例に併せて本発明を説明するが、本発明を制限するものではない。本分野において、当業者が本発明に対し行う簡単な置換え又は改善はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0046】
<実施例1> 中間体1-8の製造
ステップ 1:中間体1-1の製造
【化9】
20gの2-クロロ-4-フルオロ安息香酸、100gのエタノールを、500mLの四口フラスコに入れ、撹拌し、温度が0℃になるまで降温させた。17.73gの塩化チオニルをゆっくり滴下し、全過程を0℃以下に維持した。塩化チオニルの滴下が完了した後、75℃になるまで昇温させ、還流撹拌し、一晩反応させ、反応液を遠心脱水して、23.01gの中間体1-1を得た。
【0047】
ステップ 2:中間体1-2の製造
【化10】
67.46 gの中間体1-1、337.3 gの1,2-ジクロロエタンを、1Lの四口フラスコに入れ、温度が0℃になるまで降温させた。42.09 gの発煙硝酸(90%)及び60.12 gの硫酸(98%)をゆっくり滴下した。滴下が完了した後、室温になるまでゆっくり昇温させた。反応が完了するまで撹拌し、反応液を分液漏斗に移し、成層するまで静置した。有機相を取り出し、無機相を1,2-ジクロロエタンで抽出し、有機相における酸を水相のpH値が約7.0になるまで氷水で溶出し、溶媒を遠心脱水して、89.81 gの粗製品を得た。5倍の質量のn-ヘキサンを入れ、再結晶し、濾過した。濾過ケーキを乾燥させ、42.45 gの中間体1-2を得た。
【0048】
ステップ3:中間体1-3の製造
【化11】
60.84 gの中間体1-2、4.87 gのPt/C(5%)、300 mLのエタノールを1Lのオートクレーブに入れた。水素ガスの圧力を2MPa、温度を45℃に制御し、11時間反応させた後、濾過しPt/Cを除去してから、濾液を遠心脱水し、52.48 gの中間体1-3の粗製品を得た。
【0049】
ステップ 4:中間体1-4の製造
【化12】
52.48 gの中間体1-3の粗製品、24.78 gのピリジン、262.4 gのジクロロメタンを500 mLの四口フラスコに入れ、室温で撹拌し、5分後に、34.02 gのクロロギ酸エチルをはかり、68.04 gのジクロロメタンで希釈した後、ゆっくり滴下した。1時間で滴下が完了した。5時間反応させ、pH値が弱酸性を呈するように調節し、水を入れ、ジクロロメタンで抽出し、有機相を遠心脱水し、69.62 gの中間体1-4の粗製品を得た。
【0050】
ステップ5:中間体1-5の製造
【化13】
12.98 gのナトリウムエトキシドを38 gのDMFに溶解させ、撹拌し、氷浴によって5℃まで降温させた。氷浴しながら、3-アミノ-4,4,4-トリフルオロクロトン酸エチル(27.95 g)のDMF(28 g)溶液を滴下した。滴下が完了し、36.84gの中間体1-4のDMF溶液を滴下した後、100℃まで昇温させ、5時間を撹拌した。反応が完了した後、pH値が酸性になるように調節し、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を遠心脱水し、50 gの粗製品を得た。カラムクロマトグラフィーによって精製し、19.05 gの中間体1-5を得た。
【0051】
ステップ6:中間体1-6の製造
【化14】
19.05 gの中間体1-5、8.287 gの無水炭酸カリウムを一口フラスコに入れ、60 gのTHFで溶解し、7.566 gの硫酸ジメチルを入れ、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、THFを遠心脱水し、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機相を遠心脱水し、19.62 g中間体1-6の粗製品を得た。
【0052】
ステップ7:中間体1-7の製造
【化15】
室温において、19.62 gの中間体1-6を150 mLの氷酢酸に溶解させ、同じ体積の36%の塩酸を入れ、8時間還流反応させた。反応が完了した後、減圧蒸留で余分な溶剤を除去し、残留物に水を入れ、固体が析出され、撹拌し、濾過し、濾過ケーキを水で3回で溶出し、60℃で乾燥させ、12.73 gの中間体1-7の粗製品を得た。
【0053】
ステップ8:中間体1-8の製造
【化16】
6.8 gの中間体1-7、35 gの1,2-ジクロロエタン、1滴のDMF、3.316 gの塩化チオニルを100mlの一口フラスコに入れ、3時間還流反応させた。反応が完了した後、余分な塩化チオニル及び溶媒を遠心脱水し、6.22 gの中間体1-8の粗製品を得た。
【0054】
実施例2:化合物3の製造
ステップ1:中間体3-1の製造
【化17】
実施例1における中間体1-8(1 g)、320 mgのグリコール酸メチルを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、394 mgのトリエチルアミンを滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、1.02 gの中間体3-1を得た。
【0055】
ステップ2:中間体3-2の製造
【化18】
1.02 gの中間体3-1、6.12 gの塩酸(36%)、6.12 gの酢酸を反応フラスコに入れ、40分間還流し、反応液を遠心脱水し、1.01 gの中間体3-2を得た。
【0056】
ステップ3:中間体3-3の製造
【化19】
1.01 gの中間体3-2、340 mgの塩化チオニル、2滴のDMF、5.5 gのジクロロエタンを反応フラスコに入れ、3時間還流反応させた。反応液を遠心脱水し、1.02 gの中間体3-3を得た。
【0057】
ステップ4:化合物3の製造
【化20】
103.29 mgの2-メトキシエタノール、228.95 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、ステップ3で製造された中間体3-3(0.50 g)の3 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、165 mgの化合物3を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.62 (s, 1H), 4.99 (s, 2H), 4.30 - 4.23 (m, 2H), 3.59 - 3.52 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.26 (s, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =483.05, Found =482.61.
【0058】
実施例3:化合物10の製造
ステップ1:化合物10の製造
【化21】
99.83 mgの2-(アリルオキシ)エタノール、123.60 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例2における中間体3-3(0.40 g)の2.5 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、260 mgの淡黄色油状物である化合物10を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.16 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.61 (s, 1H), 5.93 - 5.72 (m, 1H), 5.24 (dq, J = 17.4, 1.8 Hz, 1H), 5.13 (dt, J = 10.1, 1.6 Hz, 1H), 4.99 (s, 2H), 4.27 (dd, J = 5.6, 3.6 Hz, 2H), 3.96 (dt, J = 5.4, 1.6 Hz, 2H), 3.67 - 3.55 (m, 2H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =509.07, Found =508.62.
【0059】
実施例4:化合物28の製造
ステップ1:化合物28の製造
【化22】
95.70 mgの2-(プロパルギルオキシ)エタノール、148.82 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例2における中間体3-3(0.50 g)の3 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、110 mgの淡黄色油状物である化合物28を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.15 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.61 (s, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.27 (dd, J = 5.7, 3.4 Hz, 2H), 4.16 (d, e = 2.4 Hz, 2H), 3.75 - 3.63 (m, 2H), 3.43 (d, J = 11.5 Hz, 4H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =507.05, Found =506.83.
【0060】
実施例5:中間体54-3の製造
ステップ1:中間体54-1の製造
【化23】
20 gの実施例1における中間体1ー8、4.86 gのD-乳酸メチル、100 g のジクロロメタンを反応フラスコに入れ、窒素ガスを吹き込み、室温で撹拌した。60分間以内で、5.9 gのトリエチルアミンを滴下し、滴下が完了したら、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、16 gの中間体54-1を得た。
【0061】
ステップ2:中間体54-2の製造
【化24】
15 gの中間体54-1、90 gの塩酸(36%)、90 gの酢酸を反応フラスコに入れ、60℃で40分間撹拌し、反応が完了した。溶媒を遠心脱水し、14 gの中間体54-2を得た。
【0062】
ステップ3:中間体54-3の製造
【化25】
5.0 gの中間体54-2、1.63 gの塩化チオニル、25gの1,2-ジクロロエタン、2滴のDMFを反応フラスコに入れ、90℃で還流撹拌した。1時間で反応が完了した。溶媒を遠心脱水し、5.1gの中間体54-3を得た。
【0063】
実施例6:化合物54の製造
【化26】
0.6gの実施例5における中間体54-3、0.120 gの2-メトキシエタノール、10 gのジクロロメタン、0.2 gのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、窒素ガスを吹き込み、室温で1時間を撹拌し、反応が完了した。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、0.350 gの化合物54を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (dd, J = 7.7, 2.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.36 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.32 (s, 2H), 3.60 (t, J = 4.6 Hz, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.36 (s, 3H), 1.62 (d, J = 7.1 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =497.07, Found =497.16.
【0064】
実施例7:化合物61の製造
ステップ1:化合物61の製造
【化27】
290mgの2-(アリルオキシ)エタノール、330mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例5における中間体54-3(1.0g)の10 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、800 mgの化合物61を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.84 (ddtd, J = 16.9, 10.6, 5.3, 1.1 Hz, 1H), 5.31 (qt, J = 6.5, 3.3 Hz, 1H), 5.26 5.20 (m, 1H), 5.12 (dq, J = 10.4, 1.6 Hz, 1H), 4.34 4.20 (m, 2H), 3.95 (dt, J = 5.3, 1.5 Hz, 2H), 3.60 (ddd, J = 6.0, 4.2, 1.4 Hz, 2H), 3.45 3.40 (m, 3H), 1.53 (d, J = 7.0 Hz, 3H).LCMS (ESI) [M + H]
+ =523.08, Found =522.96.
【0065】
実施例8:化合物79の製造
ステップ1:化合物79の製造
【化28】
1gの実施例5に記載された中間体54-3を5mLの1,2-ジクロロエタンに溶解させ、プロピノールエトキシレート(220mg)の1,2-ジクロロエタン溶液を滴下し、20℃で10分間撹拌してから、330 mgのトリエチルアミンを滴下した。LCMSによって原料が完全に反応したことを検出し、20mLの塩酸(1N)を入れ、洗浄し、分液した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、クロマトグラフィーによって精製し、200mgの無色油状液体である化合物79を得た。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.97 (dd, J = 7.7, 2.1 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.36 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 4.17 (dd, J = 2.4, 0.7 Hz, 2H), 3.76 (dt, J = 6.9, 3.0 Hz, 2H), 3.59 - 3.55 (m, 3H), 1.62 (dd, J = 7.1, 1.0 Hz, 3H), 1.33 - 1.23 (m, 2H). .LCMS (ESI) [M + H]
+ =521.07, Found =521.21.
【0066】
実施例9:化合物88の製造
ステップ1:化合物88の製造
【化29】
145.14 mgの2-(メチルチオ)エタノール、199.21 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例5における中間体54-3(0.60 g)の3 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、545 mgの無色油状物である化合物88を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 5.32 (dd, J = 7.0, 2.0 Hz, 1H), 4.39 - 4.21 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 2.83 - 2.66 (m, 2H), 2.11 - 2.07 (m, 3H), 1.55 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =512.04, Found =512.54.
【0067】
実施例10:化合物92の製造
ステップ1:化合物92の製造
【化30】
250.0 mgの化合物88、10 mLのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、84.11 mgのm-クロロ過安息香酸を入れた。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、177 mgの無色油状物である化合物92を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 5.45 - 5.35 (m, 1H), 4.66 - 4.42 (m, 2H), 3.49 (s, 3H), 3.29 - 3.02 (m, 2H), 2.73 - 2.62 (m, 3H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =529.04, Found =528.65.
【0068】
実施例11:化合物93の製造
ステップ1:化合物93の製造
【化31】
97.77 mgの2-メチルスルホニルエタノール、99.61 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例5における中間体54-3(0.30 g)の2 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、192 mgの化合物93を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.44 - 5.28 (m, 1H), 4.57 - 4.41 (m, 2H), 3.55 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.02 (s, 3H), 1.54 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =545.03, Found =544.58
【0069】
実施例12:化合物96の製造
【化32】
25 mLの一口フラスコに、0.5 gの実施例5における中間体54-3、5 mLのジクロロメタン、97.2 mgの(S)-グリシドール、0.17 gのトリエチルアミンを入れ、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、5 mLの水を入れ、撹拌し、分液し、有機相を得て、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留で溶剤を除去した。カラムクロマトグラフィーによって精製し、215 mgの化合物96を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 5.37 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 12.2, 3.0 Hz, 1H), 4.07 - 3.94 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.22 (tt, J = 9.8, 4.9 Hz, 1H), 2.84 (q, J = 4.4 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 4.7, 2.6 Hz, 1H), 1.62 (t, J = 9.2 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =495.05, Found =495.05.
【0070】
実施例13:化合物97の製造
【化33】
25 mLの一口フラスコに、0.5 gの実施例5における中間体54-3、5 mLのジクロロメタン、97.2 mgの(R)-グリシドール、0.17 gのトリエチルアミンを入れ、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、5 mLの水を入れ、撹拌し、分液し、有機相を得て、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留で溶剤を除去した。カラムクロマトグラフィーによって精製し、330 mgの化合物97を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.37 (qd, J = 7.1, 2.2 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 12.2, 2.2 Hz, 1H), 4.13 - 3.98 (m, 1H), 3.57 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 3.20 (tt, J = 5.7, 2.8 Hz, 1H), 2.84 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 2.67 (dt, J = 10.9, 5.6 Hz, 1H), 1.63 (d, J = 7.1 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =495.05, Found =495.30.
【0071】
実施例14:中間体105-3の製造
ステップ1:中間体105-1の製造
【化34】
324.4 mgのL-乳酸メチルを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例1における中間体1-8(1 g)を滴下してから、394 mgのトリエチルアミンを滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、923 mgの中間体105-1を得た。
【0072】
ステップ2:中間体105-2の製造
【化35】
923 mgの中間体105-1、6.46 gの塩酸(36%)、6.46 gの酢酸を反応フラスコに入れ、40分間還流し、反応液を遠心脱水し、900 gの中間体105-2を得た。
【0073】
ステップ3:中間体105-3の製造
【化36】
900 mgの中間体105-2、366.49 mgの塩化チオニル、2滴のDMF、4.5gの1,2-ジクロロエタンを反応フラスコに入れ、3時間還流反応させた。反応液を遠心脱水し、800 mgの中間体105-3を得た。
【0074】
実施例15:化合物105の製造
【化37】
0.6gの実施例14における中間体105-3、0.120 gの2-メトキシエタノール、10 gのジクロロメタン、0.2 gのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、窒素ガスを吹き込み、室温で1時間を撹拌し、反応が完了した。カラムクロマトグラフィーによって精製し、0.40 gの化合物105を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (dd, J = 7.7, 2.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.36 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.32 (s, 2H), 3.60 (t, J = 4.6 Hz, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.36 (s, 3H), 1.62 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =497.07, Found =497.34.
【0075】
実施例16:化合物112の製造
【化38】
実施例14における中間体105-3(1g)をはかり、25 mlの一口フラスコに入れ、10 mLのジクロロメタン、268 mgの2-アリルオキシエタノール、及び330 mgのトリエチルアミンを入れ、室温で撹拌し、反応させた。15時間後、LCMSによって、反応が完了したことを検出した。5 mLの水を入れ、撹拌し、分液し、有機相を得た。有機相を乾燥させ、減圧蒸留で余分な溶剤を除去した。カラムクロマトグラフィーによって精製し(PE:EA=4:1)、768 mgの無色油状液体である化合物112を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (dd, J = 7.7, 1.9 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.87 (ddd, J = 22.7, 10.7, 5.6 Hz, 1H), 5.35 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 5.27 (dd, J = 17.2, 1.5 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.43 - 4.24 (m, 2H), 4.00 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 3.65 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.57 (s, 3H), 1.62 (d, J = 7.1 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =523.08, Found =523.10
【0076】
実施例17:化合物130の製造
【化39】
1gの実施例14における中間体105-3、5 mLの1,2-ジクロロエタン、プロピノールエトキシレート(220mg)の1,2-ジクロロエタン溶液を20℃で10分間撹拌してから、330 mgのトリエチルアミンを滴下した。LCMSによって原料が完全に反応したことを検出し、20mLの塩酸(1N)を入れ、洗浄し、分液した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、クロマトグラフィーによって精製し、230mgの無色油状液体である化合物130を得た。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.97 (dd, J = 7.7, 2.1 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.36 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 4.17 (dd, J = 2.4, 0.7 Hz, 2H), 3.76 (dt, J = 6.9, 3.0 Hz, 2H), 3.59 - 3.55 (m, 3H), 1.62 (dd, J = 7.1, 1.0 Hz, 3H), 1.33 - 1.23 (m, 2H). .LCMS (ESI) [M + H]
+ =521.07, Found =521.12.
【0077】
実施例18:化合物139の製造
ステップ1:化合物139の製造
【化40】
145.14 mgの2-(メチルチオ)エタノール、199.21 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例14における中間体105-3(0.60 g)の3 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、419 mgの無色油状物である化合物139を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 5.32 (dd, J = 7.0, 2.0 Hz, 1H), 4.39 - 4.21 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 2.83 - 2.66 (m, 2H), 2.11 - 2.07 (m, 3H), 1.55 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =512.04, Found =512.54.
【0078】
実施例19:化合物143の製造
ステップ1:化合物143の製造
【化41】
250.0 mgの実施例18における化合物139、10 mLのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、84.11 mgのm-クロロ過安息香酸をいれた。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、170 mgの無色油状物である化合物143を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.41 (qt, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H), 4.70 - 4.43 (m, 2H), 3.48 (s, 3H), 3.27 - 3.00 (m, 2H), 2.65 (d, J = 2.6 Hz, 3H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =529.04, Found =528.65.
【0079】
実施例20:化合物144の製造
ステップ1:化合物144の製造
【化42】
97.77 mgの2-メチルスルホニルエタノール、99.61 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例14における中間体105-3(0.30 g)の2 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、166 mgの化合物144を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.43 - 5.32 (m, 1H), 4.57 - 4.41 (m, 2H), 3.55 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.02 (s, 3H), 1.54 (d, J = 7.2 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =545.03, Found =544.58.
【0080】
実施例21:化合物147の製造
【化43】
25 mLの一口フラスコに、0.5 gの実施例14における中間体105-3、5 mLのジクロロメタン、97.2 mg(S)-グリシドール、0.17 gのトリエチルアミンを入れ、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、5 mLの水を入れ、撹拌し、分液し、有機相を得て、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留で溶剤を除去した。カラムクロマトグラフィーによって精製し、215 mgの化合物147を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 5.37 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 12.2, 3.0 Hz, 1H), 4.07 - 3.94 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.22 (tt, J = 9.8, 4.9 Hz, 1H), 2.84 (q, J = 4.4 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 4.7, 2.6 Hz, 1H), 1.62 (t, J = 9.2 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =495.05, Found =495.12.
【0081】
実施例22:化合物148の製造
【化44】
25 mLの一口フラスコに、0.5 gの実施例14における中間体105-3、5 mLのジクロロメタン、97.2 mgの(R)-グリシドール、0.17 gのトリエチルアミンを入れ、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、5 mLの水を入れ、撹拌し、分液し、有機相を得て、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留で溶剤を除去した。カラムクロマトグラフィーによって精製し、240 mgの化合物148を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 5.37 (dd, J = 7.1, 2.1 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 12.2, 2.3 Hz, 1H), 4.07 (ddd, J = 12.2, 5.9, 2.0 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 3.20 (tt, J = 5.8, 2.8 Hz, 1H), 2.83 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 2.72 - 2.62 (m, 1H), 1.63 (d, J = 7.1 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =495.05, Found =495.06.
【0082】
実施例23:中間体156-3の製造
ステップ1:中間体156-1の製造
【化45】
20.0 gの実施例1における中間体1ー8、4.86 gの乳酸メチル、100 gのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、窒素ガスを吹き込み、室温で撹拌した。60分間以内で、5.9 gのトリエチルアミンを滴下し、滴下が完了したら、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、15.8 gの中間体156-1を得た。
【0083】
ステップ2:中間体156-2の製造
【化46】
15 gの中間体22-1、90 gの塩酸(36%)、90 gの酢酸を反応フラスコに入れ、60℃で40分間撹拌し、反応が完了した。溶媒を遠心脱水し、13.7gの中間体156-2を得た。
【0084】
ステップ3:中間体156-3の製造
【化47】
900 mgの中間体156-2、366.49 mgの塩化チオニル、2滴のDMF、4.5gの1,2-ジクロロエタンを反応フラスコに入れ、3時間還流反応させた。反応液を遠心脱水し、820 mgの中間体156-3を得た。
【0085】
実施例24:化合物156の製造
【化48】
0.6gの実施例23における中間体156-3、0.120 gの2-メトキシエタノール、10 gのジクロロメタン、0.2 gのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、窒素ガスを吹き込み、室温で1時間を撹拌し、反応が完了した。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、0.395 gの化合物156を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (dd, J = 7.7, 2.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.36 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.32 (s, 2H), 3.60 (t, J = 4.6 Hz, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.36 (s,, 3H), 1.62 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =497.07, Found =497.30.
【0086】
実施例25:化合物163の製造
【化49】
実施例7、実施例16の方法を参照し、実施例23における中間体156-3と2-(アリルオキシ)エタノールとを利用し、化合物163を製造した。
【0087】
実施例26:化合物181の製造
【化50】
実施例8、実施例17の方法を参照し、実施例23における中間体156-3とプロピノールエトキシレートとを利用し、化合物181を製造した。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.97 (dd, J = 7.7, 2.1 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.36 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 4.17 (dd, J = 2.4, 0.7 Hz, 2H), 3.76 (dt, J = 6.9, 3.0 Hz, 2H), 3.59 - 3.55 (m, 3H), 1.62 (dd, J = 7.1, 1.0 Hz, 3H), 1.33 - 1.23 (m, 2H). .LCMS (ESI) [M + H]
+ =521.07, Found =521.11.
【0088】
実施例27:化合物190の製造
ステップ1:化合物190の製造
【化51】
145.14 mgの2-(メチルチオ)エタノール、199.21 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例23における中間体156-3(0.60 g)の3 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、409 mgの無色油状物である化合物190を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 5.32 (dd, J = 7.0, 2.0 Hz, 1H), 4.39 - 4.21 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 2.83 - 2.66 (m, 2H), 2.11 - 2.07 (m, 3H), 1.55 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =512.04, Found =512.54.
【0089】
実施例28:化合物194の製造
ステップ1:化合物194の製造
【化52】
250.0 mgの化合物190、10 mLのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、84.11 mgのm-クロロ過安息香酸を入れた。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、166 mgの無色油状物である化合物194を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.41 (qt, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H), 4.70 - 4.43 (m, 2H), 3.48 (s, 3H), 3.27 - 3.00 (m, 2H), 2.65 (d, J = 2.6 Hz, 3H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =529.04, Found =528.65.
【0090】
実施例29:化合物195の製造
ステップ1:化合物195の製造
【化53】
97.77 mgの2-メチルスルホニルエタノール、99.61 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例23における中間体156-3(0.30 g)の2 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、168 mgの化合物195を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.43 - 5.32 (m, 1H), 4.57 - 4.41 (m, 2H), 3.55 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.02 (s, 3H), 1.54 (d, J = 7.2 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =545.03, Found =544.58.
【0091】
実施例30:化合物198の製造
【化54】
実施例12、実施例21の方法を参照し、実施例23における中間体156-3と(S)-グリシドールとを利用し、化合物198を製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 5.37 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 12.2, 3.0 Hz, 1H), 4.07 - 3.94 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.22 (tt, J = 9.8, 4.9 Hz, 1H), 2.84 (q, J = 4.4 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 4.7, 2.6 Hz, 1H), 1.62 (t, J = 9.2 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =495.05, Found =495.04.
【0092】
実施例31:化合物199の製造
【化55】
実施例13、実施例22の方法を参照し、実施例23における中間体156-3と(R)-グリシドールとを利用し、化合物199を製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.37 (qd, J = 7.1, 2.2 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 12.2, 2.2 Hz, 1H), 4.13 - 3.98 (m, 1H), 3.57 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 3.20 (tt, J = 5.7, 2.8 Hz, 1H), 2.84 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 2.67 (dt, J = 10.9, 5.6 Hz, 1H), 1.63 (d, J = 7.1 Hz, 3H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =495.05, Found =495.20.
【0093】
実施例32:化合物207の製造
ステップ1:中間体207-1の製造
【化56】
2.36 gの2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、1.91 gのDMAP、50gのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、窒素ガスを吹き込み、室温で撹拌した。20分間以内で、5 gの実施例1における中間体1-8を滴下し、滴下が完了したら、室温で1時間撹拌した。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、3.57 gの中間体207-1を得た。
【0094】
ステップ2:中間体207-2の製造
【化57】
3.57 gの中間体207-1、20 gの塩酸(36%)、20 gの酢酸を反応フラスコに入れ、120℃で2時間撹拌し、反応が完了した。反応液を100mlの氷水に入れ、EA抽出し、有機相を遠心脱水し、2.78 gの中間体207-2を得た。
【0095】
ステップ3:化合物207-3の製造
【化58】
2.78 gの中間体207-2、1.1 gの塩化チオニル、30gの1,2-ジクロロエタン、2滴のDMFを反応フラスコに入れ、90℃で還流撹拌した。1時間で反応が完了した。溶媒を遠心脱水し、3.2gの中間体207-3を得た。
【0096】
ステップ4:化合物207の製造
【化59】
103.29 mgの2-メトキシエタノール、228.95 mgのトリエチルアミンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、ステップ5で製造された中間体3-3(0.50 g)の3 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で2時間反応させた。有機相を乾燥させ、減圧蒸留で余分な溶剤を除去した。カラムクロマトグラフィーによって精製し、120mgの白色固体である化合物207を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.86 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.38 (s, 1H), 4.50 - 4.18 (m, 2H), 3.59 (s, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 1.69 (s, 6H). LCMS (ESI) [M + H]
+ = 511.08, Found =511.12.
【0097】
実施例33:化合物214の製造
ステップ1:化合物214の製造
【化60】
1.04 gの2-(アリルオキシ)エタノール、1.24 gのDMAP、30gのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例32における中間体207-3(3.2g)の20 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、600 mgの化合物214を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.07 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 5.90 - 5.73 (m, 1H), 5.25 - 5.08 (m, 2H), 4.27 - 4.19 (m, 2H), 3.91 (dt, J = 5.3, 1.6 Hz, 2H), 3.59 - 3.55 (m, 2H), 3.42 (d, J = 1.3 Hz, 3H), 1.63 (s, 6H).LCMS (ESI) [M + H]
+ =537.10, Found =536.98.
【0098】
実施例34:化合物249の製造
【化61】
0.71 gの(S)-グリシドール、0.5 gのDMAP、2 gのトリエチルアミン、及び2 mLのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、窒素ガスを吹き込み、2.57gの実施例32における中間体207-3の20 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。
滴下が完了したら、室温で3時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、3gの油状化合物である化合物249を得た。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.87 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.38 (s, 1H), 4.45 (dd, J = 12.2, 3.4 Hz, 1H), 4.04 (dd, J = 12.2, 6.0 Hz, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.21 (dq, J = 6.4, 3.3 Hz, 1H), 2.83 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 2.64 (dd, J = 4.9, 2.6 Hz, 1H), 1.70 (s, 6H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =509.07, Found =508.93.
【0099】
実施例35:化合物250の製造
【化62】
0.71 gの(R)-グリシドール、0.5 gのDMAP、2 gのトリエチルアミン、及び2 mLのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、窒素ガスを吹き込み、2.57gの実施例32における中間体207-3の20 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で3時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、2.9gの油状化合物である化合物250を得た。。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.87 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.38 (s, 1H), 4.44 (dd, J = 12.2, 3.4 Hz, 1H), 4.04 (dd, J = 12.2, 6.0 Hz, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.20 (dq, J = 6.1, 3.5 Hz, 1H), 2.82 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 4.8, 2.6 Hz, 1H), 1.70 (s, 6H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =509.07, Found =509.10.
【0100】
実施例36:化合物251の製造
ステップ1:化合物251の製造
【化63】
実施例34、実施例35の方法を参照し、実施例32における中間体207-3と (±)-グリシドールとを利用し、化合物251を製造した。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.87 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.38 (s, 1H), 4.45 (dd, J = 12.2, 3.4 Hz, 1H), 4.04 (dd, J = 12.2, 6.0 Hz, 1H), 3.57 (s, 3H), 3.21 (dq, J = 6.4, 3.3 Hz, 1H), 2.83 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 2.64 (dd, J = 4.9, 2.6 Hz, 1H), 1.70 (s, 6H). LCMS (ESI) [M + H]
+ =509.07, Found =508.97.
【0101】
実施例37:化合物258の製造
ステップ1:化合物258-1の製造
【化64】
0.6 gの1-ヒドロキシ-1-シクロプロパンカルボン酸メチル、0.57 gのDMAP、25gのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例1における中間体1-8(1.22g)の10 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、1.1gの中間体258-1を得た。
【0102】
ステップ2:中間体258-2の製造
【化65】
1.1 gの中間体258-1、8 gの塩酸(36%)、8 gの酢酸を反応フラスコに入れ、110℃で4時間撹拌し、反応が完了した。反応液を100mlの氷水に入れ、EA抽出し、有機相を遠心脱水し、1.06 gの中間体258-2を得た。
【0103】
ステップ3:化合物258-3の製造
【化66】
1.06 gの中間体258-2、0.42 gの塩化チオニル、20gの1,2-ジクロロエタン、2滴のDMFを反応フラスコに入れ、90℃で還流撹拌した。1時間で反応が完了した。溶媒を遠心脱水し、1.1gの中間体258-3を得た。
【0104】
ステップ4:化合物258の製造
【化67】
0.211 gの2-メトキシエタノール、0.323 gのトリエチルアミン、15gのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、中間体258-3(1.0g)の10 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、201mgの化合物258を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 4.29 (t, J = 4.7 Hz, 2H), 3.57 (t, J = 4.6 Hz, 2H), 3.49 (s, 3H), 3.29 (s, 3H), 1.67-1.48 (m, 4H).LCMS (ESI) [M + H]
+ =509.07, Found =508.92.
【0105】
実施例38:化合物300の製造
ステップ1:化合物300の製造
【化68】
0.308 gの(S)-グリシドール、0.485 gのトリエチルアミン、20gのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例37における中間体258-3(1.5g)の15 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、212mgの化合物300を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H), 4.52 (dd, J = 12.3, 2.6 Hz, 1H), 4.03 (dd, J = 12.3, 6.3 Hz, 1H), 3.51 - 3.45 (m, 3H), 3.24 (ddt, J = 6.7, 4.2, 2.6 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 5.0, 2.6 Hz, 1H), 1.68 - 1.51 (m, 4H).LCMS (ESI) [M + H]
+ =507.05, Found =506.96.
【0106】
実施例39:化合物301の製造
ステップ1:化合物301の製造
【化69】
0.205 gの(R)-グリシドール、0.323 gのトリエチルアミン、15gのジクロロメタンを反応フラスコに入れ、氷浴し降温させ、撹拌し、窒素ガスを吹き込み、実施例37における中間体258-3(1.0g)の15 mLのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下が完了したら、室温で1時間反応させた。反応が完了した後、カラムクロマトグラフィーによって精製し、222mgの化合物301を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 4.46 (dd, J = 12.3, 2.7 Hz, 1H), 3.97 (dd, J = 12.3, 6.2 Hz, 1H), 3.46 - 3.40 (m, 3H), 3.18 (ddt, J = 6.7, 4.2, 2.6 Hz, 1H), 2.77 (dd, J = 5.0, 4.3 Hz, 1H), 2.62 (dd, J = 5.0, 2.6 Hz, 1H), 1.61 - 1.45 (m, 4H).LCMS (ESI) [M + H]
+ =507.05, Found =507.10.
【0107】
実施例40:化合物302の製造
ステップ1:化合物302の製造
【化70】
実施例38、実施例39の方法を参照し、実施例37における中間体258-3と (±)-グリシドールとを利用し、化合物302を製造した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H), 4.52 (dd, J = 12.3, 2.6 Hz, 1H), 4.03 (dd, J = 12.3, 6.3 Hz, 1H), 3.51 - 3.45 (m, 3H), 3.24 (ddt, J = 6.7, 4.2, 2.6 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 5.0, 2.6 Hz, 1H), 1.68 - 1.51 (m, 4H).LCMS (ESI) [M + H]
+ =507.05, Found =506.88.
【0108】
実施例41:室内除草活性の測定
本発明の化合物の除草活性試験方法は以下の通りである。
【0109】
苗の前:一定量のイネ科雑草(ヒエ、オヒシバ、オニメヒシバ、セトガヤ、カズノコグサ、アゼガヤ、ヒエガエリ、スズメノテッポウ、ネズミムギ、スズメノカタビラ)、広葉雑草(タカサブロウ、アオゲイトウ、セイヨウカラシナ、ウシハコベ、ヒメムカシヨモギ、キバナツノクサネム)、及びコゴメガヤツリの種を、それぞれ、直径7cmで、底部に穴が開いている、栄養土(砂質土、pH 6.1、有機物1%)を入れられたプラスチックポットに播種した。播種後、適量の土で覆い、底から水を吸い上げるように土を濡らし、恒温照明培養室で24時間培養し、農業部南京農業機械化研究所製の3WP-2000型移動式噴霧塔を用いて、土壌に噴霧した。ここで、主軸の回転数は96 mm/r、噴霧高さは300 mm、ノズルの有効噴霧範囲は350 mm、噴霧面積は0.35 m2、ノズルでの流量は390 mL/分間であった。
【0110】
苗の後:適量のイネ科雑草(ヒエ、オヒシバ、オニメヒシバ、セトガヤ、カズノコグサ、アゼガヤ、ヒエガエリ、スズメノテッポウ、ネズミムギ、スズメノカタビラ)、広葉雑草(タカサブロウ、アオゲイトウ、セイヨウカラシナ、ウシハコベ、ヒメムカシヨモギ、キバナツノクサネム)、及びコゴメガヤツリの種を、それぞれ、直径7cmで、底部に穴が開いている、栄養土(砂質土、pH 6.1、有機物1%)を入れられたプラスチックポットに播種した。播種後、適量の土で覆い、底から水を吸い上げるように土を濡らし、恒温照明培養室で2~4葉期まで培養し、茎葉を噴霧処理した。処理後、薬液が日陰で自然乾燥するまで試験室に放置し、その後、恒温照明培養室で培養し、21日後に結果を判定した。
【0111】
防除効果分類基準:
Aは、抑制率が85%~100%以上であったことを示す。
Bは、抑制率が70%以上85%未満であったことを示す。
Cは、抑制率が55%以上70%未満であったことを示す。
Dは、抑制率が55%未満であったことを示す。
【0112】
試験結果により、一般式(I)の化合物は30g a.i./hm2の用量で、複数種の雑草に対して優れた防除効果が見られ、Aレベルの防除効果に達した。
【0113】
上記の試験方法にしたがって、一般式(I)の化合物の一部を選び、US5183492Aによって開示された化合物Butafenacil(明細書における化合物47)、及びUS5183492Aによって開示された化合CK(明細書における化合物1)と、除草活性の並行試験を行い、使用する用量は7.5 g a.i./haと15 g a.i./haであった。結果は表2の通りである。
【0114】
[表2]一般式(I)の化合物の一部及び対照化合物の除草活性(苗後、新鮮重抑制率%)
【0115】
以上で記載されているのは、本発明の好ましい実施形態だけであって、当業者が本発明の概念から逸脱することなく、多くの変更及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に含まれることに留意されたい。