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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】吊り上げ電池交換式運搬車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20250123BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023550340
(86)(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 CN2020139408
(87)【国際公開番号】W WO2022099880
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】202011246789.0
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(73)【特許権者】
【識別番号】523172590
【氏名又は名称】浙江吉利遠程新能源商用車集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY FARIZON NEW ENERGYCOMMERCIAL VEHICLE GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 612, Building 1, 1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】李 書福
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211764962(CN,U)
【文献】中国実用新案第211685401(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111845437(CN,A)
【文献】特表2015-500928(JP,A)
【文献】実開昭48-029509(JP,U)
【文献】特開2013-006568(JP,A)
【文献】特開2004-132539(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0331334(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111137372(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り上げ電池交換式運搬車両であって、電池と電池フレームとを含む電池ボックス(1)を備え、前記電池ボックス(1)は、断面が逆凹字状であり、ロック装置を介して運搬車両のサイドメンバー(2)にサドル状に取り付けられており
前記ロック装置は、第1ロック部(3)と第2ロック部(4)とを含み、
前記第1ロック部(3)は、複数の第1ロック部材を含み、前記複数の第1ロック部材は、前記電池フレームの中間部の外側面を取り囲んで設置されており、
前記第2ロック部(4)は、複数の第2ロック部材を含み、前記複数の第2ロック部材は、前記複数の第1ロック部材と1対1に対応して設けられている
ことを特徴とする吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項2】
傾き防止装置をさらに含み、前記傾き防止装置は、キャブ側に当接する前記電池フレームに密着し、運搬車両に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項3】
断面が逆凹字状の前記電池ボックス(1)は、鏡面対称の2つの別体として設置された逆L状電池分割ボックスで構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項4】
前記電池フレームは、第1サポータ(11)と、第2サポータ(12)と、第3サポータ(13)とを含み、
前記第1サポータ(11)と前記第3サポータ(13)とは、前記第2サポータ(12)の両端からそれぞれ懸垂して設けられ、前記第2サポータ(12)は横方向に前記サイドメンバー(2)の最上部に水平に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項5】
前記第1ロック部(3)は、前記第2サポータ(12)の外側面に設けられ、
前記第2ロック部(4)は、前記サイドメンバー(2)の最上端に設けられ、
前記第2サポータ(12)は、前記第1ロック部(3)と前記第2ロック部(4)との嵌合によるロックを利用して、前記サイドメンバー(2)の最上部に固定されている
ことを特徴とする請求項4に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項6】
前記ロック装置は締結部材をさらに含み、
前記第1ロック部材はロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は、前記ロック貫通孔と嵌合するロック柱を含み、前記ロック柱は、前記ロック貫通孔を貫通して前記締結部材と嵌合して接続することができ、
あるいは、
前記第1ロック部材は第1ロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は第2ロック貫通孔を含み、前記締結部材は、前記第1ロック貫通孔と前記第2ロック貫通孔とを順に貫通し、前記第2ロック貫通孔に嵌合して接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項7】
前記第1ロック部材は、第1ロックボディとロック組立体とを含み、前記第2ロック部材は、第2ロックボディを含み、
前記ロック組立体は、駆動ロッドと、突出鋼柱と、二つのロック鋼柱とを含み、
前記第1ロックボディには、ロック組立体と嵌合するロックキャビティが設けられ、突出鋼柱と二つのロック鋼柱とは、いずれもロックキャビティ内に設置され、ロックキャビティには、第1開口と、第1開口に対向する第2開口とが設けられており、
前記第1ロックボディは、前記第2ロックボディ内に延出でき、前記駆動ロッドは、ロックキャビティ内に延出して前記突出鋼柱の位置を制御することができ、
前記駆動ロッドにより前記突出鋼柱の位置を制御することで、前記突出鋼柱が二つのロック鋼柱をそれぞれ前記第1開口と前記第2開口からそれぞれ突き出して前記第2ロックボディの内壁に係接させて、ロックを実現し、あるいは、前記駆動ロッドにより前記突出鋼柱の位置を制御することで、二つのロック鋼柱を前記第2ロックボディ内に保って、ロック解除を実現する
ことを特徴とする請求項1に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項8】
前記傾き防止装置は、一端が車両に固定的に接続され、他端が前記電池フレームに当接する支持部を含む
ことを特徴とする請求項に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【請求項9】
前記支持部は、少なくとも一つの傾いて設置された支持棒を含む
ことを特徴とする請求項8に記載の吊り上げ電池交換式運搬車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池交換の技術分野に関し、特に吊り上げ電池交換式運搬車両に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネ、環境保護、安全は自動車発展のメインテーマであり、電動化、スマート化、ネット接続化、共有化はそれらの実現手段である。しかしながら、現在の電気自動車の走行距離は短い割に、充電スタンドの数が少ないため、電気自動車の普及と応用にある程度の影響を与えている。
【0003】
従来技術の中には、充電スタンドの数を増やして充電のニーズを満たす解決策もあれば、取り外し交換可能な駆動用電池を採用する解決策もある。前者は充電時間が長すぎて、1日あたりの走行距離が比較的短い乗用車には良い技術方案であるが、重車両のような大きい駆動用電池容量を必要とする商用車には適していない。後者は乗用車と商用車の両方に適しているが、駆動用電池の重心が高すぎ、取付の信頼性が低く、迅速な交換が難しいという問題が残っている。例えば、中華人民共和国上海玖行能源科技有限公司の中国特許『電池交換及び充電機能を備えたトラック及びその電力供給方法』において公開された案では、直方体の電池ボックスを車両に固定するようにしているが、該電池ボックスには重心が高すぎて不安定であるという問題が存在する。中国専利『吊り上げ電池交換式コンテナAGV輸送車』には、電池ボックスフレームを二つの電池分割ボックスの上方に設置し、さらに電池フレームを位置決め機構によりサイドメンバーに設置することが開示されているが、この電池ボックス構造と位置決め構造はいずれも複雑すぎて、コストが高く、取付の安定性が足りない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術における駆動用電池の重心が高すぎ、取付の信頼性が低く、迅速な交換が難しいという技術的課題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本願は、電池と電池フレームとを含む電池ボックスを備えた吊り上げ電池交換式運搬車両を開示し、電池ボックスは、断面が逆凹字状であり、ロック装置を介して運搬車両のサイドメンバーにサドル状に取り付けられる。
【0006】
さらに、逆凹字状構造の前記電池ボックスは、鏡面対称の2つの別体として設置された逆L状電池分割ボックスで構成されている。
【0007】
さらに、傾き防止装置をさらに含み、前記傾き防止装置は、キャブ側に当接する前記電池フレームに密着し、運搬車両に固定されている。
【0008】
さらに、前記電池フレームは、第1サポータと、第2サポータと、第3サポータとを含む。
【0009】
前記第1サポータと前記第3サポータとは、前記第2サポータの両端からそれぞれ懸垂して設けられ、前記第2サポータは横方向に前記サイドメンバー2の最上部に水平に固定されている。
【0010】
さらに、前記ロック装置は、第1ロック部と第2ロック部とを含む。
【0011】
前記第1ロック部は、前記第2サポータの外側面に設けられている。
【0012】
前記第2ロック部は、前記サイドメンバーの最上端に設けられている。
【0013】
前記第2サポータは、前記第1ロック部と前記第2ロック部との嵌合によるロックを利用して、サイドメンバーの最上部に固定されている。
【0014】
さらに、前記第1ロック部は、複数の第1ロック部材を含み、前記複数の第1ロック部材は、前記中間部の外側面を取り囲んで設置されている。
【0015】
前記第2ロック部は複数の第2ロック部材を含み、前記複数の第2ロック部材は、前記複数の第1ロック部材と1対1に対応して設けられている。
【0016】
さらに、前記ロック装置は締結部材をさらに含む。
【0017】
前記第1ロック部材はロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は、前記ロック貫通孔と嵌合するロック柱を含み、前記ロック柱は、前記ロック貫通孔を貫通して前記締結部材と嵌合して接続することができる。
【0018】
あるいは、前記第1ロック部材は第1ロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は第2ロック貫通孔を含み、前記締結部材は、前記第1ロック貫通孔と前記第2ロック貫通孔とを順に貫通し、前記第2ロック貫通孔に嵌合して接続されている。
【0019】
さらに、前記第1ロック部材は、第1ロックボディとロック組立体とを含み、前記第2ロック部材は、第2ロックボディを含む。
【0020】
前記ロック組立体は、駆動ロッドと、突出鋼柱と、二つのロック鋼柱とを含む。
【0021】
前記第1ロックボディには、ロック組立体と嵌合するロックキャビティが設けられ、突出鋼柱と二つのロック鋼柱とは、いずれもロックキャビティ内に設置され、ロックキャビティには、第1開口と、第1開口に対向する第2開口とが設けられている。
【0022】
前記第1ロックボディは、前記第2ロックボディ内に延出でき、前記駆動ロッドは、ロックキャビティ内に延出して前記突出鋼柱の位置を制御することができる。
【0023】
前記駆動ロッドにより前記突出鋼柱の位置を制御することで、前記突出鋼柱が二つのロック鋼柱をそれぞれ前記第1開口と前記第2開口からそれぞれ突き出して前記第2ロックボディの内壁に係接させて、ロックを実現し、あるいは、前記駆動部により前記突出鋼柱の位置を制御することで、二つのロック鋼柱を前記第2ロックボディ内に保って、ロック解除を実現する。
【0024】
さらに、前記傾き防止装置は、一端が車両に固定的に接続され、他端が前記電池フレームに当接する支持部を含む。
【0025】
さらに、前記支持部は、少なくとも一つの傾いて設置された支持棒を含む。
【0026】
上述の技術方案を採用することにより、本願は以下のような有益な効果を有する。
【0027】
本願により提供される吊り上げ電池交換式運搬車両において、電池ボックスを逆凹字状構造とし、逆凹字状構造の中間部位をサイドメンバーに接続することにより、電池ボックスの重心を効果的に低くすることができる。また、傾き防止装置が設けられているため、ブレーキ時に電池ボックスが前方へ転倒することを防止できる。これにより、電池ボックスの安定性を効果的に高めることができる。また、ロック構造により、迅速なロック及び離脱が可能となり、電池ボックスの迅速な交換を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例の説明に必要とされる添付図面を簡単に説明する。以下で説明される添付図面は本発明のいくつか実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面により他の添付図面を得ることができる。
図1】本願の実施例にかかる電池ボックスの構造模式図である。
図2】本願の実施例にかかる電池ボックスの平面構造模式図である。
図3】本願の実施例にかかる電池ボックスの斜視模式図である。
図4】本願の実施例にかかるボディにおける電池ボックスの位置分布模式図である。
図5】従来技術にかかるボディにおける電池ボックスの位置分布模式図である。
図6】本願の実施例にかかるロック装置の模式図である。
図7】本願の実施例にかかる取付サポータの模式図である。
図8】本願の実施例にかかる電池ボックスと取付サポータとの嵌合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、図面についてさらに詳しく説明する。
以下、本願の実施例における添付図面を参照し、本願の実施例における技術案について明確かつ完全に説明する。説明される実施形態は本願の全ての実施形態ではなく、一部の実施形態に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られる全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0030】
本明細書で言う「一つの実施例」または「実施例」とは、本明細書の少なくとも一つの実施態様に含まれることができる特定の特徴、構造、または特性を意味する。本願の実施例の説明において、「上」、「下」、「最上」、「最下」などの用語がさす方位或いは位置関係は図面に基づいて示す方位或いは位置関係であり、本願の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものだけであって、そのさす装置或いは素子が必ず特定の方位を持ち、特定の方位で構成或いは操作されなければならないと提示或いは暗示するわけではないので、本願に対する制限として理解すべきではない。また、用語「第一」、「第二」は説明のために使用されるものだけであって、相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗黙的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定されている特徴は明示的或いは暗黙的に一つ或いはそれ以上の当該特徴を含んでもよい。また、用語「第一」、「第二」等は類似の対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順序又は前後の順番を記述するためのものではない。本明細書に記載された本願の実施形態が本明細書に図示または記載されたものとは異なる順序で実施されることを可能にするために、このように使用されるデータは適宜交換されてもよいことを、理解すべきである。
【0031】
本願の実施例は、電池ボックス1を備えた吊り上げ電池交換式運搬車両を開示する。図1図3を参照し、図1は電池ボックス1の構造模式図であり、図2は電池ボックスの平面図である。図3はこの電池ボックスの斜視模式図である。図1図3に示すように、この電池ボックス1は、断面が逆凹字状の構造をしており、ロック装置を介して運搬車両のサイドメンバー2にサドル状に取り付けられている。前記電池ボックス1は、電池と電池フレームとを含む。その中で、サドル状とは、凹字状の電池ボックスが逆さまにされてサイドメンバーの上に被せられ、サイドメンバーにより電池ボックスの凹部を支持する状態である。図4に示すように、図4は本願の実施例にかかる、電池ボックスとサイドメンバーとの嵌合の模式図である。電池ボックス1を、逆凹字状構造とし、逆凹字状構造の中間部位をサイドメンバー2の最上部に接続し、その両側をサイドメンバー2の側部に接続するように構成している。従来技術(図5に示す)のように電池ボックスが直方体構造であり、全体がボディに設けられる場合に比べて、この構成により、電池ボックス1の重心を効果的に低くして、電池ボックス1の安定性を高めることができる。
【0032】
本発明の実施例において、電池ボックスは一つまたは複数あり、必要に応じて設置することができる。
【0033】
本願の実施例において、逆凹字状構造の前記電池ボックスは、鏡面対称の2つの別体として設置された逆L状電池分割ボックスで構成されている。一つの実施可能な態様において、この電池ボックス1内の電池は、一体型の逆凹字状電池であり、この電池フレームも逆凹字状フレームである。この凹状電池は、この逆凹字状フレーム内に配置されている。別の実施可能な態様において、電池は一体型逆凹字状電池であり、電池フレームは二つの別体のL状フレームを組み合わせたものである。
【0034】
本願の実施例において、傾き防止装置をさらに含み、前記傾き防止装置は、キャブ側に当接する前記電池フレームに密着し、運搬車両に固定されている。
【0035】
前記傾き防止装置は、一端が車両に固定的に接続され、他端が前記電池フレームに当接する支持部を含んでもよい。
【0036】
一つの実施可能な態様において、前記支持部は、少なくとも一つの傾いて設置された支持棒を含むことができ、前記支持棒は前記電池ボックス1の各エリアで均一に支持するため、力の作用点の分布が均一になり、より良好な支持が可能になる。
【0037】
実装可能な態様において、前記支持棒の、電池ボックス1に接続される端部に指示平面を設けて、この指示平面を電池ボックス1のフレームに当接させることができる。平面とする理由は、傾き防止部と電池フレームとの接続を解除するための余分な工程を追加することなく、傾き防止が可能になるだけではなく、ロック装置のロック解除後に電池ボックス1を直接交換できることを保証できることである。
【0038】
別の実施可能な態様において、前記支持部を、直角を挟む辺のうちの一方が車両に接続され、直角を挟む辺のうちの他方が電池フレームに接続された直角三角形の支持ブロックとすることができる。
【0039】
本発明の実施例において、支持部は、電池フレームの前方に倒れる方向と後方に倒れる方向のいずれにも設けられていてもよく、また、左に倒れる方向と右に倒れる方向とにも配置することができる。このように構成することで、車両のブレーキ時や加速時の車両の転倒や、車両の横転時の電池ボックス1の転倒を防止でき、電池フレームの複数方向への転倒を防止することで電池ボックス1の固定の安定性を確保するため、安全性をある程度向上させることもできる。
【0040】
本願の実施例において、前記電池フレームは一体的に設けられてもよく、別体として設けて、後続の組み立てにより電池を電池フレーム内に取り付けてもよい。
【0041】
本願の実施例において、電池フレームを逆凹状フレームとすることができる。具体的には、前記電池フレームは、第1サポータ11と、第2サポータ12と、第3サポータ13とを含むことができる。
【0042】
前記第1サポータ11と前記第3サポータ13とは、前記第2サポータ12の両端からそれぞれ懸垂して設けられ、前記第2サポータ12は横方向に前記サイドメンバー2の最上部に水平に固定され、前記第1サポータ11と前記第3サポータ13とは、前記車両のサイドメンバー2の両側に反対して配置されている。
【0043】
本願の実施例において、ロック装置をさらに含む。
【0044】
前記ロック装置は、第1ロック部3と第2ロック部4とを含む。
【0045】
前記第1ロック部3は、前記第2サポータ12の外側面に設けられている。
【0046】
前記第2ロック部4は、前記サイドメンバー2の最上端に設けられている。
【0047】
前記第2サポータ12は、前記第1ロック部3と前記第2ロック部4との嵌合によるロックを利用して、サイドメンバー2の最上部に固定される。
【0048】
本願の実施例において、前記第1ロック部3は、複数の第1ロック部材を含み、前記複数の第1ロック部材は、前記中間部の外側面を取り囲んで設置されている。例えば、四つの第1ロック部材を前記逆凹状電池フレームの第2サポータ12の外側面に設けて、各側面に二つの第1ロック部材を設けてもよい。実施可能な態様において、必要に応じてロック部材の数を増やすことも可能である。
【0049】
前記第2ロック部4は、複数の第2ロック部材を含み、前記複数の第2ロック部材は、前記複数の第1ロック部材と1対1に対応して設けられている。
【0050】
本願の実施例において、前記ロック装置の設置方法はさまざまあるが、以下では、そのうちのいくつかを例に挙げて説明する。
【0051】
第1の実施可能な案において、ロック装置は締結部材をさらに含んでもよく、前記第1ロック部材はロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は、前記ロック貫通孔と嵌合するロック柱を含み、前記ロック柱は、前記ロック貫通孔を貫通して前記締結部材と嵌合して接続することができる。ここで、前記締結部材は、固定ナットとしてもよく、前記ロック柱の先端には、前記ナットに合わせたねじ山が設けられている。
【0052】
第2の実施可能な案において、ロック装置は締結部材を含み、前記第1ロック部材は第1ロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は第2ロック貫通孔を含み、前記締結部材は、前記第1ロック貫通孔と前記第2ロック貫通孔とを順に貫通し、前記第2ロック貫通孔に嵌合して接続される。ここで、前記第2ロック貫通孔内には雌ねじが設けられており、前記締結部材は雄ねじ付きボルトである。
【0053】
第3の実施可能な案において、図6に示すように、前記第1ロック部材は、第1ロックボディ31とロック組立体とを含む。
【0054】
前記第2ロック部材は、第2ロックボディ41を含む。
【0055】
前記ロック組立体は、駆動ロッド32と、突出鋼柱34と、二つのロック鋼柱33とを含む。
【0056】
前記第1ロックボディ31には、ロック組立体と嵌合するロックキャビティが設けられ、突出鋼柱34と二つのロック鋼柱33とは、いずれもロックキャビティ内に設置され、ロックキャビティには、第1開口と、第1開口に対向する第2開口とが設けられている。
【0057】
前記第1ロックボディ31は、前記第2ロックボディ41内に延出でき、前記駆動ロッド32は、ロックキャビティ内に延出して前記突出鋼柱34の位置を制御することができる。
【0058】
前記駆動ロッド32により前記突出鋼柱34の位置を制御することで、前記突出鋼柱34が二つのロック鋼柱33をそれぞれ前記第1開口と前記第2開口からそれぞれ突き出して前記第2ロックボディ41の内壁に係接させて、ロックを実現する。あるいは、前記駆動ロッド32により前記突出鋼柱34の位置を制御することで、二つのロック鋼柱33を前記第2ロックボディ42内に保って、ロック解除を実現する。
【0059】
本願の実施例において、前記第1ロックボディ31には案内部が設けられ、前記案内部は前記係接部の外壁が奥に向かって漸次縮径するように形成されている。本願の実施例に係るロック装置は、構造が簡単でコストが低い。
【0060】
本願の実施例において、追加の取付サポータをさらに含んでもよい。図7に示すように、前記取付サポータは車両のサイドメンバー2の最上部に固定され、上述した第2ロック部材はすべて前記取付サポータ上に設置することが可能である。図8は電池ボックスと取付サポータとの模式図である。
【0061】
一つの実施可能な案において、取付サポータは逆凹字状サポータであり、第1取付サポータ51と、第2取付サポータ52と、第3取付サポータ53とを含み、前記第2取付サポータ52はサイドメンバー2の最上部に固定されており、前記第1取付サポータ51と前記第3取付サポータ53とは、前記第2サポータ52の両端からそれぞれ懸垂して設けられ、前記サイドメンバー2の両側に反対して設置されている。
【0062】
前記電池ボックス1は、電池フレームのロック装置を用いて前記第2取付サポータ52と接続され、前記電池フレームの第1サポータ11と第3サポータ13とは、前記第1取付サポータ51と前記第3取付サポータ53とにそれぞれ設けられている。
【0063】
第1取付サポータ51には第1固定溝54が設けられ、前記第3取付サポータ53には第2固定溝が設けられており、電池フレームの第1サポータ11は、前記第1固定溝54により前記第1サポータ11に固定され、電池フレームの第3サポータ13は、前記第2固定溝55により前記第3サポータ13に固定されている。二つの固定溝は、電池フレームの二つのサポータをちょうど収納できるサイズを有し、固定溝を設けることにより、電池ボックス1の傾きを防止し、安定性を高めることができる。
【0064】
前記取付サポータは、第1支持部材と第2支持部材を含む第1受力部を含むことができる。前記第1支持部材の一端と前記第2支持部材の一端とは、それぞれ前記第2取付サポータ52の両側に接続されている。
【0065】
前記タイロッド部は第1タイロッドと第2タイロッドとを含み、前記第1タイロッドの一端と前記第2タイロッドとの一端は、それぞれ前記第1支持部材の他端と前記第2支持部材の他端に接続され、前記第1タイロッドの他端と前記第2タイロッドとの他端は、前記電池フレームの反対する二つの外側面にそれぞれ接続されている。
【0066】
前記電池フレームには第2受力部がさらに設けられてもよく、前記第2受力部は、交差して設置された第3タイロッドと第4タイロッドとを含む。前記第3タイロッドの一端と前記第4タイロッドの一端は、いずれも前記電池フレームの第1サポータ11の最上端に接続され、前記第3タイロッドの他端は第1サポータ11の外部に延出して前記第1タイロッドの他端に接続されて直線状に設置され、前記第4タイロッドの他端は第1サポータ11の外部に延出して前記第2タイロッドの他端に接続されて直線状に設置されている。共線的なタイロッドにより支持の役割を果たし、駆動用電池の受力の合理性を実現できるとともに、電池の転倒を防止できる。
【0067】
本願により提供される吊り上げ電池交換式運搬車両において、電池ボックス1を逆凹字状構造とし、逆凹字状構造の中間部位をサイドメンバー2に接続することにより、電池ボックス1の重心を効果的に低くすることができる。また、傾き防止装置が設けられているため、ブレーキ時に電池ボックス1が前方へ転倒することを防止できる。これにより、電池ボックス1の安定性を効果的に高めることができる。また、ロック構造により、迅速なロック及び離脱が可能となり、電池ボックス1の迅速な交換を実現することができる。
【0068】
最後に、上記の各実施例は、本発明の技術案を限定するものではなく、説明するためにのみ使用されるものである。前述の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の要旨及び原則内で、前述の各実施例に記載された技術案を修正し、又はその一部または全部の技術的特徴を均等物により置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案を本発明の保護範囲から逸脱させるものではないことを、理解すべきである。
【符号の説明】
【0069】
1 電池ボックス、
11 第1サポータ、
12 第2サポータ、
13 第3サポータ、
2 サイドメンバー、
3 第1ロック部、
31 第1ロックボディ、
32 駆動ロッド、
33 ロック鋼柱、
34 突出鋼柱、
4 第2ロック部、
41 第2ロックボディ、
51 第1取付サポータ、
52 第2取付サポータ、
53 第3取付サポータ、
54 第1固定溝、
55 第2固定溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8