(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】胃酸中で安定なマイクロカプセル粉及び調製方法、並びに使用
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20250123BHJP
A61K 9/50 20060101ALI20250123BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20250123BHJP
A61K 31/7084 20060101ALI20250123BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20250123BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20250123BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A23L5/00 C
A61K9/50
A61K47/10
A61K31/7084
A61P3/00
A61P25/20
A61P37/02
(21)【出願番号】P 2024503497
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2022088327
(87)【国際公開番号】W WO2023000736
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】202110819545.5
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519083976
【氏名又は名称】泓博元生命科技(深▲せん▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hoboomlife Bio-Technology (Shenzhen) Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳建生
(72)【発明者】
【氏名】張波
(72)【発明者】
【氏名】張▲とう▼
(72)【発明者】
【氏名】侯亜穎
(72)【発明者】
【氏名】呂▲せい▼
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112890172(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112890066(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111685321(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A61K
A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA/AGRICOLA/BIOSIS/BIOTECHNO/CABA/CAPLUS/MEDLINE/SCISEARCH/TOXCENTER(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃酸中で安定なマイクロカプセル粉であって、芯材及び前記芯材外に被覆されるカプセル材を含み、前記カプセル材の融点が42℃より大きく、前記カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解
し、
前記カプセル材は、米ぬか脂肪族アルカノールであり、
前記芯材は、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドと還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の中の少なくとも1種から選ばれ、
前記マイクロカプセル粉の粒径は1μm~1000μmである、ことを特徴とする胃酸中で安定なマイクロカプセル粉。
【請求項2】
前記カプセル材の融点は60℃~140℃である、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル粉。
【請求項3】
前記カプセル材と前記芯材の質量比は、70~90:10~30である、ことを特徴とする請求項
1に記載のマイクロカプセル粉。
【請求項4】
請求項1
に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
カプセル材を溶融まで加熱するステップと、
保温状態で芯材と前記溶融後のカプセル材を十分に混合し、
前記溶融後のカプセル材中の前記芯材の粒子の懸濁液を得るステップと、
前記懸濁液を噴霧凍結乾燥造粒し、前記芯材及び前記芯材外に被覆されるカプセル材を含むマイクロカプセル粉を得るステップと、を含
み、
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、前記カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する、ことを特徴とする調製方法。
【請求項5】
請求項1
に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
芯材とカプセル材を十分に混合してから混合物を得るステップと、
前記混合物を順次熱融着及び噴霧造粒し、
前記芯材及び前記芯材外に被覆される前記カプセル材を含む前記マイクロカプセル粉を得るステップと、を含
み、
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、前記カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する、ことを特徴とする調製方法。
【請求項6】
請求項1
に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
カプセル材を溶融まで加熱するステップと、
保温状態で芯材と前記溶融後のカプセル材を十分に混合し、混合物を得るステップと、
保温状態で、前記混合物を、せん断の速度が10000rpm~16000rpmで、せん断の時間が6min~15minであるようにせん断するステップと、
前記せん断後の混合物を凝縮液中で噴霧造粒し、
前記芯材及び前記芯材外に被覆される前記カプセル材を含む前記マイクロカプセル粉を得るステップと、を含
み、
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、前記カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する、ことを特徴とする調製方法。
【請求項7】
請求項1
に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
芯材とカプセル材を十分に混合してから混合物を得るステップと、
前記混合物を順次熱融着押圧造粒及びせん断し、
前記芯材及び前記芯材外に被覆される前記カプセル材を含む前記マイクロカプセル粉を得るステップと、を含み、前記せん断の速度が8000~10000rpmであ
り、
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、前記カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する、ことを特徴とする調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品及び/又は医薬品技術分野に関し、特に胃酸中で安定なマイクロカプセル粉及び調製方法、並びに使用に関する。
【背景技術】
【0002】
人体内の重要的な生理学的物質として、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH、Nicotinamide adenine dinucleotide)と還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH、Nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)は、人体内の何千もの生理学的および代謝反応に関与し、遺伝子修復、免疫力の向上、抗酸化及び睡眠の改善などに重要な役割を果たし、十分なNADHまたはNADPHは、体をより良く保護し、病気を予防及び制御し、さらに、体の健康を確保する。このため、体外でNADHまたはNADPHを補充することは、体の様々な生理機能を最適な状態に保ることを促進するのに役に立つ。しかしながら、NADHとNADPHは生物形態の水素であり、光照、酸性環境或いは空気中の酸素、水分はNADHとNADPHの分子構造を破壊し、その化学性質が極めて不安定(必要に応じてすぐに調製する必要がある)にする。なお、NADHとNADPHは酸に弱いという特点から、外部から摂取したNADHとNADPHは胃酸の影響を受けて活性を失い、使用効果が得られ難い。
【0003】
従来の技術では、一般的に、酸化防止剤を添加することでNADHとNADPHを安定する。しかしながら、酸化防止剤を添加する方法は、NADHとNADPHが胃内で分解しないこと、つまり、従来の技術におけるNADHまたはNADPHを含む経口製剤は、NADHまたはNADPHが胃内で分解しないことを確保することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、上記の問題を解決できるマイクロカプセル粉及びその調製方法、並びに使用を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
胃酸中で安定なマイクロカプセル粉であって、芯材及び前記芯材外に被覆されるカプセル材を備え、前記カプセル材の融点が42℃より大きく、前記カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する。
【0006】
一実施例において、前記カプセル材の融点は60℃~140℃である。
【0007】
一実施例において、前記カプセル材は米ぬか脂肪族アルカノール及びC原子数が12以上の高級脂肪族アルカノールの中の少なくとも1種から選ばれる。
【0008】
一実施例において、前記カプセル材と前記芯材の質量比は70~90:10~30である。
【0009】
一実施例において、前記カプセル材はオクタコサノール、トリアコンタノール及びドトリアコンタノールの中の少なくとも1種から選ばれる。
【0010】
一実施例において、前記芯材は胃液によって破壊されやすく、腸内で吸収されたり、役割を果したりする必要がある物質である。
【0011】
一実施例において、前記芯材は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドと還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の中の少なくとも1種から選ばれる。
【0012】
一実施例において、前記マイクロカプセル粉の粒径は1μm~1000μmである。
【0013】
上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
融点が42℃より大きく、プロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解するカプセル材を溶融まで加熱するステップと、
保温状態で芯材と溶融後のカプセル材を十分に混合し、懸濁液を得るステップと、
前記懸濁液を噴霧凍結乾燥造粒し、前記芯材及び前記芯材外に被覆されるカプセル材を含むマイクロカプセル粉を得るステップと、を含む。
【0014】
上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
芯材と、融点が42℃より大きく、プロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解するカプセル材とを十分に混合してから混合物を得るステップと、
前記混合物を順次熱融着及び噴霧造粒し、前記芯材及び前記芯材外に被覆されるカプセル材を含むマイクロカプセル粉を得るステップとを含む。
【0015】
上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
融点が42℃より大きく、プロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解するカプセル材を溶融まで加熱するステップと、
保温状態で芯材と溶融後のカプセル材を混合し、混合物を得るステップと、
保温状態で、前記混合物を、せん断の速度が10000rpm~16000rpmで、せん断の時間が6min~15minであるようにせん断するステップと、
せん断後の混合物を凝縮液中で噴霧造粒し、前記芯材及び前記芯材外に被覆されるカプセル材を含むマイクロカプセル粉を得るステップと、を含む。
【0016】
上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法であって、
芯材と、融点が42℃より大きく、プロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解するカプセル材とを十分に混合してから混合物を得るステップと、
前記混合物を順次熱融着押圧造粒及びせん断し、前記マイクロカプセル粉を得るステップと、を含み、ここで、前記せん断の速度は8000rpm~10000rpmであり、前記マイクロカプセル粉は前記芯材及び前記芯材外に被覆されるカプセル材を含む。
【0017】
上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉または上記の技術的解決手段に記載の調製方法によって調製されたマイクロカプセル粉の機能食品、保健食品または医薬品の調製における使用である。
【発明の効果】
【0018】
従来の技術と比べて、本発明の有益な効果は以下の通りである。
1、本発明は、カプセル材で芯材を被覆し、カプセル材の融点を42℃より大きいように限定し、且つカプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、マイクロカプセル粉が胃内で融化、分解または溶解しないことを確保し、これにより、芯材が胃内で放出されないようにし、カプセル材は腸管消化酵素によって分解されるため、マイクロカプセル粉は腸管に入った後、腸管の腸管消化酵素によって分解され、内部の芯材が放出され、これにより、芯材が腸管によって吸収されたり、腸管で役割を果たしたりすることを確保する。
2、本発明によるマイクロカプセル粉は、常温開放環境の安定性が良好で、通常の包埋手段では、胃内安定しか実現できず、常温開放環境での安定性が悪いという問題を解決する。
3、本願のカプセル材を採用する場合、単一の成分で不安定な芯材への包埋が可能であるが、従来の不安定な芯材を包埋する材料は、酸化防止剤以外に、他の材料と併用しなけれならず、原料が多く、プロセスが複雑である。
4、本発明によって得られたマイクロカプセル粉は、製品の包埋率が高く、常温開放環境の安定性が強く、実験から、本願で得られたマイクロカプセル粉が胃酸環境で融化、分解または溶解せず、腸管環境で順調に芯材を放出することができ、芯材が腸管によって効果的に吸収されたり、腸管で役割を十分に果たしたりすることを確保する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例又は従来の技術における技術的解決手段をより明確的に説明するために、以下、実施例又は従来の技術の記載に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかで、以下で説明する図面はただ本発明の幾つかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的な作業なしに更にこれらの図面に基づいてその他の図面を取得することができる。
【
図1】噴霧凍結乾燥法によってマイクロカプセル粉を調製するフローチャートである。
【
図2】熱融着混合噴霧法によってマイクロカプセル粉を調製するフローチャートである。
【
図3】液中凝縮法によってマイクロカプセル粉を調製するフローチャートである。
【
図4】熱融着押圧法によってマイクロカプセル粉を調製するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例における図面を組み合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明らかで、完全に説明し、明らかで、説明した実施例は全部の実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明における実施例に基づいて、当業者は創造的な作業なしに得られたすべてのその他の実施例は、本発明が保護する範囲に属する。
【0021】
本発明は、胃酸中で安定なマイクロカプセル粉を提供し、芯材及び芯材外に被覆されるカプセル材を備え、カプセル材の融点が42℃より大きく、且つカプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、マイクロカプセル粉が胃内で融化、分解または溶解しないことを確保し、これにより、芯材が胃内で放出されないようにし、カプセル材は腸管消化酵素によって分解されるため、マイクロカプセル粉は腸管に入った後、内部の芯材が放出され、これにより、芯材が腸管によって吸収されたり、腸管で役割を果たしたりすることを確保する。
【0022】
好ましくは、カプセル材の融点は60℃~140℃である。
【0023】
カプセル材の融点は42℃より大きく、好ましくは60℃~140℃であり、カプセル材が胃内で溶融しないことを確保する一方で、カプセル材の溶融被覆が容易であり、品質が高いマイクロカプセル粉を調製することができる。なお、60℃~140℃は好ましいカプセル材の融点区間であり、該温度区間を超えると、被覆される必要がある芯材(例えば、NADH、NADPH)は破壊されてしまう。
【0024】
本発明のカプセル材は米ぬか脂肪族アルカノールとC原子数が12以上の高級脂肪族アルカノールの中の少なくとも1種から選ばれる。
【0025】
まず、高級脂肪族アルカノールと米ぬか脂肪族アルカノールはいずれも良い化学的安定性を有し、いずれも胃酸によって分解せず、腸管の腸管消化酵素によって分解され、これにより内部の芯材が放出され、次に、高級脂肪族アルカノールと米ぬか脂肪族アルカノールは良い常温安定性を更に有し、マイクロカプセル粉の体外開放環境での貯蔵安定性を確保することができ、さらに、高級脂肪族アルカノールと米ぬか脂肪族アルカノールの融点が適切であり、溶融状態に達する際に芯材が破壊されず、カプセル材の溶融被覆も容易になり、品質が高いマイクロカプセル粉を調製することができ、なお、米ぬか脂肪族アルカノールと高級脂肪族アルカノール、特にオクタコサノール、トリアコンタノール及びドトリアコンタノールは、それ自体が栄養補助剤として使用することができ、使用の安全性を確保するだけでなく、栄養補助の役割も果たす。
【0026】
カプセル材は米ぬか脂肪族アルカノールである場合、それ自体が顕著な抗疲労、脂質低下及び性機能増加の効果を有し、機能食品、保健食品、医薬品及び化粧品に優れた使用潜在力があり、2017年6月9日に新資源食品として収納される。しかしながら、米ぬか脂肪族アルカノールの溶解性能が極めて悪いため、優れた生物学機能が発揮することができない。このため、従来の技術は、一般的に、アラビアガムなどの水溶性が良いカプセル材でそれを包埋する。
【0027】
本願は、初めて米ぬか脂肪族アルカノールをマイクロカプセル粉のカプセル材としたのは、米ぬか脂肪族アルカノールの融点は80℃~83℃であり、室温条件下での粉末の流動性が良く、カプセル材として芯材を保護し、遮水、酸素遮断、胃酸耐性の役割を果たすためであり、これにより、芯材の安定性を保持し、芯材が胃酸条件下で分解するという問題を解决し、芯材が腸管での吸収率と利用率を向上させる。
【0028】
カプセル材は高級脂肪族アルカノールである場合、前記高級脂肪族アルカノールはオクタコサノール、トリアコンタノール及びドトリアコンタノールの中の1種または多種であることが好ましい。高級脂肪族アルカノールの性質が安定し、酸化し難く、酸塩基に強く、湿気を吸わず、良好な生分解性と生物活性を有し、常温で白色ワックス状の固体、粉末または鱗片状結晶などの形で存在することが多く、また、高級脂肪族アルカノールは無毒で可食性があり、多くの有機物と同様に水に溶けず、エタノール、アセトンなどの有機溶媒に溶けやすい。それをカプセル材として、米ぬか脂肪族アルカノールと一致する技術的効果を実現することができる。
【0029】
本願の芯材は理論的には任意の腸に吸収されたり、腸内で機能する必要がある物質であってもよい。
【0030】
一般的に、芯材は胃液によって破壊されやすく、且つ腸内で吸収されたり、役割を果たしたりする必要がある物質である。カプセル材の被覆によって、腸内で吸収されたり、役割を果たしたりする必要がある物質は胃内で分解または融化しない。
【0031】
芯材は、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドと還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の中の少なくとも1種であることが好ましい。
【0032】
カプセル材と芯材の質量比は、70~90:10~30であることが好ましい。実施例のような割合に基づいて、高い芯材被覆量を確保する一方で、実際に製造された製品では、芯材の被覆率も高いレベルに保つことができる。
【0033】
本発明の実施例において、マイクロカプセル粉の粒径は実際の必要及び調製方法に応じて決定することができる。本発明において、前記マイクロカプセル粉の粒径は、1μm~1000μmであることが好ましい。
【0034】
図1を参照し、本発明は、上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法を開示し、噴霧凍結乾燥法によって前記マイクロカプセル粉を調製し、以下のステップを含む。
【0035】
S110では、カプセル材を溶融まで加熱する。
【0036】
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する。
【0037】
S120では、保温状態で芯材と溶融後のカプセル材を十分に混合し、懸濁液を得る。
【0038】
好ましくは、保温状態で芯材と溶融後のカプセル材を十分に混合した後に懸濁液を得る操作は、保温状態で、500rpm~1200rpmの回転数で3min~10min撹拌し、懸濁液を得ることである。
【0039】
S130では、前記懸濁液を噴霧凍結乾燥造粒し、前記マイクロカプセル粉を得る。
【0040】
調製されたマイクロカプセル粉は芯材及び芯材外に被覆されるカプセル材を備える。
【0041】
好ましくは、懸濁液を噴霧凍結乾燥造粒する操作は、スプレードライヤで懸濁液を噴霧凍結乾燥造粒することである。
【0042】
好ましくは、スプレードライヤのパラメータは以下の通りであり、入風温度が2℃~20℃であり、出風温度が15℃~30℃であり、チャンバーの中部温度が5℃~25℃であり、送り速度が100mL/min~1500mL/minである。
【0043】
図2を参照し、本発明は、他の上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法を更に開示し、熱融着混合噴霧法によって上記のマイクロカプセル粉を調製し、以下のステップを含む。
【0044】
S210では、芯材とカプセル材を十分に混合してから混合物を得る。
【0045】
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する。
【0046】
好ましくは、ミキサーを使用して芯材とカプセル材を十分に混合することができる。
【0047】
好ましくは、ミキサーのパラメータは以下の通りであり、混合周波数が25Hz~40Hzであり、混合時間が30min~60minである。
【0048】
S220では、前記混合物を順次熱融着及び噴霧造粒し、前記マイクロカプセル粉を得る。
【0049】
調製されたマイクロカプセル粉は芯材及び芯材外に被覆されるカプセル材を備える。
【0050】
好ましくは、混合物を順次熱融着及び噴霧造粒する操作は、混合物を加熱溶融した後、霧化システムで加熱溶融後の混合物を噴霧造粒することである。
【0051】
好ましくは、霧化システムのパラメータは以下の通りであり、霧化ホイールの回転数が15000rpm~25000rpmであり、入風温度が2℃~15℃であり、出風温度が15℃~30℃であり、チャンバーの中部温度が5℃~10℃であり、送り速度が100mL/min~1500mL/minである。
【0052】
本実施形態において、生産を容易にするために、混合物を加熱融化する操作は、熱融着押出機の装入システムによって実現される。
【0053】
図3を参照し、本発明は、上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法を更に開示し、液中凝縮法によって上記マイクロカプセル粉を調製し、以下のステップを含む。
【0054】
S310では、カプセル材を溶融まで加熱する。
【0055】
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する。
【0056】
S320では、保温状態で芯材と溶融後のカプセル材を十分に混合し、混合物を得る。
【0057】
S330では、保温状態で前記混合物をせん断する。
【0058】
前記せん断の速度は8000rpm~10000rpmであり、せん断の時間は6min~15minである。
【0059】
S340では、せん断後の混合物を凝縮液中で噴霧造粒し、前記マイクロカプセル粉を得る。
【0060】
調製されたマイクロカプセル粉は芯材及び芯材外に被覆されるカプセル材を備える。
【0061】
好ましくは、せん断後の混合物を凝縮液中で噴霧造粒する操作は凝縮乾燥機の中で行う。
【0062】
好ましくは、凝縮乾燥機のパラメータは以下の通りであり、噴霧ホイールの回転数は15000rpm~25000rpmであり、凝縮液温度は10℃~20℃であり、送り速度は100mL/min~1500mL/minである。
【0063】
図4を参照し、本発明は、上記の技術的解決手段に記載のマイクロカプセル粉の調製方法を更に開示し、熱融着押圧法によって上記マイクロカプセル粉を調製し、以下のステップを含む。
【0064】
S410では、芯材とカプセル材を十分に混合してから混合物を得る。
【0065】
前記カプセル材の融点が42℃より大きく、カプセル材はプロテアーゼと胃酸によって分解または溶解せず、腸管消化酵素によって分解する。
【0066】
好ましくは、ミキサーを使用して芯材とカプセル材を十分に混合することができる。
【0067】
好ましくは、ミキサーのパラメータは以下の通りであり、混合周波数が25Hz~40Hzであり、混合時間が30min~60minである。
【0068】
S420では、混合物を順次熱融着押圧造粒及びせん断し、前記マイクロカプセル粉を得る。
【0069】
調製されたマイクロカプセル粉は芯材及び芯材外に被覆されるカプセル材を備える。
【0070】
好ましくは、せん断の速度は8000rpm~10000rpmである。
【0071】
好ましくは、混合物を順次熱融着押圧造粒及びせん断する操作は、熱融着押出機で混合物を熱融着押圧造粒し、次に、せん断システムによって冷却後の熱融着押圧造粒産物をせん断することである。
【0072】
好ましくは、熱融着押出機のパラメータは以下の通りであり、押圧温度が100℃~120℃であり、押圧ダイス穴の直径は0.5mm~5mmであり、押圧速度は5rpm~150rpmである。
【実施例】
【0073】
以下は具体的な実施例である。
【0074】
実施例1
噴霧凍結乾燥法によるマイクロカプセル粉の調製
540gの米ぬか脂肪族アルカノールを1000mLのサンドイッチ鍋に正確に量り取り、米ぬか脂肪族アルカノールが溶融するまで水浴鍋の温度を80℃に保ち、保温状態で60gのNADHを溶融後の米ぬか脂肪族アルカノールに投入し、500rpmの回転数で10min撹拌して十分に混合し、懸濁液を得る。スプレードライヤで懸濁液を噴霧凍結乾燥造粒し、スプレードライヤの動作パラメータを入風温度2℃、出風温度15℃、チャンバー中部温度5℃、送り速度1500mL/minに調整し、米ぬか脂肪族アルカノールで被覆されたNADHマイクロカプセル粉を得、サンプル1とする。
【0075】
実施例2
熱融着混合噴霧法によるマイクロカプセル粉の調製
480gの米ぬか脂肪族アルカノールと120gのNADHを正確に量り取り、ミキサー内に投入する。ミキサーを始動し、混合周波数が25Hzであり、混合時間が60minであり、米ぬか脂肪族アルカノールとNADHを十分に混合する。混合が完了した後、混合物を熱融着押出機の装入システムに投入し、混合物を140℃で熱融着し、霧化システムに輸送して噴霧包埋造粒を行う。霧化ホイールの回転数を15000rpm、入風温度を2℃、出風温度を15℃、チャンバー中部温度を5℃、送り速度を1500mL/minに調整し、米ぬか脂肪族アルカノールで被覆されたNADHマイクロカプセル粉を得、サンプル2とする。
【0076】
実施例3
液中凝縮法によるマイクロカプセル粉の調製
420gの米ぬか脂肪族アルカノールを正確に量り取り、1000mLのサンドイッチ鍋内に投入し、水浴で90℃まで加熱することで米ぬか脂肪族アルカノールが溶融し、保温状態で180gのNADHを溶融後の米ぬか脂肪族アルカノールに投入して混合物を得るとともに、混合物に対して10000rpmの高せん断を行う。6min後、サンドイッチ鍋に凝縮液を含む凝縮乾燥機を接続して液中凝縮噴霧造粒を行う。凝縮乾燥機噴霧ホイールの回転数を25000rpm、凝縮液温度を10℃、送り速度を1500mL/minに調整する。米ぬか脂肪族アルカノールで被覆されたNADHマイクロカプセル粉を得、サンプル3とする。
【0077】
実施例4
噴霧凍結乾燥法によるマイクロカプセル粉の調製
540gのトリアコンタノールを正確に量り取り、1000mLのサンドイッチ鍋に投入し、米ぬか脂肪族アルカノールが溶融するまで、水浴鍋の温度を100℃に保ち、保温状態で60gのNADPHを溶融後のトリアコンタノールに投入し、1200rpmの回転数で3min撹拌して十分に混合し、懸濁液を得る。スプレードライヤで懸濁液を噴霧凍結乾燥造粒し、スプレードライヤの動作パラメータを入風温度20℃、出風温度30℃、チャンバー中部温度25℃、送り速度100mL/minに調整し、トリアコンタノールで被覆されたNADPHマイクロカプセル粉を得、サンプル4とする。
【0078】
実施例5
熱融着混合噴霧法によるマイクロカプセル粉の調製
480gのトリアコンタノールと120gのNADPHを正確に量り取り、ミキサー内に投入する。ミキサーを始動し、混合周波数が40Hzであり、混合時間が30minであり、トリアコンタノールとNADPHを十分に混合する。混合が完了した後、混合物を熱融着押出機の装入システムに投入し、混合物を120℃で熱融着し、霧化システムに輸送して噴霧包埋造粒を行う。霧化ホイールの回転数を25000rpm、入風温度を15℃、出風温度を30℃、チャンバー中部温度を10℃、送り速度を100mL/minに調整し、トリアコンタノールで被覆されたNADPHマイクロカプセル粉を得、サンプル5とする。
【0079】
実施例6
熱融着押圧法によるマイクロカプセル粉の調製
420gのトリアコンタノールと180gのNADPHを正確に量り取り、ミキサー内に投入し、40Hz周波数で30min混合した後、混合物を熱融着押出機の装入システムに投入し、混合物を熱融着、押圧した後、成形システムに入って冷却させる。冷却後、せん断システムに入ってせん断する。押圧温度を120℃、押圧ダイス穴の直径を0.5mm、押圧速度を150rpm、せん断の速度を10000rpmに調整し、せん断粉末を収集し、トリアコンタノールで被覆されたNADPHマイクロカプセル粉を得、サンプル6とする。
【0080】
テスト例1 芯材とカプセル材の質量比が包埋率に対する影響
芯材であるNADHとNADPHが水に非常に溶けやすく、カプセル材である米ぬか脂肪族アルカノール、高級脂肪族アルカノールが水に溶けないため、本願で調製されたマイクロカプセル粉を水に入れると、包埋されていない芯材が水に溶け、水中の芯材の含有量を検出することで、マイクロカプセル粉中の芯材の包埋率を算出することができる。芯材の包埋率=(サンプル中の芯材の理論的包埋量-HPLC検出による水溶液中の芯材の含有量)/サンプル中の芯材の理論的包埋量とし、サンプル中の芯材の理論的包埋量はサンプル中の芯材の添加量である。
【0081】
HPLCによる芯材であるNADH及びNADPHの含有量の検出:50mgのサンプルを正確に量り取り、25mLのメスフラスコに置き、濃度が100mmol/Lの重曹溶液を25mL加えて定容し、包埋されていないNADHまたはNADPHを超音波30minで溶出した後、それぞれ上記メスフラスコ中の溶液を1mL採取して、0.22μmフィルター膜で濾過した後にHPLC注入ボトルに注入し、HPLCによってサンプル溶液のNADHまたはNADPHの含有量をそれぞれ検出して算出する。HPLC法による検出の分析パラメータは、クオータナリーポンプ、オートサンプラー、カラムサーモスタット及び可変波長検出器(VWD)を備えるAgilent 1260 Infinity II、分離カラムChromCore AQ C18(5μm)4.6×250mm、検出波長260nmであり、NADHとNADPH検出の具体的なパラメータは下記表1に示す。
【0082】
【0083】
実施例におけるサンプル1~6の芯材包埋量の検出結果を表2に示す。芯材とカプセル材の質量百分率が(10~30):(70~90)である場合、包埋率が93%以上となり、包埋効果が良いことが分かる。
【0084】
【0085】
テスト例2 室温開放環境下での安定性実験
それぞれ2gの実施例のサンプル2とサンプル5を室温開放環境に7日間放置し、外観を観察してから、それぞれ50mgを量り取って、7日間放置した後のサンプル2とサンプル5を50mLの遠心管に入れ、45mLのキシレンを注ぎ、蓋を締め、30min連続的に振とうした後、遠心管中の液体を125mLの分液漏斗に完全に移り、分液漏斗に濃度が100mmol/Lの重曹溶液を約80mL加え、30min連続的に振とうして抽出し、次に、5~10min静置する。液体が完全に成層化してから、下層の溶液を取って100mLのメスフラスコに入れ、濃度が100mmol/Lの重曹溶液で100mLに定容し、よく振とうする。それぞれテスト例1と同じ検出方法でサンプル中の芯材含有量を検出する。
【0086】
芯材の保留率=検出したサンプル中の芯材含有量/サンプル中の芯材理論的包埋量とし、サンプル中の芯材理論的包埋量はサンプル中の芯材の添加量であり、結果を表3に示す。
【0087】
【0088】
表3の結果から、本発明によって調製されたマイクロカプセル粉は、室温開放環境で7日放置した後、芯材保留率が97%以上に達することが分かり、本発明のマイクロカプセル粉は、空気中の水分及び酸素による芯材への影響を効果的に遮断することができ、芯材の安定性が大幅に向上し、芯材の工業的応用の見通しが広がることを示す。
【0089】
テスト例3 胃酸溶液中での放出実験のシミュレーション
錠剤四用テスターを起動して予熱し、温度を37℃に設定し、バスケット軸とバスケット体を取り付け、位置決めボールで位置決め(マーク)し、溶出カップ(各溶出カップにそれぞれ900mLのpHが1.2の塩酸溶液を注ぐ)に入れて固定する。次に、それぞれ実施例のサンプル2とサンプル5をそれぞれ200mg取ってガーゼで包んで対応するバスケット体に入れた。100r/minの回転数で4時間回転した後にそれぞれ溶出カップから液体を1mL取り、それぞれ実施例1と同様な検出方法でサンプル中の芯材含有量を検出する。
【0090】
芯材保留率=(サンプル中の芯材理論的包埋量-検出した塩酸溶液中の芯材含有量)/サンプル中の芯材理論的包埋量とし、サンプル中の芯材理論的包埋量はサンプル中の芯材の添加量であり、算出結果を表4に示す。強酸環境下で4h後、サンプル2とサンプル5中の芯材保留率が依然として90%以上であり、耐酸効果に優れ、芯材が胃液環境で放出されないことが分かる。
【0091】
【0092】
テスト例4 人工腸液中の放出実験
錠剤四用テスターで測定し、テスターを起動して予熱し、温度を37℃に設定し、バスケット軸とバスケット体を取り付け、位置決めボールで位置決め(マーク)し、溶出カップ(各溶出カップにそれぞれ900mLの調製した人工腸液を注ぐ)に入れて固定する。次に、それぞれ実施例のサンプル2とサンプル5及び対応する芯材原料をそれぞれ200mg取ってガーゼで包んで対応するバスケット体に入れた。100r/minの回転数で1、2、3、4時間回転した後にそれぞれ溶出カップから液体を1mL取り、それぞれ実施例1と同様な検出方法でサンプル中の芯材含有量を検出する。
【0093】
芯材保留率=(サンプル中の芯材理論的包埋量-検出した人工腸液中の芯材含有量)/サンプル中の芯材理論的包埋量とし、サンプル中の芯材理論的包埋量はサンプル中の芯材の添加量であり、算出結果を表5に示す。人工腸液環境で1時間後、サンプル2、サンプル5中の芯材溶出率はいずれも85%以上であり、3時間後、サンプル2、サンプル5中の芯材溶出率はいずれも95%以上であり、本願のマイクロカプセル粉のカプセル材は腸管内で順調に分解でき、芯材が腸管によって吸収されたり、腸管で役割を果たしたりするようにする。
【0094】
【0095】
テスト例5 加速安定性実験
実施例のサンプル2とサンプル5を同時に37℃、75%湿度の加速箱に入れ、2組のサンプルに同時に1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の製品安定性実験を行い、0ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月にそれぞれ50mgのサンプル2、5を50mLの遠心管に量り取り、45mLのキシレンを注ぎ、蓋を締め、30min連続的に振とうした後、遠心管中の液体を125mLの分液漏斗に完全に移り、分液漏斗に約80mLの濃度が100mmol/Lの重曹溶液を添加し、30min連続的に振とうして抽出し、次に、5~10min静置する。液体が完全に成層化してから、下層の溶液を取って100mLのメスフラスコに入れ、濃度が100mmol/Lの重曹溶液で100mLに定容し、よく振とうする。それぞれ上記サンプルを1mL吸い取って、それぞれ実施例1と同じ検出方法でサンプル中の芯材含有量を検出する。
【0096】
芯材保留率=検出したサンプル中の芯材含有量/サンプル中の芯材理論的包埋量とし、サンプル中の芯材理論的包埋量はサンプル中の芯材の添加量であり、結果を表6に示す。三ヶ月間の加速後、2組のサンプルの芯材含有量の保留率はやや低下したが、いずれも90%以上であり、一般的な加速実験の製品合格基準を満たし、本発明により調製されたマイクロカプセル粉の安定性が良好であることを示す。
【0097】
【0098】
以上のような実施例は、本発明のいくつかの実施形態を説明しており、その説明は比較的具体的且つ詳細であるが、これによって、出願特許範囲に対する制限として理解されるべきではない。指摘すべき点として、当業者にとって、本発明の構想を逸脱しない限り、複数の変形と改善を行うことができ、これらは、いずれも本発明の保護範囲に属する。このため、本発明の特許の保護範囲は添付した請求の範囲を基準とすべきである。
【0099】
本願は、2021年07月20日に中国特許局に提案された、出願番号がCN202110819545.5、発明名称が「胃酸中で安定なマイクロカプセル粉及び調製方法、並びに使用」の中国特許出願の優先権を主張し、その全部内容は援用により本願に組み込まれる。