(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】ユニット型の血管採取装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3205 20060101AFI20250124BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
A61B17/3205
A61B1/00 622
(21)【出願番号】P 2021559251
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(86)【国際出願番号】 US2020026594
(87)【国際公開番号】W WO2020206266
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-27
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515251746
【氏名又は名称】サフィナ・メディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Saphena Medical, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】オーファノス,マーク
(72)【発明者】
【氏名】グレノン,マイケル
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-507628(JP,A)
【文献】特表2010-534531(JP,A)
【文献】特開2016-209549(JP,A)
【文献】特表2012-511357(JP,A)
【文献】特開2012-147968(JP,A)
【文献】特表2009-519109(JP,A)
【文献】特表2005-538753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0198009(US,A1)
【文献】特開2003-190171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
17/00 - 18/28
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管を見えるようにする手術用装置であって、
その遠位端に、前進する際に周囲の組織への外傷を起こさせることを最小限に抑えることができるテーパー状のティップが
頂点で終端するように配置された長手本体と、
前記ティップ内に配置された集積回路であって、撮像装置、照明光源、及び通信回路を有する集積回路と、
前記集積回路の通信回路を、前記長手本体から離れた場所にある処理タワーに接続する1本のケーブルであって、前記手術用装置、前記撮像装置、および前記照明光源に電源ラインおよびデータラインを提供するケーブルと、
を備えた手術用装置。
【請求項2】
更に、血管を焼灼または密封して切断するためのエンドエフェクタ
であって、血管を捕捉し、焼灼または密封して切断するために、テーパー状のティップの近位位置から遠位方向に移動可能なエンドエフェクタを備えた、請求項1に記載の手術用装置。
【請求項3】
前記照明光源は、少なくとも1つの発光ダイオードを有する、請求項1に記載の手術用装置。
【請求項4】
前記集積回路は、更に、電池を有する、請求項1に記載の手術用装置。
【請求項5】
前記通信回路は、無線トランシーバを有する、請求項1に記載の手術用装置。
【請求項6】
前記集積回路は、電池から電力を受け取り、前記無線トランシーバを介してデータを交換する、請求項5に記載の手術用装置。
【請求項7】
前記通信回路は、導電ラインと光学ラインの少なくとも一方を有する、請求項1に記載の手術用装置。
【請求項8】
前記導電ラインは、前記手術用装置に備えたハウジングから、前記長手本体を通って延び、前記集積回路に連結されている、請求項7に記載の手術用装置。
【請求項9】
前記集積回路は、前記
導電ラインを介して電力を受け取り、データを交換する、請求項8に記載の手術用装置。
【請求項10】
前記手術用装置は、前記1本のケーブルを介して前記処理タワーに接続されている、請求項1に記載の手術用装置。
【請求項11】
前記手術用装置は、使い捨てである、請求項1に記載の手術用装置。
【請求項12】
電気手術用ジェネレータを有する処理タワーと、
処理タワーに接続された手術用装置と、
を備えたシステムであって、
手術用装置は、
その遠位端に、前進する際に周囲の組織への外傷を起こさせることを最小限に抑えることができるテーパー状のティップが
頂点で終端するように配置された長手本体と、
前記ティップ内に配置された集積回路であって、撮像装置、照明光源、及び通信回路を有する集積回路と、
前記集積回路を処理タワーに接続する1本のケーブルと、
を有し、
電気手術用ジェネレータは、1本のケーブルを介して、電力を撮像装置、照明光源、及び通信回路に提供する、システム。
【請求項13】
前記処理タワーは、撮像装置から受信した信号を処理するビデオプロセッサと、映像を表示するビデオモニタとを更に有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
更に、撮像装置からの信号データを処理タワーに送信する無線トランシーバを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記手術用装置は、更に、血管を焼灼または密封して切断するためのエンドエフェクタを有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記手術用装置は、使い捨てである、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年4月5日に出願された米国の仮出願第62/829990号に基づくものであり、本願の内容と共通した同仮出願の記載内容は、優先権主張の利益を享受するものである。同仮出願の記載内容は、それを参照することにより、本出願においてその全体が組み込まれるものである。
【0002】
本願の開示は、血管採取装置に関する。特に、本願の開示は、一体化された映像機能および照明機能を有する、使い捨て式の血管採取装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、現在のEVH(内視鏡下血管採取)装置は、追加のコンポーネントを用い、そのコンポーネントに付随するシステムを利用して種々の機能を発揮することができる。ある用途では、例えば、EVH装置は、EVH装置のカニューレ内に再使用可能ながっしりした内視鏡を受け入れて使用する。同様に、別の従来のEVH装置は、再利用可能なカメラと、独立した光源とを組み合わせて利用する。従来例では、がっしりした内視鏡の近位端に再利用可能なカメラを結合する。EVH装置や再利用可能な各コンポーネントのそれぞれは、独立した電源コードと通信コードを有し、無菌領域の外にある別の処理コンポーネントと通信する。例えば、再利用可能なカメラには、カメラプロセッサーに接続される電源/ビデオケーブルが延びている。カメラプロセッサーは、カメラからの画像データを処理して、カメラプロセッサーに取り付けられたモニターで表示する。また、内視鏡に光ファイバーの光コードを取り付けているのが一般的で、この光コードに取り付けた別の光源から、コードを伝ってスコープを下り、EVH装置の遠位先端まで光を届けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のEVH装置の構成には、いくつかの欠点がある。例えば、EVH装置と一緒に使用する再利用可能なコンポーネントは、EVH装置と一緒に無菌領域内で使用する前に、個別に滅菌する必要がある。これには多大な時間を要し、再利用可能なコンポーネントのいずれかが適切に滅菌されていない場合にはリスクを伴う。また、電源や通信コードを伴う種々のシステムが複数加わると、EVH装置がかさばったり、動きが制限されたりして、装置の使い勝手が悪くなる。
【0005】
EVH装置の改良が必要とされている。本願は、この必要性に対処するためのさらなる解決策に向けられていると共に、他の望ましい特性をも有する。具体的には、本願は、照明コンポーネントおよび映像化コンポーネントを統合した、使い捨て可能な血管採取装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な実施形態によれば、手術用装置が提供される。手術用装置は、その遠位端に、前進する際に周囲の組織への外傷を最小限に抑えることができるティップ(先端部)が配置された長手本体と、ティップ内に撮像装置と照明光源と通信回路とが配置された集積回路を有する。また、手術用装置は、集積回路の通信回路と接続された1本のケーブルを含み、ケーブルは長手本体から離れた所に配置された処理タワーに接続されており、この1本のケーブルにより、手術用装置、撮像装置、および照明光源に電力ラインおよびデータラインが提供される。
【0007】
本発明の一形態によれば、手術用装置は、カッティングユニットをさらに含む。集積回路は、少なくとも1つの発光ダイオードをさらに含むことができる。集積回路は、さらに電池を含むことができる。通信回路は、無線トランシーバを含むことができる。集積回路は、電池から電力を受け取り、無線トランシーバを介してデータを交換することができる。通信回路は、導電ラインと光学ラインの少なくとも一方を含むことができる。導電ラインは、手術用装置のハウジングから長手本体を通って延び、集積回路に連結される小ゲージの配線を含むことができる。集積回路は、小ゲージの配線を介して電力を受け取り、データ交換することができる。手術用装置は、単一のケーブルを介して処理タワーに接続することができる。手術用装置は、使い捨てが可能である。
【0008】
本発明の例示的な実施形態によれば、システムが提供される。このシステムは、手術用装置と電気手術用ジェネレータを有する処理タワーを含む。手術用装置は、その遠位端に、前進する際に周囲の組織への外傷を最小限に抑えることができるティップが配置された長手本体と、ティップ内に撮像装置と照明光源と通信回路とが配置された集積回路と、集積回路を処理タワーに接続する1本のケーブルと、を有する。電気手術用ジェネレータは、1本のケーブルを介して、撮像装置、照明光源、および通信回路に電力を供給する。
【0009】
本発明の一形態によれば、処理タワーは、撮像装置から受信した信号を処理するためのビデオプロセッサと、ビデオを表示するためのビデオモニタ156とをさらに含むことができる。本システムは、更にカメラからの信号データを処理タワーに送信する無線トランシーバを含むことができる。手術用装置は、カッティング装置を含むことができる。手術用装置は、使い捨てにすることができる。
【0010】
本発明の例示的な実施形態によれば、血管を採取する方法が提供される。この方法は、その遠位端に配置された解剖ティップを有する長手本体を主血管に沿って前進させて、主血管とその枝血管を周囲の組織から分離するステップと、照明光源を用い解剖ティップ内で主血管とその枝血管を照らすステップを有する。この方法は、又、ユーザに主血管およびその枝血管の画像を表示するために、解剖ティップ内の撮像装置によって画像信号を取り込み、ビデオプロセッサに送信するステップと、画像を用いて、第1のカッティング部および第2のカッティング部の間の血管を捕捉するために、第1のカッティング部および第2のカッティング部を、解剖ティップの近位の位置から遠位の方向に移動させるステップと、前記画像を用いて、第1のカッティング部および第2のカッティング部との間の血管を捕捉するステップとを有する。
【0011】
本発明の一形態によれば、画像信号は、長手本体の内部を延びる配線を介して、1本のケーブルでビデオプロセッサに伝送される。1本のケーブルで、処理タワーからカッティング部、撮像装置、照明光源に電力を供給することができる。この画像信号は、ティップに内蔵された無線トランシーバを介して、ビデオプロセッサに無線で送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本願の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より詳しく理解されるであろう。
【0013】
【
図1】
図1は、EVH装置に連結された独立のコンポーネントを含む従来のEVHのセットアップを示す図である。
【
図2】
図2は、本願に係る血管採取装置の一例を示す図である。
【
図3】
図3Aおよび
図3Bは、本願に係る血管採取装置の解剖ティップの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本願に係る血管採取装置の解剖ティップの専用集積回路の一例を示す図である。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、本願に係る血管採取装置で使用する例示的なシステムの図である。
【
図7】
図7は、本発明に係るプロセスを実行するための高レベルアーキテクチャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、例示的な実施形態のみを提供するものであり、本願の開示の範囲、適用性、または構成を限定することを意図したものではない。むしろ、以下の例示的な実施形態の説明は、当業者に、1つまたは複数の例示の実施形態を実施するための有効な説明を提供する。本願の特許請求の範囲に記載された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、要素の機能と配置に様々な変更を加えることができるものである。
【0015】
以下の説明では、実施形態を十分に理解するため、具体的な内容を説明する。しかし、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても、種々の実施形態を実施することができるものである。例えば、本発明におけるシステム、プロセス、その他の要素は、不必要な詳細にまで及ばず実施形態を不明瞭にしない程度の説明で、ブロック図の形で構成を示す。例えば、よく知られているプロセス、構造、および技術は、実施形態を不明瞭にしないために、不必要な詳細を示さないことがある。さらに、図面において使用される、同様の参照番号や指定は、同様の要素を示す。
【0016】
本願は、手順を実行するために必要な装置を単純化することにより、無菌領域における乱雑さの量を減少させる、血管採取のためのユニット式装置を提供するものである。さらに本願では、従来の再利用可能な部品を、再滅菌を必要としない使い捨ての部品に置き換えている。具体的には、本願では、回路と配線のユニークな組み合わせを用いることで、医療処置のための血管採取装置と組み合わせて用いるモジュール要素の必要性をなくしている。使い捨て式の血管採取装置は、血管採取装置のティップ(先端部)内に、統合されたカメラと光源(すなわち、発光ダイオード(LED))を含む。
【0017】
使い捨て式の血管採取装置は、血管採取のための複数の他の構成要素を含むか、または他の構成要素と互換性を持つことができる。例えば、使い捨て式の血管採取装置は、米国特許第9119900号、同第9498246号、同第9814481号、同第9943328号に記載されているカッティング部品を含むことができ、これらの米国特許の内容は本願に含まれるべきものである。ある実施形態では、使い捨て式の血管採取装置を用いて、主血管を映像化して周囲の組織から切り離して、分離することができる。そして、血管を映像により可視化することで、支流のシーリング器具を用いて、側枝をシールしたり切断したりすることができる。側枝がシールされると、別の装置を用いて主血管の一部を採取し、バイパス移植したりすることができる。本願の使い捨て式の血管採取装置は、解剖機能や、支流のシール・切断機能や、更に主血管のシール・切断機能等を組み合わせることができ、その結果、血管手術の操作が減少し、処置の容易性が改善され得る。また、本願の装置は、シールされて切断された主血管を患者から取り出すために使用してもよい。
【0018】
図1~
図6Cにおいて、同様の部品は同様の参照数字で指定されているが、本願による血管を収穫するための改良された血管採取装置の例示的な実施形態を示している。本願は、図に示された例示的な実施形態を参照して説明されるが、多くの代替形態が本願に係る開示を具現化できる。当業者であれば、さらに、本願に係る開示の観点と範囲に沿った方法で、要素や材料のサイズ、形状、種類など、開示された実施形態のパラメータを変更するさまざまな方法が理解できる。
【0019】
図1において、内視鏡による採取処置を行うための代表的な従来のシステム1を示す。システム1は、一般的に、中央制御タワー5に対し、再使用可能な内視鏡3および再使用可能なカメラ4がそれぞれ独立した形で着脱可能に接続された、再使用可能な内視鏡採取装置2を含む。従来において、再利用するためには、内視鏡採取装置2、内視鏡3、およびカメラ4のそれぞれを別個に滅菌しなければならず、タワー5から延びる個別の電源ライン、データ通信ライン、および/または処理コンポーネントが必要である。
図1に示されているように、例えば、内視鏡採取装置2は、電気手術用ジェネレータ22に接続された電源ケーブル12を有し、内視鏡3は、光源コンポーネント23に接続された別の電源ケーブル13を有し、カメラ4は、ビデオモニタ25に情報を中継するビデオプロセッサ24に接続されたケーブル14を有している。さらに、各ケーブル12、13、14は、それぞれの電源と電源ケーブルを備える必要がある。動作において、装置1の各コンポーネント2、3、4は、操作が行われる無菌領域30内で利用される際に滅菌しておく必要がある。
【0020】
図2は、本願開示に係る血管採取装置100の一例を示す。装置100のある実施形態は、装置100の様々な構成要素を収容するハウジング102を含み、構成要素には電力を供給したり、ハウジング102の外部のシステムにデータを通信したりするための内部配線が含まれる。また、ハウジング102は、装置100の動作を制御するためのボタンやスイッチなどを含むことができる。例えば、ハウジング102は、装置100のカッティングコンポーネントに電力を供給するためのボタンを含むことができる。ハウジング102は、当技術分野で知られているシステムおよび方法の任意の組み合わせを利用して、任意の組み合わせの材料から構成することができる。例えば、ハウジング102は、生体適合性のある材料、例えば、プラスチック材料、エラストマー材料、金属材料、形状記憶材料、複合材料、または、所望の特性を有する他の材料から構成することができる。ある実施形態では、装置100およびその構成要素は、使い捨てにすることができる。
【0021】
ある実施形態では、ハウジング102は、ワイヤまたはケーブル配線112に連結されており、ケーブル配線112は、装置100とそのサブシステムとの間で電力供給や、データ転送をするように構成される。例えば、ケーブル112は、本願でより詳細に説明するように、集積回路、撮像装置、照明光装置、トランシーバなどの組み合わせに電力供給することができる。当業者であれば理解できるように、ケーブル112は、例えば、米国特許第9119900号、第9498246号、第9814481号、および第9943328号において開示されているカッティングシステムなど、当技術分野で知られている他のシステムに電力を供給するように構成することもできる。これらの米国特許の内容は本願の内容を構成するものである。ケーブル112は、単一のシールド内に異なる電力とデータの配線の組み合わせを提供することができるし、また、単一のラインに一体に編み込まれた複数のワイヤの組み合わせとすることもできる。ケーブル112は、単一の構造で提供でき、その構造にはタワー150内の1つ以上の装置への物理的な接続を行う種々のエレメントの任意の組み合わせを含むことができる。
【0022】
ある実施形態では、ケーブル112は、外部ソース(例えば、コントロールタワー150)から、ハウジング102に電力を供給し、さまざまな機能を果たすための1つ以上の導電ラインを含むことができる。1つまたは複数の導電性ラインを介して提供される電力は、装置100の一部であるコンポーネントの任意の組み合わせに電力を供給するために使用することができる。例えば、コンポーネントには、電気メスリード、光源、イメージング装置、気腹装置、コンピューティング装置、回路基板、または電力供給を必要とする装置や電子機器の任意の組み合わせがある。ケーブル112は、ハウジング102およびその中のコンポーネントにすべての電力を供給するための単一の導電ラインを含むことや、装置内のコンポーネントのそれぞれに専用の電力を供給するための別個の複数の導電ラインを含むことができ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。ケーブル112は、任意の組み合わせの装置のための導電ラインや光透過ライン(光ファイバーライン)の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、ケーブル112は、電気メス部品用の3つの専用ライン(例えば、正極線、負極線、信号線)、照明光源208用の2つの専用ライン(例えば、信号線、光ファイバー線)、撮像装置204用の専用ライン(例えば、信号線)を全て装置100内に配置することができる。ある実施形態では、1つまたは複数の導電ラインは、ワイヤゲージの任意の組み合わせを含むワイヤであり得る。また、ケーブル112は、装置100の異なるコンポーネントに異なるレベルの電力を供給するために、異なるゲージのワイヤを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、ケーブル112は、光を運ぶように設計された1つまたは複数の光ファイバーを含むことができる。1つ以上の光ファイバーは、装置100の外部の光源(例えば、タワー150)から装置100内の照明光源(例えば、照明光源208)に光を伝送するために使用することができる。ある実施形態では、1つまたは複数の導電性ラインと1つまたは複数の光ファイバー(例えば、光ファイバー)の組み合わせを使用して、装置100から遠隔地にある(例えば、タワー150から)コンピューティング装置(例えば、ビデオプロセッサ154)と、装置100内の装置(例えば、集積回路200)との間でデータおよび/または信号を伝送することができる。例えば、1本以上の導電性線および/または1本以上の光ファイバーを用いて、装置100内の撮像装置204から装置100とは別のビデオプロセッサ154に信号線を伝送することができる。
【0024】
ある実施形態では、ケーブル112は、追加の機能的要素を含むことができる。例えば、ケーブル112は、気腹のためのCO2(二酸化炭素)、流体、洗浄/灌漑のための生理食塩水などを提供するためのチャネル(通路)を含むことができる。ケーブル112は、任意の組み合わせの連結機構を用いて、装置100の任意の部分に連結することができる。例えば、装置100のポートに挿入される着脱可能なケーブル112であってもよいし、装置100内のある接点に連結される固定的に取り付けられたケーブル112であってもよい。
【0025】
ある実施形態では、長手本体104は、ハウジング102の遠位端から延びている。長手本体104は、実質的に固体または中空であることができ、近位端106および遠位端108を有する。近位端106は、ハウジング102に対し、および/またはハウジング102内で連結され、その連結は任意の連結機構を用いて行うことができる。ある実施形態では、長手本体103は、近位端106から遠位端108まで延びる内部空洞を含むことができ、近位端106と遠位端108との間で電力および/またはデータの伝送線がハウジング102およびハウジング102に結合されたケーブル112まで延びることを可能にする。当業者であれば理解できるように、長手本体104は、様々な他のツールまたはコンポーネント、例えば、カッティングツールを収容することができ、および/または、それらに結合することができる。ある実施形態では、種々のコンポーネントを、装置100上やその周りに挿入することができる。例えば、トロカール110は、装置100の長手本体104に取り外し可能にスライドさせることができる。
【0026】
ある実施形態では、長手本体104は、切開した入口から入り、血管外を通り、血管採取すべき部位へ達するように構成することができる。長手本体104を採取部位に案内するのを助けるために、長手本体104は、その長さに沿って軸方向に十分な剛性を有してもよい。長手本体104にそのような特性を持たすため、一実施形態では、長手本体104は、生体適合性のある材料、例えば、プラスチック材料、エラストマー材料、金属材料、形状記憶材料、複合材料、または所望の特性を有する他の材料から作られてもよい。所望の範囲内で、長手本体104は、用途に応じて、半径方向または横方向に移動するためのある程度の柔軟性を備えてもよい。
【0027】
ある実施形態では、装置100の長手本体104は、個体であってもよい。他の実施形態では、装置100は、1つまたは複数のルーメン(内腔)を有し、ルーメンには、その中を進行するワイヤ、電力/データライン、または材料を収容する。また、ある実施形態では、装置100は、装置100内の電気部品に電力を供給するため、および/または電気部品と通信するために、ワイヤまたはケーブル配線を進めることができる導管を含んでもよい。
【0028】
ある実施形態では、長手本体104は、解剖ティップ120で終端することができるか、または長手本体104の遠位端108に結合された解剖ティップ120を有することができる。
図3Aおよび
図3Bは、解剖ティップ120の一例を示す。
図3Aは、例示的な解剖ティップ120の斜視図を示す。ある実施形態では、解剖ティップ120は、鈍い端部126で終端する先細りのセクション124を含み、装置100が血管セグメントに沿って案内されるときに、近くの血管または組織の引き裂きまたは穿刺を最小化または防止しながら、周囲の組織から採取される血管セグメントを無傷で分離する。鈍いものとして図示されているが、もちろん、所望の範囲内で、解剖ティップ120の端部126を相対的に尖らせて、装置100の遠位端の前進を容易にしてもよい。同様に、テーパー部124は、装置100の操作性を高めるために、構造的に異なる構成にしてもよい。
【0029】
ある実施形態では、解剖プロセス中の外傷の可能性を低減するために、解剖ティップ120は、解剖ティップ120に印加される力でわずかにたわむように、ラジアル方向に柔軟性、可撓性または変形性を有してもよい。また、ある実施形態では、解剖ティップ120は、先端面に垂直な力が加わると解剖ティップ120の壁が変形できるように、ラジアル方向に圧縮可能である。そのために、解剖ティップ120を肉厚が薄いプラスチック材料から形成して、負荷がかかっても撓むことができるようにしてもよい。適切な材料としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートグリコール変性(PETG)、ポリエチレンテレフタレート(PET)など、負荷がかかっても解剖ティップがたわむことを許容しつつ、十分な光学的透明性が得られる材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。同時に、解剖ティップ120は、血管を周囲の結合組織から切り離すことができるように、軸方向または長手方向に十分な柱状の強度を備えていてもよい。言い換えれば、ティップ120が組織内を進むことができるように軸方向に剛性がある一方で、ティップ120はラジアル方向に可撓性、柔軟性、または変形可能であってもよい。解剖ティップ120は他の特性、例えば可変の強さを持つ特性、を有していても良い。例えば、(1)軸方向対長手方向で可変とし、軸方向の強さが長手方向の強さよりも大きい、(2)長手方向対軸方向で可変とし、長手方向の強さが軸方向の強さよりも大きい、(3)軸方向対長手方向で可変とし、軸方向の強さが長手方向の強さと近似している、等が考えられる。また、解剖ティップ120が、2つ以上の材料を含むことも可能であり、少なくとも一方の材料が、弾性、硬度、引張強度などの異なる材料特性を有することができる。
【0030】
図3Aおよび
図3Bにおいて、ある実施形態では、解剖ティップ120は、円錐形であってもよく、解剖ティップ120内の撮像装置(例えば、カメラ)を介して見るときに、可視化領域の中心での視覚的な歪みまたは盲目化の悪影響を最小化するような方法で、その遠位端129を形成してもよい。解剖ティップ120の内部表面121は、
図3Bに示すように、解剖ティップ120の遠位端126に向かって比較的一定の傾斜を有するテーパー状であってもよく、鋭利な点であってもよい内部頂点123で終端している。また、解剖ティップ120の外面125は、解剖ティップ120の遠位端126に向かって一定の傾きを持ったテーパー状になっていてもよいが、遠位端126では、解剖時の組織の損傷を最小限に抑えるために、比較的丸みを帯びた鈍い端部が形成されていてもよい。図示されているように、遠位端106において、解剖ティップ120の外面125は、近位方向に折り返されて、その後、外面頂点127で終了し、鈍い外面を維持して、解剖ティップ120の遠位端にくぼみを形成してもよい。
【0031】
ある実施形態では、内部頂点123および外部頂点127の両方が、カニューレ100の中心長手方向軸と共線であってもよい。言い換えれば、内部頂点123および外部頂点127の中心は、長手本体104の中央長手方向軸上に位置することができる。解剖ティップ120の内部表面121および外部表面125のそれぞれに、解剖ティップ120内の任意の撮像装置の軸とも一致する頂点を設けることにより、光路(長手本体104の軸と平行である)に垂直なそれらの表面が排除されてもよく、これにより、垂直な表面からカメラに戻る光の屈折が排除されてもよい。したがって、光源およびカメラシステムを備えた内部撮像装置を通して見るときに、視覚的な歪みまたは眩しさを最小化または排除してもよい。
【0032】
図3Bを参照すると、ある実施形態において、解剖ティップ120は、解剖ティップ120とハウジング102との間で電力およびデータ通信を送出できるように、長手本体104の内部キャビティと流体連通する内部キャビティを含んでもよい。これには、解剖ティップ120とケーブル112との間、およびタワー150との間で電力およびデータを送受信することも含まれ得る。
図3Bは、内部に空洞を有する解剖120の断面図である。ある実施形態では、照明用および/または電子画像処理用に構成された特殊な集積回路200が、解剖ティップ120の内部キャビティ内に組み込まれ、解剖ティップ120の外側の画像データをキャプチャする。専用回路200は、装置100の解剖ティップ120内に収まるようなサイズおよび寸法とし、解剖ティップ120内から撮像が可能な位置に配置することができる。例えば、解剖ティップ120は、直径が約2~10mmの円形の断面を有し、解剖ティップ120の遠位端に配置することができる。
【0033】
図4は、解剖ティップ120内で使用するための例示的な専用回路200のブロック図を示す。ある実施形態では、専用回路200は、その上に実装した無線トランシーバ212、撮像素子204、通信回路206、照明光源208、電池210等の任意の組み合わせでカスタマイズされたプリント回路基板202を含む。撮像素子204、通信回路206、照明光源208、電池210、および無線トランシーバ212は、当技術分野で知られている任意の組み合わせの方法で、プリント回路基板202内または上に埋め込むことができる。
【0034】
ある実施形態では、撮像装置204は、回路基板202上に収まるサイズおよび寸法のデジタル撮像装置の任意の組み合わせであり、解剖ティップ120内に配置される。例えば、撮像装置204は、画像と動画の任意の組み合わせを撮影するように設計されたカメラである。撮像素子204の大きさや解像度は、専用回路200の大きさに影響を与える。例えば、解像度が高くなるほど、撮像素子204が大きくなり、専用回路200の必要サイズが増加する。ある実施形態では、撮像装置204は、光を捕捉し、捕捉した光を信号に変換し、ケーブル112に沿って信号を目的の装置(例えば、タワー150)に送信するように設計することができる。ある実施形態では、撮像装置204は、実装されたレンズおよびカメラチップを、装置100の先端にある回路基板202に含むことができる。周囲の光は、ガラスレンズを通過し、初期段階のカメラ処理は、装置100のティップ120内で(例えば、回路基板202上で)処理することができる。この処理は、周囲の光をハンドル内の光ファイバーなどでわざわざ送って処理することなく行うことができる。前処理された電気信号は、回路基板202からケーブル112上の伝送路に沿って送られ、ビデオプロセッサ154に送ることができる。ビデオプロセッサ154は、ハンドル102に内蔵されているか、外部タワー150にある。
【0035】
ある実施形態では、通信回路206は、電気接点、トランシーバ、プラグ、配線などの任意の組み合わせを含み、撮像装置204へ、又は撮像装置204からケーブル112の配線を介してデータを伝送し、装置100と遠隔ソース(例えば、タワー150)との間で電力および/またはデータを伝送する。例えば、通信回路206は、ハードワイヤードバス、チャネル、ピンなどの任意の組み合わせとすることができ、長手本体104を通ってハウジング102まで延びる小ゲージのワイヤ(または当技術分野で知られている任意の配線/導電性要素)などの伝送線に沿ってデータを送る。ある実施形態では、通信回路206は、ケーブル112内に見られる伝送路とは異なる種類の伝送路とすることができる。
【0036】
ある実施形態では、プリント回路基板202は、照明光源208、例えば、発光ダイオード(複数可)(LED)を直接含むか、取り付け可能に含み、撮像装置204による画像キャプチャのためにティップ120の近くの周辺領域を照らす。照明光源208は、当技術分野で既知のLEDなどの光源の任意の組み合わせを含むことができ、血管内を照明するように構成することができる。専用回路200上のすべての構成要素が解剖ティップ120内に内部的に配置されているため、装置100は、別個の内視鏡、光源、カメラ、およびそれらの関連する外部ケーブリング等を必要としない。これは、
図5Aおよび
図5Bを用いて更に説明する。
【0037】
本願の実施形態では、装置100は、その包装から取り出した時から無菌状態であり、別個のコンポーネント(例えば、内視鏡、カメラ、光など)を滅菌して取り付ける必要がない。また、使用後に装置100全体を廃棄することができる。従来の医療機器1では、医療処置の一部として使用される際、従来の硬いロッドレンズを使用する別個の再利用可能なカメラ4を利用する。硬いロッドレンズは、別個の再利用可能な内視鏡3で捕えた画像をカメラ4に送るためのものである。また、硬いロッドレンズは、先端にガラスレンズを備えた内視鏡3のように、別個の装置の一部である。レンズに入ってきた外光は集光され、ロッドシャフト内の光ファイバーを通ってアイピースに送られる。カメラ4はアイピースに取り付けられており、その光を受けて画像処理し、その信号を独自の配線でビデオプロセス24に送り、モニター25に出力する。
【0038】
このような装置1は、内視鏡3からの光を通すこともでき、非常に高価であるため、再利用可能な装置1として使用される。再使用可能な機器は、再使用する前に、滅菌する必要があるが、内視鏡、カメラ、光源などは、個別に滅菌される。特に、このような従来の装置1では、タワー5内にある高価な光源ボックス23を使用する別個の着脱カメラ4を使用している。光源ボックス23からの光は、個別のケーブル13に沿って、ロッドレンズを通って先端から放射され、反射光は血管採取装置2の本体に戻される。処置においては、体内からの光はロッドレンズを通って、ロッドレンズの手前側に取り付けられた高価なカメラ4に戻り、カメラ4は光を処理して画像を作り、それを高価なビデオプロセッサ24に送る。
【0039】
これに対して、本願に係る開示によれば、専用回路200が撮像素子204と1つ以上の照明光源208(例えば、LED)を有するため、制御塔150に別個の光源ボックスを設ける必要がない。この要素の組み合わせは、体内において照明光源があり、そこで光を作り出すため、照明光源208に電力を供給するための単純な2本の配線だけで済むため、大幅なコスト削減となる。さらに、照明光源208と撮像装置204の組み合わせによれば、解剖ティップ120内の照明光源208で光が発生するため、ライトボックスで発生した光を必要な場所まで伝送するロッドレンズのような高価な部品は必要ない。同様に、本開示の装置100は、撮像装置204が解剖ティップ120内の専用回路基板200上に、遠位に、配置されているため、画像をカメラに送り返すための高価なロッドレンズを必要としない。専用回路基板200内に撮像素子204や照明光源208などの費用対効果の高い部品を搭載し、ケーブル112内の費用対効果の高い電源線やデータ線と結合することで、使い捨ての1回限りの使用に適したコンパクトな装置100を提供する。
【0040】
ある実施形態では、解剖ティップ120は、透明であり、例えば、装置100を使用して処置が行われている間に、照明光(例えば、照明光源204による照明光)を通過させ、反射光を受ける(例えば、撮像装置204で受ける)ように構成する。ある実施形態における解剖ティップ120は、任意の形状であってもよいが、それを通して画像撮影(例えば、撮像装置204による撮影)を容易にする形状であるべきであって、これにより組織の解剖、分離の際に必要な制御が可能となる。同様に、解剖ティップ120内の専用回路200の配置は、十分な照明とそこからの画像撮影を容易にし、組織の解剖中に必要な制御が可能となるようにすることができる、位置と方向を採るべきである。
【0041】
ある実施形態では、解剖ティップ120の形状および材料と、撮像装置204および照明光源208の位置との組み合わせにより、処置中に使用するための十分な品質の画像データの撮像を十分な光で容易にすることができる。照明光源208は、単一の場所に1つの光源を持つことも、複数の場所に複数の光源を持つこともでき、撮像素子204による画像撮影に好ましい照明を提供することができる。例えば、照明光源208は、複数の光源(例えば、4~12個のLED)を含むことができ、これらは均等な配光を確保するために分散され、対称的なパターン(例えば、円形リングパターン)でレイアウトされる。ある実施形態では、照明光源208内に複数の光源がある場合、それらは単一のユニットとして制御されるよう、または個別に制御されるように配線することもできる。専用回路200において、撮像装置204および/または異なる種類の撮像装置204についても同様である。
【0042】
更に、
図4において、ある実施形態では、専用回路200、およびそれに組み込まれるコンポーネントは、ハウジング102に結合された単一のケーブル112を介して電力を受け取り、制御または処理タワー150内の処理ユニット(複数可)(例えば、ビデオプロセッサ154)にデータを送信することができる。ある実施形態では、ケーブル112は、通信回路206に直接または間接的に接続して、回路200にデータ通信および電力を提供することができる。例えば、ケーブル112は、画像データなどの信号を撮像装置204から映像処理および表示のためにタワー150に伝送するための1つまたは複数の導電性および/または光学的なラインを含むことができる。電力およびデータは、ハウジング102に取り付けられたケーブル112から、長手本体104を通って、専用回路200に伝達される。例えば、ハウジング102内のケーブル112に結合され、解剖ティップ120とハウジング102との間で長手本体104を通って延びる小ゲージのワイヤを使用して、照明光源(複数可)208に電力を供給し、撮像装置204と外部ビデオプロセッサ154との間で制御信号およびビデオ信号を伝送することができる。
【0043】
ある実施形態では、専用回路200および/またはハウジング102は、撮像素子204、照明光源208、および/または装置100内の他の構成要素に電力を供給するための電池210を任意に含むことができる。電池210は、専用回路200およびその上のコンポーネント/装置(例えば、撮像装置204、照明装置208など)に電力を供給するように設計することができる。電池210は、タワー150から供給されている電力を補う、または置き換えるために使用することができる。ある実施形態では、電池210は、充電可能とすることができ、ケーブル112または別のケーブルを介して供給される電力を用いて、装置100のハウジング102内の電池210を充電することができる。電池210は、医療処置の間、装置100およびその上のすべての構成要素に十分な電力を供給するための電荷を保持することができる。
【0044】
図5Aは、専用回路200を有するシステム300の例が示されており、専用回線200は、装置100から離れた場所へ電力やデータ伝送する配線を有する。ある実施形態では、システム300は、ケーブル112を介して処理タワー150に結合された、
図2に関して説明したような装置100を含むことができる。ケーブル112は、タワー150内の電源から電力を受け取ると共に、タワー150内の1つまたは複数の処理ユニットとデータを共有するように構成することができる。タワー150は、装置100の様々なサブシステムの管理を担当する処理ユニットの組み合わせを含むことができる。ある実施形態では、処理ユニットは、電気手術用ジェネレータ152、ビデオプロセッサ154、およびビデオモニタ156を含むことができる。電気手術用ジェネレータ152は、例えば、撮像、照明、焼灼、カッティングなどの電気外科作業を行うための電力を装置100に提供し、制御するように構成することができる。ビデオプロセッサ154は、装置100内の撮像装置204から提供されるビデオ信号データを(例えば、ケーブル112を介して)受信し、解釈し、変換し、中継するように構成することができる。また、ビデオプロセッサ154は、表示可能なフォーマットのビデオ信号をビデオモニタ156に伝え、ユーザに表示することができる。ある実施形態では、電気手術用ジェネレータ152、ビデオプロセッサ154、およびビデオモニタ156はすべて、単一のコンパクトな装置内に統合することができる。
【0045】
ある実施形態では、ケーブル112は、電気外科用の電力を装置100に提供するワイヤと、これとは別のビデオ信号を伝送するためのワイヤを含むことができる。例えば、タワー150において、またはタワー150内で、ケーブル112は、2つの別個の配線に分割され、一方は電気手術用ジェネレータ152に接続され、他方はビデオプロセッサ154へ接続されることができる。言い換えれば、単一のケーブル112に統合されたワイヤの組み合わせは、タワー150で二股に分かれ、異なった処理ユニットに接続することができ、1本のケーブル112だけが無菌領域130内において装置100から離れるため、ユーザには利便性がある。これは
図1のシステム1では複数のケーブルが必要とされていた点で異なる。ある実施形態では、ビデオプロセッサ154は、単一のケーブル112に統合された別々のビデオ信号線を介して、専用回路200および照明光源208に電力を供給することもできる。この構成は、電気手術用ジェネレータに加えて、あるいは電気手術用ジェネレータの代わりに使用することができる。また、専用回路200に撮像素子204を搭載したことで、配線のあるがっしりした内視鏡や配線のある光源装置を別途用意する必要がない。
【0046】
図5Bは、専用回路200がワイヤレスで電力供給およびデータ伝送が可能な構成の例示的なシステム350を示す。ある実施形態では、システム350では、
図2で説明したと同様に、ケーブル112を介して処理タワー150に結合されたデバイス100を含むことができる。ケーブル112により、タワー150内の電気手術用ジェネレータから電力を受け取るように構成することができる。タワー150は、デバイス100の様々なサブシステムの管理を担当する処理ユニットの組み合わせを含むことができる。ある実施形態では、処理ユニットは、電気手術用ジェネレータ152、ビデオプロセッサ154、およびビデオモニタ156を含むことができる。電気手術用ジェネレータ152は、例えば、焼灼、切断などの電気外科的作業を行うために、装置100に電力を供給し、制御するように構成することができる。ビデオプロセッサ154は、装置100内の撮像装置204によって提供されるビデオ信号データを(例えば、トランシーバ116を介して)受信し、解釈し、変換し、中継するように構成することができる。また、ビデオプロセッサ154は、ユーザに表示するために、表示可能なフォーマットのビデオ信号をビデオモニタ156に伝えることができる。
【0047】
図5Bにおいて、ある実施形態では、専用回路200および/またはハウジング102は、ワイヤレスのトランシーバ212を含むことができ、ワイヤレスのトランシーバ212は、通信回路106内に含まれるか、または通信回路106に結合された他のものであってもよいが、外部プロセッサ(例えば、ビデオプロセッサ154)とデータを通信することができる。撮像装置204からのデータは、処理および/または表示のために、任意の組み合わせの方法を用いてタワー150に送られる。この信号は、ワイヤレストランシーバ212および/またはケーブル112内のデータラインからワイヤレスでタワー150内のビデオプロセッサー154に送られ、その後ビデオモニター156に出力することができる。ある実施形態では、ワイヤレストランシーバ212は、電池210によっておよび/またはケーブル112を介して電力を供給することができ、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、RFなど、当技術分野で知られている任意のワイヤレスフォーマットでデータを送信するように構成することができる。ある実施形態では、オンボード電池210とトランシーバ212の組み合わせにより、ケーブル212の長手本体104に配線を追加することなく、解剖ティップ120を装置100の残りの部分から独立して動作させることができる。当業者であれば理解できるように、照明光源(1つまたは複数)208、電池210、およびトランシーバ212の任意の組み合わせは、専用回路200上に配置するか、または別の場所に設けた専用回路200と通信可能に取り付けることができる。例えば、電池210および/またはトランシーバ212は、ハウジング102内の回路基板上に配置され、装置100の長手本体104を通って延びるワイヤを介して、専用回路200に結合することができる。この例では、撮像素子204からの映像信号は、専用回路200から内部配線を介してハウジング102内の回路基板に送られる。
【0048】
ある実施形態では、照明のためのオンボード照明装置208、撮像装置204、および専用回路200のための電力は、電池210を介して提供することができ、画像データ(および他のデータ信号)は、ワイヤレストランシーバ212を介して送信することができる。ビデオプロセッサ154は、装置100上のトランシーバ212と通信するため、対応するトランシーバで構成することができる。ある実施形態では、ワイヤレスデータ伝送の通信媒体や周波数などを調整して、エリア内の他のデバイスとの干渉を避けるようにする。
【0049】
専用回路200に独立した電源と照明を提供し、ビデオ信号のワイヤレス伝送を任意に組み合わせることで、1本のケーブル112だけで無菌領域130にある装置100を隔離することができるので、
図1のシステム1を動作させるために必要な複数のケーブルがある場合とは異なり、ユーザには余分な経験が必要とされない。ある実施形態では、装置100に電源を結合して、他のコンポーネントに電力を供給すれば(例えば、電池210)、ケーブル112を必要としない。例えば、装置100は、照明装置208、撮像装置204、および探索的手順のための通信手段(トランシーバ212または通信路206)に電力を供給するのに十分な電力を有する電池210を設けることにより、ケーブル112なしでの使用に適応することができる。別の例では、装置100は、ケーブル212からの追加の電力を利用して、電気外科用のカッティングツールなどのより多くの電力を必要とするコンポーネントに電力を供給することができる。また、専用回路200に撮像素子204を搭載したことで、配線や光源を共にするがっしりした内視鏡を用意する必要がなくなる。電池210は、装置100の先端にある照明装置20と、映像信号をタワー150内の映像処理装置154に届けるための送信機に電力を供給する。本開示の特徴を組み合わせることで、様々な手順に対応可能なシンプルなシステムを実現する。
【0050】
図6Aから
図6Cを参照すると、血管600は、
図6Aに示すように、主血管610と、主血管610から出ている枝状の枝血管620とで構成する。血管600およびその枝血管610は、皮下の脂肪結合組織630に包まれているので、主血管600を採取する前に、周囲の脂肪結合組織630から切り離す必要がある。皮下脂肪630は、皮膚や筋肉、筋膜などの結合組織よりも柔らかい。脂肪結合組織630は、血管600に付着しているものの、界面640を形成しており、血管600をきれいに解剖できる。つまり、血管600の外側の層(外膜)と、周囲の皮下脂肪630との間には、自然な解剖面が存在するのである。
【0051】
図6Bは、自然な解剖面に沿った血管600の主血管610の例示的な解剖を示しており、装置100の解剖ティップ120は、血管600の血管外膜表面に沿って前進する。この面に沿って血管600を周囲の脂肪結合組織630から分離することは、典型的には、高い解剖力を必要としない。解剖ティップ120の前進は、解剖ティップ120内の撮像装置204および照明光源208の助けを借りて行うことができる。例えば、照明光源208は、撮像装置204が画像データを取り込むために十分な照明を提供することができる。そして、画像データは、長手本体104を介してハウジング102に伝送することができる。例えば、画像データは、撮像素子204から通信回路206に送信された後、長手本体104を通る内部配線を介して送信することができる。その後、画像データは、処理のために、ケーブル112を介してハウジング102からタワー150に伝送することができる。オプションとして、画像データは、無線トランシーバ212からタワー150に送信することができる。タワー150内では、画像データは、ビデオプロセッサ154によって処理されて、処置を実行または支援するユーザが見るためにビデオモニタ156に表示することができる。ある実施形態では、解剖ティップ120は、血管600を自然な解剖面に沿って周囲の組織630から解剖するのに十分な軸方向の強度を備えていてもよい。
【0052】
図6Cに示されるように、解剖ティップ120が枝血管620に近づくと、解剖ティップ120は、枝血管620と主血管600との間の分岐点650で枝血管620を捕捉することができる。解剖ティップ120に過剰な力を加えると、枝血管620を切り裂いて主血管610から切断したり、あるいは主血管600に損傷を与えたりすることがある。そのため、ある実施形態では、解剖ティップ120は、血管600を自然な解剖面に沿って周囲の組織630から解剖するのに十分な柱状の強度を備える一方で、枝血管の周囲の解剖中に移植血管に外傷を与える可能性を減少させるために、増加した力の適用により枝血管620から変形または偏向するのに十分な柔軟性を備える。もちろん、手術の要求に応じて、解剖ティップ120の剛性を完全な柔軟性から半剛性、剛性まで変化させてもよいことは理解されるべきである。
【0053】
ある実施形態では、
図4~5Bに関して説明した撮像装置204および照明光源208は、本明細書でより詳細に説明したように、解剖ティップ120に近接した閲覧可能な画像を伝えることによって、解剖プロセスにおいてユーザを支援するために使用されてもよい。ある実施形態では、装置100は、枝血管または主血管のいずれかの血管を焼灼または密封して切断するための1つまたは複数のエンドエフェクタをさらに含むことができる。1つまたは複数のエンドエフェクタは、ケーブル112で電力供給を受けることができる。例えば、ケーブル112は、ケーブル112内の1つまたは複数の導電性ラインを介して電力をハウジング102に供給する電気外科用発電機152に接続することができる。ハウジング102において、ケーブル112は、電力をハウジング102内の1つまたは複数のラインに伝達し、長手本体104を介して、1つまたは複数のエンドエフェクタに提供することができる。ある実施形態では、ケーブル112は、1つ以上のエンドエフェクタへ信号を伝え、電源の供給、遮断をすることもできるし、または電源の供給、遮断は、装置のハウジング102上で(例えば、ハウジング102上のボタンを介して)局所的に実行することができる。
【0054】
動作において、システム300または350内にティップ120を備えて構成された装置100は、例えば、血管を採取するなどの様々な電気外科手術を行うために利用することができる。血管は、大伏在静脈や橈骨動脈などのバイパス移植に使用することができ、皮膚の表面下にある皮下空間から採取することができる。ある実施形態では、血管を採取するための例示的なプロセスを、
図2~6Cに関して考察した装置100を用いて実行することができる。このプロセスは、長手本体104の遠位端108に配置された解剖ティップ120を有する長手本体104を主血管600に沿って前進させて、主血管600およびその枝血管620を周囲の組織630から分離しつつ、解剖ティップ120の遠位端108内の照明光源204で主血管600およびその枝血管620を照らすことができる。また、このプロセスは、主血管600およびその枝血管620の画像をユーザに表示するために、解剖ティップ120内に配置された撮像装置204によって、画像信号をキャプチャしてビデオプロセッサ154に送信することを含むことができる。このプロセスは、さらに、画像を使用して、第1の切断部および第2の切断部を解剖ティップ120の近位の位置から遠位方向に移動させ、画像を使用して、第1の切断部と第2の切断部との間での血管600を捕捉することを含むことができる。
【0055】
ある実施形態では、画像信号を、長手本体104の内部に延びる配線を通り、単一のケーブル112を介してビデオプロセッサ154に伝送することができる。単一のケーブル112により、処理タワー150から切断部、撮像装置204、および照明光源208に電力を供給することができ、および/または、画像信号は、遠位ティップ200内の専用回路200に設けられた無線トランシーバ212を介してビデオプロセッサ154に無線で伝送されることができる。
【0056】
本開示では、種々の電極に対する好ましいエネルギーの種類が示されているが、これらの電極は、抵抗加熱、超音波加熱、およびバイポーラまたはモノポーラRFエネルギーを利用するがこれらに限定されず、様々なエネルギー源を用いて通電することができる。ある実施形態では、電極は互いに独立して制御することができる。また、必要に応じて、電極を絶縁コーティングまたは絶縁シースで絶縁してもよい。
【0057】
本明細書に記載されたコンピューティングデバイス152、154および方法/機能を実現するために、任意の適切なコンピューティングデバイスを使用することができる。当業者には理解されるように、汎用コンピューティングデバイスを用いたとしても、単なるソフトウェアの実行ではなく、大幅に改変されたハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの変更を通じて、本明細書に記載された操作および機能を実行するための特定のシステムに変換することができる。このようなコンピューティングデバイス700の1つの例示的な例が、
図7に示されている。コンピューティングデバイス700は、適切なコンピューティング環境の単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
図7に示す「コンピューティングデバイス」には、「ワークステーション」、「サーバー」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「ハンドヘルドデバイス」、「モバイルデバイス」、「タブレットコンピュータ」など、当業者であれば理解できるようなコンピューティングデバイスが含まれる。コンピューティングデバイス700は例示目的でしめされており、本発明の実施形態の種々の変形例は、任意の数の異なる方法で任意の数のコンピューティングデバイス700を利用することができる。したがって、本発明の実施形態は、当業者であれば理解できるように、単一のコンピューティングデバイス700に限定されるものではなく、また、例示のコンピューティングデバイス700の単一のタイプの実装または構成に限定されるものでもない。
【0058】
コンピューティングデバイス700は、バス710を含み、バス710により、次に示すコンポーネントの1つまたは複数に、直接的または間接的に連結することができる。コンポーネントには、メモリ712、1つまたは複数のプロセッサ714、1つまたは複数のプレゼンテーションコンポーネント716、入力/出力ポート718、入力/出力コンポーネント720、および電源724が含まれる。当業者であれば、バス710は、アドレスバス、データバス、またはそれらの任意の組み合わせなど、1つまたは複数のバスを含むことができる。さらに、当業者であれば、特定の実施形態の意図されたアプリケーションや用途に応じて、これらの構成要素のうち複数のものを単一のデバイスで実装できる。同様に、1つのコンポーネントを複数のデバイスで実装することも可能である。このように、
図7は、本発明の1つまたは複数の実施形態を実施するために使用できる例示的なコンピューティングデバイスを単に例示するものであり、決して本発明を限定するものではない。
【0059】
コンピューティングデバイス700は、様々なコンピュータ可読媒体を含み、それらと相互作用することができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、RAM(Random Access Memory);ROM(Read Only Memory);EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory);フラッシュメモリまたは他のメモリ技術;CDROM、DVD(Digital Versatile Disk)または他の光学またはホログラフィック媒体;磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイスを含むことができ、情報をエンコードするために使用することができ、コンピューティングデバイス700によってアクセスすることができる。
【0060】
メモリ712は、揮発性および/または不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を含むことができる。メモリ712は、取り外し可能なもの、取り外し不可能なもの、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。例示的なハードウェアデバイスは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、光ディスクドライブなどのデバイスである。コンピューティングデバイス700は、メモリ712、様々なI/Oコンポーネント716などのコンポーネントからデータを読み取る1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プレゼンテーションコンポーネント(複数可)716は、データの表示をユーザまたは他のデバイスに提示する。例示的なプレゼンテーションコンポーネントには、ディスプレイデバイス、スピーカー、印刷コンポーネント、振動コンポーネントなどがある。
【0061】
I/Oポート718は、コンピューティングデバイス700を、I/Oコンポーネント720などの他のデバイスに論理的に結合することを可能にする。I/Oコンポーネント720の一部は、コンピューティングデバイス700に内蔵することができる。このようなI/Oコンポーネント720の例としては、マイク、ジョイスティック、記録装置、ゲームパッド、衛星放送受信機、スキャナ、プリンタ、無線装置、ネットワーク装置などが挙げられる。
【0062】
本明細書で引用されているすべての特許、特許出願、および公開されている文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示の上述の実施形態は、本開示の原理を明確に理解するために定められた、単なる可能な実施例に過ぎない。本開示の精神および原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態に多くの変形および変更を加えることができる。上述したいくつかの特徴や機能、またはそれらの代替品は、他の多くの異なるシステムやアプリケーションに望ましい形で組み合わせることができる。すべてのそのような変更および変形は、添付の請求項の範囲に含まれ、本明細書の開示の範囲に含まれる。
【0063】
本明細書で利用されている「構成」および「を含む」という用語は、排他的ではなく包括的であると解釈されることを意図している。本明細書では、「例」、「例示」、および「例示的」という用語は、「例、事例、または説明として役立つ」という意味を意図しており、他の構成と比較して好ましいまたは有利な構成を示す、または示さないと解釈されるべきではない。本明細書では、「約」、「一般的に」、および「およそ」という用語は、主観的または客観的な値の範囲の上限および下限に存在する可能性のある変動、例えば、特性、パラメータ、サイズ、および寸法の変動をカバーすることを意図する。非限定的な一例では、「約」、「一般的に」、および「およそ」という用語は、プラス10%以下、またはマイナス10%以下を意味する。非限定的な例では、「約」、「一般的に」、および「およそ」という用語は、関連分野の当業者によって含まれると判断される程度に近いことを意味する。本明細書で利用される「実質的に」という用語は、作用、特性、性質、状態、構造、項目、または結果の完全またはほぼ完全な延長または程度で、当業者が理解できる程度のものを意味する。例えば、「実質的に」円形である物体とは、数学的に決定可能な限界まで完全に円形であるか、当業者が認識・理解できるようなほぼ円形であることを意味する。絶対的な完全性からの逸脱がどの程度許容されるかは、場合によっては特定の状況に依存することがある。しかし、一般的には、完成に近いものとは、絶対的かつ完全に完成されたものから得られた結果と全体的に同等の結果をもたらすものを言う。「実質的に」という用語は、否定的な意味合いで使われる場合にも同様に適用され、当業者であれば理解できるように、作用、特性、性質、状態、構造、項目、または結果が完全またはほぼ完全に欠如していることを示す。
【0064】
本開示の多数の修正および代替実施形態は、前述の説明を考慮して当業者に明らかである。したがって、この説明は例示としてのみ解釈され、本開示を実施するための最良のモードを当業者に教えることを目的とする。構造の詳細は、本開示の精神から逸脱することなく大幅に変更することができ、添付の請求項の範囲内にあるすべての変更を独占的に使用することができる。本明細書中では、明確かつ簡潔な程度で明細書が書かれて実施形態を説明してきたが、本発明から離れることなく、実施形態を様々に組み合わせたり、分離したりすることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲および適用される法律の規則によって必要とされる範囲に限定される。
【0065】
また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された発明のすべての一般的な特徴および特定の特徴、ならびに言語の問題としてその間に入ると言われる可能性のある発明の範囲のすべての記述をカバーするものである。