(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】支出管理装置、支出管理方法、および支出管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250124BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024072018
(22)【出願日】2024-04-26
【審査請求日】2024-04-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年3月27日 株式会社スマートバンクのウェブサイトにて公開(https://smartbank.co.jp/3dd25e0768374bac8f2340e07bae24c2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年4月2日 株式会社スマートバンクが令和6年4月18日開催のオンライントークイベントの参加者を募るため、株式会社ビープラウドに依頼し、株式会社ビープラウドのウェブサイトにて公開(https://smartbank.connpass.com/event/314873/)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年4月18日 zoomによるオンライントークイベントにて公開(https://us06web.zoom.us/j/83225115484)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520434950
【氏名又は名称】株式会社スマートバンク
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯川 晟
(72)【発明者】
【氏名】森口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 暸
(72)【発明者】
【氏名】大庭 直人
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 はろか
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-257129(JP,A)
【文献】特開2018-063536(JP,A)
【文献】特開2003-296562(JP,A)
【文献】特開2021-064235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ユーザの取引情報を取得する取引情報取得部と、
その取得した取引情報に基づいて、前記対象ユーザの第1の期間における前記第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する支出算出部と、
前記対象ユーザの前記開始時点から前記参照時点までの支出の基準としてのベンチマークを算出するベンチマーク算出部と、
その算出した支出と、その算出したベンチマークとを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成する表示コンテンツ生成部と、
その生成した表示コンテンツを出力する出力部と、
を備える支出管理装置。
【請求項2】
前記ベンチマーク算出部は、前記ベンチマークを、前記第1の期間よりも短い第2の期間を単位として算出する、
請求項1に記載された支出管理装置。
【請求項3】
前記取引情報取得部は、前記対象ユーザの属性と類似する属性を有する類似人物の取引情報を更に取得可能に構成されており、
前記対象ユーザの取引情報は、前記第1の期間よりも前の、前記対象ユーザの過去の取引情報を含み、
前記類似人物の取引情報は、前記第1の期間よりも前の、前記類似人物の過去の取引情報を含み、
前記ベンチマーク算出部は、前記ベンチマークを、前記対象ユーザの過去の取引情報または前記類似人物の過去の取引情報に基づいて算出する、
請求項1に記載された支出管理装置。
【請求項4】
前記対象ユーザの前記第1の期間についての予算を取得する予算取得部を更に備え、
前記ベンチマーク算出部は、前記対象ユーザの過去の支出または前記類似人物の過去の支出と、その取得した予算とに基づいて前記ベンチマークを算出する、
請求項3に記載された支出管理装置。
【請求項5】
前記表示コンテンツ生成部は、前記比較結果が、その取得した予算と、前記算出した支出と、前記算出したベンチマークとを比較した比較結果を含むように前記表示コンテンツを生成する、
請求項4に記載された支出管理装置。
【請求項6】
前記表示コンテンツ生成部は、前記比較結果をグラフで表示するように前記表示コンテンツを生成する、
請求項5に記載された支出管理装置。
【請求項7】
前記表示コンテンツ生成部は、前記算出した支出が前記算出したベンチマークを超過するか否かで異なる表示となるように前記表示コンテンツを生成する、
請求項1に記載された支出管理装置。
【請求項8】
前記表示コンテンツ生成部は、前記算出した支出が、前記算出したベンチマーク以下である第1の場合と、前記算出したベンチマークを超過し且つその取得した予算以下である第2の場合と、前記取得した予算を超過する第3の場合とで異なる表示となるように表示コンテンツを生成する、
請求項4に記載された支出管理装置。
【請求項9】
前記表示コンテンツ生成部は、前記第2の場合に、前記算出した支出が前記取得したベンチマークを超過するアラート表示を含むように前記表示コンテンツを生成する、
請求項8に記載された支出管理装置。
【請求項10】
前記対象ユーザは、共同口座に紐づけられた第1の対象ユーザおよび第2の対象ユーザを含み、
前記支出算出部は、前記第1の対象ユーザおよび前記第2の対象ユーザの、前記開始時点から前記参照時点までの支出を算出する、
請求項1に記載された支出管理装置。
【請求項11】
前記対象ユーザの取引情報は、前記第1の期間よりも前の、前記第1の対象ユーザの過去の取引情報および前記第2の対象ユーザの過去の取引情報を含み、
前記ベンチマーク算出部は、前記ベンチマークを、前記第1の対象ユーザの過去の取引情報および前記第2の対象ユーザの過去の取引情報に基づいて算出する、
請求項10に記載された支出管理装置。
【請求項12】
前記第1の対象ユーザおよび前記第2の対象ユーザの前記第1の期間についての予算を取得する予算取得部を更に備え、
前記ベンチマーク算出部は、前記第1の対象ユーザの過去の支出および前記第2の対象ユーザの過去の支出と、その取得した予算とに基づいて前記ベンチマークを算出し、
前記表示コンテンツ生成部は、前記算出した支出が、前記算出したベンチマーク以下である第1の場合と、前記算出したベンチマークを超過し且つその取得した予算以下である第2の場合と、前記取得した予算を超過する第3の場合とで異なる表示となるように表示コンテンツを生成し、
前記表示コンテンツ生成部は、前記第2の場合に、前記算出した支出が前記取得したベンチマークを超過するアラート表示を含むように前記表示コンテンツを生成する、
請求項11に記載された支出管理装置。
【請求項13】
前記対象ユーザの過去の取引情報は、API連携をした外部サービスの提供の用に供される外部サーバから取得される連携取引情報を含む、
請求項3に記載された支出管理装置。
【請求項14】
前記ベンチマークの算出に際して、算出の基礎に含めない除外対象を取得する除外対象取得部を更に備え、
前記ベンチマーク算出部は、前記対象ユーザの過去の取引情報から、その取得した除外対象を含めないで前記ベンチマークを算出する、
請求項3に記載された支出管理装置。
【請求項15】
前記対象ユーザにより指定された少なくとも1つの管理カテゴリを取得する管理カテゴリ取得部を更に備え、
その取得した管理カテゴリ毎に、
前記支出算出部は、前記支出を算出し、
前記ベンチマーク算出部は、前記ベンチマークを算出し、
前記表示コンテンツ生成部は、前記表示コンテンツを生成する、
請求項1から14のいずれか1項に記載された支出管理装置。
【請求項16】
取引情報取得部と、支出算出部と、ベンチマーク算出部と、表示コンテンツ生成部と、出力部とを備える装置が行う支出管理方法であって、
前記取引情報取得部が、対象ユーザの取引情報を取得するステップと、
前記支出算出部が、その取得した取引情報に基づいて、前記対象ユーザの第1の期間における前記第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出するステップと、
前記ベンチマーク算出部が、前記対象ユーザの前記開始時点から前記参照時点までの支出の基準としてのベンチマークを算出するステップと、
前記表示コンテンツ生成部が、その算出した支出と、その算出したベンチマークとを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成するステップと、
前記出力部が、その生成した表示コンテンツを出力するステップと、
を備える支出管理方法。
【請求項17】
コンピュータに、
対象ユーザの取引情報を取得するステップと、
その取得した取引情報に基づいて、前記対象ユーザの第1の期間における前記第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出するステップと、
前記対象ユーザの前記開始時点から前記参照時点までの支出の基準としてのベンチマークを算出するステップと、
その算出した支出と、その算出したベンチマークとを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成するステップと、
その生成した表示コンテンツを出力するステップと、
を実行させる支出管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支出管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定期間における使用上限の目標金額に対し、実際にどの程度お金を使用しているかを示す情報を表示する技術が開示されている(特許文献1の
図4、
図7、および明細書の段落0034~0046)。所定期間における使用上限の目標金額、即ち予算は、表示されたアイコンの選択を介して設定することができる(特許文献1の明細書の段落0042)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、支出を、所定期間について設定した予算との関係でしか評価できないという問題点がある。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、支出を、従来技術よりも詳細に評価することを可能とする支出管理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態による支出管理装置は、対象ユーザの取引情報を取得する取引情報取得部と、その取得した取引情報に基づいて、対象ユーザの第1の期間における前記第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する支出算出部と、対象ユーザの前記開始時点から前記参照時点までの支出の基準としてのベンチマークを算出するベンチマーク算出部と、その算出した支出と、その算出したベンチマークとを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成する表示コンテンツ生成部と、その生成した表示コンテンツを出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態による支出管理装置によれば、第1の期間における第1の期間の開始時点から参照時点までの支出と、その開始時点からその参照時点までの支出の基準としてのベンチマークとの比較結果を含む表示コンテンツが出力されるので、支出を従来技術よりも詳細に評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図12A】支出管理装置または端末装置のハードウェアの構成例を示す図である。
【
図12B】支出管理装置または端末装置のハードウェアの構成例を示す図である。
【
図13】支出管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示における種々の実施形態について詳細に説明する。なお、図面において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付されており、そのような部分についての重複する説明は省略する。また、本開示において、「または」との用語は、別段の記載が無い限り、包括的論理和の意味で用いる。
【0010】
<システム構成>
図1を参照して、本開示の実施形態による支出管理システム1の構成について説明をする。
図1に示されているように、支出管理システム1は、一側面において、端末装置2、サーバ3、および店舗端末4がネットワークNWを介して接続されたシステムである。ネットワークNWは、インターネット等の既存の電気通信回線である。ネットワークNWには、外部サーバ5が追加的に接続されていてもよい。端末装置2には、ユーザA1により用いられる端末装置2
A1と、ユーザA2により用いられる端末装置2
A2とが含まれていてよい。本開示において、ユーザA1またはユーザA2は、対象ユーザの例である。「対象」とは、支出を管理する対象の意味である。ユーザA1とユーザA2はいずれも共同口座に紐づけられた共同ユーザであり、本開示において第1の対象ユーザおよび第2の対象ユーザとそれぞれ称される場合がある。なお、共同口座とは、複数の者により共用される口座であって、各人の支出が反映される口座を意味する。共同ユーザの例には、夫婦、カップル、またはビジネスパートナーが含まれるが、その他の関係性を有する者が含まれていてもよい。なお、以下の説明において、ユーザA1とユーザA2を区別する必要が無い場合、単にユーザAと総称する場合がある。また、以下においては、共同口座を例に説明をするが、共同口座ではなくユーザA1またはユーザA2の個人口座を対象としてもよい。
【0011】
支出管理システム1は、ユーザAの決済用カードBに紐づけられた口座の支出を管理するためのシステムである。ユーザAの決済用カードBの取引情報は、その口座に紐づけられて蓄積される。ユーザAがユーザA1とユーザA2を含む共同ユーザの場合、ユーザA1による決済用カードB1の取引情報とユーザA2による決済用カードB2の取引情報とが蓄積され、支出管理システム1は決済用カードB1と決済用カードB2の両方に紐づけられた共同口座の支出を管理する。決済用カードの例には、プリペイドカード、キャッシュカード、デビッドカードまたはクレジットカード等の代金の支払いに利用可能な任意のカードが含まれる。ユーザAは、店舗端末4を備えた店舗において、商品を購入しまたはサービスの提供を受ける。ユーザAが、代金の支払いを決済用カードBで行うと、店舗端末4は、店舗名、商品名、サービス名、決済日時、決済用カードBの識別情報等の取引情報をサーバ3または外部サーバ5へ送信する。外部サーバ5は、サーバ3を用いて提供されるサービスと異なる外部サービスを提供するためのサーバである。例えば、サーバ3がプリペイドカードの決済システムに用いられる場合、外部サーバ5の例には、バンキングサービスの提供の用に供されるサーバ、またはクレジットカードサービスの提供の用に供されるサーバが含まれる。取引情報が外部サーバ5へ送信される場合には、サーバ3は、外部サーバ5とAPI連携をすることにより、取引情報を外部サーバ5から取得してもよい。外部サーバ5から取得した取引情報は、サーバ3の記憶部に格納される。なお、本開示において、API連携により取得する取引情報を「連携取引情報」と称する場合がある。
【0012】
<サーバ(支出管理装置)の構成>
サーバ3は、一側面において、決済用カードBを用いてなされるユーザAによる支出を管理するための装置である。決済用カードBに代えて、決済可能なアプリケーションソフトウェアがユーザAの端末装置2にインストールされている場合、サーバ3は、端末装置2を用いてなされるユーザAによる支出を管理するための装置としての側面を有する。このような目的を達成するために、サーバ3は、
図2に示されているように、制御部32と、通信部33と、記憶部35を備える。通信部33は、ネットワークNWを介して端末装置2、店舗端末4、または外部サーバ5と通信が可能な通信装置である。記憶部35は、制御部32が行う機能を実現するプログラム、制御部32が行う処理に用いられるデータを格納する記憶装置である。
【0013】
制御部32は、一例として、取引情報取得部321と、支出算出部322と、ベンチマーク算出部323と、表示コンテンツ生成部324と、出力部325とを備える。また、制御部32は、予算取得部326を備えていてもよい。また、制御部32は、ユーザ入力取得部327を備えていてもよい。ユーザ入力取得部327が取得する情報は、制御部32の他の機能部により適宜用いられてよい。以下、制御部32の構成について、詳細に説明をする。
【0014】
(取引情報取得部)
取引情報取得部321は、一側面において、ユーザAの取引情報を取得する機能部である。一例として、取引情報取得部321は、ユーザAの取引情報を、ユーザAの決済用カードBに紐づけられた決済用口座の取引履歴から取得してもよい。取引履歴は、例えば記憶部35に記憶されており、取引情報取得部321は、記憶部35をアクセスしてユーザAの所望の期間の取引情報を取得してよい。
【0015】
取引情報取得部321は、他の側面において、ユーザAの属性に類似する属性を有する類似人物の取引情報を取得してもよい。属性とは、年収、年齢、または趣味等の人の特徴を意味する。類似人物の取引情報も、サーバ3が備える記憶部35、または外部サーバ5から取得される。
【0016】
ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合、取引情報取得部321は、ユーザA1とユーザA2を含む共同ユーザの取引情報を取得する。共同ユーザの取引情報は、サーバ3が備える記憶部35、または外部サーバ5から取得される。取引情報取得部321は、共同ユーザの全員または一部の者に類似する類似人物の取引情報を取得してもよい。
【0017】
取引情報取得部321は、取得した取引情報を、支出算出部322およびベンチマーク算出部323へ供給する。一例として、取引情報取得部321は、取得した取引情報のうち、第1の期間、例えば今月の取引情報を支出算出部322へ供給し、第1の期間より前、例えば前月までの取引情報をベンチマーク算出部323へ供給する。他の例として、取引情報取得部321は、取得した取引情報のすべてを、支出算出部322およびベンチマーク算出部323のいずれにも供給する。
【0018】
(支出算出部)
支出算出部322は、取得した取引情報に基づいて、ユーザAの第1の期間における第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する機能部である。ユーザAとして、ユーザA1およびユーザA2が含まれる場合には、ユーザA1およびユーザA2の、第1の期間における第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する。第1の期間とは、例えば、1月(one month)である。参照時点とは、例えば現在時点であるが、第1の期間の開始時点よりも後であって、且つ現在時点よりも前の任意の時点でもよい。現在時点よりも前の時点を参照することにより、過去の時点における支出を評価することが可能となる。支出算出部322は、取得した取引情報に基づいて、第1の期間の開始時点から参照時点までに支出された金額を積算することにより、第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する。なお、取引情報には、連携取引情報が含まれる。
【0019】
支出算出部322は、参照時点として、不図示のカレンダ機能部から取得した現在時刻を用いてもよいし、現在時刻が属する日を用いてもよい。また、端末装置2から参照時点を示すデータがサーバ3へ送信された場合には、送信されたデータにより示される時点を参照時点としてもよい。
【0020】
ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合、支出算出部322は、第1の期間の開始時点から参照時点までのユーザA1の支出金額と、第1の期間の開始時点から参照時点までのユーザA2の支出金額とを合算することにより、第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する。共同ユーザにユーザA1とユーザA2以外の者が含まれる場合には、同様にして合算をする。
【0021】
支出算出部322は、算出した支出を、表示コンテンツ生成部324へ供給する。
【0022】
(予算取得部)
予算取得部326は、ユーザAの第1の期間についての予算を取得する機能部である。第1の期間は、典型的には予算の期間と対応する。端末装置2がユーザAにより入力された予算をサーバ3へ送信し、サーバ3の予算取得部326が通信部33を介してユーザAにより入力された予算を取得する。予算取得部326は、取得した予算を、ベンチマーク算出部323へ供給する。
【0023】
ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合、予算取得部326は、ユーザA1とユーザA2を含む共同ユーザの全員についての予算を取得する。共同ユーザの全員についての予算は、共同ユーザの各人が自身のために設定する予算を合算したものでもよいし、共同ユーザのいずれか1人が共同ユーザの全員について設定する予算であってもよい。
【0024】
(ベンチマーク算出部)
ベンチマーク算出部323は、一側面において、取得した取引情報に基づいて、ユーザAの第1の期間の開始時点から参照時点までの支出の基準としてのベンチマークを算出する。第1の期間が1月(one month)である場合、算出の基礎とする取引情報には、ユーザAの前月の支出実績若しくは前月までの過去の平均支出実績、または類似人物の前月の支出実績若しくは前月までの過去の平均支出実績が含まれる。「前月までの過去の平均支出実績」の例には、直近3カ月の平均、直近半年の平均、または前年同月比平均が含まれる。これらの実績は、時系列データとしての実績であってもよい。ベンチマーク算出部323は、参照時点を、支出算出部322と同様にして取得する。
【0025】
ベンチマーク算出部323は、ベンチマークを、第1の期間よりも短い第2の期間を単位として算出する。具体的には、ベンチマーク算出部323は、第1の期間である予算を設定する期間よりも短い期間を単位としてベンチマークを算出する。 第1の期間が1月である場合、1月よりも短い期間の例には、2週(two weeks)、1週(one week)または1日(one day)が含まれる。このように、ベンチマークを第1の期間よりも短い第2の期間を単位として算出することにより、第2の期間を単位として支出をベンチマークと詳細に比較することが可能となる。
【0026】
一例として、前月が31日からなり、今月も31日からなる場合、前月の支出実績をそのまま用いて、前月の初日(例えば、7月1日)から、今月の参照時点(例えば、8月21日)に対応する前月における対応時点(例えば、7月21日)までの支出をベンチマークとする。
【0027】
一例として、前月が31日からなり、今月が28日からなる場合(集計対象月に存在しない日付が生じる場合)、前月の支出実績を修正して、ベンチマークを算出する。例えば、前月の最終日までの支出合計値を、今月の最終日のベンチマークの算出の基礎として使ってもよい。より具体的には、今月が2月(February)のとき、2月28日のベンチマークとして1月1日から1月31日までの支出合計値を用い、1月28日~1月30日の各日までの支出合計値は用いない。修正方法は、この例に限られず、他の修正方法であってもよい。例えば、前月の初日(例えば、1月1日)から、今月の参照時点(例えば、2月15日)に対応する前月における対応時点(例えば、1月15日)までの支出実績に対し、28/31を乗算して得られる金額をベンチマークとしてもよい。
【0028】
一例として、前月が28日からなり、今月が31日からなる場合(前月に存在しない日付が生じる場合)、前月の支出実績を修正して、ベンチマークを算出する。例えば、3月29日~3月31日の各日についてのベンチマークを算出する基礎として、2月28日の支出を用いてもよい。
【0029】
算出するベンチマークは、時間の経過に対して線形でなくてもよい。例えば、ユーザAの前月の支出実績をベンチマークとする場合、前月の支出を前月の総日数で除算し、1日当たりの平均支出を算出しなくてもよい。人は毎日同じ金額が費やすわけではなく、週末には平日よりも多くの金額を費やす等の何らかの傾向が支出には伴うと考えられるからである。したがって、算出するベンチマークは、
図5において右肩上がりの破線で示されたベンチマークのように、時間の経過に対して傾きが一定でなくてよい。
【0030】
ベンチマーク算出部323は、一側面において、ベンチマークを、取引情報に加えて、予算取得部326から供給されるユーザAの予算に基づいて算出してもよい。例えば、前月の支出実績が20万円で、今月の予算が15万円の場合、前月の時系列データとしての支出実績を0.75倍(15万/20万)することによりベンチマークを算出してもよい。このように、ベンチマーク算出部323は、ユーザAの過去の支出と、取得したユーザAの予算とに基づいてベンチマークを算出する。ユーザAの過去の支出に代えて、類似人物の過去の支出を用いてもよい。
【0031】
取引情報取得部321から類似人物の取引情報が供給される場合、ベンチマーク算出部323は、取得した類似人物の取引情報に基づいて、ユーザAのためのベンチマークを上述の手法と同様に算出してもよい。類似人物の取引情報には、前記第1の期間よりも前の、類似人物の過去の取引情報が含まれる。
【0032】
ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合、取得したユーザA1の取引情報とユーザA2の取引情報とに基づいて、ユーザA1とユーザA2のためのベンチマークを上述の手法と同様に算出する。ユーザA1の取引情報だけでなく、ユーザA2の取引情報にも、連携取引情報が含まれてよい。
【0033】
ベンチマーク算出部323は、算出したベンチマークを、表示コンテンツ生成部324へ供給する。また、ベンチマーク算出部323は、予算取得部326から取得した予算を、表示コンテンツ生成部324へ供給する。なお、予算は、予算取得部326から表示コンテンツ生成部324へ供給されてもよい。
【0034】
(表示コンテンツ生成部)
表示コンテンツ生成部324は、一側面において、支出算出部322から取得した支出と、ベンチマーク算出部323から取得したベンチマークとを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成する機能部である。また、表示コンテンツ生成部324は、支出算出部322から取得した支出と、ベンチマーク算出部323から取得したベンチマークと、予算取得部326またはベンチマーク算出部323から取得した予算とを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成してもよい。表示コンテンツ生成部324が生成する表示コンテンツの生成例について、
図5~
図7、および
図11を参照して説明をする。なお、表示コンテンツの生成には、グラフ、テキスト等のコンテンツを表示画面として生成する場合はもちろん、グラフ、テキスト等のコンテンツを表示画面に表示するのに必要な情報を生成する場合が含まれる。サーバ3がグラフ、テキスト等のコンテンツを表示画面に表示するのに必要な情報を生成して、生成した情報を端末装置2等の他の装置へ送信し、他の装置がサーバ3により生成された情報に基づいて表示画面を生成してもよい。
【0035】
一例として、表示コンテンツ生成部324は、
図5の表示画面例に表されているような表示コンテンツを生成する。
図5の表示画面例は、2024年1月の予算が180,000円であり、参照時点である2024年1月16日までの1月の支出が82,000円であり、予算から支出を減算した予算残額が98,000円である場合を想定した例である。
【0036】
図5の表示画面例のグラフにおいて、水平な太い実線は予算を表す。この予算を示す実線は、20万の水平線の直ぐ下にあり、設定された予算が20万円よりやや少ない金額であることが視覚的に示されている。参照時点は、右肩上がりの実線の右端の〇により表されている。この右肩上がりの実線は参照時点までの支出を表す。また、右肩上がりの破線はベンチマークを表す。
図5の表示画面例では、参照時点における支出は、ベンチマークと同額であり、支出がベンチマーク以下であることが、グラフにおいて第1の濃度のグレースケールで表されている。
【0037】
グラフの直ぐ上の領域では、以上のグラフで表された情報が、テキストまたは数値により表されている。2024年1月の予算が180,000円であり、2024年1月1日から16日の支出が82,000円であり、予算から支出を減算した予算残額が98,000円であることが示されている。
【0038】
一例として、表示コンテンツ生成部324は、
図6の表示画面例に表されているような表示コンテンツを生成する。
図6の表示画面例は、2024年1月の予算が180,000円であり、参照時点である2024年1月16日までの1月の支出が102,000円であり、予算から支出を減算した予算残額が78,000円である場合を想定した例である。
【0039】
図6の表示画面例では、支出を示す実線が、2024年1月16日におけるベンチマークを上回っていることがグラフにおいて視覚的に示されている。なお、2024年1月16日時点では、支出の102,000円は、1月の予算の180,000円以下である。このように支出がベンチマークを超過し且つ予算以下であることが、グラフにおいて第1の濃度のグレースケールと異なる第2の濃度のグレースケーで表されている。なお、グラフの上の領域における102,000円の数値は、
図5の例における82,000円と異なる色で表示されてもよい。
【0040】
一例として、表示コンテンツ生成部324は、
図7の表示画面例に表されているような表示コンテンツを生成する。
図7の表示画面例は、2024年1月の予算が180,000円であり、参照時点である2024年1月16日までの1月の支出が190,000円であり、予算から支出を減算した予算残額が-10,000円である場合を想定した例である。
【0041】
図7の表示画面例では、支出を示す実線が、2024年1月16日において、ベンチマークだけでなく、予算をも上回っていることがグラフにおいて視覚的に示されている。このように支出が予算を超過していることが、グラフにおいて第1の濃度のグレースケールおよび第2の濃度のグレースケールのいずれとも異なる第3の濃度のグレースケールで表されている。なお、グラフの上の領域における190,000円の数値は、
図5の例における82,000円および
図5の例における102,000円のいずれとも異なる色で表示されてもよい。
【0042】
図5~
図7を対比すると理解できるように、2024年1月の初日から参照時点までについて、グラフの日にちを表す横軸と、右肩上がりの実線とで挟まれた領域は、互いに異なるグレースケールで描かれている。グレースケールに代えて、互いに異なる色で表現されていてもよい。
【0043】
また、表示コンテンツ生成部324は、ユーザ入力により現在時刻よりも過去の時点を参照時点として取得した場合には、
図11に示されているように、その過去の時点を基準として表示コンテンツを生成する。
図11の例では、現在が2024年1月16日の場合において、ユーザ入力により1月14日を参照時点として受け付けたときの表示画面例を示している。
【0044】
このような表示により、ユーザAは、当該月における支出が適切かどうかを把握することができる。
【0045】
表示コンテンツ生成部224は、支出がベンチマークを超過している場合に、その旨を警告するアラート表示を表示するように表示コンテンツを生成してもよい。アラート表示の例には、
図6または
図7の例のように異なる色による表示の他、後述する
図8に示されているアラート表示81、または後述する
図9に示されているアラート表示91が含まれる。
【0046】
表示コンテンツ生成部224は、このようなアラート表示を含む表示コンテンツを生成するとともに、支出がベンチマークを超過していることを示す音声コンテンツを生成してもよい。音声コンテンツの例には、「支出ペースが早いです」という音声であってもよい。
【0047】
表示コンテンツ生成部224は、生成した表示コンテンツを出力部325へ供給する。表示コンテンツ生成部224は、音声コンテンツを生成した場合には、生成した表示コンテンツとともに音声コンテンツを出力部325へ供給する。
【0048】
(出力部)
出力部325は、表示コンテンツ生成部324から取得した表示コンテンツを通信部33へ供給し、通信部33は出力部325から取得した表示コンテンツを端末装置2へ向けて送信する。出力部325が音声コンテンツを取得した場合には、音声コンテンツは表示コンテンツとともに端末装置2へ向けて送信される。対象ユーザが共同ユーザである場合、アラート表示は、共同ユーザの全員に向けて送信されてよい。
【0049】
出力部325は、表示コンテンツ生成部324から取得した表示コンテンツがアラート表示81またはアラート表示91を含む場合に、端末装置2に対してプッシュ通知により通知するようにしてもよい。すなわち、サーバ3は、第2の場合に該当することを報知するアラート表示81またはアラート表示91を、プッシュ通知してもよい。プッシュ通知とは、サーバ3が端末装置2からの要求に対する応答として配信する通知ではなく、サーバ3が予め定められた条件を満たす場合に自発的に配信する通知方法である。サーバ3がプッシュ通知を行うことで、ユーザAは、お金を使い過ぎであること、即ち支出がベンチマークを超過していることを迅速に知ることができる。このようなプッシュ通知がなされることにより、ユーザAは、支出を抑制する対策を取ることができるので、第1の期間全体の支出を予算内に抑えることが可能となる。
【0050】
<変形例1>
(ユーザ入力取得部)
制御部32は、ユーザAにより端末装置2に入力されたユーザ入力を、通信部33を介して取得するユーザ入力取得部327を更に備え、取得したユーザ入力に基づいて種々の処理を行ってもよい。
【0051】
図8~
図10を参照して、一例について説明をする。ユーザ入力取得部327は、ユーザ入力として、支出を管理する対象である管理カテゴリを示す管理カテゴリ情報を取得し、取得した管理カテゴリ情報を、支出算出部322、ベンチマーク算出部323、および表示コンテンツ生成部324へ供給してもよい。この場合、ユーザ入力取得部327は、管理カテゴリ取得部としての側面を有する。
【0052】
支出算出部322は、取引情報取得部321から取得した取引情報のうち、ユーザ入力取得部327から取得した管理カテゴリ情報により示される管理カテゴリの支出を算出する。
図8は、管理カテゴリ情報が「食品」である場合の支出が80,000円であることを示している。
図9は、管理カテゴリ情報が「食品/外食」(食品または外食)である場合の支出が80,000円であることを示している。
【0053】
ベンチマーク算出部323は、取得した取引情報のうち、ユーザ入力取得部327から取得した管理カテゴリ情報により示される管理カテゴリのベンチマークを算出する。算出手法については上述したとおりである。
図8は、管理カテゴリ情報が「食品」である場合のベンチマークが破線のとおりであることを示している。
図9は、管理カテゴリ情報が「食品/外食」である場合のベンチマークが破線のとおりであることを示している。
【0054】
表示コンテンツ生成部324は、
図8または
図9に示されているように、支出算出部322から受け付けた支出およびベンチマーク算出部323から受け付けたベンチマークを表示するコンテンツを生成する。さらに、表示コンテンツ生成部324は、支出がベンチマークを超過していることを示すアラート表示81またはアラート表示91を含むように表示コンテンツを生成してもよい。
【0055】
このように、管理カテゴリ毎に、支出算出部322は支出を算出し、ベンチマーク算出部323はベンチマークを算出し、表示コンテンツ生成部324は表示コンテンツを生成する。
【0056】
ユーザAによる端末装置2へのユーザ入力は、例えば、
図10に示されているようなタッチ操作可能なユーザインタフェースを、端末装置2の表示部24へ表示し、ユーザAが「通知するカテゴリ」として表示された複数の管理カテゴリの中から少なくとも1つの管理カテゴリを選択することにより行う。
【0057】
また、ユーザ入力取得部327は、ユーザ入力として、支出およびベンチマークの算出に際して算出の基礎に含めない除外対象を示す除外対象情報を取得し、取得した除外対象情報を、支出算出部322およびベンチマーク算出部323へ供給してもよい。この場合、ユーザ入力取得部327は、除外対象取得部としての側面を有する。支出算出部322は、その取得した除外対象を含めないで第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する。ベンチマーク算出部323は、ユーザの過去の取引情報から、その取得した除外対象を含めないでベンチマークを算出する。
【0058】
誕生日のディナー、高額な家電製品、旅行の出費等のイレギュラーなイベントに要する費用は、支出を管理するためのベンチマークに含めない方が適当である場合がある。そこで、イレギュラーなイベントに要する費用を除外してもよい。このような処理を行うために、端末装置2は、例えば、表示部24にユーザAの複数の支出項目を含む支出明細を表示するとともに、各支出項目について、ベンチマークの算出から除外するかどうかを選択可能なアイコンを表示する。端末装置2の操作部21は、ベンチマークの算出から除外するとして選択された除外対象を示す除外対象情報を受け付け、端末装置2は、受け付けた除外対象情報をサーバ3へ送信する。
【0059】
<端末装置の構成>
次に、
図3を参照して、端末装置2の構成について説明をする。
図3に示されているように、端末装置2は、操作部21と、制御部22と、通信部23と、表示部24とを備える。
【0060】
(操作部)
操作部21は、タッチスクリーン等の入力装置により実現され、ユーザAのユーザ入力を受け付ける。ユーザAによるユーザ入力の例には、参照時点を特定する入力、ある月の予算の入力、使い過ぎかどうかを管理したいカテゴリの入力、除外対象の入力が含まれる。操作部21は受け付けたユーザ入力を制御部22へ供給する。
【0061】
制御部22は、端末装置2の全体的な動作を司る他、操作部21から受け付けるユーザ入力を、通信部23を介してサーバ3へ送信する。また、制御部22は、通信部23を介して、サーバ3から表示コンテンツを受信し、受信した表示コンテンツを表示部24へ表示するように表示制御を行う。
【0062】
(通信部)
通信部23は、ネットワークNWを介して端末装置2、店舗端末4、または外部サーバ5と通信が可能な通信装置である。また、通信部23は、店舗端末4において近距離無線通信による決済(NFC決済)が可能な通信機能を備えていてもよい。
【0063】
(表示部)
表示部24は、タッチスクリーン等の出力装置により実現され、表示コンテンツを表示する。
【0064】
<変形例2>
以上の説明では、表示コンテンツの生成等の多くの処理を支出管理装置としてのサーバ3により実現する態様について説明をしたが、それらの処理を端末装置2において実行してもよい。すなわち、端末装置2は、以下で説明する処理を行うアプリケーションプログラムをサーバ3からダウンロードして、サーバ3の32が実現する処理をローカルで行ってもよい。この変形例2による態様では、端末装置2が支出管理装置に相当する。
【0065】
このように処理をローカルで行うために、
図4に示されているように、端末装置2は、
図3の場合と同様に、操作部21と、制御部22と、通信部23と、表示部24とを備えることに加え、取引情報等の種々のデータを記憶する記憶部25を更に備える。
【0066】
また、
図4に示されているように、端末装置2の制御部22は、取引情報取得部221と、支出算出部222と、予算取得部226と、ベンチマーク算出部223と、表示コンテンツ生成部224と、出力部225とを備える。また、制御部22は、ユーザ入力取得部227を備えていてもよい。これらの機能部が行う機能は、サーバ3の取引情報取得部321、支出算出部322、予算取得部326、ベンチマーク算出部323、表示コンテンツ生成部324、出力部325、およびユーザ入力取得部327と同様であるので、重複する説明を省略する。なお、変形例2においては、出力部325から出力される表示コンテンツは表示部24へ供給され、表示部24において表示コンテンツが表示される。
【0067】
<ハードウェア構成>
次に、
図12Aおよび
図12Bを参照して、サーバ3および端末装置2のハードウェアの構成例について説明する。サーバ3の制御部32、および端末装置2の制御部22は、処理回路(processing circuitry)により実現される。処理回路(processing circuitry)は、
図12Aに示されているような専用の処理回路(processing circuit)100aであっても、
図12Bに示されているようなメモリ100cに格納されるプログラムを実行するプロセッサ100bであってもよい。
【0068】
処理回路(processing circuitry)が専用の処理回路100aである場合、専用の処理回路100aには、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)が含まれる。
【0069】
処理回路(processing circuitry)がコンピュータとしてのプロセッサ100bの場合、サーバ3の制御部32、および端末装置2の制御部22により実現される機能はプログラムとして記述され、プログラムはメモリ100cに格納される。プロセッサ100bは、メモリ100cに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、当該制御部32または制御部22の機能を実現する。メモリ100cの例には、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(erasable programmable read only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが含まれる。
【0070】
<動作>
次に、
図13を参照して、サーバ3、または
図4に示された端末装置2の動作について説明する。
【0071】
(ステップST1)
ステップST1において、取引情報取得部321または取引情報取得部221は、ユーザAの取引情報を取得する。取引情報取得部321または取引情報取得部221は、ユーザAの属性に類似する属性を有する類似人物の取引情報を取得してもよい。取引情報取得部321または取引情報取得部221は、ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合には、共同ユーザの全員の取引情報を取得してもよい。
【0072】
なお、ステップST1とパラレルに行われる不図示のステップを設けて、予算取得部326または予算取得部226が、ユーザAの第1の期間についての予算を取得してもよい。ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合、予算取得部326または予算取得部226は、ユーザA1とユーザA2を含む共同ユーザの全員についての予算を取得する。
【0073】
(ステップST2)
ステップST2において、支出算出部322または支出算出部222は、取引情報取得部321または取引情報取得部221により取得された取引情報に基づいて、ユーザAの第1の期間における第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する。支出算出部322または支出算出部222は、ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合、第1の期間の開始時点から参照時点までのユーザA1の支出金額と、第1の期間の開始時点から参照時点までのユーザA2の支出金額とを合算することにより、第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する。
【0074】
(ステップST3)
ステップST2とパラレルに行われるステップST3において、ベンチマーク算出部323またはベンチマーク算出部223は、取引情報取得部321または取引情報取得部221により取得された取引情報に基づいて、ユーザAの第1の期間の開始時点から参照時点までの支出の基準としてのベンチマークを算出する。取引情報取得部321または取引情報取得部221から類似人物の取引情報が供給される場合、ベンチマーク算出部323またはベンチマーク算出部223は、取得された類似人物の取引情報に基づいて、ユーザAのためのベンチマークを算出してもよい。ユーザA1とユーザA2が共同ユーザである場合、ベンチマーク算出部323またはベンチマーク算出部223は、取得されたユーザA1の取引情報とユーザA2の取引情報とに基づいて、ユーザA1とユーザA2のためのベンチマークを算出する。
【0075】
(ステップST4)
ステップST4において、表示コンテンツ生成部324または表示コンテンツ生成部224は、支出算出部322または支出算出部222により算出された支出と、ベンチマーク算出部323またはベンチマーク算出部223により算出されたベンチマークとを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成する。また、ユーザAの予算が取得された場合には、表示コンテンツ生成部324または表示コンテンツ生成部224は、支出算出部322または支出算出部222により算出された支出と、ベンチマーク算出部323またはベンチマーク算出部223により算出されたベンチマークと、予算取得部326または予算取得部226により取得された予算とを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成してもよい。
【0076】
(ステップST5)
ステップST5において、出力部325は、表示コンテンツ生成部324により生成された表示コンテンツを通信部33へ供給し、通信部33は出力部325から取得した表示コンテンツを端末装置2へ向けて送信する。端末装置2により受信された表示コンテンツは、表示部24により表示される。
【0077】
ステップST5において、出力部225が、表示コンテンツ生成部224により生成された表示コンテンツを表示部24へ出力してもよい。表示部24は、表示コンテンツ生成部224により生成された表示コンテンツを生成する。
【0078】
なお、実施形態を組み合わせたり、各実施形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本開示における支出管理装置の例であるサーバ3は、支出管理サービスの提供を受けるユーザの支出を管理するための装置として用いることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 支出管理システム、2(2A1、2A2) 端末装置(支出管理装置)、3 サーバ(支出管理装置)、4 店舗端末、5 外部サーバ、21 操作部、22 制御部、23 通信部、24 表示部、25 記憶部、32 制御部、33 通信部、35 記憶部、81 アラート表示、91 アラート表示、100a 処理回路、100b プロセッサ、100c メモリ、221 取引情報取得部、222 支出算出部、223 ベンチマーク算出部、224 表示コンテンツ生成部、225 出力部、226 予算取得部、227 ユーザ入力取得部、321 取引情報取得部、322 支出算出部、323 ベンチマーク算出部、324 表示コンテンツ生成部、325 出力部、326 予算取得部、327 ユーザ入力取得部。
【要約】 (修正有)
【課題】支出を詳細に評価することを可能とする支出管理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】端末装置、サーバ及びび店舗端末がネットワークを介して接続された支出管理システムにおいて、支出管理装置としてのサーバ3は、対象ユーザの取引情報を取得する取引情報取得部321と、その取得した取引情報に基づいて、対象ユーザの第1の期間における前記第1の期間の開始時点から参照時点までの支出を算出する支出算出部322と、対象ユーザの前記開始時点から前記参照時点までの支出の基準としてのベンチマークを算出するベンチマーク算出部323と、その算出した支出と、その算出したベンチマークとを比較した結果である比較結果を含む表示コンテンツを生成する表示コンテンツ生成部324と、その生成した表示コンテンツを出力する出力部324と、を備える。
【選択図】
図2