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特許7624683多発性硬化症の治療における制御性T細胞の髄腔内投与
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】多発性硬化症の治療における制御性T細胞の髄腔内投与
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20250101AFI20250124BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
A61K35/17
A61P25/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022534320
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 PL2020000094
(87)【国際公開番号】W WO2021118374
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】P.432200
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(73)【特許権者】
【識別番号】522059461
【氏名又は名称】グダニスキ ウニバルステット メディッチニー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】トゥロンコフスキー、ピオット
(72)【発明者】
【氏名】チョウォジニック、カミル
【審査官】六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0170176(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165007(US,A1)
【文献】国際公開第2015/187101(WO,A1)
【文献】特表2018-518975(JP,A)
【文献】国際公開第2017/105265(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00-35/768
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多発性硬化症における臨床使用のための、CD3+CD4+CD25+CD127-制御性T細胞からなる医薬製品であって、前記医薬製品は髄腔内投与されるものである、医薬製品
【請求項2】
多発性硬化症の治療のための髄腔内投与用の医薬製品の調製のための、CD3+CD4+CD25+CD127-制御性T細胞の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多発性硬化症の治療における制御性T細胞の髄腔内投与
【0002】
本発明は、治療における臨床使用のための、CD3+CD4+CD25+CD127-制御性T細胞からなる医薬製品に関するものである。本製品は、多発性硬化症の治療において髄腔内投与される。
【背景技術】
【0003】
多発性硬化症(MS)は、ミエリン鞘に感作された自己免疫性T細胞(Tconvs)が血液脳関門を破壊し、中枢神経系(CNS)のニューロンを破壊する免疫介在性疾患である。CD4CD25highCD127-FoxP3制御性T細胞(Tregs)は、Tconvsに作用する抑制活性により、この破壊を阻害する可能性があると仮説が立てられる。
【0004】
Tregsリンパ球は末梢血リンパ球全体の約1%を占めるが、自己の組織の耐性を維持するために重要である。制御性T細胞の欠如は、X連鎖性免疫不全症候群、多発性内分泌障害および腸疾患(IPEX)の患者の場合に見られるように、多くの自己免疫疾患および過敏症を引き起こす。このような自己免疫症候群のひとつに多発性硬化症もある。
【0005】
Tregリンパ球は、ステロイドとして炎症反応を抑制し、免疫抑制的に作用することから、「インテリジェント ステロイド(intelligent steroids)」と呼ぶことができるが、対照的に、Treg細胞の生理的抑制効果は、病理学的反応(例えば、自身の組織に対して向けられる)のみに関係するものである。本発明者らの観察を含む臨床試験の結果から、Tregリンパ球による治療が安全であり、外来および危険な抗原(ウイルス、細菌、がん細胞)に対する免疫応答を損なわないことが示されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 欧州特許出願公開第3131560号明細書
(特許文献2) 国際公開第2017/105265号
(特許文献3) 国際公開第2018/024895号
(特許文献4) 米国特許出願公開第2014/170176号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) N.MAREK-TRZONKOWSKA ET AL,"Administration of CD4+CD25highCD127- Regulatory T Cells Preserves ?-Cell Function in Type 1 Diabetes in Children", DIABETES CARE,Vol.35,No.9,20 June 2012 (2012-06-20),page 1817-1820
【発明の概要】
【0006】
本発明は、CD3+CD4+CD25+CD127-制御性T細胞からなる医薬製品の髄腔内注射による投与方法を提供するものである。
【0007】
本発明の対象は、CD3+CD4+CD25+CD127-制御性T細胞からなる医薬製品である。
【0008】
本製品は、多発性硬化症と診断された患者の治療のために、髄腔内投与される。
【0009】
本製品は、髄腔内投与される。
【0010】
本製品は、多発性硬化症に投与される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1-本試験における臨床結果を示す。 患者は試験全体を通して、プロトコルで計画された神経学的検査を受けた。生活の質はEQ.-5D質問票(EQ-5D)で評価され、身体的/神経学的状態は、EDSSスケールとMSFCスケールのコンポーネントであるTimed 25-Foot Walk(FWT)、利き腕(9-HPT P)および非利き腕(9-HPT L)9ホールペグテスト、ペース型聴覚連続加算テスト(PASAT)によってモニターした。スコアは中央値(最小値-最大値)で静脈内投与と髄腔内投与の患者を分けて追跡調査を通して示され、ドットは生データを表す。 図1S-CONSORTフローチャートを示す。
図2図2-MRIを使用したCNSの疾患の進行を示す 患者は試験全体を通して、プロトコルで計画されたMRI検査を受けた。最も重要な変化は、FLAIR配列のプラークの総体積、FLAIR配列上の最も大きな5つのプラークの体積、およびプラーク数の変化の指標として示される。「y」軸の変化指標は、‘0’日(Treg投与直前)を‘I00’とし、それ以降の検査での変化量を比例して算出した。造影増強病変の値の変化と微小出血の数は絶対数で示した。静脈内投与と髄腔内投与の患者について、追跡期間中の指標と絶対値を別々に中央値(最小値-最大値)で示し、ドットは生データを表す。グループ間の差は線で結びアスタリスク(*)でマークされ、特定グループの経時的変化は線で結びハッシュ(#)でマークされる。 図2S-MRIを使用したCNSの疾患の進行に関する追加データを示す。 患者は試験全体を通して、計画されたMRI検査を受けた。チャートは、試験期間中のCNS(灰白質、白質、脳、脳皮質、脳実質、脳脊髄液)の特定の構造の体積の変化と灰白質と白質のT1低強度を示している。データは、「y」軸の変化の指標として表され、‘0’日目からの変数の個々の値を‘I00’として扱い、以下の検査での変化を比例して計算される。指標は、追跡期間中、静脈内投与と髄腔内投与の患者を分けて中央値(最小値-最大値)で表示し、ドットは生データを表す。
図3図3-試験全体を通してのTregとTconvのレベルを示す フローサイトメトリー解析、代表的なフローヒストグラムとゲーティング戦略[A]。フローデータの解析は、前方対側方散乱ドットプロットとリンパゲート(PI)の生成から開始された。これを用いて、CD3対CD4のドットプロットとCD3+CD4+T細胞ゲート(P2)を作成した。このゲートは、Treg細胞(左欄のドットプロット)とCD4+Tconv細胞(右欄のドットプロット)を解析するために使用された。CD127-CD25high細胞をカバーするTregゲート(P3左欄)を確立し、このゲートにおけるFoxP3の発現をFoxP3対Heliosドットプロットで確認し、これを用いて3つのゲート(全Tregs FoxP3+(P4左欄)、胸腺tTregs FoxP3+Helios+(P5)および末梢pTregs FoxP3+Helios-(P6))を作成した。すべてのTreg(CD3CD4CD25highCD127 FoxP3)、胸腺tTreg(CD3CD4CD25highCD127 FoxP3Helios)、末梢pTreg(CD3CD4CD25highCD127-FoxP3 Helios)のレベルはチャート[B]に示されている。さらにCD62L対CD45RAのドットプロットはTregFoxP3+ゲートとTconvFoxP3-ゲートを作成してナイーブ細胞/メモリー細胞の割合を評価した。Treg(CD3CD4CD25highCD127-FoxP3)およびTconvs(CD3CD4CD25low/--CD127FoxP3-)内のTn(CD62LCD45RA-Q2)、Tcm(CD62LCD45RA-Q1)、Tern(CD62LCD45RA--Q3)のレベルはチャート[C]に示した。以下のマーカー:CCR10、CXCR4、CCR4、CD103、CCR8、CD18、CD39、CD73、CTLA-4、PD-1、4-1BBおよび0X40を発現するTreg FoxP3+の割合は、3つのTregゲート全て(P4からP6-[A]の左欄ヒストグラム)から分析された。ヒストグラムの例は、CD39発現の解析([A]の左欄ヒストグラムのQ2-1象限)を示しているが、他のマーカーについても同じことが実行された。Treg解析のために取得したファイルを用いて、Tconv細胞における同じマーカーの発現も評価した。Tconvは、もともとTreg解析に用いたP3ゲートとP4ゲートの位置を反転させることで検出された。CD127+CD25low/-細胞をカバーするTconvゲート([A]のP3右欄ヒストグラム)が確立され、このゲートにおけるFoxP3の欠如がFoxP3対Heliosのドットプロットで確認され、これを用いてTconv FoxP3-ゲート([A]のP4右欄ヒストグラム)を生成した。以下のマーカー:CCR10、CXCR4、CD103、CCR8、CD18、CD39、CD73、CTLA-4、PD-1、4-1BBおよび0X40を発現するTconvの割合を、右欄ヒストグラムP4ゲートから分析した。この例は、CD39発現の解析を示す([A]の右欄ヒストグラムのQ2-1象限)。マーカーを発現しているTregとTconvのレベル(P4ゲートから)をヒートマップとして示した。クラスタのツリーは、TregsとTconvsの間で対照的な発現をするマーカーを見つけるために並べられた[ヒートマップD、詳細なレベルは図3Sにも記載されている]。同様のクラスタリング解析は、胸腺tTregs([A]の左欄ヒストグラムのP5からのCD3+CD4+CD25highCD127-FoxP3+Helios+)と末梢pTregs([A]の左欄ヒストグラムのP6からのCD3+CD4+CD25highCD127-FoxP3+Helios-)を比較して対比した[ヒートマップE]。[A]に示すフロー解析における正のシグナルのカットオフは、アイソタイプコントロールと蛍光マイナス1(FMO)ゲーティングに基づいて確立された。矢印はゲーティングの階層を示す。特にドットプロットでは、集団を明確に示すために、ドット数を減らした。フローサイトメーターは、独立したサービスオペレーターによって操作上認定され(OQ)、CS&Tビーズ(BDBioscience,米国)を用いて定期的に品質管理を行った。チャート[B]および[C]では、Tregs製剤投与時(‘0’日目)、投与後+3、+6、+12ヶ月目の細胞の割合を、/V.グループ及びtc.グループに分けて示している。結果は中央値(最小値-最大値)で示し、ドットは生データを表す。図中のアスタリスク[*]は、有意差を示す。 図3S-試験全体を通してのTregとTconvのサブセットのレベルを示す(図3のヒートマップに対応するパーセンテージ値) A.ケモカイン受容体またはインテグリンを発現するTregおよびTconvのサブセットの割合は、Treg製剤投与時(‘0’日目)、投与後+3、+6、および+12ヶ月目に各試験グループについて別々に示されている。Tregs(CD3CD4CD25highCD127-FoxP3)およびTconvs(CD3CD4CD25low/-CD127FoxP3)内のCCR10、CXCR4、CCR4、CD103、CCR8およびCD18細胞の割合を示している。結果は中央値(最小値-最大値)で示し、ドットは生データを表す。 B.Tregの機能に重要な受容体や他の分子を発現するTregとTconvsのサブセットの割合は、Treg製剤投与時(‘0’日目)、投与後+3、+6、+12ヶ月目に、各試験グループ別に示されている。Tregs(CD3CD4CD25highCD127-FoxP3)およびTconvs(CD3CD4CD25low/-CD127FoxP3)内のCD39、CD73、CTLA-4、PD-1、4-lBBおよびOX40細胞の割合を示している。結果は中央値(最小値-最大値)で示し、ドットは生データを表す。 C.tTregs(CD3CD4CD25highCD127 FoxP3Helios)とpTregs(CD3CD4CD25highCD127 FoxP3Helios)のサブセットは、試験グループごとにTregs製剤投与時(0日)、投与後+3、+6および+12ヶ月目に分けて表示されている。有意差のあるサブセット:CCR10、CD103、CD39、CD73およびCTLA-4のみを示す。結果は中央値(最小値-最大値)で表示され、ドットは生データを表す。
図4図4-試験全体を通しての血清サイトカインレベルを示す Tregを静脈内または髄腔内に注射した患者の血清中のサイトカインレベルをヒートマップとして示した。クラスタのツリーは、これら2つの患者グループの間でレベルが対照的なサイトカインのクラスタを見つけるために並べられた(詳細なレベルは図4Sにもある)。サイトカインのレベルは、各試験グループについて、Tregs製剤投与時(‘0’日目)、投与後14日目、+3日目、+6日目、+9日目、+12ヶ月目に分けて表示した。アスタリスク[*]は、これらの2つの患者グループの間でレベルが有意に異なっていたサイトカインを示す。 図4S-試験全体を通しての血清サイトカインレベルを示す(図4のヒートマップに対応する割合値) 患者血清中のサイトカインレベルは、Tregs製剤投与時(‘0’日目)、投与後14日目、3日目、6日目、9日目、12ヶ月目に、各試験グループ別に示した。グループ間で有意にレベルが異なるサイトカインは、太字で表示されている。これらは、TGFアルファ、および炎症に関連するMCP3、CXCL8、IL1RAを含む。結果は中央値(最小値-最大値)で表示され、ドットは生データを表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、これらはその限定ではない。
【0013】
本試験のプロトコル
本試験はヘルシンキ宣言の原則に従って実施された。プロトコルはEudraCTデータベースに2014-004320-22の番号で登録され、グダニスク医科大学の施設審査委員会から承認を受けた(第NKBBN/414/2012およびNKBBN/414-163/2017)。医療処置を開始する前に、募集時に参加者全員から書面によるインフォームドコンセントを得た。
【0014】
14名のMS患者(18~55歳)が、Tregを静脈内投与(iv.n=11)または髄腔内投与(tc.n=3)する2グループに分けられた(表1および図IS)。iv.グループから1名の患者が追跡期間中に妊娠したため、試験から脱落した。参加基準は以下の通り:再発寛解型MS(McDonalds基準または改訂McDonald基準による診断)で、過去1年間に少なくとも1回の再発、または過去2年間に少なくとも2回の再発があり、拡張障害状態スケール(EDSS)が最大4点、書面によるインフォームドコンセントが可能で、採血のための静脈アクセスが適切にできることであった。最も重要な除外基準は、Tregs製剤投与の6ヶ月前までに投与されたインターフェロンベータを含む免疫抑制剤であった。唯一の例外は、再発の治療としてのみ投与可能なグルココルチコイドであった。その他の除外基準は以下の通りである:他の自己免疫疾患;診断された免疫不全;B型肝炎、C型肝炎、HIV、結核(TB)、全身性真菌症を含む活動性感染症の存在または既往;悪性腫瘍の既往;診断された血球減少症;血栓活性の上昇または過去の血栓症の既往;組み入れ前の過去2年間の心血管イベントによる入院;鬱血乳頭と定義した頭蓋内圧亢進;網膜症;動脈性高血圧症;マクロアルブミン尿症の存在または既往;手順に関連する患者の過度の不安;治験責任医師が本試験への安全な参加を妨げると考える医学的状態;既知の活発なアルコールまたは薬物乱用;妊娠検査陽性(女性被験者の場合);試験中および適切な場合は中止後4ヶ月間、有効な避妊手段を用いることを望まない;試験中または適切な場合は中止後4ヶ月以内に、生殖の意思があること(男性被験者の場合)。
【0015】
追跡調査はTreg投与時("0"日目)に開始し、投与後+14日目、+3ヶ月目、+6ヶ月目、+9ヶ月目、および+12ヶ月目の訪問で、12ヶ月間続いた。測定された終了点は、治療の副作用の量と強さ、年間の再発回数、EDSSスケールの少なくとも1点の悪化、多発性硬化症機能複合(MSFC)スケールの変化、MAGNIMS 2015コンセンサスによるMRIの変化、生活の質(QOL)質問票、末梢血リンパ球免疫表現型、および血清サイトカインレベルの変化を含む。
【表1】
【0016】
Tregの製造および投与
Tregの調製は、これまでの試験と同様にGMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)条件下で製造した[10-13]。
【0017】
患者の静脈末梢血(450ml)から、HEPA封入型FACSソーター(Influx,BDBioscience,米国)で交換滅菌サンプルラインを用いて、以下の表現型のCD3CD4CD25highCD127 lin doubletに細胞を分離した。ソート自体は、Miltenyi Biotec(ドイツ)のGMPグレードモノクローナル抗体(蛍光色素/クラス/クローン):抗CD4(Vio-blue、IgG1、M-T466)、抗CD25(PE、IgG1、3G10)および抗CD127(APC、IgG1、MB15-18C9)による細胞の染色とゲーティングに基づいていた。ソート後のTreg純度の平均は「98%」(範囲97~100%)であった。さらに、BDBiosciences(ポーランド)のモノクローナル抗体:(蛍光色素/クラス/クローン):抗CD3(PacificBlue、IgG1、UCHT1)、抗CD4(V-500、IgG1、RPA-T4)、抗CD8(PerCP IgG1、SKI)、抗CD19(PerCP、IgG1、4G7)、CD14(PerCP、lgG2b、MfR9)、抗CD16(PerCP-Cy5.5、IgG1、3G8)、抗CD25(PE、IgG1、M-A251)、および抗CD127(APC、IgG1、hlL-7R-M21)を用いて、Tregのソート後のサンプルから表現型および不純物を確認した。
【0018】
静脈内投与では、臨床グレードの抗CD3/抗CD28ビーズ(Miltenyi Biotec)、インターロイキン2(aldesleukin、Novartis)、不活性化自己血清を使用して最大14日間Tregの増殖を行った[中央値(最小-最大)=11(10-14)]。培地(X-Vivo20、Lonza)は、増殖の全期間を通じて、10%血清および1000Ul/mlのIL2を補充した。ビーズは、膨張の初期に1:1の比率で細胞に加え、その後、+7、+8、+9日目の継代中に1:1の比率を回復させた。ビーズから培養物を洗浄し、10%血清と低レベルのIL2(100Ul/ml)中で培養の最後の24~48時間放置した。自己CD4+Tconvsを用いたセンチネル培養は、機能試験用のTレスポンダーの供給源として、10%血清と低レベルのIL2(100Ul/ml)で行った。放出時の最終生成物は、FoxP3発現を90%以上[中央値(最小-最大)=91%(90-97)];CD62L発現を80%以上[中央値(最小-最大)=87%(81-95)];IFNy抑制アッセイを通過し、微生物検査は陰性であった。培養物の品質管理は、+7日目および生成物放出時に実施した。IFNy抑制アッセイは、以前に記載されたように実施した[14]。簡単に説明すると、増殖培養物からのTregのサンプル(ビーズから洗浄し、少なくとも24時間静置する)を、自己センチネルTconv細胞と1:1の比率で共培養した。対照は、IFNyを産生するように刺激した、または刺激していないTconvsまたはTregsのみの培養物から構成された。アッセイ直前に、TconvsをTregsと区別するために細胞トレーサーCFSE(CFDA kit Thermo,米国)で染色し、アッセイ終了時にIFNy陽性TregとTconvsの比率を別々に示すことができた。培養物の刺激と染色は、細胞内染色キット(BDBiosciences、ポーランド)を用いて、製造元の説明に従って行った。培養物を50ng/mlのホルボール12-ミリスタート13-アセタート、500ng/mlのイオノマイシン(Sigma,ポーランド)および2μl/mlのサイトカイン漏出阻害剤GolgiPlug(BDBiosciences,ポーランド)で5時間刺激した。その後、細胞を抗IFNy抗体で染色した。このアッセイのポジティブな読み出しは、Tconvsのみの培養物におけるIFNyの産生と比較した場合、Tregと共培養したTconvsによるIFNy産生の少なくとも25%[中央値(最小-最大)=69%(52-95)]の抑制であった。TregによるIFNyの産生は、細胞の2%を超えることはなかった。微生物の安全性は、増殖培地の上清の微生物学的培養結果が陰性であること(BD Bactec system、BDBiosciences、Europe)、増殖培地の上清のエンドトキシン検査が陰性であること(Endosafe-PTS Endotoxin Cartridge/Cartridge reader,Charles River,米国)、増殖培地の上清のグラム染色陰性(Gram Stain Kit,BDBiosciences,Europe)、生成物中にHBV、HCV、HIV-1およびHIV-2の遺伝物質がないこと(Cobas MPX,Roche,Europe)により確認された。また、すべての微生物の放出後の結果が陰性であることが確認されるまで、製品への汚染の可能性に関連した有害な症状がないか、患者を追跡調査した。すぐに使用できるTregの調製物は、組織確立からの放出後2時間以内に投与する必要があった。最終用量は40x10のTregs/kg b.w.であった。放出後、調製物を完全に洗浄し、250mlの注射用0.9% NaCI(Polfa,ワルシャワ)に懸濁し、患者にゆっくりと静脈内投与した。
【0019】
髄腔内投与患者に対しては、1mln(1x10)の新鮮な単離Treg(増殖なし)を上記の放出基準に従って調べた後、10mlの0.9%NaCIに懸濁させた。その後、穿刺針によるL4/L5またはL5/S1腰椎穿刺時に緩徐に注射投与した。注射後6時間のベッド・レジメンがあった。
【0020】
臨床評価
訪問先での定期的な身体的/神経学的検査とは別に、患者は認定神経内科医によるEDSSおよびMSFCスケール[15]に従って疾患の進行をモニターし、EQ-5D質問票[16]に従ってQOLをモニターされた。以下の臨床検査が実施された(有意に異常な値のみ示す):全血球計算、代謝、腎臓および肝臓パネル、C反応性タンパク質レベル、尿検査。
【0021】
MRI評価
脳のMRIは、MAGNIMS 2015標準プロトコルに従って実施した(3D Tl強調、3D T2-FLAIR、3D T2強調、および単回投与後のガドリニウム造影Tl強調画像、すべてノンギャップ切片厚<3mm、DWIシーケンス(<5mm切片厚、1,5 Tesla Magnetom Aera、Siemens、ドイツ))。MRIは投与後+3ヶ月、+6ヶ月、+12ヶ月の診察時に実施された。病変とその進行の評価はBrainMagixソフトウェア(Brussels,ベルギー)とPhilips Interspace Portal 10を用いて行い、プラークと造影増強プラークの総数を2人の観察者がカウントした。
【0022】
免疫応答
末梢血中のCD3CD4CD25highCD127-FoxP3 TregsとCD3CD4CD25low/-CD127 FoxP3-Tconvsを追跡するために10色パネルを用いて免疫表現型分類が行われた。両方の集団において、これらのサブセットの機能にとって重要な抗原の発現を追跡した。特に、ナイーブ/メモリーサブセットの割合を以下の表現型:ナイーブ/Tn(CD62LCD45RA)、セントラルメモリー/Tcm(CD62LCD45RA)、およびエフェクターメモリー/Tem(CD62L CD45RA)に基づいて決定した。CD3CD4CD25highCD127-FoxP3 Tregsはさらに、転写因子Heliosの発現に基づいて、末梢[pTreg Helios(-)]と胸腺[tTreg Helios(+)]サブセットに分けられた[17](図2S)。
【0023】
この手順では、BDBiosciences(ポーランド)から購入した以下の抗ヒトモノクローナル抗体(蛍光色素/クラス/クローン):抗CD3(PacificBlue/IgG1/UCHTlまたはV500-C/IgG1/クローンSK7)、抗CD4(PerCPまたはAlexaFluor700/IgG1/RPA-T4)、抗CD25(PEまたはBV786/IgG1/M-A251)、抗CD127(FITCまたはBUV737/IgG1/hlL-7R-M21)、抗CD45RA(PE-Cy7/IgG1/L48)、抗CD73(BUV737/IgG1/AD2)、抗CD279(BV605/IgG1/EH12.1)、抗CD137(BV650/lgGl/4B4-l)、抗CD134(BV711/IgG1/ACT35)、抗CD152(BV786/IgG1/BNI3)抗CD18(FITC/IgG1/L130)、抗CD184(PE-CF594/IgG1/12G-5)、抗CD194(BV605/IgG1/lGl)、抗CD39(BV650/IgG1/TU66またはBUV737/IgG1/TU66)およびanti-CD103 (BUV395/IgG1/Ber-ACT8)を使用した。抗CD62L(APC-Cy7/IgG1/3B5)は、Invitrogen(米国)から;FoxP3染色キットおよび抗Helios(eFluor450/IgG1/22F6)は、ebioscience/thermoFisher(米国)から;抗CCR8(PerCP/IgG1/91704)および抗CCRIO(PE/IgG1/314305)は、R&D/Biotechne(英国)から供給された。
【0024】
38種類のサイトカインの血清レベル:IFNアルファ2、IFNガンマ、IL10、IL12p40、IL12p70、IL13、IL15、SCD40L、IL17、IL2、IL1RA、ILlα、ILlbeta、IL3、IL4、IL5、IL6、IL9、TNFアルファ、TNFベータ、EGF、FGF-2、TGF-アルファ、G-CSF、GM-CSF、VEGF、FLT-3L、IL7、エオタキシン、CX3CL-1、CXCL-1、MCP-3、CCL22、IL8、IP-10、MCP-1、MIP-1アルファおよびMIP-1βは、luminex analyzer(Merck,米国)上のBead based Multiplex Assayで測定された。すべてのアッセイは、製造元の説明書に従って実施した。
【0025】
統計解析
データはソフトウェアStatistica 12.0 (StatSoft、ポーランド)を用いて計算した。クラスタ分析は、ClustVisソフトウェア(https://biit.cs.ut.ee/clustvis/#mathematics)で行った。解析はノンパラメトリック検定で行った。P<0.05を統計的に有意とした。
【0026】
結果
1.1.安全性
試験期間中、重篤な有害事象は報告されなかった。Tregを静脈内投与(iv.)した患者では、中等度の有害事象が認められた。最も一般的な副作用は、中枢神経系における病変の再発および進行であった。興味深いことに、Tregsを髄腔内投与(tc.)した患者では、副作用は認められなかった(表2)。
【表2】
【0027】
生活の質の分析では、EQ-5Dフォームを用いた自己評価では、悪化は見られなかった。結果は、追跡期間中を通じて、両グループで同様であった(すべての検定p>0.05、図1)。
【0028】
1.2.有効性-臨床
EDSSスケールで評価した臨床状態には、試験期間を通じてグループ間で差は認められなかった[クラスカル・ウォリス ANOVA:0日目:H=0.18 p=0.66;6m:H=0.36 p=0.54;12m:H=0.029 p=0.86](図1)となった。しかし、EDSSスケールの1年後の悪化は、tc.グループでは0から0.3、iv.グループでは0から1であった。iv.グループでは、10名中3名がEDSSで1点を超える悪化を示した。髄腔内投与グループでは、このような悪化は見られなかった。静脈内投与した5名の患者で合計12回の再発が認められ、その頻度は年間1~3回であった。一方、tc.投与グループでは再発は認められなかった。
【0029】
MSFCスケールを用いて評価した臨床状態は、どのグループでも変化はなく、試験期間中、どのスケール構成要素においてもグループ間で差は認められなかった(すべての検定p>0.05、図1)。
【0030】
1.3.有効性-MRI
MRIの解析では、iv.グループと比較して、tc.グループでは疾患の活動性が低いことが明らかになった(図2)。
【0031】
FLAIR配列では、CNSのプラーク体積は、iv.グループでは増加したが、tc.グループでは変化がなかった[フリードマンのANOVA:iv.:x2=12.79 p=0.005;tc.:x2=4.5 p=0.21]。両グループ間の差は、追跡期間中の6ヶ月と12ヶ月で有意であった[クラスカル・ウォリス ANOVA:3m:H=1.65 p=0.19;6m:1-1=6.14 p=0.013;12m:H=5.33 p=0.047]。また、5つの最大プラークの体積でも差が見られた[クラスカル・ウォリス ANOVA:3m:H=0.01 p=0.91;6m:H=7.77 p=0.005;12m:H=2.34 p=0.067]、および、新しいプラークの数[クラスカル・ウォリス ANOVA:3m:H=3.76 p=0.15;6m:H=5.10 p=0.076;12m:H=4.61 p=0.091]を各グループ間で比較した。興味深いことに、追跡期間中のプラーク総量の増加の原因は、既存の最大プラークの変化[5つの最大プラークからの平均体積に関するフリードマンのANOVA:iv.:x2=3.66 p=0.30;tc.:x2=3.90 p=0.27]ではなく、iv.グループでのプラーク数の増加[プラーク数に関するフリードマンのANOVA:iv.x2=20.77 p=0.0001;tc.x2=5.5 p=0.13]であった。また、iv.グループでは造影増強T1病変が試験終了時に有意に減少した。しかし、tc.グループでは追跡期間中、これらの病変は認められなかった[フリードマンのANOVA:iv.:x2=11.41 p=0.009;tc.:全数‘0’]。CNSの主要な構造の体積やT1低強度の体積は、両グループ間で差がなかった(図3S)。
【0032】
1.4.免疫応答
1.4.1.Tregサブセット
FoxP3 TregとTconvsのレベルには、追跡期間中もグループ間でも有意な変化は見られなかった(すべての検定でp>0.05、図3)。しかし、Tregの投与経路にかかわらず、すべての患者において、いくつかの測定されたサブセットにおいてTregはTconvと異なっていた。全患者を対象に、TregとTconvを比較すると、TregはTcm表現型を主に含み(50%以上)、TconvはTn表現型を主に含む(50%以上)(図3Cおよび表1S)。また、Tregはケモカイン受容体であるCCR10、CXCR4、CCR4、インテグリンCD103、エクトヌクレオチダーゼCD39、および2つの共刺激分子であるCTLA-4と4-1BBなど、Tconvsではほとんど検出されなかった複数の受容体を発現することも明らかになった(図3S-A、Bおよび表1S)。これらの受容体の発現におけるTregとTonvsの違いは、クラスタ分析で確認された(図3D)。
【0033】
さらに、全患者の約20%のTregは、これらの細胞の末梢由来を示唆する転写因子Heliosを発現していなかった(図3B)。そこで、Tregを胸腺FoxP3Helios(+)tTregsと末梢FoxP3Helios(-)pTregsに分けて、さらに詳しく解析した。比較すると、tTregはCCR10細胞、CD103細胞、CD73細胞、CD39細胞の割合が高く、pTregはCTLA-4細胞の割合が高かった(図3S-Cおよび表1S)。クラスタ解析の結果、CCR10、CD103、CD39の発現が高く、CTLA-4受容体の発現が低いことが、tTregとpTregの相違点として確認された(図3E)。
【表3】
【0034】
1.4.2.サイトカイン
この試験では、患者の血清で測定された38種類のサイトカインのアレイも含まれていた。静脈内投与患者と比較すると、髄腔内投与患者はMCP-3、IL1RA、IL8などの炎症に関連するいくつかの因子のレベルが高かった。興味深いことに、脳栄養因子TGFaのレベルもiv.投与グループよりtc.投与グループで高かった(表2S、図4S)。同じクラスタに位置するMCP-3、IL1RAのレベルは、tc.グループとiv.グループで異なった(図4)。他の測定されたサイトカインのレベルは、試験グループ間および各グループ内において、経過観察期間中に差は認められなかった。
【表4】
【0035】
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図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】