(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】酸性染毛料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20250124BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20250124BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
A61K8/46
A61K8/49
A61Q5/10
(21)【出願番号】P 2020200549
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-10-10
(73)【特許権者】
【識別番号】595082283
【氏名又は名称】株式会社アリミノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 裕活
【審査官】井上 莉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-053119(JP,A)
【文献】特開平06-298630(JP,A)
【文献】特開2000-344639(JP,A)
【文献】特開平08-333224(JP,A)
【文献】特開2011-157290(JP,A)
【文献】特開2004-018505(JP,A)
【文献】特開2008-201737(JP,A)
【文献】特開2008-069131(JP,A)
【文献】特開2005-232021(JP,A)
【文献】特開2019-006684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61Q
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)黄色406号、(A2)赤色104号(1)および(A3)紫色401号からなる群より選択される少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、
前記酸性染料が
、
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II
)
を含み
、
前記組み合わせ(II)
では、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が8:3~9:1であり
、
前記酸性染料の全量を100質量%とした場合、前記酸性染料Aの割合が60質量%以上である、酸性染毛料組成物。
【請求項2】
前記酸性染料が、
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と
(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、
前記組み合わせ(III)では、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が1:2~9:1である、請求項1に記載の酸性染毛料組成物。
【請求項3】
前記酸性染料が、
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と
(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量の合計((A2)+(B9))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、10質量部以上である、請求項
2に記載の酸性染毛料組成物。
【請求項4】
前記酸性染料が、
(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)と
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と
(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含
み、
前記組み合わせ(I)では、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が1:5~1:1である、
請求項
2に記載の酸性染毛料組成物。
【請求項5】
前記酸性染料が、
(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)と
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と
(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、
(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量の合計((A1)+(A3))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、10質量部以上である、請求項
4に記載の酸性染毛料組成物。
【請求項6】
前記酸性染料が、
(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)と
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と
(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、
(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量の合計((A2)+(B9))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、10質量部以上である、請求項
4に記載の酸性染毛料組成物。
【請求項7】
白髪の染色処理に用いる、請求項1~
6のいずれか一項に記載の酸性染毛料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性染毛料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
酸性染毛料は、ヘアマニキュア、酸性カラーとも呼ばれる1剤式のカラー剤である。酸性染毛料は過酸化水素等の酸化剤を含んでいないため、酸性染毛料で染色する場合は、毛髪を脱色せずに染色することが一般的である。
【0003】
酸性染毛料で染色した毛髪は、汗、シャンプー、パーマネントウェーブ等の化学処理により染料が徐々に毛髪から流出し、早ければ数週間で退色してしまうという問題があった。
【0004】
例えば、特許文献1には、特定の酸性染料を特定の含有量や比率にて含有させることにより、染色堅牢性を向上させると共に、様々な光環境下においても自然に美しく見える色味に染色することができる染毛料組成物が開示されている。
【0005】
特許文献2には、特定の酸性染料と酸と芳香族アルコールを含有させることにより、毛髪の染色堅牢性を向上させ、洗髪時の洗液や汗の着色を少なくする酸性染毛料組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-157290号公報
【文献】特開2004-18505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、白髪染めを目的として酸性染毛料で染色した場合、黒髪と白髪が違う色に染色され、白髪が染まっていないように見えてしまう現象、いわゆる白髪の浮きが起こった。特に黒髪と白髪の混在する毛髪の染色処理においては、白髪馴染みが悪く、満足な品質ではなかった。
特許文献2の技術では、パーマネントウェーブ処理による退色があるため、染色堅牢性が満足な品質ではなかった。
【0008】
このようなことから、本発明は、白髪馴染みが良く、かつパーマネントウェーブ処理に対し高い堅牢性を有する酸性染毛料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有する酸性染毛料組成物は上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]~[8]である。
【0010】
[1](A1)黄色406号、(A2)赤色104号(1)および(A3)紫色401号からなる群より選択される少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)、および(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)からなる群より選択される少なくとも1種の組み合わせを含み、前記組み合わせ(I)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が1:5~1:1であり、前記組み合わせ(II)を含む場合、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が8:3~9:1であり、前記組み合わせ(III)を含む場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が1:2~9:1であり、前記酸性染料の全量を100質量%とした場合、前記酸性染料Aの割合が60質量%以上である、酸性染毛料組成物。
【0011】
[2]前記酸性染料が、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)と(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量の合計((A1)+(A3))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、10質量部以上である、[1]に記載の酸性染毛料組成物。
【0012】
[3]前記酸性染料が、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量の合計((A2)+(B9))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、10質量部以上である、[1]に記載の酸性染毛料組成物。
【0013】
[4]前記酸性染料が、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)と(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含む、[1]に記載の酸性染毛料組成物。
【0014】
[5]前記酸性染料が、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)と(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量の合計((A1)+(A3))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、10質量部以上である、[1]に記載の酸性染毛料組成物。
【0015】
[6]前記酸性染料が、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)と(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)と(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)とを含み、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量の合計((A2)+(B9))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、10質量部以上である、[1]に記載の酸性染毛料組成物。
【0016】
[7]前記酸性染料が、前記酸性染料Aと酸性染料Bとを含み、酸性染料Bが、(B1)黄色203号、(B2)黄色403号(1)、(B3)黄色407号、(B4)橙色205号、(B5)赤色106号、(B6)赤色227号、(B7)赤色230号(1)、(B8)黒色401号、および(B9)緑色201号からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]~[6]のいずれかに記載の酸性染毛料組成物。
【0017】
[8]白髪の染色処理に用いる、[1]~[7]のいずれかに記載の酸性染毛料組成物。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、白髪馴染みが良く、かつパーマネントウェーブ処理に対し高い堅牢性を有する酸性染毛料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明の酸性染毛料組成物について具体的に説明する。
<酸性染毛料組成物>
本発明の酸性染毛料組成物は、(A1)黄色406号、(A2)赤色104号(1)および(A3)紫色401号からなる群より選択される少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせ(I)、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせ(II)、および(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせ(III)からなる群より選択される少なくとも1種の組み合わせを含み、前記組み合わせ(I)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が1:5~1:1であり、前記組み合わせ(II)を含む場合、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が8:3~9:1であり、前記組み合わせ(III)を含む場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が1:2~9:1であり、前記酸性染料の全量を100質量%とした場合、前記酸性染料Aの割合が60質量%以上、好ましくは63質量%以上98質量%以下、より好ましくは63質量%以上83質量%以下である。
【0020】
酸性染料Aの割合が60質量%より少ないと、チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液への着色が濃い傾向があり、チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液を使用したパーマネントウェーブ処理での堅牢性も低くなる場合があるため、好ましくない。また、チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液への着色が濃い傾向があると、施術者に毛髪が退色した印象を与えてしまう場合があるため好ましくない。
【0021】
本発明において酸性染料Aとは、(A1)黄色406号、(A2)赤色104号(1)および(A3)紫色401号からなる群の酸性染料を指す。
本発明において酸性染料Bとは、(B1)黄色203号、(B2)黄色403号(1)、(B3)黄色407号、(B4)橙色205号、(B5)赤色106号、(B6)赤色227号、(B7)赤色230号(1)、(B8)黒色401号、および(B9)緑色201号からなる群の酸性染料を指す。
【0022】
本発明の酸性染料において、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との組み合わせを組み合わせ(I)、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との組み合わせを組み合わせ(II)、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との組み合わせを組み合わせ(III)と記す。
【0023】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が1:5~1:1であり、白髪馴染みが良く、白髪の染まりが強くなる傾向があり、チオグリコール酸溶液への着色が少ない場合があるため、好ましくは((A1):(A3))が2:3~1:2である。
【0024】
((A1):(A3))が1:5より小さくなると、すなわち、(A3)の含有比率が多くなると、紫色の色味が強くなり彩度が上がりすぎてしまうため、自然な仕上がりに見えず白髪馴染みが悪くなる場合があり、好ましくない。
【0025】
((A1):(A3))が1:1より大きくなると、すなわち、(A1)の含有比率が多くなると、黄色の色味が強くなり彩度が上がりすぎてしまうため、自然な仕上がりに見えず白髪馴染みが悪くなる場合があり、好ましくない。
【0026】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(II)を含む場合、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が8:3~9:1であり、白髪馴染みが良く、白髪の染まりも強い傾向があるため、好ましくは((A2):(B9))が3:1~6:1である。
【0027】
((A2):(B9))が8:3より小さくなると、すなわち、(B9)の含有比率が多くなると、緑色の色味が強くなり彩度が上がりすぎてしまうため、自然な仕上がりに見えず白髪馴染みが悪くなる場合があり、好ましくない。
【0028】
((A2):(B9))が9:1より大きくなると、すなわち、(A2)の含有比率が多くなると、赤色の色味が強くなり彩度が上がりすぎてしまうため、自然な仕上がりに見えず白髪馴染みが悪くなる場合があり、好ましくない。
【0029】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(III)を含む場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が1:2~9:1であり、白髪馴染みに特に優れ、白髪の染まりも強い傾向があるため、好ましくは((B4):(B8))が2:3~5:1である。
【0030】
((B4):(B8))が1:2より小さくなると、すなわち、(B8)の含有比率が多くなると、青色の色味が強くなり彩度が上がりすぎてしまうため、自然な仕上がりに見えず白髪馴染みが悪くなる場合があり、好ましくない。
【0031】
((B4):(B8))が9:1より大きくなると、すなわち、(B4)の含有比率が多くなると、橙色の色味が強くなり彩度が上がりすぎてしまうため、自然な仕上がりに見えず白髪馴染みが悪くなる場合があり、好ましくない。
【0032】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)および組み合わせ(III)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が好ましくは2:3~1:2であり、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が好ましくは2:3~5:1である。
【0033】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(II)、および組み合わせ(III)を含む場合、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が好ましくは3:1~6:1であり、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が好ましくは2:3~5:1である。
【0034】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)および組み合わせ(II)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が好ましくは2:3~1:2であり、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が好ましくは3:1~6:1である。
【0035】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)、組み合わせ(II)、および組み合わせ(III)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が好ましくは2:3~1:2であり、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が好ましくは3:1~6:1であり、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が好ましくは2:3~5:1である。
【0036】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)および組み合わせ(III)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量の合計((A1)+(A3))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、好ましくは10質量部以上、白髪馴染みが良く、白髪の染まりが強い傾向があるため、より好ましくは20質量部以上500質量部以下、さらに好ましくは20質量部以上65質量部以下である。
【0037】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(II)および組み合わせ(III)を含む場合、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量の合計((A2)+(B9))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、好ましくは10質量部以上、白髪馴染みが良い傾向があるため、より好ましくは20質量部以上500質量部以下、さらに好ましくは20質量部以上220質量部以下である。
【0038】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)、組み合わせ(II)、および組み合わせ(III)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量の合計((A1)+(A3))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上500質量部以下である。
【0039】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)、組み合わせ(II)、および組み合わせ(III)を含む場合、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量の合計((A2)+(B9))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上500質量部以下である。
【0040】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)、組み合わせ(II)、および組み合わせ(III)を含む場合、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量の合計((A1)+(A3))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上500質量部以下であり、かつ、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量の合計((A2)+(B9))を100質量部とした場合、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量の合計((B4)+(B8))が、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上500質量部以下である。
【0041】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)と組み合わせ(III)とを含み、さらに(A2)赤色104号(1)、(B1)黄色203号、(B2)黄色403号(1)、(B3)黄色407号、(B5)赤色106号、(B6)赤色227号、(B7)赤色230号(1)、および(B9)緑色201号からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0042】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、組み合わせ(I)と組み合わせ(III)とを含み、さらに(A2)赤色104号(1)を含むことがより好ましい。前記酸性染料が、組み合わせ(I)と組み合わせ(III)とを含み、さらに(A2)赤色104号(1)を含むことによって、チオグリコール酸溶液への着色が少なく、施術者に毛髪が退色した印象を与えにくいため好ましい。
【0043】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、前記酸性染料Aと酸性染料Bとを含み、酸性染料Bが、(B1)黄色203号、(B2)黄色403号(1)、(B3)黄色407号、(B4)橙色205号、(B5)赤色106号、(B6)赤色227号、(B7)赤色230号(1)、(B8)黒色401号、および(B9)緑色201号からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0044】
前記酸性染料Bが、(B4)橙色205号、(B8)黒色401号、および(B9)緑色201号からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液への着色の少なさという観点では、前記酸性染料Bが、(B1)黄色203号、(B3)黄色407号、および(B4)橙色205号からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、前記酸性染料Bが(B4)橙色205号であることがさらに好ましい。
【0045】
チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液を使用したパーマネントウェーブ処理での堅牢性の高さという観点では、前記酸性染料Bが、(B2)黄色403号(1)、(B5)赤色106号、(B6)赤色227号、(B7)赤色230号(1)、(B8)黒色401号、および(B9)緑色201号からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、前記酸性染料Bが、(B8)黒色401号および(B9)緑色201号からなる群より選択される少なくとも1種であることであることがさらに好ましい。
【0046】
本発明の酸性染毛料組成物は、少なくとも1種の酸性染料Aを含む酸性染料を含有し、前記酸性染料が、前記酸性染料Aと酸性染料Bとを含み、酸性染料Bが、(B1)黄色203号、(B2)黄色403号(1)、(B3)黄色407号、(B4)橙色205号、(B5)赤色106号、(B6)赤色227号、(B7)赤色230号(1)、(B8)黒色401号、および(B9)緑色201号からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、酸性染料の全量を100質量%とした場合、前記酸性染料Aの割合が60質量%以上であり、前記酸性染料Bの割合が好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
【0047】
〔酸性染料〕
本発明において、酸性染料とは、医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令(昭和41年厚生省令第30号)に記載されているタール色素中の酸性染料を示す。酸性染料は、浸透剤等とともに毛髪に付着させることで、毛髪を染色することができる。
【0048】
本発明の酸性染毛料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸性染料Aおよび酸性染料B以外の酸性染料、HC染料、および塩基性染料が配合されていてもよい。酸性染料としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色105号(1)、赤色201号、赤色213号、赤色230号(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色207号、橙色402号、黄色4号、黄色5号、黄色202号(1)、黄色202号(2)、黄色402号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、褐色201号が挙げられ、HC染料としては、例えば、HC青2、HC青6、HC青7、HC青8、HC橙1、HC橙2、HC橙3、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC赤10、HC赤13、HC赤14、HC紫1、HC紫2、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄6、1-アミノ-2-メチル-6-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-メチル-4-メチルアミノベンゼン、4-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロ-メチルベンゼン、1-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロ-4-アミノ、1-アミノ-2-ベンゼン(β-ヒドロキシプロピルアミノ)ベンゼン、1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-(3-ヒドトキシプロピルアミノ)ベンゼン、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールが挙げられ、塩基性染料としては、例えば、赤色213号、赤色214号、塩基性青7、塩基性青9、塩基性青26、塩基性青75、塩基性青99、塩基性赤2、塩基性赤22、塩基性赤51、塩基性赤76、塩基性黄57、塩基性黄87、塩基性橙31、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性紫3、塩基性紫4、塩基性紫14が挙げられる。これらの中でも、酸性で染色されることから、酸性染料、およびHC染料であることが好ましい。
【0049】
〔天然色素、その他成分〕
本発明の酸性染毛料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、天然色素を含んでいてもよい。天然色素としては、古くから食用、化粧品などに利用されていたものが、安全性と色調の点から好ましく、例えば、化粧品原料基準、化粧品種別許可基準I~V、医薬部外品原料規格、食品添加物公定書に記載されている天然色素を使用することができる。
【0050】
天然色素として、具体的には、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィル、パプリカ色素、ラック色素が好ましい。
天然色素は1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、酸性染料と天然色素1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
【0051】
本発明の酸性染毛料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、油性成分類(炭化水素類、油脂類、ロウ類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、エステル類)、増粘剤、浸透剤、保湿剤、界面活性剤(アニオン性界面活性剤類、カチオン性界面活性剤類、ノニオン性界面活性剤類、両性界面活性剤類)、シリコーン類、キレート剤、酸化防止剤、安定化剤、pH調整剤、保護剤、溶剤、消炎剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、噴射剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、樹脂類が挙げられる。
【0052】
その他の成分として、具体的には、浸透剤としてベンジルアルコール、溶剤としてエタノールおよび水、pH調整剤としては、例えば上述の酸性成分、好ましくは乳酸(例えば90%乳酸)、乳酸ナトリウムを用いることができる。また、水としては、イオン交換水を用いることが好ましい。その他の成分は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0053】
<酸性染毛料組成物の製造等>
本発明の酸性染毛料組成物は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。
【0054】
〔pH〕
本発明の酸性染毛料組成物のpHは、好ましくは2.0~5.0、より好ましくは2.0~3.5である。
【0055】
〔剤型〕
本発明の酸性染毛料組成物の剤型としては、特に限定されないが、例えば、ミルク状、クリーム状、ジェル状、ローション状、液状、泡状が挙げられる。これらの中でも、剤型としては、クリーム状またはジェル状が好ましい。
本発明の酸性染毛料組成物は、噴射剤とともに用いることによりスプレー用組成物として用いることもできる。
【0056】
〔用途〕
本発明の酸性染毛料組成物は、毛髪に塗布またはスプレーして使用することができる。毛髪に塗布する場合は、適量をコームやハケで塗布することができる。毛髪に塗布した後は、必要に応じて20~50℃、好ましくは45℃で、1~20分間加温することが好ましい。
【0057】
本発明の酸性染毛料組成物は、白髪の染色処理に用いることが好ましい。
本発明の酸性染毛料組成物は、毛髪全体に用いることができ、毛髪の所定の部分、例えば白髪の部分に対する染色処理に用いることもできる。
【0058】
本発明の酸性染毛料組成物は、毛髪全体または一部分が白髪の染色処理に用いることが好ましい。
一般に、毛髪の一部分が白髪の場合、具体的には、毛髪全体における白髪の割合が30%~50%の場合、染色処理を行っても黒髪と白髪が同じ色に染まらないため、白髪が染まっていないように見えることがあり、いわゆる白髪の浮きと呼ばれる現象が起こる場合がある。
【0059】
本発明の酸性染毛料組成物は、白髪の浮きが起こらず、白髪馴染みが良いことから、毛髪全体における白髪の割合が30%~50%である毛髪に用いることが好ましい。
本発明の酸性染毛料組成物は、毛髪に塗布またはスプレーして染色処理を行った後、染色した毛髪に対し、パーマネントウェーブ処理を行うことができる。
【0060】
本発明の酸性染毛料組成物を用いて染色した毛髪に対し、パーマネントウェーブ処理を行う場合、パーマネントウェーブ処理はチオグリコール酸またはシステアミンを用いたパーマネントウェーブ処理であることが好ましい。
【実施例】
【0061】
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0062】
〔実施例1~42、比較例1~34〕
実施例、および比較例では、表1に記載の市販品を使用した。
【0063】
【0064】
表2~11の処方の数値は、酸性染毛料組成物を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
【0065】
〔染毛試験〕
表2に示す処方で各成分を混合することにより酸性染毛料組成物の基剤を製造した。
【0066】
【0067】
この基剤に、表6~11に示す処方の酸性染料を混合することにより、酸性染毛料組成物を製造し、試料とした。
【0068】
〔毛束〕
(毛束1)10cmの人毛白髪30%MIX毛束(ビューラックス社製BM-MIX-A)1g
(毛束2)10cmの人毛白髪50%MIX毛束(ビューラックス社製BM-MIX-K50-A)1g
(毛束3)10cmの人毛白髪毛束(ビューラックス社製BM-W-A)1g
上記3種類の毛束に各試料を塗布し、染毛試験を行った。
【0069】
〔染毛試験〕
乾燥した状態の毛束1本に対して試料2gをハケで塗布した。その後、45℃で15分間放置し、染色した(染色処理)。染色した毛束を10%アルスコープDA-330S(東邦化学工業株式会社)水溶液で洗浄した後、乾燥させた。乾燥後、毛束1については評価項目1、毛束2については評価項目2で白髪馴染みを評価した。毛束3については、評価項目3で白髪の染まりを評価した。
上記評価後、評価項目3で使用した毛束3を用いて、3種類のパーマネントウェーブ1剤溶液の処理による堅牢性試験を行った。
【0070】
〔堅牢性試験〕
チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液の処方を表3に、システアミンパーマネントウェーブ1剤溶液の処方を表4に、パーマネントウェーブ2剤溶液の処方を表5に示す。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液、またはシステアミンパーマネントウェーブ1剤溶液10mLに、評価項目3で使用した毛束3の毛束1本を浸漬した。25℃で15分間浸漬した後、毛束を取り出した。毛束を取り出した後のチオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液、またはシステアミンパーマネントウェーブ1剤溶液への着色を目視で評価した。
【0075】
なお、毛束を浸漬する前のチオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液およびシステアミンパーマネントウェーブ1剤溶液は、どちらも無色透明であった。
浸漬した後に取り出した毛束は、水道水で30秒間水洗を行った後、タオルドライし、パーマネントウェーブ2剤溶液10mlに浸漬した。25℃で15分間浸漬した後、毛束を取り出し、10%アルスコープDA-330S(東邦化学工業株式会社)水溶液で洗浄し、ドライヤーで乾燥させた(パーマネントウェーブ処理)。このパーマネントウェーブ処理した毛束と、パーマネントウェーブ処理をしていない評価項目3で使用した毛束3の毛束とを目視で比較し、堅牢性について評価項目5と7で評価した。
【0076】
また、パーマネントウェーブ処理後のチオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液、またはシステアミンパーマネントウェーブ1剤溶液への着色について、評価項目4と6で評価した。
【0077】
〔評価方法〕
専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ、(1)~(7)の各項目に記載した評価基準に従って官能評価を行った。
【0078】
各項目につき10名の評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3点以上4点以下である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1点以上2点未満である。
【0079】
〔評価項目および評価基準〕
(1)白髪30%MIX(毛束1)の白髪馴染み
染色した毛束の白髪馴染みについて、太陽光の下、目視で評価した。
4点:白髪馴染みが良い
3点:白髪馴染みがやや良い
2点:白髪馴染みがやや悪い
1点:白髪馴染みが悪く、白髪が浮いて見える
【0080】
(2)白髪50%MIX(毛束2)の白髪馴染み
染色した毛束の白髪馴染みについて、太陽光の下、目視で評価した。
4点:白髪馴染みが良い
3点:白髪馴染みがやや良い
2点:白髪馴染みがやや悪い
1点:白髪馴染みが悪く、白髪が浮いて見える
【0081】
(3)白髪毛束(毛束3)の染色
染色した毛束の染まりの強さを、太陽光の下、目視で評価した。
4点:白髪の染まりが強い
3点:白髪の染まりがやや強い
2点:白髪の染まりがやや弱い
1点:白髪の染まりが弱い
【0082】
(4)チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液への着色
チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液を用いたパーマネントウェーブ処理後の当該1剤溶液の色の濃さについて、太陽光の下、目視で評価した。
4点:着色はほぼ見られない
3点:わずかに着色している
2点:やや濃く着色している
1点:濃く着色している
【0083】
(5)チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液を使用したパーマネントウェーブ処理での堅牢性
チオグリコール酸を使用してパーマネントウェーブ処理を行った毛束について、パーマネントウェーブ処理をしていない毛束(パーマ未処理毛束)と太陽光の下で比較し、目視で評価した。
4点:変色・退色がなく、堅牢性が高い
3点:変色・退色がほとんどなく、堅牢性がやや高い
2点:変色・退色が若干あり、堅牢性がやや低い
1点:変色・退色が顕著にあり、堅牢性が低い
【0084】
(6)システアミンパーマネントウェーブ1剤溶液への着色
システアミンパーマネントウェーブ1剤溶液を用いたパーマネントウェーブ処理後の当該1剤溶液の色の濃さについて、太陽光の下、目視で評価した。
4点:着色はほぼ見られない
3点:わずかに着色している
2点:やや濃く着色している
1点:濃く着色している
【0085】
(7)システアミンパーマネントウェーブ1剤溶液を使用したパーマネントウェーブ処理での堅牢性
システアミンを使用してパーマネントウェーブ処理を行った毛束について、パーマネントウェーブ処理をしていない毛束(パーマ未処理毛束)と太陽光の下で比較し、目視で評価した。
4点:変色・退色がなく、堅牢性が高い
3点:変色・退色がほとんどなく、堅牢性がやや高い
2点:変色・退色が若干あり、堅牢性がやや低い
1点:変色・退色が顕著にあり、堅牢性が低い
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
実施例1~42の染色方法は、いずれも良好な結果となった。
本発明の酸性染毛料組成物によれば、白髪馴染みが良く、かつパーマネントウェーブ処理に対し高い堅牢性を有する酸性染毛料組成物であることがわかる。
【0093】
比較例1~24の酸性染毛料組成物では、組み合わせ(I)、組み合わせ(II)、および組み合わせ(III)からなる群より選択される少なくとも1種の組み合わせを含んでいないため、白髪馴染みが悪い傾向であった。
【0094】
比較例25および26は、組み合わせ(I)を含むが、(A1)黄色406号と(A3)紫色401号との質量比((A1):(A3))が1:5~1:1の範囲内ではないため、白髪馴染みが悪い傾向であった。
【0095】
比較例27および28は、組み合わせ(II)を含むが、(A2)赤色104号(1)と(B9)緑色201号との質量比((A2):(B9))が8:3~9:1の範囲内ではないため、白髪馴染みが悪い傾向であった。
【0096】
比較例29および30は、組み合わせ(III)を含むが、(B4)橙色205号と(B8)黒色401号との質量比((B4):(B8))が1:2~9:1の範囲内ではないため、白髪馴染みが悪い傾向であった。
【0097】
比較例31~33の酸性染毛料組成物では、酸性染料の全量を100質量%とした場合、前記酸性染料Aの割合が60質量%以上ではないため、チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液を使用したパーマネントウェーブ処理での堅牢性が低い傾向であった。
【0098】
比較例34の酸性染毛料組成物では、酸性染料の全量を100質量%とした場合、前記酸性染料Aの割合が60質量%以上ではないため、チオグリコール酸パーマネントウェーブ1剤溶液への着色が濃い傾向であった。