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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20250124BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20250124BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20250124BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250124BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21S8/04 410
F21Y103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022130454
(22)【出願日】2022-08-18
(65)【公開番号】P2024027566
(43)【公開日】2024-03-01
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】591124640
【氏名又は名称】FKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(72)【発明者】
【氏名】川田 一力
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和貴
(72)【発明者】
【氏名】吉田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】難波 彩
(72)【発明者】
【氏名】長 進
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-136140(JP,A)
【文献】特開2015-173007(JP,A)
【文献】実開昭61-158006(JP,U)
【文献】特開2011-150952(JP,A)
【文献】特開2019-067509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の回路基板と、
前記回路基板に列状に実装された複数の発光部と、
長尺板状の主片と、長尺板状であり前記主片の短手方向における両端部から前記主片の厚さ方向に沿った一面側へ延在する一対の側片と、を有し、前記主片の前記一面側に前記回路基板が固定されている本体部と、
前記回路基板における前記主片側とは反対側全体を覆うように配置されるカバーと、を備え、
前記一対の側片それぞれには、互いに対向する面側に前記一対の側片の長手方向に沿って延在する同数の溝が形成され、
前記カバーは、
透光性を有し且つ前記本体部よりも剛性の低い軟性材料から長尺に形成されたカバー本体と、
前記カバー本体と連続一体に形成され、前記溝に嵌合された状態で前記カバーを前記本体部に係止する係止部と、を有し、
前記一対の側片それぞれには、前記主片の厚さ方向に並列した複数の溝が形成され、
前記カバー本体は、長尺円柱状に形成され、
前記係止部は、前記カバー本体の側壁における前記カバー本体の中心軸を挟んで対向する部位から径方向に沿って互いに離れる方向へ突出し且つ前記カバー本体の長手方向に沿って延在し、前記複数の溝に嵌合可能であり、前記カバー本体における前記中心軸を含み且つ2つの前記係止部と交差する仮想平面を挟んだ両側の形状が対称となるように配置されている、
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺のLED照明装置本体と、アルミニウム等の軽量金属素材から形成されLED照明装置本体が収容される長尺の内枠と、を備え、LED照明装置本体が、長尺のLED基板上に複数のLED素子を配設した線状のLED発光部材と、シリコーン樹脂等を押出し成形して製造されLED発光部材を内包するLED内包部材と、を有するLED照明装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7032506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなLED照明装置では、それが使用される用途、場所等が変わると、これに応じて、放射される光の色または配光特性を変更することが要請される場合がある。この場合、特許文献1に記載されたLED照明装置のLED照明装置本体は、LED発光部材がLED内包部材に埋設された構造であるため、放射される光の色または配光特性を変更する場合、LED照明装置本体全体を変更する必要がある。このため、放射される光の色または配光特性を変更する際に交換すべき部品点数が多くなってしまう。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、放射される光の特性を変更する際に交換すべき部品点数を低減できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、
長尺の回路基板と、
前記回路基板に列状に実装された複数の発光部と、
長尺板状の主片と、長尺板状であり前記主片の短手方向における両端部から前記主片の厚さ方向に沿った一面側へ延在する一対の側片と、を有し、前記主片の前記一面側に前記回路基板が固定されている本体部と、
前記回路基板における前記主片側とは反対側全体を覆うように配置されるカバーと、を備え、
前記一対の側片それぞれには、互いに対向する面側に前記一対の側片の長手方向に沿って延在する同数の溝が形成され、
前記カバーは、
透光性を有し且つ前記本体部よりも剛性の低い軟性材料から長尺に形成されたカバー本体と、
前記カバー本体と連続一体に形成され、前記溝に嵌合された状態で前記カバーを前記本体部に係止する係止部と、を有し、
前記一対の側片それぞれには、前記主片の厚さ方向に並列した複数の溝が形成され、
前記カバー本体は、長尺円柱状に形成され、
前記係止部は、前記カバー本体の側壁における前記カバー本体の中心軸を挟んで対向する部位から径方向に沿って互いに離れる方向へ突出し且つ前記カバー本体の長手方向に沿って延在し、前記複数の溝に嵌合可能であり、前記カバー本体における前記中心軸を含み且つ2つの前記係止部と交差する仮想平面を挟んだ両側の形状が対称となるように配置されている
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体部の一対の側片それぞれに、互いに対向する面側に側片の長手方向に沿って延在する溝が形成され、カバーが、その溝に嵌合された状態でカバーを本体部に係止する係止部を有する。これにより、カバーの種類或いは本体部への係止位置を変更するだけで、照明装置から放射される光の色または配光特性を変更することができるので、照明装置の用途の変化に応じて照明装置から放射される光の色または配光特性を変更する際に交換すべき部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。
図2】(A)は実施の形態1に係る照明装置の正面図であり、(B)は実施の形態1に係る照明装置の他の状態の正面図である。
図3】実施の形態2に係る照明装置の斜視図である。
図4】(A)は実施の形態2に係る照明装置の正面図であり、(B)は実施の形態2に係る照明装置においてカバーを本体部に装着する様子を示す正面図である。
図5】実施の形態3に係る照明装置を示し、(A)は斜視図であり、(B)は(A)の破線で囲んだ部分のカバーを外した状態を示す斜視図である。
図6】実施の形態3に係る連結部材を示し、(A)は斜視図であり、(B)は平面図である。
図7】(A)は変形例に係る照明装置の正面図であり、(B)は他の変形例に係る照明装置の正面図である。
図8】変形例に係る照明装置の正面図である。
図9】(A)は変形例に係る照明装置の正面図であり、(B)は他の変形例に係る照明装置の正面図である。
図10】変形例に係る照明装置を示し、(A)は斜視図であり、(B)は(A)の破線で囲んだ部分のカバーを外した状態を示す斜視図である。
図11】変形例に係る連結部材の斜視図である。
図12】変形例に係る照明装置を示し、(A)は斜視図であり、(B)は(A)の破線で囲んだ部分のカバーを外した状態を示す斜視図である。
図13】変形例に係る連結部材の斜視図である。
図14】変形例に係る照明装置を示し、(A)は斜視図であり、(B)は(A)の破線で囲んだ部分のカバーを外した状態を示す斜視図である。
図15】(A)は変形例に係る第1サブ連結部材を示す斜視図であり、(B)は変形例に係る第2サブ連結部材を示す斜視図であり、(C)は連結部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る照明装置について添付図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る照明装置は、長尺の回路基板と、回路基板に列状に実装された複数の発光部と、長尺板状の主片と、長尺板状であり主片の短手方向における両端部から主片の厚さ方向に沿った一面側へ延在する一対の側片と、を有し、主片の一面側に回路基板が固定されている本体部と、回路基板における主片側とは反対側全体を覆うように配置されるカバーと、を備える。そして、一対の側片それぞれには、互いに対向する面側に一対の側片の長手方向に沿って延在する同数の溝が形成されている。また、カバーは、透光性を有し且つ本体部よりも剛性の低い軟性材料から長尺に形成されたカバー本体と、カバー本体と連続一体に形成され、前述の溝に嵌合された状態でカバー本体を本体部に係止する係止部と、を有する。
【0010】
図1に示すように、本実施の形態に係る照明装置1は、長尺板状の回路基板21と、複数の発光部22と、本体部12と、カバー11と、を備える。また。照明装置1は、回路基板21に発光部22とともに実装され、発光部22へ供給される電流を制限するための限流素子23と、発光部22が実装された回路基板21へ電流を供給するための導電線(図示せず)と、本体部12の長手方向における両端部を閉塞するキャップ(図示せず)と、を備える。
【0011】
回路基板21は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)から構成されており、導体パターン(図示せず)が形成されている。また、回路基板21の長手方向における両端部には、導電線に電気的に接続される電極(図示せず)が設けられている。そして、回路基板21は、導電線を介して直流電源(図示せず)から電力供給を受ける。なお、複数の回路基板21が、それらの長手方向に沿って並列に配置される場合、互いに隣り合う2つの回路基板21同士が、電極を介して互いに電気的に接続される。
【0012】
発光部22は、例えばSMD(Surface Mount Device)タイプLED(Light Emitting Diode)発光装置から構成される。発光部22は、矩形板状であり厚さ方向における一面側に平面視矩形状の凹部が形成された発光部本体と、凹部の底部に配設された発光素子と、凹部に充填された波長変換部材と、を有する。発光素子としては、200nm以上380nm以下の波長帯域の紫外光を放射するLED素子が採用される。波長変換部材は、例えば200nm以上380nm以下の波長帯域の光を可視光に変換する色素を含有する透明なシリコーン樹脂から形成されている。複数の発光部22は、回路基板21の+Z方向側に等間隔に列状に実装されている。複数の発光部22それぞれの発光素子は、それぞれ、回路基板21に形成された導体パターンを介して、互いに直列または並列に接続されている。限流素子23は、回路基板21に形成された導体パターンに介挿され、発光素子に流れる電流を予め設定された大きさに制限する。直流電源から導電線および導電パターンを通じて発光素子に電流が流れると、発光素子が点灯する。
【0013】
本体部12は、長尺であり、断面コ字状の形状を有し、金属、樹脂等から形成されている。本体部12は、長尺の矩形板状の主片121と、長尺の矩形板状であり主片121の短手方向、即ち、X軸方向における両端部から主片の厚さ方向に沿った一面側、即ち、+Z方向側へ延在する一対の側片122と、を有する。主片121の+Z方向側には、回路基板21が固定されている。一対の側片122それぞれには、互いに対向する面側に側片122の長手方向に沿って延在しZ軸方向に沿って略平行に並列した2つの溝122aが形成されている。また、本体部12は、主片121と連続一体に形成され、主片121から-Z方向側へ突出し長尺円柱状の磁石3を保持する一対の磁石保持部123を有する。これにより、照明装置1を鉄、ニッケル合金等の磁性体材料から形成された部材へ吸着固定させることができる。
【0014】
カバー11は、回路基板21における主片121側とは反対側、即ち、+Z方向側全体を覆うように配置されている。カバー11は、透光性を有し且つ本体部12よりも剛性の低い軟性材料から長尺円柱状に形成されたカバー本体111と、カバー本体111と連続一体に形成され、側片122の溝122aに嵌合された状態でカバー本体111を本体部12に係止する係止部112と、を有する。軟性材料としては、透光性を有する熱硬化性のポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を採用することができる。また、軟性材料は、例えば二酸化チタン(TiO)のような光触媒を含むものであってもよい。係止部112は、カバー本体111の側壁におけるカバー本体111の中心軸J1を挟んで対向する部位から径方向に沿って互いに離れる方向へ突出し且つカバー本体111の長手方向に沿って延在し、側片122の溝122aに嵌合可能な突条部分である。
【0015】
カバー11は、係止部112を嵌合させる溝122aを変更することにより、カバー11と複数の発光部22との間の距離の変更が可能である。図2(A)に示すように、2つの係止部112が、それぞれ、側片122における+Z方向側の溝122aに嵌合されている場合、カバー11と発光部22との間の最短距離が、距離H1に設定される。一方、図2(B)に示すように、2つの係止部112が、それぞれ、側片122における-Z方向側の溝122aに嵌合されている場合、カバー11と発光部22との間の最短距離が、距離H1よりも短い距離H2に設定される。このように、カバー11と発光部22との間の距離を変更することにより、カバー11から放射される光の配光特性を変更することができる。
【0016】
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置1によれば、本体部12の側片122それぞれに、互いに対向する面側に側片の長手方向に沿って延在する2つの溝122aが形成されている。また、カバー11が、その溝122aに嵌合された状態でカバー11を本体部12に係止する係止部112を有する。これにより、カバー11の種類或いは本体部12への係止位置を変更するだけで、照明装置1から放射される光の色または配光特性を変更することができるので、照明装置1の用途の変化に応じて照明装置1から放射される光の色または配光特性を変更する際に交換すべき部品点数を削減できる。また、照明装置1から放射される光の色または配光特性を変更する場合でも、回路基板21を着脱する必要が無いので、回路基板21の着脱時における回路基板21の破損を抑制することができる。
【0017】
また、本実施の形態に係る本体部12の一対の側片122それぞれには、Z軸方向に並列した2つの溝122aが形成されている。そして、カバー11は、長尺円柱状に形成されたカバー本体111と、カバー本体111の側壁におけるカバー本体111の中心軸J1を挟んで対向する部位から径方向に沿って互いに離れる方向へ突出する係止部112と、を有する。これにより カバー11は、係止部112を嵌合させる溝122aを変更することにより、カバー11と複数の発光部22との間の距離を変更することができるので、発光部22から放射されカバー本体111に入射する光の一部の入射角度を変更することができる。従って、カバー11から放射される光の配光特性を比較的容易に変更することができる。
【0018】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る照明装置2001は、長尺の矩形板状であり短手方向の幅が一対の側片の間の距離よりも長い第1部位と、長尺でありカバーが本体部に係止された状態で、第1部位の主片側に位置し且つ一対の側片の間に嵌入される第2部位と、を有するカバー本体を有する点で実施の形態1と相違する。ここで、係止部は、カバーが本体部に係止された状態で、第2部位における第1部位側とは反対側の端部から一対の側片に向かって突出し溝に嵌合されている。
【0019】
図3に示すように、本実施の形態に係る照明装置2001は、回路基板21と、複数の発光部22と、本体部2012と、カバー2011と、を備える。なお、図3において、実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。本体部2012は、実施の形態1で説明した本体部12と同様に、長尺の矩形板状の主片121と、長尺の矩形板状であり主片121の短手方向、即ち、X軸方向における両端部から+Z方向側へ延在する一対の側片2122と、を有する。一対の側片2122それぞれの+Z方向側の端部には、互いに対向する面側に側片2122の長手方向に沿って延在しZ軸方向に沿って1つの溝2122aが形成されている。
【0020】
カバー2011は、実施の形態1で説明したカバー11と同様に、回路基板21における+Z方向側全体を覆うように配置されている。カバー2011は、カバー本体2111と、係止部2112と、を有し、カバー本体2111は、長尺の矩形板状の第1部位2111aと、長尺の第2部位2111bと、を有する。第1部位2111aは、図4(A)に示すように、その短手方向、即ち、X軸方向の幅が一対の側片2122の間の距離よりも長い。第2部位2111bは、カバー2011が本体部2012に係止された状態で、第1部位2111aの主片121側、即ち、-Z方向側に位置し、一対の側片2122の間に嵌入される。カバー2011は、透光性を有し且つ本体部2012よりも剛性の低い軟性材料から形成されている。軟性材料としては、透光性を有する熱硬化性のポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を採用することができる。また、軟性材料は、例えば二酸化チタン(TiO)のような光触媒を含むものであってもよい。また、第2部位2111bの+Z方向側には、溝2111cが形成されている。これにより、係止部2112が第1部位2111aに近づく方向へ撓みやすくなっている。係止部2112は、カバー本体2111と連続一体に形成され、側片2122の溝2122aに嵌合された状態でカバー本体2111を本体部2012に係止する。
【0021】
ここで、カバー2011の本体部2012への装着方法について説明する。まず、カバー2011は、カバー2011を本体部2012の+Z方向側に載置する。このとき、カバー2011の係止部2112が本体部2012の一対の側片2122の+Z方向側の端部に載置された状態となる。次に、図4(B)の矢印AR1に示すように、カバー2011を-Z方向側へ押し込む。このとき、係止部2112が+Z方向側へ撓むことにより、カバー本体2111の第2部位2111bが本体部2012の一対の側片2122の内側に押し込まれる。そして、係止部2112の先端部が側片2122の溝2122aに対向する位置に配置される状態になるまで、カバー2011が押し込まれると、係止部2112がその復元力により元の状態に戻り、図4(A)に示すように、係止部2112が溝2122aに嵌合した状態となる。
【0022】
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置2001によれば、カバー2011を本体部2012の一対の側片2122の内側へ押し込むだけで、本体部2012に係止させることができる。従って、カバー2011の本体部2012への着脱を比較的容易に行うことができる。
【0023】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る照明装置は、実施の形態2で説明した本体部を複数備えるとともに、複数の本体部のうちの2つの本体部の長手方向における一方の端部同士を連結する連結部材と、を備える点が実施の形態1、2と相違する。また、本実施の形態に係る照明装置は、複数の本体部それぞれに固定された回路基板全ての主片側とは反対側を覆うように配置された1つの長尺のカバーを備える。
【0024】
図5(A)および(B)に示すように、本実施の形態に係る照明装置7001は、2つの回路基板21と、2つの回路基板21それぞれに実装された複数の発光部22と、2つの本体部2012と、2つのカバー2011と、2つの連結部材7004と、を備える。なお、図5(A)および(B)において、実施の形態2と同様の構成については図3と同一の符号を付している。また、2つの本体部2012それぞれにおける連結部材7004に連結される一端部とは反対の他端部には、回路基板21へ電力を供給するための電源(図示せず)に電気的に接続されるコネクタ51が、導電線52を介して接続されている。
【0025】
2つの連結部材7004は、それぞれ、図6(A)に示すように、平面視台形の板状の主部7041と、主部7041における互いに平行な2辺から主部7041の厚さ方向へ延在する側壁7421、7422と、連結部材7004を本体部2012に固定するための円柱状のピン7043と、を有する。主部7041は、平面視で互いに平行な2辺と当該2辺と直交する辺と当該2辺に対して傾斜した辺とからなる台形状であり、ピン7043が、前述の2辺と直交する辺に対応する側面7041bに立設されている。また、主部7041における前述の2辺に対して傾斜する辺に対応する側面7041cには、平面視半円状の切欠部7041aが形成されている。側壁7421、7422における互いに対向する面側の主部7041側とは反対側の端部それぞれに、主部7041と平行に延在する溝7421a、7422aが形成されている。この2つの連結部材7004は、図6(B)に示すように、主部7041における前述の2辺に対して傾斜する辺に対応する側面7041c同士が面接触し、ピン7043がそれぞれ本体部2012の2つの磁石保持部123の間に嵌入された状態で配置される。また、カバー2011の端部は、その端部の係止部2112が側壁7421、7422の溝7421a、7422aに嵌合した状態で連結部材7004に固定される。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置7001によれば、複数の本体部2012を、連結部材7004を介して連結することにより、屈曲した線状の照明装置7001を実現することができる。従って、照明装置7001の形状のバリエーションを増やすことができる。
【0027】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、図7(A)に示す照明装置3001のように、カバー本体3111が、長尺の矩形板状の第1部位3111aと、長尺の第2部位3111bと、を有し、第1部位3111a、第2部位3111bが、それぞれ、透光性を有し複数の発光部22から放射される光を透過させる透光部3111a2、3111b2と、第1部位3111a、第2部位3111bそれぞれにおける透光部3111a2、3111b2以外の部位に配置され、複数の発光部22から放射される光を遮蔽する遮光部3111a1、3111b1と、を有するものであってもよい。なお、図7(A)において、実施の形態2と同様の構成については図4(A)と同一の符号を付している。ここで、透光部3111a2,3111b2は、連続一体に形成されており、カバー本体3111の+Z方向側と-Z方向側とに露出している。また、透光部3111a2、3111b2は、それぞれ、カバー3011が本体部2012に係止された状態で、一対の側壁2122の並び方向、即ち、X軸方向におけるカバー本体3111の幅に比べて狭い。また、カバー本体3111は、発光部22から放射される光を透過させる軟性材料と、発光部22から放射される光を遮断する軟性材料と、を用いた二色押出成型法により作製することができる。
【0028】
本構成によれば、カバー3011における光放射部分の幅を、回路基板21の幅よりも狭くすることができるので、回路基板21の幅よりも狭い線状光源を実現することができ、照明装置3001の用途のバリエーションを増やすことができる。
【0029】
実施の形態2において、例えば図7(B)に示す照明装置4001のように、カバー本体4111の第1部位4111aのみが、複数の発光部22から放射される光を透過させる透光部4111a2と、複数の発光部22から放射される光を遮蔽する遮光部4111a1と、を有するものであってもよい。なお、図7(B)において、実施の形態2と同様の構成については図4(A)と同一の符号を付している。図7(B)に示すように、遮光部4111a1は、透光部4111a2における+Z方向側と-X方向側とを覆うように配置されている。これにより、発光部22から放射された光が+X方向側のみへ放射される。また、遮光部4111a1における透光部4111a2に接し発光部22から放射される光を反射する反射面4111a3は、湾曲しており、発光部22から放射された光を反射して照明装置4001の+X方向側に集光させる。このカバー本体4111も、発光部22から放射される光を透過させる軟性材料と、発光部22から放射される光を遮断する軟性材料と、を用いた二色押出成型法により作製することができる。
【0030】
或いは、図8に示す照明装置5001のように、カバー本体5111の第1部位5111aが、複数の発光部22から放射される光を遮蔽する三角柱状の遮光部5111a1と、複数の発光部22から放射される光を透過させる透光部5111a2と、を有するものであってもよい。なお、図8において、実施の形態2と同様の構成については図4(A)と同一の符号を付している。図8に示すように、遮光部5111a1は、-Z方向側で発光部22と対向し断面の頂部が-Z方向側を向く姿勢で配置されている。これにより、発光部22から放射された光が遮光部5111a1の側壁5111a3で+Z方向側へ反射され、側壁5111a4で-X方向側へ放射される。このカバー本体5111も、発光部22から放射される光を透過させる軟性材料と、発光部22から放射される光を遮断する軟性材料と、を用いた二色押出成型法により作製することができる。
【0031】
実施の形態2では、カバー本体2111の第1部位2111aが矩形板状である例について説明したが、第1部位の形状はこれに限定されるものではない。例えば図9(A)に示す照明装置6001のように、カバー6011のカバー本体6111が、直方体状の第1部位6111aを有するものであってもよい。或いは、図9(B)に示す照明装置11001のように、カバー11011のカバー本体11111が、断面半円形の柱状の第1部位11111aを有するものであってもよい。ここで、第1部位11111aの直径は、本体部2012の一対の側片2122の間の距離よりも長い。
【0032】
実施の形態3では、2つの連結部材7004により2つの本体部2012を連結する例について説明した。但し、これに限らず、例えば図10(A)および(B)に示す照明装置8001のように、1つの連結部材8004により2つの本体部2012を連結する構成であってもよい。なお、図10(A)および(B)において、実施の形態3と同様の構成については図5(A)および(B)と同一の符号を付している。
【0033】
連結部材8004は、図11に示すように、矩形板状の主部8041と、主部8041における隣り合う2辺から主部8041の厚さ方向へ延在する平面視L字状の側壁8421と、側壁8421が延在する2辺と対向する1つの角部から主部8041の厚さ方向へ延在する平面視L字状の側壁8422と、連結部材8004を2つの本体部2012に固定するための2つの円柱状のピン8043と、を有する。2つのピン8043は、前述の2辺以外の2辺それぞれに対応する2つの側面8041bそれぞれに立設されている。また、主部8041の中央部には、平面視円形であり主部8041を厚さ方向に貫通する貫通孔8041aが形成されている。側壁8421、8422における互いに対向する面側の主部8041側とは反対側の端部それぞれに、主部8041と平行に延在する溝8421a、8422aが形成されている。連結部材8004は、ピン8043がそれぞれ本体部2012の2つの磁石保持部123の間に嵌入された状態で配置される。また、カバー2011の端部は、その端部の係止部2112が側壁8421、8422の溝8421a、8422aに嵌合した状態で連結部材8004に固定される。
【0034】
或いは、図12(A)および(B)に示す照明装置10001のように、平面視略扇型の形状を有する連結部材10004により2つの本体部2012を連結する構成であってもよい。ここで、連結部材10004は、2つの本体部2012同士を、2つの本体部2012それぞれの長手方向が互いに交差し、且つ、2つの本体部2012それぞれの主片121の厚さ方向が互いに交差するように連結している。
【0035】
連結部材10004は、図13に示すように、断面が円を4分割してなる略扇型の形状を有する主部10041と、主部10041における湾曲面の幅方向における両端部から湾曲面と直交する方向へ延在する延在する2つの平面視略扇型形状の側壁10042と、連結部材10004を2つの本体部2012に固定するための2つの円柱状のピン10043と、を有する。2つのピン10043は、前述の湾曲面以外の2つの側面10041aそれぞれに立設されている。2つの側壁10042における互いに対向する面側の主部10041側とは反対側の端部それぞれに、端部に沿って延在する溝10042aが形成されている。連結部材10004は、ピン10043がそれぞれ本体部2012の2つの磁石保持部123の間に嵌入された状態で配置される。また、カバー2011の端部は、その端部の係止部2112が側壁10042の溝10042aに嵌合した状態で連結部材10004に固定される。
【0036】
実施の形態3において、例えば図14(A)に示す照明装置9001のように、2つの本体部2012それぞれの長手方向のなす角度を変更可能な状態で連結する連結部材9004を備えるものであってもよい。なお、図14(A)および(B)において、実施の形態3と同様の構成については図5(A)および(B)と同一の符号を付している。
【0037】
連結部材9004は、図14(B)に示すように、第1サブ連結部材9041と、第1サブ連結部材9041に旋回自在に枢着された第2サブ連結部材9042と、を有する。第1サブ連結部材9041は、図15(A)に示すように、長尺板状の本体部9411と、本体部9411の短手方向における両端部から本体部9411の厚さ方向に沿った同一の方向へ延出する2つの延出片9412と、を有する。また、第1サブ連結部材9041は、本体部9411の長手方向における一方の端部の短手方向の両端部から本体部9411の長手方向に沿って延出する2つの延出片9414と、本体部9411から延出片9412が延出する方向と反対方向へ突出し第1サブ連結部材9041を本体部2012に固定するための1つの円柱状のピン9413と、を有する。ここで、2つの延出片9412の先端部それぞれには、延出片9412の厚さ方向に貫通する平面視円形の貫通孔9412aが形成されている。また、2つの延出片9414の先端部それぞれには、互いに近づく方向へ張り出したフック部9414aが設けられている。
【0038】
第2サブ連結部材9042は、図15(B)に示すように、長尺板状の本体部9421と、本体部9421の短手方向における中央部から本体部9411の厚さ方向へ突出する突出部9422と、を有する。また、第2サブ連結部材9042は、本体部9421の長手方向における一方の端部の短手方向の両端部から本体部9421の長手方向に沿って延出する2つの延出片9424と、本体部9421から突出部9422が突出する方向と反対方向へ突出し第2サブ連結部材9042を本体部2012に固定するための1つの円柱状のピン9423と、を有する。ここで、突出部9422の先端部には、本体部9421の短手方向に沿って突出し第1サブ連結部材9041の貫通孔9412aに嵌入される2つの円柱状の突起部9422aが設けられている。また、2つの延出片9424の先端部それぞれには、互いに近づく方向へ張り出したフック部9424aが設けられている。そして、第2サブ連結部材9042は、図15(C)に示すように、2つの突起部9422aがそれぞれ第1サブ連結部材9041の2つの延出片9412それぞれの貫通孔9412aに嵌入された状態で、第1サブ連結部材9041に対して旋回自在に枢着される。また、連結部材9004は、ピン9043がそれぞれ本体部2012の2つの磁石保持部123の間に嵌入された状態で配置される。また、カバー2011の端部は、その端部の係止部2112が第1サブ連結部材9041のフック部9414aと第2サブ連結部材9042のフック部9424aとにより係止された状態で連結部材9004に固定される。
【0039】
各実施の形態では、発光素子がLED素子から構成される例について説明したが、発光素子の種類はこれに限定されるものではなく、他の無機LE素子或いは有機EL素子から構成されるものであってもよい。
【0040】
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の照明装置は、建物の通路に沿って配置されるインテリア照明として好適である。
【符号の説明】
【0042】
1,2001,3001,4001,5001,6001,7001,8001,9001,10001,11001:照明装置、11,2011,3011,4011,5011,6011:カバー、3:磁石、12,2012:本体部、21:回路基板、22:発光部、23:限流素子、111,2111,3111,4111,5111,6111,11111:カバー本体、112,2112:係止部、121:主片、122,2122:側片、122a,2111c,2122a:溝、123:磁石保持部、2111a,3111a,4111a,5111a,6111a,11111a:第1部位、3111a1,4111a1,5111a1:遮光部、3111a2,4111a2,5111a2:透光部、2111b:第2部位、7004,8004,9004,10004:連結部材、J1:中心軸
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