(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ用小型投影器
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20250124BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20250124BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/02 A
G02B3/00 A
(21)【出願番号】P 2022511116
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 IL2020050974
(87)【国際公開番号】W WO2021053661
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-08-18
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010049
【氏名又は名称】ルムス エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Pinchas Sapir Street, 7403631 Ness Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダンジガー,ヨチャイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドスタイン,ネタネル
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0000124(US,A1)
【文献】国際公開第2010/035607(WO,A1)
【文献】特開2019-056745(JP,A)
【文献】国際公開第2019/065245(WO,A1)
【文献】特開平06-164070(JP,A)
【文献】特開平10-123623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0161191(US,A1)
【文献】国際公開第2018/175542(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10、27/01-27/02
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイデバイスで使用するため
の投影器であって、前記投影器が、照射部と、中継部と、開口数拡大器(NAE)と、を備え、
前記照射部は、1つ以上の照射源、光を像面上に集束させる集束レンズ、および前記集束レンズと前記像面との間に挿入された走査装置を含み、
前記中継部は、前記像面からの光を射出瞳上にコリメートする
光学反射レンズを含み、
前記中継部は、走査面が前記射出瞳の画像共役であるように構成され、前記射出瞳は導波管の入射瞳として機能し、
前記NAEは、前記照射部から光を受け取ることであって、前記受け取った光が第1の平均開口数を有する、受け取ることと、前記中継部に光を透過させることであって、前記透過された光が、1よりも大きいNAEの平均拡大率によって前記第1の平均開口数よりも大きい第2の平均開口数を有する、透過させることと、を行うように構成され
、
前記NAEの表面が、前記中継部および前記照射部に起因する像面湾曲収差を少なくとも部分的に修正するために湾曲している、小型投影器。
【請求項2】
前記走査装置が、集束ビームによって照射される、請求項1に記載の投影器。
【請求項3】
前記照射部が、前記走査装置と前記像面との間に、かつ、前記像面の近位に挿入された視野レンズをさらに備える、請求項1に記載の投影器。
【請求項4】
前記走査装置から前記視野レンズに伝搬する光のビーム直径が、少なくとも2分の1に減少する、請求項3に記載の投影器。
【請求項5】
前記走査装置が、2つの実質的な直交軸の周りを回転する単一のミラー、または各々が単一の軸の周りを回転する2つのミラーを備える、請求項1に記載の投影器。
【請求項6】
前記1つ以上の照射源が、レーザダイオード、並列レーザダイオード、発光ダイオード(LED)、マイクロLED、およびLCOS(liquid crystal on silicon)照射デバイスを含む群から選択される照射源を含む、請求項1に記載の投影器。
【請求項7】
前記照射部が、前記1つ以上の照射源によって放出される照射出力を監視するための1つ以上の光検出器を備える、請求項1に記載の投影器。
【請求項8】
前記1つ以上の光検出器が、少なくとも1つのスペクトルフィルタを含む、請求項7に記載の投影器。
【請求項9】
前記照射部が、反射レンズを含む、請求項1に記載の投影器。
【請求項10】
並列構成で配置された少なくとも2つの照射源を含み、照射源の各々によって放出された光の第1の部分が、前記走査装置および前記集束レンズによって
伝導される、請求項1に記載の投影器。
【請求項11】
前記照射部が、前記1つ以上の照射源によって放出される照射出力を監視するための2つ以上の光検出器を備え、
前記照射源の各々によって放出された光の第2の部分が、
複数の前記光検出器から成る光検出器アレイに向かって反射される、請求項10に記載の投影器。
【請求項12】
光の前記第2の部分が、前記照射源の速軸に沿って放出され、前記速軸は、広範なビーム発散を有する、請求項11に記載の投影器。
【請求項13】
前記並列構成の最外側のビーム間の間隔が、少なくとも0.1ミリメートルに及ぶ、請求項10に記載の投影器。
【請求項14】
前記NAEの表面が、前記中継部および前記照射部のうちの少なくとも1つに起因する像面湾曲収差を少なくとも部分的に修正するために湾曲している、請求項1に記載の投影器。
【請求項15】
前記NAEが、部品間のすき間なしに光学部品間に埋め込まれている、請求項1に記載の投影器。
【請求項16】
前記NAEが、少なくとも部分的に透過させるか、または部分的に反射するマイクロレンズアレイ(MLA)または光拡散器として実装される、請求項1に記載の投影器。
【請求項17】
前記NAEが、比較的高い光出力のMLAの表面上に重ね合わせた比較的低い光出力の拡散器を含む拡散MLAとして実装される、請求項1に記載の投影器。
【請求項18】
前記NAEの平均拡大率の値が、2~5の範囲にある、請求項1に記載の投影器。
【請求項19】
前記中継部が、1つ以上の偏光光学素子を含む、請求項1に記載の投影器。
【請求項20】
前記中継部が、偏光ビームスプリッタおよび反射コリメータレンズを含む、請求項
19に記載の投影器。
【請求項21】
ヘッドマウントディスプレイデバイスで使用するための小型投影器であって、前記投影器が、照射部と、中継部と、開口数拡大器(NAE)と、を備え、
前記照射部は、1つ以上の照射源、および光を像面上に集束させる集束レンズを含み、
前記中継部は、前記像面からの光を射出瞳上にコリメートする
光学反射レンズを含み、
前記NAEは、前記照射部から光を受け取ることであって、前記受け取った光が第1の平均開口数を有する、受け取ることと、前記中継部に光を透過させることであって、前記透過された光が、1よりも大きいNAEの平均拡大率によって前記第1の平均開口数よりも大きい第2の平均開口数を有し、
前記NAEは、その湾曲が前記中継部および前記照射部のうちの少なくとも1つに起因する像面湾曲収差を少なくとも部分的に修正するように構成されている曲面を備える、小型投影器。
【請求項22】
前記NAEの平均拡大率の値が、2~5の範囲にある、請求項
21に記載の投影器。
【請求項23】
ヘッドマウントディスプレイデバイスで使用するための小型投影器であって、前記投影器が、照射部と、中継部と、開口数拡大器(NAE)と、を備え、
前記照射部は、1つ以上の照射源、光を像面に集束させる集束レンズ、および前記集束レンズと前記像面との間に挿入された走査装置を含み、前記走査装置は、集束ビームによって照射され、
前記中継部は、前記像面からの光を射出瞳上にコリメートする
光学反射レンズを含み、
前記NAEは、前記照射部から光を受け取ることであって、前記受け取った光が第1の平均開口数を有する、受け取ることと、前記中継部に光を透過させることであって、前記透過された光が、1よりも大きいNAEの平均拡大率によって前記第1の平均開口数よりも大きい第2の平均開口数を有する、透過させることと、を行うように構成された、小型投影器。
【請求項24】
前記照射部が、前記走査装置と前記像面との間に、かつ、前記像面の近位に挿入された視野レンズをさらに備える、請求項
23に記載の投影器。
【請求項25】
前記走査装置から前記視野レンズに伝搬する光のビーム直径が、少なくとも2分の1に減少する、請求項
24に記載の投影器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイに関し、具体的には、ヘッドマウントディスプレイおよび拡張現実システムで使用するための小型投影器に関する。
【背景技術】
【0002】
ニアアイディスプレイまたはヘッドアップディスプレイでは、レーザ投影器の機能は、走査されたレーザビームを導波管に結合することであり、この導波管は、照射を視聴者の目に伝達する。通常、レーザビームは走査ミラーによって画像視野上で走査され、瞳孔撮像は導波管へのビーム結合を維持するために使用される。
【0003】
画像をニアアイのヘッドマウントディスプレイに投影するには、導波管の入射瞳が、
a)均一な画像を作り出すために完全に照射されており、および、
b)投影された視野を走査している間でも、導波管に完全に結合されているべきである。
【0004】
レーザ投影器の場合、レーザビームは通常、開口数拡大器(以下、NAE)と呼ばれる光学素子上のスポットに集束され、その後、光がコリメートされて射出瞳に向けられる。NAEは、例えば、拡散器またはマイクロレンズアレイ(MLA)によって実装され得る。NAEの後、光はコリメートされ、射出瞳に向けられる。1つ以上の走査ミラーを有する走査装置を使用して、投影された視野上でレーザビームを操縦する。走査装置は通常、レーザ投影器の限界光学開口を形成する。
【0005】
カラーレーザ投影器では、赤、緑、および青のレーザからの光照射は、通常、走査装置によって走査され、NAEによって拡大される単一のコリメートされたビームに統合される。投影器の光学システムとその関連する機械的サポートは、かさばり、ヘッドマウントディスプレイに実装するのが困難であることが多い。従来技術のレーザ投影器の撮像性能は、主に、球面、色、および/または像面湾曲の光学収差によって制限される。球面収差は、レーザ集束レンズが大きい開口数に光線を集束させなければならないため、大きい投影視野(FOV)を形成するときに発生する。色収差は、赤、緑、および青のレーザ照射の光線路が異なることによってもたらされる。像面湾曲収差は、屈折光学素子の場合のように正であってもよく、または反射光学素子の場合のように負であってもよい。従来技術のレーザ投影器では、上記の収差により、達成可能な画像解像度を厳しく制限する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、光学収差の主な原因を少なくとも部分的に修正することによって高い画像解像度を提供する革新的な小型投影器である。投影器は、照射部と、NAEと、中継部とで構成されている。また、いくつかの実施形態では、中継部の射出瞳のすぐ近くに配設された光学停止部を含む。
【0007】
本出願では、名詞または形容詞として使用するときの「レーザ」という用語は、レーザダイオード、発光ダイオード(LED)、マイクロLEDなどのヘッドマウントディスプレイで使用される様々な照射源、およびLCOS(liquid crystal on silicon)照射デバイスを含むことを意図している。さらに、像面、共役平面、および主平面などの光学用語での「平面」という用語の使用は、厳密に数学的な意味で平面であってもよく、またはそうでなくてもよい表面を指すと理解される。
【0008】
本開示の主題の一態様によれば、照射部と、中継部と、開口数拡大器(NAE)と、を含み、照射部は、1つ以上の照射源、光を像面上に集束させる集束レンズ、および集束レンズと像面との間に配設された走査装置を有し、中継部は、像面からの光を射出瞳上にコリメートする光学素子を含み、NAEは、照射部から光を受け取ることであって、受け取った光が第1の平均開口数を有する、受け取ることと、中継部に光を透過させることであって、透過された光が、1よりも大きいNAEの平均拡大率によって第1の平均開口数よりも大きい第2の平均開口数を有する、透過させることと、を行うように構成された、ヘッドマウントディスプレイデバイスで使用するための小型投影器が提供される。
【0009】
いくつかの態様によれば、走査装置は、集束ビームによって照射される。
【0010】
いくつかの態様によれば、照射部はまた、走査装置と像面との間に、および像面の近位に配設された視野レンズを含む。
【0011】
いくつかの態様によれば、走査装置から視野レンズに伝搬する光のビーム直径は、少なくとも2分の1に減少する。
【0012】
いくつかの態様によれば、走査装置は、2つの実質的な直交軸の周りを回転する単一のミラー、または各々が単一の軸の周りを回転する2つのミラーを備える。
【0013】
いくつかの態様によれば、照射源は、レーザダイオード、並列レーザダイオード、発光ダイオード(LED)、マイクロLED、およびLCOS(liquid crystal on silicon)照射デバイスで構成される群から選択される照射源を含む。
【0014】
いくつかの態様によれば、照射部は、1つ以上の照射源によって放出される照射出力を監視するための1つ以上の光検出器を備える。
【0015】
いくつかの態様によれば、1つ以上の光検出器は、スペクトルフィルタを含む。
【0016】
いくつかの態様によれば、照射部は、反射レンズを含む。
【0017】
いくつかの態様によれば、投影器は、並列構成で配置された少なくとも2つの照射源を含み、照射源の各々によって放出された光の第1の部分は、走査装置および集束レンズによって透過される。
【0018】
いくつかの態様によれば、照射源の各々によって放出された光の第2の部分は、光検出器アレイに向かって反射される。
【0019】
いくつかの態様によれば、光の第2の部分は、広範なビーム発散を有する照射源の速軸に沿って放出される。
【0020】
いくつかの態様によれば、並列構成の最外側のビーム間の間隔は、少なくとも0.1ミリメートルに及ぶ。
【0021】
いくつかの態様によれば、NAEの表面は、中継部および/または照射部に起因する像面湾曲収差を少なくとも部分的に修正するために湾曲している。
【0022】
いくつかの態様によれば、NAEは、部品間のすき間なしに光学部品間に埋め込まれている。
【0023】
いくつかの態様によれば、NAEは、少なくとも部分的に透過させるか、または部分的に反射するマイクロレンズアレイ(MLA)または光拡散器として実装される。
【0024】
いくつかの態様によれば、NAEは、比較的高い光出力のMLAの表面に重ね合わせた比較的低い光出力の拡散器を含む拡散MLAとして実装される。
【0025】
いくつかの態様によれば、NAEの平均拡大率の値は、2~5の範囲にある。
【0026】
いくつかの態様によれば、中継部は、屈折コリメートレンズまたは反射コリメートレンズを含む。
【0027】
いくつかの態様によれば、中継部は、1つ以上の偏光光学素子を含む。
【0028】
いくつかの態様によれば、中継部は、偏光ビームスプリッタおよび反射コリメータレンズを含む。
【0029】
いくつかの態様によれば、集束レンズおよび中継部は、走査装置の走査面が射出瞳の画像共役であるように構成されている。
【0030】
本開示の主題の別の態様によれば、導波管に光学的に結合された中継部を含み、この中継部が射出瞳を有し、この導波管が入射瞳を有する、ヘッドマウントディスプレイデバイスで使用するための小型投影器が提供される。
【0031】
いくつかの態様によれば、横軸停止部および/または垂直軸停止部は、射出瞳および/または入射瞳に、またはそれに近接して配設されている。
【0032】
いくつかの態様によれば、中継部は、射出瞳を入射瞳に光学的に接続する結合プリズムを備える。
【0033】
いくつかの態様によれば、結合プリズムの1つ以上の表面は、横軸停止部および/または垂直軸停止部を含む。
【0034】
本開示の主題の別の態様によれば、照射部と、中継部と、開口数拡大器(NAE)と、を含み、照射部は、1つ以上の照射源、および光を像面上に集束させる集束レンズを含み、中継部は、像面からの光を射出瞳上にコリメートする光学素子を含み、NAEは、照射部から光を受け取ることであって、受け取った光が第1の平均開口数を有する、受け取ることと、中継部に光を透過させることであって、透過された光が、1よりも大きいNAEの平均拡大率によって第1の平均開口数よりも大きい第2の平均開口数を有する、透過させることと、を行うように構成されており、NAEは、中継部および/または照射部に起因する像面湾曲収差を、その湾曲が少なくとも部分的に修正するように構成されている曲面を含む、ヘッドマウントディスプレイデバイスで使用するための小型投影器が提供される。
【0035】
いくつかの態様によれば、NAEの平均拡大率の値は、2~5の範囲にある。
【0036】
本開示の主題の別の態様によれば、照射部と、中継部と、開口数拡大器(NAE)と、を含み、照射部は、1つ以上の照射源、光を像面上に集束させる集束レンズ、および集束レンズと像面との間に配設された走査装置を含み、走査装置は、集束ビームによって照射されており、中継部は、像面からの光を射出瞳上にコリメートする光学素子を含み、NAEは、照射部から光を受け取ることであって、受け取った光が第1の平均開口数を有する、受け取ることと、中継部に光を透過させることであって、透過された光が、1よりも大きいNAEの平均拡大率によって第1の平均開口数よりも大きい第2の平均開口数を有する、透過させることと、を行うように構成された、ヘッドマウントディスプレイデバイスで使用するための小型投影器が提供される。
【0037】
いくつかの態様によれば、照射部はまた、走査装置と像面との間に、および像面に近接して配置された視野レンズを含む。
【0038】
いくつかの態様によれば、走査装置から視野レンズに伝搬する光のビーム直径は、少なくとも2分の1に減少する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明は、添付の図面を参照して、例としてのみ本明細書に記載されている。同様の参照番号は、図面に類似した、または同様の要素を示すために使用される。
【0040】
【
図1】本発明の原理による、レーザ投影器の主要な光学部品の概略図である。
【
図2A】
図1の像面に隣接する像面湾曲の図である。
【
図2B】
図1の像面に隣接する像面湾曲の図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による、例示的なレーザ投影器の分解光学レイアウトである。
【
図4】
図3の実施形態による走査の場合の光線追跡図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態による、例示的なレーザ投影器の分解光学レイアウトである。
【
図6】本発明の原理による、埋め込まれたNAEの構造の詳細を示す図である。
【
図7B】本発明による埋め込まれたNAE表面の図である。
【
図8A】本発明による、複数のレーザビームを有するレーザ投影器のための例示的な照射部の概略光学レイアウトである。
【
図8B】本発明による、複数のレーザビームを有するレーザ投影器のための例示的な照射部の概略光学レイアウトである。
【
図8C】本発明による、複数のレーザビームを有するレーザ投影器のための例示的な照射部の概略光学レイアウトである。
【
図9A】本発明による、レーザ投影器および関連する導波管の部分の側面図である。
【
図9B】走査ミラーの例示的な回転を示す、レーザ投影器の部分の斜視図である。
【
図10A】迷光が投影器の射出瞳を通過するのを防止するように構成されている、垂直軸停止部および横軸停止部の例示的な実装を示す図である。
【
図10B】迷光が投影器の射出瞳を通過するのを防止するように構成されている、垂直軸停止部および横軸停止部の例示的な実装を示す図である。
【
図10C】迷光が投影器の射出瞳を通過するのを防止するように構成されている、垂直軸停止部および横軸停止部の例示的な実装を示す図である。
【
図11A】本発明による、例示的な停止構成を示す図である。
【
図11B】本発明による、例示的な停止構成を示す図である。
【
図11C】本発明による、例示的な停止構成を示す図である。
【
図11D】本発明による、例示的な停止構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明の原理による、小型投影器100の主要な光学部品の概略図を示している。投影器は、照射部100U、1つ以上の光学素子を含むNAE100M、および中継部100Lの3つの主要部で構成されている。照射部は、1つ以上の照射源を含み、これは、例えば、レーザまたは発光ダイオード(LED)であってもよい。
【0042】
レーザ201からの光は、集束ビームを形成する集束レンズ223によって像面215上に集束される。集束ビームは、例えば、
図1に示すような2つの走査ミラー224および225で構成することができるか、または2つの回転軸を有する単一の走査ミラーで構成することができる走査装置211によって2つの直交方向に操縦される。走査装置211を集束ビーム内に配設することにより、走査ミラー225後、像面215から遠く離れた場所に追加のレンズを配設する必要がなくなる。従来技術のレーザ投影器に見られるこのような追加のレンズには、かなりの重量と複雑さを追加するという欠点がある。
【0043】
視野レンズ219を通過するビームは、像面215上に集束され、次にコリメータレンズ218によって平行ビームに形成される。視野レンズ219は、好ましくは、焦点位置およびビーム発散に軽微な影響を及ぼし、また、走査装置と瞳孔面234との間の瞳孔撮像を可能にするために、像面215の近位にある。
【0044】
像面215に入る光線は、214で示される比較的狭い開口数を有する。例えば、照射部100U内の集束ビームの直径は、集束レンズ223の主平面で1.3mm、ミラー224で0.8mm、視野レンズ219の主平面でわずか0.25mmであり得る。像面215では、レーザスポットの直径は、通常、0.01mm、または10ミクロン程度である。
【0045】
開口数を拡大するNAE100Mが存在しない場合、コリメータレンズ218に入る光は、
図1の破線矢印で示すように、コリメートされた狭いビームを形成し、射出瞳234を満たさない。その結果、視聴者の目に光を結合する導波管の入射瞳における画像が不完全になる。NAE100Mの効果は、実線矢印で示すように、開口数を拡大し、それにより射出瞳234を満たすことである。すべての残余散乱光は、停止部260によって吸収される。
【0046】
「R」で示されるNAEの平均拡大率は、1以上の値を有する。一般に、「開口数」という用語は、ビーム伝搬軸に垂直な方向のビームの半角度を示す。円形の断面形状を有するビームの場合、ビームの角度幅を特徴付けるには、度単位の開口数の単一の値で十分である。非円形の断面形状を有するより一般的なビームの場合、開口数の平均値は、ビームの立体角にわたって平均化することによって計算することができる。この場合、「NAEの平均拡大率」という用語は、NAEを出るビームの平均開口数とNAEに入るビームの平均開口数との間の度の単位/度の比率を示す。
【0047】
図1では、投影器100は、レーザビームを像面215上に集束させる機構、および射出瞳234に入るビームをコリメートする機構の、本質的に2つの集束機構を有する。これらの集束機構の各々は、像面湾曲に寄与する。
【0048】
図2(a)および
図2(b)では、NAEによる像面湾曲修正がないと仮定した場合の像面215に隣接する像面湾曲を示している。照射部100Uに面する側の像面湾曲は、点線215Aで表されている。中継部100Lに面する側の像面湾曲は、それぞれ、
図2(a)および
図2(b)の破線215B1および215B2によって示されるように、2つの可能性がある。
図2(a)では、線215Aおよび215B1の湾曲は、同じ向きを有する、つまり、中継部200Lから見たときには両方とも凹面状である。線215および215B1の湾曲に従ってNAE100Mに曲面を実装することにより、正味の像面湾曲を少なくとも部分的に修正して、投影された画像の解像度を最適化することが可能である。
【0049】
図2(b)では、線215Aおよび215B2の湾曲は、逆向きである。この場合、NAE100Mの曲面は、主に線215B2の湾曲向きに従って実装されるべきである。これについては、中継部の特定の光学レイアウトに関連して、以下でさらに詳細に説明する。
【0050】
図3では、本発明の第1の実施形態による、例示的なレーザ投影器200の光学レイアウトを示している。投影器200は、照射部200U、NAE200M、および中継部200Lの3つの部で構成されている。レーザ201からの光は、焦点アクチュエータ345の制御下にある、Corning社製のCorning(登録商標)Varioptic(登録商標)可変焦点液体レンズなどの動的焦点調整デバイス340を通過する。次に、光は折り畳みミラー222によって反射され、集束レンズ223を通過する。レンズ223は、好ましくは、複レンズまたは非球面レンズである。走査ミラー224および225は、ビームを視野レンズ219に向け、視野レンズ219は、走査ミラー224または225の共役平面と射出瞳234との間に瞳孔像を生成するためにビームを傾斜させる。任意選択で、ミラー222は、部分的に透過可能であってもよく、光検出器235は、ミラー222を透過した光を受け取るために、図に示すように配設されてもよい。光検出器235は、放出された照射出力レベルなど、レーザ201の様々な放出パラメータを監視するために使用され得る。
【0051】
レーザ焦点スペーサ227は、照射部200Uの位置合わせ中に、像面215上のレーザスポットに最適に焦点を合わせるために使用される。NAE200Mは、NAEキャリア228、および像面215のすぐ近くにあるNAE基板229を含む。NAE200Mに出入りするビームの開口数は、それぞれ、矢印220Uと220Lとで表される。コリメータ焦点スペーサ230は、中継部200Lの位置合わせ中に、射出瞳234への光のコリメーションを最適化するために使用される。
図3の分解された光学レイアウトにおいて、NAE基板229とスペーサ230との間に現れる空間は、説明を明確にするためのものであり、部品間のすき間であることを意図するものではない。実際、部品間のすき間は投影器の機械的構造および組み立てを複雑にする傾向があり、構造的完全性および湿度ならびに粒子汚染に対する密閉を損なう可能性があるため、NAE基板229とスペーサ230とは接触しているのが好ましい。
【0052】
コリメータ焦点スペーサ230を通過する光は、偏光ビームスプリッタ(PBS)231によって反射コリメータレンズ232上に反射される。コリメートされた反射ビームは、PBS231および偏光マニピュレータ233を通過して、射出瞳234に移動する。偏光マニピュレータ233は、液晶アクチュエータなどの偏光アクチュエータ335によって制御される偏光スクランブラまたはアクティブ焦点デバイスのいずれかである。偏光マニピュレータ233の使用は、レーザ201が明確に定義された偏光を有する場合にのみ可能である。
【0053】
図3の実施形態では、像面215における像面湾曲は、
図2Aに示すものと同様であり、線215Aおよび215B1の湾曲は同じ向きを有する。照射部200Uの線215Aの湾曲は、主に、集束光によって照射される集束レンズ223、ならびに走査ミラー224および225によって生成される。中継部200Lの線215B1の湾曲は、主に反射コリメータレンズ232によって生成される。中継部の開口数が比較的大きいため、中継部は照射部よりも像面湾曲の焦点ぼけを与え、したがって、画像劣化を防止するために、より厳密に補正されなければならない。レーザスポットサイズを最小化し、投影された画像視野の画像解像度を最大化するために、NAE基板229の物理的湾曲は、線215B1の湾曲と実質的に同じになるように設計されるべきである。
【0054】
図4は、
図3の実施形態による走査の場合の光線追跡図である。走査ミラー225は、視聴者が見た視野(FOV)の異なる部分を照射するために傾斜される。
図3の実施形態における視野レンズ219の光出力は、ミラー224または225の走査面が射出瞳234の画像共役となるように決定される。このようにして、コリメートされた光は、走査装置による軸外走査中であっても、射出瞳234を通過し続ける。
【0055】
図5では、本発明の第2の実施形態による、例示的なレーザ投影器300の光学レイアウトを示している。投影器300は、照射部300U、NAE300M、および中継部300Lの3つの部で構成されている。
図3のように、走査ミラー224および225は、ビームを視野レンズ219に向け、視野レンズ219は、走査ミラー224または225の共役平面と射出瞳234との間に瞳孔像を生成するためにビームを傾斜させる。NAE300Mは、NAEキャリア328およびNAE基板329を含む。NAE300Mに出入りするビームの開口数は、矢印320Uと320Lとで示している。中継部300Lは、屈折素子332を含む。コリメートされた光は、偏光マニピュレータ233および射出瞳234を通過する。
【0056】
レーザ投影器300の撮像視野全体の解像度を最適化するために、NAE基板329の湾曲は、
図3のNAE基板229の湾曲とは向きが反対である。この理由は次のとおりである。
図5の実施形態では、像面215における像面湾曲は、
図2Bに示すものと同様であり、線215Aおよび215B2の湾曲は逆向きを有する。線215B2の像面湾曲は、主に中継部300Lの屈折素子332によってもたらされる。
【0057】
矢印320Lにおける中継部の開口数は、矢印320Uにおける照射部の開口数よりも多い。被写界深度(DOF)は、開口数に反比例するため、中継部のDOFは、通常は0.5mm程度である照射部のDOFと比較して比較的小さく、通常は0.1mm程度である。結果として、NAE基板329の湾曲は、主に中継部の湾曲によって左右され、その向きは、線215B2によって表される向きに対応する。NAE基板329の湾曲度は、像面湾曲による焦点ぼけの度合いがNAE基板の両側でほぼ同じになるように決定される。NAE基板329の最適な表面形状は、レーザ投影器300のいくつかの実装形態では球形であってもよく、他の実装形態では非球面であってもよい。
【0058】
図6は、本発明の原理による、埋め込まれたNAE600の構造の詳細を示す図である。埋め込まれたNAEは、湿度や汚染の影響を受けにくく、エアギャップを有する従来技術のNAEよりも機械的に堅牢である。NAE600の素子は、平坦な表面を有するものとして示されているが、例えば、それぞれ、
図3および
図5のNAE基板229および329の場合のように、表面がまた湾曲していてもよい。素子350および356は、NAE600に隣接するスペーサを表し、これらは、
図3に示すスペーサ227および230に類似している。
【0059】
NAE600に出入りする光の開口数は、それぞれ、矢印360と362とで概略的に示される。NAEの平均拡大率Rの値は、一般には1よりも大きく、通常2~5の範囲にある。NAEキャリア352は、接着剤358を接合面378に塗布することにより、NAE基板354に接着される。NAEキャリアの屈折率をn(352)で表し、接着剤の屈折率をn(358)で示す。従来技術のNAEのように、接着剤を1に等しい屈折率を有する部品間のすき間で置き換える場合、Rの値は[n(358)-n(352)]/[n(352)-1]に等しい係数で減少することになる。したがって、部品間のすき間を導入すると、NAEの平均拡大率Rが減少する。
【0060】
図7Aは、従来技術による、NAE表面376の図であり、この表面は、拡散器またはマイクロレンズアレイ(MLA)の表面に対応することができる。走査レーザからの入射光線368は、平滑な領域で表面376に衝突し、散乱は、光線370によって表されるように、開口数の増加を引き起こす。しかしながら、入射光線369は、隣接する拡散器またはマイクロレンズとの間の鋭く尖った領域で表面376に衝突する。この場合、通常の散乱線372に加えて、散乱はまた、広範な角度で回折される光線375を生じる。これらの光線は多重散乱を引き起こし、投影された画像の一部のピクセルで画像コントラストを低下させる。
【0061】
図7Bは、本発明による埋め込まれたNAE表面378の図である。表面378には、鋭く尖った領域がない。この場合の入射光線369は、光線372および378を生じ、これらはすべて、NAEを離れる際に開口数の所望の増加に寄与する。
図7Aの従来技術のように、広範な角度で回折された光線は存在しない。結果として、本発明の埋め込まれたNAEは、従来技術の拡散器またはMLAが示す画像コントラストの劣化を受けない。
【0062】
NAE表面378がMLAとして実装されるとき、MLA上の照射スポットの半値全幅直径は、回折作用を回避するために、隣接するマイクロレンズ間のピッチよりも好ましくは1~4倍大きくあるべきである。
【0063】
図7BのNAEを透過した光は、不均一な強度の照射を生じる可能性がある。不均一性を修正するために、NAEは「拡散MLA」を用いて実装することができ、この場合、MLAの全体的な曲面上に拡散器を重ね合わせる。拡散器の光出力は、MLAの光出力と比較して小さいことが好ましい。例えば、拡散器によって提供される開口数の拡大は、MLAの開口数の5分の1~3分の1にすぎない場合がある。上に開示された本発明の原理に従って構築された拡散MLAでは、MLAの不均一性は効果的に平均化され、一方、拡散器の不均一性は重要ではない。
【0064】
図8A、
図8Bおよび
図8Cでは、本発明による、複数のレーザビームを有するレーザ投影器のための例示的な照射部の概略光学レイアウトを示している。レーザモジュール801は、例えば、赤、緑、および青の照射に対応する波長を有するビーム401、402、および403を放出する。通常、ビームは、レーザモジュール801内に並列構成で配置された3つの隣接するレーザ源によって放出される。最外側のレーザビームは、通常0.1mm以上離れている。レーザは、これらのビームがすべて集束レンズ223を通過し、走査ミラー224および225を照射するように位置合わせされる。光検出器アレイ412によるレーザモジュール801のリアルタイム監視は、出力スパイクを防止し、照射出力レベルおよび各放出ビームの安定性に対する厳密な制御を維持するために不可欠である。
【0065】
図8Aでは、ビーム401、402、および403は、部分的に反射する表面406Aによって部分的に反射される。各ビーム内の光の一部は、表面406Aを透過し、次に表面408Aによって反射され、レンズ410によって光検出器アレイ412上に集束される。レンズ410は、レーザモジュール801内の複数のレーザの光源面を光検出器アレイ412上に画像化し、その結果、アレイ412内の各光検出器が単一のレーザに対応する光出力を受け取る。光検出器間の光クロストークを低減するために、光検出器アレイの異なる部分が異なるレーザ波長に敏感になるように、1つ以上のスペクトルフィルタをアレイ412に適用することが好ましい。
【0066】
図8Bでは、湾曲して反射する表面408Bは、反射および集束の2つの機能を単一の素子に組み合わせ、これは、
図8Aの表面408Aおよびレンズ410に取って代わる。
【0067】
レーザダイオードによって放出されるレーザビームなどのレーザビームは、通常、ビーム発散角が比較的広い「速」軸と、ビーム発散角が比較的狭い「遅」軸とを特徴とする。
図8Cは、レーザ出力を監視するために使用される光線が、走査ミラー224および225に衝突しない、大角度で速軸上に放出される光線である概略光学レイアウトを示している。
【0068】
図8Cでは、中心穴または開口を有する反射ミラー414は、撮像に使用される光が中心穴を通過し、完全に(100%)反射ミラー406Cによって走査ミラーに向かって反射されるように位置付けられる。大角度で速軸上に放出された光は、ミラー414によって反射され、次にレンズ410によって光検出器アレイ412上に集束される。発散する照射ビームの片側からのみ光を集めることを含む、他の形状のミラー414が可能である。
【0069】
図8A、
図8B、および
図8Cに示す概略光学レイアウトは、例示的なものであり、多くの代替構成が可能である。例えば、折り畳み反射器として機能する反射素子406A、406Bおよび406Cは、図面の平面内にあるものとして示されている。しかしながら、反射素子を図の平面の外側に配設することで、より小型で光効率の高い構成を実現することができることが多い。さらに、アレイ412およびレンズ410は、
図3の反射器222Cの真後ろに配設することができ、それにより、反射ミラー408の必要性が排除される。
【0070】
図9Aは、本発明による、レーザ投影器および関連する導波管の部分の側面図である。走査ミラー224および225が投影器システムの最小開口であることが多い限りにおいて、走査装置の走査面が射出瞳234の画像共役であるときに最適な光透過が達成される。また、射出瞳は、
図9Aに示すように、導波管450の入射瞳としても役立つ。レーザ投影器の光学部品のサイズおよび形状は、射出瞳234が導波管450の入射瞳と完全に重なるように決定される。
【0071】
図9Bは、走査ミラーの例示的な回転を示す、レーザ投影器の部分の斜視図である。
図9Bでは、走査ミラー225は、入射レーザ光およびレーザ投影器の他の部品に対して90度の角度で傾斜している。射出瞳234も回転され、その結果、ミラー225の走査面は射出瞳の画像共役であり続ける。
【0072】
図10A、10B、および10Cは、垂直軸停止部および横軸停止部の例示的な実装を示す図であり、これらの停止部は、迷光が、画像歪みおよびコントラストの劣化を生じさせ得る投影器の射出瞳の通過を防止するように構成されている。光学停止部は、垂直軸停止部464および横軸停止部460で構成されており、垂直軸は、
図9Aに示すように、導波管の厚さの方向を指し示し、横軸は、垂直軸および導波管内部の光の伝播方向に垂直な方向を指し示している。
【0073】
図10Aでは、迷光は、矢印299によって表されるように、NAEにおける広範な角度散乱によって生成される可能性がある。
図10Bは、結合プリズム462の表面に取り付けられた横軸停止部460を示す上面図である。
図10Cは、結合プリズム462の異なる表面に取り付けられた垂直軸停止部464を示す側面図である。
【0074】
図10A~10Cでは、停止部460および464は、射出瞳234の位置からいくらか変位している。この変位は、一部の散乱光が射出瞳234を通過して導波管450に入ることを可能にし得るため、望ましくない。
【0075】
図11A~
図11Dは、本発明による例示的な停止部構成を示す図であり、停止部は、射出瞳234のすぐ近くに配設されている。様々な停止部品は、460A、460B、460C、および460Dで示されている。
【0076】
図11A、
図11C、および
図11Dでは、結合プリズムは、導波管450の横に配設されている。
図11Cでは、横軸部品460Cは、結合プリズムと導波管450との間の境界面上にある。これには、垂直軸停止部464を射出瞳に非常に近づけることができるという利点がある。
図11Bでは、結合プリズムは、導波管450の上部に配設されている。これには、横軸停止部の部品460Bを射出瞳に非常に近づけることができるという利点がある。
【0077】
図11Dでは、追加の垂直軸停止部品460Dが導入されて、NAEから発生しない迷光を遮断する。停止部品460Dは、一般に、射出瞳234よりも幅が広く、停止部品460Bと組み合わせて実装することができる。
【0078】
図11A、
図11B、および
図11Cの構成は、走査ミラーが実質的に分離されており、また、投影器内の他の光学素子の開口に比べて小さいレーザ投影器の実施形態に特に適している。
【0079】
上記の説明は例としてのみ役立つことを意図し、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内で多くの他の実施形態が可能であることが理解される。例えば、投影器の照射部の照射源は、レーザ、発光ダイオード(LED)マイクロLED、および/またはLCOS(liquid crystal on silicon)照射デバイスであってもよい。別の例として、中継部と導波管との間の結合プリズムは、透過モードの代わりに反射モードで動作することができる。さらに、NAEの他の多くの構成は、
図6および
図7Bに明示的に示されているものに加えて、光学設計の当業者には容易に明らかであるように、本明細書に開示された原理に基づいて可能である。