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特許7624747二置換アダマンチル誘導体、その薬学的に許容される塩、およびこれを有効成分として含む癌の増殖抑制用薬学的組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】二置換アダマンチル誘導体、その薬学的に許容される塩、およびこれを有効成分として含む癌の増殖抑制用薬学的組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 217/06 20060101AFI20250124BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20250124BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250124BHJP
   A61K 31/235 20060101ALN20250124BHJP
   A61K 31/341 20060101ALN20250124BHJP
   A61K 31/4402 20060101ALN20250124BHJP
   A61K 31/4706 20060101ALN20250124BHJP
   A61K 31/472 20060101ALN20250124BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALN20250124BHJP
   C07C 235/24 20060101ALN20250124BHJP
   C07C 235/40 20060101ALN20250124BHJP
   C07D 213/75 20060101ALN20250124BHJP
   C07D 215/40 20060101ALN20250124BHJP
   C07D 295/185 20060101ALN20250124BHJP
   C07D 307/42 20060101ALN20250124BHJP
   C07D 307/52 20060101ALN20250124BHJP
【FI】
C07D217/06 CSP
A61K31/496
A61P35/00
A61K31/235
A61K31/341
A61K31/4402
A61K31/4706
A61K31/472
A61K31/5377
C07C235/24 Z
C07C235/40
C07D213/75
C07D215/40
C07D295/185
C07D307/42
C07D307/52
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022545033
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 KR2020016110
(87)【国際公開番号】W WO2021149900
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0009445
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522293526
【氏名又は名称】ワンキュアジェン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】リ,キョン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ミ ソン
(72)【発明者】
【氏名】バン,ヒョン-スン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン キョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ボ-キョン
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0259312(US,A1)
【文献】国際公開第2011/014009(WO,A2)
【文献】Yan Xia, Qiong Duan, Bao-Hua Zhao, Dong-Feng Li, Rui-Bin Hou,Design, Synthesis and Structure-Activity Relationship Studies of Novel 4 (1-adamantyl) Phenyl Analogues as HIF-1α Inhibitors,Medicinal Chemistry,NL,Bentham Science Publishers,2016年,12(4),338-346
【文献】Kyung Hoon Min, Yan Xia, Eun Kyung Kim, Yinglan Jin, Navneet Kaur, Eun Seon Kim,A novel class of highly potent multidrug resistance reversal agents: Disubstituted adamantyl derivatives,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,19(18),NL,Elsevier Ltd.,2009年08月06日,5376-5379
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1(化1)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩:
【化1】
前記化学式1(化1)において、
は、-(Y)-(CH)m-Rであり、
前記Yは、
【化2】

であり、
前記mは、1であり、
は、置換されたC~C10のアリールであり、
ここで、前記置換されたアリールは、C~Cの直鎖または分岐鎖のハロアルキルで置換される、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記Rは、下記化3で表される、

【化3】
ことを特徴とする、請求項に記載の二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
二置換アダマンチル誘導体は、以下の化合物である、
2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エタノン(2-(4-(3-(6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-(4-(4-(trifluoromethyl)benzyl)piperazin-1-yl)ethanone)(21c)(LW1564)
ことを特徴とする、請求項1に記載の二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載の二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする抗癌用薬学的組成物。
【請求項5】
前記薬学的組成物は、固形癌に対する抗癌用薬学的組成物であることを特徴とする、請求項に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記固形癌は、乳癌、子宮頸癌、直腸癌、線維肉腫、胃癌、肝癌、肺癌および膵臓癌からなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩、及びこれを有効成分として含有する癌の増殖抑制用薬学的組成物とキットに関する。
【0002】
本出願は、2020年01月23日付で出願された韓国特許出願第10-2002-0009445号に基づく優先権を主張し、該出願の明細書および図面に開示された全ての内容は、本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
癌細胞は、早く成長するために好気的解糖、グルタミン酸分解フラックス(glutaminolytic flux)、アミノ酸、および脂質代謝を増加させる。隣接する正常細胞と限られた栄養素をおいて競合する癌細胞は、より多くのグルコースを消費する。また、癌細胞の低酸素腫瘍微小環境は、代謝、血管新生、転移、及び細胞死への耐性に関与する遺伝子の発現を誘導することにより、癌細胞を悪化させる。
【0004】
低酸素条件下で発現が増加する転写因子-1(Hypoxia-inducible factor-1;HIF-1)は、HIF-1αとHIF-1βからなり、腫瘍低酸素症の主要調節因子であり、癌細胞の代謝再プログラミングにおいて重要な役割を果たす。低酸素条件下で、HIF-1αはグルコース輸送体(glucose transporters;GLUT)およびグリコール酸酵素、例えば、ヘキソキナーゼ(hexokinases;HK)およびホスホグリセリン酸キナーゼ1(phosphoglycerate kinase 1;PGK1)の発現を増加させ、解糖を活性化させる。さらにHIF-1は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼアイソザイム1(pyruvate dehydrogenase kinase isozyme 1;PDK1)の発現を増加させ、これはセリン残基をリン酸化し、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(pyruvate dehydrogenase;PDH)活性を阻害する。PDK1の高発現は、ピルビン酸のアセチル-CoAへの変換をブロックし、ミトコンドリアにおけるトリカルボン酸(tricarboxylic acid;TCA)回路および酸化的リン酸化を介してATP生産を抑制する。実際には、低酸素癌細胞は、HIF-1依存性再プログラム化を通じてこれらの代謝的特性を示す。したがって、HIF-1の発現または機能の阻害は、癌細胞の代謝順応に関与する遺伝子の発現を抑制することにより、癌の代謝を損ない、細胞死を引き起し得る。
【0005】
数々の研究においてHIF-1阻害剤の開発を試みてきた。例えば、ミトコンドリア複合体I阻害剤であるBAY 87-2243は、低酸素誘導のHIF-1αの蓄積を低減させ、H460癌細胞株異種移植モデルにおいて有意な抗腫瘍効果を示した。ベンゾピラン類似体であるKCN-1は、神経膠腫細胞における転写因子p300とHIF-1αの相互作用を妨げることによって、HIF-1活性を阻害した。本発明者らは、固形腫瘍において、HIF-1αタンパク質を標的とする低分子化合物の開発に焦点を当て(アリールオキシアセチルアミノ)、安息香酸類似体であるLW6(韓国特許公開第10-2012-0041071号に開示)は、低酸素誘導のHIF-1αタンパク質の蓄積を阻害し、その直接的な標的は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ2(malate dehydrogenase 2;MDH2)であることが判明した。臨床候補物質であるIDF-1174もまた癌代謝を標的とするHIF-1α阻害剤として開発された。また、モラシンO(moracin O)およびそのベンゾフラン系類似体は、HIF-1αタンパク質蓄積の強力な阻害剤として報告されている。しかしながら、これまでにHIF-1阻害剤としてFDAで承認された薬物はない。
【0006】
肝細胞癌(Hepatocellular carcinoma,HCC)は、多数の遺伝子およびエピジェネティックな遺伝子修飾を有する複雑な異種腫瘍タイプである。ソラフェニブ(Sorafenib)は、進行性HCC患者対象の一次治療法として承認されたが、生存効果は著しく低い。ソラフェニブは、血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)受容体および血小板由来増殖因子受容体を標的とする血管新生および増殖を抑制することにより、腫瘍の増殖を阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤である。近年、レゴラフェニブ(regorafenib)およびニボルマブ(nivolumab)は、ソラフェニブに反応しない患者のための2次治療剤として承認されたが、効果的な肝臓がん治療法が緊急に必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り、癌代謝を標的とすることが重要な癌治療戦略として登場した。そこで、本発明では、低酸素症(hypoxia)を誘導することができる因子であるHIF-1α阻害剤として、二置換アダマンチル誘導体合成の結果およびその生物学的評価の結果を提供する。
【0008】
より具体的には、本発明者らは、LW1564(化合物21-3)を含む二置換アダマンチル誘導体が、電子伝達系(electron transport chain;ETC)複合体Iを阻害することにより、ミトコンドリア呼吸を抑制してATP産生を減少させ、HCC細胞においてHIF-1α分解を刺激することを見出した。こうした結果は、LW1564(化合物21-3)を含む二置換アダマンチル誘導体が、HIF-1α蓄積および脂肪酸合成を阻害することにより、癌代謝を損ない、インビトロおよびインビボで癌細胞の成長を抑制することを示唆するところ、本発明による二置換アダマンチル誘導体及びその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗癌用薬学的組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、下記化学式1(化1)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0010】
【化1】
【0011】
また、本発明は、前記化学式1(化1)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む抗癌用薬学的組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記化学式1(化1)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩を治療的に有効な量で抗癌治療を必要とする患者に投与する工程を含む、癌治療方法を提供する。
【0013】
また、癌治療用製剤の製造において、前記化学式1(化1)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩の用途を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記化学式1(化1)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩の癌治療用途を提供する。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記薬学的組成物は、固形癌に対する抗癌用薬学的組成物であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0016】
本発明の別の実施態様において、固形癌は、乳癌、子宮頸癌、直腸癌、線維育種、胃癌、肝臓癌、肺癌、及び膵臓癌からなる群から選択されることができるが、これらに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるLW1564(化合物21-3)を含む二置換アダマンチル誘導体は、HIF-1α蓄積を有意に抑制し、HepG2及びA549をはじめとする種々の癌細胞株の増殖を抑制した。酸素消費速度(OCR)およびATP産生率を測定した結果、LW1564(化合物21-3)がミトコンドリア呼吸を阻害することにより、細胞内酸素濃度を高め、HepG2細胞において、HIF-1α分解を刺激することが見られた。LW1564(化合物21-3)は、さらにミトコンドリア電子伝達系(ETC)複合体I及びAMP/ATP比を増大させることにより、ラパマイシン動物標的(mTOR)シグナル伝達を阻害することにより、AMP-活性化プロテインキナーゼ(AMPK)のリン酸化を増加させ、総ATP産生量を相当減少させた。結果的に、LW1564(化合物21-3)は、アセチル-CoAカルボキシラーゼのリン酸化反応を促進させ、脂質合成を阻害し、HepG2マウス異種移植片モデルにおいて腫瘍の成長を有意に抑制した。まとめると、本発明によるLW1564(化合物21-3)を含む置換アダマンチル誘導体は、ミトコンドリアETC複合体Iを標的化し、癌細胞の代謝を損なわせ、HepG2細胞の増殖を阻害するので、ミトコンドリア内におけるATP産生のための酸化的リン酸化に依存する癌の強力な治療剤として有用に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a図1a~図1cは、癌細胞の成長に対するLW1564(化合物21-3)の効果を示すものであり、図1aは、LW1564(化合物21-3)の構造である。
図1b図1a~図1cは、癌細胞の成長に対するLW1564(化合物21-3)の効果を示すものであり、図1bは、癌細胞の成長に対するLW1564(化合物21-3)の効果を示すものであり、図1bは、LW1564(化合物21-3)の種々の癌細胞株の増殖抑制効能である。
図1c図1a~図1cは、癌細胞の成長に対するLW1564(化合物21-3)の効果を示すものであり、図1cは、癌細胞の成長に対するLW1564(化合物21-3)の効果を示すものであり、図1cは、生細胞イメージング(live imaging)を観察するIncuCyte ZOOMシステムを介してLW1564(化合物21-3)のHepG2およびA549細胞の増殖抑制効果を調べたものである。
図2a図2a~2eは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2aは、HepG2細胞において、HRE-ルシフェラーゼ活性に対するLW1564(化合物21-3)の抑制効果を示すものである。
図2b図2a~2eは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2bは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2bは、LW1564(化合物21-3)がプロテアソーム依存性分解によりHIF-1αの蓄積を阻害することを示す図である。
図2c図2a~2eは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2cは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2cは、HIF-1αのmRNA発現レベルを示したものである。
図2d図2a~2eは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2dは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2dは、低酸素条件にある種々の癌細胞株においてLW1564(化合物21-3)のHIF-1α蓄積抑制効果を示したものである。
図2e図2a~2eは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2eは、LW1564(化合物21-3)が癌細胞において、HIF-1αの蓄積を抑制する効果を示した図であり、図2eは、qPCRによるHIF-1α標的遺伝子、GLUT1、PDK1及びVEGFAのmRNA発現レベルを示すものである。
図3a図3aは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図3aは、HepG2細胞において、LW1564(化合物21-3)の酸素消費減少に対する効果を示したものである。
図3b図3bは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図3bは、LW1564(化合物21-3)処理時、癌細胞内でのATP産生速度を測定したものである。
図3c図3cは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図3cは、LW1564(化合物21-3)の細胞内ATP総量減少効果を示したものである。
図3d図3dは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図3dは、低酸素を検知するプローブであるMARを用いて、LW1564(化合物21-3)による細胞内酸素分圧の変化を示したものである。
図4a図4a~図4dは、LW1564(化合物21-3)がETC内複合体Iを標的とし、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図4aにおいて、1μMロテノン(複合体I活性阻害剤)(図4a)を細胞に添加した。
図4b図4a~図4dは、LW1564(化合物21-3)がETC内複合体Iを標的とし、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図4bは、LW1564(化合物21-3)がETC内複合体Iを標的とし、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図4bにおいて、100μMのLW1564(化合物21-3)(図4b)を細胞に添加した。
図4c図4a~図4dは、LW1564(化合物21-3)がETC内複合体Iを標的とし、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図4cは、LW1564(化合物21-3)がETC内複合体Iを標的とし、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図4cは、複合体II/IIIに対するLW1564(化合物21-3)の効果を示したものであり、複合体IIの基質としてコハク酸塩を添加した後、LW1564(化合物21-3)を細胞に添加した。
図4d図4a~図4dは、LW1564(化合物21-3)がETC内複合体Iを標的とし、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図4dは、LW1564(化合物21-3)がETC内複合体Iを標的とし、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示す図であり、図4dは、複合体IVに対するLW1564(化合物21-3)の効果を示したものであり、複合体IVの基質としてTMPDおよびアスコルビン酸塩を添加した後、LW1564(化合物21-3)を細胞に添加した。
図5a図5aは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、AMPK経路を活性化させて脂肪酸の蓄積を阻害することを示す図であり、図5aは、LW1564(化合物21-3)によるAMPKの活性化を示す図である。
図5b図5bは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、AMPK経路を活性化させて脂肪酸の蓄積を阻害することを示す図であり、図5bは、LW1564(化合物21-3)の存在下で脂肪酸蓄積の阻害を示すものである。
図5c図5cは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、AMPK経路を活性化させて脂肪酸の蓄積を阻害することを示す図であり、図5cは、癌細胞の増殖に対するLW1564(化合物21-3)およびグルコース濃度の効果を示したものであり、異なるグルコース濃度で培養したHepG2細胞をLW1564(化合物21-3)で処理しており、グラフは、%細胞増殖を示す。
図5d図5dは、LW1564(化合物21-3)が、HepG2細胞において、AMPK経路を活性化させて脂肪酸の蓄積を阻害することを示す図であり、図5dは、HepG2細胞において、2DG(2-デオキシ-D-グルコース)とLW1564(化合物21-3)の併用係数(CI,combination index)を示したものである。
図6】HepG2異種移植片マウスモデルにおいて、LW1564(化合物21-3)の腫瘍増殖抑制効果を示したものである。図6の左図は、時系列に対照群およびLW1564(化合物21-3)で処理した異種移植腫瘍の体積の変化を示したものである;**P≦0.01、図6の真ん中の図は、対照群及びLW1564(化合物21-3)で処理した異種移植腫瘍の重量を示したものである;**P≦0.01、図6の右図は、図6の左及び真ん中の図に記載された腫瘍の代表的な画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する
【0020】
本発明は、下記化学式1(化2)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0021】
【化2】
【0022】
前記化学式1(化2)において、
は、-(X)-(CH)n-Rまたは以下の化3であり、
は、-(Y)-(CH)mまたは-(Y)-(CH)m-Rであり、
前記Xは、O、NHまたは以下の化4であり、
前記Yは、NH、以下の化5または以下の化6であり、
前記nは、0、1または2であり、前記mは、0または1であり、
または Rは、それぞれ独立して、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル基、非置換もしくは置換のC~C10のアリール、または非置換もしくは置換のC~Cのヘテロアリールであり、
ここで、前記ヘテロアリールは、NまたはOのヘテロ原子を1以上含む5員または6員のヘテロアリールであり、
前記置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールは、一つ以上のハロゲン、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル;C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキル(アルキルハライド);ヒドロキシ;またはC~Cの直鎖または側鎖のアルコキシで置換されてもよい。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
ただし、前記Rにおいて、以下の化7および以下の化8は除外されてもよい。
好ましくは、
前記Rは、-(X)-(CH)n-Rまたは以下の化9であり、
は、-(Y)-(CH)mまたは-(Y)-(CH)m-Rであり、
前記Xは、O、NHまたは以下の化10であり、
前記Yは、NH、以下の化11または以下の化12であり、
前記nは、0、1または2であり、前記mは、0または1であり、
前記Rは、メチル、置換もしくは非置換のフェニル、または非置換のC~Cのヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、NまたはOのヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロアリールであり、前記置換されたフェニルは、一つ以上のハロゲン、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル;C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキル;ヒドロキシ;またはC~Cの直鎖または側鎖のアルコキシで置換されてもよく、
前記Rは、置換されたフェニル、置換もしくは非置換のC~Cのヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、NまたはOのヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロアリールであり、前記置換されたフェニルまたはヘテロアリールは、C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキルで置換されもよく、
ただし、前記Rにおいて、以下の化13及び以下の化14は除外されてもよい。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
より好ましくは、
前記Rは、化15であり、
は、-(Y)-(CH)mまたは-(Y)-(CH)m-Rであり、
前記Yは、NH、化16または化17であり、
前記mは、1であり、
前記Rは、置換されたフェニルであり、ここで前記置換されたフェニルは、C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキルで置換されてもよく、
ただし、前記Rにおいて、化18及び化19は除外されてもよい。
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】
好ましくは、
二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩は、下記化学式2(化20)で表されることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0043】
【化20】
【0044】
前記化学式2(化20)において、
は、-(X)-(CH)n-Rまたは化21であり、
前記Xは、O、NHまたは化22であり、
前記nは、0、1または2であり、
は、それぞれ独立して、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル、非置換もしくは置換のC~C10のアリール、または非置換もしくは置換のC~Cのヘテロアリールであり、
ここで、前記ヘテロアリールは、NまたはOのヘテロ原子を1以上含む5員または6員のヘテロアリールであり、
前記置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールは、一つ以上のハロゲン、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル;C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキル;ヒドロキシ;またはC~Cの直鎖または側鎖のアルコキシで置換されてもよい。
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
より好ましくは、前記化学式2(化20)において、
前記Rは、下記からなる群から選択されることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0048】
【化23】
【0049】
好ましくは、
二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩は、下記化学式3(化24)で表されるものであることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0050】
【化24】
【0051】
前記化学式3(化24)において、
は、-(Y)-(CH)mまたは-(Y)-(CH)m-Rであり、
前記Yは、NH、化25または化26であり、
前記mは、0または1であり、
は、それぞれ独立して、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル、非置換もしくは置換のC~C10のアリール、または非置換もしくは置換のC~Cのヘテロアリールであり、
ここで、前記ヘテロアリールは、NまたはOのヘテロ原子を1以上含む5員または6員のヘテロアリールであり、
前記置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールは、一つ以上のハロゲン、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル;C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキル;ヒドロキシ;またはC~Cの直鎖または側鎖のアルコキシで置換されてもよい。
ただし、前記Rにおいて、化27及び化28は除外されてもよい。
【0052】
【化25】
【0053】
【化26】
【0054】
【化27】
【0055】
【化28】
【0056】
より好ましくは、
前記化学式3(化24)において、
前記Rは、下記からなる群から選択されることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0057】
【化29】
【0058】
好ましくは、
二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩は、下記化学式4(化30)で表されることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0059】
【化30】
【0060】
前記化学式4(化30)において、
は、-(X)-(CH)n-Rまたは化31であり、
前記Xは、O、NHまたは化32であり、
前記nは、0、1または2であり、
は、それぞれ独立して、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル、非置換もしくは置換のC~C10のアリール、または非置換もしくは置換のC~Cのヘテロアリールであり、
ここで、前記ヘテロアリールは、NまたはOのヘテロ原子を1以上含む5員または6員のヘテロアリールであり、
前記置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールは、一つ以上のハロゲン、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル;C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキル;ヒドロキシ;またはC~Cの直鎖または側鎖のアルコキシで置換されてもよい。
【0061】
【化31】
【0062】
【化32】
【0063】
より好ましくは、
前記化学式4(化30)において、
前記Rは、下記からなる群から選択されることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0064】
【化33】
【0065】
好ましくは、
二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩は、下記化学式5(化34)で表されることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0066】
【化34】
【0067】
前記化学式5(化34)において、
は、-(Y)-(CH)mまたは-(Y)-(CH)m-Rであり
前記Yは、NH、化35または化36であり、
前記mは、0または1であり、
は、それぞれ独立して、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル、非置換もしくは置換のC~C10のアリール、または非置換もしくは置換のC~Cのヘテロアリールであり、
ここで、前記ヘテロアリールは、NまたはOのヘテロ原子を1以上含む5員または6員のヘテロアリールであり、
前記 置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールは、一つ以上のハロゲン、C~Cの直鎖または側鎖のアルキル;C~Cの直鎖または側鎖のハロアルキル;ヒドロキシ;またはC~Cの直鎖または側鎖のアルコキシで置換されてもよい。
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】
ただし、前記Rにおいて、化37及び化38は除外されてもよい。
【0071】
【化37】
【0072】
【化38】
【0073】
より好ましくは、
前記化学式5(化34)において、
前記Rは、下記からなる群から選択されることを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0074】
【化39】
【0075】
最も好ましくは、
本発明による二置換アダマンチル誘導体は、次のうちのいずれか1種であってもよい。
【0076】
3-(2-(4-(3-((メトキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(3-((methoxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10a);
3-(2-(4-(4-((4-メトキシベンジルオキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(4-((4-methoxybenzyloxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10b);
3-(2-(4-(4-((3,4-ジメトキシベンジルオキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(4-((3,4-dimethoxybenzyloxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10c);
3-(2-(4-(2-((3,4-ジメトキシフェネトキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(2-((3,4-dimethoxyphenethoxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10d);
3-(2-(4-(3-((フラン-2-イルメトキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(3-((furan-2-ylmethoxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10e);
3-(2-(4-(3-メチルカルバモイル-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-methylcarbamoyl-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10f);
3-(2-(4-(3-ベンジルカルバモイル-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-benzylcarbamoyl-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10g);
3-(2-(4-(3-(フラン-2-イルメチルカルバモイル)-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-(furan-2-ylmethylcarbamoyl)-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10h);
3-(2-(4-(3-(ピリジン-2-イルカルバモイル)-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-(pyridin-2-ylcarbamoyl)-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10i);
3-(2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-(6,7-dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10j);
3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-オキソ-2-(3-(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)エトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-oxo-2-(3-(trifluoromethyl)phenylamino)ethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylate)(14a);
3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-オキソ-2-(キノリン-8-イルアミノ)エトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-oxo-2-(quinolin-8-ylamino)ethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylate)(14b);
3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-(フラン-2-イルメチルアミノ)-2-オキソエトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-(furan-2-ylmethylamino)-2-oxoethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylate)(14c);
3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-(4-methylpiperazin-1-yl)-2-oxoethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylate)(14d);
N-(フラン-2-イルメチル)-5-(4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イル-カルボキサミド(N-(Furan-2-ylmethyl)-5-(4-(2-(4-methylpiperazin-1-yl)-2-oxoethoxy)phenyl)adamantan-1-yl-carboxamide)(17a);
1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-(4-(5-(4-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)エタノン(1-(4-Methylpiperazin-1-yl)-2-(4-(5-(4-(4-(trifluoromethyl)benzyl)piperazine-1-carbonyl)adamantan-1-yl-)phenoxy)ethanone)(17b);
2-(4-(5-(4-(4-メトキシベンジル)ピペラジン-1-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン(2-(4-(5-(4-(4-Methoxybenzyl)piperazine-1-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-(4-methylpiperazin-1-yl)ethanone)(17c);
2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-モルホリノエタノン(2-(4-(3-(6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-morpholinoethanone)(21a);
2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン(2-(4-(3-(6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-(4-methylpiperazin-1-yl)ethanone)(21b);および
2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エタノン(2-(4-(3-(6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-(4-(4-(trifluoromethyl)benzyl)piperazin-1-yl)ethanone)(21c)(LW1564)。
【0077】
本明細書にて用いられる置換基に付された記号「Ca-b」または「Ca~Cb」は、置換基に含有する炭素原子の数がa個ないしb個であることを意味する。
【0078】
本発明において、「C~Cの直鎖または側鎖のアルキル」は、線状または分岐状の1個~6個の炭素原子を有する飽和炭化水素基を意味する。これに制限されるものではないが、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1-メチルエチル、ジエチルまたはジメチルなどがある。
【0079】
本発明において、「C~Cの直鎖または側鎖のアルコキシ」は、RがC1-6アルキル基であるOR基である。これに制限されるものではないが、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1-メチルエトキシ、1,1-ジメチルエトキシなどがある。
【0080】
本発明において、「ハロゲン」は、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素である。
【0081】
本発明において、「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキルを意味する。
【0082】
本発明の化学式1(化1、化2)で表される二置換アダマンチル誘導体は、薬学的に許容される塩の形態で使用することができ、本発明における「薬学的に許容される」という用語は、非合理的な危険性を内在する毒性、刺激及びその他の問題点、または合併症なしにヒトと同様の生物学的被検体の組織と接触させ、使用上問題のない医学的基準内の化合物または組成物を含む。本発明において、塩としては、薬学的に許容される遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が有用である。酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸または亜リン酸のような無機酸類と、脂肪族モノおよびジカルボキシレート、フェニル置換されたアルカノレート、ヒドロキシアルカノエートおよびアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族及び芳香族スルホン酸類のような無毒性有機酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、フマル酸などの有機酸から得られる。このような薬学的に無害な塩類としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリレート、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸、ヘプタン酸、プロピオル酸、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベレート、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキサン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタレート、テレフタレート、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩またはマンデル酸塩を含む。
【0083】
本発明による酸付加塩は、通常の方法、例えば、化合物を過量の酸水溶液に溶解させ、この塩をメタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルのような水混和性有機溶媒を用いて沈殿させることによって製造することができる。また、同モル量の化合物および水中の酸またはアルコールを加熱し、次いで前記混合物を蒸発させ、乾燥または析出された塩を吸引し、濾過して製造することができる。
【0084】
また、塩基を使用して薬学的に許容される金属塩を作ることができる。適合する塩基から誘導された塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、およびアンモニウムなどを含むことができるが、これらに制限されるものではない。アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、例えば、化合物を過量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液中に溶解し、非溶解化合物塩をろ過した後、ろ液を蒸発させ、乾燥させて得ることができる。この時、金属塩としては、特にナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩を製造するのが製薬上適しており、また、これに対応する銀塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を適当な銀塩(例えば、硝酸銀)と反応させて得ることができる。
【0085】
さらに、本発明は、前記化学式1(化1,化2)における二置換アダマンチル誘導体及びその薬学的に許容される塩だけでなく、これより製造可能な溶媒化物、水和物、異性体等を全部含む。
【0086】
より具体的には、本発明の化合物は、不斉またはキラル中心を含み、立体異性体の形態で存在することができる。ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ混合物のような本発明の化合物の全ての立体異性体形態は、本発明の一部を構成するものとみなされる。ここで、異性体の混合物を鏡像異性体、そして、鏡像異性体の50:50比率の混合物をラセミ体とする。
【0087】
本発明において、「ジアステレオマー」は、2個以上のキラル中心を有する立体異性体であって、この分子らが互いに鏡像ではないものをいう。ジアステレオマーは、例えば、融点、沸点、スペクトル特性および反応性の面で異なる物理的特性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーのような高解像度解析プロセスを通じて分離することができる。
【0088】
本発明において「鏡像異性体」は、互いに重複しない鏡像である化合物の2個の立体異性体を意味する。
【0089】
また、本発明は、下記反応式(化40)により化学式1(化1、化2)で表される化合物を製造することを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体の製造方法を提供する。
【0090】
【化40】
【0091】
より具体的には、下記反応式(化41)により化学式2(化20)で表される化合物を製造することを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体の製造方法を提供する。
【0092】
【化41】
【0093】
より具体的には、下記反応式により化学式3(化24)で表される化合物を製造することを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体の製造方法を提供する。
【0094】
【化42】
【0095】
より具体的には、下記反応式により化学式4(化30)で表される化合物を製造することを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体の製造方法を提供する。
【0096】
【化43】
【0097】
より具体的には、下記反応式により化学式5(化34)で表される化合物を製造することを特徴とする、二置換アダマンチル誘導体の製造方法を提供する。
【0098】
【化44】
【0099】
本発明の二置換アダマンチル誘導体を製造するための方法は、上述した方法に限定されるものではない。また、前記反応式による場合にも記載された試薬の他にも、反応に影響を及ぼさない試薬を選択的に変更して反応を行うことができる。
【0100】
また、本発明は、二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする抗癌用薬学的組成物を提供する。
【0101】
本発明において、前記薬学的組成物は、固形癌に対する抗癌用薬学的組成物であってもよく、
前記固形癌は、例えば、大腸癌、肺癌、肝臓癌、胃癌、乳癌、結腸癌、骨癌、膵臓癌、頭部または頸部癌、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、食道癌、小腸癌、肛門近傍癌、結腸癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、陰門癌腫、ホジキン病、前立腺癌、線維肉腫、膀胱癌、腎臓癌、尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系腫瘍等が含まれ、これらに制限されるものではない。
【0102】
本発明において、「抗癌用」とは、「癌の予防または治療」を含む意味であり、生物学的対象(例えば、ヒトまたは動物)を対象とする、癌の発病を阻害し、遅延させ、及びさらに癌の進行を抑制または停止、進行速度の減少、症状改善および緩和などを意味する。
【0103】
また、本発明は、前記化学式1(化1、化2)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩を治療的に有効な量で抗癌治療を必要とする患者に投与する工程を含む、癌治療方法を提供する。また、癌治療用製剤の製造において、前記化学式1(化1、化2)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。また、前記化学式1(化1、化2)で表される二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩の癌治療の使用を提供する。
【0104】
本発明において、「有効な量」とは、特定の疾患または病態を治療または予防する、または特定の疾患または病態の症状を緩和、軽減または除去すること、または本願に記述された特定の疾患または病態の1つ以上の症状の開始を防止または遅延させる本発明の化合物の量を意味する。本発明において、薬物治療の有効な量は、腫瘍増殖阻害;癌細胞のHIF-1活性化および増殖を阻害;ミトコンドリア呼吸阻害;癌に起因する合併症の症状緩和または治療;癌の進行速度の遅延及び阻害(好ましくは改善);癌悪化予防などを意味する。有効な量の水準は、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出割合、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素およびその他の医薬分野に広く知られた要素によって決定されることができる。
【0105】
本発明において、前記「患者」には制限がなく、好ましくはヒトを含む哺乳動物である。
本発明の組成物内の前記化学式1(化1、化2)の二置換アダマンチル誘導体またはその薬学的に許容される塩の含有量は、疾患の症状、症状の進行度合い、患者の病態等に応じて、適宜調節することができ、例えば、全組成物の重量を基準に0.0001~99.9重量%、または0.001~50重量%であってもよいが、これに限定されるものではない。前記含有割合は、溶媒を除去した乾燥量を基準にした値である。
【0106】
本発明による薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用される適切な担体、賦形剤、および希釈剤をさらに含むことができる。前記賦形剤は、例えば、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、吸着剤、保湿剤、フィルム-コーティング材料、および放出制御添加剤からなる群から選択された一つ以上であってもよい。
【0107】
本発明による薬学的組成物は、それぞれ通常の方法に従って、散剤、顆粒剤、または徐放性顆粒、腸溶性顆粒、液剤、点眼剤、エリキシル剤、乳剤、懸濁液剤、鋳錠剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーデ剤、錠剤、徐放性錠剤、腸溶剤、舌下錠、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶カプセル剤、丸剤、タンニング剤、軟稠エキス、乾燥エキス剤、流動エキス剤、注射剤、カプセル剤、灌流液、警告剤、ローション剤、パスタ剤、噴霧剤、吸引剤、パッチ剤、滅菌注射溶液、またはエアゾル等の外用剤等の形態で製剤化して使用されることができ、前記外用剤は、クリーム、ゲル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、警告剤、ローション、リニメント剤、パスタ剤、またはカタプラズマ剤などの剤形を有することができる。
【0108】
本発明による薬学的組成物に含まれ得る担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油などが挙げられる。
【0109】
製剤化する場合は、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて製造される。
【0110】
本発明による錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤の添加剤として、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、小麦澱粉、乳糖、白糖、ブドウ糖、フルクトース、D-マンニトール、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、錠剤ラノリン、微結晶セルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、尿素、コロイダルシリカゲル、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、1928、2208、2906、2910、プロピレングリコール、カゼイン、乳酸カルシウム、プリモゼルなどの賦形剤;ゼラチン、アラビアゴム、エタノール、寒天粉、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ブドウ糖、精製水、カゼインナトリウム、グリセリン、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシメチルセルロース、錠剤シェラック、澱粉粉、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤が用いられており、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トウモロコシデンプン、寒天粉、メチルセルロース、ベントナイト、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボン酸メチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、1-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、イオン交換樹脂、酢酸ポリビニル、ホルムアルデヒド処理カゼイン及びゼラチン、アルギン酸、アミロース、グアルゴム(Guargum)、重曹、ポリビニルピロリドン、リン酸カルシウム、ゲル化澱粉、アラビアゴム、アミロペクチン、ペクチン、ポリリン酸ナトリウム、エチルセルロース、白糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、D-ソルビトール液、軽質無水ケイ酸などの崩壊剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化植物油(Hydrogenated vegetable oil)、タルク、石松子、カオリン、ワセリン、ステアリン酸ナトリウム、カカオ脂、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、ポリエチレングリコール4000、6000、流動パラフィン、水素添加大豆油(Lubri wax)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マクロゴール(Macrogol)、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、パラフィン油、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル、澱粉、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、dl-ロイシン、軽質無水ケイ酸などの滑沢剤;が用いられることができる。
【0111】
本発明による液剤の添加剤としては、水、希塩酸、希硫酸、クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸スクロース類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(ツインエステル)、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル類、ラノリンエーテル類、ラノリンエステル類、酢酸、塩酸、アンモニア水、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、プロラミン、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を用いることができる
【0112】
本発明によるシロップ剤としては、白糖の溶液、その他の糖類もしくは甘味剤等を用いることができ、必要に応じて、芳香剤、着色剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、増粘剤等を用いることができる。
【0113】
本発明による乳剤としては、精製水を用いることができ、必要に応じて乳化剤、保存剤、安定剤、芳香剤等を用いることができる。
【0114】
本発明による懸濁剤としては、アカシア、トラガカンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、1828、2906、2910などの懸濁剤が使用されることができ、必要に応じて界面活性剤、保存剤、安定剤、着色剤、芳香剤を使用することができる。
【0115】
本発明による注射剤としては、注射用蒸留水、0.9%塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース+塩化ナトリウム注射液、ペグ(PEG)、ラクトリンゲル注射液、エタノール、プロピレングリコール、不揮発性油-ゴマ油、綿実油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンゼンなどの溶剤;安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、尿素、ウレタン、モノエチルアセトアミド、ブタゾリジン、プロピレングリコール、ツイン類、ニコチン酸アミド、ヘキサミン、ジメチルアセトアミドなどの溶解補助剤;弱酸およびその塩(酢酸および酢酸ナトリウム)、弱塩基およびその塩(アンモニアおよび酢酸アンモニウム)、有機化合物、タンパク質、アルブミン、ペプトン、ガム類などの緩衝剤;塩化ナトリウムなどの等張化剤;重亜硫酸ナトリウム(NaSO)、二酸化炭素ガス、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、窒素ガス(N)、エチレンジアミンテトラ酢酸などの安定剤;二硫化水素ナトリウム0.1%、ホルムアルデヒドスルホキシラートナトリウム、チオ尿素、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、アセトン亜硫酸水素ナトリウムなどの硫酸化剤;ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩酸プロカイン、グルコース、グルコン酸カルシウムなどの無痛化剤;CMCナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ツイン80、モノステアリン酸アルミニウムなどの懸濁化剤を含むことができる。
【0116】
本発明による坐剤としては、カカオ脂、ラノリン、ウィテプソール、ポリエチレングリコール、グリセロゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸とオレイン酸との混合物、サバナール(Subanal)、綿実油、落花生油、ヤシ油、カカオバター+コレステロール、レシチン、ラネットワックス、モノステアリン酸グリセロール、ツインまたはスパン、イムホーゼン(Imhausen)、モノ(モノステアリン酸プロピレングリコール)、グリセリン、アデプスソリダス(Adeps solidus)、ブチラムテゴ-G(Buytyrum Tego-G)、セベスファーマ16(Cebes Pharma 16)、ヘキサライトベース95、コトマー(Cotomar)、ハイドロコテSP、S-70-XXA、S-70-XX75(S-70-XX95)、ハイドロコテ(Hydrokote)25 、ハイドロコテ711、イドロポスタール(Idropostal)、マッサエストラリウム(Massa estrarium、A、AS、B、C、D、E、I、T)、マサ-MF、マスポール、マスポール-15、ネオスポスタル-エン、パラマウンド-B、スポシロ(OSI、OSIX、A、B、C、D、H、L)、坐剤基剤IVタイプ(AB、B、A、BC、BBG、E、BGF、 C、D、299)、スポスタル(N、Es)、ウェコビ(W、R、S、M、Fs)、テゼスタートリグリセリド基剤(TG-95、MA、57)などの基剤を使用することができる。
【0117】
経口投与のための固形製剤としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等が含まれ、このような固形製剤としては、前記抽出物のうち少なくとも1種以上の賦形剤、例えば、澱粉、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して製造される。単純な賦形剤に加えて、マグネシウムスチレートタルクなどの潤滑剤も使用される。
【0118】
経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤等が該当するが、よく使用される単純希石剤である水、リキドパラフィン以外にも様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれることができる。非経口投与のための製剤としては、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶媒、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、エチルオレートなどの注射可能なエステルなどを用いることができる。
【0119】
本発明による薬学的組成物は、個々の治療剤として投与したり、または他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤とは順次または同時に投与することができ、単回または複数回投与することができる。例えば、本発明の薬学的組成物は、単独で、または手術、放射線治療、ホルモン治療、化学療法および生物学的反応調節剤を用いる方法等と組み合わせて使用 することができる。前記の要素をすべて考慮して、副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは本発明が属する技術分野における通常の技術者によって容易に決定されることができる。
【0120】
本発明の薬学的組成物は、個体に様々な経路で投与することができる。投与の全ての方式は、予想することができるが、例えば、経口服用、皮下注射、腹腔投与、静脈注射、筋肉内注射、脊髄周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼投与、耳投与、鼻投与、吸入、口または鼻を通した噴霧、皮膚投与、経皮投与などによって投与することができる。
【0121】
本発明の薬学的組成物は、治療すべき疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重および疾患の中等度などのいくつかの関連因子と共に活性成分である薬物の種類によって決定される。
【0122】
本発明において、投与量は、患者の状態、年齢、体重、性別及び体重、疾患の程度、薬物形態、投与経路及び時間によって変わることができ、通常の技術者によって適宜選択され得、例えば、0.01~200mg/kg/日の量で医師または薬剤師の判断によって一定時間間隔を1日数回、好ましくは1日1回~3回に分割して経口または非経口経路を通じて投与することができる。
【0123】
以下、本発明を製造例、実施例及び実験例に基づいて詳細に説明する。
【0124】
ただし、下記製造例、実施例及び実験例は、本発明を具体的に例示するためのものであって、本発明の内容が製造例、実施例及び実験例によって限定されるものではない。
【0125】
[製造例]
製造例:HIF-1α阻害活性を有する化合物の合成
本発明によるHIF-1α阻害剤であって、薬学的組成物の有効成分として用いられる非限定的な化合物の例は、以下の化合物、その異性体及びその薬学的に許容される塩を含む。公知された方法の反応物および/または出発物質を適宜変更し、本発明による以下の化合物を合成した。
【0126】
以下、詳細に説明する
【0127】
新規なHIF-1α阻害剤を開発するために、LW6のアダマンチル部位で化学的修飾を行って多様な二置換アダマンチル誘導体を製造した。新規化合物の合成方法は、反応式S1-4に説明されている。酢酸中の臭素で1-アダマンタンカルボン酸1の臭素化により生成物2を合成し、該中間体2をアニソール(anisole)でFriedel-Craftsアルキル化し、エーテル生成物3を良好な収率で得た。三臭化ホウ素(Boron tribromide;BBr)を用いた生成物3の脱メチル化と、臭化ベンジルによる生成物4の後続化学-選択的保護により、塩基性条件下で生成物5を得て、これをクロロ酢酸エチルでさらにアルキル化し、高い収率で生成物6を生成した。水酸化リチウム(lithium hydroxide;LiOH)で生成物6を加水分解し、カルボン酸生成物7を得た後、3-アミノ安息香酸メチルとのカップリングにより、アミド誘導体生成物8を良好な収率で生成した。炭素上パラジウム(palladium)の存在下で、触媒水素化によって生成物8のベンジル基を除去することにより、標的アダマンチル誘導体10a-jの合成のための前駆体を再生させた。カルボン酸化合物9は、アルコールおよびアミンと反応して、それぞれエステル(10a-e)およびアミド誘導体(10f-j)を提供することができた。カップリング剤であるヒドロキシベンゾトリアゾール(Hydroxybenzotriazole;HOBt)とEDC.HClを用いて生成物10a-d、f、g及びjを合成したのに対し、他のカップリングされた生成物10e、hは、クロロ蟻酸エチルおよびトリエチルアミン(Triethylamine;TEA)を用いて合成した(反応式S1)。反応式S2に示すように、生成物4を炭酸カリウム(Potassium carbonate;KCO)の存在下に、3,4-ジメトキシベンジルブロミドで処理し、フェノール性エステル生成物11を生成し、これをクロロ酢酸エチルでさらにアルキル化し、生成物12を良好な収率で得た。次いで、生成物12の塩基-媒介加水分解を通じてカルボン酸13を得た。最後に、様々な市販のアミンとのEDC.HClおよびHOBtの媒介カップリングを通じて対応するアミド14a-dを製造した(反応式S2)。同様に、カルボン酸中間体7をEDC.HClおよびHOBtの存在下に、1-メチルピペラジンと反応させ、アミド誘導体15を得た。炭素上パラジウムの存在下で、15の触媒水素化は、対応するカルボン酸生成物16を製造した。様々なアミンと結合して、それぞれのアミド誘導体(17a-c)を製造した(反応式S3)。14a-dの合成プロファイルに基づいて、反応式S4に示すように、生成物11のカルボン酸のエステル部分をアミドに代えて21a-cを得た。アミドカップリング条件下の生成物4は、中間体18を生成し、次いでクロロ酢酸エチルでアルキル化して、良好な収率で生成物19を生成した。生成物19をLiOHで加水分解して、生成物20を提供した後、様々な市販のアミンとカップリングさせ、二置換アダマンチル誘導体21a-cを得た(反応式S4)。
【0128】
【化45】
【0129】
Reagents and conditions: (a) AlCl,Bromine,DCM;(b)Anisole,AlC;(c)BBr,DCM;(d) Benzyl bromide,KHCO,DMF; (e) Ethyl chloroacetate,KCO,DMF;(f)LiOH,THF/HO; (g) Methyl 3-amino benzoate,PyBOP,DMAP,DMF;(h) H,Pd/C,THF; (i) EDC,HOBT,DIPEA,DMF for10a-d,10f-g,10j; ethyl chloroformate,TEA,THF for 10e,h;
【0130】
【化46】
【0131】
Reagents and conditions: (a) 3,4-Dimethoxybenzyl bromide,KCO,DMF; (b) ethyl chloroacetate,KCO,DMF;(c)LiOH,THF/HO;(d)correspondingamine,EDC,HOBT,DIPEA,DMF.
【0132】
【化47】
【0133】
Reagents and conditions: (a) 1-Methyl piperazine,EDC,HOBT,DIPEA,DMF; (b) Pd/C,methanol; (c) corresponding amines,EDC,HOBT,DIPEA,DMF.
【0134】
【化48】
【0135】
Reagents and conditions: (a) 6,7-dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline,EDC,HOBT,DIPEA,DMF; (b) Ethyl chloroacetate,KCO,DMF;(c)LiOH,THF/HO;(d)correspondingamines,EDC,HOBT,DIPEA,DMF.
【0136】
[実施例]
実施例1.化合物2~化合物9の合成
前記反応式にて用いられた化合物2~9の合成工程は、以下の通りである。
【0137】
化合物2:3-ブロモアダマンタン-1-カルボン酸(3-Bromoadamantane-1-carboxylic acid)(2):
AlCl(4.80g,36.10mmol)を還流凝縮器とアルゴンが装着された二つ口丸底フラスコ(two-necked round flask)に入れた。該フラスコは、低温反応器内で撹拌した。臭素(17.10mL,33.29mmol)を-5℃で添加し、15分間撹拌した。次いで、1-アダマンタンカルボン酸(5.00g,27.70mmol)をフラスコに添加し、-5℃で1時間、室温で48時間撹拌した。反応をクロロホルムで希釈した。過量の臭素は、完全な変色が起こるまでピロ亜硫酸カリウム( sodium pyrosulphite)で処理された。有機層を無水硫酸マグネシウム(anhydrous MgSO)上で乾燥させ、濾過し、濃縮させた。残渣をヘキサンから再結晶化し、(2)を白色固体として得た(6.67g,収率93%)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(s,1H)、2.36(s,2H)、2.26-2.13(m,6H)、1.79(d,J=2.8Hz,4H)、1.68-1.60(m,2H)。
【0138】
化合物3:3-(4-メトキシフェニル)-アダマンタン-1-カルボン酸(3-(4-Methoxyphenyl)-adamantane-1-carboxylic acid)(3):
塩化アルミニウム(5.14g,38.58mmol)を52mLのアニソールに懸濁し、化合物2(5.00g,19.29mmol)を-10℃で添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した後、氷およびconc.HClを滴下した。混合物をEAで抽出し、分離した。有機層を無水MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。前記濃縮液をヘキサンから再結晶し、白色固体として(3)を得た(5.20g,収率94%)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(s,1H)、7.27-7.24(m,2H)、6.88-6.84(m,2H)、3.71(s,3H)、2.13(s,2H)、1.90-1.77(m,10H)、1.66(s,2H)。
【0139】
化合物4:3-(4-ヒドロキシフェニル)-アダマンタン-1-カルボン酸(3-(4-Hydroxyphenyl)-adamantane-1-carboxylic acid)(4):
化合物3(2.00g,6.98mmol)のDCM溶液に、DCMに希釈された1.0M BBr(17.40mL,17.45mmol)溶液を-10℃でアルゴン下で添加した。出発物質が消失するまで(TLCでモニタリング)反応溶液を室温で撹拌した。有機層を無水MgSO上で乾燥させ、濃縮し、(4)を白色固体として得た(1.80g,94%収率)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ1H)、9.11(s,1H)、7.13(d,J=9.2Hz,2H)、6.69(d,J=8.8Hz,2H)、2.12(s,2H)、1.83-1.75(m,10H)、1.65(s,2H)。
【0140】
化合物5:3-(4-ヒドロキシフェニル)-アダマンタン-1-カルボン酸ベンジルエステル(3-(4-Hydroxyphenyl)-adamantane-1-carboxylic acid benzyl ester)(5):
臭化ベンジル(1.12g,6.61mol)を20mLのDMF中、化合物4(1.50g,5.50mmol)とKHCO(0.66g,6.61mol)との混合物に添加した。反応混合物を40℃で4時間加熱後、飽和NaHCOを滴下した。混合物をEAで抽出し、分離した。有機層を無水MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。前記濃縮液をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーで精製し、(5)を白色固体として得た(1.75g,87%収率)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ7.35δJ=J=10H,1.69(s,2H)。
【0141】
化合物6:3-(4-エトキシカルボニルメトキシフェニル)-アダマンタン-1-カルボン酸ベンジルエステル(3-(4-Ethoxycarbonylmethoxyphenyl)-adamantane-1-carboxylic acid benzyl ester)(6):
クロロ酢酸エチル(0.67g,5.50mmol)を10mLのDMF中、化合物5(1.0g,2.75mmol)と炭酸カリウム(1.14g,8.27mmol)との混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、飽和NaHCOを滴下した。混合物をEAで抽出し、無水MgSO上で乾燥させた。混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。前記濃縮液をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製し、(6)を白色固体として得た(1.05g,85%収率)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)7.39-7.31(m,5H)、7.26(d,J=8.4Hz,2H)、6.84(d,J=8.8Hz,2H)、5.00(s,2H)、4.72(s,2H)、4.16(q,J=7.1Hz,2H)、2.15(s,2H)、1.90-1.79(m,10H)、1.67(s,2H)、1.21(t,J=7.0Hz,3H)。
【0142】
化合物7:3-(4-カルボキシメトキシフェニル)-アダマンタン-1-カルボン酸ベンジルエステル(3-(4-Carboxymethoxyphenyl)-adamantane-1-carboxylic acid benzyl ester)(7):
化合物6(0.70g,1.56mmol)を7mLのTHF/HO(1:1)に溶解させた。水酸化リチウム(0.26g,6.24mmol)を添加し、室温で90分間攪拌した後、10%HClを滴下した。混合物をEAで抽出し、分離した。有機層を無水MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮し、前記濃縮物を得た後、シリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製し、(7)を白色固体として得た(0.60g,92%収率)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)12.93(s,1H)、7.37-7.31(m,5H)、7.26(d,J=8.4Hz,2H)、6.84(d,J=8.8Hz,2H)、5.09(s,2H)、4.61(s,2H)、2.15(s,2H)、1.98-1.75(m,10H)、1.67(s,2H)。
【0143】
化合物(8):3-{4-[(3-メトキシカルボニルフェニルカルバモイル)メトキシ]-フェニル}-アダマンタン-1-カルボン酸ベンジルエステル(3-{4-[(3-Methoxycarbonylphenylcarbamoyl)-methoxy]-phenyl}-adamantane-1-carboxylic acid benzyl ester)(8):
化合物7(0.73g,1.74mmol)、3-アミノ安息香酸メチルエステル(0.52g,3.47mmol)、PyBOP(1.80g,3.47mmol)とDMAP(0.42g,3.47mmol)との混合物を20mLのDMFの溶媒に溶解させた。反応溶液を室温で一晩撹拌した後、10%のHClを滴下した。混合物をEAで抽出し、分離した。有機層を無水MgSOで乾燥し、濃縮した。前記濃縮液をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、(8)を白色の結晶として得た(0.68g,72.00%)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(s,1H)、8.33(s,1H)、7.90(d,J=8.1Hz,1H)、7.68(d,J=8.1Hz,1H)、7.48(t,J=8.1Hz,1H)、7.40-7.33(m,5H)、7.30(d,J=8.7Hz,2H)、6.94(d,J=8.7Hz,2H)、5.09(s,2H)、4.69(s,2H)、3.86(s,3H)、2.16(br,2H)、1.92(s,2H)、1.86(s,4H)、1.81(br,4H)、1.68(br,2H)。
【0144】
化合物9:3-{4-[(3-メトキシカルボニルフェニルカルバモイル)-メトキシ]-フェニル}-アダマンタン-1-カルボン酸(3-{4-[(3-Methoxycarbonylphenylcarbamoyl)-methoxy]-phenyl}-adamantane-1-carboxylic acid)(9):
化合物8(0.62g,1.12mmol)を30mLのTHFに溶解させ、10%のPd/Cを添加した。反応混合物を室温でH下で2時間攪拌し、セライトパッドを介して濾過した。溶液を減圧濃縮して、(9)を白色固体として得た(0.78g)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ1H)、10.31(s,1H)、8.33(s,1H)、7.90(d,J=8.1Hz,1H)、7.67(d,J=8.1Hz,1H)、7.48(t,J=8.1Hz,1H)、7.30(d,J=8.7Hz,2H)、6.94(d,J=8.7Hz,2H)、4.69(s,2H)、3.85(s,3H)、2.14(br,2H)、1.87(s,2H)、1.80(br,8H)、1.66(br,2H)。
【0145】
実施例2.化合物10-1~化合物10-10の合成
前述の反応式S1に従って化合物1を出発物質とし、化合物2、3、4、5、6、7、8および9を中間体として経て、化合物10-1~化合物10-10を合成した。
【0146】
化合物10-1:3-(2-(4-(3-((メトキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(3-((methoxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10a):
化合物9(0.31g,0.66mmol)、メチルアルコール(0.03ml,0.99mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-水和物(0.13g,0.99mmol)、HOBt(0.13g,0.99mmol)およびDIPEA(0.17ml,0.99mmol)を室温でジメチルホルムアミドに溶解させた後、一晩撹拌した。撹拌が完了すると、水を加えて反応を終了させた後、EAで抽出した。抽出された有機層を無水MgSOで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮された反応物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/EA)で精製し、10aを白色固体として得た(0.37g,78%)。H-NMR(400MHz,CDCl)8.41(s,1H)、8.07(s,1H)、8.01(d,J=8.4Hz,1H)、7.83(d,J=8.0Hz,1H)、7.44(t,J=8.0Hz,1H)、7.34(d,J=8.8Hz,2H)、6.96(d,J=8.8Hz,2H)、4.61(s,2H)、3.92(s,3H)、3.67(s,3H)、2.23(s,2H)、2.01(s,2H)、1.92-1.86(m,8H)、1.73(s,2H)。
【0147】
化合物10-2:3-(2-(4-(4-((4-メトキシベンジルオキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(4-((4-methoxybenzyloxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10b):
化合物9(0.31g,0.66mmol)、4-メトキシベンゾイルアルコール(0.12ml,0.99mmol)、EDC.HCI(0.19g,0.99mmol)、HOBt(0.13g,0.99mmol)およびDIPEA(0.17ml,0.99mmol)を室温でジメチルホルムアミドに溶解させた後、一晩撹拌した。撹拌が完了すると、水を加えて反応を終了させた後、EAで抽出した。抽出された有機層を無水MgSOで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮された反応物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/EA)で精製し、標的化合物10bを白色固体として得た(0.21g,54%)。H-NMR(400MHz,CDCl)8.49(s,1H)、8.10(s,1H)、7.99(d,J=7.6Hz,1H)、7.81(d,J=7.2Hz,1H)、7.41(t,J=7.8Hz,1H)、7.31-7.25(m,4H)、6.90(dd,J=8.8,23.2Hz,4H)、5.22(s,2H)、4.58(s,2H)、3.89(s,3H)、3.78(s,3H)、2.21(s,2H)、2.03-1.85(m,10H)、1.71(s,2H)。
【0148】
化合物10-3:3-(2-(4-(4-((3,4-ジメトキシベンジルオキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(4-((3,4-dimethoxybenzyloxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10c):
化合物9(0.31g,0.66mmol)、3,4-ジメトキシベンジルアルコール(0.14ml,0.99mmol)、EDC.HCl(0.19g,0.99mmol)、HOBt(0.13g,0.99mmol)およびDIPEA(0.17ml,0.99mmol)を室温でジメチルホルムアミドに溶解させた後、一晩撹拌した。撹拌が完了すると、水を添加して反応を終了させた後、EAで抽出した。抽出された有機層を無水MgSOで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮された反応物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/EA)で精製し、標的化合物10cを白色固体として得た(0.25g,63%)。H-NMR(400MHz,CDCl)8.38(s,1H)、8.07(s,1H)、8.01(d,J=8.4Hz,1H)、7.83(d,J=8.0Hz,1H)、7.45(t,J=7.8Hz,1H)、7.33(d,J=8.8Hz,2H)、6.96-6.83(m,5H)、5.06(s,2H)、4.61(s,2H)、3.93(s,3H)、3.88-3.87(m,6H)、2.23(s,2H)、2.03-1.73(m,10H)、1.57(s,2H)。
【0149】
化合物10-4:3-(2-(4-(2-((3,4-ジメトキシフェネトキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(2-((3,4-dimethoxyphenethoxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10d):
化合物9(0.31g,0.66mmol)、2-(3,4-ジメトキシフェニル)エタノール(0.18g,0.99mmol)、EDC.HCl(0.19g,0.99mmol)、HOBt(0.13g,0.99mmol)およびDIPEA(0.17ml,0.99mmol)を室温でDMFに溶解させた後、一晩撹拌した。撹拌が完了すると、水を添加して反応を終結させた後、EAで抽出した。抽出された有機層を無水MgSOで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮された反応物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/EA)で精製し、標的化合物10dを白色固形として得た(0.36g,58%)。H-NMR(400MHz,CDCl)8.44(s,1H)、8.09(s,1H)、8.01(d,J=8.4Hz,1H)、7.82(d,J=8.0Hz,1H)、7.43(t,J=8.0Hz,1H)、7.31(d,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=8.8Hz,2H)、6.81-6.74(m,3H)、4.60(s,2H)、4.26(t,J=6.8Hz,2H)、3.91(s,3H)、3.85-3.83(m,6H)、2.88(t,J=7.0Hz,2H)、2.22(s,2H)、1.97-1.80(m,10H)、1.72(s,2H)。
【0150】
化合物10-5:3-(2-(4-(3-((フラン-2-イルメトキシ)カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl-3-(2-(4-(3-((furan-2-ylmethoxy)carbonyl)adamantane-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10e):
化合物9(60.0mg,0.13mmol)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、これを-10℃に冷却した。次いで、2-(ブロモメチル)フラン(0.02ml,0.17mmol)、クロロ蟻酸エチル(0.02ml,15mmol)およびトリエチルアミン(0.02ml,0.15mmol)をカラムにローディングした。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、水を注いで反応を終了させた。反応液をEAで抽出し、抽出された有機層をMgSOで乾燥させた後、減圧濃縮した。濃縮された反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール)で精製し、標的化合物10eを白色固体として得た(49.0mg,70%)。H-NMR(400MHz,CDCl)8.51(s,1H)、8.10(s,1H)、7.99(d,J=8.0Hz,1H)、7.81(d,J=7.6Hz,1H)、7.43-7.39(m,2H)、7.30(d,J=8.8Hz,2H)、6.93(d,J=8.4Hz,2H)、6.36(dd,J=2.2,11.4Hz,2H)、5.05(s,2H)、4.59(s,2H)、3.90(s,3H)、2.21(s,2H)、1.99-1.84(m,10H)、1.70(s,2H)。
【0151】
化合物10-6:3-(2-(4-(3-メチルカルバモイル-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-methylcarbamoyl-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10f):
EDC.HCl(80mg,0.42mmol)、HOBt(56mg,0.42mmol)およびDIPEA(0.15mL,0.87mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物9(160mg,0.35mmol)およびメチルアミン塩酸(0.02g,0.35mmol)の溶液内に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させた。生成された残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EA=6:4)で精製し、10fを白色固体として得た(110mg,66.1%収率)。H-NMR(CDCl,400MHz)8.40(s,1H)、8.07(s,1H)、8.00(dd,J=8.2,1.4Hz,1H)、7.83(d,J=7.8Hz,1H)、7.44(t,J=8.0Hz,1H)、7.34(d,J=8.4Hz,2H)、6.95(d,J=9.2Hz,2H)、5.67(s,1H)、4.61(s,2H)、3.92(s,3H)、2.81(d,J=4.4Hz,3H)、2.26(s,2H)、1.97-1.87(m,10H)、1.73(s,2H)。
【0152】
化合物10-7:3-(2-(4-(3-ベンジルカルバモイル-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-benzylcarbamoyl-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10g):
EDC.HCl(80mg,0.42mmol)、HOBt(56mg,0.42mmol)およびDIPEA(0.15mL,0.87mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物9(160mg,0.35mmol)およびベンジルアミン(37mg,0.35mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。生成された残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EA=6:4)によって精製し、10gを白色固体として得た(110mg,56.9%収率)。H-NMR(400MHz,CDCl)8.38(s,1H)、8.07(s,1H)、8.01(d,J=8.4Hz,1H)、7.83(d,J=8.0Hz,1H)、7.45(t,J=8.0Hz,1H)、7.33(t,J=7.6Hz,4H)、7.29-7.26(m,5H)、5.89(s,1H)、4.61(s,2H)、4.45(d,J=5.2Hz,2H)、3.92(s,3H)、2.27(s,2H)、2.04-1.90(m,10H)、1.74(s,2H)。
【0153】
化合物10-8:3-(2-(4-(3-(フラン-2-イルメチルカルバモイル)-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-(furan-2-ylmethylcarbamoyl)-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10h):
トリエチルアミン(0.022mL,0.155mmol)を1mLのTHF中、化合物9(60mg,0.129mmol)の溶液に添加し、混合物を-10℃に冷却した。次いで、クロロ蟻酸エチル(0.016mL,0.168mmol)を添加し、-10℃で30分間撹拌した。次いで、フルフリルアミン(0.015mL,0.155mmol)を溶液に添加し、室温に加温した。反応溶液を室温でさらに30分間撹拌し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を分取TLCにより精製し、10hを淡黄色固体として得た(49mg,収率70%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ(s,1H)、8.07(s,1H)、8.01(dd,J=1.2-8.4Hz,1H)、7.83(d,J=8.0Hz,1H)、7.45(t,J=8.0Hz,1H)、7.34(d,J=8.8Hz,3H)、6.96(d,J=9.2Hz,2H)、6.32(t,J=2.4Hz,1H)、6.21(d,J=3.2Hz,1H)、4.61(s,2H)、4.44(d,J=5.2Hz,2H)、3.92(s,3H)、2.26(s,2H)、1.98(s,2H)、1.90-1.88(m,8H)、1.73(s,2H)、1.55(s,2H)。
【0154】
化合物10-9:3-2-(4-(3-(ピリジン-2-イルカルバモイル)-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-(pyridin-2-ylcarbamoyl)-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10i):
DMF(0.5mL)を化合物9(50mg,0.11mmol)、2-アミノピリジン(20mg,0.21mmol)、PyBOP(110mg,0.21mmol)およびDMAP(26mg,0.216mmol)の混合物に添加した。次いで、反応溶液を室温で一晩撹拌した後、10%のHClを滴下した。混合物をEAで抽出し、合わせた有機層を無水MgSO上で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を分取TLC(n-ヘキサン:EA=1:1)で精製し、10iを黄色固体として得た(30mg,収率52%)。H-NMR(300MHz,DMSO-d)δ1H)、9.78(s,1H)、8.33(d,J=2.1Hz,1H)、8.31(s,1H)、8.06(d,J=8.7Hz,1H)、7.90(d,J=7.8Hz,1H)、7.56(t,J=7.5Hz,1H)、7.67(d,J=7.2Hz,1H)、7.48(t,J=8.1Hz,1H)、7.36(d,J=9Hz,2H)、7.09(t,J=7.5Hz,1H)、6.96(d,J=9Hz,2H)、4.69(s,2H)、3.85(s,3H)、2.18(br,2H)、2.04(s,2H)、1.94(s,3H)、1.89-1.69(m,7H)。
【0155】
化合物10-10:3-(2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)-アダマンタン-1-イル)フェノキシ)アセトアミド)安息香酸メチル(Methyl 3-(2-(4-(3-(6,7-dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)-adamantan-1-yl)phenoxy)acetamido)benzoate)(10j):
EDC.HCl(80mg,0.42mmol)、HOBt(56mg,0.42mmol)およびDIPEA(0.15mL,0.87mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物20(100mg,0.35mmol)および3-アミノ安息香酸メチルエステル(53mg,0.35mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EA=6:4)で精製し、10jとして白色固体を得た(107mg,48%収率)。H-NMR(CDCl,400MHz)8.39(s,1H)、8.07(s,1H)、8.02(d,J=8.0Hz,1H)、7.83(d,J=7.6Hz,1H)、7.45(t,J=7.8Hz,1H)、7.36(d,J=8.8Hz,1H)、6.97(d,J=8.4Hz,2H)、6.60(d,J=5.2Hz,2H)、4.71(s,2H)、4.61(s,2H)、3.92(s,5H)、3.85(s,6H)、2.81(s,2H)、2.28(s,2H)、2.15-2.07(m,6H)、1.91(s,4H)、1.77(s,4H)。
【0156】
実施例3.化合物14-1~化合物14-4の合成
前述の反応式S2に従って化合物4を出発物質とし、化合物11、12および13を中間体として経て、化合物14-1~化合物14-4を合成した。
【0157】
化合物14-1:化合物3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-オキソ-2-(3-(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)エトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-oxo-2-(3-(trifluoromethyl)phenylamino)ethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylae)(14a):
EDC.HCl(42mg,0.22mmol)、HOBt(29mg,0.22mmol)およびDIPEA(0.080mL,0.47mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物13(90mg,0.19mmol)および3-(トリフルオロメチル)アニリン(33mg,0.20mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EA=6:4)で精製し、14aを白色固体として得た(64mg,54%収率)。H-NMR(CDCl,400MHz)8.39(s,1H)、7.87(s,1H)、7.82(d,J=8.4Hz,1H)、7.48(t,J=7.8Hz,1H)、7.41(d,J=8.0Hz,1H)、7.33(d,J=8.8Hz,2H)、6.95(d,J=9.2Hz,2H)、6.91(dd,J=8.4,2.0Hz,1H)、6.85(s,1H)、6.84(d,J=10.8Hz,1H)、5.05(s,2H)、4.61(s,2H)、3.88(s,3H)、3.87(s,3.87)、2.23(s,2H)、2.02-1.86(m,10H)、1.72(s,2H)。
【0158】
化合物14-2:3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-オキソ-2-(キノリン-8-イルアミノ)エトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-oxo-2-(quinolin-8-ylamino)ethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylate)(14b):
EDC.HCl(42mg,0.22mmol)、HOBt(29mg,0.22mmol)およびDIPEA(0.080mL,0.47mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物13(90mg,0.19mmol)およびキノリン-8-アミン(29mg,0.20mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EA=6:4)で精製し、14bを白色固体として得た(79mg,61%収率)。H-NMR(400MHz,CDCl)10.97(s,1H)、8.86(dd,J=1.4-4.2Hz,1H)、7.56(d,J=1.6Hz,1H)、7.55(s,1H)、7.47(q,J=4.1Hz,1H)、7.33(d,J=8.4Hz,2H)、7.08(d,J=8.4Hz,2H)、6.91(d,J=10.0Hz,1H)、6.84(d,J=8.0Hz,2H)、5.05(s,2H)、4.73(s,2H)、3.88(s,6H)、2.23(s,2H)、2.04-1.87(m,10H)、1.72(s,2H);13C-NMR(100MHz,CDCl)177.1、167.0、155.5、148.9、148.8、143.9、143.9、138.8、136.2、133.8、128.9、128.0、127.2、126.2、122.2、121.7、120.7、116.8、114.9、111.3、111.0、68.4、66.0、55.9、55.8、44.3、42.2、41.9、38.1、36.0、35.6、28.7。
【0159】
化合物14-3:3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-(フラン-2-イルジメチルアミノ)-2-オキソエトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-(furan-2-ylmethylamino)-2-oxoethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylate)(14c):
EDC.HCl(42mg,0.22mmol)、HOBt(29mg,0.22mmol)およびDIPEA(0.080mL,0.47mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物13(90mg,0.19mmol)およびフラン-2-イルメタンアミン(20mg,0.20mmol)に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EA=6:4)で精製し、14cを白色固体として得た(57mg,54%収率)。H-NMR(400MHz,CDCl)7.35(s,1H)、7.29(d,J=1.6Hz,2H)、6.91-6.82(m,5H)、6.32(q,J=1.6Hz,1H)、6.22(d,J=3.2Hz,1H)、5.05(s,2H)、4.53(d,J=6.0Hz,2H)、4.49(s,2H)、3.87(d,J=2.4Hz,6H)、2.22(s,2H)、2.00(s,2H)、1.97-1.88(m,4H)、1.85(d,J=1.6Hz,2H)、1.71(s,2H)。
【0160】
化合物14-4:3,4-ジメトキシベンジル2-(4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキシレート(3,4-Dimethoxybenzyl 2-(4-(2-(4-methylpiperazin-1-yl)-2-oxoethoxy)phenyl)adamantane-1-ylcarboxylate)(14d):
EDC.HCl(42mg,0.22mmol)、HOBt(29mg,0.22mmol)およびDIPEA(0.080mL,0.47mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物13(90mg,0.19mmol)および1-メチルピペラジン(20mg,0.20mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EA=6:4)で精製し、14dを白色固体として得た(50mg,47%収率)。H-NMR(400MHz,CDCl)7.26(d,J=8.8Hz,2H)、6.89-6.83(m,5H)、5.05(s,2H)、4.65(s,2H)、3.87(s,6H)、3.61(d,J=23.2Hz,4H)、2.39(s,4H)、2.29(s,3H)、2.21(s,2H)、2.01-1.85(m,10H)、1.71(s,2H)。
【0161】
実施例4.化合物17-1ないし化合物17-3の合成
前述の反応式S3に従って化合物7を出発物質とし、化合物15および16を中間体として経て、化合物17-1~17-3を合成した。
【0162】
化合物17-1:N-(フラン-2-イルメチル)-5-(4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)フェニル)アダマンタン-1-イルカルボキサミド(N-(Furan-2-ylmethyl)-5-(4-(2-(4-methylpiperazin-1-yl)-2-oxoethoxy)phenyl)adamantan-1-yl-carboxamide)(17a):
EDC.HCl(50mg,0.26mmol)、HOBt(35mg,0.26mmol)およびDIPEA(0.90mL,0.52mmol)をDMF(3.0mL)中、化合物16(90mg,0.21mmol)およびフラン-2-イルメタンアミン(25mg,0.26mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:9)で精製し、17aを白色固体として得た(0.30mg,29%収率)。H-NMR(CDCl,400MHz)7.33(s,1H)、7.29(s,1H)、7.25(s,1H)、6.87(d,J=3.7Hz,2H)、6.31-6.29(m,1H)、6.19(d,J=3.6Hz,1H)、5.96(s,1H)、4.64(s,2H)、4.42(d,J=5.2Hz,2H)、3.63(t,J=4.8Hz,2H)、3.57(t,J=5.0Hz,2H)、2.38-2.36(m,4H)、2.28(s,3H)、2.23(s,2H)、1.95(s,2H)、1.88-1.85(m,8H)、1.71(s,2H)。
【0163】
化合物17-2:1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-(4-(5-(4-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル))ピペラジン-1-カルボニル)アダマンタン-1-イル-)フェノキシ)エタノン(1-(4-Methylpiperazin-1-yl)-2-(4-(5-(4-(4-(trifluoromethyl)benzyl))piperazine-1-carbonyl)adamantan-1-yl-)phenoxy)ethanone)(17b):
EDC.HCl(50mg,0.26mmol)、HOBt(35mg,0.26mmol)およびDIPEA(0.90mL,0.52mmol)をDMF(3.0mL)中、化合物16(90mg,0.21mmol)および1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン(49mg,0.35mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:9)で精製し、17bを白色固体として得た(25mg,19%収率)。H-NMR(CDCl,400MHz)7.57(d,J=8.0Hz,2H)、7.45(d,J=8.4Hz,2H)、7.26(d,J=8.8Hz,2H)、4.67(s,2H)、3.70-3.54(m,10H)、2.43-2.37(m,J=3.3Hz,8H)、2.29(s,3H)、2.23(s,2H)、2.06-2.00(m,6H)、1.85(s,4H)、1.71(s,2H)。
【0164】
化合物17-3:2-(4-(5-(4-(4-メトキシベンジル)ピペラジン-1-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン(2-(4-(5-(4-(4-Methoxybenzyl)piperazine-1-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-(4-methylpiperazin-1-yl)ethanone)(17c):
EDC.HCl(50mg,0.26mmol)、HOBt(35mg,0.26mmol)およびDIPEA(0.90mL,0.52mmol)をDMF(3.0mL)中、化合物16(90mg,0.21mmol)および1-(4-メトキシベンジル)ピペラジン(53mg,0.26mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:9)で精製し、17cを白色固体として得た(37mg,30%収率)。H-NMR(CDCl,400MHz)7.26(d,J=8.0Hz,2H)、7.23(d,J=8.8Hz,2H)、6.90(d,J=8.4Hz,2H)、6.86(d,J=8.8Hz,2H)、4.66(s,2H)、3.80(s,3H)、3.70-3.66(m,6H)、3.61(t,J=4.8Hz,2H)、3.46(s,2H)、2.42(s,8H)、2.31(s,3H)、2.23(s,2H)、2.06-1.99(m,6H)、1.85(s,4H)、1.71(s,2H)。
【0165】
実施例5.化合物19および20の合成
前記反応式に用いられた化合物19および化合物20の合成工程は、後述の通りである。
【0166】
化合物19:{4-[3-(6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル)-アダマンタン-1-イル]-フェノキシ}-酢酸エチルエステル({4-[3-(6,7-Dimethoxy-3,4-dihydro-1H-isoquinoline-2-carbonyl)-adamantan-1-yl]-phenoxy}-acetic acid ethyl ester)(19):
化合物15(2.26g,6.30mmol)をアセトニトリルに溶解させ、トリエチルアミン(2.25g,0.02mol)および50%のPPAA(4.81g,7.57mmol)を室温で添加した。混合物を30分間撹拌し、6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩(1.74g,7.57mmol)を添加した。次いで、反応溶液を室温で一晩撹拌し、減圧下で蒸発させた。反応混合物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物19を白色固体として得た(2.21g,収率66%)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(d,J=8.7Hz,2H)、6.84(d,J=9Hz,2H)、6.83(s,1H)、6.70(s,1H)、4.73(s,2H)、4.64(s,2H)、4.16(q,J=6.3Hz,2H)、3.81(q,J=5.7Hz,2H)、3.71(s,3H)、3.70(s,3H)、2.69(q,J=5.1Hz,2H)、2.17(br,2H)、1.95-1.86(m,7H)、1.78~1.67(m,5H)、1.21(t,J=7.5Hz,3H)。
【0167】
化合物20:{4-[3-(6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル)-アダマンタン-1-イル]-フェノキシ}-酢酸({4-[3-(6,7-Dimethoxy-3,4-dihydro-1H-isoquinoline-2-carbonyl)-adamantan-1-yl]-phenoxy}-acetic acid)(20):
THFとHOの溶液に化合物19(2.21g,4.14mmol)を溶かし、室温で水酸化リチウム(0.26g,6.21mmol)を入れ、1時間攪拌した後、10%のHClを滴下した。濾液を減圧下に蒸発させ、固体をn-ヘキサンで洗浄して、生成物20を白色固体として得た(2.07g)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)7.29(d,J=8.7Hz,2H)、6.83(d,J=8.1Hz,2H)、6.81(s,1H)、6.70(s,1H)、4.64(s,2H)、4.62(s,2H)、3.81(q,J=5.1Hz,2H)、3.71(s,3H)、3.70(s,3H)、2.69(q,J=5.7Hz,2H)、2.17(br,2H)、1.99-1.88(m,8H)、1.78-1.66(m,4H)。
【0168】
実施例6.化合物21-1ないし化合物21-3の合成
前述の反応式S1に従って化合物7を出発物質とし、化合物15および16を中間体として経て、化合物21-1ないし21-3を合成した。
【0169】
化合物21-1:2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-モルホリノエタノン(2-(4-(3-(6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-morpholinoethanone)(21a):
EDC.HCl(191mg,0.35mmol)、HOBt(135mg,0.35mmol)およびDIPEA(0.129mL,0.60mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物20(150mg,0.29mmol)およびモルホリン(313mg,0.35mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:9)で精製し、21aを白色固体として得た(81mg,48%収率)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ(d,J=2.4Hz,2H)、7.28(d,J=3.2Hz,2H)、6.60(d,J=6.4Hz,2H)、4.71(s,2H)、4.67(s,2H)、3.92-3.88(m,2H)、3.85(s,4H)、3.67-3.60(m,9H)、2.80(t,J=6.4Hz,2H)、2.26(s,2H)、2.13-2.02(m,6H)、1.89-1.86(m,4H)、1.75(s,2H)。
【0170】
化合物21-2:2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタノン(2-(4-(3-(6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-(4-methylpiperazin-1-yl)ethanone)(21b):
EDC.HCl(191mg,0.35mmol)、HOBt(135mg,0.35mmol)およびDIPEA(0.129mL,0.60mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物20(150mg,0.29mmol)および1-メチルピペラジン(100mg,0.35mmol)に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:9)で精製し、21bを白色固体として得た(80mg,収率45%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ(d,J=6.8Hz,2H)、6.90(d,J=8.8Hz,2H)、6.60(d,J=6.2Hz,2H)、4.71(s,2H)、4.66(s,2H)、3.89(s,2H)、3.85(s,6H)、3.62(d,J=22.4Hz,4H)、2.80(s,2H)、2.40(s,4H)、2.29(s,3H)、2.26(s,2H)、2.13-2.02(m,6H)、1.89(s,4H)、1.75(s,2H)。
【0171】
化合物21-3:2-(4-(3-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボニル)アダマンタン-1-イル)フェノキシ)-1-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エタノン(2-(4-(3-(6,7-Dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carbonyl)adamantan-1-yl)phenoxy)-1-(4-(4-(trifluoromethyl)benzyl)piperazin-1-yl)ethanone)(21c)(LW1564):
EDC.HCl(191mg,0.35mmol)、HOBt(135mg,0.35mmol)およびDIPEA(0.129mL,0.60mmol)をDMF(5.0mL)中、化合物20(150mg,0.29mmol)および1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン(71mg,0.29mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、得られた混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:9)で精製し、LW1564(21c)を白色固体として得た(0.123mg,57%収率)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ(d,J=8.0Hz,2H)7.44(d,J=8.0Hz,2H)、7.29(d,J=8.8Hz,2H)、6.89(d,J=8.4Hz,2H)、6.60(d,J=6.0Hz,2H)、4.71(s,2H)、4.66(s,2H)、3.90(t,J=5.8Hz,2H)、3.85(d,J=2.0Hz,6H)、3.64(s,2H)、3.59(t,J=4.8Hz,2H)、3.55(s,2H)、2.80(t,J=5.4Hz,2H)、2.44(s,4H))、2.26(s,2H)、2.13-2.05(m,6H)、1.89(d,J=2.4Hz,4H)、1.76(s,2H)。
【0172】
[実験例]
HRE-ルシフェラーゼアッセイによるHIF-1抑制剤のスクリーニング
HRE-依存性ルシフェラーゼレポーターを安定して発現するHCT116細胞を、ルシフェラーゼ活性を測定する前に、12時間にわたって低酸素条件下で前記実施例で製造された二置換アダマンチル誘導体で処理した。
【0173】
二置換アダマンチル誘導体で処理されたHCT-116細胞において、HRE-luciferase assayを用いてルシフェラーゼ活性を調べた。HRE-ルシフェラーゼレポーターアッセイは、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega,Madison,WI,USA)を使用して製造元の指針に従って、以前の記述(Naik,R.et al.Synthesis and Structure-Activity Relationship of(E)Phenoxyacrylic Amide Derivatives as Hypoxia-Inducible Factor(HIF)1α Inhibitors.J.Med.Chem.55,10564-1057(2012))と同様に行った。ルシフェラーゼ活性は、ビクターX発光リーダー(Victor X light luminescence reader)(PerkinElmer,Boston,MA,USA)を用いて測定した。
【0174】
その結果、二置換アダマンチル誘導体の活性を、以下の表1,2に示した。
【0175】
【表1】
【0176】
【表2】
【0177】
LW1564(化合物21-3)は、癌細胞におけるHIF-1の活性化および増殖を阻害
新たに合成された化合物の中、化合物21c(LW1564(化合物21-3)、図1aが、多様な癌細胞増殖阻害にどのように影響を及ぼすかを評価した。ヒト乳癌細胞(MCF7)、ヒト子宮頸癌細胞(HeLa)、ヒト結腸直腸癌細胞(HCT116,HCT15,LoVo,SW480,SW620及びWiDr)、ヒト線維肉腫(HT1080)、ヒト胃癌細胞(NCI-N87,NUGC3およびSNU484)、ヒト肝臓癌細胞(HepG2,HT17,Huh7,SHJ1およびSK-Hep1)、ヒト肺癌細胞(A549及びH1299)、ヒト膵臓癌細胞(AsPC1およびMIA-PaCa2)および正常肺線維芽細胞(CCD-34LuおよびWI-38)は、American Type Culture Collection(米国バージニア州マナサス)またはKRIBB細胞株銀行(韓国大田)から購入した。細胞培養のために、細胞を、5%(v/v)のウシ胎児血清(WelGENE,Daegu,Korea)および100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン(Gibco)を補ったDMEM培地(Gibco、アメリカニューヨーク州グランドアイランド)で培養した。細胞を、5%COを有する加湿インキュベータで37℃に維持し、低酸素症およびマルチガスインキュベーター(Sanyo,Osaka,Japan)を1%のO2、94%のNおよび5%のCOに調整した。細胞生存率は、「Chou,T.C. Theoretical basis,experimental design,and computerized simulation of synergism and antagonism in drug combination studies.Pharmacol.Rev.58,621-681(2006)」に記載の通り、メチレンブルー比色解析法(methylene blue colorimetric assay)によって決定された。LW1564(化合物21-3)を処理した後、細胞を4%ホルムアルデヒド(Sigma-Aldrich)で固定し、PBSで3回洗浄した。メチレンブルー(Sigma-Aldrich)で染色した後、水で洗浄した。染料を0.1%のHCl(v/v)で溶離させ、Molecular Devices EMax(Molecular Devices,CA,USA)上で600nmで定量した。LW1564(化合物21-3)が多様な癌細胞の増殖を阻害することを見い出し(GI50=0.4-4.6μM)、正常細胞、CCD-34LuおよびWI-38(GI50>20μM)の成長には影響を及ぼさないことを確認した(図1b)。次いで、細胞増殖に対するLW1564(化合物21-3)の効果を、生細胞解析システムであるIncuCyte ZOOM(Essen Bioscience,Ann Arbor,MI,USA)を使用して調査した。LW1564(化合物21-3)が、用量依存的に、HepG2およびA549細胞の増殖抑制を誘導した(図1c)。
【0178】
LW1564(化合物21-3)は、癌細胞におけるHIF-1α蓄積を抑制
酸素の存在下で、HIF-1αの酸素依存的分解(oxygen-dependent degradation;ODD)ドメインのプロリン残基が、プロリン水酸化酵素(prolyl hydroxylase;PHD)によりヒドロキシル化されると、タンパク質分解を誘導するVCB-Cul2 E3リガーゼに関連したVon Hippel-Lindau syndrome(VHL)に結合し、HIF-1α分解が促進される。低酸素条件下では、プロリンヒドロキシル化が発生されないので、HIF-1αタンパク質量が増加する。先にLW1564(化合物21-3)で処理したHepG2細胞において、HRE-luciferase assayを用いて、HIF-1α活性を調べた。HRE-ルシフェラーゼレポーターアッセイは、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega,Madison,WI,USA)を用いて、製造元の指針に従って、以前の記述(Naik,R.et al.Synthesis and Structure-Activity Relationship of(E)Phenoxyacrylic Amide Derivatives as Hypoxia-Inducible Factor(HIF)1α Inhibitors. J. Med. Chem. 55,10564-1057(2012))と同様に行った。ルシフェラーゼ活性は、ビクターX発光リーダー(Victor X light luminescence reader)(PerkinElmer,Boston,MA,USA)を用いて測定した。LW1564(化合物21-3)は、HepG2細胞において、1.2μMのIC50でHIF-1α活性を減少させた(図2a)。また、LW1564(化合物21-3)が、低酸素条件下で濃度依存的様式で、HIF-1αの蓄積を阻害することを発見した(図2b)。確かに、LW1564(化合物21-3)は、塩化コバルトの存在下で、HIF-1αタンパク質量に影響を及ぼさなかったため、LW1564がプロリン水酸化酵素の活性を阻害することにより、HIF-1αの蓄積を増加させたことをウエスタンブロット実験で確認した(図2b)。
【0179】
また、LW1564処理した細胞において、qPCR方法でHIF-1α mRNA量を調査した。TRIzol試薬(Invitrogen)を用いて全RNAを分離し、TOPscriptTMDryMIX(Enzynomics,Seoul,Korea)を用いてcDNAを合成した。HIF1Aプライマー配列は、Fwd 5’-CTG ACC CTG CAC TCA ATC AAG-3’およびRev 5’-TGG GAC TAT TAG GCT CAG GTG-3である。HIF-1α mRNA量が変化しないことを観察することによって、LW1564(化合物21-3)は、転写プロセスではないプロテアソーム分解過程で低酸素症―媒介されるHIF-1αの蓄積を阻害することを確認した(図2c)。次に、LW1564(化合物21-3)が他の癌細胞株において、HIF-1分解に類似する影響を及ぼすかどうかを調査した。LW1564(化合物21-3)は、A549、WiDr、MIA-CaCa2およびHCT-116を含む種々の癌細胞株において、低酸素状態で増加するHIF-1α蛋白質の蓄積を有意に減少させた(図2d)。
【0180】
次に、HIF-1標的遺伝子であるGLUT1、PDK1およびVEGFのmRNAレベルを測定した。プライマー配列は、GLUT1の場合、Fwd 5’-TTT GGC TAC AAC ACT GGA GTC-3’(配列番号1)およびRev 5’-CAT GCC CCC AAC AGA AAA GAT-3’(配列番号2);PDK1の場合、Fwd 5’-CAG GAC AGC CAA TAC AAG TGG-3’(配列番号3)およびRev 5’-CAT TAC CCA GCG TGA CAT GAA-3’(配列番号4);VEGFAの場合、Fwd 5’-CCT TGC TGC TCT ACC TCC AC-3’(配列番号5)およびRev 5’-ATG ATT CTG CCC TCC TCC TT-3’(配列番号6);およびRPL13Aの場合、Fwd 5’-CAT AGG AAG CTG GGA GCA AG-3’(配列番号7)およびRev 5’-GCC CTC CAA TCA GTC TTC TG-3’(配列番号8)である。LW1564(化合物21-3)は、HepG2細胞において低酸素状態で増加したGLUT1、PDK1およびVEGFのmRNA量を減少させた(図2e)。まとめると、LW1564(化合物21-3)は、刺激されたプロテアソーム分解を通じて、HIF-1α蓄積を阻害し、標的遺伝子のmRNA発現を減少させたことを確認した。
【0181】
LWR1564(化合物21-3)は、ミトコンドリア呼吸を阻害して酸素消費量を減少させる。
ミトコンドリア呼吸を阻害する化合物は、細胞の酸素含量を増加させることによって、HIF-1αの分解を促進する。したがって、酸素消費速度(oxygen consumption rate;OCR)を測定し、LW1564(化合物21-3)がミトコンドリア呼吸に影響を及ぼすかどうかを調査した。酸素消費量は、Oxytherm Clark-タイプ電極システム(Hansatech,Norfolk,UK)を用いて測定された(Chou,T.C.Theoretical basis,experimental design,and computerized simulation of synergism and antagonism in drug combination studies.Pharmacol.Rev.58,621-681(2006)。)。HepG2細胞(2×10)を2μMのLW1564(化合物21-3)と共に、6時間インキュベーションし、回収した後、温度調節循環系(thermoregulated controlled circulating system)により37℃で5分間にわたってOCRを測定した。力学的研究のために、ジギトニン透過性化(digitonin-permeabilised)HepG2細胞(2×10)は、2mLの呼吸緩衝(0.25Mのスクロース,2mMのKHPO,5mMのMgCl,1mMのEDTA,1mMのADP,20mMのMOPS,pH7.4)を含む検出装置にかけた。次いで、ETC内の成分に電子を提供する、下記の基質を添加した:5mMのピルビン酸ナトリウム、5mMのリンゴ酸ナトリウム、5mMのコハク酸ナトリウム、5mMのL-アスコルビン酸および0.2mMのN,N,N,N-テトラメチル-p-フェニレンジアミン(TMPD)。複合体I、IIIおよびIV阻害剤(それぞれロテノン、アンチマイシンA及びKCN)を1μMの最終濃度に添加した。
【0182】
LW1564(化合物21-3)は、HIF-1の蓄積を阻害する濃度でOCRを有意に阻害しており(図3a)、これはミトコンドリア呼吸の抑制を示した。次に、LW1564(化合物21-3)の存在下で、解糖とミトコンドリア呼吸により生成されたATPの量を比較することにより、酸化的リン酸化によるATP産生に対するミトコンドリア呼吸の効果を評価した。ATP含有量は、「Chou,T.C.Theoretical basis,experimental design,and computerized simulation of synergism and antagonism in drug combination studies.Pharmacol.Rev.58,621-681(2006)。」に記載されたところによって決定された。HepG2細胞を播種し、LW1564(化合物21-3)と6時間にわたってインキュベートした後、製造元の指針に従って、ENLITENATPアッセイキット(Promega,Madison,WI,USA)を用いてATP含量を測定した。Normoxic条件下で、HepG2細胞は、ミトコンドリア呼吸によりATPの47%および解糖により53%を得た。予想通り、LW1564(化合物21-3)で処理した細胞においてミトコンドリア-由来のATP産生が顕著に減少し(16%)、解糖-由来のATP産生が増加した(図3b)。酸化的リン酸化の阻害に反応したこのような分解の代償的な上方制御は、AMPKの活性化により発生し、これは、高いAMP/ATP比によって誘導された。LW1564(化合物21-3)は、短時間の間、総ATP産生量が若干減少したが(図3b)、長期間にわたって総細胞内ATPレベルが有意に減少した(図3c)。これらのデータは、LW1564(化合物21-3)がミトコンドリアの酸化的リン酸化を阻害することによって、ATP産生を減少させることを示す。
【0183】
ミトコンドリア呼吸の減少は、細胞内の酸素量の増加を意味するので、低酸素条件で蛍光を生成するアゾ系酸素プローブ(azo-based hypoxia probe)MARを用いて細胞内の酸素量の増加有無を評価した。低酸素状態で、HepG2細胞を6時間にわたってLW1564(化合物21-3)と共にインキュベートし、製造元の指針に従って(Chou,T.C.Theoretical basis,experimental design,and computerized simulation of synergism and antagonism in drug combination studies.Pharmacol.Rev.58,621-681(2006)。)、500nMのMARで染色し、IncuCyte ZOOMシステム(Essen BioScience,MI,USA)で解析した。低酸素条件下で、LW1564(化合物21-3)は、HepG2細胞で蛍光を大きく減少しており、これは、ミトコンドリア呼吸の減少による細胞内の酸素量が増加したことを意味する(図3d)。
【0184】
LW1564(化合物21-3)は、ミトコンドリア電子伝達系における複合体(complex)I活性を阻害
LW1564(化合物21-3)がETCでミトコンドリア呼吸を減らす作用メカニズムを究明するために、ミトコンドリア呼吸解析を行った。各複合体に呼吸鎖過程を解析するために、特定基質と阻害剤を投与することにより、実験を行った(図4a)。HepG2細胞に複合体Iの電子伝達のためにリンゴ酸/ピルビン酸塩を添加し、酸素消費を低減させるための陽性対照群として知られた複合体I阻害剤であるロテノンを使用した(図4a)。LW1564(化合物21-3)は、複合体Iによる酸素消費を減少させ、これは、コハク酸塩を添加し、複合体IIIに直接電子を提供することによって克服された(図4b)。この結果はLW1564(化合物21-3)がミトコンドリア電子伝達系複合体Iの阻害剤であることを示した。その後、LW1564(化合物21-3)が他のETC複合体に影響を与えるかどうか評価した。本発明者らは、ETC複合体IIに対する電子供給源としてコハク酸塩またはシトクロムcおよび複合体IVに対する電子源としてアスコルビン酸/TMPDを投与した細胞にLW1564(化合物21-3)で処理した。LW1564(化合物21-3)は、コハク酸塩(図4c)またはアスコルビン酸/TMPD(図4d)の存在下で酸素消費速度に影響を及ぼさなかったことを確認した。従って、このような結果は、LW1564(化合物21-3)がミトコンドリアのETC複合体Iのみを阻害することによって、ミトコンドリア呼吸を阻害することを示唆する。
【0185】
LW1564(化合物21-3)は、AMPK信号を活性化し、脂質合成を阻害
LW1564(化合物21-3)処理された細胞において、全ATP含有量が有意に減少したことが観察された(図3c)。このような結果は、AMP/ATP比率の増加を示すので、HepG2細胞におけるAMPK活性化およびダウンストリームのシグナル伝達現象を調べた。ウエスタンブロット解析により、LW1564(化合物21-3)がHepG2細胞において、AMPKおよびそのダウンストリームタンパク質である、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(Acetyl-CoA carboxylase;ACC)のリン酸化を促進することを確認した(図5a)。LW1564(化合物21-3)によるAMPKの活性化が、濃度依存的様式で、mTORのリン酸化を阻害し、4EBP1、サイクリンD1およびステロール調節エレメント結合タンパク質1(sterol regulatory element-binding protein 1;SREBP-1)のようなmTORのダウンストリームタンパク質の発現および/または活性化を阻害することを示すものとして、この結果を解析した。ACCリン酸化量の増加およびSREBP-1量の減少は、LW1564(化合物21-3)が脂質合成を阻害できることを示唆した。このような可能性を探るために、脂質液滴(lipid droplets)のような疎水性分子に結合する蛍光プローブである、ナイルレッド(Nile red)を用いた脂質合成に対するLW1564(化合物21-3)の効果を評価した。ナイルレッド染色は「1.Huang,D.et al.HIF-1-mediated suppression of acyl-CoA dehydrogenases and fatty acid oxidation is critical for cancer progression.Cell Rep.8,1930-1942(2014)。」に記載されている通りに行った。HepG2細胞を24時間にわたってLW1564(化合物21-3)で処理した後、200nMのナイルレッドおよび1μMのカルセインAMで10分間染色した。IncuCyte ZOOM システム(Essen BioScience)でデータを収集し解析した。正規化するために、細胞生存蛍光色素である(cell-permeant fluorescent dye)であるカルセインAM(calcein AM)を用いて細胞生存率を測定した。その結果、LW1564(化合物21-3)が濃度依存的に脂質蓄積を減少させることを確認した(図5b)。まとめると、LW1564(化合物21-3)は、AMPK/mTORシグナル伝達経路および脂質合成を調節することによってHepG2細胞において抗癌効果を促進することを示す。
【0186】
LW1564(化合物21-3)は、グルコース依存性癌代謝を阻害
多くの癌細胞において解糖機能が活性化されている。したがって、LW1564(化合物21-3)がグルコース濃度によって癌細胞増殖に影響を与えるかどうかを調べた。LW1564(化合物21-3)は、グルコース濃度が高い培地(25mM)よりもグルコース濃度が低い状態の培地(3mM)の細胞においてより強い細胞増殖抑制効果を示した(図5c)。次に、LW1564(化合物21-3)とグルコース類似体でありながら、競合的解糖阻害剤である2-デオキシ-D-グルコース(2DG)のHepG2細胞の増殖に対する組み合わせ効果を調べるために、併用係数(Combination Index;CI)およびアイソボログラム(isobologram)解析を行った。併用係数(isobologram)値は、細胞増殖阻害濃度を示すGI50解析を通じて2つの薬物間の相互関係を定量的に示すものであり、相乗効果、添加剤および拮抗効果は、CI<1、CI=1およびCI>と定義される。解析の結果、LW1564(化合物21-3)および2-DGは、HepG2細胞増殖の阻害に相乗効果(0.4≦CI≦0.92)があることを示した(図5d)。したがって、LW1564(化合物21-3)と解糖作用阻害剤との併用療法が、LW1564(化合物21-3)単独よりも肝癌により優れた抗癌効能を発揮できることが示唆される。
【0187】
LW1564(化合物21-3)は、HepG2異種移植片マウスモデルにおける腫瘍増殖の阻害
本発明者らは、LW1564(化合物21-3)がHepG2細胞の成長を阻害するが、正常細胞の成長に影響を及ぼさないことを発見したところ(図1)、HepG2異種移植片マウスモデルにおいて、LW1564(化合物21-3)の腫瘍増殖への有効性を調べた。全ての動物実験は、韓国生命工学研究院(韓国大田)の機関動物管理及び使用委員会の指針に従って、承認を受け、実施された。特定の病原体のない雌ヌードマウス(6週齢)に、HepG2細胞(1×10)を皮下に右側に接種した。腫瘍体積が100~150mmに達すると、マウスをビヒクルおよびLW1564(化合物21-3)処置群にランダムに割り当てた(n=6)。LW1564(化合物21-3)(10mg/kg)を2週間毎日腹腔内投与した。マイクロキャリパー(microcalliper)を用いて腫瘍のサイズを測定し、標準体積:長さ×幅×0.5を用いて腫瘍体積を計算した。両グループ間において主だった差は、Student’s t-testで決められた。
【0188】
LW1564(化合物21-3)は、対照群と比較してLW1564(化合物21-3)の腹腔内注射(10mg/kg)を注入したマウスにおいて、67%の腫瘍サイズの減少を示した(図6の左図)。また、LW1564(化合物21-3)を投与したマウスから摘出した腫瘍の重量(図6の真ん中図)と大きさ(図6の右図)が減少したことを確認した。このような結果は、LW1564(化合物21-3)が肝癌患者のための強力な治療薬として開発され得ることを示唆する。
【0189】
【表3】
【0190】
【表4】
【産業上の利用可能性】
【0191】
本発明による二置換アダマンチル誘導体は、ミトコンドリア内のATP産生のための酸化的リン酸化に依存性的な癌の強力な治療剤として有用に利用されるものと期待される。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図6c
図6d
図7
【配列表】
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