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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】軽便な短焦点近眼表示システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20250124BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250124BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349D
G09F9/30 308A
G09F9/00 361
G09F9/30 349E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023554335
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2022071799
(87)【国際公開番号】W WO2022193808
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】202110297398.X
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523298188
【氏名又は名称】光感(上海)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGGAN(SHANGHAI)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】R 1602A―3761,No.11 Of Lane 803,Shuangcheng Road,Baoshan District,Shanghai 201900 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 建明
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-097215(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0005123(US,A1)
【文献】特表2018-511065(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0168302(US,A1)
【文献】中国実用新案第212302096(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
G09F 9/00、9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽便な短焦点近眼表示システムであって、
マイクロディスプレイ(4)と、内側レンズ(2)と、凹面部分反射鏡(3)とを含み、
前記内側レンズ(2)は、瞳位置(1)に近接する凸面反射鏡であり、
前記凹面部分反射鏡(3)は、前記瞳位置(1)から離れて配置され、
前記マイクロディスプレイ(4)は、回転するリニアアレイマイクロディスプレイ(4a)又は透明マイクロディスプレイ(4b)であり、且つ、前記内側レンズ(2)と前記瞳位置(1)との間に設けられ、或いは、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に設けられ、或いは、前記凹面部分反射鏡(3)の凸面側に設けられ、
前記マイクロディスプレイ(4)が前記内側レンズ(2)と前記瞳位置(1)との間に設けられる場合、前記マイクロディスプレイ(4)は、前記瞳位置(1)に背向して発光し、前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数は≧3であり、
前記マイクロディスプレイ(4)が前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に設けられる場合、前記マイクロディスプレイ(4)は、前記瞳位置(1)に背向して発光し、又は前記瞳位置(1)に向かって発光し、前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数は≧3であり、
前記マイクロディスプレイ(4)が前記凹面部分反射鏡(3)の凸面側に設けられる場合、前記マイクロディスプレイ(4)は、前記瞳位置(1)に向かって発光し、前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数は≧4であ
前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数が4回よりも大きい場合、前記内側レンズ(2)の1つの表面を偏光反射面とし、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に、位相遅延波長板(6)が加えられ、前記凹面部分反射鏡(3)の部分反射面を、反射円偏光方向を動的に調節可能な表面とし、前記マイクロディスプレイ(4)がパルス円偏光を発するように制御し、前記凹面部分反射鏡(3)は、反射円偏光方向が変わらない状態を維持するように設けられ、光線反射回数が所定の回数に達すると、前記凹面部分反射鏡(3)の前記部分反射面が普通の鏡面とされ、前記光が普通の鏡面によって反射された後、人間の目に入る、ことを特徴とする軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項2】
軽便な短焦点近眼表示システムであって、
マイクロディスプレイ(4)と、内側レンズ(2)と、凹面部分反射鏡(3)とを含み、
前記内側レンズ(2)は、瞳位置(1)に近接する凸面反射鏡であり、
前記凹面部分反射鏡(3)は、前記瞳位置(1)から離れて配置され、
前記マイクロディスプレイ(4)は、回転するリニアアレイマイクロディスプレイ(4a)又は透明マイクロディスプレイ(4b)であり、且つ、前記内側レンズ(2)と前記瞳位置(1)との間に設けられ、或いは、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に設けられ、或いは、前記凹面部分反射鏡(3)の凸面側に設けられ、
前記マイクロディスプレイ(4)が前記内側レンズ(2)と前記瞳位置(1)との間に設けられる場合、前記マイクロディスプレイ(4)は、前記瞳位置(1)に背向して発光し、前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数は≧3であり、
前記マイクロディスプレイ(4)が前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に設けられる場合、前記マイクロディスプレイ(4)は、前記瞳位置(1)に背向して発光し、又は前記瞳位置(1)に向かって発光し、前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数は≧3であり、
前記マイクロディスプレイ(4)が前記凹面部分反射鏡(3)の凸面側に設けられる場合、前記マイクロディスプレイ(4)は、前記瞳位置(1)に向かって発光し、前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数は≧4であり、
前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数が4回よりも大きい場合、前記内側レンズ(2)の1つの表面を切替可能ミラーとし、前記マイクロディスプレイ(4)がパルス光を発するように制御し、
反射回数が所定の回数に達していない場合、前記切替可能ミラーは前記光を反射し、反射回数が所定の回数に達すると、前記切替可能ミラーは透過状態となり、前記光を人間の目に入るように透過する、ことを特徴とする軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項3】
前記内側レンズ(2)の凹面(2―1)又は凸面(2―2)を偏光反射面とし、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に位相遅延波長板(6)が加えられ、前記凹面部分反射鏡(3)の前記凸面(2―2)側に環境光円偏光板(15)が配置され、
前記環境光円偏光板(15)は、自然環境光(5―1)を第1円偏光環境光(5―3)に変換するために用いられ、
前記第1円偏光環境光(5―3)は、位相遅延波長板(6)を通過した後、s型直線偏光環境光(5―2)となって人間の目に入る、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項4】
前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数を3回とし、前記内側レンズ(2)の凹面(2―1)又は凸面(2―2)を偏光反射面とし、前記マイクロディスプレイ(4)が前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に位置する場合、前記マイクロディスプレイ(4)と前記内側レンズ(2)との間に位相遅延波長板(6)が配置され、
前記マイクロディスプレイ(4)が前記内側レンズ(2)と前記瞳位置(1)との間に設けられる場合、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間に位相遅延波長板(6)が配置される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項5】
前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)は、発光画素(4a―1)と、透明導線(4a―2)と、表示駆動チップ(4a―3)とを含み、
前記透明導線(4a―2)は、前記発光画素(4a―1)と前記表示駆動チップ(4a―3)を接続し、
前記発光画素(4a―1)と前記表示駆動チップ(4a―3)との距離は、1mmよりも大きく、
前記発光画素(4a―1)の配列形態は、1本、1/2本、十字状に配列された2本、又は米字状に配列された4本であり、
前記発光画素の両側領域(4a―4)は、透明領域、部分反射面又は偏光反射面とし、前記両側領域(4a―4)が前記部分反射面である場合、前記凹面部分反射鏡(3)に代え、前記両側領域(4a―4)が前記偏光反射面である場合前記内側レンズ(2)に代える、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項6】
前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数を3回とし、前記凹面部分反射鏡(3)をストリップ状部分反射鏡(3a)とし、前記ストリップ状部分反射鏡(3a)は、前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)と同期回転し、前記ストリップ状部分反射鏡(3a)の一方側に外側保護レンズ(11)が配置される、ことを特徴とする請求項に記載の軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項7】
前記マイクロディスプレイ(4)が発した光の、前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)との間での反射回数を4回とし、前記内側レンズ(2)の凹面(2―1)又は凸面(2―2)を偏光反射面とし、前記内側レンズ(2)を前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)の画素配列方向と一致するストリップ状とし、前記凹面部分反射鏡(3)をストリップ状部分反射鏡(3a)とし、
前記内側レンズ(2)、前記ストリップ状部分反射鏡(3a)及び前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)は、同期回転し、
前記内側レンズ(2)の中心にストリップ状の中心全反射膜(13)がメッキされ、
前記中心全反射膜(13)の幅は、人間の目の瞳孔径よりも小さく、
前記内側レンズ(2)と前記ストリップ状部分反射鏡(3a)との間に位相遅延波長板(6)が配置され、前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)の前記発光画素の前に偏光膜層が配置される、ことを特徴とする請求項に記載の軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項8】
前記ストリップ状部分反射鏡(3a)に代え、前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)の前記発光画素の前記両側領域(4a―4)を前記部分反射面とし、
前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)は、前記内側レンズ(2)と同期回転し、
前記内側レンズ(2)の左側に内側保護レンズ(10)が加えられ、前記リニアアレイマイクロディスプレイ(4a)の瞳から離れる側に外側保護レンズ(11)が加えられ、
前記内側保護レンズ(10)と前記外側保護レンズ(11)にいずれも回転軸が設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の軽便な短焦点近眼表示システム。
【請求項9】
前記内側レンズ(2)と前記凹面部分反射鏡(3)が一体型レンズ(14)に合併され、
前記マイクロディスプレイ(4)は、前記一体型レンズ(14)の一方側に向かって発光するように設けられ、前記一体型レンズの内面(14―1)を切替可能ミラーとし、
前記マイクロディスプレイ(4)が発した光は、前記一体型レンズの内面(14―1)と前記一体型レンズの外面(14―2)との間で反射され、反射回数が所定の回数達すると、前記光は、前記一体型レンズの内面(14―1)を透過して人間の目に入る、ことを特徴とする請求項に記載の軽便な短焦点近眼表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年03月19日に中国特許庁へ出願された、出願番号202110297398.X、発明の名称「軽便な短焦点近眼表示システム」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は、援用により本願に組み入れられる。
【0002】
本願は、近眼表示技術分野に関し、具体的に軽便な短焦点近眼表示システムに関する。
【背景技術】
【0003】
近眼表示は、使用者に超巨大な3D画面を提供することができるとともに、表示画像が現実環境と融合することができ、日常生活及び工業分野においていずれも非常に広く適用されている。
【0004】
現在、最も有望なのは光導波路ARメガネであり、それは、通常のメガネと類似した外観を実現できるが、屈折率、回折効率などの制約により、視野角が突破的に進展しにくく、一般的に対角線で50°程度であり、且つその最大の欠点は、エネルギー効率が非常に低いことでシステム全体が電力を相当に消費してしまうことである。ボール対称技術に基づき、本発明者は、以前に一連の特許技術(中国特許番号:202020742439、202120312789.X、202110154039)を出願し、上記した特許は非常に理想的な光学効果を実現するが、総厚さが大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、従来の表示システムの近眼表示システムの厚さが大きく、薄型化を実現できない問題を解決するために、軽便な短焦点近眼表示システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
軽便な短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイと、内側レンズと、凹面部分反射鏡とを含み、前記内側レンズは、瞳位置に近接し、凹面部分反射鏡は、瞳位置から離れて配置され、前記マイクロディスプレイは、回転するリニアアレイマイクロディスプレイ又は透明マイクロディスプレイであり、前記内側レンズは、凸面反射鏡であり、
前記マイクロディスプレイは、内側レンズと瞳位置との間に設けられ、或いは、内側レンズと凹面部分反射鏡との間に設けられ、或いは、凹面部分反射鏡の凸面側に設けられ、
前記マイクロディスプレイが内側レンズと瞳位置との間に設けられる場合、マイクロディスプレイは、瞳位置に背向して発光し、前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数は≧3であり、
前記マイクロディスプレイが内側レンズと凹面部分反射鏡との間に設けられる場合、マイクロディスプレイは、瞳位置に背向して発光し、又は瞳位置に向かって発光し、前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数は≧3であり、
前記マイクロディスプレイが凹面部分反射鏡の凸面側に設けられる場合、マイクロディスプレイは、瞳位置に向かって発光し、前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数は≧4である、
軽便な短焦点近眼表示システムである。
【0007】
さらに、内側レンズの凹面又は凸面を偏光反射面とし、内側レンズと凹面部分反射鏡との間に位相遅延波長板が加えられ、凹面部分反射鏡の凸面側に環境光円偏光板が配置され、前記環境光円偏光板は、自然環境光を第1円偏光環境光に変換するために用いられ、前記第1円偏光環境光は、位相遅延波長板を通過した後、s型直線偏光環境光となって人間の目に入る。
【0008】
さらに、前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数を3回とし、内側レンズの凹面又は凸面を偏光反射面とし、マイクロディスプレイが内側レンズと凹面部分反射鏡との間に位置する場合、マイクロディスプレイと内側レンズとの間に位相遅延波長板が配置され、
マイクロディスプレイが内側レンズと瞳位置との間に設けられる場合、内側レンズと凹面部分反射鏡との間に位相遅延波長板が配置される。
【0009】
さらに、前記リニアアレイマイクロディスプレイは、発光画素と、透明導線と、表示駆動チップとを含み、前記透明導線は、発光画素と表示駆動チップを接続し、前記発光画素と表示駆動チップとの距離は、1mmよりも大きく、
前記発光画素の配列形態は、1本、1/2本、十字状に配列された2本、又は米字状に配列された4本であり、
さらに、前記発光画素の両側領域は、透明領域、部分反射面又は偏光反射面とし、両側領域が部分反射面である場合、凹面部分反射鏡に代え、両側領域が偏光反射面である場合、内側レンズに代える。
【0010】
前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数を3回とし、凹面部分反射鏡をストリップ状部分反射鏡とし、ストリップ状部分反射鏡は、リニアアレイマイクロディスプレイと同期回転し、ストリップ状部分反射鏡の一方側に外側保護レンズが配置される。
【0011】
さらに、前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数を4回とし、内側レンズの凹面又は凸面を偏光反射面とし、内側レンズをリニアアレイマイクロディスプレイの画素配列方向と一致するストリップ状とし、凹面部分反射鏡をストリップ状部分反射鏡とし、前記内側レンズ、ストリップ状部分反射鏡及びリニアアレイマイクロディスプレイは、同期回転し、
前記内側レンズの中心にストリップ状の中心全反射膜がメッキされ、前記中心全反射膜の幅は、人間の目の瞳孔径よりも小さく、
内側レンズとストリップ状部分反射鏡との間に位相遅延波長板が配置され、リニアアレイマイクロディスプレイの発光画素の前に偏光膜層が配置される。
【0012】
さらに、ストリップ状部分反射鏡に代え、リニアアレイマイクロディスプレイの発光画素の両側領域を部分反射面とし、リニアアレイマイクロディスプレイは、内側レンズと同期回転し、内側レンズの左側に内側保護レンズが加えられ、リニアアレイマイクロディスプレイの瞳から離れる側に外側保護レンズが加えられ、内側保護レンズと外側保護レンズにいずれも回転軸が設けられる。
【0013】
さらに、前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数が4回よりも大きい場合、内側レンズの1つの表面を偏光反射面とし、内側レンズと凹面部分反射鏡との間に、位相遅延波長板が加えられ、凹面部分反射鏡の部分反射面は、反射円偏光方向を動的に調節可能な表面とし、マイクロディスプレイがパルス円偏光を発するように制御し、前記凹面部分反射鏡は、反射円偏光方向が変わらない状態を維持するように設けられ、光線反射回数が所定の回数に達すると、凹面部分反射鏡の部分反射面が普通の鏡面とされ、普通の鏡面によって反射された後、人間の目に入る。
【0014】
さらに、前記マイクロディスプレイが発した光の内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数が4回よりも大きい場合、内側レンズの1つの表面を切替可能ミラーとし、マイクロディスプレイがパルス光を発するように制御し、反射回数が所定の回数に達していない場合、前記切替可能ミラーは光線を反射し、反射回数が所定の回数に達すると、前記切替可能ミラーは透過状態となり、前記光を人間の目に入るように透過する。
【0015】
さらに、内側レンズと凹面部分反射鏡が一体型レンズに合併され、マイクロディスプレイは、一体型レンズの一方側に向かって発光するように設けられ、一体型レンズの内面を切替可能ミラーとし、
前記マイクロディスプレイが発した光は、一体型レンズの内面と一体型レンズの外面との間で反射され、反射回数が所定の回数に達すると、前記光は、一体型レンズの内面を透過して人間の目に入る。
【発明の効果】
【0016】
本願に係る表示システムは、内側レンズと凹面部分反射鏡との間での反射回数が3回である場合、光路の折り畳みにより、レンズの厚さが薄くなり、よりコンパクトになり、射出瞳距離がさらに増大し、位相遅延波長板と反射偏光板を加えることにより、高いエネルギー効率の表示を実現することができる。反射回数が4回である場合、厚さをさらに低減させることができるとともに、マイクロディスプレイの寸法が大きくなり、製造が容易になる。反射回数をさらに多くするメリットは、システムの厚さを薄くしていくことである。
【0017】
本願は、複数回の反射により光路を折り畳むことにより、眼鏡の全体的な厚さを短くし、射出瞳距離を大きくすることができ、ユーザの装着をより快適にし、より美観的にすることができる、軽便な短焦点近眼表示システムを提供する。
【0018】
本願は、リニアアレイマイクロディスプレイを特別に設計することにより、中心遮蔽による光エネルギー損失を低減させることができ、透明回転軸を使用することにより、中心軸の遮蔽問題を解消することができる。
【0019】
リニアアレイマイクロディスプレイ及びストリップ状凹面反射鏡を同期回転させることにより、環境光の透過率を大幅に向上させて、環境輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願に係る3回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイが内側レンズの右側にある光路図である。
図2図1とは別の3回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイが内側レンズの左側にある光路図である。
図3】本願に係る3回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイが内側レンズの右側にある場合、位相遅延波長板が加えられた光路図である。
図4】本願に係る3回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイが内側レンズの左側にある場合、位相遅延波長板が加えられた光路図である。
図5】本願に係る凹面部分反射鏡の外側に円偏光を加えることにより環境迷光を解消する模式図である。
図6】本願に係るリニアアレイマイクロディスプレイの構成図であり、(a)は、リニアアレイマイクロディスプレイがyx平面において上下部分が鏡像対称をなす模式図であり、(b)は、リニアアレイマイクロディスプレイがyx平面において上下部分が対称をなす模式図である。
図7】本願に係る十字状のリニアアレイマイクロディスプレイの構成図である。
図8】リニアアレイマイクロディスプレイのxz平面における断面模式図である。
図9】リニアアレイマイクロディスプレイの両側に反射膜層がない光路及び取付構造図である。
図10】リニアアレイマイクロディスプレイが反射膜層を有する光路及び取付構造図である。
図11】リニアアレイマイクロディスプレイがストリップ状凹面反射鏡と同期回転する光路及構成図である。
図12】リニアアレイマイクロディスプレイがストリップ状凹面反射鏡と同期回転する3次元構成図である。
図13】本願に係る4回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイが凹面部分反射鏡の右側にある光路図である。
図14】本願に係る4回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムであって、マイクロディスプレイが凹面部分反射鏡の左側にある光路図である。
図15】本願に係る4回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムが位相遅延波長板により反射効率を向上させる原理図である。
図16】本願に係る4回の反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムの光路組立図であり、(a)は、マイクロディスプレイが凹面部分反射鏡の左側にある光路及び組立模式図であり、(b)は、リニアアレイマイクロディスプレイのxz平面における断面模式図である。
図17】本願に係る4回よりも多い反射を有し、動的に反射円偏光方向を変更することが可能な光路の偏光変化模式図であり、(a)は、動的に反射円偏光方向を変更することが可能な光路図であり、(b)は、内側レンズ、凹面部分反射鏡及びマイクロディスプレイの間の光路の部分拡大図である。
図18】本願に係る4回よりも多い反射を有する軽便な短焦点近眼表示システムの光路図である。
図19】本願に係る4回よりも多い反射を有し、一体型レンズが採用され、且つマイクロディスプレイが一体型レンズの左側に配置される軽便な短焦点近眼表示システムの光路図であり、(a)は、マイクロディスプレイが一体型レンズの左側に配置される模式図であり、(b)は、光路の進行方向の部分拡大図である。
図20】本願に係る4回よりも多い反射を有し、一体型レンズが採用され、且つマイクロディスプレイが一体型レンズの右側に配置される軽便な短焦点近眼表示システムの光路図であり、(a)は、マイクロディスプレイが一体型レンズの右側に配置される模式図であり、(b)は、光路の進行方向の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願の実施例における図面を参照して、本願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は本願の一部の実施例のみであり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者は、創造的な労働をせずに得られたすべての他の実施例は、いずれも本願保護の範囲に属する。
【0022】
なお、コンポーネントが別のコンポーネントと「接続」されるという場合、他のコンポーネントと直接接続されてもよいし、介在するコンポーネントが存在してもよく、コンポーネントが別のコンポーネントと「固定」されるという場合、他のコンポーネントと直接接続されてもよく、または、介在するコンポーネントが存在してもよい。「左側」は、瞳位置に向かう側であり、「右側」は、瞳から環境に向かう側である。
【0023】
特に定義されない限り、本実施形態で使用されるすべての技術および科学用語は、本願の技術分野に属する技術者によって通常理解される意味と同じである。本願の明細書において使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものであり、本願を限定するものではない。
【0024】
図1乃至図11を参照しながら本実施形態を説明する。軽便な短焦点近眼表示光学システムは、マイクロディスプレイ4、内側レンズ2及び凹面部分反射鏡3を含み、前記マイクロディスプレイ4は、内側レンズ2の左側に位置し、又は内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間に位置し、前記内側レンズ2は、瞳位置1に近接し、凹面部分反射鏡3は、瞳位置1から離れて配置され、前記内側レンズ2は、凸面反射鏡である。
【0025】
図1を参照すると、前記マイクロディスプレイ4が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間に位置する場合、マイクロディスプレイ4は、瞳位置1に背向して発光し、マイクロディスプレイが発した光線の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は、3回である。
【0026】
前記マイクロディスプレイ4の発した光は、凹面部分反射鏡3によって反射される。マイクロディスプレイ4がリニアアレイ又は透明状のものであるため、反射されて戻った光線は、一部がマイクロディスプレイ4を透過して内側レンズ2に到達することができる。内側レンズ2の凹面2―1又は凸面2―2は、一定の反射率を有し、光線を反射することができ、反射された光は、再びマイクロディスプレイ4を通過した後、凹面部分反射鏡3に到達し、凹面部分反射鏡3は、光を再び反射し、マイクロディスプレイ4を通過した後、内側レンズ2を透過して人間の目に到達する。
【0027】
図2を参照すると、前記マイクロディスプレイ4が内側レンズ2の左側(凹面2―1)に位置する場合、マイクロディスプレイ4は、瞳位置1に背向して発光し、光線の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は、3回である。
【0028】
前記マイクロディスプレイが発した光は、まず内側レンズ2を透過し、その後、凹面部分反射鏡3によって反射され、反射されて戻った光は、再び内側レンズ2に到達し、内側レンズ2の凹面2―1又は凸面2―2は、一定の反射率を有し、光線を反射することができ、反射された光は、凹面部分反射鏡3に到達した後、光を再び反射し、反射されて戻った光は、内側レンズ2及びマイクロディスプレイ4を通過した後、人間の目に到達する。
【0029】
本実施形態では、前記マイクロディスプレイ4は、回転するリニアアレイマイクロディスプレイ4a又は透明マイクロディスプレイ4bであり、前記透明マイクロディスプレイ4bの画素は、球面に分布する。前記内側レンズ2は、瞳位置1に近接し、凹面部分反射鏡3は、瞳位置1から離れて配置され、前記凹面部分反射鏡3の1つの面、即ち内側面3―1又は外側面3―2は、一定の反射率、例えば50%を有し、且つ一定の透過率、例えば50%を有し、定められた波長、例えば可視光範囲内において、透過率と反射率の和は、1に近く、又は1と等しい。
【0030】
図3図4を参照しながら本実施形態を説明する。本実施形態では、光線が往復して折り畳まれることによって、光エネルギ-が損失しつつ、また一定の迷光がある。この問題を最適化するために、内側レンズ2の1つの表面、即ち凹面2-1又は凸面2-2を偏光反射面とすることにより、前記偏光反射面は、1種類の偏光を反射し、且つ反射光の偏光方向に垂直な偏光を透過する特性を有し、例えばメタルワイヤグリッド偏光膜は、上記特性を有し、光学レンズの表面に付着することができる。また、システムに位相遅延波長板6を加えることにより、光エネルギ-効率の向上を実現する。好ましくは、位相遅延波長板6は、1/4波長板である。
【0031】
マイクロディスプレイ4の位置によっては、異なる2つの場合があり、図3(a)に示すように、マイクロディスプレイ4が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間に位置する場合、マイクロディスプレイ4と内側レンズ2との間には、位相遅延波長板6が配置され、内側レンズの凸面2―2に付着されてもよい。図3(b)に示すように、光路及び偏光変化図である。マイクロディスプレイ4は、第1円偏光7―3を発し、凹面部分反射鏡3によって反射された後、回転方向が変化し、例えば、左回転が右回転に変わり、第2円偏光7―4となり、第2円偏光7―4が位相遅延波長板6を透過してp直線偏光7―2となり、内側レンズ2の1つの表面に付着された偏光反射膜によって全て反射され、反射されたp直線偏光7―2が位相遅延波長板6を透過して再び第2円偏光7―4となり、第2円偏光7―4が凹面部分反射鏡3によって反射された後、回転方向が変化し、第1円偏光7―3となり、第1円偏光7―3が位相遅延波長板6を透過してs直線偏光7―1となり、s直線偏光7―1が全て偏光反射膜を透過して瞳位置1に到達することができる。これにより、高いエネルギー効率、低迷光の表示効果を実現する。p型及びs直線偏光は、説明の便宜上、呼ばれるものであり、その方向は限定されていない。
【0032】
図4(a)に示すように、マイクロディスプレイ4が内側レンズ2の左側に位置する場合、内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間には、位相遅延波長板6が配置され、内側レンズの凸面2-2、又は凹面部分反射鏡3の内側面3-1に付着されてもよい。図4(b)に示すように、光路及び偏光変化図である。マイクロディスプレイ4は、無限定偏光7-5を発し、前記無限定偏光7-5は、偏光の形態が限定されていない光、例えば自然光、円偏光、楕円偏光又は直線偏光などであるが、直線偏光である場合、偏光方向が偏光反射膜の透過方向に垂直であってはならなく、そうでなければ、偏光反射膜を透過することができない。無限定偏光7-5が内側レンズ2に付着された偏光反射膜を通過した後、s直線偏光7-1となり、位相遅延波長板6を通過した後、第1円偏光7-3となり、第1円偏光7-3が凹面部分反射鏡3によって反射された後、回転方向が変化し、例えば、左回転が右回転に変わり、第2円偏光7-4となり、第2円偏光7-4が位相遅延波長板6を透過した後、p直線偏光7-2となり、内側レンズ2の1つの表面に付着された偏光反射膜によって全て反射され、反射されたp直線偏光7-2が位相遅延波長板6を透過して再び第2円偏光7-4となり、第2円偏光7-4が凹面部分反射鏡3によって反射された後、回転方向が変化し、第1円偏光7-3となり、第1円偏光7-3が位相遅延波長板6を透過してs直線偏光7-1となり、s直線偏光7-1が全て偏光反射膜を透過して瞳位置1に到達することができる。これにより、高いエネルギ-効率、低迷光の表示効果を実現する。このような態様は、マイクロディスプレイが透明マイクロディスプレイ4bである場合に非常に適しており、それは、マイクロディスプレイの発する光の偏光に特定の要求がないためである。ただし、透明マイクロディスプレイ4bが直接人間の目に向かう光を低減するために、動的遮光層を追加して遮断することができる。
【0033】
本実施形態では、表示画像の鮮明度の均一性を実現するために、内側レンズ2、凹面部分反射鏡3及びマイクロディスプレイ4は同心の球面上に分布し、球心位置は、瞳位置1の中心である。人間の目がズ-ム調節作用を有するため、各部材の位置のある程度の移動又は面型の変形が許容され、このような移動による付加的な作用は、近視度数に適応すること及び動的ズ-ムを実現することが可能であることにある。例えば、内側レンズと凹面部分反射鏡3との間の相対距離は、動的に調節可能であり、動的ズ-ムを実現し、一般的に、ボイスコイルモ-タを設置することによりこのズ-ム機能を実現することできる。
【0034】
下表には、反射回数が3回であり、マイクロディスプレイ4が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間にある場合の光学設計パラメータを示す。当該パラメータは、虚像位置から折り畳む過程において、デバイスの位置と形状が変化しないため、1回のみを示す。
【0035】
【表1】
【0036】
下表には、マイクロディスプレイ4が内側レンズ2の左側にある光学設計パラメータを示す。当該パラメータは、虚像位置から折り畳む過程において、デバイスの位置と形状が変化しないため、1回のみを示す。
【0037】
【表2】
【0038】
内側レンズ2の1つの面が仮想画像の生成に関与すれば、他の1つの面の曲率は、使用者の度数に適合するように近視矯正の表面として変化してもよい。凹面部分反射鏡3の2つの表面は、同様な処理をされて度数を調節することができる。
【0039】
エネルギーの利用率を向上させるために、凹面部分反射鏡3の1つの面は、反射フィルタ膜がメッキされてもよく、当該膜層は、マイクロディスプレイ4の発光波長に応じて設計される。当該反射フィルタ膜は、マイクロディスプレイ4の発光の中心波長に対して高い反射率を有し、例えば、90%よりも大きく反射する一方、発光の中心波長以外の波長域に対して高い透過率を有し、例えば、90%よりも大きく透過する。このような設計は、環境光と仮想画像の輝度を同時に向上させることができる。反射フィルタ膜は、誘電体膜層、誘電体金属組合膜層、ホログラム膜層及びマイクロ構造膜層であってもよい。
【0040】
図5を参照しながら本実施形態を説明する。内側レンズ2上に偏光反射膜を加えると、一部の環境光が反射されるため、反射された環境光は、再び凹面部分反射鏡3によって反射され、位相遅延波長板6を通過した後、内側レンズ2を透過して迷光となる。当該迷光を解消するために、凹面部分反射鏡3の右側に環境光円偏光板15を配置して、環境光を第1円偏光7-3に変換し、位相遅延波長板6を再び通過させた後、s直線偏光7-1となり、直接人間の目に入る。このように、環境光による迷光の形成を防止することができる。凹面部分反射鏡3にマイクロディスプレイの発光波長に対する反射フィルタ膜がメッキされている場合、凹面部分反射鏡3の外側に環境光円偏光板15を設置する必要がなく、その理由は、内側レンズ2上の偏光反射膜によって反射された光は、凹面部分反射鏡3を透過し、迷光が形成されないためである。
【0041】
図6乃至図8を参照しながら本実施形態を説明する。本実施形態では、マイクロディスプレイ4がリニアアレイマイクロディスプレイである場合、リニアアレイマイクロディスプレイの幅が細いほど、好適であり、例えば、1mmよりも小さい。シリコン基を用いて製造する場合、発光画素の下に駆動チップを設置することができる。幅の細いリニアアレイディスプレイを製造することが困難である場合、透明導線によって全体を広くし、且つ視線を遮らないようにすることができる。図6に示すように、本実施形態にて提出した新なリニアアレイマイクロディスプレイ構成であり、透明導線4a-2を用いてリニアアレイマイクロディスプレイの発光画素4a-1とリニアアレイ表示駆動チップ4a-3を接続し、前記発光画素4a-1と表示駆動チップ4a-3との距離は、1mmよりも大きい。
【0042】
画素が多い場合、例えば、1000個よりも多い場合、複数のリニアアレイ表示駆動チップ4a-3を用いて一部の画素、例えば200個をそれぞれ制御することができ、このようにすれば、単一の制御チップの寸法を小さくし、配線の難易度を低下させることができる。当然ながら、単一のチップが全ての画素を駆動する構成は除外されていない。リニアアレイ表示駆動チップ4a-3が通常、不透明状であるため、透明導線4a-2により、リニアアレイマイクロディスプレイの発光画素4a-1とリニアアレイ表示駆動チップ4a-3との間の距離を、例えば5mm大きくすることができる。このとき、リニアアレイ表示駆動チップ4a-3が中間位置になく、回転時に視覚残像効果によって、リニアアレイ表示駆動チップ4a-3が視覚から消え、遮蔽効果が回避される。図6(a)は、発光画素4a-1の上下鏡像対称の配置形態であり、図6(b)は、発光画素4a-1が上下対称をなす配列形態であり、回転表示であるため、1/2本が1回転しても完全な画像を形成することができる。図7に示すように、十字状に配列されたリニアアレイマイクロディスプレイであり、同様に透明導線4a-2を用いて、リニアアレイ表示駆動チップ4a-3を側辺に配置し、遮蔽を回避することができる。十字状の配列は、転画像の輝度を向上させるとともに、回転に必要な回転数を低下させる。同様な理由によって、4本からなる米字状の配列とすることができる。ここで繰り返し述べない。
【0043】
図8は、当該リニアアレイマイクロディスプレイのxz平面における断面模式図であり、発光画素両側領域4a―4は、無機能透明領域であってもよく、内側レンズ2の機能として使用されてもよく、即ち、偏光反射面としてもよい。内側レンズ2に代えてもよい。
【0044】
エネルギー効率を向上させ、また迷光を低減させるために、図3図4を参照すると、発光画素前膜層4a―5は、円偏光膜又は直線偏光膜であってもよく、発する光の特性を変更するために用いられ、その寸法は、一般的に、システムの射出瞳径を保証する発光角度でカバーされる長さよりも大きい。発光画素中心の裏側に回転凹リング4a―8が設けられ、回転のために用いられる。
【0045】
図9図10を参照しながら本実施形態を説明する。前記マイクロディスプレイ4がリニアアレイマイクロディスプレイである場合、図9に示すのは、その1種類の組立模式図であり、リニアアレイマイクロディスプレイ4aの径方向における移動を制限するために、内側レンズ2の中心に回転軸2-4が設けられてもよい。中心回転軸は、中心遮蔽を低減するために、透明であってもよく、非透明であってもよいが、寸法が小さいほど好適で、例えば、直径が0.5mmである。回転軸の固定位置は、内側レンズ2上にあってもよく、リニアアレイマイクロディスプレイ4a上にあってもよく、時計における宝石軸受に類似し、回転位置材料は、宝石を採用することで寿命及び精度を向上させることができる。リニアアレイマイクロディスプレイ4aの縁は、リニアアレイマイクロディスプレイ延在端4a-6であり、それに永久磁石が配置され、回転しとして回転駆動される。ワイヤレス給電受取コイルを配置して電気エネルギ-を受けて、発光デバイス及び駆動回路に給電する。光電位置検出器、例えばエンコ-ダを配置して、回転の正確な位置をリアルタイムに取得することができ、さらに他の必要な周辺電子デバイス、例えばコンデンサインダクタンスなどを配置する必要がある。リニアアレイマイクロディスプレイ延在端4a-6の外側に、1つのリニアアレイマイクロディスプレイ内磁気リング4a-7が固定されてもよい。そのリニアアレイマイクロディスプレイ内磁気リング4a-7の外側において、鏡フレ-ム12に固定され、前記鏡フレ-ム上に1つの拘束磁気リング8を配置し、高速磁気リング8とリニアアレイマイクロディスプレイ内磁気リング4a-7とは、非接触であり、磁力によりマイクロディスプレイ4の軸方向における移動を制限する。内側レンズ延在端2-3には、駆動コイルとワイヤレス給電コイル及び位置標定リングなどが配置されてもよく、同様に上記デバイスを単独で補足機能板9に配置し、それに駆動コイルとワイヤレス給電コイル及び位置標定リングのうちの1つ又は全部を配置してもよい。前記補足機能板9は、鏡フレ-ム12に固定される。
【0046】
図10に示すように、リニアアレイマイクロディスプレイ4aの発光画素両側領域4a―4を部分反射面又は偏光反射面とする場合、光線を反射することができる。このとき、当該反射膜は、内側レンズ2が光線を反射する役割を代替するため、内側レンズ2は、反射作用無しの内側保護レンズ10となり、回転構造を保護するために用いられ、中間の内側保護レンズ回転軸10―1を介して回転支持を提供してもよい。
【0047】
図11図12を参照しながら本実施形態を説明する。凹面部分反射鏡3をストリップ状部分反射鏡3aとし、その幅は、射出瞳径を決め、一般的に、人間の目の瞳よりも大きくする必要があり、好ましい範囲は、6~15mmである。ストリップ状部分反射鏡3aは、リニアアレイマイクロディスプレイ4aと同期回転する。このとき、リニアアレイマイクロディスプレイ4aにおける回転構造は、図9図10のうちのいずれかを選択することができる。ストリップ状部分反射鏡3aの右側に外側保護レンズ11が配置され、外側保護レンズ11の中心に同様に外側保護レンズ回転軸11―1が設けられてもよく、回転を支持するために用いられる。同様に、それは、透明材料であってもよい。前後にいずれも回転軸が設けられるため、回転の安定性を向上させることができる。このとき、拘束磁気リング8及びリニアアレイマイクロディスプレイ内磁気リング4a―7により構成される軸方向の磁力固定構造はなくしてもよいが、この構造を保留すれば、安定性をさらに向上させることができ、特に使用者が移動する際、回転部材の角運動量が変化し、外輪の磁力に大きなモーメントが発生しやすくなり、回転構造の角運動量を変化させるために用いられる。図12に示すように、リニアアレイマイクロディスプレイ4aがストリップ状凹面反射鏡3aと同期回転する3次元構成図である。
【0048】
図13~16を参照しながら本実施形態を説明する。図13に示すように、前記マイクロディスプレイ4が、凹面部分反射鏡3に右側に位置する場合、マイクロディスプレイ4は、瞳位置1に向かって発光し、光線の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は4回である。
【0049】
マイクロディスプレイ4が発した光線は、まず凹面部分反射鏡3を透過し、内側レンズ2の1つの表面に到達し、内側レンズ2の1つの表面である内側レンズの凹面2―1又は内側レンズ凸面2―2は、一定の反射率を有し、光線を反射することができ、反射された光は、再び凹面部分反射鏡3に到達し、凹面部分反射鏡3は、光を再び反射し、その後、内側レンズ2の1つの表面によって再び反射され、その後、光線は、再び凹面部分反射鏡3によって反射された後、内側レンズ2を通過して人間の目に到達する。光線が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間で往復して反射される合計回数は4回である。
【0050】
図14に示すように、前記マイクロディスプレイ4が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間に位置する場合、マイクロディスプレイ4は、瞳位置1に向かって光を発し、光線の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は、4回である。
【0051】
マイクロディスプレイ4が発した光は、まず内側レンズ2の1つの表面に到達し、内側レンズ2の1つの表面である内側レンズの凹面2-1又は内側レンズ凸面2-2は、一定の反射率を有し、光線を反射することができ、反射された光は、マイクロディスプレイ4を通過した後、再び凹面部分反射鏡3に到達し、凹面部分反射鏡3は、光を再び反射し、マイクロディスプレイ4を通過した後、内側レンズ2の1つの表面によって再び反射され、その後、光線は、再びマイクロディスプレイ4を通過して凹面部分反射鏡3によって反射された後、再びマイクロディスプレイ4及び内側レンズ2を通過して人間の目に到達する。光線が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間で往復して反射する合計回数は4回である。
【0052】
光線が往復して折り畳まれることによって、光エネルギーが損失しつつ、また一定の迷光がある。この問題を最適化するために、図15(a)に示すように、人間の目の瞳は一般的に3mmよりも大きく、中心に瞳よりも小さいスリットがある場合、一部の光線が人間の目に到達して結像することがある。上記の原理に基づき、内側レンズ2をリニアアレイマイクロディスプレイ4aの画素配列方向と一致するストリップ状とし、リニアアレイマイクロディスプレイ4aと同期回転する。内側レンズ2の中心にストリップ状の中心全反射膜13がメッキされ、中心全反射膜13の幅は、人間の目の瞳孔径よりも小さくすべきであり、好ましい範囲は、0.5mm~1.5mmである。
【0053】
図15(b)に示すように、中心全反射膜13の両側に、内側レンズ2の1つの表面である凹面2-1又は凸面2-2を偏光反射面とし、前記偏光反射面は、1種類の偏光を反射し、且つ反射光の偏光方向に垂直な偏光を透過する特性を有し、例えばメタルワイヤグリッド偏光膜は、上記特性を有し、光学レンズの表面に付着することができる。また、システムに位相遅延波長板6を加えることにより、光エネルギ-効率の向上を実現する。好ましくは、位相遅延波長板6は、1/4波長板である。
【0054】
図15(b)は、前記リニアアレイマイクロディスプレイ4が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間に位置する場合の偏光変化模式図であり、マイクロディスプレイ4がs直線偏光7-を発し、ストリップ状の中心全反射膜13によって反射され、偏光特性が変わらないまま、反射された光が位相遅延波長板6を通過して第2円偏光7-4となり、凹面部分反射鏡3の1つの面によって反射された後、円偏光方向が変化し、第1円偏光7-3となり、再び位相遅延波長板6を通過した後、p直線偏光7-2となり、その後、内側レンズ2の1つの表面に付着された偏光反射膜によってすべて反射され、偏光特性が変わらないまま、反射された光が再び位相遅延波長板6を通過して、第1円偏光7-3となり、凹面部分反射鏡3の1つの面によって反射された後、円偏光方向が変化し、第2円偏光7-4となり、再び位相遅延波長板6を通過して、s直線偏光7-1となり、s直線偏光7-1は、全て偏光反射膜を透過して瞳位置1に到達することができる。これにより、高いエネルギ-効率、低迷光の表示効果を実現する。
【0055】
本実施形態では、リニアアレイマイクロディスプレイ4aが凹面部分反射鏡3の右側に位置する場合、リニアアレイマイクロディスプレイ4aの前に偏光膜層を配置し、中心全反射膜13の位置に到達した光がs直線偏光となるようにすればよい。当該偏光膜層の幅は、狭くすべきであり、中心全反射膜13によって反射された光線が多く通過することを防止し、人間の目に入る光エネルギーを低下させる。
【0056】
図16を参照しながら本実施形態を説明する。図16(a)に示すのは、リニアアレイマイクロディスプレイ4aを採用する場合、当該実施例に記載の光線が4回の反射を経るシステムの組立模式図であり、リニアアレイマイクロディスプレイ4aがストリップ状の内側レンズ2と同期回転する必要があるため、人間の目に近接する側に内側保護レンズ10を加え、人間の目から離れる側に外側保護レンズ11を加える。図16(b)に示すのは、リニアアレイマイクロディスプレイ4aのxz断面図であり、発光画素両側領域4a―4を部分反射面とすることができ、それにより、凹面部分反射鏡3の機能を代替する。内側保護レンズ10及び外側保護レンズ11にいずれも回転軸が設けられてもよく、それにより、安定性を向上させる。回転軸は、透明材料であってもよく、遮蔽を避ける。
【0057】
本実施形態では、表示画像の鮮明度の均一性を実現するために、内側レンズ2、凹面部分反射鏡3及びマイクロディスプレイ4は同心の球面上に分布し、球心位置は、瞳位置1の中心である。人間の目がズ-ム調節作用を有するため、各部材の位置のある程度の移動又は面型の変形が許容され、このような移動による付加的な作用は、近視度数に適応すること及び動的ズ-ムを実現することが可能であることにある。例えば、内側レンズと凹面部分反射鏡3との間の相対距離は、動的に調節可能であり、動的ズ-ムを実現し、一般的に、ボイスコイルモ-タを設置することによりこのズ-ム機能を実現することできる。
【0058】
下表には、マイクロディスプレイ4が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間にあり、且つ反射回数が4回である場合の光学設計パラメータを示す。当該パラメータは、虚像位置から折り畳む過程において、デバイスの位置と形状が変化しないため、1回のみを示す。
【0059】
【表3】
【0060】
下表には、マイクロディスプレイ4が凹面部分反射鏡3の右側にあり、且つ反射回数が4回である光学設計パラメータを示す。当該パラメータは、虚像位置から折り畳む過程において、デバイスの位置と形状が変化しないため、1回のみを示す。
【0061】
【表4】
【0062】
内側レンズ2の1つの面が仮想画像の生成に関与すれば、他の1つの面の曲率は、使用者の度数に適合するように近視矯正の表面として変化してもよい。凹面部分反射鏡3の2つの表面は、同様な処理をされて度数を調節することができる。
【0063】
エネルギーの利用率を向上させるために、凹面部分反射鏡3の1つの面は、反射フィルタ膜がメッキされてもよく、当該膜層は、マイクロディスプレイ4の発光波長に応じて設計される。当該反射フィルタ膜は、マイクロディスプレイ4の発光の中心波長に対して高い反射率を有し、例えば、90%よりも大きく反射する一方、発光の中心波長以外の波長域に対して高い透過率を有し、例えば、90%よりも大きく透過する。このような設計は、環境光と仮想画像の輝度を同時に向上させることができる。反射フィルタ膜は、誘電体膜層、誘電体金属組合膜層、ホログラム膜層及びマイクロ構造膜層であってもよい。
【0064】
図17乃至図20を参照しながら本実施形態を説明する。図17に示すように、前記マイクロディスプレイ4が発した光は、凹面部分反射鏡3と内側レンズ2との間で往復して少なくとも5回反射されて内側レンズ2を通過して人間の目に到達する。マイクロディスプレイ4が内側レンズ2と瞳位置1との間に設けられる場合、マイクロディスプレイ4は、瞳位置に背向して発光し、マイクロディスプレイ4が発した光の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は、≧5の奇数、例えば7、9、11である。
【0065】
マイクロディスプレイ4が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間に設けられる場合、マイクロディスプレイ4は、瞳位置1に背向して発光してもよく、瞳位置1に向かって発光してもよい。瞳位置1に背向して発光する場合、マイクロディスプレイ4が発した光の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は、≧5の奇数、例えば7、9、11であり、瞳位置1に向かって発光する場合、マイクロディスプレイ4が発した光の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は、≧6の偶数、例えば6、8、10である。
【0066】
マイクロディスプレイ4が凹面部分反射鏡3の右側に設けられる場合、マイクロディスプレイ4は、瞳位置1に向かって発光し、マイクロディスプレイ4が発した光の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数は、≧6の偶数、例えば6、8、10である。
【0067】
内側レンズ2の1つの表面を切替可能ミラー(switchable mirror)とし、マイクロディスプレイ4がパルス光を発するように制御し、反射回数が所定の回数(例えば8回)に達していない場合、切替可能ミラーは光線を反射し、反射回数が所定の回数に達すると、切替可能ミラーは透過状態となり、光線を人間の目に入るように透過する。このような光学態様により、厚さをさらに低減することができる。
【0068】
本実施形態では、光線の内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間での反射回数が4回よりも大きい場合、内側レンズ2の1つの表面を偏光反射面とし、内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間に位相遅延波長板6を加え、凹面部分反射鏡3の部分反射面を反射円偏光方向を動的に調節可能な表面とし、マイクロディスプレイ4がパルス円偏光を発するように制御し、前記凹面部分反射鏡3は、反射円偏光方向が変わらない状態を維持するように設けられ、光線反射回数が所定の回数に達すると、凹面部分反射鏡3の部分反射面は、普通の鏡面に変わり、普通の鏡面によって反射された後、人間の目に入る、ように構成されてもよい。
【0069】
図18に示すように、凹面部分反射鏡3の部分反射面を反射円偏光方向を動的に調節できるように設置する場合の光路及び偏光変化図であり、現在、超表面技術により反射円偏光方向を動的に調節する機能を実現することができる。マイクロディスプレイ4は、短パルスの第1円偏光7―3を発し、このとき、凹面部分反射鏡3は、反射円偏光方向が変わらない状態を維持するように設置され、光線は反射された後、位相遅延波長板6を通過し、p直線偏光7―2となり、内側レンズ2における偏光反射膜によって全反射され、位相遅延波長板6を透過した後、依然として第1円偏光7―3となり、このように往復して所定の回数、例えば8回反射された後、凹面部分反射鏡3の部分反射面は、正常な鏡面に変わり、反射後、円偏光方向が反転して第2円偏光7―4となり、最後に位相遅延波長板6を通過した後、s直線偏光となり、内側レンズ2を透過して人間の目に入る。
【0070】
下表には、図17に示す複数回の反射システムの光学設計パラメータを示す。表におけるパラメータは、マイクロディスプレイ4の位置が内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間にある場合に対応する。当該パラメータは、虚像位置から折り畳む過程において、デバイスの位置と形状が変化しないため、1回のみを示す。
【0071】
【表5】
【0072】
図19と20を参照しながら本実施形態を説明する。折り畳み回数が大きくなると、内側レンズ2と凹面部分反射鏡3との間の距離が相当に小さいため、一体型レンズ14として合併することができ、マイクロディスプレイ4は、一体型レンズ14の左側又は右側に配置することができる。光線が一体型レンズの内面14―1と一体型レンズの外面14―2との間で往復して所定の回数、例えば8回反射された後、一体型レンズの内面14―1を透過して人間の目に入る。
【0073】
本実施形態では、表示画像の鮮明度の均一性を実現するために、一体型レンズ14とマイクロディスプレイ4は同心の球面上に分布し、球心位置は、瞳位置1の中心である。人間の目がズーム調節作用を有するため、各部材の位置のある程度の移動又は面型の変形が許容され、このような移動による付加的な作用は、近視度数に適応すること及び動的ズームを実現することが可能であることにある。一般的に、ボイスコイルモータを設置することによりこのズーム機能を実現することできる。
【0074】
下表には、図19に示すシステムの光学設計パラメータを示す。なお、表におけるデータは、マイクロディスプレイ4が一体型レンズ14の左側に位置することを示す。当該パラメータは、虚像位置から折り畳む過程において、デバイスの位置と形状が変化しないため、1回のみを示す。
【0075】
【表6】
【0076】
複数回の折り畳み後の、エネルギー利用率を向上させ、及び迷光を低減するために、まず、一体型レンズの内面14―1を切替可能ミラー(switchable mirror)とすることができ、切替可能ミラーは、電子制御により透過するか反射するかを制御することができる。マイクロディスプレイ4がパルス光を発し、反射回数が所定の回数に達していない場合、切り替え可能反射鏡は光を反射することができ、反射回数が所定の回数に達すると、切り替え可能反射鏡は透過状態となり、光を人間の目に入るように透過する。高効率の低迷光の効果を実現する。
【0077】
本願において、用語「含む」と「有する」及びそれらの如何なる変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図する。例えば、一連のユニットを含むシステム、製品或は設備は明確に列挙されたものに限らず、明確に列挙されていない或はこれらの製品或は設備に固有である他のユニットを含むことができる。
【0078】
上述した実施例の各技術的特徴は任意の組み合わせを行うことができ、説明を簡潔にするために、上記実施例中の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせに対して説明は行われていないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が存在しない限り、すべて本明細書記載の範囲と見なすべきである。
【0079】
上述した実施例は本出願のいくつかの実施形態のみを表し、その説明は比較的に具体的かつ詳細であるが、これによって特許請求の範囲に対する制限と理解することはできない。なお、当業者にとって、本願の構想から逸脱しない前提の下で、さらに若干の変形と改良を行うことができ、それらはいずれも本願の保護範囲に属する。そのため、本願の特許の保護範囲は添付の請求項を基準とする。
【符号の説明】
【0080】
1 瞳位置、2 内側レンズ、2―1 凹面、2―2 凸面、2―3 内側レンズ延在端、2―4 回転軸、3 凹面部分反射鏡、3―1 内側面、3―2 外側面、3a ストリップ状部分反射鏡、4 マイクロディスプレイ、4a リニアアレイマイクロディスプレイ、4b 透明マイクロディスプレイ、4a―1 リニアアレイマイクロディスプレイ発光画素、4a―2 透明導線、4a―3 リニアアレイ表示駆動チップ、4a―4 発光画素両側領域、4a―5 発光画素前膜層、4a―6 リニアアレイマイクロディスプレイ延在端、4a―7 リニアアレイマイクロディスプレイ内磁気リング、4a―8 回転凹リング、5 環境光、5―1 自然環境光、5―2 s型直線偏光環境光、5―3 第1円偏光環境光、6 位相遅延波長板、7 光線、7―1 s直線偏光、7―2 p直線偏光、7―3 第1円偏光、7―4 第2円偏光、7―5 無限定偏光、8 束縛磁気リング、9 補足機能板、10 内側保護レンズ、10―1 内側保護レンズ回転軸、10―2 内側保護レンズ延在端、11 外側保護レンズ、11―1 外側保護レンズ回転軸、12 鏡フレーム、13 中心全反射膜、14 一体型レンズ、14―1 一体型レンズの内面、14―2 一体型レンズの外面、15 環境光円偏光板。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15(a)】
図15(b)】
図16(a)】
図16(b)】
図17(a)】
図17(b)】
図18
図19(a)】
図19(b)】
図20(a)】
図20(b)】