(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20250124BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20250124BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2024158620
(22)【出願日】2024-09-12
【審査請求日】2024-09-20
(31)【優先権主張番号】P 2024077414
(32)【優先日】2024-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524177646
【氏名又は名称】ロジピース ピーティーイー エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Logipeace Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】531A Upper Cross Street #04-95,Hong Lim Complex,Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100180921
【氏名又は名称】峰 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】大川(神谷) 智子
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-223395(JP,A)
【文献】特開2020-154696(JP,A)
【文献】国際公開第2020/141577(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2024/0220879(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0032956(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者である第1利用者及び第2利用者が関わるプロジェクトを管理するプロジェクト管理システムであって、
前記第1利用者及び前記第2利用者のアカウント情報を記憶するアカウント記憶部と、
前記利用者に対して、前記利用者が参加しているプロジェクトを表示するプロジェクトエリア、及び、前記利用者が参加しているチャットグループにおけるメッセージを表示するチャットエリアを表示させる表示制御部と、
前記第1利用者及び前記第2利用者が参加しているプロジェクトを選択するプロジェクト選択部と、
前記第1利用者及び前記第2利用者の間でメッセージを送信するメッセージ送信部と、
前記チャットエリアに表示されたメッセージを選択するメッセージ選択部と、
選択されたプロジェクトと選択されたメッセージとを関連付けて記憶するメッセージ記憶部とを備える、プロジェクト管理システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記メッセージ記憶部に記憶されたメッセージを、関連付けられたプロジェクトのプロジェクトエリアに表示させる、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項3】
前記メッセージへの対応がどれほど進んでいるかを示す進捗度合を選択する進捗選択部をさらに備え、
前記メッセージ記憶部は、前記選択されたメッセージを前記進捗度合とも関連付けて記憶するものであり、
前記表示制御部は、前記メッセージ記憶部に記憶されたメッセージを、関連付けられた進捗度合とも関連付けて前記プロジェクトエリアに表示させる、請求項2記載のプロジェクト管理システム。
【請求項4】
前記進捗度合をバーチャートでも表示するバーチャート表示部をさらに備える、請求項3記載のプロジェクト管理システム。
【請求項5】
前記メッセージへの対応の難易度を表示する難易度表示部をさらに備える、請求項3記載のプロジェクト管理システム。
【請求項6】
メッセージに付加するタグを記憶するタグ記憶部と、
メッセージに前記タグを付与するタグ付与部とをさらに備え、
前記表示制御部は、選択されたメッセージについて前記タグ記憶部が有する前記タグの選択肢を前記利用者に表示させる、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項7】
メッセージの内容に基づいてタグを自動的に付与するタグ自動付与部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記利用者が付与したタグと、前記タグ自動付与部が付与したタグとを区別して表示させる、請求項6記載のプロジェクト管理システム。
【請求項8】
付与された前記タグに基づいてメッセージを検索する検索部をさらに備え、
前記検索部は、複数の前記プロジェクトとは無関係に前記タグを検索し、
前記表示制御部は、検索対象とされた前記タグが付与されたメッセージを前記検索部による検索結果として表示させる、請求項6記載のプロジェクト管理システム。
【請求項9】
前記メッセージ記憶部は、メッセージを付与された前記タグとも関連付けて記憶するものであり、
前記表示制御部は、前記プロジェクトエリアに又は前記チャットエリアとは異なるタグ付メッセージエリアに、同じ前記タグが付与されたメッセージを関連付けて表示させる、請求項6記載のプロジェクト管理システム。
【請求項10】
前記利用者に対してチェックリストを表示するチェックリスト表示部と、
前記チェックリストを用いたチェックが完了して提出された旨を前記利用者が参加している前記チャットグループに表示する提出完了表示部と、
前記利用者の1人である承認者に対して承認ボタンを表示する承認ボタン表示部と、
前記承認者による承認が下りた旨を前記チャットグループに表示する承認表示部とをさらに備える、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項11】
機密項目を記憶する機密記憶部と、
メッセージに前記機密項目が含まれるか否かを判定する機密判定部をさらに備え、
前記機密判定部の判定結果に基づいて、
前記メッセージ送信部が当該メッセージの送信の可否を決定し、
及び/又は、
前記表示制御部が警告の表示の可否を決定する、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項12】
前記機密記憶部は、前記機密項目を共有してよい利用者である1人又は複数の機密共有者を関連付けて記憶するものであり、
前記機密判定部は、メッセージが送信される相手に前記機密共有者とは異なる者が含まれるか否かについても判定を行う、請求項11記載のプロジェクト管理システム。
【請求項13】
前記機密項目とメッセージに含まれる語句との整合率を算出する整合率算出部と、
前記整合率の閾値を記憶する閾値記憶部とをさらに備え、
前記機密判定部は、前記整合率算出部によって算出された前記整合率と前記閾値との比較結果に基づいて判定を行う、請求項11記載のプロジェクト管理システム。
【請求項14】
メッセージと当該メッセージが前記機密項目を含むか否かについての判定結果とを教師データとして用い、メッセージから当該メッセージが前記機密項目を含むか否かを推定する推定モデルを機械学習により生成するモデル生成部をさらに備え、
前記機密判定部は、前記モデル生成部が生成した前記推定モデルに基づいて判定を行う、請求項11記載のプロジェクト管理システム。
【請求項15】
前記教師データを記憶する教師データ記憶部をさらに備え、
前記教師データ記憶部は、前記推定モデルの判定結果に対する正誤を新たな教師データとして記憶し、
前記モデル生成部は、前記新たな教師データも用いて、新たな推定モデルを生成する、請求項14記載のプロジェクト管理システム。
【請求項16】
前記メッセージ記憶部が記憶したメッセージと、当該メッセージへの返信としてのメッセージである返信メッセージと、当該返信メッセージが適切か否かについての判定結果とを教師データとして用い、メッセージから前記返信メッセージを生成する返信生成モデルを機械学習により生成するモデル生成部を備え、
前記モデル生成部は、前記利用者ごとに前記返信生成モデルを生成する、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項17】
前記教師データを記憶する教師データ記憶部を備え、
前記教師データ記憶部は、前記返信生成モデルが生成した返信メッセージが適切か否かについての判定結果を新たな教師データとして記憶し、
前記モデル生成部は、前記新たな教師データも用いて、新たな返信生成モデルを生成する、請求項16記載のプロジェクト管理システム。
【請求項18】
前記メッセージ記憶部が記憶したメッセージと、プロジェクト又はタスクのパターンと、当該パターンが適切か否かについての判定結果とを教師データとして用い、メッセージからプロジェクト又はタスクのパターンを生成する作業提案モデルを機械学習により生成するモデル生成部を備え、
前記モデル生成部は、利用者ごとに又はプロジェクトごとに前記作業提案モデルを生成する、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項19】
前記メッセージ記憶部が記憶したメッセージと、プロジェクトにおけるCO2排出量とを教師データとして用い、メッセージからCO2排出量を推定し又は計測するCO2排出量推定計測モデルを機械学習により生成するモデル生成部を備え、
前記モデル生成部は、プロジェクトごとに前記CO2排出量推定計測モデルを生成する、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項20】
前記CO2排出量推定計測モデルは、定期的に前記CO2排出量を推定し又は計測する、請求項19記載のプロジェクト管理システム。
【請求項21】
外部の通信ソフトウェアと連動する外部連動部をさらに備え、
前記外部連動部は、前記通信ソフトウェアの送信又は受信したメッセージを受信し、
前記表示制御部は、前記外部連動部が受信したメッセージをメールエリア、関連付けられた前記プロジェクトエリア又は前記チャットエリアに表示させる、請求項1記載のプロジェクト管理システム。
【請求項22】
前記通信ソフトウェアは、メーラ又はチャットツールであり、
前記外部連動部は、前記メーラ又は前記チャットツールが送信又は受信したメール又はチャットをメッセージとして受信し、
前記メッセージ選択部は、前記外部連動部がメッセージとして受信したメール又はチャットも選択の対象とする、請求項21記載のプロジェクト管理システム。
【請求項23】
前記外部連動部は、前記通信ソフトウェアから受信したメッセージに対する前記メールエリア又は前記チャットエリアにおける返信を、前記通信ソフトウェアに送信する、請求項21記載のプロジェクト管理システム。
【請求項24】
前記メールエリア又は前記チャットエリアにおけるメッセージ又はチャットの表示形式を、少なくともチャット形式及びメール形式の間で切替可能とするメッセージ表示切替部をさらに備える、請求項23記載のプロジェクト管理システム。
【請求項25】
前記外部連動部は、前記メールエリア又は前記チャットエリアに表示されたメッセージ又はチャットの少なくとも一部を外部ソフトウェアに保存させる、請求項21記載のプロジェクト管理システム。
【請求項26】
複数の利用者である第1利用者及び第2利用者が関わるプロジェクトを管理するプロジェクト管理システムを用いたプロジェクト管理方法であって、
前記プロジェクト管理システムは、
前記第1利用者及び前記第2利用者のアカウント情報を記憶するアカウント記憶部と、
前記利用者に対して、前記利用者が参加しているプロジェクトを表示するプロジェクトエリア、及び、前記利用者が参加しているチャットグループにおけるメッセージを表示するチャットエリアを表示させる表示制御部と、
前記第1利用者及び前記第2利用者が参加しているプロジェクトを選択するプロジェクト選択部と、
前記第1利用者及び前記第2利用者の間でメッセージを送信するメッセージ送信部と、
前記チャットエリアに表示されたメッセージを選択するメッセージ選択部と、
選択されたプロジェクトと選択されたメッセージとを関連付けて記憶するメッセージ記憶部とを備え、
前記プロジェクト選択部が、前記第1利用者及び前記第2利用者が参画しているプロジェクトを選択するプロジェクト選択ステップと、
前記メッセージ選択部が、前記チャットエリアに表示されたメッセージを選択するメッセージ選択ステップと、
前記メッセージ記憶部が、前記プロジェクト選択部が選択したプロジェクトと、前記メッセージ選択部が選択したメッセージとを関連付けて記憶するメッセージ記憶部とを含む、プロジェクト管理方法。
【請求項27】
コンピュータに、請求項26記載のプロジェクト管理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法及びプログラムに関し、特に、複数の者が関わるプロジェクトを管理するプロジェクト管理システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の利用者がチームとしてプロジェクトを進める際に、プロジェクトの進捗管理を行うシステムが知られている。このようなプロジェクト管理システムにより、プロジェクトマネージャーが現状を的確に把握することが容易となる。
【0003】
例えば、特定の作業が予定とは異なるスピードで進捗があった場合に、その理由を日報等から取得することにより、プロジェクト管理の精度の向上を図るプロジェクト管理システムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プロジェクト管理システムが適切に機能するためには、定められたフォーマットに則って必要な情報を入力する必要があった。特許文献1に記載のプロジェクト管理システムにおいても、システムに特有のテーブルを作成するために、必要な数字や情報を日報等から取得して入力する必要があった。このため、プロジェクト管理のために相応の手間暇をかけることが必要であった。
【0006】
他方、プロジェクトマネージャーは、常に様々な課題を抱えており、プロジェクトが滞りなく進むためにも、プロジェクト管理のための事務作業負担を減らすことは必要であった。
【0007】
そこで、本発明は、プロジェクトマネージャーのプロジェクト管理のための負担を従来より低減しつつ、適切に進捗管理を行うことが可能なプロジェクト管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点は、複数の利用者である第1利用者及び第2利用者が関わるプロジェクトを管理するプロジェクト管理システムであって、前記第1利用者及び前記第2利用者のアカウント情報を記憶するアカウント記憶部と、前記利用者に対して、前記利用者が参加しているプロジェクトを表示するプロジェクトエリア、及び、前記利用者が参加しているチャットグループにおけるメッセージを表示するチャットエリアを表示させる表示制御部と、前記第1利用者及び前記第2利用者が参加しているプロジェクトを選択するプロジェクト選択部と、前記第1利用者及び前記第2利用者の間でメッセージを送信するメッセージ送信部と、前記チャットエリアに表示されたメッセージを選択するメッセージ選択部と、選択されたプロジェクトと選択されたメッセージとを関連付けて記憶するメッセージ記憶部とを備える、プロジェクト管理システムである。
【0009】
本発明の第2の観点は、第1の観点のプロジェクト管理システムであって、前記表示制御部は、前記メッセージ記憶部に記憶されたメッセージを、関連付けられたプロジェクトのプロジェクトエリアに表示させる。
【0010】
本発明の第3の観点は、第2の観点のプロジェクト管理システムであって、前記メッセージへの対応がどれほど進んでいるかを示す進捗度合を選択する進捗選択部をさらに備え、前記メッセージ記憶部は、前記選択されたメッセージを前記進捗度合とも関連付けて記憶するものであり、前記表示制御部は、前記メッセージ記憶部に記憶されたメッセージを、関連付けられた進捗度合とも関連付けて前記プロジェクトエリアに表示させる。
【0011】
本発明の第4の観点は、第3の観点のプロジェクト管理システムであって、前記進捗度合をバーチャートでも表示するバーチャート表示部をさらに備える。
【0012】
本発明の第5の観点は、第3の観点のプロジェクト管理システムであって、前記メッセージへの対応の難易度を表示する難易度表示部をさらに備える。
【0013】
本発明の第6の観点は、第1から第5のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、メッセージに付加するタグを記憶するタグ記憶部と、メッセージに前記タグを付与するタグ付与部とをさらに備え、前記表示制御部は、選択されたメッセージについて前記タグ記憶部が有する前記タグの選択肢を前記利用者に表示させる。
【0014】
本発明の第7の観点は、第6の観点のプロジェクト管理システムであって、メッセージの内容に基づいてタグを自動的に付与するタグ自動付与部をさらに備え、前記表示制御部は、前記利用者が付与したタグと、前記タグ自動付与部が付与したタグとを区別して表示させる。
【0015】
本発明の第8の観点は、第6又は第7の観点のプロジェクト管理システムであって、付与された前記タグに基づいてメッセージを検索する検索部をさらに備え、前記検索部は、複数の前記プロジェクトとは無関係に前記タグを検索し、前記表示制御部は、検索対象とされた前記タグが付与されたメッセージを前記検索部による検索結果として表示させる。
【0016】
本発明の第9の観点は、第6から第8のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、前記メッセージ記憶部は、メッセージを付与された前記タグとも関連付けて記憶するものであり、前記表示制御部は、前記プロジェクトエリアに前記チャットエリアとは異なるタグ付メッセージエリアに、同じ前記タグが付与されたメッセージを関連付けて表示する。
【0017】
本発明の第10の観点は、第1から第9のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、前記利用者に対してチェックリストを表示するチェックリスト表示部と、前記チェックリストを用いたチェックが完了して提出された旨を前記利用者が参加している前記チャットグループに表示する提出完了表示部と、前記利用者の1人である承認者に対して承認ボタンを表示する承認ボタン表示部と、前記承認者による承認が下りた旨を前記チャットグループに表示する承認表示部とをさらに備える。
【0018】
本発明の第11の観点は、第1から第10のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、機密項目を記憶する機密記憶部と、メッセージに前記機密項目が含まれるか否かを判定する機密判定部をさらに備え、前記機密判定部の判定結果に基づいて、前記メッセージ送信部が当該メッセージの送信の可否を決定し、及び/又は、前記表示制御部が警告の表示の可否を決定する。
【0019】
本発明の第12の観点は、第11の観点のプロジェクト管理システムであって、前記機密記憶部は、前記機密項目を共有してよい利用者である1人又は複数の機密共有者を関連付けて記憶するものであり、前記機密判定部は、メッセージが送信される相手に前記機密共有者とは異なる者が含まれるか否かについても判定を行う。
【0020】
本発明の第13の観点は、第11又は第12の観点のプロジェクト管理システムであって、前記機密項目とメッセージに含まれる語句との整合率を算出する整合率算出部と、前記整合率の閾値を記憶する閾値記憶部とをさらに備え、前記機密判定部は、前記整合率算出部によって算出された前記整合率と前記閾値との比較結果に基づいて判定を行う。
【0021】
本発明の第14の観点は、第11から第13のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、メッセージと当該メッセージが前記機密項目を含むか否かについての判定結果とを教師データとして用い、メッセージから当該メッセージが前記機密項目を含むか否かを推定する推定モデルを機械学習により生成するモデル生成部をさらに備え、前記機密判定部は、前記モデル生成部が生成した前記推定モデルに基づいて判定を行う。
【0022】
本発明の第15の観点は、第14の観点のプロジェクト管理システムであって、前記教師データを記憶する教師データ記憶部をさらに備え、前記教師データ記憶部は、前記推定モデルの判定結果に対する正誤を新たな教師データとして記憶し、前記モデル生成部は、前記新たな教師データも用いて、新たな推定モデルを生成する。
【0023】
本発明の第16の観点は、第1から第15のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、メッセージと、当該メッセージへの返信としてのメッセージである返信メッセージと、当該返信メッセージが適切か否かについての判定結果とを教師データとして用い、メッセージから前記返信メッセージを生成する返信生成モデルを機械学習により生成するモデル生成部を備え、前記モデル生成部は、前記利用者ごとに前記返信生成モデルを生成する。
【0024】
本発明の第17の観点は、第16の観点のプロジェクト管理システムであって、前記教師データを記憶する教師データ記憶部を備え、前記教師データ記憶部は、前記返信生成モデルが生成した返信メッセージが適切か否かについての判定結果を新たな教師データとして記憶し、前記モデル生成部は、前記新たな教師データも用いて、新たな返信生成モデルを生成する。
【0025】
本発明の第18の観点は、第1から第17の観点のいずれかのプロジェクト管理システムであって、前記メッセージ記憶部が記憶したメッセージと、プロジェクト又はタスクのパターンと、当該パターンが適切か否かについての判定結果とを教師データとして用い、メッセージからプロジェクト又はタスクのパターンを生成する作業提案モデルを機械学習により生成するモデル生成部を備え、前記モデル生成部は、利用者ごとに又はプロジェクトごとに前記作業提案モデルを生成する。
【0026】
本発明の第19の観点は、第1から第18の観点のいずれかのプロジェクト管理システムであって、前記メッセージ記憶部が記憶したメッセージと、プロジェクトにおけるCO2排出量とを教師データとして用い、メッセージからCO2排出量を推定し又は計測するCO2排出量推定計測モデルを機械学習により生成するモデル生成部を備え、前記モデル生成部は、プロジェクトごとに前記CO2排出量推定計測モデルを生成する。
【0027】
本発明の第20の観点は、第19の観点のプロジェクト管理システムであって、前記CO2排出量推定計測モデルは、定期的に前記CO2排出量を推定し又は計測する。
【0028】
本発明の第21の観点は、第1から第20のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、外部の通信ソフトウェアと連動する外部連動部をさらに備え、前記外部連動部は、前記通信ソフトウェアの送信又は受信したメッセージを受信し、前記表示制御部は、前記外部連動部が受信したメッセージをメールエリア、関連付けられた前記プロジェクトエリア又は前記チャットエリアに表示させる。
【0029】
本発明の第22の観点は、第21の観点のプロジェクト管理システムであって、前記通信ソフトウェアは、メーラ又はチャットツールであり、前記外部連動部は、前記メーラ又は前記チャットツールが送信又は受信したメール又はチャットをメッセージとして受信し、前記メッセージ選択部は、前記外部連動部がメッセージとして受信したメール又はチャットも選択の対象とする。
【0030】
本発明の第23の観点は、第21又は第22の観点のプロジェクト管理システムであって、前記外部連動部は、前記通信ソフトウェアから受信したメッセージに対する前記メールエリア又は前記チャットエリアにおける返信を、前記通信ソフトウェアに送信する。
【0031】
本発明の第24の観点は、第23の観点のプロジェクト管理システムであって、前記メールエリア又は前記チャットエリアにおけるメッセージ又はチャットの表示形式を、少なくともチャット形式及びメール形式の間で切替可能とするメッセージ表示切替部をさらに備える。
【0032】
本発明の第25の観点は、第21から第24のいずれかの観点のプロジェクト管理システムであって、前記外部連動部は、前記チャットエリアに表示されたメッセージ又はチャットの少なくとも一部を外部ソフトウェアに保存させる。
【0033】
本発明の第26の観点は、複数の利用者である第1利用者及び第2利用者が関わるプロジェクトを管理するプロジェクト管理システムを用いたプロジェクト管理方法であって、前記プロジェクト管理システムは、前記第1利用者及び前記第2利用者のアカウント情報を記憶するアカウント記憶部と、前記利用者に対して、前記利用者が参加しているプロジェクトを表示するプロジェクトエリア、及び、前記利用者が参加しているチャットグループにおけるメッセージを表示するチャットエリアを表示させる表示制御部と、前記第1利用者及び前記第2利用者が参加しているプロジェクトを選択するプロジェクト選択部と、前記第1利用者及び前記第2利用者の間でメッセージを送信するメッセージ送信部と、前記チャットエリアに表示されたメッセージを選択するメッセージ選択部と、選択されたプロジェクトと選択されたメッセージとを関連付けて記憶するメッセージ記憶部とを備え、前記プロジェクト選択部が、前記第1利用者及び前記第2利用者が参画しているプロジェクトを選択するプロジェクト選択ステップと、前記メッセージ選択部が、前記チャットエリアに表示されたメッセージを選択するメッセージ選択ステップと、前記メッセージ記憶部が、前記プロジェクト選択部が選択したプロジェクトと、前記メッセージ選択部が選択したメッセージとを関連付けて記憶するメッセージ記憶部とを含む、プロジェクト管理方法である。
【0034】
本発明の第27の観点は、コンピュータに、第26の観点のプロジェクト管理方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0035】
本発明の各観点によれば、アカウントを有する複数の利用者間でチャットのような簡便なメッセージのやり取りを行いつつ、メッセージをプロジェクトに関連付けて保存することが可能となる。このため、チャットのような重要度が玉石混交となるやり取りの中から、プロジェクトを進める上で重要な情報をメッセージ単位で簡便に整理することが可能となる。
【0036】
また、本発明の第2の観点によれば、プロジェクトごとに重要な情報をメッセージ単位で整理された状態で表示することが可能となる。このため、チャットのような重要度が玉石混交となるやり取りの中から、重要な情報をメッセージ単位で簡便に抽出し、整理された状態で表示することが可能となる。
【0037】
さらに、本発明の第3の観点によれば、メッセージがプロジェクトごとに表示されるだけでなく、対応の進捗度合ごとに表示される。そのため、例えば緊急対応が必要なメッセージと順調に対応が進んでいるメッセージとを区別して表示させ、利用者がチャットのやり取りを通じてプロジェクト管理を行うことがさらに容易となる。
【0038】
さらに、本発明の第4の観点によれば、タスクやプロジェクトの進捗度合を直感的に把握することがさらに容易となる。
【0039】
さらに、本発明の第5の観点によれば、タスクの進捗度合に加えて難易度も把握することが容易となる。このため、プロジェクトの状況を細かく正確に管理することがさらに容易となる。
【0040】
さらに、本発明の第6の観点によれば、メッセージに対して後から属性情報を付加することが可能となる。このため、メッセージ単位で重要な情報を整理することがさらに容易となる。
【0041】
さらに、本発明の第7の観点によれば、利用者がタグ付けをする手間を省くことが可能となる。ただし、利用者が意図しないタグ付けが行われることで想定外の整理がされてしまうおそれが生じる。そこで、利用者が付与したタグと自動的に付与されたタグとを区別可能として、簡便さと情報の整理に支障をきたさないことの両立が容易となる。
【0042】
さらに、本発明の第8の観点によれば、タグに基づいてプロジェクトを横断する形で重要な情報をメッセージ単位で整理することが容易となる。
【0043】
また、本発明の第9の観点によれば、メッセージに付与されたタグに基づいて、関連する内容を有するメッセージが自動的にまとめて表示されることとなる。そのため、メッセージに散乱して含まれる関連情報を整理された状態で表示することがさらに容易となる。
【0044】
また、本発明の第10の観点によれば、チャットを用いてプロジェクトの進捗状況をチャットグループに参加している利用者でリアルタイムに共有することがさらに容易となる。
【0045】
ここで、プロジェクトによっては機密情報を共有できる社内の人間だけが関わるものもあれば、機密情報を共有できない社外の人間が含まれるものもある。このような複数のプロジェクトを管理できるプロジェクト管理システムを使用する場合、メッセージのやり取りが気軽にできるシステムであるほど、誤って機密情報を社外の人間へのメッセージに含めてしまうリスクが高まってしまう。
【0046】
そこで、本発明の第11の観点によれば、利用者が社外の人間も含むプロジェクトに参加している場合であっても、機密情報を社外に漏らすリスクを低減することが可能となる。
【0047】
さらに、本発明の第12の観点によれば、誰にどの機密情報を共有してよいかどうかについてあらかじめ設定することが可能となる。そのため、機密情報の共有の可否を現場の判断に委ねるリスクを低減することが可能となる。
【0048】
ここで、機密情報がキーワードのような短いものではなく文章や文書のように長い内容の場合、メッセージに含まれる内容が事前に記憶された内容と完全一致であるとは限らない。むしろ、多少の違いがあっても十分に機密漏洩となってしまうケースの方が多いと考えられる。といって、あまりに多くのキーワードを機密事項に指定して記憶した場合、頻繁にメッセージ送信が阻害されることとなり、スムーズな通信を阻害する不便さが想定される。
【0049】
そこで、本発明の第13の観点によれば、機密情報がキーワードでなく文章又は文書であっても、ある程度の曖昧さを許容して検出し、スムーズな通信と機密漏洩のリスクの低減を両立することが容易となる。
【0050】
さらに、本発明の第14の観点によれば、学習させたAIモデルを機密事項の判定に用いることにより、メッセージに機密項目がそのまま含まれない場合であっても、機密情報の漏洩のリスクに柔軟に対処することが可能となる。
【0051】
さらに、本発明の第15の観点によれば、利用者がプロジェクト管理システムを使用するほどAIモデルの精度を高め、機密情報の漏洩リスクを下げることが可能となる。
【0052】
また、従来、SNSにおける友達やメッセージやグループが増えるほどに、利用者が過去のやり取りを検索して必要な情報にアクセスする手間暇が増大する事態が生じていた。
【0053】
そこで、本発明の第16又は第17の観点によれば、プロジェクトに関してメッセージが蓄積するほどに洗練されたチャットボットのようなAIモデルを生成し、利用者が過去のやり取りを活用することがさらに容易となる。
【0054】
また、本発明の第18の発明の観点によれば、プロジェクト管理システムが、利用者に対して、メッセージのやり取りから作業の提案を行うことが可能となる。そのため、利用者は、提案された内容に従って効率よくオペレーションを行うことがさらに容易となる。
【0055】
また、本発明の第19の観点によれば、メッセージのやり取りに基づいて、プロジェクトにおけるCO2排出量を推定し又は計測することが可能となる。
【0056】
さらに、本発明の第20の観点によれば、利用者が継続的にCO2排出量を把握して管理することが可能となる。
【0057】
また、本発明の第21の観点によれば、本発明に係るプロジェクト管理システムとは異なるソフトウェアの通信も管理することが可能となる。そのため、プロジェクト関係者の好みに合わせて複数の通信ソフトウェアを用いつつ、利用者がプロジェクト関係者との通信をプロジェクトと関連付けて一元的に管理することが容易となる。
【0058】
さらに、本発明の第22の観点によれば、メールのようにチャットとは異なる手段による通信であっても、プロジェクト関係者との通信をプロジェクトと関連付けて一元的に管理することが容易となる。
【0059】
また、本発明の第23の観点によれば、外部通信ソフトウェアで受信したメッセージに対して、本発明に係るプロジェクト管理システムから返信することが可能となる。このため、利用者による外部通信ソフトウェアのメッセージの確認時間を削減し、メッセージの整理作業を促進することが容易となる。
【0060】
さらに、本発明の第24の観点によれば、利用者の好みに合わせてチャットの表示形式を切り替え可能である。そのため、外部の通信ソフトウェアと連動しつつ、利用者に違和感のないユーザーインターフェースを提供することが可能となる。
【0061】
また、本発明の第25の観点によれば、チャットのログを簡便に保存することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】実施例1に係るプロジェクト管理システムの概要を示すブロック図である。
【
図2】実施例1に係るプロジェクト管理システムのUI、特に、パソコンからアクセスしたときの典型的なUIを例示する図である。
【
図3】実施例1に係るプロジェクト管理方法の基本的な使い方の概要を示すフロー図である。
【
図4】実施例1に係るプロジェクト管理方法における機密情報判別機能を例示するフロー図である。
【
図5】実施例1に係るプロジェクト管理方法におけるチャットボット機能を例示するフロー図である。
【
図6】実施例1に係るプロジェクト管理システムと外部メーラとの連携を例示する図である。
【
図7】実施例2に係るプロジェクト管理システムのUI、特に、携帯端末からアクセスしたときの典型的なUIを例示する図である。
【
図8】実施例3に係るプロジェクト管理方法におけるCO2排出量の推定機能を例示するフロー図である。
【
図9】実施例4に係るプロジェクト管理システムにおいて、プロジェクトの進捗度合をバーチャートで表示する例を示した図である。
【
図10】実施例4に係るプロジェクト管理システムにおいて、タスクごとの進捗度合をバーチャートで表示する例を示した図である。
【
図11】実施例4に係るプロジェクト管理システムにおいて、タスクごとの進捗度合に加えて、難易度もバーチャートで表示する例を示した図である。
【
図12】実施例5に係るプロジェクト管理システムにおいて、タスクのチェック後に提出された旨及び承認された旨がチャットグループで共有されている様子を例示する図である。
【
図13】実施例6に係るプロジェクト管理システムにおいて、メールボックスにおけるメッセージの表示形式の切替を例示する図である。
【
図14】実施例7に係るプロジェクト管理システムにおいて、チャットの一部を外部に保存する様子を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の実施例は、以下に記載する内容に限定されるものではない。
【実施例1】
【0064】
図1は、本実施例に係るプロジェクト管理システムの概要を示すブロック図である。プロジェクト管理システム1は、複数の利用者である第1利用者及び第2利用者が関わるプロジェクトを管理する。
【0065】
図1を参照して、プロジェクト管理システム1は、表示制御部3と、記憶部5と、プロジェクト選択部7と、メッセージ送信部9と、メッセージ選択部11と、タグ付与部13と、タグ自動付与部15と、検索部17と、機密判定部19と、整合率算出部21と、モデル生成部23と、外部連動部25とを備える。
【0066】
表示制御部3は、利用者が使用するコンピュータの表示部を制御して各種の表示を実行させる。表示制御部3は、チャット表示制御部31と、プロジェクト表示制御部33と、進捗度合表示制御部35と、タグ表示制御部37と、警告表示制御部39と、検索表示制御部41と、添付ファイル表示制御部43と、メール表示制御部45とを有する。チャット表示制御部31は、チャットエリアの表示を制御する。プロジェクト表示制御部33は、プロジェクトエリアの表示を制御する。進捗度合表示制御部35は、進捗度合の表示を制御する。タグ表示制御部37は、タグに関する表示を制御する。警告表示制御部39は、警告に関する表示を制御する。検索表示制御部41は、検索画面や検索結果に関する表示を制御する。添付ファイル表示制御部43は、プロジェクトエリアやメッセージへの添付ファイルをプレビュー表示をするよう制御する。また、添付ファイル表示制御部43は、添付ファイルを利用者がダブルクリック等で表示すべく指示したときにファイルの中身を利用者に表示するよう制御する。メール表示制御部45は、外部メーラ等から受信したメール等をメールエリアに表示するよう制御する。
【0067】
記憶部5は、各種の情報を記憶する。記憶部5は、アカウント記憶部51と、プロジェクト記憶部53と、メッセージ記憶部55と、タグ記憶部57と、機密記憶部59と、閾値記憶部61と、教師データ記憶部63と、モデル記憶部65と、知識記憶部67とを有する。アカウント記憶部51は、利用者のアカウント情報に関連する情報を記憶する。プロジェクト記憶部53は、プロジェクトに関する情報を記憶する。メッセージ記憶部55は、メッセージに関する情報を記憶する。タグ記憶部57は、タグに関する情報を記憶する。機密記憶部59は、機密項目や機密判定に関する情報を記憶する。閾値記憶部61は、各種の閾値を記憶する。教師データ記憶部63は、人工知能(AI)に提供する教師データを記憶する。モデル記憶部65は、与えられたAIモデル又は生成されたAIモデルを記憶する。知識記憶部67は、AIモデルの一例であるチャットボットを生成するための教師データとなる知識項目を記憶する。
【0068】
プロジェクト選択部7は、プロジェクトを選択する。メッセージ送信部9は、メッセージを送信する。メッセージ選択部11は、メッセージを選択する。タグ付与部13は、利用者の指示に基づいてメッセージ及び/又はプロジェクトにタグを付与する。タグ自動付与部15は、利用者の指示に基づかずにメッセージ及び/又はプロジェクトにタグを付与する。検索部17は、メッセージやタグ等の情報を検索する。機密判定部19は、メッセージ等に機密情報が含まれているか否かに関して判定する。整合率算出部21は、メッセージに含まれる情報と、機密記憶部59に記憶されている情報との整合率を算出する。モデル生成部23は、教師データに基づいて人工知能モデルを生成する。外部連動部25は、本実施例に係るプロジェクト管理システム1以外のソフトウェアと連動するための処理を行う。
【0069】
本願では、機密情報として個別に記憶される一定のまとまりのある内容を「機密項目」(本願請求項における「機密項目」の一例)と表現する。機密項目は、単語、フレーズ、文、文章、文書、図面、写真、映像、音声等のような様々な形態があり得る。
【0070】
続いて、本実施例に係るプロジェクト管理システム1のユーザーインターフェース(UI)について説明する。
図2は、本実施例に係るプロジェクト管理システムのUI、特に、パソコンからアクセスしたときの典型的なUIを例示する図である。
【0071】
図2を参照して、表示制御部3は、表示部を制御して、利用者に対してチャットエリア71及びプロジェクトエリア73を並べて、又は、それぞれ個別に表示させる。これにより、選択したメッセージがプロジェクトに関連付けられて表示される様子が直感的に把握しやすい表示となる。
【0072】
また、表示制御部3は、プロジェクトエリア73において、プロジェクトにおけるタスクを縦方向又は横方向に沿って表示し、進捗度合を横方向又は縦方向に沿って表示させる。進捗度合として、例えば、「新規」「進行中」「緊急」のようにタスクの状況によって整理できる項目を複数表示する。利用者は、プロジェクトエリア73において、タスクの進捗度合に応じてタスクの表示位置をドラッグ操作により変更することができる。このとき、メッセージ記憶部55は、変更後のタスクの表示位置に対応する進捗度合をメッセージと関連付けて記憶する。また、利用者がタスクの詳細を表示する指示を行うと、プロジェクト表示制御部33は、当該タスクの詳細をプロジェクトエリア73に表示する。
【0073】
さらに、表示制御部3は、チャットエリア71に表示されているメッセージのうちメッセージ選択部11によってピン留めするよう選択されたメッセージを、ピン留めエリア75に表示させる。これにより、利用者は、プロジェクトや進捗度合とは別に、重要と思われるメッセージや確定事項を素早く一覧することが可能となる。また、外部メーラ等から受信してメールエリア77に表示されたメール等もピン留め可能である。この場合、表示制御部3は、メッセージ選択部11によってピン留めするよう選択されたメール等をピン留めエリア75に表示させる。
【0074】
続いて、本実施例に係るプロジェクト管理方法について説明する。
図3は、本実施例に係るプロジェクト管理方法の基本的な使い方の概要を示すフロー図である。
【0075】
図3を参照して、まず利用者が、プロジェクト管理システム1にログインする(ステップST001)。利用者のアカウント情報は、アカウント記憶部51に記憶されている。プロジェクト表示制御部33は、プロジェクトの新規作成を受け付ける表示をプロジェクトエリア73に表示させる(ステップST002)。プロジェクトにおけるタスクが新規に作成される場合は、プロジェクト表示制御部33は、プロジェクトエリア73に新規のプロジェクトやタスクを表示させる(ステップST003)。新規に作成されたプロジェクトとタスクは、プロジェクト記憶部53に記憶される。
【0076】
チャット表示制御部31は、新規メッセージを受け付ける表示をチャットエリア71に表示させる(ステップST004)。メッセージが送信される場合は、チャット表示制御部31は、メッセージをチャットエリア71に表示させる(ステップST005)。メッセージは、メッセージ記憶部55に記憶される。
【0077】
チャット表示制御部31は、チャットエリア71に表示されているメッセージをプロジェクトやタスクに関連付けることを受け付ける表示を表示させる(ステップST006)。プロジェクト選択部7がプロジェクト又はタスクを選択し、メッセージ選択部11がメッセージを選択すると、プロジェクト表示制御部33は、選択されたメッセージを選択されたプロジェクトのプロジェクトエリア73にも表示させる(ステップST007)。これにより、チャットエリア71のメッセージのうち、プロジェクトにとって重要な情報が含まれるメッセージを選択して、選択されたプロジェクトと関連付けてメッセージ記憶部55に記憶させることができる。
【0078】
チャットエリア71のメッセージは、進捗度合とも関連付けることができる。プロジェクト制御部33及び進捗度合表示制御部35は、メッセージをプロジェクトと進捗度合の2項目で同時に関連付けて表示させる。メッセージ記憶部55は、メッセージをプロジェクトやタスクや進捗度合と関連付けて記憶する。
【0079】
タグ表示制御部37は、チャットエリア71に表示されたメッセージにタグ付けすることを受け付ける表示を表示させる(ステップST008)。一度作成されたタグは、タグ記憶部57が記憶する。ステップST008において、タグ表示制御部37は、タグ記憶部57が記憶しているタグを利用者に対して選択式に表示させてもよい。タグ付けが行われたら、タグ表示制御部37は、選択されたメッセージにタグを表示させる(ステップST009)。
【0080】
利用者は、プロジェクト管理システム1を継続して利用するか否かを判断する(ステップST010)。継続して利用する場合には、ステップST002に戻る。ただし、他のステップST004、ステップST006、ステップST008に戻ってもよい。利用者がプロジェクト管理システムの利用を継続しない場合は、フローを終了する。
【0081】
ステップST002において、プロジェクトを作成しない場合は、既存のプロジェクトにおけるステップST004に進む。ステップST004において、メッセージを送信しない場合は、ステップST006に進む。ステップST006において、メッセージをプロジェクトに関連付けない場合は、ステップST008に進む。ステップST008において、メッセージにタグ付けを行わない場合は、ステップST010に進む。
【0082】
続いて、本実施例に係るプロジェクト管理方法において、メッセージを送信する際の機密情報漏洩を低減する技術的特徴について説明する。
図4は、本実施例に係るプロジェクト管理方法における機密情報判別機能を例示するフロー図である。
【0083】
図4を参照して、まず機密記憶部59が、機密項目を記憶する(ステップST110)。
図4においては、機密項目として、複数のグループに分けて記憶されている。機密記憶部59は、機密カテゴリー1として、暗証番号、電話番号、メールアドレス、銀行口座といった個人情報を記憶する。機密記憶部59は、機密カテゴリー2として、セキュリティコード、銀行口座、契約書、内部資料といった会社情報を記憶する。機密記憶部59は、機密カテゴリー3として、NDAの対象となる秘密、顧客情報、製品情報といった営業秘密を記憶する。機密記憶部59は、他の機密項目や機密カテゴリーを記憶するものであってもよい。
【0084】
続いて、モデル生成部23が、メッセージに機密情報が含まれるか否かを判定する人工知能モデル(AIモデル)を生成する(ステップST120)。まず、モデル生成部23は、プロジェクト管理システム1が利用しているクラウドプラットフォームに、初期のAIモデルを連携させる(ステップST121)。続いて、モデル生成部23は、教師データ記憶部63にあらかじめ記憶されている教師データを用いてAIモデルに学習させる(ステップST122)。ここで、初期のAIモデルとして、商用のAIモデルを用いてもよいし、他の手段でAIモデルを用意したものであってもよい。以下、初期のAIモデルについては同様である。
【0085】
具体的には、メッセージと当該メッセージが機密情報を含むか否かについての判定結果とを教師データとして用いる。これにより、モデル生成部23は、メッセージから当該メッセージが機密情報を含むか否かを推定する推定モデルを機械学習により生成する。
【0086】
続いて、利用者がチャットエリア71にメッセージの送信を指示すると(ステップST131)、機密判定部19は、メッセージ送信部9が当該メッセージを送信する前に、ステップST120で生成された推定モデルを用いて機密情報が含まれているか否かを判定する(ステップST132)。
【0087】
このとき、整合率算出部21は、メッセージに含まれる内容と機密情報とを比較して整合率を算出する。整合率が10%未満であれば、メッセージ送信部9は、メッセージを送信する(ステップST133)。整合率が10%以上~50%未満であれば、警告表示制御部39は、警告を表示する(ステップST134)。利用者は、警告表示を確認した上で、送信するか否かをあらためて検討できる。整合率が50%以上であれば、機密判定部19は、機密情報が含まれていると判定する。この場合、メッセージ送信部9は、メッセージの送信をキャンセルする。
【0088】
機密記憶部59は、利用者ごとに機密項目を分けて記憶する。また、モデル生成部23は、利用者ごとに推定モデルを生成する。そのため、利用者は、自らにカスタマイズされた推定モデルを用いて高精度に機密漏洩を防止することが可能となる。なお、「利用者ごと」には、個人としての区別や、組織としての区別の両方が含まれる。
【0089】
加えて、利用者は、推定モデルの判定結果に対する正誤のフィードバックを行うことができる仕様となっている。モデル生成部23は、このフィードバックを新たな教師データとして追加して、新たな推定モデルを生成する。
【0090】
続いて、本実施例に係るプロジェクト管理方法において、チャットボット機能に関する技術的特徴について説明する。
図5は、本実施例に係るプロジェクト管理方法におけるチャットボット機能を例示するフロー図である。
【0091】
図5を参照して、まず知識記憶部67が、利用者に対応する知識項目を記憶する(ステップST150)。
図5においては、ある利用者の知識項目として、複数のグループに分けて記憶されている。例えば、当該輸出入プロジェクトにおいて、知識記憶部67は、知識カテゴリー1として、着岸日や作業ログ等の船舶活動に関する情報を記憶する。知識記憶部67は、知識カテゴリー2として、日常点検状況、点検報告といったヤード作業状況を記憶する。知識記憶部67は、知識カテゴリー3として、事故報告、事故対応といった事故状況を記憶する。知識記憶部67は、他の知識項目や知識カテゴリーを記憶するものであってもよい。
【0092】
続いて、モデル生成部23が、メッセージへの返信メッセージを生成する人工知能モデル(AIモデル)を生成する(ステップST160)。まず、モデル生成部23は、プロジェクト管理システム1が利用しているクラウドプラットフォームに、初期のAIモデルを連携させる(ステップST161)。続いて、モデル生成部23は、教師データ記憶部63にあらかじめ記憶されている教師データを用いてAIモデルに学習させる(ステップST162)。
【0093】
具体的には、メッセージと、当該メッセージへの返信メッセージが適切か否かについての判定結果とを教師データとして用いる。これにより、モデル生成部23は、メッセージへの適切な返信メッセージを生成するチャットボット(本願請求項に記載の「返信生成モデル」の一例)を機械学習により生成する。
【0094】
続いて、利用者がAIモデルを利用する(ステップST170)。具体的には、利用者がチャットエリア71において、生成されたチャットボットに対するメッセージを送信すると(ステップST171)、チャットボットは、利用者が入力したメッセージの文の構造等をふまえて生成した返信メッセージを表示する(ステップST172)。利用者は、生成された返信メッセージが適切か否かについてプロジェクト管理システム1にフィードバックを行う。モデル生成部23は、このフィードバックを新たな教師データとして追加して、新たなチャットボットを生成する。
【0095】
続いて、本実施例に係るプロジェクト管理システム1と外部の通信ソフトとの連携について説明する。
図6は、本実施例に係るプロジェクト管理システム1と外部メーラとの連携を複数例示する図である。プロジェクト管理システム1は、外部の通信ソフトから取り込んだメールやチャットについては、他のメッセージと同様に処理や表示を行うことが可能である。なお、外部の通信ソフトとしては、メーラの他に、外部SNS等の外部のチャット機能を有するプログラムであってもよい。
【0096】
図6を参照して、利用者がプロジェクト管理システム1に対して、Eメールのアカウントに接続するよう指示するとする(ステップST201)。プロジェクト管理システム1は、外部メーラへの接続指示を受信する(ステップST202)。プロジェクト管理システム1の外部連動部25は、外部メーラに対してアカウント記憶部51に記憶されているアカウント情報と共に接続リクエストを送信する(ステップST203)。外部メーラは、アカウント認証を行う(ステップST204)。認証が通れば、外部メーラは、プロジェクト管理システム1に対して接続を許可する(ステップST205)。
【0097】
ステップST205に続いて、利用者がプロジェクト管理システム1に対して、メール確認を指示するとする(ステップST211)。プロジェクト管理システム1は、メール確認の指示を受信する(ステップST212)。外部連動部25は、外部メーラに対して、メールデータの読み込みリクエストを送信する(ステップST213)。外部メーラは、メールデータの読み込みリクエストを受信する(ステップST214)。外部メーラは、すでに認証されているアカウントからのリクエストを許可し、プロジェクト管理システム1へメールデータを送信する(ステップST215)。メール表示制御部45は、受信したメールをメールエリア77に表示させる。
【0098】
また、ステップST205に続いて、利用者がプロジェクト管理システム1に対して、メール送信を指示するとする(ステップST221)。プロジェクト管理システム1は、メール送信の指示を受信する(ステップST222)。外部連動部25は、外部メーラに対して、メール送信の処理リクエストを送信する(ステップST223)。外部メーラは、メール送信の処理リクエストを受信する。外部メーラは、すでに認証されているアカウントからのリクエストを許可し、メールを送信する(ステップST224)。また、外部メーラは、プロジェクト管理システム1へメール送信が完了したことを報告する(ステップST225)。ステップST221からステップST225は、メール送信以外にも、メールの返信や転送や削除のような他の処理でも同様に適用できる。さらに、ステップST223において、機密判定部19が、メール送信の処理リクエストの前に、機密情報を含むか否かを推定する推定モデルを用いて、機密情報が含まれているか否かの判定を行うものであってもよい。当然、その後に整合率の算出、警告表示、送信の処理リクエストのキャンセルといった処理が行われるものであってもよい。
【0099】
また、ステップST205に続いて、利用者がプロジェクト管理システム1に対して、特定のメールをすぐに見やすいように特定のプロジェクトと関連付けて保存するピン留めの処理を指示するとする(ステップST231)。プロジェクト管理システム1は、メールのピン留めの指示を受けて、表示制御部3が、対応するメッセージをピン留めエリア75に表示させる(ステップST232)。また、表示制御部3は、ピン留めされたメッセージを関連付けられたプロジェクトのプロジェクトエリア73に表示させる。また、表示制御部3は、ピン留めされたメッセージを関連付けられたチャットエリア71に表示させる。外部連動部25は、外部メーラに対して、メールのピン留めの処理リクエストを送信する(ステップST233)。外部メーラは、メールのピン留めの処理リクエストを受信する。外部メーラは、すでに認証されているアカウントからのリクエストを許可し、メールをピン留めする(ステップST234)。外部メーラは、ピン留めに対応する処理として、例えば、該当するメールにフラグを立てる等の重要度を上げる処理を行うものであってもよい。
【0100】
また、ステップST205に続いて、利用者がプロジェクト管理システム1に対して、メール送信先の選択を指示するとする(ステップST241)。プロジェクト管理システム1は、メール送信先のデータの読込指示を受信する(ステップST242)。外部連動部25は、外部メーラに対して、メール送信先の読込リクエストを送信する(ステップST243)。外部メーラは、メール送信先の読込リクエストを受信する(ステップST244)。外部メーラは、すでに認証されているアカウントからのリクエストを許可し、プロジェクト管理システム1に対してメール送信先のデータを送信する(ステップST245)。
【実施例2】
【0101】
次に、スマートフォン等からプロジェクト管理システム1にログインした場合について説明する。
図7は、本実施例に係るプロジェクト管理システム1のUI、特に、スマートフォンなどの携帯端末からアクセスした場合のUIを例示する図である。
【0102】
図7を参照して、表示制御部3は、スマートフォン等の表示部に、ホーム画面370として通知等を表示させる。ホーム画面370には、割り当てられたタスクがあることを示す通知も表示されている。また、ホーム画面370には、チャットエリア371やプロジェクトエリア373や、ピン留めエリアや、メッセージ検索表示への画面遷移を受け付ける各種アイコン等も表示されている。アイコンの中には、例えば、外部連動部25が受信したメールを表示するメールエリア377に遷移させるメールボックスのアイコンも含まれる。
【0103】
チャットエリア371に遷移すると、チャット表示制御部31は、他の利用者ごとにメッセージや最終送受信日時等を表示させる。プロジェクトエリア373に遷移すると、プロジェクト表示制御部33は、プロジェクトごとにプロジェクト名や参加メンバーのアイコン等を表示させる。特定のプロジェクトを選択すると、個別のプロジェクトエリア379に遷移し、プロジェクト表示制御部は、プロジェクトの参加メンバー、プロジェクトの進捗度合、利用者自身に割り当てられたタスク等を表示させる。
【0104】
以上に説明した通り、本発明に係るプロジェクト管理システムにより、アカウントを有する複数の利用者間でチャットのような簡便なメッセージのやり取りを行いつつ、メッセージをプロジェクトやタスクの進捗度合に関連付けて保存及び表示・管理することが可能となる。このため、チャットのような重要度が玉石混交となるやり取りの中から、プロジェクトを進める上で重要な情報をメッセージ単位で簡便に整理することが可能となる。
【0105】
しかも、メッセージにタグ情報が付与されているため、プロジェクトや進捗度合を横断する形でメッセージを検索することが可能となる。これにより、簡便であるために雑多な情報が入りやすいチャットのやり取りでありながら、重要なメッセージが埋もれることを防ぐことが容易となる。
【実施例3】
【0106】
さらに、本実施例では、CO2(二酸化炭素)排出量の推定および計測を行う場合について述べる。例えば、本実施例に係るプロジェクト管理システムを用いて海上コンテナ輸送のプロジェクトについて関係者間でコミュニケーションを行うことが想定される。本実施例に係るプロジェクト管理システムは、プロジェクトに関連するメッセージ等に基づいて推定されたCO2排出量を記憶するCO2排出量記憶部と、本実施例のフローにおける判定処理を行うCO2判定部と、CO2排出量を報告するCO2報告部とをさらに備える。なお、海上コンテナ輸送プロジェクト以外のプロジェクトであっても本実施例で述べるCO2排出量の推定計測方法は適用可能である。
【0107】
海上コンテナの輸送には、大量の燃料を使用するため、CO2排出量を削減することを視野に入れて、プロジェクトに関連するCO2排出量を把握できることが望ましい。
【0108】
図8は、本実施例に係るプロジェクト管理方法におけるCO2排出量の推定機能を例示するフロー図である。
【0109】
図8を参照して、利用者がプロジェクトを作成する。このとき、利用者は、CO2排出量の推定計測の有無を選択可能である。利用者がCO2排出量の推定計測を行うことを選択すると、まず知識記憶部67が、特定の企業や者による輸送プロジェクトに対応する知識項目を記憶する(ステップST410)。
図8においては、ある輸送プロジェクトの知識項目として、複数のグループに分けて記憶されている。例えば、当該輸送プロジェクトにおいて、知識記憶部67は、知識カテゴリー1として、輸送関連・着港プロセス・出港プロセス等の船舶活動に関する情報を記憶する。知識記憶部67は、知識カテゴリー2として、荷役・倉庫作業・クレーン作業といった港湾作業を記憶する。知識記憶部67は、知識カテゴリー3として、労働時間・作業・事故又はエラーといった活動報告を記憶する。知識記憶部67は、他の知識項目や知識カテゴリーを記憶するものであってもよい。
【0110】
続いて、モデル生成部23が、メッセージ等からCO2排出量を推定するCO2排出量推定モデル(AIモデル)を生成する(ステップST420)。まず、モデル生成部23は、プロジェクト管理システム1が利用しているクラウドプラットフォームに、初期のAIモデルを連携させる(ステップST421)。続いて、モデル生成部23は、教師データ記憶部63にあらかじめ記憶されている教師データを用いてAIモデルに学習させる(ステップST422)。
【0111】
具体的には、メッセージと、当該メッセージに含まれる情報から推定および計測されるCO2排出量とを教師データとして用いる。これにより、モデル生成部23は、メッセージ等からプロジェクトのCO2排出量を推定するCO2排出量推定計測モデル(本願請求項に記載の「CO2排出量推定計測モデル」の一例)を機械学習により生成する。CO2排出量推定計測モデルは、利用者が所属する組織ごと、プロジェクトごとに生成される。
【0112】
ここで、メッセージ等とは、メッセージやメールといった利用者のやり取りを指す。メッセージ等に含まれる情報から推定および計測されるCO2排出量としては、例えば、船舶のタイプ、輸送重量、乗組員の人数、輸送ルート、輸送距離等から推定および計測されるCO2排出量を指す。また、プロジェクトエリアに表示されるタスクの進捗度合を進める処理が行われた場合にも想定されるCO2排出量を推定する。もちろん、メッセージ等にCO2排出量が具体的に記載されていればそのような情報も含まれる。例えば、進捗管理において船の出港や着港が予定よりも遅延すると判定された場合、予定よりも多くのCO2が排出されると推定する。
【0113】
続いて、利用者がAIモデルを利用する(ステップST430)。具体的には、CO2判定部は、利用者がメッセージ等を送受信したか否かを判定する(ステップST431)。利用者がメッセージ等を送受信していれば、CO2判定部は、当該メッセージ等にプロジェクトに関連するCO2排出量を推定および計測できる情報が含まれるか否かを判定する(ステップST432)。メッセージ等にそのような情報が含まれている場合、CO2排出量推定計測モデルは、当該情報から推定されるCO2排出量を推定および計測する(ステップST433)。
【0114】
ここで、CO2排出量推定計測モデルは、CO2排出量を直接推定する代わりに、CO2排出につながる活動量を推定し、所定の係数との積等の演算を通じてCO2排出量を推定するものであってもよい。
【0115】
次に、CO2判定部は、定期的にCO2排出量を判定するタイミングであるか否かを判定する(ステップST434)。報告のタイミングであると判定された場合、CO2報告部は、関連するプロジェクトにおいてそれまでに推定された累積のCO2排出量を利用者に報告する(ステップST435)。これには、CO2排出量をリアルタイムにダッシュボードに表示することも含まれる。また、CO2報告部は、所定のタイミングでなくとも、利用者から要求されれば、CO2排出量を利用者に報告するものであってもよい。
【0116】
続いて、CO2判定部は、輸送プロジェクトが終了したか否かについて判定する(ステップST436)。輸送プロジェクトが終了していれば、CO2報告部は、プロジェクト全体で推定されたCO2排出量を利用者に報告してフローを終了する(ステップST437)。
【0117】
ステップST431において、利用者がメッセージ等を送受信していないと判定された場合、ステップST434に進む。ステップST434において、定期的に報告するタイミングではないと判定された場合、ステップST436に進む。ステップST436において、輸送プロジェクトが終了していなければ、ステップST431に戻る。
【0118】
利用者は、実際のCO2排出量についてプロジェクト管理システムにフィードバックを行う。モデル生成部23は、このフィードバックを新たな教師データとして追加して、新たなCO2排出量推定モデルを生成する。なお、利用者が的確なフィードバックを行うために、表示制御部3が実際のCO2排出量を表示させるものであってもよい。
【実施例4】
【0119】
続いて、本実施例では、プロジェクトやタスクの進捗度合をさらに把握しやすく表示する方法について述べる。
図9は、プロジェクトの進捗度合をバーチャートで表示する例を示した図である。
図10は、タスクごとの進捗度合をバーチャートで表示する例を示した図である。
図11は、タスクごとの進捗度合に加えて、難易度もバーチャートで表示する例を示した図である。
【0120】
本実施例に係るプロジェクト管理システムは、バーチャート表示部と、難易度表示部とをさらに備える。バーチャート表示部は、進捗度合及び/又は難易度をバーチャートで表示する。難易度表示部は、プロジェクトの難易度、及び/又は、メッセージへの対応といったタスクの難易度を表示する。
【0121】
図9を参照して、本実施例に係るバーチャート表示部は、プロジェクト一覧表示エリア472の一部にプロジェクトの進捗度合を示すバーチャートを表示する。
【0122】
図10を参照して、本実施例に係るバーチャート表示部は、プロジェクトエリア473に表示される各タスクについても、進捗度合を示すバーチャートを表示する。
【0123】
図11を参照して、あるタスクについての情報が表示されている。この表示において、本実施例に係るバーチャート表示部が、タスクの進捗度を表示している。また、本実施例に係る難易度表示部がタスクの難易度を表示している。
【0124】
本実施例に係るプロジェクト管理システムの構成により、タスクやプロジェクトの進捗度合を直感的に把握することがさらに容易となる。また、タスクの進捗度合に加えて難易度も把握することが容易となる。このため、プロジェクトの状況を細かく正確に管理することがさらに容易となる。
【実施例5】
【0125】
続いて、本実施例では、本発明に係るプロジェクト管理システムにおいて、利用者がチェックリストを活用する方法について述べる。
図12は、タスクのチェック完了後に提出された旨及び承認された旨がチャットグループで共有されている様子を例示する図である。
【0126】
本実施例に係るプロジェクト管理システムは、チェックリスト表示部と、提出完了表示部と、承認ボタン表示部と、非承認ボタン表示部と、承認表示部と、非承認表示部をさらに備える。チェックリスト表示部は、プロジェクト管理システムの利用者に対してチェックリストを表示する。提出完了表示部は、チェックリストを用いたチェックが完了し提出された旨を利用者が参加しているチャットグループに表示する。承認ボタン表示部及び非承認ボタン表示部は、利用者のうち1人又は複数である承認者に対して承認ボタンと非承認ボタンを表示する。承認表示部及び非承認表示部は、承認者による承認が下りた又は却下された旨をチャットグループに表示する。
【0127】
利用者は、本実施例に係るプロジェクト管理システムに登録されているチェックリストを利用してタスクのチェックを実行可能である。全てのチェックが終わったら、チェックリストに表示される提出ボタンを押すと、チャットグループに提出された旨の通知が表示される。承認者は、提出された内容を確認し、承認するか否かを判断する。承認する場合は、承認ボタン表示部が表示する承認ボタンを押すと、チャットグループに承認された旨の通知が表示される。承認が却下の場合は、非承認ボタン表示部が表示する非承認ボタンを押すと、チャットグループに却下された旨の通知が表示される。また、非承認表示部は、承認者が記載した却下理由を表示するものであってもよい。
【0128】
図12には、チェック、提出及び承認が完了した後の表示が例示されている。チャットエリア571において、チェックが完了して提出されたことを示すチャット、及び、承認者による承認が下りたことを示すチャットが表示されている。なお、承認が却下された場合には、チャットエリア571にその旨を示すチャットが表示される。
【0129】
本実施例の構成により、チャットを用いてプロジェクトの進捗状況をチャットグループに参加している利用者でリアルタイムに共有して透明性のある業務の進行がさらに容易となる。
【0130】
チェックリストは、あらかじめ複数が登録されていてもよいし、利用者が作成したものを登録できることとしてもよい。
【実施例6】
【0131】
続いて、本実施例では、本発明に係るプロジェクト管理システムと外部の通信ソフトウェアとの連携をさらに高める方法について述べる。
【0132】
本実施例に係るプロジェクト管理システムは、外部の通信ソフトウェアのAPIと連携する。外部連動部は、外部の通信ソフトウェアからメッセージを受信する。また、外部連動部は、本実施例に係るプロジェクト管理システムのメールボックス(本願請求項における「メールエリア」の一例)における返信を、通信ソフトウェアに送信する。
【0133】
この構成により、外部通信ソフトウェアで受信したメッセージに対して、本発明に係るプロジェクト管理システムから返信することが可能となる。このため、利用者による外部通信ソフトウェアのメッセージの確認時間を削減し、メッセージの整理作業を促進することが容易となる。
【0134】
加えて、本実施例では、メールボックスにおけるメッセージの表示形式を、少なくともチャット形式及びメール形式の間で切替可能とするメッセージ表示切替部をさらに備える。
図13は、本実施例に係るプロジェクト管理システムのメールボックスにおけるメッセージの表示形式の切替を例示する図である。メールボックスにおいて、外部のメーラから本実施例に係るプロジェクト管理システムに取り込まれたメールが表示される。
【0135】
図13を参照して、メールボックスにおけるメールの表示形式が、切替トグル681を操作することにより、(a)メール形式、及び、(b)チャット形式の間で切替可能であることが例示されている。
【0136】
本実施例のこの構成により、外部の通信ソフトウェアと連動しつつ、利用者に違和感のないユーザーインターフェースを提供することが可能となる。
【0137】
また、本実施例では、外部通信ソフトウェアで受信したメッセージに対して、本発明に係るプロジェクト管理システムのチャットエリアで返信することを可能とした。このため、利用者による外部通信ソフトウェアのメッセージの確認時間を削減し、メッセージの整理作業を促進することが容易となる。
【実施例7】
【0138】
続いて、本実施例では、チャットエリアやメールボックスにおけるチャットやメールの外部への保存方法について述べる。本実施例に係るプロジェクト管理システムの外部連動部は、チャットエリアやメールボックスに表示されたチャットやメールの少なくとも一部を外部ソフトウェアに保存することを可能とする。
図14は、チャットの一部を外部に保存する様子を例示する図である。
【0139】
図14を参照して、利用者が転記(保存)したいチャットメッセージを選択してアイコンをクリックすると、予め設定された外部ソフトウェアの特定のファイルに選択されたチャットメッセージが保存される。このため、個別にチャットの文字列を選択してコピー及びペーストする場合と比較して、簡便にチャットを保存可能となる。
【0140】
また、本実施例に係るプロジェクト管理システムを会社等の組織として利用する場合も想定される。外部連動部は、事前に会社の保存先フォルダを登録した上で、全グループチャットのやり取りが、グループごとに自動で外部ソフトウェアのファイルにアップデート保存されていくこととしてもよい。
【0141】
さらに、削除されたメッセージか否かも記録することにより、外部ソフトウェアのファイルをメッセージのやり取りのログとして活用できる。
【0142】
チャットのログを外部に共有したい場合は、チャットが保存されたファイルをダウンロードするだけで済むため、資料作成の時間削減にもつながる。
【0143】
いずれにせよ、本実施例に係るプロジェクト管理システムの構成により、チャットのログを簡便に外部ソフトウェア等に保存することが可能となる。
【0144】
なお、タグ情報は、利用者の指示に基づいてタグ付与部13が付与することもできるし、タグ自動付与部15がメッセージの内容に基づいて自動的に付与することも可能である。この場合、検索部17がタグ情報に基づいて検索すると、検索表示制御部41は、タグ付与部13が付与したタグとタグ自動付与部15が付与したタグを区別して検索結果を表示する。これにより、自動的にタグが付与される利便性と、利用者が認識しないうちに誤ったタグが付与された場合の混同防止を両立することが可能となる。
【0145】
また、タグ記憶部57は、タスクに付与されたタグをも記憶するものであってもよい。この場合、プロジェクト表示制御部33は、メッセージのタグ情報を識別して、関連するタグが付与されたタスクに自動的にメッセージを関連付けて表示するものであってもよい。
【0146】
なお、
図3のフローにおいて、本発明に係るプロジェクト管理方法は、利用者に対して、各判定ステップを順番を変更して行わせるものであってもよい。
【0147】
また、表示制御部3は、プロジェクトエリア73において、進捗度合を横軸に沿って表示し、プロジェクトを縦軸に沿って表示させるものであってもよい。
【0148】
また、表示制御部3は、プロジェクトエリアに又はチャットエリアとは異なるタグ付メッセージエリアに、同じタグが付与されたメッセージを関連付けて表示させるものであってもよい。これにより、利用者は、同じタグが付与されたメッセージを手動でプロジェクトエリアに関連付ける作業の手間を省くことが可能となる。
【0149】
さらに、モデル生成部23は、メッセージと、プロジェクト又はタスクのパターンと、当該パターンが適切か否かについての判定結果とを教師データとして用い、メッセージからプロジェクト又はタスクのパターンを生成する作業提案モデルを機械学習により生成するものであってもよい。これにより、利用者は、メッセージのやり取りに基づいてプロジェクト管理システムが提案するタスクのパターンに従って作業を行うことで効率の良いオペレーションを行うことが可能となる。このとき、利用者ごとに又はプロジェクトごとに作業提案モデルを生成するものであってもよい。また、作業提案モデルは、提案するパターンに加えて、レポートも生成するものであってもよい。このレポートは、メッセージやプロジェクトの内容をふまえて生成されるものであり、例えば、提案するパターンやプロジェクトの進捗に関するものである。また、レポートは、例えば、毎月のように所定のタイミングで生成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0150】
1;プロジェクト管理システム、
3;表示制御部、31;チャット表示制御部、33;プロジェクト表示制御部、35;進捗度合表示制御部、37;タグ表示制御部、39;警告表示制御部、41;検索表示制御部、43;添付ファイル表示制御部、
5;記憶部、51;アカウント記憶部、53;プロジェクト記憶部、55;メッセージ記憶部、57;タグ記憶部、59;機密記憶部、61;閾値記憶部、63;教師データ記憶部、65;モデル記憶部、67;知識記憶部、
7;プロジェクト選択部、9;メッセージ送信部、11;メッセージ選択部、13;タグ付与部、15;タグ自動付与部、17;検索部、19;機密判定部、21;整合率算出部、23;モデル生成部、25;外部連動部
71;チャットエリア、73;プロジェクトエリア、75;ピン留めエリア、77;メールエリア
370;ホーム画面、371;チャットエリア、373;プロジェクトエリア、377;メールエリア、379;個別プロジェクトエリア
471;チャットエリア、472;プロジェクト一覧表示エリア、473;プロジェクトエリア
571;チャットエリア
681;切替トグル
781;アイコン
【要約】
【課題】 本発明は、プロジェクト管理のための負担を低減しつつ、適切に進捗管理を行うことが可能なプロジェクト管理システム等を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数の者が関わるプロジェクトを管理するプロジェクト管理システムであって、利用者のアカウント情報を記憶するアカウント記憶部と、プロジェクトを表示するプロジェクトエリア、及び、チャットグループにおけるメッセージを表示するチャットエリアを表示させる表示制御部と、プロジェクトを選択するプロジェクト選択部と、複数の利用者の間でメッセージを送信するメッセージ送信部と、チャットエリアに表示されたメッセージを選択するメッセージ選択部と、選択されたプロジェクトと選択されたメッセージとを関連付けて記憶するメッセージ記憶部とを備える、プロジェクト管理システム。
【選択図】
図1