(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】電子決済端末装置
(51)【国際特許分類】
G07F 7/08 20060101AFI20250124BHJP
【FI】
G07F7/08 Q
(21)【出願番号】P 2024168567
(22)【出願日】2024-09-27
【審査請求日】2024-11-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307003777
【氏名又は名称】株式会社日本コンラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140165
【氏名又は名称】高田 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】手塚 宏
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-158835(JP,A)
【文献】特開2017-142612(JP,A)
【文献】特開2018-169909(JP,A)
【文献】特開2021-043761(JP,A)
【文献】特開2007-328395(JP,A)
【文献】特開2007-102319(JP,A)
【文献】特開平11-259577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00 - 9/10
G06Q 20/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済媒体に登録された第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとに対応可能な電子決済端末装置であって、
前記第1類型の電子決済サービスは、第1の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、前記電子決済媒体に2つ以上登録できるものであり、
前記第2類型の電子決済サービスは、第2の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、前記電子決済媒体に1つのみ登録できるものであり、
前記電子決済端末装置は、前記電子決済媒体に登録された電子決済サービスを検知し、その電子決済サービスによる決済処理を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが、前記第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第1所定の決済サービスである場合には、前記第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う
電子決済端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子決済端末装置であって、
前記第1類型の電子決済サービスは、電子マネーの電子決済サービスであり、前記第2類型の電子決済サービスは、クレジットカードのコンタクトレス決済サービスである電子決済端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電子決済端末装置であって、
前記第1所定の電子決済サービスは、前記第2類型の電子決済サービスのクレジットカードに対応するクレジットカードに紐づけられた電子マネーの電子決済サービスである電子決済端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電子決済端末装置であって、
電子決済サービスの選択画面を表示する表示部をさらに備える電子決済端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した前記第1類型の電子決済サービスが1つのときは、その検知した電子決済サービスによる決済処理を行い、検知した前記第1類型の電子決済サービスが2つ以上のときは、前記表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させる電子決済端末装置。
【請求項6】
請求項4に記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが2つ以上である場合には、前記表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させる電子決済端末装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第2類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した前記第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う電子決済端末装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが、前記第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第2所定の決済サービスである場合には、前記第2所定の電子決済サービスによる決済処理を行う電子決済端末装置。
【請求項9】
請求項1に記載の電子決済端末装置であって、
前記電子決済端末装置は、さらに、前記電子決済媒体に登録された第3類型の電子決済サービスに対応可能であり、
前記第3類型の電子決済サービスは、前記電子決済媒体に表示されるコードを読み取ることによって決済を行うコード決済サービスであり、
前記制御部は、前記第3類型の電子決済サービスを検知した場合、前記第3類型の電子決済サービスによる決済処理を行う
電子決済端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子決済サービスに対応する電子決済端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子決済端末装置は、電子決済サービスにおける決済に用いられる端末装置であって、多くの場合、自動販売機、精算機、POSレジ、券売機、コインロッカー、サービス機器など(以下、「自動販売機等」という。)に接続又は搭載されて利用されている(特許文献1参照)。
【0003】
電子決済端末装置には、複数の電子決済サービスに対応するものも存在する。このような複数の電子決済サービスに対応する電子決済端末装置は、通常、決済の処理に先立って、利用者が決済に用いる電子決済サービスを選択するものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の電子決済サービスに対応する電子決済端末装置であって、迅速な決済処理が可能な電子決済端末装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の電子決済端末装置は、電子決済媒体に登録された第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとに対応可能な電子決済端末装置であって、前記第1類型の電子決済サービスは、第1の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、前記電子決済媒体に2つ以上登録できるものであり、前記第2類型の電子決済サービスは、第2の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、前記電子決済媒体に1つのみ登録できるものであり、前記電子決済端末装置は、前記電子決済媒体に登録された電子決済サービスを検知し、その電子決済サービスによる決済処理を行う制御部を備え、前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが、前記第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第1所定の決済サービスである場合には、前記第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う。
【0007】
前記第1類型の電子決済サービスは、電子マネーの電子決済サービスであり、前記第2類型の電子決済サービスは、クレジットカードのコンタクトレス決済サービスであってもよい。また、前記第1所定の電子決済サービスは、前記第2類型の電子決済サービスのクレジットカードに対応するクレジットカードに紐づけられた電子マネーの電子決済サービスであってもよい。
【0008】
前記電子決済端末装置は、電子決済サービスの選択画面を表示する表示部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した前記第1類型の電子決済サービスが1つのときは、その検知した電子決済サービスによる決済処理を行い、検知した前記第1類型の電子決済サービスが2つ以上のときは、前記表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させるものであってもよい。また、前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが2つ以上である場合には、前記表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させるものであってもよい。また、前記制御部は、前記第2類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した前記第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行うものであってもよい。
【0009】
前記電子決済端末装置は、前記制御部が、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが、前記第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第2所定の決済サービスである場合には、前記第2所定の電子決済サービスによる決済処理を行うものであってもよい。
【0010】
前記電子決済端末装置は、さらに、前記電子決済媒体に登録された第3類型の電子決済サービスに対応可能であり、前記第3類型の電子決済サービスは、前記電子決済媒体に表示されるコードを読み取ることによって決済を行うコード決済サービスであり、前記制御部は、前記第3類型の電子決済サービスを検知した場合、前記第3類型の電子決済サービスによる決済処理を行うものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電子決済端末装置によれば、決済処理を迅速に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態の電子決済端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】電子決済端末装置の外観の一例を示す斜視図である。
【
図3A】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、電子決済サービス選択画面を示す。
【
図3B】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、商品の選択を促す画面を示す。
【
図3C】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、事前選択された電子決済サービス(電子マネーA)が登録された電子決済媒体のタッチを促す画面を示す。
【
図3D】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を離さないように指示する画面を示す。
【
図3E】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、決済の処理が完了したことを知らせる画面を示す。
【
図3F】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、電子決済媒体のタッチまたは電子決済媒体に表示されたコードの撮影を促す画面を示す。
【
図3G】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、2つ以上の第1類型の電子決済サービス(電子マネーA~C)を検知した場合において、決済に用いる電子決済サービスの選択を促す画面を示す。
【
図3H】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、検知した第2類型の電子決済サービス(クレジットA)による決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を離さないように指示する画面を示す。
【
図3I】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、検知した第2類型の電子決済サービス(クレジットA)による決済の処理が完了したことを知らせる画面を示す。
【
図3J】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、1つの第1類型の決済サービス(電子マネーB)と第2類型の電子決済サービス(クレジットA)を検知した場合において、決済に用いる電子決済サービスの選択を促す画面を示す。
【
図3K】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、選択された電子決済サービス(クレジットA)が登録された電子決済媒体のタッチを促す画面を示す。
【
図3L】電子決済端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す正面図であり、2つ以上の第1類型の決済サービス(電子マネーA~C)と第2類型の電子決済サービス(クレジットA)を検知した場合において、決済に用いる電子決済サービスの選択を促す画面を示す。
【
図4】電子決済端末装置の処理の流れの第1の例を示すフロー図であり、自動販売機に搭載された電子決済端末装置の処理の流れを示す。
【
図5】電子決済サービスの事前選択がない場合における決済処理(事前選択なし決済処理)の流れの第1の例を示すフロー図である。
【
図6】電子決済サービスの事前選択がない場合における決済処理(事前選択なし決済処理)の流れの第2の例を示すフロー図である。
【
図7】電子決済端末装置の処理の流れの第2の例を示すフロー図であり、精算機に搭載された電子決済端末装置の処理の流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の電子決済端末装置10の構成を示すブロック図である。
図2は、電子決済端末装置10の外観の一例を示す斜視図である。
図3Aから
図3Lは、電子決済端末装置10のタッチパネル17、18の表示の一例を示す正面図である。
【0015】
電子決済端末装置10は、電子決済サービスにおける決済に用いられる端末装置であり、通常、自動販売機等に接続又は搭載されて利用される。電子決済端末装置10は、電子決済媒体に登録されている電子決済サービスを読み取って、当該電子決済サービスによる決済処理を行う。
【0016】
電子決済サービスとしては、例えば、電子マネー、クレジットカードのコンタクトレス決済、および、コード決済が挙げられる。本実施形態の電子決済端末装置10は、複数の電子決済サービスに対応可能であることを特徴の1つとしている。
【0017】
電子決済媒体は、非接触ICカード、非接触ICカードのエミュレーション機能を有する携帯端末、または、コード決済に用いられるコードを表示する機能を有する携帯端末である。また、電子決済媒体は、コード決済に用いられるコードが印刷された印刷媒体であってもよい。上述の携帯端末としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、および、スマートウォッチが挙げられる。非接触ICカードのエミュレーション機能を有する携帯端末への電子決済サービスの登録は、例えば、Google Pay(登録商標)、Apple Pay(登録商標)、おサイフケータイ(登録商標)などのアプリケーションを利用してなされる。上述の印刷媒体としては、例えば、紙又はプラスチック製のカードが挙げられる。
【0018】
図1及び
図2に示すように、電子決済端末装置10は、制御部11と、記憶部12と、第1通信部13と、第2通信部14と、近距離無線通信部15と、撮影部16と、表示部17と、入力部18と、を備える。
【0019】
制御部11は、電子決済端末装置10における処理を制御する。また、制御部11は、後述の近距離無線通信部15及び撮影部16を介して、電子決済媒体に登録された電子決済サービスを検知し、その電子決済サービスによる決済処理を行う。制御部11は、次に述べる記憶部12に記憶されているプログラムに従って、電子決済端末装置10における処理を制御する。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。本明細書において、電子決済端末装置10によってなされていると記載されている処理については、この制御部11によってなされているといえる。
【0020】
記憶部12は、制御部11が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)によって構成される。
【0021】
第1通信部13は、電子決済端末装置10が接続又は搭載される自動販売機等の主制御と通信する。つまり、第1通信部13は、電子決済端末装置10が接続又は搭載される自動販売機等の主制御との通信に使用される通信インターフェースである。第1通信部13は、例えば、ローカル通信線経由で、自動販売機等の主制御に接続される。
【0022】
第2通信部14は、外部の電子決済サービスのセンターサーバと通信する。つまり、第2通信部14は、電子決済サービスのセンターサーバとの通信に使用される通信インターフェースである。第2通信部14は、例えば、無線通信網経由で、電子決済サービスのセンターサーバに接続される。
【0023】
表示部17及び入力部18は、ユーザーインターフェース(User Interface)を構成する部分である。表示部17は、利用者に向けた情報を表示する。入力部18は、利用者からの入力を受け付ける。本実施形態の電子決済端末装置10の表示部17及び入力部18は、表示部18と出力部17とを兼ねるタッチパネル17、18により構成されている。なお、本発明の表示部17及び入力部18の構成は、このようなものに限定されない。例えば、表示部17をディスプレイにより構成し、入力部18を当該ディスプレイから独立した押しボタンスイッチにより構成することも考えられる。
【0024】
近距離無線通信部15は、近距離無線通信によって、近距離無線通信部15の近傍にかざされた電子決済媒体と通信する。つまり、近距離無線通信部15は、電子決済媒体との通信に使用される通信インターフェースである。近距離無線通信部15は、アンテナを有している。本実施形態の近距離無線通信部15のアンテナは、
図2の破線で示すように、タッチパネル17、18の背面に配置されている。以後、電子決済媒体を近距離無線通信部15の近傍にかざすことを、近距離無線通信部15に「タッチする」ということもある。
【0025】
撮影部16は、電子決済媒体に表示されたコード決済の電子決済サービスのコードを撮影する。撮影部16は、例えば、CCDカメラによって構成される。
【0026】
電子決済端末装置10の基本的構成は上述のとおりであるが、本実施形態の電子決済端末装置10は、さらに、以下で説明する特徴を有している。
【0027】
本実施形態の電子決済端末装置10は、少なくとも、次に述べる第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとに対応可能である。
【0028】
第1類型の電子決済サービスは、第1の無線通信規格による無線通信を利用する電子決サービスであって、1つの電子決済媒体に2つ以上登録できる電子決済サービスである。
【0029】
本実施形態の第1の無線通信規格は、NFC(Near Field Communication)のType-F(ISO/IEC18092)である。より具体的には、本実施形態の第1の無線通信規格は、Felica(登録商標)である。
【0030】
本実施形態の第1類型の電子決済サービスは、電子マネーの電子決済サービスである。本明細書では、「電子マネーの電子決済サービス」とは、プリペイド方式又はポストペイ方式の電子的な決済手段の仕組みを用いた電子決済サービスであって、後述のクレジットカードのコンタクトレス決済及びコード決済のいずれにも該当しない電子決済サービスをいうものとする。電子マネーの電子決済サービスとしては、例えば、iD(登録商標)、QUICPay(登録商標)、Suica(登録商標)、nanaco(登録商標)、WAON(登録商標)、楽天Edy(登録商標)、PiTaPa(登録商標)が挙げられる。
【0031】
本実施形態の第2の無線通信規格は、NFCのType-A、Type-B(ISO/IEC14443)である。より具体的には、本実施形態の第2の無線通信規格は、EMV(Euro pay、MasterCard、VISA protocol)仕様の規格である。
【0032】
第2類型の電子決済サービスは、上述の第1の無線通信規格とは異なる第2の無線通信規格による無線通信を利用する電子決済サービスであって、1つの電子決済媒体に1つのみ登録できる電子決済サービスである。ただし、この第2類型の電子決済サービスと第1類型の電子決済サービスとを、1つの電子決済媒体に登録することは可能である。
【0033】
本実施形態の第2類型の電子決済サービスは、クレジットカードのコンタクトレス決済(タッチ決済)である。クレジットカードのコンタクトレス決済としては、例えば、Visa(登録商標)、American Express(登録商標)、Discover(登録商標)、Diners Club(登録商標)及び銀聯(登録商標)のコンタクトレス決済(タッチ決済)が挙げられる。
【0034】
第1類型及び第2類型の電子決済サービスが上述のようなものであることから、1つの電子決済媒体に登録される第1類型及び第2類型の電子決済サービスの組み合わせは、次の(A)から(E)のいずれかとなる。
(A)1つの第1類型の電子決済サービス
(B)2つ以上の第1類型の電子決済サービス
(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス
(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス
(E)1つの第2類型の電子決済サービス
【0035】
また、電子決済端末装置10が電子決済媒体の読み取りにより検知する電子決済サービスの組み合わせも、上述の(A)から(E)のいずれかとなる。
【0036】
そして、本実施形態の電子決済端末装置10は、検知した電子決済サービスが上述の「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合であって、且つ、検知した第1類型の電子決済サービスが、第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第1所定の決済サービスである場合には、第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行うものとなっている。
【0037】
換言すると、本実施形態の電子決済端末装置10の制御部11は、第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとの両方を検知し、且つ、検知した第1類型の電子決済サービスが、第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第1所定の決済サービスである場合には、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う。
【0038】
この構成により、上述の場合には、利用者による電子決済サービスの選択を経ることなく、決済処理を完了させることが可能となる。
【0039】
第1所定の電子決済サービスは、第1類型の電子決済サービスのうちから任意に定めることが可能である。ただし、利用者の利便性などの観点から、第1類型の電子決済サービスを電子マネーの電子決済サービスとし、第2類型の電子決済サービスをクレジットカードのコンタクトレス決済サービスとするとともに、第1所定の電子決済サービスを、第2類型の電子決済サービスのクレジットカードに対応するクレジットカードに紐づけられた電子マネーの電子決済サービスとするのが好ましい。このような第1所定の電子決済サービスとしては、例えば、iD(登録商標)、QUICPay(登録商標)が挙げられる。
【0040】
また、本実施形態の電子決済端末装置10は、検知した電子決済サービスが上述の「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合であって、且つ、検知した第1類型の電子決済サービスが、第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第2所定の決済サービスである場合には、第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行うものであってもよい。
【0041】
換言すると、本実施形態の電子決済端末装置10の制御部11は、第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した第1類型の電子決済サービスが、第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第2所定の決済サービスである場合には、第2所定の電子決済サービスによる決済処理を行うものであってもよい。ここで、第2所定の電子決済サービスは、前述の第1所定の電子決済サービスとは異なる電子決済サービスである。
【0042】
この構成により、上述の場合には、利用者による電子決済サービスの選択を経ることなく、決済処理を完了させることが可能となる。
【0043】
第2所定の電子決済サービスは、第1類型の電子決済サービスであって、前述の第1所定の電子決済サービスに該当しない電子決済サービスのうちから任意に定めることが可能である。ただし、利用者の利便性などの観点から、第2所定の電子決済サービスは、利用度の大きい電子決済サービスであることが好ましい。このような第2所定の電子決済サービスとしては、例えば、Suica(登録商標)、nanaco(登録商標)などの交通系の電子マネーの電子決済サービスが挙げられる。
【0044】
また、本実施形態の電子決済端末装置10は、タッチパネル17、18に、利用者に対して電子決済サービスの選択を受け付ける画面を表示することができるものとなっている(
図3A、
図3G、
図3J、
図3L参照)。換言すると、本実施形態の電子決済端末装置10は、電子決済サービスの選択画面を表示する表示部をさらに備えるものとなっている。この構成により、必要に応じて、利用者が決済に用いる電子決済サービスを選択できるようになっている。
【0045】
また、本実施形態の電子決済端末装置10は、検知した電子決済サービスが上述の「(A)1つの第1類型の電子決済サービス」の場合、その検知した電子決済サービスによる決済処理を行い、上述の「(B)2つ以上の第1類型の電子決済サービス」の場合、タッチパネル17、18に、利用者に対して電子決済サービスの選択を受け付ける画面を表示するものとなっている。換言すると、本実施形態の電子決済端末装置10の制御部11は、第1類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した第1類型の電子決済サービスが1つのときは、その検知した電子決済サービスによる決済処理を行い、検知した第1類型の電子決済サービスが2つ以上のときは、表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させるものとなっている。
【0046】
また、本実施形態の電子決済端末装置10は、検知した電子決済サービスが上述の「(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合、タッチパネル17、18に、利用者に対して電子決済サービスの選択を受け付ける画面を表示するものとなっている。換言すると、本実施形態の電子決済端末装置10の制御部11は、第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した第1類型の電子決済サービスが2つ以上である場合には、表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させるものとなっている。
【0047】
なお、本発明の電子決済端末装置10では、検知した電子決済サービスが上述の「(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合であっても、検知した第1類型の電子決済サービスの中に前述の第1所定の電子決済サービスが存在する場合には、「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」と同様に、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済を行うようにすることもできる。さらに、本発明の電子決済端末装置10では、検知した電子決済サービスが上述の「(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合であっても、検知した第1類型の電子決済サービスの中に前述の第2所定の電子決済サービスが存在する場合には、「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」と同様に、その第2所定の電子決済サービスによる決済を行うようにすることもできる。
【0048】
また、本実施形態の電子決済端末装置10は、検知した電子決済サービスが上述の「(E)1つの第2類型の電子決済サービス」の場合、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行うものとなっている。換言すると、本実施形態の電子決済端末装置10の制御部11は、第2類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行うものとなっている。
【0049】
さらに、本実施形態の電子決済端末装置10は、上述の第1類型及び第2類型の電子決済サービスの他に、次に述べる第3類型の電子決済サービスにも対応可能なものとなっている。
【0050】
第3類型の電子決済サービスは、電子決済媒体に表示されるコードを読み取ることによって決済を行うコード決済サービスである。電子決済媒体に表示されるコードは、例えば、携帯端末に表示されたコード、または、印刷媒体に印刷されたコードである。
【0051】
コード決済サービスに用いられるコードは、バーコードなどの1次元コードまたはQRコード(登録商標)などの2次元コードである。第3類型の電子決済サービスとしては、例えば、PayPay(登録商標)、LINE Pay(登録商標)、楽天ペイ(登録商標)、au Pay(登録商標)、メルペイ(登録商標)及びd払い(登録商標)のQRコード決済が挙げられる。
【0052】
本実施形態の電子決済端末装置10は、第3類型の電子決済サービスによる決済処理を優先させるものとなっている。換言すると、本実施形態の電子決済端末装置10の制御部11は、第3類型の電子決済サービスを検知した場合、検知した第3類型の電子決済サービスによる決済処理を行うものとなっている。
【0053】
以上の各構成により、本実施形態の電子決済端末装置10は、迅速な決済処理が可能なものとなっている。
【0054】
次に、本実施形態の電子決済端末装置10の処理の流れについて説明する。
【0055】
図4は、電子決済端末装置10の処理の流れの第1の例を示すフロー図であり、
図4のフロー図は、自動販売機に搭載された電子決済端末装置10の処理の流れを示す。
【0056】
電子決済端末装置10が搭載された自動販売機は、待機状態において、商品の選択を受け付ける状態となっている(S1、S2)。利用者は、例えば、自動販売機に設けられた商品選択ボタンを押下することにより、商品を選択できる。
【0057】
また、電子決済端末装置10は、待機状態において、電子決済サービスの選択を受け付ける状態となっている(S1、S2)。
【0058】
このとき、電子決済端末装置10は、
図3Aに示すように、タッチパネル17、18に電子決済サービス選択画面を表示する。利用者は、タッチパネル17、18に表示されている各電子決済サービスのアイコンをタッチすることによって、電子決済サービスを選択できる。
【0059】
電子決済端末装置10が搭載された自動販売機の利用者は、自動販売機での商品の選択の前に、決済に用いる電子決済サービスを選択することができる。また、電子決済端末装置10が搭載された自動販売機の利用者は、決済に用いる電子決済サービスを選択することなく、自動販売機での商品の選択をすることもできる。以後、ここでの電子決済サービスの選択を「電子決済サービスの事前選択」ということもある。また、ここで選択された電子決済サービスを、「事前選択された電子決済サービス」ということもある。
【0060】
まず、自動販売機の利用者が、自動販売機での商品の選択の前に、電子決済サービスの事前選択を行った場合について説明する。
【0061】
待機状態において、電子決済端末装置10が電子決済サービスの事前選択を受け付けた場合、電子決済端末装置10は、自動販売機での商品の選択の受付を待つ状態となる(S4)。
【0062】
このとき、電子決済端末装置10は、
図3Bに示すように、タッチパネル17、18に商品の選択を促す画面を表示する。
図3Bは、事前選択された電子決済サービスが電子マネーAである例を示している。
【0063】
自動販売機が商品の選択を受け付けると、自動販売機の主制御は、第1通信部13を介して、電子決済端末装置10の制御部11に決済金額の情報を送信する。その後、電子決済端末装置10は、事前選択された電子決済サービスによる決済処理を行う(S5)。
【0064】
このとき、電子決済端末装置10は、
図3Cに示すように、タッチパネル17、18に、事前選択された電子決済サービスが登録された電子決済媒体を近距離無線通信部15にタッチすることを促す画面を表示する。電子決済端末装置10が電子決済媒体に登録された電子決済サービスを読み取ってから決済の処理を完了するまでの間、電子決済端末装置10は、
図3Dに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を近距離無線通信部15から離さないように指示する画面を表示する。電子決済端末装置10が決済の処理を完了したとき、電子決済端末装置10は、
図3Eに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0065】
なお、事前選択された決済サービスがコード決済である場合には、電子決済端末装置10は、タッチパネル17、18に、電子決済媒体に表示されたコードを撮影部16により撮影することを促す画面を表示する。また、電子決済端末装置10が電子決済媒体に表示されたコードを読み取ってから決済の処理を完了するまでの間、電子決済端末装置10は、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせる画面を表示する。そして、電子決済端末装置10が決済の処理を完了したとき、電子決済端末装置10は、表示部17に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0066】
電子決済端末装置10が事前選択された電子決済サービスによる決済処理(S5)を行った後、自動販売機は、商品の提供を行う(S6)。
【0067】
次に、自動販売機の利用者が、電子決済サービスの事前選択を行うことなく、自動販売売機での商品の選択をした場合について説明する。
【0068】
自動販売機が商品の選択を受け付けると、自動販売機の主制御は、第1通信部13を介して、電子決済端末装置10の制御部11に決済金額の情報を送信する。その後、電子決済端末装置10は、後述の電子決済サービスの事前選択がない場合の決済処理を行う(S3)。以後、電子決済サービスの事前選択がない場合の決済処理を、「事前選択なし決済処理」ということもある。
【0069】
電子決済端末装置10が上述の事前選択なし決済処理S3を行った後、自動販売機は、商品の提供を行う(S6)。
【0070】
図5は、電子決済サービスの事前選択がない場合の決済処理(事前選択なし決済処理)S3の流れの第1の例を示すフロー図である。
【0071】
事前選択なし決済処理S3では、まず、電子決済端末装置10は、電子決済媒体の近距離無線通信部15へのタッチ、および、電子決済媒体に表示されたコードの撮影部16による撮影を受け付けて、電子決済媒体を読み取ることができる状態となる(S31)。
【0072】
このとき、電子決済端末装置10は、
図3Fに示すように、タッチパネル17、18に、電子決済媒体を近距離無線通信部15にタッチすること、または、電子決済媒体に表示されたコードを撮影部16により撮影することを促す画面を表示する。
【0073】
前述のとおり、電子決済端末装置10が電子決済媒体の読み取りにより検知する電子決済サービスの組み合わせは、次の(A)から(F)のいずれかとなる。
(A)1つの第1類型の電子決済サービス
(B)2つ以上の第1類型の電子決済サービス
(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス
(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス
(E)1つの第2類型の電子決済サービス
(F)第3類型の電子決済サービス
【0074】
検知した電子決済サービスが上述の「(A)1つの第1類型の電子決済サービス」の場合、電子決済端末装置10は、その検知した第1類型の決済サービスによる決済処理を行う(S32、S37)。
【0075】
このとき、電子決済端末装置10は、決済の処理中は、
図3Dに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを示すとともに、電子決済媒体を近距離無線通信部15から離さないように指示する画面を表示し、決済の処理が完了したとき、
図3Eに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0076】
検知した電子決済サービスが上述の「(B)2つ以上の第1類型の電子決済サービス」の場合、電子決済端末装置10は、電子決済サービスの選択を受け付ける処理を行い(S33)、その後、そこで選択された第1類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S37)。以後、電子決済サービスの選択を受け付ける処理を、「電子決済サービス選択処理」ということもある。
【0077】
このとき、電子決済端末装置10は、タッチパネル17、18に、
図3Gに示すように、決済に用いる電子決済サービスの選択を促す画面を表示する。利用者による電子決済サービスの選択がなされた後、電子決済端末装置10は、
図3Cに示すように、タッチパネル17、18に、電子決済媒体を近距離無線通信部15にタッチすることを促す画面を表示する。電子決済端末装置10が選択された電子決済サービスを読み取ってから決済の処理を完了するまでの間、電子決済端末装置10は、
図3Dに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を近距離無線通信部15から離さないように指示する画面を表示する。電子決済端末装置10が決済の処理を完了したとき、電子決済端末装置10は、
図3Eに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0078】
検知した電子決済サービスが上述の「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合、電子決済端末装置10は、その第1類型の電子決済サービスが、予め定められた第1所定の電子決済サービスであるか否かを判断する(S35)。
【0079】
ここで、検知した第1類型の電子決済サービスが第1所定の電子決済サービスである場合、電子決済端末装置10は、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S38)。
【0080】
このとき、電子決済端末装置10は、決済の処理中は、
図3Hに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を近距離無線通信部15から離さないように指示する画面を表示し、決済の処理が完了したとき、
図3Iに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0081】
一方、検知した第1類型の電子決済サービスが第1所定の電子決済サービスでない場合、電子決済端末装置10は、電子決済サービスの選択を受け付ける処理(電子決済サービス選択処理)を行い(S36)、その後、そこで選択された第1類型または第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S37、38)。
【0082】
このとき、電子決済端末装置10は、
図3Jに示すように、タッチパネル17、18に、決済に用いる電子決済サービスの選択を促す画面を表示する。利用者による電子決済サービスの選択がなされた後、電子決済端末装置10は、
図3Kに示すように、タッチパネル17、18に、電子決済媒体を近距離無線通信部15にタッチすることを促す画面を表示する。電子決済端末装置10が選択された電子決済サービスを読み取ってから決済の処理を完了するまでの間、電子決済端末装置10は、
図3Hに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を近距離無線通信部15から離さないように指示する画面を表示する。電子決済端末装置10が決済の処理を完了したとき、電子決済端末装置10は、
図3Iに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0083】
検知した電子決済サービスが「(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合、電子決済端末装置10は、電子決済サービスの選択を受け付ける処理(電子決済サービス選択処理)を行い(S36)、その後、そこで選択された第1類型または第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S37、38)。
【0084】
ここで、電子決済端末装置10は、
図3Lに示すように、タッチパネル17、18に、決済に用いる電子決済サービスの選択を促す画面を表示する。利用者による電子決済サービスの選択がなされた後、電子決済端末装置10は、
図3Kに示すように、タッチパネル17に、電子決済媒体を近距離無線通信部15にタッチすることを促す画面を表示する。電子決済端末装置10が選択された電子決済サービスを読み取ってから決済の処理を完了するまでの間、電子決済端末装置10は、
図3Hに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を近距離無線通信部15から離さないように指示する画面を表示する。電子決済端末装置10が決済の処理を完了したとき、電子決済端末装置10は、
図3Iに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0085】
なお、前述のとおり、本発明の電子決済端末装置10では、検知した電子決済サービスが上述の「(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合であっても、検知した第1類型の電子決済サービスの中に前述の第1所定の電子決済サービスが存在する場合には、「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」と同様に、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済を行うようにすることもできる。
【0086】
検知した電子決済サービスが「(E)1つの第2類型の電子決済サービス」の場合、電子決済端末装置10は、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S38)。
【0087】
このとき、電子決済端末装置10は、
図3Hに示すように、決済の処理中は、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせるとともに、電子決済媒体を近距離無線通信部15から離さないように指示する画面を表示し、決済の処理が完了したとき、
図3Iに示すように、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0088】
検知した電子決済サービスが「(F)第3類型の電子決済サービス」の場合、電子決済端末装置10は、その第3類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S39)。
【0089】
このとき、電子決済端末装置10は、決済の処理中は、タッチパネル17、18に、決済の処理中であることを知らせる画面を表示し、決済の処理が完了したとき、タッチパネル17、18に、決済の処理が完了したことを知らせる画面を表示する。
【0090】
図6は、電子決済サービスの事前選択がない場合における決済処理(事前選択なし決済処理)S3の流れの第2の例を示すフロー図である。
【0091】
この第2の例は、検知した電子決済サービスが上述の「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合における処理においてのみ、上述の第1の例と相違する。そのため、ここでは、検知した電子決済サービスが上述の「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合についてのみ説明する。
【0092】
検知した電子決済サービスが上述の「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合、電子決済端末装置10は、その第1類型の電子決済サービスが、予め定められた第2所定の電子決済サービスであるか否かを判断する(S35-0)。
【0093】
ここで、検知した第1類型の電子決済サービスが第2所定の電子決済サービスである場合、電子決済端末装置10は、その検知した第1類型の電子決済サービスである第2所定の電子決済サービスによる決済処理を行う(S37)。
【0094】
一方、検知した第1類型の電子決済サービスが第2所定の電子決済サービスでない場合、電子決済端末装置10は、その第1類型の電子決済サービスが、予め定められた第1所定の電子決済サービスであるか否かを判断する(S35)。
【0095】
ここで、検知した第1類型の電子決済サービスが第1所定の電子決済サービスである場合、電子決済端末装置10は、検知した第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S38)。
【0096】
一方、検知した第1類型の電子決済サービスが第1所定の電子決済サービスでない場合、電子決済端末装置10は、電子決済サービスの選択を受け付ける処理(電子決済サービス選択処理)を行い(S36)、その後、そこで選択された第1類型または第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う(S37、38)。
【0097】
なお、前述のとおり、本発明の電子決済端末装置10では、検知した電子決済サービスが上述の「(D)2つ以上の第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」の場合であっても、検知した第1類型の電子決済サービスの中に前述の第2所定の電子決済サービスが存在する場合には、「(C)1つの第1類型の電子決済サービスと1つの第2類型の電子決済サービス」と同様に、その第2所定の電子決済サービスによる決済を行うようにすることもできる。
【0098】
以上が、自動販売機に搭載された電子決済端末装置10の処理の流れの一例である。このような処理の流れにより、電子決済端末装置10は、迅速な決済処理が可能なものとなっている。
【0099】
図7は、電子決済端末装置10の処理の流れの第2の例を示すフロー図である。
図7のフロー図は、精算機に搭載された電子決済端末装置10の処理の流れを示す。
【0100】
精算機は、商品の選択がなく、事前に決済金額が確定している点で、自動販売機とは異なっている。
【0101】
精算機の搭載された電子決済端末装置10では、まず、精算機の主制御から、第1通信部を介して、電子決済端末装置10の制御部11へ精算金額の情報が送信される。
【0102】
精算機からの精算金額の情報の送信を受けると、電子決済端末装置10は、電子決済サービスの事前選択を受け付ける状態となるとともに、電子決済媒体を読み取ることができる状態となる(S91)。電子決済媒体を読み取ることができる状態は、より具体的には、電子決済媒体の近距離無線通信部15へのタッチ、および、電子決済媒体に表示されたコードの撮影部16による撮影を受け付けて、電子決済媒体を読み取ることができる状態である。
【0103】
電子決済サービスの事前選択を受け付けた場合、事前選択された電子決済サービスによる決済処理を行う(S94)。
【0104】
一方、電子決済サービスの事前選択を受け付けることなく、電子決済媒体の読み取りがなされた場合、電子決済端末装置10は、前述の電子決済端末装置10の処理の流れの第1の例における事前選択なし決済処理S3と同様の処理を行う(S93)。
【0105】
以上が、精算機に搭載された電子決済端末装置10の処理の流れの一例である。このような処理の流れにより、電子決済端末装置10は、迅速な決済処理が可能なものとなっている。
【0106】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の電子決済端末装置は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の電子決済端末装置は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
【0107】
なお、本発明は、以下のような構成をとることも可能である。
[項目1]
電子決済媒体に登録された第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとに対応可能な電子決済端末装置であって、
前記第1類型の電子決済サービスは、第1の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、前記電子決済媒体に2つ以上登録できるものであり、
前記第2類型の電子決済サービスは、第2の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、前記電子決済媒体に1つのみ登録できるものであり、
前記電子決済端末装置は、前記電子決済媒体に登録された電子決済サービスを検知し、その電子決済サービスによる決済処理を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが、前記第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第1所定の決済サービスのみである場合には、前記第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う
電子決済端末装置。
[項目2]
項目1に記載の電子決済端末装置であって、
前記第1類型の電子決済サービスは、電子マネーの電子決済サービスであり、前記第2類型の電子決済サービスは、クレジットカードのコンタクトレス決済サービスである電子決済端末装置。
[項目3]
項目2に記載の電子決済端末装置であって、
前記第1所定の電子決済サービスは、前記第2類型の電子決済サービスのクレジットカードに対応するクレジットカードに紐づけられた電子マネーの電子決済サービスである電子決済端末装置。
[項目4]
項目1から3のいずれか1つに記載の電子決済端末装置であって、
電子決済サービスの選択画面を表示する表示部をさらに備える電子決済端末装置。
[項目5]
項目4に記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した前記第1類型の電子決済サービスが1つのときは、その検知した電子決済サービスによる決済処理を行い、検知した前記第1類型の電子決済サービスが2つ以上のときは、前記表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させる電子決済端末装置。
[項目6]
項目4又は5に記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが2つ以上である場合には、前記表示部に電子決済サービスの選択画面を表示させる電子決済端末装置。
[項目7]
項目1から6のいずれか1つに記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第2類型の電子決済サービスのみを検知した場合、検知した前記第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う電子決済端末装置。
[項目8]
項目1から7のいずれか1つに記載の電子決済端末装置であって、
前記制御部は、前記第1類型の電子決済サービスと前記第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した前記第1類型の電子決済サービスが、前記第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第2所定の決済サービスのみである場合には、前記第2所定の電子決済サービスによる決済処理を行う電子決済端末装置。
[項目9]
項目1から8のいずれか1つに記載の電子決済端末装置であって、
前記電子決済端末装置は、さらに、前記電子決済媒体に登録された第3類型の電子決済サービスに対応可能であり、
前記第3類型の電子決済サービスは、前記電子決済媒体に表示されるコードを読み取ることによって決済を行うコード決済サービスであり、
前記制御部は、前記第3類型の電子決済サービスを検知した場合、前記第3類型の電子決済サービスによる決済処理を行う
電子決済端末装置。
【符号の説明】
【0108】
10 電子決済端末装置
11 制御部
12 記憶部
13 第1通信部
14 第2通信部
15 近距離無線通信部
16 撮影部
17 表示部
18 入力部
17、18 タッチパネル
【要約】
【課題】
複数の電子決済サービスに対応し、迅速な決済処理が可能な電子決済端末装置を提供する。
【解決手段】
電子決済媒体に登録された第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとに対応可能な電子決済端末装置であって、第1類型の電子決済サービスは、第1の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、電子決済媒体に2つ以上登録できるものであり、第2類型の電子決済サービスは、第2の無線通信規格による無線通信を利用するものであって、電子決済媒体に1つのみ登録できるものであり、電子決済端末装置は、第1類型の電子決済サービスと第2類型の電子決済サービスとを検知し、且つ、検知した第1類型の電子決済サービスが、第1類型の電子決済サービスのうちから予め定められた第1所定の決済サービスである場合には、第2類型の電子決済サービスによる決済処理を行う。
【選択図】
図5