(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】配線形成方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20250124BHJP
H01L 21/302 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
H01L21/306 F
H01L21/302 201A
(21)【出願番号】P 2020219085
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】鰍場 真樹
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 晃久
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-043973(JP,A)
【文献】特開平05-047717(JP,A)
【文献】特開2020-155615(JP,A)
【文献】特開2019-106538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線を形成する方法であって、
金属配線部が形成された基板をチャンバ内に搬入する搬入工程と、
前記基板に対して酸化性ガスを供給して、前記金属配線部の一部をエッチングするエッチング工程と、
前記基板に対して還元性ガスを供給して、前記エッチング工程によって形成された前記金属配線部の酸化膜を還元する還元工程と
を備え、
前記金属配線部は、
前記基板の絶縁膜のトレンチ内に位置する配線本体と、
前記配線本体と前記絶縁膜との間に設けられたバリア膜と
を含み、
前記エッチング工程において、前記バリア膜の一部を、前記金属配線部の前記一部としてエッチングし、
前記還元工程において、前記エッチング工程によって前記配線本体に形成された前記酸化膜を還元する、配線形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の配線形成方法であって、
前記エッチング工程において、前記バリア膜のうち前記配線本体の表面から突出した突起部分を、前記金属配線部の前記一部としてエッチングし、
前記還元工程において、前記エッチング工程によって前記配線本体の前記表面に形成された前記酸化膜を還元する、配線形成方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の配線形成方法であって、
前記バリア膜はルテニウムを含む、配線形成方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の配線形成方法であって、
前記配線本体は、銅、モリブデン、コバルト、タングステン、白金およびインジウムの少なくともいずれか一つを含む、配線形成方法。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか1つに記載の配線形成方法であって、
前記エッチング工程は、
前記酸化性ガスと前記金属配線部との反応によって生成された生成ガスをガスセンサによって検出する検出工程と、
前記ガスセンサの検出値に基づいて、前記エッチング工程を停止させるか否かを判断する判断工程と
を含む、配線形成方法。
【請求項6】
請求項1から請求項
5のいずれか1つに記載の配線形成方法であって、
前記エッチング工程と前記還元工程との間で実行され、不活性ガスを前記チャンバ内に供給して前記酸化性ガスを前記チャンバから排出させる酸化性ガス排気工程をさらに備える、配線形成方法。
【請求項7】
請求項1から請求項
6のいずれか一つに記載の配線形成方法であって、
前記エッチング工程において、
前記酸化性ガスを供給する第1工程と、
不活性ガスを供給する第2工程と
を交互に繰り返す、配線形成方法。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のいずれか一つに記載の配線形成方法であって、
前記エッチング工程において、前記基板の温度が50度以上かつ200度以下となるように前記基板を加熱する、配線形成方法。
【請求項9】
請求項1から請求項
8のいずれか一つに記載の配線形成方法であって、
前記還元工程において、前記基板の温度が100度以上かつ300度以下となるように前記基板を加熱する、配線形成方法。
【請求項10】
請求項1から請求項
9のいずれか一つに記載の配線形成方法であって、
前記還元工程の後に前記基板を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程の後に前記基板を前記チャンバから搬出する搬出工程と
をさらに備える、配線形成方法。
【請求項11】
基板処理装置であって、
チャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、金属配線部が形成された基板を保持する基板保持部と、
前記チャンバ内の前記基板に対して酸化性ガスを供給して、前記金属配線部の一部をエッチングする酸化性ガス供給部と、
前記基板に対して還元性ガスを供給して、前記酸化性ガスによって形成された前記金属配線部の酸化膜を還元する還元性ガス供給部と
を備え、
前記金属配線部は、
前記基板の絶縁膜のトレンチ内に位置する配線本体と、
前記配線本体と前記絶縁膜との間に設けられたバリア膜と
を含み、
前記酸化性ガス供給部は、前記バリア膜のうち前記配線本体の表面から突出した突起部分を、前記金属配線部の前記一部としてエッチングし、
前記還元性ガス供給部は、前記酸化性ガス供給部によって前記配線本体の前記表面に形成された前記酸化膜を還元する、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、配線形成方法および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの配線の微細化に伴って、配線とビアとの間のずれに起因した配線間の短絡が生じやすくなっている。つまり、ある第1配線の上に形成されたビアが水平方向にずれて、当該ビアの一部が、第1配線と第2配線との間の絶縁膜の上にも形成されると、第2配線と当該ビアとの間の距離が短くなり、当該ビアを介して第1配線と第2配線との間が短絡し得る。
【0003】
これを解決するための手法として、セルフアラインビアが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、絶縁膜に形成されたトレンチの各々の内部に配線となる金属膜(例えば銅配線)を形成し、その金属膜の上面をエッチングすることにより、各金属膜の上面を絶縁膜の上面よりも後退させる。これにより、金属膜の上面と絶縁膜の上面との間の距離を長くすることができる。
【0004】
これによれば、ビアが第1金属膜に対して水平方向にずれることにより、ビアの一部が第1金属膜と第2金属膜との間の絶縁膜の上面に形成されたとしても、第2金属膜の上面が絶縁膜の上面よりも後退しているので、当該ビアと第2金属膜との間の距離を確保することができる。よって、ビアを介した第1金属膜と第2金属膜との間の短絡を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板に形成される配線(以下、金属配線部と呼ぶ)は単一の金属膜で形成されたり、あるいは、複数の金属膜で形成される。このような金属配線部は、その製造工程において適宜にエッチングされて、その形状が整えられる。例えば特許文献1では、金属膜の上面がエッチングされる。
【0007】
このようなエッチングにおいて、金属配線部を酸化させてエッチングする場合がある。この場合、金属配線部には部分的に酸化膜が形成され得る。このような酸化膜は、金属配線部の抵抗値を増加させるので、好ましくない。
【0008】
そこで、本願は、酸化により金属配線部の一部をエッチングしつつ、酸化によって形成された酸化膜による金属配線部の抵抗値の増加を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
配線形成方法の第1の態様は、配線を形成する方法であって、金属配線部が形成された基板をチャンバ内に搬入する搬入工程と、前記基板に対して酸化性ガスを供給して、前記金属配線部の一部をエッチングするエッチング工程と、前記基板に対して還元性ガスを供給して、前記エッチング工程によって形成された前記金属配線部の酸化膜を還元する還元工程とを備え、前記金属配線部は、前記基板の絶縁膜のトレンチ内に位置する配線本体と、前記配線本体と前記絶縁膜との間に設けられたバリア膜とを含み、前記エッチング工程において、前記バリア膜の一部を、前記金属配線部の前記一部としてエッチングし、前記還元工程において、前記エッチング工程によって前記配線本体に形成された前記酸化膜を還元する。
【0011】
配線形成方法の第2の態様は、第1の態様にかかる配線形成方法であって、前記エッチング工程において、前記バリア膜のうち前記配線本体の表面から突出した突起部分を、前記金属配線部の前記一部としてエッチングし、前記還元工程において、前記エッチング工程によって前記配線本体の前記表面に形成された前記酸化膜を還元する。
【0012】
配線形成方法の第3の態様は、第1または第2の態様にかかる配線形成方法であって、前記バリア膜はルテニウムを含む。
【0013】
配線形成方法の第4の態様は、第1から第3のいずれか一つの態様にかかる配線形成方法であって、前記配線本体は、銅、モリブデン、コバルト、タングステン、白金およびインジウムの少なくともいずれか一つを含む。
【0015】
配線形成方法の第5の態様は、第1から第4のいずれか第1つの態様にかかる配線形成方法であって、前記エッチング工程は、前記酸化性ガスと前記金属配線部との反応によって生成された生成ガスをガスセンサによって検出する検出工程と、前記ガスセンサの検出値に基づいて、前記エッチング工程を停止させるか否かを判断する判断工程とを含む。
【0016】
配線形成方法の第6の態様は、第1から第5のいずれか第1つの態様にかかる配線形成方法であって、前記エッチング工程と前記還元工程との間で実行され、不活性ガスを前記チャンバ内に供給して前記酸化性ガスを前記チャンバから排出させる酸化性ガス排気工程をさらに備える。
【0017】
配線形成方法の第7の態様は、第1から第6のいずれか一つの態様にかかる配線形成方法であって、前記エッチング工程において、前記酸化性ガスを供給する第1工程と、不活性ガスを供給する第2工程とを交互に繰り返す。
【0018】
配線形成方法の第8の態様は、第1から第7のいずれか一つの態様にかかる配線形成方法であって、前記エッチング工程において、前記基板の温度が50度以上かつ200度以下となるように前記基板を加熱する。
【0019】
配線形成方法の第9の態様は、第1から第8のいずれか一つの態様にかかる配線形成方法であって、前記還元工程において、前記基板の温度が100度以上かつ300度以下となるように前記基板を加熱する。
【0020】
配線形成方法の第10の態様は、第1から第9のいずれか一つの態様にかかる配線形成方法であって、前記還元工程の後に前記基板を冷却する冷却工程と、前記冷却工程の後に前記基板を前記チャンバから搬出する搬出工程とをさらに備える。
【0021】
基板処理装置の態様は、基板処理装置であって、チャンバと、前記チャンバ内に設けられ、金属配線部が形成された基板を保持する基板保持部と、前記チャンバ内の前記基板に対して酸化性ガスを供給して、前記金属配線部の一部をエッチングする酸化性ガス供給部と、前記基板に対して還元性ガスを供給して、前記酸化性ガスによって形成された前記金属配線部の酸化膜を還元する還元性ガス供給部とを備え、前記金属配線部は、前記基板の絶縁膜のトレンチ内に位置する配線本体と、前記配線本体と前記絶縁膜との間に設けられたバリア膜とを含み、前記酸化性ガス供給部は、前記バリア膜のうち前記配線本体の表面から突出した突起部分を、前記金属配線部の前記一部としてエッチングし、前記還元性ガス供給部は、前記酸化性ガス供給部によって前記配線本体の前記表面に形成された前記酸化膜を還元する。
【発明の効果】
【0022】
配線形成方法の第1から第10の態様および基板処理装置の態様によれば、エッチング工程で生じた金属配線部の酸化膜を還元するので、当該酸化膜を再び金属配線部として機能させることができる。よって、金属配線部の抵抗値を低減させることができる。
【0023】
配線形成方法の第2の態様によれば、エッチング工程において、バリア膜の突起部分をエッチングにより除去する。よって、絶縁膜の上にビア部が形成された場合に、ビア部と金属配線部とをより低抵抗で形成することができる。
【0024】
配線形成方法の第3の態様によれば、酸化により4酸化ルテニウムガスが生成されるので、バリア膜のエッチングに資する。
【0026】
配線形成方法の第5の態様によれば、金属配線部に対するエッチング量をより高い精度で制御することができる。
【0027】
配線形成方法の第6の態様によれば、酸化性ガスの濃度を低下させてから還元性ガスを供給する。よって、還元性ガスと酸化性ガスとの反応を抑制でき、基板に作用する還元性ガスの量の低下を抑制または回避することができる。
【0028】
配線形成方法の第7の態様によれば、第2工程において不活性ガスを供給することにより、酸化性ガスの濃度の不均一が生じる。よって、濃度拡散により、基板と反応した後の酸化性ガスが基板から速やかに離れる。続く第1工程において、再び新鮮な酸化性ガスが基板に供給されるので、古い酸化性ガスを新しい酸化性ガスに置換しやすく、新しい酸化性ガスが基板に作用しやすい。これにより、エッチングをより速やかに行うことができる。
【0029】
配線形成方法の第8の態様によれば、より適切に金属配線部をエッチングできる。
【0030】
配線形成方法の第9の態様によれば、より適切に酸化物を還元できる。
【0031】
配線形成方法の第10の態様によれば、チャンバの外部における基板の自然酸化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】第1の実施の形態にかかる基板処理装置の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図2】基板の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図3】制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】エッチング工程後の基板の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図6】還元工程後の基板の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図7】接続層が形成された基板の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図8】比較例にかかる基板の構成の一例を概略的に示す断面図である。
【
図9】第2の実施の形態にかかる基板処理装置の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図10】生成ガスの時間変化の一例を模式的に示すグラフである。
【
図11】エッチング工程の具体的な動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】エッチング工程の一例を示すタイミングチャートである。
【
図13】基板の構成の他の一例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法または数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
【0034】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸または面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
【0035】
<第1の実施の形態>
<基板処理装置の概要>
図1は、第1の実施の形態にかかる基板処理装置100の構成の一例を概略的に示す図である。この基板処理装置100は、基板Wに配線を形成する際に用いられる。
【0036】
図2は、基板処理装置100に搬入される基板Wの構成の一例を概略的に示す断面図である。
図2の基板Wは、基板処理装置100による処理前の基板Wである。基板Wには、第1配線層90が形成される。第1配線層90は絶縁膜91と金属配線部92とを含む。絶縁膜91は層間絶縁膜とも呼ばれ、金属配線部92と周囲との間の絶縁を確保する。絶縁膜91は例えば低誘電体膜(いわゆるLow-k膜)であってもよい。低誘電体膜のより具体的な一例として、酸化シリコンに炭素を添加したSiOC膜を採用することができる。
【0037】
図2の例では、絶縁膜91の上面にはトレンチ91aが形成されている。トレンチ91aは、絶縁膜91の上面に形成された溝である。
図2の例では、複数のトレンチ91aが互いに間隔を空けて配列されている。トレンチ91aのピッチは例えば20nm以上かつ40nm以下程度である。
【0038】
各トレンチ91aには、金属配線部92が埋設されている。
図2の例では、金属配線部92は配線本体93とバリア膜94とを含んでいる。配線本体93は金属材料によって形成される。当該金属材料としては、酸化により酸化膜を形成する材料が採用される。より具体的には、当該金属材料として、例えば銅(Cu)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、タングステン(W)、白金(Pt)およびインジウム(Ir)の少なくともいずれか一つを採用することができる。
【0039】
配線本体93はトレンチ91a内に位置する。バリア膜94は配線本体93と絶縁膜91との間に設けられ、絶縁膜91への配線本体93の拡散を抑制する。バリア膜94はトレンチ91a内において絶縁膜91の表面に密着しつつ、配線本体93にも密着する。バリア膜94の材料は配線本体93の材料と異なっており、バリア膜94の材料としては、絶縁膜91への配線本体93の拡散を抑制できる金属材料が採用される。また、バリア膜94の金属材料としては、酸化によりエッチングされる材料が採用される。より具体的には、当該金属材料として、例えばルテニウム(Ru)を採用することができる。バリア膜94はバリアメタルとも呼ばれ得る。
【0040】
バリア膜94はトレンチ91aの側面および底面に沿って形成されている。よって、バリア膜94はトレンチ91aの形状と同様の形状を有しており、凹形状を有している。配線本体93はバリア膜94の凹み部分に埋設される。
【0041】
バリア膜94の厚みは例えば数nm(例えば2nm)程度以下である。バリア膜94は非常に薄いので、金属配線部92の主成分は配線本体93となる。よって、配線本体93の材料としては、バリア膜94の比抵抗値よりも小さい比抵抗値を有する材料を採用するとよい。これにより、金属配線部92の抵抗値を小さくすることができる。例えば銅の比抵抗値は非常に小さいので、配線本体93の材料として比抵抗値の小さい銅を採用すれば、金属配線部92の抵抗値を低減させることができる。配線本体93はプラグとも呼ばれ得る。
【0042】
図2の例では、配線本体93の上面は絶縁膜91の上面よりも後退している。言い換えれば、絶縁膜91のうちトレンチ91aの相互間の部分は配線本体93よりも上方に突出している。
【0043】
一方で、バリア膜94の上端は絶縁膜91の上面とほぼ面一となっている。以下では、バリア膜94のうち、配線本体93の上面よりも上方に突出している部分を、突起部分941と呼ぶ。バリア膜94の断面は略U字形状を有しているので、その両側の部分が突起部分941として配線本体93よりも上方に突出する。
【0044】
ここでは、基板処理装置100は、バリア膜94の突起部分941をエッチングする。
図1を参照して、基板処理装置100はチャンバ1と基板保持部2とガス供給部3と制御部10とを含んでいる。
【0045】
チャンバ1は箱形の中空形状を有している。チャンバ1の内部空間は、基板Wに対する処理を行う処理空間に相当する。
【0046】
図1に例示するように、基板処理装置100には、吸引部7が設けられてもよい。吸引部7はチャンバ1内のガスを吸引して外部に排出することにより、チャンバ1内の圧力を低下させる。吸引部7は、チャンバ1内の圧力が処理に適した圧力範囲内となるように、チャンバ1内の圧力を調整する。
【0047】
基板保持部2はチャンバ1内に設けられており、基板Wを例えば水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。基板保持部2によって保持された基板Wの上面には絶縁膜91および金属配線部92が形成されているので、絶縁膜91および金属配線部92はチャンバ1内において露出する。
【0048】
図1の例では、基板処理装置100はヒータ22をさらに含んでいる。ヒータ22はチャンバ1内に設けられており、基板保持部2によって保持された基板Wを加熱する。ヒータ22は基板Wの温度が処理に適した温度範囲内となるように、基板Wを加熱する。
【0049】
ガス供給部3はチャンバ1内に種々のガスを供給する。
図1に示すように、ガス供給部3は酸化性ガス供給部4と還元性ガス供給部5とを含む。酸化性ガス供給部4はチャンバ1内の基板Wに酸化性ガスを供給する。酸化性ガスは、例えば酸素を含むガスであり、より具体的な一例としてオゾンガスである。酸化性ガスが基板Wの上面に作用することで、バリア膜94の突起部分941がエッチングされる。言い換えれば、バリア膜94は、酸化によってエッチングされる材料によって形成される。例えばバリア膜94がルテニウムである場合、オゾン等の酸化性ガスとルテニウムとの反応により、4酸化ルテニウム(RuO
4)ガスが生成されて、突起部分941がエッチングされる。
【0050】
一方で、酸化性ガスが基板Wの上面に作用することで、配線本体93には酸化膜が形成される。言い換えれば、配線本体93は、酸化によって酸化膜を形成する材料によって形成される。例えば配線本体93が銅である場合、その上面には酸化銅の薄膜が形成される。これにより、配線本体93の断面積が小さくなり、配線本体93の抵抗値が大きくなる。
【0051】
そこで、還元性ガス供給部5はチャンバ1内の基板Wに還元性ガスを供給する。還元性ガスは例えば水素を含むガスであり、より具体的な一例として、水素ガスである。還元性ガス供給部5は水素ガスとともにキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスは、例えば窒素等の不活性ガスである。水素ガスおよび不活性ガスの混合ガスとして、フォーミングガスを採用することができる。フォーミングガスにおいて、水素ガスの割合は例えば3%から4%程度である。還元性ガスが基板Wの上面に作用することで、配線本体93に形成された酸化膜が還元されて、配線本体93の一部に戻る。これにより、酸化膜による配線本体93の断面積の低下を抑制または回避することができ、配線本体93の抵抗値の増加を抑制または回避することができる。
【0052】
以上のように、基板処理装置100によれば、酸化性ガスの供給により、バリア膜94の突起部分941をエッチングすることができる。その一方で、この酸化性ガスの供給により、配線本体93の表面に酸化膜が形成される。しかるに、その後の還元性ガスの供給により、配線本体93の酸化膜を還元することができる。よって、当該酸化膜を配線本体93の一部に復元することができる。つまり、当該酸化膜を再び配線本体93として機能させることができる。したがって、金属配線部92の抵抗値の増加を抑制または回避することができる。
【0053】
次に、基板処理装置100の各構成の具体的な一例および基板処理装置100の動作の具体的な一例について詳述する。
【0054】
<基板保持部>
図1の例では、基板保持部2は載置台21を含んでいる。基板Wは水平姿勢で載置台21の上に載置される。基板Wの上面(具体的には絶縁膜91の上面および金属配線部92の上面)は、基板Wが載置台21によって載置された状態で、チャンバ1内で露出する。
【0055】
<ヒータ>
ヒータ22は制御部10によって制御され、チャンバ1内の基板Wを加熱する。
図1の例では、ヒータ22は、基板保持部2によって保持された基板Wよりも鉛直下方に設けられている。
図1の例では、ヒータ22は載置台21に内蔵されている。ヒータ22は例えば電熱線を含む電気抵抗式のヒータであってもよく、あるいは、加熱用の光を照射する光源を含む光学式のヒータであってもよい。
【0056】
<吸引部>
吸引部7はチャンバ1内のガスを吸引する。
図1の例では、吸引部7は吸引管71と吸引機構72とを含んでいる。吸引管71の上流端はチャンバ1に接続される。
図1の例では、吸引管71は分岐管711,712と合流管713とを含む。分岐管711の上流端および分岐管712の上流端は、基板保持部2によって保持された基板Wよりも鉛直下方において、チャンバ1に接続される。
図1の例では、分岐管711の上流端および分岐管712の上流端は、基板保持部2に対して互いに反対側において、チャンバ1の底部に接続されている。
【0057】
分岐管711の下流端および分岐管712の下流端は合流管713の上流端に共通に接続されており、合流管713の下流端は吸引機構72に接続される。吸引機構72は例えばポンプである。吸引機構72は制御部10によって制御され、吸引管71を通じてチャンバ1内のガスを吸引する。
【0058】
<ガス供給部>
ガス供給部3は供給管31を含んでいる。供給管31の下流端はチャンバ1に接続される。
図1の例では、供給管31の下流端はチャンバ1の天井部に接続されており、鉛直方向において、基板保持部2に保持された基板Wと対向する。供給管31の下流端はチャンバ1内にガスを供給するための給気口として機能する。
図1の例では、供給管31の給気口からチャンバ1内に種々のガスが供給され、各ガスが基板Wの上面に向かって流れる。
【0059】
図1の例では、酸化性ガス供給部4は供給管31を通じてチャンバ1内に酸化性ガスを供給する。例えば酸化性ガス供給部4は供給管41とバルブ42と流量調整部43とを含んでいる。供給管41の下流端は供給管31に接続されており、供給管41の上流端は酸化性ガス供給源44に接続されている。酸化性ガス供給源44は酸化性ガスを供給管41の下流端に供給する。
【0060】
バルブ42は供給管41に介装される。バルブ42は制御部10によって制御され、バルブ42が開くことにより、酸化性ガス供給源44から供給管41および供給管31を通じて酸化性ガスがチャンバ1内に供給される。バルブ42が閉じることにより、酸化性ガスの供給が停止する。
【0061】
流量調整部43は供給管41に介装される。流量調整部43は制御部10によって制御され、供給管41を流れる酸化性ガスの流量を調整する。流量調整部43は例えばマスフローコントローラである。
【0062】
図1の例では、還元性ガス供給部5は供給管31を通じてチャンバ1内に還元性ガスを供給する。例えば還元性ガス供給部5は供給管51とバルブ52と流量調整部53とを含んでいる。供給管51の下流端は供給管31に接続されており、供給管51の上流端は還元性ガス供給源54に接続されている。還元性ガス供給源54は還元性ガスを供給管51の下流端に供給する。
【0063】
バルブ52は供給管51に介装される。バルブ52は制御部10によって制御され、バルブ52が開くことにより、還元性ガス供給源54から供給管51および供給管31を通じて還元性ガスがチャンバ1内に供給される。バルブ52が閉じることにより、還元性ガスの供給が停止する。
【0064】
流量調整部53は供給管51に介装される。流量調整部53は制御部10によって制御され、供給管51を流れる還元性ガスの流量を調整する。流量調整部53は例えばマスフローコントローラである。
【0065】
図1の例では、ガス供給部3は不活性ガス供給部6をさらに含んでいる。不活性ガス供給部6はチャンバ1内に不活性ガスを供給する。不活性ガスは、例えば、アルゴン等の希ガスおよび窒素ガスの少なくともいずれかを含む。
【0066】
図1の例では、不活性ガス供給部6は供給管31を通じてチャンバ1内に不活性ガスを供給する。例えば不活性ガス供給部6は供給管61とバルブ62と流量調整部63とを含んでいる。供給管61の下流端は供給管31に接続されており、供給管61の上流端は不活性ガス供給源64に接続されている。不活性ガス供給源64は不活性ガスを供給管61の下流端に供給する。
【0067】
バルブ62は供給管61に介装される。バルブ62は制御部10によって制御され、バルブ62が開くことにより、不活性ガス供給源64から供給管61および供給管31を通じて不活性ガスがチャンバ1内に供給される。バルブ62が閉じることにより、不活性ガスの供給が停止する。
【0068】
流量調整部63は供給管61に介装される。流量調整部63は制御部10によって制御され、供給管61を流れる不活性ガスの流量を調整する。流量調整部63は例えばマスフローコントローラである。
【0069】
<制御部>
図3は、制御部10の構成の一例を概略的に示すブロック図である。制御部10は電子回路機器であって、例えばデータ処理装置101および記憶媒体102を有していてもよい。データ処理装置101は例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置であってもよい。記憶媒体102は非一時的な記憶媒体1021(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)および一時的な記憶媒体1022(例えばRAM(Random Access Memory))を有していてもよい。非一時的な記憶媒体1021には、例えば制御部10が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。データ処理装置101がこのプログラムを実行することにより、制御部10が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部10が実行する処理の一部または全部が、論理回路などのハードウェア回路によって実行されてもよい。
【0070】
<基板処理装置の動作>
次に基板処理装置100の動作の一例について説明する。
図4は、基板処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。言い換えれば、
図4は、配線形成方法の一例を示すフローチャートである。
【0071】
まず、不図示の搬送装置によって基板Wがチャンバ1内に搬送される(ステップS1:搬入工程)。これにより、基板保持部2の載置台21に基板Wが載置される。この基板Wの上面には、絶縁膜91および金属配線部92が形成されている。
【0072】
次に、吸引部7がチャンバ1内のガスを吸引し、ヒータ22が基板Wを加熱する(ステップS2:減圧加熱工程)。具体的には、制御部10は吸引機構72に吸引動作を行わせ、ヒータ22に加熱動作を行わせる。
【0073】
吸引機構72が吸引動作を行うことにより、チャンバ1内のガスが吸引管71を通じて吸引機構72に吸引され、チャンバ1内の圧力が低下する。吸引部7はチャンバ1内の圧力が処理に適した所定のプロセス圧力となるように圧力を調整する。所定のプロセス圧力は例えば400Torr以上かつ760Torr以下である。なお、760Torrは標準大気圧を示す。つまり、吸引部7は必ずしも設けられる必要はなく、チャンバ1内の減圧は必須工程ではない。
【0074】
チャンバ1内を減圧する場合には、基板処理装置100には、チャンバ1内の圧力を測定する圧力センサが設けられてもよく、この場合、制御部10は圧力センサの検出値に基づいて吸引機構72を制御してもよい。吸引部7は処理が終了するまで、チャンバ1内の圧力を調整する。
【0075】
ヒータ22が加熱動作を行うことにより、基板Wの温度が上昇する。ヒータ22は、基板Wの温度が金属配線部92のエッチングに適した第1所定温度となるように、基板Wの温度を調整する。第1所定温度は例えば50℃以上かつ200℃以下である。基板処理装置100には、基板Wの温度を検出する温度センサが設けられてもよく、この場合、制御部10は温度センサの検出値に基づいてヒータ22を制御してもよい。ヒータ22は処理が終了するまで、基板Wの温度を調整する。
【0076】
次に、酸化性ガス供給部4が酸化性ガスをチャンバ1内に供給する(ステップS3:エッチング工程)。具体的には、制御部10がバルブ42を開く。これにより、酸化性ガスが酸化性ガス供給源44から供給管41および供給管31を通じてチャンバ1内に供給され、チャンバ1内を基板Wに向かって流れる。ここでは、酸化性ガスはオゾンガスである。
【0077】
酸化性ガスが基板Wの上面に作用することにより、バリア膜94が酸化してエッチングされる。具体的には、バリア膜94の突起部分941がエッチングされる。バリア膜94がルテニウムによって形成される場合には、バリア膜94の突起部分941がオゾンガスと反応して、4酸化ルテニウムガスを生成することで、突起部分941がエッチングされる。より具体的には、チャンバ1内のオゾンガスが、高温の基板W上で酸素原子と酸素分子とに分解し、酸素原子がルテニウムと反応して、一酸化ルテニウム(RuO)を生成し、一酸化ルテニウムがオゾンと反応して4酸化ルテニウムガスを生成する。
【0078】
ステップS3においては、基板Wの温度はエッチングに適した温度(50℃以上かつ200℃以下)となるように、ヒータ22が基板Wを加熱するので、金属配線部92がより適切にエッチングされる。
【0079】
その一方で、酸化性ガスが基板Wの上面に作用することにより、配線本体93の上面に酸化膜が形成される。配線本体93が銅によって形成される場合には、配線本体93の上面に酸化銅の薄膜が形成される。
【0080】
図5は、ステップS3の後の基板Wの構成の一例を概略的に示す断面図である。
図5に例示するように、ステップS3により、バリア膜94の突起部分941が酸化性ガスにより除去される一方で、配線本体93の上面には酸化膜931が形成される。
【0081】
突起部分941が十分に除去されると、酸化性ガス供給部4は酸化性ガスの供給を停止する(ステップS4:エッチング停止工程)。つまり、バリア膜94の上端が配線本体93の上面(ここでは、酸化膜931の上面)とほぼ面一となったときに、エッチングが停止する。具体的な一例として、制御部10は、酸化性ガスの供給開始からの経過時間が所定時間以上となったか否かを判断し、経過時間が所定時間以上となったときに、バルブ42を閉じる。所定時間は、突起部分941の除去に要する時間であって、例えば実験またはシミュレーションにより予め設定される。
【0082】
次に、酸化性ガスをチャンバ1から排出する(ステップS5:酸化性ガス排気工程)。例えば、不活性ガス供給部6は不活性ガスをチャンバ1内に供給する。具体的には、制御部10はバルブ62を開く。これにより、不活性ガスが不活性ガス供給源64から供給管61および供給管31を通じてチャンバ1内に供給される。よって、不活性ガスがチャンバ1内の酸化性ガスを吸引管71へと押し出す。これにより、酸化性ガスの排気を促進させることができる。酸化性ガスが十分にチャンバ1から排出されると、不活性ガス供給部6は不活性ガスの供給を停止する。具体的には、制御部10はバルブ62を閉じる。
【0083】
後述の還元工程(ステップS6)に適した基板Wの第2所定温度が第1所定温度と異なる場合、ステップS4の後に、ヒータ22は基板Wの温度が第2所定温度となるように、基板Wを加熱する(温度変更工程)。第2所定温度は例えば100℃以上かつ300℃以下である。
【0084】
次に、還元性ガス供給部5が還元性ガスをチャンバ1内に供給する(ステップS6:還元工程)。具体的には、制御部10がバルブ52を開く。これにより、還元性ガスが還元性ガス供給源54から供給管51および供給管31を通じてチャンバ1内に供給され、チャンバ1内を基板Wに向かって流れる。ここでは、還元性ガスは水素ガスを含む。
【0085】
還元性ガスが基板Wの上面に作用することにより、酸化膜931が還元して配線本体93の一部に戻る。例えば、酸化膜931が酸化銅である場合には、酸化銅が還元性ガスと反応して銅(配線本体93)に戻る。
【0086】
図6は、ステップS6の後の基板Wの構成の一例を概略的に示す断面図である。ステップS6により、酸化膜931が配線本体93の一部に戻るので、
図6の例では、酸化膜931が示されておらず、バリア膜94の上端は配線本体93の上面とほぼ面一となる。
【0087】
ステップS6においては、基板Wの温度が酸化膜931の還元に適した温度(100℃以上かつ300℃以下)となるように、ヒータ22が基板Wを加熱するので、酸化膜931がより適切に還元される。
【0088】
酸化膜931が還元されて配線本体93の一部に戻ると、還元性ガス供給部5は還元性ガスの供給を停止する(ステップS7:還元停止工程)。具体的には、制御部10はバルブ52を閉じる。これにより、還元性ガスの供給が停止する。
【0089】
次に、基板Wを冷却する(ステップS8:冷却工程)。例えば、ヒータ22が加熱動作を終了し、不活性ガス供給部6が不活性ガスをチャンバ1内の基板Wに供給する。これにより、不活性ガスが基板Wの上面に向かって流れ、基板Wが空冷される。
【0090】
基板Wの温度が十分に低下すると、搬送装置によって基板Wがチャンバ1から搬出される(ステップS9:搬出工程)。例えば、基板Wの温度が50℃以下、より望ましくは40℃もしくは30℃以下、さらに望ましくは25℃以下となった状態で、搬送装置が基板Wをチャンバ1から搬出する。より具体的な一例として、ステップS8の開始から所定の冷却時間が経過したときに、搬送装置が基板Wを搬出してもよい。所定の冷却時間は、基板Wの温度が所定値(例えば50℃)以下となる時間であって、実験またはシミュレーションにより予め設定される。あるいは、基板Wの温度を検出する温度センサが設けられる場合には、温度センサの検出値が所定値(例えば50℃)以下となったときに、搬送装置が基板Wを搬出してもよい。
【0091】
これによれば、チャンバ1の外部空間に酸素ガスが含まれていたとしても、金属配線部92の自然酸化を抑制することができる。
【0092】
以上のように、基板処理装置100によれば、基板Wの配線本体93の上面およびバリア膜94の突起部分941がチャンバ1内で露出した状態において、酸化性ガスがチャンバ1内に供給される(ステップS3)。よって、酸化性ガスは基板Wの配線本体93の上面およびバリア膜94の突起部分941の両方に作用する。したがって、バリア膜94の突起部分941を酸化性ガスによってエッチングできる一方で、配線本体93の上面には酸化膜931が形成される。
【0093】
そして、突起部分941の除去後には、ステップS3によって生じた酸化膜931を還元するために、還元性ガスをチャンバ1内の基板Wに供給する(ステップS6)。これにより、還元性ガスが酸化膜931と反応して、酸化膜931を配線本体93の一部に戻すことができる。
【0094】
したがって、配線本体93の抵抗値の増加を抑制または回避しつつも、バリア膜94の突起部分941を除去することができる。
【0095】
基板処理装置100によって処理された基板Wの上には、接続層および第2配線層がこの順で形成される。
図7は、接続層95が形成された基板Wの構成の一例を示している。接続層95は、接続層95の上に形成される第2配線層(不図示)と、第1配線層90とを電気的に接続する層である。
図7の例では、接続層95はライナー膜961と絶縁膜96とビア部97とを含んでいる。
【0096】
ライナー膜961は絶縁性を有しており、絶縁膜96のエッチングストッパ膜として機能する。ライナー膜961は絶縁膜91および金属配線部92の上に形成される。ライナー膜961は、複数の絶縁膜によって構成された多層膜であってもよい。例えば、ライナー膜961は、窒素添加炭化シリコン膜(SiCN)と、酸化アルミニウム(Al2O3)膜とを含む多層膜であってもよい。
【0097】
絶縁膜96は層間絶縁膜とも呼ばれ、ビア部97と周囲との絶縁を確保する。絶縁膜96はライナー膜961の上に形成される。絶縁膜96は絶縁膜91と同様に、例えば低誘電体膜である。絶縁膜96およびライナー膜961には、ビア用の孔96aが形成されている。孔96aは基板Wの厚み方向において、絶縁膜96およびライナー膜961を貫通する。
図7の例では、ビア用の孔96aは水平方向において金属配線部92からずれて形成されている。具体的には、ビア用の孔96aは、金属配線部92の一部の上、および、当該一部に隣接する絶縁膜91の一部の上に跨って形成される。
【0098】
ビア部97はビア用の孔96aの内部に設けられている。ビア部97はビア本体98とバリア膜99とを含んでいる。バリア膜99は、ビア用の孔96aの側面および底面に形成されており、その厚みは数nm程度と薄い。バリア膜99はビア用の孔96aの側面および底面の形状に応じた凹形状を有しており、ビア用の孔96aの底面において、金属配線部92および絶縁膜91の段差形状に応じた段差形状を有している。
【0099】
ビア本体98はバリア膜99の凹み部分の内部に埋設されている。ビア本体98は金属材料によって形成される。当該金属材料としては、例えば銅、モリブデン、コバルト、タングステン、白金およびインジウムの少なくともいずれか一つを採用することができる。当該金属材料として比抵抗値の小さい銅を採用すると、ビア本体98の抵抗値を低減させることができる。
【0100】
バリア膜99は、絶縁膜96および絶縁膜91へのビア本体98の拡散を抑制することができる金属材料によって形成される。より具体的には、当該金属材料として、例えばルテニウムを採用することができる。
【0101】
図7の例では、ビア部97は金属配線部92からずれて形成されるので、ビア部97の一部は絶縁膜91の上面の上にも形成される。しかしながら、金属配線部92の上面は絶縁膜91の上面よりも低いので、ビア部97と隣り合う金属配線部92(図において右端の金属配線部92)とビア部97との間の距離を確保することができる。よって、ビア部97を介した金属配線部92間の短絡を抑制または回避することができる。
【0102】
しかも、
図7の例では、金属配線部92の突起部分941が除去されているので、ビア部97のバリア膜99と金属配線部92のバリア膜94とが接触する部分は小さい。
【0103】
比較のために、バリア膜94の突起部分941を除去しない場合の基板W0について説明する。
図8は、比較例にかかる基板W0の構成の一例を概略的に示す断面図である。基板W0は、突起部分941の有無を除いて基板Wと同様の構成を有している。基板W0においては、バリア膜94の突起部分941が存在しているので、ビア部97のバリア膜99は突起部分941に対して、その厚み方向に重なって形成される。よって、ビア本体98の下面のうち金属配線部92の配線本体93に最も近い部分の幅D0が、突起部分941の分だけ狭くなる。したがって、金属配線部92とビア部97とがより高い抵抗値で互いに電気的に接続される。
【0104】
これに対して、基板Wにおいては、突起部分941が除去されている(
図7参照)。よって、ビア本体98の下面のうち配線本体93に最も近い部分の幅D1が、突起部分941の分だけ広くなる。よって、金属配線部92とビア部97とがより低い抵抗値で互いに電気的に接続される。つまり、突起部分941を除去することにより、金属配線部92とビア部97とをより低抵抗で形成することができる。これにより、半導体デバイスの性能を向上させることができる。
【0105】
<バリア膜の突起部分の除去方法>
ところで、バリア膜94の突起部分941をエッチングするにあたって、配線本体93の酸化を回避するために、事前に配線本体93の上面に一時的な保護膜を形成し、エッチング後に当該保護膜を除去することも考えられる。しかるに、バリア膜94の厚みは数nmと非常に薄いので、保護膜の位置にも同程度の数nmの精度が要求される。このような位置精度での保護膜の形成は困難である。
【0106】
これに対して、本実施の形態では、酸化性ガスによるエッチング(ステップS3)の際には、配線本体93の上面が露出しており、保護膜は事前に形成されていない。これにより、配線本体93の上面に酸化膜931が形成されるものの、その後の還元処理(ステップS6)によって、酸化膜931を配線本体93の一部に戻している。これによれば、困難な保護膜の形成を省略しつつも、バリア膜94の突起部分941を除去することができる。
【0107】
しかも、本実施の形態では、配線本体93に形成された酸化膜931を除去するのではなく、還元することにより、酸化膜931を配線本体93の一部に復元させている。よって、配線本体93の抵抗値を低減させることができる。
【0108】
<酸化性ガス排気工程>
上述の例では、ステップS3(エッチング工程)とステップS6(還元工程)との間でステップS5(酸化性ガス排気工程)が行われている。このステップS5では、酸化性ガスおよび還元性ガスの供給が停止した状態で、不活性ガスがチャンバ1内に供給される。これによれば、酸化性ガスをチャンバ1から速やかに排出することができる。そして、酸化性ガスのほとんどがチャンバ1から排出された後に、還元性ガスの供給が開始される(ステップS6)。つまり、チャンバ1内の酸化性ガスの濃度を低下させてから還元性ガスをチャンバ1内に供給している。これによれば、チャンバ1内において酸化性ガスと還元性ガスとの反応を抑制または回避することができ、基板Wに作用する還元性ガスの量の低下を抑制または回避することができる。したがって、配線本体93の酸化膜931の還元をより効率的に行うことができる。
【0109】
<冷却工程>
また、上述の例では、ステップS8(冷却工程)が行われた上で、ステップS9(搬出工程)が行われる。よって、チャンバ1の外部に酸素ガスが含まれていたとしても、基板W(より具体的には金属配線部92)は自然酸化しにくい。言い換えれば、ステップS8によって基板Wの自然酸化を抑制することができる。
【0110】
<第2の実施の形態>
図9は、第2の実施の形態にかかる基板処理装置100Aの構成の一例を概略的に示す図である。基板処理装置100Aは、ガスセンサ8の有無を除いて、基板処理装置100と同様の構成を有している。
【0111】
ガスセンサ8は、酸化性ガスと金属配線部92(より具体的にはバリア膜94)との反応により生成された生成ガスを検出するセンサである。バリア膜94がルテニウムである場合、ガスセンサ8は例えば4酸化ルテニウムガスを検出する。ガスセンサ8は、ガス供給部3によって供給されたガスの流れにおいて、基板保持部2によって保持された基板Wよりも下流側に設けられる。ガスセンサ8はチャンバ1内に設けられてもよく、吸引管71に設けられてもよい。
図9の例では、ガスセンサ8はチャンバ1内において吸引管71の上流端(排気口)の近傍に設けられている。基板Wの上面で生成された生成ガスは吸引管71の排気口へと流れて吸引管71内に吸引されるので、ガスセンサ8は効果的に生成ガスを検出することができる。
【0112】
ガスセンサ8は上記生成ガスを検出し、その検出結果を示す電気信号を制御部10に出力する。制御部10は、ガスセンサ8によって検出された生成ガスの量(例えば濃度)に基づいて、金属配線部92に対するエッチングを停止するか否かを判断する。
【0113】
図10は、バリア膜94の突起部分941のエッチングの際にガスセンサ8によって検出される生成ガスの量の時間変化の一例を模式的に示すグラフである。エッチング工程(ステップS3)の初期では、突起部分941の表面がチャンバ1内に露出しているので、突起部分941の露出面積は大きい。よって、酸化性ガスが作用する面積が大きく、より多くの生成ガスが生成される。突起部分941は時間の経過とともに徐々にエッチングされるので、突起部分941の露出面積は時間の経過とともに徐々に小さくなる。よって、ガスセンサ8によって
検出される生成ガスの量は時間の経過とともに徐々に低下する。
【0114】
突起部分941が除去されると、バリア膜94はその上端でのみ露出し、その露出面積は非常に小さくなる。このバリア膜94の上端が酸化性ガスによって除去されても、バリア膜94の露出面積はほとんど変わらないので、生成ガスの濃度は時間の経過によらず、ほぼ一定となる。
【0115】
このようにガスセンサ8によって検出される生成ガスの量は、バリア膜94に対するエッチング量と相関関係を有する。そこで、制御部10は、ガスセンサ8によって検出される生成ガスの量に基づいて、エッチングを停止させるか否か、つまり、酸化性ガスの供給を停止させるか否かを判断する。
【0116】
図11は、エッチング工程(ステップS3)の具体的な動作の一例を示すフローチャートである。エッチング工程では、まず、酸化性ガス供給部4が酸化性ガスの供給を開始する(ステップS301)。具体的には、制御部10がバルブ42を開く。次に、ガスセンサ8が生成ガス(例えば4酸化ルテニウム)を検出する(ステップS302:検出工程)。
【0117】
次に、制御部10が、ガスセンサ8によって検出された生成ガスの量が停止条件を満たしているか否かを判断する(ステップS303:判断工程)。停止条件としては、特に制限されないものの、例えば、ガスセンサ8によって検出された生成ガスの量が所定の基準量Rref以下である、という第1条件を採用してもよい。基準量Rrefは、例えば、突起部分941が除去された時に生成される生成ガスの量と同程度の値であって、実験またはシミュレーションによって予め設定される。
【0118】
停止条件が成立していない場合には、再びステップS302が行われる。停止条件が成立した場合には、エッチング停止工程(ステップS4)が行われる。
【0119】
以上のように、基板処理装置100Aによれば、ガスセンサ8によって検出された生成ガスに基づいてエッチングを停止させる。よって、より確実に突起部分941を除去することができ、またバリア膜94のオーバーエッチングもより確実に抑制することができる。
【0120】
なお、
図10から理解できるように、バリア膜94の突起部分941が除去されると、生成ガスの量は時間に対してほぼ一定となる。よって、停止条件として、生成ガスの量の時間変化率が所定の基準変化率以下である、という第2条件を採用してもよい。基準変化率は、例えば実験またはシミュレーションによって予め設定される。
【0121】
あるいは、停止条件として、第1条件および第2条件の両方を採用しても構わない。つまり、制御部10は、第1条件および第2条件の両方が成立したときに、停止条件が成立したと判断してもよい。第1条件および第2条件の両方を採用する場合、基準量Rrefは、例えば、突起部分941が除去された時に生成される生成ガスの量よりも大きい値であって、実験またはシミュレーションによって予め設定されてもよい。第1条件および第2条件の両方を採用することにより、より適切にエッチングを終了させることができる。例えば
図10において、エッチング工程の初期において時間変化率が小さくても、第1条件が成立しないので、エッチングは停止しない。また、突起部分941が除去されると、第1条件および第2条件の両方が成立するので、オーバーエッチングもより確実に抑制できる。
【0122】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態にかかる基板処理装置100の構成の一例は、第1または第2の実施の形態と同様である。第3の実施の形態では、エッチング工程(ステップS3)の具体的な一例が第1および第2の実施の形態と相違する。
【0123】
図12は、第3の実施の形態にかかるエッチング工程の一例を示すタイミングチャートである。基板処理装置100は、エッチング工程(ステップS3)において、酸化性ガスをチャンバ1内に供給する第1工程S31と、不活性ガスをチャンバ1内に供給する第2工程S32とを交互に繰り返す。具体的には、制御部10は、第1工程S31においてバルブ42を開き、バルブ62を閉じる。また、制御部10は、第2工程S32においてバルブ42を閉じ、バルブ62を開く。
【0124】
第1工程S31では、酸化性ガスがチャンバ1内に供給されるので、酸化性ガスが基板Wの金属配線部92(具体的には突起部分941)と反応し、金属配線部92をエッチングすることができる。
【0125】
第1工程S31の後の第2工程S32においては、不活性ガスがチャンバ1内に供給される。これにより、チャンバ1内において、酸化性ガスの濃度の不均一が生じる。具体的には、チャンバ1内の上部において酸素濃度が低下する。よって、濃度拡散により、基板Wの上面近傍の酸化性ガスが基板Wの上面から速やかに離れる。
【0126】
続く第1工程S31において、再び新鮮な酸化性ガスがチャンバ1内に供給される。よって、基板Wの上面近傍の古い酸化性ガスを新しい酸化性ガスに置換しやすく、新しい酸化性ガスが基板Wの上面に作用しやすい。続く第2工程S32において、再び不活性ガスがチャンバ1内に供給されて、古い酸化性ガスが基板Wの近傍から速やかに離れる。
【0127】
以上のように、第1工程S31および第2工程S32が交互に繰り返されることにより、基板Wの古い酸化性ガスを新しい酸化性ガスに速やかに置換しつつ、エッチングを行うことができる。これにより、酸化性ガスによる基板Wのエッチング速度を高めることができる。
【0128】
<第4の実施の形態>
第1から第3の実施の形態では、基板Wに形成される金属配線部92は、互いに異なる2種類の金属膜(ここでは配線本体93およびバリア膜94)を含み、その一方の金属膜(ここではバリア膜94)が酸化性ガスによってエッチングされ、他方の金属膜(ここでは配線本体93)が酸化性ガスによって酸化膜を形成した。
【0129】
しかるに、金属配線部92は、少なくとも1種類の金属膜によって形成されてもよい。金属配線部92が1種類の金属膜によって形成される場合、当該金属配線部92の材料としては、酸化性ガスとの反応により除去されつつも、部分的に酸化膜も形成し得る材料が採用される。例えば金属配線部92はルテニウムの金属膜によって形成されてもよい。ルテニウムは酸化性ガスによって4酸化ルテニウム(RuO4)ガスを生成する一方で、部分的に固体の2酸化ルテニウム(RuO2)も生成し得る。よって、酸化性ガスによってルテニウムの金属膜をエッチングすれば、その表面に部分的に酸化膜(2酸化ルテニウム)が残留し得る。
【0130】
図13は、基板WAの構成の一例を概略的に示す断面図である。基板WAは金属配線部92の構成を除いて基板Wと同様の構成を有する。基板WAでは、金属配線部92に替えて金属配線部92Aが設けられている。
図13の例では、金属配線部92Aは絶縁膜91のトレンチ91a内に埋設されている。
図13に例示するように、金属配線部92Aは単一の金属膜93Aによって形成されてもよい。金属膜93Aは、酸化性ガスによってエッチングされつつも酸化膜を生成する金属材料(例えばルテニウム)によって形成される。
【0131】
金属膜93Aは絶縁膜91のトレンチ91a内に設けられており、その上面は絶縁膜91の上面とほぼ面一である。
【0132】
基板処理装置100の動作の一例は
図4と同様である。ただし、ステップS1(搬入工程)では、
図13の基板WAが搬入される。よって、基板WAが基板保持部2によって保持される。このとき、基板WAの絶縁膜91の上面および金属膜93Aの上面がチャンバ1内で露出する。
【0133】
ステップS2(減圧加熱工程)において、必要に応じてチャンバ1内の圧力が調整されつつ、基板WAの温度が調整される。次のステップS3(エッチング工程)では、酸化性ガスが金属膜93Aの上面に作用し、金属膜93Aをエッチングする。具体的には、酸化性ガスが金属膜93Aと反応して4酸化ルテニウムガスを生成することにより、金属膜93Aがエッチングされる。これにより、金属膜93Aの上面が絶縁膜91の上面よりも後退する。また、酸化性ガスと金属膜93Aとの反応により、固体の2酸化ルテニウムも生成され得る。
【0134】
金属膜93Aを十分にエッチングすると、ステップS4(エッチング停止工程)が行われる。ステップS3では、固体の2酸化ルテニウムも生成され得るので、ステップS4の終了時点において、金属膜93Aの上面には2酸化ルテニウムが残留し得る。
【0135】
そこで、例えばステップS5(酸化性ガス排気工程)を経て、ステップS6(還元工程)が行われる。ステップS6においては、還元性ガスが基板Wの上面に作用するので、金属膜93Aの上面の2酸化ルテニウムが還元されてルテニウムに戻る。つまり、金属膜93Aの上面の酸化物を金属膜93Aの一部に復元することができる。
【0136】
以上のように、基板処理装置100によれば、酸化性ガスによって金属膜93Aをエッチングすることにより、金属膜93Aの形状を調整することができ、しかも、酸化性ガスによって生じ得る金属膜93Aの表面の酸化物を還元して、金属膜93Aの一部に復元することができる。よって、金属膜93Aの抵抗値を低減させることができる。
【0137】
以上のように、この基板処理装置100,100Aおよび配線形成方法は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この基板処理装置100,100Aおよび配線形成方法がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【0138】
例えば、酸化性ガスはオゾンガスに限らず、ハロゲン化酸素ガスおよび酸化窒素ガス等のガスを採用してもよい。また、酸化性ガス供給部4は、酸素を含むガスおよび酸化窒素ガス等の酸化性ガスを紫外線あるいはプラズマにより励起してから、基板Wに供給してもよい。具体的な一例として、酸素ガスと塩素ガスとの混合ガスを酸化性ガスとして採用し、酸化性ガス供給部4が当該混合ガスをプラズマ化させた上で、チャンバ1内の基板Wに供給してもよい。また、還元性ガスは水素ガスに限らず、例えば一酸化炭素等の他のガスであってもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 チャンバ
2 基板保持部
4 酸化性ガス供給部
5 還元性ガス供給部
8 ガスセンサ
92,92A 金属配線部
93 配線本体
93A 金属膜
94 バリア膜
941 突起部分
2 基板保持部
4 酸化性ガス供給部
5 還元性ガス供給部
S1 搬入工程
S3 エッチング工程(ステップ)
S301 検出工程
S302 判断工程
S31 第1工程
S32 第2工程
S5 酸化性ガス排気工程(ステップ)
S6 還元工程(ステップ)
S7 冷却工程(ステップ)
S8 搬出工程(ステップ)
W 基板