(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】生検装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20250124BHJP
【FI】
A61B10/02 110J
(21)【出願番号】P 2022520405
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2020077369
(87)【国際公開番号】W WO2021064022
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-09-29
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519047196
【氏名又は名称】サガ サージカル アーベー
【氏名又は名称原語表記】SAGA SURGICAL AB
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】フォルスバール,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ウブナース,クリステル
(72)【発明者】
【氏名】エドベルグ,マッツ
(72)【発明者】
【氏名】スパッレ,エリク
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0237976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0175842(US,A1)
【文献】特開平01-198537(JP,A)
【文献】特開平09-192134(JP,A)
【文献】中国実用新案第205359511(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00-10/02
A61B 5/06-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検針装置(20)であって:
近位端(201)および遠位端(202)を有する針シース(22)であって、前記針シース(22)の前記遠位端(202)のところにシース開口部(203)を有する細長い管を構築する針シース(22)と、
近位端(211)および遠位端(212)を有し、前記針シース(22)の長さより大きい長さを有する針(21)であって、前記針(21)が前記針シース(22)の内部に嵌め込まれるようにおよび前記針シース(22)に対して摺動するように構成される細長いシャフト部分(213)、ならびに前記シャフト部分(213)に接続されて前記針(21)の前記遠位端(212)に位置する先端部分(23)を備え、前記先端部分(23)が前記シース開口部(203)の横方向延在範囲つまり幅より大きい横方向延在範囲つまり幅を有する、針(21)と
を備え、
前記生検針装置(20)が、第1のアクチュエータ(321)および第2のアクチュエータ(322)を備えるアクチュエータデバイス(30)に動作可能に接続されるように構成され、前記第1のアクチュエータ(321)が前記針(21)に動作可能に接続されるように構成され、前記針シース(22)に対して遠位側の摺動方向(x)に前記針(21)を押すように構成され、前記第2のアクチュエータ(322)が前記針シース(22)に動作可能に接続されるように構成され、前記針(21)に対して遠位側の前記摺動方向(x)に前記針シース(22)を押すように構成され、
前記生検針装置(20)が、
前記針(21)を前記第1のアクチュエータ(321)に取り付けるように構成される針コネクタ(370)、および前記針シース(22)を前記第2のアクチュエータ(322)に取り付けるように構成されるシースコネクタ(350)を、さらに備え、
前記針コネクタ(370)が、閾値力を超える前記摺動方向(x)の力を前記針(21)が受けるときに、前記第1のアクチュエータ(321)から前記針(21)を係合解除するように構成される、および/または、
前記シースコネクタ(350)が、閾値力を超える前記摺動方向(x)に反対の方向(-x)の力を前記針シース(22)が受けるときに、前記第2のアクチュエータ(322)から前記針シース(22)を係合解除するように構成される、
生検針装置(20)。
【請求項2】
前記シースコネクタ(350)が、少なくとも、前記摺動方向(x)に対する第1の横方向(y1)に沿って位置合わせされる溝(36)を備え、
前記溝(36)が前記アクチュエータデバイス(30)の第3のアクチュエータ(323)のピン(34)と協働するように構成され、
前記ピン(34)が、前記摺動方向(x)に対する第2の横方向(y2)において前記第2のアクチュエータ(322)に対して摺動するように構成され、
前記第2の横方向(y2)が前記第1の横方向(y1)に対して一定の角度(a)である、
請求項1に記載の生検針装置(20)。
【請求項3】
前記溝(36)が第1の横方向(y1)を含めた一連の方向で湾曲している、
請求項2に記載の生検針装置(20)。
【請求項4】
前記針コネクタ(370)が、前記第1のアクチュエータ(321)に取り付けられるように構成される第1の針コネクタ部品(371)と、前記針(21)に取り付けられた第2の針コネクタ部品(372)と、を備え、
前記針(21)が前記第1のアクチュエータ(321)から係合解除されるとき、前記第1の針コネクタ部品(371)が前記第2の針コネクタ部品(372)から係合解除され、前記第2の針コネクタ部品(372)が前記第1の針コネクタ部品(371)に対して遠位側の前記摺動方向(x)に移動する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の生検針装置(20)。
【請求項5】
前記シースコネクタ(350)が、前記第2のアクチュエータ(322)に取り付けられるように構成される第1のシースコネクタ部品(351)と、前記針シース(22)に取り付けられた第2のシースコネクタ部品(352)と、を備え、
前記針シース(22)が前記第2のアクチュエータ(322)から係合解除されるとき、前記第1のシースコネクタ部品(351)が前記第2のシースコネクタ部品(352)から係合解除され、前記第1のシースコネクタ部品(351)が前記第2のシースコネクタ部品(352)に対して遠位側の前記摺動方向(x)に移動する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の生検針装置(20)。
【請求項6】
前記針コネクタ(370)および/または前記シースコネクタ(350)が、それぞれの第1のコネクタ部品(371、351)および第2のコネクタ部品(372、352)のクリック嵌合構成である、請求項4または5に記載の生検針装置(20)。
【請求項7】
前記針コネクタ(370)および/または前記シースコネクタ(350)が、それぞれの第1のコネクタ部品(371、351)および第2のコネクタ部品(372、352)のブレークアパート構成である、請求項4または5に記載の生検針装置(20)。
【請求項8】
前記針コネクタ(370)および/または前記シースコネクタ(350)が、それぞれの第1のコネクタ部品(371、351)および第2のコネクタ部品(372、352)の摩擦嵌合構成である、請求項4または5に記載の生検針装置(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、互いに動作可能に接続されるように構成されるアクチュエータデバイスおよび針装置を備える生検システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医学の分野では、種々の目的のための針装置が存在し、例えば、生検試料を採取するための針装置が存在する。生検試料採取装置は、通常、針装置に加えて、生検針を組織に押し入れることおよび組織の生検試料を切断することを操作者が行うのを支援する何らかの種類のアクチュエータデバイスを有する。生検試料採取を実施するときの重要な問題は、もちろん、患者に対する偶発的なダメージの保護手段を講じることおよび感染のリスクを最小にすることである。
【0003】
従来技術の生検針(通常、「Tru-cut」針と称される)は、患者内部の標的エリアまでの途中で大量の組織を収集するという欠点を有する。挿入中、針が、しばしば、バクテリアの存在するエリアに遭遇することになり、このようなバクテリアが、しばしば、バクテリアによって感染が発生してしまうようなエリアに運ばれてしまう。このような問題は、通常、抗生物質の使用によって対処されてきた。しかし、抗生物質に対する抵抗が増大し、問題に対処するこのような化学的手法の効率が低下したことから、異なる技術的解決策に対する要求が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記を鑑みて、本開示の目的は、従来技術の生検デバイスに関連する欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的が、一態様で、生検針装置のためのアクチュエータデバイスによって達成される。アクチュエータデバイスが、フレーム、第1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、および第3のアクチュエータを備える。第1、第2、および第3のアクチュエータが、フレームに対して移動するように構成され、生検針装置に動作可能に接続されるように構成される。
【0006】
生検針装置が、針シースおよび針を備える。針シースが近位端および遠位端を有し、針シースが、針シースの遠位端のところにシース開口部を有する細長い管を構築する。針が、近位端および遠位端、ならびに針シースの長さより大きい長さを有する。針が、針シースの内部に嵌め込まれるようにおよび針シースに対して摺動するように構成される細長いシャフト部分と、シャフト部分に接続されて針の遠位端に位置する先端部分と、を備える。先端部分が、シース開口部の横方向延在範囲つまり幅より大きい横方向延在範囲つまり幅を有する。生検針装置が閉状態および開状態を有し、先端部分が閉状態において針シースに当接し、先端部分が開状態において針シースの遠位端から延在する。
【0007】
第1のアクチュエータが針に動作可能に接続されるように構成され、針装置の閉状態において、針シースに対して遠位側の摺動方向に針を第1の距離d1で押すように構成され、ここでは針装置がその開状態にある。第2のアクチュエータが針シースに動作可能に接続されるように構成され、針装置の開状態において、針に対して遠位側の摺動方向に針シースを第2の距離d2で押すように構成される。第3のアクチュエータが針シースに動作可能に接続されるように構成され、針装置の開状態において、針に対して遠位側の摺動方向に針シースを第3の距離d3で押すように構成され、d3がd2より小さく、ここでは針装置がその閉状態にある。
【0008】
このような生検アクチュエータデバイスは、有利には、少なくとも、3ステップからなる押し進めの一連動作(three-step pushing sequence)で動作するように構成されるという点で、従来技術の生検デバイスとは異なる。3ステップからなる押し進めの一連動作は実際の生検を実施することにおいて効果的であり、さらには、針先端部分に対してダメージを発生させてそれにより患者を負傷させるリスクを最小にするという点で安全である。このアクチュエータデバイスの構成が、針を組織の中へ前方に押すステップおよびシースを前方に押すステップ(それにより、生検試料を切断する)の後で、シースと針先端部との間の望ましくない衝突を回避するのを可能にする。これは、組織を切断するときにアクチュエータデバイスがシースを比較的長い距離で前方に押し、この第2の押し進めステップの長さが閉状態において針装置を閉じる完全な距離よりわずかに短い、ことによる。次いで、第3のステップ中の第3のアクチュエータによる作動時に残りの短い距離がシースによってカバーされ、それにより針装置を閉じる。
【0009】
つまり、この装置は、Tru-cut針を備える従来技術の生検システムとは異なる。シース内に針を備える従来技術のTru-cut針は、開いている先端部を有する。このような針の動きは従来技術のアクチュエータにより2ステップで実現され、ここでは、針が最初に前方に押され、次いでシースが前方に押され、試料組織を切断する。遠位側に停止装置が存在しないことで、従来技術のシースが針に対して自由に移動することができることから、シースの移動において高い精度を必要としない。したがって、従来技術によるアクチュエータデバイスと共に、本明細書で定義される、閉じている先端部を有する生検針装置を使用する場合、針先端部とシースとの間で強めの衝突が起こり、それにより針先端部にダメージを与えるかまたはさらには針から針先端部が外れることの有意なリスクが発生する。言うまでもなく、患者内部でダメージを受けたかまたは外れた針先端部は生検の文脈において望ましくない状況にある。さらに、一般的な手順では、1つの等しい針を使用して複数の生検が実施される(一人の同じ患者で)。このような事例では、針に対するダメージを回避することの重要性がさらに上がる。その理由は、いかなるダメージも、通常、バクテリアを収集することになるような鋭利な部分(edge)、刃先のような部分(lip)、および亀裂の形態であり、それにより感染のリスクが上がる、からである。
【0010】
本明細書で定義されるアクチュエータデバイスによって達成されるような3ステップでの針およびシースの移動を実現することにより、針を安全かつ正確に閉じることが実現され、それにより従来技術の生検システムの不利益が回避される。
【0011】
第1のアクチュエータが、第1の最高速度を有する動きで針を押すように構成され得、第2のアクチュエータが、第2の最高速度を有する動きで針シースを押すように構成され得、第3のアクチュエータが、第3の最高速度を有する動きで針シースを押すように構成され得、第3の最高速度が第2の最高速度より低い。
【0012】
このような構成のアクチュエータは、3ステップの押し進めの一連動作中に針先端部分に対してダメージを発生させるリスクを最小にするという利点をさらに強める。第3の速度、つまり針装置を閉状態に設定するときのシースの速度を最小にすることにより、シースにより針先端部分に対して与えられるいかなる衝撃も最小にされ、ダメージのリスクも等しく最小にされる。
【0013】
アクチュエータが、針シースと先端部分との間のすべての相対位置において、針の先端部分に対して針シースを付勢するように構成され得る。
【0014】
シースおよび針の先端部分を互いの方に付勢することにより、このような構成の第1および/または第2のアクチュエータが、針装置の挿入中および後退中にシース開口部と先端部分との間に隙間が生じるのを一切防止する。例えば、このような付勢は、後で例示されるように、アクチュエータに関連してばねを構成することによって達成され得る。言い換えると、先端部分およびシースが、それらの動作時つまり先端部分およびシースを作動させるとき(および、その後の、組織試料を取り除くために針装置が開けられるタイミング)を除いて、すべての時間において互いに対して付勢され得る。先端部分およびシースを互いに対して付勢することになる力は、例えば密な筋膜を通過させて針装置を押したり引いたりするときでも針の先端部分をシースの方に向かう状態で維持するのに十分な大きさである。
【0015】
言い換えると、先端部分およびシースがすべての時間において互い対して付勢されることにより、本明細書で説明される構成によって動力が得られる。これは、ボタン、レバー、およびハッチなどを使用して先端部分およびシースを互いに接触させてロックする従来技術の解決策より安全である。このような従来技術の解決策では、針装置が使用時に組織を通過して移動することにより、先端部分とシースとの間の張力が変化し、それにより、部品が互いに対してロックされているにもかかわらず先端部分とシースとの間に望ましくない隙間が生じる可能性がある。対照的に、本明細書で説明される構成は、例えばアクチュエータのところにあるばねの配置などにより、動力が提供されることで、このような欠点を克服する。さらに、本明細書で説明される構成は、ロック機構を利用するいかなる従来技術の解決策よりも単純である。
【0016】
このような針装置およびアクチュエータデバイスのデザインの組み合わせは、バクテリアが別の場所に移されるのを最小にするのを可能にし、適切な診断を維持しながら患者を感染から保護する。同じ患者に対して複数の生検を実施するのに1つの等しい生検針装置が使用され得ることを考えると、個別の生検の間において針装置上でのいかなるバクテリアの収集も最小にすることが重要である。
【0017】
結果として、挿入中および後退中、針装置上での例えばバクテリアの望ましくない収集が最小にされる。
【0018】
第1のアクチュエータが針コネクタを介して針に解除可能に取り付けられるように構成され得、このような針コネクタが、閾値力を超える摺動方向の力を針が受けるときに、第1のアクチュエータから針を係合解除するように構成される。加えてまたは別法として、第2のアクチュエータが、シースコネクタを介して針シースに解除可能に取り付けられるように構成され得、このようなシースコネクタが、閾値力を超える摺動方向に反対の方向の力を針シースが受けるときに、第2のアクチュエータから針シースを係合解除するように構成される。
【0019】
このような針および/またはシースコネクタは2つのコネクタ部品を備えるように構成され得、2つのコネクタ部品の一方または両方が、それぞれの針およびシースアクチュエータに取り付けられるかまたは含まれる。
【0020】
つまり、針コネクタ部品に関しては、第1のアクチュエータが、針コネクタの第1の針コネクタ部品に取り付けられるように構成され得、針が第1のアクチュエータから係合解除されるとき、第1の針コネクタ部品が、針に取り付けられた第2の針コネクタ部品から係合解除され、第2の針コネクタ部品が第1の針コネクタ部品に対して遠位側の摺動方向に移動する。別法として、針コネクタが、第1のアクチュエータに取り付けられた第1の針コネクタ部品、および針に取り付けられるように構成される第2の針コネクタ部品を備えることができ、針が第1のアクチュエータから係合解除されるとき、第1の針コネクタ部品が第2の針コネクタ部品から係合解除され、第2の針コネクタ部品が第1の針コネクタ部品に対して遠位側の摺動方向に移動する。
【0021】
同様に、シースコネクタ部品に関しては、第2のアクチュエータがシースコネクタの第1のシースコネクタ部品に取り付けられるように構成され得、針シースが第2のアクチュエータから係合解除されるとき、第1のシースコネクタ部品が、針シースに取り付けられた第2のシースコネクタ部品から係合解除され、第1のシースコネクタ部品が第2のシースコネクタ部品に対して遠位側の摺動方向に移動する。別法として、シースコネクタが、第2のアクチュエータに取り付けられた第1のシースコネクタ部品、および針シースに取り付けられるように構成される第2のシースコネクタ部品を備えることができ、針シースが第2のアクチュエータから係合解除されるとき、第1のシースコネクタ部品が第2のシースコネクタ部品から係合解除され、第1のシースコネクタ部品が第2のシースコネクタ部品に対して遠位側の摺動方向に移動する。
【0022】
このような構成は、上で考察したように、シースを遠位側に押すステップ中にシースと針先端部との間の望ましくない衝突の結果として針装置がダメージを受けるのをさらに防止するという有利な効果を有する。つまり、シースと針先端部との間の望ましくない衝突が起こる場合、針先端部にかかる遠位方向の力が発生する。力が後でより詳細に考察されるようにコネクタ部品の特定の構成によって決定され得る閾値力を超えるような事例では、第1および第2のコネクタ部品が互いから分離し、針および/またはシースに取り付けられたコネクタ部品がそのそれぞれのアクチュエータから切り離されることになる。
【0023】
一態様で、針シースおよび針を備える生検針装置が提供される。針シースが近位端および遠位端を有し、針シースが、針シースの遠位端のところにシース開口部を有する細長い管を構築する。針が、近位端および遠位端、ならびに針シースの長さより大きい長さを有する。針が、針シースの内部に嵌め込まれるようにおよび針シースに対して摺動するように構成される細長いシャフト部分と、シャフト部分に接続されて針の遠位端に位置する先端部分と、を備える。先端部分が、シース開口部の横方向延在範囲つまり幅より大きい横方向延在範囲つまり幅を有する。
【0024】
生検針装置が、アクチュエータデバイスに動作可能に接続されるように構成され、アクチュエータデバイスが第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを備え、例えば上で概説したアクチュエータデバイスである。第1のアクチュエータが針に動作可能に接続されるように構成され、針シースに対して遠位側の摺動方向に針を押すように構成される。第2のアクチュエータが針シースに動作可能に接続されるように構成され、針に対して遠位側の摺動方向に針シースを押すように構成される。
【0025】
生検針装置が、針を第1のアクチュエータに取り付けるように構成される針コネクタと、針シースを第2のアクチュエータに取り付けるように構成されるシースコネクタと、をさらに備える。
【0026】
針コネクタが、閾値力を超える摺動方向の力を針が受けるときに、第1のアクチュエータから針を係合解除するように構成される。加えてまたは別法として、シースコネクタが、閾値力を超える摺動方向に反対の方向の力を針シースが受けるときに、第2のアクチュエータから針シースを係合解除するように構成される。
【0027】
このような構成は、上で考察したように、シースを遠位側に押すステップ中にシースと針先端部との間の望ましくない衝突の結果として針装置がダメージを受けるのをさらに防止するという有利な効果を有する。
【0028】
シースコネクタが、摺動方向に対する少なくとも第1の横方向に沿って位置合わせされた溝を備えることができる。このような溝がアクチュエータデバイスの第3のアクチュエータのピンと協働するように構成され、ピンが摺動方向に対する第2の横方向において第2のアクチュエータに対して摺動するように構成され、第2の横方向が第1の横方向に対して一定の角度である。
【0029】
このような構成は、上で考察したように、シースを遠位側に押すステップ中にシースと針先端部との間の望ましくない衝突の結果として針装置がダメージを受けるのをさらに防止するという利点をさらに向上させる。
【0030】
針コネクタが、第1のアクチュエータに取り付けられるように構成される第1の針コネクタ部品、および針に取り付けられた第2の針コネクタ部品を備えることができ、針が第1のアクチュエータから係合解除されるとき、第1の針コネクタ部品が第2の針コネクタ部品から係合解除され、第2の針コネクタ部品が第1の針コネクタ部品に対して遠位側の摺動方向に移動する。
【0031】
同様に、シースコネクタが、第2のアクチュエータに取り付けられるように構成される第1のシースコネクタ部品、および針シースに取り付けられた第2のシースコネクタ部品を備えることができ、針シースが第2のアクチュエータから係合解除されるとき、第1のシースコネクタ部品が第2のシースコネクタ部品から係合解除され、第1のシースコネクタ部品が第2のシースコネクタ部品に対して遠位側の摺動方向に移動する。
【0032】
このような構成は、上で考察したように、シースを遠位側に押すステップ中にシースと針先端部との間の望ましくない衝突の結果として針装置がダメージを受けるのをさらに防止するという利点をさらに強める。つまり、シースと針先端部との間の望ましくない衝突が起こる場合、針先端部にかかる遠位方向の力が発生する。力が後でより詳細に考察されるようにコネクタ部品の特定の構成によって決定され得る閾値力を超えるような事例では、第1および第2のコネクタ部品が互いから分離し、針および/またはシースに取り付けられたコネクタ部品がさらに遠位方向に移動することが防止されることになる。
【0033】
一態様で、上で概説したようなアクチュエータデバイスおよび生検針装置を備える生検システムが提供される。このようなシステムは使い捨て可能な装置としてみなされ得る。このようなシステムの効果および利点は、アクチュエータおよび生検装置の種々の構成に関連して上で概説した効果および利点に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】アクチュエータデバイスおよび針装置を備える生検システムを示す概略分解図である。
【
図3a】アクチュエータデバイスおよび針装置を備える生検システムによって実施される3ステップからなる押し進めの一連動作を示す概略図である。
【
図3b】アクチュエータデバイスおよび針装置を備える生検システムによって実施される3ステップからなる押し進めの一連動作を示す概略図である。
【
図3c】アクチュエータデバイスおよび針装置を備える生検システムによって実施される3ステップからなる押し進めの一連動作を示す概略図である。
【
図3d】アクチュエータデバイスおよび針装置を備える生検システムによって実施される3ステップからなる押し進めの一連動作を示す概略図である。
【
図4a】
図4aは、2部品からなるクリック嵌合(click-fit)コネクタを示す概略図である。
【
図4b】
図4bは、2部品からなるクリック嵌合コネクタを示す概略図である。
【
図5】2部品からなるクリック嵌合コネクタを示す概略図である。
【
図6】2部品からなるブレークアパート(break-apart)コネクタを示す概略図である。
【
図7】2部品からなる摩擦嵌合コネクタを示す概略図である。
【
図8a】
図8aは、生検システムを示す概略斜視図である。
【
図8b】
図8bは、生検システムを示す概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1および2が、アクチュエータデバイス30および生検針装置20を備える生検システム1を示す。アクチュエータデバイス30が、フレーム330と、第1のアクチュエータ321と、第2のアクチュエータ322と、第3のアクチュエータ323とを備える。第1のアクチュエータ321、第2のアクチュエータ322、および第3のアクチュエータ323が、フレーム330に対して移動するように構成され、生検針装置20に動作可能に接続されるように構成される。
【0036】
生検針装置20が針シース22および針21を備える。針シース22が近位端201および遠位端202を有し、針シース22が針シース22の遠位端202のところにシース開口部203を有する細長い管を構築する。針21が、近位端211および遠位端212、ならびに針シース22の長さより大きい長さを有する。針21が、針シース22の内部に嵌め込まれるようにおよび針シース22に対して摺動するように構成される細長いシャフト部分213と、シャフト部分213に接続された先端部分23と、を備える。先端部分23が針21の遠位端212のところに位置し、先端部分23が、シース開口部203の横方向延在範囲つまり幅より大きい横方向延在範囲つまり幅を有する。先端部分23の横方向延在範囲つまり幅が有利にはシース22の外側横方向延在範囲つまり幅と等しくてもよく、それにより、外側表面が滑らかになり、したがって上で考察したように使用中のバクテリアの収集のリスクを最小にする。さらに、示されるシース開口部203および先端部分23は、針装置20の延在範囲を画定する方向xに対して垂直である当接面を画定するが、他のジオメトリが構成されてもよい。例えば、シース開口部203および先端部分23が、方向xに対して直角ではない一定の角度である当接面を画定することができ、これが20度~90度の範囲内にある角度である。
【0037】
針装置20に関する細部のさらなる例示のために、本出願人による欧州特許出願17700660を参照されたい。例えば、針装置が、バクテリアの移転を最小にすることを目的とした表面処理またはヒートコーティング(heat coating)を受けることができる。
【0038】
次に
図3a~dを参照すると、生検針装置20が閉状態および開状態を有し、
図3aに示される閉状態では先端部分23が針シース22に当接し、ここでは、閉状態においてx0が摺動方向xの原点を画定する。先端部分23が
図3bに示される開状態において針シース22の遠位端202から延在する。
【0039】
第1のアクチュエータ321が針21に動作可能に接続されるように構成され、針装置20の閉状態において、針シース22に対して遠位側の摺動方向xに針21を原点x0から第1の距離d1で押すように構成され、ここでは針装置20がその開状態にある。つまり、3ステップからなる押し進めの一連動作の第1の押し進めステップが、
図3aに示される閉状態から
図3bに示される開状態までの移行によって例示される。このような第1の押し進めステップ中、針が組織の中に入り、針21の近位端のところの窪み24に、生検試料採取を受ける組織が充填される。
【0040】
第2のアクチュエータ322が針シース22に動作可能に接続されるように構成され、針装置20の開状態において、針21に対して遠位側の摺動方向に針シース22を第2の距離d2で押すように構成される。つまり、3ステップからなる押し進めの一連動作の第2の押し進めステップが、
図3bに示される開状態から
図3cに示される開状態までの移行によって例示される(針21の先端部分23が針シース22に当接しない限りにおいて開状態が維持されることに留意されたい)。このような第2の押し進めステップ中、針シース22が組織試料を切断することになり、組織試料が針21内の窪み24内で保持されることになる。
【0041】
このような針21に対する第1のアクチュエータ321の接続およびシース22に対する第2のアクチュエータ322の接続は、
図2に例示されるように、それぞれ針コネクタ370およびシースコネクタ350によって実現され得る。
【0042】
例えば第1のアクチュエータ321および第2のアクチュエータ322に対する針コネクタ370およびシースコネクタ350のそれぞれの取り付けを弾性力の観点で構成するというように、針コネクタ370およびシースコネクタ350を構成することにより、針シース22と先端部分23との間のすべての相対位置において針21の先端部分23に対して針シース22をばね付勢するための第1のアクチュエータ321および/または第2のアクチュエータ322の構成を得ることが可能となる。
【0043】
第3のアクチュエータ323が針シース22に動作可能に接続されるように構成され、針装置の開状態において、針21に対して遠位側の摺動方向xに針シース22を第3の距離d3で押すように構成され、d3がd2より小さく、ここでは針装置20がその閉状態にある。つまり、3ステップからなる押し進めの一連動作の第3の押し進めステップが、
図3cに示される開状態から
図3dに示される閉状態までの移行によって例示される。
【0044】
3ステップからなる押し進めの一連動作に関して、第1のアクチュエータ321が、第1の最高速度v1を有する動きで針21を押すように構成され得る。第2のアクチュエータ322が、第2の最高速度v2を有する動きで針シース22を押すように構成され得る。第3のアクチュエータ323が、第3の最高速度v3を有する動きで針シース22を押すように構成され得、v3がv2より低い。
【0045】
図1から3に例示されるように、第1のアクチュエータ321が第1のスライダ32およびばね37を備えることができる。第1のスライダが、このような実施例では、摺動方向xにおいてフレーム330に対して摺動するように構成され、第1のばね37が第1のスライダ32をフレーム330に対して付勢するように構成される。同様に、第2のアクチュエータ322が第2のスライダ33および第2のばね38を備えることができる。この場合、第2のスライダ33が摺動方向xにおいてフレーム330に対して摺動するように構成され、第2のばね38が第2のスライダ33をフレーム330に対して付勢するように構成される。第3のアクチュエータ323がピン34および第3のばね39を備えることができる。この場合、第3のばね39がピン34を第2のスライダ33に対して付勢するように構成される。
【0046】
このような構成のアクチュエータが、組織を通過するように針装置20が挿入されるおよび後退させられるときに先端部分23およびシース22を互いに対して付勢した状態で維持する動力を提供する。これの利点は上で概説される。
【0047】
例示されるように、フレーム330が、フレーム基部331およびアクスル332を備えることができ、アクスル332が、摺動方向xに長手方向延在範囲を有し、フレーム基部331を通過するように配置される。第1のアクチュエータ321および第2のアクチュエータ322が、このような実施例では、フレーム基部331のそれぞれの近位側および遠位側においてアクスル332に沿って配置され、それぞれのばね37、38が、上で考察したように、第1のアクチュエータ321および第2のアクチュエータ322を押すための力を提供するように配置される。
【0048】
第1の距離d1および第2の距離d2で遠位側の摺動方向xに針21およびシース22を押すための第1のアクチュエータ321および第2のアクチュエータ322の構成は、フレーム330の部品331、332に関連したそれぞれのサイズおよび位置を観点としたそれぞれのスライダ32、33の構成を伴うことができる。それぞれ速度v1およびv2を有する動きで針21およびシース22を押すことを観点としたアクチュエータ321、322の構成に関して、それぞれのばね37、38は、適切な力を提供するための長さ特性および他の特性を観点として選択され得る。
【0049】
第3のアクチュエータ323に関して、ピン34が、針シース22に取り付けられたシースコネクタ350内の溝36と協働するように構成され得る。例示されるように、溝36が摺動方向xに対する少なくとも第1の横方向y1に沿って位置合わせされ得、ピン34が摺動方向xに対する第2の横方向y2において第2のアクチュエータ322に対して摺動するように構成され得る。第2の横方向y2が第1の横方向y1に対して一定の角度である。
図2および3a~dは第1の方向y1に沿って直線である溝36を例示するが、以下では、溝36が曲線でもあってよく、したがって、第2の横方向y2とは異なる、第1の横方向y1を含めた一連の方向によって画定されてもよい、ことが例示される。さらに、
図2および3a~dに例示されるように、ピン34が、第2のアクチュエータ322内の溝342および第1のピンガイダー343内の溝344と協働するようにピン基部341に取り付けられ得、それにより、ピン基部314内部に配置される第3のばね39によって押されるときに第2の横方向y2に沿って案内され得る。ピンガイダー343が、図面に例示されるように、シースコネクタ350の頂部に(つまり、z方向によって画定されるように)、または例えばシースコネクタ350と第2のアクチュエータ322との間に、配置され得る。
【0050】
第2の横方向y2に対する第1の横方向y1を用いて(または、第1の横方向y1を含めた一連の方向によって画定される曲線を用いて)シースコネクタ350内に溝36を構成することにより、上述した3ステップからなる押し進めの一連動作の第3の押し進めステップ中に針シース22を押すときの第3の距離d3および第3の速度v3(または、溝36が曲線である事例では変化する速度v3)を構成することが可能となる。第3のばね39が、適切な速度で溝342、344に沿ってピン34を押すときの長さ特性および他の特性を観点として構成され得る、ことに留意されたい。
【0051】
図3aに示されるように、第1のアクチュエータ321、第2のアクチュエータ322、および第3のアクチュエータ323に、それぞれの構成された方向xおよびy2に沿って圧縮されるそれぞれのばね37、38、39によるポテンシャルエネルギーが与えられる。つまり、第1のアクチュエータ312が、摺動方向xの反対の方向-xにおけるフレーム330のアクスル332に対する近位側の位置までの第1のスライダ32の後退によって荷重を加えられる。この後退は、直接に、または任意適切な補助後退装置を介して、第1のスライダ32との手動の相互作用によって行われ得、適切なロック手段により後退位置でロックされ得る。これらの詳細は本開示の範囲外にある。
【0052】
同様に、第2のアクチュエータ332が、摺動方向xの反対の方向-xにおけるフレーム330のフレーム基部331に対して直接に隣接する遠位側の位置までの第2のスライダ33の後退によって荷重を加えられる。後退すると、フレーム基部331に対する第1のスライダ32および第2のスライダ33の位置が閉状態においてx0の原点を確立し、一定の閉鎖力がシース22上の先端部分23によって提供される。第1のアクチュエータ321と同様に、第2のスライダ33の後退は、直接に、または任意適切な補助後退装置を介して、第2のスライダ33との手動の相互作用によって行われ得、適切なロック手段により後退位置でロックされ得る。これらの詳細は本開示の範囲外にある。
【0053】
第3のアクチュエータ323が、上述したような第2のスライダ33の後退の結果として、および第2のピンガイダー345との相互作用との結果として、荷重を加えられる。
図3dに示される無荷重状態から開始すると、ピン34が、第2のピンガイダー345に対して直接に隣接するようにピン34を配置することになるような方向y2に沿う位置にある。第2のピンガイダー345が、第2のスライダ33の後退により方向-xに後退させられるときにピン34を第2の横方向y2と反対の方向-y2において
図3aに示されるような第2のピンガイダー345を基準とした位置まで案内する案内溝346を用いて構成される。
【0054】
例示されるように、案内溝346が第2のピンガイダー345の遠位端から延びており、第2のピンガイダー345内の側方部分347から外に出る。第2のピンガイダー345が方向zにおいて弾性を有し、この弾性が、ハウジング31に固定されるかまたはハウジング31の一部である板ばね348に取り付けられることによって達成される。案内溝346内で-x方向に沿って後退させられるとき、ピン34が第2のピンガイダー345を押圧してその弾性により方向zに湾曲させる。第2のピンガイダー345の側方部分347から外に出るとき、第2のピンガイダー345が反対の-z方向に再び湾曲する。側方部分開口部347が方向zにおいて限定される延在範囲を有することを理由として、3ステップからなる押し進めの一連動作の第3の押し進めステップ中にピン34が遠位側の摺動方向xに押されるときに案内溝346へ戻るように案内されることを回避することができる。案内溝346へ戻るように案内されることをこのように回避することが、
図3aおよび3cに示されるピン34の位置から推測され得る。
【0055】
上述したようにそれぞれのばね37、38、39によりポテンシャルエネルギーを与えられると、第1のアクチュエータ321、第2のアクチュエータ322、および第3のアクチュエータ323が、始動組立体によりそれらのポテンシャルエネルギーを解放するように始動され得る。このような始動組立体は、例えば手動の相互作用の結果として、第1のアクチュエータ321を解放する機能を実施し、それにより、第2のアクチュエータ322および第3のアクチュエータ323を解放し、上述した3ステップからなる押し進めの一連動作が行われる。
【0056】
有利には、第2のアクチュエータ322が摺動方向xの移動を停止するまで、第3のアクチュエータ323の始動が行われるべきではなく、この停止が、ピン34および第2のピンガイダー345を互いに密に嵌合させるように構成することによって達成され得る。始動組立体に関するさらなる細部は
図8aに関連して後で例示される。
【0057】
始動時、針装置20が説明した3ステップからなる押し進めの一連動作を受け、その後、閉状態に到達し、一定の閉鎖力がシース22上の先端部分23によって提供される。シース22上の先端部23によるこの閉鎖力は、この閉状態では、溝36を介してシースコネクタ350に作用するピン34を介して第3のばね39の力によって提供される。
【0058】
上で概説したように、本明細書で説明される配置の利点は、アクチュエータデバイス30および針装置20の種々の構成が、シース22を遠位側に押すステップ中に針シース22と針先端部分23との間の望ましくない衝突の結果として針装置20がダメージを受けるのを防止するのを可能にする、ことである。
【0059】
例えば、第1のアクチュエータ321が針コネクタ370を介して針21に解除可能に取り付けられるように構成され得、針コネクタ370が、閾値力を超える摺動方向xの力を針21が受けるときに、第1のアクチュエータ321から針21を係合解除するように構成される。加えてまたは別法として、第2のアクチュエータ322が、シースコネクタ350を介して針シース22に解除可能に取り付けられるように構成され得、シースコネクタ350が、閾値力を超える摺動方向xの反対の方向-xの力を針シース22が受けるときに、第2のアクチュエータ322から針シース22を係合解除するように構成される。アクチュエータデバイス30および針装置20のこのような力を制限することによる安全構成(force limiting security configuration)は、
図4a~bおよび
図5から7を参照して以下で例示される種々の手法で実現され得る。
【0060】
例えば、第1のアクチュエータ321が、針コネクタ370の第1の針コネクタ部品371に取り付けられるように構成され得る。このような構成では、針21が第1のアクチュエータ321から係合解除されるとき、第1の針コネクタ部品371が針21に取り付けられた第2の針コネクタ部品372から係合解除され、第2の針コネクタ部品372が第1の針コネクタ部品371に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0061】
別法として、針コネクタ370が、第1のアクチュエータ321に取り付けられた第1の針コネクタ部品371と、針21に取り付けられるように構成される第2のニードルコネクタ部品372とを備えることができる。このような構成では、針21が第1のアクチュエータ321から係合解除されるとき、第1の針コネクタ部品371が第2の針コネクタ部品372から係合解除され、第2の針コネクタ部品372が第1の針コネクタ部品371に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0062】
同様に、第2のアクチュエータ322が、シースコネクタ350の第1のシースコネクタ部品351に取り付けられるように構成され得る。このような構成では、針シース22が第2のアクチュエータ322から係合解除されるとき、第1のシースコネクタ部品351が針シース22に取り付けられた第2のシースコネクタ部品352から係合解除され、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0063】
別法として、シースコネクタ350が、第2のアクチュエータ322に取り付けられた第1のシースコネクタ部品351と、針シース22に取り付けられるように構成される第2のシースコネクタ部品352とを備えることができる。このような構成では、針シース22が第2のアクチュエータ322から係合解除されるとき、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352から係合解除され、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0064】
針コネクタ370および/またはシースコネクタ350が、それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352のクリック嵌合構成の形態であってよい。
【0065】
図4aが、第2のアクチュエータ322に取り付けられるように構成される第1のシースコネクタ部品351と、シース22に取り付けられた第2のコネクタ部品352とを備えるこのようなクリック嵌合シースコネクタ350を例示する。第1のコネクタ部品351がシース22に対して自由に移動するように構成される。第1のコネクタ部品351が、溝36(ここでは、湾曲した溝36によって例示される)を介して第3のアクチュエータ323のピン34と相互作用する。
図4bに示されるように、クリック嵌合(click-fit)を係合解除することになるときの閾値力の構成は、当業者には理解されるように、コネクタ350の材料、ならびに第1のコネクタ部品315および第2のコネクタ部品352の空間寸法を適切に選択することによって実現され得る。
【0066】
図5が、第1のアクチュエータ321に取り付けられるように構成される第1の針コネクタ部品371と、針21に取り付けられた第2のコネクタ部品372とを備える、このようなクリック嵌合針コネクタ370を例示する。クリック嵌合を係合解除することになるときの閾値力の構成は、当業者には理解されるように、コネクタ370の材料、ならびに第1のコネクタ部品371および第2のコネクタ部品372の空間寸法を適切に選択することによって実現され得る。
【0067】
針コネクタ370および/またはシースコネクタ350が、それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352のブレークアパート構成(break-apart configuration)の形態であってよい。
【0068】
図6が、第1のアクチュエータ321に取り付けられるように構成される第1のコネクタ部品371と、針21に取り付けられるように構成される第2のコネクタ部品372とを備える、このようなブレークアパート針コネクタ370を例示する。針21が閾値力を超える摺動方向xの力を受けるとき、コネクタブリッジ380が割れ、第2のコネクタ部品372が第1のコネクタ部品371に対して遠位側の摺動方向xに移動する。コネクタブリッジ380を割れさせることになるときの閾値力の構成は、当業者には理解されるように、コネクタ370(コネクタブリッジ380を含む)の材料、およびコネクタブリッジ380の空間寸法を適切に選択することによって実現され得る。
【0069】
針コネクタ370および/またはシースコネクタ350が、それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352の摩擦嵌合構成の形態であってよい。
【0070】
図7が、第1のアクチュエータ321に取り付けられるように構成される第1のコネクタ部品371、および針21に取り付けられるように構成される第2のコネクタ部品372を備える、このような摩擦嵌合針コネクタ370を例示する。針21が閾値力を超える摺動方向xの力を受けるとき、第1のコネクタ部品371と第2のコネクタ部品372との間の摩擦力が摺動方向xの力によって打ち負かされ、第2のコネクタ部品372が第1のコネクタ部品371に対して遠位側の摺動方向xに移動する。摩擦力が打ち負かされることになるときの閾値力の構成は、当業者には理解されるように、コネクタ370の材料、およびコネクタ部品371とコネクタ部品372との間の摩擦嵌合の空間寸法を選択することによって実現され得る。
【0071】
上で例示した実施形態では、第3のアクチュエータ323が、針シース22に動作可能に接続されるように構成され、針装置20の開状態において、針21に対して遠位側の摺動方向xに針シース23を第3の距離d3で押すように構成され、d3がd2より小さく、ここでは針装置20がその閉状態にある。つまり、一般的に言うと、針装置20を開けたり閉じたりするときに3ステップからなる一連動作が実施され、ここでは、第3のステップが針21とシース22との間の短い相対移動を含む。3つの押し進めステップを含むこのような3ステップからなる一連動作の実施例を説明する。
【0072】
しかし、このような3ステップからなる一連動作は押し進めステップおよび引き戻しステップの両方を伴うことができることが予見される。つまり、他の実施例では、第3のアクチュエータが、針およびシースを遠位側に押すことの後で、短い距離でおよび限定の速度で後方の近位方向に針を引くように構成され得る。このような構成は、第1のアクチュエータのところに第3のアクチュエータを配置することにより、実現され得る。このような実施例では、針コネクタが、第3のアクチュエータ323の説明に関連して上記で例示される溝36に対して+/-180度である方向に沿って位置合わせされる方向に沿って溝を有することができる。
【0073】
上記では、アクチュエータデバイス30、および生検針装置20との相互作用のためのその種々の例示の構成を説明すること焦点を当ててきた。以下では、生検針装置20、およびアクチュエータデバイス30との相互作用のための種々の例示の構成を説明することに焦点を当てる。
図1から7を参照する。
【0074】
このような生検針装置20が、近位端201および遠位端202を有する針シース22を備える。針シース22が、針シース22の遠位端202のところにシース開口部203を有する細長い管を構築する。
【0075】
生検針装置20が針21をさらに備え、針21が、近位端211および遠位端212、ならびに針シース22の長さより大きい長さを有する。針21が、針シース22の内部に嵌め込まれるようにおよび針シース22に対して摺動するように構成される細長いシャフト部分213と、シャフト部分213に接続されて針21の遠位端212のところに位置する先端部分23とを備える。先端部分23が、シース開口部203の横方向延在範囲つまり幅より大きい横方向延在範囲つまり幅を有する。先端部分23の横方向延在範囲つまり幅が有利にはシース22の外側横方向延在範囲つまり幅と等しくてもよく、それにより、上で考察したように使用中のバクテリアの収集のリスクを最小にする。さらに、示されるシース開口部203および先端部分23は、針装置20の延在範囲を画定する方向xに対して垂直である当接面を画定するが、他のジオメトリが構成されてもよい。例えば、シース開口部203および先端部分23が、方向xに対して直角ではない一定の角度である当接面を画定することができ、これが20度~90度の範囲内にある角度である。
【0076】
生検針装置20が、第1のアクチュエータ321および第2のアクチュエータ322を備えるアクチュエータデバイス30に動作可能に接続されるように構成され、第1のアクチュエータ321が針21に動作可能に接続されるように構成され、針シース22に対して遠位側の摺動方向xに針21を押すように構成され、第2のアクチュエータ322が針シース22に動作可能に接続されるように構成され、針21に対して遠位側の摺動方向xに針シース22を押すように構成される。
【0077】
生検針装置20が、針21を第1のアクチュエータ321に取り付けるように構成される針コネクタ370と、針シース22を第2のアクチュエータ322に取り付けるように構成されるシースコネクタ350とをさらに備える。針コネクタ370が、閾値力を超える摺動方向xの力を針21が受けるときに、第1のアクチュエータ321から針21を係合解除するように構成される。加えてまたは別法として、シースコネクタ350が、閾値力を超える摺動方向xに反対の方向-xの力を針シース22が受けるときに、第2のアクチュエータ322から針シース22を係合解除するように構成される。
【0078】
シースコネクタ350が、少なくとも、摺動方向xに対する第1の横方向y1に沿って位置合わせされる溝36を備えることができ、溝36がアクチュエータデバイス30の第3のアクチュエータ323のピン34と協働するように構成される。このようなピン34が、摺動方向xに対する第2の横方向y2において第2のアクチュエータ322に対して摺動するように構成され、第2の横方向y2が第1の横方向y1に対して一定の角度である。溝36が、第1の横方向y1を含めた一連の方向で湾曲していてもよい。
【0079】
針コネクタ370が、第1のアクチュエータ321に取り付けられるように構成される第1の針コネクタ部品371と、針21に取り付けられた第2の針コネクタ部品372とを備えることができる。このような構成では、針21が第1のアクチュエータ321から係合解除されるときに、第1の針コネクタ部品371が第2の針コネクタ部品372から係合解除され、第2の針コネクタ部品372が第1の針コネクタ部品371に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0080】
シースコネクタ350が、第2のアクチュエータ322に取り付けられるように構成される第1のシースコネクタ部品351と、針シース22に取り付けられた第2のシースコネクタ部品352とを備えることができる。このような構成では、針シース22が第2のアクチュエータ322から係合解除されるときに、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352から係合解除され、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0081】
針コネクタ370および/またはシースコネクタ350が、それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352のクリック嵌合構成であってよい。針コネクタ370および/またはシースコネクタ350が、それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352のブレークアパート構成であってよい。針コネクタ370および/またはシースコネクタ350が、それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352の摩擦嵌合構成であってよい。
【0082】
上で言及したように、アクチュエータデバイス30および針装置20の組み合わせが生検システムの1つの実施例であり、ここでは、システム1が、(使い捨てではない)アクチュエータデバイス30と共に使用されるための使い捨て可能なデバイスとしてみなされ得る。しかし、明示的に示されないが、部品の他の組み合わせも他のシステムを画定することができる。例えば、生検システムが、アクチュエータデバイス30に接続されるように構成される第1のスライダ32および第2のスライダ33の少なくとも一部分と一体にする針装置20の組み合わせとして定義され得る。このようなシステムは、(使い捨てではない)アクチュエータデバイスと共に使用されるための使い捨て可能なデバイスとみなされ得る。
【0083】
最後に、
図1から7を参照すると、生検針装置20のためのアクチュエータデバイス30が、フレーム330と、第1のアクチュエータ321と、第2のアクチュエータ322と、第3のアクチュエータ323とを備えることができ、第1のアクチュエータ321、第2のアクチュエータ322、および第3のアクチュエータ323が、フレーム330に対して移動するように構成され、生検針装置20に動作可能に接続されるように構成され:
- 生検針装置20が針シース22および針21を備え、
- 針シース22が近位端201および遠位端202を有し、針シース22が針シース22の遠位端202のところにシース開口部203を有する細長い管を構築し、
- 針21が近位端211および遠位端212を有し、針シース22の長さより大きい長さを有し、針21が、針シース22内部に嵌め込まれるようにおよび針シース22に対して摺動するように構成される細長いシャフト部分213と、シャフト部分213に接続されて針21の遠位端のところに位置する先端部分23と、を備え、先端部分23が、シース開口部203の横方向延在範囲つまり幅より大きい横方向延在範囲つまり幅を有し、
- 生検針装置20が閉状態および開状態を有し、閉状態では先端部分23が針シース22に当接し、先端部分23が開状態において針シース22の遠位端202から延在し、
- 第1のアクチュエータ321が針21に動作可能に接続されるように構成され、針装置20の閉状態において、針シース22を基準とした遠位側の摺動方向xに針21を第1の距離d1で押すように構成され、ここでは針装置20がその開状態にあり、
- 第2のアクチュエータ322が針シース22に動作可能に接続されるように構成され、針装置20の開状態において、針21を基準とした遠位側の摺動方向xに針シース22を第2の距離d2で押すように構成され、
- 第3のアクチュエータ323が針シース22に動作可能に接続されるように構成され、針装置の開状態において、針21を基準とした遠位側の摺動方向xに針シース22を第3の距離d3で押すように構成され、d3がd2より小さく、ここでは針装置20がその閉状態にある。
【0084】
例えば:
- 第1のアクチュエータ321が、第1の最高速度v1を有する動きで針21を押すように構成され、第2のアクチュエータ322が、第2の最高速度v2を有する動きで針シース22を押すように構成され、第3のアクチュエータ323が、第3の最高速度v3を有する動きで針シース22を押すように構成され、v3がv2より低い。
【0085】
例えば:
- 第1のアクチュエータ321が、摺動方向xにおいてフレーム330に対して摺動するように構成される第1のスライダ32、および第1のばね37を備え、第1のばね37が第1のスライダ32をフレーム330に対して付勢するように構成され、
- 第2のアクチュエータ322が、摺動方向xにおいてフレーム330に対して摺動するように構成される第2のスライダ33、および第2のばね38を備え、第2のばね38が第2のスライダ33をフレーム330に対して付勢するように構成され、
- 第3のアクチュエータ323がピン34および第3のばね39を備え、第3のばね39がピン34を第2のスライダ33に対して付勢するように構成される。
【0086】
例えば:
- アクチュエータ321、322、323が、針シース22と先端部分23との間のすべての相対位置において、針21の先端部分23に対して針シース22を付勢するように構成される。
【0087】
例えば:
- ピン34が、針シース22に取り付けられたシースコネクタ350内の溝36と協働するように構成され、溝36が摺動方向xに対する少なくとも第1の横方向y1に沿って位置合わせされ、ピン34が摺動方向xに対する第2の横方向y2において第2のアクチュエータ322に対して摺動するようにさらに構成され、第2の横方向y2が第1の横方向y1に対して一定の角度aである。
【0088】
例えば:
- 第1のアクチュエータ321が針コネクタ370を介して針21に解除可能に取り付けられるように構成され、針コネクタ370が、閾値力を超える摺動方向xの力を針21が受けるときに、第1のアクチュエータ321から針21を係合解除するように構成される。
【0089】
例えば:
- 第1のアクチュエータ321が、針コネクタ370の第1の針コネクタ部品371に取り付けられるように構成され:
- 針21が第1のアクチュエータ321から係合解除されるとき、第1の針コネクタ部品371が針21に取り付けられた第2の針コネクタ部品372から係合解除され、第2の針コネクタ部品372が第1の針コネクタ部品371に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0090】
例えば:
- 針コネクタ370が、第1のアクチュエータ321に取り付けられた第1の針コネクタ部品371と、針21に取り付けられるように構成される第2の針コネクタ部品372とを備え:
- 針21が第1のアクチュエータ321から係合解除されるとき、第1の針コネクタ部品371が第2の針コネクタ部品372から係合解除され、第2の針コネクタ部品372が第1の針コネクタ部品371に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0091】
例えば:
- 第2のアクチュエータ322が、シースコネクタ350を介して針シース22に解除可能に取り付けられるように構成され、シースコネクタ350が、閾値力を超える摺動方向xの反対の方向-xの力を針シース22が受けるときに、第2のアクチュエータ322から針シース22を係合解除するように構成される。
【0092】
例えば:
- 第2のアクチュエータ322が、シースコネクタ350の第1のシースコネクタ部品351に取り付けられるように構成され:
- 針シース22が第2のアクチュエータ322から係合解除されるとき、第1のシースコネクタ部品351が針シース22に取り付けられた第2のシースコネクタ部品352から係合解除され、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0093】
例えば:
- シースコネクタ350が、第2のアクチュエータ322に取り付けられた第1のシースコネクタ部品351と、針シース22に取り付けられるように構成される第2のシースコネクタ部品352とを備え:
- 針シース22が第2のアクチュエータ322から係合解除されるとき、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352から係合解除され、第1のシースコネクタ部品351が第2のシースコネクタ部品352に対して遠位側の摺動方向xに移動する。
【0094】
例えば:
針コネクタ370および/またはシースコネクタ350が:
- それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352のクリック嵌合構成、
- それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352のブレークアパート構成、
- それぞれの第1のコネクタ部品371、351および第2のコネクタ部品372、352の摩擦嵌合構成
のいずれかである。
【0095】
生検システム1が、これらの実施例のうちのいずれかの実施例のアクチュエータデバイス30、および生検針装置20を備えることができる。
【0096】
次に
図8aおよび8bを参照して、アクチュエータデバイス30および生検針装置20を備える生検システム1の別の実施形態を説明する。アクチュエータデバイス30が、フレーム330と、第1のアクチュエータ321と、第2のアクチュエータ322と、第3のアクチュエータ323とを備える。第1のアクチュエータ321、第2のアクチュエータ322、および第3のアクチュエータ323が、
図1、2、および3a~dに関連して上述した手法と同様の手法で、フレーム330に対して移動するように構成され、生検針装置20に動作可能に接続されるように構成される。
【0097】
始動組立体390がアクチュエータデバイス30のボディ31の近位端のところに接続される。始動組立体390が、リリーサー(releaser)391を含む、トリガー組立体部品を備え、第1のアクチュエータ321の近位端がリリーサー391によって保持され、リリーサー391により、それらのポテンシャルエネルギーを解放するために一連の第1のアクチュエータ321、第2のアクチュエータ322、および第3のアクチュエータ323を始動させることが開始される。始動組立体に関するさらなる細部は本開示の範囲外である。
【0098】
針21が針コネクタ370を介して第1のアクチュエータ321に接続される。付勢ばね369が、初期状態の荷重を加えられた構成において、針シース22と針21の先端部分23との間に付勢力を提供し、この初期状態の荷重を加えられた構成では、第1のアクチュエータ321、第2のアクチュエータ322、および第3のアクチュエータ323に、上で考察したように、ポテンシャルエネルギーが与えられる。
図8aに例示されるように、付勢ばね369が、ガイダー(guider)361および付勢ピン364を有するピン装置により、付勢力を提供し、付勢ピン364が第1のアクチュエータ321の案内溝362内に配置され、コネクタ孔365を介して針コネクタ370に接続される。ばね37を介して第1のアクチュエータ321にポテンシャルエネルギーを与えるとき、付勢ばね369が圧縮され、針21を近位方向に引く力を提供し、それにより針先端部23を針シース22の遠位端に当接させ、これが、上で考察したように望まれることである。付勢ばね369および付勢ピン364を案内溝362内で移動させるこのような配置により、さらに、上で考察したように初期状態においてポテンシャルエネルギーを与える間に第1のアクチュエータ321に作用するばね37に「過度の荷重」を加える事例において針先端部23に対してダメージを与えるリスクが低減される。
【0099】
針シース22がシースコネクタ350により第2のアクチュエータ322に接続され、第2のアクチュエータ322が上で考察したように溝36を介して第3のアクチュエータ323と相互作用するように構成される。そのピン34、ピン基部341、および第3のばね39を備える第3のアクチュエータ321が、上で考察したように、第2のピンガイダー(socond pin guider)345と相互作用するように構成され、ここでは、ピン34が溝342およびシースコネクタ350内の溝36と協働する。しかし、
図8aおよび8bに例示される実施形態では、ピンガイダー345がその案内溝346を針装置20の下方においてz方向の上方の針装置20の方に向けるように配置され、空洞340内でフレームベース331に取り付けられる。第2のスライダ33が案内空間378を用いて構成され、案内空間378内でピンガイダー345が受け入れられる。ハウジング31に固定されるかまたはハウジング31の一部である板ばね348に対してピンガイダー345が取り付けられる上で考察した実施形態とは異なり、ピンガイダー345がピンガイダーばね349によって弾性を提供される。