(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】電池セル、電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/591 20210101AFI20250124BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20250124BHJP
H01M 50/124 20210101ALI20250124BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20250124BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20250124BHJP
H01M 50/164 20210101ALI20250124BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20250124BHJP
【FI】
H01M50/591 101
H01M50/103
H01M50/124
H01M50/588
H01M50/15
H01M50/164
H01M50/593
(21)【出願番号】P 2023521384
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2021115166
(87)【国際公開番号】W WO2023024121
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】肖 俊
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第213093269(CN,U)
【文献】特開2013-033668(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103943(WO,A1)
【文献】特開2015-060759(JP,A)
【文献】特開2013-206884(JP,A)
【文献】中国実用新案第213278202(CN,U)
【文献】中国実用新案第207368121(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第109904353(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0031444(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00-50/198
50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの内部から離れた外表面に第1絶縁層が被覆されるハウジングと、
前記ハウジングの前記電池セルの長さ方向に沿った端部に設置されるエンドカバーアセンブリと、
前記エンドカバーアセンブリの前記電池セルの内部から離れた表面に取り付けられるエンドカバーチップと、
を含み、
前記エンドカバーチップに第2絶縁層が貼り付けられ、前記第2絶縁層の少なくとも一部は前記ハウジングに向かって折られ且つ前記第1絶縁層に接続さ
れ、前記第2絶縁層の厚さが前記エンドカバーチップの厚さ未満である、電池セル。
【請求項2】
電池セルの長さ方向に沿って、前記第1絶縁層の前記エンドカバーアセンブリに近い側の端部と、前記ハウジングの前記エンドカバーアセンブリに近い側の端部との間に所定の長さの距離を残し、前記第2絶縁層を前記第1絶縁層と接続させるために、前記第2絶縁層の前記ハウジングに向かって折られる長さは前記所定の長さ以上である、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記ハウジングは方形ハウジングであり、
前記エンドカバーアセンブリ及び前記エンドカバーチップは前記ハウジングの前記電池セルの長さ方向に沿った端部の形状に適合する方形構造であり、
前記第2絶縁層にノッチが設けられ、前記ノッチは前記エンドカバーチップの対角線の頂点から前記第2絶縁層の前記ハウジングに向かって折られた端部まで延伸し、それにより前記第2絶縁層は前記エンドカバーチップの前記電池セルの厚さ方向に沿った両側に位置する第1折り部と、前記エンドカバーチップの前記電池セルの幅方向に沿った両側に位置する第2折り部とを形成する、請求項1~2のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項4】
前記エンドカバーチップは長方形構造であり、
前記第1折り部は前記エンドカバーチップの長辺から前記ハウジングに向かって折られ、前記第2折り部は前記エンドカバーチップの短辺から前記ハウジングに向かって折られる、請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記第1折り部を前記ハウジングに向かって折った後に前記第2折り部に向かって折り、前記第2折り部の一部を被覆することができるように、前記第2絶縁層が展開された状態で、前記第1折り部の前記電池セルの幅方向に沿った長さは前記エンドカバーチップの長辺の長さより長く、前記第2折り部の前記電池セルの厚さ方向に沿った長さは前記エンドカバーチップの短辺の長さより短い、請求項3~4のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第2折り部を前記ハウジングに向かって折った後に前記第1折り部に向かって折り、前記第1折り部の一部を被覆することができるように、前記第2絶縁層が展開された状態で、前記第1折り部の前記電池セルの幅方向に沿った長さは前記エンドカバーチップの長辺の長さより短く、前記第2折り部の前記電池セルの厚さ方向に沿った長さは前記エンドカバーチップの短辺の長さより長い、請求項3~5のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記第2絶縁層は前記エンドカバーアセンブリの表面から離れた前記エンドカバーチップのエッジ領域に貼り付けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記エンドカバーアセンブリには前記電池セルの内部から離れる方向に突出する凸カバーと、前記凸カバーの電池セルの幅方向に沿った両側に位置するショルダー部とが設けられ、
前記エンドカバーチップには前記凸カバーに適合する凸部と、前記凸部の電池セルの幅方向に沿った両側に位置する貼り付け領域とが設けられ、
前記第2絶縁層が前記ショルダー部を被覆するように、前記貼り付け領域に前記第2絶縁層が貼り付けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記貼り付け領域の幅は3~7mmである、請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の複数の電池セルを含む電池。
【請求項11】
電気エネルギーを供給するために用いられる請求項10に記載の電池を含む電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はエネルギー貯蔵デバイスの技術分野に関し、特に、電池セル、電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展におけるキーポイントである。このような状況において、電動車両は省エネルギーで環境に優しいというその利点から、自動車産業の持続可能な発展における重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術はその発展に関わる重要な要素である。電池の使用過程で短絡が発生しないように保護し、電池の安全性、信頼性を向上させることはきわめて重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記課題を解決するために、本願は電池セルの使用過程で短絡が発生するリスクを低減し、電池の安全性及び信頼性を向上させることができる電池セル、電池及び電力消費装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例の第1態様は、電池セルの内部から離れた外表面に第1絶縁層が被覆されるハウジングと、ハウジングの電池セルの長さ方向に沿った端部に設置されるエンドカバーアセンブリと、エンドカバーアセンブリの電池セルの内部から離れた表面に取り付けられるエンドカバーチップと、を含み、エンドカバーチップに第2絶縁層が貼り付けられ、第2絶縁層の少なくとも一部はハウジングに向かって折られ且つ第1絶縁層に接続される、電池セルを提供する。
【0005】
本願の電池セルは、エンドカバーチップをエンドカバーアセンブリに取り付ける前に、まず第2絶縁層をエンドカバーチップに貼り付け、エンドカバーチップ及び第2絶縁層自体の接着性により、両者を強固に接着させて、第2絶縁層をハウジングに向かって折った後に第1絶縁層と接続させることができ、それにより電池セル全体の外表面の被覆絶縁を実現し、第2絶縁層及び第1絶縁層をハウジングと完全に貼り合わせることができ、強固に接着され、折り位置が反り上がることがなく、エンドカバーチップの脱落を防ぎ、電池セルが短絡するリスクを低減する。
【0006】
いくつかの実施例において、電池セルの長さ方向に沿って、第1絶縁層のエンドカバーアセンブリに近い側の端部とハウジングのエンドカバーアセンブリに近い側の端部との間に所定の長さの距離を残し、第2絶縁層を第1絶縁層と接続させるために、第2絶縁層のハウジングに向かって折られる長さは所定の長さ以上である。
【0007】
第2絶縁層のハウジングに向かって折られる長さが所定の長さより長い場合、第2絶縁層をハウジングに向かって折って第1絶縁層の一部を被覆し、それにより電池セル全体が絶縁層で被覆されることを確保して、電池セル全体の絶縁性能を保証する。第2絶縁層のハウジングに向かって折られる長さが所定の長さに等しい場合、第2絶縁層の第2端部は第1絶縁層の第1端部とぴったり合わせられ、第2絶縁層と第1絶縁層が重なる部分は存在せず、電池セルのそれぞれ電池セルの幅方向及び電池セルの厚さ方向に沿った全体の厚さが増加せず、複数の電池セルを積み重ねて電池モジュールを形成する場合、電池モジュールの配列サイズを増加させることなく、電池のエネルギー密度に影響しない。
【0008】
いくつかの実施例において、第2絶縁層のハウジングに向かって折られる長さは10~20mmであり、これは第2絶縁層がハウジングに向かって折られた後の強固な貼り付けを保証するだけでなく、平らにすることにも役立つ。
【0009】
いくつかの実施例において、ハウジングは方形ハウジングであり、エンドカバーアセンブリ及びエンドカバーチップはハウジングの電池セルの長さ方向に沿った端部の形状に適合する方形構造であり、第2絶縁層にノッチが設けられ、ノッチはエンドカバーチップの対角線の頂点から第2絶縁層のハウジングに向かって折られた端部まで延伸し、それにより第2絶縁層はエンドカバーチップの電池セルの厚さ方向に沿った両側に位置する第1折り部と、エンドカバーチップの電池セルの幅方向に沿った両側に位置する第2折り部とを形成する。
【0010】
第1折り部及び第2折り部はそれぞれハウジングに向かって折られ、ハウジングの角位置に皺が発生せず、ハウジングに平坦なフランジが形成され、絶縁保護の効果を向上させて、電池のエネルギー密度に影響しない。
【0011】
いくつかの実施例において、エンドカバーチップは長方形構造であり、第1折り部はエンドカバーチップの長辺からハウジングに向かって折られ、第2折り部はエンドカバーチップの短辺からハウジングに向かって折られて、第1折り部及び第2折り部を折って平らにすることに役立ち、ハウジングの角位置に皺が発生せず、絶縁保護の効果を向上させる。
【0012】
いくつかの実施例において、第1折り部をハウジングに向かって折った後に第2折り部に向かって折り、第2折り部の一部を被覆することができるように、第2絶縁層が展開された状態で、第1折り部の電池セルの幅方向に沿った長さは長辺の長さより長く、第2折り部の電池セルの厚さ方向に沿った長さは短辺の長さより短い。
【0013】
第1折り部の長さを長辺の長さより大きく設定し、第1折り部をハウジングに向かって折った後に第2折り部に向かって折ることができ、それによりハウジングの角位置を被覆し、ハウジングに対する完全な被覆を実現して、ハウジングの絶縁性能を向上させる。且つ、第1折り部は第2折り部に向かって折られ、電池セルの厚さ方向に沿った電池セル全体の厚さは増加せず、複数の電池セルを電池セルの厚さ方向に沿って積み重ねて配列して電池モジュールを形成する場合、電池モジュール全体の厚さが増加せず、電池モジュールのエネルギー密度に影響しない。
【0014】
いくつかの実施例において、第2絶縁層が展開された状態で、第1折り部の電池セルの幅方向に沿った長さは長辺の長さより10~20mm長く、第2折り部の電池セルの厚さ方向に沿った長さは短辺の長さより2~4mm短く、それにより第1折り部をハウジングに向かって折った後に第2折り部に向かって折り、第2折り部の一部を被覆することを確保でき、ハウジングに対する完全な被覆を保証する。
【0015】
いくつかの実施例において、第2折り部をハウジングに向かって折った後に第1折り部に向かって折り、第1折り部の一部を被覆することができるように、第2絶縁層が展開された状態で、第1折り部の電池セルの幅方向に沿った長さは長辺の長さより短く、第2折り部の電池セルの厚さ方向に沿った長さは短辺の長さより長い。
【0016】
第2折り部をハウジングに向かって折った後に第1折り部に向かって折り、それによりハウジングの角位置を被覆し、ハウジングに対する完全な被覆を実現して、ハウジングの絶縁性能を向上させる。且つ、第2折り部は第1折り部に向かって折られ、電池セルの幅方向に沿った電池セル全体の幅は増加せず、複数の電池セルを電池セルの幅方向に沿って積み重ねて配列して電池モジュールを形成する場合、電池モジュール全体の幅が増加せず、電池モジュールのエネルギー密度に影響しない。
【0017】
いくつかの実施例において、第2絶縁層が展開された状態で、第1折り部の電池セルの幅方向に沿った長さは長辺の長さより2~4mm短く、第2折り部の電池セルの厚さ方向に沿った長さは短辺の長さより10~20mm長く、それにより第2折り部をハウジングに向かって折った後に第1折り部に向かって折り、第1折り部の一部を被覆することを確保でき、ハウジングに対する完全な被覆を保証する。
【0018】
いくつかの実施例において、第2絶縁層はエンドカバーアセンブリの表面から離れたエンドカバーチップのエッジ領域に貼り付けられ、端子孔との干渉を防ぎ、端子孔を完全に露出させて、それにより電極端子の端子孔からの貫通に影響しない。
【0019】
いくつかの実施例において、エンドカバーチップのエッジ領域に貼り付けられる第2絶縁層の幅は3~7mmであり、第2絶縁層がエンドカバーチップに強固に貼り付けられることを保証し、また端子孔との干渉を防ぐことができる。
【0020】
いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリには電池セルの内部から離れる方向に突出する凸カバーと、凸カバーの電池セルの幅方向に沿った両側に位置するショルダー部とが設けられ、エンドカバーチップには凸カバーに適合する凸部と、凸部の電池セルの幅方向に沿った両側に位置する貼り付け領域とが設けられ、第2絶縁層がショルダー部を被覆するように、貼り付け領域に第2絶縁層が貼り付けられる。
【0021】
ショルダー部の位置に対する冷却装置の冷却効果を向上させるために、エンドカバーチップの電池セルの幅方向に沿った貼り付け領域のサイズを小さくして、エンドカバーアセンブリのショルダー部位置を被覆せず、第2絶縁層によってショルダー部を被覆して、ショルダー部の絶縁効果を保証する。第2絶縁層はエンドカバーチップよりも厚さが薄いため、ショルダー部の位置に対する冷却装置の冷却効果が強化される。
【0022】
いくつかの実施例において、貼り付け領域の幅は3~7mmであり、第2絶縁層をエンドカバーチップに強固に貼り付けることができ、且つ第2絶縁層が十分な面積のショルダー部を被覆することができ、それによりショルダー部の位置に対して冷却する場合に、冷却効果を強化し、電池セルの安全性を向上させる。
【0023】
本願の実施例の第1態様は、複数の上記の電池セルを含むことを特徴とする、電池を提供し、電池全体の絶縁性能に優れ、短絡のリスクを低減し、電池の安全性を向上させる。
【0024】
本願の実施例の第3態様は、電気エネルギーを供給するために用いられる上記の電池を含む、ことを特徴とする、電力消費装置を提供し、安全性が高い。
【0025】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は例示的なものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下に示された図面は本願の具体的な実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、以下の図面に基づいて他の実施例を取得することができる。
【0027】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る車両の構造概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る電池の分解概略図である。
【
図3】本願の実施例に係る電池モジュールの構造概略図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの分解概略図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例に係る絶縁層を被覆する電池セルの分解概略図である。
【
図6】エンドカバーチップがエンドカバーアセンブリに貼り付けられた
図5における電池セルの概略図である。
【
図7】絶縁層の被覆を完了した
図6における電池セルの概略図である。
【
図8】本願のいくつかの実施例に係る第2絶縁層が貼り付けられたエンドカバーチップの平面図である。
【
図10】本願の別の実施例に係る第2絶縁層が貼り付けられたエンドカバーチップの平面図である。
【
図13】本願の別の実施例に係る絶縁層を被覆する電池セルの分解概略図である。
【
図14】
図13におけるエンドカバーチップがエンドカバーアセンブリに貼り付けられた電池セルの概略図である。
【
図15】
図14における絶縁層の被覆を完了した電池セルの概略図である。
【
図16】本願のさらに別の実施例に係る絶縁層を被覆する電池セルの分解概略図である。
【
図17】本願のさらに別の実施例に係る第2絶縁層が貼り付けられたエンドカバーチップの平面図である。
【0028】
ここでの図面は明細書に組み込まれ且つ本明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、且つ明細書と共に本願の原理を説明するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下に図面を参照しながら本願の実施例を詳細に説明する。
【0030】
なお、記載された実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0031】
本願の実施例で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の実施例及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1種の」、「前記」、及び「該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。
【0032】
なお、本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連、関係を説明しているに過ぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例として、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を示すことができる。なお、本明細書において記号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0033】
なお、本願の実施例で説明される「上」、「下」、「左」、「右」等の方位は図面に示す角度で説明するものであり、本願の実施例を限定するものと理解すべきではない。また、文脈においてさらに理解すべき点として、1つの素子が他の素子の「上」又は「下」に接続される場合、それは他の素子の「上」又は「下」に直接接続できるだけでなく、中間素子を介して他の素子の「上」又は「下」に間接的に接続することもできる。
【0034】
現在、市場の情勢が発展していることから、動力電池の応用はますます広がっている。動力電池は水力、火力、風力及び太陽光発電所等のエネルギー貯蔵電源システムへの応用にとどまらず、電動自転車、電動バイク、電気自動車等の電動車両、及び軍事装備及び航空宇宙等の複数の分野に広く応用されている。動力電池の応用分野の拡大に伴い、市場におけるその需要量も絶えず拡大している。
【0035】
電気自動車等の電動輸送手段の分野において、動力電池は車両のコア部品として、車両の使用における安全に関わっており、動力電池の安全性は、動力電池の性能を考慮するうえで最も重要な基準の一つとなっている。
【0036】
本願の実施例で言及される電池は、より高い電圧及び容量を提供するために1つ以上の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。電池は、一般的に1つ又は複数の電池セルをパッケージ化するための筐体を含む。筐体は液体又は他の異物が電池セルの充放電に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0037】
現在、電池セルは一般的にハウジング、電極アセンブリ及びエンドカバーアセンブリを含み、電極アセンブリはエンドカバーアセンブリに電気的に接続され、エンドカバーアセンブリはハウジングの開口に被せられ、ハウジング及びエンドカバーアセンブリは一般的に溶接接続を用いて固定され、電極アセンブリ及び電解液に密閉空間を提供する。
【0038】
電池セルの組み立てが完了すると、一般的にその外表面に絶縁フィルムが被覆され、一方では絶縁の役割を果たして、金属ハウジングと外部回路との短絡を防止し、他方では保護の役割を果たして、金属ハウジングの摩耗、傷を防止する。また、エンドカバーアセンブリは電極端子を引き出す必要があるため、保護フィルムはエンドカバーアセンブリに対する完全な被覆を実現することができず、従って一般的にはエンドカバーアセンブリにエンドカバーチップを貼り付け、その機能は絶縁フィルムと同様であり、いずれも絶縁及び保護の役割を果たす。エンドカバーアセンブリは電池セルの長さ方向の端部に位置するため、電池の使用過程において、エンドカバーアセンブリはハウジングよりも振動や衝撃を受けやすく、従って、エンドカバーアセンブリに貼り付けられるエンドカバーチップは一般的に絶縁フィルムより厚さが大きく、より高い耐摩耗性を有する。
【0039】
エンドカバーチップ及び絶縁フィルムを取り付ける時、まずエンドカバーチップをエンドカバーアセンブリの対応する位置に貼り合わせ、次に絶縁フィルムでハウジングの外表面を被覆する。絶縁フィルムの幅はハウジングの電池セルの長さ方向に沿った端部から一定の距離だけ超えており、絶縁フィルムをハウジングの外表面に貼り付けた後、超えた部分をエンドカバーチップの方向に折り且つエンドカバーチップに貼り付けて、電池セルの外表面全体の被覆を実現し、全体の絶縁を実現する。
【0040】
出願人は、絶縁フィルムをエンドカバーチップに向かって折り且つエンドカバーチップに貼り付けるには、通常はエンドカバーチップのエッジに広いサイズを予め残して、絶縁フィルムを折り且つエンドカバーチップに貼り付けるための十分な空間を残す必要があることに注目した。サイズが小さいエンドカバーアセンブリにおいては、その上に電極端子が設けられるため、エンドカバーチップのエッジに予め残される絶縁フィルムを折る位置が非常に小さくなり、同様に、凸カバー構造が設けられたエンドカバーアセンブリにおいては、通常はエンドカバーアセンブリの凸カバー周りの幅も小さく、予め残される絶縁フィルムを折る位置も非常に小さい。このようなエッジが狭いエンドカバーチップに対して、絶縁フィルムをエンドカバーチップに向かって折って押し下げると、電極端子又は凸カバー構造が干渉して、押し下げ空間が不足し、フランジが平らになりにくく、反り上がりやすい。
【0041】
上記課題を解決するために、出願人は電池セルの構造を改良し、エンドカバーチップに絶縁層を設置し、絶縁層をハウジングの方向に折り、且つハウジングに貼り付けられた絶縁フィルムに接続させるようにして、絶縁フィルムがエンドカバーチップに向かって折られて平らになりにくく、反り上がりやすいという問題を回避し、電池セル全体の絶縁を実現した。以下に本願の実施例をさらに説明する。
【0042】
本願の実施例に記載の電池セルは、電池及び電池を使用する装置に適用される。
【0043】
電池を使用する装置は車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、宇宙機、電動玩具、電動工具などであってもよい。車両はガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。宇宙船は航空機、ロケット、スペースシャトル及びスペースシップ等を含む。電動玩具はゲーム機、電動自動車玩具、電動船舶玩具及び電動航空機玩具等の固定式又は移動式の電動玩具を含む。電動工具は電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、電動インパクトドライバ、コンクリートバイブレータ及び電動カンナ等の金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含む。本願の実施例は電池を使用する上記装置について特に限定しない。
【0044】
以下の実施例では説明の便宜上、電池を使用する装置として車両を例に説明する。
【0045】
図1は本願のいくつかの実施例に係る車両1の構造概略図である。
【0046】
図1に示すように、車両1の内部に電池2が設置され、電池2はより高い電圧及び容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指し、例えば、本願で言及する電池2は電池モジュール又は電池パック等を含むことができる。電池2は、車両1の底部又は前側又は後側に設置することができる。電池2は、車両1へ電力を供給するために用いることができ、例えば、車両1の動作電源として用いることができる。車両1はさらにコントローラ3及びモータ4を含むことができ、コントローラ3は、電池2がモータ4へ電力を供給するように制御するために用いられ、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力の必要を賄う。
【0047】
本願のいくつかの実施例において、電池2は車両1の動作電源としてだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することができる。
【0048】
図2は本願のいくつかの実施例に係る電池2の分解概略図である。
【0049】
図2に示すように、電池2は筐体5と、電池セル20と、を含み、電池セル20は筐体5内に収容される。
【0050】
筐体5は電池セル20を収容するために用いられ、筐体5は様々な構造であってもよい。いくつかの実施例において、筐体5は第1筐体部51及び第2筐体部52を含むことができ、第1筐体部51と第2筐体部52は互いに被せられ、第1筐体部51及び第2筐体部52は共に電池セル21を収容するための収容空間53を画定する。第2筐体部52は一端が開口した中空構造であり、第1筐体部51は板状構造で、第1筐体部51は第2筐体部52の開口側に被せられて、収容空間53を有する筐体5を形成するものであってもよい。又は、第1筐体部51及び第2筐体部52はいずれも片側が開口した中空構造で、第1筐体部51の開口側は第2筐体部52の開口側に被せられ、収容空間53を有する筐体5を形成するものであってもよい。なお、第1筐体部51及び第2筐体部52は円柱体、直方体等の様々な形状であってもよい。
【0051】
第1筐体部51と第2筐体部52を接続した後の密閉性を向上させるために、第1筐体部51と第2筐体部52との間にシーリング材、シールリング等のシール部材を設置してもよい。
【0052】
第1筐体部51が第2筐体部52の上部に被せられた場合、第1筐体部51を上筐体カバーと呼び、第2筐体部52を下筐体と呼ぶことができる。
【0053】
電池2において、電池セル20は複数である。複数の電池セル20の間は直列接続又は並列接続又は直並列接続することができ、直並列接続とは複数の電池セル20に直列接続だけでなく並列接続もあることを指す。複数の電池セル20の間を直接、直列接続又は並列接続又は直並列接続し、次いで複数の電池セル20で構成された全体を筐体5内に収容することができる。当然ながら、複数の電池セル20が、まず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールがさらに直列接続又は並列接続又は直並列接続されて一体に形成され、筐体5内に収容されてもよい。
【0054】
電池セル20の数は、電力の需要に応じて任意の数に設定することができる。複数の電池セル20は、より大きな容量又は出力を実現するために、直列接続、並列接続、又は直並列接続の方式で接続されてもよい。複数の電池セル20がまず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールがさらに直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池2を構成してもよい。すなわち、複数の電池セル20が電池2を直接構成してもよく、又はまず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールが電池2を構成し、筐体5内に収容されてもよい。
【0055】
図3は本願の実施例に係る電池モジュール200の構造概略図である。
【0056】
図3に示すように、各電池2に含まれる電池セル20の数が多いため、取り付けやすくするために、電池セル20をグループ化して設置することができ、各グループの電池セル20は電池モジュール200を構成する。電池2は複数の電池モジュール200を含むことができ、これらの電池モジュール200は直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続することができる。
【0057】
図4は本願のいくつかの実施例に係る電池セル20の分解概略図である。
【0058】
図4を参照し、電池セル20とは電池2を構成するための最小構成ユニットを指し、本願のいくつかの実施例において、電池セル20はリチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セル等を含むことができ、本願の実施例はこれに限定されない。電池セル20は円筒、扁平体、直方体、又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれに限定されず、説明の便宜上、下記実施例においてはいずれも直方体形状の電池セル20を例とする。
【0059】
図4を参照し、電池セル20はエンドカバーアセンブリ21、電極アセンブリ22及びハウジング23を含む。ハウジング23は、電極アセンブリ22をハウジング23内に収容するために用いられる。ハウジング23は様々な形状及び様々なサイズであってもよく、具体的には、ハウジング23の形状は、1つ又は複数の電極アセンブリ22の具体的な形状及びサイズに応じて決定することができる。いくつかの実施例において、ハウジング23は中空の直方体である。別の実施例において、ハウジング23は円筒形又はその他の形状であってもよい。ハウジング23の一端は開口231であり、エンドカバーアセンブリ21は該開口231を被覆し且つハウジング23に接続されて、電極アセンブリ22が配置される密閉キャビティを形成する。キャビティ内に電解液を充填することができる。いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ21はエンドカバー212を含み、エンドカバー212に電極端子211が設置され、電極アセンブリ22にタブ221が設けられ、電極端子211はタブ221と電気的に接続することができ、電池セル20の電気エネルギーを出力するために用いられる。各電極端子211に対応して集電部材を設置することができ、該集電部材はエンドカバー212とタブ221との間に位置させることができ、それにより電極端子211とタブ221は集電部材を介して電気的に接続することができる。エンドカバーアセンブリ21にはさらに他の機能性部品、例えば、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に、内部圧力を逃がすために用いられる減圧機構を設置することができる。ハウジング23及びエンドカバー212の材質はいくつもあり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金等であってもよい。
【0060】
電池セル20のエンドカバーアセンブリ21、電極アセンブリ22及びハウジング23を組み立てて電解液を注入した後、電池セル20が短絡するリスクを防止するために、ハウジング23とエンドカバー212を被覆絶縁する必要がある。一般的に、エンドカバー212にエンドカバーチップ24が設置されて(
図5参照)、エンドカバー212の絶縁及び保護に用いられ、ハウジング23に絶縁層を被覆し、絶縁層の電池セルの長さ方向Zに沿った長さは、ハウジング23の電池セルの長さ方向Zに沿った長さより長く、それにより絶縁層をエンドカバーチップ24に向かって折ってエンドカバーチップ24に貼り付けることができ、エンドカバーチップ24を固定し、且つ電池セル20全体の絶縁を実現する。しかし全体の外形サイズが小さい電池セル20においては、エンドカバーアセンブリ21に電極端子211が設置されるため、エンドカバー212の、電極端子211の電池セルの厚さ方向Yに沿った両側の幅が小さく、エンドカバーチップ24の、電極端子211の電池セルの厚さ方向Yに沿った両側に絶縁層を貼り付けることができる領域が非常に小さく、該領域の電池セルの厚さ方向Yに沿った幅が7mmより小さい場合、絶縁層をエンドカバーチップ24の方向に折る場合、絶縁層のレベリング装置は絶縁層を7mmの範囲内で平らにして押し付けることができず、エンドカバーチップ24の絶縁層が反り上がりやすく、それによりエンドカバーチップ24が脱落しやすくなり、電池セル20の絶縁性能を低下させ、短絡のリスクが生じる。
【0061】
図5は本願のいくつかの実施例に係る絶縁層を被覆する電池セル20の分解概略図であり、
図6はエンドカバーチップ24がエンドカバーアセンブリ21に貼り付けられた
図5における電池セル20の概略図であり、
図7は絶縁層の被覆を完了した
図6における電池セル20の概略図である。
【0062】
図5から
図7に示すように、本願のいくつかの実施例に係る電池セル20は、ハウジング23と、エンドカバーアセンブリ21と、エンドカバーチップ24と、を含む。エンドカバーアセンブリ21はハウジング23の電池セル20の長手方向Zに沿った端部に設置され、エンドカバーアセンブリ21をハウジング23に固定接続した後、ハウジング23に対する絶縁を実現するために、ハウジング23の電池セル20の内部から離れた外表面に絶縁層を被覆して、ハウジング23の外表面を保護する必要がある。本実施例において、ハウジング23の、電池セル20の内部から離れた外表面に第1絶縁層25が被覆され、エンドカバーチップ24は、エンドカバー212の電池セル20の内部から離れた表面に取り付けられ、エンドカバーチップ24に第2絶縁層26が貼り付けられ、第2絶縁層26の少なくとも一部はハウジング23に向かって折られ且つ第1絶縁層25に接続される。
【0063】
本願に記載の「被覆」は、絶縁層がハウジング23の外表面を覆い、カバーすることを指し、被覆の方式は接着、又は絶縁層材料自体の接着性によってハウジング23の外表面に貼り付けるものであってもよい。本願に記載の「取り付け」は固定接続であってもよく、取り外し可能接続であってもよく、又は一体接続であってもよく、例えば、エンドカバーチップ24はエンドカバーアセンブリ21の電池セル20の内部から離れた表面に取り付けられ、接着する方式でエンドカバーチップ24をエンドカバーアセンブリ21の電池セル20の内部から離れた表面に貼り付けられ、又はエンドカバーチップ24の材料自体の接着性を利用してエンドカバーアセンブリ21の電池セル20の内部から離れた表面に貼り付けられ、又はエンドカバーチップ24のエンドカバーアセンブリ21に向かう表面のみがエンドカバーアセンブリ21の電池セル20の内部から離れた表面と接触される。
【0064】
図5に示すように、第1絶縁層25は、ハウジング23の電池セル20の内部から離れた外表面と、電池セル20の底部を被覆する。又は電池セル20の底部に他の絶縁材が設置され、第1絶縁層25は底部方向に折られ且つ底部の他の絶縁材を被覆して、全体を絶縁する目的を果たす。第1絶縁層25はハウジング23の外表面全体を被覆してもよく、ハウジング23の外表面の一部のみを被覆してもよく、それにより電池セルの長さ方向Zに沿って第1絶縁層25のエンドカバーアセンブリ21に近い側の第1端部251とハウジング23のエンドカバーアセンブリ21に近い側の端部との間に所定の長さの距離を残す。
【0065】
本実施例において、エンドカバーアセンブリ21はエンドカバー212及びエンドカバー212に設けられた電極端子211を含む。電極端子211を露出させて外部回路と電気的に接続するために、エンドカバーチップ24の電極端子211に対応する位置に端子孔241が開設され、エンドカバーチップ24の端子孔241を避けた外周エッジ領域に第2絶縁層26が貼り付けられ、第2絶縁層26は接着する方式でエンドカバーチップ24の外周エッジ領域に貼り付けられてもよく、エンドカバーチップ24及び第2絶縁層26の材料自体の接着性を利用して貼り付けられてもよい。
【0066】
いくつかの具体的な実施例において、エンドカバーチップ24はポリカーボネート(PC)を採用し、第1絶縁層25及び第2絶縁層26はポリエチレンテレフタレート(PET)を採用し、PC材料及びPET材料は良好な力学的特性及び耐摩耗性を有し、電池セル20に対して良好な保護及び絶縁の役割を果たすことができる。
【0067】
図6及び
図7に示すように、エンドカバーチップ24をエンドカバーアセンブリ21に取り付ける時、端子孔241を電極端子211に対応させて、電極端子211を端子孔241から貫通させ且つ露出させて、さらにエンドカバーチップ24の他の位置をエンドカバーアセンブリ21に密着させ、エンドカバーチップ24をエンドカバーアセンブリ21の電池セル20の内部から離れた表面に取り付けた後、エンドカバーチップ24の端子孔241を避けた外周エッジ領域の第2絶縁層26は少なくとも部分的にハウジング23に向かって折られ且つ第1絶縁層25に接続される。本実施例において、エンドカバーチップ24はエンドカバーアセンブリ21の電池セル20の内部から離れた表面の形状寸法に適合し、エンドカバーチップ24の外周エッジ領域に第2絶縁層26が貼り付けられ、第2絶縁層26のエンドカバーアセンブリ21の外部に延伸する部分はハウジング23の方向に折ることができ、折った部分はハウジング23に貼り付けられて第1絶縁層25に接続される。第2絶縁層26は第1絶縁層25に接続され、電池セルの長さ方向Zに沿って第2絶縁層26が第1絶縁層25の一部を被覆してもよく、第2絶縁層26の端部が第1絶縁層25のエンドカバーアセンブリ21に向かう端部とぴったり合わせられてもよく、それにより電池セル20全体の外表面の被覆絶縁を実現する。
【0068】
本実施例の電池セル20は、エンドカバーチップ24をエンドカバーアセンブリ21に取り付ける前に、まず第2絶縁層26をエンドカバーチップ24に貼り付け、且つ端子孔241の位置を避けて、エンドカバーチップ24及び第2絶縁層26自体の接着性により、両者を強固に接着させることができる。エンドカバーチップ24をエンドカバーアセンブリ21に取り付けてから、第2絶縁層26のエンドカバーチップ24及びエンドカバーアセンブリ21を超える部分をハウジング23に向かって折り、ハウジング23の外表面が平坦で滑らかな平面であるため、他の素子の干渉が存在せず、第2絶縁層26をハウジング23に向かって折った後に第1絶縁層25と接続させることができ、それにより電池セル20全体の外表面の被覆絶縁を実現し、第2絶縁層26及び第1絶縁層25をハウジング23と完全に貼り合わせることができ、強固に接着され、折り位置が反り上がることがなく、エンドカバーチップ24の脱落を防ぎ、電池セル20が短絡するリスクを低減する。
【0069】
引き続き
図5を参照し、いくつかの実施例において、電池セルの長さ方向Zに沿って、第1絶縁層25のエンドカバーアセンブリ21に近い側の第1端部251と、ハウジング23のエンドカバーアセンブリ21に近い側の端部との間に所定の長さLの距離を残し、第2絶縁層26を第1絶縁層25と接続させるために、第2絶縁層26のハウジング23に向かって折られる長さは所定の長さL以上である。
【0070】
第2絶縁層26のハウジング23に向かって折られる長さが所定の長さLより長い場合、第2絶縁層26をハウジング23に向かって折って第1絶縁層25の一部を被覆し、それにより電池セル20全体が絶縁層で被覆されることを確保して、電池セル20全体の絶縁性能を保証する。
【0071】
引き続き
図7を参照し、第2絶縁層26のハウジング23に向かって折られる長さが所定の長さLに等しい場合、第2絶縁層26をハウジング23に向かって折った後、第2絶縁層26のエンドカバーチップ24から外側へ延伸する第2端部263は第1絶縁層25の第1端部251とぴったり合わせられ、それにより電池セル20を完全に被覆する。本実施例において、第2絶縁層26の第2端部263は第1絶縁層25の第1端部251とぴったり合わせられ、第2絶縁層26と第1絶縁層25が重なる部分は存在せず、電池セル20のそれぞれ電池セルの幅方向X及び電池セルの厚さ方向Yに沿った全体の厚さが増加せず、複数の電池セル20を積み重ねて電池モジュール200を形成する場合、電池モジュール200の配列サイズを増加させることなく、電池2のエネルギー密度に影響しない。
【0072】
いくつかの実施例において、第2絶縁層26のハウジング23に向かって折られる長さは10~20mmである。第2絶縁層26を折る長さの設定が長すぎると、第2絶縁層26を折る時に、長すぎることで第2絶縁層26が平らになりにくく、気泡ができやすくなり、貼り付け効果に影響する。第2絶縁層26を折る長さの設定が短すぎると、折られた位置で貼り付きが弱く、反り上がりやすい。第2絶縁層26のハウジング23に向かって折られる長さは10~20mmであり、これは第2絶縁層26がハウジング23に向かって折られた後の強固な貼り付けを保証するだけでなく、平らにすることにも役立つ。
【0073】
図8は本願のいくつかの実施例に係る第2絶縁層26が貼り付けられたエンドカバーチップ24の平面図である。
【0074】
図5から
図8に示すように、いくつかの実施例において、ハウジング23は方形ハウジングであり、エンドカバーアセンブリ21及びエンドカバーチップ24はハウジング23の電池セルの長さ方向Zに沿った端部の形状に適合する方形構造である。
【0075】
図8に示すように、第2絶縁層26にノッチ264が設けられ、ノッチ264はエンドカバーチップ24の対角線の頂点から第2絶縁層26のハウジング23に向かって折られた第2端部263まで延伸し、それにより第2絶縁層26はエンドカバーチップ24の電池セルの厚さ方向Yに沿った両側に位置する第1折り部261と、エンドカバーチップ24の電池セルの幅方向Xに沿った両側に位置する第2折り部262とを形成する。
【0076】
第2絶縁層26のエンドカバーチップ24の対角線に位置する4つの頂点位置にそれぞれノッチ264が設置され、第1折り部261及び第2折り部262を形成し、第1折り部261及び第2折り部262はそれぞれハウジング23に向かって折られ、ハウジング23の角位置に皺が発生せず、ハウジング23に平坦なフランジが形成され、絶縁保護の効果を向上させて、電池のエネルギー密度に影響しない。
【0077】
いくつかの実施例において、エンドカバーチップ24は長方形構造(
図8における破線で囲まれた長方形構造、すなわちエンドカバーチップ24のエッジ位置)であり、第1折り部261はエンドカバーチップ24の長辺242からハウジング23に向かって折られ、第2折り部262はエンドカバーチップ24の短辺243からハウジング23に向かって折られて、第1折り部261及び第2折り部262を折って平らにすることに役立ち、ハウジング23の角位置に皺が発生せず、絶縁保護の効果を向上させる。
【0078】
【0079】
図7から
図9に示すように、いくつかの実施例において、第2絶縁層26が展開された状態で、第1折り部261の電池セルの幅方向Xに沿った長さは長辺242の長さより長く、第2折り部262の電池セルの厚さ方向Yに沿った長さは短辺243の長さより短いため、第1折り部261をハウジング23に向かって折った後に第2折り部262に向かって折り、第2折り部262の一部を被覆することができる。第2絶縁層26が折られた後にハウジング23の角位置に皺が発生することを防ぐために、エンドカバーチップ24の対角線の4つの頂点位置にそれぞれノッチ264が設置されるため、第1折り部261及び第2折り部262がそれぞれハウジング23に向かって折られた後、ハウジング23の角位置を被覆せず、第1折り部261の長さを長辺242の長さより大きく設定して、第1折り部261をハウジング23に向かって折った後に第2折り部262に向かって折ることができ、それによりハウジング23の角位置を被覆し、ハウジング23に対する完全な被覆を実現して、ハウジング23の絶縁性能を向上させる。且つ、第1折り部261は第2折り部262に向かって折られ、電池セル20の厚さ方向Yに沿った電池セル全体の厚さは増加せず、複数の電池セル20を電池セルの厚さ方向Yに沿って積み重ねて配列して電池モジュール200を形成する場合、電池モジュール200全体の厚さが増加せず、電池モジュール200のエネルギー密度に影響しない。
【0080】
図9に示すように、いくつかの実施例において、電池セルの幅方向Xに沿って、第1折り部261のエンドカバーチップ24の両側でそれぞれ長辺242を超える長さは第1長さL1であり、電池セルの厚さ方向Yに沿って、第2折り部262のエンドカバーチップ24の両側でそれぞれ短辺243より短い長さは第2長さL2である。第2折り部262が短辺243からハウジング23に向かって折られた後、電池セルの厚さ方向Yに沿って、ハウジング23の短辺243側の側面の両端に、第2長さL2の絶縁層が貼り付けられない隙間が残されるため、第1折り部261の長辺242を超える第1長さL1の部分を第2折り部262の方向に折って、第1長さL1の部分で、第2長さL2の絶縁層が貼り付けられない隙間と第2折り部262の一部とを被覆する。具体的に、第1長さL1は第2長さL2以上である。
【0081】
いくつかの実施例において、第2絶縁層26が展開された状態で、第1折り部261の電池セルの幅方向Xに沿った長さは長辺242の長さより10~20mm長く、すなわち2×L1の範囲は10~20mmを満たす。第2折り部262の電池セルの厚さ方向Yに沿った長さは短辺243の長さより2~4mm短く、すなわち2×L2の範囲は2~4mmを満たし、それにより第1折り部261をハウジング23に向かって折った後に第2折り部262に向かって折り、第2折り部262の一部を被覆することができ、ハウジング23に対する完全な被覆を保証する。
【0082】
図10は本願の別の実施例に係る第2絶縁層26が貼り付けられたエンドカバーチップ24の平面図である。
図11は
図10におけるII部拡大図である。
【0083】
いくつかの実施例において、第2絶縁層26が展開された状態で、第1折り部261の電池セルの幅方向Xに沿った長さは長辺242の長さより短く、第2折り部262の電池セルの厚さ方向Yに沿った長さは短辺243の長さより長いため、第2折り部262をハウジング23に向かって折った後に第1折り部261に向かって折り、第1折り部261の一部を被覆することができる。第2絶縁層26が折られた後にハウジング23の角位置に皺が発生することを防ぐために、エンドカバーチップ24の対角線の4つの頂点位置にそれぞれノッチ264が設置されるため、第1折り部261及び第2折り部262がそれぞれハウジング23に向かって折られた後、ハウジング23の角位置を被覆せず、第2折り部262の長さを短辺243の長さより大きく設定して、第2折り部262をハウジング23に向かって折った後に第1折り部261に向かって折ることができ、それによりハウジング23の角位置を被覆し、ハウジング23に対する完全な被覆を実現して、ハウジング23の絶縁性能を向上させる。且つ、第2折り部262は第1折り部261に向かって折られ、電池セルの幅方向Xに沿った電池セル20全体の幅は増加せず、複数の電池セル20を電池セルの幅方向Xに沿って積み重ねて配列して電池モジュール200を形成する場合、電池モジュール200全体の幅が増加せず、電池モジュール200のエネルギー密度に影響しない。
【0084】
図11に示すように、いくつかの実施例において、電池セルの幅方向Xに沿って、第1折り部261のエンドカバーチップ24の両側でそれぞれ長辺242より短い長さは第3長さL3であり、電池セルの厚さ方向Yに沿って、第2折り部262のエンドカバーチップ24の両側でそれぞれ短辺243を超える長さは第4長さL4である。第1折り部261が長辺242からハウジング23に向かって折られた後、電池セルの幅方向Xに沿って、ハウジング23の長辺242側の側面の両端に、第3長さL3の絶縁層が貼り付けられない隙間が残されるため、第2折り部262の短辺243を超える第3長さL3の部分を第1折り部261の方向に折って、第4長さL4の部分で、第3長さL3の絶縁層が貼り付けられない隙間と第2折り部262の一部とを被覆する。具体的に、第4長さL4は第3長さL3以上である。
【0085】
いくつかの実施例において、第2絶縁層26が展開された状態で、第1折り部261の電池セルの幅方向Xに沿った長さは長辺242の長さより2~4mm短く、すなわち2×L3の範囲は2~4mmを満たす。第2折り部262の電池セルの厚さ方向Yに沿った長さは短辺243の長さより10~20mm長く、すなわち2×L4の範囲は10~20mmを満たし、それにより第2折り部262をハウジング23に向かって折った後に第1折り部261に向かって折り、第1折り部261の一部を被覆することができ、ハウジング23に対する完全な被覆を保証する。
【0086】
【0087】
図12に示すように、いくつかの実施例において、第2絶縁層26はエンドカバーアセンブリ21の表面から離れたエンドカバーチップ24のエッジ領域に貼り付けられる。エンドカバーチップ24に電極端子211を収容する端子孔241が設けられるため、エンドカバーチップ24の、端子孔241の電池セルの厚さ方向Yに沿った両側の幅が小さくなり、第2絶縁層26をエンドカバーチップ24に貼り付ける時に、端子孔241との干渉を防ぎ、端子孔241を完全に露出させて、電極端子211の端子孔241からの貫通に影響しない。
【0088】
いくつかの実施例において、エンドカバーチップのエッジ領域に貼り付けられる第2絶縁層の幅L5は3~7mmであり、第2絶縁層26がエンドカバーチップ24に強固に貼り付けられることを保証し、また端子孔241との干渉を防ぐことができる。
【0089】
図13は本願の別の実施例に係る絶縁層を被覆する電池セル20の分解概略図であり、
図14は
図13におけるエンドカバーチップ24がエンドカバーアセンブリ21に貼り付けられた電池セル20の概略図であり、
図15は
図14における絶縁層の被覆を完了した電池セル20の概略図である。
【0090】
図13から
図15は本願の別の実施例に係る電池セル20の概略図を示し、これらの実施例と
図5から
図7に示す実施例との共通点は、エンドカバーチップ24の外周エッジ領域に第2絶縁層26が貼り付けられ、第2絶縁層26の少なくとも一部はハウジング23に向かって折られ且つ第1絶縁層25に接続されることである。同様に、第2絶縁層26はエンドカバーチップ24の電池セルの厚さ方向Yに沿った両側に位置する第1折り部261と、エンドカバーチップ24の電池セルの幅方向Xに沿った両側に位置する第2折り部262とを含む。第1折り部261及び第2折り部262はそれぞれハウジング23に向かって折られ、ハウジング23の角位置に皺が発生せず、ハウジング23に平坦なフランジが形成され、絶縁保護の効果を向上させて、電池のエネルギー密度に影響しない。
【0091】
図13から
図15に示す実施例と
図5から
図7に示す実施例との相違点は、エンドカバーアセンブリ21に電池セル20の内部から離れる方向に突出する凸カバー213が設けられ、電極端子211が凸カバー213に設置されることであり、凸カバー213が存在するため、エンドカバー212の、凸カバー213の電池セルの厚さ方向Yに沿った両側の幅が小さくなり、エンドカバーチップ24の、電極端子211の電池セルの厚さ方向Yに沿った両側における、絶縁層を貼り付けることが可能な領域が非常に小さくなり、絶縁層をハウジング23からエンドカバーチップ24の方向に折る被覆方式を採用しても、フランジをレベリング装置で平らにして押し付けることが難しいという問題がある。従って、本実施例において、エンドカバーアセンブリ21に凸カバー213が設けられた電池セル20については、そのエンドカバーチップ24にも凸カバー213に適合する凸部244が対応して設けられ、凸部244にも電極端子211に対応する端子孔241が対応して設けられ、ハウジング23の電池セル20の内部から離れた外表面は第1絶縁層25で被覆される。エンドカバーチップ24は、エンドカバーアセンブリ21の電池セル20の内部から離れた表面に取り付けられる。エンドカバーチップ24に第2絶縁層26が貼り付けられ、第2絶縁層26はエンドカバーチップ24の凸部244を避けたエッジ領域に位置し、第2絶縁層26の少なくとも一部はハウジング23に向かって折られ且つ第1絶縁層25に接続される。
【0092】
本実施例の電池セル20は、エンドカバーチップ24をエンドカバーアセンブリ21に取り付ける前に、まず第2絶縁層26をエンドカバーチップ24に貼り付け、且つ凸部244の位置を避けて、エンドカバーチップ24及び第2絶縁層26自体の接着性により、両者を強固に接着させることができる。エンドカバーチップ24をエンドカバーアセンブリ21に取り付けてから、第2絶縁層26のエンドカバーチップ24及びエンドカバーアセンブリ21を超える部分をハウジング23に向かって折り、ハウジング23の外表面が平坦で滑らかな平面であるため、他の素子の干渉が存在せず、第2絶縁層26をハウジング23に向かって折った後に第1絶縁層25と接続させることができ、それにより電池セル20全体の外表面の被覆絶縁を実現し、第2絶縁層26及び第1絶縁層25をハウジング23と完全に貼り合わせることができ、強固に接着され、折り位置が反り上がることがなく、エンドカバーチップ24の脱落を防ぎ、電池セル20が短絡するリスクを低減する。
【0093】
図16は本願のさらに別の実施例に係る絶縁層を被覆する電池セル20の分解概略図である。
【0094】
図16はさらに別の実施例に係る電池セル20を示し、該電池セル20と
図13から
図15に示す実施例の電池セル20との共通点は、いずれもエンドカバーアセンブリ21に凸カバー213が設けられ、エンドカバーチップ24に凸カバー213に対応する凸部244が設けられることであり、その相違点は、エンドカバーチップ24が全てのエンドカバーアセンブリ21を被覆しないことである。
【0095】
図17は本願のさらに別の実施例に係る第2絶縁層26が貼り付けられたエンドカバーチップ24の平面図であり、
図18は
図17におけるB-B断面図である。
【0096】
図16から
図18に示すように、いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ21には電池セルの内部から離れる方向に突出する凸カバー213と、凸カバー213の電池セルの幅方向Xに沿った両側に位置するショルダー部214とが設けられ、エンドカバーチップ24には凸カバー214に適合する凸部244と、凸部244の電池セルの幅方向Xに沿った両側に位置する貼り付け領域245とが設けられ、第2絶縁層26がショルダー部214を被覆するように、貼り付け領域245に第2絶縁層26が貼り付けられる。
【0097】
エンドカバーアセンブリ21の凸カバー213の、電池セルの幅方向Xに沿った両側にそれぞれ一定の幅のショルダー部214が設けられ、電池セル20のショルダー部214に対応する位置に冷却装置(図示せず)を設置して電池セル20を冷却することができ、電池セル20の安全性を保証する。本実施例において、ショルダー部214の位置に対する冷却装置の冷却効果を向上させるために、エンドカバーチップ24の電池セルの幅方向Xに沿ったサイズを小さくして、エンドカバーアセンブリ21のショルダー部214の位置を被覆せず、エンドカバーチップ24のエッジ領域に第2絶縁層26を貼り付け、第2絶縁層26によってショルダー部214を被覆して、ショルダー部214の絶縁効果を保証する。第2絶縁層26はエンドカバーチップ21よりも厚さが薄いため、ショルダー部214の位置に対する冷却装置の冷却効果が強化される。
【0098】
図17における破線の位置はエンドカバーチップ24のエッジ位置を示し、第2絶縁層26はエンドカバーチップ24に貼り付けられ、エンドカバーチップ24の長辺242及び短辺243を被覆する。
【0099】
図18に示すように、第2絶縁層26がエンドカバーアセンブリ21のショルダー部214の大部分を被覆できるように、凸部244の電池セルの幅方向Xに沿った両側に位置する貼り付け領域245の幅L6は、相対的に小さく設定することができる。いくつかの実施例において、貼り付け領域245の幅L6は3~7mmであり、第2絶縁層26をエンドカバーチップ24に強固に貼り付けることができ、且つ第2絶縁層26が十分な面積のショルダー部214を被覆することができ、それによりショルダー部214の位置に対して冷却する場合に、冷却効果を強化し、電池セル20の安全性を向上させる。
【0100】
本願の実施例が提供する電池2は、複数の上記の電池セル20を含み、全体の絶縁性能に優れ、短絡のリスクを低減し、電池2の安全性を向上させる。
【0101】
本願の実施例が提供する車両1などの電力消費装置は、電気エネルギーを供給するために用いられる上記の電池2を使用し、安全性が高い。
【0102】
以上の記載は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は様々な修正及び変更が可能である。本願の主旨及び原則の範囲内でなされる任意の修正、等価置換、改良等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0103】
1 車両
2 電池
3 コントローラ
4 モータ
5 筐体
51 第1筐体部
52 第2筐体部
53 収容空間
20 電池セル
200 電池モジュール
21 エンドカバーアセンブリ
211 電極端子
212 エンドカバー
213 凸カバー
214 ショルダー部
22 電極アセンブリ
221 タブ
23 ハウジング
231 開口
24 エンドカバーチップ
241 端子孔
242 長辺
243 短辺
244 凸部
245 貼り付け領域
25 第1絶縁層
251 第1端部
26 第2絶縁層
261 第1折り部
262 第2折り部
263 第2端部
264 ノッチ