(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】運転支援装置及び運転支援方法
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/18 20060101AFI20250124BHJP
B60Q 1/10 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
B60Q1/18
B60Q1/10
(21)【出願番号】P 2023570569
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 JP2021048769
(87)【国際公開番号】W WO2023127087
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】下谷 光生
(72)【発明者】
【氏名】小高 康志
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴大
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-193026(JP,A)
【文献】特開2010-105580(JP,A)
【文献】特開2007-296918(JP,A)
【文献】特開2003-048481(JP,A)
【文献】特開2020-015328(JP,A)
【文献】特開2006-248246(JP,A)
【文献】特開2021-192110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から道路を照射する灯火装置を制御する運転支援装置であって、
前記車両の位置情報と、前記車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報とを取得する取得部と、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記車両が走行している前記走行車線が、片側複数車線を有する道路のうち分岐道路と直接的に接続された車線であり、かつ、前記走行車線と前記分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させる制御を行う制御部と
を備え
、
前記制御部は、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記走行車線と間接的に接続された分岐道路である間接分岐道路が存在し、かつ、前記走行車線と前記間接分岐道路との間接分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第3照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、前記第1照射態様と異なる第3照射態様で前記灯火装置に前記間接分岐道路を照射させる制御を行う、運転支援装置。
【請求項2】
車両から道路を照射する灯火装置を制御する運転支援装置であって、
前記車両の位置情報と、前記車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報と
、前記車両が走行すべき経路を示す走行経路情報とを取得する取得部と、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記車両が走行している前記走行車線が、片側複数車線を有する道路のうち分岐道路と直接的に接続された車線であり、かつ、前記走行車線と前記分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させる制御を行う制御部と
を備え
、
前記制御部は、
前記走行経路情報の前記経路が前記分岐道路に進行する場合に、前記分岐地点から前記分岐道路の接続口を含む奥まで照射し、前記走行経路情報の前記経路が前記分岐道路に進行しない場合に、前記分岐道路の前記接続口を照射する、運転支援装置。
【請求項3】
車両から道路を照射する灯火装置を制御する運転支援装置であって、
前記車両の位置情報と、前記車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報とを取得する取得部と、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記車両が走行している前記走行車線が、片側複数車線を有する道路のうち分岐道路と直接的に接続された車線であり、かつ、前記走行車線と前記分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させる制御を行う制御部と
を備え
、
前記制御部は、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記走行車線と直接的に接続された合流道路が存在し、かつ、前記走行車線と前記合流道路との合流地点に対して予め定められた位置関係を満たす第2照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第2照射態様で前記灯火装置に前記合流道路を照射させる制御を行い、
前記第1照射態様では前記分岐道路の接続口を含む奥まで照射し、前記第2照射態様では前記合流道路の接続口を照射する、運転支援装置。
【請求項4】
請求項1
から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記走行車線が、前記分岐道路と直接的に接続された前記車線である場合には、前記第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させ、前記走行車線が、前記分岐道路と直接的に接続された前記車線でない場合には、前記第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させない、運転支援装置。
【請求項5】
請求項1
から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記取得部は、
車線単位の前記道路情報を格納する高精度ロケータ装置の高精度地図データベースから、前記道路情報を取得し、前記位置情報及び前記走行車線情報を検出する前記高精度ロケータ装置の高精度測位部から、前記位置情報及び前記走行車線情報を取得する、運転支援装置。
【請求項6】
請求項1
から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記取得部は、
前記車両周辺の画像に基づいて前記道路情報、前記位置情報及び前記走行車線情報を認識する画像処理装置から、前記道路情報、前記位置情報及び前記走行車線情報を取得する、運転支援装置。
【請求項7】
請求項1
から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記分岐道路のうち前記分岐地点から予め定められた距離だけ離れた地点を含む範囲を、前記灯火装置に照射させる、運転支援装置。
【請求項8】
請求項1
から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記灯火装置は、ヘッドライトとサブライトとを含み、
前記制御部は、
前記走行車線の平面形状に基づいて前記ヘッドライトの照射態様を制御し、前記分岐道路の平面形状に基づいて前記サブライトの前記第1照射態様を制御する、運転支援装置。
【請求項9】
請求項1
から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記走行車線の勾配と前記分岐道路の勾配との差に基づいて前記第1照射態様を制御する、運転支援装置。
【請求項10】
請求項1
または請求項3に記載の運転支援装置であって、
前記取得部は、
前記車両が走行すべき経路を示す走行経路情報をさらに取得し、
前記制御部は、
前記走行経路情報の前記経路が前記分岐道路に進行するか否かに基づいて前記第1照射態様を制御する、運転支援装置。
【請求項11】
請求項1
または請求項2に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記走行車線と直接的に接続された合流道路が存在し、かつ、前記走行車線と前記合流道路との合流地点に対して予め定められた位置関係を満たす第2照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第2照射態様で前記灯火装置に前記合流道路を照射させる制御を行う、運転支援装置。
【請求項12】
請求項
11に記載の運転支援装置であって、
前記第
2照射区間
は前記第
1照射区間
よりも長い、運転支援装置。
【請求項13】
請求項
11に記載の運転支援装置であって、
前記取得部は、
前記合流道路から前記合流地点に向かう移動体を検出可能であり、
前記制御部は、
前記移動体が前記取得部で検出されたか否かに基づいて前記第2照射態様を制御する、運転支援装置。
【請求項14】
請求項
11に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記合流道路の種別に基づいて、前記合流道路で歩行者または自転車が飛び出す可能性が高い場合の前記第2照射態様を、前記可能性が低い場合の前記第2照射態様よりも目立つように制御する、運転支援装置。
【請求項15】
請求項
3に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記走行車線と間接的に接続された分岐道路である間接分岐道路が存在し、かつ、前記走行車線と前記間接分岐道路との間接分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第3照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、前記第1照射態様と異なる第3照射態様で前記灯火装置に前記間接分岐道路を照射させる制御を行う、運転支援装置。
【請求項16】
請求項
15に記載の運転支援装置であって、
前記第3照射態様は、文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含む、運転支援装置。
【請求項17】
請求項
15に記載の運転支援装置であって、
前記第1照射区間と前記第3照射区間とは互いに異なる、運転支援装置。
【請求項18】
請求項
15に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記車両が前記間接分岐道路に進行できるか否かに基づいて前記第3照射態様を制御する、運転支援装置。
【請求項19】
請求項
15に記載の運転支援装置であって、
前記制御部は、
前記間接分岐道路への前記車両の進行が禁止されているか否かに基づいて前記第3照射態様を制御する、運転支援装置。
【請求項20】
請求項
15に記載の運転支援装置であって、
前記取得部は、
前記車両が走行すべき経路を示す走行経路情報をさらに取得し、
前記制御部は、
前記走行経路情報の前記経路が前記間接分岐道路に進行するか否かに基づいて前記第3照射態様を制御する、運転支援装置。
【請求項21】
車両から道路を照射する灯火装置を制御する運転支援方法であって、
取得部は、前記車両の位置情報と、前記車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報とを取得し、
制御部は、前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記車両が走行している前記走行車線が、片側複数車線を有する道路のうち分岐道路と直接的に接続された車線であり、かつ、前記走行車線と前記分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させる制御を行
い、
前記制御部は、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記走行車線と間接的に接続された分岐道路である間接分岐道路が存在し、かつ、前記走行車線と前記間接分岐道路との間接分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第3照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、前記第1照射態様と異なる第3照射態様で前記灯火装置に前記間接分岐道路を照射させる制御を行う、運転支援方法。
【請求項22】
車両から道路を照射する灯火装置を制御する運転支援方法であって、
取得部は、前記車両の位置情報と、前記車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報と
、前記車両が走行すべき経路を示す走行経路情報とを取得し、
制御部は、前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記車両が走行している前記走行車線が、片側複数車線を有する道路のうち分岐道路と直接的に接続された車線であり、かつ、前記走行車線と前記分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させる制御を行
い、
前記制御部は、
前記走行経路情報の前記経路が前記分岐道路に進行する場合に、前記分岐地点から前記分岐道路の接続口を含む奥まで照射し、前記走行経路情報の前記経路が前記分岐道路に進行しない場合に、前記分岐道路の前記接続口を照射する、運転支援方法。
【請求項23】
車両から道路を照射する灯火装置を制御する運転支援方法であって、
取得部は、前記車両の位置情報と、前記車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報とを取得し、
制御部は、前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記車両が走行している前記走行車線が、片側複数車線を有する道路のうち分岐道路と直接的に接続された車線であり、かつ、前記走行車線と前記分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で前記灯火装置に前記分岐道路を照射させる制御を行
い、
前記制御部は、
前記位置情報、前記走行車線情報及び前記道路情報に基づいて、前記走行車線と直接的に接続された合流道路が存在し、かつ、前記走行車線と前記合流道路との合流地点に対して予め定められた位置関係を満たす第2照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第2照射態様で前記灯火装置に前記合流道路を照射させる制御を行い、
前記第1照射態様では前記分岐道路の接続口を含む奥まで照射し、前記第2照射態様では前記合流道路の接続口を照射する、運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転支援装置及び運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が走行している走行車線が分岐道路と接続されている場合に、ヘッドライトをスイブルしてヘッドライトの照射を分岐道路に向ける制御を行い、走行車線が分岐道路と接続されていない場合に当該制御を行わない技術が提案されている(例えば特許文献1)。このような技術によれば、運転者は分岐道路の存在を容易に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術において、車両が分岐地点から遠い地点で分岐道路を照射するようにスイブルを行うためには、スイブル角度を小さくする必要がある。しかしながら、スイブル角度を小さくした場合、運転者はヘッドライトのスイブルに気づかず、分岐道路の存在を認識できなくなる場合があるという問題がある。また、スイブル角度が小さいと、分岐道路のうち分岐地点から奥側の部分を照射できないため、運転者は分岐道路の形状を把握できないという問題がある。
【0005】
一方、車両が分岐地点から近い地点で分岐道路の広い範囲を照射するようにスイブルを行うためには、スイブル角度を大きくする必要がある。しかしながら、スイブル角度を大きくした場合、ヘッドライトで分岐道路を照射できても車両前方の道路を照射できなくなるという問題がある。
【0006】
そこで、本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、車両から道路を照射する灯火装置を適切に制御可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る運転支援装置は、車両から道路を照射する灯火装置を制御する運転支援装置であって、車両の位置情報と、車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報とを取得する取得部と、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、車両が走行している走行車線が、片側複数車線を有する道路のうち分岐道路と直接的に接続された車線であり、かつ、走行車線と分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で灯火装置に分岐道路を照射させる制御を行う制御部とを備え、制御部は、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、走行車線と間接的に接続された分岐道路である間接分岐道路が存在し、かつ、走行車線と間接分岐道路との間接分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第3照射区間を車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様と異なる第3照射態様で灯火装置に間接分岐道路を照射させる制御を行う。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、第1照射区間を車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で灯火装置に分岐道路を照射させる制御を行う。このような構成によれば、車両から道路を照射する灯火装置を適切に制御することができる。
【0009】
本開示の目的、特徴、局面及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態2に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態2に係る運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態2に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図5】実施の形態2に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図6】実施の形態2に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図7】実施の形態2の変形例3に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図8】実施の形態2の変形例3に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図9】実施の形態2の変形例3に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図10】実施の形態2の変形例3に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図11】実施の形態2の変形例3に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図12】実施の形態2の変形例6に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図13】実施の形態2の変形例6に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図14】実施の形態2の変形例6に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図15】実施の形態3に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図16】実施の形態3の変形例2に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】実施の形態4に係る運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図18】実施の形態4の変形例1に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図19】実施の形態4の変形例1に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図20】実施の形態5に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図21】実施の形態5に係る運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図22】実施の形態5の変形例4に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図23】実施の形態5の変形例7に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図24】実施の形態5の変形例7に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図25】実施の形態5の変形例8に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図26】実施の形態5の変形例8に係る運転支援装置の動作を説明するための図である。
【
図27】その他の変形例に係る運転支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図28】その他の変形例に係る運転支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図29】その他の変形例に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図30】その他の変形例に係る通信端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係る運転支援装置1の構成を示すブロック図である。
図1の運転支援装置1は、取得部11と制御部12とを備え、車両から道路を照射する灯火装置3を制御する。灯火装置3は、車両のヘッドライトを含んでもよいし、車両のサブライトを含んでもよいし、それらの両方を含んでもよい。なお、サブライトは、例えばスモールランプ及びフォグランプなどの支援照射を行う従たる灯火装置である。道路は、1つの車線だけを含んでもよいし、複数の車線を含んでもよい。
【0012】
取得部11は、車両の位置情報を取得する。取得部11のこの機能には、例えばGPS(Global Positioning System)などの人工衛星からの信号に基づいて車両の位置情報を検出する装置が用いられてもよいし、車両周辺の画像に基づいて車両の位置情報を認識する画像処理装置が用いられてもよいし、これら装置のインターフェースが用いられてもよい。
【0013】
取得部11は、車両が走行している走行車線を示す走行車線情報を取得する。取得部11のこの機能には、例えば高精度地図を用いた高精度ロケータ装置が用いられてもよいし、車両周辺の画像に基づいて車両の位置情報を認識する画像処理装置が用いられてもよいし、これら装置のインターフェースが用いられてもよい。
【0014】
取得部11は、道路情報を取得する。道路情報は、道路同士の接続関係を示す情報を含む。取得部11の道路情報を取得する機能には、車両の記憶装置から道路情報を取得するインターフェースが用いられてもよいし、車両外部のサーバから道路情報を受信する通信装置が用いられてもよいし、当該通信装置のインターフェースが用いられてもよい。
制御部12は、取得部11で取得された位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、車両が第1照射区間を走行しているかを判定する。以下、その判定の一例について説明する。
【0015】
まず、制御部12は、走行車線情報と道路情報とに基づいて、車両が走行している走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在するか否かを判定する。走行車線と直接的に接続された分岐道路とは、走行車線と間に他の車線が存在しない分岐道路である。
【0016】
走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在すると判定された場合、制御部12は、当該分岐道路と位置情報とに基づいて、車両が第1照射区間を走行しているか否かを判定する。第1照射区間とは、走行車線と分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす区間である。予め定められた位置関係は、例えば分岐地点から車両側に向かって予め定められた距離だけ離れた地点と、分岐地点との間の道路であることであってもよいし、それ以外の位置関係であってもよい。
【0017】
上記判定結果として、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、車両が第1照射区間を走行していると判定された場合に、制御部12は、第1照射態様で灯火装置3に分岐道路を照射させる制御を行う。
【0018】
<実施の形態1のまとめ>
以上のような本実施の形態1に係る運転支援装置1によれば、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、車両が第1照射区間を走行していると判定された場合に、第1照射態様で灯火装置3に分岐道路を照射させる制御を行う。このような構成によれば、車両が分岐地点から適切な距離だけ離れた区間において灯火装置3に分岐道路を照射させる制御を行うことができるので、灯火装置3のスイブル角度として適切な角度を用いることができる。この結果、車両前方の走行車線を照射することと、分岐道路の広い範囲を照射することとのバランスを適切化することができるので、灯火装置3を適切に制御することができる。
【0019】
<実施の形態2>
図2は、本実施の形態2に係る運転支援装置1の構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態2に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じまたは類似する参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0020】
図2の運転支援装置1は、車両システム4に含まれる。車両システム4は、運転支援装置1だけでなく、高精度ロケータ装置2と、灯火装置3とを含む。
【0021】
高精度ロケータ装置2は、高精度地図データベース(DB)21と、高精度測位部22とを含む。高精度地
図DB21は、車線単位の道路情報を格納している。なお、道路情報には、道路及び車線同士の接続関係だけでなく、道路及び車線についての平面形状、勾配及び種別が含まれてもよいし、車線と道路となどがその接続地点でなす角度などが含まれてもよい。高精度測位部22は、高精度地
図DB21に格納された道路情報と、GPSなどの人工衛星からの信号とに基づいて車線単位の車両の位置情報及び車線単位の車両の走行車線情報を検出する。
【0022】
灯火装置3は、実施の形態1で説明した灯火装置3と同様であり、ヘッドライト31とサブライト32とを含む。本実施の形態2では、サブライト32は、照射範囲の方向及び横幅などを自由に変更することが可能となっている。サブライト32の照射範囲の方向及び横幅の制御は、例えば、サブライト32の反射板に対するサブライト32の光源の照射方向を制御することなどによって可能である。なお、サブライト32は、文字、図形及び記号の少なくともいずれかを道路に照射可能であってもよい。
【0023】
運転支援装置1は、道路情報取得部11aと、車両位置取得部11bと、照射制御部12aとを含む。なお、道路情報取得部11a及び車両位置取得部11bは、
図1の取得部11の概念に含まれ、照射制御部12aは、
図1の制御部12の概念に含まれる。
【0024】
道路情報取得部11aは、高精度ロケータ装置2の高精度地
図DB21から、道路情報を取得する。車両位置取得部11bは、高精度ロケータ装置2の高精度測位部22から、位置情報及び走行車線情報を取得する。
【0025】
照射制御部12aは、実施の形態1の制御部12と同様の機能を有する。照射制御部12aは、車両位置取得部11bで取得された位置情報及び走行車線情報と、道路情報取得部11aで取得された道路情報とに基づいて、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、車両が第1照射区間を走行しているかを判定する。
【0026】
第1照射区間は、例えば走行車線と分岐道路との分岐地点と、分岐地点から車両側に向かって予め定められた距離(例えば100m)だけ離れた地点との間の走行車線である。第1照射区間は、走行車線の形状、分岐道路の形状、及び、車両の走行速度などによって変更されてもよい。例えば、走行車線の道路曲率が大きい場合は車両前方が見づらいので、第1照射区間の予め定められた距離が100mよりも大きくなるように第1照射区間は変更されてもよい。また例えば、車両の走行速度が高くなるほど、第1照射区間の予め定められた距離から大きくなっていくように、つまり早い段階で第1照射態様の照射が行われるように、第1照射区間は変更されてもよい。
【0027】
上記判定結果として、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、車両が第1照射区間を走行していると判定された場合に、照射制御部12aは、第1照射態様でサブライト32に分岐道路を照射させる制御を行う。
【0028】
<動作>
図3は、本実施の形態2に係る運転支援装置1の動作を示すフローチャートである。この
図3の動作は、車両の走行中に随時行われる。
【0029】
まずステップS1にて、照射制御部12aは、ヘッドライト31が点灯して照射しているか否かを判定する。ヘッドライト31の照射は、車両前方から例えば100mの道路を照射するハイビームであってもよいし、車両前方から例えば40mの道路を照射するロービームであってもよい。以下では、ヘッドライト31の照射はハイビームであるものとして説明する。ヘッドライト31が照射していると判定された場合には処理がステップS2に進み、ヘッドライト31が照射していると判定されなかった場合にはステップS1の処理を再度行う。
【0030】
ステップS2にて、車両位置取得部11bは、高精度ロケータ装置2の高精度測位部22から、位置情報及び走行車線情報を取得する。
【0031】
ステップS3にて、道路情報取得部11aは、高精度ロケータ装置2の高精度地
図DB21から、道路情報を取得する。なお、道路情報取得部11aは、高精度地
図DB21から車両周辺の道路情報のみを取得してもよい。
【0032】
ステップS4にて、照射制御部12aは、走行車線情報と道路情報とに基づいて走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在するか否かを判定する。分岐道路が存在すると判定された場合には処理がステップS5に進み、分岐道路が存在すると判定されなかった場合には処理がステップS7に進む。
【0033】
ステップS5にて、照射制御部12aは、ステップS4で判定された分岐道路と、位置情報とに基づいて、車両が第1照射区間を走行しているか否かを判定する。車両が第1照射区間を走行していると判定された場合には処理がステップS6に進み、車両が第1照射区間を走行していると判定されなかった場合には処理がステップS7に進む。
【0034】
ステップS6にて、照射制御部12aは、サブライト32を点灯させて第1照射態様でサブライト32に分岐道路を照射させる制御を行う。ヘッドライト31の照射は、運転者によってヘッドライト31を消灯する操作などが行われていない限り維持される。その後、処理がステップS8に進む。
【0035】
ステップS7にて、照射制御部12aは、サブライト32による第1照射態様の照射が行われている場合に当該照射を停止する。ヘッドライト31の照射は、運転者によってヘッドライト31を消灯する操作などが行われていない限り維持される。その後、処理がステップS8に進む。
【0036】
ステップS8にて、照射制御部12aは、ヘッドライト31が消灯しているか否かを判定する。ヘッドライト31が消灯していると判定された場合には
図3の動作が終了し、ヘッドライト31が消灯していると判定されなかった場合には処理がステップS2に戻る。
【0037】
図4~
図6は、本実施の形態2に係る運転支援装置1の動作を説明するための図である。道路52は、左側車線52a及び右側車線52bを含む。左側車線52aは分岐道路53と直接的に接続されている。一方、右側車線52bは分岐道路53と直接的に接続されておらず、分岐道路53と間接的に接続されている。
【0038】
図4及び
図5では、車両51の走行車線は、分岐道路53と直接的に接続された左側車線52aであり、車両51は、左側車線52aと分岐道路53との分岐地点Q1から100m以内の地点、つまり第1照射区間を走行している。この場合、
図3のステップS4,S5,S6の処理が行われるので、ヘッドライト31は車両51前方の走行車線を含む照射範囲31aを照射し、サブライト32は分岐道路53上の地点Q2を含む照射範囲32aを照射する。地点Q2は、分岐地点Q1から予め定められた距離(例えば10m)だけ離れた地点である。本実施の形態2に係る照射制御部12aは、道路情報に含まれる分岐道路53の平面形状に基づいて、地点Q2が照射範囲32aに含まれるようにサブライト32の第1照射態様を制御する。
【0039】
なお、照射制御部12aは、車両51の位置と分岐地点Q1との距離に基づいて、サブライト32の第1照射態様を制御してもよい。例えば
図4及び
図5に示すように、照射制御部12aは、車両51の位置と分岐地点Q1との距離が小さくなるにつれて、サブライト32の照射範囲32aが車両51の左方向に近づくようにサブライト32の照射範囲32aの方向を制御してもよい。また、照射制御部12aは、車両51の位置と分岐地点Q1との距離が小さくなるにつれて、サブライト32の照射範囲の横幅が広くなるようにサブライト32の照射範囲32aの横幅を制御してもよい。また、照射制御部12aは、車両51の位置と分岐地点Q1との距離が小さくなるにつれて、サブライト32の照射範囲32aを制御する時間間隔が短くなるようにサブライト32の照射を制御してもよい。
【0040】
車両51が分岐地点Q1を通り過ぎた場合、車両51が第1照射区間を走行しなくなり、
図3のステップS4,S5,S7の処理が行われるのでヘッドライト31は照射範囲31aを照射するが、サブライト32は照射しない。
【0041】
図6では、分岐道路53は、車両51の走行車線である右側車線52bとの間に、走行車線以外の左側車線52aが存在しており、走行車線と間接的に接続されている。この場合、
図3のステップS4,S7の処理が行われるので、ヘッドライト31は照射範囲31aを照射するが、サブライト32は照射しない。なお、
図6の状態から車両51が右側車線52bから左側車線52aに車線変更した場合には、
図3のステップS4,S5,S6の処理が行われるので、ヘッドライト31は照射範囲31aを照射し、サブライト32は照射範囲32aを照射することになる。
【0042】
以上、道路52は2つの車線(左側車線52a及び右側車線52b)を含み、左側車線52aが分岐道路と直接的に接続されている場合を例にして説明した。道路が3つ以上の車線を含む場合、または、右側車線が分岐道路と直接的に接続されている場合であっても、上記の例と同様に、車両51の走行車線が分岐道路と直接的に接続されている場合には、サブライト32による第1照射態様の照射が行われる。
【0043】
<実施の形態2のまとめ>
以上のような本実施の形態2に係る運転支援装置1によれば、実施の形態1と同様に灯火装置3を適切に制御することができる。また本実施の形態2では、灯火装置3がヘッドライト31及びサブライト32を含むので、ヘッドライト31で車両前方の走行車線を照射しつつ、サブライト32で分岐道路を照射することができる。
【0044】
また本実施の形態2では、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、車両が第1照射区間を走行していると判定されなかった場合に、サブライト32の第1照射態様の照射を停止する。サブライト32が照射している状態と、サブライト32が照射していない状態との運転者における視覚上の差が比較的大きいため、上記構成によれば、サブライト32の照射時に、運転者は分岐道路の存在を容易に認識することができる。
【0045】
<実施の形態2の変形例1>
実施の形態2では、灯火装置3は、車両前方を照射するヘッドライト31と、分岐道路を支援照射するサブライト32とを含んだが、これに限ったものではない。例えば、灯火装置3は、前方照射の機能及び支援照射の機能の両方を有する1つのライトであってもよい。また、サブライト32は、車両の左前方を照射する左用ライトと、車両の右前方を照射する右用ライトとを含んでもよい。
【0046】
<実施の形態2の変形例2>
実施の形態2では、第1照射区間に1つの分岐道路が存在した。第1照射区間に複数の分岐道路が存在する場合には、照射制御部12aは、サブライト32に複数の分岐道路を同時に照射させてもよい。サブライト32が複数の分岐道路に同時に照射する機能を有していない場合には、照射制御部12aは、車両に近い分岐道路から順に、サブライト32に分岐道路を照射させてもよい。
【0047】
<実施の形態2の変形例3>
実施の形態2では、照射制御部12aは、分岐道路の平面形状に基づいて、サブライト32が分岐道路の地点Q2を照射するようにサブライト32の第1照射態様を制御したが、これに限ったものではない。例えば、照射制御部12aは、道路情報に基づいて、走行車線と分岐道路とが分岐地点においてなす角度を算出し、当該角度に基づいて、サブライト32の第1照射態様を制御してもよい。
【0048】
図7~
図10の場合、照射制御部12aは、地図情報に基づいて、走行車線である左側車線52aと分岐道路53とが分岐地点Q1においてなす角度θ1を求める。そして、照射制御部12aは、サブライト32の照射範囲32aの長軸を、車両51前方から当該角度θ1だけ分岐地点Q1で左回転させた方向に向ける制御を行う。なお、例えば特開2016-30515号公報の技術などによって、車両51が分岐地点Q1の近くに位置しなくても、サブライト32が、分岐道路53の形状に合わせた照射範囲32をスポット照射するように照射制御部12aに制御される。
図7~9では分岐道路53は概ね直線形状を有するため、サブライト32の照射範囲32は概ね直線形状を有し、
図10では分岐道路53は曲線形状を有するため、サブライト32の照射範囲32は概ね曲線形状を有する。
【0049】
図11の場合、照射制御部12aは、走行車線である左側車線52aと分岐道路53とが分岐地点Q1においてなす角度θ2に基づいて、サブライト32の照射範囲32aの長軸を、車両51前方から当該角度θ2だけ分岐地点Q1で左回転させた方向に向ける制御を行う。
【0050】
<実施の形態2の変形例4>
実施の形態2では、ヘッドライト31は車両前方を直線的に照射したが、これに限ったものではない。例えば、照射制御部12aは、走行車線の平面形状に基づいてヘッドライト31の照射態様を制御しつつ、分岐道路の平面形状に基づいてサブライト32の第1照射態様を制御してもよい。
【0051】
ヘッドライト31の照射態様として、照射制御部12aは、走行車線の平面形状に基づいて、ヘッドライト31の照射範囲の方向及び形状を制御してもよい。例えば、走行車線が右(または左)カーブの車線である場合に、ヘッドライト31の照射範囲の形状が、走行車線のカーブの形状と対応するように、照射制御部12aは、ヘッドライト31の照射範囲を制御してもよい。また例えば、道路情報が走行車線の勾配、つまり走行車線の傾斜を示す場合には、照射制御部12aは、ヘッドライト31の照射の上下方向を制御してもよい。このような変形例4によれば、ヘッドライト31によって走行車線を適切に照射することができる。
【0052】
<実施の形態2の変形例5>
実施の形態2では、走行車線の勾配と分岐道路の勾配とが互いに同一であることを前提として説明したが、実際にはこれらの互いに勾配は異なることが多い。そこで、照射制御部12aは、道路情報から走行車線の勾配と分岐道路の勾配とを読み出し、これらの勾配の差に基づいて、サブライト32の照射の上下方向を制御することによって、サブライト32の第1照射態様を制御してもよい。このような変形例5によれば、サブライト32によって適切な距離まで分岐道路を照射することができる。
【0053】
なお、道路情報から走行車線の勾配と分岐道路の勾配との差が、閾値以上である場合に、サブライト32の第1照射態様は、当該差を示す文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含んでもよい。
【0054】
<実施の形態2の変形例6>
運転支援装置1は、
図2の道路情報取得部11a及び車両位置取得部11bと同様に、取得部11の概念に含まれる図示しない経路情報取得部を備えてもよい。経路情報取得部は、車両が走行すべき経路を示す走行経路情報を取得する。車両が走行すべき経路は、例えばナビゲーションシステムで探索された経路などである。
【0055】
照射制御部12aは、経路情報取得部で取得された走行経路情報の経路が分岐道路に進行するか否かに基づいて、サブライト32の第1照射態様を制御してもよい。つまり、照射制御部12aは、車両が分岐道路に進行すべきか否かに基づいて、サブライト32の第1照射態様を制御してもよい。
【0056】
図12~
図14は、本変形例6に係る運転支援装置1の動作を説明するための図である。
【0057】
図12では、走行経路情報の経路が分岐道路に進行する場合、つまり車両51が分岐道路53に進行すべき場合を示す図である。
図13及び
図14では、走行経路情報の経路が分岐道路に進行しない場合、つまり車両51が分岐道路53に進行すべきでない場合を示す図である。
【0058】
図12のサブライト32の照射範囲32aは、分岐道路53の接続口から少し奥側の部分を含むが、
図13及び
図14のサブライト32の照射範囲32aは、分岐道路53の接続口のみである。このような構成によれば、
図12のサブライト32の照射範囲32aは、
図13及び
図14のサブライト32の照射範囲32aよりも大きく目立つことになるため、運転者は、分岐道路53に進行すべきか否かを容易に知ることができる。
【0059】
なお、走行経路情報の経路が分岐道路に進行しない場合、
図13のようにサブライト32は楕円状の範囲をスポット照射してもよいし、
図14のようにサブライト32は通常形状の範囲を照射してもよい。また、サブライト32の第1照射態様は、走行車線の走行を促す旨の照射を含んでもよいし、分岐道路の走行を促す旨を示す文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含んでもよい。
【0060】
なお、車両51の走行車線が、分岐道路53と直接的に接続されずに間接的に接続されている右側車線52bである場合には、実施の形態2と同様に、ヘッドライト31は照射範囲31aを照射するが、サブライト32は照射しない。
【0061】
<実施の形態2の変形例7>
第1照射区間は、ヘッドライト31の照射がハイビームであるかロービームであるかかによって変更されてもよい。例えばヘッドライト31の照射がハイビームである場合には、第1照射区間は分岐地点から100m以内の走行車線の区間であってもよい。そして、ヘッドライト31の照射がロービームである場合には、第1照射区間は分岐地点から40m以内の走行車線の区間であってもよい。
【0062】
<実施の形態3>
図15は、本実施の形態3に係る運転支援装置1の構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態3に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じまたは類似する参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0063】
図15の運転支援装置1の構成は、
図2の運転支援装置1の構成において、高精度ロケータ装置2を、車載情報システム6及び画像処理装置7に置き換えた構成と同様である。
【0064】
車載情報システム6は、通常精度地図データベース(DB)61と、ロケータ62とを含む。通常精度地
図DB61は、道路単位の道路情報を格納している。ロケータ62は、GPSなどの人工衛星からの信号に基づいて道路単位の車両の位置情報を検出する。なおロケータ62は、検出された位置情報と、通常精度地
図DB61の道路情報とに基づいてマップマッチング処理を行ってもよい。通常精度地
図DB61及びロケータ62は、運転支援装置1に専用の地
図DB及びロケータであってもよいし、ナビゲーションシステムと兼用される地
図DB及びロケータであってもよい。
【0065】
画像処理装置7は、車両周辺の画像(例えば車両前方の画像)に基づいて、車両が走行している走行車線を示す走行車線情報を認識する。
【0066】
道路情報取得部11aは、通常精度地
図DB61から、道路情報を取得する。車両位置取得部11bは、ロケータ62及び画像処理装置7から、位置情報及び走行車線情報をそれぞれ取得する。照射制御部12a及び灯火装置3は、実施の形態2の照射制御部12a及び灯火装置3と同様である。
【0067】
<実施の形態3のまとめ>
以上のような本実施の形態3に係る運転支援装置1によれば、廉価な通常精度地
図DB61及び通常のロケータ62を用いるため、運転支援装置1のコストを低減することができる。
【0068】
<実施の形態3の変形例1>
通常精度地
図DB61の道路情報は車線数を含んでもよく、画像処理装置7は、車両周辺の画像と車線数とに基づいて走行車線情報を認識してもよい。このような構成によれば、走行車線情報の精度を高めることができる。
【0069】
<実施の形態3の変形例2>
実施の形態3では、車載情報システム6から位置情報及び道路情報を取得可能に構成されていたが、これに限ったものではない。
【0070】
例えば
図16に示すように、車載情報システム6を設けずに、画像処理装置7が、車両周辺の画像(例えば車両前方の画像)に基づいて、走行車線情報だけでなく、位置情報及び道路情報を認識してもよい。そして、道路情報取得部11aは、画像処理装置7から、道路情報を取得してもよく、車両位置取得部11bは、画像処理装置7から、位置情報及び走行車線情報を取得してもよい。
【0071】
また、画像処理装置7は、道路情報取得部11a及び車両位置取得部11bの機能と、照射制御部12aの機能の一部とを含んでもよい。例えば、画像処理装置7が、走行車線情報と道路情報とに基づいて走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在するか否かを判定してもよい。そして、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在すると判定された場合に、画像処理装置7は、位置情報と、当該分岐道路の分岐地点とに基づいて、車両位置と分岐地点との間の距離を算出してもよい。照射制御部12aは、画像処理装置7で算出された距離に基づいて、第1照射態様でサブライト32に分岐道路を照射させる制御を行ってもよい。
【0072】
また、実施の形態3において、車載情報システム6に含まれる通常精度地
図DB61及び通常のロケータ62の一方を設けつつ、他方の機能が画像処理装置7で実現されてもよい。
【0073】
<実施の形態4>
本実施の形態4に係る運転支援装置1のブロック図は、実施の形態2に係る運転支援装置1のブロック図(
図2参照)と同様である。以下、本実施の形態4に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じまたは類似する参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0074】
本実施の形態4に係る照射制御部12aは、合流道路についても分岐道路と同様の処理を行う。つまり、照射制御部12aは、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、走行車線と直接的に接続された合流道路が存在し、かつ、車両が第2照射区間を走行しているかを判定する。
【0075】
第2照射区間は、走行車線と合流道路との合流地点に対して予め定められた位置関係を満たす区間である。本実施の形態4では、第2照射区間は、第1照射区間と同様であり、例えば走行車線と合流道路との合流地点と、合流地点から車両側に向かって予め定められた距離(例えば100m)だけ離れた地点との間の走行車線である。
【0076】
上記判定結果として、走行車線と直接的に接続された合流道路が存在し、かつ、車両が第2照射区間を走行していると判定された場合に、照射制御部12aは、第2照射態様でサブライト32に合流道路を照射させる制御を行う。本実施の形態4では、第2照射態様は第1照射態様と同様である。例えば、照射制御部12aは、車両の位置と合流地点との距離に基づいて、サブライト32の第2照射態様を制御してもよい。
【0077】
<動作>
図17は、本実施の形態4に係る運転支援装置1の動作を示すフローチャートである。この
図3の動作は、車両の走行中に随時行われる。
【0078】
まずステップS1~ステップS7にて、
図3のステップS1~ステップS7と同様の動作が行われる。ステップS6またはステップS7の後、ステップS11の処理が行われる。
【0079】
ステップS11にて、照射制御部12aは、走行車線情報と道路情報とに基づいて走行車線と直接的に接続された合流道路が存在するか否かを判定する。合流道路が存在すると判定された場合には処理がステップS12に進み、合流道路が存在すると判定されなかった場合には処理がステップS14に進む。
【0080】
ステップS12にて、照射制御部12aは、ステップS11で判定された合流道路と、位置情報とに基づいて、車両が第2照射区間を走行しているか否かを判定する。車両が第2照射区間を走行していると判定された場合には処理がステップS13に進み、車両が第2照射区間を走行していると判定されなかった場合には処理がステップS14に進む。
【0081】
ステップS13にて、照射制御部12aは、サブライト32を点灯させて第2照射態様でサブライト32に合流道路を照射させる制御を行う。ヘッドライト31の照射は、運転者によってヘッドライト31を消灯する操作などが行われていない限り維持される。その後、処理がステップS8に進む。
【0082】
ステップS14にて、照射制御部12aは、サブライト32による第2照射態様の照射が行われている場合に当該照射を停止する。ヘッドライト31の照射は、運転者によってヘッドライト31を消灯する操作などが行われていない限り維持される。その後、処理がステップS8に進む。
【0083】
ステップS8にて、照射制御部12aは、ヘッドライト31が消灯しているか否かを判定する。ヘッドライト31が消灯していると判定された場合には
図17の動作が終了し、ヘッドライト31が消灯していると判定されなかった場合には処理がステップS2に戻る。
【0084】
以上の動作の結果、走行車線が分岐道路にも合流道路にも直接的に接続されていない場合には、サブライト32の照射は行われず、原則としてヘッドライト31のみの照射が行われる。走行車線に直接的に接続された分岐道路及び合流道路の両方が存在する場合には、照射制御部12aは、サブライト32に分岐道路及び合流道路を同時に照射させてもよい。サブライト32が分岐道路及び合流道路に同時に照射する機能を有していない場合には、分岐道路及び合流道路のうち車両に近い道路から順に、または、分岐道路を優先して、サブライト32による照射が行われてもよい。
【0085】
<実施の形態4のまとめ>
以上のような本実施の形態4に係る運転支援装置1によれば、走行車線と直接的に接続された合流道路が存在し、かつ、車両が第2照射区間を走行していると判定された場合に、第2照射態様でサブライト32に合流道路を照射させる制御を行う。このような構成によれば、車両が合流地点から適切な距離だけ離れた区間においてサブライト32に合流道路を照射させる制御を行うことができるので、サブライト32を適切に制御することができる。
【0086】
<実施の形態4の変形例1>
実施の形態4では、第2照射態様は第1照射態様と同様であるとして説明したが、第1照射態様と第2照射態様とは互いに異なってもよい。
【0087】
第1例として、第1照射態様の照射の色調と第2照射態様の照射の色調とが異なってもよい。
【0088】
第2例として、分岐道路に対する第1照射態様の照射範囲32aは、
図4及び
図5のように分岐道路の接続口から少し奥側の部分を含むが、合流道路に対する第2照射態様の照射範囲32bは、
図18及び
図19のように合流道路54の接続口のみであってもよい。合流道路に対する第2照射態様として、
図18のようにサブライト32は楕円状の範囲をスポット照射してもよいし、
図19のようにサブライト32は通常形状の範囲を照射してもよい。なお、
図18及び
図19には、走行車線である左側車線52aと合流道路54との合流地点Q3が図示されている。
【0089】
また例えば、分岐道路に対する第1照射態様は、分岐道路を示す文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含んでもよく、合流道路に対する第2照射態様は、合流道路を示す文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含んでもよい。
【0090】
<実施の形態4の変形例2>
実施の形態4では、第2照射区間は第1照射区間と同様であるとして説明したが、第1照射区間と第2照射区間とは互いに異なってもよい。例えば、合流地点では、走行車線を走行する車両と、合流道路を走行する車両との衝突の可能性があり、また、合流道路を避けるために車線変更が行われる傾向がある。このことを考慮して、第2照射区間は、第1照射区間よりも長くてもよい。
【0091】
<実施の形態4の変形例3>
実施の形態4では、照射制御部12aは、第2照射態様として、サブライト32に合流道路を連続的に照射させることを前提として説明したが、合流地点と車両との間の距離が閾値以下になった場合に、サブライト32に合流道路を断続的に照射させてもよい。また、照射制御部12aは、サブライト32の第2照射態様の照射範囲32bのサイズを適宜大きくしたり小さくしたりしてもよい。
【0092】
<実施の形態4の変形例4>
運転支援装置1は、
図2の道路情報取得部11a及び車両位置取得部11bと同様に、取得部11の概念に含まれる図示しない移動体検出部を備えてもよい。移動体検出部は、例えば各種レーダであり、合流道路から合流地点に向かう車両などの移動体を検出可能に構成される。
【0093】
照射制御部12aは、移動体が移動体検出部で検出されたか否かに基づいて第2照射態様を制御してもよい。例えば、照射制御部12aは、移動体が検出された場合のサブライト32の照射範囲を、移動体が検出されていない場合のサブライト32の照射範囲よりも大きくするなどによって目立つようにしてもよい。また例えば、照射制御部12aは、移動体が検出された場合にサブライト32に第2照射態様で合流道路を照射させ、移動体が検出されなかった場合にサブライト32の第2照射態様の照射を停止させてもよい。このような構成によれば、移動体に注意するように運転者に注意喚起することでき、かつ、不要なサブライト32の照射を抑制することができる。
【0094】
<実施の形態4の変形例5>
実施の形態4の変形例4において、照射制御部12aは、移動体検出部で検出された移動体の種別に基づいて第2照射態様を制御してもよい。例えば、移動体がヘッドライト照明を行う車両である場合に、照射制御部12aは、サブライト32の第2照射態様の照射を停止させ、移動体がヘッドライト照明を行う車両でない場合にサブライト32に第2照射態様で合流道路を照射させてもよい。また、移動体が歩行者または自転車である場合に、照射制御部12aは、サブライト32の照射範囲を大きくするなどによって目立つようにしてもよい。この場合、合流道路は、交差点の歩道または自転車専用道路であってもよい。
【0095】
<実施の形態4の変形例6>
照射制御部12aは、道路情報から合流道路の種別を読み出し、当該合流道路の種別に基づいて第2照射態様を制御してもよい。例えば、合流道路の幅が閾値以下である場合には、当該合流道路からの歩行者または自転車が飛び出す可能性が比較的高いので、照射制御部12aは、合流道路の幅が狭いほどサブライト32の照射範囲を大きくするなどによって目立つようにしてもよい。また例えば、合流道路が自動車専用道路である場合には、当該合流道路からの歩行者または自転車が飛び出す可能性が比較的低いので、照射制御部12aは、サブライト32の照射範囲を小さくするなどによって過度に目立たないようにしてもよい。
【0096】
<実施の形態5>
本実施の形態5に係る運転支援装置1のブロック図は、実施の形態2に係る運転支援装置1のブロック図(
図2参照)と同様である。以下、本実施の形態5に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じまたは類似する参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0097】
本実施の形態5に係る照射制御部12aは、走行車線と間接的に接続された分岐道路についても、走行車線と直接的に接続された分岐道路と同様の処理を行う。以下、走行車線と直接的に接続された分岐道路を「直接分岐道路」と記すこともあり、走行車線と間接的に接続された分岐道路を「間接分岐道路」と記すこともある。
【0098】
照射制御部12aは、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、間接分岐道路が存在し、かつ、車両が第3照射区間を走行しているかを判定する。
【0099】
第3照射区間は、走行車線と間接分岐道路との間接分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす区間である。間接分岐地点Q4は、
図20のように走行車線(
図20では右側車線52b)上の地点のうち、走行車線の幅の方向に間接分岐道路55の接続口が存在する地点である。本実施の形態5では、第3照射区間は、第1照射区間と同様であり、例えば間接分岐地点Q4と、間接分岐地点から車両側に向かって予め定められた距離(例えば100m)だけ離れた地点との間の走行車線である。
【0100】
上記判定結果として、間接分岐道路が存在し、かつ、車両が第3照射区間を走行していると判定された場合に、照射制御部12aは、第1照射態様と異なる第3照射態様でサブライト32に間接分岐道路を照射させる制御を行う。例えば、分岐道路53に対する第1照射態様の照射範囲32aは、
図4のように分岐道路53の接続口から少し奥側の部分を含むが、間接分岐道路55に対する第3照射態様の照射範囲32cは、
図20のように間接分岐道路55の接続口の近くの部分のみである。間接分岐道路55に対する第3照射態様として、
図20のようにサブライト32は楕円状の範囲をスポット照射してもよいし、これ以外の照射を行ってもよい。
【0101】
なお、直接分岐道路に対する第1照射態様と、間接分岐道路に対する第3照射態様とは、色調または照度が異なっていてもよい。また、第1照射態様は、直接分岐道路を示す文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含んでもよく、第3照射態様は、間接分岐道路を示す異なる文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含んでもよい。
【0102】
<動作>
図21は、本実施の形態5に係る運転支援装置1の動作を示すフローチャートである。この
図3の動作は、車両の走行中に随時行われる。
【0103】
まずステップS1~ステップS7にて、
図3のステップS1~ステップS7と同様の動作が行われる。ステップS6またはステップS7の後、ステップS21の処理が行われる。
【0104】
ステップS21にて、照射制御部12aは、間接分岐道路が存在するか否かを判定する。間接分岐道路が存在すると判定された場合には処理がステップS22に進み、間接分岐道路が存在すると判定されなかった場合には処理がステップS24に進む。
【0105】
ステップS22にて、照射制御部12aは、ステップS21で判定された間接分岐道路と、位置情報とに基づいて、車両が第3照射区間を走行しているか否かを判定する。車両が第3照射区間を走行していると判定された場合には処理がステップS23に進み、車両が第3照射区間を走行していると判定されなかった場合には処理がステップS24に進む。
【0106】
ステップS23にて、照射制御部12aは、サブライト32を点灯させて第3照射態様でサブライト32に間接分岐道路を照射させる制御を行う。ヘッドライト31の照射は、運転者によってヘッドライト31を消灯する操作などが行われていない限り維持される。その後、処理がステップS8に進む。
【0107】
ステップS24にて、照射制御部12aは、サブライト32による第3照射態様の照射が行われている場合に当該照射を停止する。ヘッドライト31の照射は、運転者によってヘッドライト31を消灯する操作などが行われていない限り維持される。その後、処理がステップS8に進む。
【0108】
ステップS8にて、照射制御部12aは、ヘッドライト31が消灯しているか否かを判定する。ヘッドライト31が消灯していると判定された場合には
図21の動作が終了し、ヘッドライト31が消灯していると判定されなかった場合には処理がステップS2に戻る。
【0109】
以上の動作の結果、走行車線が直接分岐道路にも間接分岐道路にも直接的に接続されていない場合には、サブライト32の照射は行われず、原則としてヘッドライト31のみの照射が行われる。直接分岐道路及び間接分岐道路の両方が存在する場合には、照射制御部12aは、サブライト32に直接分岐道路及び間接分岐道路を同時に照射させてもよい。サブライト32が直接分岐道路及び間接分岐道路に同時に照射する機能を有していない場合には、直接分岐道路及び間接分岐道路のうち車両に近い道路から順に、または、直接分岐道路を優先して、サブライト32による照射が行われてもよい。
【0110】
<実施の形態5のまとめ>
以上のような本実施の形態5に係る運転支援装置1によれば、間接分岐道路が存在し、かつ、車両が第3照射区間を走行していると判定された場合に、第1照射態様と異なる第3照射態様でサブライト32に間接分岐道路を照射させる制御を行う。このような構成によれば、車両が間接分岐地点から適切な距離だけ離れた区間においてサブライト32に間接分岐道路を照射させる制御を行うことができるので、サブライト32を適切に制御することができる。
【0111】
<実施の形態5の変形例1>
実施の形態5では、道路が2車線である場合を示したが3以上の車線であってもよく、照射制御部12aは、走行車線が3以上の車線のうちのどの車線であるかに基づいて、間接分岐道路に対する第3照射態様を制御してもよい。例えば、間接分岐道路との走行車線との間の他の車線の数が多いほど、第3照射態様の照射範囲が目立たないようにしてもよいし、当該他の車線の数が閾値以上である場合には、サブライト32の第3照射態様の照射が停止されてもよい。
【0112】
<実施の形態5の変形例2>
実施の形態5では、照射制御部12aは、第3照射態様として、サブライト32に間接分岐道路を連続的に照射させることを前提として説明したが、これに限ったものではない。例えば照射制御部12aは、間接分岐地点と車両との間の距離が閾値以下になった場合に、サブライト32に間接分岐道路を断続的に照射させてもよい。また、照射制御部12aは、サブライト32の第3照射態様の照射範囲32cのサイズを適宜大きくしたり小さくしたりしてもよい。また、間接分岐道路に対する第3照射態様は、間接分岐道路を示す文字、図形及び記号の少なくともいずれかの照射を含んでもよい。
【0113】
<実施の形態5の変形例3>
実施の形態5では、第3照射区間は第1照射区間と同様であるとして説明したが、第1照射区間と第3照射区間とは互いに異なってもよい。例えば、車両が間接分岐道路に向かうために車線変更を行うのに時間がかかることを考慮して、第3照射区間は、第1照射区間よりも長くてもよい。
【0114】
<実施の形態5の変形例4>
照射制御部12aは、道路情報と車両の位置情報とに基づいて、車両が間接分岐道路に進行できるか否かを判定し、その判定結果に基づいて第3照射態様を制御してもよい。例えば、車両が車線変更しても間接分岐道路に進行できない地点に位置する場合には、照射制御部12aは、サブライト32の第3照射態様の照射を停止させてもよい。具体的には車両は車線変更の3秒前にはウィンカを点灯させる必要があることから、
図22のように車両51が3秒後に間接分岐地点Q4に到達する地点に到達した場合に、照射制御部12aは、サブライト32の第3照射態様の照射を停止させてもよい。
【0115】
<実施の形態5の変形例5>
実施の形態5では、照射制御部12aは、道路情報と車両の位置情報とに基づいて、間接分岐道路への車両の進行が法令などによって禁止されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて第3照射態様を制御してもよい。
【0116】
例えば、車両が走行している走行車線が右側車線であり、左側車線に直接的に接続された分岐道路が存在する場合を想定する。左側車線に直接的に接続された分岐道路は、右側車線にとっては間接分岐道路であるため、原則として、間接分岐道路へのサブライト32の第3照射態様の照射が行われる。しかしながら、右側車線から左側車線への車線変更が法令によって禁止されている場合には、照射制御部12aは、間接分岐道路へのサブライト32の第3照射態様の照射を停止させてもよい。
【0117】
<実施の形態5の変形例6>
実施の形態5において、実施の形態2の変形例6と同様に、運転支援装置1は、車両が走行すべき経路を示す走行経路情報を取得する経路情報取得部を備えてもよい。そして、照射制御部12aは、経路情報取得部で取得された走行経路情報の経路が間接分岐道路に進行するか否かに基づいて、サブライト32の第3照射態様を制御してもよい。例えば、車両が間接分岐道路に進行すべき場合のサブライト32の照射範囲が、車両が間接分岐道路に進行すべきでない場合のサブライト32の照射範囲よりも大きく目立つようにしてもよい。
【0118】
<実施の形態5の変形例7>
実施の形態2の分岐道路に対する第1照射態様の照射と、実施の形態4の合流道路に対する第2照射態様の照射と、実施の形態5の間接分岐道路に対する第3照射態様の照射とは組み合わせられてもよい。
【0119】
図23の例では、走行車線である左側車線52aと直接的に接続された分岐道路53が存在する。このような場合、分岐道路53に対する第1照射態様の照射が行われる。
図24の例では、走行車線である右側車線52bと直接的に接続された合流道路54と、当該右側車線52bと間接的に接続された間接分岐道路55とが存在する。このような場合に、合流道路54に対する第2照射態様の照射と、間接分岐道路55に対する第3照射態様の照射とが並行して行われてもよい。
【0120】
<実施の形態5の変形例8>
照射制御部12aは、走行車線と間接的に接続された合流道路である間接合流道路についても、間接分岐道路と同様の処理を行ってもよい。つまり、照射制御部12aは、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、間接合流道路が存在し、かつ、走行車線と間接合流道路との間接合流地点に対して予め定められた位置関係を満たす第4照射区間を走行しているかを判定してもよい。
【0121】
図25のように、間接合流地点Q5は、走行車線(
図25では左側車線52a)上の地点のうち、走行車線の幅の方向に間接合流道路56の接続口が存在する地点である。第4照射区間は、第1照射区間、第2照射区間、及び、第3照射区間のいずれかと同様であってもよいし、同様でなくてもよい。
【0122】
そして、間接合流道路が存在し、かつ、車両が第4照射区間を走行していると判定された場合に、照射制御部12aは、第1~第3照射態様と異なる第4照射態様でサブライト32に間接分岐道路を照射させる制御を行ってもよい。
【0123】
実施の形態2の分岐道路に対する第1照射態様の照射と、実施の形態4の合流道路に対する第2照射態様の照射と、実施の形態5の間接分岐道路に対する第3照射態様の照射と、本変形例8の間接合流道路に対する第4照射態様の照射とが組み合わせられてもよい。
【0124】
図25の例では、走行車線である左側車線52aと直接的に接続された分岐道路53と、当該左側車線52aと間接的に接続された間接合流道路56とが存在する。このような場合に、分岐道路53に対する第1照射態様の照射と、間接合流道路56に対する第4照射態様の照射とが並行して行われてもよい。また
図25のように、間接合流道路に対する第4照射態様の照射範囲32dが、直接分岐道路に対する第1照射態様の照射範囲32aよりも目立たないようにしてもよい。
【0125】
また、間接合流道路に対して直接合流道路または間接分岐道路の変形例と同様の変形が行われてもよい。
【0126】
例えば、間接合流道路に対して実施の形態4の変形例4(つまり直接合流道路の変形例)と同様の変形が行われてもよい。具体的には、移動体検出部は、間接合流道路から間接合流地点に向かう移動体を検出可能であってもよく、照射制御部12aは、間接合流道路から間接合流地点に向かう移動体が移動体検出部で検出されたか否かに基づいて第4照射態様を制御してもよい。より具体的には、照射制御部12aは、移動体が検出された場合にサブライト32に第4照射態様で間接合流道路を照射させ、移動体が検出されなかった場合にサブライト32の第4照射態様の照射を停止させてもよい。
【0127】
例えば、間接合流道路に対して実施の形態5の変形例5(つまり間接分岐道路の変形例)と同様の変形が行われてもよい。具体的には、照射制御部12aは、道路情報と車両の位置情報とに基づいて、間接合流道路への車両の進行が法令などによって禁止されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて第4照射態様を制御してもよい。
【0128】
例えば
図26のように、車両51が走行している走行車線が左側車線52aであり、右側車線52bに直接的に接続された合流道路が存在する場合を想定する。右側車線52bに直接的に接続された合流道路は、左側車線52aにとっては間接合流道路56であるため、原則として、間接合流道路56へのサブライト32の第4照射態様の照射が行われる。しかしながら、
図26のように、左側車線52aと右側車線52bとの間に車線変更が法令によって禁止されている中央線58が存在する場合には、照射制御部12aは、間接合流道路56へのサブライト32の第4照射態様の照射を停止させてもよい。
【0129】
<その他の変形例>
上述した
図1の取得部11及び制御部12を、以下「取得部11等」と記す。取得部11等は、
図27に示す処理回路81により実現される。すなわち、処理回路81は、車両の位置情報と、車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報とを取得する取得部11と、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、走行車線と分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で灯火装置に分岐道路を照射させる制御を行う制御部12と、を備える。処理回路81には、専用のハードウェアが適用されてもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサが適用されてもよい。プロセッサには、例えば、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
【0130】
処理回路81が専用のハードウェアである場合、処理回路81は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。取得部11等の各部の機能それぞれは、処理回路を分散させた回路で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
【0131】
処理回路81がプロセッサである場合、取得部11等の機能は、ソフトウェア等との組み合わせにより実現される。なお、ソフトウェア等には、例えば、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェア及びファームウェアが該当する。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリに格納される。
図28に示すように、処理回路81に適用されるプロセッサ82は、メモリ83に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、運転支援装置1は、処理回路81により実行されるときに、車両の位置情報と、車両が走行している走行車線を示す走行車線情報と、道路情報とを取得するステップと、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、走行車線と分岐道路との分岐地点に対して予め定められた位置関係を満たす第1照射区間を車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で灯火装置に分岐道路を照射させる制御を行うステップと、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ83を備える。換言すれば、このプログラムは、取得部11等の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ83は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、それらのドライブ装置、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
【0132】
以上、取得部11等の各機能が、ハードウェア及びソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、取得部11等の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば、取得部11については専用のハードウェアとしての処理回路81、インターフェース及びレシーバなどでその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ82としての処理回路81がメモリ83に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0133】
以上のように、処理回路81は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0134】
また、以上で説明した運転支援装置は、各種車両装置と、携帯電話、スマートフォン及びタブレットなどの携帯端末を含む通信端末と、車両装置及び通信端末の少なくとも1つにインストールされるアプリケーションの機能と、サーバとを適宜に組み合わせてシステムとして構築される運転支援システムにも適用することができる。この場合、以上で説明した運転支援装置の各機能あるいは各構成要素は、前記システムを構築する各機器に分散して配置されてもよいし、いずれかの機器に集中して配置されてもよい。
【0135】
図29は、本変形例に係るサーバ91の構成を示すブロック図である。
図29のサーバ91は、通信部91aと制御部91bとを備えており、車両92の車両装置93と無線通信を行うことが可能となっている。
【0136】
取得部である通信部91aは、車両装置93と無線通信を行うことにより、車両装置93で取得された車両の位置情報と、走行車線情報と、道路情報とを受信する。
【0137】
制御部91bは、サーバ91の図示しないプロセッサなどが、サーバ91の図示しないメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、
図1の制御部12と同様の機能を有している。つまり、制御部91bは、位置情報、走行車線情報及び道路情報に基づいて、走行車線と直接的に接続された分岐道路が存在し、かつ、第1照射区間を前記車両が走行していると判定された場合に、第1照射態様で灯火装置3に分岐道路を照射させる制御を行うための制御信号を生成する。そして、通信部91aは、制御部91bの制御信号を車両装置93に送信する。このように構成されたサーバ91によれば、実施の形態1で説明した運転支援装置1と同様の効果を得ることができる。
【0138】
図30は、本変形例に係る通信端末96の構成を示すブロック図である。
図30の通信端末96は、通信部91aと同様の通信部96aと、制御部91bと同様の制御部96bとを備えており、車両97の車両装置98と無線通信を行うことが可能となっている。なお、通信端末96には、例えば車両97の運転者が携帯する携帯電話、スマートフォン、及びタブレットなどの携帯端末が適用される。このように構成された通信端末96によれば、実施の形態1で説明した運転支援装置1と同様の効果を得ることができる。
【0139】
なお、各実施の形態及び各変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態及び各変形例を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0140】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が、想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0141】
1 運転支援装置、2 高精度ロケータ装置、3 灯火装置、7 画像処理装置、11 取得部、12 制御部、21 高精度地図データベース、22 高精度測位部、31 ヘッドライト、32 サブライト、51 車両、53 分岐道路、54 合流道路、55 間接分岐道路、61 通常精度地図データベース、Q1 分岐地点、Q3 合流地点、Q4 間接分岐地点。