(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】乗員監視装置及び乗員監視方法
(51)【国際特許分類】
B60R 11/04 20060101AFI20250124BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20250124BHJP
【FI】
B60R11/04
B60R1/26 200
(21)【出願番号】P 2024515991
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 JP2022018347
(87)【国際公開番号】W WO2023203706
(87)【国際公開日】2023-10-26
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】煤孫 雄城
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0174103(US,A1)
【文献】特開2010-253987(JP,A)
【文献】特開2007-316036(JP,A)
【文献】国際公開第2008/041497(WO,A1)
【文献】特開2019-014360(JP,A)
【文献】特開2007-218655(JP,A)
【文献】国際公開第2015/107732(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/00 - 11/06
B60R 1/26
G08G 1/00 - 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲を
撮像する車内撮像部と、
前記車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する照明部と
、
前記車内撮像部及び前記照明部が設けられる取付板とを備え、
前記取付板は、前記車内撮像部及び前記照明部を一体化させた状態で、前記車室内に配置されるAピラーに設けられる表示部
における額縁部の1つの縁辺に取り付けられ、
前記取付板の長さと前記縁辺の長さとは、同じ長さである
ことを特徴とする乗員監視装置。
【請求項2】
車両の車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲を
撮像する車内撮像部と、
前記車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する照明部とを備え、
前記車内撮像部及び前記照明部は、前記車室内に配置されるAピラーに設けられる表示部に取り付けられ
、
前記車内撮像部によって撮像された撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出する視線検出部と、
前記視線検出部によって検出された乗員の視線の向きが、前記表示部に向いているか否かを判定する視線判定部と、
前記視線判定部の判定結果に基づいて、前記照明部及び音声出力部のうちの少なくとも一方を制御する警告制御部とを更に備え、
前記視線判定部は、
乗員が前記表示部を視認する頻度が所定回数以上となる場合、当該乗員の視線の向きが前記表示部に向いていると判定する
ことを特徴とする乗員監視装置。
【請求項3】
前記車内撮像部によって撮像された撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出する視線検出部と、
前記視線検出部によって検出された乗員の視線の向きが、前記表示部に向いているか否かを判定する視線判定部と、
前記視線判定部の判定結果に基づいて、前記照明部及び音声出力部のうちの少なくとも一方を制御する警告制御部とを備え
、
前記視線判定部が、乗員の視線の向きが前記表示部に
向いていないと判定した場合、前記警告制御部は、前記照明部を点滅させる
ことを特徴とする
請求項1記載の乗員監視装置。
【請求項4】
前記車内撮像部によって撮像された撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出する視線検出部と、
前記視線検出部によって検出された乗員の視線の向きが、前記表示部に向いているか否かを判定する視線判定部と、
前記視線判定部の判定結果に基づいて、前記照明部及び音声出力部のうちの少なくとも一方を制御する警告制御部とを備え
、
前記視線判定部が、乗員の視線の向きが前記表示部に
向いていないと判定した場合、前記警告制御部は、前記音声出力部から音声を発生させる
ことを特徴とする
請求項1記載の乗員監視装置。
【請求項5】
前記視線判定部が、乗員の視線の向きが前記表示部に
向いていないと判定した場合、前記警告制御部は、前記照明部を点滅させる
ことを特徴とする
請求項2記載の乗員監視装置。
【請求項6】
前記視線判定部が、乗員の視線の向きが前記表示部に
向いていないと判定した場合、前記警告制御部は、前記音声出力部から音声を発生させる
ことを特徴とする
請求項2記載の乗員監視装置。
【請求項7】
車両の車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲を
撮像する車内撮像部と、
前記車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する照明部とを備え、
前記車内撮像部及び前記照明部は、前記車室内に配置されるAピラーに設けられる表示部に取り付けられる乗員監視装置において、
取得部が、前記車内撮像部によって撮像された撮像画像を取得し、
視線検出部が、前記取得部によって取得された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出し、
視線判定部が、前記視線検出部によって検出された乗員の視線の向きが、前記表示部に向いているか否かを判定し、
警告制御部が、前記視線判定部の判定結果に基づいて、前記照明部及び音声出力部のうちの少なくとも一方を制御し、
前記視線判定部は、
乗員が前記表示部を視認する頻度が所定回数以上となる場合、当該乗員の視線の向きが前記表示部に向いていると判定する
ことを特徴とする乗員監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗員監視装置及び乗員監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、電子ミラー装置が搭載されるものがある。この電子ミラー装置は、車両の周囲を車外撮像部によって撮像し、この撮像した撮像画像(映像を含む)を、車室内に設けられた表示部に表示させるものである。このため、車両の乗員は、車両の周囲の様子を、表示部に表示された撮像画像を通して確認することができる。
【0003】
従来の電子ミラー装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された電子ミラー装置の表示部は、車室内におけるAピラーに設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報
近年、車両における乗員の状態を監視する乗員監視装置が普及している。この乗員監視装置は、乗員を監視するための車内撮像部を車室内に備えている。その乗員監視装置の車内撮像部は、乗員を精度良く撮像可能な位置に配置されることが好ましいため、車室前部を構成するインストルメントパネルに設置されることが多くある。
【0006】
ここで、上記乗員監視装置を、トラック及びバス等の商用車に設ける場合、インストルメントパネルは、乗用車に設置される場合と比べて、着座する乗員よりも低い位置に配置される。このため、車内撮像部は、乗員をその下方から撮像することになるため、精度良く、撮像することができないおそれがある。そこで、乗員監視装置を商用車に設ける場合には、車内撮像部を、インストルメントパネルよりも高い位置に配置される、Aピラーに設置することが考えられる。
【0007】
しかしながら、乗員監視装置を設けようとする商用車に、上記電子ミラー装置が適用される場合、1つのAピラーに、電子ミラー装置の表示部と、乗員監視装置の車内撮像部とを設ける必要がある。このため、表示部を設置するための設置スペースと、車内撮像部を設置するための設置スペースとを、それぞれ確保する必要がある。
【0008】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、Aピラーにおいて、表示部の設置スペースを確保しつつ、車内撮像部を、精度良く撮像可能な位置に設けることができる乗員監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る乗員監視装置は、車両の車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲を撮像する車内撮像部と、車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する照明部と、車内撮像部及び照明部が設けられる取付板とを備え、取付板は、車内撮像部及び照明部を一体化させた状態で、車室内に配置されるAピラーに設けられる表示部における額縁部の1つの縁辺に取り付けられ、取付板の長さと縁辺の長さとは、同じ長さである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、Aピラーにおいて、表示部の設置スペースを確保しつつ、車内撮像部を、精度良く撮像可能な位置に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る乗員監視装置が適用される車両の車室内の様子を示す概略斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る乗員監視装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】車内撮像部及び照明部の表示部に対する取り付け例を示す図である。
図3Aは、車内撮像部及び照明部を額縁部の上縁辺に取り付けたときの図である。
図3Bは、車内撮像部及び照明部を額縁部の下縁辺に取り付けたときの図である。
図3Cは、車内撮像部及び照明部を額縁部の上縁辺及び下縁辺のそれぞれに取り付けたときの図である。
図3Dは、車内撮像部及び照明部を一体化された取付板を額縁部に取り付けたときの図である。
【
図4】実施の形態1に係る乗員監視方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、実施の形態1に係る監視制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0013】
実施の形態1.
実施の形態1に係る乗員監視装置20について、
図1から
図5を用いて説明する。
【0014】
先ず、乗員監視装置20の構成について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る乗員監視装置20が適用される車両100の車室内の様子を示す概略斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る乗員監視装置20の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、車両100における車室内の前方側には、例えば、運転席101、フロントガラス102、サイドドア103、Aピラー104、及び、インストルメントパネル105が設けられている。
【0016】
車両100は、例えば、トラック及びバス等の商用車を想定している。サイドドア103は、運転席101に対応する右サイドドアである。このサイドドア103は、ドアガラス103aを有している。Aピラー104は、フロントガラス102とサイドドア103との間に配置されている。このAピラー104は、車両100の上下方向に延びるように形成されている。インストルメントパネル105は、運転席101の前方で、且つ、フロントガラス102の下方に配置されている。このインストルメントパネル105は、車幅方向に延びる構造体である。
【0017】
また、車両100には、電子ミラー装置10及び乗員監視装置20が搭載されている。
【0018】
図2に示すように、電子ミラー装置10は、車外撮像部11及び表示部12を有している。
【0019】
車外撮像部11は、車両100の外部に設けられている。この車外撮像部11は、少なくとも、車両100の後方を含む範囲を撮像する。例えば、車外撮像部11が車両100の左側部に設けられる場合、当該車外撮像部11は、車両100の左側方から後方に至る範囲を撮像する。また、車外撮像部11が車両100の右側部に設けられる場合、当該車外撮像部11は、車両100の右側方から後方に至る範囲を撮像する。また、車外撮像部11は、撮像した撮像画像(映像を含む)を、表示部12に出力する。なお、車外撮像部11は、例えば、カメラである。
【0020】
表示部12は、車外撮像部11から出力された撮像画像を取得する。また、表示部12は、その取得した撮像画像を表示する。この表示部12は、Aピラー104に設けられている。このため、表示部12は、運転席101に着座する乗員(ドライバ)が視認し易い位置に設置されている。この結果、表示部12は、従来のサイドミラー又はバックミラーの代わりに使用され、車両100の幅寄せ及びバック駐車の際に有効となる。
【0021】
また、表示部12は、表示面12a及び額縁部12bを有している。表示面12aは、撮像画像を表示するものである。額縁部12bは、矩形枠状に形成されており、表示面12aの外周端を全て囲むように配置されている。なお、表示面12aに表示される表示内容は、車外撮像部11によって撮像された撮像画像だけでなく、車両100に関する車両情報であれば良い。
【0022】
図2に示すように、乗員監視装置20は、車内撮像部21、照明部22、及び、監視制御装置20Aを備えている。
【0023】
ここで、
図1に示すように、1つの車内撮像部21及び2つの照明部22は、Aピラー104に設けられた表示部12に対して、一体的に取り付けられている。なお、照明部22の数量は、1つ又は複数であっても良い。
【0024】
車内撮像部21は、表示部12から運転席101を向くように配置されている。この車内撮像部21は、少なくとも、運転席101に着座する乗員の顔が存在する範囲を撮像する。また、車内撮像部21は、撮像した撮像画像(映像を含む)を、視線検出部24に出力する。
【0025】
照明部22は、表示部12から運転席101を向くように配置されている。この照明部22は、少なくとも、運転席101に着座する乗員の顔が存在する範囲に対して、光を照射する。
【0026】
即ち、乗員監視装置20は、照明部22によって、運転席101に着座する乗員に対して、光を照射し、車内撮像部21を通して撮像を行う。なお、車内撮像部21は、例えばカメラである。照明部22は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。
【0027】
また、
図2に示すように、車内撮像部21及び照明部22は、表示部12と電気的に接続されている。この車内撮像部21及び照明部22は、表示部12の表示面12aに画像が表示されているときには、その動作が既に開始されている。
【0028】
監視制御装置20Aは、取得部23、視線検出部24、視線判定部25、及び、警告制御部26を有している。
【0029】
取得部23は、車内撮像部21から出力された撮像画像を取得する。また、取得部23は、取得した撮像画像を視線検出部24に出力する。
【0030】
視線検出部24は、取得部23から出力された撮像画像を取得する。また、視線検出部24は、その取得した撮像画像から、運転席101に着座する乗員の視線の向きを検出する。更に、視線検出部24は、その検出した乗員の視線の向きを、視線判定部25に出力する。
【0031】
視線判定部25は、視線検出部24から出力された、乗員の視線の向きを取得する。また、視線判定部25は、その取得した、乗員の視線の向きが、表示部12の表示面12aに向いているか否かを判定する。このとき、視線判定部25は、乗員の視線が、予め設定された条件を満たしたときに、当該乗員の視線の向きが表示面12aに向いていると判定する。予め設定された条件とは、例えば、乗員が表示面12aを視認している時間が所定時間以上となる場合、及び、乗員が表示面12aを視認する頻度が所定回数以上となる場合等である。
【0032】
なお、乗員が表示面12aを視認している時間、及び、乗員が表示面12aを視認する頻度は、上述した視線検出部24が、取得した撮像画像に基づいて検出したものである。視線検出部24は、検出したそれらを視線判定部25に出力する。
【0033】
更に、例えば、視線判定部25は、乗員の視線の向きが表示面12aに向いていないと判定した場合、警告制御部26を動作させるための動作信号を、当該警告制御部26に出力する。一方、視線判定部25は、乗員の視線の向きが表示面12aに向いていると判定した場合、警告制御部26を停止させるための停止信号を、当該警告制御部26に出力する。
【0034】
警告制御部26は、視線判定部25から出力された動作信号又は停止信号を受信する。また、警告制御部26は、その動作信号を受信した場合、乗員に対して、表示面12aに表示される撮像画像を注視していないことを示す警告を、発する。具体的には、警告制御部26は、照明部22及び音声出力部31のうち、少なくとも一方を動作させる。警告制御部26は、照明部22を、予め設定された所定間隔で点滅させる。また、警告制御部26は、音声出力部31から音声を、乗員に向けて発生させる。このため、乗員は、表示面12aに表示された撮像情報を見るようになる。
【0035】
これに対して、警告制御部26は、その停止信号を受信した場合、乗員に対して、警告を発しない。即ち、警告制御部26は、照明部22及び音声出力部31の動作を、停止又は中止させる。なお、音声出力部31は、例えば、車室内に設けられたスピーカである。
【0036】
次に、車内撮像部21及び照明部22の表示部12に対する取り付け例について、
図3を用いて説明する。
図3は、車内撮像部21及び照明部22の表示部12に対する取り付け例を示す図である。
【0037】
図3Aに示すように、車内撮像部21及び照明部22は、表示部12の額縁部12bにおける上縁辺に設けられている。車内撮像部21は、2つの照明部22の間に配置されている。
【0038】
図3Bに示すように、車内撮像部21及び照明部22は、表示部12の額縁部12bにおける下縁辺に設けられている。車内撮像部21は、2つの照明部22の間に配置されている。
【0039】
図3Cに示すように、車内撮像部21は、表示部12の額縁部12bにおける上縁辺に設けられている。照明部22は、その額縁部12bにおける下縁辺に設けられている。
【0040】
なお、
図3Aから
図3Bに示すように、車内撮像部21及び照明部22を表示部12の額縁部12bに設ける場合、当該車内撮像部21及び照明部22は、額縁部12bの上縁辺、下縁辺、左縁辺、及び、右縁辺のうち、いずれかの縁辺に設ければ良い。
【0041】
図3Dに示すように、車内撮像部21及び照明部22は、取付板27に取り付けられている。この取付板27の長さは、表示部12の額縁部12bにおける上縁辺の長さと、略同じ長さとなっている。車内撮像部21は、取付板27の長さ方向において、2つの照明部22の間に配置されている。このように、車内撮像部21及び照明部22を一体化した取付板27は、表示部12に対して、額縁部12bの上縁辺に沿うように取り付けられる。なお、車内撮像部21及び照明部22を一体化した取付板27は、表示部12に対して、額縁部12bの下縁辺又は左縁辺或いは右縁辺に沿うように設けられても良い。
【0042】
次に、実施の形態1に係る乗員監視方法について、
図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態1に係る乗員監視方法を示すフローチャートである。
【0043】
ステップST11において、照明部22が、運転席101に着座した乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する。
【0044】
ステップST12において、車内撮像部21が、運転席101に着座した乗員の少なくとも顔が存在する範囲を撮像する。
【0045】
ステップST13において、取得部23が、車内撮像部21によって撮像された撮像画像を取得する。
【0046】
ステップST14において、視線検出部24が、車内撮像部21によって撮像された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出する。
【0047】
ステップST15において、視線判定部25が、視線検出部24によって検出された乗員の視線の向きが、表示部12に向いているか否かを判定する。ここで、視線判定部25が、乗員の視線の向きが表示部12に向いていると判定した場合、乗員監視方法は、ステップST14に戻る。また、視線判定部25が、乗員の視線の向きが表示部12に向いていないと判定した場合、乗員監視方法は、ステップST16に進む。
【0048】
ステップST16において、警告制御部26が、視線判定部25の判定結果に基づいて、照明部22及び音声出力部31のうちの少なくとも一方を制御する。そして、乗員監視方法は、終了する。
【0049】
次に、監視制御装置20Aのハードウェア構成例について、
図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態1に係る監視制御装置20Aのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0050】
図5Aに示す如く、監視制御装置20Aは、コンピュータにより構成されており、当該コンピュータは、プロセッサ51及びメモリ52を有している。メモリ52には、そのコンピュータを、取得部23、視線検出部24、視線判定部25、及び、警告制御部26として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ52に記憶されているプログラムをプロセッサ51が読み出して実行することにより、取得部23、視線検出部24、視線判定部25、及び、警告制御部26の機能が実現される。
【0051】
又は、
図5Bに示す如く、監視制御装置20Aは、処理回路53を有するものであっても良い。この場合、取得部23、視線検出部24、視線判定部25、及び、警告制御部26により実現されるものであっても良い。
【0052】
又は、監視制御装置20Aは、プロセッサ51、メモリ52、及び、処理回路53を有するものであっても良い(不図示)。この場合、取得部23、視線検出部24、視線判定部25、警告制御部26の機能のうちの一部がプロセッサ51及びメモリ52により実現されて、残余の機能が処理回路53により実現されるものであっても良い。
【0053】
プロセッサ51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)のうちの少なくとも一つを用いたものである。
【0054】
メモリ52は、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクのうちの少なくとも一方を用いたものである。より具体的には、メモリ52は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)のうちの少なくとも一つを用いたものである。
【0055】
処理回路53は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)又はシステムLSI(Large-Scale Integration)のうちの少なくとも一つを用いたものである。
【0056】
以上、実施の形態1に係る乗員監視装置20は、車両100の車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲を撮像する車内撮像部21と、車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する照明部22とを備え、車内撮像部21及び照明部22は、車室内に配置されるAピラー104に設けられる表示部12に取り付けられる。このため、乗員監視装置20は、Aピラー104において、表示部12の設置スペースを確保しつつ、車内撮像部21を、精度良く撮像可能な位置に設けることができる。
【0057】
乗員監視装置20においては、車内撮像部21及び照明部22は、表示部12の額縁部12bに取り付けられる。このため、乗員監視装置20は、車内撮像部21及び照明部22の省スペース化を図ることができる。
【0058】
乗員監視装置20は、車内撮像部21及び照明部22が設けられる取付板27を備え、当該取付板27は、車内撮像部21及び照明部22を一体化させた状態で、額縁部12bに取り付けられる。乗員監視装置20は、車内撮像部21及び照明部22の取り付け作業性を向上させることができる。
【0059】
乗員監視装置20は、車内撮像部21によって撮像された撮像画像を取得する取得部23と、取得部23によって取得された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出する視線検出部24と、視線検出部24によって検出された乗員の視線の向きが、表示部12に向いているか否かを判定する視線判定部25と、視線判定部25の判定結果に基づいて、照明部22及び音声出力部31のうちの少なくとも一方を制御する警告制御部26とを備える。このため、乗員監視装置20は、乗員に対して、表示面12aに表示される撮像画像を注視していないことを示す警告を、行うことができる。
【0060】
乗員監視装置20においては、視線判定部25は、視線検出部24によって検出された乗員の視線が、予め設定された条件を満たしたときに、当該乗員の視線の向きが表示部12に向いていると判定する。このため、乗員監視装置20は、視線判定部25の判定を適切に行うことができる。
【0061】
乗員監視装置20においては、視線判定部25が、乗員の視線の向きが表示部12に向いていないと判定した場合、警告制御部26は、照明部22を点滅させる。このため、乗員監視装置20は、乗員に対して、確実に警告を行うことができる。
【0062】
乗員監視装置20においては、視線判定部25が、乗員の視線の向きが表示部12に向いていないと判定した場合、警告制御部26は、音声出力部31から音声を発生させる。このため、乗員監視装置20は、乗員に対して、確実に警告を行うことができる。
【0063】
なお、本開示はその開示の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0064】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0065】
(付記1)
車両の車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲を撮像する車内撮像部と、
前記車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する照明部とを備え、
前記車内撮像部及び前記照明部は、前記車室内に配置されるAピラーに設けられる表示部に取り付けられる
ことを特徴とする乗員監視装置。
(付記2)
前記車内撮像部及び前記照明部は、前記表示部の額縁部に取り付けられる
ことを特徴とする付記1記載の乗員監視装置。
(付記3)
前記車内撮像部及び前記照明部が設けられる取付板を備え、
前記取付板は、前記車内撮像部及び前記照明部を一体化させた状態で、前記表示部の額縁部に取り付けられる
ことを特徴とする付記1記載の乗員監視装置。
(付記4)
前記車内撮像部によって撮像された撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出する視線検出部と、
前記視線検出部によって検出された乗員の視線の向きが、前記表示部に向いているか否かを判定する視線判定部と、
前記視線判定部の判定結果に基づいて、前記照明部及び音声出力部のうちの少なくとも一方を制御する警告制御部とを備える
ことを特徴とする付記1から付記3のうちのいずれか1付記記載の乗員監視装置。
(付記5)
前記視線判定部は、
前記視線検出部によって検出された乗員の視線が、予め設定された条件を満たしたときに、当該乗員の視線の向きが前記表示部に向いていると判定する
ことを特徴とする付記4記載の乗員監視装置。
(付記6)
前記視線判定部が、乗員の視線の向きが前記表示部に向いていないと判定した場合、前記警告制御部は、前記照明部を点滅させる
ことを特徴とする付記4及び付記5記載の乗員監視装置。
(付記7)
前記視線判定部が、乗員の視線の向きが前記表示部に向いていないと判定した場合、前記警告制御部は、前記音声出力部から音声を発生させる
ことを特徴とする付記4から付記6のうちのいずれか1付記記載の乗員監視装置。
(付記8)
車両の車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲を撮像する車内撮像部と、
前記車室内における乗員の少なくとも顔が存在する範囲に光を照射する照明部とを備え、
前記車内撮像部及び前記照明部は、前記車室内に配置されるAピラーに設けられる表示部に取り付けられる乗員監視装置において、
取得部が、前記車内撮像部によって撮像された撮像画像を取得し、
視線検出部が、前記取得部によって取得された撮像画像から、乗員の視線の向きを検出し、
視線判定部が、前記視線検出部によって検出された乗員の視線の向きが、前記表示部に向いているか否かを判定し、
警告制御部が、前記視線判定部の判定結果に基づいて、前記照明部及び音声出力部のうちの少なくとも一方を制御する
ことを特徴とする乗員監視方法。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示に係る乗員監視装置は、車内撮像部及び照明部をAピラーに設けられる表示部に取り付けることで、Aピラーにおいて、表示部の設置スペースを確保しつつ、車内撮像部を、精度良く撮像可能な位置に設けることができ、乗員監視装置等に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0067】
10 電子ミラー装置、11 車外撮像部、12 表示部、12a 表示面、12b 額縁部、20 乗員監視装置、20A 監視制御装置、21 車内撮像部、22 照明部、23 取得部、24 視線検出部、25 視線判定部、26 警告制御部、27 取付板、31 音声出力部、51 プロセッサ、52 メモリ、53 処理回路、100 車両、101 運転席、102 フロントガラス、103 フロントドア、103a ドアガラス、104 Aピラー、105 インストルメントパネル。