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特許7625142ロボット管理装置およびロボット管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-23
(45)【発行日】2025-01-31
(54)【発明の名称】ロボット管理装置およびロボット管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20250124BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20250124BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250124BHJP
   G05D 1/80 20240101ALI20250124BHJP
   G05D 1/60 20240101ALI20250124BHJP
   G05D 1/69 20240101ALI20250124BHJP
【FI】
H02J9/06 110
H02J7/34 G
H02J7/00 P
G05D1/80
G05D1/60
G05D1/69
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024521530
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2022021014
(87)【国際公開番号】W WO2023223560
(87)【国際公開日】2023-11-23
【審査請求日】2024-09-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩村 光貴
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-124752(JP,A)
【文献】特開2020-030603(JP,A)
【文献】国際公開第2020/016925(WO,A1)
【文献】特開2021-023044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D1/00-1/87
H02J7/00-7/12
H02J7/34-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビル内に設けられたセキュリティ設備に電力を供給可能なロボットを管理するロボット管理装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶するメモリとを備え、
前記ロボットは、前記ビル内に配置されており、前記ビル内を自律的に移動可能であって蓄電池を搭載し、
前記セキュリティ設備に電力を供給するために前記ビル内の壁面に設けられた供給口と前記ロボットとが接続されることで、前記蓄電池から前記セキュリティ設備に電力が供給可能に構成されており、
前記プロセッサは、前記ビルにおいて電力の供給が停止したと判定された場合に、前記ビル内における前記ロボットの現在位置から前記供給口が設けられた位置まで前記ロボットが自走した後に、前記ロボットが前記供給口と接続して前記セキュリティ設備に電力を供給する指示を前記ロボットに出力し、
前記セキュリティ設備は、電力が供給された状態において開錠処理を行うことで入退室が可能となる居室における入退室を管理する入退室管理システムと、前記居室の出入りを映像で監視できる位置に設置された監視カメラを管理する監視カメラシステムとを含む、ロボット管理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ビルに電力を供給する電力会社が提供するサーバと通信可能に構成されており、
前記プロセッサは、
前記サーバから前記ビルが停電したことを示す停電信号を受信可能であり、
前記停電信号を受信したときに、前記電力の供給が停止したと判定する、請求項1に記載のロボット管理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記ビルに設けられたブレーカによって電力供給が遮断されたと判定したときに、前記電力の供給が停止したと判定する、請求項1に記載のロボット管理装置。
【請求項4】
前記ロボット管理装置は、前記ビルにおいて電力の供給が停止したときに電力を供給する無停電電源と接続されており、
前記プロセッサは、前記無停電電源から電力を供給していることを検知したときに、前記ブレーカによって電力供給が遮断されたと判定する、請求項3に記載のロボット管理装置。
【請求項5】
前記ビル内には前記ロボットが複数台設置されており、
前記メモリは、前記セキュリティ設備を所定時間動作させるために必要な必要電力供給量を予め記憶しており、
前記プロセッサは、複数台の前記ロボットの各々の前記蓄電池の残量を取得し、前記蓄電池の残量から前記供給口が設けられた位置までの移動に必要な走行消費電力量を差し引いた値が前記必要電力供給量以上となる前記ロボットに対して前記セキュリティ設備に電力を供給する指示を出力する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のロボット管理装置。
【請求項6】
前記走行消費電力量は、前記ロボットが前記供給口と接続して前記セキュリティ設備への電力の供給が終了した後に、前記ロボットが待機する場所に戻るために必要な電力量をさらに含む、請求項5に記載のロボット管理装置。
【請求項7】
ビル内に設けられたセキュリティ設備に電力を供給可能なロボットを管理するロボット管理方法であって、
前記ロボットは、前記ビル内に配置されており、前記ビル内を自律的に移動可能であって蓄電池を搭載し、
前記セキュリティ設備に電力を供給するために前記ビル内の壁面に設けられた供給口と前記ロボットとが接続されることで、前記蓄電池から前記セキュリティ設備に電力が供給可能に構成されており、
前記ビルにおいて電力の供給が停止したと判定された場合に、前記ビル内における前記ロボットの現在位置から前記供給口が設けられた位置まで前記ロボットが自走した後に、前記ロボットが前記供給口と接続して前記セキュリティ設備に電力を供給する指示を前記ロボットに出力するステップを備え、
前記セキュリティ設備は、電力が供給された状態において開錠処理を行うことで入退室が可能となる居室における入退室を管理する入退室管理システムと、前記居室の出入りを映像で監視できる位置に設置された監視カメラを管理する監視カメラシステムとを含む、ロボット管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビル内に設けられたセキュリティ設備に電力を供給可能なロボットを管理するロボット管理装置およびロボット管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル管理において、たとえば、ビル内の設備等を管理するサーバが設置されたサーバ室等においては、高度なセキュリティ管理が求められる。不審者が出入りしないように、たとえば、サーバ室への入室および退室は非接触式のカードリーダを備えた入退室管理システムにより管理される。
【0003】
ビルの停電が発生した場合、入退室管理システムのようなセキュリティ設備への電力供給が停止することになる。停電が発生した際に入退室可能に構成すると、不審者が自由に出入りできてしまい、セキュリティ性が低下してしまう。一方、カードリーダによる電気的な解錠により退室可能に構成している場合、停電発生時にはサーバ室内にいる人が退室できなくなってしまう。サーバ室内にいる人を退室させるためには、入退室管理システムに対して電力を供給する必要がある。
【0004】
近年、給電装置として、給電対象となる設備まで自走して給電を行う自走式の装置が開発されている。たとえば、特許文献1(特開2021-23044号公報)には、給電対象の車両の近傍の位置まで走行し、給電対象の車両に対して給電を行う自走式給電装置を備えた給電システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-23044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の給電システムは、単に車両に対して給電を行うものであって、停電の発生等によりビル設備への電力の供給が停止された場合に、いかにビル内のセキュリティを確保するかという観点からは何ら検討が行われていない。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ビル内に設けられたビル設備への電力供給が停止された場合に、ビル内のセキュリティを好適に確保することができるロボット管理装置およびロボット管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るロボット管理装置は、ビル内に設けられたセキュリティ設備に電力を供給可能なロボットを管理する装置である。ロボット管理装置は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶するメモリとを備える。ロボットは、自律移動型であって蓄電池を搭載する。セキュリティ設備に電力を供給するために設けられた供給口とロボットとが接続されることで、蓄電池からセキュリティ設備に電力が供給可能に構成されている。プロセッサは、ビルにおいて電力の供給が停止したと判定された場合に、供給口までロボットが自走した後に、ロボットが供給口と接続してセキュリティ設備に電力を供給する指示をロボットに出力する。
【0009】
本開示に係るロボット管理方法は、ビル内に設けられたセキュリティ設備に電力を供給可能なロボットを管理する方法である。ロボットは、自律移動型であって蓄電池を搭載する。セキュリティ設備に電力を供給するために設けられた供給口とロボットとが接続されることで、蓄電池からセキュリティ設備に電力が供給可能に構成されている。ロボット管理方法は、ビルにおいて電力の供給が停止したと判定された場合に、供給口までロボットが自走した後に、ロボットが供給口と接続してセキュリティ設備に電力を供給する指示をロボットに出力するステップを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ビル内に設けられたビル設備への電力供給が停止された場合に、ビル内のセキュリティを好適に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ロボット管理システムの概要について説明するための図である。
図2】ロボット管理システムの概要について説明するための図である。
図3】ロボット管理システム、セキュリティシステムおよび電力会社サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】ビル内の電力供給方法について説明するための図である。
図5】ロボット管理装置が実行する処理のフローチャートである。
図6】ロボットが実行する処理のフローチャートである。
図7】変形例に係るロボット管理装置が実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
図1図2は、ロボット管理システム1の概要について説明するための図である。図1では、ビル5のサーバ室およびA室の入口が示されている。ビル5内に設けられたセキュリティシステム50(後述の図4参照)を構成する装置として、監視カメラ72およびカードリーダ62がビル5内に設置されている。サーバ室およびA室へは、専用のICカードを所持する者のみが出入りすることができる。
【0014】
サーバ室の扉8の近傍に設置された非接触式のカードリーダ62にICカードをかざすと、扉8が開錠する。これにより、サーバ室に入室することができる。また、サーバ室の出入口付近には監視カメラ72が設置されており、サーバ室に侵入する不審者がいないか監視することができる。また、監視カメラ72で撮影した映像を保存することもできる。
【0015】
A室の扉9の近傍に設置された非接触式のカードリーダ62にICカードをかざすと、扉9が開錠する。これにより、A室に入室することができる。また、A室の出入口付近には監視カメラ72が設置されており、A室に侵入する不審者がいないか監視することができる。
【0016】
図2に示すように、廊下6側のカードリーダ62にICカードをかざすと、扉8が開錠してサーバ室7に入室することができる。現在、サーバ室7には人81,82がいる。人81は、人81が所持するICカード64により退室しようとしている。サーバ室7側のカードリーダ63にICカード64をかざすと、扉8が開錠してサーバ室7から退室することができる。
【0017】
ビル5において停電が発生した場合、カードリーダ62,63および監視カメラ72を含むビル5内の各種設備(照明設備、空調設備など)に対する電源の供給が停止される。この場合、サーバ室およびA室への入退室ができなくなる。また、監視カメラ72が動作しないため、不審者の出入りを監視することができない。
【0018】
ロボット管理システム1は、ロボット管理装置100(後述の図3参照)とロボット200とを備える。ロボット200は、バッテリを搭載した自律移動型のロボットである。ロボット200は、セキュリティシステム50に電力を供給可能である。ロボット管理装置100は、ロボット200を管理する装置である。ロボット管理装置100は、停電が発生すると、セキュリティシステム50に電力を供給するようロボット200に指示する。詳細については後述する。
【0019】
本実施の形態では、複数台のロボット200(ロボット200a,200b等)がビル内に配備されている。なお、ロボット管理装置100が管理するロボットの台数は1台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0020】
図1では、セキュリティシステム50に対してロボット200aが電力を供給するために、走行している様子が示されている。ロボット200aは、ロボット200aが備えるコネクタ218を、ビルの壁面(サーバ室の扉8の近傍)に備えられたコネクタ25に接続する。これにより、セキュリティシステム50に対して電力が供給され、カードリーダ62,63および監視カメラ72が再び作動することとなる。
【0021】
図3は、ロボット管理システム1、セキュリティシステム50および電力会社サーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のように、ロボット管理システムは、ロボット管理装置100とロボット200とを備える。ロボット管理装置100は、セキュリティシステム50と接続されている。セキュリティシステム50の詳細については、図4を用いて後述する。
【0022】
ロボット管理装置100は、CPU(Central Processing Unit)111と、メモリ112と、通信インターフェイス113とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0023】
メモリ112は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、記憶部とを備えるように構成してもよい。記憶部は、不揮発性の記憶装置である。記憶部は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等であってもよい。
【0024】
CPU111は、ROMに保存されているプログラムをRAMに読み込んで実行し、ロボット管理装置100の各種機能を実現する。ROMは、ロボット管理装置100の処理手順が記されたプログラムを格納する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。
【0025】
ロボット管理装置100は、通信インターフェイス113を介して、ロボット200、電力会社サーバ300およびセキュリティシステム50と接続可能である。ロボット管理装置100は、ロボット200および電力会社サーバ300とは無線による通信を行う。セキュリティシステム50とは有線による通信を行う。ロボット管理装置100は、セキュリティシステム50とは有線による通信を行うが、無線による通信を行ってもよい。
【0026】
ロボット200は、たとえば、自律移動型の掃除機(清掃ロボット)であってもよい。ロボット200は、バッテリ217を搭載しており、バッテリ217に蓄えられた電力を用いてフロアを走行することができる。ロボット200は、自律的に移動しながら清掃部材を用いてフロアの清掃を行うことができる。
【0027】
さらに、ロボット200は、停電時においてバッテリ217を用いてセキュリティシステム50に電力を供給することができる。このように、本実施の形態においては、ビル内を清掃する用途に用いられるロボット200を有効活用して、停電時にセキュリティシステム50に電力を供給するように構成している。なお、ロボット200は、たとえば、荷物運搬用のロボットであってもよいし、案内ロボットであってもよいし、停電時のみに用いられる専用のロボットであってもよいし、どのような用途に用いられるロボットであってもよい。
【0028】
ロボット200は、CPU211と、メモリ212と、通信機213と、カメラ214と、駆動部231と、バッテリ217とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。メモリ212も同様に、ROMと、RAMと、記憶部とを備えるように構成してもよい。
【0029】
CPU211は、ROMに保存されているプログラムをRAMに読み込んで実行し、ロボット200の各種機能を実現する。ROMは、ロボット200の処理手順が記されたプログラムを格納する。
【0030】
本実施の形態における通信機213は、無線通信機である。ロボット200は、通信機213を介して、ロボット管理装置100と接続可能である。また、ロボット管理装置100は、通信機213を用いてロボット200の位置を特定可能である。
【0031】
通信機213は、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy、「Bluetooth」は登録商標)通信規格に従う通信方式を用いて、ロボット200の位置を検出するための信号を発信する。BLE通信規格に代えて、UWB(Ultra Wide Band)通信規格等に従う通信方式を用いてもよい。また、通信機213は、たとえば、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信規格に従う通信方式を用いて、ロボット200を識別するためのIDや、ロボット200の清掃の開始/終了を示す信号等をロボット管理装置100へ送信する。
【0032】
また、たとえば、ビル内の天井に適当な距離をおいて複数の通信機(図示せず、以下、「設置通信機」と称する)が配置される。設置通信機は、ロボット200の通信機213と同じ通信規格に従う通信方式を用いて、ロボット200から発信される信号を受信するとともにその受信強度を検知する。設置通信機における受信強度から、フロアにおけるロボット200の位置を測定することができる。設置通信機は、ロボット管理装置100と有線または無線で接続されている。設置通信機は、ロボット200から受信した信号の受信強度をロボット管理装置100へ出力する。これにより、ロボット管理装置100は、ロボット200の位置を特定する。
【0033】
あるいは、「設置通信機」ではなく、ビル内の天井に設置された複数のカメラ(図示せず。以下、「設置カメラ」と称する)を用いてもよい。設置カメラは、フロアを含むビル内を撮像する。設置カメラによる撮像画像には、ロボット200の画像が含まれている。設置カメラは、ロボット管理装置100と有線または無線で接続されている。設置カメラは、撮像画像を示すデータをロボット管理装置100へ出力する。ロボット管理装置100は、公知の画像解析技術を用いて撮像画像からロボット200の位置を特定する。
【0034】
ロボット管理装置100は、通信機213から送信される、ロボット200を識別するためのID、ロボットから出力される各種情報を受信する。また、ロボット管理装置100は、通信機213を介して、ロボット200に対して清掃を指示する信号、あるいは、停電時にセキュリティシステム50に給電するように指示する信号等を送信することができる。
【0035】
CPU211は、ロボット200の動作を制御する。清掃を行う際は、ロボット200が自律的に移動しながら清掃を行うように駆動部231および清掃部材(図示せず)を制御する。清掃部材は、ロボット200の底面に設けられ、フロア(床面)の塵埃を吸引するための部材である。清掃部材は、たとえば、吸込口と、吸込口から塵埃を吸引するための送風機と、吸込口に設けられる回転ブラシと、回転ブラシを駆動するモータとを含んで構成される。
【0036】
カメラ214は、ロボット200の周囲を撮像し、撮像画像をCPU211へ出力する。CPU211は、カメラ214からの撮像画像および清掃エリア情報に基づいて、ロボット200が自律的に移動しながら清掃を行うように駆動部231および清掃部材を制御する。
【0037】
駆動部231は、ロボット200が走行するための駆動力を発生する。駆動部231は、たとえば、ロボット200が移動するための車輪と、車輪を駆動するためのモータとを含む。駆動部231は、バッテリ217から電力の供給を受けて作動することができる。バッテリ217は、駆動部231その他ロボット200の各機器が作動するための電力を供給する。
【0038】
ロボット200がセキュリティシステム50と接続して給電する場合は、ロボット管理装置100からの指示に基づき、駆動部231を駆動させてセキュリティシステム50の給電用のコネクタがある位置まで走行する。そして、カメラ214の撮像画像に基づき、ロボット200側のコネクタをセキュリティシステム50側のコネクタと接続させる。そして、バッテリ217からセキュリティシステム50に対して電力を供給する。
【0039】
ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300と通信可能に構成されている。電力会社サーバ300は、ビル5に電力を供給する電力会社が提供するサーバである。ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300からビル5が停電したことを示す停電信号を受信可能である。ロボット管理装置100は、停電信号を受信したときに、電力の供給が停止したと判定する。
【0040】
図4は、ビル5内の電力供給方法について説明するための図である。セキュリティシステム50およびロボット管理装置100は、電源11(商用電源)に接続されている。セキュリティシステム50は、ケーブルL1を介して、電源11から電力が供給される。ロボット管理装置100は、ケーブルL2を介して、電源11から電力が供給される。
【0041】
停電が発生した場合、あるいは、ブレーカ12によって電源11からの電力供給が遮断された場合、セキュリティシステム50およびロボット管理装置100に対する電力が供給されなくなる。以下、停電が発生した場合を例に挙げて説明する。
【0042】
ロボット管理装置100は、無停電電源装置であるUPS(Uninterruptible Power Supply)101と接続されている。UPS101は、ビル5において電力の供給が停止したときにロボット管理装置100に電力を供給する。このため、ロボット管理装置100は、停電が発生して電源11からから電力が供給されなくなった場合であっても、一定時間はUPS101から電力が供給されるよう構成されている。
【0043】
また、ロボット200もバッテリ217を備えているため、ビル5において停電が発生した場合であっても動作することが可能である。電力会社サーバ300も、ビル5内での停電とは無関係に動作する。このため、ビル5において停電が発生しても、ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300およびロボット200と通信可能である。
【0044】
本実施の形態において、セキュリティシステム50は、ビル5内に設置されたビル設備うち、ビル5のセキュリティに関わるビル設備(セキュリティ設備)を指す。セキュリティシステム50(セキュリティ設備)は、入退室管理システム60および監視カメラシステム70を含む。
【0045】
入退室管理システム60は、ビル5内の居室での入退室を管理するシステムである。入退室管理システム60は、管理装置61と、複数のカードリーダ62,63とを備える。管理装置61は、カードリーダ62,63を制御し、入退室を管理する装置である。カードリーダ62は、居室の入口に設置され、入室する際に使用する。カードリーダ63は、居室の出口に設置され、退室する際に使用する。ロボット管理装置100は、管理装置61と通信可能であって、管理装置61からカードリーダ62,63の情報等を取得可能である。
【0046】
本実施の形態においては、高いセキュリティを確保する必要があるサーバ室7およびA室については、カードリーダ62,63が設置され、入室のみならず退室の際にもカードリーダによる解錠処理を行うようにしている(サーバ室7およびA室は、電力が供給された状態でカードリーダ63による開錠処理を行わないと退室することができない)。サーバ室7およびA室においては、入室者および退室者の履歴を管理し、在室人数を把握することができる。一方で、その他の居室については、カードリーダ62のみが設置され、入室の際のみカードリーダによる解錠処理を行う。これらの居室では、停電発生時において、手動で扉を解錠して居室から退室可能である。
【0047】
監視カメラシステム70は、ビル5を監視する監視カメラ72を管理するシステムである。監視カメラシステム70は、管理装置71と、複数の監視カメラ72とを備える。管理装置71は、監視カメラ72を制御し、監視カメラ72から取得した映像を管理する。ロボット管理装置100は、管理装置71と通信可能であって、管理装置71から監視カメラ72の情報等を取得可能である。
【0048】
停電が発生した場合、入退室管理システム60、監視カメラシステム70に対して電源11から電力が供給されなくなる。このため、カードリーダ62,63による入退室、および、監視カメラ72による監視ができなくなってしまう。
【0049】
ケーブルL1は、コネクタ25と接続されている。コネクタ25は、セキュリティシステム50に電力を供給するために設けられた供給口である。ロボット200は、バッテリ217とコネクタ218とを備えている。本実施の形態において、コネクタ25とロボット200のコネクタ218とが接続されることで、バッテリ217からセキュリティシステム50に電力が供給可能に構成されている。
【0050】
ロボット管理装置100は、ビル5において電力の供給が停止したと判定された場合に、コネクタ25が設置されている場所(図1参照)までロボット200が自走した後に、ロボット200がコネクタ25と接続してセキュリティシステム50に電力を供給する指示をロボット200に出力する。
【0051】
本指示をロボット200が受信すると、自律移動型であるロボット200は、コネクタ25の設置場所まで走行し、コネクタ218とコネクタ25とを接続する。そして、セキュリティシステム50の各機器に対して、ロボット200のバッテリ217から電力を供給する。これにより、再び、カードリーダ62,63による居室への入退室、監視カメラ72によるビル5内の監視を行うことができる。
【0052】
以下、図5図7を用いて、本実施の形態において実行される処理についてフローチャートを用いて説明する。図5は、ロボット管理装置100が実行する処理のフローチャートである。たとえば、所定時間(1秒)ごとに本処理が開始するようにすればよい。以下、「ステップ」を単に「S」とも称する。
【0053】
ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300にアクセスして、ビル5に対する電力供給状態の情報を要求することができる。この要求に対して、ビル5が停電状態にある場合、電力会社サーバ300はビル5が停電したことを示す停電信号を送信する。
【0054】
図5に示すように、本処理が開始すると、ロボット管理装置100は、S101において、電力会社サーバ300に対してビル5の電力供給状態の情報を要求し、その結果として、電力会社サーバ300から停電信号を取得(受信)したか否かを判定する。
【0055】
ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300から停電信号を取得したと判定した場合(S101でYES)、処理をS102に進める。一方、ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300から停電信号を取得したと判定しなかった場合(S101でNO)、処理をS103に進める。
【0056】
ロボット管理装置100は、S102において、電源11からセキュリティシステム50への電力供給が停止されたと判定する。このように、本実施の形態においては、電力会社が提供する電力会社サーバ300からの情報に基づき、停電が発生したか否かの判定を行う。
【0057】
ロボット管理装置100は、セキュリティシステム50への電力供給が停止されている場合(S103でYES)、ロボット200に対してセキュリティシステム50への給電指示を出力(送信)し(S104)、本処理を終了する(図5のフローチャートにおいて、S101の判定においてYESである場合、S103の判定においてもYESとなる)。なお、ロボット200が複数台設置されている場合は、バッテリ217の残量が多いロボットを選択して、選択したロボットに対して給電指示を出力すればよい。
【0058】
給電指示は、コネクタ25までロボット200が自走した後に、ロボット200がコネクタ25と接続してセキュリティシステム50に電力を供給する旨の指示である。
【0059】
一方、ロボット管理装置100は、電源11からセキュリティシステム50への電力供給が停止されていない場合(S103でNO)、給電指示を出力することなく、本処理を終了する。
【0060】
図6は、ロボット200が実行する処理のフローチャートである。たとえば、所定時間(1秒)ごとに本処理が開始するようにすればよい。
【0061】
図6に示すように、本処理が開始すると、ロボット200は、S201において、セキュリティシステム50への給電指示をロボット管理装置100から受信したか否かを判定する。ロボット200は、給電指示を受信した場合(S201でYES)、処理をS202に進める。一方、ロボット200は、給電指示を受信していない場合(S201でNO)、本処理を終了する。
【0062】
ロボット200は、S202において、供給口(コネクタ25)の設置場所まで走行する。走行後、ロボット200は、S203において、ロボット200のコネクタ218を供給口(コネクタ25)に接続する(図1参照)。そして、ロボット200は、S204において、バッテリ217からセキュリティシステム50に給電し、本処理を終了する。
【0063】
ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300から、ビル5で発生した停電が復旧した旨の復旧信号を受信可能である。ロボット管理装置100は、ロボット200の給電中に復旧信号を受信した場合、ロボット200に対して給電の中止を指示する。
【0064】
以上説明したように、不審者の侵入を防ぎ、高いセキュリティを確保するために、ビル5には、サーバ室7等への入室および退室の際に電気的な解錠を行う入退室管理システム60が設置されている。ビル5において停電が発生した場合、サーバ室7から退室できなくなってしまう。本実施の形態では、ビル設備への電力の供給が停止した場合に、セキュリティシステム50(入退室管理システム60、監視カメラシステム70)に電力を供給する指示をロボット200に出力する。ロボット200は、セキュリティシステム50に電力を供給する。停電時においてもサーバ室7への自由な出入りを不能にしているため、不審者の入室を防ぐことができる。一方で、停電時において、ロボット200から電力を供給することで扉の開閉が可能になるため、サーバ室7内に人が閉じ込められてしまうことを防止することができる。さらには、停電時においても、不審者が出入りしないかを監視カメラ72により監視することができる。このように、ビル5内に設けられたビル設備への電力供給が停止された場合に、ビル5内のセキュリティを好適に確保することができる。
【0065】
本実施の形態においては、図5を用いて説明したように、ロボット管理装置100は、電力会社サーバ300から停電信号を受信したときに、電力の供給が停止したと判定するように構成した。しかし、これに限らず、ロボット管理装置100は、ビル5に設けられたブレーカ12によって電力供給が遮断されたと判定したときに、電力の供給が停止したと判定するようにしてもよい。
【0066】
以下、図7のフローチャートを用いて説明する。図7は、変形例に係るロボット管理装置100が実行する処理のフローチャートである。たとえば、所定時間(1秒)ごとに本処理が開始するようにすればよい。
【0067】
本処理が開始すると、ロボット管理装置100は、S301において、ロボット管理装置100への電力供給が、電源11からUPS101に切り替わったか否かを判定する。図4で示したように、電源11からの電力供給が停止した場合、ロボット管理装置100はUPS101から電力が供給されるようになる。このとき、ロボット管理装置100は、電力供給がUPS101に切り替わった旨の通知をUPS101から受ける。
【0068】
ロボット管理装置100は、電力供給がUPS101に切り替わったと判定した場合(S301でYES)、処理をS302に進める。一方、ロボット管理装置100は、電力供給がUPS101に切り替わったと判定しなかった場合(S301でNO)、処理をS304に進める。
【0069】
ロボット管理装置100は、S302において、ブレーカ12によって電力供給が遮断されたと判定する。つまり、ロボット管理装置100は、UPS101から電力を供給していることを検知したときに、ブレーカ12によって電力供給が遮断されたと判定している。なお、ロボット管理装置100は、これ以外の何らかの方法によって、ブレーカ12によって電力供給が遮断されたと判定するようにしてもよい。
【0070】
ロボット管理装置100は、S303において、電源11からセキュリティシステム50への電力供給が停止されたと判定する。つまり、ロボット管理装置100は、ビル5に設けられたブレーカ12によって電力供給が遮断されたと判定したときに、電源11からの電力の供給が停止したと判定している。
【0071】
ロボット管理装置100は、ブレーカ12によって電源11からセキュリティシステム50への電力供給が停止されている場合(S304でYES)、ロボット200に対してセキュリティシステム50への給電指示を出力し(S305)、本処理を終了する(図7のフローチャートにおいて、S301の判定においてYESである場合、S304の判定においてもYESとなる)。
【0072】
一方、ロボット管理装置100は、電源11からセキュリティシステム50への電力供給が停止されていない場合(S304でNO)、給電指示を出力することなく、本処理を終了する。
【0073】
UPS101は、ロボット管理装置100に対して、ロボット管理装置100に対する電力供給がUPS101から電源11に復旧した旨の復旧通知を行うことが可能である。ロボット管理装置100は、復旧通知を受けた場合、ロボット200に対して給電の中止を指示する。
【0074】
なお、図5でのフローチャートでの処理、および、図7でのフローチャートでの処理のいずれかを行うものに限らず、いずれの処理も行うようにしてもよい。具体的には、「電力会社サーバ300から停電信号を取得したと判定した場合」または「ブレーカ12によって電力供給が遮断された場合」に、電源11からセキュリティシステム50への電力供給が停止されたと判定するようにしてもよい。
【0075】
電力会社サーバ300から停電信号を受信するような状況としては、停電の発生により電力会社から電力が供給されなくなった状況が想定される。このような状況には、大地震等の自然災害発生して、電力会社により計画停電が実施されるような場合も含む。このような災害が発生した場合は、不審者によるビルへの侵入が発生することが多い。このため、本実施の形態のような停電時のセキュリティ確保が求められる。
【0076】
また、図4では図示していないが、本実施の形態においては、電源11は、セキュリティシステム50以外のビル設備に対しても電力を供給している。たとえば、ビル内の何らかのビル設備が故障して過電流が流れたような場合、ブレーカ12によって電力供給が遮断される。この場合、少なくとも、セキュリティシステム50に対して電力を供給すれば、カードリーダ62,63および監視カメラ72を動作させることができ、ビル5内のセキュリティを確保することができる。このため、本実施の形態では、セキュリティシステム50専用の電力供給口としてコネクタ25を設けるようにした。
【0077】
ロボット管理装置100は、セキュリティシステム50に対する必要な電力供給量を予め記憶している。必要な電力供給量は、たとえば、入退室管理システム60および監視カメラシステム70を所定時間動作させるために必要な電力量である。停電によりサーバ室等に閉じ込められた人は、上記所定時間の間(電力が供給されている間)に扉を解錠してサーバ室等の居室から退室することが可能になる。
【0078】
ロボット管理装置100は、複数のロボット200(ロボット200a,b等)と通信を行うことで、各ロボット200のバッテリ217の残量を把握することができる。そして、ロボット管理装置100は、「バッテリ217の残量」-「走行消費電力」が上記「必要な電力量」以上となるロボット200に対して、給電指示を出力するようにすればよい。
【0079】
走行消費電力は、ロボット200がコネクタ25のある場所まで走行し、電力供給が終了した後に待機場所に戻るのに必要な電力を指す。待機場所は、たとえば、ロボット200のバッテリ217を充電可能な充電スポットである。なお、上記「必要な電力量」以上となるロボット200が存在しない場合は、複数台のロボット200に対して給電指示を出力するようにしてもよい。
【0080】
なお、本実施の形態においては、ロボット管理システム1は、ロボット管理装置100およびロボット200により構成されるようにしたが、これに限らず、ロボット200のみで構成されるようにしてもよい。この場合、ロボット管理装置100が行う処理を、ロボット200自身が行うようにすればよい。
【0081】
[付記]
上述した実施形態は、以下の付記の具体例である。
【0082】
(付記1)
ビル内に設けられたセキュリティ設備に電力を供給可能なロボットを管理するロボット管理装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶するメモリとを備え、
前記ロボットは、自律移動型であって蓄電池を搭載し、
前記セキュリティ設備に電力を供給するために設けられた供給口と前記ロボットとが接続されることで、前記蓄電池から前記セキュリティ設備に電力が供給可能に構成されており、
前記プロセッサは、前記ビルにおいて電力の供給が停止したと判定された場合に、前記供給口まで前記ロボットが自走した後に、前記ロボットが前記供給口と接続して前記セキュリティ設備に電力を供給する指示を前記ロボットに出力する、ロボット管理装置。
【0083】
たとえば、不審者の侵入を防ぎ、高いセキュリティを確保するために、サーバ室等の居室への入室および退室の際に電気的な解錠を行う入退室管理システム(セキュリティ設備)がビルに設置されている場合、停電の発生により居室から退室できなくなってしまう。ビル設備への電力の供給が停止した場合に、セキュリティ設備に電力を供給する指示をロボットに出力することで、不審者の入室を防ぎつつ、居室内に人が閉じ込められてしまうことを防止することができる。このように、ビル内に設けられたビル設備への電力供給が停止された場合に、ビル内のセキュリティを好適に確保することができる。
【0084】
(付記2)
前記セキュリティ設備は、前記ビル内の居室での入退室を管理する入退室管理システムを含み、
前記居室は、電力が供給された状態において開錠処理を行うことで退室が可能となるものを含む、付記1に記載のロボット管理装置。
【0085】
ビル設備への電力の供給が停止した場合に、入退室管理システムに電力を供給する指示をロボットに出力することで、不審者の入室を防ぎつつ、解錠処理により居室内に人が閉じ込められてしまうことを防止することができる。このように、ビル内に設けられたビル設備への電力供給が停止された場合に、ビル内のセキュリティを好適に確保することができる。
【0086】
(付記3)
前記セキュリティ設備は、前記ビルを監視する監視カメラを管理する監視カメラシステムをさらに含む、付記1または付記2に記載のロボット管理装置。
【0087】
ビル設備への電力の供給が停止した場合に、入退室管理システムに加えて監視カメラシステムにも電力を供給する指示をロボットに出力することで、不審者が出入りしないかを監視することができる。このように、ビル内に設けられたビル設備への電力供給が停止された場合に、ビル内のセキュリティを好適に確保することができる。
【0088】
(付記4)
前記プロセッサは、前記ビルに電力を供給する電力会社が提供するサーバと通信可能に構成されており、
前記プロセッサは、
前記サーバから前記ビルが停電したことを示す停電信号を受信可能であり、
前記停電信号を受信したときに、前記電力の供給が停止したと判定する、付記1~付記3のいずれかに記載のロボット管理装置。
【0089】
このように、電力会社が提供するサーバから停電信号を受信することで、ビル内で電力の供給が停止したか否かを判断することができる。
【0090】
(付記5)
前記プロセッサは、前記ビルに設けられたブレーカによって電力供給が遮断されたと判定したときに、前記電力の供給が停止したと判定する、付記1~付記3のいずれかに記載のロボット管理装置。
【0091】
このように、ブレーカにより電力供給が遮断されたか否かを確認することで、ビル内で電力の供給が停止したか否かを判断することができる。
【0092】
(付記6)
前記ロボット管理装置は、前記ビルにおいて電力の供給が停止したときに電力を供給する無停電電源と接続されており、
前記プロセッサは、前記無停電電源から電力を供給していることを検知したときに、前記ブレーカによって電力供給が遮断されたと判定する、付記5に記載のロボット管理装置。
【0093】
このように、ロボット管理装置への電力の供給が商用電源から無停電電源に切り替わったか否かを確認することで、ブレーカにより電力供給が遮断されたか否かを判断することができる。
【0094】
(付記7)
ビル内に設けられたセキュリティ設備に電力を供給可能なロボットを管理するロボット管理方法であって、
前記ロボットは、自律移動型であって蓄電池を搭載し、
前記セキュリティ設備に電力を供給するために設けられた供給口と前記ロボットとが接続されることで、前記蓄電池から前記セキュリティ設備に電力が供給可能に構成されており、
前記ビルにおいて電力の供給が停止したと判定された場合に、前記供給口まで前記ロボットが自走した後に、前記ロボットが前記供給口と接続して前記セキュリティ設備に電力を供給する指示を前記ロボットに出力するステップを備える、ロボット管理方法。
【0095】
このようにすることで、ビル内に設けられたビル設備への電力供給が停止された場合に、ビル内のセキュリティを好適に確保することができる。
【0096】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 ロボット管理システム、6 廊下、7 サーバ室、8,9 扉、11 電源、12 ブレーカ、25 コネクタ、26 扉、50 セキュリティシステム、60 入退室管理システム、61,71 管理装置、62,63 カードリーダ、64 ICカード、70 監視カメラシステム、72 監視カメラ、81,82 人、100 ロボット管理装置、101 UPS、111,211 CPU、112,212 メモリ、113 通信インターフェイス、200,200a,200b ロボット、214 カメラ、213 通信機、217 バッテリ、218 コネクタ、231 駆動部、300 電力会社サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7