特許 7625150 フィラメントランプのための導体要素

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2025-01-23

(45)【発行日】2025-01-31

(54)【発明の名称】フィラメントランプのための導体要素

(51)【国際特許分類】

   F21K 9/232 20160101AFI20250124BHJP

【ＦＩ】

F21K9/232 100

【請求項の数】 14

(21)【出願番号】P 2024542433

(86)(22)【出願日】2023-01-18

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2025-01-24

(86)【国際出願番号】 EP2023051079

(87)【国際公開番号】W WO2023139095

(87)【国際公開日】2023-07-27

【審査請求日】2024-07-17

(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/073032

(32)【優先日】2022-01-20

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(31)【優先権主張番号】22159481.5

(32)【優先日】2022-03-01

(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】516043960

【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ

【氏名又は名称原語表記】ＳＩＧＮＩＦＹ ＨＯＬＤＩＮＧ Ｂ．Ｖ．

【住所又は居所原語表記】Ｈｉｇｈ Ｔｅｃｈ Ｃａｍｐｕｓ ４８，５６５６ ＡＥ Ｅｉｎｄｈｏｖｅｎ，Ｔｈｅ Ｎｅｔｈｅｒｌａｎｄｓ

(74)【代理人】

【識別番号】100163821

【弁理士】

【氏名又は名称】柴田 沙希子

(72)【発明者】

【氏名】チェン リー ション

【審査官】佐藤 彰洋

(56)【参考文献】

【文献】特表２０２０－５０３６５５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１８－０３７３９５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１８－０８５２６４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特表２０２２－５４８３６２（ＪＰ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１０７３１４２５８（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１０４６７６３２２（ＣＮ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１９／００４１００７（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１８／００４５３８０（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許第１１２６２０２７（ＵＳ，Ｂ２）

【文献】中国実用新案第２１１６９４４０３（ＣＮ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｆ２１Ｋ ９／００－９／９０

Ｆ２１Ｖ １９／００－１９／０６

Ｆ２１Ｖ ２３／００－９９／００

Ｆ２１Ｌ ２／００－２７／００

Ｆ２１Ｖ １／００－８／００

Ｆ２１Ｖ ９／００－１５／０６

Ｈ０５Ｂ ３１／００－３１／５２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

少なくとも１つの導体要素と少なくとも２つのフィラメントとを備えるフィラメントランプであって、各導体要素が単一の連続した長さの曲げられた導線で形成されており、前記フィラメントランプのそれぞれのフィラメントが取り付けられ、及び／又は電気接続された複数の突出部を有する実質的にリング状のフレームを含み、
前記導体要素が第１の平面内に位置し、前記複数の突出部の各々が、前記フィラメントランプのそれぞれのフィラメントが電気接続可能である表面を提供するように構成されており、前記表面が前記第１の平面に対して傾斜している、フィラメントランプ。

【請求項2】

前記複数の突出部の各々が、前記曲げられた導線のループによって形成されている、請求項１に記載のフィラメントランプ。

【請求項3】

前記導体要素が各突出部の間の導電リンクを含み、各導電リンクが、前記連続した長さの曲げられた導線の部分であり、前記導電リンクによって境界された形状が正多角形である、請求項１又は２に記載のフィラメントランプ。

【請求項4】

各導電リンクが実質的に直線状である、請求項３に記載のフィラメントランプ。

【請求項5】

前記複数の突出部の各々が、前記導電リンクによって境界された前記形状から外向きに延在する、請求項３に記載のフィラメントランプ。

【請求項6】

前記複数の突出部の各々が、前記導電リンクによって境界された前記形状の内部に向かって延在する、請求項３に記載のフィラメントランプ。

【請求項7】

前記正多角形が八角形である、請求項３に記載のフィラメントランプ。

【請求項8】

前記複数の突出部の各々が、前記曲げられた導線のループによって形成されており、ループごとに、前記ループが位置する第２の平面が前記第１の平面に対して傾斜しており、これにより、前記フィラメントランプのそれぞれのフィラメントが電気接続可能である、前記第１の平面に対して傾斜した、前記表面を提供する、請求項１に記載のフィラメントランプ。

【請求項9】

ループごとに、前記ループが位置する前記第２の平面が前記第１の平面と垂直でない、請求項８に記載のフィラメントランプ。

【請求項10】

前記導線が、鉄、銅、鉄合金、又は銅合金で形成されている、請求項１の何れか一項に記載のフィラメントランプ。

【請求項11】

前記少なくとも２つのフィラメントが少なくとも３つのフィラメントを含み、各フィラメントが前記導体要素のそれぞれの突出部に取り付けられ、及び／又は電気接続されている、請求項１に記載のフィラメントランプ。

【請求項12】

前記導体要素がフィラメントごとの機械的支持を提供する、請求項１１に記載のフィラメントランプ。

【請求項13】

前記導体要素が第１の平面内に位置し、各フィラメントが前記第１の平面に対して傾斜しており、それと非垂直である、請求項１１又は１２に記載のフィラメントランプ。

【請求項14】

少なくとも２つのフィラメントを備えるフィラメントランプの製造に用いるための方法であって、前記方法が、
単一の連続した長さの導線を取得することと、
複数の突出部を有する実質的なリング状のフレームを含む導体要素であって、前記導体要素が第１の平面内に位置し、前記複数の突出部の各々が、前記第１の平面に対して傾斜した表面を提供するように構成されている、導体要素を形成するために、前記単一の連続した長さの導線を曲げることと、
突出部ごとに、
それぞれのフィラメントを前記突出部の前記表面上に載置することと、
電気的及び機械的接続を行うために前記フィラメントを前記突出部の前記表面上にはんだ付けすることと、
を含む、方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は照明の技術分野に関し、詳細には、電球などのフィラメントランプに関する。

【背景技術】

【0002】

人工照明を改善することが継続的に望まれている。電球などのフィラメントランプは、家庭、工業、及び／又は公共環境内などの、多種多様の環境内で人工光を提供するために使用されている。

【0003】

現在市場に出ているフィラメントランプは少なくとも３つの種類、螺旋型、直立型、及び交差型に分けられることができる。螺旋型フィラメントランプは、通例、螺旋又はヘリカル構造で配置された単一のフィラメントを備える。直立型フィラメントランプは、フィラメントランプに対して鉛直に位置付けられた複数のフィラメントを備え、これにより、それらは、フィラメントランプが接続されるソケットと垂直に位置する。交差型フィラメントランプは、フィラメントランプ内で傾斜した複数のフィラメントを備え、これにより、それらは、フィラメントランプが接続されるソケットに対して傾斜している。

【0004】

フィラメントランプが複数のフィラメントを備えるときには、フィラメントランプを、それが各フィラメントを同時に同じ電力を用いて駆動するように構成することが一般的である。この目的を達成するために、各フィラメントの対応する端部を、対応する端部が同時に駆動されることができるよう、互いに接続することが慣例となっている。典型的には、これは、各フィラメントのそれぞれの端部を共通接続点に各々接続する電気コネクタのセットを使用して実行される。代替的に、各フィラメントのそれぞれの端部を互いに接続するコネクタを提供することが可能である。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

フィラメントランプの製造の容易性を改善することが継続的に望まれている。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、請求項によって定義される。

【0007】

本発明の一態様による例によれば、少なくとも１つの導体要素と少なくとも２つのフィラメントとを備えるフィラメントランプであって、各導体要素が単一の連続した長さの曲げられた導線で形成されており、フィラメントランプのそれぞれのフィラメントが取り付けられ、及び／又は電気接続された複数の突出部を有する実質的にリング状のフレームを含む、フィラメントランプが提供される。

【0008】

本提案の導体要素はフィラメントランプの少なくとも２つのフィラメントの間の導電経路を提供することができる。導体要素は、例えば、各フィラメントを駆動するべく、異なるフィラメントのそれぞれの接続点／端部に同じ電圧又は電力、例えば、対地電圧又は電力供給を提供するために使用され得る。

【0009】

本提案の導体要素は、フィラメントを導体要素に装着又は接続する容易性を高める突出部を提供する。突出部は、フィラメントが、それが導体要素に装着される際に載置されることができる、より頑丈な表面を提供する。

【0010】

フィラメントランプは、例えば、２つ以上のフィラメントを包み込む透明／半透明球を備える電球であり得る。電球の口金又は端部キャップは、球の内部への電気的接続、及び構造支持を提供する。各フィラメントは、光を放出するために電力を用いて駆動される必要がある。本提案の導体要素は、このような電球内において、フィラメントの全てに同じ電力が同時に供給されることができるよう２つ以上のフィラメント（例えば、それらの端部）を互いに接続するために使用されることができる。

【0011】

本発明の文脈において、導線とは、導電性を有するものであり、鉄又は銅などの、任意の適切な導電材料（例えば、金属）で形成されることができる。

【0012】

いくつかの例では、各フィラメントはＬＥＤフィラメントである。

【0013】

オプションとして、複数の突出部は、曲げられた導線のループによって形成されている。

【0014】

いくつかの例では、導体要素は各突出部の間の導電リンクを含み、各導電リンクは連続した長さの曲げられた導線の部分であり、導電リンクによって境界された形状は正多角形である。

【0015】

いくつかの例では、各導電リンクは実質的に直線状である。単なる例として、直線からの各導電リンクの最大偏差は導電リンクの全長の１０％以下であり得る。実質的に直線状の要素を定義するための他の好適な例も当業者に明らかであろう。例えば、製造業分野における当業者が要素を直線状又は実質上直線状であると考えるであろう場合には、要素は直線状と考えられ得る。

【0016】

オプションとして、複数の突出部の各々は、導電リンクによって境界された形状から外向きに延在する。あまり好ましくはないが、複数の突出部の各々は、導電リンクによって境界された形状の内部に向かって延在してもよい。

【0017】

正多角形は八角形であり得る。しかし、他の規則的形状も当業者に容易に明らかになり、突出部の数に依存し得る。それゆえ、８つの突出部が存在するときには、正多角形は八角形になり得る。５つの突出部が存在する場合には、正多角形は五角形になり得、その他も同様である。それゆえ、規則的形状は、曲げられた導線の突出部が存在するのと同数の辺を有する規則的形状であり得る。

【0018】

フィラメントランプは、導体要素が第１の平面内に位置し、複数の突出部の各々が、フィラメントランプのそれぞれのフィラメントが電気接続可能である表面を提供するように構成されており、表面が第１の平面に対して傾斜しているように構成され得る。

【0019】

いくつかの例では、複数の突出部の各々は、曲げられた導線のループによって形成されており、ループごとに、ループが位置する第２の平面は第１の平面に対して傾斜している。その結果、これは、フィラメントランプのそれぞれのフィラメントが電気接続可能である、第１の平面に対して傾斜した表面を提供する。オプションとして、ループごとに、ループが位置する平面は第１の平面と垂直でない。

【0020】

導線は、鉄、銅、鉄合金、又は銅合金で形成され得る。他の適切な導電性及び機械的支持性を有する材料も使用され得、当業者に容易に明らかになるであろう。

【0021】

少なくとも２つのフィラメントは少なくとも３つのフィラメントを含み得、各フィラメントは導体要素のそれぞれの突出部に取り付けられ、及び／又は電気接続されている。

【0022】

導体要素はフィラメントごとの機械的支持を提供し得る。

【0023】

いくつかの例では、導体要素は第１の平面内に位置し、各フィラメントは第１の平面に対して傾斜しており、それと非垂直である。導体要素が位置する平面に対してフィラメントを傾斜させることは、フィラメントの実効高さが低減されることになるため、フィラメントランプの高さの低減を促進する。

【0024】

また、少なくとも２つのフィラメントを備えるフィラメントランプの製造に用いるための方法であって、本方法が、単一の連続した長さの導線を取得することと、複数の突出部を有する実質的なリング状のフレームを含む導体要素を形成するために、単一の連続した長さの導線を曲げることと、突出部ごとに、それぞれのフィラメントを突出部上に載置することと、電気的及び機械的接続を行うためにフィラメントを突出部上にはんだ付けすることと、を含む、方法が提案される。

【0025】

本発明のこれらの態様及び他の態様は、以降で説明される実施形態から明らかとなり、当該の実施形態を参照して解明されるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0026】

本発明のより良好な理解のために、及び、どのようにして本発明が遂行され得るかをより明確に示すために、次に、単に例として、添付図面が参照される。

【図1】一実施形態によるフィラメントランプの第１の図を提供する。

【図2】フィラメントランプに用いるための導体要素の斜視図を提供する。

【図3】導体要素の、上から見下ろした図を提供する。

【図4】導体要素の側面図を提供する。

【図5】フィラメントランプの部分図を提供する。

【図6】フィラメントランプの製造に用いるための方法を示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0027】

本発明が、図を参照して説明される。

【0028】

詳細な説明及び具体的な実施例は、装置、システム、及び方法の例示的実施形態を示すものであるが、単に例示の目的を意図しており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない点を理解されたい。本発明の装置、システム、及び方法の、これら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面から、より良好に理解されるであろう。これらの図は、概略的なものに過ぎず、縮尺通りに描かれてはいない点を理解されたい。また、同じ参照番号は、これらの図の全体を通して、同じ部分又は同様の部分を示すために使用されている点も理解されたい。

【0029】

本発明は、少なくとも２つのフィラメントを接続する導体要素を備えるフィラメントランプを提供する。導体要素はリング状であり、連続した長さ又は一片の曲げられた導線で形成されている。導体要素は、それぞれのフィラメントが取り付けられ、及び／又は電気接続された複数の突出部を含む。

【0030】

諸実施形態は、単一片の電線が、電線への取り付けの前／最中にフィラメントが載置されることができる突出部を提供するように適切に曲げられるか、又は構成されることができるという認識に基づく。これは、フィラメントを導電要素に接続する容易性を改善するとともに、導電要素を形成するべく材料の単一の連続した使用を用いることによってコストを低減するために、フィラメントを同じ導電要素に接続するためのより楽で簡便な台を提供する。

【0031】

開示されたアプローチは、フィラメントランプ、特に、複数の別個のフィラメント又はフィラメント要素を備えるものの製造において採用され得る。

【0032】

図１は、一実施形態によるフィラメントランプ１０を示す。

【0033】

フィラメントランプ１０は、導体要素１００と複数のフィラメント１５とを備える。導体要素は、各フィラメント、特に、各フィラメント１５の第１の端部のための電気的接続、及びランプ内の各フィラメントのための機械的支持を提供する。それゆえ、各フィラメント１５は導体要素１００に取り付けられ、及び／又は電気接続されている。

【0034】

これにより、導体要素１００は、ランプのフィラメント１５が機械的及び／又は電気的に接続されるフレームの役割を果たす。

【0035】

当該技術分野において周知であるように、各フィラメント１５は、電流がフィラメントを、例えば、フィラメントの第１及び第２の端部の間を流れることに応じて、光を出力又は放出するように構成されている。それゆえ、各フィラメントの第１及び第２の端部は電源に電気接続されるか、又は接続可能でなければならない。各フィラメントは、例えば、ＬＥＤフィラメントであり得る。ただし、他の形態のフィラメントも当業者に知られている。

【0036】

導体要素１００は、中心ピラー１６に機械的に取り付けられている。例えば、中心接続要素１３０を介した、導体要素への電気的接続を提供するために、電気コネクタ、例えば、電線が中心ピラー内／上に設けられている。

【0037】

中心ピラー１６の電気コネクタは、外部電源及び／又はコントローラに接続するための、時としてランプ端部キャップと呼ばれる、ランプ口金１７に接続している。ランプ口金１７は、（図示のとおりの）エジソンねじ込みランプ口金又はバヨネットマウントランプ口金などの、任意の従来の電球又はランプ口金で形成され得る。このように、各フィラメントの第１の端部はランプ口金１７の部分に接続されており、ランプ口金１７は今度は外部電源に接続する。

【0038】

フィラメントランプは、各フィラメントの第１の端部とは異なる、各フィラメントの第２の端部のための電気的接続を提供する第２の導体要素１５０を備え得る。導体要素１００及び第２の導体要素１５０はランプ口金の異なる部分に（間接的に）電気接続され得、これにより、フィラメントランプの反対端部はランプ口金の異なる部分に（間接的に）電気接続されている。これはランプの外部制御及び／又は給電のための電気経路を提供する。無論、フィラメントランプは、フィラメントを駆動するためのドライバ又はドライバ回路機構を備え得る。適切なドライバ回路機構は当業者に明らかであり、変換器（例えば、ＡＣ－ＤＣ変換器）、変圧器、平滑キャパシタ、フィルタリング回路機構などを含み得る。

【0039】

第２の導体要素１５０は、導電材料の連続したループから形成され得る。他の例では、第２の導体要素１５０は、後述される導体要素１００と同一に、及び／又は同様の仕方で形成され得る。

【0040】

フィラメントランプはまた、フィラメントランプの他の要素を機械的に支持する、取付台１９を備え得る。例えば、中心ピラー１６は取付台１９に機械的に固定され得る。ランプ口金１７は、存在する場合には、取付台１９に接続され得、ランプ１０全体の構造支持を果たす助けになることができる。

【0041】

フィラメントランプはまた、フィラメントランプの他の要素、特に、フィラメント１５、導体要素１００、１５０、及び中心ピラー１６を覆い、保護するための球１８を備える。球１８は、フィラメントによって放出された光の、球の通過を可能にする、ガラス又はプラスチックなどの、任意の好適な透明／半透明材料で形成され得る。球１８は透明又は艶消しであり得る。球１８は取付台１９（存在する場合）及びランプ口金１７内で／によって機械的に支持されている。

【0042】

これにより、ランプ口金１７は、球１８の内部への電気的接続を提供するとともに、構造支持を助ける。

【0043】

本開示は、フィラメントランプの製造の容易性を高めるとともに、フィラメントランプの構造的完全性を改善するための、改善された導体要素１００を提供する。

【0044】

本提案の導体要素１００は、単一の、連続した、又は途切れのない長さの曲げられた導線で形成されている。それゆえ、導体要素１００は単一片の材料又は電線で形成されている。導体要素１００は実質的にリング状のフレームを有し（即ち、リング又は円の形に形状設定されている）、複数の突出部を含む。

【0045】

本開示の文脈において、実質的にリング状のフレームとは、導体要素の形状は、製造業分野における当業者に、リング様であるか、又はリングに似ていると認識されることになり、例えば、これにより、導体要素は、リング状フレームを準備するために使用されるメカニズム又は技術の技術的許容範囲内でリング状であることを示す。

【0046】

連続要素は、要素の２つの端部が互いに近接近している場合には、リング状であると考えられてもよく、円又は（正）多角形として概ね形状設定されている。

【0047】

導線は、曲げられることができ、フィラメントへの構造支持を提供することができる任意の導電材料で形成され得る。好適な例としては、鉄又は銅、あるいはそれらの任意の合金、例えば、鋼又は青銅が挙げられる。

【0048】

図示の例では、導線は、それぞれのフィラメントが取り付けられ、及び／又は電気接続された８つの突出部を含む。しかし、代替的実施形態では、異なる数の突出部が、様々な数のフィラメントを接続するために提供され得る。突出部の数は少なくとも２つである。いくつかの好ましい例では、突出部の数は少なくとも３つである。

【0049】

突出部の数は、例えば、各フィラメントがそれぞれの突出部に接続可能になるよう、導体要素１００に接続されるべきフィラメントの数と同じであり得る。しかし、代替例では、１つを超えるフィラメントが同じ突出部に接続され得るため、これは必須ではない。更に、フィラメントが導体要素の各突出部に接続されることは必須ではなく、その代わりに、フィラメントが接続されない追加の突出部が存在してもよい。

【0050】

図示の例では、各突出部１２１は、曲げられた導線内のループによって形成されている。ループは、各フィラメントが固定されることができる、大きく、確実な表面積を提供し、これにより、フィラメントランプを組み立てる、又は製造するための容易性及び利便性を高める。

【0051】

導体要素１００はまた、各突出部１１１の間の導電リンク１２１を含む。各導電性は実質的に直線状であり得、導電リンクによる形状境界は正多角形であり得る。形状の頂点は突出部の位置によって表されるか、又は規定される。図示の例では、８つの突出部１１１が存在するため、導電リンクによる形状境界は八角形である。したがって、導電リンクによる形状境界の辺の数は、突出部の数に依存し、例えば、突出部の数に等しいものであり得る。

【0052】

図示の例では、突出部は、導電リンク１２１による形状境界から外向きに延在するように構成されている。代替的に、突出部は、導電リンク１２１による形状境界の中心に向かって、内向きに延在し得る。この後者のアプローチは、各突出部上への任意のフィラメントの組み立て／取り付けをより困難／面倒にし、より不便にするため、あまり好ましくない。

【0053】

図２～図４は、理解の向上を目的として本提案の導体要素のより詳細な図を提供する。図２は導体要素１００の等角図を提供する。図３は導体要素１００の上面図を提供する。図４は導体要素１００の正面又は側面図を提供する。

【0054】

図２～図４は、複数の突出部１１１、１１２、１１３、１１４、１１５、１１６、１１７、１１８で形成された導体要素１００を示す。各突出部は導電リンク１２１、１２２、１２３、１２４、１２５、１２６、１２７、１２８によって相互接続されている。これらの導電リンクのうちの１つは省略されることが可能であり、例えば、これにより、導電リンクによる形状境界は開放している。

【0055】

それゆえ、導体要素１００は、第１の突出部１１１、第２の突出部１１２、第３の突出部１１３、第４の突出部１１４、第５の突出部１１５、第６の突出部１１６、第７の突出部１１７、及び第８の突出部１１８を含む。他の導体要素はより少数又はより多数の突出部を有し得る。

【0056】

導体要素１００はまた、第１の導電リンク１２１（第１の突出部１１１及び第２の突出部１１２を接続する）、第２の導電リンク１２２（第２の突出部１１２及び第３の突出部１１３を接続する）、第３の導電リンク１２３（第３の突出部１１３及び第４の突出部１１４を接続する）、第４の導電リンク１２４（第４の突出部１１４及び第５の突出部１１５を接続する）、第５の導電リンク１２５（第５の突出部１１５及び第６の突出部１１６を接続する）、第６の導電リンク１２６（第６の突出部１１６及び第７の突出部１１７を接続する）、第７の導電リンク１２７（第７の突出部１１７及び第８の突出部１１８を接続する）、並びに第８の導電リンク１２８（第８の突出部１１８及び第１の突出部１１１を接続する）を含む。いくつかの例では、第８の導電リンクは省略され得る。

【0057】

他の導体要素は、例えば、導体要素は異なる数の突出部を有するかどうかに応じて、より少数又はより多数の導電リンクを含み得る。任意のこのような実施形態では、最初及び最後の突出部を接続する導電リンクは存在してもよいし、存在しなくてもよい。

【0058】

本提案の導電要素は、導電要素へのフィラメントの装着又は接続の容易性を改善する。とりわけ、突出部は、導電要素へのフィラメントの取り付け、例えば、はんだ付けの前／最中にフィラメントが載置されることができるベース又は台を提供する。それゆえ、専用突出部は、導体要素への任意のフィラメントのはんだ付け又は他の仕方の接続の容易性を高める。

【0059】

それゆえ、フィラメントを突出部上に載置し、その後、はんだ又は他の接続手段（例えば、ラッピングワイヤ）を使用してフィラメントを突出部に取り付けることによって、突出部へのフィラメントの接続が容易に達成されることができる。突出部の使用は、はんだ付けの前／最中にフィラメントを載置する、又は支えるための場所を提供することによって、フィラメントランプの製造の容易性を促進する。

【0060】

単一の連続した長さの曲げられた導線の使用は材料コスト及び製造の複雑さを減少させ、これにより、フィラメントランプを製造する効率を改善する。

【0061】

図４及び図５は、本開示によって提案される更なるコンセプトを示す。上述されたように、図４は導体要素１００の正面又は側面図を提供する。図５はフィラメントランプ１０の部分側面図を提供する。

【0062】

導体要素は、例えば、実質的に、第１の平面４１０内に位置するように構成され得る。第１の平面４１０は中心柱１６と実質的に垂直であり得る。導体要素の各突出部１１１は、フィラメントランプ１０のフィラメント１５が取り付けられ、及び／又は電気接続される表面を提供するように構成され得る。突出部ごとに、この表面は第１の平面に対して傾斜し得る。換言すれば、突出部ごとに、フィラメントランプのフィラメントが取り付けられ、及び／又は電気接続される導体要素の表面が、第１の平面４１０に対して、０でない角度で、及び好ましくは、非垂直に傾斜し得る、平面４２０（第２の平面４２０と呼ばれることができる）。

【0063】

このように、各フィラメント１５は第１の平面４１０に対して傾斜しており、好ましくは、それと非垂直であり得る。

【0064】

この表面を提供するために、各突出部は導線のループで形成され得る。ループごとに、ループが位置する（第２の）平面４２０は第１の平面４１０に対して傾斜している。これは、フィラメントランプのフィラメント１５が取り付けられ、及び／又は電気接続される傾斜表面をもたらす。

【0065】

更なる例として、フィラメントは、導線のループの２つの区分に直接取り付けられていてもよく、２つの区分は、フィラメントが直接取り付けられていない更なる区分によって分離され、接続されている。フィラメントが直接取り付けられる２つの区分は互いに実質的に平行であり得る。２つの区分は、フィラメントが直接取り付けられ、及び／又は電気接続される表面を提供する。２つの区分が位置する（第２の）平面４２０は第１の平面４１０に対して傾斜しており、これにより、フィラメントのための傾斜表面を提供する。これは、突出部のループを、２つの区分が第１の平面４１０に対して互いにオフセットしている（即ち、第１の平面４１０上の異なる射影位置を有する）ように構成することによって達成されることができる。

【0066】

好ましくは、突出部ごとに、第２の平面４２０は第１の平面４１０と垂直ではない。それゆえ、第１の平面４１０と第２の平面４２０との間の角度θは０でなく、９０°と等しくなくてもよい。角度θは、側面の視点からの第１の４１０と第２の４２０平面との間の最小角度を表し得る。

【0067】

突出部ごとに、導体要素１００が位置する第１の平面４１０に対して傾斜し、非垂直である、フィラメントを取り付けるための第２の平面４２０を提供することは、フィラメント１５が交差型構造で配置されること（即ち、フィラメントも第１の平面４１０に対して傾斜している）を意味する。これは、フィラメントが導体要素１００と垂直になるように配置された実施形態と比べて、照明アーチファクトを低減し、より均一な照明を提供するのを助けることができる。導体要素が位置する第１の平面４１０に対して第２の平面４２０、ひいてはフィラメント１５を傾斜させることは、フィラメント１５の実効高さ（即ち，ランプ口金からの最大距離）が低減されることになるため、フィラメントランプ１０の高さの低減を促進する。

【0068】

上述されたとおりのフィラメントランプ１０を製造するためのアプローチは当業者に容易に明らかになるであろう。それにもかかわらず、完全を期すために、以下において、フィラメントランプ１０を製造するための一実施形態が説明される。

【0069】

図６は、少なくとも２つのフィラメントを備えるフィラメントランプの製造に用いるための方法６００を示す。方法６００は、フィラメントを製造するためのより大きい手順の部分を形成し得る。

【0070】

方法は、単一の連続した長さの導線を取得するステップ６１０を含む。

【0071】

本方法は、次に、少なくとも１つの突出部を有する実質的なリング状のフレームを含む導体要素を形成するために、単一の連続した長さの導線を曲げるステップ６２０へ進む。少なくとも１つの突出部を形成することは、リング状フレームの中心から外向きに延在し、各ループが突出部の役割を果たす１つ以上のループをリング状フレーム内に作成することを含み得る。

【0072】

方法６００は、次に、突出部ごとに、それぞれのフィラメントを突出部上に載置し（６３１）、突出部とフィラメントとの間の電気的及び機械的接続を行うために、フィラメントを突出部上にはんだ付けする（６３２）、又は他の仕方で固定するプロセス６３０を実行する。

【0073】

ステップ６３１及び６３２は、導体要素の全ての突出部のために繰り返され得る。これは決定ステップ６３３においてチェックされ得る。全ての突出部が処理されていない場合には、本方法は突出部の処理のためにステップ６３１へ戻る。さもなければ、本方法は終結ステップ６４０へ進み、終了する。

【0074】

無論、フィラメントが装着されない追加の突出部が存在してもよい。それゆえ、ステップ６３３は、フィラメントが固定されるべき全ての突出部がステップ６３１及び６３２を経たかどうかを決定することを含み得る。

【0075】

いくつかの例では、ステップ６３１及び６３２は突出部のうちの１つ以上のために２回以上実行されてもよく、これにより、単一の突出部が複数のフィラメントに取り付けられ得る。

【0076】

例えば、取付台ベース、取付台、球、第２の導体要素を提供し、要素を適切に接続する、製造フィラメントランプを完了又は開始するための追加のステップが当業者に明らかであろう。これらのプロセスは、フィラメントランプの部分を製造するための、従来の、及び／又はさもなければ既知のメカニズムを利用し得る。

【0077】

図面、本開示、及び添付の請求項を検討することにより、開示される実施形態に対する変形形態が、理解されることができ、当業者によって特許請求される発明を実施する際に遂行されることができる。請求項では、単語「備える（comprising）」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「１つの（a）」又は「１つの（an）」は、複数を排除するものではない。

【0078】

特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。

【0079】

用語「～ように適合されている」が、請求項又は明細書本文において使用されている場合には、用語「～ように適合されている」は、用語「～ように構成されている」と同等であることが意図されている点に留意されたい。用語「機構（arrangement）」が、請求項又は明細書本文において使用されている場合には、用語「機構」は、用語「システム（system）」と同等であることが意図されており、その逆もしかりである点に留意されたい。

【0080】

請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】