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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/58 20110101AFI20250127BHJP
   H01R 24/86 20110101ALI20250127BHJP
   H01R 4/36 20060101ALN20250127BHJP
   H01R 4/14 20060101ALN20250127BHJP
【FI】
H01R24/58
H01R24/86
H01R4/36
H01R4/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024157440
(22)【出願日】2024-09-11
【審査請求日】2024-09-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509162850
【氏名又は名称】日幸カールコード株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】524341029
【氏名又は名称】木田製作所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 正勝
(72)【発明者】
【氏名】坂本 隆行
(72)【発明者】
【氏名】木田 真澄
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064831(JP,A)
【文献】米国特許第05098317(US,A)
【文献】特開2024-021984(JP,A)
【文献】登録実用新案第3041098(JP,U)
【文献】特開2001-230031(JP,A)
【文献】特開2001-357948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0306247(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0309227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/58
H01R 24/86
H01R 4/36
H01R 4/14
H01R 13/646
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の芯線及び第1のシールド線を有する第1のケーブルと、第2の芯線及び第2のシールド線を有する第2のケーブルと、がはんだ付けを行わずに接続される接続装置であって、当該接続装置は、フォーンプラグであり
チップを含む第1の電極、リングを含む第2の電極、及びスリーブである第3の電極と、
前記第1の電極及び前記第1の芯線と電気的に接続される第1の接続ピンと、
前記第2の電極及び前記第2の芯線と電気的に接続される第2の接続ピンと、
前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルを収納し、前記第3の電極、並びに前記第1のシールド線及び前記第2のシールド線の少なくとも何れか1つと電気的に接続されるハウジングと、
前記第1の電極と接続され、前記第1の接続ピンが取り付けられる第1の取付部と、
前記第2の接続ピンが挿入される第2の取付部と、を備え、
前記第2の取付部は、絶縁性を有し、前記第2の電極と前記第1の取付部との間に配置されている
接続装置。
【請求項2】
第1の芯線及び第1のシールド線を有する第1のケーブルと、第2の芯線及び第2のシールド線を有する第2のケーブルと、がはんだ付けを行わずに接続される接続装置であって、当該接続装置は、XLRプラグであり、
正相の信号を送信するためのピンである第1の電極、逆相の信号を送信するためのピンである第2の電極、及び基準電圧を示す信号を送信するためのピンである第3の電極と、
前記第1の電極及び前記第1の芯線と電気的に接続される第1の接続ピンと、
前記第2の電極及び前記第2の芯線と電気的に接続される第2の接続ピンと、
前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルを収納し、前記第3の電極、並びに前記第1のシールド線及び前記第2のシールド線の少なくとも何れか1つと電気的に接続されるハウジングと、
前記第1のケーブルを前記ハウジングに固定し、前記第1のシールド線と前記ハウジングとを電気的に接続するビスである第1の固定手段と、
前記第2のケーブルを前記ハウジングに固定し、前記第2のシールド線と前記ハウジングとを電気的に接続するビスである第2の固定手段と、を備え、
前記ハウジングは、
第1の直線部、前記第1の直線部と異なる方向に延びる第2の直線部、及び前記第1の直線部と前記第2の直線部を接続する曲線部を含む扇形状の端面と、
前記端面と前記第1の直線部を共有する第1の平面と、
前記端面と前記第2の直線部を共有する第2の平面と、
前記端面と前記曲線部を共有する曲面と、を備え、
前記第1の固定手段は、前記第1の平面に取り付けられ、
前記第2の固定手段は、前記第2の平面に取り付けられている
接続装置。
【請求項3】
第1の芯線及び第1のシールド線を有する第1のケーブルと、第2の芯線及び第2のシールド線を有する第2のケーブルと、がはんだ付けを行わずに接続される接続装置であって、当該接続装置は、XLRジャックであり、
正相の信号を送信するためのピンが挿入される受容部である第1の電極、逆相の信号を送信するためのピンが挿入される受容部である第2の電極、及び基準電圧を示す信号を送信するためのピンが挿入される受容部である第3の電極と、
前記第1の電極及び前記第1の芯線と電気的に接続される第1の接続ピンと、
前記第2の電極及び前記第2の芯線と電気的に接続される第2の接続ピンと、
前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルを収納し、前記第3の電極、並びに前記第1のシールド線及び前記第2のシールド線の少なくとも何れか1つと電気的に接続されるハウジングと、
前記第1のケーブルを前記ハウジングに固定し、前記第1のシールド線と前記ハウジングとを電気的に接続するビスである第1の固定手段と、
前記第2のケーブルを前記ハウジングに固定し、前記第2のシールド線と前記ハウジングとを電気的に接続するビスである第2の固定手段と、を備え、
前記ハウジングは、
第1の直線部、前記第1の直線部と異なる方向に延びる第2の直線部、及び前記第1の直線部と前記第2の直線部を接続する曲線部を含む扇形状の端面と、
前記端面と前記第1の直線部を共有する第1の平面と、
前記端面と前記第2の直線部を共有する第2の平面と、
前記端面と前記曲線部を共有する曲面と、を備え、
前記第1の固定手段は、前記第1の平面に取り付けられ、
前記第2の固定手段は、前記第2の平面に取り付けられている
接続装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、
前記第1のケーブルを収納する第1の収納部と、
前記第1の収納部と区画され、前記第2のケーブルを収納する第2の収納部と、を有している
請求項1~3の何れか1項に記載の接続装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、
前記第1のケーブルを収納する第1の収納部と、
前記第1の収納部と区画され、前記第2のケーブルを収納する第2の収納部と、を有し、
前記ハウジングの端面には、前記第1の収納部の挿入口と、前記第2の収納部の挿入口と、が形成され、
前記第1の収納部の前記挿入口の中心と、前記第2の収納部の前記挿入口の中心とは、当該接続装置の中心軸が前記端面を通る点を中心とした円の円周上に位置している
請求項に記載の接続装置。
【請求項6】
前記第1のケーブルを前記ハウジングに固定し、前記第1のシールド線と前記ハウジングとを電気的に接続する第1の固定手段と、
前記第2のケーブルを前記ハウジングに固定し、前記第2のシールド線と前記ハウジングとを電気的に接続する第2の固定手段と、を有する
請求項に記載の接続装置。
【請求項7】
前記第1の固定手段及び前記第2の固定手段は、ビスである
請求項に記載の接続装置。
【請求項8】
前記第1の接続ピン及び前記第2の接続ピンは、当該接続装置の中心軸を挟んで対向する位置に設けられている
請求項に記載の接続装置。
【請求項9】
前記第2の取付部の後部には段差形状が形成され、
前記段差形状の低段に位置する低段面と、前記第1の取付部における前記低段面と接触する面とは、外形が一致する
請求項に記載の接続装置。
【請求項10】
第3の芯線及び第3のシールド線を有する第3のケーブルと、第4の芯線及び第4のシールド線を有する第4のケーブルと、がはんだ付けを行わずに接続される前記接続装置であって
第4の電極、及び第5の電極と、
前記第4の電極及び前記第3の芯線と電気的に接続される第3の接続ピンと、
前記第5の電極及び前記第4の芯線と電気的に接続される第4の接続ピンと、を更に備え、
前記ハウジングは、前記第1のケーブル、前記第2のケーブル、前記第3のケーブル、及び前記第4のケーブルを収納し、前記第3の電極、並びに前記第1のシールド線、前記第2のシールド線、前記第3のシールド線、及び前記第4のシールド線の少なくとも何れか1つと電気的に接続される
請求項に記載の接続装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、
前記第1のケーブルを収納する第1の収納部と、
前記第1の収納部と区画され、前記第2のケーブルを収納する第2の収納部と、を有し、
前記ハウジングの前記端面には、前記第1の収納部の挿入口と、前記第2の収納部の挿入口と、が形成され、
前記第1の収納部の前記挿入口の中心と、前記第2の収納部の前記挿入口の中心とは、当該接続装置の中心軸が前記端面を通る点を中心とした円の円周上に位置している
請求項2又は3に記載の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルがはんだ付けを行わずに接続される接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの電極を有し、芯線及びシールド線を有するケーブルが接続される2極プラグであって、ケーブルの接続にはんだ付けを要しないものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-168289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3つの電極を有し、ステレオ信号又はバランス信号の伝達等に用いられる3極プラグ又は3極ジャックの需要が増大している。しかしながら、従来、3極プラグ又は3極ジャックにおいて、はんだ付けを行わずに3つの電極に対応する信号を送信するケーブルを接続する技術については十分に検討されていなかった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、3つの電極を有する接続装置において、はんだ付けを行わずに3つの電極に対応する信号を送信するケーブルを接続することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る接続装置は、第1の芯線及び第1のシールド線を有する第1のケーブルと、第2の芯線及び第2のシールド線を有する第2のケーブルと、がはんだ付けを行わずに接続される接続装置であって、当該接続装置は、フォーンプラグでありチップを含む第1の電極、リングを含む第2の電極、及びスリーブである第3の電極と、第1の電極及び第1の芯線と電気的に接続される第1の接続ピンと、第2の電極及び第2の芯線と電気的に接続される第2の接続ピンと、第1のケーブル及び第2のケーブルを収納し、第3の電極、並びに第1のシールド線及び第2のシールド線の少なくとも何れか1つと電気的に接続されるハウジングと、第1の電極と接続され、第1の接続ピンが取り付けられる第1の取付部と、第2の接続ピンが挿入される第2の取付部と、を備え、第2の取付部は、絶縁性を有し、第2の電極と第1の取付部との間に配置されている
【発明の効果】
【0007】
本発明の接続装置は、第1の電極及び第1のケーブルの芯線と電気的に接続される第1の接続ピン、並びに第2の電極及び第2のケーブルの芯線と電気的に接続される第2の接続ピンとを有する。このため、本発明の接続装置によれば、3つの電極に対応する信号を送信するケーブルを接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るプラグ、第1のケーブル、及び第2のケーブルを示す外観図である。
図2】実施の形態1に係るプラグに取り付けるケーブルの内部構造を示す模式図である。
図3】実施の形態1に係るプラグを示す平面図である。
図4】実施の形態1に係るプラグを示す斜視図である。
図5】実施の形態1に係るプラグを示す断面模式図である。
図6】実施の形態1に係るプラグの後面図である。
図7】実施の形態1に係るハウジングを除いた状態のプラグの後端部を示す斜視図である。
図8】実施の形態1に係るハウジングを除いた状態のプラグの後端部を示す分解斜視図である。
図9】実施の形態1の変形例1に係るプラグを示す平面図である。
図10】実施の形態1の変形例2に係るプラグを示す平面図である。
図11】実施の形態1の変形例3に係るプラグを示す平面図である。
図12】実施の形態1の変形例3に係るプラグを示す平面図である。
図13】実施の形態1の変形例3に係るプラグを示す斜視図である。
図14】実施の形態2に係るプラグを示す斜視図である。
図15】実施の形態2に係るプラグを示す斜視図である。
図16】実施の形態2に係るプラグの後面図である。
図17】実施の形態2に係るプラグを示す断面模式図である。
図18】実施の形態2に係るビスを除いた状態のプラグの後面図である。
図19】実施の形態3に係るジャックを示す斜視図である。
図20】実施の形態3に係るジャックを示す斜視図である。
図21】実施の形態3に係るジャックの後面図である。
図22】実施の形態3に係るジャックを示す断面模式図である。
図23】実施の形態3に係るビスを除いた状態のジャックの後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。実施の形態の説明の便宜上、図面の一部に、方向を定義する3つの軸(X軸、Y軸及びZ軸)の矢印を表示しているが、方向を限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1においては、接続装置の1種であるプラグ1の構成を説明する。プラグ1は、例えば、楽器、エフェクター、及びオーディオインターフェース等の音響機器等と、ケーブル90とを接続するためのフォーンプラグである。図1は、実施の形態1に係るプラグ1、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを示す外観図である。実施の形態1にプラグ1において、X軸矢印の方向を前方とし、X軸矢印方向の反対方向を後方とする。また、Y軸矢印の方向を右方とし、Y軸矢印方向の反対方向を左方とする。そして、Z軸矢印の方向を上方とし、Z軸矢印方向の反対方向を下方とする。図1に示すように、プラグ1には、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bが挿入される。第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bは、何れも同様の構成であるため、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを区別しない場合、単にケーブル90と称する。プラグ1は、第1の電極2、第2の電極3、第3の電極4、第1の電極2と第2の電極3との間に設けられた第1の絶縁部7、第2の電極3と第3の電極4との間に設けられた第2の絶縁部8、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bが収納されるハウジング5、並びにハウジング5の一部を覆うキャップ80を有する。第1の電極2、第2の電極3、及び第3の電極4は、この順で前方から後方に向かって並んで配置されている。
【0011】
第1の電極2、第2の電極3、第3の電極4、ハウジング5及びキャップ80の材料は、導電性のある金属である。第1の絶縁部7及び第2の絶縁部8の材料は、例えば、樹脂である。実施の形態1のプラグ1は、第2の電極3の直径が6.3mmのフォーンプラグ(所謂、標準プラグ)である。また、実施の形態1のプラグ1は、はんだ付けをせずに電極とケーブル90とを電気的に接続することができるソルダーレスプラグである。
【0012】
図2は、実施の形態1に係るプラグ1に取り付けるケーブル90の内部構造を示す模式図である。図2に示すように、ケーブル90は、芯線91、及びシールド線93を有する2極の同軸ケーブルである。芯線91は、細い単線が複数撚り合わされた構成である。芯線91は絶縁体92で覆われている。絶縁体92の外周には、シールド線93が網状に設けられている。シールド線93は、保護皮膜94で覆われている。芯線91及びシールド線93の材料は、例えば、銅である。絶縁体92の材料は、例えば、ポリエチレンである。保護皮膜94の材料は、例えば、ビニールである。
【0013】
図3は、実施の形態1に係るプラグ1を示す平面図である。図4は、実施の形態1に係るプラグ1を示す斜視図である。なお、以下の図では、キャップ80の図示を省略している。図3及び図4に示すように、プラグ1のハウジング5には、第1の覗き穴11a及び第2の覗き穴11b、第1のビス穴12a及び第2のビス穴12b、並びに第1の収納部22a及び第2の収納部22bが形成されている。また、プラグ1は、第1のビス14a(本発明の第1の固定手段に相当する)及び第2のビス14b(本発明の第2の固定手段に相当する)、並びに第1の接続ピン15a及び第2の接続ピン15bを有している。
【0014】
第1の覗き穴11aは、ハウジング5の上面に形成された長円形状の開口である。第1の覗き穴11aは、第1のケーブル90aを第1の接続ピン15aに接触させる際にハウジング5内部の様子を見るために用いられる。第2の覗き穴11bは、ハウジング5の上面に形成された長円形状の開口である。第2の覗き穴11bは、第2のケーブル90bを第2の接続ピン15bに接触させる際にハウジング5内部の様子を見るために用いられる。第1の覗き穴11aと第2の覗き穴11bとは、ハウジング5の左右方向に並んで形成されている。
【0015】
第1のビス穴12aは、第1のビス14aを締めるための穴である。第1のビス穴12aは、第1の覗き穴11aより後方に形成されている。第2のビス穴12bは、第2のビス14bを締めるための穴である。第2のビス穴12bは、第2の覗き穴11bより後方に形成されている。第1のビス穴12aと第2のビス穴12bとは、ハウジング5の左右方向に並んで形成されている。
【0016】
第1の収納部22aは、ハウジング5の内部に形成され、第1のケーブル90aを収納する。第1のケーブル90aを第1の収納部22aに挿入する際の入り口である第1の挿入口13aがハウジング5の後面(本発明の端面の一例)に形成されている。第1の挿入口13aは、円形状である。第2の収納部22bは、ハウジング5の内部に第1の収納部22aと区画して形成され、第2のケーブル90bを収納する。第2のケーブル90bを第2の収納部22bに挿入する際の入り口である第2の挿入口13bがハウジング5の後面に形成されている。第2の挿入口13bは、円形状である。第1の収納部22aと第2の収納部22bとは、ハウジング5の左右方向に並んで設けられている。
【0017】
第1のビス14aは、第1のビス穴12aに締められることで、ハウジング5に収納された第1のケーブル90aを固定する。第1のビス14aは、導電性のある金属からなる。第2のビス14bは、第2のビス穴12bに締められることで、ハウジング5に収納された第2のケーブル90bを固定する。第2のビス14bは、導電性のある金属からなる。
【0018】
第1の接続ピン15aは、第1の収納部22aに設けられ、第1のケーブル90aがハウジング5に収納された際に、第1のケーブル90aの芯線91と接触する。第1の接続ピン15aは、導電性のある金属からなる。第2の接続ピン15bは、第2の収納部22bに設けられ、第2のケーブル90bがハウジング5に収納された際に、第2のケーブル90bの芯線91と接触する。第2の接続ピン15bは、導電性のある金属からなる。第1の接続ピン15aと第2の接続ピン15bとは、ハウジング5の左右方向に並んで配置されている。
【0019】
図5は、実施の形態1に係るプラグ1を示す断面模式図である。図5は、プラグ1を第1の接続ピン15a及び第2の接続ピン15bが含まれる位置でのXY平面を示している。また、図5では、プラグ1に接続された状態のケーブル90を示している。ケーブル90のうち、ハウジング5に収納された部分の一部の断面構造を示している。更に、図5の破線A1は、プラグ1の中心軸を示している。
【0020】
図5に示すように、第1の電極2は、プラグ1の先端に位置するチップ61、及びチップ61と、後述する第1の取付部21aとを電気的に接続する円筒状の接続部62を有する。第2の電極3は、チップ61の後方に位置する円筒状のリング63、及びリング63と第2の接続ピン15bを電気的に接続する円筒状の接続部64とを有する。第3の電極4は、フォーンプラグで言うところのスリーブにあたり、円筒状のハウジング5と電気的に接続されている。また、第1の接続ピン15a及び第2の接続ピン15bは、何れもプラグ1の中心軸A1から外れた位置に設けられている。第1の接続ピン15aと、第2の接続ピン15bとは、プラグ1の中心軸A1を挟んで対向している。第1の接続ピン15aは、第1の収納部22aの前側に配置されている。第2の接続ピン15bは、第2の収納部22bの前側に配置されている。
【0021】
プラグ1は、第1の取付部21a、及び第2の取付部21bを有している。第1の取付部21aは、第1の接続ピン15aが固定される部材である。第1の取付部21aは、導電性のある金属からなり、第1の接続ピン15aと第1の電極2の接続部62とを電気的に接続する。第2の取付部21bは、第2の接続ピン15bが挿通される部材である。第2の取付部21bは、例えば樹脂等の絶縁性を有する材料からなり、第2の電極3と第1の取付部21aとの間に配置されている。第2の取付部21bによって、第2の電極3と第1の取付部21aとが電気的に絶縁される。第1の取付部21a及び第2の取付部21bの構造、並びに第1の接続ピン15a及び第2の接続ピン15bの固定方法等についての詳細は、別の図と共に後述する。
【0022】
第1の収納部22aに収納された第1のケーブル90aの芯線91は、複数の撚り線がからみつくように第1の接続ピン15aと接触している。上述のように、第1の取付部21aによって、第1の接続ピン15aと第1の電極2とが電気的に接続されている。このため、第1の電極2と、第1の取付部21aと、第1の接続ピン15aと、第1のケーブル90aの芯線91とが電気的に接続される。
【0023】
また、ハウジング5に締められた第1のビス14aの先端は、第1のケーブル90aの保護皮膜94を貫通して、円形の破線で囲んだ領域B1にてシールド線93と接触している。ただし、図5において領域B1は、説明のため、大きめに記載されている。上述したように、第3の電極4とハウジング5とが電気的に接続されている。このため、第3の電極4と、ハウジング5と、第1のビス14aと、第1のケーブル90aのシールド線93とが電気的に接続される。
【0024】
第2の収納部22bに収納された第2のケーブル90bの芯線91は、複数の撚り線がからみつくように第2の接続ピン15bと接触している。また、第2の接続ピン15bと第2の電極3とが電気的に接続されている。このため、第2の電極3と、第2の接続ピン15bと、第2のケーブル90bの芯線91とが電気的に接続される。
【0025】
また、ハウジング5に締められた第2のビス14bの先端は、第2のケーブル90bの保護皮膜94を貫通して、円形の破線で囲んだ領域B2にてシールド線93と接触している。ただし、図5において領域B2は、説明のため、大きめに記載されている。上述したように、第3の電極4とハウジング5とが電気的に接続されている。このため、第3の電極4と、ハウジング5と、第2のビス14bと、第2のケーブル90bのシールド線93が電気的に接続される。
【0026】
プラグ1は、プラグ1の外部に露出した第1の絶縁部7及び第2の絶縁部8に加えて、プラグ1の外部に露出しない複数の絶縁部材31~33を有する。第1の絶縁部7は、円筒状であり、第1の電極2のチップ61及び接続部62、並びに第2の電極3のリング63及び接続部64に接触するように設けられ、第1の電極2と第2の電極3とを電気的に絶縁している。第2の絶縁部8は、円筒状であり、第2の電極3のリング63及び接続部64、並びに第3の電極4に接触するように設けられ、第2の電極3と第3の電極4とを電気的に絶縁している。
【0027】
絶縁部材31は、円筒状であり、第1の電極2の接続部62、及び第2の電極3の接続部64に接触するように設けられ、これらを電気的に絶縁している。絶縁部材32は、円筒状であり、第2の電極3の接続部64、及び第3の電極4に接触するように設けられ、これらを電気的に絶縁している。絶縁部材33は、円板状であり、第1の電極2、第1の取付部21a、第1の接続ピン15a、及び第2の接続ピン15bと接触するように設けられ、第1の電極2、第1の取付部21a、及び第1の接続ピン15aと、第2の接続ピン15bとを電気的に絶縁している。
【0028】
ここで、プラグ1に第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを装着する方法について説明する。先ず、ユーザは、第1のケーブル90aを、ハウジング5の後面に形成された第1の挿入口13aから前方に向かって挿入する。第1のケーブル90aの先端は、第1の収納部22aを通って絶縁部材33に接触して止まる。その際、芯線91が第1の接続ピン15aにまとわりつくように接触する。これにより、第1のケーブル90aの芯線91が第1の接続ピン15aと電気的に接続されることで、第1のケーブル90aの芯線91と第1の電極2とが電気的に接続される。
【0029】
その後、ユーザは、第1のビス穴12aに第1のビス14aを装着し、第1のビス14aをドライバで回転させて、第1のビス14aを第1のビス穴12aに留める。その際、ユーザは、第1のビス14aが第1のケーブル90aの保護皮膜94を貫通してシールド線93に到達するまで第1のビス14aを押し込む。これにより、第1のケーブル90aのシールド線93とハウジング5とが第1のビス14aを介して電気的に接続され、第1のケーブル90aのシールド線93と第3の電極4とが電気的に接続される。
【0030】
同様に、ユーザは、第2のケーブル90bを、ハウジング5の後面に形成された第2の挿入口13bから前方に向かって挿入する。第2のケーブル90bの先端は、第2の収納部22bを通って絶縁部材33に接触して止まる。その際、芯線91が第2の接続ピン15bにまとわりつくように接触する。これにより、第2のケーブル90bの芯線91が第2の接続ピン15bと電気的に接続されることで、第2のケーブル90bの芯線91と第2の電極3とが電気的に接続される。
【0031】
その後、ユーザは、第2のビス穴12bに第2のビス14bを装着し、第2のビス14bをドライバで回転させて、第2のビス14bを第2のビス穴12bに留める。その際、ユーザは、第2のビス14bが第2のケーブル90bの保護皮膜94を貫通してシールド線93に到達するまで第2のビス14bを押し込む。これにより、第2のケーブル90bのシールド線93とハウジング5とが第2のビス14bを介して電気的に接続され、第2のケーブル90bのシールド線93と第3の電極4とが電気的に接続される。
【0032】
図6は、実施の形態1に係るプラグ1の後面図である。図6には、プラグ1の中心軸A1がプラグ1の後面を通る点をC1で示している。第1の収納部22aの第1の挿入口13aの中心I1と、第2の収納部22bの第2の挿入口13bの中心J1とは、C1を中心とした円の円周上に位置している。したがって、C1を通る中心軸A1を軸としてプラグ1を回転させることで、回転前における第1の収納部22aの位置に、第2の収納部22bを移動させることができる。したがって、第1の収納部22a及び第2の収納部22b、又はこれらの内部に配置された部品等に対する作業性が向上している。
【0033】
図7及び8を用いて、第1の取付部21a、及び第2の取付部21bの構造、並びに第1の接続ピン15a及び第2の接続ピン15bの固定方法等についての詳細を説明する。図7は、実施の形態1に係るハウジング5を除いた状態のプラグ1の後端部を示す斜視図である。図8は、実施の形態1に係るハウジング5を除いた状態のプラグ1の後端部を示す分解斜視図である。図8は、図7に示した各部を分解した様子を示す図面である。ただし、図8では、第3の電極4、絶縁部材32についての図示は省略している。図7及び図8に示すように、第1の接続ピン15aは、棒状の棒部41a、棒部41aの先端に設けられた凸状のピン部42a、棒部41aの基端に設けられ、棒部41aよりも径の大きい嵌合部43aを有している。第2の接続ピン15bは、棒状の棒部41b、棒部41bの先端に設けられた凸状のピン部42b、棒部41bの基端に設けられ、棒部41bよりも径の大きい嵌合部43bを有している。
【0034】
第2の電極3の接続部64は、円筒部65、及び円筒部65の後部に接続された拡径部66を有する。円筒部65は、円筒形状の概形をなしている。拡径部66は、円板状の概形をなし、円筒部65より径が大きい。拡径部66には、第2の接続ピン15bの嵌合部43bが嵌入される嵌合穴67bが形成されている。第2の電極3の接続部64の中心には、円筒部65及び拡径部66を前後方向に貫通する貫通穴51が形成されている。
【0035】
第1の取付部21aは、台座部23a、及び台座部23aの前部に接続された軸部24aを有する。台座部23aは、円板状の概形をなしている。台座部23aの後面の外形は、円を1つの直線によって分断した場合の一部に相当する形状である。台座部23aの側面は、前後方向に平行である。台座部23aには、第1の接続ピン15aの嵌合部43aが嵌入される嵌合穴25aが形成されている。台座部23aの嵌合穴25aは、第2の電極3の拡径部66に形成された嵌合穴67bとプラグ1の中心軸A1を挟んでY軸方向において反対側に形成されている。軸部24aは、円筒形状の概形をなしている。軸部24aは、後述する第2の取付部21bの貫通穴53に挿入される。第1の取付部21aには、台座部23a及び軸部24aを前後方向に貫通して形成された貫通穴52が形成されている。
【0036】
第2の取付部21bは、挿通部23b、及び挿通部23bの前部に接続された軸部24bを有する。挿通部23bは、円板状の概形をなしている。挿通部23bの後部には、段差形状が形成されている。ここで、段差形状の低段に位置する面を低段面28bとし、第1の取付部21aの台座部23aにおいて、低段面28bと接触する面を接触面28aとすると、低段面28bと、接触面28aとの外形が一致する。上述したように、台座部23aの側面は、前後方向に平行であるため、挿通部23bの低段面28b、及び台座部23aの接触面28aも、台座部23aの後面と同じ外形をなしている。また、挿通部23bに形成された段差形状の段差の寸法(挿通部23bの後面と低段面28bとの距離)と、台座部23aの前後方向の寸法(厚さ)とは、略等しい。このため、図7に示すように、第1の取付部21aを第2の取付部21bに取り付けた状態において、第1の取付部21aの台座部23aの後面と第2の取付部21bの挿通部23bの後面とが段差のない1つの円形の面として形成される。また、挿通部23bの側面も、台座部23aの側面と同様に前後方向に平行である。このため、図7に示すように、第1の取付部21aを第2の取付部21bに取り付けた状態において、第1の取付部21aの台座部23aの側面と第2の取付部21bの挿通部23bの側面とが段差のない曲面として形成される。したがって、第1の取付部21aと第2の取付部21bとは、組み合わせることで、外形が欠けの無い円板形状に構成される。
【0037】
挿通部23bには、第2の接続ピン15bの軸部24bが挿通される挿通穴25bが形成されている。挿通部23bの挿通穴25bは、第1の取付部21aの台座部23aに形成された嵌合穴25aとプラグ1の中心軸A1を挟んで反対に形成されている。軸部24bは、円筒形状の概形をなしている。軸部24bは、第2の電極3の貫通穴51に挿入される。第2の取付部21bには、台座部23a及び軸部24bを貫通して形成された貫通穴53が形成されている。第1の電極2の接続部62は、貫通穴51、52及び53に挿通されて、第1の取付部21aと接触する。
【0038】
ここで、第1の接続ピン15a及び第2の接続ピン15bの固定する手順について説明する。まず、第2の電極3の接続部64の嵌合穴67bに第2の接続ピン15bの嵌合部43bを嵌入させる。これにより、第2の接続ピン15bが第2の電極3に固定される。次に、第2の取付部21bの軸部24bを第2の電極3の貫通穴51に挿入すると共に、第2の取付部21bの挿通部23bの挿通穴25bに第2の接続ピン15bのピン部42b及び棒部41bを挿通させる。これにより、第2の取付部21bが第2の電極3に対して固定される。続いて、第1の取付部21aの軸部24aを第2の取付部21bの貫通穴53に挿入する。これにより、第1の取付部21aが第2の取付部21bに対して固定される。最後に、第1の取付部21aの嵌合穴25aに第1の接続ピン15aの嵌合部43aを嵌入させる。これにより、第1の接続ピン15aが第1の取付部21aに固定される。ここで、上述したように、低段面28bと、接触面28aとは、外形が一致している。このため、第1の取付部21aが第2の取付部21bに対して取り付けられる向きが1つのみに決定されている。よって、第1の取付部21aに形成された嵌合穴25a、及び第2の取付部21bに形成された挿通穴25bを精確に位置決めすることができる。これにより、嵌合穴25aに嵌入される第1の接続ピン15a、及び挿通穴25bに挿通される第2の接続ピン15bを精確な位置に配置させることができる。
【0039】
以上のように、実施の形態1のプラグ1は、第1の電極2及び、第1のケーブル90aの芯線91と電気的に接続される第1の接続ピン15aと、第2の電極3、及び第2のケーブル90bの芯線91と電気的に接続される第2の接続ピン15bとを有する。実施の形態1のプラグ1によれば、はんだ付けを行わずに3つの電極に対応する信号を送信する第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを接続することができる。
【0040】
また、実施の形態1によれば、ケーブル90として、従来から2極プラグでも用いられる2極の同軸ケーブルを接続している。このため、2極プラグと、実施の形態1の3極のプラグ1とで、同じ種類のケーブルを流用させることができるため、利便性がよい。
【0041】
(変形例1)
図9は、実施の形態1の変形例1に係るプラグ1Aを示す平面図である。図9に示すように、プラグ1AはL字型プラグであって、ハウジング5Aは、側方に曲がる曲型の形状である。また、図9では、ハウジング5Aの内部において、第1の収納部22a及び第2の収納部22bが形成されている領域を破線で示している。第1の挿入口13a及び第2の挿入口13bは、ハウジング5Aの後面ではなく、ハウジング5Aの右側面(本発明の端面の一例)に形成されている。L字型のプラグ1Aにおいても、第1の接続ピン15a及び第2の接続ピン15bを有する構成とすることで、3つの電極に対応する信号を送信する第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを、はんだ付けをせずに接続することができる。
【0042】
(変形例2)
図10は、実施の形態1の変形例2に係るプラグ1Bを示す平面図である。図10では、実施の形態1のプラグ1と対応する構成に添え字「B」を付して示している。図10に示すように、プラグ1Bは、第1の電極2B、第2の電極3B、第3の電極4B、第1の電極2Bと第2の電極3Bとの間に設けられた第1の絶縁部7B、及び第2の電極3Bと第3の電極4Bとの間に設けられた第2の絶縁部8B、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bが収納されるハウジング5Bを有する。実施の形態1の変形例2のプラグ1Bは、第2の電極3Bの直径が3.5mmのフォーンプラグ(所謂、ミニプラグ)である。プラグ1Bのハウジング5Bには、第1の覗き穴11aB及び第2の覗き穴11bB、第1のビス穴12aB及び第2のビス穴12bB、並びに第1の収納部22aB及び第2の収納部22bBが形成されている。図10では、ハウジング5Bの内部において、第1の収納部22aB及び第2の収納部22bBが形成されている領域を破線で示している。また、プラグ1Bは、第1のビス14aB及び第2のビス14bB、並びに第1の接続ピン15aB及び第2の接続ピン15bBを有している。実施の形態1の変形例2のプラグ1Bにおいても、第1の接続ピン15aB及び第2の接続ピン15bBを有する構成とすることで、3つの電極に対応する信号を送信する第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを、はんだ付けをせずに接続することができる。
【0043】
(変形例3)
図11は、実施の形態1の変形例3に係るプラグ1Cを示す平面図である。図12は、実施の形態1の変形例3に係るプラグ1Cを示す平面図である。図12は、図11のプラグを反対側から見た図である。図13は、実施の形態1の変形例3に係るプラグ1Cを示す斜視図である。図11図13に示すように、プラグ1Cは、第1の電極2C、第2の電極3C、第3の電極4C、第4の電極101C、第5の電極102C、第1の電極2Cと第2の電極3Cとの間に設けられた第1の絶縁部7C、第2の電極3Cと第4の電極101Cとの間に設けられた第2の絶縁部103C、第4の電極101Cと第5の電極102Cとの間に設けられた第3の絶縁部104C、第5の電極102Cと第3の電極4Cとの間に設けられた第4の絶縁部105C、並びに第1のケーブル90a、第2のケーブル90b、第3のケーブル及び第4のケーブル(図示せず)が収納されるハウジング5Cを有する。第1の電極2C、第2の電極3C、第4の電極101C、第5の電極102C、及び第3の電極4Cは、この順で前方から後方に向かって並んで配置されている。プラグ1Cは、実施の形態1で説明したプラグ1に、所謂リングとして機能する第4の電極101C及び第5の電極102Cを追加した構成の5極のプラグである。第3のケーブル及び第4のケーブルは何れも、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bと同様に芯線91及びシールド線93を有する構成である。第1のケーブル90a、第2のケーブル90b、第3のケーブル、及び第4のケーブルを区別しない場合も、ケーブル90と称する。
【0044】
第1の電極2C、第2の電極3C、第3の電極4C、第4の電極101C、第5の電極102C、ハウジング5Cの材料は、導電性のある金属である。第1の絶縁部7C、第2の絶縁部103C、第3の絶縁部104C、及び第4の絶縁部105Cの材料は、例えば、樹脂である。実施の形態1の変形例3のプラグ1Cは、第2の電極3Cの直径が4.4mmの5極のフォーンプラグである。プラグ1Cは、例えばヘッドホンケーブルに取り付けられる。また、実施の形態1の変形例3のプラグ1Cは、はんだ付けをせずに電極とケーブル90とを電気的に接続することができるソルダーレスプラグである。
【0045】
プラグ1Cのハウジング5Cには、第1の覗き穴11aC、第2の覗き穴11bC、第3の覗き穴11cC、及び第4の覗き穴11dCが形成されている。また、プラグ1Cのハウジング5Cには、第1のビス穴12aC、第2のビス穴12bC、第3のビス穴12cC、及び第4のビス穴12dCが形成されている。また、プラグ1Cのハウジング5Cには、第1の収納部22aC、第2の収納部22bC、第3の収納部22cC、及び第4の収納部22dCが形成されている。図11及び図12では、ハウジング5Cの内部において、第1の収納部22aC、第2の収納部22bC、第3の収納部22cC、及び第4の収納部22dCが形成されている領域を破線で示している。更に、プラグ1Cは、第1のビス14aC、第2のビス14bC、第3のビス14cC、及び第4のビス14dCを有している。また、プラグ1Cは、第1の接続ピン15aC、第2の接続ピン15bC、第3の接続ピン15cC、及び第4の接続ピン15dCを有している。
【0046】
第1の覗き穴11aCは、ハウジング5Cの上面に形成された長円形状の開口である。第1の覗き穴11aCは、第1のケーブル90aを第1の接続ピン15aCに接触させる際にハウジング5C内部の様子を見るために用いられる。第2の覗き穴11bCは、ハウジング5Cの上面に形成された長円形状の開口である。第2の覗き穴11bCは、第2のケーブル90bを第2の接続ピン15bCに接触させる際にハウジング5C内部の様子を見るために用いられる。第3の覗き穴11cCは、ハウジング5Cの上面に形成された長円形状の開口である。第3の覗き穴11cCは、第3のケーブルを第3の接続ピン15cCに接触させる際にハウジング5C内部の様子を見るために用いられる。第4の覗き穴11dCは、ハウジング5Cの上面に形成された長円形状の開口である。第4の覗き穴11dCは、第4のケーブルを第4の接続ピン15dCに接触させる際にハウジング5C内部の様子を見るために用いられる。第1の覗き穴11aCと第2の覗き穴11bCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで形成されている。第3の覗き穴11cCと第4の覗き穴11dCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで形成されている。第1の覗き穴11aC及び第2の覗き穴11bCと、第3の覗き穴11cC及び第4の覗き穴11dCとは、ハウジング5Cの上下方向に対向して形成されている。
【0047】
第1のビス穴12aCは、第1のビス14aCを締めるための穴である。第1のビス穴12aCは、第1の覗き穴11aCより後方に形成されている。第2のビス穴12bCは、第2のビス14bCを締めるための穴である。第2のビス穴12bCは、第2の覗き穴11bCより後方に形成されている。第3のビス穴12cCは、第3のビス14cCを締めるための穴である。第3のビス穴12cCは、第3の覗き穴11cCより後方に形成されている。第4のビス穴12dCは、第4のビス14dCを締めるための穴である。第4のビス穴12dCは、第4の覗き穴11dCより後方に形成されている。第1のビス穴12aCと第2のビス穴12bCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで形成されている。第3のビス穴12cCと第4のビス穴12dCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで形成されている。第1のビス穴12aC及び第2のビス穴12bCと、第3のビス穴12cC及び第4のビス穴12dCとは、ハウジング5Cの上下方向に対向して形成されている。
【0048】
第1の収納部22aCは、ハウジング5Cの内部に形成され、第1のケーブル90aを収納する。第1のケーブル90aを第1の収納部22aCに挿入する際の入り口である第1の挿入口13aCがハウジング5Cの後面に形成されている。第1の挿入口13aCは、円形状である。第2の収納部22bCは、ハウジング5Cの内部に形成され、第2のケーブル90bを収納する。第2のケーブル90bを第2の収納部22bCに挿入する際の入り口である第2の挿入口13bCがハウジング5Cの後面に形成されている。第2の挿入口13bCは、円形状である。第3の収納部22cCは、ハウジング5Cの内部に形成され、第3のケーブルを収納する。第3のケーブルを第3の収納部22cCに挿入する際の入り口である第3の挿入口13cCがハウジング5Cの後面に形成されている。第3の挿入口13cCは、円形状である。第4の収納部22dCは、ハウジング5Cの内部に形成され、第4のケーブルを収納する。第4のケーブルを第4の収納部22dCに挿入する際の入り口である第4の挿入口13dCがハウジング5Cの後面に形成されている。第4の挿入口13dCは、円形状である。第1の収納部22aCと第2の収納部22bCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで設けられている。第1の収納部22aCと、第2の収納部22bCと、第3の収納部22cCと、第4の収納部22dCとは、互いに区画されている。第3の収納部22cCと第4の収納部22dCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで設けられている。第1の収納部22aC及び第2の収納部22bCと、第3の収納部22cC及び第4の収納部22dCとは、ハウジング5Cの上下方向に対向して設けられている。
【0049】
第1のビス14aCは、第1のビス穴12aCに締められることで、ハウジング5Cに収納された第1のケーブル90aを固定する。第1のビス14aCは、導電性のある金属からなる。第2のビス14bCは、第2のビス穴12bCに締められることで、ハウジング5Cに収納された第2のケーブル90bを固定する。第2のビス14bCは、導電性のある金属からなる。第3のビス14cCは、第3のビス穴12cCに締められることで、ハウジング5Cに収納された第3のケーブルを固定する。第3のビス14cCは、導電性のある金属からなる。第4のビス14dCは、第4のビス穴12dCに締められることで、ハウジング5Cに収納された第4のケーブルを固定する。第4のビス14dCは、導電性のある金属からなる。
【0050】
第1の接続ピン15aCは、第1の収納部22aCに設けられ、第1のケーブル90aがハウジング5Cに収納された際に、第1のケーブル90aの芯線91と接触する。第1の接続ピン15aCは、導電性のある金属からなる。第2の接続ピン15bCは、第2の収納部22bCに設けられ、第2のケーブル90bがハウジング5Cに収納された際に、第2のケーブル90bの芯線91と接触する。第2の接続ピン15bCは、導電性のある金属からなる。第3の接続ピン15cCは、第3の収納部22cCに設けられ、第3のケーブルがハウジング5Cに収納された際に、第3のケーブルの芯線91と接触する。第3の接続ピン15cCは、導電性のある金属からなる。第4の接続ピン15dCは、第4の収納部22dCに設けられ、第4のケーブルがハウジング5Cに収納された際に、第4のケーブルの芯線91と接触する。第4の接続ピン15dCは、導電性のある金属からなる。第1の接続ピン15aCと第2の接続ピン15bCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで配置されている。第3の接続ピン15cCと第4の接続ピン15dCとは、ハウジング5Cの左右方向に並んで配置されている。第1の接続ピン15aC及び第2の接続ピン15bCと、第3の接続ピン15cC及び第4の接続ピン15dCとは、ハウジング5Cの上下方向に対向して配置されている。
【0051】
実施の形態1の変形例3のプラグ1Cの内部構造の図示については省略するが、プラグ1Cにおいても、実施の形態1と同様にして、第1の電極2C、第2の電極3C、第4の電極101C、及び第5の電極102Cと各ケーブル90の芯線91とが接続される。また、第3の電極4Cと、各ケーブル90のシールド線93とが接続される。
【0052】
具体的に、第1の収納部22aCに収納された第1のケーブル90aの芯線91は、複数の撚り線がからみつくように第1の接続ピン15aCと接触している。また、第1の接続ピン15aCと第1の電極2Cとが電気的に接続されている。このため、第1の電極2Cと、第1の接続ピン15aCと、第1のケーブル90aの芯線91とが電気的に接続される。
【0053】
また、ハウジング5Cに締められた第1のビス14aCの先端は、第1のケーブル90aの保護皮膜94を貫通してシールド線93と接触している。また、第3の電極4Cとハウジング5Cとが電気的に接続されている。このため、第3の電極4Cと、ハウジング5Cと、第1のビス14aCと、第1のケーブル90aのシールド線93とが電気的に接続される。
【0054】
第2の収納部22bCに収納された第2のケーブル90bの芯線91は、複数の撚り線がからみつくように第2の接続ピン15bCと接触している。また、第2の接続ピン15bCと第2の電極3Cとが電気的に接続されている。このため、第2の電極3Cと、第2の接続ピン15bCと、第2のケーブル90bの芯線91とが電気的に接続される。
【0055】
また、ハウジング5Cに締められた第2のビス14bCの先端は、第2のケーブル90bの保護皮膜94を貫通してシールド線93と接触している。また、第3の電極4Cとハウジング5Cとが電気的に接続されている。このため、第3の電極4Cと、ハウジング5Cと、第2のビス14bCと、第2のケーブル90bのシールド線93が電気的に接続される。
【0056】
第3の収納部22cCに収納された第3のケーブルの芯線91は、複数の撚り線がからみつくように第3の接続ピン15cCと接触している。また、第3の接続ピン15cCと第4の電極101Cとが電気的に接続されている。このため、第4の電極101Cと、第3の接続ピン15cCと、第3のケーブルの芯線91とが電気的に接続される。
【0057】
また、ハウジング5Cに締められた第3のビス14cCの先端は、第3のケーブルの保護皮膜94を貫通してシールド線93と接触している。また、第3の電極4Cとハウジング5Cとが電気的に接続されている。このため、第3の電極4Cと、ハウジング5Cと、第3のビス14cCと、第3のケーブルのシールド線93とが電気的に接続される。
【0058】
第4の収納部22dCに収納された第4のケーブルの芯線91は、複数の撚り線がからみつくように第4の接続ピン15dCと接触している。また、第4の接続ピン15dCと第5の電極102Cとが電気的に接続されている。このため、第5の電極102Cと、第4の接続ピン15dCと、第4のケーブルの芯線91とが電気的に接続される。
【0059】
また、ハウジング5Cに締められた第4のビス14dCの先端は、第4のケーブルの保護皮膜94を貫通してシールド線93と接触している。また、第3の電極4Cとハウジング5Cとが電気的に接続されている。このため、第3の電極4Cと、ハウジング5Cと、第4のビス14dCと、第4のケーブルのシールド線93が電気的に接続される。
【0060】
実施の形態1の変形例3のプラグ1Cによれば、第1の接続ピン15aC、第2の接続ピン15bC、第3の接続ピン15cC、及び第4の接続ピン15dCを有する構成とすることで、5つの電極に対応する信号を送信する第1のケーブル90a、第2のケーブル90b、第3のケーブル、及び第4のケーブルを、はんだ付けをせずに接続することができる。
【0061】
実施の形態2.
実施の形態2においては、接続装置の1種であるプラグ1Dの構成を説明する。プラグ1Dは、XLRジャックと、ケーブル90とを接続するためのXLRプラグである。以下では、実施の形態1と共通する部分についての説明は適宜省略し、相違点を中心に説明する。
【0062】
図14は、実施の形態2に係るプラグ1Dを示す斜視図である。図15は、実施の形態2に係るプラグ1Dを示す斜視図である。実施の形態2のプラグ1Dにおいて、X軸矢印方向を前方とし、X軸矢印方向の反対方向を後方とする。また、Y軸矢印方向を右方とし、Y軸矢印方向の反対方向を左方とする。そして、Z軸矢印方向を上方とし、Z軸矢印方向の反対方向を下方とする。図14及び図15に示すように、プラグ1Dは、第1の電極2D、第2の電極3D、第3の電極4D、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bが収納されるハウジング5D、並びに第1の電極2D、第2の電極3D、及び第3の電極4Dが収納されるフレーム6Dを有する。ただし、実施の形態2の各図においては、ケーブルの図示は省略している。実施の形態2のプラグ1Dは、はんだ付けをせずに電極とケーブル90とを電気的に接続することができるソルダーレスプラグである。
【0063】
第1の電極2D、第2の電極3D、第3の電極4D、ハウジング5D及びフレーム6Dの材料は、導電性のある金属である。例えば、第1の電極2Dは、正相の信号を送信するためのピン(ホット用の2番ピン)である。第2の電極3Dは、逆相の信号を送信するためのピン(コールド用の3番ピン)である。第3の電極4Dは、基準電圧を示す信号を送信するためのピン(グランド用の1番ピン)である。
【0064】
プラグ1Dのハウジング5Dには、第1のビス穴12aD及び第2のビス穴12bD、並びに第1の収納部22aD及び第2の収納部22bDが形成されている。また、プラグ1Dは、第1のビス14aD及び第2のビス14bDを有している。
【0065】
第1のビス穴12aDは、第1のビス14aDを締めるための穴である。第1のビス穴12aDは、ハウジング5Dの下面に形成されている。第2のビス穴12bDは、第2のビス14bDを締めるための穴である。第2のビス穴12bDは、第1のビス穴12aDが形成された下面と異なる左面に形成されている。
【0066】
第1の収納部22aDは、ハウジング5Dの内部に形成され、第1のケーブル90aが収納される。第1のケーブル90aを第1の収納部22aDに挿入する際の入り口である第1の挿入口13aDがハウジング5Dの後面に形成されている。第1の挿入口13aDは、円形状である。第2の収納部22bDは、ハウジング5Dの内部に形成され、第2のケーブル90bが収納される。第2のケーブル90bを第2の収納部22bDに挿入する際の入り口である第2の挿入口13bDがハウジング5Dの後面に形成されている。第2の挿入口13bDは、円形状である。
【0067】
第1のビス14aDは、第1のビス穴12aDが締められることで、ハウジング5Dに収納された第1のケーブル90aを固定する。第1のビス14aDは、導電性のある金属からなる。第2のビス14bDは、第2のビス穴12bDが締められることで、ハウジング5Dに収納された第2のケーブル90bを固定する。第2のビス14bDは、導電性のある金属からなる。
【0068】
図16は、実施の形態2に係るプラグ1Dの後面図である。ただし、図16では、第1のビス14aD及び第2のビス14bDの図示を省略している。図16に示すように、プラグ1Dは、第1の接続ピン15aD及び第2の接続ピン15bDを有している。第1の接続ピン15aDは、第1の収納部22aDの前側に配置されている。第1の接続ピン15aDは、第1のケーブル90aがハウジング5Dに収納された際に、第1のケーブル90aの芯線91と接触する。第1の接続ピン15aDは、導電性のある金属からなる。第2の接続ピン15bDは、第2の収納部22bDの前側に配置されている。第2の接続ピン15bDは、第2のケーブル90bがハウジング5Dに収納された際に、第2のケーブル90bの芯線91と接触する。第2の接続ピン15bDは、導電性のある金属からなる。
【0069】
図17は、実施の形態2に係るプラグ1Dを示す断面模式図である。図17は、プラグ1Dにおける第1の電極2D及び第3の電極4Dが含まれる位置でのXY平面を示している。また、破線A2は、プラグ1Dの中心軸を示している。図17に示すように、プラグ1Dは、導通ピン71を有している。導通ピン71は、プラグ1Dの中心軸A2から外れた位置に設けられている。導通ピン71は、導電性のある金属からなり、ハウジング5Dと第3の電極4Dとを電気的に接続する。また、第1の接続ピン15aDは、プラグ1Dの中心軸A2から外れた位置に設けられている。第1の接続ピン15aDは、第1の電極2Dと電気的に接続している。更に図示は省略するが、第2の接続ピン15bDも、プラグ1Dの中心軸A2から外れた位置に設けられ、第1の接続ピン15aDと同様に、第2の電極3Dと電気的に接続している。
【0070】
ケーブルの図示は省略するが、第1の収納部22aDに収納された第1のケーブル90aは、複数の撚り線がからみつくように第1の接続ピン15aDと接触している。上述のように、第1の接続ピン15aDと第1の電極2Dとが電気的に接続されている。このため、第1の電極2Dと、第1の接続ピン15aDと、第1のケーブル90aの芯線91とが電気的に接続される。また、ハウジング5Dに締められた第1のビス14aDの先端は、第1のケーブル90aの保護皮膜94を貫通して、シールド線93と接触している。上述したように、導通ピン71によって第3の電極4Dとハウジング5Dとが電気的に接続されている。このため、第3の電極4Dと、導通ピン71と、ハウジング5Dと、第1のビス14aDと、第1のケーブル90aのシールド線93が電気的に接続される。
【0071】
図示は省略するが、第2のケーブル90bについても第1のケーブル90aと同様にして、第2の電極3D及び第3の電極4Dと電気的に接続される。つまり、第1の電極2Dと、第2の接続ピン15bDと、第2のケーブル90bの芯線91とが電気的に接続される。また、第3の電極4Dと、導通ピン71と、ハウジング5Dと、第2のビス14bDと、第2のケーブル90bのシールド線93が電気的に接続される。
【0072】
プラグ1Dは、例えば、樹脂等からなる絶縁部材34及び35を有する。絶縁部材34は、第1の電極2D、第2の電極3D、及び第3の電極4Dに接触するように設けられ、これらを電気的に絶縁している。絶縁部材35は、第1の接続ピン15aD、第2の接続ピン15bD、及び導通ピン71に接触するように設けられ、これらを電気的に絶縁している。
【0073】
図18は、実施の形態2に係るビスを除いた状態のプラグ1Dの後面図である。図18には、プラグ1Dの中心軸A2がプラグ1Dの後面を通る点をC2で示している。第1の収納部22aDの第1の挿入口13aDの中心I2と、第2の収納部22bDの第2の挿入口13bDの中心J2とは、D2を中心とした円の円周上に位置している。したがって、D2を通る中心軸A2を軸としてプラグ1Dを回転させることで、回転前における第1の収納部22aDの位置に、第2の収納部22bDを移動させることができる。したがって、第1の収納部22aD及び第2の収納部22bD、又はこれらの内部に配置された部品等に対する作業性が向上している。
【0074】
以上のように、実施の形態2のプラグ1Dは、第1の電極2D、及び第1のケーブル90aの芯線91と電気的に接続される第1の接続ピン15aD、並びに第2の電極3D、及び第2のケーブル90bの芯線91と電気的に接続される第2の接続ピン15bDを有する。このため、XLRプラグにおいても、3つの電極に対応する信号を送信する第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを、はんだ付けをせずに接続することができる。
【0075】
実施の形態3.
実施の形態3においては、接続装置の1種であるジャック1Eの構成を説明する。ジャック1Eは、XLRプラグと、ケーブル90とを接続するためのXLRジャックである。以下では、実施の形態1と共通する部分についての説明は適宜省略し、相違点を中心に説明する。
【0076】
図19は、実施の形態3に係るジャック1Eを示す斜視図である。図20は、実施の形態3に係るジャック1Eを示す斜視図である。ジャック1Eにおいて、1Cにおいて、X軸矢印方向の反対方向を前方とし、X軸矢印方向を後方とする。また、Y軸矢印方向の反対方向を右方とし、Y軸矢印方向を左方とする。そして、Z軸矢印方向を上方とし、Z軸矢印方向の反対方向を下方とする。図19及び図20に示すように、ジャック1Eは、第1の電極2E、第2の電極3E、第3の電極4E、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bが収納されるハウジング5E、並びに第1の電極2E、第2の電極3E、及び第3の電極4Eが収納されたフレーム6Eを有する。ただし、実施の形態3の各図においては、ケーブルの図示は省略している。実施の形態3のジャック1Eは、はんだ付けをせずに電極とケーブル90とを電気的に接続することができるソルダーレスのジャックである。
【0077】
第1の電極2E、第2の電極3E、第3の電極4E、ハウジング5E及びフレーム6Eの材料は、導電性のある金属である。例えば、第1の電極2Eは、正相の信号を送信するためのピン(ホット用の2番ピン)が挿入される受容部である。第2の電極3Eは、逆相の信号を送信するためのピン(コールド用の3番ピン)が挿入される受容部である。第3の電極4Eは、基準電圧を示す信号を送信するためのピン(グランド用の1番ピン)が挿入される受容部である。
【0078】
ジャック1Eのハウジング5Eには、第1のビス穴12aE及び第2のビス穴(図示せず)、並びに第1の収納部22aE及び第2の収納部22bEが形成されている。また、ジャック1Eは、第1のビス14aE及び第2のビス14bEを有している。
【0079】
第1のビス穴12aEは、第1のビス14aEを締めるための穴である。第1のビス穴12aEは、ハウジング5Eの下面に形成されている。第2のビス穴は、第2のビス14bEを締めるための穴である。第2のビス穴は、第1のビス穴12aEが形成された下面と異なる右面に形成されている。
【0080】
第1の収納部22aEは、ハウジング5Eの内部に形成され、第1のケーブル90aが収納される。第1のケーブル90aを第1の収納部22aEに挿入する際の入り口である第1の挿入口13aEがハウジング5Eの後面に形成されている。第1の挿入口13aEは、円形状である。第2の収納部22bEは、ハウジング5Eの内部に形成され、第2のケーブル90bが収納される。第2のケーブル90bを第2の収納部22bEに挿入する際の入り口である第2の挿入口13bEがハウジング5Eの後面に形成されている。第2の挿入口13bEは円形状である。
【0081】
第1のビス14aEは、第1のビス穴12aEが締められることで、ハウジング5Eに収納された第1のケーブル90aを固定する。第1のビス14aEは、導電性のある金属からなる。第2のビス14bEは、第2のビス穴12bEが締められることで、ハウジング5Eに収納された第2のケーブル90bを固定する。第2のビス14bEは、導電性のある金属からなる。
【0082】
図21は、実施の形態3に係るジャック1Eの後面図である。ただし、図21では、第1のビス14aE及び第2のビス14bEの図示を省略している。図21に示すように、ジャック1Eは、第1の接続ピン15aE及び第2の接続ピン15bEを有している。第1の接続ピン15aEは、第1の収納部22aEの前側に配置されている。第1の接続ピン15aEは、第1のケーブル90aがハウジング5Eに収納された際に、第1のケーブル90aの芯線91と接触する。第1の接続ピン15aEは、導電性のある金属からなる。第2の接続ピン15bEは、第2の収納部22bEの前側に配置されている。第2の接続ピン15bEは、第2のケーブル90bがハウジング5Eに収納された際に、第2のケーブル90bの芯線91と接触する。第2の接続ピン15bEは、導電性のある金属からなる。
【0083】
図22は、実施の形態3に係るジャック1Eを示す断面模式図である。図22は、ジャック1Eにおける第1の電極2E及び第3の電極4Eが含まれる位置でのXY平面を示している。また、破線A3は、ジャック1Eの中心軸を示している。図22に示すように、ジャック1Eは、導通ピン72を有している。導通ピン72は、ジャック1Eの中心軸A3から外れた位置に設けられている。導通ピン72は、導電性のある金属からなり、ハウジング5Eと第3の電極4Eとを電気的に接続する。また、第1の接続ピン15aEは、ジャック1Eの中心軸A3から外れた位置に設けられている。第1の接続ピン15aEは、第1の電極2Eと電気的に接続している。更に図示は省略するが、第2の接続ピン15bEも、ジャック1Eの中心軸A3から外れた位置に設けられ、第1の接続ピン15aEと同様に、第2の電極3Eと電気的に接続している。
【0084】
ケーブルの図示は省略するが、第1の収納部22aEに収納された第1のケーブル90aは、複数の撚り線がからみつくように第1の接続ピン15aEと接触している。上述のように、第1の接続ピン15aEと第1の電極2Eとが電気的に接続されている。このため、第1の電極2Eと、第1の接続ピン15aEと、第1のケーブル90aの芯線91とが電気的に接続される。また、ハウジング5Eに締められた第1のビス14aEの先端は、第1のケーブル90aの保護皮膜94を貫通して、シールド線93と接触している。上述したように、導通ピン71によって第3の電極4Eとハウジング5Eとが電気的に接続されている。このため、第3の電極4Eと、導通ピン71と、ハウジング5Eと、第1のビス14aEと、第1のケーブル90aのシールド線93が電気的に接続される。
【0085】
図示は省略するが、第2のケーブル90bについても第1のケーブル90aと同様にして、第2の電極3E及び第3の電極4Eと電気的に接続される。つまり、第1の電極2Eと、第2の接続ピン15bEと、第2のケーブル90bの芯線91とが電気的に接続される。また、第3の電極4Eと、導通ピン72と、ハウジング5Eと、第2のビス14bEと、第2のケーブル90bのシールド線93が電気的に接続される。
【0086】
ジャック1Eは、例えば、樹脂等からなる絶縁部材36及び37を有する。絶縁部材36は、第1の電極2E、第2の電極3E、及び第3の電極4Eに接触するように設けられ、これらを電気的に絶縁している。絶縁部材37は、第1の接続ピン15aE、第2の接続ピン15bE、及び導通ピン72に接触するように設けられ、これらを電気的に絶縁している。
【0087】
図23は、実施の形態3に係るビスを除いた状態のジャック1Eの後面図である。図23には、ジャック1Eの中心軸A3がジャック1Eの後面を通る点をC3で示している。第1の収納部22aEの第1の挿入口13aEの中心I3と、第2の収納部22bEの第2の挿入口13bEの中心J3とは、C3を中心とした円の円周上に位置している。したがって、C3を通る中心軸A3を軸としてプラグ1を回転させることで、回転前の第1の収納部22aEの位置に第2の収納部22bEを移動させることができる。したがって、第1の収納部22aE及び第2の収納部22bE、又はこれらの内部に配置された部品等に対する作業性が向上している。
【0088】
また、実施の形態2で説明したように、XLRプラグについても、第1の収納部22aCの挿入口の中心I2と、第2の収納部22bCの挿入口の中心J2とは、C2を中心とした円の円周上に位置している。このため、実施の形態2のXLRプラグと、実施の形態3のXLRジャックとを、それぞれの電極が同じ方向に向くように配置した際、実施の形態2のハウジング5Cと実施の形態3のハウジング5Eとでは、向きのみが異なる。したがって、実施の形態2のハウジング5Cと実施の形態3のハウジング5Eとは、互いに流用することができるため、利便性がよい。
【0089】
以上のように、実施の形態3のジャック1Eは、第1の電極2E及び、第1のケーブル90aの芯線91と電気的に接続される第1の接続ピン15aEと、第2の電極3E、及び第2のケーブル90bの芯線91と電気的に接続される第2の接続ピン15bEとを有する。このため、XLRジャックにおいても、3つの電極に対応する信号を送信する第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bを、はんだ付けをせずに接続することができる。
【0090】
以上が本発明の実施の形態及び変形例の説明であるが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、実施の形態1又はその変形例の接続装置(フォーンプラグ)が3つ又は5つの電極を有する場合について説明したが、接続装置は、4つの電極を有するものであってもよい。また、実施の形態2及び3の接続装置(XLRプラグ及びXLRジャック)が3つの電極を有する場合について説明したが、接続装置は、4つ又は5つの電極を有するものであってもよい。何れの場合であっても、接続装置には、接続される2極のケーブルの本数と同じ数のケーブルを接続するための接続ピンを設ければよい。
【0091】
また、接続装置に接続されるケーブルは、第1の芯線及び第1のシールド線を有する第1のケーブルと、第2の芯線及び第2のシールド線を有する第2のケーブルとを一体として構成した同軸平行型ケーブルであってもよい。この場合、第1のシールド線と第2のシールド線は同じものであり、第1の挿入口及び第2の挿入口を一体的に形成するようにしてもよい。
【0092】
また、実施の形態では、ケーブル90を固定するための固定手段がビスである場合を例に説明した。しかしながら、固定手段は、他の形態であってもよい。例えば、固定手段は、ケーブル90をハウジングに押し付ける板バネ等であってもよい。この場合、ハウジングとの間で電気的に接続された導体に対して、ケーブル90のシールド線93を撚り集めて絡みつかせることで、第1の電極又は第2の電極と電気的に接続させるようにしてもよい。この導体は、上述の板バネであってもよいし、板バネ以外であってもよい。なお、第1のケーブル90a及び第2のケーブル90bの何れか一方のシールド線93がハウジングと電気的に接続されていれば、他方のケーブル90は、固定手段によって単にハウジングに固定されるだけであってもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 プラグ、1A プラグ、1B プラグ、1C プラグ、1D プラグ、1E ジャック、2 第1の電極、2C 第1の電極、2D 第1の電極、2E 第1の電極、3 第2の電極、3C 第2の電極、3D 第2の電極、3E 第2の電極、4 第3の電極、4C 第3の電極、4D 第3の電極、4E 第3の電極、5 ハウジング、5A ハウジング、5B ハウジング、5C ハウジング、5D ハウジング、5E ハウジング、6D フレーム、6E フレーム、7 第1の絶縁部、7C 第1の絶縁部、8 第2の絶縁部、11a 第1の覗き穴、11aB 第1の覗き穴、11aC 第1の覗き穴、11b 第2の覗き穴、11bB 第2の覗き穴、11bC 第2の覗き穴、11cC 第3の覗き穴、11dC 第4の覗き穴、12a 第1のビス穴、12aB 第1のビス穴、12aC 第1のビス穴、12aD 第1のビス穴、12aE 第1のビス穴、12b 第2のビス穴、12bB 第2のビス穴、12bC 第2のビス穴、12bD 第2のビス穴、12cC 第3のビス穴、12dC 第4のビス穴、13a 第1の挿入口、13aC 第1の挿入口、13aD 第1の挿入口、13aE 第1の挿入口、13b 第2の挿入口、13bC 第2の挿入口、13bD 第2の挿入口、13bE 第2の挿入口、13cC 第3の挿入口、13dC 第4の挿入口、14a 第1のビス、14aB 第1のビス、14aC 第1のビス、14aD 第1のビス、14aE 第1のビス、14b 第2のビス、14bB 第2のビス、14bD 第2のビス、14bC 第2のビス、14bE 第2のビス、14cC 第3のビス、14dC 第4のビス、15a 第1の接続ピン、15aB 第1の接続ピン、15aC 第1の接続ピン、15aD 第1の接続ピン、15aE 第1の接続ピン、15b 第2の接続ピン、15bB 第2の接続ピン、15bC 第2の接続ピン、15bD 第2の接続ピン、15bE 第2の接続ピン、15cC 第3の接続ピン、15dC 第4の接続ピン、21a 第1の取付部、21b 第2の取付部、22a 第1の収納部、22aB 第1の収納部、22aC 第1の収納部、22aD 第1の収納部、22aE 第1の収納部、22b 第2の収納部、22bB 第2の収納部、22bC 第2の収納部、22bD 第2の収納部、22bE 第2の収納部、22cC 第3の収納部、22dC 第4の収納部、23a 台座部、23b 挿通部、24a 軸部、24b 軸部、25a 嵌合穴、25b 挿通穴、28a 接触面、28b 低段面、31 絶縁部材、32 絶縁部材、33 絶縁部材、34 絶縁部材、35 絶縁部材、36 絶縁部材、37 絶縁部材、41a 棒部、41b 棒部、42a ピン部、42b ピン部、43a 嵌合部、43b 嵌合部、51 貫通穴、52 貫通穴、53 貫通穴、61 チップ、62 接続部、63 リング、64 接続部、65 円筒部、66 拡径部、67b 嵌合穴、71 導通ピン、72 導通ピン、80 キャップ、90 ケーブル、90a 第1のケーブル、90b 第2のケーブル、91 芯線、92 絶縁体、93 シールド線、94 保護皮膜、101C 第4の電極、102C 第5の電極、103C 第2の絶縁部、104C 第3の絶縁部、105C 第4の絶縁部。
【要約】
【課題】3つの電極を有する接続装置において、はんだ付けを行わずに3つの電極に対応する信号を送信するケーブルを接続する。
【解決手段】第1の芯線及び第1のシールド線を有する第1のケーブルと、第2の芯線及び第2のシールド線を有する第2のケーブルと、がはんだ付けを行わずに接続される接続装置であって、第1の電極、第2の電極、及び第3の電極と、第1の電極及び第1の芯線と電気的に接続される第1の接続ピンと、第2の電極及び第2の芯線と電気的に接続される第2の接続ピンと、第1のケーブル及び第2のケーブルを収納し、第3の電極、並びに第1のシールド線及び第2のシールド線の少なくとも何れか1つと電気的に接続されるハウジングと、を備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23