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  • 特許-施工協力会データ集計システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】施工協力会データ集計システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20250127BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024084547
(22)【出願日】2024-05-24
【審査請求日】2024-07-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519342965
【氏名又は名称】株式会社ホリケン
(72)【発明者】
【氏名】堀 峰也
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-277622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工協力会のパトロール集計データの登録を行うシステムサーバと、
元請会社担当者と施工店担当者がそれぞれ有する端末機器と、
を有してなり、
インターネット回線により前記システムサーバと前記端末機器が接続された施工協力会データ集計システムであって、
前記施工店担当者の前記端末機器は、
前記施工店の会社情報・担当者情報を登録する手段と、
施工現場に設置された工事看板を撮影するカメラ機能と工事看板等写真データ生成機能を備え、
前記工事看板等写真データと、
前記パトロール集計データを、前記システムサーバにアップロードするアップロード手段、
を備え、
前記システムサーバは、
前記アップロードされた前記工事看板等写真データより工事名称等の文字情報を生成し、データベースに格納する機能を備え、
工事名称等の前記文字情報と、
前記施工店の工事登録データの二重登録をチェックし、二重登録の可能性がある場合には警告を表示する機能と、
前記アップロードされた前記パトロール集計データにより、パトロール集計表を作成する手段と、
を備え、
前記元請会社担当者の前記端末機器は、
前記パトロール集計表を、前記システムサーバから受信する受信手段と、
前記パトロール集計表を、表示する表示手段と、
前記パトロール集計表を、修正する手段と、
を備える、
ことを特徴とする施工協力会データ集計システム。
【請求項2】
前記施工店担当者の前記端末機器は、
前記元請会社担当者が前記パトロール集計表を確認したことの証明としての所定の操作を受け付ける手段と、
前記パトロール集計表が完成したことを前記施工店の担当者の前記端末機器に表示する手段と、
を備える、
請求項1記載の施工協力会データ集計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施工協力会の施工会社データ登録および施工パトロール業務の報告データ集計システムに関する。
【背景技術】
【0002】
施工協力会とは、元請会社と施工店が協力して、安全で高品質な施工を行うために組織された団体である。
元請会社にとっては、施工協力会に参加している施工店は信頼できる施工業者として認識され、安定的に工事を発注することができる。また、施工協力会を通じて施工店との連携を強化し、工期の短縮やコスト削減を図ることや他の施工店と情報交換したり、技術研修を受けたりすることも可能となるため、施工協力会は建設業界にとって重要な組織である。
【0003】
施工協力会の業務として、建設現場に於ける参加施工店の業務内容等の現場をパトルールし調査することが義務付けられている。このパトロール業務は、施工現場の安全状況や品質状況を、施工協力会の会員企業が協力して確認する活動である。
パトロールの目的としては、施工現場の安全確保・施工品質の向上・施工協力会会員企業間の連携強化であり、パトロールの内容は、安全設備の設置状況・作業員の安全帯の着用状況・作業環境の衛生状態・施工方法の適正性・品質管理体制の状況である。
このパトロールの結果、問題点が発見された場合は、施工業者に対して改善指導を行い、パトロール結果を施工協力会の全体会議で報告し、今後の活動の改善点とする。
パトロール業務の担当者は、施工協力会の会員企業の安全衛生責任者や品質管理責任者などの経験豊富なパトロール指導員である。パトロールの実施頻度は、月に1回程度であるが、特に危険性の高い作業が行われている現場は、より頻繁にパトロールを行う。
施工協力会のパトロール業務は、施工現場の安全と品質を向上させるために非常に重要な役割を果たしている。
【0004】
施工協力会のパトロール業務は、元請会社と施工店が協力して安全対策に取り組むための有効な手段であり。多くのメリットがある。たとえば、施工現場の安全性の向上・施工品質の向上・施工協力会会員企業間の連携強化・ゼネコンからの信頼向上・施工店への指導・監督の強化・リスクマネジメントの強化等がある。
【0005】
しかし、近年、建設現場における重大事故が相次いで発生しており、安全対策の強化が業界全体で求められている。
その解決策として、施工協力会パトロール業務の強化や協力会参加会社のさらなる協力が求められているが、このパトロール業務には、パトロールに時間と労力がかかる、パトロールを実施する人材が必要、問題点が発見された場合、是正に時間とコストがかかる等の問題点もあり、この問題点の改善方法が求められている。
【0006】
このパトロール業務の結果は、施工店が元請会社に書面等で報告し、元請会社が帳票等にまとめ、パトロール集計表を作成している。
パトロール集計表の作成時には、集計ソフトにより集計データを作成する場合が多いが、施工店の会社名表記がまちまちであったり、担当者名が間違っていることや、正式な現場名が不明であったりする等のことがあり、重複するデータが存在することにより、確認・修正作業が発生するという問題がある。この問題を解決し、施工協力会の集計データを簡易に作成する合理的な方法は開発されていない。
【0007】
上記技術分野において、特許文献1には、建設工事に伴う提出書類の作成を支援するための書類作成支援プログラム、書類作成支援方法技術が開示されている。しかしながら、施工協力会のパトロール業務のデータ集計は含まれていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2003-082853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
施工協力会のパトロール業務のデータ集計は、詳細な情報が瑕疵なく記載されていなければならない。このパトロール業務のデータ収集および集計データ生成は、オンラインシステムにより、元請会社担当者と施工店担当者双方の時間短縮や内容理解度の向上を実現することが求められている。
【0010】
本発明の目的は、上述の課題を解決するWEBサーバー、クラウドサーバー、各種端末によって、施工協力会のパトロール業務のデータ集計の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
施工協力会データ集計に関する情報はWEBサーバー、クラウドサーバー、各種端末を統合システムによって運用する。
各種端末は携帯される情報端末であって、元請会社担当者と施工店担当者が操作する。施工協力会データ集計に関する情報はクラウドサーバーに保存し運用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、施工協力会のパトロール業務データ集計を、施工店担当者と元請会社担当者との間での入力を正確に短時間で実施することにより、効率的な施工協力会データ集計システムおよびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のネットワーク図
図2】施工店担当者のフローチャート
図3】元請会社担当者のフローチャート
図4】施工店アカウント登録の画面構成例
図5】施工店パトロールデータ入力の画面構成例
図6】施工店の協力会集計データの画面構成例
図7】元請会社の集計データ修正の画面構成例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る施工協力会データ集計システムについて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る施工協力会データ集計システムの全体構成図である。
図1に示すように、施工協力会データ集計システムは、例えば、元請会社担当者端末10、施工店担当者端末20、WEBサーバー30およびクラウドサーバーDB40を有する。
元請会社担当者端末10は、施工協力会の元請会社が利用する端末である。
施工店担当者端末20は、施工店が利用する端末である。
【0015】
元請会社担当者端末10および施工店担当者端末20は、スマートフォン等であってもよい。
WEBサーバーおよびクラウドサーバーDB40は、施工協力会データ集計システムの運営者が運用するサーバーによって実現される。
【0016】
WEBサーバー30は、元請会社担当者端末10および施工店担当者端末20からネットワークを介してアクセスされる。
【0017】
WEBサーバー30は、クラウドサーバーDB40にアクセスを行い、元請会社担当者端末10および施工店担当者端末20からの表示要求に応じた情報をクラウドサーバーDB40から取得する。
【0018】
クラウドサーバーDB40へのパトロール集計データの書き込みは、元請会社担当者および施工店担当者の双方が行う。
【0019】
本発明は、施工協力会のパトロールデータ集計のためにオンラインにてパトロールデータをパトロールチェックシートに入力することにより実施される。従来の紙によるパトロールデータ集計表は廃止され、正確で迅速な施工協力会データ集計が可能となる。
【0020】
パトロールチェックシートには、事業主パトロール実施日時・現場名称・支部名(エリア)・部会名・施工会社名・担当者氏名・当日の作業内容・現場所長名・所長の現場滞在の有無・自社作業員数・二次作業員数・三次作業員数・作業員の健康点検の実施の有無等を入力する。
【0021】
以下は一般化された用語例にもとづいて説明する。
端末は携帯端末であることが望ましく、スマートフォン・PC他任意である。端末は当該パトロール集計データ(以下各種データを含む。)を送受信する手段(機能)を備える。例として端末を操作する者(元請会社担当者と施工店担当者)の人的認証、パトロール集計表などの確認すべき事項を相互に送受信してチェックする。
【0022】
具体的な例として、施工店担当者のチェックに適用され、施工店の属性(会社名、担当者名、会社情報など)が認証される。パトロール集計データは元請会社担当者によってサーバー(以下クラウドなどを含む。)に送信され保存される。元請会社担当者によって生成されたID・PWは、それぞれが登録し、システムへのアクセスのログイン情報として使用する。
【0023】
パトロール集計データとして、工事名称が必要となるが、工事名称は工事初期には仮名称の場合や名称変更が多いため、パトロールチェックシートに工事名称を手入力する場合に入力間違いが多い。この問題を解決する方法として、工事看板をスマホ等で撮影し、工事看板写真データより人工知能(AI)の画像解析機能等により工事名称等の文字情報を生成し、データベースに格納する機能を備えることも出来る。
【0024】
パトロールチェックシートに入力された施工店会社情報や工事名称等文字情報と、施工店名等の登録データの二重登録をチェックし、二重登録の可能性がある場合には警告を表示する機能を備えることも出来る。
【0025】
WEBサーバー(クラウドを含む。)は、アップロードされたパトロール集計データにより、パトロール集計表を作成する。作成されたパトロール集計表は、任意の元請会社担当者へメール送信することも出来る。
【0026】
スマートフォン(携帯端末)等でパトロール集計データを随時確認する事が出来ることによりパトロール集計表の理解・確認に掛かる時間を短縮出来る。
【0027】
パトロールデータ集計表をスマートフォン等の入力機器で閲覧することによって、パトロール集計表のネットワーク上での入力、修正、またその確認が利用者間で可能になる。複合機器、コピー機、プリンター等印刷機器と当システムを連動することによって、アップロードされた書類(PDF等)を出力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
施工協力会データ集計システムにおいて、ネットワークを利用することによって、パトロール集計データへの自由なアクセスや時間の節約、集計情報の誤解によるトラブルの予防などの用途に適用できる。
また、本発明は、施工協力会のパトロールデータ集計のためのシステムではあるが、他の数十社、数百社が参加するプロジェクトの集計データ作成に応用利用することが出来る可能性がある。
【符号の説明】
【0029】
10 元請会社担当者端末
20 施工店担当者端末
30 WEBサーバー
40 クラウドサーバーDB

【要約】
【課題】
施工協力会のパトロール業務のデータ集計の技術を提供する。
【解決手段】
施工協力会のパトロール業務のデータ集計の情報を、WEBサーバー、クラウドサーバー、端末によってネットワークを構成し、パトロール業務のデータをオンラインにて管理するとともに、人工知能(AI)を活用した自動文字入力によりパトロールデータ集計表を作成する。元請会社、施工店の両方にデータの修正機能を搭載することにより、施工協力会のパトロールのデータ集計業務の効率化および迅速化を実現する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7