(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】有価金属含有廃棄物からの有価金属回収方法
(51)【国際特許分類】
C22B 1/00 20060101AFI20250127BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20250127BHJP
【FI】
C22B1/00 601
B09B5/00 M
(21)【出願番号】P 2021075267
(22)【出願日】2021-04-27
【審査請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 洸
(72)【発明者】
【氏名】武藤 恭宗
(72)【発明者】
【氏名】竹本 智典
(72)【発明者】
【氏名】吉川 知久
【審査官】瀧澤 佳世
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-163415(JP,A)
【文献】特開2019-177361(JP,A)
【文献】特開2016-089196(JP,A)
【文献】特開2018-034143(JP,A)
【文献】特開2005-193095(JP,A)
【文献】特開平05-269453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00
B09B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒度調整された有価金属含有廃棄物を渦電流選別して非磁性金属と非金属とに分離する渦電流選別工程を含む有価金属含有廃棄物からの有価金属回収方法であって、
前記渦電流選別前に、
前記有価金属含有廃棄物の粒度を、下記式(1)の関係が満たすように調整する粒度調整工程と、
M/m ≦ 4
(1)
〔式中、Mは、粒度調整された有価金属含有廃棄物の最大径を示し、mは、粒度調整された有価金属含有廃棄物の最小径を示す。〕
渦電流選別機のコンベヤベルトから前記廃棄物が落下する軌道を
撮像装置により撮影し、前記落下軌道の画像の中から前記コンベヤベルトに最も近い第1の落下軌道と、前記コンベヤベルトから最も遠い第2の落下軌道の2つの画像を選択し、両画像の落下軌道の水平方向における中点を通る仮想中間落下軌道と、仕切り板の軸を中心に回転させたときの軌道との交点を基準点とし、該基準点を通る前記仮想中間落下軌道に対する垂線上であって、前記基準点から前記第2の落下軌道方向にLmm(但し、Lは下記式(2)に示す関係を満たす。)離れた位置を前記仕切り板の上端部として前記仕切り板の設置位置を決定する軌道確認工程を行い、
r < L < 2r
(2)
〔式中、rは、粒度調整された有価金属含有廃棄物のD50を示す。〕
渦電流選別工程において、前記軌道確認工程に基づいて設置した仕切り板により非磁性金属と非金属とに分離し、有価金属である非磁性金属を回収する、
有価金属含有廃棄物からの有価金属回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価金属含有廃棄物からの有価金属回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ごみ焼却灰、廃プラスチック、シュレッダーダスト等の廃棄物をセメント原料として有効利用する試みがなされている。これら廃棄物には、金、銀、銅、アルミニウムといった有価金属が含まれているため、希少資源の確保の観点から、セメント原料化の前に有価金属を回収することが求められている。しかし、廃棄物の種類により形状や有価金属の含有割合がばらつき、また単体では処理実績があるものの、複数種の廃棄物が混合された混合廃棄物については処理実績がないものが存在するため、廃棄物ごとに試行錯誤により有価金属の回収に最適な選別条件を決定せざるを得ない。
【0003】
従来、処理実績のない廃棄物であっても試行錯誤を要することなく効率的に有価金属を回収可能な方法として、例えば、廃棄物の化学組成と物理的性状とを測定し、これら測定結果に基づいて加熱工程、粒子径調整工程、磁力選別工程、風力選別工程、渦電流選別工程、乾式比重選別工程及び水洗工程から1以上の工程を選択して処理する方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、渦電流選別により金属を選別する場合、廃棄物の形状や有価金属の含有割合に合わせて選別条件を設定する必要があり、とりわけ混合廃棄物においては形状や有価金属の含有割合の変動が大きいことから、選別条件を設定することが難しく、有価金属の回収効率が低下することがある。
本発明の課題は、廃棄物から効率よく有価金属を回収可能な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、廃棄物から渦電流選別により有価金属を回収する際に、渦電流選別前に、渦電流選別機のコンベヤベルトから廃棄物が落下する軌道を確認し、確認された落下軌道に基づいて仕切り板の設置位置を決定することで、廃棄物の形状や有価金属の含有割合によらず、廃棄物から効率よく有価金属を回収できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔4〕を提供するものである。
〔1〕粒度調整された有価金属含有廃棄物を渦電流選別して非磁性金属と非金属とに分離する渦電流選別工程を含む有価金属含有廃棄物からの有価金属回収方法であって、
前記渦電流選別前に、渦電流選別機のコンベヤベルトから前記廃棄物が落下する軌道を確認し、確認された落下軌道に基づいて仕切り板の設置位置を決定する軌道確認工程を行い、
渦電流選別工程において、前記軌道確認工程に基づいて設置した仕切り板により非磁性金属と非金属とに分離し、有価金属である非磁性金属を回収する、
有価金属含有廃棄物からの有価金属回収方法(以下、単に「有価金属回収方法」とも称する)。
〔2〕前記軌道確認工程において、前記廃棄物の落下軌道を撮像装置により撮影し、取得された落下軌道の画像を解析して前記仕切り板の設置位置を決定する、前記〔1〕に記載の有価金属回収方法。
〔3〕前記軌道確認工程において、前記落下軌道の画像の中から前記コンベヤベルトに最も近い第1の落下軌道と、前記コンベヤベルトから最も遠い第2の落下軌道の2つの画像を選択し、両画像の落下軌道の水平方向における中点を通る仮想中間落下軌道と、仕切り板の軸を中心に回転させたときの軌道との交点を基準点とし、該基準点を通る前記仮想中間落下軌道に対する垂線上であって、前記基準点から前記第2の落下軌道方向にLmm(但し、Lは下記式(2)に示す関係を満たす。)離れた位置を前記仕切り板の上端部として前記仕切り板の設置位置を決定する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の有価金属回収方法。
r < L < 2r (2)
〔式中、rは、粒度調整された有価金属含有廃棄物のD50を示す。〕
〔4〕前記有価金属含有廃棄物は、粒度が下記式(1)の関係が満たすように調整されたものである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の有価金属回収方法。
M/m ≦ 4 (1)
〔式中、Mは、粒度調整された有価金属含有廃棄物の最大径を示し、mは、粒度調整された有価金属含有廃棄物の最小径を示す。〕
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、廃棄物の形状や有価金属の含有割合によらず、廃棄物から有価金属を効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の有価金属回収方法の一例を示すフローチャートである。
【
図2】本発明の有価金属回収方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の有価金属回収方法の概要を示す模式図である。
【
図4】本発明の有価金属回収方法における軌道確認工程の一例を示す模式図である。
【
図5】本発明の有価金属回収方法における軌道確認工程の一例を示す模式図である。
【
図6】本発明の有価金属回収方法における軌道確認工程の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の有価金属回収方法について詳細に説明する。
本発明の有価金属回収方法は、有価金属含有廃棄物(以下、単に「廃棄物」とも称する。)を、渦電流選別工程を含む工程に供し、廃棄物から有価金属を回収するところ、渦電流選別前に軌道確認工程を行うことを特徴とする。本発明の有価金属回収方法の一例のフローチャートを
図1に示す。
【0011】
廃棄物としては、例えば、焼却灰、建設発生土、廃自動車や廃家電製品の破砕によって発生するシュレッダーダストを挙げることができる。焼却灰としては、例えば、都市ごみや産業廃棄物を焼却して得られる灰が挙げられ、具体的には、汚泥、廃プラスチック、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず、鉱さい、がれき等の産業廃棄物の他、シュレッダーダスト、一般廃棄物を焼却して得られる灰を使用することができる。建設発生土としては、例えば、建設工事や土木工事に伴い副次的に発生する土砂や汚泥を使用することができる。
本発明で使用する廃棄物は、廃棄物単体でも、複数種の廃棄物が混合された混合廃棄物でも構わない。
【0012】
〔粒度調整工程〕
本発明の有価金属回収方法は、
図1に示されるように、先ず粒度調整された有価金属含有廃棄物を得るために粒度調整工程を行う。
本発明においては、粒度調整工程に先立ち、乾燥工程において廃棄物の性状に合わせて含水率の調整を行ってもよい。乾燥工程における含水率の調整は、乾燥機での加熱や、生石灰等の含水率調整材の混合にて行うことができる。乾燥機は、市販の装置を使用することができる。なお、乾燥後の廃棄物の含水率は、ハンドリング性向上の観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
【0013】
粒度調整工程は、例えば、
図2に示されるように、廃棄物を磁力選別、篩分け及び破砕から選択される1以上の工程に供すればよい。なお、これら工程は、所望の粒度の廃棄物が得られるように、2回以上行っても構わない。
【0014】
磁力選別は、磁力選別機を用いることができる。これにより、廃棄物中の粗大な金属ガラを除去することができる。磁力選別機は、市販の装置を用いることが可能であり、ドラム式、プーリー式及び吊下げ式のいずれでもよく、特に限定されない。磁力選別機の表面磁束密度は、磁着物除去の観点から、700~10000ガウスが好ましく、1000~7500ガウスがより好ましく、1500~5000ガウスが更に好ましい。
【0015】
篩分けは、単独で行っても、破砕と組み合わせて行ってよい。篩分けは、例えば、振動式、面内運動式、回転式、固定式等の篩分け機を使用することが可能であり、所望の篩目を装着すればよい。
破砕は、破砕機を用いることができる。破砕機としては、例えば、ジョークラッシャー、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー、ロールクラッシャー、ロータリークラッシャーを挙げることができる。破砕機には、粒度調整を目的に所望の篩目のスクリーンを装着することが可能であり、スクリーンを装着しない場合には、固定歯、回転歯、内壁等を所望のクリアランスに調整してもよい。
【0016】
また、粒度調整工程では、廃棄物の粒度を、作業効率、高品位の有価金属回収の観点から、下記式(1)の関係を満たすように調整することが好ましい。
【0017】
M/m ≦ 4 (1)
【0018】
〔式中、Mは、粒度調整された有価金属含有廃棄物の最大径を示し、mは、粒度調整された有価金属含有廃棄物の最小径を示す。〕
【0019】
上記式(1)に係るM/mは、作業効率、高品位の有価金属回収の観点から、3.5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2.5以下が更に好ましい。
【0020】
廃棄物の最大径(M)は、通常100mm未満であるが、作業効率、高品位の有価金属回収の観点から、15mm未満が好ましく、10mm未満が更に好ましい。また、廃棄物の最小径(m)は、通常0.5mm以上であるが、作業効率、高品位の有価金属回収の観点から、1mm以上が好ましく、1.5mm以上が更に好ましい。
また、選別効率の向上の観点から、篩分けによって3以上の粒群に分離し、最小径の粒群以外の粒群について、粒群毎に後述する軌道確認工程に供し、渦電流選別を行ってもよい。
【0021】
〔軌道確認工程〕
本工程は、渦電流選別機のコンベヤベルトから粒度調整された廃棄物が落下する軌道を確認し、確認された落下軌道に基づいて仕切り板の設置位置を決定する工程である。
本発明の有価金属回収方法の概要を示す模式図を
図3に示す。なお、本明細書の図面においては、同一の要素には同一の符号を付し、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
本工程においては、
図3に示されるように、例えば、渦電流選別機のコンベヤベルト2aと同一仕様のコンベアベルト2bを用いて、ヘッドプーリ3に張設されたコンベアベルト2bから廃棄物1が落下する軌道を撮像装置4により撮影し、取得された落下軌道の画像を解析して非磁性金属を含む粒子の落下軌道を推測し、仕切り板5の設置位置を決定することができる。この場合において、渦電流選別では、渦電流による反発力により非磁性金属を含む粒子が、
図3に示されるように、仕切り板の奥側に選別されるため、仕切り板をコンベヤベルトから離れた位置に設置することが好ましい。撮像装置として、例えば、デジタルカメラを使用することができる。また、画像解析は、例えば、パーソナルコンピュータと画像処理用ソフトウェア等を用いればよい。なお、コンベアベルト2bに渦電流を発生させることは要しない。
【0022】
以下、
図4~6を参照しながら、仕切り板の設置位置の決定方法の一例を具体的に説明する。
コンベアベルトから廃棄物が落下するとき、廃棄物の速度、放射角度は、廃棄物の大きさや性状よって異なる。
図4(a)に示されるように、先ず、廃棄物1の落下軌道を撮像装置により撮影した画像の中から、コンベヤベルト2bに最も近い第1の落下軌道7と、コンベヤベルトから最も遠い第2の落下軌道8の2つの画像を選択する。次いで、
図4(b)に示されるように、第1の落下軌道7と、第2の落下軌道8の水平方向における中点をプロットする。なお、
図4(b)では、4つの中点、m1からm4が示されているが、落下軌道の形状に応じてn個(但し、nは整数である)プロットすることができる。次いで、
図5(a)に示されるように、n個の中点を結んで仮想中間落下軌道9を作成する。次いで、
図5(b)に示されるように、仕切り板5の軸5aを中心に回転させたときの軌道と、仮想中間落下軌道9との交点を基準点Pに設定する。次いで、
図6(a)に示されるように、基準点Pを通る仮想中間落下軌道に対する垂線vを引く。そして、
図6(b)に示されるように、垂線v上であって、基準点Pから第2の落下軌道方向にLmm(但し,Lは下記式(2)に示す関係を満たす。)離れた位置に仕切り板5の上端部が接するように仕切り板を設置する。
【0023】
r < L < 2r (2)
【0024】
〔式中、rは、粒度調整された有価金属含有廃棄物のD50を示す。〕
【0025】
ここで、本明細書において「粒度調整された有価金属含有廃棄物のD50」とは、粒度調整された有価金属含有廃棄物の最大径と最小径との中間径をいう。
【0026】
〔渦電流選別工程〕
本工程は、廃棄物を渦電流選別し、軌道確認工程に基づいて設置した仕切り板により非磁性金属と非金属とに分離し、有価金属である非磁性金属を回収する工程である。
渦電流選別においては、例えば、コンベヤベルトの先端側に設けられた回転磁石体の移動磁界の電磁誘導作用を受けて廃棄物に含まれる非磁性金属に渦電流が発生し、水平方向に反発力が働いてコンベヤベルトの先端から飛び跳ねるように仕切り板の奥側に落下し、金、銀、銅、アルミニウムといった有価金属が回収される。なお、非金属は、コンベヤベルトの先端からほぼ垂直に落下するため、仕切り板により有価金属と分離される。
渦電流選別機としては、公知の渦電流選別機を使用することが可能であり、特に限定されないが、例えば、回転磁石式、直行ベルトコンベヤ式、回転円筒式を挙げることができる。
回転磁石体の回転数は、高品位の有価金属回収の観点から、1500rpm以上が好ましく、3000rpm以上がより好ましく、4000rpm以上が更に好ましい。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0028】
1.使用原料
(1)種類 :焼却主灰
(2)前処理:焼却主灰を乾燥後、磁力選別機にて粗大な金属くずを除去した。次いで、磁力選別後の焼却主灰をインパクトクラッシャーにて20mm以下まで破砕し、篩分けを行い、D50が3mm、及び6mmとなるように粒度調整した後、3000Gの磁力選別機にて処理し、磁着物の除去を行った。
【0029】
2.軌道確認工程での使用機器
(1)デジタルカメラ(撮像装置)
(2)軌道確認用コンベア
渦電流選別機と同じ仕様のコンベアベルト(渦電流を発生させない)を用いた。
【0030】
3.渦電流選別工程での使用機器
渦電流選別機(磁石ドラム回転数を4000rpmに設定)
【0031】
4.Cu、Ag及びAlの分析
Cu、Ag及びAlの分析はマット融解による前処理を行った分析対象物を100μm以下に粉砕したものに対し、表1に示す方法で分析を行った。
【表1】
【0032】
実施例1
D50が3mmの焼却主灰を用い、
図4~6に示される手順で軌道確認工程を行い、仕切り板の設置位置をL=5mm(r<L<2rの範囲内)に設定し、渦電流選別を行った。選別された非磁性金属を回収し、有価金属として銅、銀、アルミニウムの分析を行った。その結果を表2に示す。
【0033】
実施例2
D50が6mmの焼却主灰を用い、
図4~6に示される手順で軌道確認工程を行い、仕切り板の設置位置をL=10mm(r<L<2rの範囲内)に設定し、渦電流選別を行った。選別された非磁性金属を回収し、有価金属として銅、銀、アルミニウムの分析を行った。その結果を表2に示す。
【0034】
比較例1
実施例2で使用した焼却主灰について、仕切り板の設置位置をL=5mmに設定して渦電流選別を行った。選別された非磁性金属を回収し、有価金属として銅、銀、アルミニウムの分析を行った。その結果を表2に示す。
【0035】
比較例2
実施例2で使用した焼却主灰について、仕切り板の設置位置をL=0mmに設定して渦電流選別を行った。選別された非磁性金属を回収し、有価金属として銅、銀、アルミニウムの分析を行った。その結果を表2に示す。
【0036】
比較例3
実施例2で使用した焼却主灰について、仕切り板の設置位置をL=30mmに設定して渦電流選別を行った。選別された非磁性金属を回収し、有価金属として銅、銀、アルミニウムの分析を行った。その結果を表2に示す。
【0037】
【0038】
表2から、渦電流選別工程前に、廃棄物が落下する軌道を推測し仕切り板の設置位置を決定する軌道確認工程を行うことで、有価金属含有廃棄物中の有価金属を高品位で効率よく回収できることがわかる。
【符号の説明】
【0039】
1 粒度調整された有価金属含有廃棄物
2a、2b コンベヤベルト
3 ヘッドプーリ
4 撮像装置
5 仕切り板
5a 仕切り板の軸
6 トレイ
7 第1の落下軌道
8 第2の落下軌道
9 仮想中間落下軌道
m1~m4 中点
P 基準点
v 基準点Pを通る仮想中間落下軌道に対する垂線