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特許7625525時間インタリーブ型アナログデジタル変換器内のチョッピングスイッチの不整合を較正するための回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】時間インタリーブ型アナログデジタル変換器内のチョッピングスイッチの不整合を較正するための回路
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/10 20060101AFI20250127BHJP
【FI】
H03M1/10 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021549362
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 US2020019209
(87)【国際公開番号】W WO2020172523
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】16/283,692
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バズ,ブルーノ・ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ファーリー,ブレンダン
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-520013(JP,A)
【文献】米国特許第10298248(US,B1)
【文献】BRUNO VAZ; ET AL,A 13BIT 5GS/S ADC WITH TIME-INTERLEAVED CHOPPING CALIBRATION IN 16NM FINFET,2018 IEEE SYMPOSIUM ON VLSI CIRCUITS,IEEE,2018年06月18日,PAGE(S):99-100,http://dx.doi.org/10.1109/VLSIC.2018.8502306
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M1/10-1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログデジタル変換を行うための装置であって、
複数のチャネルを備え、
各チャネルは、
アナログデジタル変換器(ADC)と、
差動入力信号を前記ADCに提供するように構成されたスイッチと、
前記ADCの出力に連結された較正装置と、
前記較正装置の出力に連結された乗算器と、
擬似乱数を前記スイッチ、前記較正装置および前記乗算器に提供するように構成された擬似乱数ビットシーケンス(PRBS)回路とを含み、
前記複数のチャネルの各チャネルに設けられた前記較正装置に連結された入力を含むゲイン較正回路と、
前記ゲイン較正回路に連結され、前記差動入力信号および前記擬似乱数に少なくとも部分的に基づいて出力信号を出力するように構成された時間スキュー較正回路とを備え、
前記較正装置は、第1のオフセット較正回路および第2のオフセット較正回路と選択ロジックとを備え、前記選択ロジックは、前記擬似乱数に基づいて前記第1のオフセット較正回路および第2のオフセット較正回路のうちの1つを選択するように構成される、装置。
【請求項2】
前記スイッチは、前記擬似乱数に基づいて、前記差動入力信号をスクランブルするように構成されたチョッピング回路を含み、
前記スイッチは、前記擬似乱数に基づいて、前記差動入力信号の正成分および負成分を前記ADCの反転入力および非反転入力に交互に結合するように構成され、または、
前記時間スキュー較正回路は、複数のチャネルの各チャネルに設けられた前記ゲイン較正回路および前記PRBS回路に連結されることのうち、少なくとも1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選択ロジックは
前記ADCの前記出力に連結された入力と、前記擬似乱数を受信するための制御端子と、複数の出力とを含むデマルチプレクサと、
複数の入力と、前記擬似乱数を受信するための制御端子と、前記乗算器に連結された出力とを含むマルチプレクサとを備え
前記較正装置は、前記デマルチプレクサの前記複数の出力と前記マルチプレクサの前記複数の入力との間に並列に連結された前記第1のオフセット較正回路および前記第2のオフセット較正回路とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記デマルチプレクサおよび前記マルチプレクサは、
前記擬似乱数の第1の値に基づいて、前記ADCから出力されたデジタル信号を、前記第1のオフセット較正回路を通るようにルーティングし、および、
前記擬似乱数の第2の値に基づいて、前記ADCから出力されたデジタル信号を、前記第2のオフセット較正回路を通るようにルーティングするように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記スイッチは、複数のストレートスイッチと複数のチョッピングスイッチとを含むチョッピング回路を備え、
前記第1のオフセット較正回路は、前記ストレートスイッチに関連するオフセットを除去し、前記ADCのオフセットを除去するように構成され、
前記第2のオフセット較正回路は、前記チョッピングスイッチに関連するオフセットを除去し、前記ADCのオフセットを除去するように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
制御回路をさらに備え、
前記制御回路は、前記時間スキュー較正回路によって生成された制御信号に基づいて、前記複数のチャネルに提供されるクロック信号を調整するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
集積回路であって、
差動入力信号を生成するように構成されたアナログ回路と、
複数のチャネルを含むアナログデジタル変換器(ADC)回路とを備え、
各チャネルは、
反転入力端子と、非反転入力端子と、1つ以上の出力とを含むADCと、
擬似乱数を生成するように構成された擬似乱数ビットシーケンス(PRBS)回路と、
前記擬似乱数に基づいて、前記差動入力信号の正成分および負成分を前記ADCの前記反転入力端子および前記非反転入力端子に交互に結合するように構成されたチョッピング回路と、
前記ADCの前記1つ以上の出力に連結され、前記擬似乱数に応答するように構成された較正装置と、
前記較正装置に連結され、前記擬似乱数に応答するように構成された乗算器とを含み、
前記較正装置は、第1のオフセット較正回路および第2のオフセット較正回路と選択ロジックとを備え、選択ロジックは、前記擬似乱数に基づいて前記第1のオフセット較正回路および第2のオフセット較正回路のうちの1つを選択するように構成される、集積回路。
【請求項8】
前記複数のチャネルの各チャネルに設けられた前記較正装置の出力に連結されたゲイン較正回路と、
前記ゲイン較正回路に連結され、前記差動入力信号を示すデジタル出力信号を出力するための出力を含む時間スキュー較正回路とをさらに備える、請求項7に記載の集積回路。
【請求項9】
前記時間スキュー較正回路は、前記複数のチャネルの各チャネルに設けられた前記PRBS回路に連結された入力をさらに含み、
前記集積回路は、前記時間スキュー較正回路によって生成された制御信号に基づいて、前記複数のチャネルに提供されるクロック信号を調整するように構成された制御回路をさらに備え、
または、
前記チョッピング回路は、前記擬似乱数に基づいて、前記差動入力信号をスクランブルするように構成される、請求項8に記載の集積回路。
【請求項10】
前記選択ロジックは
前記ADCの前記1つ以上の出力に連結された入力と、前記擬似乱数を受信するための制御端子と、第1の出力および第2の出力とを含むデマルチプレクサと、
第1の入力および第2の入力と、前記擬似乱数を受信するための制御端子と、前記乗算器に連結された出力とを含むマルチプレクサとを備え
前記較正装置は、前記デマルチプレクサの前記第1の出力と前記マルチプレクサの前記第1の入力との間に連結された前記第1のオフセット較正回路と、
前記デマルチプレクサの前記第2の出力と前記マルチプレクサの前記第2の入力との間に連結された前記第2のオフセット較正回路とを備え、
前記第1のオフセット較正回路および前記第2のオフセット較正回路は、並列に連結される、請求項8に記載の集積回路。
【請求項11】
前記デマルチプレクサおよび前記マルチプレクサは、
前記擬似乱数の第1の値に基づいて、前記ADCから出力されたデジタル信号を、前記第1のオフセット較正回路を通るようにルーティングし、および、
前記擬似乱数の第2の値に基づいて、前記ADCから出力されたデジタル信号を、前記第2のオフセット較正回路を通るようにルーティングするように構成され、
または、
前記チョッピング回路は、複数のストレートスイッチおよび複数のチョッピングスイッチを含み、
前記第1のオフセット較正回路は、前記差動入力信号から前記ストレートスイッチに関連するオフセットを除去し、前記較正装置に提供されたデジタル信号から前記ADCのオフセットを除去するように構成され、および、
前記第2のオフセット較正回路は、前記差動入力信号から前記チョッピングスイッチに関連するオフセットを除去し、前記較正装置に提供されたデジタル信号から前記ADCのオフセットを除去するように構成される、請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
アナログデジタル変換器(ADC)回路を較正する方法であって、
チョッピング回路を用いて、擬似乱数に基づいて、差動入力信号をスクランブルすることと、
ADCを用いて、前記スクランブルされた差動入力信号をデジタル信号に変換することと、
前記擬似乱数に基づいて、第1のオフセット較正回路または第2のオフセット較正回路を用いて、前記デジタル信号のオフセットを較正することと、
乗算器を用いて、前記擬似乱数に基づいて、較正済みの前記デジタル信号をデスクランブルすることと、
前記デスクランブルされた較正済みのデジタル信号から、時間スキューオフセットを除去することとを含み、
前記較正することは、選択ロジックが、前記擬似乱数に基づいて前記第1および第2のオフセット較正回路のうちの1つを選択することを含む、方法。
【請求項13】
前記時間スキューオフセットを除去することは、前記擬似乱数に基づいて行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記擬似乱数に基づいて、前記スクランブルされた差動入力信号の正成分および負成分を前記ADCの反転入力端子および非反転入力端子に交互に結合することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記チョッピング回路は、複数のストレートスイッチと、複数のチョッピングスイッチとを含み、
前記第1のオフセット較正回路は、前記差動入力信号から前記ストレートスイッチに関連するオフセットを除去し、前記ADCのオフセットを除去するように構成され、
前記第2のオフセット較正回路は、前記差動入力信号から前記チョッピングスイッチに関連するオフセットを除去し、前記ADCのオフセットを除去するように構成される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記選択ロジックは、前記ADC及び前記スイッチに関連するオフセットを除去するために、前記擬似乱数に基づいて前記第1のオフセット較正回路及び第2のオフセット較正回路のうちの1つを選択するように構成される、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示の態様は、一般に集積回路に関し、特に、時間インタリーブ型アナログデジタル変換器(ADC)内のチョッピングスイッチの差動オフセットの較正に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
アナログデジタル変換器(ADC)を備える回路およびシステムは、時間インタリーブ型ADCを用いて、電力消費を大きく増加させることなく、帯域幅を増加させることができる。典型的な時間インタリーブ型ADC回路は、複数のADCチャネルを含み、各々のADCチャネルは、アナログ入力信号をサンプリングすることによって、対応するデジタル出力信号を生成するように構成される。ADCチャネルによって生成されたデジタル出力信号を合成することによって、各ADCチャネルのサンプリング帯域幅の整数倍に等しいサンプリング帯域幅を有する合成出力信号を生成することができる。例えば、N個のADCチャネルを含む時間インタリーブ型ADC回路は、各ADCチャネルのサンプリング帯域幅(f)のN倍に等しいサンプリング帯域幅(fBw)を有するデジタル出力信号を生成することができる(すなわち、fBw=N×f)。
【0003】
時間インタリーブ型ADC回路の各チャネル間の時間スキューの不整合、ゲインの不整合、周波数のオフセット、および位相のオフセットは、時間インタリーブ型ADC回路の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。較正回路を用いて、各ADCチャネル間の不整合およびオフセットを補償することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
この概要は、以下の詳細な説明においてさらに説明されるいくつかの概念を簡略的に紹介するために提供される。この概要は、請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、請求される主題の範囲を限定することを意図していない。
【0005】
本開示の態様は、時間インタリーブ型アナログデジタル変換器(ADC)回路および動作方法に関する。本明細書に開示された時間インタリーブ型ADC回路は、バックグラウンド較正動作を実行することによって、ADC回路の1つ以上のチャネルに設けられたチョッピング回路およびADCに関連するオフセットを除去することができる。例示的な時間インタリーブ型ADC回路は、少なくとも、複数のチャネル、ゲイン較正回路、および時間スキュー較正回路を含むことができる。複数のチャネルの各々は、ADCと、差動入力信号をADCに提供するように構成されたスイッチと、ADCの出力に連結された較正装置と、較正装置の出力に連結された乗算器と、擬似乱数をスイッチ、較正装置および乗算器に提供するための擬似乱数ビットシーケンス(PRBS)回路とを含むことができる。いくつかの実施形態において、PRBS回路によって生成された擬似乱数は、時間スキュー較正回路に提供されてもよい。各チャネルに設けられた較正装置は、擬似乱数に基づいて、ADCから出力されたデジタル信号を第1のオフセット較正回路または第2のオフセット較正回路にルーティングするように構成された選択ロジックを含むことができる。また、ADC回路は、時間スキュー較正回路によって生成された制御信号に少なくとも部分的に基づいて、複数のチャネルに提供されるクロック信号を調整するように構成された制御回路を含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、選択ロジックは、デマルチプレクサおよびマルチプレクサを含むことができる。デマルチプレクサは、ADCの出力に連結された入力と、擬似乱数を受信するための制御端子と、第1の出力および第2の出力とを含むことができる。マルチプレクサは、第1の入力および第2の入力と、擬似乱数を受信するための制御端子と、乗算器に連結された出力とを含むことができる。第1のオフセット較正回路は、デマルチプレクサの第1の出力とマルチプレクサの第1の入力との間に連結されてもよく、第2のオフセット較正回路は、デマルチプレクサの第2の出力とマルチプレクサの第2の入力との間に連結されてもよい。いくつかの態様において、選択ロジックは、擬似乱数の第1の値に基づいて、ADCから出力されたデジタル信号を、第1のオフセット較正回路を通るようにルーティングし、擬似乱数の第2の値に基づいて、ADCから出力されたデジタル信号を、第2のオフセット較正回路を通るようにルーティングするように構成されてもよい。これによって、選択ロジックは、(例えば、第1の期間中に)第1のオフセット較正回路を用いて、デジタル信号からオフセットを除去すること、および(例えば、第2の期間中に)第2のオフセット較正回路を用いて、デジタル信号からオフセットを除去することを交互に実行することができる。
【0007】
各チャネルに設けられたスイッチは、擬似乱数に基づいて、差動入力信号をスクランブルすることができる任意の適切な回路またはロジックであってもよい。スイッチは、擬似乱数に基づいて、差動入力信号の正成分および負成分をADCの反転入力端子および非反転入力端子に交互に結合するように構成されたチョッピング回路であってもよい。いくつかの実施形態において、チョッピング回路は、極性反転を行うことなく、差動入力信号をADCに伝送するための複数の「ストレート」スイッチを含むことができ、極性反転を行った差動入力信号をADCに伝送するための複数の「チョッピング」スイッチを含むことができる。いくつかの態様において、ストレートスイッチおよびチョッピングスイッチは、擬似乱数によって制御されてもよい。いくつかの実施形態において、第1のオフセット較正回路は、ストレートスイッチに関連するオフセットを除去し、ADCのオフセットを除去するように構成されてもよく、第2のオフセット較正回路は、チョッピングスイッチに関連するオフセットを除去し、ADCのオフセットを除去するように構成されてもよい。
【0008】
本明細書に開示された例示的な方法を用いて、時間インタリーブ型ADC回路を較正することができる。この方法は、擬似乱数に基づいて、差動入力信号をスクランブルすることと、スクランブルされた差動入力信号をデジタル信号に変換することと、第1のオフセット較正回路または第2のオフセット較正回路を用いて、擬似乱数に基づいて、デジタル信号のオフセットを較正することと、乗算器を用いて、擬似乱数に基づいて、較正済みデジタル信号をデスクランブルすること、デスクランブルされた較正済みデジタル信号から時間スキューオフセットを除去することとを含む。いくつかの実施形態において、時間スキューオフセットの除去は、擬似乱数に少なくとも部分的に基づいて行われてもよい。また、本方法は、擬似乱数に基づいて、スクランブルされた差動入力信号の正成分および負成分をADCの反転入力端子および非反転入力端子に交互に結合することをさらに含むことができる。
【0009】
例示的な実施形態は、例示として示されたものであり、添付の図面によって限定されることを意図していない。図面および明細書において、同様の番号は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の態様を実装することができる例示的なシステムを示すブロック図である。
図2】例示的な時間インタリーブ型アナログデジタル変換器(ADC)回路を示すブロック図である。
図3】例示的なADCチャネルを示すブロック図である。
図4】いくつかの実施形態に従って、例示的な時間インタリーブ型ADC回路を示すブロック図である。
図5】いくつかの実施形態に従って、例示的なADCチャネルを示すブロック図である。
図6】いくつかの実施形態に従って、時間インタリーブ型ADC回路を動作させるための例示的な動作を示す例示的なフローチャートである。
図7】本開示の態様を実装することができる例示的なフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のアーキテクチャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
本開示の態様は、時間インタリーブ型ADC回路の周波数スペクトルの全体にわたって、各々のADCチャネル間のゲイン差、スイッチングオフセットおよび時間スキューを補償することによって、時間インタリーブ型ADC回路の性能を改善することができる。いくつかの実装形態において、本明細書に開示された時間インタリーブ型ADC回路は、アナログ信号をデジタル信号に変換するときに、信号の劣化または性能を犠牲することなく、各々のADCチャネルのサンプリング周波数の倍数に等しい周波数を有する入力信号成分のフリッカノイズ(flicker noise)、オフセットスパー(offset spur)および他の干渉を除去することができる。いくつかの態様において、本明細書に開示された時間インタリーブ型ADC回路は、チョッピング回路およびADCに関連する高調波ノイズおよびオフセットを除去することによって、フルレートナイキスト(Nyquist)スペクトルを活用することができる。
【0012】
以下の説明において、本開示の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細、例えば、特定のコンポーネント、回路およびプロセスの例が提供される。「連結」という用語は、本明細書に使用された場合、直接な連結または1つ以上の介在要素または回路を介した連結を意味する。また、以下の説明において、説明の目的および例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の名称および/または詳細が記載される。しかしながら、これらの特定の詳細が例示的な実施形態を実施するのに必要ではないことは、当業者にとって明白であろう。また、本開示を不明瞭にすることを避けるために、周知の回路および装置は、ブロック図で示される。本明細書に記載された様々なバスを介して提供された任意の信号は、他の信号と時間多重化され、1つ以上の共通バスを介して提供されてもよい。さらに、回路素子またはソフトウェアブロック間の相互接続は、バスまたは単一の信号線として示されてもよい。代替的に、各々のバスは、単一の信号線であってもよく、各々の単一の信号線は、バスであってもよい。単一の信号線またはバスは、要素間の通信を行うための無数の物理メカニズムまたはロジックメカニズムのうち、1つ以上を表すことができる。例示的な実施形態は、本明細書に記載される特定の例に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義された全ての実施形態を含むと解釈すべきである。
【0013】
図1は、本開示の態様を実装することができる例示的なシステム100を示すブロック図である。システム100は、アナログ回路102と、アナログデジタル変換器(ADC)回路104と、デジタル回路106とを含む。他の実施形態において、システム100は、任意の好適な数のアナログ回路102およびデジタル回路106を含むことができる。アナログ回路102は、アナログ信号を処理することができる任意の適切な回路または素子(例えば、温度センサ、電圧センサ、電流センサ、または高周波(RF)回路)であってもよく、信号、データまたは他の情報を処理することによって、1つ以上のアナログ信号を生成することができる。ADC回路104は、アナログ回路104に連結された入力と、デジタル回路106に連結された出力とを含み、例えば1つ以上のADCを用いてアナログ信号をサンプリングすることによって、アナログ回路102によって提供されたアナログ信号を1つ以上のデジタル出力信号に変換することができる。デジタル回路106は、デジタル信号を処理することができる任意の適切な回路または素子(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)またはマイクロプロセッサ)であってもよく、ADC回路104によって提供された1つ以上のデジタル信号を処理することができる。いくつかの実施形態において、ADC回路104およびデジタル回路106は、アナログ回路102によって出力されたアナログ信号に対して、監視、解析、解釈、または何らかの他の行動または動作を実行するように構成されてもよい。
【0014】
図1の例の場合、ADC回路104は、複数のADCチャネル(簡略化のために図示せず)およびオフセット較正回路108を含む時間インタリーブ型ADC回路であってもよい。図2および3を参照して説明するように、オフセット較正回路108は、例えば、1つ以上のADCチャネルを較正することによって、ADCチャネル間の複数のオフセットを補償するように構成されてもよい。
【0015】
図2は、例示的な時間インタリーブアナログデジタル変換器(ADC)回路200を示すブロック図である。ADC回路200は、正成分(INp)および負成分(INn)を有する差動アナログ入力信号(IN)を受信することができ、複数のADCチャネル202(1)~202(N)と、ゲイン較正回路204と、時間スキュー較正(TSC)回路206と、制御回路208とを含む。ADCチャネル202(1)~202(N)の各々は、入力信号の正成分INpを受信するための第1の入力と、入力信号の負成分INnを受信するための第2の入力と、ゲイン較正回路204に連結された出力と、制御回路208の対応する出力に連結された制御端子とを含む。また、ADCチャネル202(1)~202(N)の各々は、オフセット較正回路108(1)~108(N)のうち、対応する1つのオフセット較正回路を含むことができる。ゲイン較正回路204は、TSC回路206の入力に連結された出力を含み、基準値に基づいて、ADCチャネル202(1)~202(N)によって出力された出力信号を調整するように構成されてもよい。
【0016】
TSC回路206は、デジタル出力信号(Dout)を提供する第1の出力を含み、クロック較正(CAL_clk)信号を制御回路208に提供する第2の出力を含む。いくつかの実施形態において、TSC回路206は、ゲイン較正回路204によって提供されたゲイン較正信号を調節することによって、ADCチャネル202(1)~202(N)間の時間スキューを補償することができる。追加的にまたは代替的に、TSC回路206は、ADCチャネル202(1)~202(N)間の時間スキューを示す情報をクロック較正信号(CAL_clk)に埋め込むことができる。
【0017】
動作中、ADCチャネル202(1)~202(N)の各々は、制御回路208によって提供された1つ以上のクロック信号(CLK)を用いて、時間インタリーブ方式で差動アナログ入力信号INをサンプリングする。いくつかの実施形態において、ADCチャネル202(1)~202(N)の各々は、特定のクロック信号の異なる位相で、差動アナログ信号INをサンプリングすることができる。オフセット較正回路108(1)~108(N)の各々は、ADCチャネル202(1)~202(N)のうち、対応する1つのADCチャネルによって生成された出力信号の平均値を測定または決定することができ、対応する出力信号から決定された平均値を除去することができる。ゲイン較正回路204は、例えば、ADCチャネル出力信号の各々の二乗平均平方根(RMS)指数を基準値と比較し、比較の結果に基づいて、ADCチャネル出力信号を調整することによって、ADCチャネル202(1)~202(N)間のゲインオフセットを補償することができる。
【0018】
TSC回路206は、ADCチャネル202(1)~202(N)間の時間スキューオフセットを補償することができる。いくつかの実施形態において、TSC回路206は、ゲイン較正回路204によって提供された信号の連続サンプル間の差分(または増分)を測定し、測定された差分を示すクロック較正信号(CAL_clk)を生成するように構成されてもよい。制御回路208は、TSC回路206によって提供されたクロック較正信号(CAL_clk)に基づいて、ADCチャネル202(1)~202(N)に提供されるクロック信号を選択的に調整または遅延させることができる。
【0019】
図3は、例示的なADCチャネル300を示すブロック図である。図2のADCチャネル202(1)~202(N)の1つ以上の実施形態であり得るADCチャネル300は、チョッピング回路302と、ADC304と、第1のオフセット較正回路306と、乗算器308と、第2のオフセット較正回路310と、擬似乱数バイナリシーケンス(PRBS)回路312とを含む。チョッピング回路302は、差動アナログ入力信号INを受信するための入力と、ADC304の差動入力に連結された出力とを含む。チョッピング回路302は、入力信号INの負成分(INn)をADC304の非反転端子(+)に選択的に提供することができ、入力信号INの正成分(INp)をADC304の反転端子(-)に選択的に提供することができる任意の適切なスイッチ、結合回路、ロジック、または信号ルーティング回路であってもよい。いくつかの実施形態において、チョッピング回路302は、複数のストレートスイッチおよび複数のチョッピングスイッチ(簡略化のために、ストレートスイッチおよびチョッピングスイッチは、図示されていない)を含むことができる。したがって、チョッピング回路302は、ADC304に提供されるアナログ入力信号の極性を動的に、周期的に、またはプログラム可能に反転させることができる。
【0020】
ADC304は、アナログ信号をデジタル信号に変換することができる任意の適切な回路または素子であってもよい。いくつかの実施形態において、ADC304は、例えば図3に示されたように、差動アナログ信号をシングルエンドデジタル信号に変換するように構成されてもよい。他の実施形態において、ADC304は、シングルエンドアナログ信号をシングルエンドデジタル信号に変換するように構成されてもよい。簡略化のために図示されていないが、ADC304は、1つ以上のクロック信号(例えば、差動アナログ入力信号をサンプリングするためのサンプリングクロック)を受信することができる。
【0021】
第1のオフセット較正回路306は、ADC304の出力に連結された入力と、乗算器308の入力に連結された出力とを含む。第2のオフセット較正回路310は、乗算器308の出力に連結された入力と、ADCチャネル300に出力信号(OUT)を提供するための出力とを含む。PRBS回路312は、擬似乱数またはバイナリシーケンスを生成するための任意の適切な回路であってもよく、チョッピング回路302の制御端子および乗算器308の制御端子に連結された出力を含む。いくつかの実施形態において、チョッピング回路302は、擬似乱数(PN)をチョッピング回路302および乗算器308に提供することができる。
【0022】
チョッピング回路302は、差動アナログ入力信号INをサンプリングすることができ、PRBS回路312によって提供された擬似乱数(PN)に基づいて、入力信号成分INpおよびINnを、ADC304の反転端子(-)と非反転端子(+)との間に動的に切り替えることができる。いくつかの実装形態において、チョッピング回路302は、フリッカノイズが主にADCチャネル300のサンプリング周波数の高調波に現れるのではなく、ADCチャネル300の周波数スペクトルの全体にわたって拡散されるように、擬似乱数(PN)を用いて、入力信号をランダム化またはスクランブルすることができる。追加的にまたは代替的に、チョッピング回路302は、アナログ入力信号INの成分がADCチャネル300のサンプリング周波数でノイズとして(例えば、DC信号として)ADC304に現れることを防止することができる。
【0023】
第1のオフセット較正回路306は、ADC304によって生成されたデジタル信号を調整することによって、ADC304に関連するオフセットを除去することができる。乗算器308は、例えば、サンプリング周波数で入力信号の成分を保存し、および/またはチョッピング回路302によって引き起こされたフリッカノイズを低減するように、第1のオフセット較正回路306から出力される入力信号成分をデスクランブルすることができる。第1のオフセット較正回路306は、チョッピング回路302のサンプリング間隔の間に、ADC304のオフセットを除去することができない場合がある。その結果、複数のADCチャネル300のサンプリング間隔の間の差動オフセットは、第1のオフセット較正回路306および乗算器308を通過し、時間インタリーブ型残留スパーとして時間インタリーブ型ADC回路200に関連する周波数スペクトルに現れる可能性がある。
【0024】
第2のオフセット較正回路310は、デスクランブルされた(またはチョッピングされていない)入力信号を処理することによって、チョッピング回路302によって導入された残留差動オフセットを除去することができる。上述したように、例えば、チョッピング回路302に関連するオフセットおよび不整合が周波数スペクトルにわたってスクランブルされるため、第1のオフセット較正回路306は、これらのオフセットおよび不整合を検知することができない場合がある。第2のオフセット較正回路310が乗算器308の下流にあるため(したがって、スクランブルされた入力信号ではなく、デスクランブルされた入力信号を受信するため)、第2のオフセット較正回路310は、チョッピング回路302に関連するオフセットおよび不整合を検知することができ、補償することができる。
【0025】
第2のオフセット較正回路310は、ADCチャネル300のサンプリング周波数fの整数倍に等しい入力信号周波数に敏感であってもよい。このような厳しい条件下の動作をサポートするために、第2のオフセット較正回路310に設けられた累算器(簡略化のために図示せず)は、差動入力信号INがADCチャネル300のサンプリング周波数fの整数倍に等しい信号成分を含む場合にフリーズされてもよい。いくつかの実施形態において、フリーズ信号(FRZ)を用いて、第2のオフセット較正回路310に設けられた累算器の動作を選択的にフリーズまたは停止することができる。いくつかの態様において、差動入力信号INがサンプリング周波数fの整数倍に等しい信号成分を含む場合、フリーズ信号FRZを(例えば、ロジックハイに)アサートすることによって、累算器の動作をフリーズまたは停止することができる。差動入力信号INがサンプリング周波数fの整数倍に等しい信号成分を含まない場合、フリーズ信号FRZを(例えば、ロジックローに)デアサートすることによって、累算器を通常に動作させることができる。したがって、第2のオフセット較正回路310は、サンプリング周波数/sの整数倍に等しい入力信号周波数に対しても、チョッピング回路302によって導入された残留差動オフセットを除去し続けることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、フォアグラウンド較正動作を実行することによって、ADC回路200の帯域幅に関連する任意の周波数の入力信号成分の残留差動オフセットを除去することができる。いくつかの態様において、フォアグラウンド較正動作は、以下のステップまたは動作を含むことができる。
・ 入力信号を無効にし、第1のオフセット較正回路306および第2のオフセット較正回路310の両方を連続的に動作させる。いくつかの態様において、入力信号の値をゼロに設定することによって、入力信号を無効にすることができる。
・ 一定の期間の後、第1のオフセット較正回路306は、チョッピング回路302およびADC304からの合計コモンモードオフセットを除去するように動作することができ、第2のオフセット較正回路310は、チョッピング回路302の差動オフセットを除去するように動作することができる。
・ 第2のオフセット較正回路310に設けられた累算器(簡略化のために図示せず)をフリーズする。
・ 入力信号を有効にする。
【0027】
本開示のいくつかの態様によれば、(チョッピング回路に関連するフリッカノイズおよびオフセットを含む)時間インタリーブ型オフセットスパーを除去することができる時間インタリーブ型ADC回路が開示される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示された時間インタリーブ型ADC回路は、オフセット較正回路の性能に悪影響を与えず、信号を破損することなく、各チャネルのサンプリング周波数の整数倍に等しい周波数を有する入力信号成分を取得およびサンプリングすることができる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示された時間インタリーブ型ADC回路は、フォアグラウンド較正動作を実行することによって、入力信号に関係なく、完全な制御性を提供することができる。
【0028】
図4は、いくつかの実施形態に従って、例示的な時間インタリーブ型ADC回路400を示すブロック図である。ADC回路400は、正成分(INp)および負成分(INn)を有する差動アナログ入力信号(IN)を受信し、差動アナログ入力信号INに基づいて、デジタル出力信号(Dout)を生成することができる。いくつかの実施形態において、ADC回路400は、複数のADCチャネル410(1)~410(N)と、ゲイン較正回路420と、時間スキュー較正(TSC)回路430と、制御回路440とを含むことができる。ADCチャネル410(1)~410(N)の各々は、入力信号INの正成分INpを受信するための第1の入力と、入力信号INの負成分INnを受信するための第2の入力と、ゲイン較正回路420の入力に連結された出力と、制御回路440の対応する出力に連結されたクロック端子とを含む。また、ADCチャネル410(1)~410(N)の各々は、複数のPRBS回路412(1)~412(N)のうち、対応する1つのPRBS回路を含むことができる。PRBS回路412(1)~412(N)は、擬似乱数またはバイナリシーケンスを生成することができる任意の適切な回路または素子であってもよい。図4の例示的な実施形態において、第1のADCチャネル410(1)に設けられたPRBS回路412(1)は、第1の2進数(PN_1)を生成することができ、第2のADCチャネル410(2)に設けられたPRBS回路412(2)は、第2の2進数(PN_2)を生成することができ、第NのADCチャネル410(N)に設けられたPRBS回路412(N)は、第Nの2進数(PN_N)を生成することができる。他の実施形態において、ADCチャネル410(1)~410(N)の各々は、共通のPRBS回路412を共有してもよい。
【0029】
ゲイン較正回路420は、TSC回路430の入力に連結された出力を含み、例えば基準値に基づいて、ADCチャネル410(1)~410(N)によって出力された出力信号のゲインを調整することによって、ADCチャネル410(1)~410(N)間のゲインオフセットを補償するように構成されてもよい。TSC回路430は、ゲイン較正回路420の出力に連結された入力と、デジタル出力信号(Dout)を出力するための第1の出力と、制御信号(CTRL)を出力するための第2の出力とを含む。TSC回路430によって生成された制御信号(CTRL)は、ADCチャネル410(1)~410(N)間の時間スキューを補償するために使用され得る情報を含むことができる。いくつかの実装形態において、制御信号(CTRL)を用いて、ADCチャネル410(1)~410(N)に提供されるまたはADCチャネル410(1)~410(N)に関連する1つ以上のクロック信号(例えば、クロック信号CLK_1~CLK_N)を調整または遅延させることができる。いくつかの態様において、制御回路440は、クロック信号を調節することによって、ADCチャネル410(1)~410(N)間の時間スキュー、周波数オフセットおよび/または位相オフセットを低減または除去するように、ADCチャネル410(1)~410(N)のうち、1つ以上のADCチャネルのサンプリング期間および/またはサンプリング間隔を較正することができる。
【0030】
PRBS回路412(1)~412(N)によってそれぞれ生成された擬似乱数PN_1~PN_Nを用いて、差動入力信号をデジタル信号に変換する前に、差動入力信号をスクランブルすることによって、ADC回路400の周波数スペクトルにわたってフリッカノイズを分散することができ、較正済みデジタル信号をデスクランブルすることができる。いくつかの実施形態において、擬似乱数PN_1~PN_Nのうちの1つ以上を用いて、ADCチャネル410(1)~410(N)にそれぞれ設けられたオフセット較正回路のグループのうち、対応する1つのオフセット較正回路を選択することによって、アナログ入力信号INから1つ以上のオフセットを除去することができる。いくつかの態様において、図5を参照して説明するように、擬似乱数PN_1~PN_Nは、異なるオフセット較正回路を交互に選択することによって、差動入力信号から1つ以上のオフセットを除去することができる。
【0031】
ゲイン較正回路420は、ADCチャネル410(1)~410(N)間のゲイン不整合を補償することができる。いくつかの実施形態において、ゲイン較正回路420は、ADCチャネル出力信号の各々の二乗平均平方根(RMS)指数を基準値と比較し、比較の結果に基づいて、ADCチャネル出力信号を調整することによって、ADCチャネル410(1)~410(N)間のゲイン不整合を補償することができる。他の実施形態において、ゲイン較正回路420は、他の適切な技術を用いて、ADCチャネル410(1)~410(N)間のゲイン不整合を補償することができる。
【0032】
TSC回路430は、ADCチャネル410(1)~410(N)間の時間スキューを補償することができる。いくつかの実施形態において、TSC回路430は、ゲイン較正回路420によって出力された連続サンプル間の差分(または増分)を測定し、測定された差分を示す制御信号(CTRL)を生成するように構成されてもよい。他の実施形態において、TSC回路430は、他の適切な技術を用いて、制御信号(CTRL)を生成することができる。図4の例示的な実施形態の場合、図示されたTSC回路430は、各々のPRBS回路412(1)~412(N)によって生成された擬似乱数PN_1~PN_Nを受信するように連結された入力を含む。いくつかの実施形態において、TSC回路430は、擬似乱数PN_1~PN_Nを用いて、ADCチャネル410(1)~410(N)から出力されたデジタル信号の時間スキューの正確な補償を保証することができる。他の実施形態において、TSC回路430は、任意の他の適切な擬似乱数または信号を用いて、時間スキューの正確な補償を保証することができる。
【0033】
制御回路440は、TSC回路430によって生成された制御信号(CTRL)を受信するための入力と、ADCチャネル410(1)~410(N)に連結された複数の出力とを含むことができる。いくつかの実施形態において、制御回路440は、例えば、TSC回路430によって提供された制御信号(CTRL)に基づいて、各々のADCチャネル410(1)~410(N)に提供されるクロック信号CLK_1~CLK_Nを選択的に調整または遅延させることによって、ADCチャネル410(1)~410(N)間の時間スキュー、周波数オフセットおよび/または位相オフセットを補償することができる。
【0034】
図5は、いくつかの実施形態に従って、例示的なADCチャネル500を示すブロック図である。ADCチャネル500は、図4の1つ以上のADCチャネル410(1)~410(N)の実施形態であってもよく、チョッピング回路510と、ADC520と、較正装置530と、乗算器540と、PRBS回路550とを含む。チョッピング回路510は、図3のチョッピング回路302の一実装形態であってもよく、差動入力信号INを受信するための入力と、ADC520の差動入力に連結された出力とを含む。チョッピング回路510は、例えば、擬似乱数PNに基づいて、差動入力信号INの正成分(INp)および負成分(INn)をADC520の非反転端子(+)および反転端子(-)に交互に結合することができる任意の適切なスイッチ、結合回路、ロジック、またはクロスオーバーマトリックスであってもよい。したがって、ADC520は、差動入力信号INの正成分(INp)および負成分(INn)を交互にサンプリングすることができる。これによって、チョッピング回路510は、ADC520によって生成されたデジタル信号のランダム化を保証することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、チョッピング回路510は、差動入力信号をスクランブルまたはランダム化するように、差動入力信号の正および負の信号成分を、ADC520の非反転端子および反転端子に交互に結合するための複数のスイッチを含むことができる。例えば、図5に示された実施形態において、チョッピング回路510は、1対の正極入力端子(in+)および負極入力端子(in-)と1対の正極出力端子(out+)および負極出力端子(out-)との間に連結された4つのスイッチSW1~SW4を含む。スイッチSW1は、チョッピング回路510の正極入力端子(in+)と正極出力端子(out+)との間に連結され、スイッチSW2は、チョッピング回路510の負極入力端子(in-)と負極出力端子(out-)との間に連結され、スイッチSW3は、チョッピング回路510の正極入力端子(in+)と負極出力端子(out-)との間に連結され、スイッチSW4は、チョッピング回路510の負極入力端子(in-)と正極出力端子(out+)との間に連結される。
【0036】
擬似乱数PNが複数の第1の値のうちの1つである場合、チョッピング回路510は、スイッチSW1およびSW2が閉合し(すなわち、導通状態であり)、スイッチSW3およびSW4が開放する(すなわち、非導通状態である)第1の状態にある。この第1の状態において、チョッピング回路510は、スイッチSW1を介して差動入力信号INの正成分をADC520の非反転端子(+)に伝送し、スイッチSW2を介して差動入力信号INの負成分をADC520の反転端子(-)に伝送する。これによって、チョッピング回路510は、(例えば、極性反転を行うことなく)差動入力信号をADC520に「ストレート」に伝送することができる。したがって、本明細書において、スイッチSW1およびSW2は、チョッピング回路510の「ストレート」スイッチと称されてもよい。
【0037】
擬似乱数PNが複数の第2の値のうちの1つである場合、チョッピング回路510は、スイッチSW1およびSW2が開放し(すなわち、非導通状態であり)、スイッチSW3およびSW4が閉合する(すなわち、導通状態である)第2の状態にある。この第2の状態において、チョッピング回路510は、スイッチSW3を介して差動入力信号INの正成分をADC520の反転端子(-)に伝送し、スイッチSW4を介して差動入力信号INの負成分をADC520の非反転端子(+)に伝送する。これによって、チョッピング回路510は、ADC520に提供される差動入力信号をチョッピング(極性反転)することができる。したがって、本明細書において、スイッチSW3~SW4は、チョッピング回路510の「チョッピング」スイッチと称されてもよい。
【0038】
ADC520は、アナログ信号をデジタル信号に変換することができる任意の適切な回路または素子であってもよい。いくつかの実施形態において、ADC520は、例えば、図5の例に示されたように、差動アナログ信号をシングルエンドデジタル信号に変換するように構成されてもよい。他の実施形態において、ADC520は、シングルエンドアナログ信号をシングルエンドデジタル信号に変換するように構成されてもよい。
【0039】
較正装置530は、ADC520と乗算器540との間に連結され、デマルチプレクサ(DEMUX)D1と、第1のオフセット較正回路531と、第2のオフセット較正回路532と、マルチプレクサ(MUX)M1とを含む。デマルチプレクサD1は、ADC520の出力に連結された入力と、第1のOC回路531の入力に連結された第1の出力と、第2のOC回路532の入力に連結された第2の出力と、PRBS回路550の出力に連結された制御端子とを含む。マルチプレクサM1は、第1のOC回路531の出力に連結された第1の入力と、第2のOC回路532の出力に連結された第2の入力と、乗算器540の入力に連結された出力と、PRBS回路550の出力に連結された制御端子とを含む。
【0040】
第1のオフセット校正回路531および第2のオフセット校正回路532は、デマルチプレクサD1とマルチプレクサM1との間に並列に連結されている。第1のオフセット較正回路531は、ADC520によって出力されたデジタル信号から、チョッピング回路510に設けられた1つ以上のストレートスイッチによって引き起こされたオフセットまたはそれに関連するオフセット(および/またはチョッピング回路510に設けられ、差動入力信号INをADC520にルーティングときに差動入力信号INの極性を維持するための他の回路素子によって引き起こされたオフセットまたはそれに関連するオフセット)を除去するように構成されてもよい。また、第1のオフセット較正回路531は、ADC520によって引き起こされたオフセットまたはそれに関連するオフセットを除去するように構成されてもよい。第2のオフセット較正回路532は、ADC520によって出力されたデジタル信号から、チョッピング回路510に設けられた1つ以上のチョッピングスイッチによって引き起こされたオフセットまたはそれに関連するオフセット(および/またはチョッピング回路510に設けられ、差動入力信号INをADC520にルーティングときに差動入力信号INの極性を反転させるための他の回路素子によって引き起こされたオフセットまたはそれに関連するオフセット)を除去するように構成されてもよい。また、第2のオフセット較正回路532は、ADC520によって引き起こされたオフセットまたはそれに関連するオフセットを除去するように構成されてもよい。なお、図3を参照して説明したADCチャネル300は、直列に連結された2つのオフセット較正回路306および310を含むが、図5を参照して説明したADCチャネル500は、並列に連結された第1のオフセット較正回路531および第2のオフセット較正回路531を含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、1つ以上のフリーズ信号を用いて、第1のオフセット較正回路531に設けられた累算器および第2のオフセット較正回路532に設けられた累算器(簡略化のために図示せず)の動作を選択的にフリーズまたは停止することができる。図5に示された例示的な実施形態において、第1のオフセット較正回路531は、第1のフリーズ信号(FRZ_1)を受信するための入力を含むことができ、第2のオフセット較正回路532は、第2のフリーズ信号(FRZ_2)を受信するための入力を含むことができる。いくつかの態様において、差動入力信号INがADCチャネル500のサンプリング周波数fの整数倍に等しい信号成分を含む場合、第1のフリーズ信号FRZ_1を(例えば、ロジックハイに)アサートすることによって、第1のオフセット較正回路531に設けられた累算器の動作をフリーズまたは停止することができる。差動入力信号INがADCチャネル500のサンプリング周波数fの整数倍に等しい信号成分を含む場合、第2のフリーズ信号FRZ_2を(例えば、ロジックローに)デアサートすることによって、第2のオフセット較正回路532に設けられた累算器を通常に動作させることができる。差動入力信号INがサンプリング周波数fの整数倍に等しい信号成分を含まない場合、第1のフリーズ信号FRZ_1および第2のフリーズ信号FRZ_2を(例えば、ロジックローに)デアサートすることによって、第1のオフセット較正回路531および第2のオフセット較正回路532に設けられた累算器を通常に動作させることができる。これによって、ADCチャネル500は、差動入力信号INがADCチャネル500のサンプリング周波数fの整数倍に等しいときでも、通常に動作することができる。他の実施形態において、第1のオフセット較正回路531および第2のオフセット較正回路532は、同じフリーズ信号を受信することができる。
【0042】
乗算器540は、デジタル出力信号Doutを提供するための出力と、PRBS回路550の出力に連結された制御端子とを含む。いくつかの実施形態において、乗算器540は、例えば、チョッピング回路510によって引き起こされたフリッカノイズを低減するために、較正装置530から出力された較正済みデジタル信号をデスクランブルすることができる。
【0043】
PRBS回路550は、図4のPRBS回路412(1)~412(N)のうちの1つ以上のPRBS回路の実施形態であってもよく、チョッピング回路510、擬似乱数(PN)をデマルチプレクサD1、マルチプレクサM1および乗算器540に提供することができる。いくつかの実施形態において、PRBS回路550は、擬似乱数(PN)を図4のTSC回路430に提供することもできる。
【0044】
チョッピング回路510は、差動入力信号をサンプリングすることができ、擬似乱数(PN)に基づいて、差動入力信号INの正信号成分INpおよび負信号成分INnをADC520の非反転端子(+)と反転端子(-)との間で交互に切り替えることができる。いくつかの実施形態において、チョッピング回路510は、差動入力信号をサンプリングすることができ、擬似乱数(PN)に基づいて、差動入力信号INの正信号成分INpおよび負信号成分INnをADC520の非反転端子(+)と反転端子(-)との間で交互に切り替えることができる。これによって、チョッピング回路510は、ADC520によって生成されたデジタル信号のランダム化を保証することができる。
【0045】
デマルチプレクサD1およびマルチプレクサM1によって形成された選択ロジックが擬似乱数(PN)に応じて第1のオフセット較正回路531を選択した場合、第1のオフセット較正回路531は、ADC520によって生成されたデジタル信号を調整することによって、ADC520に関連するオフセットおよびチョッピング回路510に設けられたストレートスイッチに関連するオフセットを除去することができる。デマルチプレクサD1およびマルチプレクサM1によって形成された選択ロジックが擬似乱数(PN)に応じて第2のオフセット較正回路531を選択した場合、第2のオフセット較正回路532は、ADC520によって生成されたデジタル信号を調整することによって、ADC520に関連するオフセットおよびチョッピング回路510に設けられたストレートスイッチに関連するオフセットを除去することができる。乗算器540は、例えば、ADC520によって引き起こされたフリッカノイズを低減するために、擬似乱数(PN)に基づいて、第1のオフセット較正回路531または第2のオフセット較正回路532によって提供された調整済みデジタル信号を「チョッピングしなく」てもよい。なお、第1のオフセット較正回路531の周波数応答が特定の値よりも小さい場合、第1のオフセット較正回路531は、ADC520によって引き起こされたフリッカノイズに追従することができないため、フリッカノイズは、(ADCチャネル500のサンプリング周波数の倍数で現れるのではなく)ADCチャネル500の周波数帯域幅にわたってスクランブルされる。
【0046】
図6は、いくつかの実施形態に従って、時間インタリーブ型ADC回路を動作させるための例示的な動作600を示す例示的なフローチャートである。本実施形態において、図4および5のADC回路400を参照して例示的な動作600を説明するが、例示的な動作600は、任意の他の適切なADC回路によって実行されてもよい。いくつかの実施形態において、動作600は、フォアグラウンド較正動作として実行されてもよい。
【0047】
ADC回路400は、擬似乱数に基づいて、差動入力信号をスクランブルすることができる(601)。いくつかの実施形態において、チョッピング回路510は、PRBS回路550によって提供された擬似乱数を用いて、差動入力信号をスクランブルすることができる。これによって、フリッカノイズは、主にADCチャネル410(1)~410(N)のサンプリング周波数の高調波に現れるのではなく、ADC回路400の周波数スペクトルの全体にわたって拡散される。
【0048】
ADC回路400は、擬似乱数に基づいて、スクランブルされた差動入力信号の正成分および負成分をADCの反転入力端子および非反転入力端子に交互に結合することができる(602)。いくつかの実施形態において、チョッピング回路510は、差動入力信号の成分がADCチャネル410(1)~410(N)のサンプリング周波数でノイズとして(例えば、DC信号として)ADCに現れることを防止することができる。
【0049】
ADC回路400は、スクランブルされた差動入力信号をデジタル信号に変換することができる(603)。いくつかの実施形態において、ADC520は、例えば図5の例に示されたように、差動アナログ信号をシングルエンドデジタル信号に変換するように構成されてもよい。他の実施形態において、ADC520は、シングルエンドアナログ信号をシングルエンドデジタル信号に変換するように構成されてもよい。
【0050】
ADC回路400は、第1のオフセット較正回路または第2のオフセット較正回路を用いて、擬似乱数に基づいて、デジタル信号のオフセットを較正することができる(604)。図5を併せて参照して、第1のオフセット校正回路531および第2のオフセット校正回路532は、デマルチプレクサD1とマルチプレクサM1との間に並列に連結されてもよい。第1のオフセット校正回路531は、ADC520によって出力されたデジタル信号から、ADCのオフセットを除去することができ、差動入力信号から、ストレートスイッチのオフセットを除去することができる。第2のオフセット較正回路532は、ADC520によって出力されたデジタル信号から、ADC520のオフセットを除去することができ、チョッピング回路510からのオフセットを除去することができる。いくつかの実施形態において、デマルチプレクサD1およびマルチプレクサM1によって形成された選択回路は、擬似乱数の第1の値に基づいて、ADC520から出力されたデジタル信号を、第1のオフセット較正回路531Aを通るようにルーティングすることができ、擬似乱数の第2の値に基づいて、ADC520から出力されたデジタル信号を、第2のオフセット較正回路531Bを通るようにルーティングすることができる。
【0051】
ADC回路400は、乗算器を用いて、擬似乱数に基づいて、較正済みデジタル信号をデスクランブルすることができる(605)。いくつかの実施形態において、乗算器540は、例えば、較正装置530から出力された較正済みデジタル信号をデスクランブルすることによって、チョッピング回路510によって引き起こされたフリッカノイズを低減することができる。
【0052】
ADC回路400は、デスクランブルされた較正済みデジタル信号から、時間スキューオフセットを除去することができる(606)。いくつかの実施形態において、TSC回路430は、ADCチャネル410(1)~410(N)間の時間スキューを補償するために使用され得る制御信号を生成することができる。いくつかの態様において、制御信号(CTRL)を用いて、ADCチャネル410(1)~410(N)に提供されるまたはADCチャネル410(1)~410(N)に関連する1つ以上のクロック信号(例えば、クロック信号CLK_1~CLK_N)を調整または遅延させることによって、ADCチャネル410(1)~410(N)間の時間スキュー、周波数オフセットおよび/または位相オフセットを低減または除去するように、ADCチャネル410(1)~410(N)のうち、1つ以上のADCチャネルのサンプリング期間および/またはサンプリング間隔を較正することができる。
【0053】
図7は、プログラマブルIC1のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)実装のアーキテクチャ700を示す。FPGAは、トランシーバ37、構成可能なロジックブロック(CLB)33、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM)34、入力/出力ブロック(IOB)36、設定およびクロックロジック(CONFIG/CLOCKS)42、デジタル信号処理ブロック(DSP)35、専用入力/出力ブロック(I/O)41(例えば、設定ポートおよびクロックポート)、および他のプログラマブルロジック39(例えば、デジタルクロックマネージャ、アナログデジタル変換器およびシステム監視ロジックなど)を含む多数の異なるプログラマブルタイルを含む。また、FPGAは、PCIeインターフェイス40、アナログデジタル変換器(ADC)38などを含むことができる。
【0054】
いくつかのFPGAにおいて、図7の上部の例示によって示されたように、各プログラマブルタイルは、同じタイル内のプログラマブルロジック要素の入力および出力端子48との接続を有する少なくとも1つのプログラマブル相互接続要素(INT)43を含むことができる。また、各プログラマブル相互接続要素43は、同じタイルまたは他のタイル内の隣接するプログラマブル相互接続要素の相互接続セグメント49との接続を含むことができる。また、各プログラマブル相互接続要素43は、ロジックブロック(図示せず)間の一般的なルーティングリソースの相互接続セグメント50との接続を含むことができる。一般的なルーティングリソースは、相互接続セグメント(例えば、相互接続セグメント50)のトラックを含むロジックブロック(図示せず)と、相互接続セグメントを接続するためのスイッチブロック(図示せず)との間のルーティングチャネルを含むことができる。一般的なルーティングリソースの相互接続セグメント(例えば、相互接続セグメント50)は、1つ以上のロジックブロックに亘って延在することができる。プログラム可能相互接続要素43は、一般的なルーティングリソースと共に、図示のFPGAのためのプログラム可能相互接続構造(プログラム可能相互接続)を実装する。
【0055】
例示的な実装形態において、CLB33は、ユーザロジックを実装するようにプログラムできる構成可能なロジック要素(CLE)44と、単一のプログラマブル相互接続要素(INT)43とを含むことができる。BRAM34は、1つ以上のプログラマブル相互接続要素の他に、BRAMロジック要素(BRL)45を含むことができる。一般的には、タイルに含まれる相互接続要素の数は、タイルの高さに依存する。図示の例示において、BRAMタイルは、5つのCLBと同様の高さを有するが、他の数(例えば、4つ)のCLBと同様の高さを有してもよい。DSPタイル35は、適切な数のプログラマブル相互接続要素の他に、DSPロジック要素(DSPL)46を含むことができる。IOB36は、例えば、1つのインスタンスのプログラマブル相互接続要素43に加えて、2つのインスタンスの入力/出力ロジック要素(IOL)47を含むことができる。当業者には明らかなように、例えば、I/Oロジック要素47に接続された実際のI/Oパッドは、一般的に入力/出力ロジック要素47の領域に限定されない。
【0056】
図示の例示において、(図7に示された)ダイの中央付近の水平領域は、設定、クロックおよび他の制御ロジックに使用される。この水平領域または列から延在する垂直列51は、FPGAの全幅にわたってクロックおよび設定信号を分配するために使用される。
【0057】
図7に示されたアーキテクチャを利用する一部のFPGAは、FPGAの大部分を構成する規則的な列構造を乱すための追加のロジックブロックを含む。追加のロジックブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用ロジックであってもよい。
【0058】
なお、図7は、単に例示的なSOCアーキテクチャを示すことを意図している。例えば、行内のロジックブロックの数、行の相対幅、行の数および順序、行に含まれたロジックブロックの種類、ロジックブロックの相対サイズ、および図7の上部に示された相互接続/ロジックの実装は、単に例示的なものである。例えば、実際のFPGAにおいて、ユーザロジックの効率的な実装を容易にするために、一般的に、CLBの2つ以上の隣接する列は、CLBの出現する箇所に含まれ、隣接するCLB行の数は、FPGAの全体的なサイズに応じて変化する。
【0059】
当業者なら、様々な異なる技術および技法を用いて情報および信号を表すことができることを理解するであろう。例えば、上記の説明において言及されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボルおよびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0060】
また、当業者なら、本明細書に開示された態様に関連して説明された様々な例示的なロジックブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得ること理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、上記では様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップの機能を概略的に説明した。これらの機能をハードウェアとして実装するかまたはソフトウェアとして実装するかは、システム全体に課される特定の応用および設計制約に依存する。当業者は、特定の応用に応じて、様々な方法で説明した機能を実装することができるが、このような実装は、本開示の範囲から逸脱するものとして解釈されるべきではない。
【0061】
本明細書に開示された態様に関連して説明した方法、シーケンス、またはアルゴリズムは、ハードウェアで直接に具現化されてもよく、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化されてもよく、または両方の組み合わせで具現化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMラッチ、フラッシュラッチ、ROMラッチ、EPROMラッチ、EEPROMラッチ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で公知の任意の他の形態の記憶媒体に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに連結される。代替的には、記憶媒体は、プロセッサに一体化されてもよい。
【0062】
上記の明細書において、具体的な実施例を参照して例示的な実施形態を説明した。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載された本開示のより広範な範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることは、明白であろう。したがって、明細書および図面は、限定的なものではなく、例示的なものとして見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7