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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】通信方法及びユーザーデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/0838 20240101AFI20250127BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20250127BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20250127BHJP
【FI】
H04W74/0838
H04W72/0446
H04W16/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022523251
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2020121807
(87)【国際公開番号】W WO2021073633
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/112064
(32)【優先日】2019-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チー
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/104299(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/169071(WO,A1)
【文献】Samsung,Frame structure for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #95 R1-1812974,2018年11月02日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1812974.zip>
【文献】Panasonic,PRACH and paging resource enhancement for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #98bis R1-1910564,2019年10月08日,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98b/Docs/R1-1910564.zip>
【文献】Samsung,Enhancements to Initial Access Procedure for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #98bis R1-1910460,2019年10月07日,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98b/Docs/R1-1910460.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーデバイスUEに応用される通信方法であって、
可能なランダムアクセスチャネルRACH機会RO位置、実際に伝送される同期信号ブロックSSB位置、フレームに基づくデバイスFBEフレーム期間FFP情報、前記FFP内のアップリンクUL/ダウンリンクDLモードのうちの少なくとも1つの情報を示す第1の指示を取得することと、
前記FFPのチャネル占用時間COT情報を示す第2の指示を取得することと、
前記第1の指示及び前記第2の指示に基づいて、物理ランダムアクセスチャネルPRACH伝送のための有効ROを決定することとを含み、
前記有効ROは、
前記伝送されるSSBに関連する所定の範囲に存在しないこと、
DL伝送が構成されたリソースと重ならなく又は一部重ならないこと、及び
FFPアイドル部分に進入しないこと、を同時に満たしている
ことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
前記FFPアイドル部分は、前記FFPと前記FFPCOTとの間の残りの部分である
ことを特徴とする請求項に記載の通信方法。
【請求項3】
前記第2の指示は、セルの特定の構成に含まれ又はシステムフレーム番号に関連して記憶される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信方法。
【請求項4】
命令が記憶されたメモリと、
前記メモリに通信接続されたプロセッサと、を含み、
前記命令が前記プロセッサにより実行される場合、前記プロセッサに、
可能なランダムアクセスチャネルRACH機会RO位置、実際に伝送される同期信号ブロックSSB位置、フレームに基づくデバイスFBEフレーム期間FFP情報、前記FFP内のアップリンクUL/ダウンリンクDLモードのうちの少なくとも1つの情報を示す第1の指示を取得し、
前記FFPのチャネル占用時間COT情報を示す第2の指示を取得し、
前記第1の指示及び前記第2の指示に基づいて、物理ランダムアクセスチャネルPRACH伝送のための有効ROを決定する操作を実行させ
前記有効ROは、
前記伝送されるSSBに関連する所定の範囲に存在しないこと、
DL伝送が構成されたリソースと重ならなく又は一部重ならないこと、及び
FFPアイドル部分に進入しないこと、を同時に満たしている
ことを特徴とするユーザーデバイス。
【請求項5】
前記FFPアイドル部分は、前記FFPと前記FFPCOTとの残りの部分である
ことを特徴とする請求項に記載のユーザーデバイス。
【請求項6】
前記第2の指示は、セルの特定の構成に含まれ又はシステムフレーム番号に関連して記憶される
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のユーザーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互引用]
本開示は、2019年10月19日に出願されたPCT出願番号PCT/CN2019/112064の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、通信システムに関し、特に、通信方法及びユーザーデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
フレームに基づくデバイス(frame based equipment、FBE)モードでは、ランダムアクセスチャネル(random access channel、RACH)機会(RACH occasion、RO)の決定とROでの物理RACH(physical RACH、PRACH)伝送は、未解決の問題である。本開示は、有効ROを決定し、ROがPRACH伝送に対して許可されているかどうかをUEがどのように決定する方法を提供する。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施例は、通信方法及びユーザーデバイスを提供する。
【0005】
これらの実施例は、ユーザーデバイス(UE)に応用される通信方法を提供し、可能なランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)位置、実際に伝送される同期信号ブロック(SSB)位置、フレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)情報、FFP内のアップリンク/ダウリンク(UL/DL)モードのうちの少なくとも1つの情報を示す第1の指示を取得することと、チャネル占用時間(COT)情報を示す第2の指示を取得することと、第1の指示及び第2の指示に基づいて、物理RACH(PRACH)伝送のための有効ROを決定することとを含む。
【0006】
これらの実施例は、さらに、ユーザーデバイス(UE)に応用される通信方法を提供し、該ROが関連するFFP内のROであり、該ROの前に関連するFFP内の少なくとも1つのダウリンク(DL)信号又はチャネルが検出されたという条件を満たしている場合、関連するフレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)内のランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)でPRACH伝送を許可すると決定することを含む。
【0007】
これらの実施例は、さらに、ユーザーデバイスを提供する。該ユーザーデバイスは、命令が記憶されたメモリと、該メモリに通信接続されたプロセッサとを含み、ここで、この命令がプロセッサにより実行されて、該プロセッサに、可能なランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)位置、実際に伝送される同期信号ブロック(SSB)位置、フレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)情報、FFP内のアップリンク/ダウリンク(UL/DL)モードのうちの少なくとも1つの情報を示す第1の指示を取得し、チャネル占用時間(COT)情報を示す第2の指示を取得し、第1の指示及び第2の指示に基づいて、物理RACH(PRACH)伝送のための有効ROを決定する操作を実行させる。
【0008】
これらの実施例は、さらに、ユーザーデバイスを提供する。該ユーザーデバイスは、命令が記憶されたメモリと、該メモリに通信接続されたプロセッサとを含み、ここで、この命令がプロセッサにより実行されて、該プロセッサに、該ROが関連するFFP内の有効ROであり、該ROの前に関連するFFP内の少なくとも1つのダウリンク(DL)信号又はチャネルが検出されたという条件を満たしている場合、関連するフレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)内のランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)でPRACH伝送を許可すると決定する操作を実行させる。
【0009】
これらの実施例は、さらに、命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を提供し、該命令がユーザーデバイスの1つ以上のプロセッサにより実行されて通信方法を実行し、該通信方法は、可能なランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)位置、実際に伝送される同期信号ブロック(SSB)位置、フレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)情報、FFP内のアップリンク/ダウリンク(UL/DL)モードのうちの少なくとも1つの情報を示す第1の指示を取得することと、チャネル占用時間(COT)情報を示す第2の指示を取得することと、第1の指示及び第2の指示に基づいて、物理RACH(PRACH)伝送のための有効ROを決定することとを含む。
【0010】
これらの実施例は、さらに、命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を提供し、該命令がユーザーデバイスの1つ以上のプロセッサにより実行されて通信方法を実行し、該通信方法は、該ROが関連するFFP内のROであり、該ROの前に関連するFFP内の少なくとも1つのダウリンク(DL)信号又はチャネルが検出されたという条件を満たしている場合、関連するフレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)内のランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)でPRACH伝送を許可すると決定することを含む。
【0011】
なお、前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願のいくつかの実施例における無線通信システムの模式図である。
図2】本願のいくつかの実施例における通信方法200のフローチャートである。
図3】本願のいくつかの実施例における通信方法300のフローチャートである。
図4】UEにより取得されたFFP、COT、SSB位置、RO位置、DL/ULモードに関する情報である。
図5】UEがFFP、COT、SSB位置、RO位置、DL/ULモードに基づいて全てのRO位置から有効ROを決定する模式図である。
図6】UEが現在のFFP内(PRACH伝送のための)有効ROの前のダウリンク伝送の受信/検出に基づいて、どの有効ROが実際のPRACH伝送に利用されると決定する模式図である。
図7】UEが現在のFFP内(PRACH伝送のための)有効ROの前のダウリンク伝送の受信/検出に基づいて、どの有効ROが実際のPRACH伝送に利用されると決定する模式図である。
図8】本願のいくつかの実施例におけるユーザーデバイス800の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、例示的な実施例を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。 以下の説明は図面を参照し、別段の指示がない限り、異なる図面の同様の数字は同じ又は類似の要素を表す。例示的な実施例の以下の説明に記載されている実施例は、本発明と一致するすべての実施例を表すことを意図するものではない。ただし、それらは、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の態様と一致する装置及び方法の単なる例示である
図1は、本願の実施例における例示的な無線通信システムを示す。無線通信システムは、基地局120、ユーザーデバイス140、及びユーザーデバイス160を含む。基地局120は、無線通信ネットワークのエンドノード(end node)である。例えば、基地局120は、LTEシステムにおける進化したノードB(eNB)又は5G無線システムのgNBである。基地局120は、無線通信システムのシステム情報が含まれる無線信号を伝送する。基地局120の周りのカバレッジエリア180内のユーザーデバイスは、システム情報を受信する。例えば、カバレッジエリア180内のユーザーデバイス140は、システム情報を受信し、基地局120を介してネットワークサービスにアクセスすることができる。
【0014】
ユーザーデバイス140及びユーザーデバイス160のそれぞれは、無線通信ネットワークにおける移動端末である。例えば、ユーザーデバイス140又はユーザーデバイス160は、スマートフォン、ネットワークインターフェースカード、又は機械タイプの端末である。別の例として、ユーザーデバイス140又はユーザーデバイス160は、LTEシステム又は5G無線システムにおけるユーザーデバイスである。ユーザーデバイス140及びユーザーデバイス160及び基地局120はそれぞれ、無線信号を送受信することができる通信ユニットを含む。以下の説明は、無線通信システムにおいてユーザーデバイス140を操作するためのスキームについて説明し、そのような説明は、ユーザーデバイス160にも適用される。
【0015】
ユーザーデバイス140が基地局120を介してネットワークサービスにアクセスしたい場合、ユーザーデバイス140は、同期及び無線リソース割り当て及びスケジューリングなどのカバレッジ180を有するシステム情報を収集するために基地局120から制御信号を受信する必要があり得る。例えば、5G無線システムのユーザーデバイス140は、データが物理ダウンリンク共有チャネルでユーザーデバイス140に伝送されるかどうかを知るために、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を受信する必要があり得る。したがって、ユーザーデバイス140は、基地局120によって伝送される信号においてPDCCHを検出する必要がある。
【0016】
例えば、5G無線システムは無線通信にOFDM波形を使用する。従来のLTEセルラーネットワークと同様に、通信が時間フレームで測定され、各フレームがタイムスロットに分割され、各スロットには複数のOFDMシンボルが含まれ、各シンボルが複数の周波数サブキャリアにまたがっている。リソースは、時間(OFDMシンボル)と周波数(サブキャリア)により定義される。
【0017】
PDCCH検索空間がリソースのセットであり、ユーザーデバイス(例えば、ユーザーデバイス140)がこのリソースのセットをそのPDCCH候補として想定し、制御情報を得るために検索及びデコードを試みることができる。一般性を失うことなく、ユーザーデバイスの場合、PDCCHが伝送されるリソースとして構成されているインスタンス(又はユーザーデバイスがそのPDCCHを監視するように構成されているインスタンス)は、以降、スケジューリング(又はPDCCH)例と呼ばれる。ユーザーデバイス140は、ユーザーデバイスがそのPDCCH候補を成功復号するまで、その探索空間内のすべてのPDCCHインスタンスをブラインド復号することができる。 PDCCHが成功に復号化されると、ユーザーデバイス140は、物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel、PDSCH)などのデータチャネル上で基地局から伝送されたデータを受信及び復号し続ける。ユーザーデバイス140がその探索空間でPDCCHを復号することに失敗した場合、ユーザーデバイス140は、このスケジューリングインスタンスでPDCCHが伝送されなかったと想定し、そのPDSCHを復号しない。
【0018】
5G無線システムは、広い帯域幅が利用可能なより高い周波数(たとえば、6GHz以上)で展開できる。例えば、ビームフォーミング(beamforming、BF)を使用して、信号強度を高め、無線システムの干渉を減らすことができる。
【0019】
以下は、当技術分野における関連用語の例示的な説明である。
【0020】
アンライセンスバンド
アンライセンススペクトルは共有スペクトルである。異なる通信システムの通信機器は、スペクトルに関する国又は地域の規制要件を満たしている限り、このスペクトルを使用でき、政府からの排他的なスペクトル認証を申請する必要がない。
【0021】
無線通信にアンライセンスバンドを使用するさまざまな通信システムがスペクトル内で友好的に共存できるようにするために、一部の国又は地域では、アンライセンスバンドを使用して満たす必要のある規制要件を指定している。例えば、通信デバイスは「Listen Before Talk(LBT)」の原則に従い、つまり、デバイスはチャネルで信号を伝送する前にチャネルセンシングを実行する必要がある。LBTの結果がチャネルがアイドル状態であることを示している場合にのみ、デバイスは信号の伝送を実行でき、それ以外の場合、デバイスは信号の伝送を実行できない。公平性を確保するために、デバイスがチャネルを正常に占用すると、伝送時間は最大チャネル占用時間(Maximum Channel Occupancy Time、MCOT)を超えることはできない。
【0022】
アンライセンスキャリアでは、基地局によって取得されたチャネル占用時間について、アップリンク信号又はアップリンクチャネルを伝送するために、チャネル占用時間をUEと共有することができる。言い換えれば、基地局が自身のチャネル占用時間をUEと共有する場合、UEは、UE自体によって使用されるよりも高い優先度でLBTモードを使用してチャネルを取得することができ、それにより、より高い確率でチャネルを取得する。
【0023】
フレームに基づくデバイス(FBE)
FBEがアンライセンスバンドのためのチャネルアクセスモードであり、ここで、開始装置が一定の周期でCOTを開始する必要がある。このモードがLTE LAA、eLAA、FeLAAにサポートしない。
【0024】
NRUにおける物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
アンライセンスバンドでは、20MHz帯域の伝送ごとに、実際の伝送が帯域幅使用量の少なくとも80%を保証する必要があるという規制がある。これは、占用チャネルバンド(OCB)要件とも呼ばれる。30Khzサブキャリア間隔のNRUシステムの場合、ネットワークが48 RBの初期BWP(つまり、17.28Mhz帯域幅)を構成している場合、UEが選択した1つのROでRel.15 PRACH(1 RO = 360Khz帯域幅)を繰り返して利用する。したがって、OCB要件は満たされない。 このOCBの問題を解決するには、UEは複数の周波数領域のROでPRACHを伝送する必要があり、たとえば、RO#0、RO#1、RO#2、RO#3での同時伝送、又はRO#0、RO#3での同時伝送などである。なお、OCBは、伝送の最低周波数と最高周波数の間の帯域幅を考慮し、これは、伝送スペクトルにギャップがない伝送を強制要求しない。したがって、RO#0~RO#3での伝送は、RO#0、RO#3での伝送に相当する。
【0025】
従って、FBEモードでは、ROの決定とROでのPRACH伝送は未解決の問題である。 以下の説明は、有効ROを決定し、ROがPRACH伝送に許可されているかどうかをUEが決定する方法を提供する。
【0026】
図2は、本願のいくつかの実施例における例示的な通信方法200のフローチャートである。方法200は、ユーザーデバイス140又はユーザーデバイス160によって実施される。方法200は、以下のステップを含む。
【0027】
ステップ210において、可能なランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)位置、実際に伝送される同期信号ブロック(synchronization signal BLOCK、SSB)位置、フレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FBE frame period、FFP)情報又はFFP内のアップリック/ダウリンク(UL/DL)モードのうちの少なくとも1つの情報を示す第1の指示を取得する。
【0028】
ステップ230において、チャネル占用時間(channel occupancy time、COT)情報を示す第2の指示を取得する。
【0029】
ステップ250において、第1の指示及び第2の指示に基づいて物理RACH(PRACH)伝送のための有効ROを決定する。
【0030】
一実施例において、有効ROは、
伝送されるSSSBに関連する範囲に存在しないこと、
DL伝送が構成されたリソースと重ならなく又は一部重ならないこと
FFPアイドル部分に進入しないことのうちの少なくとも1つを満たしている。
【0031】
一実施例において、FFPアイドル部分は、FFPとFFPのCOTとの残り部分である。
【0032】
一実施例において、第2の指示がセルの特定の構成に含まれ、又はシステムフレーム番号に基づいて記憶される。
【0033】
図3は、本願のいくつかの実施例における例示的な通信方法300のフローチャートである。方法300は、ユーザーデバイス140又はユーザーデバイス160によって実施される。方法300は、以下のステップを含む。
【0034】
ステップ310において、以下の条件を満たしている場合、関連するフレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)内のランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)でPRACH伝送を許可すると決定し、前記条件は、
該ROが関連するFFP内の有効ROであることと、
該ROの前に、関連するFFP内の少なくとも1つのダウリンク(DL)信号又はチャネルが検出されたこととを含む。
【0035】
一実施例において、DL信号は、同期信号ブロック(SSB)又はダウリンク参照信号のうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
一実施例において、DLチャネルは、物理ダウリンク制御チャネル(PDCCH)又は物理ダウリンク共有チャネル(PDSCH)のうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
一実施例において、方法300は、さらに、許可されるROにPRACHを伝送するためのLBTタイプを実行することを含む。
【0038】
一実施例において、LBTタイプは、セルの特定の構成により(例えば、SIB1)指示し、又は予め設定される。
【0039】
一実施例において、LBTタイプは、カテゴリ1(Category 1)、カテゴリ2(Category 2)又はカテゴリ4(Category 4)である。
【0040】
以下は、本願のいくつかの実施例に基づいて実現される例である。5G NRアンライセンスバンド通信においてこれらの例を採用することができる。
【0041】
例1
図4は一実施例においてUEによりFFP、COT、SSB位置、RO位置、DL/ULモードに関連する情報を取得することを示す。
【0042】
図4に示すように、UEがFFP及びCOT情報に関する情報を受信すると、UEがFFPからCOTを減算してFFPアイドル部分を取得することができる。なお、UEがSSB位置、DL/ULモード、RO位置を受信する時に、図4に示すように、UEがこれらのリソースの相対位置を把握することができる。
【0043】
次のステップにおいて、UEが全てのRO位置から有効ROを決定し、これにより、該ROがダウリンク伝送及びSSB伝送に構成されたリソースと重ならない。なお、有効ROがFFPアイドル部分と重ならなく、図5に示すように、該図は、UEがFFP、COT、SSB位置、RO位置、DL/ULモードに基づいて全てのRO位置から有効ROを決定することを示す。
【0044】
例2
UEが有効ROを決定し、UEが有効ROにおいてPRACHを伝送したい場合、UEが検証で現在のFFPからこの有効ROまでの時間帯に何のダウリンク伝送があるかどうかを検出してこの有効ROが実際のPRACH伝送に利用されるかどうかを決定する。ダウリンク伝送が任意のDL伝送であってもよく、例えばSSB、PDCCH 、PDSCH、ダウリンク参照信号である。DL伝送を検出した場合、該有効RO後のFFP終了までの全ての有効ROは、それにPRACH伝送を行うことができるROとして決定される。
【0045】
図6は、UEが現在のFFP内の(PRACHのための)有効ROの前のダウリンク伝送の受信/検出に基づいて、どの有効ROが実際のPRACH伝送に利用されると決定することを示す。
【0046】
図7は、UEが現在のFFP内の(PRACHのための)有効ROの前のダウリンク伝送の受信/検出に基づいて、どの有効ROが実際のPRACH伝送に利用されると決定することを示す。
【0047】
図6及び図7に示すように、UEがPRACH伝送を実行する場合、UEがセルの特定の構成で通知するLBTタイプ(例えば、LBTカテゴリ1、カテゴリ2、ギャップが16us又は25usである)を使用することができる。他の実施例では、LBTタイプが予め設定されてもよく、ギャップが予め設定されてもよく。
【0048】
図8は、本願のいくつかの実施例による例示的なユーザーデバイス800の概略図である。ユーザーデバイス800は、メモリ810、プロセッサ820、ストレージ830、I/Oインターフェース840、及び通信ユニット850を含む。ユーザーデバイス800のこれらの要素のうちの1つ又は複数は、上記のような通信方法の実施例のいずれかを実行するために含まれ得る。図1に示すユーザーデバイス140又はユーザーデバイス160は、ユーザーデバイス800として構成することができる。
【0049】
プロセッサ820は、任意の適切なタイプの汎用又は特殊目的のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、又はマイクロコントローラを含む。プロセッサ820は、ユーザーデバイス140又はユーザーデバイス160のプロセッサのうちの1つであり得る。メモリ810及びストレージ830は、プロセッサ820が動作する必要がある可能性がある任意のタイプの情報を格納するように構成された任意の適切なタイプのマスストレージを含むことができる。メモリ810及びストレージ830は、揮発性又は非揮発性、磁気、半導体、テープ、光学、取り外し可能、非取り外し可能、又は他のタイプのストレージデバイス又は有形の(すなわち、非一時的な)性別のコンピュータ可読媒体であり得る。ただし、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、動的ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び静的RAMを含むが、これに限定されない。メモリ810及び/又はストレージ830は、本明細書に開示される通信方法の実施例のいずれかを実行するために、プロセッサ820によって実行される1つ又は複数のプログラムを格納するように構成され得る。
【0050】
メモリ810及び/又はストレージ830は、プロセッサ820によって使用される情報及びデータを格納するようにさらに構成され得る。
【0051】
I/Oインターフェース840は、ユーザーデバイス800と他のデバイスとの間の通信を可能にするように構成され得る。 例えば、I/Oインターフェース840は、ユーザーデバイス800のシステム構成情報を含む別の装置(例えば、基地局)から信号を受信することができる。I/Oインターフェース840はまた、他のデバイスへの送信統計のためのデータを出力することができる。
【0052】
通信ユニット850は、例えば、5G無線システム、ロングタームエボリューション(LTE)、高速パケットアクセス(HSPA)、広帯域コード分割マルチアクセス(WCDMA)、及び/又はグローバル移動体通信用システム(GSM)の通信モジュール等の1つ又は複数のセルラー通信モジュールを含み得る。
【0053】
プロセッサ820は、可能なランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)位置、実際に伝送される同期信号ブロック(SSB)位置、フレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)情報、FFP内のアップリンク/ダウリンク(UL/DL)モードのうちの少なくとも1つの情報を示す第1の指示を取得し、チャネル占用時間(COT)情報を示す第2の指示を取得し、第1の指示及び第2の指示に基づいて物理RACH (PRACH)伝送のための有効ROを決定するように構成される。
【0054】
一実施例において、有効ROは、伝送されるSSSBに関連する所定の範囲に存在しないこと、DL伝送が構成されたリソースと重ならなく又は一部重ならないこと、FFPアイドル部分に進入しないことのうちの少なくとも1つを満たしている。
【0055】
一実施例において、FFPアイドル部分は、FFPとFFPのCOTとの残りの部分である。
【0056】
一実施例において、第2の指示がセルの特定の構成に含まれ、又はシステムフレーム番号に基づいて記憶される。
【0057】
プロセッサ820は、さらに、該ROが関連するFFP内のROであり、該ROの前に関連するFFP内の少なくとも1つのダウリンク(DL)信号又はチャネルが検出されたという条件を満たしている場合、関連するフレームに基づくデバイス(FBE)フレーム周期(FFP)内のランダムアクセスチャネル(RACH)機会(RO)でPRACH伝送を許可すると決定するように構成される。
【0058】
一実施例において、DL信号は、同期信号ブロック(SSB)又はダウリンク参照信号のうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
一実施例において、DLチャネルは、物理ダウリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ダウリンク共有チャネル(PDSCH)のうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
一実施例において、プロセッサ820は、さらに、許可されるROにPRACHを伝送するためのLBTタイプを実行するように構成される。
【0061】
一実施例において、LBTタイプは、セルの特定の構成により指示され、又は予め設定される。
【0062】
一実施例において、セルの特定の構成は、SIB1を含む。
【0063】
一実施例において、LBTタイプは、カテゴリ1、カテゴリ2又はカテゴリ4である。
【0064】
本開示の別の態様は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、本明細書に開示される実施例と一致する方法を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、揮発性又は不揮発性、磁気、半導体、テープ、光学的、取り外し可能、非取り外し可能又は他のタイプのコンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読記憶装置を含み得る 例えば、開示されるように、コンピュータ可読媒体は、その上に記憶されたコンピュータ命令を有する記憶装置又はメモリモジュールであり得る。 いくつかの実施例では、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ命令が格納されている光ディスク又はフラッシュドライブであり得る。
【0065】
本開示は、上記に記載され、図面に示されている正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解されたい。 この出願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることを意図している。
図1
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図8