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特許7625605ベンチュリ手術システムにおける真空発振防止
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】ベンチュリ手術システムにおける真空発振防止
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20250127BHJP
【FI】
A61F9/007 130F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022538459
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 IB2021050194
(87)【国際公開番号】W WO2021144691
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】62/960,777
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】チエンション チョウ
【審査官】松山 雛子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-171401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンチュリ真空を発生させる方法であって、本方法が、
真空ラインに真空を提供するために、空気圧源からの調整された圧力供給をベンチュリ真空発生器に誘導することと、
ベンチュリ入口圧力トランスデューサによって前記ベンチュリ真空発生器への入口圧力を監視することと、
真空圧トランスデューサによって前記ベンチュリ真空発生器に接続された前記真空ラインの真空圧を監視することと、
ントローラにおいて、監視された入口圧力及び真空圧の値を取得することと、
前記監視された値に基づいて前記コントローラによって、前記真空ラインにおいて実質的に真空発振を防止するように、前記ベンチュリ真空発生器への前記圧力供給の絞りレベルと前記真空ラインからの真空圧抽気レベルとのうちの少なくとも一方を調整することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記調整することが、
真空発振を防ぐために前記絞りレベルを最大絞りで維持する絞り制御比例弁を採用することと、
操作者が決定した真空レベルを実現するために気を制御する抽気制御比例弁を採用することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調整することが、
前記真空発振の止のために、設定された真空抽気レベルを維持することと、
操作者が決定した真空レベルを実現するために絞り制御比例弁を採用することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記調整することが、
真空レベル発振領域よりも下の所定の真空レベルを検出することと、
前記ベンチュリ真空発生器の最大真空度に対応する最大値に絞り制御比例弁を動かすことと、
前記検出することに基づいて、抽気制御比例弁を所定の最大レベルに開放することと、
前記監視された値と連携して、最大ベンチュリ入口圧力を維持するように絞り制御比例弁を調整するために、前記コントローラにおいてPID(比例-積分-微分)制御アルゴリズムを採用することと、
操作者が決定した真空圧力レベルを実現するように抽気制御比例弁を調整することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記調整することが、
真空レベル発振領域よりも下の所定の真空レベルを検出することと、
前記コントローラにおいてPID制御アルゴリズムを採用し、前記所定の真空レベルを検出することに応じて所定の過渡的真空度範囲内で操作者が決定した真空レベルを得るように絞り制御比例弁及び抽気制御比例弁を調整するために前記監視された値をリアルタイムで考慮することと、
所定の過渡的真空度範囲を超えるが、前記真空レベル発振領域よりも下の真空レベルを検出することと、
前記ベンチュリ真空発生器の最大真空度に対応する最大値に前記絞り制御比例弁を調整するために前記PID制御アルゴリズムを採用することと、
操作者が決定した真空圧力レベルを実現するように抽気制御比例弁を調整することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記調整することが、
前記真空圧トランスデューサから真空レベル発振を検出することと、
前記ベンチュリ真空発生器の最大真空度に対応する最大値に絞り制御比例弁を開放することと、
抽気制御比例弁を所定の最大レベルに開放することと、
前記コントローラにおいてPID制御アルゴリズムを採用し、前記絞り制御比例弁を前記最大値に維持することを確保し、操作者によって決定された真空レベルを提供するように前記抽気制御比例弁を調整するために前記監視された値をリアルタイムで考慮することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ベンチュリ真空システムであって、
ベンチュリ真空発生器と、
前記ベンチュリ真空発生器における圧力を誘導する圧力源と、
前記ベンチュリ真空発生器における前記圧力を監視するベンチュリ入口圧力トランスデューサと、
前記ベンチュリ真空発生器から真空圧を取得する真空ラインと、
前記真空圧を監視する真空圧トランスデューサと、
前記ベンチュリ真空発生器に誘導された前記圧力及び前記ベンチュリ真空発生器に接続された前記真空ラインにおける前記真空圧のリアルタイム監視に基づいて、前記ベンチュリ真空発生器に誘導された前記圧力の絞りを調整するように絞り装置に指示し、前記真空ラインから真空を引くように抽気装置に指示するシステムコントローラと
を備え、
前記絞り装置及び前記抽気装置に前記指示することが、前記真空ラインにおける前記真空圧の発振を実質的に回避するためのものである、ベンチュリ真空システム。
【請求項8】
前記絞り装置が絞り制御比例弁であり、前記抽気置が抽気制御比例弁である、請求項に記載のベンチュリ真空システム。
【請求項9】
前記システムコントローラが、前記発振の前記回避のためにPIDアルゴリズムを実行するプロセッサを備える、請求項に記載のベンチュリ真空システム。
【請求項10】
前記真空ラインが手術器具において終端する、請求項7に記載のベンチュリ真空システム。
【請求項11】
前記手術器具が硝子体切除プローブである、請求項10に記載のベンチュリ真空システム。
【請求項12】
ベンチュリ真空システムから発振を減衰させる方法であって、本方法が、
ベンチュリ真空発生器から、前記ベンチュリ真空発生器から走る真空ラインにおいて、真空圧の対応する発振領域よりも下の圧力レベルで前記ベンチュリ真空発生器を通る流体の流れを駆動することと、
前記ベンチュリ真空発生器において、前記真空ラインにおいて前記発振領域に到達するための圧力まで前記流れを増加させることと、
前記発振の前記減衰のための前記増加の際に前記真空ラインに対して圧力の抽気を適用することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記増加の前に前記ベンチュリ真空発生器での圧力の前記流れを決定するために、前記ベンチュリ真空発生器において入口圧力トランスデューサを採用することと、
前記抽気の前に前記真空ラインでの前記真空圧を決定するために、前記真空ラインにおいて真空圧トランスデューサを採用することと
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ベンチュリ真空発生器における前記流れの圧力の前記増加及び前記真空ラインに対する前記抽気を指示するために、前記入口圧力トランスデューサ及び前記真空圧トランスデューサと通信しているコントローラのプロセッサにおいてPIDベースのアルゴリズムプログラムを実行することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、発明者がJiansheng Zhouである、2020年1月14日に出願された「VACUUM OSCILLATION PREVENTION IN A VENTURI SURGICAL SYSTEM」と題する米国仮特許出願第62/960,777号明細書の優先権の利益を主張するものであり、同仮特許出願は、あたかも本明細書に十分且つ完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
年来、低侵襲手術の分野で多くの劇的な進歩が生じている。手術が血管ステントの留置であっても又は眼の手術を行うことであっても、現在、より小型でより精密な機器や改良された技術を容易に利用することができる。多くの低侵襲手術において共通している態様は、手順の際に吸引を用いることである。これらの低侵襲手術では、吸引は、流体、組織、又は他の物質を取り出すために必要である。例えば、網膜の疾患に対処するための眼の手術の場合、硝子体切除術の一部として吸引を用いるのが一般的である。
【0003】
硝子体切除とは、患者の眼から硝子体液の一部又は全部を除去することである。場合によっては、硝子体切除は、手術の大部分を構成することもある。硝子体切除は、白内障手術、網膜修復手術、黄斑ひだ形成症又は多数の他の疾患に対処する手術を伴うこともある。
【0004】
硝子体液自体は透明なゲルであり、眼に予め配置されたカニューレを通して挿入された硝子体切除プローブによって除去され得る。より具体的には、硝子体切除術の際には、硝子体切除プローブは、その中央チャネルを使用して小さなギロチンのように働き、硝子体を高速で微細小片に切断する。中央チャネルに接続された流体チューブに真空が適用され、これにより切断後の硝子体を除去するための吸引が提供される。
【0005】
硝子体切除術(及び超音波水晶体乳化吸引術(白内障摘出術)、破砕術、及び粘性流体抽出術などの他のタイプの眼の手術)の際、他の物質と共に流体を取り出すために真空が適用される場合、適切な眼圧(IOP)を制御及び維持することは、手術の効率、有効性、及び安全性を支援する。しかしながら、適正なIOPを維持することは、注入と吸引との間で慎重にバランスを取る操作である。
【0006】
ベンチュリ真空発生器は、眼の手術において吸引を提供するために一般に使用される。しかしながら、ベンチュリ真空発生器は、最大真空圧付近で不安定な真空圧又は発振領域を有することがある。最大で約670mmHg(水銀柱ミリメートル)を送達するように構成されたベンチュリ真空発生器の場合、最大動作時では発振がないことがある。しかしながら、真空発生器を約550から670mmHgレベルのすぐ下のレベルまで動作させると著しい量の発振が発生することがある。つまり、真空度が上げられ、そして最大真空度に到達する前に、大きな発振が発生することがある。
【0007】
上述のように、IOP変動をもたらす真空圧発振は、手術の効率、有効性、及び安全性に影響を与えることがある。しかしながら、実際問題として、このような発振を完全に避けることにも欠点がある場合がある。つまり、真空度を所定のレベル未満に保つことは、発振を避けるのには役立つかもしれない。しかし残念ながら、このことは、高いレベル未満に真空度を保つことを意味し、手術の一部でしか役立つ可能性のないことを意味する。
【0008】
更に、プローブ針を使用する前に発振領域を通過するように、手術開始前に真空をオンにしてランプアップするという選択肢は現実的ではないこともある。またここでも、発振領域未満で動作させることによって手術を開始し、発振領域を通る際に絞り調整するときに手術操作を停止し、落ち着いたら手術操作を再開することも現実的ではないこともある。いずれの場合も、執刀医は、手順の際に特定の真空圧設定では作業できないことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
手術システムが説明される。本システムは、圧力源と、システムへの供給圧力又は供給流をオン又はオフにするための遮断弁と、供給源からの供給圧力を調整するための圧力レギュレータとを備える。ベンチュリ真空発生器が、手術システムの吸引ポートに真空圧を供給するために、供給圧力と連通して設けられる。供給圧力レギュレータとベンチュリ真空発生器との間にある絞り制御比例弁が、ベンチュリ真空発生器から出る真空圧を検出するために真空圧トランスデューサを利用して、真空発生器への流れを制御する。同様に、ベンチュリ入口圧力トランスデューサが、ベンチュリ真空発生器への入口圧力を検出するために使用される。次いで、抽気制御比例弁が、これらの検出に応じてベンチュリ真空発生器の出口ラインから任意選択で真空を抽気するために利用される。このようにして、検出に応答するように構成されたシステムコントローラが、絞り制御比例弁及び抽気制御比例弁を制御して、手術システムに向けられる真空発振を実質的に防止することができる。
【0010】
本システムの変形形態も得ることができる。ベンチュリ真空システムからの発振の減衰が何らかの形態で提供される限り、相当の利益を実現する可能性がある。換言すれば、流体の流れをベンチュリ真空発生器に通して発振絞りレベル閾値未満のレベルで駆動し、その後、発生器からの真空の流れの一部を同時に抽気しながら、閾値に達する、及び/又は閾値を超えるように流れを増加することによって、これまで見られなかった仕方で真空圧発振の有益な減衰又は排除が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、発振の最小化機能がないベンチュリ真空システムにおける真空発振を例示的に示す従来技術の図である。
図2図2は、発振の最小化機能を有するベンチュリ真空手術システムの概略図である。
図3図3は、図2のベンチュリ真空システムの支援下で患者の眼に対して行われる硝子体切除術の概要図である。
図4図4は、図2のベンチュリ真空システムにおいて、図3の手術の際に発振を最小化又は排除するために適用される制御方法を示すグラフである。
図5図5は、図2のベンチュリ真空システムにおいて、図3の手術の際に発振を最小化又は排除するために適用される別の制御方法を示す別のグラフである。
図6図6は、図2のベンチュリ真空システムにおいて、図3の手術の際に発振を最小化又は排除するために適用される別の制御方法を示す更に別のグラフである。
図7図7は、図4図5、及び図6の制御方法のいずれかを適用して得られた発振のない真空を示すグラフである。
図8図8は、手術の際に発振を最小化又は排除するためのベンチュリ真空システム及び制御方法を採用する実施形態を要約したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明において、本開示の理解を提供するために、多数の詳細を記載する。しかし、記述する実施形態が、これらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者であれば理解するであろう。更に、具体的に記述する実施形態において依然として企図される多数の変形又は修正が採用されてもよい。
【0013】
ある特定の種類の硝子体切除プローブ手術に関連して実施形態を説明する。特に、網膜剥離に対処するために硝子体液が除去される硝子体切除術が例示される。しかし、本明細書中に詳述する器具及び制御方法は、他の様々な手法で用いられ得る。つまり、独自に調整された耐発振機能を備えたベンチュリ真空システムの適用は、硝子体出血、黄斑ひだ形成症、黄斑円孔、飛蚊症、糖尿病網膜症、又は他の様々な眼又は眼以外の関連症状に対処するために利用されてもよい。いずれにせよ、ベンチュリ真空システムが本明細書に詳述する発振低減又は排除機能を組み込む限り、相当の利益を実現する可能性がある。
【0014】
ここで図1を参照すると、発振の最小化機能が採用されていない従来のベンチュリ真空手術システムを例示するグラフが示されている。具体的には、0から最大真空度に対応するレベルまでの絞りレベルに対して、供給圧力又は供給流の増加の結果として0から最大値(例えば、670mmHg)に変化する真空圧を同期させて示したグラフが示されている。絞りレベルは絞り制御比例弁の開放率であってもよい。真空の発振は、最大真空レベルのすぐ下の領域(例えば、550~670mmHgのすぐ下)で発生する。このようなベンチュリ真空システムでは、IOP変動をもたらす真空圧発振が手術の効率、有効性、及び安全性に影響を与え得るため、この範囲で手術することは望ましくない(或いは手術できない)ことがある。しかしながら、真空が最大値(例えば、670mmHg)に到達すると、発振は消える。
【0015】
次に、図2を参照すると、発振最小化のための機能を採用したベンチュリ真空手術システム100の概略図が示されている。つまり、現場で手術器具を支援する他の真空システムと同様に、ベンチュリ真空発生器150が採用される。システム100は、圧力源120、圧力レギュレータ140、遮断弁130、絞り装置155、真空圧トランスデューサ180、及びマフラー160など、他の標準的構成要素を備える。しかしながら、従来のシステムは、このようなベンチュリ装置が最大真空度付近で作動される場合に発振を発生しやすい。しかし、本明細書で詳述するように、図示のシステム100は、そのような発振を最小化、減衰、及び/又は排除するために、ベンチュリ入口圧力トランスデューサ175と抽気制御装置101という独自の機能を採用する。
【0016】
引き続き図2を参照すると、システム100では、圧力源120が、上記ベンチュリ真空発生器150に向かって空気の流体の流れ(125参照)を発生させる。そのため、例えば、圧力源120は、真空発生器150に向けて20~40SLPM(標準リットル毎分(standard litre per minute))の空気を誘導する空気圧源であってもよい。圧力測定に関しては、約60PSI(ポンド毎平方インチ)が圧力源120において検出される。当然のことながら、これは例示的な状況に過ぎない。
【0017】
手術環境では、この圧力源120は、施設全体を走る共通ラインから、移動式ベースユニット、高圧力シリンダ、コンプレッサ、又は他の適切な圧力源から引き出され得る。空気流125を支援するためにこの程度の圧力が利用可能である一方で、真空発生器150に到達する空気圧力及び空気流を実際に支配するために利用される絞り装置155が設けられる。この装置155は、特に、図示のような絞り制御比例弁であってもよい。そのため、例えば40SLPMが利用可能である一方、図示の真空発生器150に対しては、その設計公差及び最大効率に基づいて、約30SLPMの最大絞りがもたらされ得る。これは、次に、60PSIが上述のように利用可能であることにつながり得るが、絞り最大値はベンチュリ真空発生器150に対して約50PSIで圧力を最大化するように構成される。ここでPSI値を参照することは、以下に詳述する発振排除制御方法のためにリアルタイム圧力の読み値がトランスデューサ175、180から利用可能であることから、有用である。
【0018】
50PSIの最大値が真空発生器150に供給される例を続けると、最大絞りのすぐ下の範囲(例えば、45~50PSIのすぐ下)では、発生器150は望ましくない発振を呈しやすいことが理解されよう。対処されない場合、このことは、システム100によって促進される吸引又は真空ライン110の端部にある器具の性能に影響を与え得る。よって、上記の吸引を発生させるためにベンチュリ発生器150と流体連通している真空ライン110は、抽気制御装置101とも流体連通している。この装置101は、以下に説明するようにシステム100の他の機能と協調して動作される場合、上記の発振を減衰又は実質的に排除するために利用され得る抽気制御比例弁であってもよい。
【0019】
図2のシステム100は、絞り装置155とベンチュリ真空発生器150との間の流体経路に配置されるベンチュリ入口圧力トランスデューサ175を更に備える。これにより、トランスデューサ175における検出された圧力を介して実際の絞りレベルのリアルタイム監視が追跡されてもよい。具体的には、検出された圧力は、適切な計算能力を有するシステムコントローラ105によって監視されてもよい。よって、コントローラ105は、標準的なフィードバックの仕方で、トランスデューサ175からの実際に検出された圧力に基づいて、装置155における絞りレベルを更に調整してもよい。例えば、ベンチュリ真空発生器150に対して40PSIにおいて見られる絞りが望まれるが、トランスデューサ175において45PSIをむしろ示す圧力検出がなされた場合、コントローラ105は絞り装置155に適切な調整を行ってもよい。
【0020】
図示の実施形態では、コントローラ105は絞り装置155及びベンチュリ入口圧力トランスデューサ175から離れて配置されているが、無線手段を介して上記のように通信してもよい。或いは、コントローラの通信が望ましいこれらの機能及び他の機能を含むシステムコンポーネントが、単一の移動式又は固定式ユニットの一部として一緒に配線されてもよい。
【0021】
引き続き図2を参照すると、ベンチュリ発生器150を通る流れ125は、マフラー装置160に向かって出る。当然のことながら、他のベンチュリ発生器装置と同様に、図示の発生器150も、発生器から離れ、最終的には上記の真空ライン110に向かう真空連通のための流路を備える。つまり、発生器150を通る流れ125は、最終的に真空ライン110における真空を促進し、例えば、図3に示すような手術を支援する。
【0022】
しかしながら、おそらくより注目すべきことに、図2に示すシステム実施形態はまた、上述のように、抽気制御装置101に向かう真空連通も含む。以下に詳述するように、この装置101は、圧力が発振を支援しやすい領域にある場合に、真空圧を真空ライン110から遠ざけるように作動されてもよい。そのため、例えばベンチュリ発生器150が効率的な最大真空度である約670mmHgに対応する定格である場合、発振を回避する対策が取られないと、吸引が550~670mmHgの範囲にある場合に真空発振を呈しやすくなり得る。当然のことながら、このことは例に過ぎない。他の様々な最大値及び発振の可能性のある範囲が考慮され得る。いずれにせよ、上記の例では、真空圧トランスデューサ180が、ベンチュリ発生器150と流体連通して配置され得る。そのため、例えば、絞り装置155において絞りを大きくすると、問題の550~670mmHg所定の発振領域に接近することを辿ることがベンチュリ発生器150の真空側で発生することがある。
【0023】
最大値が670mmHgのベンチュリ発生器150の例を続けると、上述のように、ベンチュリ発生器150へ、そしてそれを通過する際に絞り装置155によって修正される空気流125を促進する、十分すぎるほどの圧力供給120が利用可能である。そのため、例えば、運転開始時に、絞り装置155は、発生器150に達する圧力を0PSIから始めて約45PSIまで安定して上昇させるようにコントローラ105によって指示されてもよい。このことは、入口圧力トランスデューサ175によって、圧力の初期のランプアップを通して確認され得る。またここでも、吸引側でのこのランプアップの真の効果は真空圧トランスデューサ180によって直接監視されてもよい。例えば、これらの検出は、ランプアップが、0から550mmHgまでの真空の予想される対応するランプアップをもたらしたか否かを確認し得る。更に、ランプアップが真空側で予想を上回った(又は下回った)分に対応して、絞りレベルは、コントローラ105によって指示されるように下げられて(又は上げられて)もよい。
【0024】
上記の例を更に続けると、真空ライン110を介した吸引は、図3に示されるような手術を支援して、0~550mmHgの全範囲にわたって適用され得る。しかしながら、この例では550~670mmHgという発振領域が作用し始めるところでは、真空ライン110が手術に対する目立った発振を効果的に回避できるような代替措置を取ってもよい。具体的には、上で示唆したように、検出された真空度が550mmHgにおいて発振領域に到達すると、抽気装置101が、ベンチュリ発生器150から真空圧の抽気を開始するために採用されてもよい。同時に、絞りは、ベンチュリ真空発生器150が真空抽気をカバーするためにより高い真空を形成するように、絞り装置155において高められる。正味の効果は、真空ライン110における真空レベルが、発振なしで550mmHgに維持されるというものである。以下に詳述するように、発振領域は予め決められていてもよいし、又はコントローラ105は真空圧トランスデューサ180から実際に検出された発振に応答するように構成されてもよい。
【0025】
上述のように、発振は発生器150に向けられた圧力(例えば、本例では45~50PSI)の自然な作用である。本例では、このことは、真空側では550~670mmHgでの発振につながる。よって、比例弁である抽気装置101は、これらの圧力範囲に曝されている間、絞りを高いレベルに上げながら開放され得る。このようにして、真空ライン110において550~670mmHgの真空を実現することができ、この動作領域における対応する発振は存在しない。このことは、以下で更に詳しく説明される。
【0026】
次に図3を特に参照すると、硝子体切除術の際の患者の眼250の側面断面略図が示されている。具体的には、手術は、図2のシステム100の真空ライン110によって支援される。図示のように、このライン110は、眼250から硝子体液210を取り込むためのポート277で終端する硝子体切除プローブニードルの一部である。同時に、注入器具225が、不活性な生体適合性流体200を眼250に送達し、除去された硝子体液に置き換わり、そこに圧力バランスを維持するのを助けるために使用される。このように、ライン110を通した真空の安定は、眼内の圧力(眼圧(IOP))を維持することを助ける。
【0027】
引き続き図3を参照すると、プローブ針110及び注入器具225は、予め配置されたカニューレ230、215によって支持される。このことにより、手術のための装置を案内しながら支持することができる。カニューレ215、230は、直径が小さく、長さが比較的短い。これは、視神経260、網膜275、及び眼250の後ろの他のより繊細な機構への損傷のリスクを回避するのに役立つ。カニューレ215、230は、強膜270においてオフセットして配置されることに留意されたい。このようにして、より繊細な角膜290及び水晶体280への損傷を回避することができる。このように、様々な措置が取られて、手術の際に不用意な損傷が回避されることを確保するように支援する。本出願の実施形態が、手術の際の真空ライン110における真空圧発振の結果として不安定なIOPによって引き起こされる視神経260、網膜275、角膜290、及び水晶体280の意図しない動きを避けることを対象とするのも同様の流れである。具体的には、図3のライン/ニードル110に真空を供給するために図2のシステム100を採用することは、手術の際の不用意な損傷を避けるために、IOPの突然の変化又は予期しない変化が、完全ではないにしても、ほとんど排除され得ることを意味する。
【0028】
次に図4を参照すると、発振の最小化機能が採用されているベンチュリ真空手術システム100を示すグラフが示されている。具体的には、供給圧力又は供給流の絞りレベルの制御の結果として0から最大値(例えば、670mmHg)に変化する真空圧と、発振を排除するための真空抽気レベルとを同期させて示したグラフが示されている。絞りレベルは絞り制御比例弁155の開放率であってもよい。真空抽気レベルは真空抽気制御比例弁101の開放率であってもよい。
【0029】
図4では、上段のグラフの縦軸は、下部の真空なしの状態から始まる真空の度合いを示している。上で論じたことに関連して、上述のように、図2の絞り装置155は、ベンチュリ真空発生器150に対する増加する空気流125を定めるために使用され、最終的にこの真空を時間と共に増加させてもよい。中段のグラフの縦軸は絞りのレベルを示しており、絞り制御比例弁155の開放率であってもよい。上で論じたように、ベンチュリ真空手術システム100は、必要に応じてベンチュリ発生器150から真空圧を抽気するための抽気装置101を採用してもよい。下段のグラフの縦軸は抽気のレベルを示しており、抽気制御比例弁101の開放率であってもよい。図4のグラフでは、横軸が、縦軸で示される絞りレベル及び抽気レベルの変化に伴って真空が変化するときの時間の経過を表すように同期されている。
【0030】
図1を再び参照すると、上述のように、発振最小化機能を採用していない従来のベンチュリ真空手術システムは、最大真空レベルのすぐ下の領域(例えば、本実施例では550~670mmHg)においてかなりの量の真空発振を呈することがある。しかしながら、真空が最大値(例えば、670mmHg)に到達すると、発振は消え得る。ここで引き続き図4を参照すると、真空のこの発振範囲が(図3のプローブ針110に続く)図2の真空ライン110を通じて存在できるようにするのではなく、システム100は、図4で示すような発振排除制御方法を採用する。
【0031】
発振の領域(例えば550~670mmHg)よりも低い所定の真空レベル(例えば、540mmHg)においては、絞りは、直ちに図4に示されるようにその最大値にされ、維持されてもよい。この同じ時点で、抽気レベル(例えば、最大値抽気レベル)が、図2の抽気装置101を介して適用されてもよい。図4に示すように、この抽気は、540mmHgから670mmHgの真空レベルが得られるように、必要に応じて経時的に低下させてもよく、低い抽気レベル(例えば、0抽気)で最大真空度670mmHgが維持されてもよい。ベンチュリ真空手術システム100に採用された図4の制御方法の効果は、真空レベルの全範囲(例えば、0~670mmHg)が発振なしで実現され得るということになる。
【0032】
図2を付加的に参照すると、上述の制御方法は、図2のコントローラ105によって管理されてもよい。例えば、真空レベルは、真空トランスデューサ180において監視されてもよい。所定の真空レベルに達したとき、例えば540mmHg又は550mmHgのすぐ下に達したとき、絞り装置155は、最大真空度(例えば、670mmHg)に対応するように、上記のようにその最大にされる。同様に、確認のための圧力の読み値50PSIが入口トランスデューサ175において確認されてもよい。最大抽気は、上記のように、この時点で同時に適用されてもよい。コントローラ105のプロセッサは、特に、リアルタイムのベンチュリ真空圧及び入口圧力検出に基づくPID(比例-積分-微分)アルゴリズムを採用して、絞り及び抽気レベルをその後調節して真空レベルを540~670mmHgまで得て最大真空度(例えば、670mmHg)を維持してもよい。
【0033】
図5を特に参照すると、図4で示した制御方法のようには所定の真空レベルが利用されない。代わりに、図2のコントローラ105は、発振を初めて検出した時に、絞り及び抽気に対するこのようなPID制御を開始してもよい。発振の判定は、真空のレベルが指令されることなく急激に変化することに基づくことができ、その変化の大きさは、雑音信号による誤判定が生じないように所定の閾値より大きい。例えば、所定の閾値を20mmHgと設定した場合、20mmHgより大きい初めての発振によって、発振制御方法がトリガされ得る。図5から分かるように、大きさが20mmHgの閾値を超える(550mmHgにおける)真空のジャンプであり得る初めての発振が示されている。これをコントローラ105が検出すると、その後は図4のものと同じPIDアルゴリズムが適用されてもよい(すなわち、絞りが直ちにその最大値にされ、抽気レベルが抽気装置101を通して所望の真空を得るように適用されてもよい)。
【0034】
真空ライン110において所望の真空レベルを得るためのそのPID制御アルゴリズムにおけるそのようなシステム100のミリ秒の応答時間能力を考えると、絞りレベル及び抽気レベルの初めての発振及び又は突然のジャンプを検出するこの仕方が、図3に示すような手術の際に執刀医が感じるような測定可能な発振に至る可能性は少ない。
【0035】
当然のことながら、絞りレベル及び抽気レベルの急激なジャンプを避けることも有利であり得る。よって、一実施形態では、絞りを上げること、及び抽気を導入することにより過渡的手法が取られてもよい。本実施形態では、発振領域の下限に達するかなり前に抽気を導入することにより、絞りの増加はより安定である。発振領域のすぐ下よりも一層早い段階で抽気と絞りとの連携作業を開始すると有利であり得る。具体的には、図6を参照すると、そのような過渡的手法を示すグラフが示されている。過渡的制御真空度範囲内では、絞りレベルと抽気レベルとは両方とも指令された真空レベルを実現するためのPID制御下にある。過渡的制御真空度の範囲外では、すべての制御が図4の制御方法と同じである。
【0036】
明確には示されていないが、図6では真空レベルがより安定的に上昇することが明らかである。横軸に反映される時間は、絞りがより安定的に最大値まで上昇する短い期間、おそらく約5~20ミリ秒を占めることに留意されたい(中段のグラフを参照)。下段のグラフを参照すると、抽気に対する同じ安定的な上昇もこの同じ期間に反映される。
【0037】
過渡的期間の後、最大絞りの維持及び抽気のドローダウンが上記のように進むことに留意されたい。しかしながら、実際問題として、真空度範囲はより安定である。例えば、図5の上段のグラフでは、最初の真空のジャンプがないことに留意されたい。更に、絞りレベルと抽気レベルとの両方が徐々に変化し、これにより、真空レベルの瞬間変動、並びに急激なジャンプに関連する絞りレベル及び抽気レベルの長い整定時間が回避される。最終的に、強化された制御方法がここに提供される。
【0038】
実際、次に図7を特に参照すると、図6の制御方法の適用により得られた発振のない真空を示すグラフが示されている。発振又は急激な真空のジャンプなしで、全真空度範囲が利用可能になっていることに留意されたい。
【0039】
次に、図8を参照すると、ベンチュリ真空システムを採用する実施形態を要約したフローチャートが示されている。すなわち、610及び630で示すように、気流が、ベンチュリ真空発生器から真空の吸引を得るためにベンチュリ真空発生器に誘導される。圧力は、650で述べたように、真空発生器への気流と発生された真空の両方の観点から監視されてもよい。よって、プロセッサが、真空発振を回避するために、真空発生器への気流の絞りを調整し、真空の圧力を協調的に抽気してもよい(670参照)。最終的に、690に示すように、手術の支援に使用するために発振のない真空が提供される。
【0040】
以上の本明細書に記載された実施形態は、発振がシステムによって支援される手術用吸引器具に到達するのを実質的に防止する独自の能力を有するベンチュリによって促進される真空システムを含む。本明細書で詳述したように手術器具に対する発振の作用を避けることによって、執刀医がより安定した仕方で手術を行うことができるだけでなく、手術を中断する必要なく継続的に真空の支援を受けることができる。つまり、手術を一時停止したり、又は真空支援の特定領域以外でのみ操作したりする必要が回避され得る。むしろ、これにより、執刀医は、0~最大の全真空度範囲で、術中継続して使用可能な吸引力を確保できるようになる。
【0041】
前述の説明は、現在の好ましい実施形態を参照して提示されている。しかし、開示されているが上で詳述されていない他の実施形態及び/又は実施形態の特徴が採用されてもよい。更に、これらの実施形態が属する技術の当業者は、説明された構造及び動作方法における更に他の改変及び変更が、これらの実施形態の原理及び適用範囲から有意に逸脱することなく実施されてもよいことを理解するであろう。加えて、前述の説明は、説明し、添付の図面に示す正確な構造にのみ関係するものとして読み取るべきではなく、むしろ、それらの最大限且つ最も適正な範囲を有することになる以下の特許請求の範囲と整合し、それらを支持するものとして読み取るべきである。
なお、本開示の態様には以下のものも含まれる。
〔態様1〕
ベンチュリ真空を発生させる方法であって、本方法が、
真空ラインに真空を提供するために、空気圧源からの調整された圧力供給をベンチュリ真空発生器に誘導することと、
ベンチュリ入口圧力トランスデューサによって前記真空発生器への入口圧力を監視することと、
真空圧トランスデューサによって前記真空発生器に接続された前記真空ラインの真空圧を監視することと、
システムコントローラにおいて、監視された入口圧力及び真空圧の値を取得することと、
前記監視された値に基づいて前記コントローラによって、前記真空ラインにおいて実質的に真空発振を防止するように、前記真空発生器への前記圧力供給の絞りレベルと前記真空ラインからの真空圧抽気レベルとのうちの少なくとも一方を調整することと
を含む、方法。
〔態様2〕
前記調整することが、
真空発振を防ぐために前記絞りレベルを最大絞りで維持する絞り制御比例弁を採用することと、
操作者が決定した真空レベルを実現するために前記抽気を制御する抽気制御比例弁を採用することと
を更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記調整することが、
前記発振の前記防止のために、設定された真空抽気レベルを維持することと、
操作者が決定した真空レベルを実現するために絞り制御比例弁を採用することと
を更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様4〕
前記調整することが、
真空レベル発振領域よりも下の所定の真空レベルを検出することと、
前記ベンチュリ真空発生器の最大真空度に対応する最大値に絞り制御比例弁を動かすことと、
前記検出することに基づいて、抽気制御比例弁を所定の最大レベルに開放することと、
前記監視された値と連携して、最大ベンチュリ入口圧力を維持するように絞り制御比例弁を調整するために、前記コントローラにおいてPID(比例-積分-微分)制御アルゴリズムを採用することと、
操作者が決定した真空圧力レベルを実現するように抽気制御比例弁を調整することと
を更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様5〕
前記調整することが、
真空レベル発振領域よりも下の所定の真空レベルを検出することと、
前記コントローラにおいてPID制御アルゴリズムを採用し、前記所定の真空レベルの前記検知に応じて所定の過渡的真空度範囲内で操作者が決定した真空レベルを得るように絞り制御比例弁及び抽気制御比例弁を調整するために前記監視された値をリアルタイムで考慮することと、
所定の過渡的真空度範囲を超えるが、前記真空レベル発振領域よりも下の真空レベルを検出することと、
前記ベンチュリ真空発生器の最大真空度に対応する最大値に前記絞り制御比例弁を調整するために前記PID制御アルゴリズムを採用することと、
操作者が決定した真空圧力レベルを実現するように抽気制御比例弁を調整することと
を更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様6〕
前記調整することが、
前記真空圧トランスデューサから真空レベル発振を検出することと、
前記ベンチュリ真空発生器の最大真空度に対応する最大値に絞り制御比例弁を開放することと、
抽気制御比例弁を所定の最大レベルに開放することと、
前記コントローラにおいてPID制御アルゴリズムを採用し、前記絞り制御比例弁を前記最大値に維持することを確保し、操作者によって決定された真空レベルを提供するように前記抽気制御比例弁を調整するために前記監視された値をリアルタイムで考慮することと
を更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様7〕
ベンチュリ真空システムであって、
ベンチュリ真空発生器と、
前記真空発生器における圧力を誘導する圧力源と、
前記真空発生器における前記圧力を監視するベンチュリ入口圧力トランスデューサと、
前記真空発生器から真空圧を取得する真空ラインと、
前記真空圧を監視する真空圧トランスデューサと、
前記真空発生器に誘導された前記圧力及び前記真空発生器に接続された前記真空ラインにおける前記真空圧のリアルタイム監視に基づいて、前記真空発生器に誘導された前記圧力の絞りを調整するように絞り装置に指示し、前記真空ラインから真空を引くように抽気装置に指示するシステムコントローラと
を備える、ベンチュリ真空システム。
〔態様8〕
前記絞り装置及び前記抽気装置に前記指示することが、前記真空ラインにおける前記真空圧の発振を実質的に回避するためのものである、態様7に記載のベンチュリ真空システム。
〔態様9〕
前記絞り装置が絞り制御比例弁であり、前記抽気制御装置が抽気制御比例弁である、態様8に記載のベンチュリ真空システム。
〔態様10〕
前記システムコントローラが、前記発振の前記回避のためにPIDアルゴリズムを実行するプロセッサを備える、態様8に記載のベンチュリ真空システム。
〔態様11〕
前記真空ラインが手術器具において終端する、態様7に記載のベンチュリ真空システム。
〔態様12〕
前記手術器具が硝子体切除プローブである、態様11に記載のベンチュリ真空システム。
〔態様13〕
ベンチュリ真空システムから発振を減衰させる方法であって、本方法が、
ベンチュリ真空発生器から、前記発生器から走る真空ラインにおいて、真空圧の対応する発振領域よりも下の圧力レベルで前記発生器を通る流体の流れを駆動することと、
前記真空発生器において、前記真空ラインにおいて前記発振領域に到達するための圧力まで前記流れを増加させることと、
前記発振の前記減衰のための前記増加の際に前記真空ラインに対して圧力の抽気を適用することと
を含む、方法。
〔態様14〕
前記増加の前に前記真空発生器での圧力の前記流れを決定するために、前記真空発生器において入口圧力トランスデューサを採用することと、
前記抽気の前に前記真空ラインでの前記真空圧を決定するために、前記真空ラインにおいて真空圧トランスデューサを採用することと
を更に含む、態様13に記載の方法。
〔態様15〕
前記発生器における前記流れの圧力の前記増加及び前記真空ラインに対する前記抽気を指示するために、前記トランスデューサと通信しているコントローラのプロセッサにおいてPIDベースのアルゴリズムプログラムを実行することを更に含む、態様14に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8