(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】発光基板、その製造方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10H 20/85 20250101AFI20250127BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20250127BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250127BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250127BHJP
【FI】
H01L33/48
G09F9/33
G09F9/30 309
G09F9/30 338
G09F9/30 330
G09F9/00 338
G09F9/00 346A
G09F9/00 302
(21)【出願番号】P 2022546048
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2022105166
(87)【国際公開番号】W WO2024000647
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】202210751104.0
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】韋 培海
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0327861(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0118989(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0225901(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0319494(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光基板であって、 ボンディング電極を含む駆動回路層と、 前記ボンディング電極に接続される接続電極を含むLEDチップと、 前記LEDチップの前記駆動回路層から遠い側に設けられ、前記LEDチップ及び前記駆動回路層を被覆する封止層と、 前記封止層の前記LEDチップから遠い側に設けられ、前記封止層から遠い側の表面が前記発光基板の発光面であるカバープレートと、を含
み、 前記駆動回路層がボンディングパッドをさらに含み、前記発光基板は、前記駆動回路層の前記LEDチップから遠い側に設けられる少なくとも1つの駆動チップをさらに含み、前記駆動チップが対応する前記ボンディングパッドに接続されるボンディングピンを含む発光基板。
【請求項2】
発光基板であって、 ボンディング電極を含む駆動回路層と、 前記ボンディング電極に接続される接続電極を含むLEDチップと、 前記LEDチップの前記駆動回路層から遠い側に設けられ、前記LEDチップ及び前記駆動回路層を被覆する封止層と、 前記封止層の前記LEDチップから遠い側に設けられ、前記封止層から遠い側の表面が前記発光基板の発光面であるカバープレートと、を含み、 前記発光基板は、前記駆動回路層の前記LEDチップから遠い側に設けられる基板をさらに含み、 前記駆動回路層がボンディングパッドをさらに含み、前記基板がフレキシブル基板であり、前記基板上には、前記ボンディングパッドと対応して設けられるとともに、前記ボンディングパッドの前記カバープレートから遠い側の表面を露出させるビアホールが設けられ、 前記発光基板は、前記ビアホールを介して対応する前記ボンディングパッドに接続されるボンディングピンを含む少なくとも1つの駆動チップをさらに含む
発光基板。
【請求項3】
前記ビアホールの孔径が対応する前記ボンディングピンの径方向寸法よりも大きく、前記ボンディングピンの少なくとも一部が対応する前記ビアホール内に位置する請求項
2に記載の発光基板。
【請求項4】
前記ボンディングピンが前記ビアホールと係合固定される請求項
2に記載の発光基板。
【請求項5】
前記ボンディングピンは対応する前記ボンディングパッドと接触接続され、前記ボンディングピンと対応する前記ボンディングパッドとの間に金属結合が形成されている請求項
2に記載の発光基板。
【請求項6】
前記発光基板は、前記ボンディングパッドと前記駆動チップとの間に設けられる導電性ペースト層をさらに含み、前記ボンディングピンと対応する前記ボンディングパッドとの間が前記導電性ペースト層を介して接続される請求項
2に記載の発光基板。
【請求項7】
前記発光基板は表示パネル又はバックライトパネルである請求項1
または2に記載の発光基板。
【請求項8】
少なくとも2つの請求項
1~6のいずれか1項に記載の発光基板から接合形成される表示装置。
【請求項9】
硬質基板を提供するステップと、 前記硬質基板上には、基板と、ボンディング電極及びボンディングパッドを含む駆動回路層とを順次形成するステップと、 複数のLEDチップを提供し、前記LEDチップの接続電極を前記ボンディング電極に対応してボンディング接続するステップと、 前記LEDチップの前記硬質基板から遠い側に封止層及びカバープレートを順次形成するステップと、 前記硬質基板を剥離するステップと、を含む発光基板の製造方法。
【請求項10】
前記発光基板の製造方法は、 前記ボンディングパッドの前記カバープレートから遠い側の表面を露出させるように、前記基板を全面エッチング又は穿孔エッチングするステップと、
駆動チップを提供するとともに、前記駆動チップを前記ボンディングパッドにボンディング接続するステップと、をさらに含む請求項
9に記載の発光基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、具体的には発光基板、その製造方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Micro-LED(Micro Light-Emitting Diode,マイクロ発光ダイオード)及びMini-LED(Mini Light-Emitting Diode,ミニ発光ダイオード)は、近年市場で盛んに開発された新規表示技術である。このような表示技術は、寿命が長く、画面遅延が低く、色域が広く、リフレッシュレートが高いなどの比べものにならないほど多くの優位性を持っており、コストの低下及び関連技術の成熟に伴い、MLED(Mini-LED/Micro-LED)表示装置は次第に市場の主流となっている。従来のMLED構造を形成する方法は、まず駆動回路及びボンディング電極をガラス基板上に形成し、次にLEDチップを直接ガラス基板上に移載してボンディングし、最後に封止粘着剤を塗布すればよい。この構造は簡単であるが、表示面が封止粘着剤及び駆動回路側に位置するため、表示装置の表面の耐傷性が弱い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術におけるMLED表示装置の表面の耐傷性が弱いという技術的課題を解決するように、発光基板、その製造方法及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
ボンディング電極を含む駆動回路層と、
前記ボンディング電極に接続される接続電極を含むLEDチップと、
前記LEDチップの前記駆動回路層から遠い側に設けられ、前記LEDチップ及び前記駆動回路層を被覆する封止層と、
前記封止層の前記LEDチップから遠い側に設けられ、前記封止層から遠い側の表面が前記発光基板の発光面であるカバープレートと、を含む発光基板を提供する。
【0005】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記発光基板は、前記駆動回路層の前記LEDチップから遠い側に設けられる基板をさらに含む。
【0006】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記駆動回路層がボンディングパッドをさらに含み、前記基板がフレキシブル基板であり、前記基板上には、前記ボンディングパッドと対応して設けられるとともに、各前記ボンディングパッドの前記カバープレートから遠い側の表面を露出させるビアホールが設けられ、
前記発光基板は、前記ビアホールを介して対応する前記ボンディングパッドに接続されるボンディングピンを含む少なくとも1つの駆動チップをさらに含む。
【0007】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記ビアホールの孔径が対応する前記ボンディングピンの径方向寸法よりも大きく、前記ボンディングピンの少なくとも一部が対応する前記ビアホール内に位置する。
【0008】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記ボンディングピンは、前記ビアホールと係合固定される。
【0009】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記駆動回路層がボンディングパッドをさらに含み、前記発光基板は、前記駆動回路層の前記LEDチップから遠い側に設けられる少なくとも1つの駆動チップをさらに含み、前記駆動チップが対応する前記ボンディングパッドに接続されるボンディングピンを含む。
【0010】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記ボンディングピンは対応する前記ボンディングパッドと接触接続され、前記ボンディングピンと対応する前記ボンディングパッドとの間に金属結合が形成されている。
【0011】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記発光基板は、前記ボンディングパッドと前記駆動チップとの間に設けられる導電性ペースト層をさらに含み、前記ボンディングピンと対応する前記ボンディングパッドとの間が前記導電性ペースト層を介して接続される。
【0012】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、前記発光基板は、表示パネル又はバックライトパネルである。
【0013】
したがって、本発明は、少なくとも2つの上記のいずれかに記載の発光基板から接合形成される表示装置をさらに提供する。
【0014】
したがって、本発明は、
硬質基板を提供するステップと、
前記硬質基板上には、基板と、ボンディング電極及びボンディングパッドを含む駆動回路層とを順次形成するステップと、
LEDチップを提供し、前記LEDチップの接続電極を前記ボンディング電極に対応してボンディング接続するステップと、
前記LEDチップの前記硬質基板から遠い側に封止層及びカバープレートを順次形成するステップと、
前記硬質基板を剥離するステップと、を含む発光基板の製造方法をさらに提供する。
【0015】
所望により、本発明のいくつかの実施例において、
前記ボンディングパッドの前記カバープレートから遠い側の表面を露出させるように、前記基板を全面エッチング又は穿孔エッチングするステップと、
駆動チップを提供するとともに、前記駆動チップを前記ボンディングパッドにボンディング接続するステップと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、発光基板、その製造方法及び表示装置を提供する。前記発光基板において、前記駆動回路層は複数のボンディング電極を含む。各前記LEDチップは、対応する前記ボンディング電極にそれぞれ接続される接続電極を2つ含む。前記封止層は、前記LEDチップの前記駆動回路層から遠い側に設けられ、前記LEDチップ及び前記駆動回路層を被覆する。前記カバープレートは、前記封止層の前記LEDチップから遠い側に設けられ、前記封止層から遠い側の表面が前記発光基板の発光面である。本発明は、発光基板にLEDチップを反転ボンディングすることにより、発光基板の表面の耐傷性を向上させ、発光基板の水や酸素への耐食性を向上させ、製品の信頼性を向上させることができる。さらに、基板を剥離又はハーフエッチングすることにより、駆動チップを駆動回路層のカバープレートから遠い側にボンディングし、両面ボンディングの方式を採用して、狭額縁化又はフレームレス化(額縁レス化、ベゼルレス化)の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明で使用する必要がある図面を簡単に紹介し、以下の説明における図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎなく、当業者にとっては創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
【
図1】
図1は本発明に係る発光基板の第1の構造概略図である。
【
図2】
図2は本発明に係る発光基板の第2の構造概略図である。
【
図3】
図3は本発明に係る発光基板の発光面の平面構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明に係る発光基板の裏面の平面構造概略図である。
【
図5】
図5は本発明に係る発光基板の第3の構造概略図である。
【
図6】
図6は本発明に係る発光基板の第4の構造概略図である。
【
図7】
図7は本発明に係る発光基板の第5の構造概略図である。
【
図8】
図8は本発明に係る表示装置の構造概略図である。
【
図9】
図9は本発明に係る発光基板の製造方法の第1のフローチャートである。
【
図10】
図10A~
図10Eは本発明に係る発光基板の製造方法におけるステップ101~ステップ105で得られた構造概略図である。
【
図11】
図11は本発明に係る発光基板の製造方法の第2のフローチャートである。
【
図12】
図12A~
図12Dは本発明に係る発光基板の製造方法におけるステップ106~ステップ107で得られた構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明するが、説明した実施例は本発明の実施例のすべてではなく、単に実施例の一部であることは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしに取得したすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属している。
【0019】
本発明の説明において、「第一」及び「第二」という用語は、単に説明するためのものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するか、又は示される技術的特徴の数を暗示すると理解されるべきではない。したがって、「第一」及び「第二」によって限定されている特徴は、1つ又は複数の前記特徴を含むことを明示又は暗示することができるため、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0020】
本発明は、発光基板、その製造方法及び表示装置を提供し、以下、詳細に説明する。なお、以下の実施例の説明順序は、本発明の実施例の好ましい順序を限定するものではない。
【0021】
図1に示すように、
図1は本発明に係る発光基板の第1の構造概略図である。本発明の実施例において、発光基板100は、ボンディング電極11を含む駆動回路層10と、ボンディング電極11に接続される接続電極21を含むLEDチップ20と、LEDチップ20の駆動回路層10から遠い側に設けられ、LEDチップ20及び駆動回路層10を被覆する封止層30と、封止層30のLEDチップ20から遠い側に設けられ、封止層30から遠い側の表面40aが発光基板100の発光面であるカバープレート40と、を含む。
【0022】
本発明の実施例は、LEDチップ20を反転ボンディングする方法により、カバープレート40の封止層30から遠い側の表面40aを発光基板100の発光面とする。カバープレート40の硬度が高いため、発光基板100の表面の耐傷性を向上させ、LEDチップ20及び駆動回路層10に外部から傷つけることを防止することができる。また、従来技術では、ボンディング電極11及び接続電極21が外側に設けられることで、封止層30を露出させ、水や酸素からの腐食を受けやすい。本発明の実施例の発光基板100において、ボンディング電極11と接続電極21とが発光基板100の内側に設けられているので、発光基板100の水や酸素への耐食性を向上させ、製品の信頼性を向上させることができる。
【0023】
本発明の実施例において、駆動回路層10は、駆動電圧及び電源電圧などの駆動信号をLEDチップ20に供給するためのものであり、基板上に設けられる薄膜トランジスタ機能層を含んでいてもよく、薄膜トランジスタ機能層の具体的な構成については従来技術を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0024】
本発明の実施例において、ボンディング電極11は、駆動回路層10上の駆動信号を引き出すための信号出力端子であり、少なくとも2つ設けられていてもよく、具体的にはLEDチップ20の数によって決まり、銅、アルミニウム、マグネシウム、銀、スズ、酸化インジウムスズ等の導電率が良好で、比較的低い融点を有する導電材料からなり、アレイ状に配列されてもよい。ボンディング電極11の数及び配列構造が、発光基板100の解像度等の実際の要件に応じて設計することができ、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
本発明の実施例において、LEDチップ20は、少なくとも2つ設けられていてもよい。各LEDチップ20に2つの接続電極21が設けられている。駆動回路層10において各LEDチップ20に対応して間隔をおいて設けられるボンディング電極11が設けられている。2つのボンディング電極11は、それぞれ駆動回路層10における異なる駆動信号を引き出すためのものである。各接続電極21と対応するボンディング電極11との間は、半田ペースト13を介して接続されていてもよいし、溶融溶接、金属結合等の直接接触方法により接続されていてもよく、本発明はこれを特に限定するものではない。
【0026】
本発明の実施例において、LEDチップ20は、Mini-LEDチップ、Micro-LEDチップ等であってもよい。LEDチップ20の数が、発光基板100のサイズ及び発光輝度等の要件に応じて設定することができる。LEDチップ20は、発光材料層23、保護層22、発光材料層23上に堆積される第1電極及び第2電極をさらに含む。各接続電極21が第1電極又は第2電極に接続される。又はLEDチップ20において、一方の接続電極21が第1電極であり、他方の接続電極21が第2電極である。勿論、本発明におけるLEDチップ20の構成はこれに限定されるものではない。
【0027】
LEDチップ20の発光材料が、窒化ガリウム等の無機発光材料又は量子ドット等の有機発光材料であってもよい。LEDチップ20は、赤色光、青色光、緑色光、白色光又は黄色光等を発光することができる。LEDチップ20を製造する際に、発光色のニーズに応じて異なる発光材料を選択することができる。
【0028】
本発明の一実施例において、複数のLEDチップ20は、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ及び青色LEDチップを含む。赤色LEDチップにおいて、発光材料層23は、赤色発光材料層201である。緑色LEDチップにおいて、発光材料層23は、緑色発光材料層202である。青色LEDチップにおいて、発光材料層23は、青色発光材料層203である。
【0029】
本発明の実施例において、封止層30の材料が、通常、発光基板100の光透過率を高めるように透明なものである。具体的には、封止層30の材料がOCA(Optically Clear Adhesive:光学用透明粘着シート)又は他の透明粘着剤であってもよい。本発明の実施例は透明粘着剤を用いて封止層30を形成することにより、発光基板100の光取り出し効率を向上させる一方で、駆動回路層10とカバープレート40との粘着性を高め、発光基板100の構造安定性を高めることができる。さらに、封止層30がLEDチップ20を被覆するので、LEDチップ20を固定保護する役割を果たすことができる。
【0030】
本発明の実施例において、カバープレート40は、ガラスカバープレート又は他の硬質透明カバープレートであってもよく、発光基板100における他の機能膜層を支持保護する役割を果たす。カバープレート40の封止層30から遠い側の表面40aが発光基板100の発光面であるため、カバープレート40を透明カバープレートとして設けることにより、発光基板100の光取り出し効率を向上させることができる。
【0031】
本発明のいくつかの実施例において、発光基板100は、駆動回路層10のLEDチップ20から遠い側に設けられる基板50をさらに含む。
【0032】
基板50は、フレキシブル基板であってもよいし、硬質基板であってもよく、1層又は2層以上のフレキシブルPI(Polyimide,ポリイミド)を含むことができ、樹脂等の材料で製造されていてもよい。
【0033】
本発明の実施例は、駆動回路層10のLEDチップ20から遠い側に基板50を設けることにより、駆動回路層10を保護支持する役割を果たし、発光基板100の構造安定性を向上させることができる。
【0034】
本発明の実施例において、発光基板100は、駆動信号又は電源電圧を駆動回路層10に供給するための駆動チップをさらに含むことができる。駆動チップは、発光基板100の額縁領域に設けられていてもよいし、発光基板100の側辺に設けられていてもよいか、又は発光基板100の裏面に設けられていてもよく、具体的な内容は以下の実施例で説明され、ここではその説明を省略する。
【0035】
図2に示すように、
図2は本発明に係る発光基板の第2の構造概略図である。
図1に記載の発光基板100との相違点は、本発明の実施例において、駆動回路層10はボンディングパッド12をさらに含むことにある。基板50はフレキシブル基板であり、基板50上にビアホール50aが設けられている。ビアホール50aは、ボンディングパッド12と対応して設けられて、各ボンディングパッド12のカバープレート40から遠い側の表面を露出させる。
【0036】
発光基板100は、ビアホール50aを介して対応するボンディングパッド12に接続されるボンディングピン61を含む少なくとも1つの駆動チップ60をさらに含む。
【0037】
駆動チップ60は、1つ設けられてもよいし、2つ以上設けられてもよい。駆動チップ60の数が、具体的に発光基板100のサイズによって設定することができる。ボンディングパッド12が複数設けられてもよい。ボンディングピン61の数がボンディングパッド12の数と等しくてもよい。ボンディングパッド12がボンディングピン61と一対一で対応してボンディング接続される。
【0038】
駆動チップ60から出力される駆動電圧又は電源電圧を駆動回路層10における駆動回路又は電源配線に出力するように、ボンディングパッド12がボンディングピン61にボンディング接続される。
【0039】
具体的には、
図3及び
図4を参照されたい。
図3は本発明に係る発光基板の発光面の平面構造概略図である。
図4は本発明に係る発光基板の裏面の平面構造概略図である。
図3に示すように、発光基板100は、表示領域DAと、表示領域DAに接続される非表示領域NAとを含む。駆動チップ60が表示領域DAに設けられる。非表示領域NAに主に信号を転送する複数の配線が設けられ、ここではその説明を省略する。勿論、いくつかの実施例において、発光基板100は表示領域DAのみを含むことで、フレームレス化を実現することができる。駆動チップ60が発光基板100の裏面にボンディングされる。駆動チップ60が複数設けられてもよく、複数の駆動チップ60が発光基板100の裏面にアレイ状に配列されてもよい。勿論、駆動チップ60の設定については、本発明はこれに限定されるものではなく、具体的に発光基板100の実際の構成によって設定することができる。
【0040】
本発明の実施例において、基板50がフレキシブル基板であり、エッチング技術により基板50を穿孔して、駆動チップ60と駆動回路層10とのボンディングを実現することができる。例えば、基板50がPIフレキシブル基板である場合に、PI材料の特性に基づいて、基板50を薬液によりエッチングすることができる。
【0041】
本発明の実施例は、LEDチップ20を駆動回路層10のカバープレート40に近い側にボンディングし、駆動チップ60を基板50のカバープレート40から遠い側にボンディングし、両面ボンディング及び基板50のエッチング技術により、駆動チップ60を発光基板100の裏面に設けることができ、独立して側辺に駆動チップ60をボンディングする空間を省くことで、狭額縁化又はフレームレス化の目的を達成する。また、従来技術における回路基板に駆動チップ60を直接搭載する場合に比べて、技術的な難度が低い。
【0042】
引続き
図2を参照されたく、本発明の実施例において、ビアホール50aの孔径が対応するボンディングピン61の径方向寸法よりも大きく、ボンディングピン61の少なくとも一部が対応するビアホール50a内に位置する。
【0043】
本発明の実施例は、ビアホール50aの孔径を対応するボンディングピン61の径方向寸法よりも大きく設けることにより、駆動チップ60をボンディングする際に、ボンディングピン61をビアホール50a内に深く挿入することで、発光基板100の厚さを薄くし、駆動チップ60のボンディング安定性を向上させることができる。
【0044】
本発明の実施例において、ビアホール50aの形状がボンディングピン61の形状に一致することができる。例えば、ビアホール50aとボンディングピン61の断面構造とがいずれも矩形などであってもよい。駆動チップ60のボンディング安定性をさらに向上させるように、ボンディングピン61がビアホール50aと係合固定されてもよい。
【0045】
本発明の実施例において、ボンディングピン61の深さがビアホール50aの深さよりも大きくなってもよい。この場合に、ボンディングピン61が対応するボンディングパッド12に接触接続されてもよい。ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12との間に金属結合が形成される。
【0046】
金属結合は、金属中の原子を一緒に接続する化学結合である。これらは、金属結合における電子が非局在化しているものであり、つまり、2つの原子間のみで共有されているわけではないことから、共有結合及びイオン結合とは異なる。逆に、金属結合における電子が金属原子核の結晶格子中を自由に浮遊する。このタイプの結合は、優れた熱伝導性、導電性、高融点及び延性を含める多くの特有の材料特性を金属に付与する。金属結合によりボンディングピン61と対応するボンディングパッド12との間に優れた導電性を有する。
【0047】
図5に示すように、
図5は本発明に係る発光基板の第3の構造概略図である。
図2に示す発光基板100との相違点は、本発明の実施例において、発光基板100は、ボンディングパッド12と駆動チップ60との間に設けられる導電性ペースト層70をさらに含むことにある。ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12とが導電性ペースト層70を介して接続される。
【0048】
導電性ペースト層70の材料が異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film,ACF)であってもよい。異方性導電フィルム中の導電粒子を用いてボンディングピン61と対応するボンディングパッド12とを接続して導通させることにより、隣接するボンディングピン61の間又は隣接するボンディングパッド12の間の短絡を防止することができる。勿論、導電性ペースト層70が他の導電性ペーストで製造されてもよい。各ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12とに対して独立して導電性ペースト層70を設けてもよい。
【0049】
図6に示すように、
図6は本発明に係る発光基板の第4の構造概略図である。
図2に示す発光基板100との相違点は、本発明の実施例において、発光基板100に基板50が設けられていないことにある。
【0050】
同様に、本発明の実施例において、駆動回路層10はボンディングパッド12をさらに含む。発光基板100は、駆動回路層10のLEDチップ20から遠い側に設けられる駆動チップ60をさらに含む。駆動チップ60は、対応するボンディングパッド12に接続されるボンディングピン61を含む。
【0051】
ボンディングピン61が対応するボンディングパッド12に接触接続されてもよい。ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12との間に金属結合が形成される。つまり、ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12との間が金属結合を介して接続されることで、ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12との間に優れた導電性を有する。
【0052】
本発明の実施例に係る発光基板100は、基板を含まないことにより、発光基板100の厚さをさらに薄くし、発光基板100の薄型化を実現することができる一方で、各ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12との間のボンディングをより容易にし、ボンディング不良を防止することができる。
【0053】
図7に示すように、
図7は本発明に係る発光基板の第5の構造概略図である。
図6に示す発光基板100との相違点は、本発明の実施例において、発光基板100は、ボンディングパッド12と駆動チップ60との間に設けられる導電性ペースト層70をさらに含むことにある。ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12とが導電性ペースト層70を介して接続される。
【0054】
同様に、導電性ペースト層70の材料が異方性導電フィルムであってもよい。異方性導電フィルム中の導電粒子を用いてボンディングピン61と対応するボンディングパッド12とを接続して導通させることにより、隣接するボンディングピン61の間又は隣接するボンディングパッド12の間の短絡を防止することができる。勿論、導電性ペースト層70が他の導電性ペーストで製造されてもよい。各ボンディングピン61と対応するボンディングパッド12とに対して独立して導電性ペースト層70を設けることができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施例において、発光基板100は、Mini-LED表示パネル、Micro-LED表示パネルなどの表示パネルであってもよい。本発明のいくつかの実施例において、発光基板100は、液晶表示装置のバックライトとして、表示パネルに表示するのに必要とするバックライトを供給するバックライトパネルであってもよい。
【0056】
したがって、
図8に示すように、
図8は本発明に係る表示装置の構造概略図である。本発明の実施例において、表示装置1000が少なくとも2つの発光基板100により接合形成される。発光基板100は、上述したいずれかの実施例に記載の発光基板100であるので、ここではその説明を省略する。
【0057】
表示装置1000において、本発明の実施例は、LEDチップを反転ボンディングする方法により、カバープレートの封止層から遠い側の表面40aを発光基板の発光面とし、即ち表示装置1000の発光面である。カバープレートの硬度が高いため、発光基板の表面の耐傷性を向上させ、LEDチップ及び駆動回路層に外部から傷つけることを防止することで、表示装置1000の製品信頼性を向上させることができる。
【0058】
また、本発明のいくつかの実施例は、両面ボンディング及び基板エッチング技術を用いることにより、駆動チップを発光基板100の裏面に設けることで、発光基板100の狭額縁化又はフレームレス化の目的を達成することができる。少なくとも2つの発光基板100を接合して表示装置1000を形成した場合には、継ぎ目を効果的に低減し、表示装置1000の表示効果を改善することができる。
【0059】
したがって、本発明は、発光基板の製造方法をさらに提供する。具体的には
図9及び
図10A~
図10Eに示すように、
図9は本発明に係る発光基板の製造方法のフローチャートである。
図10A~
図10Eは本発明に係る発光基板の製造方法におけるステップ101~ステップ105で得られた構造概略図である。発光基板の製造方法は、具体的にステップ101~ステップ105を含む。
【0060】
ステップ101、硬質基板を提供する。
【0061】
図10Aに示すように、硬質基板は、支持する役割を果たすように、ガラス基板、樹脂基板又はリジッド基板であってもよい。
【0062】
ステップ102、前記硬質基板上には、基板と、ボンディング電極及びボンディングパッドを含む駆動回路層とを順次形成する。
【0063】
図10Bに示すように、まず硬質基板15上に基板50を堆積形成する。基板50は、フレキシブルPI基板であってもよい。
【0064】
その後、基板50上に駆動回路層10を製造形成する。駆動回路層10は、複数のボンディング電極11と、複数のボンディングパッド12とを含むことができ、基板50上に設けられる薄膜トランジスタ機能層を含んでいてもよく、薄膜トランジスタ機能層の具体的な構成については従来技術を参照することができ、ここではその説明を省略する。ボンディング電極11及びボンディングパッド12がそれぞれ薄膜トランジスタ機能層に接続される。
【0065】
本発明の実施例はガラス基板MLEDプロセスを採用して、フラットパネルディスプレイプロセスを利用して駆動トランジスタ、即ち駆動回路層10を製造して、アクティブ駆動を実現することができる。
【0066】
ステップ103、複数のLEDチップを提供し、前記LEDチップの接続電極を前記ボンディング電極に対応してボンディング接続する。
【0067】
図10Cに示すように、LEDチップ20は、Mini-LEDチップ、Micro-LEDチップ等であってもよい。LEDチップ20は、発光材料層23、保護層22、発光材料層23上に堆積される第1電極及び第2電極をさらに含む。各LEDチップ20が2つの接続電極21を含む。各接続電極21が第1電極又は第2電極に接続される。又はLEDチップ20において、一方の接続電極21が第1電極であり、他方の接続電極21が第2電極である。勿論、本発明におけるLEDチップ20の構成はこれに限定されるものではない。
【0068】
具体的には、本発明の実施例は、マストランスファー技術によりLEDチップ20をボンディングすることができる。LEDチップ20を順方向にボンディングして反転して適用する。従来技術にCOB(Chip On Board,ベアチップを回路基板に直接搭載する)/チップ搭載技術を採用することに比べ、ボンディング効率、ボンディング精度、製品仕様などを向上させることができる。
【0069】
ステップ104、前記LEDチップの前記硬質基板から遠い側に封止層及びカバープレートを順次形成する。
【0070】
図10Dに示すように、封止層30を形成するように、LEDチップ20の硬質基板15から遠い側に封止保護粘着剤を塗布する。次に封止層30上にカバープレート40を接合する。
【0071】
封止層30の材料がOCA又は他の透明粘着剤であってもよい。透明粘着剤を用いて塗布して封止層30を形成することにより、発光基板100の光取り出し効率を向上させることができる。封止層30がLEDチップ20を被覆するので、LEDチップ20を固定保護する役割を果たすことができる。
【0072】
カバープレート40は、ガラスカバープレート又は他の硬質透明カバープレートであってもよく、発光基板100における他の機能膜層を支持保護する役割を果たす。カバープレート40の封止層30から遠い側の表面40aが発光基板100の発光面であるため、カバープレート40を透明カバープレートとして設けることにより、発光基板100の光取り出し効率を向上させることができる。
【0073】
ステップ105、前記硬質基板を剥離する。
【0074】
図10Eに示すように、ステップ104で形成された発光基板を反転させる。その後、硬質基板15をレーザリフトオフ法又は他の方法により基板50から剥離する。レーザリフトオフ技術は当業者の周知技術であるため、ここではその説明を省略する。
【0075】
さらに、発光基板に駆動チップをボンディングすることができる。駆動信号を駆動回路層10に出力するように、駆動チップ60がボンディングパッド12に接続される必要がある。駆動チップが発光基板の側辺にボンディングされてもよいし、駆動基板の裏面にボンディングされてもよい。
【0076】
具体的には、
図11及び
図12A~
図12Dに示すように、
図11は本発明に係る発光基板の製造方法の第2のフローチャートである。
図12A~
図12Dは本発明に係る発光基板の製造方法におけるステップ106~ステップ107で得られた構造概略図である。
図9に示す発光基板の製造方法との相違点は、本発明の実施例において、発光基板の製造方法は、ステップ106~ステップ107をさらに含むことにある。
【0077】
ステップ106、前記ボンディングパッドの前記カバープレートから遠い側の表面を露出させるように、前記基板を全面エッチング又は穿孔エッチングする。
【0078】
いくつかの実施例において、
図12Aに示すように、基板50を全面エッチングする。つまり、ボンディングパッド12のカバープレート40から遠い側の表面を露出させるように、基板50を除去する。
【0079】
他のいくつかの実施例において、
図12Bに示すように、基板50を穿孔エッチング処理して、ビアホール50aを形成する。各ボンディングパッド12のカバープレート40から遠い側の表面を露出させるように、ビアホール50aがボンディングパッド12と対応して設けられる。
【0080】
ステップ107、駆動チップを提供するとともに、前記駆動チップを前記ボンディングパッドにボンディング接続する。
【0081】
具体的には、駆動チップ60は、複数のボンディングピン61を含むことができる。ボンディングパッド12が複数設けられてもよい。ボンディングピン61の数がボンディングパッド12の数と等しくてもよい。ボンディングパッド12がボンディングピン61と一対一で対応してボンディング接続される。駆動チップ60はボンディングピン61を介して駆動信号又は電源電圧などを出力する。
【0082】
いくつかの実施例において、
図12Cに示すように、基板50が全面エッチングされた場合には、駆動チップ60はボンディングピン61及びボンディングパッド12を介して駆動回路層10とボンディングされる。
【0083】
他のいくつかの実施例において、
図12Dに示すように、基板50が穿孔エッチングされた場合には、各ボンディングピン61がビアホール50aを介して対応するボンディングパッド12に接続される。
【0084】
ビアホール50aの形状がボンディングピン61の形状に一致することができる。ビアホール50aの孔径が対応するボンディングピン61の径方向寸法よりも大きくなってもよい。ボンディングピン61の少なくとも一部が対応するビアホール50a内に位置する。
【0085】
本発明の実施例において、導電性ペースト層70を用いてボンディングピン61と対応するボンディングパッド12とを接続することができ、金属結合方法によりボンディングピン61と対応するボンディングパッド12との接続を実現することもできる。
【0086】
本発明の実施例に係る発光基板の製造方法は、基板50をエッチング技術により穿孔又は全面エッチングし、駆動チップ60を発光基板100の裏面にボンディングすることができ、独立して側辺に駆動チップ60をボンディングする空間を省くことで、狭額縁化又はフレームレス化の目的を達成する。また、本発明の実施例において、駆動回路層10が薄膜層であり、基板50の剥離やハーフエッチング、及び封止層30の再付着技術により、駆動チップ60及びLEDチップ20はいずれもカバープレート40の片側にある。そして、本発明の実施例は、LEDチップ20を含むカバープレート40側に駆動チップ60を直接ボンディングするため、駆動チップ60が基板50の穿孔や剥離によりボンディングパッド12に接続され、従来技術において駆動チップ60を回路基板に直接搭載した場合に比べて、技術的な難度が低い。
【0087】
以上、本発明に係る発光基板、その製造方法及び表示装置について詳細に説明したが、本明細書では具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態について説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心的な思想を理解するためのものに過ぎず、一方、当業者であれば、本発明の構想に基づき、具体的な実施形態及び適用範囲に変更を加えることがあり、要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして理解されるべきではない。