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特許7625696電池ケース、電池、ブラケット及び電力消費装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】電池ケース、電池、ブラケット及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/244 20210101AFI20250127BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20250127BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20250127BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20250127BHJP
【FI】
H01M50/244 A
B60K1/04 Z
H01M50/242
H01M50/249
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023529096
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2021115136
(87)【国際公開番号】W WO2023024103
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】方 ▲鄭▼宇
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 文▲輝▼
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-113063(JP,A)
【文献】特開2010-036902(JP,A)
【文献】特開平07-246843(JP,A)
【文献】特開2011-131790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ケースであって、
電池セルを収容するためのケース本体と、
前記ケース本体の第1壁における前記電池セルから離れた一方側に設置される第1ストッパであって、前記第1壁が第1方向に垂直であり、前記ケースが電力消費装置に取り付けられた後前記第1方向が前記電力消費装置の走行方向と平行し、前記第1ストッパが前記ケースの前記第1方向に沿う相対的変位を制限するためのものである第1ストッパと、を含み、
前記第1ストッパは、前記第1壁に設置され且つ前記第1方向に沿って運動できる第1ストップブロックと、前記第1ストップブロックと前記第1壁との間に設置され、前記第1ストップブロックの前記第1方向に沿う緩衝距離を提供することに用いられるバッファブロックと、を含む電池ケース。
【請求項2】
前記ケース本体における前記電池セルから離れた一方側に設置され、前記ケースの第2方向に沿う相対的変位を制限することに用いられる第2ストッパであって、前記ケースが前記電力消費装置に取り付けられた後前記第2方向が重力方向と平行する第2ストッパを更に含む請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記第1ストッパは第1固定部材を更に含み、前記第1ストップブロックが前記第1固定部材によって前記第1壁に設置され、且つ前記第1固定部材が前記第1ストップブロックと前記バッファブロックの前記第1方向に沿う緩衝空間を提供するためのものである請求項に記載のケース。
【請求項4】
前記第1ストップブロックの反重力方向に向かう一端である前記第1ストップブロックの第1端にくさび角が設置されている請求項又はに記載のケース。
【請求項5】
前記第2ストッパが弾性ストップブロックであり、前記ケースが前記電力消費装置に取り付けられた後前記弾性ストップブロックが圧縮されて前記電力消費装置に当接する請求項2に記載のケース。
【請求項6】
前記弾性ストップブロックの反重力方向に向かう一端である前記弾性ストップブロックの第1端に面取り構造が設置されている請求項に記載のケース。
【請求項7】
前記第1壁に前記第1ストッパを収容するための収容領域が設置されている請求項1~のいずれか一項に記載のケース。
【請求項8】
前記第1壁は、前記第1方向に沿って前記電池セルから離れるように延在し、前記第2ストッパを設置することに用いられる延在部を含む請求項2に記載のケース。
【請求項9】
前記第1ストッパの中心と前記第2ストッパの中心が前記第1方向と前記第2方向で特定された平面と平行する第1平面にある請求項2又は8に記載のケース。
【請求項10】
前記ケース本体における互いに平行する2つの前記第1壁に分散設置されている複数の前記第1ストッパを含む請求項1~のいずれか一項に記載のケース。
【請求項11】
電池セルと、
前記電池セルを収容するための請求項1~10のいずれか一項に記載の電池ケースと、を含む電池。
【請求項12】
請求項11に記載の電池を含む電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、電池分野に関し、より具体的に言えば、電池ケース、電池、ブラケット及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネ・排出削減は自動車産業の持続可能な発展のかなめとなっている。このような場合に、電動車両は、省エネルギーで環境に優しいメリットによって、自動車産業の持続可能な発展の重要構成部分となっている。ただし、電動車両にとっては、電池技術はその発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池自身の性能の向上に加えて、電池の取付安定性も無視してはならない問題となっている。従って、電池の取付安定性をどのように強化するかは、電池技術において迫って解決しようとする技術的問題となる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、電池の取付安定性を強化可能な電池ケース、電池、ブラケット及び電力消費装置を提供する。
【0005】
第1側面において、電池ケースであって、電池セルを収容するためのケース本体と、当該ケース本体の第1壁における当該電池セルから離れた一方側に設置される第1ストッパであって、当該第1壁が第1方向に垂直であり、当該ケースが電力消費装置に取り付けられた後当該第1方向が当該電力消費装置の走行方向と平行し、当該第1ストッパが当該ケースの当該第1方向に沿う相対的変位を制限するためのものである第1ストッパと、を含む電池ケースを提供する。
【0006】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ケース本体の第1壁における電池セルから離れた一方側に第1ストッパが設置され、且つ当該第1壁が第1方向に垂直であり、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、第1方向が電力消費装置の走行方向と平行するので、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパが電力消費装置に対して第1方向に沿う作用力を発生でき、即ち、第1ストッパが電力消費装置に対して電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う作用力を発生でき、これによって、ケースの電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う相対的変位を制限して、ケースの電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を向上させて、走行状態にある電力消費装置が電池及びそのケースに与える影響を低減して、電池及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0007】
いくつかの可能な実施形態では、当該ケースは、当該ケース本体における当該電池セルから離れた一方側に設置され、当該ケースの第2方向に沿う相対的変位を制限することに用いられる第2ストッパであって、当該ケースが当該電力消費装置に取り付けられた後当該第2方向が重力方向と平行する第2ストッパを更に含む。
【0008】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、ケース本体における電池セルから離れた一方側に第2ストッパが設置され、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、第2ストッパが電力消費装置に対して第2方向に沿う作用力を発生でき、即ち、第2ストッパが電力消費装置に対して重力方向と反重力方向に沿う作用力を発生でき、これによって、ケースの重力方向と反重力方向に沿う相対的変位を制限して、更にケースの電力消費装置への取付安定性を向上させて、電池及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0009】
いくつかの可能な実施形態では、当該第1ストッパは、当該第1壁に設置され且つ当該第1方向に沿って運動できる第1ストップブロックと、当該第1ストップブロックと当該第1壁との間に設置され、当該第1ストップブロックの当該第1方向に沿う緩衝距離を提供することに用いられるバッファブロックと、を含む。
【0010】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、ケースを電力消費装置に取り付ける時に、バッファブロックと第1ストップブロックの相互提携設置によって、第1ストップブロックが第1方向に沿ってケースの内部へ運動可能であり、当該第1ストップブロックが多過ぎる取付抵抗力をもたらすことがなく、ケースを便利に電力消費装置に取り付けることができる。更に、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、第1ストップブロックがバッファブロックを圧縮してバッファブロックを圧縮状態にし、これによって、第1ストップブロックに弾性作用力を提供して、第1ストップブロックが第1方向において電力消費装置に緊密に押し付けられて、ケースの第1方向に沿う取付安定性を確保し、即ち、ケースの電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を確保する。
【0011】
いくつかの可能な実施形態では、当該第1ストッパは第1固定部材を更に含み、当該第1ストップブロックが当該第1固定部材によって当該第1壁に設置され、また、当該第1固定部材は当該第1ストップブロックと当該バッファブロックの当該第1方向に沿う緩衝空間を提供するためのものである。
【0012】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、第1固定部材によって第1ストップブロックをケース本体の第1壁に設置し、且つ第1ストップブロックとバッファブロックに緩衝空間を提供することで、第1ストップブロックがバッファブロックによって第1方向において相対的に変位可能であり、更にケースの電力消費装置への取付及びケースの第1方向に沿う取付安定性に寄与する。
【0013】
いくつかの可能な実施形態では、当該第1ストップブロックの反重力方向に向かう一端である当該第1ストップブロックの第1端にくさび角が設置されている。
【0014】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、ケースを反重力方向に向かって電力消費装置に取り付ける時に、第1ストップブロックにおけるくさび角を有する第1端の助けを借りて、徐々に反重力方向に向かって運動させることができ、当該第1端は、ケースを電力消費装置に取り付ける時にケースに対して案内と位置決めを行うことができ、ケースをより便利に電力消費装置に取り付けることができる。
【0015】
いくつかの可能な実施形態では、当該第2ストッパが弾性ストップブロックであり、当該ケースが当該電力消費装置に取り付けられた後当該弾性ストップブロックが圧縮されて当該電力消費装置に当接する。
【0016】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、第2ストッパを弾性ストップブロックにすることで、ケースが電力消費装置に取り付けられた後当該弾性ストップブロックが圧縮されて電力消費装置に当接して、圧縮状態にある弾性ストップブロックと電力消費装置との間に弾性作用力があるようになり、そして弾性ストップブロックが第2方向において緊密に電力消費装置に押し付けられて、ケースの第2方向に沿う取付安定性を確保し、即ち、ケースの電力消費装置の重力方向と反重力方向に沿う取付安定性を確保する。
【0017】
いくつかの可能な実施形態では、当該弾性ストップブロックの反重力方向に向かう一端である当該弾性ストップブロックの第1端に面取り構造が設置されている。
【0018】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、ケースを反重力方向に沿って電力消費装置に取り付ける時に、弾性ストップブロックにおける反重力方向に向かう第1端が先に電力消費装置と接触し、且つ電力消費装置に作用し、弾性ストップブロックの第1端に面取り構造を設置することで、弾性ストップブロックの第1端が電力消費装置によって圧縮されることが容易になり、また、鋭い角構造に比べると、当該面取り構造は応力集中を回避でき、弾性ストップブロックの使用寿命が長くなる。なお、面取り構造は弾性ストップブロックの美しさを向上させることもできる。
【0019】
いくつかの可能な実施形態では、当該第1壁に当該第1ストッパを収容するための収容領域が設置されている。
【0020】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、第1ストッパを収容するためにケースの第1壁に収容領域を設置することで、第1ストッパの取付空間を節約でき、一方、外部影響を受けて損なわれることを防止して、第1ストッパのケースでの使用寿命を向上させるように、収容領域によって第1ストッパを保護することもできる。
【0021】
いくつかの可能な実施形態では、当該第1壁は、当該第1方向に沿って当該電池セルから離れるように延在し、当該第2ストッパを設置することに用いられる延在部を含む。
【0022】
いくつかの可能な実施形態では、当該第1ストッパの中心と当該第2ストッパの中心が当該第1方向と当該第2方向で特定された平面と平行する第1平面にある。
【0023】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、第1ストッパの中心と第2ストッパの中心がいずれも第1方向と第2方向で特定された平面と平行する第1平面にあり、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパと電力消費装置の作用力及び第2ストッパと電力消費装置の作用力が同一な平面に集まり、更にケースの電力消費装置への取付安定性を向上させる。更に、第1ストッパと第2ストッパが隣接して同一な第1壁に設置されていれば、第1ストッパ及び第2ストッパと電力消費装置との間の作用力が更に集中的になり、ケースの電力消費装置への取付安定性を更に向上させることができ、また、第1ストッパと第2ストッパが隣接して設置されているため、第1ストッパと第2ストッパの取付と修理も便利となる。
【0024】
いくつかの可能な実施形態では、当該ケースは、当該ケース本体における互いに平行する2つの当該第1壁に分散設置されている複数の当該第1ストッパを含む。
【0025】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、2つの第1壁の空間によって、複数の第1ストッパを提供してこれら2つの第1壁に分散設置することで、ケースの2つの第1壁における第1ストッパがいずれも電力消費装置に対して第1方向に沿う作用力を発生でき、このようにケースが第1方向において電力消費装置に対して互いに緊密に挟んで、更にケースの電力消費装置における第1方向に沿う相対的変位を制限して、ケースの電力消費装置への取付安定性を向上させることができる。
【0026】
いくつかの可能な実施形態では、複数の当該第1ストッパが当該ケース本体の四隅領域に分散設置されている。
【0027】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、ケースに含まれる複数の第1ストッパがケース本体の四隅領域に分散設置されていることで、ケースの四隅領域の電力消費装置での相対的変位を制限して、ケースの電力消費装置への取付安定性を全面的に向上させる。
【0028】
第2側面において、電力消費装置に適用されるブラケットであり、電池セルを収容するための当該電力消費装置の電池ケースを取り付けることに用いられるブラケット本体と、当該ブラケット本体の第1ビームにおける当該ケースに近い一方側に設置される第3ストッパであって、当該第1ビームの延在方向が当該電力消費装置の走行方向と平行する第1方向に垂直であり、当該第3ストッパが当該ケースの当該第1方向に沿う相対的変位を制限するためのものである第3ストッパと、を含むブラケットを提供する。
【0029】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ブラケット本体の第1ビームにおける電池ケースに近い一方側に第3ストッパが設置され、且つ当該第1ビームの延在方向が電力消費装置の走行方向と平行する第1方向に垂直であるので、電池ケースが電力消費装置のブラケット本体に取り付けられた後、第3ストッパがケースに対して第1方向に沿う作用力を発生でき、即ち、第3ストッパがケースに対して電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う作用力を発生でき、これによって、ケースの電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う相対的変位を制限して、ケースの電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を向上させて、走行状態にある電力消費装置が電池及びそのケースに与える影響を低減して、電池及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0030】
いくつかの可能な実施形態では、当該ブラケットは、当該ブラケット本体に設置され、当該ケースの重力方向と平行する第2方向に沿う相対的変位を制限することに用いられる第4ストッパを更に含む。
【0031】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、ブラケット本体に第4ストッパを設置することで、当該第4ストッパがケースに対して第2方向に沿う作用力を発生でき、即ち、第4ストッパがケースに対して重力方向と反重力方向に沿う作用力を発生でき、これによって、ケースの重力方向と反重力方向に沿う相対的変位を制限して、更にケースのブラケットへの取付安定性を向上させて、電池及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0032】
いくつかの可能な実施形態では、当該第4ストッパは、開口が重力方向に向かう凹溝構造を含む。
【0033】
いくつかの可能な実施形態では、当該電池ケースが当該ブラケット本体に取り付けられた後、当該凹溝構造は当該ケースの第2ストッパを収容して、当該ケースの当該第2方向に沿う相対的変位を制限するためのものとなる。
【0034】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、凹溝構造は電池ケースにおける第2ストッパと提携することができ、当該凹溝構造は、第2ストッパを収容し、且つ第2ストッパに緊密に押し付けられることで、ケースのブラケット本体に対する第2方向での緊密挟持を実現し、ケースのブラケット本体の重力方向と反重力方向に沿う取付安定性を向上させることができる。
【0035】
いくつかの可能な実施形態では、当該第3ストッパは、重力方向に向かう一端にくさび角が設置された第3ストップブロックと、当該第3ストップブロックを当該第1ビームに固定するための第2固定部材と、を含む。
【0036】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、第3ストップブロックにおける反重力方向に向かう一端にくさび角が設置されていてもよく、ケースを反重力方向に向かってブラケットに取り付ける時に、第3ストップブロックにおけるくさび角が設置された一端の助けを借りて、徐々に反重力方向に向かって運動させることができ、当該くさび角が設置された一端は、ケースをブラケットに取り付ける時にケースに対して案内と位置決めを行うことができ、ケースをより便利にブラケットに取り付けることができる。
【0037】
いくつかの可能な実施形態では、当該第3ストッパの中心と当該第4ストッパの中心が当該第1方向と当該第2方向で特定された平面と平行する第1平面にある。
【0038】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、第3ストッパの中心と第4ストッパの中心がいずれも第1方向と第2方向で特定された平面と平行する第1平面にあり、ケースがブラケットに取り付けられた後、第3ストッパとケースの作用力及び第4ストッパとケースの作用力が同一な平面に集まり、更にケースのブラケットへの取付安定性を向上させる。更に、第3ストッパと第4ストッパが隣接して同一な第1ビームに設置されていれば、第3ストッパ及び第4ストッパとケースとの間の作用力が更に集中的になり、ケースのブラケットへの取付安定性を更に向上させることができ、また、第3ストッパと第4ストッパが隣接して設置されているため、第3ストッパと第4ストッパの取付と修理も便利となる。
【0039】
いくつかの可能な実施形態では、当該ブラケットは、当該ブラケット本体の互いに平行する少なくとも2つの当該第1ビームに分散設置された複数の当該第3ストッパを含む。
【0040】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、少なくとも2つの第1ビームの空間によって、複数の第3ストッパを提供してこれら少なくとも2つの第1ビームに分散設置することで、ブラケット本体における少なくとも2つの第1ビームにおける第3ストッパがいずれもケースに対して第1方向に沿う作用力を発生でき、このようにケースが第1方向においてブラケット本体に対して互いに緊密に挟んで、更にケースのブラケットにおける第1方向に沿う相対的変位を制限して、ケースの電力消費装置への取付安定性を向上させることができる。
【0041】
いくつかの可能な実施形態では、複数の当該第3ストッパが当該ブラケット本体における当該ケースを収容するための空間の四隅領域に分散設置されている。
【0042】
当該実施形態の技術的解決手段によれば、複数の第3ストッパが更にブラケット本体におけるケースを収容するための空間の四隅領域に分散設置され、更にケースの四隅領域に対応して設置されるようになってもよく、これによって、ケース四隅領域のブラケットでの相対的変位を制限して、ケースのブラケット及びその所在する電力消費装置への取付安定性を全面的に向上させる。
【0043】
第3側面において、電池セルと、当該電池セルを収容するための、第1側面又は第1側面におけるいずれかの可能な実施形態における電池ケースと、を含む電池を提供する。
【0044】
第4側面において、第3側面における電池と、その当該第3ストップブロックが当該電池の当該第1ストッパと提携して、当該電池の当該第1方向に沿う相対的変位を制限するためのものである、第2側面又は第2側面におけるいずれかの可能な実施形態におけるブラケットと、を含む電力消費装置を提供する。
【0045】
第5側面において、電池セルを提供するステップと、ケースであって、当該電池セルを収容するためのケース本体と、当該ケース本体の第1壁における当該電池セルから離れた一方側に設置される第1ストッパであって、当該第1壁が第1方向に垂直であり、当該ケースが電力消費装置に取り付けられた後当該第1方向が当該電力消費装置の走行方向と平行し、当該第1ストッパが当該ケースの当該第1方向に沿う相対的変位を制限するためのものである第1ストッパとを含むケースを提供するステップと、当該電池セルを当該ケースに収容するステップと、を含む電池製造方法を提供する。
【0046】
第6側面において、電池セルを提供するための第1提供モジュールと、
ケースであって、当該電池セルを収容するためのケース本体と、当該ケース本体の第1壁における当該電池セルから離れた一方側に設置される第1ストッパであって、当該第1壁が第1方向に垂直であり、当該ケースが電力消費装置に取り付けられた後当該第1方向が当該電力消費装置の走行方向と平行し、当該第1ストッパが当該ケースの当該第1方向に沿う相対的変位を制限するためのものである第1ストッパとを含むケースを提供するための第2提供モジュールと、
当該電池セルを当該ケースに収容するための取付モジュールと、を含む電池製造装置を提供する。
【0047】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ケース本体の第1壁における電池セルから離れた一方側に第1ストッパが設置され、且つ当該第1壁が第1方向に垂直であり、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、第1方向が電力消費装置の走行方向と平行するので、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパが電力消費装置に対して第1方向xに沿う作用力を発生でき、即ち、第1ストッパが電力消費装置に対して電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う作用力を発生でき、これによって、ケースの電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う相対的変位を制限して、ケースの電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を向上させて、走行状態にある電力消費装置が電池及びそのケースに与える影響を低減して、電池及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に使用必要な添付図面について簡単に説明するが、当然ながら、以下に記載する添付図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、添付図面に基づいて他の図面に想到し得る。
【0049】
図1】本願の一実施例で開示された車両の構造模式図である。
図2】本願の一実施例で開示された電池の構造模式図である。
図3】本願の一実施例で開示された車両に設置されるブラケット本体の構造模式図である。
図4】本願の一実施例で開示された電池ケースの模式的構成図である。
図5】本願の一実施例で開示された第1ストッパの模式的斜視図である。
図6】本願の一実施例で開示された第1ストッパの模式的分解図である。
図7】本願の一実施例で開示された第1ストッパの模式的断面図である。
図8】本願の一実施例で開示された電池ケースの模式的平面図である。
図9】本願の一実施例で開示された電池ケースの模式的構成図である。
図10】本願の一実施例で開示された第2ストッパの模式的斜視図である。
図11】本願の一実施例で開示された第2ストッパの模式的断面図である。
図12】本願の一実施例で開示された第1ストッパと第2ストッパの模式的斜視図である。
図13】本願の一実施例で開示された電池ケースの模式的構成図である。
図14】本願の一実施例で開示された電池ケースの模式的平面図である。
図15】本願の一実施例で開示されたブラケットの模式的構成図である。
図16】本願の一実施例で開示された第3ストッパの模式的斜視図である。
図17】本願の一実施例で開示された第3ストッパの模式的分解図である。
図18】本願の一実施例で開示された第3ストッパの模式的断面図である。
図19】本願の一実施例で開示されたブラケットの模式的平面図である。
図20】本願の一実施例で開示されたブラケットの模式的構成図である。
図21】本願の一実施例で開示された第4ストッパの模式的斜視図である。
図22】本願の一実施例で開示された第3ストッパと第4ストッパの模式的斜視図である。
図23】本願の一実施例で開示されたブラケットの模式的構成図である。
図24】本願の一実施例で開示されたブラケットの模式的平面図である。
図25】本願の一実施例で開示された電池製造方法の模式的フローチャートである。
図26】本願の一実施例で開示された電池製造設備の模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下において添付図面と実施例を参照しながら本願の実施形態を更に詳細に説明する。下記の実施例の詳細説明と添付図面は、本願の範囲を限定してはならず、本願の原理を例示的に説明するためのものであり、即ち、本願は説明される実施例に限定されない。
【0051】
本願の説明では、説明すべきところとして、別に説明しない限り、「複数の」は2つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の技術用語で示す方位又は位置関係は、本願を容易に説明し記述を簡略化するためのものに過ぎず、記載される装置又は素子は必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成、操作されたりすることを明示又は暗示することがないので、本願を限定するものと理解してはならないことである。まお、「第1」、「第2」、「第3」等の技術用語は目的を説明するためのものに過ぎず、相対的重要性を明示又は暗示するものと理解してはならない。「垂直」は厳密に垂直を意味するというわけでなく、誤差許容範囲内にあることを意味する。「平行」は厳密に平行を意味するというわけでなく、誤差許容範囲内にあることを意味する。
【0052】
下記の説明に現れる方位を示す用語は、本願の具体的構造を限定するものではなく、全て図に示す方向である。本願の記述において、更に説明必要であるように、「取付」、「繋がる」、「接続」という用語は、別に明確的に規定・限定しない限り、広義に理解されるべきであり、例えば、固定して接続されてもよいし、着脱可能に接続されてもよく、一体に接続されてもよいが、また、直接的に繋がってもよいし、中間のものを介して繋がってもよい。当業者は、具体的な状況に基づいて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0053】
本願において、「及び/又は」という用語は、ただ関連対象の関連関係を記述するためのものであり、3種の関係が存在可能であることを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独して存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独して存在するという3種の状況を表す。なお、本文における「/」という符号は、一般的に、前後の関連対象が「又は」という関係を有することを表す。
【0054】
本願に利用される全ての技術・科学用語は、別に定義しない限り、当業者が通常に理解する意味と同じであり、本願において出願の明細書に利用される用語は、本願を制限することなく、ただ具体的な実施例を記述するためのものであり、本願の明細書、請求の範囲及び上記添付図面に説明される「含む」、「有する」という用語及びこれらのいずれの変形は、排他的でない包含を含むという意味である。本願の明細書、請求の範囲及び上記添付図面における「第1の」、「第2の」という用語は、ただ異なる対象を区別するためのものであり、所定の順序又は主次関係を記述するためのものでない。
【0055】
本願に「実施例」を言及する場合、実施例に基づいて記述された所定の特徴、構成又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいと意味する。明細書における各箇所に当該用語が現れる場合、必ず同じ実施例を指すこともなく、他の実施例と互いに排斥して独立又は候補の実施例でもない。本文に記述された実施例が他の実施例と結合してもよいことは、当業者に明確的・隠蔽的に理解される。
【0056】
本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含んでもよいが、本願に係る実施例で限定されることがない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状等であってもよいが、本願に係る実施例で限定されることもない。電池セルは、一般にパッケージング方式により、柱状電池セル、直方体方形電池セル及びパウチ型電池セルといった3種に分けられ、本願に係る実施例で限定されることもない。
【0057】
本願の実施例に記載の電池は、もっと高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを表す。例えば、本願に記載の電池は、電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は一般に1つ又は複数の電池ユニットをパッケージングするための筐体を含む。筐体は液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を及ぼすことを回避できる。
【0058】
電池技術の発展に関しては、例えば、電池のエネルギ密度、サイクル寿命、充放電容量、充放電レート、安全性能等の多方面の設計要素を同時に考慮する必要があり、また、電池の取付安定性を考慮する必要もある。
【0059】
具体的には、電池は、適用過程で一般に電力消費装置に設置されて、電力消費装置に電気エネルギを提供するようになっており、電力消費装置に強固に取り付けられておらず、安定性がよくない場合には、電力消費装置が運動状態、特に加速度を有する運動状態にある時に、電池に一定の外力を施すことになり、電池が電力消費装置において相対的変位を発生し、甚だしい場合には固定的な取付位置から抜けて、電池と電力消費装置との間の電気接続に影響を与えると共に、電池自身の性能に影響を与える。最終的に電力消費装置の作動が異常になり、一定の危険性をもたらすことがある。
【0060】
以上に鑑みて、本願は、電池セルを収容することに用いられ、且つ第1ストッパを含む電池ケースを提供し、ケースが電力消費装置に取り付けられた後、当該第1ストッパは電池の電力消費装置の走行方向に沿う相対的変位を制限するためのものとなる。これに対して、本願は、更に、電力消費装置の電池を取り付けることに用いられ、第3ストッパを含む、電力消費装置用のブラケットを提供し、電池ケースが電力消費装置に取り付けられた後、当該第3ストッパは電池の電力消費装置の走行方向に沿う相対的変位を制限するためのものとなることも可能である。
【0061】
いくつかの適用シーンでは、電力消費装置は一般にその走行方向に沿って運動を発生し、且つ加速度を有する運動を発生する可能性があり、電池に与える影響が大きく、電池ケースに第1ストッパを設置し、及び/又は、電力消費装置のブラケットに第3ストッパを設置することによって、電池の電力消費装置への取付安定性、特に電力消費装置の走行方向に沿う取付安定性を強化して、電池及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保することができる。
【0062】
本願の実施例に記載の技術的解決手段はいずれも電池を利用する種々の電力消費装置、例えば、電動車両、電動玩具、電動工具、船舶及び宇宙機等に適用され、例えば、宇宙機は、飛行機、ロケット、宇宙飛行機及び宇宙船等を含む。
【0063】
本願の実施例に記載の技術的解決手段は上述した各種電力消費装置への適用に限定されず、電池を利用する全ての装置又はデバイスに適用可能であることが理解でき、説明の便宜上、下記実施例はいずれも電動車両を例として説明する。
【0064】
例えば、図1は本願の一実施例の車両1の構造模式図を示し、車両1は燃料油自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車はピュア電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー型電気自動車等であってもよい。車両1の内部にはモータ14、制御器13及び電池10が設置されていてもよく、制御器13はモータ14に給電するように電池10を制御するためのものである。例えば、電池10を車両1の底部又は車体前部又は車体後部に設置できる。電池10は車両1に給電することに利用可能であり、例えば、電池10は車両1の操作電源として、車両1の回路システムに利用可能であり、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び運転時に作動するために必要とされる電力として利用される。本願の別の実施例では、電池10は車両1の操作電源とすることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスを代替し又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することができる。
【0065】
異なる電力利用要求に対応するために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、その中で、複数の電池セル同士は直列接続又は並列接続又は混合接続が可能であり、混合接続とは直列接続と並列接続を混合することである。電池は電池パックと称してもよい。選択可能に、先に複数の電池セルから直列接続又は並列接続又は混合接続によって電池モジュールを構成し、次に複数の電池モジュールから直列接続又は並列接続又は混合接続によって電池を構成することができる。つまり、複数の電池セルから直接電池を構成してもよいし、電池モジュールを構成してから電池モジュールから電池を構成してもよい。
【0066】
例えば、図2は本願の一実施例の電池10の構造模式図を示し、電池10は複数の電池セル100を含んでもよい。電池10は更に内部が中空構造であるケース本体200(或いはハウジング本体とも称する)を含んでもよく、複数の電池セル100がケース本体200内に収容される。図2に示すように、ケース本体200は2部分を含んでもよく、ここで、それぞれ第1部分2100と第2部分2200と称され、第1部分2100と第2部分2200が一体に係合する。第1部分2100と第2部分2200は、形状が複数の電池セル100を組み合わせた形状に応じて定まることができ、それぞれ1つの開口を有してもよい。例えば、第1部分2100と第2部分2200は、いずれも中空直方体であり、且つそれぞれ1つの面のみが開口面であるようになってもよく、第1部分2100の開口と第2部分2200の開口が対向して設置され、第1部分2100と第2部分2200が互いに係合して、閉鎖キャビティを有するケース本体200を形成している。複数の電池セル100は相互の並列接続又は直列接続又は混合接続によって組み合わせられた後、第1部分2100と第2部分2200が係合してから形成したケース本体200内に置かれる。
【0067】
選択可能に、電池10は更に他の構造を含んでもよく、ここで一つ一つ詳細に説明しない。例えば、当該電池10は更に、複数の電池セル100間の電気接続、例えば並列接続又は直列接続又は混合接続を実現するためのバスバーを含んでもよい。具体的には、バスバーは電池セル100の電極端子を接続することによって電池セル100間の電気接続を実現することができる。更に、バスバーは溶接によって電池セル100の電極端子に固定可能である。複数の電池セル100の電気エネルギは更に導電機構を介してケースを通って取り出されることが可能である。選択可能に、導電機構はバスバーに属するものであってもよい。
【0068】
電池セル100の数量は、異なる電力要求に応じて、任意数値に設置できる。複数の電池セル100は、直列接続、並列接続又は混合接続の方式で接続して、大きい容量又は出力を実現することができる。電池10毎に含まれる電池セル100の数量が多い可能性があるので、便利に取り付けるために、電池セル100をグループ化して設置してもよく、グループ毎の電池セル100で電池モジュールを構成する。電池モジュールに含まれる電池セル100の数量が限定されるものでなく、必要に応じて設置可能である。
【0069】
電池10を便利に車両1に取り付けるために、図3には車両1に設置されるブラケット本体300の構造模式図が示されている。電池10の車両1への取付を実現するように、上記電池10のケース本体200をブラケット本体300に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、当該ブラケット本体300に設置される電池10の取付や交換を容易にするように、当該ブラケット本体300を車両1のシャーシに設置できる。他の実施形態では、当該ブラケット本体300を電池10の他の位置に設置してもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0070】
本願の実施例では、当該ブラケット本体300は複数のビームを含んでもよく、これら複数のビームは囲んで収容空間を形成して、少なくとも1つの上記電池10を収容し、具体的には、少なくとも1つの上記電池10の少なくとも1つのケース本体200を収容して、少なくとも1つの電池10を車両1に取り付ける。
【0071】
選択可能に、ブラケット本体300は少なくとも1つの第1ビーム301と1対の第2ビーム302を含んでもよく、その中で、これら1対の第2ビーム302が対向して設置され、少なくとも1つの第1ビーム301が第2ビーム302の延在方向に垂直に設置され、且つこれら1対の第2ビーム302に接続されている。
【0072】
例として、図3に示す実施例では、ブラケット本体300は3つの第1ビーム301を含み、その中で、2つの第1ビーム301がそれぞれこれら1対の第2ビーム302の両端に接続され、別の1つの第1ビーム301がこれら1対の第2ビーム302の中部に接続されている。これら3つの第1ビーム301と1対の第2ビーム302との間に2つの対称的な第1空間3100と第2空間3200が形成可能であり、これら第1空間3100と第2空間3200はそれぞれ2つの電池10のケース本体200を収容することに利用可能であり、そのサイズがケース本体200のサイズに適合するように対応設計することができる。
【0073】
当然ながら、他の実施形態では、ブラケット本体300は他の数量の第1ビーム301を含んでもよく、例えば、ブラケット本体300はただこれら1対の第2ビーム302の中部に接続される1つの第1ビーム301を含み、当該実施形態では、1対の第2ビーム302の間の空間を、2つの電池10のケース本体200を収容するための2つの対称空間に分割することもできる。更に例えば、ブラケット本体300は、それぞれこれら1対の第2ビーム302の両端に接続されて、相互に連結して枠型構造を形成する2つの第1ビーム301を含んでもよく、当該枠型構造の中の空間は1つの電池10のケース本体200を収容することに用いられる。更に例えば、ブラケット本体300は4つ又は4つ以上の第1ビーム301を含んでもよく、1対の第2ビーム302の間の空間を、3つ又は3つ以上の電池10のケース本体200を対応的に収容するための3つ又は3つ以上の部分空間に分割することができる。本願の実施例はブラケット本体300における第1ビーム301の具体的な数量を限定しない。
【0074】
選択可能に、ブラケット本体300を便利に車両1に取り付けるために、第1ビーム301と第2ビーム302の延在方向をそれぞれ車両1の長さ方向と幅方向と平行するようにしてもよく、これによって、ブラケット本体300の車両1への取付空間を節約する。
【0075】
上記図2に示す本願の実施例を基に、図4には本願の実施例で提供された電池10のケース20の模式的構成図が示されている。
【0076】
図4に示すように、当該電池10のケース20は、電池セル100(図4で示されていない)を収容するためのケース本体200と、ケース本体200の第1壁201における電池セル100から離れた一方側に設置される第1ストッパ210であって、当該第1壁201が第1方向xに垂直であり、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後当該第1方向xが電力消費装置の走行方向と平行し、当該第1ストッパ210がケース20の第1方向xに沿う相対的変位を制限するためのものである第1ストッパ210と、を含む。
【0077】
例として、本願の実施例におけるの電力消費装置は上述した車両1であってもよく、電池10が車両1に取り付けられた後、第1方向xが車両1の走行方向と平行するようになってもよい。いくつかの実施形態では、車両1の走行方向がその長さ方向と平行するようになってもよく、即ち、電池10が車両1に取り付けられた後、第1方向xが車両1の長さ方向と平行するようになってもよい。
【0078】
当然ながら、本願の実施例の電力消費装置は車両1を除き、他の種類の電力消費装置であってもよく、それは運動状態を有してもよく、その運動状態の方向がいずれも本願の実施例の走行方向と称されてもよい。
【0079】
なお、図2図4を参照すると、本願の実施例におけるケース本体200は上記第1部分2100と第2部分2200を含んでもよく、ケース本体200の第1壁201は第1部分2100と第2部分2200が互に係合した後形成した壁であってもよい。従って、本願の実施例では、第1壁201に設置される第1ストッパ210は独立的にケース本体200の第1部分2100に設置してもよいし、独立的にケース本体200の第2部分2200に設置してもよいし、2部分としてそれぞれケース本体200の第1部分2100と第2部分2200に設置してもよい。例として、図4に示す実施例では、第1ストッパ210がケース本体200のそのうちの1つの部分に設置されている。
【0080】
本願の実施例では、第1ストッパ210がケース本体200の第1壁201における電池セル100から離れた一方側に設置されている。理解できるように、電池セル100がケース本体200の内部のキャビティに収容され、ケース本体200における電池セル100に近い一方側がケース本体200の内側であると理解でき、それに対して、ケース本体200における電池セル100から離れた一方側がケース本体200の外側であると理解できる。従って、ケース本体200の第1壁201における電池セル100から離れた一方側が第1壁201の外側であると理解でき、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1壁201の外側に設置された第1ストッパ210が容易に電力消費装置に対して互に作用でき、ケース20の電力消費装置での相対的変位を制限する。
【0081】
更に、第1ストッパ210を設置した第1壁201が第1方向xに垂直であり、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパ210が電力消費装置に対して第1方向xに沿う作用力を発生して、ケース20の電力消費装置における第1方向xに沿う相対的変位を制限することができる。
【0082】
運動可能な電力消費装置にとって、その主な運動状態が走行状態であってもよく、走行状態で、その運動方式が多種に変化可能であり、例えば、車両にとって、走行状態では、発進、加速、減速、制動等の異なる運動状態があってもよい。電力消費装置の運動方式が多種に変化する走行状態で、例えば電池等の電力消費装置内部の素子が受ける影響も大きい。
【0083】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、電池ケース20のケース本体200の第1壁201における電池セル100から離れた一方側に第1ストッパ210が設置され、且つ当該第1壁201が第1方向xに垂直であり、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1方向xが電力消費装置の走行方向と平行するので、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパ210が電力消費装置に対して第1方向xに沿う作用力を発生でき、即ち、第1ストッパ210が電力消費装置に対して電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う作用力を発生でき、これによって、ケース20の電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う相対的変位を制限して、ケース20の電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を向上させて、走行状態にある電力消費装置が電池10及びそのケース20に与える影響を低減して、電池10及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0084】
説明必要であるように、本願の実施例における第1壁201は、主体構造と付属構造を含んでもよく、その中で、主体構造は壁状構造であると近似的に理解でき、当該第1壁201にケース20に関連する構成部材を便利に設置するように当該壁状構造の一部の表面に凸部又は凹部等の付属構造が設置されていてもよい。本願の実施例の第1ストッパ210は、直接的に第1壁201の主体壁状構造に設置してもよいし、主体壁状構造における凸部又は凹部等の付属構造に設置してもよい。例として、図4に示す実施例では、第1ストッパ210が第1壁201の主体壁状構造における、第1方向xに沿って第1壁201の外側へ突出した付属凸部に設置されている。説明の便宜上、以下において第1壁201における主体構造と付属構造を区別せず、第1壁201と総称する。
【0085】
上記第1ストッパ210に関しては、図5は模式的斜視構成図を示し、当該図5図4におけるA部分の局所拡大図であってもよい。図6は当該第1ストッパ210の模式的分解図を示す。図7は当該第1ストッパ210の図5におけるxz平面に沿った断面模式図を示す。その中で、xz平面はx方向とz方向で特定された平面であり、x方向は上述した本願の実施例における第1方向であり、z方向は第1壁201と平行し、且つ当該x方向に垂直である。ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、当該z方向が重力方向と平行するようになってもよく、その中で、z方向は反重力方向zと重力方向zを含む。表示と理解を容易にするために、図5及び下記の一部の添付図面には更にx方向とz方向に垂直なy方向が示され、これら3方向は共同で空間直角座標系を形成している。
【0086】
図5図7に示すように、当該第1ストッパ210は、第1壁201に設置され且つ第1方向xに沿って運動できる第1ストップブロック211と、第1ストップブロック211と第1壁201との間に設置され、当該第1ストップブロック211の第1方向xに沿う緩衝距離を提供することに用いられるバッファブロック212と、を含んでもよい。
【0087】
具体的には、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパ210における第1ストップブロック211は電力消費装置に対して互いに作用して、ケースの相対的変位を防止するためのものとなる。当該第1ストップブロック211の耐摩耗性を確保して、その使用寿命を向上させるために、当該第1ストップブロック211は耐摩耗性材料で製作でき、例として、当該耐摩耗性材料は、高い機械強度と剛性を有するポリオキシメチレン(Polyoxymethylene,POM)材料を含むが、それに限定されない。
【0088】
ケース20を便利に電力消費装置に取り付けるために、本願の実施例における第1ストッパ210は更に、第1ストップブロック211と第1壁201との間に設置され、第1ストップブロック211の第1方向xに沿う緩衝距離を提供できるバッファブロック212を含む。言い換えると、本願の実施例における第1ストップブロック211は第1壁201に固定されることでなく、バッファブロック212を設置することによって、第1方向xにおいて緩衝距離があることが可能である。
【0089】
選択可能に、本願の実施例では、バッファブロック212で提供される緩衝距離はバッファブロック212の第1方向xでの厚さサイズに応じて定めることができる。例として、バッファブロック212は初期状態で、その第1方向での厚さがdであり、バッファブロックの最大圧縮状態で、その第1方向での厚さがdであり、従って、バッファブロック212で提供される緩衝距離が当該dとdの差以下となってよい。
【0090】
選択可能に、当該バッファブロック212は弾性材料で製作でき、当該弾性材料は、ポリウレタン(Polyurethane,PU)材料を含むが、それに限定されなく、当該ポリウレタン材料で発泡体又はプラスチックスポンジを製作して、本願の実施例におけるバッファブロック212を形成することができる。
【0091】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ケース20を電力消費装置に取り付ける時に、当該バッファブロック212と第1ストップブロック211の相互提携設置によって、第1ストップブロック211が第1方向xに沿ってケース20の内部へ運動可能であり、当該第1ストップブロック211が多過ぎる取付抵抗力をもたらすことがなく、ケース20を便利に電力消費装置に取り付けることができる。更に、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1ストップブロック211がバッファブロック212を圧縮してバッファブロック212を圧縮状態にし、これによって、第1ストップブロック211に弾性作用力を提供して、第1ストップブロック211が第1方向xにおいて電力消費装置に緊密に押し付けられて、ケース20の第1方向xに沿う取付安定性を確保し、即ち、ケース20の電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を確保する。
【0092】
選択可能に、更に図5図7を参照し、本願の実施例の第1ストッパ210は更に第1固定部材213を含んでもよく、上記第1ストップブロック211が当該第1固定部材213によって第1壁201に設置可能であり、また、当該第1固定部材213は第1ストップブロック211とバッファブロック212の第1方向xに沿う緩衝空間を提供するためのものである。
【0093】
具体的には、本願の実施例では、第1固定部材213は第1ストップブロック211を直接的に第1壁201に固定することでなく、第1ストップブロック211を位置限定で第1壁201に設置し、且つ第1ストップブロック211とバッファブロック212に第1方向xに沿う緩衝空間を提供する。ケース20を電力消費装置に取り付ける時に、第1ストップブロック211はバッファブロック212によって第1方向xにおいて相対的変位を発生することができる。
【0094】
例として、本願の実施例における第1固定部材213は、ねじを含むが、それに限定されなく、当該ねじの一端が第1壁201に固定され、第1方向xにおいて、当該ねじのヘッドと第1壁201との間に一定の緩衝空間があり、第1ストップブロック211とバッファブロック212がねじヘッドと第1壁201との間の緩衝空間に設置されている。ケース20を電力消費装置に取り付ける時に、第1方向xにおいて、第1ストップブロック211がバッファブロック212によってねじヘッドと第1壁201との間で相対的変位を発生する。
【0095】
図6に示す実施例では、第1固定部材213は段付きねじであってもよく、当該段付きねじは段差構造を有し、その中の1段目の段階が第1壁201に固定され、2段目の段階とねじヘッドが第1ストップブロック211とバッファブロック212と提携して、第1ストップブロック211とバッファブロック212に緩衝空間を提供する。
【0096】
具体的には、ケース20が電力消費装置に取り付けられていない時に、第1固定部材213と第1ストップブロック211の作用で、バッファブロック212は第1状態にあり、当該第1状態は未圧縮の初期状態であってもよいし、軽く圧縮された圧縮状態であってもよく、当該第1状態では、バッファブロック212は第1方向における厚さがdであり、バッファブロック212は最大圧縮状態では、第1方向における厚さがdであり、このように、本願の実施例では、バッファブロック212が第1ストップブロック211に提供する緩衝距離は当該dとdの差であってもよい。第1固定部材213は、バッファブロック212の第1状態を定め、且つバッファブロック212の第1状態によって第1ストップブロック211の第1方向xに沿う緩衝距離を制限するためのものである。
【0097】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、第1固定部材213によって第1ストップブロック211をケース本体200の第1壁201に設置し、且つ第1ストップブロック211とバッファブロック212に緩衝空間を提供することで、第1ストップブロック211がバッファブロック212によって第1方向xにおいて相対的変位を発生することができる。従って、当該第1ストップブロック211が多過ぎる取付抵抗力をもたらすことがなく、ケース20の電力消費装置への取付を容易にすることができる。また、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1ストップブロック211とバッファブロック212の相互提携によって、ケース20の第1方向に沿う取付安定性を確保でき、即ち、ケース20の電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を確保できる。
【0098】
選択可能に、図5図6に示すように、本願の実施例では、第1ストップブロック211の外形全体は近似的に塊状になっていてもよく、その中部に取付位置が設置されていてもよく、第1固定部材213が第1ストップブロック211の中部の取付位置によって第1ストップブロック211を位置限定で第1壁201に設置し、当該実施形態によれば、第1固定部材213を第1ストップブロック211の他の位置に設置することに比べて、好ましい位置固定制限作用を図ることができる。当然ながら、特定の適用シーン又は需要に応じて、当該第1固定部材213を第1ストップブロック211の他の位置に設置してもよく、その目的として、第1ストップブロック211とバッファブロック212に緩衝空間を提供して、第1ストップブロック211にバッファブロック212によって第1方向xにおいて相対的変位を発生させることができればよく、本願の実施例は当該第1固定部材213の具体的な位置を限定するものではない。
【0099】
なお、選択可能に、図6に示すように、本願の実施例では、バッファブロック212と他の部材の接触面積及びその取付安定性を増加するために、バッファブロック212の外形全体は近似的に塊状構造となっていてもよい。また、当該バッファブロック212の中部に貫通孔が対応的に設置されており、第1固定部材213が当該貫通孔を介してバッファブロック212を第1壁201に設置する。
【0100】
選択可能に、いくつかの適用シーンでは、ケース20を反重力方向zに向かって電力消費装置に取り付けてもよく、例えば、電力消費装置が車両1であり、ケース20を持ち上げて車両1のシャーシに取り付けることができ、即ち、ケース20を反重力方向zに向かって車両1に取り付ける。
【0101】
この適用シーンでは、図5図7に示すように、本願の実施例における第1ストップブロック211の第1端2111にくさび角が設置されていてもよく、当該第1ストップブロック211の第1端2111が第1ストップブロック211の反重力方向zに向かう一端である。従って、ケース20を反重力方向zに向かって電力消費装置に取り付ける時に、第1ストップブロック211におけるくさび角を有する第1端2111の助けを借りて、徐々に反重力方向zに向かって運動させることができ、当該第1端2111は、ケース20を電力消費装置に取り付ける時にケース20に対して案内と位置決めを行うことができ、ケース20をより便利に電力消費装置に取り付けることができる。
【0102】
選択可能に、更に図6図7を参照し、本願の実施例では、第1壁201に上記第1ストッパ210を収容可能な収容領域2011が設置されている。
【0103】
具体的には、当該収容領域2011は上記第1ストッパ210に適宜なものであってもよい。例えば、収容領域2011は、第1ストッパ210における第1ストップブロック211を適宜に収容するために、四辺形凹溝を含んでもよい。更に例えば、第1方向xにおいて、四辺形凹溝の深さをバッファブロック212の厚さよりも大きくする必要があり、これによって、当該四辺形凹溝にバッファブロック212を収容する空間を持たせることができる。更に例えば、第1固定部材213がねじであれば、当該ねじを適宜に取り付けるために、収容領域2011は更にねじ穴を含んでもよい。
【0104】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、第1ストッパ210を収容するためにケース20の第1壁201に収容領域2011を設置することで、第1ストッパ210の取付空間を節約でき、一方、外部影響を受けて損なわれることを防止して、第1ストッパ210のケース20での使用寿命を向上させるように、収容領域2011によって第1ストッパ210を保護することもできる。
【0105】
図8は本願の実施例で提供された電池10のケース20のxy平面に沿った模式的平面図を示す。
【0106】
選択可能に、図8に示すように、ケース20は、ケース本体200における互いに平行する2つの第1壁201に分散設置可能な複数の上記第1ストッパ210を含んでもよい。
【0107】
具体的には、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、これら2つの第1壁201がいずれも第1方向xに垂直であり、即ち、電力消費装置の走行方向に垂直である。本願の実施例は、2つの第1壁201の空間によって、複数の第1ストッパ210を提供してこれら2つの第1壁201に分散設置することで、ケース20の2つの第1壁201における第1ストッパ210がいずれも電力消費装置に対して第1方向xに沿う作用力を発生でき、このようにケース20が第1方向xにおいて電力消費装置に対して互いに緊密に挟んで、更にケース20の電力消費装置における第1方向xに沿う相対的変位を制限して、ケース20の電力消費装置への取付安定性を向上させることができる。
【0108】
説明必要であるように、本願では、相互に平行する2つの第1壁201は主体壁状構造が互いに平行する2つの第1壁201であると理解でき、また、この相互平行というのは絶対な平行を意味するというわけではなく、近似な平行であってもよい。
【0109】
選択可能に、2つの第1壁201に設置される第1ストッパ210の数量は等しくても、等しくなくてもよい。選択可能に、複数の第1ストッパ210をy方向に沿って第1壁201に並ぶことができる。
【0110】
一例として、1つの第1壁201に2つの第1ストッパ210を設置でき、これら2つの第1ストッパ210が当該1つの第1壁201におけるy方向に沿う両端領域に分散設置され、即ち、ケース本体200の二隅領域に分散設置される。もう1つの第1壁201に1つの第1ストッパ210のみを設置してもよく、当該1つの第1ストッパ210を当該もう1つの第1壁201におけるy方向に沿う中心領域に設置できる。
【0111】
別の例として、図8に示すように、2つの第1壁201のうちの各第1壁201はy方向の両端にそれぞれ1つの第1ストッパ210が設置され、即ち、4つの第1ストッパ210がケース本体200の四隅領域に分布設置されている。
【0112】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ケース20に含まれる複数の第1ストッパ210がケース本体200の四隅領域に分散設置されていることで、ケース20の四隅領域の電力消費装置での相対的変位を制限して、ケース20の電力消費装置への取付安定性を全面的に向上させる。
【0113】
図9は本願の実施例で提供された電池10のケース20の別の模式的構成図を示す。
【0114】
選択可能に、図9に示すように、本願の実施例で提供された電池10のケース20は、ケース本体200における電池セルから離れた一方側に設置され、ケース20の第2方向zに沿う相対的変位を制限することに用いられる第2ストッパ220を含んでもよく、当該ケース20が電力消費装置に取り付けられた後当該第2方向zが重力方向と平行する。
【0115】
理解できるように、電池セル100がケース本体200の内部のキャビティに収容され、ケース本体200における電池セル100に近い一方側がケース本体200の内側であると理解でき、それに対して、ケース本体200における電池セル100から離れた一方側がケース本体200の外側であると理解できる。従って、本願の実施例では、第2ストッパ220がケース本体200の外側に設置され、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第2ストッパ220はケース20の第2方向zに沿う変位を制限し、即ちケース20の重力方向zと反重力方向zに沿う相対的変位を制限することができる。
【0116】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、電池ケース20のケース本体200における電池セル100から離れた一方側に第2ストッパ220が設置され、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第2ストッパ220が電力消費装置に対して第2方向zに沿う作用力を発生でき、即ち、第2ストッパ220が電力消費装置に対して重力方向zと反重力方向zに沿う作用力を発生でき、これによって、ケース20の重力方向zと反重力方向zに沿う相対的変位を制限して、更にケース20の電力消費装置への取付安定性を向上させて、電池10及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0117】
選択可能に、本願の実施例で提供された第2ストッパ220をケース本体200の任意壁の外側に設置でき、その目的として、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、当該第2ストッパ220が電力消費装置に当接して電力消費装置に対して重力方向zと反重力方向zに沿う作用力を発生できればよく、本願の実施例は当該第2ストッパ220のケース本体200外側での具体的位置を限定するものではない。
【0118】
例として、図9に示す実施例では、当該第2ストッパ220は同様に上述した本願の実施例におけるケース本体200の第1壁201に設置できる。この場合に、図10は第2ストッパ220の模式的斜視構成図を示し、当該図10図9にけるB部分の局所拡大図であってもよい。図11は当該第2ストッパ220の図10におけるxz平面に沿った断面模式図である。
【0119】
例として、図10図11に示す実施例では、第1壁201は、第1方向xに沿ってケース本体200の中の電池セル100から離れるように延在し、上記第2ストッパ220を設置することに用いられる延在部2012を含んでもよい。
【0120】
具体的には、第1壁201は第1方向xに沿ってケース本体200の外側に向かって延在する延在部2012を含み、このように第2ストッパ220は延在部2012に取り付けられた後、第2方向zにおいて、電力消費装置に対向して設置可能になって、電力消費装置に対して第2方向zにおいて相互作用を発生できる。
【0121】
なお、図9に戻って参照すると、ケース本体200は第1壁201を含むことに加えて、更に第3方向y(即ち、図に示すy方向)に垂直な第2壁202を含んでもよいことが理解できる。上記第2ストッパ220を第2壁202に設置すれば、第2壁202は上記第2ストッパ220を設置するために、同様に延在部を含んでもよく、当該第2壁202の延在部はy方向に沿ってケース本体200の外側に向かって延在していてもよい。
【0122】
ケース本体200は第1壁201と第2壁202を含むことに加えて、更に第2方向zに垂直な第3壁203を含んでもよいことも理解でき、この場合に、上記第2ストッパ220を直接第3壁203の外側に設置でき、その目的として、電力消費装置に対して互に作用できればよい。
【0123】
選択可能に、いくつかの実施形態では、上記第2ストッパ220を弾性ストップブロックにすることができ、当該ケース20が電力消費装置に取り付けられた後当該弾性ストップブロックが圧縮されて電力消費装置に当接して、圧縮状態にある弾性ストップブロックと電力消費装置との間に弾性作用力があるようになり、そして弾性ストップブロックが第2方向zにおいて緊密に電力消費装置に押し付けられて、ケース20の第2方向zに沿う取付安定性を確保し、即ち、ケース20の電力消費装置の重力方向zと反重力方向zに沿う取付安定性を確保する。
【0124】
選択可能に、本願の実施例の弾性ストップブロックの材料は、弾性を有するだけでなく、一定の耐摩耗性と強度をも有するゴム材料を含むが、それに限定されなく、当該ゴム材料の弾性ストップブロックが電力消費装置に取り付けられた後、電力消費装置への影響が小さく、ケース20と電力消費装置との間の取付安定性を確保すると共に、ケース20の振動による電力消費装置の摩損を回避し、電力消費装置に錆付きが発生するリスクを低減することができる。
【0125】
選択可能に、ケース20の電力消費装置への取付を固めるために、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、弾性ストップブロックと電力消費装置との間の作用力が所定閾値以上に達することを確保するように、当該弾性ストップブロックの圧縮量を所定閾値以上にすることができる。例として、当該弾性ストップブロックの圧縮量の閾値を3mm以上にすることができる。
【0126】
選択可能に、図10図11に示す実施例では、第2ストッパ220が弾性ストップブロックであることを基に、当該弾性ストップブロックの反重力方向zに向かう一端である当該弾性ストップブロックの第1端2201に面取り構造が設置されている。
【0127】
ケース20を反重力方向zに沿って電力消費装置に取り付ける時に、弾性ストップブロックにおける反重力方向に向かう第1端2201が先に電力消費装置と接触し、且つ電力消費装置に作用し、本願の実施例の技術的解決手段によれば、弾性ストップブロックの第1端2201に面取り構造を設置することで、弾性ストップブロックの第1端2201が電力消費装置によって圧縮されることが容易になり、また、鋭い角構造に比べると、当該面取り構造は応力集中を回避でき、弾性ストップブロックの使用寿命が長くなる。なお、面取り構造は弾性ストップブロックの美しさを向上させることもできる。
【0128】
なお、例として、図10図11は第2ストッパ220を延在部2012に取り付ける方式を示す。
【0129】
選択可能に、第2ストッパ220を収容するために延在部2012には収容領域が含まれており、このように第2ストッパ220を延在部2012に取り付けて設置することができる。更に、第2ストッパ220が弾性ストップブロックであれば、当該弾性ストップブロックにおける延在部2012に向かう箇所に突出部を有し、且つ延在部2012には当該突出部を係合させる係合溝を有し、このように弾性ストップブロックを安定的に当該延在部2012に取り付けて設置することができる。
【0130】
当然ながら、図10図11に示す実施例における取付方式を除き、第2ストッパ220は更に他の任意の方式で延在部2012に設置して取り付けることができ、例えば、固定部材によって延在部2012に取り付ける等の方式があり、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0131】
選択可能に、上記第1ストッパ210の中心と第2ストッパ220の中心が上記第1方向xと第2方向zで特定された平面、即ちxz平面と平行する第1平面にある。
【0132】
いくつかの実施形態では、第1ストッパ210の中心は第1ストッパ210の中の任意のモジュールの幾何中心又は重心であると理解でき、例えば、第1ストッパ210の中心は上記第1ストップブロック211の幾何中心又は重心であってもよい。類似的に、第2ストッパ220の中心も第2ストッパ220の中の任意モジュールの幾何中心又は重心であると理解でき、例えば、第2ストッパ220の中心は上記弾性ストップブロックの幾何中心又は重心であってもよい。
【0133】
この場合に、図12は本願の実施例における第1ストッパ210と第2ストッパ220の模式的斜視構成図である。
【0134】
図12に示す実施例では、当該第1ストッパ210と第2ストッパ220がいずれもケース本体200の第1壁201に設置可能であり、且つ第1ストッパ210と第2ストッパ220が隣接して設置される。具体的には、第1ストッパ210が第1壁201の第1領域に設置可能であり、第2ストッパ220が、第1領域が第1方向xに沿ってケース20の外側に向かって延在した延在部2012に設置可能である。また、当該実施例では、第1ストッパ210の中心と第2ストッパ220の中心がxz平面と平行する第1平面にある。
【0135】
第1ストッパ210と第2ストッパ220が、図12に示す実施例における形態のように全てケース本体200の同一な第1壁201に設置可能である以外に、第1ストッパ210がケース本体200における1つの第1壁201に設置可能であり、第2ストッパ220が対称的にケース本体200におけるもう1つの第1壁201に設置可能であり、当該第1ストッパ210の中心と第2ストッパ220の中心が同様にxz平面と平行する第1平面にあってもよい。
【0136】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、第1ストッパ210の中心と第2ストッパ220の中心がいずれもxz平面と平行する第1平面にあり、ケース20が電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパ210と電力消費装置の作用力及び第2ストッパ220と電力消費装置の作用力が同一な平面に集まり、更にケース20の電力消費装置への取付安定性を向上させる。更に、第1ストッパ210と第2ストッパ220が隣接して同一な第1壁201に設置されていれば、第1ストッパ210及び第2ストッパ220と電力消費装置との間の作用力が更に集中的になり、ケース20の電力消費装置への取付安定性を更に向上させることができ、また、第1ストッパ210と第2ストッパ220が隣接して設置されているため、第1ストッパ210と第2ストッパ220の取付と修理も便利となる。
【0137】
更に、図12を参照し、ケース20は、更に、ケース本体200の第1壁201における電池セルから離れた一方側に設置され、即ちケース本体200の第1壁201の外側に設置される第1取付部材230を含んでもよく、その中で、当該第1取付部材230はケース20を電力消費装置にロック設置するためのものであり、また、上記第1ストッパ210は当該第1取付部材230に隣接して設置してもよい。
【0138】
例として、図12に示す実施例では、第1取付部材230は係止部であってもよく、それに対して、電力消費装置には係止機構と通路が配置されていてもよく、係止部は通路を移動するものであり、係止機構は、係止部が通路の所定位置まで移動すると、係止部を係止することで、ケース20を電力消費装置にロック設置できるように配置される。なお、係止機構は更に、係止部に対する係止を解除し、係止部を通路から離脱させて、ケース20を電力消費装置からアンロックさせるように配置されてもよい。
【0139】
ケース20が第1取付部材230によって電力消費装置に取り付けられた後、第1ストッパ210が電力消費装置に対して電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う作用力を発生できるため、ケース20、特にケース20における第1ストッパ210周囲にある部材の、電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う相対的変位を制限する。従って、ケース20における第1ストッパ210周囲にある部材の安定性が高く、本願の実施例の技術的解決手段によれば、ケース20をロックするための第1取付部材230を第1ストッパ210に隣接して設置することで、第1取付部材230の安定性を向上させ、更にケース20の電力消費装置への取付安定性を向上させることができる。
【0140】
なお、図12に示すように、第2ストッパ220が第1ストッパ210に隣接して設置されていれば、第2ストッパ220も第1取付部材230に隣接して設置されることになり、第1取付部材230及びケース20の取付安定性を更に向上できることが理解できる。
【0141】
当該実施形態では、図13は電池10のケース20の模式的斜視構成図を示す。図14図13におけるケース20のxy平面に沿った模式的平面図を示す。
【0142】
図13図14に示すように、ケース20は複数の上記第1ストッパ210と複数の上記第2ストッパ220を含んでもよく、その中で、これら複数の第1ストッパ210がケース本体200における互いに平行する2つの第1壁201に分散設置可能であり、また、複数の第2ストッパ220が複数の第1ストッパ210に一対一で対応し且つ隣接して設置される。
【0143】
選択可能に、ケース20は更に、ケース20のロック取付の安定性を確保するためにケース本体200の四隅領域に分散設置可能な複数の上記第1取付部材230を含む。
【0144】
例として、図14に示す実施例では、これら複数の第1取付部材230がケース本体200の四隅領域に分布され、且つ互いに平行する2つの第1壁201に設置されている。更に、第1ストッパ210及び第2ストッパ220によって第1取付部材230及びケース20の取付安定性を確保できるように、これら複数の第1取付部材230を第1ストッパ210及び第2ストッパ220に隣接して対応的に設置してもよい。
【0145】
以上において図4図14を参照しながら本願の実施例で提供された電池10のケース20の関連技術的解決手段を説明したが、以下において図15図24を参照しながら本願の実施例で提供された電池10のケース20を取り付けるためのブラケット30の関連技術的解決手段を説明する。
【0146】
上記図3に示す本願の実施例を基に、図15は本願の実施例で提供されたブラケット30の模式的構成図を示し、当該ブラケット30は電力消費装置に適用可能であり、当該電力消費装置は、上述した図4図14に示す実施例に記載の電力消費装置であってもよく、上述した図1に示す車両1を含むが、それに限定されない。
【0147】
図15に示すように、当該ブラケット30は、電池セル100を収容するための電力消費装置の電池10のケース20(未図示)を取り付けるためのブラケット本体300と、ブラケット本体300の第1ビーム301におけるケース20に近い一方側に設置される第3ストッパ310であって、当該第1ビーム301の延在方向が電力消費装置の走行方向と平行する第1方向xに垂直であり、第3ストッパ310がケース20の第1方向xに沿う相対的変位を制限するためのものである第3ストッパ310と、を含む。
【0148】
具体的には、本願の実施例におけるブラケット本体300及び第1ビーム301に関連する技術的解決手段については、以上において図3に示す実施例の関連説明を参照できる。上述した図4図14における電池10のケース20の電力消費装置への取付は、電池10のケース20を下記の本願の実施例におけるブラケット30に取り付けると理解でき、具体的にはブラケット30のブラケット本体300に取り付けることができる。
【0149】
なお、本願の実施例では、当該ブラケット本体300における第1ビーム301の延在方向が第1方向xに垂直であり、当該第1方向xが電力消費装置の走行方向と平行する。電力消費装置の走行方向が電力消費装置の長さ方向であれば、本願の実施例では、第1ビーム301の延在方向が電力消費装置の長さ方向に垂直であり、即ち、電力消費装置の幅方向と平行する。
【0150】
更に、本願の実施例では、当該第1ビーム301におけるケース20に近い一方側にはケース20の第1方向xに沿う相対的変位を制限するための第3ストッパ310が設置されている。
【0151】
理解しやすくするために、本願の実施例では、第1ビーム301におけるケース20に近い一方側を第1ビーム301の内側と称してもよく、当該第1ビーム301の内側がケース20を収容する空間を形成できる。
【0152】
具体的には、電池10のケース20をブラケット本体300に取り付けて収容した後、当該第1ビーム301の内側に設置された第3ストッパ310がケース20に対して相互に作用して、ケース20及びその中の電池10の電力消費装置での相対的変位を制限する。
【0153】
更に、第3ストッパ310を設置した第1ビーム301の延在方向が第1方向xに垂直であり、ケース20をブラケット本体300に取り付けて収容した後、第3ストッパ310がケース20に対して第1方向xに沿う作用力を発生して、ケース20のブラケット本体300における第1方向xに沿う相対的変位を制限することができる。
【0154】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ブラケット30のブラケット本体300の第1ビーム301における電池10のケース20に近い一方側に第3ストッパ310が設置され、且つ当該第1ビーム301の延在方向が電力消費装置の走行方向と平行する第1方向xに垂直であるので、電池10のケース20が電力消費装置のブラケット本体300に取り付けられた後、第3ストッパ310がケース20に対して第1方向xに沿う作用力を発生でき、即ち、第3ストッパ310がケース20に対して電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う作用力を発生でき、これによって、ケース20の電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う相対的変位を制限して、ケース20の電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う取付安定性を向上させて、走行状態にある電力消費装置が電池10及びそのケース20に与える影響を低減して、電池10及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0155】
選択可能に、本願の実施例では、電池10のケース20が電力消費装置のブラケット30に取り付けられた後、ブラケット本体300に設置された第3ストッパ310が上述した本願の実施例におけるケース本体200に設置された第1ストッパ210と提携可能になり、第3ストッパ310が第1ストッパ210に対して電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う作用力を発生して、ケース20の電力消費装置の走行方向と反走行方向に沿う相対的変位を制限することができる。
【0156】
上記第3ストッパ310に関しては、図16は模式的斜視構成図を示し、当該図16図15におけるC部分の局所拡大図であってもよい。図17は当該第3ストッパ310の模式的分解図を示す。図18は当該第3ストッパ310の図16におけるxz平面に沿った断面模式図を示し、その中で、xz平面はx方向とz方向で特定された平面であり、x方向は上述した本願の実施例における第1方向xであり、z方向は重力方向と平行するようになっていてもよく、その中で、z方向は反重力方向zと重力方向zを含む。
【0157】
図16図18に示すように、第3ストッパ310は、重力方向に向かう一端3111にくさび角が設置された第3ストップブロック311と、第3ストップブロック311を第1ビーム301に固定するための第2固定部材312と、を含んでもよい。
【0158】
選択可能に、図16図17に示すように、本願の実施例では、第3ストップブロック311の外形全体は近似的に塊状になっていてもよく、その中部に取付位置が設置されていてもよく、第2固定部材312が第3ストップブロック311の中部の取付位置によって第3ストップブロック311を第1ビーム301に固定的に設置し、当該実施形態によれば、第2固定部材312を第3ストップブロック311の他の位置に設置することに比べて、好ましい固定作用を図ることができる。その中で、当該第2固定部材312は、第3ストップブロック311を便利に着脱可能なねじとナットを含むが、それらに限定されない。
【0159】
具体的には、ケース20がブラケット30に取り付けられた後、第3ストッパ310における第3ストップブロック311はケース20に対して互いに作用して、ケース20の相対的変位を防止するためのものとなる。当該第3ストップブロック311の耐摩耗性を確保して、その使用寿命を向上させるために、当該第3ストップブロック311は耐摩耗性材料で製作でき、例として、当該耐摩耗性材料は、高い機械強度と剛性を有するポリオキシメチレン(POM)材料を含むが、それに限定されない。
【0160】
選択可能に、いくつかの適用シーンでは、ケース20を反重力方向zに向かって電力消費装置に取り付けてもよく、例えば、電力消費装置が車両1であり、ケース20を持ち上げて車両1のシャーシにおけるブラケット30に取り付けることができ、即ち、ケース20を反重力方向に向かって車両1におけるブラケット30に取り付ける。
【0161】
この適用シーンでは、本願の実施例における第3ストップブロック311の反重力方向に向かう一端3111にくさび角が設置されていてもよく、これによって、ケース20をブラケット30に取り付ける時に、第3ストップブロック311の一端3111の助けを借りて、徐々に反重力方向zに向かって運動させることができ、当該一端3111は、ケース20をブラケット30に取り付ける時にケース20に対して案内と位置決めを行うことができ、ケース20をより便利にブラケット30に取り付けることができる。
【0162】
本願の実施例において、ブラケット30は、上述した本願の実施例におけるケース20の第1ストッパ210と提携可能な第3ストッパ310を含むことを説明する必要がある。他の実施例では、ブラケット30は上記第1ストッパ210を含んでもよく、ケース20には第3ストッパ310を含んでもよく、即ち、ブラケット30とケース20におけるストッパを互いに交換しても、ケース20がブラケット30に取り付けられた後、第1ストッパ210と第3ストッパ310とが互に提携することが実現でき、ケース20のブラケット30への安定的な取付が実現される。
【0163】
しかし、第1ストッパ210は、構造がやや複雑であり、第1ストップブロック211の緩衝運動を実現するにはバッファブロック212を必要とし、第3ストッパ310に比べると、頻繁な修理又は交換を必要とするので、第1ストッパ210をケース20に設置することで、当該第1ストッパ210の修理と交換を便利にすることができる。
【0164】
図19は本願の実施例で提供されたブラケット30の模式的平面図を示す。
【0165】
選択可能に、図19に示すように、ブラケット30は、ブラケット本体300における互いに平行する少なくとも2つの第1ビーム301に分散設置可能な複数の上記第3ストッパ310を含んでもよい。
【0166】
具体的には、本願の実施例では、少なくとも2つの第1ビーム301の延在方向がいずれも第1方向xに垂直であり、即ち、電力消費装置の走行方向に垂直である。本願の実施例は、少なくとも2つの第1ビーム301の空間によって、複数の第3ストッパ310を提供してこれら少なくとも2つの第1ビーム301に分散設置することで、ブラケット本体300において少なくとも2つの第1ビーム301における第3ストッパ310がいずれもケース20に対して第1方向xに沿う作用力を発生でき、このようにケース20が第1方向xにおいてブラケット本体300に対して互いに緊密に挟んで、更にケース20のブラケット30における第1方向xに沿う相対的変位を制限して、ケース20の電力消費装置への取付安定性を向上させることができる。
【0167】
選択可能に、本願の実施例では、複数の第3ストッパ310が更にブラケット本体300におけるケース20を収容するための空間の四隅領域に分散設置され、更にケース20の四隅領域に対応して設置されるようになってもよく、これによって、ケース20の四隅領域のブラケット30での相対的変位を制限して、ケース20のブラケット30及びその所在する電力消費装置への取付安定性を全面的に向上させる。
【0168】
例として、図19に示す実施例では、ブラケット本体300にはケース20を収容するための第1空間3100と第2空間3200を含み、複数の第3ストッパ310がそれぞれ当該第1空間3100と第2空間3200の四隅領域に分散設置されて、ブラケット30に取り付けられる2つのケース20の取付安定性を向上させる。
【0169】
図20は本願の実施例で提供されたブラケット30の模式的構成図を示す。
【0170】
選択可能に、図20に示すように、本願の実施例で提供されたブラケット30は、ブラケット本体300に設置され、ケース20の重力方向と平行する第2方向zに沿う相対的変位を制限することに用いられる第4ストッパ320を含んでもよい。
【0171】
選択可能に、本願の実施例では、第4ストッパ320をブラケット本体300の任意ビームに設置可能であり、いくつかの実施形態では、ブラケット本体300における任意ビームの重力方向での一方側に設置してもよいし、ブラケット本体300における任意ビームの反重力方向での一方側に設置してもよい。
【0172】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ブラケット本体300に第4ストッパ320を設置することで、当該第4ストッパ320がケース20に対して第2方向zに沿う作用力を発生でき、即ち、第4ストッパ320がケース20に対して重力方向zと反重力方向zに沿う作用力を発生でき、これによって、ケース20の重力方向zと反重力方向zに沿う相対的変位を制限して、更にケース20のブラケット30への取付安定性を向上させて、電池10及びその所在する電力消費装置の正常作動を確保する。
【0173】
例として、図20に示す実施例では、当該第4ストッパ320は同様に上記本願の実施例におけるブラケット本体300の第1ビーム301に設置できる。この場合に、図21は第4ストッパ320の模式的斜視構成図を示し、当該図21図20におけるD部分の局所拡大図であってもよい。
【0174】
例として、図21に示す実施例では、第4ストッパ320は、第1ビーム301の重力方向zでの一方側に設置され、且つ開口が重力方向zに向かう凹溝構造321を含む。
【0175】
当該実施形態を採用すれば、電池10のケース20を反重力方向zに向かってブラケット30に取り付ける時に、この第1ビーム301の重力方向zでの一方側に設置された凹溝構造321が便利にケース20と接触して係合することができる。
【0176】
具体的には、当該凹溝構造321は、電池10のケース20の中の突出部材を収容することで、当該凹溝構造321とケース20の中の突出部材の係合を実現し、ケース20のブラケット本体300での相対的変位を制限し、ケース20のブラケット30への取付安定性を向上させることができる。
【0177】
選択可能に、いくつかの実施形態では、本願の実施例における凹溝構造321は上述した本願の実施例における第2ストッパ220と相互に提携することができ、当該凹溝構造321は、第2ストッパ220を収容し、且つ第2ストッパ220に緊密に押し付けられることで、ケース20のブラケット本体300に対する第2方向zでの緊密挟持を実現し、ケース20のブラケット本体300の重力方向zと反重力方向zに沿う取付安定性を向上させることができる。
【0178】
なお、当該凹溝構造321は、ケース20のブラケット本体300に対する第2方向zでの緊密挟持を実現できることを除き、ケース20のブラケット本体300に対する第3方向yでの位置限定も実現でき、ケース20のブラケット本体300に対する第3方向yに沿う取付安定性を向上させる。
【0179】
本願の実施例では、第4ストッパ320がケース20に対して相互に作用する必要があるので、ケース20がそれに及ぼす摩損による錆付きを防止し、且つケース20との間の緊密挟持を保持するために、当該第4ストッパ320の材料は、ステンレス等の耐摩耗性と耐錆性を有する材料を含むが、それに限定されなく、また、当該第4ストッパ320はケース20における第2ストッパ220、例えば弾性ストップブロックに対して良好な緊密提携を図ることができる。
【0180】
本願の実施例では、ブラケット30は、上述した本願の実施例におけるケース20の第2ストッパ220と相互に提携できる第4ストッパ320を含むことを説明する必要がある。他の実施例では、ブラケット30は上記第2ストッパ220を含んでもよく、ケース20には第4ストッパ320を含んでもよく、即ち、ブラケット30とケース20におけるストッパを互いに交換しても、ケース20がブラケット30に取り付けられた後、第2ストッパ220と第4ストッパ320が相互に提携することが実現でき、ケース20のブラケット30への安定的な取付が実現される。
【0181】
しかし、第2ストッパ220は弾性ストップブロックであれば、第4ストッパ320に比べると、頻繁な修理又は交換を必要とするので、第2ストッパ220をケース20に設置することで、当該第2ストッパ220の修理と交換を便利にすることができる。
【0182】
選択可能に、上記第3ストッパ310の中心と第4ストッパ320の中心が上記第1方向xと第2方向zで特定された平面と平行する第1平面にあってもよい。
【0183】
選択可能に、いくつかの実施形態では、第3ストッパ310の中心は第3ストッパ310の中の任意のモジュールの幾何中心又は重心であると理解でき、例えば、第3ストッパ310の中心は上記第3ストップブロック311の幾何中心であってもよい。類似的に、第4ストッパ320の中心も第4ストッパ320の中の任意モジュールの幾何中心又は重心であると理解でき、例えば、第4ストッパ320の中心は凹溝構造321の幾何中心であってもよい。
【0184】
この場合に、図22は本願の実施例における第3ストッパ310と第4ストッパ320の模式的斜視構成図を示す。
【0185】
図22に示す実施例では、当該第3ストッパ310と第4ストッパ320がいずれもブラケット本体300の同一な第1ビーム301に設置され、且つ第3ストッパ310と第4ストッパ320が隣接して設置されるようになってもよい。具体的には、第3ストッパ310と第4ストッパ320が第1ビーム301における相互に垂直であり且つ隣接する両側に設置されている。また、当該実施例では、第3ストッパ310の中心と第4ストッパ320の中心がxz平面と平行する第1平面にある。
【0186】
第3ストッパ310と第4ストッパ320が、図22に示す実施例における形態のように全てブラケット本体300の同一な第1ビーム301に設置可能である以外に、第3ストッパ310がブラケット本体300における1つの第1ビーム301に設置可能であり、第4ストッパ320がブラケット本体300におけるもう1つの第1ビーム301に設置可能であり、当該第3ストッパ310の中心と第4ストッパ320の中心が同様にxz平面と平行する第1平面にあってもよい。
【0187】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、第3ストッパ310の中心と第4ストッパ320の中心がいずれもxz平面と平行する第1平面にあり、ケース20がブラケット30に取り付けられた後、第3ストッパ310とケース20の作用力及び第4ストッパ320とケース20の作用力が同一な平面に集まり、更にケース20のブラケット30への取付安定性を向上させる。更に、第3ストッパ310と第4ストッパ320が隣接して同一な第1ビーム301に設置されていれば、第3ストッパ310及び第4ストッパ320とケース20との間の作用力が更に集中的になり、ケース20のブラケット30への取付安定性を更に向上させることができ、また、第3ストッパ310と第4ストッパ320が隣接して設置されているため、第3ストッパ310と第4ストッパ320の取付と修理も便利となる。
【0188】
更に、図22を参照し、ブラケット30は、更に、ケース20をブラケット本体300にロック設置するための第2取付部材330を含んでもよく、また、上記第3ストッパ310が当該第2取付部材330に隣接して設置されてもよい。
【0189】
例として、図22に示す実施例では、第2取付部材330は、ケース20における第1取付部材230(例えば、図12に示す係止部)と互いに提携して、ケース20のブラケット30へのロックとアンロックを実現できる係止機構及び通路を含んでもよい。
【0190】
本願の実施例の技術的解決手段によれば、ケース20をロックするための第2取付部材330を第3ストッパ310に隣接するように設置することで、第3ストッパ310の位置限定作用によって、第2取付部材330によるケース20のロック取付の信頼性を向上させ、更にケース20のブラケット30への取付安定性を向上させることができる。
【0191】
なお、図22に示すように、第4ストッパ320が第3ストッパ310に隣接して設置されていれば、第4ストッパ320も第2取付部材330に隣接して設置されることになり、第2取付部材330によるケース20のロック取付の信頼性及びケース20のブラケット30への取付安定性を更に向上できることが理解できる。
【0192】
当該実施形態では、図23はブラケット30の模式的斜視構成図を示す。図24図23におけるケース20のxy平面に沿った模式的平面図を示す。
【0193】
図23図24に示すように、ブラケット30は複数の上記第3ストッパ310と複数の上記第4ストッパ320を含んでもよく、その中で、これら複数の第3ストッパ310がブラケット本体300における少なくとも1つの第1ビーム301に分散設置可能であり、また、複数の第4ストッパ320が複数の第3ストッパ310に一対一で対応しかつ隣接して設置される。
【0194】
選択可能に、ブラケット30は更に複数の上記第2取付部材330を含み、これら複数の第2取付部材330がブラケット本体300におけるケース20を収容するための空間の四隅領域に分散設置され、更にケース20の四隅領域に対応して設置されるようになってもよく、これによって、ケース20の四隅領域のブラケット30での相対的変位を制限して、ケース20のブラケット30及びその所在する電力消費装置への取付安定性を全面的に向上させる。
【0195】
例として、図24に示す実施例では、ブラケット本体300にはケース20を収容するための空間3100と空間3200の2つの空間を含み、複数の第2取付部材330がそれぞれ当該空間3100と空間3200の四隅領域に分散設置され、且つ互いに平行する2つの第1ビーム301に設置されている。更に、これら複数の第2取付部材330が第3ストッパ310及び第4ストッパ320に隣接して対応的に設置可能であり、このように第3ストッパ310及び第4ストッパ320によって第2取付部材330によるケース20のロック取付の信頼性及びケース20のブラケット30への取付安定性を確保することができる。
【0196】
本願の一実施例は更に電池10を提供し、当該電池10は、電池セル100と、電池セル100を収容するための、上記各実施例に記載のケース20を含んでもよい。
【0197】
本願の一実施例は更に電力消費設備を提供し、当該電力消費設備は上記の各実施例における電池10及び上記の各実施例におけるブラケット30を含んでもよい。その中で、ブラケット30における第3ストッパ310と電池10における第1ストッパ210が提携して、電池10の第1方向xに沿う相対的変位を制限する。当該電池10は当該電力消費設備に電気エネルギを提供するためのものである。選択可能に、電力消費設備は車両1、船舶又は宇宙機であってもよい。
【0198】
以上において本願の実施例の電池10のケース20、電池10及び電力消費設備を説明したが、以下において本願の実施例の電池製造方法と設備を説明し、それについて詳細に説明しない部分は上記各実施例を参照できる。
【0199】
図25は本願の一実施例の電池製造方法400の模式的フローチャートを示す。図25に示すように、当該方法400は、
電池セル100を提供するステップ410と、
上記電池セル100を収容するためのケース本体200と、ケース本体200の第1壁201における電池セル100から離れた一方側に設置される第1ストッパ210であって、当該第1壁201が第1方向xに垂直であり、当該ケース20が電力消費装置に取り付けられた後第1方向xが電力消費装置の走行方向と平行し、当該第1ストッパ210がケース20の第1方向xに沿う相対的変位を制限するためのものである第1ストッパ210とを含むケース20を提供するステップ420と、
電池セル100をケース20に収容するステップ430と、を含んでもよい。
【0200】
図26は本願の一実施例の電池製造装置500の模式的ブロック図を示す。図26に示すように、電池製造装置500は、第1提供モジュール510、第2提供モジュール520及び取付モジュール530を含んでもよい。
【0201】
第1提供モジュール510は、電池セル100を提供するためのものである。
【0202】
第2提供モジュール520は、ケース20を提供するためのものであり、当該ケース20は、上記電池セル100を収容するためのケース本体200と、ケース本体200の第1壁201における電池セル100から離れた一方側に設置される第1ストッパ210であって、当該第1壁201が第1方向xに垂直であり、当該ケース20が電力消費装置に取り付けられた後第1方向xが電力消費装置の走行方向と平行し、当該第1ストッパ210がケース20の第1方向xに沿う相対的変位を制限するためのものである第1ストッパ210と、を含む。
【0203】
取付モジュール530は、電池セル100をケース20に収容するためのものである。
【0204】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲を逸脱しない限り、本願に種々の改良を施し、同等効果のものでその中の部材を代替することができる。特に、構造に矛盾がなければ、各実施例に記載の各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書で開示された特定実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
【符号の説明】
【0205】
添付図面において、添付図面は実際の比例に従って作成されたものではない。
【0206】
1 車両、13 制御器、14 モータ、10 電池、100 電池セル、20 ケース、2100 第1部分、2200 第2部分、200 ケース本体、201 第1壁、2011 収容領域、2012 延在部、202 第2壁、203 第3壁、210 第1ストッパ、211 第1ストップブロック、212 バッファブロック、213 第1固定部材、220 第2ストッパ、230 第1取付部材、30 ブラケット、300 ブラケット本体、301 第1ビーム、302 第2ビーム、310 第3ストッパ、311 第3ストップブロック、312 第2固定部材、320 第4ストッパ、321 凹溝構造、x 第1方向、z 第2方向、y 第3方向、z 反重力方向、z 重力方向
図1
図2
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