(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】出庫方法、出庫装置、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20250127BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20250127BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G1/137 G
(21)【出願番号】P 2024513386
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2022115972
(87)【国際公開番号】W WO2023036022
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】202111063114.7
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523301101
【氏名又は名称】深▲せん▼市庫宝軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN KUBO SOFTWARE CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Rooms 101, 201, 301, 401, Building C, HAI ROBOTICS Industrial Park, Nanchang Community, Xixiang Street, Bao’an District, Shenzhen, Guangdong 518100, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】喩潤方
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-309404(JP,A)
【文献】特開2002-284310(JP,A)
【文献】特開2010-280475(JP,A)
【文献】特開平03-190215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの出庫系列を決定するステップであって、前記出庫系列内に少なくとも1つの出庫グループが含まれ、前記出庫グループ内に少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる、ステップと、
前記出庫系列に対応する目標出庫プランであって、対応する出庫系列内に含まれる少なくとも1つの出庫グループ間の第1の出庫順序、および/または、出庫グループ内に含まれる少なくとも1つの要出庫コンテナ間の第2の出庫順序を指定するための目標出庫プランにしたがって、ロボットに前記少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップと、
前記搬送タスクのタスク実行状態に基づいて、ロボットを制御して、前記少なくとも1つの出庫系列に対応する少なくとも1つの目標出庫プランにしたがって、前記少なくとも1つの出庫系列内の要出庫コンテナを搬送させて、前記少なくとも1つの出庫系列の出庫を完遂させるステップと、を含
み、
前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに前記少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、
前記目標出庫プランに前記第1の出庫順序及び前記第2の出庫順序が指定されている場合、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、
前記目標出庫プランに前記第1の出庫順序が指定され、前記第2の出庫順序が指定されていない場合、前記第1の出庫順序とグループ内デフォルトプランとにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、
前記目標出庫プランに前記第1の出庫順序がされておらず、前記第2の出庫順序が指定されている場合、グループ間デフォルトプランと前記第2の出庫順序とにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、
前記目標出庫プランに前記第1の出庫順序及び前記第2の出庫順序が指定されていない場合、前記グループ間デフォルトプランおよび前記グループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップを含み、
前記グループ内デフォルトプランは、前記要出庫コンテナの搬送距離と、前記要出庫コンテナの重量と、前記要出庫コンテナのサイズとのうち少なくとも2つを含む各前記要出庫コンテナの情報に基づいて決定した、前記出庫グループ内に含まれる各前記要出庫コンテナのスコアの順位に基づいて、少なくとも1つの前記要出庫コンテナ間の出庫順序を決定するために用いられ、
前記グループ間デフォルトプランは、前記要出庫コンテナの数量と、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナが存在する通路の数とを含む各前記出庫グループの情報に基づいて決定した、前記出庫系列内に含まれる各前記出庫グループのスコアの順位に基づいて、少なくとも1つの前記出庫グループ間の出庫順序を決定するために用いられる、
出庫方法。
【請求項2】
少なくとも2つの出庫系列が存在するとき、前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに前記少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、
ロボットに少なくとも2つの前記出庫系列の搬送タスクを並行して割り当てるステップと、各前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに各前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップと、を含む、
請求項1に記載の出庫方法。
【請求項3】
前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、
前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがってロボットに前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、前記出庫系列内のいずれか1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止するステップを含む、
請求項
1に記載の出庫方法。
【請求項4】
グループ間デフォルトプランおよび前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、
ロボットに前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記第1の要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットに第2の出庫グループ内の各要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップを含み、前記第2の出庫グループは前記出庫系列における前記第1の出庫グループ以外の出庫グループである、
請求項
1に記載の出庫方法。
【請求項5】
前記第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、
ロボットに前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの
前記出庫系列内の前記第1の要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ以外の出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットに前記第1の出庫グループ内の前記第1の要出庫コンテナ以外の要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップを含み、前記第1の出庫グループは前記第1の要出庫コンテナが存在する出庫グループである、
請求項
1に記載の出庫方法。
【請求項6】
前記搬送タスクのタスク実行状態に基づいて、ロボットを制御して、前記少なくとも1つの出庫系列に対応する少なくとも1つの目標出庫プランにしたがって、前記少なくとも1つの出庫系列内の要出庫コンテナを搬送させる前記ステップは、
1つの第2の要出庫コンテナに対応する第2の搬送タスクのタスク実行状態が、前記第2の要出庫コンテナを取り出し済みの状態であるとき、少なくとも1つの、第3の要出庫コンテナの搬送タスクである第3の搬送タスクの、タスク実行状態を取得するステップと、
各前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到達済みの状態である場合、継続して前記第2の搬送タスクを実行し、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うステップと、を含み、
前記第3の要出庫コンテナは、前記第1の出庫順序において第2の出庫グループの前に位置する第3の出庫グループ内に含まれる要出庫コンテナ、および/または、前記第2の出庫グループに対応する前記第2の出庫順序において前記第2の要出庫コンテナの前に位置する要出庫コンテナを含み、
前記第2の出庫グループは前記第2の要出庫コンテナが存在する出庫グループである、
請求項1に記載の出庫方法。
【請求項7】
少なくとも1つの前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、前記操作台に到着済みの状態よりも前のいずれかの実行状態である場合、前記第2の要出庫コンテナを搬送するロボットを制御して待機させるステップと、
前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到着済みの状態に更新されたとき、継続して前記第2の搬送タスクを実行して、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うステップと、をさらに含む、
請求項
6に記載の出庫方法。
【請求項8】
少なくとも1つの出庫系列を決定するための出庫系列決定モジュールであって、前記出庫系列内に少なくとも1つの出庫グループが含まれ、前記出庫グループ内に少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる、出庫系列決定モジュールと、
前記出庫系列に対応する目標出庫プランであって、対応する出庫系列内に含まれる少なくとも1つの出庫グループ間の第1の出庫順序、および/または、出庫グループ内に含まれる少なくとも1つの要出庫コンテナ間の第2の出庫順序を指定するための目標出庫プランにしたがって、ロボットに前記少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるためのタスク割り当てモジュールと、
前記搬送タスクのタスク実行状態に基づいて、ロボットを制御して、前記少なくとも1つの出庫系列に対応する少なくとも1つの目標出庫プランにしたがって、前記少なくとも1つの出庫系列内の要出庫コンテナを搬送させて、前記少なくとも1つの出庫系列の出庫を完遂させるためのコンテナ出庫モジュールと、を含
み、
前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに前記少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当ては、
前記目標出庫プランに前記第1の出庫順序及び前記第2の出庫順序が指定されている場合、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、
前記目標出庫プランに前記第1の出庫順序が指定されている場合、前記第1の出庫順序とグループ内デフォルトプランとにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、
前記目標出庫プランに前記第2の出庫順序が指定されている場合、グループ間デフォルトプランと前記第2の出庫順序とにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、
前記目標出庫プランに前記第1の出庫順序及び前記第2の出庫順序が指定されていない場合、前記グループ間デフォルトプランおよび前記グループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップを含み、
前記グループ内デフォルトプランは、前記要出庫コンテナの搬送距離と、前記要出庫コンテナの重量と、前記要出庫コンテナのサイズとのうち少なくとも2つを含む各前記要出庫コンテナの情報に基づいて決定した、前記出庫グループ内に含まれる各前記要出庫コンテナのスコアの順位に基づいて、少なくとも1つの前記要出庫コンテナ間の出庫順序を決定するために用いられ、
前記グループ間デフォルトプランは、前記要出庫コンテナの数量と、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナが存在する通路の数とを含む各前記出庫グループの情報に基づいて決定した、前記出庫系列内に含まれる各前記出庫グループのスコアの順位に基づいて、少なくとも1つの前記出庫グループ間の出庫順序を決定するために用いられる、
出庫装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含む電子機器であって、
前記メモリにはコンピュータ実行指令が記憶され、
前記少なくとも1つのプロセッサが前記メモリに記憶されたコンピュータ実行指令を実行すると、前記電子機器により請求項1~
7のいずれか一項に記載の出庫方法が実現される、
電子機器。
【請求項10】
コンピュータ実行指令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサにより前記コンピュータ実行指令が実行されたとき、コンピュータ機器に請求項1~
7のいずれか一項に記載の出庫方法を実現させる、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の出庫方法を実現するために用いられる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年09月10日に中国専利局に出願された、出願番号202111063114.7、出願の名称「出庫方法および機器」の中国専利出願の優先権を主張し、そのすべての内容を援用により本願に組み入れる。
【0002】
本願実施例は荷物搬送機器の技術分野に関し、特に出庫方法、出庫装置、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
スマート倉庫は物流プロセスの重要部分である。ロボットは人間に代わってコンテナを搬送でき、スマート倉庫において重要な役割を演じている。ロボットはコンテナに対して、ラックからコンテナを取り出すことと、コンテナをラックに収納することを含む、荷物出し入れプロセスを実行する。ここで、コンテナをラックから取り出すことを出庫と称し、コンテナをラックに収納することを入庫と称する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サービスシナリオが徐々に複雑化するのに伴い、いかにして複雑なサービスシナリオの出庫要求を満たすかが早急に解決すべき課題となっている。
【0005】
本願実施例は、複雑なサービスシナリオの出庫要求を満たす、出庫方法および機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様として、本願実施例で提供する出庫方法は、少なくとも1つの出庫系列を決定するステップであって、各前記出庫系列内に少なくとも1つの出庫グループが含まれ、各前記出庫グループ内に少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる、ステップと、前記少なくとも1つの出庫系列にしたがって、ロボットに前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップと、前記搬送タスクのタスク実行状態および前記少なくとも1つの出庫系列に基づいて、前記少なくとも1つの要出庫コンテナの出庫を行うステップと、を含む。
【0007】
任意選択として、少なくとも2つの出庫系列が存在するとき、前記少なくとも1つの出庫系列にしたがって、ロボットに前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、ロボットに少なくとも2つの前記出庫系列の搬送タスクを並行して割り当てるステップと、各前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに各前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップとを含み、前記目標出庫プランは、前記出庫系列内に含まれる少なくとも1つの前記出庫グループ間の第1の出庫順序、および/または、各前記出庫グループ内に含まれる少なくとも1つの要出庫コンテナ間の第2の出庫順序を指定するために用いられる。
【0008】
任意選択として、各前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに各前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、前記第1の出庫順序と、前記出庫グループ内に含まれる各前記要出庫コンテナの情報に基づいて少なくとも1つの前記要出庫コンテナ間の出庫順序を決定するためのグループ内デフォルトプランとにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、前記出庫系列内に含まれる各前記出庫グループの情報に基づいて少なくとも1つの前記出庫グループ間の出庫順序を決定するためのグループ間デフォルトプランと、前記第2の出庫順序とにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップ、または、前記グループ間デフォルトプランおよび前記グループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップを含む。
【0009】
任意選択として、前記出庫グループの情報は、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナの数量と、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナが存在する通路の数とのうち、少なくとも1つを含む。
【0010】
任意選択として、前記要出庫コンテナの情報は、前記要出庫コンテナの搬送距離と、前記要出庫コンテナの重量と、前記要出庫コンテナのサイズとのうち、少なくとも1つを含む。
【0011】
任意選択として、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがってロボットに前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、前記出庫系列内のいずれか1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止するステップを含む。
【0012】
任意選択として、グループ間デフォルトプランおよび前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、ロボットに前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記第1の要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットに第2の出庫グループ内の各要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップを含み、前記第2の出庫グループは前記出庫系列における前記第1の出庫グループ以外の出庫グループである。
【0013】
任意選択として、前記第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる前記ステップは、ロボットに前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記第1の出庫グループ以外の出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを中止し、ロボットに前記第1の出庫グループ内の前記第1の要出庫コンテナ以外の要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップを含み、前記第1の出庫グループは前記第1の要出庫コンテナが存在する出庫グループである。
【0014】
任意選択として、前記搬送タスクのタスク実行状態および前記少なくとも1つの出庫系列に基づいて、前記少なくとも1つの要出庫コンテナの出庫を行う前記ステップは、1つの第2の要出庫コンテナに対応する第2の搬送タスクのタスク実行状態が、前記第2の要出庫コンテナを取り出し済みの状態であるとき、少なくとも1つの、第3の要出庫コンテナの搬送タスクである第3の搬送タスクの、タスク実行状態を取得するステップと、各前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到達済みの状態である場合、継続して前記第2の搬送タスクを実行し、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって、前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うステップと、を含み、前記第3の要出庫コンテナは、前記第1の出庫順序において第2の出庫グループの前に位置する第3の出庫グループ内に含まれる要出庫コンテナ、および/または、前記第2の出庫グループに対応する前記第2の出庫順序において前記第2の要出庫コンテナの前に位置する要出庫コンテナを含み、前記第2の出庫グループは前記第2の要出庫コンテナが存在する出庫グループである。
【0015】
任意選択として、前記方法はさらに、少なくとも1つの前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、前記操作台に到着済みの状態よりも前のいずれかの実行状態である場合、前記第2の要出庫コンテナを搬送するロボットを制御して待機させるステップと、前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到着済みの状態に更新されたとき、継続して前記第2の搬送タスクを実行して、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うステップと、を含む。
【0016】
第2の態様として、本願実施例で提供する出庫装置は、少なくとも1つの出庫系列を決定するための出庫系列決定モジュールであって、各前記出庫系列内に少なくとも1つの出庫グループが含まれ、各前記出庫グループ内に少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる、出庫系列決定モジュールと、前記少なくとも1つの出庫系列にしたがって、ロボットに前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるためのタスク割り当てモジュールと、前記搬送タスクのタスク実行状態および前記少なくとも1つの出庫系列に基づいて、前記少なくとも1つの要出庫コンテナの出庫を行うためのコンテナ出庫モジュールと、を含む。
【0017】
任意選択として、少なくとも2つの出庫系列が存在するとき、前記タスク割り当てモジュールはさらに、ロボットに少なくとも2つの前記出庫系列の搬送タスクを並行して割り当てるとともに、各前記出庫系列に対応する目標出荷プランにしたがって、ロボットに各前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられ、前記目標出荷プランは、前記出庫系列内に含まれる少なくとも1つの前記出庫グループ間の第1の出庫順序、および/または、各前記出庫グループ内に含まれる少なくとも1つの要出庫コンテナ間の第2の出庫順序を指定するために用いられる。
【0018】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュールはさらに、各前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに各前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるか、または、前記第1の出庫順序と、前記出庫グループ内に含まれる各前記要出庫コンテナの情報に基づいて少なくとも1つの前記要出庫コンテナ間の出庫順序を決定するための、グループ内デフォルトプランとにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるか、または、前記出庫系列内に含まれる各前記出庫グループの情報に基づいて少なくとも1つの前記出庫グループ間の出庫順序を決定するためのグループ間デフォルトプランと、前記第2の出庫順序とに従って、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるか、または、前記グループ間デフォルトプランおよび前記グループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられる。
【0019】
任意選択として、前記出庫グループの情報は、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナの数量と、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナが存在する通路の数とのうち、少なくとも1つを含む。
【0020】
任意選択として、前記要出庫コンテナの情報は、前記要出庫コンテナの搬送距離と、前記要出庫コンテナの重量と、前記要出庫コンテナのサイズとのうち、少なくとも1つを含む。
【0021】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュールはさらに、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記出庫系列内のいずれか1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止するために用いられる。
【0022】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュールはさらに、グループ間デフォルトプランおよび前記第2の出庫順序にしたがってロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記第1の要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットに、第2の出庫グループ内の各要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられ、前記第2の出庫グループは前記出庫系列における前記第1の出庫グループ以外の出庫グループである。
【0023】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュールはさらに、前記第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記第1の出庫グループ以外の出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを中止し、ロボットに前記第1の出庫グループ内の前記第1の要出庫コンテナ以外の要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられ、前記第1の出庫グループは前記第1の要出庫コンテナが存在する出庫グループである。
【0024】
任意選択として、前記コンテナ出庫モジュールはさらに、1つの第2の要出庫コンテナに対応する第2の搬送タスクのタスク実行状態が、前記第2の要出庫コンテナを取り出し済みの状態であるとき、少なくとも1つの、第3の要出庫コンテナの搬送タスクである第3の搬送タスクの、タスク実行状態を取得し、各前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到達済みの状態である場合、継続して前記第2の搬送タスクを実行し、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって、前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うために用いられ、前記第3の要出庫コンテナは、前記第1の出庫順序において第2の出庫グループの前に位置する第3の出庫グループ内に含まれる要出庫コンテナ、および/または、前記第2の出庫グループに対応する前記第2の出庫順序において前記第2の要出庫コンテナの前に位置する要出庫コンテナを含み、前記第2の出庫グループは前記第2の要出庫コンテナが存在する出庫グループである。
【0025】
任意選択として、前記コンテナ出庫モジュールはさらに、少なくとも1つの前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、前記操作台に到着済みの状態よりも前のいずれかの実行状態である場合、前記第2の要出庫コンテナを搬送するロボットを制御して待機させ、前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到着済みの状態に更新されたとき、継続して前記第2の搬送タスクを実行して、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって、前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うために用いられる。
【0026】
第3の態様として、本願実施例で提供する電子機器は、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含み、前記メモリにはコンピュータ実行指令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが前記メモリに記憶されたコンピュータ実行指令を実行すると、前記電子機器により前記第1の態様の方法が実現される。
【0027】
第4の態様として、本願実施例で提供するコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実行指令が記憶され、プロセッサにより前記コンピュータ実行指令が実行されたとき、コンピュータ機器に前記第1の態様の方法を実現させる。
【0028】
第5の態様として本願実施例で提供するコンピュータプログラムは、前記第1の態様の方法を実現するために用いられる。
【発明の効果】
【0029】
本願実施例で提供する出庫方法および機器は、少なくとも1つの出庫系列を決定し、各出庫系列内に少なくとも1つの出庫グループが含まれ、各出庫グループ内に少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれるステップと、少なくとも1つの出庫系列にしたがって、ロボットに要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップと、搬送タスクのタスク実行状態および少なくとも1つの出庫系列に基づいて、少なくとも1つの要出庫コンテナの出庫を行うステップと、を含む。本願実施例は、複雑なサービスシナリオの出庫要求を出庫系列と出庫グループに区分することができ、各出庫系列には少なくとも1つの出庫グループが含まれ、各出庫グループには少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる。これにより、出庫系列および出庫グループにより要出庫コンテナの出庫を行うことができ、複雑なサービスシナリオの出庫要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本願の実施例または従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明に使用する図面を簡単に紹介する。自明のことではあるが、下記の図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば創意工夫を要さずしてこれらの図面に基づいて他の図面が得られるであろう。
【0031】
【
図1】
図1は本願実施例が適用される倉庫の俯瞰図である。
【
図2】
図2は本願実施例が適用されるラックの側面図である。
【
図3】
図3は本願で提供するロボットの構造模式図である。
【
図4】
図4は本願実施例で提供する出庫方法の具体的ステップのフローチャートである。
【
図5】
図5は本願実施例で提供する出庫装置の構造ブロック図である。
【
図6】
図6は本願実施例で提供する電子機器の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本願の実施例の目的、技術手段および利点をより明確にするため、以下、本願の実施例における図面と組み合わせて本願の実施例の技術スキームを明確且つ全面的に説明する。もちろん、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、すべてではない。本願の実施例に基づいて当業者が創意工夫を要さずに得た他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0033】
本願実施例はスマート倉庫の技術分野に用いられる。スマート倉庫の技術分野において、物品は倉庫内のラック上に保管される。当該物品は、単独の荷物でも荷物を入れたコンテナでもよい。
図1は本願実施例が適用される倉庫の俯瞰図である。
図1に示すように、倉庫101には6つのラック102が設置されており、2つのラック102が横一列に並べられ、倉庫101内には合計でこのような3列のラック102が設置されている。
ラック102上に物品103を置くことができる。
【0034】
当然のことながら、ラック102には複数の収納段が設置され、各収納段には複数のロケーションが設けられ、各ロケーションに物品103を置くことができる。このようにすることで、複数の収納段や複数のロケーションによって、ラック102の物品103に対する保管容量を高めることができる。
図1からは、各物品103が1つのロケーションを占めていることがわかる。
図2は本願実施例が適用されるラックの側面図である。
図2に示すように、ラック102は3段の収納段105を含み、各収納段105が5つのロケーションを含み、各ロケーションに1つの物品103を置くことができる。
【0035】
物品の搬送効率を高めるために、通常、ロボットによって物品の搬送を行う。ロボットは、ラック内の収納段から物品をロボットの収納段へ取り出すことも、物品をロボットの収納段からラックの収納段へ収納することもできる。
【0036】
上記
図1のラック102間には、それぞれ通路と称する一定の空きエリアが必要であり、ロボットは当該通路を通ってラックに接近できる。
図1を見ると、4つの通路104が存在することがわかる。ロボットがラック102へ物品を収納する必要がある場合、ロボットは対応する通路104内へ移動して、ロボットの収納段上の物品をラック102へ収納する。ロボットがラック102から物品を取り出す必要がある場合、ロボットはやはり対応する通路104内へ移動して、ラック102の収納段から物品を取り出してロボットの収納段へ収納する。
【0037】
図3は本願実施例で提供するロボットの構造模式図である。
図3に示すように、当該ロボットは支持ユニット210と、移動シャーシ220と、荷物出し入れ装置230と、保管ラック240とを含み、支持ユニット210は移動シャーシ220に取り付けられ、保管ラック240と荷物出し入れ装置230は支持ユニット210に取り付けられている。また、荷物出し入れ装置230は前記支持ユニット210に沿って垂直方向に移動可能である。当該保管ラック240には、1つまたは複数の要搬送物品を置くためにいくつかの収納段を設置することができる。支持ユニット210には昇降ユニットが設置されており、昇降ユニットは、荷物出し入れ装置230を駆動して昇降移動させ、荷物出し入れ装置230を、保管ラック240上のいずれか1つの保管セルと位置合わせさせるか、倉庫のラックおよび/または物品と位置合わせさせるために用いられる。荷物出し入れ装置230は、垂直方向を軸に回転して向きを調整することで、保管セルと位置合わせするか、ラックおよび/または物品と位置合わせすることができる。荷物出し入れ装置230は物品の積み込みまたは荷下ろしを実行するために用いられ、ラックと保管セルとの間で物品の搬送を行う。
【0038】
上記物品は、通常はコンテナ内に保管されているため、ロボットが物品を搬送することは、即ちコンテナを搬送することである。コンテナの出庫を行う場合、ロボットは倉庫のラックからコンテナを操作台まで搬送し、操作台上でコンテナに対する出庫を行う。
【0039】
従来技術においては、出庫の際、複数のコンテナを連続して出庫することができる。具体的には、複数のコンテナを順番にロボットに割り当て、ロボットにこれらのコンテナを順次出庫させる。しかしながら、上記出庫方法は単純であるため、複雑なサービスシナリオの出庫要求を満たすことはできない。
【0040】
上記課題を解決するために、本願実施例は複雑なサービスシナリオの出庫要求を、出庫系列と出庫グループに区分する。各出庫系列には少なくとも1つの出庫グループが含まれ、各出庫グループには少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる。これにより、出庫系列および出庫グループにより要出庫コンテナの出庫を行うことができ、複雑なサービスシナリオの出庫要求を満たすことができる。
【0041】
上記複雑なサービスシナリオとは、物品を少なくとも2つの次元で区分するシナリオでありうる。例えば、物品が衣服の場合、衣服は色およびサイズという2つの次元で区分することができる。そして1つのサイズが1つの出庫グループに対応する。区分後のグループには、色ごとに並べた当該サイズの衣服が含まれる。さらに、複数のサイズに対応する出庫グループが、1つの出庫系列を形成する。例えば、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズの順序で、1つの出庫系列が得られる。このようにすることで、ユーザが当該出庫系列にしたがって、そのまま衣服を保管することが便利になり、あらためて色とサイズにしたがって整理してから保管する必要がなく、ユーザの操作の煩雑度を下げることができる。当該ユーザとは、通常、衣類販売業者でありうる。
【0042】
以下、具体的実施例により本願の技術スキームおよび本願の技術スキームが如何にして上記の技術的課題を解決するのかを詳細に説明する。以下の複数の具体的実施例は互いに組み合わせることができる。同一または類似する概念またはプロセスについては、いくつかの実施例では繰り返して説明しない場合がある。以下、図面と組み合わせて本願実施例を詳細に説明する。
【0043】
図4は本願実施例で提供する出庫方法の具体的ステップのフローチャートである。
図4に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0044】
S201:少なくとも1つの出庫系列を決定する。各出庫系列内には少なくとも1つの出庫グループが含まれ、各出庫グループ内には少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる。
【0045】
出庫系列および出庫グループは、出庫要求に基づいて決定することができる。
【0046】
S202:少なくとも1つの出庫系列にしたがって、ロボットに要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。
【0047】
具体的には、1つの出庫グループについて、まず1番目の要出庫コンテナL1の搬送タスクをロボットAに割り当てる。そして、当該ロボットの搬送可能コンテナ量に応じて、当該出庫グループにおけるL1より後のいくつかの要出庫コンテナの搬送タスクを、当該ロボットAに割り当てる。
【0048】
当然のことながら、このロボットAに割り当てられたコンテナ数量が搬送可能コンテナ量に達した場合は、当該グループの次の要出庫コンテナL2の搬送タスクをロボットBに割り当てるとともに、当該出庫グループ内のL2より後のいくつかの要出庫コンテナの搬送タスクを、当該ロボットBに割り当てる。当該出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てが完了するまで、このように割り当てる。
【0049】
搬送タスクとは、要出庫コンテナを倉庫のラックから操作台まで搬送するタスクを指す。操作台は要出庫コンテナを出庫するために用いられる。1つの要出庫コンテナが1つの搬送タスクに対応し、1つの搬送タスクは1つのロボットにより実行され、1つのロボットが1つまたは複数の搬送タスクを実行できる。
【0050】
少なくとも2つの出庫系列が存在する場合、上記異なる出庫系列間で、搬送タスクを連続して割り当ててもよいし、並行して割り当ててもよいが、並行して割り当てると搬送タスクの割り当てで消費する時間を減らし、ひいては出庫時間を縮小することができる。
【0051】
例えば、2つの出庫系列Q1およびQ2において、Q1は2つの出庫グループG1、G2を含み、Q2は3つの出庫グループG3、G4、G5を含む。G1は2つの要出庫コンテナB1、B2を含み、G2は3つの要出庫コンテナB3、B4、B5を含み、G3は1つの要出庫コンテナB6を含み、G4は2つの要出庫コンテナB7、B8を含み、G5は4つの要出庫コンテナB9~B12を含む。
【0052】
上記B1~B12の要出庫コンテナは、B1~B5が出庫系列Q1内のコンテナで、B6~B12が出庫系列Q2内のコンテナなので、B1~B5と、B6~B12は、並行して搬送タスクを割り当てることができる。つまり、B1~B5に搬送タスクを割り当てると同時に、B6~B12に搬送タスクを割り当てることができる。
【0053】
また、上記の各出庫系列は、1つの目標出庫プランに対応していてもよい。当該目標出庫プランは、出庫系列内の各要出庫コンテナ間の出庫順序を、任意の順序に指定するものである。当該目標出庫プランはさらに、出庫系列内の各出庫グループ間の出庫順序および/または各出庫グループ内の各要出庫コンテナ間の出庫順序を指定するものであってもよい。
【0054】
上記の出庫順序を保証するために、1つの出庫系列内の各要出庫コンテナの搬送タスクも、出庫順序にしたがって逐一割り当てて、先に出庫する要出庫コンテナに優先的に搬送タスクを割り当てる。つまり、各出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに各出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。
【0055】
説明の便宜上、目標出庫プランが指定する出庫グループ間の出庫順序を、第1の出庫順序と称し、目標出庫プランが指定する出庫グループ内の各要出庫コンテナ間の出庫順序を、第2の出庫順序と称する。
【0056】
次に、目標出庫プランに基づいて搬送タスクの割り当てを行うプロセスを詳細に説明する。
【0057】
目標出庫プランに第1の出庫順序および第2の出庫順序が指定されている場合、第1の出庫順序および前記第2の出庫順序に基づいて、ロボットに出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。
【0058】
第1の出庫順序および第2の出庫順序にしたがって、上記出庫系列に搬送タスクの割り当てを行う場合、まず、第1の出庫順序にしたがって出庫系列内での各出庫グループの順序を決定する。次に、各出庫グループについて、当該出庫グループの第2の出庫順序にしたがって、当該出庫グループ内の各要出庫コンテナの順序を決定する。次に、各出庫グループの順序と、各出庫グループ内の各要出庫コンテナの順序に基づいて、出庫系列内での少なくとも1つの要出庫コンテナの順序を決定する。最後に、出庫系列内での少なくとも1つの要出庫コンテナの順序に基づいて、搬送タスクをロボットに順次割り当てる。
【0059】
通常の場合は、第1の出庫順序および第2の出庫順序にしたがって、出庫系列内の各要出庫コンテナに搬送タスクを割り当てることに成功する。しかし、各種要因の影響により、搬送タスクの割り当てに失敗する場合がある。例えば、1つの要出庫コンテナが存在する通路が、現在搬送タスク実行中のロボットで埋まっているため、当該要出庫コンテナに搬送タスクを割り当てることができず、当該搬送タスクの割り当てに失敗する。また、例えばすべてのロボットが割り当て済みで出払っているか、あるいは故障により、割り当て可能なロボットが無く、当該搬送タスクの割り当てに失敗する。
【0060】
目標出庫プランに第1の出庫順序および第2の出庫順序が指定されている場合、即ち出庫要求に出庫グループ間の出庫順序と、出庫グループ内の各要出庫コンテナ間の出庫順序とが指定されているため、第1の出庫順序および第2の出庫順序にしたがってロボットに出庫系列内の各要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、出庫系列内のいずれか1つの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合は、ロボットへの当該出庫系列内の各要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止する。このようにすることで、割り当てに失敗した場合に、残りの要出庫コンテナの搬送タスクを継続して割り当てないようにして、実際の出庫順序と目標出庫プランに指定された出庫順序との不一致を避けることができる。
【0061】
割り当てを停止する各要出庫コンテナは、割り当てに失敗した要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ内の各要出庫コンテナと、まだ割り当てを行っていない出庫グループ内の要出庫コンテナとを含む。例えば、出庫系列Q1において、第1の出庫順序がG1、G2であり、G1の第2の出庫順序がB1、B2であり、G2の第2の出庫順序がB3、B4、B5であり、B2に対する搬送タスクの割り当てに失敗した場合は、ロボットにB3、B4、B5の搬送タスクを割り当てることを停止する。
【0062】
目標出庫プランに第1の出庫順序が指定されているが、第2の出庫順序が指定されていない場合は、当該出庫系列内の出庫グループに対しては、第1の出庫順序にしたがって搬送タスクを割り当て、各出庫グループ内の要出庫コンテナに対しては、任意の順序で搬送タスクを割り当ててよい。出庫グループ内の要出庫コンテナが漏れることを防ぐため、出庫グループ内の各要出庫コンテナに対して、デフォルトの配列順を決定してもよい。すなわち、第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。グループ内デフォルトプランは、出庫グループ内に含まれる各要出庫コンテナの情報に基づいて、少なくとも1つの要出庫コンテナ間の出庫順序を決定するために用いられる。
【0063】
上記要出庫コンテナの情報は、要出庫コンテナの搬送距離と、要出庫コンテナの重量と、要出庫コンテナのサイズとのうち少なくとも1つを含む。
【0064】
上記搬送距離とは、要出庫コンテナのラック上の位置と操作台との間の距離を指す。つまり、ロボットは要出庫コンテナをラック上から操作台まで搬送する必要があり、その後出庫を行うことができる。
【0065】
本開示の実施例においては、優先的に搬送距離が短い要出庫コンテナに搬送タスクを割り当ててもよいし、搬送距離が長い要出庫コンテナに搬送タスクを割り当ててもよい。
【0066】
上記要出庫コンテナの重量については、優先的に重量が小さい要出庫コンテナに搬送タスクを割り当ててもよいし、重量が大きい要出庫コンテナに搬送タスクを割り当ててもよい。
【0067】
上記要出庫コンテナのサイズについては、優先的にサイズが小さい要出庫コンテナに搬送タスクを割り当ててもよいし、サイズが大きい要出庫コンテナに搬送タスクを割り当ててもよい。
【0068】
当然のことながら、上記搬送距離、重量、サイズのうち少なくとも2つの要素を組み合わせて、各出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当て順序を決定してもよい。具体的には、搬送距離、重量、サイズのうち少なくとも2つの要素に基づいて、各要出庫コンテナのスコアを決定し、当該スコアの順位に基づいて搬送タスクの割り当て順序を得てもよい。例えば、次の式で当該スコアを得ることができる。
【0069】
【0070】
ただし、SCR2は上記各要出庫コンテナのスコアであり、D、H、Sはそれぞれ搬送距離、重量、サイズであり、p21、p22、p23はそれぞれ搬送距離、重量、サイズの重み係数である。
【0071】
実際の運用においては、上記の式における重み係数を調整して、当該対応する要素と割り当て順序との関係を調整してもよい。例えば、p21、p22、p23を正の数に設定するとともに、SCR2の昇順にしたがって要出庫コンテナに搬送タスクを割り当てる。これにより、搬送距離、重量、サイズがいずれも小さい要出庫コンテナに、優先的に搬送タスクを割り当てることが実現できる。
【0072】
第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがって上記出庫系列に搬送タスクの割り当てを行う場合は、まず、第1の出庫順序にしたがって出庫系列内の各出庫グループの順序を決定する。次に、各出庫グループについて、グループ内デフォルトプランにしたがって、当該出庫グループ内の各要出庫コンテナの順序を決定する。次に、各出庫グループの順序と、各出庫グループ内の各要出庫コンテナの順序とに基づいて、出庫系列内での少なくとも1つの要出庫コンテナの順序を決定する。最後に、出庫系列内での少なくとも1つの要出庫コンテナの順序に基づいて、搬送タスクをロボットに順次割り当てる。
【0073】
通常の場合は、第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがって、出庫系列内の各要出庫コンテナに搬送タスクを割り当てることに成功する。しかし、各種要因の影響により、搬送タスクの割り当てに失敗する場合がある。
【0074】
目標出庫プランに第1の出庫順序が指定されているが、第2の出庫順序が指定されていない場合、即ち出庫要求に出庫グループ内の各要出庫コンテナ間の出庫順序が指定されておらず、第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがってロボットに出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合は、次の2つのプランで出庫を行うことができる。
【0075】
第1のプランとして、ロボットへの出庫系列内のすべての要出庫コンテナの割り当てを停止する。例えば、1つの出庫グループ内の要出庫コンテナを一括して出庫することが要求されている場合、このプランを用いる。
【0076】
第2のプランとして、ロボットに第1の出庫グループ以外の出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てることを停止し、ロボットに第1の出庫グループ内の、第1の要出庫コンテナ以外の要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。第1の出庫グループとは、第1の要出庫コンテナが存在する出庫グループである。例えば、1つの出庫グループ内の要出庫コンテナを一括して出庫することが要求されていない場合、このプランを用いる。
【0077】
ロボットへの第1の出庫グループ以外の出庫グループ内の要出庫コンテナの割り当てを停止することにより、出庫グループ間の実際の出庫順序と目標出庫プランに指定された出庫順序との不一致を避けることができ、ロボットに第1の出庫グループ内の、第1の要出庫コンテナ以外の要出庫コンテナを割り当てることで、搬送タスクの割り当て成功率を高めることができる。
【0078】
例えば、出庫系列Q1において、第1の出庫順序がG1、G2であり、グループ内デフォルトプランに基づいてG1の第2の出庫順序がB2、B1に決定され、グループ内デフォルトプランに基づいてG2の第2の出庫順序がB4、B3、B5に決定され、B2への搬送タスクの割り当てに失敗した場合は、ロボットへのG2におけるB4、B3、B5の搬送タスクを割り当てを停止し、継続してG1におけるB1の搬送タスクを割り当てる。
【0079】
目標出庫プランに第2の出庫順序が指定され、第1の出庫順序が指定されていない場合、2つのプランで搬送タスクを割り当てることができる。
【0080】
第1のプランでは、当該出庫系列内の出庫グループに対しては、任意の順序で搬送タスクを割り当て、各出庫グループ内の要出庫コンテナに対しては、第2の出庫順序を用いて搬送タスクを割り当てることができる。出庫グループが漏れることを防ぐため、出庫グループに対して、デフォルトの配列順を決定してもよい。すなわち、グループ間デフォルトプランおよび第2の出庫順序にしたがって、ロボットに出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。グループ間デフォルトプランは、出庫系列内に含まれる各出庫グループの情報に基づいて、少なくとも1つの出庫グループ間の出庫順序を決定するために用いられる。
【0081】
出庫グループの情報は、出庫グループに含まれる要出庫コンテナの数量と、出庫グループに含まれる要出庫コンテナが存在する通路の数とのうち少なくとも1つを含む。
【0082】
上記要出庫コンテナの数量については、優先的に数量が小さい出庫グループに搬送タスクを割り当ててもよいし、数量が大きい出庫グループに搬送タスクを割り当ててもよい。
【0083】
上記要出庫コンテナが存在する通路の数については、優先的に通路の数が小さい出庫グループに搬送タスクを割り当ててもよいし、通路の数が大きい出庫グループに搬送タスクを割り当ててもよい。
【0084】
当然のことながら、要出庫コンテナの数量と通路の数を組み合わせて出庫グループの搬送タスクの割り当て順序を決定してもよい。具体的には、要出庫コンテナの数量と通路の数に基づいて各出庫グループのスコアを決定し、当該スコアの順位に基づいて搬送タスクの割り当て順序を得てもよい。例えば、次の式で当該スコアを得ることができる。
【0085】
【0086】
ただし、SCR1は上記各出庫グループのスコアであり、NUM1、NUM2はそれぞれ要出庫コンテナの数量と通路の数であり、p11、p12はそれぞれ要出庫コンテナの数量および通路の数の重み係数である。
【0087】
実際の運用においては、上記の式における重み係数を調整して、当該対応する要素と割り当て順序との関係を調整してもよい。例えば、p11、p12を正の数に設定するとともに、SCR1の昇順にしたがって出庫グループに搬送タスクを割り当てる。これにより、要出庫コンテナの数量と通路の数がいずれも小さい出庫グループに、優先的に搬送タスクを割り当てることが実現できる。
【0088】
第2の出庫順序およびグループ間デフォルトプランにしたがって、上記出庫系列に搬送タスクの割り当てを行う場合、まず、グループ間デフォルトプランにしたがって、出庫系列内での各出庫グループの順序を決定する。次に、各出庫グループについて、当該出庫グループの第2の出庫順序にしたがって、当該出庫グループ内の各要出庫コンテナの順序を決定する。次に、各出庫グループの順序と、各出庫グループ内の各要出庫コンテナの順序とにしたがって、出庫系列内での少なくとも1つの要出庫コンテナの順序を決定する。最後に、出庫系列内での少なくとも1つの要出庫コンテナの順序に基づいて、搬送タスクを順次割り当てる。
【0089】
通常の場合は、第2の出庫順序およびグループ間デフォルトプランにしたがって、出庫系列内の各要出庫コンテナに搬送タスクを割り当てることに成功する。しかし、各種要因の影響により、搬送タスクの割り当てに失敗する場合がある。
【0090】
第2のプランでは、第2の出庫順序を保証することを前提として、複数の出庫グループの要出庫コンテナの差し込み割り当てを行う。例えば、出庫系列Q1が2つの出庫グループG1、G2を含み、G1が2つの要出庫コンテナB1、B2を含み、G2が3つの要出庫コンテナB3、B4、B5を含む場合、B1、B3、B4、B2、B5の順序にしたがって搬送タスクを割り当てることができる。
【0091】
上記差し込み割り当てとは、一方の出庫グループG1内の要出庫コンテナを、他方の要出庫グループの当該要出庫コンテナに関連付けられた要出庫コンテナの前または後に差し込んで、搬送タスクの割り当てを行うことである。関連付けられた2つの要出庫コンテナは、ラック上の保管位置が近い2つの要出庫コンテナと、同じタイプの2つの要出庫コンテナとのうち少なくとも一方を含む。
【0092】
目標出庫プランに第2の出庫順序が指定されているが第1の出荷順序が指定されていない場合、即ち出庫要求に出庫グループ間の出庫順序が指定されておらず、グループ間デフォルトプランおよび第2の出庫順序にしたがってロボットに出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合は、ロボットへの第1の要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止する。そしてロボットに、第2の出庫グループ内の各要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。第2の出庫グループとは出庫系列における前記第1の出庫グループ以外の出庫グループである。
【0093】
ロボットへの第1の要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止することにより、出庫グループ内の各要出庫コンテナ間の実際の出庫順序と目標出庫プランの指定の順序との不一致を避けることができる。そしてロボットに第2の出庫グループ内の各要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てることで、搬送タスクの割り当て成功率を高めることができる。
【0094】
例えば、出庫系列Q1において、グループ間デフォルトプランに基づいて決定した出庫順序がG2、G1であり、G1の第2の出庫順序がB1、B2であり、G2の第2の出庫順序がB3、B4、B5であり、B1への搬送タスクの割り当てに失敗した場合は、ロボットへのG1内のB2の搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットにG2内のB3、B4、B5の搬送タスクを割り当てる。
【0095】
目標出庫プランに第1の出庫順序および第2の出庫順序が指定されていない場合、2つのプランで搬送タスクを割り当てることができる。
【0096】
第1のプランでは、出庫系列内のすべての要出庫コンテナについて、2つの要出庫コンテナ間の距離と、各要出庫コンテナの優先度と、各要出庫コンテナが存在する通路とに基づいて、出庫系列内のすべての要出庫コンテナの搬送タスクの割り当て順序を決定して、搬送タスクを割り当てることができる。例えば、距離が近い要出庫コンテナに、連続して搬送タスクを割り当てる。または、優先度の順序にしたがって要出庫コンテナに順次搬送タスクを割り当てる。または、同一通路にあるラック上の要出庫コンテナに、連続して搬送タスクを割り当てる。
【0097】
第2のプランでは、出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナに対して、任意の順序で搬送タスクを割り当てる。本開示の実施例においては、搬送タスクを割り当てるときに要出庫コンテナが漏れることを防ぐため、上記グループ間デフォルトプランおよび上記グループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てることができる。
【0098】
つまり、上記グループ間デフォルトプランおよびグループ内デフォルトプランにより少なくとも1つの要出庫コンテナのデフォルトの出庫順序を決定して、当該デフォルトの出庫順序に基づいて少なくとも1つの要出庫コンテナに搬送タスクを割り当てる。
【0099】
また、目標出庫プランに第1の出庫順序および第2の出庫順序が指定されていない場合、即ち出庫要求に出庫グループ間の出庫順序および出庫グループ内の各要出庫コンテナ間の出庫順序が指定されておらず、上記グループ間デフォルトプランと上記グループ内デフォルトプランにしたがってロボットに出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるプロセスにおいて、1つの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合は、次の2つのプランで出庫を行うことができる。
【0100】
第1のプランでは、ロボットへの第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットに残りの出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てる。ただし、第1の出庫グループとは割り当てに失敗した要出庫コンテナが存在する出庫グループである。
【0101】
第2のプランでは、継続して、当該出庫系列内の、搬送タスクが割り当てられていない残りの要出庫コンテナ、即ち第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナと、残りの出庫グループ内の要出庫コンテナとを含む要出庫コンテナの搬送タスクを、割り当てることができる。これにより、搬送タスクの割り当て成功率を高めることができる。
【0102】
例えば、出庫系列Q1は、出庫グループG1、G2を含み、G1は要出庫コンテナB1、B2を含み、G2は要出庫コンテナB3、B4、B5を含む。第1の出庫順序および第2の出庫順序が存在しないため、グループ間デフォルトプランおよびグループ内デフォルトプランにしたがって、B5、B4、B3、B1、B2という出庫順序を得る。B4への搬送タスクの割り当てに失敗した場合、継続して、ロボットにB3、B1、B2の搬送タスクを割り当てる。
【0103】
また、搬送タスクの割り当て成功率を一層高めるため、1つの出庫系列に搬送タスクを割り当てるたびに、以前割り当てに失敗した要出庫コンテナに再度割り当てを行ってもよい。
【0104】
S203:搬送タスクのタスク実行状態および少なくとも1つの出庫系列に基づいて、少なくとも1つの要出庫コンテナの出庫を行う。
【0105】
タスク実行状態は、例えば、ロボットが走行中、ロボットが要出庫コンテナ取り出し中、ロボットが操作台に到着済みなど、複数の状態を含む。ロボット走行中という状態は、コンテナ取り出し前の走行中である状態、およびコンテナを取り出したときの走行中である状態を含み、操作台に到着済みとは、ロボットが要出庫コンテナを操作台の周囲の所定範囲内へ搬送済みであることを表す。
【0106】
本開示の実施例では、いずれか1つの要出庫コンテナを第2の要出庫コンテナと称する。第2の要出庫コンテナが存在する出庫グループを第2の出庫グループと称し、第1の出庫順序において、第2の出庫グループの前に位置する第3の出庫グループに含まれる要出庫コンテナ、および/または、第2の出庫グループに対応する第2の出庫順序において、第2の要出庫コンテナの前に位置する要出庫コンテナを、第3の要出庫コンテナと称する。
【0107】
したがって、第2の要出庫コンテナの搬送タスクのタスク実行状態が、前記第2の要出庫コンテナを取り出し済みの状態である場合、第3の要出庫コンテナの搬送タスクのタスク実行状態に基づいて、当該第2の要出庫コンテナのロボットが待機するかまたは継続して第2の要出庫コンテナの搬送タスクを実行するかを決定して、第2の要出庫コンテナの出庫が、第3の要出庫コンテナの後になることを保証する必要がある。
【0108】
任意選択として、ロボットが第2の要出庫コンテナを取り出すときに、第3の要出庫コンテナの搬送タスクのタスク実行状態を取得して、当該第2の要出庫コンテナのロボットが待機するかまたは継続して第2の要出庫コンテナの搬送タスクを実行するかを決定してもよい。第2の要出庫コンテナを取り出し済みである状態には、第2の要出庫コンテナを取り出してから操作台に到達するまでの間の時間範囲が含まれる。
【0109】
具体的には、第2の要出庫コンテナの出庫を行うプロセスは以下を含む。まず、少なくとも1つの第3の搬送タスクのタスク実行状態を取得する。第3の搬送タスクとは第3の要出庫コンテナの搬送タスクである。次に、各第3の搬送タスクのタスク実行状態が、いずれも操作台に到着済みの状態である場合、継続して第2の搬送タスクを実行して、第1の出庫順序および/または第2の出庫順序にしたがって第2の要出庫コンテナ、第3の要出庫コンテナの出庫を行う。
【0110】
当然のことながら、少なくとも1つの第3の搬送タスクのタスク実行状態が、前記の操作台に到着済みの状態よりも前のいずれかの実行状態である場合は、第2の要出庫コンテナを搬送するロボットを制御して待機させる。第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到着済みの状態に更新されたとき、継続して第2の搬送タスクを実行して、第1の出庫順序および/または第2の出庫順序にしたがって第2の要出庫コンテナ、第3の要出庫コンテナの出庫を行う。
【0111】
なお、第1の出庫順序および/または第2の出庫順序にしたがって決定した出庫順序では、第3の要出庫コンテナが第2の要出庫コンテナより前に位置するので、先に第3の要出庫コンテナの出庫を行った後で、第2の要出庫コンテナの出庫を行う。
【0112】
上述の実施例の出庫方法に対応して、
図5は本願実施例で提供する出庫装置の構造ブロック図である。説明の便宜上、本願実施例に関連する部分のみを示している。
図5に示すように、上記出庫装置300は、出庫系列決定モジュール301と、タスク割り当てモジュール302と、コンテナ出庫モジュール303とを含む。
【0113】
出庫系列決定モジュール301は、少なくとも1つの出庫系列を決定するために用いられ、各前記出庫系列内には、少なくとも1つの出庫グループが含まれ、各前記出庫グループ内には、少なくとも1つの要出庫コンテナが含まれる。
【0114】
タスク割り当てモジュール302は、前記少なくとも1つの出庫系列にしたがって、ロボットに前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられる。
【0115】
コンテナ出庫モジュール303は、前記搬送タスクのタスク実行状態および前記少なくとも1つの出庫系列に基づいて、前記少なくとも1つの要出庫コンテナの出庫を行うために用いられる。
【0116】
任意選択として、少なくとも2つの出庫系列が存在する場合、前記タスク割り当てモジュール302はさらに、ロボットに少なくとも2つの前記出庫系列の搬送タスクを並行して割り当てるステップと、各前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに各前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるステップとを含み、前記目標出庫プランは、前記出庫系列内に含まれる少なくとも1つの前記出庫グループ間の第1の出庫順序、および/または、各前記出庫グループ内に含まれる少なくとも1つの要出庫コンテナ間の第2の出庫順序を指定するために用いられる。
【0117】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュール302はさらに、各前記出庫系列に対応する目標出庫プランにしたがって、ロボットに各前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるか、または、前記第1の出庫順序と、前記出庫グループ内に含まれる各前記要出庫コンテナの情報に基づいて少なくとも1つの前記要出庫コンテナ間の出庫順序を決定するためのグループ内デフォルトプランとにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるか、または、前記出庫系列内に含まれる各前記出庫グループの情報に基づいて少なくとも1つの前記出庫グループ間の出庫順序を決定するためのグループ間デフォルトプランと、前記第2の出庫順序とに従って、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるか、または、前記グループ間デフォルトプランおよび前記グループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられる。
【0118】
任意選択として、前記出庫グループの情報は、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナの数量と、前記出庫グループに含まれる前記要出庫コンテナが存在する通路の数とのうち、少なくとも1つを含む。
【0119】
任意選択として、前記要出庫コンテナの情報は、前記要出庫コンテナの搬送距離と、前記要出庫コンテナの重量と、前記要出庫コンテナのサイズとのうち、少なくとも1つを含む。
【0120】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュール302はさらに、前記第1の出庫順序および前記第2の出庫順序にしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記出庫系列内のいずれか1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記出庫系列内の各前記要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止するために用いられる。
【0121】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュール302はさらに、グループ間デフォルトプランおよび前記第2の出庫順序にしたがってロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記第1の要出庫コンテナが存在する第1の出庫グループ内の残りの要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットに、第2の出庫グループ内の各要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられ、前記第2の出庫グループは前記出庫系列における前記第1の出庫グループ以外の出庫グループである。
【0122】
任意選択として、前記タスク割り当てモジュール302はさらに、前記第1の出庫順序およびグループ内デフォルトプランにしたがって、ロボットに前記出庫系列内の少なくとも1つの前記要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるとき、前記出庫系列内の第1の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てに失敗した場合、ロボットへの前記第1の出庫グループ以外の出庫グループ内の要出庫コンテナの搬送タスクの割り当てを停止し、ロボットに前記第1の出庫グループ内の前記第1の要出庫コンテナ以外の要出庫コンテナの搬送タスクを割り当てるために用いられ、前記第1の出庫グループは前記第1の要出庫コンテナが存在する出庫グループである。
【0123】
任意選択として、前記コンテナ出庫モジュール303はさらに、1つの第2の要出庫コンテナに対応する第2の搬送タスクのタスク実行状態が、前記第2の要出庫コンテナを取り出し済みの状態であるとき、少なくとも1つの、第3の要出庫コンテナの搬送タスクである第3の搬送タスクの、タスク実行状態を取得し、各前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到達済みの状態である場合、継続して前記第2の搬送タスクを実行し、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって、前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うために用いられ、前記第3の要出庫コンテナは、前記第1の出庫順序において第2の出庫グループの前に位置する第3の出庫グループ内に含まれる要出庫コンテナ、および/または、前記第2の出庫グループに対応する前記第2の出庫順序において前記第2の要出庫コンテナの前に位置する要出庫コンテナを含み、前記第2の出庫グループは前記第2の要出庫コンテナが存在する出庫グループである。
【0124】
任意選択として、前記コンテナ出庫モジュール303はさらに、少なくとも1つの前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、前記操作台に到着済みの状態よりも前のいずれかの実行状態である場合、前記第2の要出庫コンテナを搬送するロボットを制御して待機させ、前記第3の搬送タスクのタスク実行状態が、操作台に到着済みの状態に更新されたとき、継続して前記第2の搬送タスクを実行して、前記第1の出庫順序および/または前記第2の出庫順序にしたがって、前記第2の要出庫コンテナと前記第3の要出庫コンテナの出庫を行うために用いられる。
【0125】
本実施例で提供する出庫装置は、上記
図4に示す方法実施例の技術スキームを実行するために用いられ、それらの実現原理および技術的効果は類似しているため、本実施例はここで再度説明しない。
【0126】
図6は本願実施例で提供する電子機器の構造模式図である。当該電子機器600はメモリ602と、少なくとも1つのプロセッサ601とを含み、メモリ602にはコンピュータ実行指令が記憶され、少なくとも1つのプロセッサ601がメモリ602に記憶されたコンピュータ実行指令を実行すると、電子機器601により前記
図4における方法が実現される。
【0127】
また、当該電子機器はさらに受信器603および送信器604を含み、受信器603は、他の装置または機器からの情報を受信してプロセッサ601へ転送するために用いられ、送信器604は、情報を他の装置または機器へ送信するために用いられる。
【0128】
本願実施例はさらに、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行指令が記憶され、プロセッサが前記コンピュータ実行指令を実行したとき、コンピュータ機器に
図4における方法を実現させる。
【0129】
本願実施例はさらに、コンピュータプログラムを提供する。前記コンピュータプログラムは、
図4における方法を実現するために用いられる。
【0130】
最後に説明することとして、以上の各実施例は本願の技術スキームを説明するためだけに用いたもので、限定するものではない。また、前記各実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前記各実施例に記載した技術スキームはさらに変更したり、一部または全部の技術特徴に対して同等の置換をしたりすることが可能である。ただしこれらの変更または置換は、その技術スキームの本質を本願の各実施例の技術スキームの範囲から逸脱させるものではない。