(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、および送信用プログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
H04B1/04 R
H04B1/04 D
(21)【出願番号】P 2021000813
(22)【出願日】2021-01-06
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】安江 信一
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-064733(JP,A)
【文献】特開平08-051319(JP,A)
【文献】特開2009-284232(JP,A)
【文献】特開2014-204148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0155122(US,A1)
【文献】特開2014-110565(JP,A)
【文献】特開2002-094390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/04
H04B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部と、
前記電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を施す歪補償部と、
前記電力増幅部から出力された前記出力信号を送信先へ中継する中継部と、
前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる制御部と
を備え
、
前記制御部は、前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に停止させる
送信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させる
ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部と、
前記電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を施す歪補償部と、
前記電力増幅部から出力された前記出力信号を送信先へ中継する中継部と、
前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる制御部と
を備え、
前記制御部は、送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させる
送信装置。
【請求項4】
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部と、
前記電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を施す歪補償部と、
前記電力増幅部から出力された前記出力信号を送信先へ中継する中継部と、
前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる制御部と
を備え、
現用系の前記電力増幅部および現用系の前記歪補償部と、予備系の前記電力増幅部と予備系の前記歪補償部とを備え、
前記制御部は、
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、予備系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を停止させ、前記送信先へ前記中継する前記出力信号を、現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号から、予備系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号へ、前記中継部に切り替えさせ、
送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、現用系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させ、
現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、現用系の前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる
送信装置。
【請求項5】
前記電力増幅部と前記中継部との間の直流信号を絶縁するアイソレータ
をさらに備えることを特徴とする請求項1
から請求項4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記出力信号の前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする請求項1
から請求項5のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記出力信号の周波数領域表現における、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする請求項1
から請求項5のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項8】
前記制御部は、復調された前記出力信号の品質を示す指標が、所定の値より品質が良いことを示す値となった場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする請求項1
から請求項5のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項9】
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を行い、
前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を開始
し、
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を停止する
送信方法。
【請求項10】
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を行い、
前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を開始し、
送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させる
送信方法。
【請求項11】
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を行い、
前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を開始し、
送信装置は、現用系の前記電力増幅部と、予備系の前記電力増幅部とを備え、
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、予備系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を停止させ、前記送信先へ前記中継する前記出力信号を、現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号から、予備系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号へ切り替え、
前記送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、現用系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させ、
現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、現用系の前記出力信号の前記送信先への前記中継を開始する
送信方法。
【請求項12】
コンピュータに、
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理が行われる前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を行う中継部に、前記中継を開始させる制御機能と
を実現させ
、
前記制御機能は、前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に停止させる
送信用プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理が行われる前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を行う中継部に、前記中継を開始させる制御機能と
を実現させ、
前記制御機能は、送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させる
送信用プログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理が行われる前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を行う中継部に、前記中継を開始させる制御機能と
を実現させ、
送信装置は、現用系の前記電力増幅部と、予備系の前記電力増幅部とを備え、
前記制御機能は、
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、予備系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を停止させ、前記送信先へ前記中継する前記出力信号を、現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号から、予備系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号へ、前記中継部に切り替えさせ、
前記送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、現用系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させ、
現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、現用系の前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる
送信用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信方法、および送信用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送波を送信する送信機は、電力増幅器によって送信信号の電力を増幅し、増幅された送信信号をアンテナから送信する。電力増幅器から出力される信号は、電力増幅器の特性に起因する歪みを含む。歪みは、IM(Inter Modulation)などとも呼ばれる。この歪みによって、送信機が送信する放送波の送信周波数帯域外に発生する周波数成分を、不要輻射や帯域外ノイズという。また、電力増幅器から出力される信号の歪みを低減させることを歪み補償という。
【0003】
歪み補償の方法には、たとえば、デジタル歪み補償(DPD(Digital Pre-Distortion))がある(特許文献1)。この方法では、電力増幅器の前段に備えられたDPDが、電力増幅器の出力信号のフィードバックに基づいて電力増幅器への入力信号に歪み補償を行うことで、電力増幅器からの出力信号の歪みを低減させる。
【0004】
しかし、送信機からの放送波の出力を開始する場合、電力増幅器からの出力信号の電力が急激に増加するため、電力の増加にDPDが追従しきれずに、不要輻射が発生する場合がある。この不要輻射を低減するには、たとえば、DPDが電力の増加に追従できるように、送信電力がゆっくり増加するように電力増幅器を制御する方法がある。また、送信周波数帯域外の周波数成分をカットするチャンネルフィルタを、電力増幅器とアンテナとの間に置く方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、送信電力をゆっくり増加させる方法では、送信電力が定格になるまでに時間がかかる。また、あらかじめ定められた増加幅で送信電力を増加させる場合、実際に不要輻射を低減できているか否かが不明である。
【0007】
また、FPU(Field Pickup Unit:無線伝送中継装置)のような可搬機器では、送信周波数帯域が、一つに固定されているのではなく、可変である場合がある。このような場合、送信機にチャンネルフィルタが設けられていない場合がある。
【0008】
本発明の目的は、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することを可能にする、送信装置、送信方法、および送信用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様において、送信装置は、入力信号の電力を増幅させる電力増幅部と、前記電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を施す歪補償部と、前記電力増幅部から出力された前記出力信号を送信先へ中継する中継部と、前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる制御部とを備える。
【0010】
また、本発明の他の態様において、送信方法は、入力信号の電力を増幅させるからの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を行い、前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を開始する。
【0011】
また、本発明の他の態様において、送信用プログラムは、コンピュータに、入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理が行われる前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たすか否かを判定する判定機能と、前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を行う中継部に、前記中継を開始させる制御機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第一および第二の実施形態の送信装置の構成例を示す図である。
【
図2】本発明の第一および第二の実施形態の送信装置の動作例を示す図である。
【
図3】本発明の第二の実施形態の送信装置の制御部の構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第二の実施形態の送信装置の制御部の構成例を示す図である。
【
図5】本発明の第二の実施形態の送信装置の制御部の構成例を示す図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態の送信装置の構成例を示す図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態の送信装置の構成例を示す図である。
【
図8】本発明の第二の実施形態の送信装置の動作例を示す図である。
【
図9】本発明の第二の実施形態の送信装置の動作例を示す図である。
【
図10】本発明の第二の実施形態の送信装置の動作例を示す図である。
【
図11】本発明の各実施形態のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態について説明する。
【0015】
図1に本実施形態の送信装置10の構成例を示す。本実施形態の送信装置10は、電力増幅部11、歪補償部12、中継部13、および、制御部14を含む。
【0016】
電力増幅部11は、入力信号の電力を増幅させる。歪補償部12は、電力増幅部11からの出力信号に基づいて入力信号に歪み補償の処理を施す。中継部13は、電力増幅部11から出力された出力信号を送信先へ中継する。制御部14は、出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を中継部13に開始させる。
【0017】
このように送信装置10を構成することによって、送信装置10は、電力増幅部からの出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を開始する。これにより、不要輻射が抑えられた状態となると速やかに、出力信号の送信先への中継を開始することができる。そのため、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することが可能になる。
【0018】
次に、
図2に本実施形態の送信装置10の動作の例を示す。
【0019】
制御部14は、電力増幅部11から出力される出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を中継部13に開始させる(ステップS101)。
【0020】
送信装置10は、このように動作することによって、電力増幅部からの出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を開始する。これにより、不要輻射が抑えられた状態となると速やかに、出力信号の送信先への中継を開始することができる。そのため、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することが可能になる。
【0021】
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、送信装置10は、電力増幅部からの出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を開始する。これにより、不要輻射が抑えられた状態となると速やかに、出力信号の送信先への中継を開始することができる。そのため、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することが可能になる。
【0022】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態における送信装置10について具体的に説明する。
【0023】
まず、
図1を用いて、本実施形態の送信装置10の構成例について説明する。
【0024】
電力増幅部11は、入力信号の電力を増幅させ、増幅された信号を中継部へ出力する。入力信号は、たとえば、放送波として送信されるために、所定の送信周波数帯域の信号に変調された信号である。
【0025】
歪補償部12は、電力増幅部11に対して歪み補償の処理を行う。歪補償部12は、たとえば、DPDである。なお、歪み補償の方法は、DPDに限られない。歪補償部12は、電力増幅部11から出力された出力信号に基づいて、電力増幅部11への入力信号に歪み補償の処理を行う。
【0026】
中継部13は、電力増幅部11から出力された出力信号を送信先へ中継する。中継部13は、たとえば、リレーである。また、送信先は、たとえば、アンテナ(図示せず)である。電力増幅部11から出力された出力信号は、アンテナを経由して、放送波として、送信装置10外に送信される。
【0027】
制御部14は、電力増幅部11から出力された出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分(不要輻射)が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を中継部13に開始させる。より具体的には、制御部14は、不要輻射が所定の量より小さくなった場合に、電力増幅部11から出力された出力信号の送信先への中継を、中継部13に開始させる。
【0028】
また、制御部14は、送信装置10からの信号出力の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、電力増幅部11から出力された出力信号の送信先への中継を、中継部13に停止させる。中継停止指示は、たとえば、利用者の送信装置10に対する操作に応じてや、アラーム検出装置などから入力される。
【0029】
制御部14は、たとえば、以下の方法で、不要輻射が所定の量より小さくなったことを検知することができる。
【0030】
まず、一つ目の方法は、バンドパスフィルタを使用する方法である。
図3に、バンドパスフィルタを使用する場合の制御部14の構成例を示す。
図3に示す例では、制御部14は、BPF(Band Pass Filter)41と帯域外検波部42とを含む。
【0031】
BPF41は、送信装置10の送信周波数帯域外の周波数成分を通過させるフィルタである。BPF41は、電力増幅部11から出力された出力信号の、送信周波数帯域外の周波数成分を通過させる。帯域外検波部42は、BPF41を通過した周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、不要輻射が所定の量より小さくなったとする。
【0032】
二つ目の方法は、出力信号の周波数領域表現を使用する方法である。出力信号の周波数領域表現への変換には、たとえば、FFT(Fast Fourier Transform)を使用することができる。
図4に、周波数領域表現を使用する場合の制御部14の構成例を示す。
図4に示す例では、制御部14は、A/D43、FFT44およびレベル検出部45を含む。
【0033】
A/D43は、アナログ信号である、電力増幅部11から出力された出力信号を、デジタル信号に変換する。FFT44は、デジタル信号に変換された出力信号を周波数領域表現に変換する。レベル検出部45は、FFT44によって変換された、電力増幅部11から出力された出力信号の周波数領域表現から、送信装置10の送信周波数帯域外の周波数成分のレベルの合計値(積分値)または最大値を算出する。レベル検出部45は、送信周波数帯域外の周波数成分のレベルの合計値または最大値が所定の値を下回った場合に、不要輻射が所定の量より小さくなったとする。
【0034】
三つ目の方法は、変調された信号である、電力増幅部11から出力された出力信号を復調し、復調された出力信号の品質を示す指標を使用する方法である。
図5に、復調された出力信号の品質を示す指標を使用する場合の制御部14の構成例を示す。
図5に示す例では、制御部14は、A/D46、復調部47および指標算出部48を含む。
【0035】
A/D43は、アナログ信号である、電力増幅部11から出力された出力信号を、デジタル信号に変換する。復調部47は、デジタル信号に変換された出力信号を復調する。指標算出部48は、復調された出力信号に基づいて、復調された出力信号の品質を示す指標を算出する。品質を示す指標は、たとえば、MER(modulation error ratio)やC/N(Carrier to noise ratio)である。そして、指標算出部48は、品質を示す指標が、所定の値より品質が良いことを示す値であるとき、不要輻射が所定の量より小さくなったとする。たとえば、MERが所定の値より小さいときや、C/Nが所定の値より大きい場合に、指標算出部48は、不要輻射が所定の量より小さくなったとする。
【0036】
このようにして、制御部14は、不要輻射が小さくなったことを検知することができる。その結果、制御部14は、不要輻射が小さくなった後、速やかに中継部13に中継を開始させることができるので、中継部13に中継を開始させるまでの時間を短くすることが可能になる。
【0037】
なお、
図6に示すように、送信装置20は、アイソレータ25を含んでいてもよい。アイソレータ25は、電力増幅部11と中継部13との間で、直流信号を絶縁する。この場合、中継部13が中継を停止している間に、電力増幅部11からの出力信号が中継部13において反射して電力増幅部11が破損する可能性を低減することが可能になる。
【0038】
また、
図7に示すように、送信装置30は、現用系と予備系とを切り替えるリレー(中継部33)を、中継部13の代わりに使用してもよい。
図7に示す送信装置30は、現用系Aとして、歪補償部12Aと電力増幅部11Aとを含む。また、送信装置30は、予備系Bとして、歪補償部12Bと電力増幅部11Bとを含む。また、送信装置30は、制御部14の代わりに制御部34を含む。
【0039】
中継部33は、電力増幅部11Aの出力信号と電力増幅部11Bの出力信号のいずれかを送信先に中継する。
【0040】
制御部34は、出力信号の送信先への中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、予備系Bの電力増幅部11Bに、出力信号の出力を停止させる。次に、制御部34は、中継部33が送信先に中継する信号を、現用系Aの電力増幅部11Aから出力される出力信号から、予備系Bの電力増幅部11Bから出力される出力信号へ、中継部33に切り替えさせる。また、制御部34は、現用系Aの電力増幅部11Aに、出力信号の出力を停止させる。このように、制御部34は、予備系Bの電力増幅部11Bからの出力信号の出力を停止してから、中継部33が中継する信号を、現用系Aの出力信号から予備系Bの出力信号に切り替える。そのため、中継部33は、信号の中継を停止した場合と同様に、信号を中継していない状態となる。
【0041】
また、送信装置10からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、制御部34は、現用系Aの電力増幅部11Aに、出力信号の出力を開始させる。そして、電力増幅部11Aから出力される出力信号の不要輻射が所定の量より小さくなった場合に、制御部34は、中継部33が中継する信号を、現用系Aの電力増幅部11Aから出力される出力信号へ、中継部33に切り替えさせる。その後、制御部34は、予備系Bの電力増幅部11Bに、出力信号の出力を開始させる。このように、制御部34は、電力増幅部11Aから出力される出力信号の不要輻射が所定の量より小さくなった場合に、中継部33に、電力増幅部11Aから出力される出力信号の中継を開始させる。
【0042】
このように送信装置(10、20、30)を構成することによって、送信装置は、電力増幅部からの出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を開始する。これにより、不要輻射が抑えられた状態となると速やかに、出力信号の送信先への中継を開始することができる。そのため、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することが可能になる。
【0043】
次に、
図2と
図8とを用いて、本実施形態の送信装置10の動作例について説明する。
図8は、本実施形態の送信装置10の動作例を示す図である。
【0044】
送信装置10は、送信装置10からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合に、電力増幅部11からの出力信号の出力を開始する。出力開始指示は、たとえば、送信装置10に対する利用者の操作に応じて、送信装置10に入力される。この時点では、中継部13は、電力増幅部11から出力される出力信号を、送信先に中継していない。電力増幅部11は、入力された入力信号を増幅して出力する。歪補償部12は、電力増幅部11に対して歪み補償の処理を行う。
【0045】
制御部14は、出力開始指示が入力された場合に、
図2に示される動作を行う。制御部14は、電力増幅部11から出力される出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を中継部13に開始させる(ステップS101)。
【0046】
また、制御部14は、中継停止指示が入力された場合に、電力増幅部11から出力される出力信号の送信先への中継を中継部13に停止させる(
図8のステップS201)。
【0047】
次に、
図9および
図10に、予備系を含む場合の送信装置30の動作例を示す。なお、送信装置30の構成は、
図7に示す構成であるとする。
【0048】
制御部34は、中継停止指示が入力された場合に、予備系Bの電力増幅部11Bに、出力信号の出力を停止させる(
図9のステップS301)。次に、制御部34は、中継部33が送信先に中継する信号を、現用系Aの電力増幅部11Aから出力される出力信号から、予備系Bの電力増幅部11Bから出力される出力信号へ、中継部33に切り替えさせる(ステップS302)。また、制御部34は、現用系Aの電力増幅部11Aに、出力信号の出力を停止させる(ステップS303)。
【0049】
また、出力開始指示が入力された場合、制御部34は、現用系Aの電力増幅部11Aに、出力信号の出力を開始させる(ステップS304)。そして、電力増幅部11Aから出力される出力信号の不要輻射が所定の量より小さくなった場合に、制御部34は、中継部33が中継する信号を、現用系Aの電力増幅部11Aから出力される出力信号へ、中継部33に切り替えさせる(ステップS305)。その後、制御部34は、予備系Bの電力増幅部11Bに、出力信号の出力を開始させる(ステップS306)。
【0050】
送信装置がこのように動作することによって、送信装置は、電力増幅部からの出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を開始する。これにより、不要輻射が抑えられた状態となると速やかに、出力信号の送信先への中継を開始することができる。そのため、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することが可能になる。
【0051】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、送信装置は、電力増幅部からの出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、出力信号の送信先への中継を開始する。これにより、不要輻射が抑えられた状態となると速やかに、出力信号の送信先への中継を開始することができる。そのため、不要輻射を抑えつつ、定格の送信電力での送信を早期に開始することが可能になる。
【0052】
[ハードウェア構成例]
上述した本発明の各実施形態における送信装置(10、20、30)を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、送信装置は、物理的または機能的に少なくとも二つ以上の複数の情報処理装置が用いられて実現されてもよい。また、送信装置は、専用の装置として実現されてもよいし、汎用の装置が用いられてもよい。また、送信装置の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現してもよい。
【0053】
図11は、本発明の各実施形態の送信装置を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置90は、通信インタフェース91、入出力インタフェース92、演算装置93、記憶装置94、不揮発性記憶装置95およびドライブ装置96を含む。
【0054】
たとえば、
図1の制御部14は、演算装置93で実現することが可能である。
【0055】
通信インタフェース91は、各実施形態の送信装置が、有線および無線のうち少なくとも一方で外部装置と通信するための通信手段である。なお、送信装置を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合、それらの装置の間を通信インタフェース91経由で相互に通信可能なように接続してもよい。
【0056】
入出力インタフェース92は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
【0057】
演算装置93は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置や複数の電気回路によって実現される。演算装置93は、たとえば、不揮発性記憶装置95に記憶された各種プログラムを記憶装置94に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
【0058】
記憶装置94は、演算装置93から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置94は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
【0059】
不揮発性記憶装置95は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記憶することが可能である。
【0060】
ドライブ装置96は、たとえば、後述する記録媒体97に記録されているデータの読み込みやデータの書き込みを処理する装置である。
【0061】
記録媒体97は、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
【0062】
本発明の各実施形態は、たとえば、
図11に例示した情報処理装置90により送信装置を構成し、この送信装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
【0063】
この場合、送信装置に対して供給したプログラムを、演算装置93が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、送信装置のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置90で構成することも可能である。
【0064】
さらに、上記プログラムを記録媒体97に記録しておき、送信装置の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置95に格納されるよう構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用して送信装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
【0065】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
【0066】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0067】
(付記1)
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部と、
前記電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を施す歪補償部と、
前記電力増幅部から出力された出力信号を送信先へ中継する中継部と、
前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる制御部と
を備える送信装置。
【0068】
(付記2)
前記電力増幅部と前記中継部との間の直流信号を絶縁するアイソレータ
をさらに備えることを特徴とする付記1に記載の送信装置。
【0069】
(付記3)
前記制御部は、前記出力信号の前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の送信装置。
【0070】
(付記4)
前記制御部は、前記出力信号の周波数領域表現における、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の送信装置。
【0071】
(付記5)
前記制御部は、復調された前記出力信号の品質を示す指標が、所定の値より品質が良いことを示す値となった場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の送信装置。
【0072】
(付記6)
前記制御部は、前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に停止させる
ことを特徴とする付記1から付記5のいずれかに記載の送信装置。
【0073】
(付記7)
前記制御部は、前記送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させる
ことを特徴とする付記1から付記6のいずれかに記載の送信装置。
【0074】
(付記8)
前記送信装置は、現用系の前記電力増幅部および現用系の前記歪補償部と、予備系の前記電力増幅部と予備系の前記歪補償部とを備え、
前記制御部は、
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、予備系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を停止させ、前記送信先へ前記中継する前記出力信号を、現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号から、予備系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号へ、前記中継部に切り替えさせ、
前記送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、現用系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させ、
現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、現用系の前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記1から付記5のいずれかに記載の送信装置。
【0075】
(付記9)
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部にからの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理を行い、
前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を開始する
送信方法。
【0076】
(付記10)
前記電力増幅部と、前記中継を行う中継部との間の直流信号を絶縁する
ことを特徴とする付記9に記載の送信方法。
【0077】
(付記11)
前記出力信号の前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を開始する
ことを特徴とする付記9または付記10に記載の送信方法。
【0078】
(付記12)
前記出力信号の周波数領域表現における、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を開始する
ことを特徴とする付記9または付記10に記載の送信方法。
【0079】
(付記13)
復調された前記出力信号の品質を示す指標が、所定の値より品質が良いことを示す値となった場合に、前記中継を開始する
ことを特徴とする付記9または付記10に記載の送信方法。
【0080】
(付記14)
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を停止する
ことを特徴とする付記9から付記13のいずれかに記載の送信方法。
【0081】
(付記15)
送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させる
ことを特徴とする付記9から付記14のいずれかに記載の送信方法。
【0082】
(付記16)
送信装置は、現用系の前記電力増幅部と、予備系の前記電力増幅部とを備え、
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、予備系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を停止させ、前記送信先へ前記中継する前記出力信号を、現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号から、予備系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号へ切り替え、
前記送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、現用系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させ、
現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、現用系の前記出力信号の前記送信先への前記中継を開始する
ことを特徴とする付記9から付記13のいずれかに記載の送信方法。
【0083】
(付記17)
コンピュータに、
入力信号の電力を増幅させる電力増幅部からの出力信号に基づいて前記入力信号に歪み補償の処理が行われる前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、送信周波数帯域外の周波数成分が所定の条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、前記出力信号の送信先への中継を行う中継部に、前記中継を開始させる制御機能と
を実現させる送信用プログラム。
【0084】
(付記18)
前記制御機能は、前記出力信号の前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記17に記載の送信用プログラム。
【0085】
(付記19)
前記制御機能は、前記出力信号の周波数領域表現における、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分のレベルが所定の値を下回った場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記17または付記18に記載の送信用プログラム。
【0086】
(付記20)
前記制御機能は、復調された前記出力信号の品質を示す指標が、所定の値より品質が良いことを示す値となった場合に、前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記17または付記18に記載の送信用プログラム。
【0087】
(付記21)
前記制御機能は、前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に停止させる
ことを特徴とする付記17から付記20のいずれかに記載の送信用プログラム。
【0088】
(付記22)
前記制御機能は、送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させる
ことを特徴とする付記17から付記21のいずれかに記載の送信用プログラム。
【0089】
(付記23)
送信装置は、現用系の前記電力増幅部と、予備系の前記電力増幅部とを備え、
前記制御機能は、
前記中継の停止を指示する中継停止指示が入力された場合に、予備系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を停止させ、前記送信先へ前記中継する前記出力信号を、現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号から、予備系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号へ、前記中継部に切り替えさせ、
前記送信装置からの信号出力の開始を指示する出力開始指示が入力された場合、現用系の前記電力増幅部に前記出力信号の出力を開始させ、
現用系の前記電力増幅部から出力される前記出力信号に含まれる、前記送信周波数帯域外の前記周波数成分が前記条件を満たした場合に、現用系の前記出力信号の前記送信先への前記中継を前記中継部に開始させる
ことを特徴とする付記17から付記20のいずれかに記載の送信用プログラム。
【符号の説明】
【0090】
10、20、30 送信装置
11、11A、11B 電力増幅部
12、12A、12B 歪補償部
13、33 中継部
14、34 制御部
25 アイソレータ
90 情報処理装置
91 通信インタフェース
92 入出力インタフェース
93 演算装置
94 記憶装置
95 不揮発性記憶装置
96 ドライブ装置
97 記録媒体