(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】異変検知装置及びショットピーニング装置の異変を検知する方法
(51)【国際特許分類】
B24C 1/10 20060101AFI20250128BHJP
B24C 5/04 20060101ALI20250128BHJP
B24C 5/00 20060101ALI20250128BHJP
B24C 7/00 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B24C1/10 G
B24C5/04 Z
B24C5/00
B24C7/00 Z
(21)【出願番号】P 2021050272
(22)【出願日】2021-03-24
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【氏名又は名称】大森 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】井村 了太
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-049571(JP,A)
【文献】国際公開第2009/022489(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 1/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショットピーニング装置の異変を検知する異変検知装置であって、
制御装置と、
前記ショットピーニング装置から試験片に対してショットピーニングが行われた際に、前記試験片に生じる歪み量を表すアークハイト値を測定するアークハイト測定部と、
前記試験片にショットピーニングが行われたときの前記ショットピーニング装置の加工条件に関するパラメータ値を測定する加工条件測定部と、
前記アークハイト値及び前記パラメータ値を前記制御装置に送信する送信部と、
を備え、
前記制御装置は、
前記アークハイト値及び前記パラメータ値を受信する受信部と、
前記アークハイト値及び前記パラメータ値を前記ショットピーニングの日時と関連付けて保存する保存部と、
前記アークハイト値及び前記パラメータ値の時系列データ
の傾向に基づいて、前記ピーニング装置の異変の有無を判定する異変検知部と、
を有
し、
前記加工条件測定部は、前記ショットピーニング装置の加工条件を測定するセンサを含み、前記パラメータ値は、前記センサによって測定された前記ショットピーニング装置の加工条件の実測値である、
異変検知装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記アークハイト値及び前記パラメータ値を無線通信によって前記制御装置に送信する、請求項1に記載の異変検知装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記ショットピーニング装置の異変が検知されたときにアラート情報を出力する警報部を更に含む、請求項1に記載の異変検知装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記アークハイト値及び前記パラメータ値の時系列データ、及び、前記アラート情報をユーザ端末に送信する出力部を更に含む、請求項3に記載の異変検知装置。
【請求項5】
前記ショットピーニング装置は、圧縮空気を供給するコンプレッサと、前記圧縮空気によって投射材を噴射するノズルと、前記コンプレッサと前記ノズルとを接続する配管と、前記配管に設けられ前記ノズルに供給される前記圧縮空気の圧力を調整する空気圧力調整弁とを有し、
前記加工条件測定部によって測定される前記パラメータ値は、前記コンプレッサから供給される前記圧縮空気の圧力値、前記空気圧力調整弁の上流側における前記配管の内部圧力値、前記空気圧力調整弁の下流側における前記配管の内部圧力値、及び、前記ノズルから噴射される投射材の量の何れか一つを含む、請求項1~4の何れか一項に記載の異変検知装置。
【請求項6】
ショットピーニング装置の異変を検知する方法であって、
前記ショットピーニング装置から試験片に対してショットピーニングを行う工程と、
前記ショットピーニングによって前記試験片に生じる歪み量を表すアークハイト値を測定する工程と、
前記ショットピーニングが行われたときの前記ショットピーニング装置の加工条件に関するパラメータ値を測定する工程と、
前記アークハイト値及び前記パラメータ値を前記ショットピーニングの日時と関連付けて保存する工程と、
前記アークハイト値及び前記パラメータ値の時系列データ
の傾向に基づいて、前記ショットピーニング装置の異変の有無を判定する工程と、
を含
み、
前記パラメータ値は、前記ショットピーニング装置の加工条件を測定するセンサによって測定された前記ショットピーニング装置の加工条件の実測値である、
方法。
【請求項7】
前記ショットピーニング装置は、圧縮空気を供給するコンプレッサと、前記圧縮空気によって投射材を噴射するノズルと、前記コンプレッサと前記ノズルとを接続する配管と、前記配管に設けられ前記ノズルに供給される前記圧縮空気の圧力を調整する空気圧力調整弁とを有し、
前記パラメータ値は、前記コンプレッサから供給される前記圧縮空気の圧力値、前記空気圧力調整弁の上流側における前記配管の内部圧力値、前記空気圧力調整弁の下流側における前記配管の内部圧力値、及び、前記ノズルから噴射される投射材の量の何れか一つを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異変検知装置及びショットピーニング装置の異変を検知する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧縮気体と共に投射材を噴射するブラスト装置の異常を検知する異常検知システムが記載されている。この異常検知システムは、ブラスト加工装置の配管等の監視対象部分で発生する音をマイクロフォンによって収集し、収集した音から特定の周波数帯域の信号を抽出し、抽出した周波数帯域の信号と標準出力値とを比較することによってブラスト装置の異常を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のシステムでは、監視対象部分の付近でホースの破損等が発生した場合には、収集した音声信号を解析することで装置の異変を検出することが可能であるが、監視対象部分から離れた位置で異変が発生した場合には、その異変を音声信号から発見することができない場合がある。したがって、特許文献1に記載のシステムは、異変の検知の精度において改善の余地がある。
【0005】
したがって、本開示は、ショットピーニング装置の異変を高い精度で検知することが可能な異変検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、ショットピーニング装置の異変を検知する異変検知装置が提供される。この異変検知装置は、制御装置と、ショットピーニング装置から試験片に対してショットピーニングが行われた際に、試験片に生じる歪み量を表すアークハイト値を測定するアークハイト測定部と、試験片にショットピーニングが行われたときのショットピーニング装置の加工条件に関するパラメータ値を測定する加工条件測定部と、アークハイト値及びパラメータ値を制御装置に送信する送信部と、を備える。制御装置は、アークハイト値及びパラメータ値を受信する受信部と、アークハイト値及びパラメータ値をショットピーニングの日時と関連付けて保存する保存部と、アークハイト値及びパラメータ値の時系列データに基づいて、ピーニング装置の異変の有無を判定する異変検知部と、を有する。
【0007】
本態様の異変検知装置では、ショットピーニングが行われた際に、アークハイト値と加工条件に関するパラメータ値とが測定される。ここで、アークハイト測定部によって測定されるアークハイト値は、試験片に実際にショットピーニングを行うことにより測定された精度の高い実測値である。したがって、測定されたアークハイト値とパラメータ値を用いることでショットピーニング装置の異変を高い精度で検知することができる。さらに、本態様では、アークハイト値及びパラメータ値の時系列データを用いているので、アークハイト値及びパラメータ値の変化の傾向を分析することで、異変の予兆が現れたときに早期に異変を検知することができる。
【0008】
一態様の異変検知装置は、送信部は、アークハイト値及びパラメータ値を無線通信によって制御装置に送信してもよい。本態様では、パラメータ値及びアークハイト値を制御装置に容易に送信することができる。
【0009】
一態様では、制御装置は、ショットピーニング装置の異変が検知されたときにアラート情報を出力する警報部を更に含んでもよい。本態様では、ショットピーニング装置に異変が生じたときに早期に異変を通知することができる。
【0010】
一態様では、制御装置は、アークハイト値及びパラメータ値の時系列データ、及び、アラート情報をユーザ端末に送信する出力部を更に含んでもよい。この態様では、ユーザ端末においてアークハイト値及びパラメータ値の時系列データ、及び、アラート情報を表示することができるので、ショットピーニング装置の状態を一目で把握することが可能となる。
【0011】
一態様では、ショットピーニング装置は、圧縮空気を供給するコンプレッサと、圧縮空気によって投射材を噴射するノズルと、コンプレッサとノズルとを接続する配管と、配管に設けられノズルに供給される圧縮空気の圧力を調整する空気圧力調整弁とを有し、加工条件測定部によって測定されるパラメータ値は、コンプレッサから供給される圧縮空気の圧力値、空気圧力調整弁の上流側における配管の内部圧力値、空気圧力調整弁の下流側における配管の内部圧力値、及び、ノズルから噴射される投射材の量の何れか一つを含んでいてもよい。
【0012】
一態様では、ショットピーニング装置の異変を検知する方法が提供される。この方法は、ショットピーニング装置から試験片に対してショットピーニングを行う工程と、ショットピーニングによって試験片に生じる歪み量を表すアークハイト値を測定する工程と、ショットピーニングが行われたときのショットピーニング装置の加工条件に関するパラメータ値を測定する工程と、アークハイト値及びパラメータ値をショットピーニングの日時と関連付けて保存する工程と、アークハイト値及びパラメータ値の時系列データに基づいて、ショットピーニング装置の異変の有無を判定する工程と、を含む。
【0013】
上述のように、本態様に係る方法によれば、ショットピーニング装置の異変を高い精度で検知することができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の種々の態様によれば、ショットピーニング装置の異変を高い精度で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態に係る異変検知装置を含むシステムを概略的に示す図である。
【
図2】異変検知装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】アークハイト値の時系列データの一例を示す図である。
【
図4】アークハイト値の時系列データの別の一例を示す図である。
【
図5】アークハイト値の時系列データの別の一例を示す図である。
【
図6】アークハイト値の時系列データの別の一例を示す図である。
【
図7】アークハイト値の時系列データの別の一例を示す図である。
【
図8】アークハイト値の時系列データの別の一例を示す図である。
【
図9】アークハイト値の時系列データの別の一例を示す図である。
【
図10】アークハイト値の時系列データの別の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係るショットピーニング装置の異変を検知する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。なお以下の説明において、「上流」及び「下流」の用語は、後述するコンプレッサ18から供給される圧縮空気の流れ方向を基準として使用される。
【0017】
図1には、一実施形態に係る異変検知装置を含むシステムを概略的に示す図である。
図1に示す異変検知装置10は、ショットピーニング装置の異変を検知する。ショットピーニング装置1は、処理対象物の表面に圧縮残留応力を付与するために、処理対象物に投射材を投射するショットピーニングを行う。
【0018】
まず、異変検知の対象となるショットピーニング装置について説明する。
図1に示すショットピーニング装置1は、直圧式のショットピーニング装置である。以下の説明では、直圧式のショットピーニング装置1について説明するが、ショットピーニング装置1は吸引式のショットピーニング装置であってもよい。ショットピーニング装置1は、処理対象物に対して投射材Sを投射することで当該処理対象物の表面に圧縮残留応力を付与する。処理対象物に投射される投射材Sとしては、例えば鋼球が用いられる。鋼球の粒径は、処理対象物に付与されるべき圧縮残留応力に応じて適宜選択される。ショットピーニング装置1によってショットピーニングが行われる処理対象物としては、シリンダヘッド、クランクシャフト等の自動車部品、歯車、金型等が例示されるが、処理対象物はこれらに限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、ショットピーニング装置1は、投射材タンク12、投射材供給装置14、加圧タンク16、コンプレッサ18及びノズル20を備えている。投射材タンク12は、その内部に投射材Sを貯えている。投射材タンク12は、投射材供給装置14を介して加圧タンク16に接続されている。投射材供給装置14と加圧タンク16との間には、開閉可能なポペット弁15が設けられている。ポペット弁15が開かれることにより、投射材タンク12の内部に貯えられた投射材Sは、投射材供給装置14を経て加圧タンク16に供給される。
【0020】
コンプレッサ18は、圧縮空気を生成し、当該圧縮空気を加圧タンク16及びノズル20に供給する。コンプレッサ18には、配管22の一端が接続されている。配管22の他端は、ノズル20に接続されている。すなわち、配管22は、コンプレッサ18とノズル20とを接続する。配管22の一端と他端の間の位置からは配管24が分岐している。配管24は、加圧タンク16のエア流入口16Aに接続されている。
【0021】
加圧タンク16は、投射材Sを流出させるショット流出口16Bを有している。ショット流出口16Bには、開閉可能なカットゲート26が設けられている。ショット流出口16Bには、カットゲート26を介して配管28が接続されている。配管28には、ノズル20から噴射される投射材Sの量を調整するショット量調整弁27が設けられている。配管28は、配管22の途中位置(配管22の一端と他端の間の位置)に接続されている。配管22と配管28との接続部は、加圧タンク16から供給された投射材Sとコンプレッサ18から供給された圧縮空気とが混合されるミキシング部25Aを構成する。このミキシング部25Aは、配管22から配管24が分岐する分岐部25Bよりも圧縮空気の流れ方向の下流側に位置している。
【0022】
配管22におけるコンプレッサ18と分岐部25Bとの間の位置には、空気圧力調整弁32が設けられている。空気圧力調整弁32は、コンプレッサ18から加圧タンク16及びノズル20に供給される圧縮空気の圧力を調整する。空気圧力調整弁32によって圧力が調整された圧縮空気は、分岐部25Bで分岐され配管22及び配管24に送られる。配管24に送られた圧縮空気は、加圧タンク16の内部を加圧する。配管22に送られた圧縮空気は、ミキシング部25Aにおいて加圧タンク16から供給された投射材Sと混合され、ノズル20に送られる。
【0023】
ノズル20は、配管22から送られた投射材Sを圧縮空気と共に固気二相流として噴射する。ノズル20は、キャビネット34の内部に配置される。キャビネット34は、その内部に処理対象物を加工するためのスペースである加工室34sを画成する。加工室34sにはステージ38が配置される。ショットピーニング時には、ノズル20は、加工室34s内で投射材Sを噴射し、ステージ38上に載置された処理対象物に衝突させる。
【0024】
なお、
図1には図示されていないが、ショットピーニング装置1は、使用済みの投射材Sを再利用するために集塵装置、分級装置及び循環装置を更に備えてもよい。集塵装置は、分級装置を介して加工室34sに接続され、加工室34sの下部に落下した投射材S及び処理対象物の切粉を吸引して分級装置に移送する。分級装置は、例えばサイクロン式の分級装置であり、投射材S及び処理対象物の切粉を受け、投射材Sとして再利用可能な粒体と投射材Sとしては利用できない粒体とに分級する。循環装置は、再使用可能な投射材Sをパケットエレベータ、スクリューコンベア及びセパレータ等を経由して投射材タンク12に戻す。
【0025】
ショットピーニング装置1から投射された投射材Sが処理対象物衝突すると、処理対象物の表面に金属組織の変態が生じ、処理対象物の表面に圧縮残留応力が付与される。ここで、処理対象物に付与されるべき圧縮残留応力は、処理対象物の用途に応じた適正な範囲内に収まっている必要がある。したがって、処理対象物にショットピーニングを行う前に試験片に対してショットピーニングを行い、試験片に付与されるピーニング強度が適正な範囲に収まっているかが定期的に検査される。以下の説明では、ピーニング強度を確認するために試験片に対して試験的に行われるショットピーニングを予行ショットピーニングと称する。予行ショットピーニングは、例えば毎朝の始業時に処理体対象物をショットピーニングする前に一回又は複数回行われる。
【0026】
一実施形態の異変検知装置10は、予行ショットピーニングの際に、ショットピーニング装置1の加工条件に関するパラメータ値、及び、試験片の歪み量を表すアークハイト値を取得し、これらパラメータ値及びアークハイト値の時系列データに基づいて、ショットピーニング装置1の異変を検知する。
【0027】
図1及び
図2を参照して、異変検知装置10について説明する。
図2は、異変検知装置10の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、異変検知装置10は、加工条件測定部50、アークハイト測定部52、送信部54及び制御装置60を備えている。
【0028】
加工条件測定部50は、ショットピーニング装置1の加工条件を測定する各種センサを含み、当該各種センサによって予行ショットピーニング時のショットピーニング装置1の加工条件に関するパラメータ値を測定する。加工条件に関するパラメータ値としては、例えばコンプレッサ18から供給される圧縮空気の圧力値(以下、「元圧値」と称する)、空気圧力調整弁32の上流側の配管22の内部圧力値(以下、「一次側圧力値」と称する)、空気圧力調整弁32の下流側の配管22の内部圧力値(以下、「二次側圧力値」と称する)、配管22を流れる圧縮空気の流量、ノズル20から噴射される投射材Sの量(以下、「投射量」と称する)が例示される。加工条件測定部50は、これらのパラメータ値を測定するためのセンサとして、元圧測定器50A、一次側圧力測定器50B、二次側圧力測定器50C、流量測定器50D及び投射量測定器50Eを有する。
【0029】
元圧測定器50Aは、圧縮空気の圧力を測定する圧力センサであり、空気圧力調整弁32の上流側の位置において配管22に設けられている。一次側圧力測定器50Bは、一次側圧力値を測定する圧力センサであり、空気圧力調整弁32の上流側の位置において配管22に設けられている。二次側圧力測定器50Cは、二次側圧力値を測定する圧力センサであり、空気圧力調整弁32の下流側の位置において配管22に設けられている。流量測定器50Dは、配管22を流れる圧縮空気の流量を測定する流量センサであり、空気圧力調整弁32の上流側の位置において配管22に設けられている。
【0030】
投射量測定器50Eは、例えば弾性波を測定するAEセンサ(アコースティックエミッションセンサ)であり、投射材Sの投射量を測定する。投射量測定器50Eは、例えばノズル20に取り付けられ、測定された弾性波を解析することで投射材Sの投射量を測定する。なお、投射材Sの投射量を測定することが可能であれば、投射量測定器50EはAEセンサとは異なるセンサであってもよい。
【0031】
なお、ショットピーニング装置1は、予め設定された加工条件で予行ショットピーニングを行うが、実際の加工条件(例えば、元圧値、一次側圧力値、二次側圧力値、圧縮空気の流量及び投射量)は、予め設定された加工条件に対してばらつきが存在する。加工条件測定部50によって測定される加工条件に関するパラメータは、各種センサによって測定されたショットピーニング装置1の加工条件の実測値である。
【0032】
アークハイト測定部52は、ショットピーニング装置1によって予行ショットピーニングが行われた際に、投射材の衝突によって試験片に生じる歪み量を表すアークハイト値を測定する。
図1に示すように、アークハイト測定部52は、試験片52A及びダイヤルゲージ52Bを有している。試験片52Aは、アークハイト値を測定するための短冊状の金属片であり、アルメンストリップとも呼ばれる。試験片52Aは、予行ショットピーニング時に投射材Sが衝突することによって湾曲する。ダイヤルゲージ52Bは、予行ショットピーニング前と予行ショットピーニング後の試験片52Aの歪み量(反り量)の差を測定し、当該歪み量の差からアークハイト値を測定する。アークハイト値は、予行ショットピーニングのピーニング強度を表す実測値である。
【0033】
図2に示すように、送信部54は、複数の通信装置54A,54B,54C,54D,54E,54Fを有する。複数の通信装置54A~54Fは、制御装置60と無線通信が可能な通信モジュールであり、元圧測定器50A、一次側圧力測定器50B、二次側圧力測定器50C、流量測定器50D、投射量測定器50E及びアークハイト測定部52にそれぞれ接続されている。複数の通信装置54A~54Fは、元圧測定器50A、一次側圧力測定器50B、二次側圧力測定器50C、流量測定器50D及び投射量測定器50Eによって測定された各種のパラメータ値、及び、アークハイト測定部52によって測定されたアークハイト値をデジタルデータとして取得し、当該デジタルデータを無線通信によって制御装置60に送信する。なお、複数の通信装置54A~54Fは、ケーブルによって制御装置60に接続されており、有線通信によって取得したデジタルデータを制御装置60に送信してもよい。
【0034】
制御装置60は、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置、通信装置等を備えるコンピュータであり、異変検知装置10全体の動作を制御する。制御装置60は、例えば、記憶部に記憶されているプログラムをロードし、ロードされたプログラムをプロセッサで実行することにより後述する各種機能を実現する。なお、制御装置60は、ショットピーニング装置1の動作を制御するシーケンサとしての機能を兼ねていてもよい。この場合には、制御装置60では、入力装置を用いてオペレータがショットピーニング装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができ、また、表示装置により、ショットピーニング装置1の稼働状況を可視化して表示することができる。
【0035】
制御装置60は、複数の通信装置54A~54F、及び、ユーザ端末100と通信可能に接続されている。制御装置60は、ショットピーニング装置1の加工条件に関するパラメータ値とアークハイト値を収集し、パラメータ値及びアークハイト値の時系列データに基づいてショットピーニング装置1の異変を検知する。
【0036】
制御装置60は、機能的構成要素として、受信部61、保存部62、時系列データ生成部63、解析部64、異変検知部65、警報部66、出力部67及び記憶部68を有している。受信部61は、加工条件測定部50によって測定された各種のパラメータ値、及び、アークハイト測定部52によって測定されたアークハイト値を複数の通信装置54A~54Fから受信する。
【0037】
保存部62は、受信部61によって受信されたアークハイト値及びパラメータ値と、予行ショットピーニングの日時とを関連付けた測定データ70を生成し、当該測定データ70を記憶部68に保存する。測定データ70は、各種のパラメータ値、及び、アークハイト値の各々について生成される。なお、記憶部68には、過去の予行ショットピーニング時に取得されたアークハイト値及びパラメータ値に関する測定データも記憶されている。
【0038】
時系列データ生成部63は、測定データ70に基づいて、アークハイト値の時系列データ72及びパラメータ値の時系列データ74を生成する。例えば、時系列データ生成部63は、アークハイト値に関する測定データ70を予行ショットピーニングの日時順にソーティングして統合することで、アークハイト値の時系列データ72を生成する。したがって、アークハイト値の時系列データ72には、過去の一定期間に測定された複数のアークハイト値が含まれる。
【0039】
同様に、時系列データ生成部63は、パラメータ値に関する測定データ70を予行ショットピーニングの日時順にソーティングして統合することで、パラメータ値の時系列データ74を生成する。上述のように、加工条件に関するパラメータ値が、元圧値、一次側圧力値、二次側圧力値、圧縮空気の流量及び投射量を測定する場合には、これら元圧値、一次側圧力値、二次側圧力値、圧縮空気の流量及び投射量の各々について時系列データ74が生成される。したがって、パラメータ値の時系列データ74には、過去の一定期間に測定された複数のパラメータ値が含まれる。時系列データ生成部63は、生成した時系列データ72及び時系列データ74を記憶部68に保存する。
【0040】
解析部64は、アークハイト値の時系列データ72解析して、時系列データ72に含まれる複数のアークハイト値の平均値Avr及び標準偏差σを算出する。同様に、解析部64は、パラメータ値の時系列データ74を解析して、時系列データ74に含まれる複数のパラメータ値の平均値Avr及び標準偏差σを算出する。
【0041】
異変検知部65は、アークハイト値の時系列データ72及びパラメータ値の時系列データ74に基づいて、ショットピーニング装置1の異変の有無を判定する。具体的には、異変検知部65は、時系列データ72及び時系列データ74が、以下に示すアラーム条件1~8の何れ一つを満たすか否かを判定する。
【0042】
アラーム条件1:パラメータ値又はアークハイト値が、Avr+3σ以上、又は、Avr-3σ未満であること。
アラーム条件2:パラメータ値又はアークハイト値が、6点連続して増加又は減少すること。
アラーム条件3:パラメータ値又はアークハイト値が、9点連続してAvrを上回る又は下回ること。
アラーム条件4:パラメータ値又はアークハイト値が、14点連続して交互に増減すること。
アラーム条件5:パラメータ値又はアークハイト値の連続する3点のうち2点が、Avr+2σ以上の領域、又は、Avr-2σ未満の領域に含まれること。
アラーム条件6:パラメータ値又はアークハイト値の連続する5点のうち4点が、Avr+σ以上の領域、又は、Avr-σ未満の領域に含まれること。
アラーム条件7:パラメータ値又はアークハイト値が、15点連続してAvr-σ以上Avr+σ未満の領域に含まれること。
アラーム条件8:パラメータ値又はアークハイト値が、8点連続してAvr+σ以上の領域、又は、Avr-σ未満の領域に含まれること。
【0043】
以下、
図3~
図10を参照して、アラーム条件の具体例であるアラーム条件1~8について詳細に説明するが、アラーム条件は以下のアラーム条件1~8に限定されるものではない。
【0044】
図3~
図10は、アークハイト値の時系列データ72の一例を示している。
図3~
図10では、グラフ領域が領域201、領域202、領域203及び領域204に分類して表されている。領域201は、アークハイト値がAvr-σ以上Avr+σ未満の領域である。領域202は、アークハイト値がAvr-2σ以上Avr-σ未満の領域、又は、Avr+σ以上Avr+2σ未満の領域である。領域203は、アークハイト値がAvr-3σ以上Avr-2σ未満の領域、又は、Avr+2σ以上Avr+3σ未満の領域である。領域204は、アークハイト値がAvr-3σ未満、又は、Avr+3σ以上の領域である。
【0045】
<アラーム条件1>
上述のように、異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値が、Avr+3σ以上、又は、Avr-3σ未満であるときに異変が発生したと判定する。すなわち、パラメータ値又はアークハイト値が、領域204に含まれているときに、アラーム条件1が成立したと判定される。
【0046】
図3に示す例では、時刻T11の前まで±3σの区画の範囲内に収まっているアークハイト値が、時刻T11で+3σを超えて領域204に達している。よって、この例では、異変検知部65は、時刻T11のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件1が成立したと判定する。
【0047】
<アラーム条件2>
異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値が、6点連続して増加又は減少したときに異変が発生したと判定する。
図4は、アークハイト値の時系列データ72の別の一例を示している。
図4に示す例では、時刻T21から時刻T22までのアークハイト値が6点連続して増加している。この例では異変検知部65は、時刻T22のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件2が成立したと判定する。
【0048】
<アラーム条件3>
異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値が、9点連続して平均値Avrを上回った場合又は下回った場合にショットピーニング装置1に異変が発生したと判定する。
図5は、アークハイト値の時系列データ72の別の一例を示している。
図5に示す例では、時刻T31から時刻T32までのアークハイト値が9点連続してアークハイト値の平均値Avrを上回っている。よって、この例では、異変検知部65は、時刻T32のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件3が成立したと判定する。
【0049】
<アラーム条件4>
異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値が、14点連続して交互に増加及び減少したときにショットピーニング装置1に異変が発生したと判定する。
図6は、アークハイト値の時系列データ72の別の一例を示している。
図6に示す例では、時刻T41から時刻T42までのアークハイト値が14点連続して交互に増減している。よって、この例では、異変検知部65は、時刻T42のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件4が成立したと判定する。
【0050】
<アラーム条件5>
異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値の連続する3点のうち2点が、Avr+2σ以上の領域、又は、Avr-2σ未満の領域に含まれるときにショットピーニング装置1に異変が発生したと判定する。すなわち、パラメータ値又はアークハイト値の連続する3点のうち2点が領域203又は領域204に含まれているときにアラーム条件5が成立したと判定される。
図7は、アークハイト値の時系列データ72の別の一例を示している。
図7に示す例では、時刻T51,T52,T53で測定された3点のアークハイト値のうち時刻T52,T53で測定された2点のアークハイト値が、領域203に含まれている。よって、この例では、異変検知部65は、時刻T53のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件5が成立したと判定する。
【0051】
<アラーム条件6>
異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値の連続する5点のうち4点が、Avr+σ以上の領域、又は、Avr-σ未満の領域に含まれるときにショットピーニング装置1に異変が発生したと判定する。すなわち、パラメータ値又はアークハイト値の連続する5点のうち4点が領域202、領域203又は領域204に含まれているときにアラーム条件6が成立したと判定される。
図8は、アークハイト値の時系列データ72の別の一例を示している。
図8に示す例では、時刻T61,T62,T63,T64,T65で測定された5点のアークハイト値のうち時刻T61,T62,T63,T65で測定された2点のアークハイト値が、領域202又は領域203に含まれている。よって、この例では、異変検知部65は、時刻T65のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件6が成立したと判定する。
【0052】
<アラーム条件7>
異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値が、15点連続してAvr-σ以上Avr+σ未満の領域に含まれるときにショットピーニング装置1に異変が発生したと判定する。すなわち、パラメータ値又はアークハイト値の連続する15点が、領域201に含まれているときに、アラーム条件7が成立したと判定される。
図9は、アークハイト値の時系列データ72の別の一例を示している。
図9に示す例では、時刻T71から時刻T72までに測定された15点の連続するアークハイト値が、領域201に含まれている。よって、この例では、異変検知部65は、時刻T72のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件7が成立したと判定する。
【0053】
<アラーム条件8>
異変検知部65は、パラメータ値又はアークハイト値が、8点連続してAvr+σ以上の領域、又は、Avr-σ未満の領域に含まれるときにショットピーニング装置1に異変が発生したと判定する。すなわち、パラメータ値又はアークハイト値の連続する8点が、領域202、領域203又は領域204に含まれているときに、アラーム条件8が成立したと判定される。
図10は、アークハイト値の時系列データ72の別の一例を示している。
図10に示す例では、時刻T81から時刻T82までに測定された8点の連続するアークハイト値が、領域202又は領域203に含まれている。したがって、この例では、異変検知部65は、時刻T62のアークハイト値を取得したタイミングでアラーム条件8が成立したと判定する。
【0054】
なお、アークハイト値の時系列データ72がアラーム条件1~8を満たす具体例について説明したが、パラメータ値の時系列データ74がアラーム条件1~8を満たした場合にも異変検知部65は、ショットピーニング装置1に異変が発生したと判定する。
【0055】
警報部66は、異変検知部65によってショットピーニング装置1に異変が検知されたときにアラート情報を出力する。例えば、警報部66は、上述したアラーム条件1~8の何れか一つが成立したときに、ショットピーニング装置1に異変を検知したことを示すアラーム情報を出力部67に出力する。なお、警報部66は、上述したアラーム条件1~8のうち複数のアラーム条件が成立したときに、アラーム情報を出力してもよい。アラーム情報には、アラーム条件1~8のうち成立したアラーム条件を特定する情報、及び、アラーム条件が成立した日時を示す情報が含まれてもよい。
【0056】
出力部67は、アークハイト値の時系列データ72及びパラメータ値の時系列データ74を例えば無線通信によってユーザ端末100に送信する。ユーザ端末100は、ショットピーニング装置1のオペレータによって用いられる情報端末である。ユーザ端末100としては、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、スマートフォン及びタブレット端末等が挙げられる。ユーザ端末100は、時系列データ72,74を受信してこれらの時系列データを例えばグラフ形式等で視覚的に表示する。これにより、パラメータ値及びアークハイト値の時系列の推移を一目で把握することが可能となる。
【0057】
また、出力部67は、警報部66によってアラーム情報が出力された場合には、時系列データ72,74に加えてアラーム情報をユーザ端末100に送信する。ユーザ端末100は、時系列データ72,74に関連付けて、成立したアラーム条件を特定する情報、及び、当該アラーム条件が成立した日時を示す情報を表示する。これにより、ユーザ端末100を利用するオペレータにショットピーニング装置1の異変を早期に通知することができる。
【0058】
以上説明したように、上記実施形態に係る異変検知装置10では、ショットピーニングが行われた際に、アークハイト値と加工条件に関するパラメータ値とが測定される。アークハイト測定部52によって測定されるアークハイト値は、試験片52Aに実際にショットピーニングを行うことで試験片52Aに生じた歪み量であり、精度の高い実測値である。したがって、測定されたアークハイト値とパラメータ値を用いることでショットピーニング装置1の異変を高い精度で検知することができる。さらに、異変検知装置10では、アークハイト値及びパラメータ値の時系列データ72,74を用いているので、時系列データ72,74の傾向を分析することで異変の予兆が現れたときに早期に異変を検知することができる。
【0059】
次に、上述した異変検知装置10を用いてショットピーニング装置1の異変を検知する方法について説明する。
図11は、ショットピーニング装置1の異変を検知する方法を示すフローチャートである。
【0060】
この方法では、まずショットピーニング装置1からアークハイト測定部52の試験片52Aに対して投射材Sが投射される(ステップST1)。このステップST1は、処理体対象物のショットピーニングの前に試験的に実施される予行ショットピーニングである。
【0061】
次いで、予行ショットピーニングの際にアークハイト測定部52によってアークハイト値が測定される(ステップST2)。また、予行ショットピーニングの際に加工条件測定部50によってショットピーニング装置1の加工条件に関するパラメータ値が測定される(ステップST3)。次に、複数の通信装置54A~54Fが、アークハイト測定部52によって測定されたアークハイト値、及び、加工条件測定部50によって測定された各種のパラメータ値を制御装置60に送信する(ステップST4)。
【0062】
次に、制御装置60の受信部61が、アークハイト値及び各種のパラメータ値を受信し、制御装置60の保存部62が、これらのアークハイト値及び各種のパラメータ値を測定データ70として保存する(ステップST5)。次に、制御装置60の時系列データ生成部63が、アークハイト値及びパラメータ値に関する時系列データ72,74を生成する(ステップST6)。
【0063】
次に、出力部67が、アークハイト値及びパラメータ値に関する時系列データ72,74をユーザ端末100に送信する(ステップST7)。これにより、ユーザ端末100において、アークハイト値及びパラメータ値に関する時系列データ72,74が表示される。
【0064】
次に、異変検知部65が、時系列データ72,74に基づいて、アラーム条件が成立したか否かを判定する(ステップST8)。例えば、異変検知部65は、アークハイト値及びパラメータ値に関する時系列データ72,74に基づいて、上述したアラーム条件1~8の何れかが成立したか否かを判定する。アラーム条件1~8の何れかが成立した場合には、警報部66が、ショットピーニング装置1に異変が発生したことを示すアラーム情報を出力する。そして、出力部67が、そのアラーム情報をユーザ端末100に送信する(ステップST9)。このアラーム情報がユーザ端末100に表示されることにより、ショットピーニング装置1のオペレータに異変を早期に通知し、ショットピーニング装置1をメンテナンスすることができる。その結果、処理対象物を所望のピーニング強度でショットピーニングすることができる。一方、アラーム条件が成立していない場合には、処理を終了する。
【0065】
以上、種々の実施形態に係る異変検知装置及びショットピーニング装置の異変を検知する方法について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。
【0066】
例えば、上述した実施形態では、元圧値、一次側圧力値、二次側圧力値、圧縮空気の流量及び投射量を測定対象のパラメータ値として測定しているが、元圧値、一次側圧力値、二次側圧力値、圧縮空気の流量及び投射量の少なくとも何れか一つをパラメータ値として測定すればよい。また、その他の加工条件に関するパラメータ値を測定してもよい。また、上述した種々の実施形態は、矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…ショットピーニング装置、10…異変検知装置、18…コンプレッサ、20…ノズル、22…配管、32…空気圧力調整弁、50…加工条件測定部、52…アークハイト測定部、52A…試験片、54…送信部、60…制御装置、61…受信部、62…保存部、65…異変検知部、66…警報部、67…出力部、72,74…時系列データ、100…ユーザ端末。