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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】電動ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
F04C15/00 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021088144
(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公開番号】P2022181280
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博史
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/011155(WO,A1)
【文献】特開2013-072494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0112767(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 15/00
F04C 11/00
F04C 2/10
F16H 1/28
H02K 7/116
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸芯を中心とする円環状領域に配置された界磁コイル、及び、前記駆動軸芯を中心に回転自在に支持され前記界磁コイルの磁界の作用によって回転するモータロータを有する電動モータと、
前記モータロータの回転を変速して駆動軸に伝える変速部と、
前記駆動軸の駆動力で駆動されるポンプ部と、
前記電動モータ、前記変速部、前記駆動軸、前記ポンプ部の夫々を収容するハウジングとを備えると共に、
前記モータロータが、前記駆動軸芯を中心とする筒状のヨークの外周側に永久磁石を備えており、前記変速部が、前記ヨークの内部空間に収容されており、
前記ハウジングが、前記駆動軸を貫通状態で支持するように前記ハウジングの内部で前記変速部の方向に突出する突出部を有しており、
前記モータロータを回転自在に支持する軸受が、前記突出部に接触状態で支持されている電動ポンプ。
【請求項2】
前記変速部が、サンギヤと、前記サンギヤを取り囲む領域に配置されたリングギヤと、前記サンギヤおよび前記リングギヤに咬合する複数のプラネタリギヤとを備えることにより、前記モータロータから伝えられる駆動力を変速して前記駆動軸に伝える遊星ギヤ型に構成されている請求項に記載の電動ポンプ。
【請求項3】
前記変速部が、前記駆動軸芯を中心に前記モータロータと一体的に回転するように前記ヨークの前記内部空間に備えた出力ギヤと、前記出力ギヤと噛み合うように前記内部空間に備えた入力ギヤとを有し、
前記入力ギヤの回転力を前記駆動軸から前記ポンプ部に伝える請求項に記載の電動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータの駆動力をギヤ式の減速機構によってポンプ部に伝える電動ポンプとして、特許文献1あるいは特許文献2に記載されるものがある。
【0003】
特許文献1の電動ポンプ(文献ではポンプユニット)は、電動モータと、電動モータの駆動力が伝えられるポンプ駆動軸と、ポンプ駆動軸からの力が伝えられるポンプとをユニットハウジングに収容している。
【0004】
この特許文献1の電動ポンプでは、ポンプがインナギヤ(ポンプロータ)とアウタギヤとを有する内接歯車ポンプとして構成され、インナギヤの内部に遊星歯車式減速機で成る変速装置を内蔵し、ポンプ駆動軸からの駆動力を減速してインナロータに伝えるように構成されている。
【0005】
特許文献2の電動ポンプ(文献では2系統駆動型ポンプ)では、エンジン等の駆動力と電動モータの駆動力とが伝えられる遊星歯車機構をハウジングに収容すると共に、この遊星歯車機構からの駆動力をポンプ機構に伝える駆動系をハウジングに収容している。
【0006】
この特許文献2の電動ポンプでは、エンジンが駆動する状態では、遊星歯車機構のキャリアを静止させるように電動モータに通電し、エンジンの駆動力でリングギヤを回転させてポンプを駆動している。また、エンジンが停止する状態では、リングギヤが静止しているので、電動モータを駆動することで、電動モータの駆動力を遊星歯車機構のピニオンからサンギヤに駆動力を伝えてポンプを駆動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-189012号公報
【文献】特開2019-100320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、車両において作動油を供給するための電動ポンプを考えると、低温環境のように作動油の粘性が高い状態にある場合には、高いトルクで電動ポンプを駆動することが必要となる。このような理由から、電動モータの駆動力を減速してポンプに伝える減速ギヤが必要とされる。
【0009】
このような課題に対し、特許文献1に記載される電動ポンプのようにポンプロータに遊星歯車式減速機を収容するものでは、電動モータの駆動力を減速してポンプロータに伝えることが可能となる。その反面、遊星歯車式減速機をインナギヤに収容する構成であるため、ポンプロータが大型化し、ロータの外径を拡大させるだけでなく、ポンプロータと遊星歯車式減速機との間にクリアランスを必要とすることから荷重変動等によりロータの噛み合いが変動しやすく、脈動や作動音の増加を招くことも懸念された。
【0010】
また、特許文献2に記載される電動ポンプのように、遊星歯車機構に2系統の駆動力を伝える構成では、減速した駆動力でポンプに伝えることが可能である。しかしながら、エンジンが停止する状態で電動モータを駆動した場合にポンプを高速回転させ、ポンプの効率を低下させ、騒音を増大させることも想像できた。
【0011】
この特許文献2に記載される電動ポンプでは、遊星歯車機構を用いるため、エンジンと電動モータとの夫々の駆動力で同時にポンプを駆動することが可能であるものの、エンジンの駆動力でポンプを駆動する場合には、キャリアの回転を停止させるためだけに電動モータに電流を供給する必要があり、電流を無駄に消費するものであった。
【0012】
このような理由から、大型化を招くことなく電動モータの駆動力を変速してポンプ部に伝える電動ポンプが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る電動ポンプの特徴構成は、駆動軸芯を中心とする円環状領域に配置された界磁コイル、及び、前記駆動軸芯を中心に回転自在に支持され前記界磁コイルの磁界の作用によって回転するモータロータを有する電動モータと、前記モータロータの回転を変速して駆動軸に伝える変速部と、前記駆動軸の駆動力で駆動されるポンプ部と、前記電動モータ、前記変速部、前記駆動軸、前記ポンプ部の夫々を収容するハウジングとを備えると共に、前記モータロータが、前記駆動軸芯を中心とする筒状のヨークの外周側に永久磁石を備えており、前記変速部が、前記ヨークの内部空間に収容されており、前記ハウジングが、前記駆動軸を貫通状態で支持するように前記ハウジングの内部で前記変速部の方向に突出する突出部を有しており、前記モータロータを回転自在に支持する軸受が、前記突出部に接触状態で支持されている点にある。
【0014】
この特徴構成によると、ポンプ部を駆動する場合には、界磁コイルに電流を供給してモータロータを回転させることにより、このモータロータの回転力が変速部で変速された状態で駆動軸を介してポンプ部に伝えられ、ポンプ部が駆動される。また、モータロータを構成するヨークの内部に変速部が配置されるため、例えば、ハウジングの内部に変速部を配置するための空間を形成することなく、電動モータの内部空間を有効に利用して変速部を配置することが可能となる。また、この特徴構成では特許文献1のようにポンプ部を大型化させることがない。
従って、大型化を招くことなく電動モータの駆動力を変速してポンプ部に伝える電動ポンプが構成された。
【0015】
【0016】
また、これによると、軸受として、例えば、ボールベアリングやローラベアリングを用い、この軸受のインナレースを、ハウジングの突出部に外嵌する等の状態で支持するだけで、モータロータを安定的に回転できる状態で支持できる。
【0017】
上記構成に加えた構成として、前記変速部が、サンギヤと、前記サンギヤを取り囲む領域に配置されたリングギヤと、前記サンギヤおよび前記リングギヤに咬合する複数のプラネタリギヤとを備えることにより、前記モータロータから伝えられる駆動力を変速して前記駆動軸に伝える遊星ギヤ型に構成されても良い。
【0018】
これによると、変速部が遊星ギヤ型に構成されることにより、大型化を抑制しつつ大きい変速比での変速を可能にする。
【0019】
上記構成に加えた構成として、前記変速部が、サンギヤと、前記サンギヤを取り囲む領域に配置されたリングギヤと、前記サンギヤおよび前記リングギヤに咬合する複数のプラネタリギヤと、複数の前記プラネタリギヤを支持するキャリアとを備えることにより、前記モータロータから伝えられる駆動力を変速して前記駆動軸に伝える遊星ギヤ型に構成されており、前記ポンプ部が、第1インナロータおよび当該第1インナロータと連動して回転する第1アウタロータを有する内接歯車型の第1ポンプ機構と、第2インナロータおよび当該第2インナロータと連動して回転する内接歯車型の第2アウタロータを有する第2ポンプ機構とを有し、前記駆動軸が、一端側が前記第1インナロータに連結し他端側が前記キャリアに連結する第1駆動軸と、一端側が前記第2インナロータに連結し他端側が前記リングギヤに連結し、かつ、前記第1駆動軸に対し相対回転自在に外嵌する筒状の第2駆動軸とを有し、前記第1ポンプ機構と前記第2ポンプ機構との一方の作動を停止させることで他方の作動を可能にするポンプ切換部を備えても良い。
【0020】
これによると、電動モータを駆動する状態において、ポンプ切換部によって、例えば、第1ポンプ機構の作動を停止させた場合には、この第1ポンプ機構の第1インナロータと第1駆動軸に連結するキャリアの回転を止めるため、リングギヤの回転力が第2駆動軸を介して第2インナロータに伝えられ、第2ポンプ機構での流体の吐出が可能となる。これに対して、第2ポンプ機構の作動を停止させた場合には、この第2ポンプ機構の第2インナロータと第2駆動軸を介して連結するリングギヤの回転を止めるため、キャリアの回転力が第1駆動軸を介して第1インナロータに伝えられ、第1ポンプ機構での流体の吐出が可能となる。また、この構成では、第1ポンプ機構と第2ポンプ機構とを切換える際に、特許文献2のように無駄に電流を消費することもない。
【0021】
つまり、遊星ギヤ型の変速部では、キャリアを拘束した状態でリングギヤの回転力を取り出す駆動モードと、リングギヤを拘束してキャリアの回転力を取り出す駆動モードとで変速比が異なるため、一方の駆動モードを選択することにより、第1ポンプ機構と第2ポンプ機構とを異なる変速比で駆動することが可能となる。
【0022】
上記構成に加えた構成として、前記ポンプ切換部が、前記第1ポンプ機構の第1吐出部と、前記第2ポンプ機構の第2吐出部との一方を選択して作動油の吐出を制限する流路選択弁を備えても良い。
【0023】
これによると、第1ポンプ機構の吐出ポートと、第2ポンプ機構の吐出ポートとの一方を流路選択弁で閉塞することにより、第1ポンプ機構と第2ポンプ機構との一方だけを駆動して流体を吐出させることが可能となる。
【0024】
上記構成に加えた構成として、前記変速部が、前記駆動軸芯を中心に前記モータロータと一体的に回転するように前記ヨークの前記内部空間に備えた出力ギヤと、前記出力ギヤと噛み合うように前記内部空間に備えた入力ギヤとを有し、前記入力ギヤの回転力を前記駆動軸から前記ポンプ部に伝えても良い。
【0025】
これによると、電動モータを駆動した場合には、出力ギヤの回転力を、この出力軸に咬合する入力ギヤに伝え、この出力ギヤの回転力を駆動軸からポンプ部に伝え、ポンプ部を駆動することが可能となる。特に、この構成では、出力ギヤと入力ギヤとがモータロータの内部空間に配置されるため、電動ポンプ全体の大型化を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1ポンプ部が駆動される状態の電動ポンプの断面図である。
図2】第2ポンプ部が駆動される状態の電動ポンプの断面図である。
図3】電動ポンプの油圧回路図である。
図4】別実施形態(a)の電動ポンプの断面図である。
図5】別実施形態(b)の電動ポンプの断面図である。
図6】別実施形態(c)の電動ポンプの断面図である。
図7】別実施形態(d)の電動ポンプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1図2に示すように、ブラシレス型の電動モータMと、遊星ギヤ型の変速部Gと、この変速部Gで減速(変速の一例)された回転力が伝えられる駆動軸Sと、内接歯車型のポンプ部PとをハウジングHに収容すると共に、電動モータMを制御する制御ユニットCをハウジングHに備えて電動ポンプAが構成されている。
【0028】
電動ポンプAは任意の姿勢で用いることが可能であるが、図1図2に示すように上下方向を決めた状態で各部の位置関係を説明する。
【0029】
図1図2には、乗用車等の車両において作動油を送り出すオイルポンプとして用いられる電動ポンプAを示している。この電動ポンプAは、電動モータMの駆動力を変速部Gで減速(変速の一例)し、駆動軸Sを介してポンプ部Pに伝えることにより、ハウジングHの端部に形成した吸入ポート6Pから吸入した作動油を、吐出ポート7Pから送り出す。
【0030】
この電動ポンプAは、電動モータMのモータロータ16が駆動軸芯Xを中心に回転自在に構成されている。電動ポンプAは、ポンプ部Pからの作動油の吐出量を2種類に切換えられるように構成されており、電動ポンプAの駆動軸Sは、駆動軸芯Xと同軸芯に配置された筒状の第1駆動軸Saと、この第1駆動軸Saに対して相対回転自在に内嵌する第2駆動軸Sbとを有している。また、ポンプ部Pが、第1駆動軸Saの駆動力で駆動される第1ポンプ機構Paと、第2駆動軸Sbの駆動力で駆動される第2ポンプ機構Pbとを有している。
【0031】
図1図3に示すように、第1ポンプ機構Paは、第1ポンプ機構Paの第1アウタロータ32の直径が、第2ポンプ機構Pbの第2アウタロータ34の直径より小さく設定されることにより、第1ポンプ機構Paの容量が第2ポンプ機構Pbの容量より小さいものが用いられている。
【0032】
特に、この電動ポンプAは、第1ポンプ機構Paと第2ポンプ機構Pbとの一方の作動を停止させることで他方を作動させ、他方に対して変速部Gからの駆動力を伝え、異なる変速比で第1駆動軸Saと第2駆動軸Sbとを駆動できるように構成されている。これらの構成を以下に詳述する。
【0033】
〔ハウジング〕
図1図2に示すように、ハウジングHは、電動モータMを収容する樹脂製の第1ハウジング1と、第1ポンプ機構Paを収容する金属製の第2ハウジング2と、第2ポンプ機構Pbを収容する金属製の第3ハウジング3と、底部に配置される金属製の第4ハウジング4と、制御ユニットCを覆うように第1ハウジング1の上側に配置される蓋状の第5ハウジング5とを積層して構成されている。
【0034】
第1ハウジング1は、電動モータMと、変速部Gとを収容すると共に、電磁切換弁V(ポンプ切換部Tの一例)を収容している。この第1ハウジング1は、金型による成形時に電動モータMの界磁コイル15と電磁切換弁Vとをインサートしている。尚、界磁コイル15は、積層された電磁鋼板で成るステータコアの複数のティース部にコイル素線を巻回した構造を有し、駆動軸芯Xを中心とする円環状の領域に配置されている。
【0035】
第2ハウジング2は、第1ポンプ機構Paを収容すると共に、駆動軸芯Xに沿う方向で上側のハウジング内空間に突出する突出部2aを形成しており、この突出部2aに対し、駆動軸芯Xと同軸芯で駆動軸Sが貫通するシャフト支持孔が形成されている。これにより、駆動軸Sの第1駆動軸Saは、シャフト支持孔に対して回転自在に支持される。
【0036】
第3ハウジング3は、第2ポンプ機構Pbを収容している。第4ハウジング4は、内部に吸入路6と、吐出路7とが形成されると共に、底面に吸入路6に連なる吸入ポート6Pと、吐出路7に連なる吐出ポート7Pとが形成されている。また、この第4ハウジング4は内部に、流路選択弁8(ポンプ切換部Tの一例)を備えている。
【0037】
第5ハウジング5は、第1ハウジング1の上部に形成された上側に開放する凹部を覆う位置に配置されている。この第5ハウジング5で覆われる空間に備えた制御基板9によって制御ユニットCが構成されている。この制御ユニットCは、電動モータM、及び、電磁切換弁Vを制御する。
【0038】
つまり、制御ユニットCは、電動モータMの界磁コイル15に供給する電力制御部と、モータロータ16の回転速度(単位時間あたりの回転数)を制御する回転制御部と、電磁切換弁Vを制御する弁制御部とを備えている。
【0039】
〔電動モータ/変速部〕
電動モータMは、駆動軸芯Xを中心とする円環状領域に配置された界磁コイル15と、界磁コイル15から作用する磁界により駆動軸芯Xを中心に回転するモータロータ16とを備えている。モータロータ16は鉄材等の磁性体で構成される筒状のヨーク16aの外周に複数の永久磁石16bを備えており、このヨーク16aの下端が、第2ハウジング2の内部の突出部2aの外周に対しローラベアリング型の軸受17を介して駆動軸芯Xを中心に回転自在に支持されている。
【0040】
変速部Gは、モータロータ16の上端に固設したロータプレート18の下面に対し、駆動軸芯Xと同軸芯で下方に突設されたサンギヤ21と、駆動軸芯Xを中心とする円環状の領域に内歯部を形成したリングギヤ22と、サンギヤ21およびリングギヤ22に咬合する複数のプラネタリギヤ23と、複数のプラネタリギヤ23の支軸24を支持する上下一対のキャリア25とを備えている。
【0041】
特に、変速部Gを構成するサンギヤ21と、リングギヤ22と、複数のプラネタリギヤ23と、一対のキャリア25とが、モータロータ16の内部空間(ヨーク16aの内部の空間)に収容されている。
【0042】
〔ポンプ部〕
前述したようにポンプ部Pは、第1ポンプ機構Paと第2ポンプ機構Pbとを備えている。図3に示すように、第1ポンプ機構Paは、複数の外歯を有する第1インナロータ31と、第1インナロータ31の外歯の歯数より1歯だけ多い歯数の内歯を有する第1アウタロータ32とを備えている。第2ポンプ機構Pbは、複数の外歯を有する第2インナロータ33と、第2インナロータ33の外歯の歯数より1歯だけ多い歯数の内歯を有する第2アウタロータ34とを備えている。
【0043】
ポンプ部P(第1ポンプ機構Paと第2ポンプ機構Pbとの上位概念)は、インナロータ(第1インナロータ31、第2インナロータ33)と、アウタロータ(第1アウタロータ32、第2アウタロータ34)との回転に伴い、内歯と外歯との間の空間が拡大する領域に負圧が作用し、回転に伴い内歯と外歯との間の空間が縮小する領域に正圧が作用する。このため負圧が作用する領域に吸入路6に連通し、正圧が作用する領域に吐出路7が連通している。
【0044】
特に、吐出路7のうち、第1ポンプ機構Paの第1吐出部と吐出ポート7Pとの中間に流路選択弁8を配置しており、吐出路7のうち、第1吐出部と流路選択弁8との中間領域を第1吐出路7aと称する。また、吐出路7のうち、第2ポンプ機構Pbの第2吐出部と吐出ポート7Pとの中間に流路選択弁8を配置しており、第2吐出部と流路選択弁8との中間領域を第2吐出路7bと称する。
【0045】
尚、第1吐出部は、第1ポンプ機構Paにおいて、作動に伴い作動油が吐出される部位であり、第2吐出部は、第2ポンプ機構Pbにおいて、作動に伴い作動油が吐出される部位である。
【0046】
〔駆動構造/ポンプ切換作動〕
図1図2に示すように、駆動軸Sの第1駆動軸Saの一方の端部(上端)が、リングギヤ22と一体的に回転するエンドプレート26に連結し、この第1駆動軸Saの他方の端部(下端)が第1ポンプ機構Paの第1インナロータ31に連結している。
【0047】
また、駆動軸Sのうち第2駆動軸Sbの一方の端部(上端)が、一対のキャリア25のうち下側のキャリア25に連結し、この第2駆動軸Sbの他方の端部(下端)が第2ポンプ機構Pbの第2インナロータ33に連結している。
【0048】
遊星ギヤ型の変速部Gは、サンギヤ21が回転する状態でキャリア25の回転を停止させることでリングギヤ22が回転し、サンギヤ21が回転する状態でリングギヤ22の回転を停止させることでキャリア25が回転する性質を有している。
【0049】
このような性質を利用することにより、電動ポンプAでは、キャリア25の回転を停止させてリングギヤ22から駆動力を取り出し、リングギヤ22の回転を停止させることでキャリア25から駆動力を取り出すポンプ切換部Tを備えている。
【0050】
ポンプ切換部Tは、電磁切換弁Vと流路選択弁8とを備えている。図1図2に示すように、第4ハウジング4に形成されたスプール孔に対して移動自在に収容されるスプールを有しており、このスプールは、長手方向の両端部にランド部8aを形成している。また、スプール孔のうち、この流路選択弁8の一方の端部に圧力を作用させる圧縮コイル型のスプリング10が収容され、この流路選択弁8の他方の端部に作動油の圧力を作用させることが可能な圧力室11が形成されている。
【0051】
更に、流路選択弁8はスプールの作動により、第1ポンプ機構Paから作動油が送り出される第1吐出路7aと、第2ポンプ機構Pbから作動油が送り出される第2吐出路7bとの一方を選択的に閉塞し、他方からの潤滑油を吐出ポート7Pから送り出す制御を可能にする。また、第2吐出路7bは、作動油の逆流を阻止するためボールの作動で開閉作動を行うチェック弁12を備えている。
【0052】
流路選択弁8は、図1に示す第1選択ポジションと、図2に示す第2選択ポジションとに切換自在に構成されている。第1選択ポジションでは、一方のランド部8aが第2吐出路7bを閉塞し、第1吐出路7aを吐出ポート7Pに連通させる。これとは逆に、第2選択ポジションでは、他方のランド部8aが第1吐出路7aを閉塞し、第2吐出路7bを吐出ポート7Pに連通させる。
【0053】
電磁切換弁Vは、吐出ポート7Pからの作動油が供給される第1制御流路13aと、圧力室11に連通する第2制御流路13bとにおける作動油の流れを制御する。この電磁切換弁Vは、電磁ソレノイドに通電しない状態で、第2制御流路13bに作動油を供給することがなく、圧力室11の圧力を低下させる。その結果、スプリング10の付勢力により、流路選択弁8が図1に示す第1選択ポジションに設定される。
【0054】
これに対し、電磁ソレノイドに通電することにより、第1制御流路13aからの作動油を第2制御流路13bに供給し、圧力室11に吐出ポート7Pからの圧力を作用させる。
その結果、スプリング10の付勢力に抗して流路選択弁8が図2に示す第2選択ポジションに設定される。
【0055】
尚、電磁切換弁Vの電磁ソレノイドに対する通電した場合に、圧力室11の圧力を低下させ、電磁ソレノイドの通電しない場合に圧力室11の圧力上昇を図るようにポンプ切換部Tを構成しても良い。
【0056】
図面には示していないが、制御ユニットCは、作動油の油温を検出する油温センサ(図示せず)の検出し、検出された油温が、設定値未満である場合に制御ユニットCが電磁切換弁Vを制御して流路選択弁8を第1選択ポジションに設定し、検出された油温が、設定値を超えた場合に流路選択弁8を第2選択ポジションに設定する。
【0057】
つまり、作動油の油温が設定値未満である場合には、制御ユニットCが電動モータMを駆動回転し、電磁切換弁Vの電磁ソレノイドに通電しない制御を行うことにより、圧力室11の圧力が低下し、スプリング10の付勢力で流路選択弁8が図1に示す第1選択ポジションに設定される。
【0058】
これにより、第1選択ポジションでは、第2ポンプ機構Pbの作動油の吐出が不能となるため、第2インナロータ33の回転が阻止される。このため変速部Gは、キャリア25が固定される状態に維持され、リングギヤ22が回転することからリングギヤ22の回転力が第1駆動軸Saから第1ポンプ機構Paに伝えられ、結果として、第1ポンプ機構Paが駆動され、第1吐出路7aに作動油が送り出される。また、このように作動油が第1吐出路7aに供給される場合には、図1に示すように作動油の圧力によりチェック弁12が開放する。
【0059】
これに対し、作動油の油温が設定値を超える場合には、制御ユニットCの制御が電動モータMを駆動回転し、電磁切換弁Vの電磁ソレノイドに通電する制御を行うことにより、圧力室11の圧力が上昇しスプリング10の付勢力に抗して流路選択弁8が図2に示す第2選択ポジションに設定される。
【0060】
これにより、第1ポンプ機構Paの作動油の吐出が不能となるため、第1インナロータ31の回転が阻止される。このため変速部Gは、リングギヤ22が固定される状態に維持され、キャリア25が回転することからキャリア25の回転力が第2駆動軸Sbから第2ポンプ機構Pbに伝えられ、結果として、第2ポンプ機構Pbが駆動され、第2吐出路7bに作動油が送り出される。また、このように第2吐出路7bに作動油が送り出される場合には、第1吐出路7aの圧力が低下するため、図2に示すようにチェック弁12が閉塞し、例えば、流路選択弁8からリークする作動油が第1吐出路7aの方向に流れようとする場合でもチェック弁12が流れを阻止する。
【0061】
〔実施形態の作用効果〕
このように、変速部Gが、電動モータMのモータロータ16の内部に収容されているため、電動ポンプAの大型化を招くことなく電動モータMの駆動力を減速してポンプ部Pに伝えることが可能となる。また、変速部Gが遊星ギヤ型に構成されるため、変速部Gの電動ポンプAの全体の大型化を招くこともない。
【0062】
この電動ポンプAは、電動モータMのモータロータ16を構成するヨーク16aが、ポンプ部Pの方向に開放する筒状部分を有し、この筒状部分が軸受17によって突出部2aに支持されるため、モータロータ16の安定的な回転を実現している。
【0063】
また、第2ポンプ機構Pbの第2アウタロータ34の直径が、第1ポンプ機構Paの第1アウタロータ32の直径と比較して大きいため、回転時に作用する摩擦力が、第1ポンプ機構Paに作用する摩擦力より大きい。
【0064】
油温センサで検出された作動油の油温が設定値未満にある場合には、作動油の粘性が高い状態にある。このような理由から作動油の温度が設定値未満である場合には、制御ユニットCが、ポンプ切換部Tを制御し、第1ポンプ機構Paを駆動させることにより、第2ポンプ機構Pbを駆動するために必要な電流より少ない電流で電動モータMを駆動させて作動油の供給を可能にする。
【0065】
これに対し、作動油の油温が設定値を超えている場合は、作動油の粘性が低い状態(高温における粘性より低い状態)にある。このような理由から作動油の温度が設定値を超える場合には、制御ユニットCが、ポンプ切換部Tを制御し、第2ポンプ機構Pbを駆動させることにより、大電流を供給することなく第2ポンプ機構Pbを駆動して作動油の供給を可能にしている。
【0066】
特に、第2ポンプ機構Pbを駆動する際には、この第2ポンプ機構Pbを最も高い効率となる回転速度(単位時間あたりの回転数)で駆動し、且つ、電動モータMを最も高い効率となる回転速度で駆動し、最高の効率で作動油の供給を実現している。
【0067】
つまり、ポンプ部Pが最も効率良く作動油を供給する回転速度は、電動モータMが最も効率良く回転する場合の回転数と異なっている。この理由から、電動ポンプAは、車両に必要とする設定流量の作動油を供給する場合に、第2ポンプ機構Pbを最も高い効率となる回転速度(単位時間あたりの回転数)で駆動すると共に、電動モータMを最も高い効率となる回転速度で駆動するように、変速部Gでの変速比(第2駆動軸Sbを介して伝えられる変速比)が設定されている。
【0068】
このように回転速度を設定することにより、例えば、電動モータMの回転を変速せずに伝達してポンプ部Pを高速回転させる構成と比較して、静粛性を高めた駆動が可能となり、効率的に電動モータMを駆動するため電流を無駄に消費することもない。また、電磁切換弁Vの電磁ソレノイドに通電しない状況において第1ポンプ機構Paを駆動するため、例えば、車両のエンジンを始動する際のように車両において多くの電流を必要とする状況において電磁ソレノイドに電流を供給する必要がない。
【0069】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
【0070】
電動ポンプAを、別実施形態(a)~(d)のように構成する。この別実施形態(a)~(d)の構成を、夫々に対応して図4図7に示しており、何れの別実施形態でも電動モータMの構成が実施形態の電動モータMの構成と共通し、電動モータMのモータロータ16の内部空間(ヨーク16aの内部の空間)に変速部Gを収容した構成が実施形態と共通するものの、ポンプ部Pが、単一の内接歯車型のものを備え、変速部Gの構成が実施形態と異なる。
【0071】
別実施形態(a)~(d)では、ポンプ部Pが第3ハウジング3を上下方向に貫通する孔状部に収容され、第2ハウジング2の下面と第4ハウジング4とに上下方向から挟み込まれる位置に配置されている。また、第4ハウジング4の下面に吸入ポート6Pと、吐出ポート7Pとが形成されている。
【0072】
尚、電動ポンプAは任意の姿勢で用いることが可能であるが、これらの別実施形態においても、図4図7に示すように上下方向を決めた状態で各部の位置関係を説明する。
【0073】
(a)図4に示すように、電動ポンプAが、モータロータ16の筒状のヨーク16aの内部空間に遊星ギヤ型の変速部Gを収容している。変速部Gは、実施形態と同様に、サンギヤ21と、リングギヤ22と、プラネタリギヤ23と、支軸24に支持される一対のキャリア25とを備えている。電動モータMは、そのヨーク16aの下端が軸受17によりハウジングHの突出部2aに回転自在に支持されている。
【0074】
更に、変速部Gのリングギヤ22の下端がハウジングHの突出部2aに外嵌状態で固定され、変速部Gの一対のキャリア25のうち下側のものが駆動軸Sに連結し、この駆動軸Sがポンプ部Pのインナロータに連結している。
【0075】
この別実施形態(a)の電動ポンプAは、電動モータMの駆動力を変速部Gで減速して駆動軸Sに伝え、この駆動軸Sの駆動力をポンプ部Pに伝える。これによりポンプ部Pは、吸入ポート6Pから作動油を吸入し、この作動油を吐出ポート7Pから送り出す。
【0076】
この別実施形態(a)の電動ポンプAは、遊星ギヤを用いることで変速部Gの小型化を実現しており、小型化した変速部Gを、モータロータ16の内部空間に収容することで電動ポンプAの全体の小型化を実現している。
【0077】
また、この別実施形態(a)の電動ポンプAは、車両に必要とする設定流量の作動油を供給する場合に、ポンプ部Pを最も高い効率となる回転速度で駆動すると同時に、電動モータMを最も高い効率となる回転速度で駆動するように、変速部Gの変速比が設定されている。この変速比の設定により、電動ポンプAの作動時におけるエネルギーの無駄な消費を抑制している。
【0078】
(b)図5に示すように、電動ポンプAが、モータロータ16の筒状のヨーク16aの内部空間に遊星ギヤ型の変速部Gを収容している。変速部Gは、ヨーク16aと一体的に回転するリングギヤ22をヨーク16aの内周に備え、駆動軸Sの上端にサンギヤ21を備え、リングギヤ22およびサンギヤ21に咬合する複数のプラネタリギヤ23を備えている。電動モータMは、そのヨーク16aの下端が軸受17によりハウジングHの突出部2aに回転自在に支持されている。
【0079】
更に、この変速部Gの複数のプラネタリギヤ23の支軸24を第2ハウジング2の突出部2aに支持することにより、この変速部Gが増速(変速の一例)型に構成されている。
この変速部Gは、キャリア25を固定した遊星型と見做すことが可能である。
【0080】
この別実施形態(b)の電動ポンプAは、電動モータMの駆動力でリングギヤ22を回転させ、この回転を複数のプラネタリギヤ23を介してサンギヤ21から駆動軸Sに伝えこの駆動軸Sの駆動力をポンプ部Pに伝える。尚、この別実施形態(b)の変速部Gは、増速型であり、結果として電動モータMの回転速度(単位時間あたりの回転数)より高速でポンプ部Pを駆動する。
【0081】
(c)図6に示すように、電動ポンプAが、モータロータ16の筒状のヨーク16aが駆動軸芯Xを中心に回転自在に配置され、このヨーク16aの下端が軸受17によりハウジングHの突出部2aに回転自在に支持されている。変速部Gは、ヨーク16aの内部空間に変速部Gが収容されている。
【0082】
この別実施形態(c)の電動ポンプAは、変速部Gが、モータロータ16の上端に固設したロータプレート18と一体的に回転するピニオンギヤ41(出力ギヤの一例)を、下側に突出する姿勢で備えている。また、変速部Gは、ピニオンギヤ41に咬合する内歯を形成した円筒状ギヤ42(入力ギヤの一例)を駆動軸Sの上端に備え、この駆動軸Sの駆動力をポンプ部Pに伝える。
【0083】
変速部Gは、ピニオンギヤ41の歯数より、円筒状ギヤ42の歯数が多い減速型に構成されている。駆動軸Sは、駆動軸芯Xと平行する従動軸芯Yを中心に回転自在にハウジングHの突出部2aに回転自在に支持されている。従って、電動モータMの駆動力を変速部Gで減速(変速)し、駆動軸Sからポンプ部Pに伝えることでポンプ部Pを駆動し、吸入ポート6Pから吸入した作動油を、吐出ポート7Pから送り出す。
【0084】
この別実施形態(c)では、モータロータ16の内部空間に変速部Gを収容することで電動ポンプAの小型化を実現している。また、この別実施形態(c)の電動ポンプAは、車両に必要とする設定流量の作動油を供給する場合に、ポンプ部Pを最も高い効率となる回転速度で駆動すると同時に、電動モータMを最も高い効率となる回転速度で駆動するように、変速部Gの変速比が設定されている。この変速比の設定により、電動ポンプAの作動時におけるエネルギーの無駄な消費を低減している。
【0085】
(d)図7に示すように、電動ポンプAが、モータロータ16の筒状のヨーク16aが駆動軸芯Xを中心に回転自在に配置され、このヨーク16aの下端が軸受17によりハウジングHの突出部2aに回転自在に支持されている。変速部Gは、ヨーク16aの内部空間に変速部Gが収容されている。
【0086】
この別実施形態(d)の電動ポンプAは、変速部Gが、モータロータ16のヨーク16aの内周に形成された内歯型の内歯型駆動ギヤ部44と、この内歯型駆動ギヤ部44に咬合する外歯型の従動ギヤ45とで構成されている。従動ギヤ45は、駆動軸Sの上端に備えられ、この駆動軸Sからの駆動力がポンプ部Pのインナロータに伝えられる。
【0087】
変速部Gは、従動ギヤ45の歯数より、内歯型駆動ギヤ部44の歯数が多い増速型に構成されている。駆動軸Sは、駆動軸芯Xと平行する従動軸芯Yを中心に回転自在にハウジングHの突出部2aに回転自在に支持されている。従って、電動モータMの駆動力を変速部Gで増速(変速)し、駆動軸Sからポンプ部Pに伝えることでポンプ部Pを駆動し、吸入ポート6Pから吸入した作動油を、吐出ポート7Pから送り出す。
【0088】
この別実施形態(d)では、モータロータ16の内部空間に変速部Gを収容することで電動ポンプAの小型化を実現している。また、この別実施形態(d)の電動ポンプAの変速部Gは、増速型であり、結果として電動モータMの回転速度(単位時間あたりの回転数)より高速でポンプ部Pを駆動する。
【0089】
(e)変速部Gは、実施形態や別実施形態に示した減速構造に限るものではなく、複数のギヤを用いて変速するものであっても良い。このような構成の変速部Gであっても、モータロータ16の内部空間に収容することで電動ポンプAの小型化が実現する。
【0090】
(f)実施形態のように2つのポンプ機構を用い、2つのポンプ機構の作動と停止とを選択するポンプ切換部Tとして、電磁切換弁Vを備えずに実施形態の流路選択弁8を電磁ソレノイドで作動する電磁作動型に構成する。このように構成することにより、部品点数を少なくして小型化も可能にする。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、電動ポンプに利用することができる。
【符号の説明】
【0092】
2a 突出部
6P 吸引ポート
7P 吐出ポート
8 流路選択弁(ポンプ切換部)
15 界磁コイル
16 モータロータ
16a ヨーク
16b 永久磁石
17 軸受
21 サンギヤ
22 リングギヤ
23 プラネタリギヤ
25 キャリア
31 第1インナロータ
32 第1アウタロータ
33 第2インナロータ
34 第2アウタロータ
41 ピニオンギヤ(出力ギヤ)
42 円筒状ギヤ(入力ギヤ)
G 変速部
H ハウジング
M 電動モータ
P ポンプ部
Pa 第1ポンプ機構
Pb 第2ポンプ機構
S 駆動軸
Sa 第1駆動軸
Sb 第2駆動軸
T ポンプ切換部
V 電磁切換弁(ポンプ切換部)
X 駆動軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7