(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B65H 23/188 20060101AFI20250128BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B65H23/188
B41J11/42
(21)【出願番号】P 2021092334
(22)【出願日】2021-06-01
【審査請求日】2024-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川尻 將洋
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-133360(JP,A)
【文献】特開2019-55877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 23/188
B41J 11/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を搬送する媒体搬送機構と、
前記媒体搬送機構によって搬送される前記印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
前記媒体搬送機構に向けて前記印刷媒体を供給する媒体供給機構と、
前記印刷媒体の搬送路において前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間に位置し、前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間の前記印刷媒体の長さの変動に追従して移動する移動部材と、
前記移動部材の移動量が第1閾値以上になったか否かを検出する第1検出器と、
前記移動部材の移動量が前記第1閾値より大きい第2閾値以上になったか否かを検出する第2検出器と、
前記第1検出器の検出結果又は前記第2検出器の検出結果に基づいて、前記媒体供給機構の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記媒体搬送機構は、駆動モードとして、第1搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第1モードと、前記第1搬送速度より遅い第2搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第2モードとを有し、
前記制御部は、
前記媒体搬送機構が前記第1モードで駆動している場合、前記第1検出器の検出結果に基づいて前記媒体供給機構の駆動を制御し、
前記媒体搬送機構が前記第2モードで駆動している場合、前記第2検出器の検出結果に基づいて前記媒体供給機構の駆動を制御する、
印刷装置。
【請求項2】
前記移動部材は、
前記第1検出器に対応して設けられ、前記移動部材の移動量が前記第1閾値以上になったか否かに応じて前記第1検出器が出力する検出値が異なるように構成された第1移動部材と、
前記第2検出器に対応して設けられ、前記移動部材の移動量が前記第2閾値以上になったか否かに応じて前記第2検出器が出力する検出値が異なるように構成された第2移動部材と、を備える、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1検出器は、第1照射部と、前記第1照射部が照射した光を受光可能な第1受光部とを有し、
前記第1移動部材は、遮光性を有し、前記第1照射部が照射する光の進行方向において前記第1照射部と前記第1受光部との間に設けられ、
前記第1移動部材には、前記移動部材の移動量が前記第1閾値以上である場合に前記第1照射部が照射した光を透光する第1透光部が形成され、
前記第2検出器は、第2照射部と、前記第2照射部が照射した光を受光可能な第2受光部とを有し、
前記第2移動部材は、遮光性を有し、前記第2照射部が照射する光の進行方向において前記第2照射部と前記第2受光部との間に設けられ、
前記第2移動部材には、前記移動部材の移動量が前記第2閾値以上である場合に前記第2照射部が照射した光を透光する第2透光部が形成されている、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1検出器は、第1照射部と、前記第1照射部が照射した光を受光可能な第1受光部とを有し、
前記第1移動部材は、透光性を有し、前記第1照射部が照射する光の進行方向において前記第1照射部と前記第1受光部との間に設けられ、
前記第1移動部材には、前記第1移動部材の移動量が前記第1閾値以上である場合に前記第1照射部と前記第1受光部との間に位置する第1遮光部が形成され、
前記第2検出器は、第2照射部と、前記第2照射部が照射した光を受光可能な第2受光部とを有し、
前記第2移動部材は、透光性を有し、前記第2照射部が照射する光の進行方向において前記第2照射部と前記第2受光部との間に設けられ、
前記第2移動部材には、前記第2移動部材の移動量が前記第2閾値以上である場合に前記第2照射部と前記第2受光部との間に位置する第2遮光部が形成されている、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記移動部材は、前記印刷媒体に所定の張力を付与するテンション部材を有し、
前記テンション部材は、前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間の前記印刷媒体の長さの変動に追従して、前記第1移動部材及び前記第2移動部材と同一の回転軸を中心として回転する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1検出器は、第1照射部と、前記第1照射部が照射した光を受光可能な第1受光部とを有し、
前記第2検出器は、第2照射部と、前記第2照射部が照射した光を受光可能な第2受光部とを有し、
前記移動部材は、遮光性を有する第3移動部材を有し、
前記第3移動部材は、前記第1照射部が照射する光の進行方向において前記第1照射部と前記第1受光部との間であって、且つ、前記第2照射部が照射する光の進行方向において前記第2照射部と前記第2受光部との間に設けられ、
前記第3移動部材には、前記第3移動部材の移動量が前記第1閾値以上である場合に前記第1照射部が照射した光を透光する第3透光部と、前記第3移動部材の移動量が前記第2閾値以上である場合に前記第2照射部が照射した光を透光する第4透光部と、が形成されている、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷媒体を搬送する媒体搬送機構と、
前記媒体搬送機構によって搬送される前記印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
前記媒体搬送機構に向けて前記印刷媒体を供給する媒体供給機構と、
前記印刷媒体の搬送路において前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間に位置し、前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間の前記印刷媒体の長さの変動に追従して移動する移動部材と、
前記移動部材の移動量を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記媒体供給機構の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記媒体搬送機構は、駆動モードとして、第1搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第1モードと、前記第1搬送速度より遅い第2搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第2モードとを有し、
前記制御部は、
前記媒体搬送機構が前記第1モードで駆動している場合、前記移動部材の移動量が第1移動量以上に達すると前記媒体供給機構を駆動させ、
前記媒体搬送機構が前記第2モードで駆動している場合、前記移動部材の移動量が前記第1移動量より大きい第2移動量以上に達すると前記媒体供給機構を駆動させる、
印刷装置。
【請求項8】
前記検出部は、照射部と、前記照射部が照射した光を受光可能な受光部と、所定の間隔で透光部が設けられた遮光部材と、を有し、
前記遮光部材は、前記照射部が照射した光の進行方向において、前記照射部と前記受光部との間に設けられ、前記移動部材の移動と共に移動し、
前記検出部は、前記透光部の数をカウントすることで前記移動部材の移動量を検出する、
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記検出部は、エンコーダーである、
請求項7又は8に記載の印刷装置。
【請求項10】
印刷媒体を搬送する媒体搬送機構と、
前記媒体搬送機構によって搬送される前記印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
前記媒体搬送機構に向けて前記印刷媒体を供給する媒体供給機構と、
前記媒体供給機構の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記媒体搬送機構は、駆動モードとして、第1搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第1モードと、前記第1搬送速度より遅い第2搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第2モードとを有し、
前記制御部は、
前記媒体搬送機構が前記第1モードで駆動している場合、前記媒体供給機構の供給速度を第1供給速度にする制御を行い、
前記媒体搬送機構が前記第2モードで駆動している場合、前記媒体供給機構の供給速度を前記第1供給速度より遅い第2供給速度にする制御を行う、
印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷媒体を搬送する媒体搬送機構と、この媒体搬送機構に向けて印刷媒体を供給する媒体供給機構とを備えた印刷装置が知られている。例えば、特許文献1は、紙送りローラーと、この紙送りローラーに向かってロール紙を供給する繰り出しローラーとを備えたプリンターを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような印刷装置では、媒体搬送機構の搬送速度に依ることなく媒体供給機構の駆動を制御すると、媒体搬送機構と媒体供給機構との間の印刷媒体に過剰な張力が作用したり、媒体搬送機構と媒体供給機構との間の印刷媒体に過剰な弛みが生じたりし得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一態様は、印刷媒体を搬送する媒体搬送機構と、前記媒体搬送機構によって搬送される前記印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記媒体搬送機構に向けて前記印刷媒体を供給する媒体供給機構と、前記印刷媒体の搬送路において前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間に位置し、前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間の前記印刷媒体の長さの変動に追従して移動する移動部材と、前記移動部材の移動量が第1閾値以上になったか否かを検出する第1検出器と、前記移動部材の移動量が前記第1閾値より大きい第2閾値以上になったか否かを検出する第2検出器と、前記第1検出器の検出結果又は前記第2検出器の検出結果に基づいて、前記媒体供給機構の駆動を制御する制御部と、を備え、前記媒体搬送機構は、駆動モードとして、第1搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第1モードと、前記第1搬送速度より遅い第2搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第2モードとを有し、前記制御部は、前記媒体搬送機構が前記第1モードで駆動している場合、前記第1検出器の検出結果に基づいて前記媒体供給機構の駆動を制御し、前記媒体搬送機構が前記第2モードで駆動している場合、前記第2検出器の検出結果に基づいて前記媒体供給機構の駆動を制御する、印刷装置である。
【0006】
上記課題を解決する別の一態様は、印刷媒体を搬送する媒体搬送機構と、前記媒体搬送機構によって搬送される前記印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記媒体搬送機構に向けて前記印刷媒体を供給する媒体供給機構と、前記印刷媒体の搬送路において前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間に位置し、前記媒体搬送機構と前記媒体供給機構との間の前記印刷媒体の長さの変動に追従して移動する移動部材と、前記移動部材の移動量を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記媒体供給機構の駆動を制御する制御部と、を備え、前記媒体搬送機構は、駆動モードとして、第1搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第1モードと、前記第1搬送速度より遅い第2搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第2モードとを有し、前記制御部は、前記媒体搬送機構が前記第1モードで駆動している場合、前記移動部材の移動量が第1移動量以上に達すると前記媒体供給機構を駆動させ、前記媒体搬送機構が前記第2モードで駆動している場合、前記移動部材の移動量が前記第1移動量より大きい第2移動量以上に達すると前記媒体供給機構を駆動させる、印刷装置である。
【0007】
上記課題を解決するさらに別の一態様は、印刷媒体を搬送する媒体搬送機構と、前記媒体搬送機構によって搬送される前記印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記媒体搬送機構に向けて前記印刷媒体を供給する媒体供給機構と、前記媒体供給機構の駆動を制御する制御部と、を備え、前記媒体搬送機構は、駆動モードとして、第1搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第1モードと、前記第1搬送速度より遅い第2搬送速度で前記印刷媒体を搬送する第2モードとを有し、前記制御部は、前記媒体搬送機構が前記第1モードで駆動している場合、前記媒体供給機構の供給速度を第1供給速度にする制御を行い、前記媒体搬送機構が前記第2モードで駆動している場合、前記媒体供給機構の供給速度を前記第1供給速度より遅い第2供給速度にする制御を行う、印刷装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】ラベルプリンターの制御系の構成を示すブロック図。
【
図6】ラベルプリンターの動作を示すフローチャート。
【
図7】搬送ローラー対が第1モードである場合のタイミングチャート。
【
図8】搬送ローラー対が第2モードである場合のタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。
図1、
図2、
図3、
図4、
図9、
図10、及び
図11では、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交する。Z軸は、上下方向を示す。X軸及びY軸は、水平方向と平行である。X軸は左右方向を示す。Y軸は前後方向を示す。X軸の正方向は右方向を示す。Y軸の正方向は前方向を示す。Z軸の正方向は上方向を示す。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のラベルプリンター1の構成を示す図である。
ラベルプリンター1は、印刷装置の一例に対応する。
【0011】
ラベルプリンター1は、シリアルインクジェットプリンターである。ラベルプリンター1は、ロール紙Rを収容し、収容したロール紙Rを搬送方向Hに搬送し、シリアルインクジェットヘッドである印刷ヘッド10によってロール紙Rに印刷する。
ロール紙Rは、印刷媒体の一例に対応する。
【0012】
ロール紙Rは、台紙にラベルが一定間隔で貼られたロール状のラベル紙である。ラベルプリンター1は、印刷ヘッド10によりロール紙Rのラベルに印刷を行う。
【0013】
ラベルプリンター1は、ロール紙Rを収容するロール紙収容部11を備える。以下の説明では、ロール紙Rのうち、ロール紙収容部11に収容されたロール状の部分を「ロール本体」といい「RB」の符号を付す。また、ロール紙Rのうち、ロール本体RBから繰り出されて搬送されるラベル紙を「搬送ロール紙」といい「RH」の符号を付す。
【0014】
ラベルプリンター1内には、搬送ロール紙RHが搬送される搬送路が形成されている。ロール本体RBから繰り出された搬送ロール紙RHは、搬送路に沿って搬送方向Hに搬送される。
【0015】
ラベルプリンター1は、繰出ローラー対13を備える。繰出ローラー対13は、搬送方向Hにおいてロール本体RBの下流に設けられる。繰出ローラー対13は、繰出回転ローラー131と、繰出回転ローラー131の回転に従動して回転する繰出従動ローラー132とを有する。繰出従動ローラー132は、搬送ロール紙RHの搬送路において、繰出回転ローラー131と対向する位置に設けられる。繰出回転ローラー131は、図示せぬ動力伝達機構を介して繰出駆動モーター14と接続し、繰出駆動モーター14の駆動に応じて回転する。繰出ローラー対13は、繰出回転ローラー131と繰出従動ローラー132とによって搬送ロール紙RHを挟持し、繰出回転ローラー131の回転によってロール本体RBから搬送ロール紙RHを繰り出す。繰出ローラー対13は、繰り出した搬送ロール紙RHを搬送ローラー対16に向けて供給する。
繰出ローラー対13は、媒体供給機構の一例に対応する。
【0016】
ラベルプリンター1は、繰出制御レバー15を備える。繰出制御レバー15は、搬送方向Hにおいて、繰出ローラー対13の下流に設けられる。繰出制御レバー15は、繰出ローラー対13と搬送ローラー対16との間の搬送ロール紙RHの長さの変動に追従して、移動する。より詳細には、繰出制御レバー15は、当該搬送ロール紙RHの長さの変動に追従して、左右方向に延びる回転軸KJ1を中心に回転する。
以下の説明において、時計回り及び反時計回りは、繰出制御レバー15を右方から見た場合を基準とした回転方向とする。
繰出制御レバー15は、移動部材の一例に対応する。
【0017】
以下の説明では、繰出ローラー対13と搬送ローラー対16との間の搬送ロール紙RHを、「ローラー間搬送ロール紙」という。
【0018】
ラベルプリンター1は、搬送ローラー対16を備える。搬送ローラー対16は、搬送方向Hにおいて繰出制御レバー15の下流に設けられる。搬送ローラー対16は、搬送回転ローラー161と、搬送回転ローラー161の回転に従動して回転する搬送従動ローラー162とを有する。搬送従動ローラー162は、搬送ロール紙RHの搬送路において、搬送回転ローラー161と対向する位置に設けられる。搬送回転ローラー161は、図示せぬ動力伝達機構を介して搬送駆動モーター17と接続し、搬送駆動モーター17の駆動に応じて回転する。搬送ローラー対16は、搬送回転ローラー161と搬送従動ローラー162とによって搬送ロール紙RHを挟持し、搬送回転ローラー161の回転によって繰出ローラー対13から供給された搬送ロール紙RHを搬送方向Hに搬送する。
搬送ローラー対16は、媒体搬送機構の一例に対応する。
【0019】
ラベルプリンター1は、印刷ユニット18を備える。印刷ユニット18は、搬送方向Hにおいて搬送ローラー対16の下流に設けられる。印刷ユニット18は、キャリッジ19と、キャリッジ19に搭載された印刷ヘッド10とを備える。
【0020】
キャリッジ19は、搬送方向Hと直交する直交方向に延びたキャリッジ軸20に支持され、キャリッジ軸20に沿って直交方向に印刷ヘッド10を走査させる。
印刷ヘッド10は、例えばCYMKの4色のノズル列を備える。印刷ヘッド10は、インクカートリッジやインクタンク等の図示せぬインク貯留部からインクの供給を受けて、各ノズル列に設けられたノズルからインクを吐出して搬送ロール紙RHにドットを形成する。なお、印刷ヘッド10は、CMYKの4色によるカラー印刷可能なヘッドに限定されず、例えば、CMYKの4色に特色インクを加えた多色のインクを用いるフルカラー印刷が可能なヘッドでもよく、モノクロ印刷や2色印刷が可能なヘッドでもよい。
【0021】
搬送ロール紙RHの搬送路において、印刷ヘッド10と対向する位置には、プラテン21が設けられる。プラテン21は、印刷ヘッド10によりドットの形成が可能な範囲に亘って延在し、プラテン21に位置する搬送ロール紙RHの表面が、印刷ヘッド10から吐出されるインクの吐出方向に対して垂直となるように、搬送ロール紙RHを平坦化して支持する。なお、プラテン21は、搬送ロール紙RHに吸引力を作用させて搬送ロール紙RHを吸着させるプラテン、いわゆる吸引プラテンでもよい。
【0022】
ラベルプリンター1は、ラベルプリンター1の各部を制御する制御装置22を備える。
【0023】
繰出制御レバー15について詳述する。
図2は、繰出制御レバー15を上方から見た図である。
【0024】
繰出制御レバー15は、第1繰出制御板151、第2繰出制御板152、及びテンション部材153を備える。
第1繰出制御板151は、第1移動部材の一例に対応する。第2繰出制御板152は、第2移動部材の一例に対応する。
【0025】
テンション部材153は、ローラー間搬送ロール紙の長さの変動に追従して、回転軸KJ1を中心に回転する。テンション部材153は、バネ等の付勢部材154によって付勢され、ローラー間搬送ロール紙に所定の張力を付与する。搬送ロール紙RHは、搬送ロール紙RHの搬送路において、ロール本体RBから上方に繰り出された後、テンション部材153に掛け渡され前方に向かって屈曲させられる。
【0026】
図3は、第1繰出制御板151を右方から見た図である。
図4は、第2繰出制御板152を右方から見た図である。
図3は、第1切り欠き1511及び第2切り欠き1521の長さを比較するため、便宜的に第2切り欠き1521を一点鎖線で図示している。
図4は、第1切り欠き1511及び第2切り欠き1521の長さを比較するため、便宜的に第1切り欠き1511を一点鎖線で図示している。
【0027】
第1繰出制御板151は、扇形状をなす部材である。本実施形態の第1繰出制御板151は、遮光性を有する材料で構成されている。第1繰出制御板151は、外周縁部において第1切り欠き1511が形成されている。第1切り欠き1511は、扇形の半径に相応する後端縁RTAから周方向に延びて形成されている。第1切り欠き1511の周方向の長さは、角度θ1に対応する長さである。角度θ1は、回転軸KJの回転中心Oを頂点とした後端縁RTAからの角度である。
第1切り欠き1511は、第1透光部の一例に対応する。
【0028】
第2繰出制御板152は、扇形状をなす部材である。第2繰出制御板152は、扇形の半径と扇形の円弧との長さが第1繰出制御板151と同じである。本実施形態の第2繰出制御板152は、遮光性を有する材料で構成されている。第2繰出制御板152は、外周縁部において第2切り欠き1521が形成されている。第2切り欠き1521は、扇形の半径に相応する後端縁RTAから周方向に延びて形成されている。第2切り欠き1521の周方向の長さは、角度θ2に対応する長さである。角度θ2は、回転軸KJの回転中心Oを頂点とした後端縁RTAからの角度である。角度θ2は、角度θ1より角度θ3分小さい。そのため、第2切り欠き1521の周方向の長さは、第1切り欠き1521の周方向の長さより短く形成されている。
第2切り欠き1521は、第2透光部の一例に対応する。
【0029】
第1繰出制御板151及び第2繰出制御板152は、左右方向に並んで、且つ、上下方向において扇形の中心が回転軸KJ1の回転中心Oになるように設けられる。また、第1繰出制御板151及び第2繰出制御板152は、上下方向に対する後端縁RTAの角度が互いに同じになるように設けられる。第1繰出制御板151及び第2繰出制御板152は、テンション部材153の回転に同期して、回転軸KJ1を中心に同じ回転角度で回転する。
【0030】
ラベルプリンター1は、第1検出器23を備える。第1検出器23は、光学式のセンサーであり、光を照射する第1照射部231と、光を受光する第1受光部232とを備える。第1照射部231は、例えば、LED(Light Emitting Diode)やレーザー発光素子等で構成される。第1受光部232は、フォトトランジスターやフォトIC等で構成される。第1繰出制御板151は、左右方向において、第1照射部231と第1受光部232との間に設けられる。第1照射部231は、第1繰出制御板151に向かって光を照射する。本実施形態の第1照射部231は、左方向に光を照射する。左方向は、光の進行方向の一例に対応する。第1受光部232は、受光面が第1繰出制御板151に向いた状態で、第1照射部231と対向する位置に設けられる。
【0031】
第1照射部231が光を照射している箇所が第1切り欠き1511以外である場合、第1照射部231が照射する光は、第1繰出制御板151により遮光される。この場合、第1照射部231が照射する光を第1受光部232が受光せず、第1検出器23は、Lowレベルの検出値を出力する。
一方、第1照射部231が光を照射している箇所が第1切り欠き1511である場合、第1切り欠き1511は、第1照射部231が照射する光を透光する。そのため、第1照射部231が照射する光を第1受光部232が受光し、第1検出器23は、Highレベルの検出値を出力する。
【0032】
繰出制御レバー15が定位置に位置する場合、第1照射部231は、第1位置I1に光を照射する。繰出制御レバー15の定位置とは、繰出制御レバー15が回転可能な範囲において最も反時計回りに回転したときの繰出制御レバー15の位置であり、付勢部材154の付勢により規定される。繰出制御レバー15は、定位置から反時計回りに回転しない。繰出制御レバー15が定位置から時計回りに角度θ4以上回転すると、第1照射部231は、第1切り欠き1511に光を照射する。
角度θ4は、第1閾値の一例に対応する。
【0033】
ラベルプリンター1は、第2検出器24を備える。第2検出器24は、光学式のセンサーであり、光を照射する第2照射部241と、光を受光する第2受光部242とを備える。第2照射部241は、例えば、LEDやレーザー発光素子等で構成される。第2受光部242は、フォトトランジスターやフォトIC等で構成される。第2繰出制御板152は、左右方向において、第2照射部241と第2受光部242との間に設けられる。第2照射部241は、第2繰出制御板152に向かって光を照射する。本実施形態の第2照射部241は、左方向に光を照射する。第2受光部242は、受光面が第2繰出制御板152に向いた状態で、第2照射部241と対向する位置に設けられる。
【0034】
第2照射部241が光を照射している箇所が、第2繰出制御板152の第1切り欠き1521以外である場合、第2照射部241が照射する光は、第2繰出制御板152により遮光される。この場合、第2照射部241が照射する光を第2受光部242が受光せず、第2検出器24は、Lowレベルの検出値を出力する。
一方、第2照射部241が光を照射している箇所が、第2繰出制御板152の第2切り欠き1521である場合、第2切り欠き1521は、第2照射部241が照射する光を透光する。この場合、第2照射部241が照射する光を第2受光部242が受光し、第2検出器24は、Highレベルの検出値を出力する。
【0035】
繰出制御レバー15が定位置に位置する場合、第2照射部241は、第2位置I2に光を照射する。繰出制御レバー15が定位置から時計回りに角度θ5以上回転すると、第2照射部241は、第2切り欠き1521に光を照射する。
角度θ5は、角度θ4より角度θ3分大きい。角度θ5は、第2閾値の一例に対応する。
【0036】
図5は、ラベルプリンター1の制御系の構成を示すブロック図である。
ラベルプリンター1は、入力装置25及び表示装置26を備える。入力装置25及び表示装置26は、制御装置22に接続される。入力装置25は、ラベルプリンター1を操作するオペレーターが印刷条件等を入力する装置であり、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスである。入力装置25は、デスクトップ型或いはラップトップ型のパーソナルコンピューター、タブレット型端末、携帯型端末等でもよく、ラベルプリンター1と別体で設けられてもよい。入力装置25は、オペレーターが入力した情報を制御装置22に出力する。表示装置26は、液晶表示パネル等の表示画面を備え、制御装置22の制御に従って各種情報を表示する。
【0037】
制御装置22は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-processing unit)等のプロセッサー220、メモリー221、インターフェース222、及び駆動回路223を備える。
【0038】
プロセッサー220は、メモリー221が記憶する制御プログラム2211を読み出して実行することにより、制御装置22の各部を制御する。プロセッサー220は、メモリー221に記憶された制御プログラム2211を実行することで、デバイス制御部2201及び印刷制御部2202として機能する。
印刷制御部2202は、制御部の一例に対応する。
【0039】
メモリー221は、プロセッサー220が実行する制御プログラム2211や、ラベルプリンター1の設定に係わる設定データ、搬送速度データ2212、供給速度データ2213、その他の各種データを記憶する。メモリー221は、不揮発性の記憶領域を有する。また、メモリー221は、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサー220のワークエリアを構成してもよい。搬送速度データ2212は、搬送ローラー対16の搬送速度を示すデータである。本実施形態において搬送速度データ2212が示す搬送速度は、第1搬送速度V1、及び第1搬送速度V1より遅い第2搬送速度V2のいずれかである。搬送速度データ2212が示す搬送速度は、オペレーターの指示に基づいて変更される。供給速度データ2213は、繰出ローラー対13による搬送ロール紙RHの供給速度を示す。本実施形態において供給速度データ2213が示す供給速度は速度VKの1種類である。
【0040】
インターフェース222は、コネクターやインターフェース回路等の通信ハードウェアを備える。インターフェース222は、入力装置25及び表示装置26と接続し、これら各装置との間でデータ通信する。
【0041】
ラベルプリンター1は、媒体供給部27、媒体搬送部28、キャリッジ移動部29、及び印刷ヘッド10を備える。駆動回路223は、媒体供給部27、媒体搬送部28、キャリッジ移動部29、及び印刷ヘッド10に接続される。
【0042】
制御装置22は、駆動回路223を制御して、駆動回路223から制御信号を出力させることにより、媒体供給部27、媒体搬送部28、キャリッジ移動部29、及び印刷ヘッド10を駆動させる。
【0043】
媒体供給部27は、繰出駆動モーター14及び繰出ローラー対13を備える。
制御装置22は、繰出駆動モーター14を駆動させて繰出回転ローラー131を回転させる。制御装置22は、供給速度データ2213に基づいて、繰出駆動モーター14に対して繰出制御信号を駆動回路223に出力させることで搬送ロール紙RHの供給速度を速度VKにする。
【0044】
媒体搬送部28は、搬送駆動モーター17及び搬送ローラー対16を備える。
制御装置22は、搬送駆動モーター17を駆動させて搬送回転ローラー161を回転させ、搬送ローラー対16に搬送ロール紙RHを搬送させる。制御装置22は、搬送ローラー対16の駆動モードを、第1モード又は第2モードにして搬送ローラー対16に搬送ロール紙RHを搬送させる。第1モードは、第1搬送速度V1で搬送ロール紙RHを搬送する搬送ローラー対16の駆動モードである。第2モードは、第2搬送速度V2で搬送ロール紙RHを搬送する搬送ローラー対16の駆動モードである。
【0045】
制御装置22は、搬送速度データ2212が第1搬送速度V1を示す場合、搬送ローラー対16を第1モードで駆動させる。制御装置22は、第1モードにおいて、搬送駆動モーター17に対して第1搬送制御信号を駆動回路223に出力させることで搬送ロール紙RHの搬送速度を第1搬送速度V1にする。第1モードにおいて、制御装置22は、第1加減速処理を所定の周期で行う。第1加減速処理は、搬送回転ローラー161の搬送速度をゼロから第1搬送速度V1まで加速させ、所定時間の経過後に第1搬送速度V1からゼロまで減速させる処理である。
また、制御装置22は、搬送速度データ2212が第2搬送速度V2を示す場合、搬送ローラー対16を第2モードで駆動させる。制御装置22は、第2モードにおいて、搬送駆動モーター17に対して第2搬送制御信号を駆動回路223に出力させることで搬送ロール紙RHの搬送速度を第2搬送速度V2にする。第2モードにおいて、制御装置22は、第2加減速処理を所定の周期で行う。第2加減速処理は、搬送回転ローラー161の搬送速度をゼロから第2搬送速度V2まで加速させ、所定時間の経過後に第2搬送速度V2からゼロまで減速させる処理である。
【0046】
キャリッジ移動部29は、キャリッジ19や、キャリッジ19を走査させるモーター、このモーターの動力をキャリッジ19に伝達する動力伝達機構等の構成を備える。制御装置22は、キャリッジ移動部29が備えるモーターを駆動して、キャリッジ19を左右方向に移動させる。
【0047】
制御装置22は、印刷ヘッド10を駆動して、搬送ロール紙RHに向かってインクを吐出させる。制御装置22は、キャリッジ移動部29及び印刷ヘッド10を制御して、印刷ヘッド10からインクを吐出させながらキャリッジ19を移動させ、また、搬送ロール紙RHを搬送方向Hに搬送させる。
【0048】
制御装置22には、第1検出器23及び第2検出器24が接続される。制御装置22は、第1検出器23及び第2検出器24の検出値を取得して、繰出ローラー対13の駆動の制御に反映させる。
【0049】
上述した通り、プロセッサー220は、デバイス制御部2201及び印刷制御部2202として機能する。
【0050】
デバイス制御部2201は、入力装置25を介してオペレーターの操作を受け付け、また、表示装置26に各種情報を表示させる。
【0051】
印刷制御部2202は、媒体供給部27、媒体搬送部28、キャリッジ移動部29、及び印刷ヘッド10を制御して、搬送ロール紙RHに印刷を行う。印刷制御部2202は、第1検出器23及び第2検出器24の検出値に基づいて、繰出ローラー対13の駆動を制御する。印刷制御部2202は、第1検出器23及び第2検出器24がLowレベルの検出値を出力している場合、繰出駆動モーター14の駆動を停止させて、繰出ローラー対13の駆動を停止させる。印刷制御部2202は、第1検出器23及び第2検出器24がHighレベルの検出値を出力している場合、繰出駆動モーター14を駆動させて、繰出ローラー対13を駆動させる。
【0052】
次に、ラベルプリンター1の動作について説明する。
図6は、ラベルプリンター1の動作を示すフローチャートである。
【0053】
ラベルプリンター1の印刷制御部2202は、印刷を開始するか否かを判定する(ステップSA1)。
【0054】
例えば、ステップSA1において、印刷制御部2202は、印刷データを外部装置から受信した場合に、印刷を開始すると判定する。また、例えば、デバイス制御部2201が入力装置25を介して印刷開始操作をオペレーターから受け付けた場合、印刷制御部2202は、ステップSA1において印刷を開始すると判定する。
【0055】
印刷制御部2202は、印刷を開始しないと判定した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の判定を行う。
【0056】
一方、印刷制御部2202は、印刷を開始すると判定した場合(ステップSA1:YES)、搬送ローラー対16を第1モードで駆動させるか第2モードで駆動させるかを判定する(ステップSA2)。
【0057】
ステップSA2において、印刷制御部2202は、メモリー221が記憶する搬送速度データ2212が第1搬送速度V1を示す場合、搬送ローラー対16を第1モードで駆動させると判定する。また、ステップSA2において、印刷制御部2202は、メモリー221が記憶する搬送速度データ2212が第2搬送速度V2を示す場合、搬送ローラー対16を第1モードで駆動させると判定する。
【0058】
印刷制御部2202は、第1モードで駆動させると判定した場合(ステップSA2:第1モード)、第1モードの搬送による印刷を開始する(ステップSA3)。
【0059】
次いで、印刷制御部2202は、第1検出器23の検出値がHighレベルに変化したか否かを判定する(ステップSA4)。すなわち、印刷制御部2202は、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上になったか否かを判定する。繰出制御レバー15の回転角度は、繰出制御レバー15の移動量の一例に対応する。
【0060】
印刷制御部2202は、第1検出器23の検出値がHighレベルに変化していないと判定した場合(ステップSA4:NO)、ステップSA8の処理を行う。
【0061】
一方、印刷制御部2202は、第1検出器23の検出値がHighレベルに変化したと判定した場合(ステップSA4:YES)、繰出ローラー対13の駆動を開始させる(ステップSA5)。
【0062】
次いで、印刷制御部2202は、第1検出器23の検出値がLowレベルに変化したか否かを判定する(ステップSA6)。すなわち、印刷制御部2202は、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4を下回ったか否かを判定する。
【0063】
印刷制御部2202は、第1検出器23の検出値がLowレベルに変化していないと判定した場合(ステップSA6:NO)、再度、ステップSA6の判定を行う。
【0064】
一方、印刷制御部2202は、第1検出器23の検出値がLowレベルに変化したと判定した場合(ステップSA6:YES)、繰出ローラー対13の駆動を停止させる(ステップSA7)。
【0065】
次いで、印刷制御部2202は、印刷を終了するか否かを判定する(ステップSA8)。
【0066】
例えば、印刷制御部2202は、印刷データに含まれるデータのうち未処理のデータが存在する場合、ステップSA8において否定判定する。
【0067】
印刷制御部2202は、印刷を終了しないと判定した場合(ステップSA8:NO)、再度、ステップSA4以降の処理を行う。
【0068】
一方、印刷制御部2202は、印刷を終了すると判定した場合(ステップSA8:YES)、印刷を終了する(ステップSA9)。
【0069】
図7は、搬送ローラー対16の駆動モードが第1モードである場合のタイミングチャートである。
【0070】
図7において、タイミングチャートTC1は、搬送ローラー対16の搬送速度の状態を示す。タイミングチャートTC1において、縦軸は速度を示し、横軸は時間を示す。
【0071】
図7において、タイミングチャートTC2は、第1検出器23の検出値の状態を示す。タイミングチャートTC2において、縦軸は第1検出器23の検出値のレベルを示し、横軸は時間を示す。
【0072】
図7において、タイミングチャートTC3は、繰出ローラー対13の供給速度の状態を示す。タイミングチャートTC3において、縦軸は速度を示し、横軸は時間を示す。タイミングチャートTC3では、第1モードにおける搬送ローラー対16の搬送速度の状態を点線で示している。
【0073】
図7において、タイミングチャートTC4は、送り量差の状態を示す。送り量差とは、搬送ローラー対16の単位時間あたりの搬送量と、繰出ローラー対13の単位時間あたりの供給量との差を示す。送り量差は、繰出制御レバー15が定位置にあり、且つ、繰出ローラー対13の供給量と搬送ローラー対16の搬送量とが同じである場合のローラー間搬送ロール紙の長さを、ゼロとしている。送り量差は、値がプラスである場合、繰出ローラー対13の供給量より搬送ローラー対16の搬送量が大きいことを示している。また、送り量差は、値がマイナスである場合、繰出ローラー対13の供給量より搬送ローラー対16の搬送量が小さいことを示している。
【0074】
タイミングT11においてラベルプリンター1が印刷を開始すると、搬送ローラー対16の搬送速度は、ゼロから第1搬送速度V1に向かって増加する。搬送ローラー対16の搬送速度が第1搬送速度V1に達すると、搬送ローラー対16は、搬送ロール紙RHを第1搬送速度V1で搬送する。タイミングT11、T12の間では、繰出ローラー対13の駆動が停止している。そのため、タイミングT11、T12の間においてローラー間搬送ロール紙が短くなるため、繰出制御レバー15は、タイミングT11以降、時計回りに回転する。
【0075】
タイミングT12において、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上になると、第1検出器23の検出値は、LowレベルからHighレベルに変化する。この変化に伴って、タイミングT12以降、繰出ローラー対13の供給速度がゼロから速度VKに向かって加速する。タイミングT12、T13の間では、繰出ローラー対13の供給速度が搬送ローラー対16の搬送速度より小さい。そのため、タイミングT12、T13の間においてローラー間搬送ロール紙がさらに短くなるため、繰出制御レバー15は、タイミングT12、T13の間においてさらに時計回りに回転する。
【0076】
タイミングT13において、繰出ローラー対13の供給速度は、第1搬送速度V1と等しくなり、タイミングT13よりも後において、繰出ローラー対13の供給速度は、第1搬送速度V1より大きくなる。これに伴い、タイミングT13よりも後に、ローラー間搬送ロール紙が増加していくため、繰出制御レバー15は、タイミングT13よりも後に、回転方向を反時計回りに切り替えて、付勢部材154の付勢力によって反時計回りに回転する。
【0077】
タイミングT14において、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4を下回ると、第1検出器23の検出値は、HighレベルからLowレベルに変化する。この変化に伴って、タイミングT14以降、繰出ローラー対13の供給速度は、速度VKからゼロに向かって低下する。
【0078】
タイミングT15において、搬送ローラー対16の搬送速度は、ゼロになる。しかしながら、タイミングT15では、繰出ローラー対13が減速中である。そのため、搬送ロール紙RHの供給速度がゼロになるタイミングT16まで、繰出ローラー対13は、搬送ロール紙RHを繰り出す。
【0079】
タイミングT16において、繰出ローラー対13の供給速度はゼロになる。そのため、タイミングT16以降、ローラー間搬送ロール紙の弛みは、搬送ローラー対16が再度駆動するタイミングT17まで、増加しない。
【0080】
図7に示すように、第1モードの搬送による印刷において、送り量差は、上限と下限との間で推移する。送り量差の上限は、定位置から時計回りに回転可能な繰出制御レバー15の最大回転角度により規定される。送り量差が上限を超えると、ローラー間搬送ロール紙に作用する張力の増大が繰出制御レバー15の回転によって緩和されず、ローラー間搬送ロール紙には、過剰な張力が作用する。送り量差の下限は、ラベルプリンター1内で許容される搬送ロール紙RHの弛みの量により規定される。送り量差が下限を下回ると、ラベルプリンター1内には、紙詰まりが生じ得る過剰な弛みがローラー間搬送ロール紙に生じる。
図7で示すように、第1モードの搬送による印刷では、送り量差が上限と下限との間で推移する。そのため、第1モードの搬送による印刷において、ラベルプリンター1は、ローラー間搬送ロール紙に過剰な張力が作用することを抑制でき、且つ、ローラー間搬送ロール紙が過剰に弛むことを抑制できる。よって、ラベルプリンター1は、第1モードの搬送による印刷において、適切に繰出ローラー対13の駆動を制御できる。
【0081】
図6に示すフローチャートのステップSA2の説明に戻り、印刷制御部2202は、第2モードで動作させると判定した場合(ステップSA2:第2モード)、第2モードの搬送による印刷を開始する(ステップSA10)。
【0082】
次いで、印刷制御部2202は、第2検出器24の検出値がHighレベルに変化したか否かを判定する(ステップSA11)。すなわち、印刷制御部2202は、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5以上になったか否かを判定する。
【0083】
印刷制御部2202は、第2検出器24の検出値がHighレベルに変化していないと判定した場合(ステップSA11:NO)、ステップSA15の処理を行う。
【0084】
一方、印刷制御部2202は、第2検出器24の検出値がHighレベルに変化したと判定した場合(ステップSA11:YES)、繰出ローラー対13の駆動を開始させる(ステップSA12)。
【0085】
次いで、印刷制御部2202は、第2検出器24の検出値がLowレベルに変化したか否かを判定する(ステップSA13)。すなわち、印刷制御部2202は、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5を下回ったか否かを判定する。
【0086】
印刷制御部2202は、第2検出器24の検出値がLowレベルに変化していないと判定した場合(ステップSA13:NO)、再度、ステップSA13の判定を行う。
【0087】
一方、印刷制御部2202は、第2検出器24の検出値がLowレベルに変化したと判定した場合(ステップSA13:YES)、繰出ローラー対13の駆動を停止させる(ステップSA14)。
【0088】
次いで、印刷制御部2202は、印刷を終了するか否かを判定する(ステップSA15)。
【0089】
印刷制御部2202は、印刷を終了しないと判定した場合(ステップSA15:NO)、再度、ステップSA11以降の処理を行う。
【0090】
一方、印刷制御部2202は、印刷を終了すると判定した場合(ステップSA15:YES)、印刷を終了する(ステップSA10)。
【0091】
図8は、搬送ローラー対16の駆動モードが第2モードである場合のタイミングチャートである。
【0092】
図8において、タイミングチャートTC5は、搬送ローラー対16の搬送速度の状態を示す。タイミングチャートTC5において、縦軸は速度を示し、横軸は時間を示す。タイミングチャートTC5の縦軸のスケール幅は、タイミングチャートTC1の縦軸のスケール幅と同じである。
【0093】
図8において、タイミングチャートTC6は、第2検出器24の検出値の状態を示す。タイミングチャートTC6において、縦軸は第2検出器24の検出値のレベルを示し、横軸は時間を示す。
【0094】
図8において、タイミングチャートTC7は、繰出ローラー対13の供給速度の状態を示す。タイミングチャートTC7において、縦軸は速度を示し、横軸は時間を示す。タイミングチャートTC7では、第2モードにおける搬送ローラー対16の搬送速度の状態を点線で示している。
【0095】
図8において、タイミングチャートTC8は、送り量差の状態を示す。タイミングチャートTC8において、縦軸は送り量差を示し、横軸は時間を示す。
【0096】
タイミングT21においてラベルプリンター1が印刷を開始すると、搬送ローラー対16の搬送速度は、ゼロから第2搬送速度V2に向かって加速する。搬送速度が第2搬送速度V2に達すると、搬送ローラー対16は、搬送ロール紙RHを第2搬送速度V2で搬送する。第2搬送速度V2は、第1搬送速度V1より遅い。また、第2切り欠き1521は、第1切り欠き1511より短く形成されている。そのため、第2モードの搬送では、搬送ローラー対16の駆動開始後に繰出ローラー対13が駆動開始するタイミングが第1モードと比べて遅れる。そのため、繰出ローラー対13が駆動開始するまでに複数回第2加減速処理が行われる。繰出制御レバー15は、タイミングT21以降、搬送ローラー対16の駆動に伴って、段階的に時計回りに回転する。
【0097】
タイミングT22において、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5以上になると、第2検出器24の検出値は、LowレベルからHighレベルに変化する。この変化に伴って、タイミングT22以降、繰出ローラー対13の供給速度が、ゼロから速度VKに向かって加速する。
【0098】
タイミングT22以降、繰出ローラー対13の供給速度は、速度VKに向かって加速する。しかしながら、搬送ローラー対16の搬送速度が第1搬送速度V1より遅い第2搬送速度V2であるため、第1モードにおける第1検出器23の検出値と比べて早いタイミングで、第2検出器24の検出値は、HighレベルからLowレベルに変化する。本実施形態の繰出駆動モーター14は、繰出ローラー対13の供給速度を速度VKまで加速させた後に減速可能な構成である。そのため、タイミングT23以降も、繰出ローラー対13の供給速度は、速度VKに向かって増加する。
【0099】
タイミングT24において、繰出ローラー対13の供給速度が速度VKに達すると、第2検出器24の検出値がLowレベルであるため、繰出ローラー対13の供給速度は、速度VKからゼロに向かって減速する。
【0100】
タイミングT25において、搬送ロール紙RHの供給速度がゼロになる。タイミングT23からタイミングT25の間では、繰出制御レバー15は、反時計回りに回転する。そのため、この間において、送り量差が0を下回った以降では、ローラー間搬送ロール紙は、時間経過と共に弛んでいく。タイミングT25以降、ローラー間搬送ロール紙の弛みは、再度駆動が開始するタイミングT26まで増大しない。
【0101】
図8に示すように、第2モードの搬送による印刷においても、送り量差は、上限と下限との間で推移する。そのため、ラベルプリンター1は、第2モードの搬送による印刷において、適切に繰出ローラー対13の駆動を制御できる。
仮に、第2モードの搬送による印刷において、印刷制御部2202が、第1検出器23の検出値に基づいて繰出ローラー対13を制御するとする。この場合、第2検出器24の検出値に基づく場合と比べ、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度が小さい状態で、印刷制御部2202は、繰出ローラー対13の駆動を開始してしまう。本実施形態の繰出ローラー対13は、供給速度が速度VKに達するまで減速できない構成である。そのため、繰出ローラー対13の駆動を開始するタイミング、換言すれば定位置からの繰出制御レバー15の回転角度に依ることなく、第2モードの搬送による印刷では、タイミングT23とタイミングT25の間で生じた弛みと同じ量の弛みが生じる。よって、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度がθ5より小さい状態で繰出ローラー対13の駆動を開始してしまうと、ローラー間搬送ロール紙の長さのマイナス分が小さい状態で送り量差がマイナスに転じてしまうため、ローラー間搬送ロール紙には、送り量差の下限を下回る弛みが発生し得る。しかしながら、本実施形態のラベルプリンター1は、第1検出器23の検出値に基づく場合と比べ、定位置からの繰出制御レバー15の回転角度がθ5より大きい状態で、繰出ローラー対13の駆動を開始させるため、送り量差を上限及び下限の間で推移させることができる。
【0102】
以上、説明したように、ラベルプリンター1は、ロール紙Rを搬送する搬送ローラー対16と、搬送ローラー対16によって搬送されるロール紙Rに印刷を行う印刷ヘッド10と、搬送ローラー対16に向けてロール紙Rを供給する繰出ローラー対13と、ロール紙Rの搬送路において搬送ローラー対16と繰出ローラー対13との間に位置し、搬送ローラー対16と繰出ローラー対13との間のロール紙Rの長さに変動に追従して移動可能な繰出制御レバー15と、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上になったか否かを検出する第1検出器23と、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4より大きい角度θ5以上になったか否かを検出する第2検出器24と、第1検出器23の検出結果又は第2検出器24の検出結果に基づいて、繰出ローラー対13を制御する印刷制御部2202と、を備える。搬送ローラー対16は、駆動モードとして、第1搬送速度V1でロール紙Rを搬送する第1モードと、第1搬送速度V1より遅い第2搬送速度V2でロール紙Rを搬送する第2モードとを有する。印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第1モードで駆動している場合、第1検出器23の検出結果に基づいて搬送ローラー対16の駆動を制御し、搬送ローラー対16が第2モードで駆動している場合、第2検出器24の検出結果に基づいて搬送ローラー対16の駆動を制御する。
【0103】
これによれば、ラベルプリンター1は、第1搬送速度V1でロール紙Rを搬送する場合、第2搬送速度V2でロール紙Rを搬送する場合と比べて、繰出制御レバー15の回転角度が小さい状態で繰出制御レバー15の駆動を開始できるようになり、ロール紙Rに過剰な張力が作用することを抑制できる。また、ラベルプリンター1は、第2搬送速度V2でロール紙Rを搬送する場合、第1搬送速度V1でロール紙Rを搬送する場合と比べて、繰出制御レバー15の回転角度が大きい状態で繰出制御レバー15の駆動を開始できるようになり、ロール紙Rが過剰に弛むことを抑制できる。よって、ラベルプリンター1は、搬送ローラー対16の搬送速度に応じて適切に繰出ローラー対13の駆動を制御できる。
【0104】
繰出制御レバー15は、第1繰出制御板151と第2繰出制御板152とを有する。第1繰出制御板151は、第1検出器23に対応して設けられ、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上になったか否かに応じて第1検出器23の検出値が異なるように構成される。第2繰出制御板152は、第2検出器24に対応して設けられ、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5以上になったか否かに応じて第2検出器24の検出値が異なるように構成される。
【0105】
これによれば、第1検出器23に対して第1繰出制御板151を設け、第2検出器24に対して第2繰出制御板152を設けることで、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上か否か、及び繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5以上か否かを検出できる。よって、ラベルプリンター1は、簡易な構成で、搬送ローラー対16の搬送速度に応じて適切に繰出ローラー対13の駆動を制御できる。
【0106】
第1検出器23は、第1照射部231と、第1照射部231が照射した光を受光可能な第1受光部232とを有する。第1繰出制御板151は、遮光性を有し、第1照射部231が照射する光の進行方向において第1照射部231と第1受光部232との間に設けられる。第1繰出制御板151には、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上である場合に第1照射部231が照射した光を透光する第1切り欠き1511が形成される。第2検出器24は、第2照射部241と、第2照射部241が照射した光を受光可能な第2受光部242とを有する。第2繰出制御板152は、遮光性を有し、第2照射部241が照射する光の進行方向において第2照射部241と第2受光部242との間に設けられる。第2繰出制御板152には、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5以上である場合に第2照射部241が照射した光を透光する第2切り欠き1521が形成される。
【0107】
これによれば、搬送ローラー対16の搬送速度に応じて適切に繰出ローラー対13の駆動を制御することを、光の透光及び遮光を用いて行える。
【0108】
繰出制御レバー15は、ロール紙Rに所定の張力を付与するテンション部材153を有する。テンション部材153は、搬送ローラー対16と繰出ローラー対13との間のロール紙Rの長さに変動に追従して第1繰出制御板151及び第2繰出制御板152と同一の回転軸KJ1を中心に回転する。
【0109】
これによれば、搬送ローラー対16の搬送速度に応じて適切に繰出ローラー対13の駆動を制御することを、ロール紙Rに所定の張力を付与するテンション部材153を用いて行うことができる。
【0110】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態のラベルプリンター1の各部の構成について、第1実施形態の各部と同じ構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0111】
第2実施形態のラベルプリンター1は、第1実施形態のラベルプリンター1と比較して、第1繰出制御板151及び第2繰出制御板152の構成が異なる。第1実施形態の第1繰出制御板151及び第2繰出制御板152は、遮光性を有する材料で構成され、外周縁部に光を透光する切り欠きが設けられる構成である。
【0112】
第2実施形態の第1繰出制御板151は、透光性を有する材料で構成され、第1切り欠き1511の代わりに、光を遮光する第1遮光部が設けられる。第1遮光部の周方向及び径方向の長さは、第1切り欠き1511と同じである。また、第1繰出制御板151における第1遮光部が設けられる位置は、第1切り欠き1511と同じ位置である。
【0113】
第2実施形態の第2繰出制御板152は、透光性を有する材料で構成され、第2切り欠き1521の代わりに、光を遮光する第2遮光部が設けられる。第2遮光部の周方向及び径方向の長さは、第2切り欠き1521と同じである。また、第2繰出制御板152における第2遮光部が設けられる位置は、第2切り欠き1521と同じ位置である。
【0114】
第2実施形態の第1検出器23は、第1照射部231が光を照射している箇所が、第1遮光部以外の箇所である場合、第1照射部231が照射した光を第1受光部232が受光するため、Highレベルの検出値を出力する。一方、第2実施形態の第1検出器23は、第1照射部231が光を照射している箇所が、第1遮光部である場合、第1照射部231が照射した光を第1受光部232が受光しないため、Lowレベルの検出値を出力する。
【0115】
第2実施形態の第2検出器24は、第2照射部241が光を照射している箇所が、第2遮光部以外の箇所である場合、第2照射部241が照射した光を第2受光部242が受光するため、Highレベルの検出値を出力する。一方、第2実施形態の第2検出器24は、第2照射部241が光を照射している箇所が、第2遮光部である場合、第2照射部241が照射した光を第2受光部242が受光しないため、Lowレベルの検出値を出力する。
【0116】
第2実施形態の印刷制御部2202は、第1検出器23及び第2検出器24がHighレベルの検出値を出力している場合、繰出駆動モーター14の駆動を停止させて、繰出ローラー対13を駆動させない。印刷制御部2202は、第1検出器23及び第2検出器24がLowレベルの検出値を出力している場合、繰出駆動モーター14を駆動させて、繰出ローラー対13を駆動させる。
【0117】
以上、説明したように、第1検出器23は、第1照射部231と、第1照射部231が照射した光を受光可能な第1受光部232とを有する。第1繰出制御板151は、透光性を有し、第1照射部231が照射する光の進行方向において第1照射部231と第1受光部232との間に設けられる。第1繰出制御板151には、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上である場合に第1照射部231と第1受光部232との間に位置する第1遮光部が形成される。第2検出器24は、第2照射部241と、第2照射部241が照射した光を受光可能な第2受光部242とを有する。第2繰出制御板152は、透光性を有し、第2照射部241が照射する光の進行方向において第2照射部241と第2受光部242との間に設けられる。第2繰出制御板152には、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5以上である場合に第2照射部241と第2受光部242との間に位置する第2遮光部が形成される。
【0118】
第2実施形態のラベルプリンター1によれば、第1実施形態のラベルプリンター1と同様の効果を奏する。
【0119】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態のラベルプリンター1の各部の構成について、第1実施形態の各部と同じ構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0120】
第3実施形態のラベルプリンター1は、第1実施形態のラベルプリンター1と比較して、繰出制御レバー15の構成と、第1検出器23及び第2検出器24の設置位置と、が異なる。
【0121】
図9は、第3実施形態の繰出制御レバー15を上方から見た図である。
図10は、第3実施形態の繰出制御レバー15の構成を示す図である。
【0122】
第3実施形態の繰出制御レバー15は、第1繰出制御板151及び第2繰出制御板152の代わりに、第3繰出制御板155を有する。
第3繰出制御板155は、第3移動部材の一例に対応する。
【0123】
第3繰出制御板155は、回転軸KJ1を中心とする扇状をなす部材である。本実施形態の第3繰出制御板155は、遮光性を有する材料で構成される。第3繰出制御板155は、径方向において第4切り欠き1552より回転軸KJ1に近い位置に、第3切り欠き1551が形成されている。第3切り欠き1551は、扇形の半径に相応する後端縁RTAから周方向に延びて形成されている。第3切り欠き1551の周方向の長さは、角度θ6に対応する長さである。角度θ6は、回転軸KJ1の回転中心Oを頂点とした後端縁RTAからの角度である。
第3切り欠き1551は、第3透光部の一例に対応する。第4切り欠き1552は、第4透光部の一例に対応する。
【0124】
第4切り欠き1552は、第3繰出制御板155の外周縁部に形成されている。第4切り欠き1552は、扇形の半径に相応する後端縁RTAから周方向に延びて形成されている。第4切り欠き1552の周方向の長さは、角度θ7に対応する長さである。角度θ7は、回転軸KJ1の回転中心Oを頂点とした後端縁RTAからの角度である。角度θ7は、角度θ6より角度θ8分大きい。
【0125】
第3繰出制御板155は、上下方向において、扇形の中心が回転軸KJ1の回転中心Oになるように設けられる。第3繰出制御板155は、テンション部材153の回転に同期して、回転軸KJ1を中心に回転する。
【0126】
第1検出器23は、第2検出器24の上後方に設けられる。第1照射部231は、第3繰出制御板155に向かって光を照射する。第1受光部232は、受光面が第3繰出制御板155に向いた状態で、左右方向において第1照射部231と対向する位置に設けられる。
【0127】
繰出制御レバー15が定位置に位置する場合、第1照射部231は、第3位置I3に光を照射する。繰出制御レバー15が定位置から時計回りに角度θ4以上回転すると、第1照射部231は、第3切り欠き1551に光を照射する。
【0128】
第2検出器24は、第1検出器23の下前方に設けられる。第2照射部241は、第3繰出制御板155に向かって光を照射する。第2受光部242は、受光面が第3繰出制御板155に向いた状態で、左右方向において第2照射部241と対向する位置に設けられる。
【0129】
繰出制御レバー15が定位置に位置する場合、第2照射部241は、第4位置I4に光を照射する。繰出制御レバー15が定位置から時計回りに角度θ5以上回転すると、第2照射部241は、第4切り欠き1552に光を照射する。
【0130】
第3実施形態の印刷制御部2202は、第1モードで搬送ロール紙RHを駆動させる場合、第1検出器23の検出値に基づいて繰出ローラー対13の駆動を制御し、第2モードで搬送ロール紙RHを駆動させる場合、第2検出器24の検出値に基づいて繰出ローラー対13の駆動を制御する。
【0131】
以上、説明したように、繰出制御レバー15は、第3繰出制御板155を有する。第3繰出制御板155は、遮光性を有し、第1照射部231が照射する光の進行方向において第1照射部231と第1受光部232との間であって、且つ、第2照射部241が照射する光の進行方向において第2照射部241と第2受光部242との間に設けられる。第3繰出制御板155には、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ4以上である場合に第1照射部231と第1受光部232との間に位置する第3切り欠き1551と、繰出制御レバー15の回転角度が角度θ5以上である場合に第2照射部241と第2受光部242との間に位置する第2切り欠き1552とが形成される。
【0132】
第3実施形態のラベルプリンター1によれば、第1実施形態のラベルプリンター1と同様の効果を奏する。
【0133】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
図11は、第4実施形態のラベルプリンター1の構成を示す図である。
第4実施形態のラベルプリンター1の各部の構成について、第1実施形態の各部と同じ構成と同じ構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0134】
第4実施形態のラベルプリンター1は、搬送ロール紙RHの搬送路において、繰出ローラー対13と搬送ローラー対16との間に、弛みレバー30を備える。弛みレバー30は、搬送ローラー対16と繰出ローラー対13との間のロール紙Rの長さに変動に追従して、回転軸KJ2を中心に回転可能である。
弛みレバー30は、移動部材の一例に対応する。
【0135】
弛みレバー30には、架け渡し部材31が下端部に取り付けられている。架け渡し部材31には、円弧状の面に搬送ロール紙RHが架け渡される。弛みレバー30の上端部には、コイルバネ32の一端が連結されている。弛みレバー30は、コイルバネ32によって、搬送ロール紙RHに所定の張力が作用させる。
【0136】
第4実施形態のラベルプリンター1は、ロータリーエンコーダー33を備える。ロータリーエンコーダー33は、回転軸KJ2を中心に弛みレバー30と一体に回転するエンコード盤331と、光学式のセンサーである第3検出器332とを備える。エンコード盤331は、遮光性を有する材料で構成され、円周方向に一定のピッチで、回転検出用の回転検出用スリット333が複数設けられている。また、エンコード盤331は、弛みレバー30の定位置を規定する定位置用スリットが設けられている。第3検出器332は、エンコード盤331に光を照射する照射部と、当該照射部が照射した光を受光可能な受光部とを有する。エンコード盤331は、左右方向において第3検出器332の照射部と受光部との間に設けられる。第3検出器332は、回転検出用スリット333をカウントすることで、定位置からの弛みレバー30の回転角度を検出する。第3検出器332は、検出結果を制御装置22に出力する。
ロータリーエンコーダー33は、検出部及びエンコーダーの一例に対応する。エンコード盤331は、遮光部材の一例に対応する。回転検出用スリット333は、透光部の一例に対応する。弛みレバー30の回転角度は、移動部材の移動量の一例に対応する。
【0137】
第4実施形態の印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第1モードで駆動している場合、ロータリーエンコーダー33の検出値に基づいて、定位置からの弛みレバー30の回転角度が第1角度を下回る場合、繰出駆動モーター14の駆動を停止して、繰出ローラー対13を駆動させない。一方、印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第1モードで駆動している場合、ロータリーエンコーダー33の検出値に基づいて、定位置からの弛みレバー30の回転角度が第1角度以上である場合、繰出駆動モーター14を駆動して、繰出ローラー対13を駆動させる。第1角度は、例えば上述した実施形態の角度θ4である。
第1角度は、第1移動量の一例に対応する。
【0138】
第4実施形態の印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第2モードで駆動している場合、ロータリーエンコーダーの検出値に基づいて、定位置からの弛みレバー30の回転角度が第1角度より大きい第2角度を下回る場合、繰出駆動モーター14の駆動を停止して、繰出ローラー対13の駆動を停止させる。一方、印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第2モードで駆動している場合、ロータリーエンコーダー33の検出値に基づいて、弛みレバー30の回転角度が第2角度以上である場合、繰出駆動モーター14を駆動させて、繰出ローラー対13を駆動させる。第2角度は、例えば上述した実施形態の角度θ5である。
第2角度は、第2移動量の一例に対応する。
また、第4実施形態の印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第1モードで駆動している場合であって、ロータリーエンコーダー33の検出値に基づいて、定位置からの弛みレバー30の回転角度が第3角度以上である場合、繰出駆動モーター14の駆動を停止して、繰出ローラー対13を駆動させない。第3角度は第1角度に、上述した実施形態において、タイミングT12からタイミングT14の間に第1繰出制御板151が移動した角度を加えた角度である。
また、第4実施形態の印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第2モードで駆動している場合であって、ロータリーエンコーダー33の検出値に基づいて、定位置からの弛みレバー30の回転角度が第4角度以上である場合、繰出駆動モーター14の駆動を停止して、繰出ローラー対13を駆動させない。第4角度は第2角度に、上述した実施形態において、タイミングT22からタイミングT23の間に第2繰出制御板152が移動した角度を加えた角度である。
【0139】
以上、説明したように、ラベルプリンター1は、ロール紙Rを搬送する搬送ローラー対16と、搬送ローラー対16によって搬送されるロール紙Rに印刷を行う印刷ヘッド10と、搬送ローラー対16に向けてロール紙Rを供給する繰出ローラー対13と、ロール紙Rの搬送路において搬送ローラー対16と繰出ローラー対13との間に位置し、搬送ローラー対16と繰出ローラー対13との間のロール紙Rの長さに変動に追従して移動可能な弛みレバー30と、弛みレバー30の回転角度を検出するロータリーエンコーダー33と、ロータリーエンコーダー33の検出結果に基づいて、繰出ローラー対13の駆動を制御する印刷制御部2202と、を備える。搬送ローラー対16は、駆動モードとして、第1モードと第2モードとを有する。印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第1モードで駆動している場合、弛みレバー30の回転角度が第1角度以上に達すると繰出ローラー対13の駆動を制御し、搬送ローラー対16が第2モードで駆動している場合、弛みレバー30の回転角度が第1角度より大きい第2角度以上に達すると繰出ローラー対13の駆動を制御する。
【0140】
これによれば、第4実施形態のラベルプリンター1は、第1実施形態のラベルプリンター1と同様の効果を奏する。
【0141】
また、ロータリーエンコーダー33は、照射部と、照射部が照射した光を受光可能な受光部と、所定の間隔で回転検出用スリット333が設けられたエンコード盤331と、を有する。エンコード盤331は、照射部が照射した光の進行方向において、照射部と受光部との間に設けられ、弛みレバー30の移動と共に移動する。ロータリーエンコーダー33は、回転検出用スリット333の数をカウントすることで弛みレバー30の回転角度を検出する。
【0142】
これによれば、搬送ローラー対16の搬送速度に応じて適切に繰出ローラー対13の駆動を制御することを、光学式のロータリーエンコーダー33を用いて行うことができる。
【0143】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態のラベルプリンター1の各部の構成について、上述した各実施形態の各部と同じ構成と同じ構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0144】
第5実施形態のラベルプリンター1は、上述したラベルプリンター1と比較して、繰出ローラー対13の供給速度が異なる。上述したラベルプリンター1において、繰出ローラー対13の供給速度は、速度VKの1種類である。第5実施形態のラベルプリンター1は、第1供給速度、又は、第1供給速度より遅い第2供給速度で、繰出ローラー対13が搬送ロール紙RHを供給する。
【0145】
印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第1モードで駆動している場合、供給速度が第1供給速度になるよう繰出ローラー対13を駆動させる。印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第2モードで駆動している場合、供給速度が第2供給速度になるよう繰出ローラー対13を駆動させる。
【0146】
以上、説明したように、ラベルプリンター1は、ロール紙Rを搬送する搬送ローラー対16と、搬送ローラー対16によって搬送されるロール紙Rに印刷を行う印刷ヘッド10と、搬送ローラー対16に向けてロール紙Rを供給する繰出ローラー対13と、繰出ローラー対13の駆動を制御する印刷制御部2202と、を備える。搬送ローラー対16は、駆動モードとして、第1モードと第2モードとを有する。印刷制御部2202は、搬送ローラー対16が第1モードで駆動している場合、繰出ローラー対13の供給速度を第1供給速度にする制御を行い、搬送ローラー対16が第2モードで駆動している場合、繰出ローラー対13の供給速度を第1供給速度より遅い第2供給速度にする制御を行う。
【0147】
これによれば、第5実施形態のラベルプリンター1は、第1搬送速度V1でロール紙Rを搬送する場合、第2搬送速度V2でロール紙Rを搬送する場合と比べて、繰出ローラー対13の供給速度を早くするため、ロール紙Rに過剰な張力が作用することを抑制できる。また、第5実施形態のラベルプリンター1は、第2搬送速度V2でロール紙Rを搬送する場合、第1搬送速度V1でロール紙Rを搬送する場合と比べて、繰出ローラー対13の供給速度を遅くするため、ロール紙Rが過剰に弛むことを抑制できる。よって、第5実施形態のラベルプリンター1は、第1実施形態のラベルプリンター1と同様の効果を奏する。
【0148】
上記各実施形態は、本発明を適用した一具体例を示したものに過ぎない。本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0149】
例えば、上述した各実施形態は、印刷装置としてラベルプリンター1を例示した。しかしながら、印刷装置はラベルプリンター1に限定されない。印刷装置は、ロール紙Rを収容し、ロール紙Rの搬送方向Hにおいて印刷ヘッド10の上流に、ロール紙Rを搬送する搬送機構と、この搬送機構にロール紙Rを供給する供給機構を有する装置であればよい。例えば、印刷装置は、ラージフォーマットプリンターや、捺染を行う捺染機等でもよい。
【0150】
上述した各実施形態では、印刷ヘッド10として、シリアルヘッド式を例示したがロール紙Rを間欠搬送方式で搬送する印刷装置においてはラインヘッド式であってもよい。また、印刷ヘッド10の印刷方式は、インクジェット式に限定されない。
【0151】
また、上述した各実施形態では、媒体搬送機構として搬送ローラー対16を例示した。しかしながら、媒体搬送機構は、繰出制御レバー15の下流に設けられた1又は複数のローラーをさらに含んでもよい。媒体搬送機構にさらに含まれるローラーは、回転ローラーでも従動ローラーでもその両者でもよい。
【0152】
また、上述した各実施形態では、媒体供給機構として繰出ローラー対13を例示した。しかしながら、媒体供給機構は、繰出制御レバー15の上流に設けられた1又は複数のローラーをさらに含んでもよい。媒体供給機構にさらに含まれるローラーは、回転ローラーでも従動ローラーでもその両者でもよい。
【0153】
また、上述した各実施形態では、第1搬送速度V1又は第2搬送速度V2の搬送速度で搬送ローラー対16がロール紙Rを搬送するラベルプリンター1を例示した。しかしながら、搬送ローラー対16の搬送速度は、第1搬送速度V1及び第2搬送速度V2の2種類に限定されず、さらに多くてもよい。搬送ローラー対16の搬送速度が3種類以上ある場合、ラベルプリンター1は、少なくとも、最も早い速度でロール紙Rを搬送する場合、第1検出器23の検出結果に基づいて繰出ローラー対13の駆動を制御し、最も遅い速度でロール紙Rを搬送する場合、第2検出器24の検出結果に基づいて繰出ローラー対13の駆動を制御する。
【0154】
また、上述した第4実施形態では、検出部として光学式のロータリーエンコーダーを例示した。しかしながら、検出部は、光学式のロータリーエンコーダーに限定されず、磁気式、レーザー式、静電容量式のロータリーエンコーダーでもよい。また、検出部は、リニアエンコーダーでもよい。また、検出部としてのエンコーダーは、インクリメンタル型に限定されずアブソリュート型でもよい。
【0155】
また、上述した第1実施形態及び第3実施形態では、第1透光部、第2透光部、第3透光部、及び第4透光部として、切り欠きを例示した。しかしながら、第1透光部、第2透光部、第3透光部、及び第4透光部は、切り欠きに限定されず、孔でもよいし透光する部材で構成されてもよい。
【0156】
また、デバイス制御部2201及び印刷制御部2202は、複数のプロセッサー又は複数の半導体チップにより実現してもよい。
【0157】
また、
図5に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、ラベルプリンター1の他の各部の具体的な細部構成についても任意に変更可能である。
【0158】
また、例えば、
図6に示す動作のステップ単位は、ラベルプリンター1の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0159】
1…ラベルプリンター(印刷装置)、10…印刷ヘッド、13…繰出ローラー対(媒体供給機構)、14…繰出駆動モーター、15…繰出制御レバー(移動部材)、16…搬送ローラー対(媒体搬送機構)、17…搬送駆動モーター、22…制御装置、23…第1検出器、24…第2検出器、27…媒体供給部、28…媒体搬送部、29…キャリッジ移動部、30…弛みレバー(移動部材)、33…ロータリーエンコーダー(検出部、エンコーダー)、131…繰出回転ローラー、132…繰出従動ローラー、151…第1繰出制御板(第1移動部材)、152…第2繰出制御板(第2移動部材)、153…テンション部材、154…付勢部材、155…第3繰出制御板(第3移動部材)、161…搬送回転ローラー、162…搬送従動ローラー、220…プロセッサー、221…メモリー、222…インターフェース、223…駆動回路、231…第1照射部、232…第1受光部、241…第2照射部、242…第2受光部、331…エンコード盤(遮光部材)、332…第3検出器、333…回転検出用スリット(透光部)、1511…第1切り欠き(第1透光部)、1521…第2切り欠き(第2透光部)、1551…第3切り欠き(第3透光部)、1552…第4切り欠き(第4透光部)、2201…デバイス制御部、2202…印刷制御部(制御部)、2211…制御プログラム、2212…搬送速度データ、2213…供給速度データ、KJ1…回転軸、R…ロール紙(印刷媒体)、RH…搬送ロール紙(印刷媒体)、V1…第1搬送速度、V2…第2搬送速度。