(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】補助受電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20250128BHJP
H02J 50/05 20160101ALI20250128BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20250128BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20250128BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20250128BHJP
H02J 50/30 20160101ALI20250128BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/05
H02J50/10
H02J50/12
H02J50/20
H02J50/30
(21)【出願番号】P 2021209838
(22)【出願日】2021-12-23
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】酒井 智和
(72)【発明者】
【氏名】婦木 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 哲平
(72)【発明者】
【氏名】武田 重郎
(72)【発明者】
【氏名】徳山 雄生
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-263690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0211458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/40
H02J 50/05
H02J 50/10
H02J 50/12
H02J 50/20
H02J 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電装置から受電装置への給電に係る電力伝送信号によって電力を受電する受電部と、
板状部材の主面に設けられる通知部と、
前記受電部による前記電力伝送信号の受電状況に応じて、前記通知部による通知を制御する通知制御部と、
を備
え、
前記通知制御部は、前記電力伝送信号の送信経路に設けられる金属製の反射部材により反射された前記電力伝送信号を前記受電部が受電した場合、前記通知部に前記電力伝送信号を受電したことを通知させることを特徴とする補助受電装置。
【請求項2】
複数の前記通知部と、複数の前記受電部と、を備え、
前記受電部は、複数の前記通知部が設けられた位置に対応する位置にそれぞれ設けられ、
前記通知制御部は、複数の前記受電部のうち、前記電力伝送信号を受電した前記受電部に対応する位置の前記通知部に、前記電力伝送信号を受電したことを通知させる、
請求項1に記載の補助受電装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記板状部材の主面に設けられる、
請求項
1又は2に記載の補助受電装置。
【請求項4】
前記通知部は、地表より垂直に設置可能な構造体の表面に設けられる、
請求項
1又は2に記載の補助受電装置。
【請求項5】
前記通知部は、発光部、表示部、音声出力部、振動部、及び通信部のうち、少なくともいずれか一つにより実現される、
請求項1から
4のうちいずれか一項に記載の補助受電装置。
【請求項6】
送電装置から受電装置への給電に係る電力伝送信号によって電力を受電する受電部と、
板状部材の主面に設けられる通知部と、
前記受電部による前記電力伝送信号の受電状況に応じて、前記通知部による通知を制御する通知制御部と、
を備え、
前記通知制御部は、前記受電部が受電した前記電力伝送信号の強度に応じて、前記通知部による通知態様を異ならせる
ことを特徴とする補助受電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロ波が照射された被照射体の表面に塗布され、マイクロ波の照射に伴う被照射体の温度上昇に伴い変色する塗料に関する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非接触給電のためのマイクロ波方式を用いた無線による電力伝送において、ユーザは、マイクロ波等の電力伝送信号を視認したい場合がある。一方で、非接触給電のための無線による電力伝送において用いられる電力伝送信号は、生体影響を考慮して、出力が小さく抑えられている場合がある。しかしながら、従来の技術では、出力が小さく抑えられた電力伝送信号を用いる場合、電力伝送信号の照射に伴う被照射体の温度上昇が小さく、電力伝送信号の有無をユーザに示せない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する補助受電装置は、送電装置から受電装置への給電に係る電力伝送信号によって電力を受電する受電部と、板状部材の主面に設けられる通知部と、前記受電部による前記電力伝送信号の受電状況に応じて、前記通知部による通知を制御する通知制御部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、電力伝送信号の有無をユーザに通知することができる。
上記補助受電装置において、複数の前記通知部と、複数の前記受電部と、を備え、前記受電部は、複数の前記通知部が設けられた位置に対応する位置にそれぞれ設けられ、前記通知制御部は、複数の前記受電部のうち、前記電力伝送信号を受電した前記受電部に対応する位置の前記通知部に、前記電力伝送信号を受電したことを通知させてもよい。
【0007】
かかる構成によれば、複数の受電部が設けられた範囲のうち、電力伝送信号を受電した位置をユーザに通知することができる。
上記補助受電装置において、前記通知制御部は、前記電力伝送信号の送信経路に設けられる金属製の反射部材により反射された前記電力伝送信号を前記受電部が受電した場合、前記通知部に前記電力伝送信号を受電したことを通知させてもよい。
【0008】
かかる構成によれば、電力伝送信号を受電した位置、及び電力伝送信号が反射された位置をユーザに通知することができる。
上記補助受電装置において、前記通知部は、前記板状部材の主面に設けられてもよい。
【0009】
かかる構成によれば、板状部材の主面において電力伝送信号を受電した位置を、ユーザに通知することができる。
上記補助受電装置において、前記通知部は、地表より垂直に設置可能な構造体の表面に設けられてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、垂直方向において電力伝送信号を受電した位置を、ユーザに通知することができる。
上記補助受電装置において、前記通知部は、発光部、表示部、音声出力部、振動部、及び通信部のうち、少なくともいずれか一つにより実現されてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、電力伝送信号を受電したことを視覚的、聴覚的、及び触覚的な方法のうち、少なくともいずれかの方法によって、ユーザに通知することができる。
上記補助受電装置において、前記通知制御部は、前記受電部が受電した前記電力伝送信号の強度に応じて、前記通知部による通知態様を異ならせてもよい。
【0012】
かかる構成によれば、受電した電力伝送信号の強度をユーザに通知することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電力伝送信号の有無をユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】非接触給電システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図3】テーブルに設けられた補助受電装置の一例を示す図である。
【
図4】補助受電装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】反射部材において反射される電力伝送信号の一例を示す図である。
【
図6】スタンドに設けられた補助受電装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、図面を参照し、補助受電装置を具体化した実施形態について説明する。
[非接触給電システム1の全体構成]
図1に示すように、非接触給電システム1は、送電装置10と、複数の受電装置20と、複数の補助受電装置30とを備える。送電装置10は、例えば、受電装置20に対して電力伝送信号を用いた非接触給電により電力を給電する。詳しくは、非接触給電システム1では、非接触給電のためのマイクロ波方式を用いた無線による電力伝送を行う。すなわち、送電装置10と、受電装置20とは、受電装置20の受電アンテナと、送電装置10の送電アンテナとの間で、非接触給電のための電力伝送信号の送受信を行う。なお、本システムに適用される無線による電力伝送方式(非接触電力伝送方式)は、マイクロ波方式に限られず、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界共鳴方式、レーザー等を利用した方式であってもよい。また、本実施形態では、電力伝送信号の送受信が非接触給電に用いられるものとするが、非接触給電以外の用途で無線による電力伝送信号の送受信が行われてもよい。受電装置20は、送電装置10から送信された電力伝送信号を受信し、受信した電力により動作したり、自装置が備えるバッテリを充電したりする。
【0016】
複数の補助受電装置30のうち、送電装置10が受電装置20に対して送信する電力伝送信号の経路上に存在する補助受電装置30は、電力伝送信号を受信し、受信したことをユーザに通知する。ユーザは、補助受電装置30の通知を参照し、電力伝送信号の有無を確認する。
【0017】
[補助受電装置30の構成]
以下、補助受電装置30の構成の詳細について説明する。
図2に示すように、補助受電装置30は、例えば、アンテナ31と、変換部32と、通知部33と、制御部40とを備える。
【0018】
アンテナ31は、電力伝送信号の受信に用いられる。変換部32は、アンテナ31によって受信された電力伝送信号を直流電力に変換する。通知部33は、アンテナ31によって電力伝送信号が受信された場合、受信されたことをユーザに通知する。以下、通知部33が、LED(Light Emitting Diode)により実現されるものとする。LEDは、「発光部」の一例である。補助受電装置30は、変換部32により変換された電力によって通知部33を点灯させる。
【0019】
アンテナ31は、「受電部」の一例であり、アンテナ31が送電装置10から受電装置20に送信された電力伝送信号を受信することは、「送電装置から受電装置への給電に係る電力伝送信号によって電力を受電する」ことの一例である。
【0020】
制御部40は、送電装置10が備える各部を制御する。制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め補助受電装置30が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体を備える記憶装置(不図示)に格納されていてもよい。
【0021】
制御部40は、例えば、通知制御部410を備える。通知制御部410は、アンテナ31による電力伝送信号の受信状況に応じて、通知部33による通知を制御する。以下、通知制御部410が、アンテナ31により電力伝送信号が受信された場合、通知部33を点灯させ、アンテナ31により電力伝送信号が受信されていない場合、通知部33を消灯させるものとする。
【0022】
[補助受電装置30の設置例]
以下、補助受電装置30の設置例について説明する。
図3に示すように、補助受電装置30は、例えば、板状部材を備える構成のうち、板状部材の主面に複数設けられる。以下、板状部材を備える構成がテーブル60であって、テーブル60の表面60aが板状部材の主面であるものとする。つまり、補助受電装置30が備える通知部33は、テーブル60の表面60aに設けられる。
【0023】
図3に示す一例では、テーブル60の表面60aに複数の補助受電装置30が所定の間隔毎に離して設けられる。表面60aに設けられた複数の補助受電装置30のうち、送電装置10から受電装置20へ送信した電力伝送信号を受信した補助受電装置30は、通知部33を点灯させて、ユーザに電力伝送信号の受信を通知する。また、複数の補助受電装置30のうち、送電装置10から受電装置20へ送信した電力伝送信号を受信していない補助受電装置30は、通知部33を消灯させて、ユーザに電力伝送信号の受信を通知しない。
【0024】
[動作フロー]
以下、
図4を参照し、通知制御部410の処理の詳細について説明する。まず、通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されたか否かを判定する(ステップS100)。通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されていないと判定した場合、通知部33により電力伝送信号の受信を通知させない(ステップS102)。つまり、通知制御部410は、通知部33を消灯させる。通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されていると判定した場合、通知部33により電力伝送信号の受信を通知させる(ステップS104)。つまり、通知制御部410は、通知部33を点灯させる。
【0025】
[実施形態の作用効果]
上記実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)補助受電装置30は、アンテナ31と、通知部33と、通知制御部410とを備える。アンテナ31は、送電装置10から受電装置20への給電に係る電力伝送信号によって電力を受電する。通知部33は、テーブル60の表面60aに設けられる。通知制御部410は、アンテナ31による電力伝送信号の受電状況に応じて、通知部33による通知を制御する。
【0026】
本実施形態の通知制御部410は、アンテナ31が電力伝送信号を受信している場合、通知部33により電力伝送信号の受信を通知し、アンテナ31が電力伝送信号を受信していない場合、通知部33により電力伝送信号の受信を通知しない。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号の有無をユーザに通知することができる。
【0027】
(2)複数の補助受電装置30がテーブル60の表面60aに設けられる場合、複数の通知部33は、テーブル60の表面60aに設けられてもよい。かかる構成によれば、複数の補助受電装置30は、テーブル60の表面60aにおいて電力伝送信号を受電した位置を、ユーザに通知することができる。
【0028】
(3)通知部33は、LED等の発光部により実現される。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号を受電したことを視覚的にユーザに通知することができる。
【0029】
上記各実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記実施形態および以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
○上述では、通知制御部410が、アンテナ31が電力伝送信号を受信していない場合、通知部33に電力伝送信号の受信を通知させない場合について説明したが、これに限られない。通知制御部410は、アンテナ31が電力伝送信号を受信していないことを、受信した場合とは異なる態様によって通知部33に通知をさせてもよい。例えば、通知制御部410は、アンテナ31が電力伝送信号を受信したことを通知する場合、通知部33を青色に点灯させ、アンテナ31が電力伝送信号を受信していないことを通知する場合、通知部33を赤色に点灯させてもよい。
【0030】
○また、上述では、通知部33がLEDにより実現される場合について説明したが、これに限られない。通知部33は、例えば、表示部、音声出力部、振動部、及び通信部等により実現されてもよい。
【0031】
通知部33がスピーカ等の音声出力部により実現される場合、通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されたことを、通知音や通知メッセージ等を通知部33に出力させることによりユーザに通知する。一方で、通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されていないことを、通知音や通知メッセージ等を通知部33に出力させること、又はそれらを出力させないことによりユーザに通知する。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号を受電したことを視覚的にユーザに通知することができる。
【0032】
通知部33がディスプレイ等の表示部により実現される場合、通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されたことを、通知メッセージや通知画像を通知部33に表示させることによりユーザに通知する。一方で、通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されていないことを、通知メッセージや通知画像を通知部33に表示させること、又はそれらを表示させないことによりユーザに通知する。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号を受電したことを視覚的にユーザに通知することができる。
【0033】
通知部33がモータ等の振動部により実現される場合、通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されたことを、通知部33を振動させることによりユーザに通知する。一方で、通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信されていないことを、受信された場合とは異なる態様で通知部33を振動させることにより、又は振動させないことによりユーザに通知する。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号を受電したことを触覚的にユーザに通知することができる。
【0034】
通知部33が通信部等により実現される場合、通知制御部410は、電力伝送信号が受信されたことを示す情報を、補助受電装置30とネットワークを介して接続された受電装置20に対して通知部33に送信させることによってユーザに通知する。この場合、補助受電装置30と受電装置20とを接続するネットワークは、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)等により実現される。一方で、通知制御部410は、電力伝送信号が受信されていないことを示す情報を、補助受電装置30とネットワークを介して接続された受電装置20に対して通知部33に送信させる、又は情報を送信させないことによりユーザに通知する。また、補助受電装置30とネットワークを介して接続されるのは、受電装置20そのものであってもよく、受電装置20を実装した端末装置であってもよい。端末装置とは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号を受電したことを、メッセージ等の情報により視覚的にユーザに通知することができる。また、受電装置20、又は受電装置20を実装する端末装置が、情報を受信したことを通知する視覚的、聴覚的、又は触覚的な構成を有している場合、電力伝送信号を受信したことを視覚的、聴覚的、又は触覚的にユーザに通知することができる。
【0035】
○通知部33は、テーブル60の表面60aに設けられる場合について説明したが、これに限られない。
図5に示すように、通知部33は、電力伝送信号の送信経路に設けられる金属製の反射部材70と、表面60aとの間に設けられてもよい。通知部33が視覚的にユーザに通知するものにより実現される場合、表面60aは、可視光を透過させる部材により実現される。また、通知部33が聴覚的にユーザに通知するものにより実現される場合、表面60aは、通知部33の音の出力に伴う振動の伝搬を阻害しない、又は阻害しにくい部材により実現される。また、通知部33が触覚的にユーザに通知するものにより実現される場合、表面60aは、通知部33による振動の伝搬を阻害しない、又は阻害しにくい部材により実現される。
【0036】
反射部材70は、電力伝送信号を反射する。
図5に示す一例では、補助受電装置30-1~30-5の複数の補助受電装置30のうち、補助受電装置30-2,30-3が、送電装置10から受電装置20へ送信された電力伝送信号の入射信号MW1を受信する。また、補助受電装置30-1~30-5の複数の補助受電装置30のうち、補助受電装置30-3,30-4が、送電装置10から受電装置20へ送信された電力伝送信号の反射信号MW2を受信する。したがって、補助受電装置30-1~30-5の複数の補助受電装置30のうち、補助受電装置30-2,30-3の通知制御部410は、電力伝送信号を受信したことを通知部33に通知させる。また、補助受電装置30-1~30-5の複数の補助受電装置30のうち、補助受電装置30-3,30-4の通知制御部410は、電力伝送信号が反射されたことを通知部33に通知させる。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号を受信した位置、及び電力伝送信号が反射された位置をユーザに通知することができる。
【0037】
○通知部33は、テーブル60の表面60aに設けられる場合について説明したが、これに限られない。
図6に示すように、通知部33は、地表より垂直に設置可能なスタンド80等の構造体の表面80aに設けられてもよい。かかる構成によれば、補助受電装置30は、垂直方向において電力伝送信号を受電した位置を、ユーザに通知することができる。表面80aは、「板状部材の主面」の一例である。
【0038】
○補助受電装置30は、アンテナ31と、通知部33とを一つずつ備える場合について説明したが、これに限られない。補助受電装置30は、複数のアンテナ31と、複数の通知部33とを備えていてもよい。以下、
図7を参照し、複数の通知部33を備える補助受電装置30aについて説明する。補助受電装置30aは、アンテナ31と、変換部32と、通知部33-1~33-4の四つの通知部33と、制御部40とを備える。アンテナ31は、複数の通知部33が設けられた位置に対応する位置に設けられる。この場合、アンテナ31は、通知部33-1~33-4の中央に設けられる。補助受電装置30aの通知制御部410は、アンテナ31により電力伝送信号が受信された場合、通知部33-1~33-4により電力伝送信号の受信を通知させる。かかる構成によれば、補助受電装置30aは、電力伝送信号が受信されたことを、通知部33を一つ備える場合に比して広い範囲においてユーザに分かりやすく通知することができる。
【0039】
補助受電装置30bは、アンテナ31-1~31-4の四つのアンテナ31と、変換部32と、通知部33と、制御部40とを備える。変換部32は、複数のアンテナ31が設けられた位置に対応する位置に設けられる。この場合、通知部33は、アンテナ31-1~31-4の中央に設けられる。補助受電装置30bの通知制御部410は、アンテナ31-1~31-4のいずれかのアンテナ31により電力伝送信号が受信された場合、通知部33により電力伝送信号の受信を通知させる。かかる構成によれば、補助受電装置30bは、アンテナ31を一つ備える場合に比して広い範囲において電力伝送信号を受信の有無を検出することができる。
【0040】
○なお、複数の補助受電装置30の通知部33、又は補助受電装置30aが備える複数の通知部33は、表面60aにおいて所定の間隔毎に設けられてもよい。また、複数の補助受電装置30の通知部33、又は補助受電装置30aが備える複数の通知部33は、表面80aにおいて所定の間隔毎に設けられてもよい。かかる構成によれば、複数の補助受電装置30、又は補助受電装置30aは、電力伝送信号の有無を、通知部33が設けられた面において均一にユーザに通知することができる。
【0041】
○複数の補助受電装置30の通知部33、又は補助受電装置30aが備える複数の通知部33は、テーブル60の表面60aやスタンド80の表面80aの他、非接触給電システム1が設けられる空間を構成する壁、天井、床等の構造物の表面に設けられてもよい。壁、天井、床等の構造物の表面は、「板状部材の主面」の一例である。複数の補助受電装置30の通知部33、又は補助受電装置30aが備える複数の通知部33は、例えば、壁、天井、床等の表面において、所定の間隔毎に設けられる。かかる構成によれば、複数の補助受電装置30、又は補助受電装置30aは、電力伝送信号の有無を、通知部33が設けられた面において均一にユーザに通知することができる。
【0042】
また、複数の補助受電装置30の通知部33、又は補助受電装置30aが備える複数の通知部33が、壁面において、水平方向に所定の間隔毎に設けられている場合には、水平方向において電力伝送信号を受電した位置を、ユーザに通知することができる。また、複数の補助受電装置30の通知部33、又は補助受電装置30aが備える複数の通知部33が、壁面において、垂直方向に所定の間隔毎に設けられている場合には、垂直方向において電力伝送信号を受電した位置を、ユーザに通知することができる。
【0043】
○通知制御部410は、アンテナ31が受信した電力伝送信号の受信強度に応じて、通知部33の通知態様を異ならせてもよい。通知制御部410は、例えば、アンテナ31が受信した電力伝送信号の受信強度が強い程、通知の程度を大きくし、アンテナ31が受信した電力伝送信号の受信強度が弱い程、通知の程度を小さくしてもよい。
【0044】
例えば、通知部33がスピーカ等の音声出力部により実現される場合、通知制御部410は、受信強度が強い程、大きい音量によりユーザに通知し、受信強度が弱い程、小さい音量によりユーザに通知する。通知部33がディスプレイ等の表示部により実現される場合、通知制御部410は、受信強度が強い程、目立つ態様の通知メッセージや通知画像によりユーザに通知し、受信強度が弱い程、目立たない態様の通知メッセージや通知画像によりユーザに通知する。通知部33がモータ等の振動部により実現される場合、通知制御部410は、受信強度が強い程、強い振動によりユーザに通知し、受信強度が弱い程、弱い振動によりユーザに通知する。通知部33が通信部等により実現される場合、通知制御部410は、受信強度が強い程、目立つ態様の情報によりユーザに通知し、受信強度が弱い程、目立たない態様の情報によりユーザに通知する。
【0045】
また、通知制御部410は、受信強度が強い程、多い頻度で通知し、受信強度が弱い程、少ない頻度で通知してもよい。かかる構成によれば、補助受電装置30は、電力伝送信号の強度をユーザに通知することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…非接触給電システム
10…送電装置
20…受電装置
30,30-1,30-2,30-3,30-4,30-5,30a,30b…補助受電装置
31,31-1,31-2,31-3,31-4…アンテナ
32…変換部
33,33-1,33-2,33-3,33-4…通知部
40…制御部
60…テーブル
60a…表面
70…反射部材
80…スタンド
80a…表面
410…通知制御部。