(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】作業管理システムおよび作業管理ツール
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250128BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20250128BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2024106496
(22)【出願日】2024-07-01
【審査請求日】2024-08-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古山 剛
(72)【発明者】
【氏名】岡本 朋之
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】室元 麻友子
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-197257(JP,A)
【文献】特開2017-041047(JP,A)
【文献】特開2007-299314(JP,A)
【文献】スズキアユミ,いますぐ付箋ではじめるチームのタスク管理!タスクボードの使い方とヒント,[online],2021年06月20日,[検索日 2024.09.20], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20210620205344/https://designmemo.jp/2017/09/howto-taskboard.html>
【文献】 ONE PIECE CARD GAME オフィシャルルールマニュアル Ver1.11,[online],2023年06月16日,[検索日 2024.09.20], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20230616150007/https://www.onepiece-cardgame.com/pdf/rule_manual.pdf?20230616>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理システムであって、
前記作業の内容が表示されている指示札と、前記指示札を掲示するための掲示領域を有する掲示板と、前記掲示領域全体の画像データをリアルタイムで連続的または断続的に取得する撮像要素と、前記画像データを画像解析する演算要素と、を有し、
前記掲示板は、前記指示札を複数の異なる状態で前記掲示領域に掲示することが可能であり、
前記作業の前記内容は前記掲示板に表示されず、
前記掲示領域には、作業者に対して前記作業の指示が出されてから前記作業が終了するまでの間にのみ前記指示札が掲示され、
前記演算要素は、前記掲示領域に対して変化する前記指示札の状態を基に、前記作業の進捗状況を把握する、作業管理システム。
【請求項2】
前記掲示板は、複数の前記指示札を別々に掲示するための複数の掲示領域を有し、
前記撮像要素は、各々の前記掲示領域を所定の順に巡回し撮像する、請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記掲示領域は、前記作業が第1の段階であるときに前記指示札を掲示するための第1掲示部と、前記作業が第2の段階であるときに前記指示札を掲示するための第2掲示部と、を有する、請求項1または請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記指示札の意匠は、
前記指示札を第1の方向で掲示した際と、前記第1の方向と直交する第2の方向で掲示した際と、で
回転対称となる図形以外の意匠であり、
前記作業が第1の段階であるときに前記指示札を前記第1の方向で掲示し、前記作業が第2の段階であるときに前記指示札を前記第2の方向で掲示する、請求項1または請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記指示札における前記第1の方向の長さは、前記指示札における前記第2の方向の長さの1.5倍以上である、請求項4に記載の作業管理システム。
【請求項6】
前記掲示板の前記掲示領域には各々異なる番号が割り当てられ、前記掲示領域には前記番号のみが表示されている、請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項7】
前記撮像要素は各々の前記掲示領域を前記番号の順に巡回し撮像する、請求項6に記載の作業管理システム。
【請求項8】
作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理ツールであって、
前記作業の内容が表示されている指示札と、前記指示札を掲示するための掲示領域を有する掲示板と、を有し、
前記作業の前記内容は前記掲示板に表示されず、
前記掲示領域には、作業者に対して前記作業の指示が出されてから前記作業が終了するまでの間にのみ前記指示札が掲示され、
前記掲示板は、前記作業が第1の段階であるときに前記指示札を掲示するための第1掲示部と、前記作業が第2の段階であるときに前記指示札を掲示するための第2掲示部と、を前記掲示領域に有し、
前記指示札は、前記第1掲示部に表示された状態と、前記第2掲示部に掲示された状態と、の少なくとも2つの異なる状態の間で状態変化する、作業管理ツール。
【請求項9】
作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理ツールであって、
前記作業の内容が表示されている指示札と、前記指示札を掲示するための掲示領域を有する掲示板と、を有し、
前記作業の前記内容は前記掲示板に表示されず、
前記掲示領域には、作業者に対して前記作業の指示が出されてから前記作業が終了するまでの間にのみ前記指示札が掲示され、
前記指示札の意匠は、
前記指示札を第1の方向で掲示した際と、前記第1の方向と直交する第2の方向で掲示した際と、で
回転対称となる図形以外の意匠であり、
前記作業が第1の段階であるときに前記指示札を前記第1の方向で掲示し、前記作業が第2の段階であるときに前記指示札を前記第2の方向で掲示することで、前記指示札が少なくとも2つの異なる状態の間で状態変化する、作業管理ツール。
【請求項10】
前記指示札における前記第1の方向の長さと前記第2の方向の長さとは、1.5倍以上異なる、
請求項9に記載の作業管理ツール。
【請求項11】
前記指示札を複数有し、かつ、
前記掲示板は前記指示札に対応する複数の前記掲示領域を有する、
請求項8~請求項10の何れか一項に記載の作業管理ツール。
【請求項12】
前記掲示板の前記掲示領域には各々異なる番号が割り当てられ、前記掲示領域には前記番号のみが表示されている、請求項11に記載の作業管理ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種の作業場において作業の管理を行うための作業管理システムおよび作業管理ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
作業場において、同一の作業に複数の人員が携わる場合には、当該同一の作業の進捗状況についての情報を人員の各自で共有する必要がある。以下必要に応じて、当該情報を作業情報と称する場合がある。
作業情報を複数の人員で共有する方法として、従来から、作業情報を共有の掲示板に掲示し、これを人員の各自で共有することがなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、作業現場において掲示板に施工情報を記載し、当該施工情報をデジタルカメラにより撮像し、得られた画像データを演算要素によって保存ファイルにファイリングし、CADデータ、すなわち設計情報とリンクさせる技術が提案されている。さらに特許文献1には、ファイリングに用いる情報として、画像データの文字情報、すなわち掲示板に記載され演算要素が読み取った、撮影場所、日付、時刻、施工内容、部位等の情報を利用する旨が紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、作業場において、同一の作業に複数の人員が異なるタイミングで携わる場合がある。
例えば、ある1つの作業を行うにあたり、作業者に対して指示者が作業の指示を出し、指示のあった作業を作業者が行ない、作業者が行った作業の可否についてチェック者がチェックを行うような場合である。
【0006】
上記のように同一の作業に複数の人員が異なるタイミングで携わる場合、作業を円滑に行ったり、作業を次の段階に進めたりするためには、人員の各自が作業情報をリアルタイムで共有する必要がある。また作業情報に変更が生じた場合には、当該変更を迅速にかつ信頼性高く人員の各自に周知する必要がある。
【0007】
作業場では、多くの作業を同時進行するのが一般的であり、かつ、人員の各自は多くの作業を次々に行うのが一般的である。このため、作業場において人員の各自で進捗状況を共有すべき作業は刻々と変化し、その作業情報を当該作業に携わる人員でリアルタイムに共有することは容易とは言い難い。
【0008】
上記した特許文献1の技術を用いれば、掲示板に掲示された情報や掲示板に手書きで記載された文字等の情報を、データ化しファイリングして同一の作業に携わる人員で共有することは可能である。
しかし人員の各自が作業情報をリアルタイムで共有したり、作業情報の変更を迅速にかつ信頼性高く人員の各自に周知したりするためには、特許文献1の技術だけでは不十分である。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、作業場において、作業に携わる人員が、作業情報をリアルタイムでかつ精度高く共有するための技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の作業管理システムは、
作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理システムであって、
前記作業の内容が表示されている指示札と、前記指示札を掲示するための掲示領域を有する掲示板と、前記掲示領域全体の画像データをリアルタイムで連続的または断続的に取得する撮像要素と、前記画像データを画像解析する演算要素と、を有し、
前記掲示板は、前記指示札を複数の異なる状態で前記掲示領域に掲示することが可能であり、
前記演算要素は、前記掲示領域に対して変化する前記指示札の状態を基に、前記作業の進捗状況を把握する、作業管理システムである。
【0011】
また、上記課題を解決する本発明の第1態様の作業管理ツールは、
作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理ツールであって、
前記作業の内容が表示されている指示札と、前記指示札を掲示するための掲示領域を有する掲示板と、を有し、
前記掲示板は、前記作業が第1の段階であるときに前記指示札を掲示するための第1掲示部と、前記作業が第2の段階であるときに前記指示札を掲示するための第2掲示部と、を前記掲示領域に有し、
前記指示札は、前記第1掲示部に表示された状態と、前記第2掲示部に掲示された状態と、の少なくとも2つの異なる状態の間で状態変化する、作業管理ツールである。
【0012】
上記課題を解決する本発明の第2態様の作業管理ツールは、
作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理ツールであって、
前記作業の内容が表示されている指示札と、前記指示札を掲示するための掲示領域を有する掲示板と、を有し、
前記指示札の意匠は、第1の方向で掲示した際と、前記第1の方向と直交する第2の方向で掲示した際と、で異なり、
前記作業が第1の段階であるときに前記指示札を前記第1の方向で掲示し、前記作業が第2の段階であるときに前記指示札を前記第2の方向で掲示することで、前記指示札が少なくとも2つの異なる状態の間で状態変化する、作業管理ツールである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の作業管理システムおよび作業管理ツールによると、作業場において、作業に携わる人員が、作業情報をリアルタイムでかつ精度高く共有することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールにおける指示札、掲示板、撮像要素および演算要素を模式的に説明する説明図である。
【
図2】実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールにおける指示札を模式的に説明する説明図である。
【
図3】実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【
図4】実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【
図5】実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【
図6】実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【
図7】実施例2の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【
図8】実施例2の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【
図9】実施例2の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記したように、本発明の作業管理システムは、作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理システムであって、指示札、掲示板、撮像要素および演算要素を有する。
一方、本発明の作業管理ツールは、作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理ツールであって、指示札および掲示板を有する。本発明の作業管理ツールは、本発明の作業管理システムのうち、指示札および掲示板に焦点を当てたものといい得る。換言すると、本発明の作業管理ツールは、本発明の作業管理システムにおける指示札および掲示板の一態様である。以下、必要に応じて、本発明の作業管理システムのうち指示札および掲示板を、作業管理ツール、本発明の作業管理ツール等と称する場合がある。
【0016】
本発明の作業管理システムにおいて、指示札には作業の内容が表示され、掲示板は指示札を掲示するための掲示領域を有する。以下、必要に応じて作業の内容を作業内容と略する場合がある。
【0017】
本発明の作業管理システムにおいて、掲示板は、指示札を複数の異なる状態で掲示領域に掲示することが可能である。このため本発明の作業管理システムでは、同一の作業に複数の人員が異なるタイミングで携わる場合にも、掲示板に表示された作業情報を1つの作業に携わる人員の各自がリアルタイムで共有できる利点がある。加えて、掲示板に掲示された指示札の状態から、人員の各自が作業情報を視覚的かつ直感的にパターン認識できる利点もある。
【0018】
同一の作業に指示者、作業者、チェック者を含む複数の人員が異なるタイミングで携わる場合を例にとって説明する。
この場合には、先ず指示者が掲示板の掲示領域に指示札を掲示する。このとき指示札および掲示板によって作業情報が表示される。掲示板および当該掲示板に掲示された指示札は、同一の作業に携わる人員に共有されているために、当該作業情報は人員の各自にリアルタイムで共有される。
【0019】
既述したように指示札には作業内容が表示されている。したがってこのときの作業情報には、作業内容が含まれ、さらには作業の進捗状況として、作業者に対して作業内容の指示が出ている状況であることも含まれる。
【0020】
作業者は、作業が終了すると掲示領域にある指示札を状態変化させる。これにより、指示札および掲示板によって表示される作業情報が更新され、当該作業情報の更新は人員の各自にリアルタイムで共有される。
【0021】
このときの作業情報には、作業内容に加えて、作業の進捗状況として、作業者の作業が終了した状況であることが含まれる。
【0022】
上記のように更新された作業情報に基づき、チェック者は、作業者の作業に関するチェックを行う。そしてチェック者は、当該チェックの完了時に、掲示領域にある指示札を状態変化させる。これにより、指示札および掲示板によって表示される作業情報が再度更新され、当該作業情報の更新もまた人員の各自にリアルタイムで共有される。
【0023】
このときの作業情報には、作業の進捗状況として、チェックも含めて作業が完了した状況であることが含まれる。
【0024】
このように、本発明の作業管理システムによると、同一の作業に異なるタイミングで携わる複数の人員の各々が、作業情報の更新や変更をリアルタイムで共有することが可能である。また、本発明の作業管理システムでは、掲示板に掲示された指示札を作業の段階毎、すなわち作業情報が更新される毎に状態変化させることができ、このため人員の各自は作業情報が更新されたことを視覚的かつ直感的に認識できる。そしてこれにより、本発明の作業管理システムによると、作業情報を人員の各自に対して迅速にかつ信頼性高く周知させることが可能である。
【0025】
本発明の作業管理システムは上記した掲示板および指示札に加えて、撮像要素および演算要素を有する。撮像要素は掲示板全体の画像データをリアルタイムで連続的または断続的に取得するものであり、演算要素は撮像要素が取得した画像データを画像解析するものである。
【0026】
撮像要素が取得した掲示領域全体の画像データには、当該掲示領域に掲示されている指示札や、当該指示札が表示する作業内容、指示札の掲示状態等の情報も含まれる。演算要素は、これらの情報も含めて、画像データを画像解析する。
このため演算要素は、掲示領域に対して変化する指示札の状態を基に、作業の進捗状況を把握することが可能である。
【0027】
指示札は複数の異なる状態で掲示板に掲示される。このため、演算要素が当該指示札を含む画像データを画像解析する際にも、当該指示札の状態をパターン認識することが容易であり、当該指示札の状態から作業情報を容易に把握することが可能である。
そして本発明の作業管理システムによると、演算要素が把握した作業情報を基に、作業の管理を好適に行うことが可能である。
【0028】
演算要素が把握した作業の進捗状況は、当該作業に携わる人員のみならず、作業の次段階に携わる他の人員が共有することも可能である。このことは、作業を次の段階に円滑に進めるために有利である。
【0029】
本発明の作業管理ツールは、掲示板および指示札を有し、上記した本発明の作業管理システムの一部を構成するものである。このような本発明の作業管理ツールによると、上記した本発明の作業管理システムと同様に、同一の作業に異なるタイミングで携わる複数の人員の各々が、作業情報の更新や変更をリアルタイムで共有することが可能である。また、本発明の作業管理ツールでも、掲示板に掲示された指示札を作業情報が更新される毎に状態変化させることができ、このため人員の各自が作業情報が更新されたことを視覚的かつ直感的に認識できる効果を生じる。そしてこれにより、本発明の作業管理ツールによっても、作業情報を人員の各自に対して迅速にかつ信頼性高く周知させることが可能である。
【0030】
本発明の作業管理ツールには、2つの態様がある。第1態様の作業管理ツールにおいては、掲示領域が、作業が第1の段階であるときに指示札を掲示するための第1掲示部と、作業が第2の段階であるときに指示札を掲示するための第2掲示部と、を有する。指示札は、第1掲示部に表示された状態と、第2掲示部に掲示された状態と、の少なくとも2つの異なる状態の間で状態変化する。
【0031】
このような第1態様の作業管理ツールによると、掲示板に掲示された指示札の状態、すなわち指示札が第1掲示部にあるか第2掲示部にあるかを、人員の各自が容易にパターン認識できる。そして指示札が第1掲示部にあるときには作業が第1段階にあり、指示札が第2掲示部にあるときには作業が第2の段階である、という作業情報を、人員の各自がリアルタイムでより容易にかつより信頼性高く把握することが可能である。
同様に、演算要素が当該指示札を含む画像データを画像解析する際にも、当該指示札の状態を演算要素が容易にパターン認識でき、作業情報をリアルタイムでより容易にかつより信頼性高く把握することが可能である。
【0032】
第2態様の作業管理ツールにおいては、指示札の意匠が、第1の方向で掲示した際と、前記第1の方向と直交する第2の方向で掲示した際と、で異なる。そして作業が第1の段階であるときに指示札を第1の方向で掲示し、作業が第2の段階であるときに指示札を第2の方向で掲示することで、指示札が少なくとも2つの異なる状態の間で状態変化する。
【0033】
このような第2態様の作業管理ツールによると、掲示板に掲示された指示札の状態、すなわち指示札が第1の方向で掲示されているのか、または第2の方向で掲示されているのかを、人員の各自が容易にパターン認識できる。そして指示札が第1の方向で掲示されていれば作業が第1の段階であり、指示札が第2の方向で掲示されていれば作業が第2の段階である、という作業情報を、人員の各自がリアルタイムでより容易にかつより信頼性高く把握することが可能である。
同様に、演算要素が当該指示札を含む画像データを画像解析する際にも、当該指示札の状態を演算要素が容易にパターン認識でき、作業情報をリアルタイムでより容易にかつより信頼性高く把握することが可能である。
【0034】
以下、本発明の作業管理システムおよび作業管理ツールをその構成要素毎をに説明する。なお、本発明の作業管理システムにおける指示札および掲示板の説明は、本発明の作業管理ツールにおける指示札および掲示板の説明と読み替えることが可能である。
【0035】
以下、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
【0036】
本発明の作業管理システムは、作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理システムである。
本発明の作業管理システムを行う作業場、本発明の作業管理システムで管理すべき作業、およびその進捗状況の種類は特に限定されず、如何なる作業場における如何なる作業であっても良い。
【0037】
本発明の作業管理システムは指示札、掲示板、撮像要素および演算要素を有する。
このうち指示札は、作業内容が表示されているものであれば良く、その材料や大きさ、色、作業内容の表示様式等も特に限定されない。
指示札の材料の一例として、樹脂、木、紙、金属等を挙げることができる。指示札には作業内容を印刷しても良いし、手書きしても良い。または、指示札に液晶画面等の電子表示装置を設けて、作業内容を電子的に表示しても良い。指示札の色もまた特に限定しないが、同じ作業管理システムにおける指示札は同色であるのが好適であり、関連する作業管理システムにおける指示札もまた同色であるのが好適である。
【0038】
指示札の形状は特に限定しないが、指示札の状態を容易にパターン認識するためには、指示札は縦横比の異なる矩形であるのが好適である。
具体的には、指示札における第1の方向の長さと、当該第1の方向と直交する第2の方向の長さとは、1.5倍以上、2倍以上、または2.5倍以上異なるのが特に好適である。
【0039】
また、指示札の一部を指示札の他の一部とは異なる色で表示することも、指示札に表示されている作業内容や、指示札の状態を容易にパターン認識するために有用である。
具体的には、指示札の一部を白色で表示し、指示札の他の一部を黒色で表示する、指示札の一部を白色で表示し、指示札の他の一部を赤色で表示する、等である。
【0040】
指示札に表示されている作業内容や指示札の状態をより容易にパターン認識するためには、縦横比の異なる矩形の指示札のうち長手方向の一端側と他端側とを異なる色にしたり、縦横比の異なる矩形の指示札のうち短手方向の一端側と他端側とを異なる色にしたりすることも有用である。
【0041】
指示札の一部を指示札の他の一部とは異なる色で表示する場合、指示札の一部に表示される作業内容と、指示札の他の一部に表示される作業内容とは、同じ色であっても良いし異なる色であっても良い。
【0042】
掲示板は、指示札を掲示するための掲示領域を有すれば良い。掲示板は一のみの掲示領域を有しても良いし、複数の掲示領域を有しても良い。つまり掲示板を複数の作業管理システムに共用しても良い。
【0043】
掲示板の材料や形状、掲示方法等は特に限定されない。
例えば、掲示板として磁性体のものを用い、指示札として磁石を一体に有するものを用いて、指示札を磁力により掲示板に貼り付けることで、当該指示札を掲示板の掲示領域に掲示しても良い。
【0044】
または、掲示板の掲示領域に複数のポケットや固定具等を設け、指示札をポケットに差し込んだり、固定具に固定したりすることで、当該指示札を掲示板の掲示領域に掲示しても良い。掲示板に指示札を掲示する掲示方法としては、これに限らず、種々の方法を採用し得る。
【0045】
本発明の作業管理システムは、一のみの指示札を有しても良いし、複数の指示札を有しても良い。また、一のみの掲示板を有しても良いし、複数の掲示板を有しても良い。換言すると、本発明の作業管理システムでは、1つの作業に対して一のみの指示札を用いても良いし、複数の指示札を用いても良い。また、1つの作業に対して一のみの掲示板を用いても良いし、複数の掲示板を用いても良い。
【0046】
本発明の作業管理システムにおいて、掲示板は、指示札を複数の異なる状態で掲示領域に掲示することが可能である。
【0047】
例えば掲示領域は、作業が第1の段階であるときに指示札を掲示するための第1掲示部と、作業が第2の段階であるときに指示札を掲示するための第2掲示部と、を有するのが好ましい。
【0048】
この場合、作業の第1段階終了時に、第1段階の作業者は指示札を第1掲示部に掲示すれば良い。そして作業の第2段階終了時に、第2段階の作業者は指示札を第1掲示部から第2掲示部に位置変化させれば良い。
【0049】
また例えば、指示札の意匠は、第1の方向で掲示した際と、当該第1の方向と直交する第2の方向で掲示した際と、で異なるのも好ましい。この場合には、作業が第1の段階であるときに指示札を第1の方向で掲示し、作業が第2の段階であるときに当該指示札を第2の方向で掲示するのが好適である。
【0050】
この場合、作業の第1段階終了時に、第1段階の作業者は指示札を第1の方向で掲示すれば良い。そして作業の第2段階終了時に、第2段階の作業者は指示札を第1の方向から第2の方向に状態変化させれば良い。
【0051】
作業は上記の2段階のみを有しても良いし、3以上の段階を有しても良い。何れの場合にも、作業の段階を追って、指示札が掲示領域において状態変化可能であれば良い。
【0052】
例えば上記したように、ある1つの作業を行うにあたり、作業者に対して指示者が作業の指示を出し、指示のあった作業を作業者が行ない、作業者が行った作業の可否についてチェック者がチェックを行う場合、指示者が第1段階の作業者に相当し、作業者が第2段階の作業者に相当し、チェック者が最終段階の作業者に相当する。
【0053】
この場合、チェック者すなわち最終段階の作業者は、最終段階の終了後に、指示札を、第1掲示部および第2掲示部とは異なる第3掲示部に位置変化させても良いし、或いは掲示板から取り去っても良い。または、当該第3段階の作業者は、指示札を裏返して第1掲示部または第2掲示部に掲示しても良い。
【0054】
または、最終段階の作業者は、最終段階の終了後に、指示札を、第1の方向および第2の方向とは異なる第3の方向に状態変化させても良いし、或いは掲示板から取り去っても良い。または、当該第3段階の作業者は、指示札を裏返して掲示領域に掲示しても良い。
【0055】
何れの場合にも、作業の段階を追って、指示札が掲示領域において状態変化することにかわりない。
【0056】
撮像要素は、掲示領域全体の画像データをリアルタイムで連続的または断続的に取得する。
撮像要素は掲示領域全体の画像データを取得できれば良く、ここでいう掲示領域全体の画像データとは、撮像対象である掲示領域、および当該掲示領域に掲示された指示札を直接的または間接的に識別可能な画像データを意味する。
掲示領域全体の画像データは、撮像対象である掲示領域上に掲示された指示札の全体が入る位置に設置された撮像要素によって取得された画像データということも可能である。
【0057】
本発明の作業管理システムは一のみの撮像要素を有しても良いし、複数の撮像要素を有しても良い。
【0058】
また撮像要素は、掲示領域の画像データを連続的に取得しても良いし、断続的に取得しても良い。例えば、掲示板に複数の掲示領域を設けて、1つの撮像要素によって、各々の掲示領域を所定の順に巡回し撮像しても良い。この場合には、撮像要素は各々の掲示領域を所定の間隔で撮像することになり、各々の掲示領域についての画像データが断続的に取得される。
【0059】
なお、この場合、各掲示領域には各々対応する指示札が掲示され、1つの掲示板で複数の作業管理を行われる。この場合には、1つの撮像要素を複数の作業管理システムに共用できるため、コスト面で有利である。
【0060】
撮像要素は、掲示領域全体の画像データをリアルタイムで連続的または断続的に取得すれば良く、このような撮像要素は、画像データを動画として取得可能なものであっても良いし静止画として取得可能なものであっても良い。
【0061】
演算要素は、撮像要素が取得した画像データを画像処理できるものであって、当該画像データ上での掲示領域に対する指示札の状態を基に、作業の進捗状況を把握できるものであれば良く、その構造および構成は特に限定されない。
【0062】
このような演算要素としては、例えば、CPU等の演算・制御装置と、メモリやハードディスク等の記憶装置とを具備するコンピュータを例示できる。
【0063】
演算要素は、撮像要素がリアルタイムで取得した画像データを画像処理する都合上、撮像要素からのデータをリアルタイムで取得可能であるように、有線または無線的に接続されているのが好適である。
【0064】
以下、具体例を挙げて本発明の作業管理システムおよび作業管理ツールを説明する。
【0065】
(実施例1)
図1は実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールにおける指示札、掲示板、撮像要素および演算要素を模式的に説明する説明図である。
図2は実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールにおける指示札を模式的に説明する説明図である。
図3~
図6は実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
以下、実施例1で挙げる各方向は、
図1に示す各方向を意味するものとする。
【0066】
実施例1の作業管理システム1および作業管理ツール10は、荷物保管施設110においてトラックに積み込む荷物を揃える作業の管理を行うためのものである。荷物保管施設110は本発明の作業管理システム1における作業場に相当する。
【0067】
図1に示すように、実施例1の作業管理システム1は、指示札2、掲示板3、撮像要素4および演算要素5を有する。このうち指示札2および掲示板3は実施例1の作業管理ツール10である。
【0068】
掲示板3は複数の掲示領域30を有する。この掲示領域30の数は、当該掲示板3で管理する作業の数に合致する。各掲示領域30には各々異なる番号が割り当てられている。
【0069】
掲示板3における各掲示領域30は磁性体からなり、磁石を一体に有する指示札2は磁力によって各々対応する掲示領域30に張り付き、当該掲示領域30に表示される。
【0070】
図2に示すように、指示札2は、長尺の矩形状をなし、磁石からなる基部(図略)と、紙からなり当該基部に貼り付けられた表示部20とを有する。表示部20には作業内容が印刷されている。
【0071】
指示札2における長手方向の長さは、指示札2における短手方向の長さの2.5倍程度である。指示札2の表示部20における長手方向の一端側部分は黒色であり、指示札2の表示部20における長手方向の他端側部分は白色である。指示札2には、作業内容21として、作業の順序番号、荷物の送り先、荷物を搭載するトラックのトラック番号、作業予定時間等が表示されている。なお、作業の順序番号とは、作業場で行う作業全体のうち対象となる作業をおこなう順番を意味する。
【0072】
図1に示すように、実施例1の作業管理システム1における掲示板3は複数の掲示領域30を有し、各掲示領域30には各々1つずつの指示札2が掲示される。したがって掲示板3は複数の作業管理システム1に兼用されるといい得る。換言すると、実施例1の作業管理システム1は、同じ作業場で作業管理を行う複数の作業管理システム1の一部である。実施例1の作業管理システム1では、掲示板3で番号1を割り当てられている掲示領域30を用いる。
【0073】
撮像要素4は画像データを静止画として断続的に取得するデジタルカメラであり、首振り機能により、掲示板3の各掲示領域30を割り当てられた番号の昇順に巡回して撮像することを繰り返す。実施例1の作業管理システム1では、撮像要素4は各々の掲示領域30に30秒おきに巡回する。したがって、当該撮像要素4は画像データを30秒おきに断続的に取得する。
【0074】
図1に示すように、撮像要素4は、演算要素5に無線接続されている。
【0075】
演算要素5はAIを搭載したコンピュータであり、撮像要素4は当該演算要素5によって制御されて、掲示板3の掲示領域30を撮像し、画像データを取得する。当該画像データは演算要素5に伝送され蓄積される。
【0076】
演算要素5は、画像データの歪みを補正して画像解析に供する。撮像要素4が取得した画像データは、歪みを補正され、当該画像データ上における掲示領域30および当該掲示領域30に掲示された指示札2の像は、現実に即した形状に近づけられる。
【0077】
実施例1の作業管理システム1および実施例1の作業管理ツール10により作業管理を行う具体的な工程を以下に説明する。
【0078】
実施例1の作業管理システム1は、荷物保管施設110においてトラックに積み込む荷物を揃える作業を管理するためのものである。
【0079】
トラックに積み込む荷物を揃える作業は、具体的には、指示者が作業指示を行う工程、作業者が荷物を揃える工程、揃えた荷物をチェック者がチェックする工程、を有する。
【0080】
図3に示すように、作業開始時には、掲示板3において番号1を割り当てられている掲示領域30には、指示札2が掲示されておらず、空いた状態である。
【0081】
作業開始後、先ず、指示者が作業指示を行う。このとき指示者は、作業に対応する指示札2を、長手方向を上下に向けた状態で、番号1を割り当てられている掲示領域30に掲示する(
図4)。
【0082】
掲示板3は、この作業に携わる人員、すなわち、指示者、作業者およびチェック者から視認される位置にある。長手方向を上下に向けた状態で指示札2が掲示領域30に掲示されると、指示者、作業者およびチェック者の間で、作業指示が出されたという作業情報がリアルタイムで共有される。
【0083】
指示札2が掲示されると、作業者は、当該指示札2に表示されている作業内容21を確認し、指定された荷物を指定された位置に移動させる。当該作業が終了すると、作業者は、短手方向を上下に向けるよう指示札2を状態変化させて、番号1を割り当てられている掲示領域30に掲示する(
図5)。
【0084】
短手方向を上下に向けた状態で指示札2が掲示領域30に掲示されると、指示者、作業者およびチェック者の間で、作業が終了したという作業情報がリアルタイムで共有される。
【0085】
チェック者は、当該作業情報に基づき作業のチェックを行う。具体的には、チェック者は、作業者が揃えた荷物の数や種類と、指示札2に表示されている作業内容21とを照らし合わせて、作業の可否をチェックする。作業者が揃えた荷物の数や種類が正しければ、チェック者は番号1を割り当てられている掲示領域30に掲示されている指示札2を、掲示領域30から取り去る(
図6)。
指示札2が掲示領域30から取り去られると、指示者、作業者およびチェック者の間で、チェックが終了し作業者が揃えた荷物の数や種類が正しいという作業情報がリアルタイムで共有される。
【0086】
この作業において最終段階の作業者はチェック者であるために、チェックの終了により作業が終了する。
【0087】
なお、作業者が揃えた荷物の数や種類が正しくないとチェック者が判断した場合には、チェック者はその情報を作業者にフィードバックし、長手方向を上下に向けるよう指示札2を状態変化させ、番号1を割り当てられている掲示領域30に再度掲示する(
図4)。
チェック者からのフィードバックを受けた作業者は作業を再度行ない、当該作業が終了すると、作業者は、短手方向を上下に向けるよう指示札2を状態変化させて、番号1を割り当てられている掲示領域30に再度掲示する(
図5)。その後、チェック者が再度チェックを行い、作業者が揃えた荷物の数や種類が正しければ、チェック者は番号1を割り当てられている掲示領域30に掲示されている指示札2を、掲示領域30から取り去る(
図6)。
【0088】
ところで、上記の工程を行っている間、撮像要素4は、番号1を割り当てられている掲示領域30を撮像し画像データを取得する。撮像要素4が取得した画像データは演算要素5に伝送され、蓄積される。
【0089】
撮像要素4は、各掲示領域30を巡回して、各掲示領域30につき解像度の高い画像データを取得する。このため当該画像データには、指示札2に表示されている作業内容21、具体的には、作業の順序番号、荷物の送り先、荷物を搭載するトラックのトラック番号、作業予定時間等が鮮明に写っている。
【0090】
演算要素5は、画像データに写っているこれらの各種作業内容21をOCRにかけて取り込み、リアルタイムで保存ファイルに保存する。同時に、演算要素5は、指示札2の状態に基づき作業情報を把握し、上記の作業内容21に併せてリアルタイムで保存ファイルに保存する。
【0091】
保存ファイルには、当該作業に携わる人員のみならず、作業の次段階に携わる他の人員もアクセスすることができる。これにより、実施例1の作業管理システム1によると、作業内容21およびその進捗状況を多くの人員がリアルタイムで共有することが可能である。
【0092】
このように、実施例1の作業管理システム1および作業管理ツール10によると、作業場において、作業に携わる人員が、作業情報をリアルタイムでかつ精度高く共有することが可能である。
【0093】
(実施例2)
実施例2の作業管理システムおよび作業管理ツールは、掲示板の形状以外は実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールと概略同じものである。したがって、以下、実施例1の作業管理システムおよび作業管理ツールとの相違点を中心として、実施例2の作業管理システムおよび作業管理ツールを説明する。
図7~
図9は実施例2の作業管理システムおよび作業管理ツールを用いて作業管理を行っている様子を模式的に説明する説明図である。
【0094】
図7~
図9に示すように、実施例2の作業管理システム1および作業管理ツール10における掲示板3では、掲示領域30が2つの掲示部を有する。
【0095】
一方の掲示部である第1掲示部31は、作業が第1の段階であるとき、より具体的には、指示者が作業指示を行う際に、指示札2を掲示するための領域である。他方の掲示部である第2掲示部32は、作業が第2の段階であるとき、より具体的には、作業者の作業が終了した際に、指示札2を掲示するための領域である。第1掲示部31と第2掲示部32とは左右に配列している。
【0096】
実施例2の作業管理システム1および作業管理ツール10において、指示札2は、第1掲示部31に表示された状態(
図8)と、第2掲示部32に掲示された状態(
図9)と、掲示領域30から取り去られた状態(
図7)と、の3つの異なる状態の間で状態変化する。
【0097】
このような実施例2の作業管理システム1および作業管理ツール10によっても、作業場において、作業に携わる人員が、作業情報をリアルタイムでかつ精度高く共有することが可能である。
【0098】
以上本発明を説明してきたが、本発明は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、当該実施形態等に記載した要素を適宜抽出し組み合わせて実施することや、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
また、本発明の明細書は、出願当初における各請求項の引用関係に止まらず各請求項に記載された事項を適宜組み合わせた技術思想を開示するものである。
【符号の説明】
【0099】
1:作業管理システム
10:作業管理ツール
2:指示札
21:作業内容(作業の内容)
3:掲示板
30:掲示領域
31:第1掲示部
32:第2掲示部
4:撮像要素
5:演算要素
【要約】
【課題】作業場において、作業に携わる人員が、作業情報をリアルタイムでかつ精度高く共有するための技術を提供すること。
【解決手段】
作業場において作業の進捗状況を把握するための作業管理システム1であって、
前記作業の内容が表示されている指示札2と、前記指示札2を掲示するための掲示領域30を有する掲示板3と、前記掲示領域30全体の画像データをリアルタイムで連続的または断続的に取得する撮像要素4と、前記画像データを画像解析する演算要素5と、を有し、
前記掲示板3は、前記指示札2を複数の異なる状態で前記掲示領域30に掲示することが可能であり、
前記演算要素5は、前記掲示領域30に対して変化する前記指示札2の状態を基に、前記作業の進捗状況を把握する、作業管理システム1。
【選択図】
図1