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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】物流用通箱管理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20250128BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20250128BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G61/00 526
G06K7/10 272
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024121452
(22)【出願日】2024-07-26
【審査請求日】2024-08-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古山 剛
(72)【発明者】
【氏名】西川 良平
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】室元 麻友子
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-284726(JP,A)
【文献】特開2013-166597(JP,A)
【文献】特開2001-341845(JP,A)
【文献】特開2006-027772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 61/00
G06K 7/10
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有識別情報が付された通箱の流通するレーン工程部に対応して設置され、前記通箱の前記固有識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた前記固有識別情報を前記レーン工程部に関連付けて記憶可能な記憶部と、
前記読取部により読み取られた前記固有識別情報を前記レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報に一致する前記固有識別情報が、既に前記レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶されているか否かを判別する識別情報判別部と、
前記識別情報判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合に、前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外する記憶除外部と、
を有し、
前記レーン工程部は、複数本のレーンを有し、
前記読取部は、前記レーンごとに対応して設けられており、
前記識別情報判別部は、一の前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報に一致する前記固有識別情報が、既に他の前記読取部による読み取りにより前記レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶されているか否かを判別し、
前記記憶除外部は、前記識別情報判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合に、前記一の前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外する、物流用通箱管理装置。
【請求項2】
前記読取部は、前記レーン工程部における前記通箱が搬入される入口側に配置されている、請求項1に記載された物流用通箱管理装置。
【請求項3】
固有識別情報が付された通箱の流通するレーン工程部に対応して設置され、前記通箱の前記固有識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた前記固有識別情報を前記レーン工程部に関連付けて記憶可能な記憶部と、
前記読取部により読み取られた前記固有識別情報を前記レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報に一致する前記固有識別情報が、既に前記レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶されているか否かを判別する識別情報判別部と、
前記識別情報判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合に、前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外する記憶除外部と、
を有し、
前記レーン工程部は、種類の異なる第一レーン工程部及び第二レーン工程部を有し、
前記読取部は、前記第一レーン工程部に対応した第一読取部と、前記第二レーン工程部に対応した第二読取部と、を有し、
前記識別情報判別部は、
前記第一読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報に一致する前記固有識別情報が、既に前記第二読取部に対応する前記第二レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶されているか否かを判別する第一判別部と、
前記第二読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報に一致する前記固有識別情報が、既に前記第一読取部に対応する前記第一レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶されているか否かを判別する第二判別部と、
を有し、
前記記憶除外部は、
前記第一判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合に、前記第一読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記第一読取部に対応する前記第一レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外する第一記憶除外部と、
前記第二判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合に、前記第二読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記第二読取部に対応する前記第二レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外する第二記憶除外部と、
を有する、物流用通箱管理装置。
【請求項4】
前記第一記憶除外部は、前記第一判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合において、前記第二読取部による前記固有識別情報の読み取りから前記第一読取部による前記固有識別情報の読み取りまでの期間が第一所定期間以下であるときに、前記第一読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記第一読取部に対応する前記第一レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外し、
前記第二記憶除外部は、前記第二判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合において、前記第一読取部による前記固有識別情報の読み取りから前記第二読取部による前記固有識別情報の読み取りまでの期間が第二所定期間以下であるときに、前記第二読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記第二読取部に対応する前記第二レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外する、請求項に記載された物流用通箱管理装置。
【請求項5】
前記第一読取部は、前記第一レーン工程部における前記通箱が搬入される入口側に配置されており、
前記第二読取部は、前記第二レーン工程部における前記通箱が搬入される入口側に配置されている、請求項3又は4に記載された物流用通箱管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物流に用いられる通箱の情報管理を行う物流用通箱管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生産工場などの生産拠点において製品や部品などの商品が製造されると、その商品が積まれた荷物は、その生産工場から物流倉庫などの物流拠点に運ばれ、その後、出荷先の拠点などに運搬される。この荷物が拠点間で運搬される際には、荷物が置かれる通箱が用いられる。この通箱は、コンテナや木箱,段ボールなどであり、プラスチック製や木製などである。通箱は、拠点間を行き来し、連続的に繰り返し使用される。通箱は、荷物が積まれた実入り状態で往路を運搬され、荷物が降ろされた空箱状態で復路を運搬される。
【0003】
上記の通箱は、荷物を運搬するうえで必要な部材であるので、通箱の情報を管理することは重要である。そこで、通箱の外面にテータ処理用のコード情報などの固有識別情報を格納するICカードが装着され、そのカード情報を読み取って情報処理する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1記載の技術では、カード情報を非接触で読み取るリーダ装置が各拠点に設けられ、各拠点で読み取られた固有識別情報に基づいて通箱や商品の搬入・搬出や通過確認などの情報管理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-341845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、各拠点では、原則として荷物の運搬が24時間365日途切れなく行われることはあるが、例えば定期メンテナンスや休祝日などの非稼働日の設定などでレーン工程部での荷物の運搬が中断されることがある。かかる荷物運搬の中断がリーダ装置による情報読取直後に行われた場合において、荷物とリーダ装置との位置関係によっては、その荷物運搬が再開された際にリーダ装置による情報読取が行われることがある。この場合は、荷物運搬の中断直前に読み取られた情報に基づいて情報管理が行われると共に、その後、荷物運搬の再開直後に読み取られた情報に基づいても情報管理が行われるので、一つの同じ通箱に対して同じ拠点箇所で時間を空けて複数回の管理動作が行われるおそれがある。
【0006】
また、各拠点内において通箱が流通するレーン工程部について複数本のレーンが並んで配置されることがある。例えば、各拠点内において、通箱が実入り状態又は空箱状態で流通する同じ種類のレーン工程部でその通箱が互いに同方向に流通する複数本のレーンが並んで配置されること、或いは、通箱が実入り状態で流通するレーン工程部と、通箱が空箱状態で流通するレーン工程部とが隣り合うことで通箱が互いに逆方向に流通する異種のレーン同士が並んで配置されることがある。
【0007】
上記の如く複数本のレーンが並んで配置される場合において、通箱からのコード読み取り漏れを防止するうえでは、各レーン工程部それぞれに対応してリーダ装置を一つずつ設置することが好ましい。しかしながら、同種のレーン工程部で複数本のレーンが並んで配置される場合は、ある一のレーンに流通する通箱に対して、そのレーンにおけるリーダ装置が情報読取を行うと共に、そのレーンに隣接する同じ種類のレーンにおけるリーダ装置が誤って情報読取を行うことがある。このため、一つの同じ通箱に対して同じレーン種類ではあるがレーン自体が異なる箇所それぞれで管理動作が行われるおそれがある。
【0008】
また、上記の如く異種のレーン同士が並んで配置される場合は、一方の種類のレーンに流通する通箱に対して、その種類のレーンにおけるリーダ装置が情報読取を行うと共に、その後、異なる種類のレーンにおけるリーダ装置が想定よりも短期間のうちに情報読取を行うことがある。このため、一つの同じ通箱に対して異なる種類のレーンそれぞれでの管理動作が誤って短時間のうちに行われるおそれがある。
【0009】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通箱からの情報読取が重複した場合の誤読に基づく固有識別情報の記憶を除外して、通箱の情報管理を精度良く行うことが可能な物流用通箱管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、固有識別情報が付された通箱の流通するレーン工程部に対応して設置され、前記通箱の前記固有識別情報を読み取る読取部と、前記読取部により読み取られた前記固有識別情報を前記レーン工程部に関連付けて記憶可能な記憶部と、前記読取部により読み取られた前記固有識別情報を前記レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報に一致する前記固有識別情報が、既に前記レーン工程部に関連付けて前記記憶部に記憶されているか否かを判別する識別情報判別部と、前記識別情報判別部により前記固有識別情報の前記記憶部への記憶が既になされていると判別された場合に、前記読取部により読み取られた最新の前記固有識別情報を、前記レーン工程部に関連付けた前記記憶部への記憶対象から除外する記憶除外部と、を有する、物流用通箱管理装置である。
【0011】
この構成によれば、通箱からの情報読取が重複した場合の誤読に基づく固有識別情報の記憶を除外して、通箱の情報管理を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態に係る物流用通箱管理装置が適用される物流システムの構成図である。
図2】実施形態の物流システムにおける物流拠点のレイアウト平面図である。
図3】実施形態の物流用通箱管理装置の構成図である。
図4】実施形態の物流用通箱管理装置が備える読取部の配置図である。
図5】同一レーン工程部で誤読が行われる状況を説明するための図である。
図6】同種レーン工程部の複数本のレーンが並んで配置される際に誤読が行われる状況を説明するための図である。
図7】異種レーン工程部のレーン同士が並んで配置される際に誤読が行われる状況を説明するための図である。
図8図5図6、及び図7に示す状況それぞれでの読取データの具体例である。
図9】実施形態の物流用通箱管理装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図9を参照して、本開示に係る物流用通箱管理装置の具体的な実施形態等について説明する。
【0014】
本実施形態の物流用通箱管理装置10は、物流に用いられる通箱の情報管理を行う装置である。物流用通箱管理装置10は、物流システム1に適用される。物流システム1は、図1に示す如く、例えば、商品の生産拠点2と物流拠点3と出荷先拠点4との間で、商品が積まれた荷物Lを運搬するシステムであると共に、更に、その荷物Lの運搬に用いられた通箱Rを逆回りで返却するシステムを含む。
【0015】
生産拠点2は、製品や部品などの商品を生産する工場などである。尚、生産拠点2は、複数設けられてよい。また、物流拠点3は、商品生産会社や物流会社などに設置されており、生産拠点2で生産された商品を集荷し出荷先拠点4へ向けて出荷する物流倉庫などである。出荷先拠点4は、商品を部品として組立を行う工場や商品を販売する販売店などである。尚、出荷先拠点4は、複数設けられてよい。
【0016】
通箱Rは、荷物Lが載置され或いは収容されるコンテナや木箱,段ボールなどである。通箱Rは、プラスチック製や木製などであり、荷物Lを移動させることが可能な形状に形成されている。通箱Rは、拠点2,3,4間を行き来し、連続的に繰り返し使用される。通箱Rは、荷物Lが積まれた実入り状態で生産拠点2から物流拠点3を経由して出荷先拠点4に向けて往路を運搬される。また、通箱Rは、荷物Lが降ろされた空箱状態で出荷先拠点4から物流拠点3を経由して生産拠点2に向けて復路を運搬される。尚、以下では、適宜、空箱状態の通箱Rを空通箱R0と、実入り状態の通箱Rを実入り通箱R1と、それぞれ称す。
【0017】
通箱Rが拠点2,3,4間を一周する期間は、例えば一週間や一か月などである。また、通箱Rの数は、その期間に生産される商品を滞りなく生産拠点2から出荷先拠点4まで運搬させることが可能な数である。通箱Rは、商品の生産に必要な数を下回らないように数量管理されている。尚、通箱Rの形状は、すべて統一された汎用性のある形状であることが好ましいが、商品専用の形状であってもよい。
【0018】
各通箱Rには、固有識別情報IDが付されている。固有識別情報IDは、通箱Rを他の通箱Rと識別するための番号や記号などである。通箱Rに付される固有識別情報IDは、例えば電子情報として、ICタグや無線タグなどに格納されている。以下、固有識別情報IDが格納されたタグをRFID(Radio Frequency Identification)タグと称す。このRFIDタグは、通箱Rの側壁や底壁などに設置されており、後述の如くRFIDにより電波に反応して情報送信することが可能である。尚、RFIDタグは、通箱Rに対して交換可能に取り付けられていればよく、また、固有識別情報IDを書き換え可能に構成されてよい。RFIDタグの固有識別情報IDは、後述の如く、読取部40により読み取り可能である。
【0019】
次に、各拠点2,3,4の物流レイアウトについて説明する。尚、通箱Rについては、商品の有無を除いて拠点2,3,4での搬入から搬出までの流通形態として各拠点2,3,4で略同じであるので、以下では、物流拠点3の物流レイアウトについて説明する。
【0020】
物流拠点3は、図3に示す如く、実入り搬入部31と、実入り搬出部32と、空箱受入れ部33と、空箱出荷部34と、を有している。実入り搬入部31、実入り搬出部32、空箱受入れ部33、及び空箱出荷部34はそれぞれ、実入り通箱R1又は空通箱R0を運搬するトラックなどが停車される領域のことである。
【0021】
実入り搬入部31は、生産拠点2からの荷物Lが積まれた実入り通箱R1が搬入される領域である。実入り搬出部32は、実入り搬入部31で搬入された実入り通箱R1が仕分け後に出荷先拠点4へ向けて搬出される領域である。空箱受入れ部33は、出荷先拠点4からの荷物Lが積まれていない空通箱R1が搬入される領域である。空箱出荷部34は、空箱受入れ部33で搬入された空通箱R1が仕分け後に生産拠点2へ向けて搬出される領域である。
【0022】
物流拠点3におけるトラック運搬の効率化や作業性を考慮すると、実入り搬入部31と空箱出荷部34とは、互いに隣接する領域であることが有効であり、また、実入り搬出部32と空箱受入れ部33とは、互いに隣接する領域であることが有効である。
【0023】
物流拠点3は、また、レーン工程部35を有している。レーン工程部35は、物流拠点3内において通箱Rが流通するレーンのことである。レーン工程部35は、例えばローラやコンベアなどにより構成されており、上流側から下流側にかけてライン状に延びている。レーン工程部35の両端部間には、複数の通箱Rが縦列的に並ぶことが可能である。尚、レーン工程部35は、通箱Rの流通が滞りなく行われるように上流側から下流側にかけて下り傾斜であることが好ましい。
【0024】
レーン工程部35は、種類の異なる二つのレーン工程部35-1,35-2を有している。尚、レーン工程部35の種類とは、流通する通箱Rの種類に応じたものであり、流通する通箱Rが実入り通箱R1であるか或いは空通箱R0であるかに応じて異なるものとなる。レーン工程部35-1は、実入り搬入部31と実入り搬出部32との間において実入り通箱R1が流通するレーンである。また、レーン工程部35-2は、空箱受入れ部33と空箱出荷部34との間において空通箱R0が流通するレーンである。以下、レーン工程部35-1を第一レーン工程部35-1と、レーン工程部35-2を第二レーン工程部35-2と、それぞれ称す。
【0025】
第一レーン工程部35-1は、搬入側の端部が実入り搬入部31に接続されると共に搬出側の端部が実入り搬出部32に接続されるレーンである。また、第二レーン工程部35-2は、搬入側の端部が空箱受入れ部33に接続されると共に搬出側の端部が空箱出荷部34に接続されるレーンである。尚、第一レーン工程部35-1と第二レーン工程部35-2とは、物流拠点3内において互いに隣接した領域に設置されてよい。また、第一レーン工程部35-1及び第二レーン工程部35-2はそれぞれ、その中途に仕分け用の作業領域が設けられており、レーン前半領域とレーン後半領域とに区画されていてよい。
【0026】
また、第一レーン工程部35-1は、複数本の実入りレーン36を有している。複数本の実入りレーン36は、概ね互いに平行に並んで配置されている。複数本の実入りレーン36にはそれぞれ、実入り通箱R1が流通する。更に、第二レーン工程部35-2は、複数本の実抜きレーン37を有している。複数本の実抜きレーン37は、概ね互いに平行に並んで配置されている。複数本の実抜きレーン37にはそれぞれ、空通箱R0が流通する。
【0027】
物流用通箱管理装置10は、図3に示す如く、読取部40と、記憶部51と、制御部52と、を備えている。
【0028】
読取部40は、通箱Rの固有識別情報IDを読み取るリーダである。読取部40は、通箱RのRFIDタグに格納された固有識別情報IDを読み取ることが可能である。尚、読取部40は、通箱RのRFIDタグ内の固有識別情報IDを書き込み可能に構成されたリーダライタであってよい。
【0029】
読取部40は、RFIDを用いた電波通信によりRFIDタグ内の固有識別情報IDを非接触で読み取ることが可能である。以下、読取部40をRFIDリーダ40と称す。RFIDリーダ40とRFIDタグとの間の送受信に用いられる電波は、例えばUHF帯(例えば900MHz帯)の電波である。また、RFIDリーダ40の読み取り可能な通信距離は、例えば10メートル以内や30メートル以内などである。
【0030】
RFIDリーダ40は、アンテナ41と、リーダ制御部42と、を有している。アンテナ41は、電波を送受信する部位である。アンテナ41は、レーン工程部35に対応して設置されている。アンテナ41は、少なくとも第一レーン工程部35-1と第二レーン工程部35-2とに分かれて設置されている。アンテナ41は、物流拠点3の建屋天井などの、レーン工程部35の上方に取り付けられている。アンテナ41は、取付位置から概ね下方に指向されており、電波の送信を行うことが可能である。
【0031】
アンテナ41は、第一レーン工程部35-1において一箇所以上設けられていると共に、第二レーン工程部35-2において一箇所以上設けられている。尚、アンテナ41は、固有識別情報IDの読み取り漏れを防止するために、第一レーン工程部35-1の各実入りレーン36に対応して一つずつ設けられていることが好ましく、第二レーン工程部35-2の各実抜きレーン37に対応して一つずつ設けられていることが好ましい。以下では、実入りレーン36ごとに対応してかつ実抜きレーン37ごとに対応してアンテナ41が設けられているものとする。各アンテナ41は、少なくとも対応のレーン36,37に流通する通箱RのRFIDタグとの間で電波の送受信を行うことが可能である。
【0032】
アンテナ41は、レーン工程部35における通箱Rが搬入される入口側すなわち実入り搬入部31側又は空箱受入れ部33側に配置されている。具体的には、アンテナ41は、第一レーン工程部35-1に対しては実入り通箱R1が搬入される入口側すなわち実入り搬入部31側に配置されていると共に、第二レーン工程部35-2に対しては空通箱R0が搬入される入口側すなわち空箱受入れ部33側に配置されている。
【0033】
リーダ制御部42は、アンテナ41による電波の送受信を制御する部位である。リーダ制御部42は、アンテナ41を用いた電波の送受信の開始や停止,出力強度などを司ることが可能である。RFIDリーダ40は、アンテナ41とリーダ制御部42とが独立したタイプのリーダである。リーダ制御部42は、すべてのアンテナに対応して一つだけ設けられ、或いは、第一レーン工程部35-1と第二レーン工程部35-2とに対応して二つ設けられている。リーダ制御部42は、各アンテナ41に有線又は無線により通信接続されている。リーダ制御部42は、アンテナ41ごとにアンテナ41を識別しながら電波の送受信を制御することが可能である。リーダ制御部42は、物流拠点3の建屋天井や壁,柱などに取り付けられている。
【0034】
記憶部51及び制御部52は、ホストコンピュータ50を構成している。ホストコンピュータ50は、RFIDリーダ40に接続されている。RFIDリーダ40により読み取られた固有識別情報は、その読み取りが行われたアンテナ41に関連付けられてホストコンピュータ50に供給される。
【0035】
記憶部51は、RFIDリーダ40により読み取られた通箱Rの固有識別情報IDを、その通箱Rが流通したレーン工程部35(具体的には、レーン36,37)に関連付けて記憶可能な記憶装置である。尚、記憶部51に記憶される情報は、通箱Rごとにその通箱Rが物流経路上で何れのレーン工程部35の何れのレーン36,37をいつ通過したかを特定可能なログ情報であってよい。記憶部51は、図8に示す如く、アンテナ41(すなわち、レーン36,37)の識別情報RFID_Noと通箱Rの固有識別情報IDと読取日時とを関連付けて記憶する。
【0036】
制御部52は、RFIDリーダ40により読み取られた通箱Rの固有識別情報IDを、その通箱Rが流通したレーン工程部35(具体的には、レーン36,37)に関連付けて記憶部51に記憶させる制御装置である。制御部52は、互いに関連付けられた通箱Rの固有識別情報IDとレーン工程部35とに基づいて、各通箱Rの物流拠点3での受け入れ又は出荷の情報を取得してトレーサビリティを行うことが可能である。また、制御部52は、通箱Rの総量管理を行うことが可能である。
【0037】
尚、制御部52は、RFIDリーダ40により読み取られた通箱Rの固有識別情報IDが誤読による場合は、その固有識別情報IDを記憶部51への記憶対象から除外する。この固有識別情報IDの記憶部51への記憶対象からの除外とは、固有識別情報IDを記憶部51に記憶することを禁止することを含み、更に、一旦記憶部51に記憶した固有識別情報IDをその記憶部51から削除することを含んでよい。上記した固有識別情報IDの誤読は、主に以下の3つのパターンで生じ得る。
【0038】
[パターン1]物流拠点3の定期メンテナンスや非稼働日などで荷物Lの運搬が中断されたことなどに起因して、同一レーン工程部35の同一レーン36,37に流通する同じ通箱Rに対して、そのレーン36,37に対応するアンテナ41が短時間のうちに複数回に亘って電波の送受信を行うことで、RFIDリーダ40による固有識別情報IDの読み取りが複数回に亘って連続的に行われるおそれがある(図5及び図8(A)参照)。このパターン1は、一のレーン36,37に対応する一のアンテナ41での電波送受信に基づいたものであり、複数回の読み取りのうち後の読み取りが誤読となる同一レーンパターンである。
【0039】
[パターン2]同種のレーン工程部35における通箱Rが互いに同方向に流通する複数本の実入りレーン36又は複数本の実抜きレーン37が並んで配置される場合は、一のレーン36-1(又はレーン37-1)に流通する同じ通箱Rに対して、互いに並んだ複数本のレーン36-1,36-2(又はレーン37-1,37-2)に対応するアンテナ41-1,41-2それぞれが独立して電波の送受信を行うことで、RFIDリーダ40による固有識別情報IDの読み取りが複数回に亘って連続的に行われるおそれがある(図6及び図8(B)参照)。このパターン2は、同種のレーン工程部35における隣接のレーン同士36,37に対応する隣接のアンテナ41同士での電波送受信に基づいたものであり、複数回の読み取りのうち後の読み取りが誤読となる同種レーンパターンである。
【0040】
[パターン3]異種の第一レーン工程部35-1と第二レーン工程部35-2とにおける通箱Rが互いに逆方向に流通する実入りレーン36と実抜きレーン37とが並んで配置される場合は、一のレーン36,37(図7では、実入りレーン36)に流通する同じ通箱Rに対して、実入りレーン36に対応するアンテナ41-1と実抜きレーン37に対応するアンテナ41-2とがそれぞれ独立して電波の送受信を行うことで、RFIDリーダ40による固有識別情報IDの読み取りが複数回に亘って連続的に行われるおそれがある(図7及び図8(C)参照)。このパターン3は、異種のレーン工程部35における実入りレーン36と実抜きレーン37とに対応する隣接アンテナ41同士での電波送受信に基づいたものであり、複数回の読み取りのうち後の読み取りが誤読となる異種レーンパターンである。
【0041】
物流用通箱管理装置10は、上記のパターン1~3による誤読に対応して、RFID40により読み取られた通箱Rの固有識別情報の、記憶部51への記憶を制御するうえで、以下の処理を実行する。
【0042】
RFIDリーダ40のリーダ制御部42は、アンテナ41から電波の送信を行う。尚、この電波送信は、常時行われるものであってもよいが、例えば、レーン36,37やその周辺に設置されたセンサで通箱Rが所定箇所を通過したことが検知された場合や所定時間が経過したなどの定期的な条件が成立した場合に行われるものであってもよい。
【0043】
リーダ制御部42は、アンテナ41からの電波送信後、通箱RのRFIDタグから送信される情報を受信したか否かを判別する(図9に示すステップS100)。通箱RのRFIDタグは、アンテナ41から送信される電波を受信した場合に、その電波に反応して固有識別情報IDを含む情報を返信する。リーダ制御部42は、アンテナ41からの電波送信後、通箱RのRFIDタグから返信された情報がアンテナ41で受信された場合(ステップS100の肯定判定時)、その情報をホストコンピュータ50の制御部52に向けて送信する。
【0044】
制御部52は、RFIDリーダ40により読み取られた最新の通箱Rの固有識別情報ID(具体的には、何れか一のアンテナ41での電波送受信に伴ってリーダ制御部42から送信された通箱Rの固有識別情報ID)について、その固有識別情報IDに一致する固有識別情報IDが、既にレーン工程部35に関連付けて記憶部51に記憶されているか否かを判別する。
【0045】
具体的には、制御部52は、まず、RFIDリーダ40により一のアンテナ41を介して読み取られた最新の通箱Rの固有識別情報IDに一致する固有識別情報IDが、既に同じアンテナ41を介して読み取られ、同種のレーン工程部35の同一のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されているか否かを判別する(ステップS110)。
【0046】
上記ステップS110の判別は、通箱Rが往路又は復路で物流拠点3を一回流通する際に通箱Rの固有識別情報IDの読み取りが重複する誤読の発生時に、その誤読に係る固有識別情報IDを記憶部51への記憶対象から除外するためのものである。このため、今回読み取られた最新の固有識別情報IDと比較対象になる情報は、同じ通箱Rが一周前の前回、物流拠点3の同種のレーン工程部35の同一のレーン36,37を流通した時に通常どおり読み取られた固有識別情報IDを含まないように、今回の固有識別情報IDの読み取り前、第一所定期間内に同種のレーン工程部35の同一のレーン36,37に関連付けて読み取られた固有識別情報IDに限定される。
【0047】
尚、この第一所定期間は、通箱Rが拠点2,3,4間を一周する期間の最短よりも短い期間であって、例えば一日などの数日であってよい。また、この第一所定期間は、物流拠点3の非稼働期間を跨ぐ場合は、その非稼働期間を更に加えたものであってよい。
【0048】
そして、制御部52は、今回読み取られた最新の固有識別情報IDが同種のレーン工程部35の同一のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されていないと判別した場合(ステップS110の否定判定時)は、次に、その読み取られた固有識別情報IDが、同じアンテナ41を介して読み取られたものではないが既に同種のレーン工程部35の他のアンテナ41を介して読み取られ、同種のレーン工程部35の他のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されているか否かを判別する(ステップS120)。
【0049】
上記ステップS120の判別は、通箱Rが往路又は復路で物流拠点3を一回流通する際に通箱Rの固有識別情報IDの読み取りが重複する誤読の発生時に、その誤読に係る固有識別情報IDを記憶部51への記憶対象から除外するためのものである。このため、今回読み取られた最新の固有識別情報IDと比較対象になる情報は、同じ通箱Rが一周前の前回、物流拠点3の同種のレーン工程部35の他のレーン36,37を流通した時に通常どおり読み取られた固有識別情報IDを含まないように、今回の固有識別情報IDの読み取り前、第二所定期間内に同種のレーン工程部35の他のレーン36,37に関連付けて読み取られた固有識別情報IDに限定される。
【0050】
尚、この第二所定期間は、通箱Rが拠点2,3,4間を一周する期間の最短よりも短い期間であって、例えば一日などの数日であってよい。また、この第二所定期間は、物流拠点3の非稼働期間を跨ぐ場合は、その非稼働期間を更に加えたものであってよい。
【0051】
そして、制御部52は、今回読み取られた最新の固有識別情報IDが同種のレーン工程部35の他のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されていないと判別した場合(ステップS120の否定判定時)は、次に、その読み取られた固有識別情報IDが、既に異種のレーン工程部35のアンテナ41を介して読み取られ、その異種のレーン工程部35のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されているか否かを判別する(ステップS130)。
【0052】
そして、制御部52は、今回読み取られた最新の固有識別情報IDが異種のレーン工程部35のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されていないと判別した場合(ステップS130の否定判定時)は、次に、その読み取られた最新の固有識別情報IDをその読み取りが行われたアンテナ41に対応するレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶させる(ステップS140)。
【0053】
一方、制御部52は、今回読み取られた最新の固有識別情報IDが既に異種のレーン工程部35のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されていると判別した場合(ステップS130の肯定判定時)は、次に、その異種のレーン工程部35のレーン36,37でのその固有識別情報IDの前回読み取りからその固有識別情報IDの今回読み取りまでの期間が第三所定期間を超えて経過しているか否かを判別する(ステップS150)。
【0054】
上記ステップS150の判別は、通箱Rが往路又は復路で物流拠点3を一回流通する際に通箱Rの固有識別情報IDの読み取りが重複する誤読の発生時に、その誤認に係る固有識別情報IDを記憶部51への記憶対象から除外するためのものである。このため、今回読み取られた最新の通箱Rの固有識別情報IDが、同じ通箱Rが半周前の前回、物流拠点3の異種のレーン工程部35のレーン36,37を流通した時(すなわち、今回の流通に対して往路と復路とが逆になる流通時)に通常どおり読み取られた固有識別情報IDの存在に起因して、記憶部51への記憶対象から除外されることは避ける必要がある。
【0055】
そこで、上記の第三所定期間は、通箱Rが物流拠点3の往路と復路との間で要する期間の最短よりも短い期間であって、例えば一日などの数日や半日,6時間などであってよい。また、この第三所定期間は、物流拠点3の非稼働期間を跨ぐ場合は、その非稼働期間を更に加えたものであってよい。更に、この第三所定期間は、通箱Rの往路から復路までに対応する往-復期間と、通箱Rの復路から往路までに対応する復-往期間と、で互いに異なるものであってよい。
【0056】
そして、制御部52は、同一の固有識別情報IDについての前回読み取りから今回読み取りまでの期間が第三所定期間を超えていると判別した場合(ステップS150の肯定判定時)は、ステップS140において今回読み取られた固有識別情報IDをその読み取りが行われたアンテナ41に対応するレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶させる。
【0057】
一方、制御部52は、上記ステップS110において今回読み取られた固有識別情報IDが同種のレーン工程部35の同一のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されていると判別した場合、上記ステップS120において今回読み取られた固有識別情報IDが同種のレーン工程部35の他のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されていると判別した場合、及び上記ステップS150において同一の固有識別情報IDについての前回読み取りから今回読み取りまでの期間が第三所定期間以下であると判別した場合に、今回読み取られた最新の固有識別情報IDを、その読み取りが行われたアンテナ41に対応するレーン36,37に関連付けた記憶部51への記憶対象から除外する(ステップS160)。
【0058】
このように、物流用通箱管理装置10においては、原則として、レーン工程部35のレーン36,37に流通する通箱Rに対して、そのレーン36,37に対応するアンテナ41が電波の送受信を行うことで、RFIDリーダ40による固有識別情報IDの読み取りが行われた場合に、その固有識別情報IDをそのレーン工程部35のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶させることができる。この通箱Rの固有識別情報IDの記憶部51への記憶は、通箱Rの実入り状態と実抜き状態との状態変化後それぞれの物流拠点3における受け入れ時に行われる。そして、この通箱Rの固有識別情報IDの記憶部51への記憶は、拠点2,3,4間を流通するすべての通箱Rを対象にして実行される。
【0059】
このため、各通箱Rの物流拠点3での受け入れの情報を取得してトレーサビリティを行うことができると共に、通箱Rの総量管理を行うことができる。
【0060】
また、物流用通箱管理装置10においては、RFIDリーダ40により一のアンテナ41を介して読み取られた最新の通箱Rの固有識別情報IDに一致する固有識別情報IDが、既に同じアンテナ41を介して読み取られ、そのアンテナ41に対応する同種のレーン工程部35の同一のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されている場合に、その今回読み取られた最新の固有識別情報IDが、そのレーン36,37に関連付けた記憶部51への記憶対象から除外される。
【0061】
このため、上記パターン1に対応した誤読に基づく固有識別情報IDが記憶部51に記憶されるのを除外することができるので、通箱Rのトレーサビリティや総量管理の精度を向上させることができる。
【0062】
また、物流用通箱管理装置10においては、RFIDリーダ40により一のアンテナ41を介して読み取られた最新の通箱Rの固有識別情報IDに一致する固有識別情報IDが、同じアンテナ41を介して読み取られたものではないが既に同種のレーン工程部35の他のアンテナ41を介して読み取られ、同種のレーン工程部35の他のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されている場合に、その今回読み取られた最新の固有識別情報IDが、その読み取りが行われたアンテナ41に対応するレーン36,37に関連付けられた記憶部51への記憶対象から除外される。
【0063】
このため、上記パターン2に対応した誤読に基づく固有識別情報IDが記憶部51に記憶されるのを除外することができるので、通箱Rのトレーサビリティや総量管理の精度を向上させることができる。
【0064】
更に、物流用通箱管理装置10においては、RFIDリーダ40により一のアンテナ41を介して読み取られた最新の通箱Rの固有識別情報IDに一致する固有識別情報IDが、既に異種のレーン工程部35のレーン36,37に関連付けて記憶部51に記憶されている場合において、今回の読み取りが前回の読み取りから第三所定時間以下の短時間で行われたときに、その今回読み取られた最新の固有識別情報IDが、その読み取りが行われたアンテナ41に対応するレーン36,37に関連付けられた記憶部51への記憶対象から除外される。
【0065】
例えば、第一レーン工程部35-1の実入りレーン36に対応する一のアンテナ41を介して読み取られた最新の固有識別情報IDが、既に異種の第二レーン工程部35-2の実抜きレーン37に関連付けて記憶部51に記憶されている場合は、その読み取られた最新の固有識別情報IDが、実入りレーン36に関連付けられた記憶部51への記憶対象から除外される。
【0066】
また同様に、第二レーン工程部35-2の実抜きレーン37に対応する一のアンテナ41を介して読み取られた最新の固有識別情報IDが、既に異種の第一レーン工程部35-1の実入りレーン36に関連付けて記憶部51に記憶されている場合は、その読み取られた最新の固有識別情報IDが、実抜きレーン37に関連付けられた記憶部51への記憶対象から除外される。
【0067】
このため、上記パターン3に対応した誤読に基づく固有識別情報IDが記憶部51に記憶されるのを除外することができるので、通箱Rのトレーサビリティや総量管理の精度を向上させることができる。
【0068】
また、物流用通箱管理装置10においては、RFIDリーダ40のアンテナ41がレーン工程部35における通箱Rが搬入される入口側(すなわち、実入り搬入部31側又は空箱受入れ部33側)に配置されている。この構成によれば、通箱Rがレーン工程部35に搬入された直後に、その通箱RのRFIDタグ内の固有識別情報IDをRFIDリーダ40により読み取らせ、そのレーン工程部35に関連付けて記憶部51に記憶させることができる。従って、固有識別情報IDの記憶後、同じ通箱Rに対するRFIDリーダ40による固有識別情報IDの読み取りを誤読として扱うことができ、その読み取られた固有識別情報IDを記憶対象から除外することができる。
【0069】
尚、上記の実施形態においては、読取部(RFIDリーダ)40及びそのアンテナ41が「読取部」に、第一レーン工程部35-1に対応するアンテナ41が「第一読取部」に、第二レーン工程部35-2に対応するアンテナ41が「第二読取部」に、それぞれ相当している。
【0070】
また、上記の実施形態においては、制御部52が図9に示すルーチン中ステップS110,120,130の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「識別情報判別部」が、制御部52がステップS160の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「記憶除外部」、「第一記憶除外部」、及び「第二記憶除外部」が、制御部52がステップS130の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「第一判定部」及び「第二判定部」が、それぞれ実現されている。
【0071】
尚、本開示は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。また、本明細書は、出願当初に各請求項に記載された引用関係で示される技術思想を開示するだけでなく、各請求項に記載された事項を適宜組み合わせた技術思想を開示するものである。
【符号の説明】
【0072】
1:物流システム、2:生産拠点、3:物流拠点、4:出荷先拠点、10:物流用通箱管理装置、31:実入り搬入部、32:実入り搬出部、33:空箱受入れ部、34:空箱出荷部、35:レーン工程部、35-1:第一レーン工程部、35-2:第二レーン工程部、36:実入りレーン、37:実抜きレーン、40:読取部(RFIDリーダ)、41:アンテナ、42:リーダ制御部、50:ホストコンピュータ、51:記憶部、52:制御部。
【要約】
【課題】通箱からの情報読取が重複した場合の誤読に基づく固有識別情報の記憶を除外して、通箱の情報管理を精度良く行うこと。
【解決手段】物流用通箱管理装置は、固有識別情報が付された通箱の流通するレーン工程部に対応して設置され、通箱の固有識別情報を読み取る読取部と、その読み取られた固有識別情報をレーン工程部に関連付けて記憶可能な記憶部と、その読み取られた固有識別情報をレーン工程部に関連付けて記憶部に記憶させる制御部と、を備える。制御部は、読み取られた最新の固有識別情報に一致する固有識別情報が、既にレーン工程部に関連付けて記憶部に記憶されているか否かを判別する識別情報判別部と、固有識別情報の記憶部への記憶が既になされている場合に、読取部により読み取られた最新の固有識別情報を、レーン工程部に関連付けた記憶部への記憶対象から除外する記憶除外部と、を有する。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9