(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】液体タンク装置
(51)【国際特許分類】
B65D 90/52 20060101AFI20250131BHJP
B01D 35/027 20060101ALI20250131BHJP
B05B 15/40 20180101ALN20250131BHJP
【FI】
B65D90/52
B01D35/02 F
B05B15/40
(21)【出願番号】P 2019096965
(22)【出願日】2019-05-23
【審査請求日】2022-03-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【氏名又は名称】和田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】青山 良平
【合議体】
【審判長】古屋野 浩志
【審判官】立澤 正樹
【審判官】津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-741(JP,A)
【文献】特開2004-59106(JP,A)
【文献】実開平04-106666(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/52
B01D 35/02
B05B 15/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入口(22)から注入された液体を貯留する液体タンク(2)と、
前記注入口(22)に支持されて、少なくとも一部が前記液体タンク(2)の内側空間(S)に配置される支持体(5)と、
前記支持体(5)に取り付けられて、前記内側空間(S)に配置される波消体(9)と、を備え、
前記支持体(5)と前記波消体(9)とは、互いに別体として形成されており、
前記支持体(5)は、前記注入口(22)に支持される筒状の筒状部分(6)と、前記筒状部分(6)と一体的に形成されて前記筒状部分(6)の下端に設けられる固定部
分と、を有し、
前記波消体(9)は、板状を呈する板状部(91)を有し、
前記固定部分は、平面視において前記支持体(5)の中心を挟んで互いに離間した位置に一対設けられており、
前記板状部(91)が前記一対の前記固定部分にそれぞれ嵌合されることにより、前記支持体(5)と前記波消体(9)とは互いに固定されている、液体タンク装置。
【請求項2】
前記支持体(5)は、前記注入口(22)から注入される液体を濾過する濾過部分(7)を有するストレーナ(5)である、請求項1に記載の液体タンク装置。
【請求項3】
前記波消体(9)の下端は、前記液体タンク(2)の底部に沿った形状を有し、
前記波消体(9)は、前記下端が前記底部に沿うように、前記支持体(5)に支持されている、請求項1又は2に記載の液体タンク装置。
【請求項4】
前記支持体(5)の前記固定部
分は、上向きに凹状をなす溝
部を有し、
前記波消体(9)は、前記溝
部に嵌合することにより、前記支持体(5)に取り付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体タンク装置。
【請求項5】
前記支持体(5)は、平面視において前記支持体(5)の前記中心を挟んで互いに離間した位置に、前記固定部分の延在方向に交差する方向に延在する一対の他の固定部分をさらに有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体タンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている液体タンク装置は、液体を貯留する液体タンクと、液体タンクの注入口に装着されたストレーナとを含んでいる。ストレーナの下部には、下向きに延在する板状体が設けられている。板状体は、液体タンクに貯留された液体に浸漬するように配置されている。そのため、液体に波が生じた場合に、板状体によって液体の動きが制限され得る(いわゆる波消効果)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような液体タンク装置では、液体タンク内の水位が板状体の下端よりも低くなった場合、板状体が液体に浸漬されなくなるため、板状体による波消効果を望むことができない。一方、ストレーナにおける板状体の下端が液体タンクの底部近傍の高さ位置まで延在しているとすれば、液体タンク内の水位が下がったとしても板状体による波消効果が持続し得る。しかしながら、ストレーナは異なる種類の液体タンクに共通して用いられることが多い。そのため、板状体の下端と液体タンクの底部とを近づけるためには、ストレーナに合わせた液体タンクの設計が必要になるため、液体タンクの設計の自由度が低下してしまう。
【0005】
本発明は、液体タンクの設計の自由度が低下することを抑制できる液体タンク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による液体タンク装置は、注入口(22)から注入された液体を貯留する液体タンク(2)と、注入口(22)に支持されて、少なくとも一部が液体タンク(2)の内側空間(S)に配置される支持体(5)と、支持体(5)に取り付けられて、内側空間(S)に配置される波消体(9)と、を備え、支持体(5)と波消体(9)とは、互いに別体として形成されており、固定手段(8)によって互いに固定されている。
【0007】
このような液体タンク装置(1)によれば、液体タンク(2)の内側空間(S)において、支持体(5)に取り付けられた波消体(9)が貯留された液体に接触し得る。そのため、液体タンク(2)の揺れに応じて液体が波が生じた際に、液体の流動に対して波消体(9)が抵抗を与え、液体の流動が抑制される。支持体(5)とは波消体(9)とは互いに別体として形成されているので、液体タンク(2)の形状に応じて設計された波消体(9)を支持体(5)に取り付けることができる。すなわち、液体タンク(2)の形状に応じて波消体(9)を選択することができるので、液体タンク(2)の設計の自由度の低下を抑制できる。
【0008】
支持体(5)は、注入口(22)から注入される液体を濾過する濾過部分(7)を有するストレーナ(5)であってもよい。この構成では、ストレーナによって波消体(9)が支持されるので、波消体(9)を支持するための専用の部材を設ける必要がない。
【0009】
波消体(9)の下端は、液体タンク(2)の底部に沿った形状を有し、波消体(9)は、下端が底部に沿うように、支持体(5)に支持されていてよい。この構成のように、板状部の下端が液体タンクの底部に沿うように配置されることで、波消効果の持続時間を長く保つことができる。
【0010】
波消体(9)は、支持体(5)と波消体(9)とが互いに嵌合することにより、支持体(5)に取り付けられていてよい。この構成では、支持体(5)と波消体(9)とを互いに固定するためのネジ等の締結部材が必要ない。
【0011】
固定手段(8)は、支持体(5)に形成された、上向きに凹状をなす溝部(81,83)であり、波消体(9)は、溝部(81,83)に嵌合することにより、支持体(5)に取り付けられていてもよい。この構成では、支持体(5)と波消体(9)とを互いに固定するためのネジ等の締結部材が必要ない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上下方向における液体の動きを抑制することができる液体タンク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】上下方向に沿って切断された液体タンク装置を示す断面図である。
【
図6】ストレーナ及び波消体を部分的に拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0015】
図1は、液体タンク装置1を示す斜視図である。
図2は、液体タンク装置1を示す断面図である。
図2では、注入口22からX方向にずれた位置でYZ平面に沿って切断された液体タンク装置1を示している。本実施形態において、液体タンク装置1は、農薬等の液体を散布するための、いわゆる背負式動力噴霧機に適用され得る。例えば、液体タンク装置1には、作業者が液体タンク装置1を背負うための背負いバンドが設けられていてもよい。なお、以下においては、背負式動力噴霧器に適用される液体タンク装置1を説明し、作業者が動力噴霧機を背負った状態での作業者側(図面においてY方向の矢印が指す側)を前側として前後方向を規定する。これにより、前後方向に交差(直交)する水平方向(X方向)が左右方向として規定され、前後方向及び水平方向に交差(直交)する方向が上下方向(Z方向)として規定される。
【0016】
液体タンク装置1は、液体タンク2と、ストレーナ5と、波消体9とを含んでいる。液体タンク2は、内側空間Sに薬液等の液体を貯留し得る。液体タンク2の下部(底部)25には、液体タンク2の内側に向かって盛り上がる形状を呈する凹部21が形成されている。この凹部21には、動力源を構成するポンプ及びモータが液体タンク2に固定されるようにして配置され得る。液体タンク2が背負式動力噴霧機に適用された場合、ポンプの駆動により液体タンク2から薬液が吸引され、噴霧ホースに圧送され、噴霧ノズルから薬液の散布が可能となっている。なお、図示例において、ポンプ、モータ、噴霧ホース、噴霧ノズル等は描かれていない。
【0017】
液体タンク2は、例えば半透明の合成樹脂によって形成されており、内側空間Sに貯留された液体の量を外部から視認することができる。一例として、液体タンク2は、ブロー成形によって形成され得る。液体タンク2の上部には、液体タンク2の内側空間Sに液体を注入するための注入口22が形成されている。注入口22を形成する円筒部22aの外周面に対して、タンク蓋(不図示)が例えば螺子等により着脱可能に装着され得る。
【0018】
液体タンク2の上下方向の中央の位置には、支持部23が形成されている。支持部23は、作業衣者が液体タンク2を支持する際に、液体タンク2に手をかける部分である。図示例の支持部23は、液体タンク2の外周面に形成されている。支持部23は、液体タンク2の内側に向かって凹む形状を有している。
【0019】
図3は、ストレーナ5及び波消体9を示す斜視図である。
図4は、ストレーナ5及び波消体9を示す底面図である。
図5は、ストレーナ5及び波消体9を示す断面図である。
図3~
図5においては、ストレーナ5に波消体9が取り付けられている状態が示されている。ストレーナ5は、注入口22に挿入される略円筒状の筒状部分6と、この筒状部分6の下端に設けられた濾過部分7と、濾過部分の下端に設けられた固定部分(固定手段)8と、を備えている。筒状部分6、濾過部分7及び固定部分8は、例えば所定の弾性を有する合成樹脂によって一体成形されている。
【0020】
筒状部分6は、その軸線方向に沿って、上側から上部61、中間部63及び下部65の3つの部分に区分されている。上部61の外径は中間部63の外径よりも大きく、下部65の外径は中間部63の外径よりも小さい。本実施形態では、例えば、上述した円筒部22aの内周に、径方向内側に突出する円環状の突出部(不図示)が設けられており、当該突出部に筒状部分6が支持されている。一例として、中間部63の外径は、注入口22に形成された突出部の内縁によって画成される円の直径よりも小さく、上部61の外径は、注入口22の開放端の外径よりも小さく、かつ、前記円の直径よりも大きい。したがって、筒状部分6を下部65側から注入口22に挿入すると、中間部63と上部61との間の段差64が突出部に載置され、筒状部分6が注入口22内で保持される。この状態において、筒状部分6の上端は開放されているので、そこから液体を筒状部分6に注入し、濾過部分7にて液体に含まれている異物を濾過することが可能となる。
【0021】
濾過部分7は、筒状部分6内を通過した液体から異物を除去し濾過するための部分である。濾過部分7は、筒状部分6の下端(すなわち下部65の下端開口)を周方向に均等に区画するように設けられた複数本(図示実施形態では6本)の骨部材71を有する。複数本の骨部材71は、濾過部分7の中心Cの位置において互いに接続している。また、それぞれの骨部材71は、下部65の内周に接続している。すなわち、これらの骨部材71は、濾過部分7の中心から下部65の内周まで放射状に延在している。濾過部分7は、骨部材71によって複数の扇状開口部73に区画されている。扇状開口部73には、液体タンク2に注入される液体に含まれる異物を捕捉するメッシュ(不図示)が設けられている。
【0022】
固定部分8は、ストレーナ5と波消体9とを互いに固定するための固定手段として機能する。本実施形態において、固定部分8は、上向きに凹状をなす一対の溝部81と一対の溝部83とを含んでいる。図示例では、溝部81によってストレーナ5と波消体9とが互いに固定されているが、溝部83によってストレーナ5と波消体9とが互いに固定されてもよい。一例において、溝部81の延在する方向と溝部83の延在する方向とは、上下方向から見て互いに交差(直交)している。
【0023】
一対の溝部81は、前後方向(Y方向)に沿って延在しており、濾過部分7の中心Cを挟んで互いに離間している。一例として、溝部81は、互いに隣り合う骨部材71における下部65との接続位置同士を接続するように直線状に設けられている。また、一対の溝部83は、左右方向(X方向)に沿って延在しており、濾過部分7の中心Cを挟んで互いに離間している。一例として、溝部83は、互いに隣り合う扇状開口部73を画成する下部65の内周同士を接続するように直線状に設けられている。
【0024】
波消体9は、液体タンク2に貯留された液体に抵抗を与えるものである。本実施形態における波消体9は、ストレーナ5に取り付けられる一対の板状体91を有している。板状体91は、例えば略矩形板状をなしており、液体タンク2に貯留された液体に浸漬された状態で、板面に交差する方向に移動する液体に抵抗を与える。板状体91は、上端91cが固定部分8に固定されることによって、ストレーナ5に支持されている。
図2に示すように、一例においては、液体タンク2の下部25に凹部21が設けられており、この凹部21によって液体タンク2の底面は内側に向かって盛り上がっている。本実施形態では、板状体91の下端91bが液体タンク2の下部(底部)25に沿った形状を有している。すなわち、板状体91の下端91bには、板状体91が液体タンク2の底面に干渉しないための傾斜部91aが形成されている。一例の傾斜部91aは、板状体91の下部後側において、Y方向及びZ方向に交差する方向に沿って延びている。
【0025】
板状体91の幅(Y方向の寸法)は、平面視において、溝部81が形成されている位置を通る、ストレーナ5の外周に内接する直線(線分)と同程度の長さであってよい。この場合、板状体91が溝部81に固定された状態のままでストレーナ5を液体タンク2の注入口22に容易に装着することができる。
【0026】
板状体91の高さ(上下方向寸法)は、ストレーナ5を注入口22に装着した状態において、板状体91の少なくとも一部が液体タンク2内の一定量の液体に浸漬され得る大きさである。図示例では、板状体91は、液体タンク2の下部25の近傍まで延在している。
【0027】
続いて、ストレーナ5と波消体9との固定部分について、さらに説明する。
図6は、ストレーナ5及び波消体9を部分的に拡大して示す断面図である。
図6では、
図5における符号Aで示される部分について、分離した状態のストレーナ5と板状体91とを拡大して示している。
図6に示すように、本実施形態における溝部81は、下側に向かって突出する一対の側壁部81aを有する。一対の側壁部81aは、幅W1の距離を空けて互いに平行となるように延在している。一対の側壁部81aでは、下端における内側の縁部81bが傾斜して形成されている。そのため、一対の側壁部81aによって構成される溝では、開口側の幅が奥側の幅W1に比べて広く形成されている。
【0028】
本実施形態では、溝部81における一対の側壁部81a同士の間に、板状体91の上端91cが圧入(スライド圧入)されることによって、溝部81に対して板状体91が嵌合(固定)されている。すなわち、溝部81を形成している樹脂の弾性に起因して板状体91の上端91cが溝部81に挟持される。一例では、一対の側壁部81aの縁部81bに対して、板状体91における上端91cの縁部を接触させることで板状体91の位置合わせし、その状態で板状体91を溝部81の奥側に押し込む。
【0029】
以上説明した液体タンク装置1を使用する場合、ストレーナ5を装着する前に、所定量を計量した濃縮薬液を注入口22から投入する。濃縮薬液の投入が完了した後、液体タンク2の注入口22にストレーナ5を装着する。この際、ストレーナ5には、一対の板状体91が取り付けられた状態となっている。そのため、ストレーナ5が注入口22に装着された状態では、板状体91が液体タンク2の内側空間S内においてYZ平面に沿って延在することになる。
【0030】
このようにしてストレーナ5が注入口22に取り付けられたならば、濃縮薬液を所定濃度に薄めるための水をストレーナ5の開放端から注入する。注入する水の分量確認は、半透明の液体タンク2の外部から液面を眺め、液体タンク2に刻設された目盛り等と対比して行う。例えば、板状体91の少なくとも一部(下部側)が浸漬する程度の水位になるように、水が注入される。本実施形態では、板状体91の下端91bが液体タンクの底面近傍まで延在しているので、少量の水が注入されただけでも板状体91の一部が浸漬する。水に含まれる異物は、ストレーナ5の濾過部分7によって捕捉され、液体タンク2内への異物の混入が防止される。液体タンク2に水を注入し終わった後、注入口22にタンク蓋を装着する。これにより、作業者は例えば背負式動力噴霧機による作業を開始することができる。
【0031】
このような作業を行う場合、背負式動力噴霧機は作業者に背負われて用いられるものであるため、作業者の歩行に伴い、液体タンク2が不規則に揺れ、液体タンク2内の薬液に波立ちが生じ易い。しかし、液体タンク装置1によれば、液体タンク2の内側空間Sにおいて、貯留された液体に板状体91が浸漬している。そのため、液体の水平方向の流動に対して板状体91が抵抗を与え、液体の流動が抑制される。
【0032】
また、液体タンク装置1では、ストレーナ5とは波消体9とが互いに別体として形成されているので、液体タンク2の形状に応じて設計された波消体9をストレーナ5に取り付けることができる。すなわち、液体タンク2の形状に応じて波消体9を選択することができるので、液体タンク2の設計の自由度の低下を抑制できる。
【0033】
また、本実施形態では、ストレーナ5によって波消体9が支持されるので、波消体9を支持するための専用の部材を設ける必要がない。これにより、液体タンク装置1の部品点数が削減されるとともに、液体タンク装置1の製造を簡易に行うことができる。
【0034】
また、板状体91の下端91bは、液体タンク2の底部に沿った形状を有しており、板状体91は、下端91bが底部に沿うように、ストレーナ5に支持されている。この構成のように、板状体91の下端91bが液体タンク2の底部に沿うように配置されることで、波消効果の持続時間を長く保つことができる。
【0035】
また、板状体91は、ストレーナ5と板状体91とが互いに嵌合することにより、ストレーナ5に取り付けられている。この構成では、ストレーナ5と板状体91とを互いに固定するためのネジ等の締結部材が必要ない。そのため、液体タンク装置1の部品点数が削減されるとともに、液体タンク装置1の製造を簡易に行うことができる。
【0036】
特に、板状体91は、溝部81に嵌合することにより、ストレーナ5に取り付けられている。この構成では、板状体91の上端91cが比較的広い範囲にわたって溝部81によって挟持されるため、板状体91をストレーナ5に強固に固定することができる。
【0037】
以上、一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。
【0038】
例えば、ストレーナ5と板状体91とを固定する固定手段として、ストレーナ5に形成されている溝部81,83を例示したが、固定手段はこれに限定されない。例えば、板状体91はネジ等の締結手段によってストレーナ5に固定されてもよい。また、ストレーナ5と板状体91とは、例えば一方に形成された円柱状の凹部に対して他方に形成された円柱状の凸部が嵌合することによって、互いに固定されてもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、背負式動力噴霧機に液体タンク装置を適用した例を述べているが、液体タンク装置は液体タンクを備える背負式作業機全てに適用可能であり、また、牽引式、クローラ式、前後輪により走行し液体タンクを有する車両に対しても適用できる。
【0040】
また、板状体91を液体タンク2の内側空間に支持する支持体として、ストレーナを例示したが、支持体は、必ずしもストレーナである必要はなく、板状体91を支持するための専用部材であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…液体タンク装置、2…液体タンク、5…ストレーナ(支持体)、8…固定部分(固定手段)、9…波消体、22…注入口、81,83…溝部、S…内側空間。