(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】3次元イメージングのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20250128BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20250128BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
G02B21/06
G01N21/64 E
G02B21/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021065272
(22)【出願日】2021-04-07
(62)【分割の表示】P 2018502075の分割
【原出願日】2016-07-15
【審査請求日】2021-05-07
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-28
(32)【優先日】2015-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501306715
【氏名又は名称】ザ トラスティース オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス マージョリー クレア ヒルマン
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】野村 伸雄
【審判官】後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-508326(JP,A)
【文献】特開2012-189891(JP,A)
【文献】特開平5-332733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0140240(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0077844(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00-21/00
G02B 21/06-21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学イメージング装置において、
第1の光スキャニング素子と、
第2の光スキャニング素子と、
対物レンズと、
前記第1の光スキャニング素子を含んでいる第1の光路を介して、前記対物レンズに照明光を送出する照明源と、
光検出器と、
を含んでおり、
前記第1の光スキャニング素子は、前記照明光を前記対物レンズの周縁領域へと再方向付け、それによって前記照明光は、前記対物レンズを通過し、組織において斜めのイメージング面を形成し、前記組織における前記斜めのイメージング面の位置は、前記第1の光スキャニング素子の向きに応じて変化し、
前記対物レンズは、前記斜めのイメージング面からの戻り光を受け取って、該戻り光を、前記第2の光スキャニング素子を含んでいる第2の光路に送り、前記第2の光スキャニング素子は、固定の傾斜した中間イメージ面を形成するために、前記戻り光を前記第2の光路に沿って進ませ、
前記光検出器は、前記固定の傾斜した中間イメージ面のイメージを捕捉し、
前記第1の光スキャニング素子と、前記第2の光スキャニング素子との両方が、単一の反射表面により構成されており、
前記光学イメージング装置は、さらに、前記第1の光路および前記第2の光路の両方に配置されている望遠鏡を含んでおり、
前記照明光は、前記望遠鏡に到達する前に、前記単一の反射表面に到達し、
前記照明光は、前記対物レンズに到達する前に、前記望遠鏡に到達し、
前記戻り光は、前記望遠鏡に到達する前に、前記対物レンズに到達し、
前記戻り光は、前記単一の反射表面に到達する前に、前記望遠鏡に到達する、
光学イメージング装置。
【請求項2】
前記光検出器は、前記固定の傾斜した中間イメージ面に直接的に位置決めされている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記光検出器は、前記固定の傾斜した中間イメージ面から離れた場所に位置決めされており、
前記光学イメージング装置は、さらに、前記固定の傾斜した中間イメージ面からの光を前記光検出器へと進ませる少なくとも1つの望遠鏡を含んでいる、
請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記光検出器は、前記固定の傾斜した中間イメージ面から離れた場所に位置決めされており、
前記光学イメージング装置は、さらに、前記固定の傾斜した中間イメージ面からの光を前記光検出器へと進ませる光ファイババンドルを含んでいる、
請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記照明源は、ペンシルビームを生成するレーザと、前記ペンシルビームを光のシートへと拡張させる補助光スキャニング素子と、を含んでおり、
前記光検出器は、線形イメージセンサを含んでいる、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記照明源は、ペンシルビームを生成するレーザと、前記ペンシルビームを光のシートへと拡張させるシリンドリカルレンズと、を含んでおり、
前記光検出器は、2Dイメージセンサを含んでいる、
請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記戻り光は、前記照明光による前記斜めのイメージング面における前記組織の照明に応答して、前記斜めのイメージング面において前記組織から放出された蛍光を含んでいる、
請求項1記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国仮特許出願第62/194,155号(2015年7月17日出願)、米国仮特許出願第62/195,729号(2015年7月22日出願)、および米国仮特許出願第62/202,126(2015年8月6日出願)の利益を主張するものであり、これらはそれぞれ参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
連邦政府資金による研究開発の記載
本発明は、米国国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)によって採択されたR21NS053684、R01NS076628およびR01NS063226、米国国立科学財団(NSF:National Science Foundation)によって採択された0954796、および米国国防省(DoD:Department of Defense)によって採択されたW911NF-12-1-0594に基づいて、米国政府の支援を受けて成された。米国政府は、本発明について一定の権利を有している。
【0003】
技術分野
本発明は、顕微鏡対象物の深さ分解イメージングに関し、また幾つかの実施の形態においては、より詳細には、顕微鏡対象物の体積3次元光学イメージングおよび/または時間分解イメージングに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の対象には、照明光を対象物上および/または対象物内へと伝送し、表面にわたる複数の深度、または対象物における複数の深度から戻ってきたイメージ光を同時に受信することができる実施の形態が含まれる。このプロセスに関して便宜上用いる識別名は、深さ分解イメージング(DRI)である。
【0005】
照明光には、励起光、フォトマニピュレーションにおいて使用されるような抑制光、および/または反射、散乱または特徴検出を可能にするための他のプロセスの結果として対象物から戻ってきた照明光が含まれると考えられる。対象物において、低アスペクト比の細い平行ビーム(ペンシルビーム)、平板状のビーム、幅広のビーム、または上記の目的に適した他の任意の形状のビームを供給するために、照明光を成形することができる。幾つかの実施の形態においては、照明光(本明細書においては照明「ビーム」としても識別される)が、オプティカルセクショニングによる特徴識別を支援することができる。幾つかの実施の形態においては、例えばフォトマニピュレーションシステムにおける場合のように、複数の照明ビームを投影することができる。
【0006】
幾つかの実施の形態においては、2次元または3次元のイメージの形成を支援するために、照明ビームの位置および/または向きが、1つまたは複数のビームリダイレクタによって変更される。さらに、時間にわたり複数のイメージを生成し、それによって2次元または3次元の動画を形成するために、照明ビームを反復的に変更することができる。照明ビームによって、段階的に、掃引をプログレッシブに行うことができるか、または照明ビームを、非連続的な「スキャン」パターンで方向付けることができる。対象物における照明ビームの位置を変更するためのそれらのメカニズムは全て、本明細書においては、照明ビームの「スキャニング」という用語によって識別される。
【0007】
スキャニングパターンは、連続的または非連続的であると考えられる。非連続的なスキャンパターンを、音響光学偏向器または空間光変調器(SLM)を用いてビームを照準させることによって生成することができ、例えば連続的な掃引パターンを形成するのではなくビームが「飛び回る」ように生成することができる。さらに照明ビームのスキャニングは、連続的ではあるが、しかしながら複雑なまたは不規則なパターンを、例えば円形、8の字形、リサジューパターン、または一層複雑な無秩序なパターンなどを生じさせることができる。音響光学偏向器またはSLMなどによって提供されるような、スキャニングのフレキシブルな制御でもって、より関心の高い領域に、例えばより高速な動きが行われているか、またはより複雑な特徴が存在している対象物領域に、照明ビームがより頻繁に進入するように、スキャニングを制御することができる。考えられるパターンには、統計学的にランダムなパターンが含まれると考えられるが、しかしながらそれらのパターンによって、より多くのエネルギを時間にわたり関心領域に集束させることができる。照明ビームを任意のやり方で、瞬間的に照明光を、対象物の複数の深度にわたり(ここでもまた、照明光が戻ってくるようにする任意のやり方で)投影させて、複数の深度から戻ってくる光を捕捉して、前述の瞬間におけるイメージングのために使用できるように方向付けることができる。したがって、照明ビームを軸線方向(0°)において、対物レンズの開口数によって実現される(ほぼ長軸断の)最大角度まで対象物にわたり投影することができる。
【0008】
照明ビームのスキャニングに起因して領域が変化するので、照明ビームによって照明された複数の深度領域から戻ってくる光は「デスキャン」され、それによって種々の深度から戻ってきた光のイメージは、1つまたは複数の光検出器に固定的に焦点合わせされるか、または焦点が外される。また、光検出器は0次元、1次元または2次元の検出器であってよいことを言及しておく。幾つかの実施の形態においては、複数の深度から戻ってくる光が、照明ビームの再方向付けと同期されて、方向付けられる。事実上、照明ビームおよびイメージ「ビーム」の両方が照準されて、イメージが検出器に固定されたままとなり、かつ照準のために必要とされる1つまたは複数の要素だけが、対象物領域を覆うイメージの形成プロセスの間に制御される。固定のイメージは、単一の時点における対象物を表す単一のイメージであってもよいし、集合的に動画(すなわち時間分解イメージ)を形成する、複数の時点における対象物を表す複数のイメージであってもよい。
【0009】
本明細書において、イメージ光がイメージ「ビーム」と記されている場合もあるが、これはイメージング光学素子によって対象物領域から1つまたは複数の光検出器に戻ってくるように方向付けられることが容易に理解されるようにするための比喩的な識別名であることを言及しておく。スキャニングおよびデスキャニングという用語は、単一の静止イメージの形成ならびに複数の時間分解イメージの形成のための、照明ビームおよびイメージビームの再方向付けを特徴付けるために使用される。スキャニングおよびデスキャニングを、複数の軸線において独立して行うことができる。例えば、平面状の領域を照明するために、1つの軸線に沿って照明ビームを掃引させることができ、また照明された平面状の領域を、異なる軸線に沿った掃引によって、体積にわたり掃引させることができる。
【0010】
別個の実施の形態においては、照明ビームおよびイメージビームが、単一の光学アセンブリ、対物レンズを通過する。いかなる時点においても、対物レンズを介して照明ビームを伝達し、対象物からのそれらの光を受信し、かつイメージビームを光検出器へと伝送する光学素子は、スキャニング/デスキャニングアセンブリの素子によって再方向付けされ、このスキャニング/デスキャニングアセンブリは、照明ビームおよびイメージビームが、1つまたは複数の光検出器における固定のイメージの形成を実現する関係にとどまるように光を再方向付けるために制御される。幾つかの実施の形態においては、単一の可動素子、例えばミラーが、スキャニング/デスキャニングアセンブリの同一の絞りを通過する出射照明ビームおよび隣接する入射イメージビームを再方向付ける。幾つかのヴァリエーションにおいては、出射照明ビームおよび隣接する入射イメージビームが、相互に独立しているが、しかしながら同期制御されている複数のビームリダイレクタによって再方向付けられる。また、例えばフォトマニピュレーション照明源からの独立した複数の照明ビームを、別個のビームリダイレクタによって制御することもできる。
【0011】
照明ビームの位置および向きには、その照明ビームの位置決めおよび形成に使用される同一の対物レンズによって、対象物における複数の深度からのイメージビームとして光を捕捉および伝送することができる任意の位置および向きが含まれると考えられる。対象物における照明ビームは、対物レンズの光軸に平行であってもよいし、その光軸に対して相対的に斜角であってもよい。照明ビームによるスキャニングの結果生じるパターンの範囲によって、対象物におけるビームの角度、または位置、または角度および位置の両方が変化する可能性がある。それらのいずれの位置および向きにおいても、1つまたは複数の光検出器は、対象物における照明領域のイメージを1つまたは複数の光検出器に維持する。
【0012】
1つまたは複数の光検出器にイメージを維持する光学素子は、中間イメージが形成される地点における対象物側の光学系の第1のイメージング光軸に対して直角ではない角度を成す垂線を有している平面に中間イメージを形成するイメージング光学系を含むことができる。つまり、イメージビームは、対象物の領域における複数の深度からの光を含んでいるので、異なる深度からの光が焦点合わせされる地点は、軸線において異なる場所にあり、実質的に、第1のイメージング光軸に関して斜めであるか、または垂直である垂線を有している平面における中間イメージを規定する。幾つかの実施の形態においては、中間イメージが、1次元または2次元の検出器、例えばCCDと一致するように、光検出器を配置することができる。別の幾つかの実施の形態においては、別のイメージング光学系を用いて中間イメージをイメージングすることによって、その中間イメージから、焦点合わせされていない別のイメージを形成することができる。そのような別のイメージング光学系の光軸を、中間イメージを形成するが、しかしながら中間イメージの平面に対して垂直ではない、イメージング光学系の光軸に対する所定の角度に整列することができる。この整列の角度を、別のイメージング光学系の光軸が中間イメージ面に対して垂直に整列される場合よりも鋭角でなくなるように選択することができる。これによって、中間イメージのどちらの側においても光学素子の衝突のない位置決めおよび調整を容易にすることができ、また最終的に1つまたは複数の光検出器へと伝送される光の総量を増加させることができる。幾つかの実施の形態においては、光検出器を、焦点合わせされていない別のイメージの場所に配置することができる。別の実施の形態においては、焦点合わせされていないイメージを、焦点合わせされていないイメージの平面に対して垂直な軸線を有しているイメージング光学系によって捕捉し、それによって光検出器に別のイメージを生成することができる。
【0013】
中間イメージが形成されるさらに別の幾つかの実施の形態においては、中間イメージの平面を実質的に回転させるために、ビーム回転光学素子、例えば光学くさびを、中間イメージの位置に、またはほぼその位置に配置することができる。中間イメージを結像させる別のイメージング光学系の光軸を、中間イメージを形成するイメージング光学系に平行に整列することができる。代替的に、ビーム回転光学素子によって回転されたイメージが形成される地点に、光検出器を配置することができる。
【0014】
さらに別の幾つかの実施の形態においては、1つまたは複数の光検出器にイメージを維持する光学素子が、中間イメージを形成することができるイメージング光学系を含んでおり、この中間イメージが形成される平面は、イメージング光学系が設けられていなければ中間イメージが形成される場所であるが、しかしながら対象物側の光学系へと戻すように光を反射させるようにミラーが配置されている場所における対象物側の光学系の第1のイメージング光軸と直角ではない角度を成す垂線を有している平面である。上記において述べたように、イメージビームは対象物の領域における複数の深度からの光を含んでいるので、異なる深度からの光が焦点合わせされる地点は、軸線において異なる場所であり、実質的に、第1のイメージング光軸に関して斜めであるか、または垂直である垂線を有している中間イメージを、照明ビームの角度に応じて規定する。ミラーは、この中間イメージの平面の角度の半分の角度で配置されており、それによって、中間イメージを形成する光は反射されて、イメージング光学系へと戻され、またその光を、続いて入射イメージビームからビームスプリッタによって分割させて、光検出器へと方向付けることができる。したがって、この実施の形態においては、中間イメージを形成するイメージング光学系が、中間イメージを捕捉し、最終的に光検出器へと伝送する光学系としても使用される。イメージング光学系の光軸は、中間イメージ面の垂線とは平行ではないので、イメージング光学系はそこにおいて焦点合わせされない。
【0015】
1つのイメージビームにおいて1つまたは複数の異なる波長を検出するために、1つより多くの検出器を使用できることを言及しておく。それらの波長を、それぞれが所定の範囲の波長を選択するダイクロイックビームスプリッタによってイメージビームから分離させ、それによって、選択された光を各光検出器に方向付けることができる。
【0016】
DRIの実施の形態においては、イメージビームの開口数を最大にすることが所望されていると考えられる。幾つかの実施の形態においては、イメージビームを、ほぼ可能な範囲で、対物レンズのフル絞りまで広げることができる。幾つかの実施の形態においては、イメージビームが、対物レンズの絞りの主要部分にわたり広がる。幾つかの実施の形態においては、イメージビームが、対物レンズの光軸の反対側まで広がる連続的または非連続的な領域を覆う(すなわち、対物レンズの光軸の一方の側に制限されない)。幾つかの実施の形態においては、イメージビームが、光軸の一方の側に制限され、その一方で照明ビームが、対物レンズの光軸の反対側に制限される。幾つかの実施の形態においては、イメージビームが、対物レンズの絞りの領域の大部分を成している絞りの領域を覆う。
【0017】
別の実施の形態は、マルチモードDRI/共焦点顕微鏡として構成することができる同一の基本装置において、深さ分解イメージの捕捉も共焦点イメージングも実現する。幾つかの実施の形態においては、照明光源からのビームを、深さ分解イメージングに関して特定の形状を有するように、また共焦点イメージングに関して異なる特性を有するように形成することができる。もしくは代替的に、異なる複数の光源を設けることもできる。例えば、ビームの形状および大きさを、公知の技術および装置を使用して変更することができる。ここでは、DRIに関するスキャンおよびデスキャンのために使用されるものと同一の1つまたは複数のイメージング光学系および光リダイレクタを、共焦点顕微鏡検査法に関するブロードビームのスキャンおよびデスキャンのために使用することができる。幾つかの実施の形態によれば、共焦点モードにおいて、DRI顕微鏡は、照明ブロードビームを前面焦平面と一致する線またはスポットに焦点合わせさせることによって、長軸断の線またはスポットを照明することができる。マルチモードDRI/共焦点顕微鏡は、対象物(より正確には、対象物のための支持部)、対物レンズの高さ(z軸または軸線方向の位置)の自動化された調整可能性を提供することによって、前面焦平面を変更することができるか、もしくは焦平面の高さの変更に関して当業者には公知であるような焦点合わせ技術を実現するために、イメージング装置の素子を構成することができるか、または移動させることができる。
【0018】
本開示の対象の実施の形態の目的および利点は、添付の図面を参照することによって、以下の記載より明らかになる。
【0019】
以下では、複数の実施の形態を添付の図面を参照しながら説明するが、それらの図面は縮尺通りに描かれたものではない。全図にわたり、類似の参照番号は、類似の素子を表している。一部の特徴は、背後にある特徴の図示および説明が容易になるように、縮尺通りに図示していないか、または意図的に図示していない場合もある。実際は、大部分の図面において、描かれた光線が不必要に複雑になることを回避するために、また設計者の選択が光学素子の絞りのような特徴のヴァリエーションを許容できることから、照明ビームおよびイメージビームが辿る経路を示唆するために、縁部の光線および中心線の光線だけが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本願の対象の1つまたは複数の実施の形態による、3次元イメージングシステムの種々のハイレベルの特徴を示す概略図である。
【
図2A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の概略図におけるフォーカシングモジュール108の一部として使用することができる対物レンズを示す。
【
図2B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるフォーカシングモジュール108の一部として使用することができる屈折率分布型(GRIN)レンズを示す。
【
図2C】本開示の対象の実施の形態による、GRINレンズに関連付けられた対物レンズを示すDRIの構成の一部を示す。
【
図3A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるビーム調節モジュール120の一部として使用することができるシリンドリカルレンズを使用する照明セットアップを示す。
【
図3B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるビーム調節モジュール120の一部として使用することができ、かつ照明スキャニングを提供する単一のスキャニングミラーを使用する照明セットアップを示す。
【
図3C】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるビーム調節モジュール120の一部として使用することができ、かつ照明スキャニングを提供するスキャニングミラーのペアを使用する照明セットアップを示す。
【
図4A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図における望遠鏡モジュール110の一部として使用することができるレンズ装置と組み合わされた対物レンズを示す。
【
図4B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるイメージ形成モジュール126の一部として使用することができるレンズ装置を示す。
【
図5A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の分離モジュール112、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118のための第1の装置の概略図を示す。
【
図5B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の分離モジュール112、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118のための第2の装置の概略図を示す。
【
図5C】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の分離モジュール112、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118のための第3の装置の概略図を示す。
【
図5D】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、複数の照明源を取り扱うための、
図1の分離モジュール112、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118のための装置の概略図を示す。
【
図5E】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、複数の照明源を取り扱うための、
図1の分離モジュール112、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118のための別の装置の概略図を示す。
【
図6A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるオプションとしてのフィールド回転モジュール128のために使用することができる、深さ分解イメージングのための光学セットアップを示す。
【
図6B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるオプションとしてのフィールド回転モジュール128のために使用することができる、深さ分解イメージングのための代替的な光学セットアップを示す。
【
図6C】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるオプションとしてのフィールド回転モジュール128のために使用することができる、深さ分解イメージングのためのマルチステージ式の代替的な光学セットアップを示す。
【
図6D】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるオプションとしてのフィールド回転モジュール128のために使用することができる、深さ分解イメージングが行われる別の代替的な光学セットアップを示す。
【
図6E】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、オプションとしてのフィールド回転モジュール128を使用しない、
図1の簡略化された図に関する代替的な光学セットアップを示す。
【
図6F】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、オプションとしてのフィールド回転モジュール128を使用しない、
図1の簡略化された図に関する、光ファイバのアレイを使用する代替的な光学セットアップを示す。
【
図6G】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるオプションとしてのフィールド回転モジュール128のために使用することができる、空間光変調器または特注の光学コンポーネントを使用する代替的な光学セットアップを示す。
【
図6H】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の簡略化された図におけるオプションとしてのフィールド回転モジュール128において使用することができるくさびコンポーネントを使用する代替的な光学セットアップを示す。
【
図6I】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、異なる倍率を提供するために選択可能なレンズを使用する、オプションとしてのフィールド回転モジュール128に関する1つのヴァリエーションを示す。
【
図7A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつ絞りを調整するための可動のストップを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図7B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつ放射フィルタを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図7C】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつグラデーションフィルタを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図7D】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつイメージインテンシファイアを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図8A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつスペクトルビームスプリッタを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図8B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつフィルタホイールを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図8C】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつ複数の波長選択ビームスプリッタを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図8D】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつ音響光学可変波長フィルタを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図8E】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1のイメージ調節モジュール130の一部として使用することができ、かつプリズムを使用する検出アームセットアップを示す。
【
図9A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の一次照明源122および二次照明源124に関する第1の配置構成の概略図を示す。
【
図9B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の一次照明源122および二次照明源124に関する第2の配置構成の概略図を示す。
【
図9C】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、
図1の一次照明源122および二次照明源124に関する第3の配置構成の概略図を示す。
【
図10】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、単一のスキャニングミラーを使用する深さ分解イメージングシステムの構成を示す。
【
図11】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、スキャニングミラーのペアを使用する深さ分解イメージングシステムの構成を示す。
【
図12】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、可動のミラーパネルを使用する深さ分解イメージングシステムの構成を示す。
【
図13A】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、対象物においてスキャニングを実行するために電動式レンズを使用する深さ分解イメージングシステムの構成を示す。
【
図13B】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、異なる倍率を提供するために選択可能な複数の対物レンズを使用する深さ分解イメージングシステムの構成を示す。
【
図14A】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、スキャニング平面顕微鏡検査法の実施の形態に従う慣例の共焦点イメージングまたは深さ分解イメージング(DRI)のために構成することができるマルチモード共焦点顕微鏡を示す。
【
図14B】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、スキャニング平面顕微鏡検査法の実施の形態に従う慣例の共焦点イメージングまたは深さ分解イメージング(DRI)のために構成することができるマルチモード共焦点顕微鏡を示す。
【
図15】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、照明によるスキャニングおよびイメージビームのデスキャニングの両方のために単一のミラースキャニング素子を使用し、かつフィールド回転光学系およびイメージ形成光学系が同一の光学素子を使用する実施の形態を示す。
【
図16A】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、照明によるスキャニングおよびイメージビームのデスキャニングの両方のために単一のミラースキャニング素子を使用する実施の形態を示す。
【
図16B】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、
図16Aに類似するが、しかしながら照明ビームが傾斜されると、照明ビームが対物レンズの前部絞りを横切って移動するように配置されている、照明によるスキャニングおよびイメージビームのデスキャニングの両方のために単一のミラースキャニング素子を使用し、それによって対象物の連続する3次元スライスの厚さの不均一性を改善する、実施の形態を示す。
【
図16C】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、照明によるスキャニングおよびイメージビームのデスキャニングの両方のために単一のミラースキャニング素子を使用する別の実施の形態を示す。
【
図17】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、深さ分解イメージングのための2軸式の共焦点内視鏡検査法の構成を示す。
【
図18】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、深さ分解イメージングのための対物レンズの構成を示す。
【
図19】本開示の対象の1つまたは複数の実施の形態による、深さ分解イメージングのためにラインスキャンおよび線形検出器を使用する構成を示す。
【
図20A】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、イメージ形成光学系とフィールド回転光学系との間の角度を、幾つかの実施の形態においては、0°にすることも可能であるように独立して選択することができる、イメージ回転のためのメカニズムを示す。
【
図20B】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、イメージ形成光学系とフィールド回転光学系との間の角度を、幾つかの実施の形態においては、0°にすることも可能であるように独立して選択することができる、イメージ回転のためのメカニズムを示す。
【
図20C】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、イメージ形成光学系とフィールド回転光学系との間の角度を、幾つかの実施の形態においては、0°にすることも可能であるように独立して選択することができる、イメージ回転のためのメカニズムを示す。
【
図20D】最初に
図20Bを参照して説明したフィールド回転メカニズムを使用する、
図15の実施の形態のヴァリエーションを示す。
【
図20E】最初に
図20Bを参照して説明したフィールド回転メカニズムを使用する、
図15の実施の形態のヴァリエーションを示す。
【
図21A】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、共焦点シータの構成におけるマルチモード共焦点/DRI顕微鏡を示す。
【
図21B】本開示の対象の幾つかの実施の形態による、DRIの構成における
図21Aのマルチモード共焦点/DRI顕微鏡を示す。
【
図23A】検出モジュールの一例を備えており、また例えば正立型の構成と倒立型の構成を高速に切り換えるために角度ミラー(45°)を選択的に挿入することによって容易な調整および構成を提供する、大部分が矩形の輪郭を示している、
図10の実施の形態のようなDRI顕微鏡の機能性を示す。
【
図23B】検出モジュールの一例を備えており、また例えば正立型の構成と倒立型の構成を高速に切り換えるために角度ミラー(45°)を選択的に挿入することによって容易な調整および構成を提供する、大部分が矩形の輪郭を示している、
図15の実施の形態のようなDRI顕微鏡の機能性を示す。
【
図23C】試料から受信したイメージ光ビームの分割に起因して失われる可能性がある光を回収するために第3のレンズアセンブリが追加されている、
図23Bの実施の形態に類似するDRI顕微鏡の機能性を示す。
【
図23D】交番的な照明からイメージを形成するために光を捕捉して分離する対物レンズの交番的な側から到来する光シートを使用して試料を照明するDRI顕微鏡を示す。
【
図23E】照明ビームまたは複数の角度で投影されたシートを用いてイメージを収集することによって、表面構造のシャドーイング効果を改善するためのメカニズムを提供する、DRI顕微鏡を示す。
【
図23F】ターレットを用い、そのターレットにおけるレンズアセンブリの切換えによる倍率の調整を実現するために、検出モジュールの第1のレンズアセンブリの選択を実現することができる、
図6I、
図10、および
図13Bの実施の形態に機能的に類似するDRI顕微鏡の特徴を示す。
【
図23G】高フレームレートおよび高感度用の種々の特徴を備えている線形アレイの複数の光電子倍増セルによって複数回行われる点測定でもってスキャンされた線からの戻り光の深さ分解された点測定を達成するために、複数の深度における線によるスキャンおよびデスキャンを行うDRI顕微鏡を示す。
【
図23H】光のビームを構造化するために使用されるロンキー・ルーリングを用いる、
図23Aの実施の形態を基礎とする実施の形態のコンテキストにおける構造化された照明を示す。
【
図23J】試料において構造化された照明を生じさせるために変調可能レーザによる掃引が行われる、構造化された照明を示す。
【
図23K】検出アームにおける倍率が照明アームにおける倍率よりも大きくなっている、
図23Aの実施の形態の1つのヴァリエーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の対象の実施の形態は、対象物からのイメージ光が同時に複数の深度から捕捉されて、1つまたは複数のイメージを形成するイメージング技術、本明細書においては深さ分解イメージング(DRI)と記す、イメージング技術に向けられている。DRIの特定の実施の形態においては、ビームが複数の深度を通過するように、照明ビームが関心の対象となる対象物に適用される。平面状の照明ビームを用いる蛍光顕微鏡法のように、特徴識別が容易になるように、照明ビームの形状を選択することができる。照明ビームの適用と同時に、例えば、放射または反射の結果として生じたイメージ光が、複数の深度から捕捉されて、イメージを形成するために使用される。例えば、平面状のビームの形態の照明ビームを生成して、その平面状のビームを用いてスキャニングを行い、その一方で、結果として生じたイメージ光のデスキャニングを行うことによって、体積を連続的に横断させて、高速にイメージングを行うことができる。このことを、対象物の運動および対象物における運動を捕捉するために繰り返すことができる。
【0022】
本開示の対象には、DRI装置の用途および改善、および特別なDRI装置、方法、ならびにDRIのためのシステムが含まれる。幾つかの実施例においては、2次元および3次元のイメージを高速に生成するために、特に動画を生成するために、DRIを使用することができる。幾つかの実施の形態は、共焦点イメージングならびにDRIを実現することができる、方法、装置、およびマルチモードを備えているシステムに関する。
【0023】
幾つかの実施の形態においては、単一の対物レンズが、照明および検出の両方に使用される。本明細書において使用されている用語「照明」は、イメージを構成するために使用される二次放射の放出を励起または抑制するか、もしくは反射、散乱のような何らかの物理的な現象または他の任意の手段を介して戻される、イメージングに使用される任意のタイプの出射光を意味している。したがって、照明光は、蛍光励起、反射、散乱、二次高調波生成、ラマン散乱、および/または他の任意のメカニズムによってイメージ光を生成することができる。さらに、照明エネルギは、分解能の改善のために所望の場所におけるイメージ光を抑制することができる。数ある利点のうちの1つとして、照明光の投影およびイメージングのための単一の対物レンズの使用は、照明を投影するため、かつイメージング光を受信するために別個の光学コンポーネントを使用する光シートイメージングに比べて、対象物の位置決めおよび整列を簡略化できることが挙げられる。
【0024】
DRIの幾つかの実施の形態においては、光ビームが対物レンズを介して、対象物の複数の深度まで延びる伸張されたナロービームまたは平面状のビームと、複数の深度から同時に捕捉された対象物から戻ってくるイメージ光と、に沿って、対象物に投影され、また複数の深度において特徴をイメージングするために使用される。このビームによって、複数の位置にわたりスキャンを行い、3次元のイメージを形成することができる。平面状のビームの形状の照明光を使用する実施の形態においては、対象物をオプティカルセクショニングすることができ、また平面状の照明ビームによる掃引が行われるか、またはさもなければ再び位置決めされるので、照明された平面からの、結果として生じたイメージ光を同一の対物レンズを介して捕捉することができる。ビームは移動されるので、戻ってくるイメージ光はデスキャンされ、カメラのような光検出器にイメージされる。デスキャンは、光検出器における、複数の深度から戻ってきた光の投影を維持する。本明細書においてデスキャニングとは、対象物における、光源の特定のマッピングをプログレッシブに、または段階的に、光検出器の検出領域に維持することを表す。例えば、デスキャニングは、カメラのイメージ面において、平面上の掃引照明ビームの焦点を維持することができる。この実施の形態は、対物レンズまたは対象物を物理的に並進させることなく、3D体積イメージを生成するために平面状のイメージの複数の離散的な範囲または連続的な範囲を捕捉または表示し、それによって、他の種類のイメージングと関連する対象物の準備および照明の選択を回避しながら、イメージング速度を顕著に速めることができる。
【0025】
本明細書に記載する幾つかの実施の形態においては、反射素子を使用するスキャニング素子について説明するが、しかしながらビームをプログレッシブに、または増分的に、または非連続的に移動させるための他のメカニズムを、特許請求の範囲において規定されているような実施の形態も含めて、任意の実施の形態において使用することができる。そのような付加的な実施の形態は、他の光再方向付け装置、例えば光の1つのビームまたはナロービームまたは平面状のビームによってスキャンを行うための屈折素子または回折素子を使用することができる。それらの素子には、ミラー、プリズム、音響光学偏向器、電動式レンズ、空間光変調器(SLM)、ビームステアリングミラーまたはビームステアリング光学系、可撓性の光導体または光ファイバ、他のタイプの適応型光学系、もしくは出射光または入射光の方向を制御するための他の任意のメカニズムが含まれると考えられる。そのようなヴァリエーションは、特許請求の範囲も含めて、開示する実施の形態のうちのいずれかに示すものと置換できるとみなされ、また結果として生じた実施の形態は、本願明細書の本開示の対象に含まれる。
【0026】
本開示の対象の幾つかの実施の形態においては、オプティカルセクショニングを提供するためにサンプリングされる固定の光検出器(例えば、線形光センサまたは2次元の光センサ)に、照明された経路が整列されたままとなるように、スキャニング光学系およびデスキャニング光学系は構成されている。幾つかの実施の形態においては、照明光が対物レンズの背面に入射する角度を変化させ、それによって対物レンズからその照明光が現れる角度を変化させるために、スキャニングミラーを移動させることによって、平面状の照明ビームを用いて対象物が掃引される。平面状の照明ビームを、光のシートを横断させるようなスキャニングによって掃引される離散的な円柱状のビームから形成することができるか、または円柱状のビームを平坦にする光学素子によって形成できることを言及しておく。平面状の照明ビームを、各時点に形成される離散的で平行な複数の円柱状のビームによって形成することもできる。角度を上記のように変化させることによって、平面状の照明ビームでもって、対象物が掃引される。上記において述べたように、2次元または3次元のイメージを形成するために、またはそれどころか線形の深さ分解された検出を行うために、照明の他のパターンも考えられる。(例えば、蛍光励起、反射、散乱、二次高調波生成、および/またはラマン散乱を介する)対象物における照明された領域からの光は、同一の対物レンズを通過して戻ってきて、デスキャンされる。デスキャニングによって、光が対象物にわたり移動される(またはより一般的に再位置決めされる)場合であっても、検出光は、照明された領域のイメージを形成し、このイメージは、固定的であり、またレーザスキャニング共焦点顕微鏡において、照明された焦点のスキャニングに整列されて共焦点ピンホールが維持されるやり方とほぼ同じやり方で、照明された領域に整列されている。
【0027】
デスキャニングは、静止イメージを生成するために複数の光学コンポーネントを使用することができる。光検出器において別のイメージを形成するために、カメラをイメージ(中間イメージ)に焦点合わせすることができる。焦点合わせされていないカメラの照準をイメージに合わせることができる。イメージを光検出器において直接的に形成することができる。光検出器は、高速CMOSカメラ、CCDカメラ、光電子倍増管、線形検出器アレイまたは他の任意の光検出装置またはイメージング装置を含むことができる。代替的に、イメージング装置、またはイメージング装置への入射部を、イメージ面に配置することができる。本開示の対象の幾つかの実施の形態におけるスキャニング/デスキャニングの構成と組み合わされた単一の固定の対物レンズの構成によって、他の正立顕微鏡または倒立顕微鏡と類似のやり方でDRIを使用することができるか、または既存の顕微鏡、例えば共焦点顕微鏡に対する追加または修正としてDRIを提供することができる。スキャニングおよびデスキャニングのいずれも、光のナロービーム(ペンシルビーム)または平面状のビームのうちの1つまたは複数の角度、または位置、または角度および位置の両方を変化させることであると解される。
【0028】
図1を参照すると、DRIシステム100の実施の形態に関連する種々のハイレベルの特徴が図示されている。実施の形態には、
図1に図示した特徴の一部または全て、ならびに
図1においては具体的に図示していない他の特徴が含まれると考えられる。幾つかの実施の形態においては、
図1における特徴の一部を、省略することができるか、または図示されているか否かを問わない他の特徴を考慮して配置変更することができる。さらに、図示されている特徴は、1つまたは複数の機能を実行する簡略化されたコンポーネントの特徴である。
図1の一般的な考察および種々の実施例の以下の詳細な考察に基づき、当業者は、簡略化されたコンポーネントによって表されている1つまたは複数の機能を実行するための多数の代替形態を容易に理解するであろう。
【0029】
1つまたは複数の実施の形態においては、対象物106を微視的または巨視的にイメージングするために、DRIシステム100を使用することができる。DRIシステム100は、とりわけ、第1の光学モジュール102(すなわち、照明モジュール)、第2の光学モジュール103、および第3の光学モジュール104(すなわち、検出モジュール)を含むことができる。照明モジュール102は、例えば、レーザ光のビームを供給することができ、またその光を事前調節して、対象物106において線形のビームまたは平面状のビームになるように成形することができる。ビームの事前調節によって、そのビームを、対象物において細い照明パターンまたは平面状の照明パターンになるように成形することができる。光学系自体でビームまたは平面を形成しなくてよい。SLMは、例えば適応型光学系を介して、収差を低減するためにビームを事前調節するための1つのオプションである。またはベッセルビーム形成などもオプションとして考えられる。平面において空間パターンを生じさせるために、照明ビームを時間的に変調させることができるか、もしくは構造化された照明を生じさせるために、照明ビームをパターニングすることができ、続けて、「超分解能」イメージを生成するために、そのパターンに対してイメージ処理を実施することができる。照明モジュール102は、スキャン用の入射光134を、1つまたは複数の光路を介して、第2の光学モジュール103に供給することができる。検出モジュール104は、入射光に応じて、対象物106において照明された平面によって反射、散乱かつ/または放射された光135を受信することができる。
【0030】
照明モジュール102は、一次照明源122、例えば、レーザ光源または平行ビーム源を含むことができる。一次照明源122によって生成された照明ビームを、ビーム調節モジュール120に供給することができ、このビーム調節モジュール120は、所望の照明特性を達成するために、光ビームを調節する1つまたは複数の照明光学系および/または照明コンポーネントを含んでいる。例えば、ビーム調節モジュール120の1つまたは複数の照明光学系および/または照明コンポーネントは、ビームを成形して対象物106において線形のビームまたは平面状のビームにするために、屈折性、反射性、かつ/または回折性の光学系を含むことができる。例えば、平面状の照明ビームに成形するために、屈折性、反射性、かつ/または回折性の光学系は、スキャナのような能動的な素子、またはシリンドリカルレンズのような受動的な素子を含むことができる。代替的または付加的に、ビーム調節モジュール120の1つまたは複数の照明光学系および/または照明コンポーネントは、ビーム調節コンポーネント、例えば波長選択性のフィルタ、偏光選択性または偏光変更性のコンポーネント、グラデーションNDフィルタ、変調器などを含むことができる。代替的または付加的に、ビーム調節モジュール120の1つまたは複数の照明光学系および/または照明コンポーネントは、ビームの何らかの調節を行う前に、もしくはビームの調節の一部または全てが終わった後に、もしくは光源と対象物との間の光路に沿った他の任意の地点において、ビームの大きさを制限する1つまたは複数の絞りを含むことができる。代替的または付加的に、ビーム調節モジュール120の1つまたは複数の照明光学系および/または照明コンポーネントは、ズームレンズを含むことができ(図示していないが、しかしながらシステムの構成に応じて、フォーカシングモジュール108の手前に、例えば望遠鏡110内に配置することができる)、このズームレンズを、フォーカシングモジュール108を考慮して照明の位置を変化させるために使用することができる電動式レンズ(図示せず)および/または第2のモジュール103の倍率を変更するために使用することができる。代替的または付加的に、ビーム調節モジュール120は、収差を低減するためにビームを事前調節することができる適応型光学系、例えば空間光変調器(SLM)を含むことができる。
【0031】
開示する実施の形態において、複数の深度(対物レンズに対して相対的な軸線方向の複数の位置)において焦点を取得または維持するためのシステムの機能に起因して、1種類または複数種類の収差が発生する可能性があることを言及しておく。それらの収差には、設計者が選択した構成に応じて、色収差および球面収差が含まれると考えられる。それらの収差を、公知の技術、例えば非球面レンズ、GRINレンズ、複数の素子から成る光学系、または他の技術を使用して、低減または除去することができる。幾つかの実施の形態においては、対物レンズにおいて発生する収差が、その対物レンズによってもたらされる収差を完全にまたは実質的に補償するように選択された特性を備えているレンズアセンブリに光を透過させることによって補償される。例えば、対物レンズと同一であるレンズアセンブリを使用することができる。
【0032】
幾つかの構成では、一次照明源122を時間的に変調させて、対象物において照明される平面に空間パターンを形成することができるか、もしくは格子光シート顕微鏡検査における場合のように、分解能を高めるための(つまり「超分解能」を生じさせるための)構造化された照明を形成するために、一次照明源122をパターニングすることができる。代替的または付加的に、一次照明源122は、1つまたは複数のベッセルビームを生成することができ、このベッセルビームが、対象物を照明する平面状の照明ビームに成形される。
【0033】
幾つかの構成では、一次照明源122が複数の光源を含むことができ、例えば、異なる中心波長を有している複数のレーザ光源を含むことができる。幾つかの構成では、ビーム調節モジュール120がさらに、例えば、複数のフィルタの中から適切なフィルタに切り換えることによって、または特定のレーザを選択的にアクティブにすることによって、または複数あるレーザ源のうちの1つ(または対応する入射コンポーネント)を単一の入射位置へと移動させることによって、照明用の波長を選択するための光学系および/またはコンポーネントを含むことができる。代替的または付加的に、ビーム調節モジュール120は、複数の光ビームを組み合わせて単一のビームにするための光学系および/またはコンポーネントを含むことができる。そのような構成では、付加的な光学系および/またはコンポーネントを、例えば、分離モジュール112の一部としてマルチバンドダイクロイックを含ませることによって、かつ/またはイメージ調節モジュール130の一部としてノッチフィルタを使用することによって、照明モジュール102の下流側に設けることができ、それによって、同時に生じる多波長照明および結果として生じる検出光を適応させることができる。代替的または付加的に、複数の光源の組合せは、例えば、より細い平面状のビームを生み出す複数の平面状のビームの組合せを形成することによって、誘導放出抑制(STED:stimulated emission depletion)イメージングを実現することができる。代替的または付加的に、複数の光源の組合せは、誘導ラマン散乱(SRS:stimulated Raman scattering)イメージングおよび/またはコヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS:coherent anti-Stokes Raman scattering)イメージングに類似する、ポンプ-プローブイメージングを実現することができる。
【0034】
いずれかの実施の形態においては、上記において具体的に考察した光学系および/またはコンポーネント以外の、ビーム調節モジュール120のための他の光学系および/またはコンポーネントも考えられる。ここではレーザ源を説明したが、任意のコリメート光源(またはコリメートすることができる光源)または複数の光源の組合せ、例えばパルス波または連続波を使用することができる。幾つかの実施の形態においては、一次照明源122から一次照明を生成するために、再生増幅器を使用することができる。
【0035】
入射照明134を、第2のモジュール103のスキャニングモジュール116に供給することができる。スキャニングモジュール116は、入射照明134を対象物106に向かって再方向付けし、また対象物において結果として生じた平面状の照明ビームによるスキャンを実行するための、1つまたは複数の光学系および/またはコンポーネントを含むことができる。例えば、スキャニングモジュール116は、入射照明134の光路を変更するために、1つまたは複数の反射性の素子(例えば、ガルバノメータに取り付けられている可動のミラー)を含むことができる。スキャニングモジュール116によって再方向付けが行われた後に、照明は分離モジュール112へと進むことができ、その分離モジュール112においては、対象物に方向付けられるべき光が、対象物から戻ってきたあらゆる検出光から分離される。
【0036】
幾つかの実施の形態においては、分離モジュール112が、照明光と検出光を区別するための1つまたは複数の光学コンポーネントを含んでいる。例えば、分離モジュール112は、照明光および検出光を別個の光路に沿って方向付けるために、波長選択性のビームスプリッタ(例えば、ダイクロイックミラー/ダイクロイックフィルタまたは誘電体ミラー/誘電体フィルタ)または偏光選択性のビームスプリッタを含むことができる。別の実施の形態においては、分離モジュール112が、ビームスプリッタを使用することなく照明光と検出光を物理的に分離させるように機能する、システム100内の他のモジュールの光学系またはコンポーネントから成る装置を含んでいる(例えば、
図12を参照されたい)。
図1においては入射光路に沿ったスキャニングモジュール116の下流側のモジュールとして分離モジュール112を図示したが、分離モジュール112、またはそのコンポーネントを、例えば
図10に示されているように、スキャニングモジュール116の上流側(かつ/または検出光路に沿ったデスキャニングモジュール118の下流側)に設けることも考えられる。
【0037】
スキャニングモジュール116および分離モジュール112を通過した後に、平面状の入射照明ビームは、オプションとしての望遠鏡モジュール110へと進み、この望遠鏡モジュール110は、入射照明を、フォーカシングモジュール108の背面絞り(または背面絞りとは異なっていてもよい背面入射平面)に結像させるための望遠鏡を形成する1つまたは複数の光学系またはコンポーネントを含むことができる。例えば、オプションとしての望遠鏡モジュール110は、入射照明を、対物レンズに対して相対的ないずれかの地点における固定の平面、例えば背面絞り、背面焦平面、または所望のスキャンパターンに応じた他の任意の地点に結像させることができる。そのような構成は、スキャンの間の光の損失量を最小限にするか、または少なくとも低減することに関して有利であると考えられる。代替的または付加的に、オプションとしての望遠鏡モジュール110は、(例えば、スキャニングモジュール116の)スキャニングミラーの大きさに対する、(例えば、フォーカシングモジュール108の)対物レンズの背面絞りの縁部に入射する照明の場所を拡大することができ、それによって、背面絞りに対して相対的に小さいスキャニングミラーを使用することができる。望遠鏡モジュール110によって提供される拡大の結果に類似する特徴を、検出光138のための任意のデスキャニングミラー(例えば、デスキャニングモジュール118のデスキャニングミラー)にも同様に適用することが可能である。オプションとしての望遠鏡モジュール110が設けられる場合、その望遠鏡モジュール110は、例えば
図4Aに図示したように、光路に沿って配置されたレンズのペアを含むことができる。
【0038】
フォーカシングモジュール108(例えば、対物レンズ、もしくは他の反射性、回折性、または屈折性のフォーカシング光学コンポーネント)は、望遠鏡モジュール110から入射照明を受信して、その照明を平面状のビーム137にして、斜角で(すなわち、対物レンズの光軸に関して斜角で)対象物106に焦点合わせする(または代替的に、対象物において複数の深度での照明が行われるように、軸線(図示せず)に整列させる)。フォーカシングモジュール108を、例えば平面状の入射照明ビーム137を形成するために使用した同一の対物レンズを使用して、対象物106からの光138を受信するためにも使用することができる。スキャニングおよび検出の間に、フォーカシングモジュール108のコンポーネントおよび対象物106(または、少なくともイメージング体積(例えば対象物がそのイメージング体積とは別個に移動する場合))が実質的に固定され続けるように、システム100を構成することができる。
【0039】
対象物106からの光138を、フォーカシングモジュール108を経由して、検出モジュール104への経路上にある、第2のモジュール103の多数の同一のモジュールまたは類似のモジュールを通過するように方向付けることができる。例えば、フォーカシングモジュール108は、光138を望遠鏡モジュール110に方向付けることができ、この望遠鏡モジュール110では、光が、入射照明をフォーカシングモジュール108に結像させたものと同一の望遠鏡レンズ群を経由して進む。光138を、分離モジュール112によって(例えば、分離のための特別な光学系またはコンポーネントによって、もしくは入射光路および出射光路の適切な配置構成によって)分離させ、デスキャニングモジュール118によってデスキャンすることができる。代替的に、上記において述べたように、デスキャニングモジュール118によるデスキャンを、分離モジュール112による分離よりも前に行うことができる。
【0040】
モジュール118によるデスキャニングは、照明のスキャニングによる移動が行われているにもかかわらず、入射照明によって照明される対象物における平面に対応する、イメージングモジュール132の固定の検出平面を維持することができる。デスキャニングモジュール118は、対象物からの光の再方向付けを行うための1つまたは複数の光学系および/またはコンポーネントを含むことができる。システム100によってイメージングされた検出平面が、システム100によって照明された平面に対応するように、デスキャニングモジュール118による再方向付けを、スキャニングモジュール116による再方向付けと同期させることができる。幾つかの実施の形態においては、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118が、同一のコンポーネントの一部を共有する(すなわち、例えば
図10に図示したように、スキャン/デスキャンモジュール114を含んでいる)。そのような実施の形態においては、スキャニング/デスキャニングを、同一のミラーによって実行することができる。別の実施の形態においては、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118が、別個のコンポーネントのみを使用する(例えば
図11に図示したように、例えば独立したミラーを使用する)。そのような実施の形態においては、スキャニングを第1のミラーによって実行することができ、この第1のミラーは、デスキャニングを行う第2のミラーとは異なるものであるが、それにもかかわらず、それらのミラーの動きを協調させ、照明平面と検出光との所望の対応を維持することができる。
【0041】
幾つかの実施の形態においては、スキャン/デスキャンモジュール114は、1つまたは複数の反射性表面、例えば傾斜巨視的ミラーまたはポリゴンミラーのファセットを含んでいる。しかしながら、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、有効なスキャン/デスキャンのための反射性、回折性、または屈折性の他の光学コンポーネントも考えられる。例えば、スキャン/デスキャンを、他の巨視的光学コンポーネントによって、例えば可変形状ミラーまたはSLM、もしくは微視的光学コンポーネント、例えばMEMSミラーおよびディジタル光プロセッサ(DLP)によって提供することができる。
【0042】
第2のモジュール103からの、結果として生じた検出光135を、さらなる光学的処理およびイメージングのために、検出モジュール104によって受信することができる。例えば、検出モジュール104は、イメージ形成モジュール126、オプションとしてのフィールド回転モジュール128、イメージ調節モジュール130、およびイメージングモジュール132を含むことができる。イメージ形成モジュール126を、照明された平面のイメージを形成するように、かつ/または収差(例えば、第2のモジュール103にもたらされる可能性があるいずれかの収差)を補償するように構成することができる。したがって、イメージ形成モジュール126は、オプションとしての望遠鏡モジュール110およびフォーカシングモジュール108の光学系および/またはコンポーネントに類似するかまたはそれらと同一の光学系および/またはコンポーネントを含むことができる。
【0043】
1つまたは複数の実施の形態においては、イメージ形成モジュール126およびフォーカシングモジュール108の光学系および/またはコンポーネントが、イメージ形成モジュール126によって形成される中間イメージ面の角度を規定するために選択された倍率をそれぞれ有することができる。例えば、中間イメージにおいて全体として1×の倍率を生じさせる倍率をそれぞれ選択することによって(かつモジュール108、126の対物レンズに関していずれかの浸漬媒体を考慮することによって)、中間イメージ面の角度を、対象物における照明された平面の角度と同じにすることができる、つまり回転角度を0°にすることができる。全体として1×とは異なる倍率を生じさせるために各倍率を変更すると、結果として生じたイメージ面の角度が変化する可能性があり、また収差がもたらされる虞もある。したがって、イメージ形成モジュール126を、フォーカシングモジュール108およびオプションとしての望遠鏡モジュール110との組合せにおいて、等倍またはほぼ等倍で、対象物106における照明された平面のイメージを生じさせるように設計することができる。考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、例えばイメージ面を回転させて、捕捉される光を増大させるために、または他のいずれかの目的のために、1×とは異なる倍率を実現することもできる。
【0044】
イメージ形成モジュール126によって形成された、結果として生じたイメージは、光軸に関して斜角を有している。イメージングが前述の光軸について検出器の検出平面を用いて行われるのであれば、イメージの斜角に起因して、フォーカシングモジュール108(例えば、一次対物レンズ)の焦平面の上方および下方において、照明された平面の不鮮明なイメージを形成することになる。幾つかの実施の形態においては、イメージ面に整合するように、またはイメージ面の近くに位置するように検出器の検出平面を回転させることによって、この不鮮明を許容することができる、かつ/またはこの不鮮明に取り組むことができる。他の実施の形態においては、オプションとしてのフィールド回転モジュール128を使用して、このイメージ面の向きを変更することができる。例えば、フィールド回転モジュール128は、イメージ全体(したがって全ての深度)の焦点が合った状態を維持しながら、検出器の検出平面にイメージが一致するように、イメージ面を完全にまたは部分的に回転させるための1つまたは複数の光学コンポーネントを使用することができる。フィールド回転モジュール128の他の構成は、イメージ面を実際に回転させることなく、深さ分解されたイメージの形成に取り組むことができ、これは下記においてさらに詳細に説明する。
【0045】
フィールド回転モジュール128の上流側または下流側には、もしくはフィールド回転モジュール128内には(またはフィールド回転モジュール128が設けられていない場合には、イメージ形成モジュール126の上流側または下流側には、もしくはイメージ形成モジュール126内には)、単一の検出素子(例えば、光電子倍増管(PMT))、線形アレイ(例えば、線形検出器アレイまたはPMTの線形アレイ)、または2次元アレイ(例えば、CCDカメラ)であってよいイメージングモジュール132による最終的な検出に関して、検出光を調節するために(すなわち、イメージ面の位置、倍率、および/または角度を調整するために)、1つまたは複数の光学系および/またはコンポーネントを備えているイメージ調節モジュール130を設けることができる。例えば、イメージ形成モジュール126は、検出光の成形または開口数(例えば、調整可能な絞りまたはアイリス)の調整を行うための光学系またはコンポーネント、および/または波長選択のための光学系またはコンポーネント(例えば、放射フィルタまたは多色イメージングコンポーネント)、および/またはイメージの質を向上させるための(イメージ増強または可変の大きさ調整のための)光学系またはコンポーネントを含むことができる。代替的または付加的に、イメージ調節モジュール130は、フィールド回転モジュール128(またはイメージ形成モジュール126)から出射された光を、例えばその出射された光をイメージングモジュール132の入射平面に焦点合わせすることによって、イメージングモジュール132へと方向付けるための光学系および/またはコンポーネントを含むことができる。
【0046】
代替的または付加的に、イメージ調節モジュール130および/またはイメージ形成モジュール126は、光収集およびイメージ形成を改善するために、1つまたは複数のフィールドレンズ(図示せず、しかしながら中間イメージ面に、または中間イメージ面の近傍に配置することができる)、1つまたは複数のくさび素子、および/または反射性、屈折性または回折性の1つまたは複数の素子(例えば、ミラーまたは空間光変調器)を含むことができる。フィールド回転モジュール128によるイメージの回転の結果、中間イメージを形成する光の指向性およびイメージをイメージングする対物レンズの開口数に起因して、光の損失が生じる可能性がある。フィールドレンズは、光の焦平面を変化させることなく、その光の再方向付けを行うことができる。1つの例においては、フィールドレンズを、フィールド回転モジュールのリレーレンズセットの焦平面に配置することができる。
【0047】
さらに、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、例えばイメージ調節モジュール130における凹レンズおよび凸レンズの組合せを取り入れた、レンズおよびガラス素子の種々の組合せを使用して、収差を改善することができる、かつ/または倍率を変更することができる、かつ/またはスループットを改善することができる。例えば、イメージ調節モジュール130は、第2のモジュール103およびイメージ形成モジュール126の組合せによって生じる倍率が、1×またはほぼ1×の倍率で深さ分解されたイメージを形成する場合であっても、等倍とは異なる倍率を生じさせることができる。特に、イメージ調節モジュール130は(オプションとしてのフィールド回転モジュール128と共に)、1×の中間イメージを拡大することができ、それによって、最終的なイメージにおける所望の解像度は、検出器の個々のピクセルのサイズに対応する。
【0048】
イメージ調節モジュール130は、例えば特定の位置および向きにおいてイメージを形成するために光の再方向付けを行うことができる他の光学系またはコンポーネント、例えば限定を意図するものではないが、ミラーおよびミラーの組合せ、プリズム、格子、可変形状ミラー、および空間光変調器(SLM)も使用することができる。代替的または付加的に、イメージ形成モジュール126は、1つまたは複数のズームレンズモジュール(図示せず)を含むことができる。ズームレンズモジュールは、例えば、イメージングモジュール132の検出器のピクセルサイズを整合させて所望の解像度でイメージングするために、検出モジュール104の倍率を変更することもできる。ズームレンズモジュールまたは電動式レンズを、フォーカシングモジュール108の一次対物レンズについての変更を適応させるために、例えば倍率を変更するために使用することもできる。そのような構成では、ズームレンズモジュールまたは電動式レンズは、異なる背面絞り(または背面焦平面特性)を、そこへの入射照明の位置を移動させることによって補償することができる。代替的または付加的に、背面絞りにおける入射照明の位置を、(例えば、スキャニングモジュール116の)スキャニングミラーにおけるビームの並進によって変更することができる。
【0049】
イメージ調節モジュール130は、例えば、異なる所望の倍率の切換えを行うために対物レンズ(例えば、オプションとしてのフィールド回転モジュール128の対物レンズ)を変更する変位可能なコンポーネントを含むこともできる。したがって、対象物についての一次対物レンズ(例えば、フォーカシングモジュール108の対物レンズ)を変更する代わりに、種々の対物レンズの中から選択を行うために変位可能なコンポーネント(例えば、異なる倍率を有している複数の対物レンズから成るターレット)を単純にアクティブにすることによって、最終的なイメージの倍率を変更することができる。そのような構成では、例えば、上記において説明したように等倍またはほぼ等倍の倍率の条件を維持するために、イメージ形成モジュール126の倍率を相応のやり方で変更することができる。
【0050】
考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、イメージングモジュール132は、種々のタイプの検出素子および/または構成を含むことができる。幾つかの実施の形態においては、イメージングモジュール132が、2次元の検出素子アレイを備えている高速カメラ(例えば、少なくとも1MHzのピクセルレート、例えば、300MHz)、例えばCMOSイメージング素子、sCMOSイメージング素子、またはCCDイメージング素子を含むことができる。代替的または付加的に、イメージングモジュール132は、検出素子の線形アレイを含むことができる。幾つかの実施の形態においては、イメージングモジュール132が、高感度検出素子の線形アレイまたは2次元アレイ、例えば光電子倍増管、アバランシェフォトダイオード、または単一光子アバランシェダイオードを含むことができる。代替的または付加的に、イメージングモジュール132は、一連の個々の検出器または検出器素子のアレイに光を方向付ける1つまたは複数の導波体(例えば、光ファイバ)またはコンジットを含むことができる。
【0051】
イメージングモジュール132によって検出されたイメージを処理するために、かつ/またはシステム100の動作を調整するために、制御モジュール150を設けることができる。例えば、制御モジュール150は、例えばレーザからのビームによるスキャニングを行うことによって、または空間光変調器(SLM)を制御することによって、入射照明134を形成するための照明モジュール102を制御することができる。代替的または付加的に、制御モジュール150は、例えば、照明を変調して構造化された照明を形成するために、照明モジュール102からの照明のタイミングまたは照明モジュール102における波長の選択を制御することができる。代替的または付加的に、制御モジュール150は、対象物において平面状の照明ビームによるスキャニングを実行するために、スキャニングモジュール116を制御することができる。制御モジュール150は、検出光138のデスキャニングを同期させるために、デスキャニングモジュール118を制御することもできる。代替的に、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118は同一のモジュールであってもよく(例えば、スキャン/デスキャンモジュール114)、また制御モジュール150は、スキャニングおよびデスキャニングを同時に提供するために、モジュール114を制御することができる。
【0052】
考えられる1つまたは複数の実施の形態においては、対象物106を(例えば、モータ駆動式のステージを介して)移動させるように、かつ/またはフォーカシングモジュール108(例えば、一次対物レンズ)を移動させるように、制御モジュール150を構成することができる。そのような構成では、対象物106を複数の方向からまたは側方から連続的に照明して、より等方性の分解能を提供することができる。
【0053】
さらに、イメージングモジュール132によって検出された光、および対応する検出の間のスキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118の角度に基づいて、1つまたは複数のイメージを構築するように(例えば、2Dイメージを構築するか、または複数の2Dイメージを3Dイメージに構築するように)、制御モジュール150を構成することができる。代替的または付加的に、制御モジュール150は、対象物における平面状の照明ビーム137の実際の位置を補正することができる。例えば、制御モジュール150は、照明光および検出光の実際の角度および位置を求めるために、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118からのフィードバック信号、ならびにシステム100の光学系および/またはコンポーネントのモデルを使用してもよい。代替的または付加的に、システム100を制御して、2光子イメージング、光干渉断層撮影(OCT:optical coherence tomography)、構造化照明イメージング、誘導放出抑制、または他の任意のイメージング様式を実行させるよう、制御モジュール150を構成することができる。
【0054】
制御モジュール150を、イメージをさらに処理するように構成することもできる。特に、制御モジュール150は、例えば分解能、コントラストおよび空間線形性を改善するために、多数の異なる解析およびイメージ補正ストラテジを適用することができる。1つまたは複数の実施の形態においては、スキャンの間に検出された検出要素(例えば、カメラのピクセル)を、物体平面における3Dデカルト空間にマッピングするために、イメージング幾何学(第1のモジュール102から第3のモジュール104の種々のモジュールの光学系およびコンポーネントを含む)をモデリングすることができる。このモデルを、制御モジュール150によって記憶して、結果として生じたデータの完全なデコンボリューションのための、予測された空間的に変化する点拡がり関数(PSF:point spread function)を生成するために使用することができ、この点拡がり関数によって、結果として生じるイメージの分解能およびセクショニングを改善することができる。代替的または付加的に、PSFを、データセットから、または標準(例えば、蛍光ビーズを用いたゴースト)を使用した校正から推定することができるか、または自動化されたアルゴリズムを使用して推定することができる。PSFの推定をデカルト空間への変換の前または後に行うことができる。制御モジュール150によるデコンボリューションを、下記において説明する、横方向移動調整の前または横方向移動調整の後に適用することができる。
【0055】
代替的または付加的に、光伝播の放射移動型モデルを、制御ユニット150によって記憶して、また層状光断層撮影(LOT:laminar optical tomography)または拡散光断層撮影に類似して、補正されたイメージを再構築するために、光(例えば、平面状の照明ビーム137および/または検出光138)の散乱の効果に関するさらなる補正のために使用することができる。
【0056】
代替的または付加的に、例えば、対象物106の3Dモデルの編集において横方向移動調整を各イメージに適用することによって、イメージを加工するように、制御モジュール150を構成することもできる。照明の角度に起因して、取得されたイメージを積み重ねて単純な立方体にしても、スキューは補正されない。換言すれば、平面状の照明ビーム137の単一のスキャン位置において取得された各深度層が、光軸139に関する平面状の照明ビーム137の角度に依存して、上に位置する層に関して横方向に移動される。制御システム150は、例えば1次元または多次元で各層を横方向に移動させることによって、またオプションとして非整数次の移動を補間することによって、このスキューを解決することができる。移動の量を、シミュレーション、結果として生じたイメージからの推定、かつ/または物体を使用する校正によって求めることができ、また制御モジュール150によって記憶することができる。幾つかの実施の形態においては、傾斜したイメージのデカルト座標系への再構築を、モデルベースとすることができるか、または横方向移動調整の適用によって近似させることができる。
【0057】
代替的または付加的に、拡散背景差分を使用するように、制御モジュール150を構成することができる。あらゆる不所望な散乱を補償するために、システム100は、例えば、(例えば、励起光の散乱を低減させるより長い波長の励起を使用し、また2光子効果の非線形性に起因してより細い平面状のビームを形成する)2光子イメージング、(例えば、一次照明源122および結果として生じた検出スキーマの適切な操作による)構造化照明、(例えば、対象物において蛍光が発せられるように中央の焦点をアクティブにしたまま、特定の領域における蛍光体を選択的に不活性化させることによる)誘導放出抑制(STED)イメージング、(例えば、均一な構造化照明を用いて連続するイメージを取得し、両方のイメージから高空間周波数および低空間周波数を混合して単一のイメージを合成することによる)HiLoイメージング、(例えば、より高い分解能構造を強調するための)ハイパスフィルタリング、(例えば、より高い分解能構造を強調するために、ローパスフィルタリングされたデータをイメージから減算するための)ローパスフィルタリング、(例えば、光活性化局在性顕微鏡法(例えば、PALM:photoactivated localization microscopy)、確率的光学再構築顕微鏡法(STORM:stochastic optical reconstruction microscopy)に類似して、時間ゆらぎの特異なパターンを有している特徴を区別することによる)時空間認識、イメージにおける動的な変化を抽出することによる数学的補正および/または拡散背景差分を使用する数学的な補正を使用することができる。例えば、制御モジュール150は、取得された連続する各イメージにおける共通のパターンを識別することができ、この共通のパターンを、スキャンの間に横方向に移動させることができる。選択的な対象物平面に対応する各測定値間の差異を取り除くために、共通のパターンを移動させることができ、スケーリングすることができ、また各イメージ(例えば、連続的に取得されたイメージ)から減算することができる。
【0058】
幾つかの実施の形態においては、システム100に、オプションとしての二次照明源124を設けることができる。例えば、一次照明源122からの光から独立して、または一次照明源122からの光と共に、フォトマニピュレーション、誘導放出抑制(STED)、または対象物に対する他のいずれかの所望の効果を提供するために、二次照明源124を使用することができる。所望の照明効果を提供するために、二次照明源124からの光を操作するための(例えば、ビームステアリングまたはビーム成形を行うための)他の光学系またはコンポーネント(図示せず)を二次照明源124に設けることができる。例えば、所望の効果を達成するために、空間光変調器(SLM)、ビームステアリングミラーまたはビームステアリング光学系、音響光学偏向器、位相板、適応型光学系、または他の任意の光学コンポーネントを二次照明源124に設けることができる。制御モジュール150は、システム100の他のモジュール102~104と共に、二次照明源124の動作を制御することもできる。
【0059】
幾つかの構成(例えば、フォトマニピュレーションが行われる構成)では、二次照明源124からの二次照明を、対象物106を照明するためのフォーカシングモジュール108に直接的に(例えば、ビーム路136aに沿って)供給することができ、それによって第2のモジュール103の他のモジュールをバイパスすることができる。フォトマニピュレーション光を、フォーカシングモジュールの焦平面におけるレーザ光の単純な焦点合わせから、ガルバノミラー、音響光学スキャナ、MEMSスキャナ、DLP装置またはSLMを用いたスキャンまでの任意のビーム成形光学コンポーネントによって生成することができる。例えば、フォトマニピュレーションの任意の3Dパターンを生成するためにSLMを使用することができ、この3Dパターンをイメージング中に動的に変更することができる。フォトマニピュレーションには、細胞のオプトジェネティクス励起またはオプトジェネティクス抑制、光捕捉、光凝固、光脱色、光誘導細胞死または光誘導細胞障害(すなわち、フォトトロンボーシス)、微粒子またはナノ粒子からの光放出のための光キャビテーション、フォトアンケージング、点灯、活性酸素種生成、または電磁放射を使用する他の任意のマニピュレーションが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
代替的または付加的に、二次照明源124からの二次照明を、第2のモジュール103を通過する、一次照明の経路と完全にまたは部分的に同一な経路、もしくはその経路に隣接する経路に沿って伝播させることができる。例えば、STEDが行われる構成では、二次照明源124からの二次照明を、経路136bに沿って、第2のモジュール103の入射端部に向け、また平面状の入射照明ビーム134に類似するビーム路に沿って対象物106へと進めることができる。STEDは、スポットまたは平面を制限する回折の大きさを低減するために誘導放出抑制を使用する超分解技術である。幾つかの実施の形態においては、一次照明を包囲するか、または一次照明と境界を成すか、または一次照明に隣接するビームを形成するために、二次光源124を整列することによって、STEDを達成することができる。したがって、点スキャンのためには、二次照明の環状ビームスポットを、一次照明の焦点周りに形成することができる。線スキャンのためには、二次照明の伸張された環状形状を、線状の一次照明周りに供給することができる。平面ビームスキャンのためには、二次照明の2つの平面状のビームを、平面状の一次照明ビームの両側に供給することができる。考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、一次照明および二次照明に関する他の構成も考えられる。考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、フォトマニピュレーションおよびSTEDのための二次照明源の構成および使用とは異なる、二次照明源の構成および使用も考えられる。
【0061】
図1においては特定の特徴を図示したが、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、付加的な特徴をそれらの明確に図示した特徴に追加してもよいことは明らかである。さらに、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、特定の特徴を省略、置換、または修正できることは明らかである。
図1においては複数の特徴の特定の順序および構成を図示したが、本開示の対象の幾つかの実施の形態はこれらに限定されるものではない。むしろ、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、異なる構成を達成するために、それらの特徴の順序を変更することができる。例えば、この
図1に図示したように、スキャニングモジュール116を、照明モジュール102と分離モジュール112との間の光路ではなく、またデスキャニングモジュール118を、検出モジュール104と分離モジュール112との間の光路ではなく、それらのスキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118を、分離モジュール112と望遠鏡モジュール110との間の光路に配置することができる。
図1に図示した特徴およびモジュールの他の再配置および再構成も、当業者には明らかであろうし、また本願の範囲に含まれる。
【0062】
さらに、各実施の形態にしがたい、システム100を多数の異なる構成で実施することができる。例えば、システム100を、顕微鏡検査法システムとして構成することができ、その場合、フォーカシングモジュール108は、顕微鏡ステージによって保持されている対象物106をイメージングするための1つまたは複数の顕微鏡対物レンズを提供する。別の例においては、システム100を巨視的な(すなわち、拡大系を有していない)イメージングシステムとして構成することができ、その場合、フォーカシングモジュール108は、対象物をイメージングするための、1つまたは複数の高開口数のフォーカシングレンズを提供する。さらに別の例においては、特定の用途のために、システム100を(例えば、微細加工されたコンポーネントを使用することによって、例えば、微小電気機械システム(MEMS)装置、および/または小型化されたイメージング素子(例えば、半導体チップイメージング素子)、および/または小型化された光源(例えば、レーザダイオードまたは発光ダイオード(LED))を使用することによって)小型化することができる。例えば、光学コンポーネントを、生物内部の構造をイメージングするための内視鏡に含めることができ、その場合、システムによって取得された光が、内視鏡内の顕微鏡によって処理されるか、または例えば1つまたは複数の光ファイバによって、遠隔の検出器(例えばPMTアレイ)へと誘導される。
【0063】
図2Aを参照すると、対物レンズ202を使用する構成が図示されている。そのような構成は、
図1のフォーカシングモジュール108の全体または一部を形成することができる。DRイメージングシステムの幾何学を形成するために、照明ビーム204の位置を、対物レンズ202の背面絞りに関して偏心させることができる。対物レンズ202の背面焦平面における照明ビーム204の位置(または等価的に、背面絞りに関してこの位置を取ることができる)は、対象物における結果として生じる平面状の照明ビーム210の角度を決定する。スキャニングモジュール116によってスキャンが行われるにもかかわらず、照明ビーム204が対物レンズ202の背面焦平面またはその近傍における一貫した場所に入射するように、(すなわち、第2のモジュール103の光学系および/またはコンポーネントを介して)システムを設定することができる。換言すれば、対象物におけるビーム210によるスキャンを実行するために、対物レンズ202の背面絞りまたはその近傍における一点を中心にして、照明ビーム204を旋回させることができる(参照番号208を参照されたい)。それと同時に、対象物からの検出光206を取得するために、対物レンズ202を使用することができる。例えば、スキャン中の光の損失を最小限にするか、または少なくとも低減するために、
図4Aにおける望遠鏡の構成のような望遠鏡を使用して、照明スキャナおよび検出デスキャナを、対物レンズの背面絞り近傍の固定の平面(例えば、背面焦平面)に結像することができる。
【0064】
図2Aにおいては上方からの対象物の照明を図示したが、対物レンズ202(およびシステム100の他のコンポーネント)を、対象物に関して異なる場所に維持することができるか、または位置変更することができる。例えば、対象物が下方から照明されるように、対物レンズ202を反転させた構成にすることができる。代替的または付加的に、対物レンズ202は、対象物が側方から照明されるようなものであってもよい。
【0065】
幾つかの実施の形態においては、強度が対象物の表面においてより立体的な分布となるように入射平面を成形することによって、対象物の表面の過剰の照明に(すなわち、対象物におけるより深い位置にある構造をより良好に照明するために)取り組むことができる。例えば、このことは、平面状の照明ビーム210の軸線方向の焦平面を、対象物におけるより深い位置に位置決めすることによって達成することができ、それによって、上部層が受ける電力密度が低減される。これによって、上部層の構造の分解能が低くなる可能性があるが、しかしながらこのことは、より深い深度では分解能および信号対雑音比を高めることができ、また特に2光子イメージングの実現にとって有用であると考えられる。より深い位置に軸線方向の焦点距離を決定することは、照明焦平面を移動させることによって、すなわち対象物および/または対物レンズを移動させることによって達成することができる。代替的または付加的に、軸線方向の焦点に対する、表面におけるエネルギ密度の相対的な差異を、より高い開口数の照明ビームを使用することによって大きくすることができるか、またはより先進的なビーム設計によって、例えば限定を意図するものではないが、エアリビーム、ベッセルビーム、または複数のビームレットの組合せによって大きくすることができる。
【0066】
図2Aにおいては対物レンズ202を図示したが、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、フォーカシングモジュール108のための他の光学系および/またはコンポーネントも考えられる。例えば、対物レンズ202を、
図2Bに図示したように、屈折率分布型(GRIN)レンズに置換することができるか、または複数の対物レンズと組み合わせて使用することができる(図示せず)。そのような構成は、深部組織イメージングにおいて特に有用性を提供することができ、例えば、in situのイメージングのために組織に挿入される針または内視鏡の一部とすることによって提供することができる。代替的または付加的に、特に針または内視鏡の一部として使用される場合には、GRINレンズをリレーレンズとして使用してもよい。
【0067】
さらに、
図2Aにおいては対物レンズ202を図示したが、焦点合わせを行う他の任意の光学系またはコンポーネントを、フォーカシングモジュール108において使用してもよい。例えば、空間光変調器(SLM)を、対物レンズ202の代わりに、または対物レンズ202に加えて使用してもよい。別の例においては、任意の集束レンズを、対物レンズ202の代わりに、または対物レンズ202に加えて使用してもよい。幾つかの実施の形態においては、例えば
図19を参照して下記において説明するように、対物レンズ202は一切必要とされない。
【0068】
ここで
図2Cを参照すると、対物レンズ202を備えている、本開示の顕微鏡の実施の形態のうちの任意の実施の形態(顕微鏡の他の要素は示していない)は、DRIを成すことができ、これは図示のように、照明およびイメージングのフィールドを、拡張を行わなければ到達不可能であるか、または到達困難であると考えられる位置まで拡張するために配置されたGRINレンズを含んでいる。例えば、動物の脳または他の身体部位の軟らかい組織255において、GRINレンズ212を備えている顕微鏡を組織255に差し込むことによって、より深い位置にある領域をイメージングすることができる。対物レンズ202は、平面状の照明ビームをGRINレンズに伝送し、これに基づいて、平面状の照明ビームが再び焦点合わせされて、いずれかの実施の形態のように、平面状の照明ビーム256およびイメージビーム258が形成される。開示するいずれかの実施の形態によれば、イメージビーム258を検出光学系に戻すことができる。この装置を使用することによって、またGRINレンズを適切に選択することによって、調べられる体積領域、平面領域、線領域または点領域の場所を、生物組織のような目標となる物質の実体内まで延ばすことができる。種々のヴァリエーションにおいては、共焦点顕微鏡または他のタイプの顕微鏡を使用できることを言及しておく。
【0069】
図3Aから
図3Cを参照すると、
図1のビーム調節モジュール120のためのコンポーネントの構成が図示されている。上記において述べたように、ビーム調節モジュール120は、一次照明源からの光を、対象物においてスキャンを行うための線形または平面状のビームに成形することができる。
図3Aを参照すると、照明源302は、設けることができるビームエキスパンダ305に入射する照明ビーム304Aを生成する。ビームエキスパンダ305は、レンズ307Aおよび307Bのような1つまたは複数の光学素子を含むことができる。結果として生じた、拡張されたビーム304Bを、平面状ビーム形成素子306に入射させて、平面状のビーム308を形成することができる。シリンドリカルレンズ306の向きによって、ビーム304は、X方向において焦点合わせされる。結果として生じたビーム308は、対象物において焦点合わせされた平面状の照明ビームを最終的に形成する対物レンズを含んでいる光学系を介して対象物に向けられ、この平面状の照明ビームは、X-Z平面に対して斜角を成している。第2のモジュール103を使用して、例えば、スキャニングモジュール116の運動の結果としてのX-Z平面におけるビームの並進かつ/または回転によって、照明308を用いて対象物をスキャンすることができる。平面状ビーム形成素子306は、平面状のビームを形成するための任意の適切な技術を使用することができ、例えば、光学の分野の当業者にはよく理解されるように、シリンドリカルレンズ、またはシリンドリカルレンズおよび球面レンズの組合せを使用することができる。平面状のビームを形成する他の光学的なアプローチも使用できることを言及しておく。例えば、ビームエキスパンダ305を省略することができる。
【0070】
幾つかの実施の形態においては、対象物において、平面状のビームによるスキャンよりも線形のビームによるスキャンの方が好適である場合もある。例えば、照明源からの照明を、(例えば、Y方向に沿った)照明の線として投影して広げることができ、この照明の線によって横方向のスキャンを行い、平面状のビームと同等の領域を照明することができ、これによって、2光子イメージングに必要とされる出力要求を適応させることができる。そのような構成は
図3Bに図示されており、この構成では、スキャニングミラー316が使用されて、線状の照明318を形成するためのビーム304によって生じるスポットのスキャンが行われる。
【0071】
幾つかの実施の形態においては、改善された2光子励起能力を提供するために、再生増幅器、または標準的なチタンサファイアレーザよりも低い繰返し率を有している類似のパルス化レーザを使用することができる。再生増幅器は、~MHzレーザのパルスを、より高いピークエネルギを有しているより低い周波数パルスに集中させる。例えば、80MHzのチタンサファイアは、7Wの平均出力を有している5kHzパルスに集中されたパルスを有することができる。その結果、標準的な80MHzレーザに比べて、パルスあたり5万(50,000)倍を上回る出力を照明ビームのために生成することができる。80MHzレーザからのパルスに同等の瞬間的な励起を提供するために、この照明を、照明平面にわたり立体的に広げることができる。照明平面のイメージ取得が毎秒2,000フレームまたは約2,000フレームである場合には、より低いパルスレートに適応させることができ、それによって、各平面を再生増幅器からの2つのパルスで照明することができる。対象物の点あたり1つのパルスを想定すると、積分時間またはドウェル時間は、放出される光の量の要因としては考慮されず、線状のビームを励起する構成と平面状のビームを励起する構成とは、パルスレートが整合されたスキームにおいては大部分が等価になる。いずれの場合にも、2D検出器アレイまたは2Dカメラ、もしくはイメージ検出の他の構成を実施することができる。代替的に、平面を線形検出器の対象物に、カメラよりも高いレートでデスキャンさせることも考えられ、この線形検出器は、カメラに比べてより広汎な帯域幅および/またはより良好な感度を有することができる。
【0072】
類似の効果は、平面状の照明ビームを形成するための線形スキャンタイプの構成を使用する場合にも得られる。例えば、
図3Cにおいては、対象物にわたる平面状のビームの掃引に先行して、平面状のビーム照明322を構成するために、低NA(またはそれに類似する)単一のビーム304によるスキャンを行うために、別個のスキャナ320を使用することができる。
図3Cに図示されているそのような構成は、平面状の照明ビームをパターニングするために、例えば一次照明を使用して構造化された光を供給するために使用することもできる。特に、構造化された照明またはHiLo顕微鏡検査法に類似して、DRIシステムの平面内の分解能およびセクショニングを改善するために、構造化された光を使用することができる。異なる空間周波数での照明をパターニングすることによって、イメージの低周波成分および高周波成分を分離させて、改善された分解能を得ることができる。幾つかの実施の形態においては、
図3Bまたは
図3Cの構成における特定周波数での照明ビームの強度を変調することによって、構造化された照明を形成することができる。代替的または付加的に、照明路内に回折格子または空間光変調器を使用することによって、構造を形成することができる。
【0073】
図4Aを参照すると、
図1の望遠鏡モジュール110のためのコンポーネントの構成が図示されている。上記において述べたように、望遠鏡モジュール110は、平面状の入射照明ビームを、フォーカシングモジュール108(例えば、対物レンズ202)の背面絞り(または背面入射平面)に結像させることができる。さらに、望遠鏡モジュール110は、フォーカシングモジュール108(例えば、対物レンズ202)からの検出光400を伝送することができる。例えば、
図4Aにおいては、共通の光軸404に沿って、第1のレンズ402を第2のレンズ406と組み合わせて使用することによって、望遠鏡を形成することができる。それらのレンズ402、406の焦点が408において重畳するように、レンズ402、406を配置することができる。望遠鏡は、スキャナ(例えば、スキャニングモジュール116および/またはデスキャニングモジュール118)を対物レンズ202の背面焦平面(または背面絞り)にマッピングすることができる。
【0074】
図4Bを参照すると、
図1のイメージ形成モジュール126のためのコンポーネントの構成が図示されている。上記において述べたように、イメージ形成モジュール126は、第2のモジュール103の光学系と共に、例えば対物レンズ202および望遠鏡レンズ402、406と共に、等倍またはほぼ等倍でイメージを形成することができる。
図4Bに図示したように、イメージ形成モジュール126は、第3のレンズ412、第4のレンズ416、およびレンズアセンブリ420を含むことができ、これらは、望遠鏡モジュール110の光学系および/またはコンポーネント(例えば、レンズ402、406)およびフォーカシングモジュール108(例えば、対物レンズ202)に類似するか、または同一のものであってよい。換言すれば、イメージ形成モジュール126の光学コンポーネントは、フォーカシングモジュール108の光学コンポーネントおよび望遠鏡モジュール110の光学コンポーネントに類似するか、または同一のものであってよい。ただし、浸漬材料が対物レンズに使用される場合には、イメージの所望の等倍を生じさせるために、イメージ形成モジュールに関して異なる倍率が必要になる可能性がある。レンズ412、416の焦点が414において重畳するように、それらのレンズ412、416を配置することができる。したがって、(例えば、
図4Aの望遠鏡から伝送された)光404は、第3のレンズ412によって焦点合わせされて焦点414が生じ、その焦点414からの光を、第4のレンズ416によって屈折させて、レンズアセンブリ420(または他の高開口レンズ)の経路における光線418を生じさせることができ、この光線418によって、中間イメージ面422において、対象物に由来する、照明された平面のイメージ424が形成される。
【0075】
図5Aから
図5Cを参照すると、
図1のスキャニングモジュール116、デスキャニングモジュール118、および分離モジュール112に関する構成が図示されている。上記において述べたように、スキャニングモジュール116は、平面状の照明ビームによって対象物をスキャンすることができ、それに対し、デスキャニングモジュール118は、対象物における照明された平面に対応する検出光をデスキャンさせることができる。分離モジュール112は、例えば、ビームスプリッタを使用して、または光路の分離によって、検出光から照明光を分離させるように動作することができる。幾つかの実施の形態においては、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118は、同一のコンポーネントのうちの一部を共有することができる。
【0076】
そのような構成は
図5Aに図示されており、この構成では、照明モジュール502からの照明光504が、ビームスプリッタ506(例えば、ダイクロイック、偏光ビームスプリッタ、または他のビーム分割素子)を介して、共通のスキャン/デスキャンモジュール510に向けられる。入射照明光508は、対象物のスキャンを行うために、スキャン/デスキャンモジュール510によって再方向付けられる。結果として生じた検出光526は、スキャン/デスキャンモジュール510によって再方向付けられる。再方向付けられた照明光528は、ビームスプリッタ506によって、照明光508と共有している光路から分離される。例えば、ビームスプリッタを、第2のモジュール103の光路の無限大の空間内に、例えばスキャン/デスキャンモジュール510と検出モジュール104との間に配置することができる。例えば、検出光が平面状の照明ビームによって励起された蛍光である場合、ビームスプリッタ506は、ロングパスフィルタであってよく、このロングパスフィルタによって、(例えば、525nmの波長を有している)検出光528を、その検出光528の波長よりも短い波長を反射させながら、特に、(例えば、488nmの波長を有している)照明/励起光504の波長を反射させながら、通過させることができる。代替的に、ビームスプリッタ506は、ショートパスフィルタまたは偏光ビームスプリッタであってよい。
【0077】
幾つかの実施の形態においては、スキャニングモジュール116およびデスキャニングモジュール118は、照明光および検出光それぞれのための別個のモジュールであってよい。そのような構成は
図5Bに図示されており、この構成では、照明モジュール502からの照明光532が、スキャンモジュール550に向けられる。スキャンビーム552は、ビームスプリッタ506(例えば、ダイクロイック、偏光ビームスプリッタ、または他のビーム分割素子)に向けられ、その後、照明ビーム554によって対象物をスキャンすることができる。例えば、ビームスプリッタ506を、第2のモジュール103の光路の無限大の空間内に、例えばフォーカシングモジュール108と望遠鏡モジュール110との間に配置することができる。結果として生じた検出光556を、ビームスプリッタ506によって受信することができ、このビームスプリッタ506は、照明光554と共有している光路からその検出光を分離させる。検出光558は、デスキャンモジュール562によって、デスキャン光560として、検出モジュール532へと再方向付けられる。
図5Aの実施の形態を用いる場合のように、ビームスプリッタ506は、照明/検出光552を反射させながら、検出光556を通過させることができるロングパスフィルタであってよい。代替的に、ビームスプリッタ506は、ショートパスフィルタまたは偏光ビームスプリッタであってよい。
【0078】
幾つかの実施の形態においては、照明光と検出光の分離を、光路の分離によって達成することができる。そのような構成は
図5Cに図示されており、この構成では、照明モジュール502からの照明光504が共通のスキャン/デスキャンモジュール570へと方向付けられ、このスキャン/デスキャンモジュール570は、例えば、ポリゴンミラーの別個の鏡面化ファセット、動きが同期されている別個の鏡面化表面、または反射性アレイ(例えば、ディジタルマイクロミラーアレイまたは他のMEMS装置)の別個のミラー素子であってよい。スキャンビーム572を、ビームスプリッタを通過させることなく、対象物へと方向付けることができる。結果として生じた検出光574を、スキャン/デスキャンモジュール570によって受信することができ、このスキャン/デスキャンモジュール570は、このデスキャンされた光576を、検出モジュール532へと再方向付ける。
【0079】
幾つかの実施の形態においては、異なる波長を有している複数の光源を使用して、対象物を同時にまたは連続的に照明することができる。そのような多波長励起および/または多波長放射を適応させるために、選択可能な分割コンポーネントを使用することができる。例えば、
図5Dは、照明光および検出光の両方の光に対して単一のスキャナ510を使用する、複数の照明源502a~502cからの多波長励起のための構成を示す。そのような構成では、選択可能な分割モジュール503に、照明源502a~502cの励起波長(および/または励起波長によって生じる放射波長)に対応する個々の分割素子506a~506cを設けることができる。例えば、選択可能な分割モジュール503は、個々のダイクロイック素子の選択可能なターレットまたはホイールを含むことができ、この場合、各ダイクロイックは、異なる通過帯域を有している。したがって、第1の波長を有している照明源502aが使用される場合には、分割モジュール503を使用して、第1のダイクロイック506aを選択することができ、これによって、第1の波長励起を対象物に到達させることができるようになり、かつ結果として生じた放射を検出器532へと通過させることができるようになる。同様に、照明源502bまたは照明源502cがそれぞれ所望される場合には、分割モジュール503を使用して、第2のダイクロイック506bまたは第3のダイクロイック506cを選択することができる。オプションとして、検出器532の手前における検出アームに、波長選択コンポーネント507を配置することができ、これによって、例えば、検出アームに沿って伝播する可能性があるあらゆる励起光または他の不所望な波長がフィルタリングされて除去される。
【0080】
代替的に、
図5Eは、照明光のためのスキャナ550および検出光のための別個のスキャナ562を使用する、複数の照明源502a~502cからの多波長励起のための構成を示す。そのような構成では、選択可能な分割モジュール503は、
図5Dとほぼ同じように動作することができる。
【0081】
図5Dおよび
図5Eにおいては3つの照明源502a~502cを図示したが、1つまたは複数の実施の形態によれば、それよりも少ない数の照明源または付加的な照明源も考えられる。さらに、
図5Dおよび
図5Eにおいては単一の検出器532のみを図示したが、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、付加的な検出器も考えられる。実際には、複数の検出器に、分割モジュール503に類似する、別個の選択可能な分割モジュール、および/または所望の検出波長を選択するための選択可能な波長フィルタを設けることができる。
【0082】
図6Aから
図6Gを参照すると、例えば、
図1のオプションとしてのフィールド回転モジュール128を用いて中間イメージ面を結像させるための構成および
図1のオプションとしてのフィールド回転モジュール128を用いずに中間イメージ面を結像させるための構成が図示されている。開示するイメージングシステムの実施の形態は、深度方向に沿った広がりを有する光のナロービームまたは平面状のビームによって対象物を照明することによって、複数の深度からデータを同時に取得することができる。フォーカシングモジュールは、軸線方向の広がりを有している対象物のイメージを形成することができ、また形成されたイメージも軸線方向の広がりを有することができる。極端なケースでは、イメージは完全に軸線方向の平面のイメージであってよい。しかしながら、平面状の照明ビームでもって、より傾斜した(すなわち、光軸と直交していない角度の)平面を照明することは、照明平面と検出光との間の角度がより大きくなることから、改善されたセクショニングを提供することができる。照明の深度方向の次元に起因して、結果として生じたイメージもまた、深度方向の次元に広がっており、この例においては、斜めのイメージが形成される。
【0083】
検出器が、イメージ面に整列されるのではなく、イメージ形成対物レンズの光軸に対して垂直な入射平面を有するように位置決めされている場合には、平面状の照明ビーム軸線方向の焦平面の上下からの光は、照明された平面の不鮮明なイメージを形成することになる。この角度付けられたイメージ面の向きを再度変更して、全体のイメージを維持しながら、したがって同時に全ての深度が焦点合わせされた状態を維持しながら、その角度付けられたイメージ面を検出器の入射平面に焦点合わせできるようにするために、イメージ回転光学系を使用することができる。フィールド回転モジュール128は、
図6Aに図示したように、イメージ全体(したがって全ての深度)が焦点合わせされた状態を維持しながら、光軸に対して垂直な入射平面にイメージを一致させることができるようにイメージ面を回転させるための1つまたは複数の光学コンポーネントを使用することができる。例えば、検出光614は、光軸612に沿ってイメージ形成光学系602まで進むことができ、このイメージ形成光学系602は、第5のレンズ604、第6のレンズ606、および対物レンズ608を含むことができる。したがって、検出光614は、中間イメージ610を形成するために焦点合わせされる。
【0084】
フィールド回転光学系は、レンズ系616を含むことができ、このレンズ系616は、例えば、光軸612に関して所定の角度を有している(すなわち、平行でなく、直交もしていない角度を有している)第2の光軸625に沿って配置されている、高開口数の第7のレンズ624(例えば、別の対物レンズ)および第8のレンズ622を含んでいる。例えば、レンズ系616は、レンズ系602とは対照的にイメージを拡大することができ、レンズ系602は、フォーカシングモジュールおよびオプションとしての望遠鏡モジュールおよび浸漬媒体と組み合わされて、中間イメージ610に関して等倍を生じさせる。例えば、所望の分解能が検出器nのピクセルサイズに対応するように、イメージを拡大するために、レンズ系616を使用することができる。
【0085】
検出器618を第2のレンズ622の焦点に設けることができ、例えば、検出器618の入射平面が、第2の光軸625に対して垂直となる、かつ/またイメージ610のイメージ面に平行となるように設けることができる。第1のレンズ624の焦平面は、イメージ610のイメージ面と一致するので、検出器618は、そのイメージ面の焦点合わせされたイメージを形成することができる。
【0086】
フィールド回転モジュール128の他の構成は、イメージ面を全く回転させずにイメージを形成する深さ分解の態様に取り組むことができる。イメージの品質が場合によっては犠牲になるとしても、部分的なイメージ回転は、収集されて検出器618へと案内される光の量を改善するために有利であると考えられる。例えば、
図6Bには、イメージが部分的にのみ回転されるフィールド回転モジュールの構成が図示されており、この構成は、レンズ系602とレンズ系636との間で伝送される光の量と、結像されるべき軸線方向の複数の深度の補正と、の間にトレードオフが存在することを容認する。
図6Aの実施の形態の構成のように、検出光614は、光軸612に沿って収差補正光学系602へと進むことができ、この収差補正光学系602は、第5のレンズ604、第6のレンズ606、および対物レンズ608を含むことができる。したがって、検出光614は、中間イメージ610を形成するために焦点合わせされる。
【0087】
図6Bにおいては、フィールド回転モジュールが、レンズ系636を含むことができ、このレンズ系636は、例えば、光軸612に関して所定の角度を有している(すなわち、平行でなく、直交もしていない角度を有している)第2の光軸644に沿って配置されている、高開口数の第7のレンズ640(例えば、別の対物レンズ)および第8のレンズ642を含んでいる。光軸612に関する第2の光軸644の回転の角度は、
図6Bにおいては、
図6Aにおける光軸612に関する光軸625の回転の角度よりも小さいことを言及しておく。検出器618を第2のレンズ642の焦点に設けることができ、例えば、検出器618の入射平面が、第2の光軸644に対して垂直となるように設けることができる。しかしながら、
図6Aの実施の形態とは対照的に、第1のレンズ640の焦平面638は、イメージ610のイメージ面と一致していない。したがって、検出器618の入射平面は、イメージ610のイメージ面に平行である必要はない。不完全な回転が行われるにもかかわらず、特に検出光614の収集効率を改善することができるので、許容可能な不鮮明を含みながら、検出器618によってイメージ610のイメージを形成することができる。光軸612と光軸644が成す角度が大きくなることによって生じる対物レンズ608と第1のレンズ640との間の開口数の低減に起因する、捕捉される光の損失と、目標の照明された領域の軸線方向の変化に起因する不鮮明(焦点が外れた対象物の深度)と、の間のトレードオフが最適化されるように、光軸612と光軸644が成す角度を選択できることを言及しておく。
【0088】
さらに、フィールド回転モジュールによるイメージ回転を、一段階ではなく、複数の段階で実行できると考えられる。そのような構成では、フィールド回転モジュールの各段階でイメージを部分的に回転させることができ、それによって収集できる光の量は、単に一段階で回転が完了される構成に比べて増加する。そのような構成は、
図6Cに図示されており、この構成では、イメージが各段階で部分的にのみ回転される。
図6Aおよび
図6Bの実施の形態における構成のように、検出光614は、光軸612に沿って収差補正光学系602へと進むことができ、この収差補正光学系602は、第5のレンズ604、第6のレンズ606、および対物レンズ608を含むことができる。したがって、検出光614は、中間イメージ610を形成するために焦点合わせされる。
【0089】
図6Cにおいては、フィールド回転モジュールが、第1のレンズステージ636を含むことができ、この第1のレンズステージ636は、例えば、光軸612に関して所定の角度を有している(すなわち、平行でなく、直交もしていない角度を有している)第2の光軸661に沿って配置されている、高開口数の第9のレンズ640(例えば、別の対物レンズ)および第10のレンズ642を含んでいる。フィールド回転モジュールは、第2のレンズステージ665を含むことができ、この第2のレンズステージ665は、例えば、2つの光軸612および661に関して所定の角度を有している第3の光軸662に沿って配置されている、高開口数の第11のレンズ663(例えば、別の対物レンズ)および第12のレンズ664を含んでいる。したがって、第1のレンズ640によって規定される入射焦平面638を有している第1のレンズステージ636は、別の中間イメージ660を形成するために、イメージ610のイメージ面を部分的に回転させる。中間イメージ660のイメージ面と一致する、第3のレンズ663によって規定される入射焦平面を有している第2のレンズステージ665は、イメージの回転を完了させて、それによってイメージを検出器618の入射面にマッピングすることができる。
【0090】
図6Cにおいては2つのステージを図示したが、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、付加的な回転ステージも考えられる。例えば、各ステージが、イメージの完全な回転または少なくとも部分的な回転を実行するために、同一の量または異なる量、イメージを回転させるように、2つまたはそれ以上のレンズステージを設けることができる。各レンズステージは、レンズ系602から生じる1×の倍率からの、イメージの段階的な拡大を提供することができる。この段階的な拡大は、完全な拡大が単一のレンズステージで実現される場合にイメージの伸張によって生じる可能性がある何らかの収差を最小にすることができるか、または少なくとも低減することができる。
【0091】
個々のレンズおよびレンズステージを別個のコンポーネントとして図示したが、イメージの回転を、複合レンズ系を使用して実行できるとも考えられる。そのような複合レンズ系も、平面状の照明ビームの角度の変化を適応させるため、また整列を最適化するために調整することもできる。
【0092】
上記において述べたように、幾つかの実施の形態においては、イメージングのために回収される光の量を増加させるために、不完全なイメージ回転が所望される場合がある。例えば、
図6Dは、イメージが部分的にのみ回転される、フィールド回転モジュールの構成を図示している。
図6Aの実施の形態の構成のように、検出光614は、光軸612に沿って収差補正光学系602へと進むことができ、この収差補正光学系602は、第5のレンズ604、第6のレンズ606、および対物レンズ608を含むことができる。したがって、検出光614は、中間イメージ610を形成するために焦点合わせされる。
【0093】
図6Cの実施の形態に類似して、フィールド回転モジュールは、レンズ系636を含むことができ、このレンズ系636は、例えば、光軸612に関して所定の角度を有している(すなわち、平行でなく、直交もしていない角度を有している)第2の光軸661に沿って配置されている、高開口数の第9のレンズ640(例えば、別の対物レンズ)および第10のレンズ642を含んでいる。しかしながら、検出器618を、第2の光軸に関して所定の角度を有している第3の光軸662に対して垂直な入射平面を有するように配置することができ、かつ中間イメージ660のイメージ面に整列することができる。結果として、イメージ610の焦点合わせされたイメージを、検出器618によって形成することができる。
【0094】
別の構成では、フィールド回転モジュールを使用するイメージ回転を完全に回避することができる。例えば、
図6Eに図示したように、検出器618の検出面を、イメージ610のイメージ面に配置することができる。そのような構成は、イメージ回転光学系に関連する顕著な光の損失および収差を回避することができる。代替的または付加的に、
図6Fに図示したように、密なファイバアレイ650を、イメージ面610の角度に整合されている傾斜端部652を有するように位置決めすることができる。したがって、ファイバアレイ650は、イメージを検出器に直接的にマッピングするように、角度付けられた検出平面を、検出器618の平坦な検出面に中継する。
【0095】
さらに別の構成では、フィールド回転モジュールが、
図6Aから
図6Dの回転構成を使用することなくイメージの光学場を操作する、特注の光学コンポーネントを含むことができる。例えば、デスキャンされたイメージ面610の相対的な位置は、スキャニングの間は変化しないので、補正光学系を、3Dスキャニングの間に静止させることができる。
図6Gに図示したように、空間光変調器660は、検出器618による検出のためにイメージの向きを変更するために、このデスキャンされた固定のイメージ面の利点を利用することができる。例えば、空間光変調器660は、その面に沿った各点に入射する光の位相および/または方向を独立して調整して、イメージ面610における各点を検出器618における法平面に再び焦点合わせさせることができる。代替的または付加的に、空間光変調器660を使用して所望のパターンが一度最適化されれば、その空間光変調器660を、設計目標としての最適化された空間光変調器を使用することによって所望の屈折パターンもしくは同等の反射パターンまたは透過パターンを提供する特注の光学コンポーネントに交換することができる。
【0096】
代替的または付加的に、
図6GにおけるSLMの位置選定に類似して、イメージを検出器に反射させるために、ミラー(図示せず)をイメージ面610に設けることができる。そのような構成では、検出器618は、
図6Eに関して上記において説明した実施の形態に類似して、回転を行うことなくイメージを検出することができる。
【0097】
さらに別の構成では、フィールド回転モジュールが、検出モジュール104によって取得されたイメージ面の向きを定めるための光再方向付け素子を含むことができ、これによってフィールド回転の代わりとすることができる。これについては、下記の
図20Aおよび
図20Bについての考察を参照されたい。
図6Hを参照すると、光学くさび613を、
図6Hに図示したように、レンズ系616と収差補正光学系602との間に挿入することができる。くさび613によって、このくさび613が設けられていなければ斜めとなるイメージ610を部分的または完全に回転させて、中間イメージ610’の平面を生じさせることができ、この中間イメージ610’の平面は、検出モジュール104(レンズ系616)の光軸625が、収差補正光学系602の光軸612に平行になるように回転され、これによって光捕捉効率を改善することができ、またイメージの不鮮明さを低減することができる。代替的または付加的に、くさび613の導入によって、光軸625を光軸612からオフセットさせることができる。検出モジュール104(レンズ系616)の光軸625が収差補正光学系602の光軸612と平行になるように、光学くさび613を選択することができる。
図6Hは、軸線方向の1つの位置および広がりを示したが、
図20Aから
図20Dを参照しながら考察する別の実施の形態は、軸線方向の別の複数の位置を有することができる。
図20Cおよび
図20Dは、中間イメージの平面を回転させるように適応されている、1つまたは複数の光リダイレクタ素子を使用する付加的な実施の形態を示す。
【0098】
幾つかの実施の形態においては、イメージの倍率を調整して、検出器618の大きさに整合させるために、付加的なレンズ(図示せず)を、イメージ610のイメージ面と検出器618との間のビーム路に追加することができる。代替的または付加的に、
図6Iに図示したように、異なる特性を備えている複数のレンズ間での切換えを行うために、イメージ610に続くレンズ系619に、選択可能なレンズモジュール627を設けることができる。例えば、選択可能なレンズモジュール627は、倍率、作動距離、および/または開口数が異なる複数の対物レンズ624a~624bを支持している対物レンズターレットであってよい。
図6Iにおいては2つのレンズ624a、624bしか図示されていないが、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、それよりも少ない数のレンズまたは付加的なレンズを設けることも考えられる。
【0099】
図7Aから
図8Eを参照すると、
図1のイメージ調節モジュール130に関する構成が図示されている。上記において考察したように、イメージ調節モジュール130は、イメージングモジュール132による最終的な検出のために検出光を調節する(すなわち、イメージ面の位置、倍率、および/または角度を調節する)1つまたは複数の光学系および/またはコンポーネントを含むことができる。イメージ調節モジュール130のそのような光学系および/またはコンポーネントを、検出モジュール104内に、例えば、フィールド回転モジュール128および/またはイメージ形成モジュール126の上流側または下流側に、もしくはフィールド回転モジュール128および/またはイメージ形成モジュール126内に分散させることができる。
【0100】
幾つかの実施の形態においては、イメージ/形成処理モジュールは、
図7Aに図示したように、イメージ形成モジュール602の光学系の上流側に配置された調整可能な絞り704を含むことができる。
図6Aの実施の形態に類似して、検出光614は、光軸612に沿ってイメージ形成光学系602へと進むことができ、このイメージ形成光学系602は、第5のレンズ604、第6のレンズ606、および対物レンズ608を含むことができる。したがって、検出光614は、中間イメージを形成するために焦点合わせされ、また702において検出モジュール104の別のモジュールへと方向付けられる。イメージ形成光学系602の第5のレンズ604の上流側に設けられている調整可能な絞り704を使用して、検出光の開口数を調整することができる。代替的または付加的に、調整可能な絞り704を、レンズ606と対物レンズ608との間に設けることができる。
【0101】
代替的または付加的に、イメージ/形成処理モジュールは、
図7Bに図示したように、1つまたは複数のイメージングレンズおよび/または放射フィルタを含むことができる。イメージ形成モジュールおよび/またはフィールド回転モジュールからの検出光702を、光軸710に沿って、その光軸710に対して垂直であり、かつ第1のレンズ720の焦平面に一致する、イメージに関するイメージ面706を有するように供給することができる。イメージ面706からの光は、第1のレンズ720によって屈折され、放射フィルタ722を通過するビームが形成される(すなわち、放射フィルタ722は、検出光の放射波長を通過させることはできるが、照明光の励起波長は遮断する)。第2のレンズ724は、フィルタリングされた検出光を、イメージングのために、検出器708の入射平面に焦点合わせすることができる。
【0102】
代替的または付加的に、イメージ処理/形成処理モジュールは、イメージ内の強度変化を解決するための光学コンポーネントを含むことができる。特に、対象物におけるより深い位置にある構造をイメージングする場合、浅い層から深い層までにおいて検出される光は、種々の度合いで減衰すると考えられる。例えば、斜めに照明された平面のイメージが単一の検出フレームで捕捉されるので、対象物の表面に最も近い構造に対応する信号は比較的強い信号であると考えられ、それに対して、対象物においてより深い位置にある構造に対応する信号は比較的弱い信号であると考えられる。特定の対象物に関して、検出器は、このより明るい信号によって飽和する虞がある。
【0103】
システムのダイナミックレンジを拡大するために、
図7Cに図示したように、空間的に可変の減衰器726(例えば、NDグラデーションフィルタ)を、例えば検出器708の入射面において、もしくは第2のモジュール103と検出器708との間の中間イメージ面706またはその近傍において使用することも可能である。したがって、レンズ740、744によって検出器708にマッピングされたイメージを、空間的に変化する強度値によって補償することができる。代替的または付加的に、減衰器のストリップ(例えば、部分的に反射性または吸収性のガラスまたはフィルム)を配置して、より深い位置にある層からの光の全てまたは少なくとも大分部を検出器に到達させながら、対象物の上側の層から検出器に到達する検出光の強度を低下させることができる。これによって、より高い入射光照明、または飽和の生じない検出器積分時間/利得を実現することができる。
【0104】
代替的または付加的に、
図7Cにおける効果と類似の効果を達成するために、グラデーション減衰器を使用することも考えられる。対象物に固有のやり方で減衰量を調整するために、そのような減衰器を、イメージ面706に平行な平面において物理的に移動させることができる(もしくはLCD型の調整可能なフィルタまたは反射性の表面、例えばSLMまたはディジタルマイクロミラー装置(DMD)を使用して変更することができる)。スライド式の減衰器の場所に関する情報、または空間的に可変の減衰器からの減衰の相対的なパターンを、イメージ処理中に使用して、検出器708によって取得されたデータを、その減衰に関して修正することができる。
【0105】
代替的または付加的に、
図7Dに図示したように、イメージ調節モジュールは、検出器708による検出に先行して、検出光の強度を増幅させるために、イメージインテンシファイア762を含むことができる。イメージインテンシファイアは、分解能を低下させる虞があるが、低い光レベルに関する検出効率を著しく高めることができ、これによってイメージング速度が高まる。イメージインテンシファイア762を、検出器708の検出平面に、または検出平面の僅か手前に、配置することができるが、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、イメージインテンシファイア762を別の場所に配置することも可能である。代替的に、イメージインテンシファイア762は、検出器708に集積された部分であってよい。
【0106】
代替的または付加的に、イメージ調節モジュールは、検出光の多波長イメージングのための1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。例えば、複数の波長または光源を(並行して、または連続的に)使用して対象物を照明し、対象物において異なる物理的な処理を惹起することができる。多色検出および多色イメージングを実現するために、検出光のスペクトル的な分離を使用することができる。例えば、種々の色チャネルを検出器チップの異なる部分に分けることができ、また種々の波長チャネル分離のために特注部分の製作を依頼することができる。そのような分離を、検出器ピクセルの密度、フレームレート、および空間的な分離を実施するために利用可能な光学系によって制限することができる。
【0107】
例えば、
図8Aに図示したように、スペクトルビームスプリッタ804を使用することによって、多波長検出を提供することができる。イメージ形成モジュールおよび/またはフィールド回転モジュールからの検出光702を、光軸710に沿って、その光軸710に対して垂直であり、かつ第1のレンズ802の焦平面に一致する、イメージに関するイメージ面706を有するように供給することができる。イメージ面706からの光は、第1のレンズ802によって屈折されて、スペクトルビームスプリッタ804を通過する実質的に平行なビームが形成される。スペクトルビームスプリッタ804は、検出光の波長に応じて、検出光702を異なる光路、例えば808および812に分離することができる。各光路808、812にそれぞれ1つの第2のレンズ806、810を設けることができ、この第2のレンズ806、810は、分離された光を、検出器818の各検出領域814、816に焦点合わせすることができる。制御モジュール150は、検出領域814、816によって生成されたイメージを組み合わせて、単一の多色イメージを形成することができる。
【0108】
代替的または付加的に、
図8Bに図示したように、フィルタホイール852によって、多波長検出を提供することができる。イメージ形成モジュールおよび/またはフィールド回転モジュールからの検出光702を、光軸710に沿って、その光軸710に対して垂直であり、かつ第1のレンズ850の焦平面に一致する、イメージに関するイメージ面706を有するように供給することができる。イメージ面706からの光は、第1のレンズ850によって屈折されて、フィルタホイール852の選択された第1のフィルタ854を通過する実質的に平行なビームが形成される。フィルタリングされた光は、続いて、第2のレンズ858によって、イメージングのために検出器860に焦点合わせされる。別のフィルタ、例えばフィルタ856がレンズ850と858との間の光路に位置するようにフィルタホイールを回転させることによって、異なる波長のイメージを取得することができる。このようにして、検出光702に関して、異なる色のイメージを連続的に取得することができる。
図8Aの実施の形態を用いる場合のように、制御モジュール150は、連続的に取得された異なる色のイメージを組み合わせて、単一の多色イメージを形成することができる。
【0109】
マルチスペクトルイメージングが所望される幾つかの構成では、異なる波長に関してリアルタイムイメージングを提供するために、フィルタホイール852は十分に高速でなくてよい。フィルタホイール852の代わりに、
図8Dに図示したように、音響光学可変波長フィルタ(AOTF:acousto-optical tunable filter)863を使用することができる。AOTF863は、音波を使用して、通過する光の回折を変化させることができる。したがって、第1の音波を使用して、音響光学フィルタ863は、第1の波長を有している光861aを、検出器860に方向付けることができる。第1の波長とは異なる波長を有している光861bおよび861cは、検出器860から離れる方向に屈折される。しかしながら、AOTF863に関する音波の周波数を高くするか、または低くすることによって、光861bまたは861cを順次、検出器860に屈折させることができる。AOTF863は、可動部を含んでいないので、場合によっては、回転するフィルタホイール852よりも高速に、異なる波長間の切換えを行うことができる。
【0110】
代替的に、マルチスペクトルイメージングを提供するために、複数の検出器を使用して、異なる波長を同時に結像させることができる。
図8Cは、そのような構成を示し、この構成は、複数の検出器および波長選択ビームスプリッタ(例えば、ダイクロイック)の組合せを使用する。イメージ形成モジュールおよび/またはフィールド回転モジュールからの検出光702を、光軸710に沿って、その光軸710に対して垂直であり、かつ第1のレンズ880の焦平面に一致する、イメージに関するイメージ面706を有するように供給することができる。イメージ面706からの光は、第1のレンズ880によって屈折されて、ビーム881が形成される。ビーム881は、第1のビームスプリッタ882に入射し、この第1のビームスプリッタ882は、第1の波長(λ
1)および第2の波長(λ
2)を有している光894を通過させることができるが、しかしながら第3の波長(λ
3)を有している光884を反射させる。例えば、ビームスプリッタ882は、ロングパスビームスプリッタであり、またλ
1およびλ
2は、λ
3よりも大きくてよい。反射光884は、続いて、レンズ886によって、イメージングのために第1の検出器888に焦点合わせされる。透過光ビーム894を、続けて、第2のビームスプリッタ890に入射させることができ、この第2のビームスプリッタ890は、第1の波長(λ
1)を有している光891を通過させることができるが、しかしながら第2の波長(λ
2)を有している光892を反射させる。例えば、ビームスプリッタ890は、ロングパスビームスプリッタであり、λ
1は、λ
2よりも大きくてよい。反射光892は、続いて、レンズ896によって、イメージングのために第2の検出器898に焦点合わせされ、それに対し、透過光891は、レンズ893によって、イメージングのために第3の検出器895に焦点合わせされる。このようにして、検出光702に関して、異なる色のイメージを同時に取得することができる。
図8Aの実施の形態を用いる場合のように、制御モジュール150は、連続的に取得された異なる色のイメージを組み合わせて、単一の多色イメージを形成することができる。
【0111】
考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、ビームスプリッタおよび検出器の他の構成も考えられる。例えば、
図8Cに具体的に図示したものよりも多くの数の、またはより少ない数のビームスプリッタ、検出器、および/または波長を提供することができる。さらに、ビームスプリッタは、ロングパスフィルタではなく、ショートパスフィルタであってもよい。他のヴァリエーションおよび構成も、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0112】
代替的に、
図8Cの複数のビームスプリッタ882/890を、
図8Eに図示したように、プリズムに置換することができる。したがって、イメージ形成モジュールおよび/またはフィールド回転モジュールからの検出光702を、光軸710に沿って、その光軸710に対して垂直であり、かつ第1のレンズ850の焦平面に一致する、イメージに関するイメージ面706を有するように供給することができる。イメージ面706からの光は、第1のレンズ850によって屈折されて、続いて、第2のレンズ854によって、プリズム865の入射面に焦点合わせされる。例えば、プリズム865は、光の波長に基づいて異なる方向に沿って入射光を屈折させる分散プリズムであってよい。したがって、第1の波長を有している光863aを、第1の検出器860aへと方向付けることができ、第2の波長を有している光863bを、第2の検出器へと方向付けることができ、また第3の波長を有している光863cを、第3の検出器860cへと方向付けることができる。このようにして、検出光702に関して、異なる色のイメージを同時に取得することができる。プリズムに代わるものとして、実質的に同一の機能を実施することができる反射性の格子のような回折素子が考えられる。
【0113】
図8Cにおいては3つの検出器のみを図示したが、考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、それよりも少ない数の検出器または付加的な検出器を設けることも考えられる。さらに、検出器860a~860cを別個のコンポーネントとして示したが、それらの検出器は、単一の検出器ユニットの一部であってもよい。例えば、検出器860a~860cは、単一の検出器または検出器アレイの別個の検出器素子であってもよい。
【0114】
考えられる1つまたは複数の実施の形態によれば、1つまたは複数の検出器による同時の検出のために、異なる波長を空間的に分離させるための別の光学素子も考えられる。例えば、
図8Eにおけるプリズム865を、回折格子に置換してもよい。
【0115】
図9Aから
図9Cを参照すると、
図1の一次照明源122および二次照明源124のための、スキャニングモジュール116、デスキャニングモジュール118、および分離モジュール112に関する構成が図示されている。上記において述べたように、一次照明源122からの光から独立して、または一次照明源122からの光と共に、フォトマニピュレーション、誘導放出抑制(STED)、または対象物に対する他のいずれかの所望の効果を提供するために、二次照明源124を使用することができる。例えば、二次照明源124からの二次照明を、第2のモジュール103を通過する、一次照明の光路に類似する光路に沿って伝播させることができる。そのような構成は、
図9Aに示されている。照明モジュール902からの一次照明904を、ビーム分離モジュール906へと方向付けることができ、このビーム分離モジュール906は、一次照明908をスキャニングモジュール910へと方向付ける。同様に、二次照明源914からの二次照明916を、ビーム分離モジュール906へと方向付けることができ、このビーム分離モジュール906は、二次照明916を参照番号918によって示唆されているように、一次照明908と同一の光路に沿って、スキャニングモジュール910へと方向付けることができる。スキャニングモジュール910は、続いて、一次照明912および二次照明922を方向付け、それらによって同時にまたは連続的に、対象物にわたるスキャンを行うことができる。
【0116】
代替的または付加的に、
図9Bに図示したように、所望の操作を達成するために、二次照明源に、1つまたは複数のビーム操作コンポーネント930を、例えば、SLM、ビームステアリングミラーまたはビームステアリング光学系、音響光学偏向器、位相板、適応型光学系、または他の任意の光学コンポーネントを設けることができる。したがって、一次照明光908との結合およびスキャニングモジュール910によるスキャニング936に先行して光を操作するために、ビーム操作コンポーネント930を、二次照明源914とビーム分離モジュール906との間に設けることができる。
【0117】
幾つかの構成(例えば、フォトマニピュレーションが行われる構成)では、照明源914からの二次照明916を、スキャニングモジュール954を通過させるのではなく、(例えば、ビーム分離モジュール958を介して)フォーカシングモジュール108に直接的に供給することができる。したがって、スキャニングモジュール954は、一次照明光960を用いて対象物にわたるスキャンを行うことができるが、その一方で、二次照明光962は、固定的であるか、または少なくともスキャニングによる影響を受けない。
【0118】
図10を参照すると、単一のスキャニングミラー1010を使用するDRイメージングシステムの1つの実施の形態が図示されている。平面状の照明ビームまたは照明線のような照明光1004を、
図1における照明モジュール102のような一次照明モジュール1002から供給することができる。照明光1004は、ダイクロイックビームスプリッタまたは偏光ビームスプリッタのようなビームスプリッタ1006に入射し、このビームスプリッタ1006は、光路1008に沿って光を反射させるように機能する。照明光は、続いて、スキャニングミラー1010によって再方向付けられ、スキャンレンズ1012および管状レンズ1014(これらのレンズ1012、1014は一緒に望遠鏡を形成する)を介して、対物レンズ1016の背面絞りにおけるエッジ部分へと向けられる。対物レンズ1016は、照明光を焦点合わせして、対象物における平面状の照明ビーム1020を形成する。スキャニングミラー1010は、照明光の方向を変化させ、その結果、照明光と対物レンズ1016の背面絞りにおけるエッジ部分とによって形成される角度が変化するように構成されており、それによって対象物における平面状の照明ビーム1020によるスキャニングが行われる。
【0119】
結果として生じた光1022を、対物レンズ1016によって、その完全な開口数に基づいて収集することができる。対物レンズ1016からの検出光を、照明光と同一のスキャニングミラー1010に入射させるために、光軸1026に沿って、レンズ1012、1014によって形成された望遠鏡を通過させることができる。したがって、スキャニングミラー1010は、検出光をデスキャンさせることができ、つまり、検出光を光軸1030に沿って検出モジュール1036へと再方向付けることによって検出光をデスキャンさせることができ、また照明光ビーム1008によるスキャンを行うことができる。スキャニングおよびデスキャニングのために単一のミラー1010を使用する図示した構成によって、対象物から現れる光の「完全な絞り」をサンプリングすることができ、これは
図12における実施の形態のように、部分的な絞りの実施に比べて、分解能およびスループットを改善することができる。
【0120】
スキャニングミラー1010によるデスキャニングの後に、検出光をビームスプリッタ1006に入射させることができ、このビームスプリッタ1006は、検出光の全てまたは一部を(例えば、検出光の波長または偏光に基づいて)通過させることができるように構成されている。レンズ1038(ただし、例えば上記において
図6Aから
図7Dに関して考察したように、付加的な光学系および/またはコンポーネントも考えられる)によって例示的に表されている1つまたは複数の検出モジュール光学系を使用して、中間イメージ1034を形成することができ、この中間イメージ1034を続けて、
図1における検出モジュール104のような検出モジュール1036によってさらに処理して、対象物における照明された領域のイメージを生成することができる。
【0121】
図11を参照すると、別個のスキャニングミラーおよびデスキャニングミラーを使用するDRイメージングシステムの代替的な実施の形態が図示されている。平面状の照明ビームまたは照明線のような照明光1004を、
図1における照明モジュール102のような一次照明モジュール1002から供給することができる。照明光1004は、スキャニングミラー1128に入射し、このスキャニングミラー1128は、照明光1104を再方向付け、スキャンレンズ1106および管状レンズ1108(これらのレンズ1106、1108は一緒に第1の望遠鏡を形成する)を介して、ダイクロイックビームスプリッタまたは偏光ビームスプリッタのようなビームスプリッタ1110へと向けられる。ビームスプリッタ1110は、光を光路1112に沿って反射させ、それによって、この光は対物レンズ1016の背面絞りにおけるエッジ部分に入射する。対物レンズ1016は、照明光を焦点合わせして、対象物における(軸線に関して斜めの)平面状の照明ビーム1020を形成する。
スキャニングミラー1128は、照明光の方向を変化させ、その結果、照明光と対物レンズ1016の背面絞りにおけるエッジ部分とによって形成される角度が変化するように構成されており、それによって対象物における平面状の照明ビーム1020によるスキャニングが行われる。
【0122】
図10の実施の形態と同様に、結果として生じた光1022を、対物レンズ1016によって、その完全な開口数に基づいて収集することができる。しかしながら、
図10における照明光のように同じ望遠鏡を通過するのではなく、対物レンズ1016からの検出光は、照明光1104とは異なる光路1120に沿って進むために、(部分的に偏光に基づくか、または完全に波長に基づいて)ビームスプリッタ1110を通過する。したがって、検出光は、ビームスプリッタ1110から、このビームスプリッタ1110自体の固有の管状レンズ1114およびデスキャンレンズ1116(これらのレンズ1114、1116は一緒に第2の望遠鏡を形成する)へと進み、これらのレンズ1114、1116は、検出光1120を別個のデスキャンミラー1122へと方向付ける。デスキャンミラー1122は、検出光をデスキャンさせることができ、つまり、検出光を光軸1128に沿って検出モジュール1036へと再方向付けることによって検出光をデスキャンさせることができる。したがって、ミラー1128は、平面状の照明ビーム1004によってスキャンを行うことができ、その一方で、別のミラー1122は、戻り光をデスキャンさせることができる。ミラー1122、1128の各移動を同期させることができ、それによって、検出装置において検出されたイメージは、対象物における照明された平面に対応する。
【0123】
デスキャンミラー1122によるデスキャニングの後に、検出光を、レンズ1124(ただし、例えば上記において
図6Aから
図7Dに関して考察したように、付加的な光学系および/またはコンポーネントも考えられる)によって例示的に表されている1つまたは複数の検出モジュール光学系へと方向付けることができ、この検出モジュール光学系を使用して中間イメージ1126を形成することができる。中間イメージ1126を、
図1における検出モジュール104のような検出モジュール1036によってさらに処理し、対象物における照明された領域のイメージを生成することができる。
【0124】
図12を参照すると、部分的な絞り検出を用いる別個のスキャニングミラー部分およびデスキャニングミラー部分を使用するDRイメージングシステムの代替的な実施の形態が図示されている。平面状の照明ビームまたは照明線のような照明光1004を、
図1における照明モジュール102のような一次照明モジュール1002から供給することができる。照明光1004は、第1のミラー部分1202に入射し、この第1のミラー部分1202は、照明光1208を再方向付け、スキャンレンズ1210および管状レンズ1212(これらのレンズ1210、1212は一緒に望遠鏡を形成する)を通過させ、それによって照明光1214は、対物レンズ1016の背面絞りにおけるエッジ部分に入射する。対物レンズ1016は、照明光を焦点合わせして、対象物における斜めの平面状の照明ビーム1020を形成する。第1のミラー部分1202は、照明光の方向を変化させ、その結果、照明光と対物レンズ1016の背面絞りにおけるエッジ部分とによって形成される角度が変化するように構成されており、それによって対象物における平面状の照明ビーム1020によるスキャニングが行われる。
【0125】
結果として生じた光1022を、対物レンズ1016によって、その部分的な開口数に基づいて収集することができる。つまり、対物レンズ1016の背面絞りにおける反対側のエッジ部分における検出光1216は、イメージングのために検出器へと方向付けられ、これに対し、別の検出光1022は、検出することができる光路を辿らない。検出光を、第2のミラー部分1204に入射させるために、レンズ1212および1210によって形成されている望遠鏡を通過させることができ、この第2のミラー部分1204は、検出光をデスキャンさせることができる。つまり、検出光1218を光軸1222に沿って検出モジュール1036へと再方向付けることによって、検出光をデスキャンさせることができる。
図11の実施の形態を用いる場合のように、第1のミラー部分1201および第2のミラー部分1204の各移動を同期させることができ、それによって、検出装置において検出されたイメージは、対象物における照明された平面に対応する。
【0126】
第2のミラー部分1204によるデスキャニングの後に、検出光1222を、レンズ1224(ただし、例えば上記において
図6Aから
図7Dに関して考察したように、付加的な光学系および/またはコンポーネントも考えられる)によって例示的に表されている1つまたは複数の検出モジュール光学系へと方向付けることができ、この検出モジュール光学系を使用して中間イメージ1226を形成することができる。中間イメージ1226を、
図1における検出モジュール104のような検出モジュール1036によってさらに処理し、対象物における照明された領域のイメージを生成することができる。
【0127】
図12においては別個のコンポーネントとして図示したが、第1のミラー部分1202および第2のミラー部分1204は、同一の光学コンポーネントの部分、例えばポリゴンミラー1206の異なるミラー面であってもよい。したがって、第1のミラー部分1202および第2のミラー部分1204の移動の同期を、ポリゴンミラー1206をその回転軸線を中心に単純に回転させる(または前後に動かす)ことによって達成することができる。
【0128】
スキャンミラー部分およびデスキャンミラー部分の物理的な結合は、ポリゴンミラーによって提供され、これによって、精密に組み合わされたスキャニングおよびデスキャニングを実現することができる。しかしながら、毎秒あたり50~100体積の大きい体積割合であったとしても、平面状のビームによってスキャンを行わなければならない速度が比較的緩慢(例えば、毎秒50~100のオーダの掃引)である場合には、2つの別個のミラーの同期を容易に達成することができる。さらに、ポリゴンミラーが回転の回転軸線を中心に回転するときには、鏡面化されたファセットが並進も回転もするので、ポリゴンミラーの回転は、理想的なスキャン/デスキャンパターンを提供しない。これによって、イメージングに悪影響を及ぼすスキャン/デスキャンエラーが生じる可能性がある。上記において述べたように、ポリゴンミラーの使用は、検出光を、その検出光の開口数(NA)を制限する対物レンズ1016の背面絞りから放出される光の半分だけに制限する可能性がある。NAの制限は、結果として生じるイメージの分解能を低減させる、かつ/または検出器に到達する放射光の量を低減させる可能性があり、これによって信号対雑音比が低下する。したがって、幾つかの用途を、
図10の単一のミラーの実施の形態または
図11の2つのミラーの実施の形態によって、より良好に使用することができる。
【0129】
図13Aを参照すると、電動式レンズ1314を使用するDRイメージングシステムの代替的な実施の形態が図示されている。例えば、照明平面および/または検出平面の垂直方向の位置を調整して体積に晒すために、1つまたは複数の電動式レンズを使用することができる。照明光1004を、
図1における照明モジュール102のような一次照明モジュール1002から供給することができる。照明光1004は、レンズ1306、1308によって形成されている第1の望遠鏡によって、ビームスプリッタ1310(例えば、ダイクロイック)にマッピングされ、このビームスプリッタ1310において、照明光1004は、電動式レンズ1314を介して対物レンズ1016の背面焦平面に向かうように反射され、それによって対象物におけるスキャニングを行うための平面状の照明ビーム(または照明線)が形成される。検出光は、対物レンズ1016および電動式レンズ1314を介してビームスプリッタ1310へと送られ、このビームスプリッタ1310において、検出光は、レンズ1322、1326によって形成されている第2の望遠鏡によって、イメージングレンズ1330(例えば、第2の対物レンズ)にマッピングされ、それによって中間イメージ1334が形成される。代替的に、第1の望遠鏡および第2の望遠鏡を組み合わせることができ、それによって、照明光および検出光は、(例えば、
図13Bにおいてレンズ1322、1326を備えた望遠鏡によって図示されているような)1つの望遠鏡を共有する。
【0130】
電動式レンズ1314を、ダイクロイックビームスプリッタ1310と対物レンズ1016との間に配置して、対物レンズ1016の背面焦平面に関して、照明ビーム1312の焦点を調整することができる。電動式レンズ1314は、照明ビーム1312を、対物レンズ1016aの背面絞りにおけるエッジ部分に方向付ける。他の実施の形態を用いる場合のように、対物レンズ1016aは、照明光を焦点合わせして、対象物における斜めの平面状の照明ビーム1020を形成する。
【0131】
光の入射照明ビーム1312の、対物レンズ1016aの背面焦平面における位置を、対物レンズ1016aの光軸に関して中心からずらすことができる。この位置は、対象物における平面状の照明ビームの角度を決定する。対物レンズの一部は、異なる大きさおよび/または場所の背面焦平面を有している。対物レンズを変更することが所望される場合、例えば第1の対物レンズ1016aから第2の対物レンズ1016bへの切換えが所望される場合、例えば、
図13Bに示したような対物レンズのターレット1328が使用される。ターレット1328は、特性(例えば、倍率)が異なる複数の対物レンズを含むことができ、それらの対物レンズを交換しながら使用することができる。
【0132】
対物レンズ1016ab間の切換えを適応させるために、光路を変更して、異なる背面絞り幾何学を適応させることが必要になる場合がある。例えば、照明ビームの光路の変更を、スキャンレンズ1306および管状レンズ1308の組合せの倍率を変更することによって達成することができ、この倍率の変更を、対物レンズ1016bの背面焦平面におけるビームの位置を変更するために、凹レンズおよび凸レンズの組合せが(モータ駆動式の変位または手動による変位を介して)移動されるズームレンズ型幾何学(図示せず)を挿入することによって行うことができる。代替的または付加的に、ズームレンズまたは電動式レンズであってよい、可変のフォーカシング素子1302を使用して、倍率を変更することができ、かつ/または照明ビーム1312に関するビーム路を変更することができ、それによって、対物レンズの変更に起因する幾何学の変化を適応させることができる。この調整を、システムにおいて使用されるべき各対物レンズ1016bに取り付けられた、特別に設計されたレンズまたは複合レンズの挿入によって達成することも考えられる。代替的または付加的に、ビーム1312の場所を、(例えば、スキャニングミラー(図示せず)によって)背面焦平面にわたり並進させて、対物レンズの異なる幾何学を適応させることができる。
【0133】
検出側のレンズについての類似の調整も行って、検出側の光学系の構成ならびにデスキャニングおよびイメージ回転の方法に応じて、異なる大きさの倍率を提供することができる。例えば、レンズ1330a、1330bを有しているターレット1331を、検出モジュール1304の第1のレンズとして検出側に設けることができる。例えば、中間イメージにおける所望の倍率(例えば、1×)を維持するために、対物レンズ1016aから対物レンズ1016bへの切換えが行われると、レンズ1330aからレンズ1330bへの切換えを行うための対物レンズターレット1331による相応の変更が行われると考えられる。代替的または付加的に、検出レンズ(例えば、望遠鏡のレンズ1322、1326および/またはレンズ1330a)の並進によって、検出モジュール1304の検出器におけるイメージの焦点の最適な調整が実現される。一次対物レンズターレット1328、二次対物レンズターレット1331、および/または可変のフォーカシング素子1302の動作を調整するために、制御モジュール1316を設けることができる。
【0134】
1つまたは複数の実施の形態においては、顕微鏡が、異なるモードである、DRI/深さ分解イメージングモードおよび共焦点イメージングモードの両方を提供することができる。そのような顕微鏡の例が、
図14Aおよび
図14Bに示されており、ここで、
図14Aは、共焦点の構成のシステムを表しており、また
図14Bは、DRIの構成のシステムを表している。照明源1414は、照明ビームを生成し、この照明ビームは、ビームスプリッタ1006によって、幾つかの実施の形態においてはダイクロイックビームスプリッタによって反射され、その反射波長は、図示のように照明を方向付けるために選択されている。ビーム並進コンポーネント1410(例えば、くさびまたは角度付けられたプレート)、および/またはアーム1413を介してビーム並進コンポーネント1410に接続されているビームエキスパンダ1411を、照明源1414とビームスプリッタ1006との間のビーム路に選択的に設けることができる。(
図14Aに図示したような)共焦点の構成では、光源からのビームを移動および拡張させて、対物レンズ1016の光軸に沿って対象物を照明するために、ビーム並進コンポーネント1410およびビームエキスパンダ1411をビーム路に設けることができる。スキャニングミラー1010は、両向き矢印によって示唆されているように、光軸に対して垂直な軸線を中心にして、焦点をスキャンするように動作する。対物レンズ1016は、照明ビームを焦点合わせして、それによって対象物において焦点が生じる。レンズ1012および1014によって形成されている調整可能な顕微鏡を移動させて、焦点1017の軸線方向の位置を調整することができるか、または焦点を軸線方向に変位させるための他のメカニズムを提供することができる。
【0135】
イメージビームが対物レンズ1016によって捕捉され、レンズ1012および1014によって形成されている望遠鏡を介して伝送され、またスキャニングミラー1010によって方向付けられ、ダイクロイックビームスプリッタ1006と、レンズ1408、1409によって形成されている別の望遠鏡を通過し、レンズ1038によって中間イメージ面に結像される。検出アームは、高開口数のレンズ(例えば、対物レンズ)およびイメージングレンズ1406を含むことができ、このイメージングレンズ1406は、2次元検出器であってよい検出器1402の検出平面に光を焦点合わせする。検出アームおよび/または検出器1402の検出平面に角度を付けることができ、例えば、検出アームおよび/または検出器1402の検出平面を、DRIモードで動作する際のイメージ回転のための適切な角度にすることができる。しかしながら、共焦点モードで動作する際には、検出アーム(または検出平面)の回転は、DRIモードにおける回転と同一であってもよい。代替的または付加的に、検出アームを、イメージングレンズ1038および望遠鏡レンズ1408、1409の光軸に整列させるために、回転させることができる。
【0136】
図14Aの構成における共焦点イメージングを、検出器の検出素子の中心線(検出器の向きに応じて、行または列)をサンプリングすることによって提供することができる。付加的または代替的に、中心線に隣接する(例えば、検出器の向きに応じて、上下、もしくは一方の側の)検出器の検出素子のラインを使用して、例えば、そのラインを使用しなければ共焦点ピンホールによって拒絶されることになる光を用いてデコンボリューションすることができ、これによってエアリスキャニングのコンセプト(ツァイスシステム)に類似して、信号対雑音比およびイメージ分解能を改善することができる。
【0137】
図14Aの共焦点顕微鏡の構成から、
図14BのDRIの構成に変更するために、ビーム並進コンポーネント1410およびビームエキスパンダ1411を、照明ビーム路から外すことができ、これによって照明ビームを、ビームスプリッタ1006、スキャニングミラー1010、および望遠鏡レンズ1012、1014を介して、対物レンズ1016のエッジへと進めることができる。さらには、または代替形態として、絞り板(図示せず)を設けて、その絞り板を、照明ビームの開口数を調整するための位置に移動させることができる。照明源1414を、選択的な構成に配置することができ、これによって照明源1414は、対象物における平面状の照明ビームを生成する。DRIの構成では、平面状の照明ビーム1020によるスキャンを行うことができ、また生成された光1022を捕捉することができる。他のDRIの実施の形態のように、イメージを形成するために、スキャニングミラー1010を介して光1022をデスキャンさせて、検出器1402へと伝送させることができる。
【0138】
図15を参照すると、顕微鏡1500Aは、対象物1524をイメージングするように位置決めされている対物レンズ1502を有している。対物レンズ1502は、平面状の照明ビーム1529を透過させ、この照明ビーム1529の幅は、図面の平面を横切るように延びており、またこの照明ビーム1529は、対象物1524の体積にわたりスキャンを行うための角度および/または位置の範囲で移動されて、それによってスキャンが行われる。このスキャンを行うための移動の方向は、図面の平面に平行な方向であってよく、また少なくとも、平面状の照明ビーム1529の平面に対して垂直な成分を有している。平面状の照明ビーム1529によって照明された対象物のイメージが、参照番号1525において示唆されているような許容角度範囲にわたり捕捉される。平面状の照明ビーム1529は、光源1511を使用して生成され、この光源1511は、スキャニングミラー1522を使用して照明ビームを方向付ける。他の実施の形態のように、平面状のビームを形成するために、シリンドリカルレンズ1527を、照明ビーム1523の光路に設けることができる。照明ビーム1523を、光源1511によって調整して、偏光ビームスプリッタ1506によってスキャニングミラー1522へと反射される平面偏光を有するようにすることができる。照明ビームの偏光を、その照明ビームがスキャニングミラー1522によって反射される前に、1/4波長板1508を使用して円形に変換することができる。照明ビーム1523は、望遠鏡1504を通過して対物レンズ1502に到達し、そこにおいて、前述の実施の形態および他の実施の形態と関連させて考察したように、平面状の照明ビーム1529に成形される。
【0139】
スキャニングミラー1522はまた、対物レンズ1502および望遠鏡1504を介して受信したイメージビーム1519をデスキャンさせる。イメージビーム1519の偏光は、1/4波長板1508によって、光源1511から放出されたときの照明ビームの偏光に対して垂直になるように再び変更され、したがって偏光ビームスプリッタ1506を通過する。イメージビーム1532は、別の1/4波長板1531を通過することによって、円形に偏光される。イメージビーム1532は、望遠鏡1504およびレンズアセンブリ1510を通過して、ミラー1520によって反射される。対物レンズ1502と同一の特性を有するように、レンズアセンブリ1510を選択することができる。ミラー1520は、このミラー1520の軸線方向の位置において形成されることになる中間イメージの角度の半分の角度に方向付けられており、かつ光軸に対して垂直に方向付けられている対象物におけるイメージ面に関して実像が形成されることになる軸線方向の位置に位置決めされている。この位置および方向は、対物レンズ1502によって生じるz軸線の収差が、「Vectorial point spread function and optical transfer function in depth-resolved imaging」J Kim、T Li、Y Wang、X Zhang、Optics Express 22(9)、11140-11151に記載されているように補償されるような位置および方向である。イメージビーム1535は、1/4波長板1531によって再び変換され、それによって、偏光ビームスプリッタ1506によって反射されて、イメージングレンズ1514を介してイメージングセンサ1512に到達する。
【0140】
図15Aの構成では、ステージまたは他の試料支持部を設けて、対象物1524を位置決めすることができる。対象物1524は、顕微鏡1500Aの一部ではない。望遠鏡1504は、設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。幾つかの実施の形態においては、対物レンズ1502およびレンズアセンブリ1510が、テレセントリックの構成のものである。レンズ1514は、比喩的な素子であり、複数素子から成る光学コンポーネントを含むことができる。レンズアセンブリ1510を、補正レンズアセンブリとして識別することができる。何故ならば、対物レンズ1502と同一の光学的な特性と、ミラー1520の角度位置および軸線方向の位置との組合せは、Kimによって説明されているように、イメージ光を2回通過させることによってz軸線(光軸)の収差を補償することができるからである。
【0141】
望遠鏡1504の素子を調整することができる。
図15の実施の形態においては、偏光ビームスプリッタ1506および1/4波長板1531、1508の使用は、ビームスプリッタ1506を介する再方向付けの間の光の損失量を最小限するためのものであると考えられることを言及しておく。偏光ビームスプリッタおよび1/4波長板を、適用可能な上記の実施の形態のいずれかと同じように使用することができる。
図15の実施の形態においては、単一のスキャニングミラー1522を、別個のミラーに、すなわちイメージビーム1519のデスキャニングのためのミラーと、照明ビーム1523のスキャニングのためのミラーとに、置換することができる。2つのミラーを、同期された移動のために制御することができるか、または機械的に接続させることができる。
【0142】
図16Aを参照すると、開示する方法または他の方法のいずれかを使用して、平面状のビーム1604を生成することができる。平面状のビームは、ビームスプリッタ1612を通過し、複数の向きで重なって示されているスキャニングミラー1618によってスキャンに用いられる。イメージングビームおよび照明ビームは望遠鏡1606を通過する。スキャニングミラー1618の各向きに関して、各反射ビームが参照番号1620で示されている。3つの向きおよびビームが示されているが、それらは、向きおよびビームの連続的な範囲の例、または離散的な向きおよびビームのより小さいセットまたはより大きいセットの例であってよいと考えられる。ビーム1620は、それらのビーム1620が、対物レンズ1602の背面絞りにおいて異なる角度で領域1610に入射するように放出され、かつ参照番号1601で示唆されているように対物レンズ1602の前面絞りのエッジから生じる角度範囲にわたる掃引を行うために、平面状の照明ビーム1603が対物レンズから放出されるように、望遠鏡に入射する。イメージビーム1608は捕捉されて、スキャニングミラー1618によってデスキャンされて、ビームスプリッタ1612を介して、イメージング装置1624に中継される。
【0143】
図16Bを参照すると、集束光学素子1640の導入によって、照明ビーム1620によるスキャンが行われる角度が変化し、また相応に、イメージビーム1608によるスキャンが行われる角度も変化する。ビーム1620が望遠鏡に入射し、望遠鏡から放出されて対物レンズ1602の背面絞りにおける領域に1610に相互に近接して入射し、さらに参照番号1601で示唆されているように対物レンズ1602の前面絞りのエッジにおいて対物レンズから放出されるようにする代わりに、ビームは、前面絞りのエッジにおける複数の地点において、軸線に向かって放出される。この効果は、スキャニングが平面状の照明ビーム1648A、1648B、1648Cを、前面絞りから放射路に沿って「歩かせ」、またそれらのビームによって、より狭い角度範囲を掃引させることによって、スキャンされたスライスが、
図16Bの実施の形態におけるスライスに比べてより平行になることである。
図16Aの実施の形態のように、イメージビーム1642が捕捉され、スキャニングミラー1618によってデスキャンされ、ビームスプリッタ1612を介して、イメージング装置1624に中継されるが、しかしながら集束光学素子1640を通過させることによって、イメージング装置1624の焦点は、スキャンを行う平面状の照明ビーム(1648A、1648B、1648C)に保持される。
図16Cでは、
図16Bと同様の効果を、
図16Aの位置に対して相対的に、望遠鏡1606に関して対物レンズ1602を移動させることによって達成することができる。
【0144】
対象物に照明ビームを焦点合わせするため、かつ対象物からの光を受信するために対物レンズを使用する実施の形態を上記において説明したが、本開示の対象の複数の実施の形態はそれらに限定されるものではない。例えば、
図17は、例えば内視鏡装置1702の一部としての、対物レンズを使用しない、2軸式の共焦点イメージングのための構成を示す。内視鏡装置1702を、対象物106に隣接させて配置することができ、この対象物106は、内視鏡装置1702が挿入された患者の内部組織または内部構造であってよい。照明モジュール1002からの光を、入射導波体1704を介して、内視鏡装置1702に方向付けることができ、この入射導波体1704は、視準装置(例えば、GRINレンズ)をその出射端部に含むことができる。照明光は、固定の光学素子1706(例えば、放物面ミラー)に入射し、この固定の光学素子1706は、入射光をスキャニング装置1708の各スキャニング素子1708aへと再方向付ける。例えば、スキャニング装置は、個別にアドレッシングされ、かつ2次元に傾斜させることができるミラー表面を備えているMEMSミラーアレイであってよい。したがって、スキャニング素子1708aは、照明を再方向付け、対象物106において照明によってスキャンを行うことができる。
【0145】
レンズ1710をスキャニング装置1708と対象物106との間の光路に配置し、照明光を焦点合わせし、かつ検出光を受信することができる。例えば、レンズ1710は、半球レンズ、ソリッドイマージョンレンズ、またはGRINレンズであってよい。対象物からの光およびレンズ1710によって受信された光を、スキャニング装置1708の別のスキャニング素子1708bに入射させることができる。スキャニング装置1708は、スキャニング素子1708bの移動を制御して、スキャニング素子1708aの動きに対応させることができ、それによって結像された平面は、照明された平面に対応する。検出光を、固定の光学素子1714(例えば、放物面ミラー)に入射させることができ、この固定の光学素子1714は、検出光を各導波体1716へと再方向付けし、この導波体1716は、視準装置(例えば、GRINレンズ)をその入射端部に含むことができる。
図17においては、単一の導波体1716として図示したが、導波体は、複数の導波体であってもよく、例えば、
図6Fの傾斜した導波体であってもよく、これによって、イメージ回転ならびに検出器モジュール1036の検出器への検出光の伝送が提供される。出射導波体1716からの検出光を、上記において説明した他の実施の形態に矛盾しないやり方で、イメージングのために検出モジュール1036へと供給することができる。代替的または付加的に、導波体1716は、導波体の1次元アレイ(例えば、1000×1のファイババンドル)を含むことができ、これはデスキャンされた光を線形検出器へと伝送する。
【0146】
図18は、対物レンズを使用しない、深さ分解イメージングのための別の構成を図示している。照明モジュール1002からの光を、入射導波体1804または他の入射光学系を介して、スキャニング装置1808へと方向付けることができる。その間、対象物106からの検出光を、出射導波体1810または他の出射光学系へと、スキャニング装置1808を介して再方向付けることができる。スキャニング装置1808は、
図18に示したように、スキャニングおよびデスキャニングの両方を同時に提供する単一のスキャニング素子1809を有することができるか、または
図17に関して上記において説明したように、同期される複数のスキャン素子を有することができる。
図17の実施の形態を用いる場合のように、スキャニング装置1808のスキャニング素子1809を移動させて、照明ビームによって対象物106をスキャンすることができ、また結果として生じた、照明された平面に対応する光を、検出モジュール1036によって結像させることができる。
【0147】
1つまたは複数の実施の形態においては、線形検出器を使用して、深さ分解イメージングを実行することができる。そのような構成では、平面状のビームによるスキャニングではなく、むしろ線形のビーム(ナロービーム)によってスキャニングを行うことができる。そのような構成は、
図19に図示されており、また例えば2光子イメージングにとって特に有用であると考えられる。励起光源1902(例えば、赤外線レーザ源)は、励起ビーム1901を生成し、この励起ビーム1901は、絞り1904を通過することができ、またダイクロイックビームスプリッタ1908を通過した後に、第1のスキャニングミラー1906に入射することができる。横方向のY次元の掃引が行われるように、第1のスキャニングミラー1906を構成することができる。結果として生じた照明線を、第2のスキャニングミラー1910へと方向付けることができる。スキャンの次元(例えば、X-Z平面)において照明による掃引が行われるように、第2のスキャニングミラー1910を構成することができる。結果として生じたスキャンビームを、レンズ1912、1914によって形成されている顕微鏡によって対物レンズ1916の背面焦平面にマッピングすることができ、また対象物に焦点合わせすることによって、照明ビーム1920を形成することができる。放射光1922(例えば、対象物における蛍光体によって生成された、400~500nmの範囲の蛍光)を、対物レンズ1916によって捕捉することができ、またレンズ1912、1914によって形成されている望遠鏡によって、第2のスキャニングミラー1910にマッピングすることができる。第2のスキャニングミラー1910は、放射光をデスキャンさせ、そのデスキャンされた放射光をビームスプリッタ1908へと方向付ける。
【0148】
ミラー1906および1910によってデスキャニングされた後に、イメージ光は、ビームスプリッタ1908によって反射され、検出光は続いて、上記において説明した他の実施の形態と同様に、レンズ1924、1926によって形成されている別の望遠鏡によってイメージング対物レンズ1928にマッピングされて、光軸と角度を成す平面1930に中間イメージが形成される。中間イメージ面1930を、続いて、レンズ1932および1938によって検出器1940の検出平面に焦点合わせすることができる(かつ/または例えば放射フィルタ1936によってフィルタリングすることができる)。しかしながら、上記において説明した実施の形態の一部とは異なり、検出器1940は、2次元イメージングアレイではなく線形検出器アレイであってよい。この場合、イメージ面におけるイメージは、放射光1922が対物レンズ1916によって捕捉されるZ-X平面における斜めの線の線形マップである。ミラー1906および1910によるスキャニングおよびデスキャニングは、対象物領域の体積を横切る。幾つかの実施の形態においては、線形検出器1940が、複数のPMTから成るアレイである。線形検出器1940の各素子によって生成される信号は、所定の線形スキャンに関する対象物における深度に対応する。
【0149】
図20Aを参照すると、イメージング装置2001Aは、平面状のイメージ領域2025と一致する平面状の照明ビーム2027を照明することによってスキャンされる平面状のイメージ領域2025からのイメージ光を受信するテレセントリック対物レンズ2022を有している。イメージ領域からの光は、本明細書において説明する種々のメカニズムのうちのいずれかに従い説明したようにデスキャンされる。スキャニングおよびデスキャニングのためのこのメカニズム2026は示していないが、しかしながら本明細書において説明する適用可能なメカニズムのうちのいずれかを含むことができる。他の箇所において考察したように、特定の軸線方向フォーカシング収差を補償するように選択することができる特性を備えているレンズアセンブリ2024が、イメージ2031を生成するために使用され、このイメージ2031を捕捉して、センサにマッピングし、また検出モジュール104およびその変更された全ての実施の形態の説明に適合するイメージング装置2040によって記憶することができる。イメージング装置2040は、イメージ2031に焦点合わせすることができ、かつその光検出器において焦点合わせされたイメージを処理することができる。イメージング装置2001Aは、略図では、本明細書において説明した実施の形態の大部分に類似している。
図20Bは、イメージング装置2001Bを示し、このイメージング装置2001Bは、異なる角度の、例えば、図示のようにレンズアセンブリ2024の光軸に対して垂直な角度のイメージ2033を形成する光学くさび2032が含まれている点を除いて、イメージング装置2001Aと同一である。
図20Cは、プリズム2032の効果を達成するための代替的なメカニズムを使用するイメージング装置2001Cを示す。ここでは、レンズアセンブリ2024が、矢印2015によって示唆されているように移動され、この移動が、プリズム2032によるようなイメージビームの回転に相当する。ここでもまた、イメージング装置2042は、イメージング装置2040と同一であり、またイメージ2033のイメージを光検出器に投影するために、イメージ2033に焦点合わせすることができる。
【0150】
図20Dは、イメージング装置2003Aを示し、このイメージング装置2003Aは、レンズアセンブリ1510を介して反射されて戻るのではなく、レンズアセンブリ1510を通過するイメージ光が、イメージ面2004の角度を変化させるように方向付けられた光学くさび2002を通過するという点を除いて、顕微鏡1500Aを基礎としている。
図20Dにおける構成のように、イメージ面2004の角度は、レンズアセンブリ1510の軸線に平行な光軸を有しているイメージング光学系2007によって取得することができるような角度でよい。
図20Eは、光学くさびの代わりに、一組の反射器2008が使用される点を除いて、イメージング装置2003Aに類似する機能を有しており、この構成においては、イメージング光学系2021の光軸がレンズアセンブリ1532の光軸と平行となるように、反射器2008の角度を選択することができる。レンズアセンブリ1532は、イメージング装置2003Aのレンズアセンブリ1510と同一の機能を有している。イメージング装置2003Aおよび2003Bにおいては、イメージング光が、軸線方向の収差を補正するための光学アセンブリを通過した後に、くさびプリズムによる屈折によって、または反射器を使用する折畳みによって再方向付けられる。このことを、イメージ形成光学系の軸線とフィールド回転光学系との間に要求される角度を低減する位置にイメージ面が傾斜されるように行うことができる。例えば、
図6Aの(レンズ系616およびカメラ618を含んでいる)フィールド回転光学系609およびイメージ形成光学系602を参照されたい。鋭角は、イメージ形成光学系とフィールド回転光学系との間の低開口に起因する、貴重なイメージ光の損失を生じさせる可能性がある。ここでもまた、イメージング装置2042は、イメージング装置2040と同一であり、またイメージ2033のイメージを光検出器に投影するために、イメージ2033に焦点合わせすることができる。
【0151】
図20Bおよび
図20Cの実施の形態においては、イメージング装置2042は、
図6Eの実施の形態を参照して考察したように、イメージ2031または2033と一致するように整列および位置決めされている検出表面を有している光検出器であってよいことを言及しておく。また、
図20Bおよび
図20Cの実施の形態の付加的な利点は、イメージング装置2042の光学素子を、衝突なくレンズアセンブリ2024のより近くに移動させることができることから、イメージング装置2042の光学系を、レンズアセンブリ2024の光軸により平行にでき、それによってイメージング装置2042の光学系の開口数をより高くできることであることも言及しておく。さらに、イメージ面2031または2033の回転によって、機械的な整列の複雑性を低減することができ、例えば、相対的な角度および位置の両方の調整を提供する必要なく、イメージング装置2042およびレンズアセンブリ2024の光学素子の相対的な並進だけを提供する整列テーブルを提供することによって低減することができる。
【0152】
図21Aは、本開示の対象の幾つかの実施の形態による、共焦点シータの構成におけるマルチモード共焦点/DRI顕微鏡2100を示す。
図1における照明モジュール102の説明に適合する、ビームエキスパンダを提供する機能を有している照明モジュール2102は、平行光の照明源に位置決めされている。照明モジュール2102は、平行ナロービーム2131を生成することができ、この平行ナロービーム2131を、
図3Aのビームエキスパンダ305を参照して考察したようなものであってよいビームエキスパンダ2135によって選択的に広げることができる。ビームエキスパンダ2135を、参照番号2160で示した1つまたは複数のコントローラおよび/またはアクチュエータの制御下で、平行ビーム2131の経路に選択的に位置決めすることができる。共焦点モードにおいては、ビームによるスキャニングのために使用されるプリズムミラー素子2130によって反射された後に、ブロードビーム2108を供給するために、ビームエキスパンダ2135を平行ビーム2131の経路に位置決めすることができる。プリズムミラー素子2130によるスキャニングを、1つまたは複数のコントローラおよび/またはアクチュエータ2160の制御下で行ってもよい。プリズムミラー素子2130は、スキャンレンズ2110および管状レンズ2112(これらのレンズ2110、2112は一緒に望遠鏡を形成する)を介して、照明ビーム2108を再方向付け、これによって照明ビーム2114は、1つまたは複数のコントローラおよび/またはアクチュエータ2160の制御下で、照明光2114の経路に選択的に位置決めされるシリンドリカルレンズ2136を通過した後に、対物レンズ2116の背面絞りに入射する。
【0153】
シリンドリカルレンズは、照明ビーム2114を、対物レンズ2116によって焦点合わせされた後に、焦平面2140における参照番号2152が付された箇所において焦点合わせされた線に成形する。対物レンズ2116を通過して戻ってきたイメージビーム2115は、(望遠鏡を形成する)スキャンレンズ2110および管状レンズ2112ならびにレンズ2124を通過して、最終的に検出モジュール2137によって線として焦点合わせされ、かつ検出される。中間実像を参照番号2123が付された箇所において生成することができる。プリズムミラー素子2130は、イメージビーム2115をデスキャンさせる。開示するDRIの実施の形態のうちのいずれの検出モジュール2137も、
図6Aから
図6Iを参照して説明したものを含む。
【0154】
図21Bは、本開示の対象の幾つかの実施の形態による、DRIの構成における
図21Aのマルチモード共焦点/DRI顕微鏡を示す。平行ビーム2131は、直接的にビーム再整列器2134、例えば、光学スラブまたは他のタイプのビーム偏向器に入射し、これは、マルチモード共焦点/DRI顕微鏡2100をDRIモードにするために、その経路に選択的に配置される。対物レンズ2116によって焦点合わせされた後に平面状のビームを形成するために選択されたシリンドリカルレンズ2132は、マルチモード共焦点/DRI顕微鏡2100をDRIモードにするために、オフセットビーム2131の経路に選択的に配置される。モードの切換えを、ユーザインタフェースまたは実験室コンピュータインタフェース(図示せず)を介したコマンドに応答して、1つまたは複数のコントローラおよび/またはアクチュエータ2160の制御下で実行することができる。プリズムミラー素子2130のスキャニングは、平面状の照明ビーム2128を再方向付け、スキャンレンズ2110および管状レンズ2112(これらのレンズ2110、2112は一緒に望遠鏡を形成する)を通過させ、それによって平面状の照明ビーム2128は、対物レンズ2116の背面絞りに入射する。シリンドリカルレンズ2136は、マルチモード共焦点/DRI顕微鏡2110がDRIモードになると、1つまたは複数のコントローラおよび/またはアクチュエータ2160によって、平面状の照明ビーム2128の経路外に位置決めされる。平面状の照明ビーム2128は、プリズムミラー素子2130が旋回されたときに、スキャンに用いられる平面状の照明ビーム2129を形成する。
【0155】
イメージビーム2115は、対物レンズ2116を通過して戻ってくると、続いて(望遠鏡を形成する)スキャンレンズ2110および管状レンズ2112ならびにレンズ2124を通過して、焦点合わせされ、かつ検出される。幾つかの実施の形態においては、中間イメージ2126を生成することができ、この中間イメージ2126は、本明細書において説明する実施の形態のうちの幾つかに従い、検出モジュール2137によって結像される。上記において述べたように、プリズムミラー素子2130は、イメージビーム2115をデスキャンさせる。開示するDRIの実施の形態のうちのいずれの検出モジュール2137も、
図6Aから
図6Iを参照して説明したものを含む。
【0156】
ここで
図21Cを参照すると、例えば、CCDカメラであってよい、角度付けられた検出器2170に線を投影することができる。選択された焦平面2140にイメージを形成するために不所望な光を排除するために、検出器の選択されたピクセルを使用して、イメージを形成することができる。前述の線に沿って並んでいる、イメージのいずれかの側における選択されたピクセルに、デコンボリューションアルゴリズムを適用して、分解能を向上させることができる。これによって、スリットの必要性を回避することができる。シリンドリカルレンズ2136が、イメージビーム2115の経路外に位置決めされている場合には、照明ビーム2114を1つの点に焦点合わせすることができ、この場合、視準された焦点領域2152からの光レベルを測定するために要求されるCCDカメラの1つまたは複数のピクセルを選択することによって、ピンホールの必要性を回避することができる。CCDカメラの代わりに、検出モジュール2137の検出器2170は、DRIモードのときにマルチモード共焦点/DRI顕微鏡2100によって生成された線形の1次元のイメージに整列されるように方向付けられた、複数の光電子倍増素子から成る線形アレイであってよい。
【0157】
図22Aを参照すると、イメージング装置2200Aの複数の素子、例えば、対象物体積2201において、参照番号2230において示唆されているように、連続的な平面状の照明ビーム、または不連続的な一連の平面状の照明ビームの照明およびイメージングのための顕微鏡が示されており、この顕微鏡によって、対象物体積の2次元または3次元のイメージが、
図22Aまたは
図22Bを参照して下記において説明する、二次イメージング光学コンポーネント2204または三次イメージング光学コンポーネント2205のうちの1つの光検出器において生成される。一次イメージング光学コンポーネント2202は、対物レンズ(別個に図示していないが、しかしながら一次イメージング光学コンポーネント2202に組み込まれている)を有することができ、この対物レンズを、平面状の照明ビーム2230によって照明された対象物の部分を結像するために、対象物支持部2241に対して相対的に位置決めすることができる。第1の光学コンポーネント2202は、対物レンズと協働して、対物レンズの前面の領域にある、平面状の照明ビーム2230によって照明された対象物の部分の第1の中間イメージ2206を生成するように選択された光学素子を有している。平面状の照明ビームを移動させて、それによって対象物領域の事前に規定された体積にわたるスキャンを行うために、光源と、可動の光再方向付け素子を備えているスキャニング/デスキャニング素子と、を一次イメージング光学コンポーネント2202に含め、一次イメージング光学コンポーネントを介して光源によって生成された平面状の照明ビームを、参照番号2230が付された箇所に方向付けることができる。スキャニング/デスキャニング素子の可動の光再方向付け素子は、平面状の照明ビームによって掃引が行われるときに、その平面状の照明ビームの焦点を、第1の中間イメージの平面2206に維持するために、第1の光学コンポーネントから受信したイメージ光をさらに方向付ける。前述の説明に含まれている詳細は、ここでは明確にするために繰り返し説明しない。二次イメージング光学コンポーネント2204は、一次イメージング光学コンポーネントの光軸2207と、前述の第1の中間イメージの平面の垂線2210と、の間の第1の角度に位置する光軸2209を有している。その結果、第1の角度の大きさは、二次イメージング光学コンポーネント2204によって前述の第1の中間イメージの平面2206に焦点合わせを行えるような大きさではない。二次イメージング光学コンポーネントは、中間イメージのイメージがその光学系によって投影されるCCDチップのような光検出器を含むことができる。
【0158】
図22Bを参照すると、
図22Aのコンポーネントが、同一の参照番号が付されている箇所に表されているが、しかしながら、二次イメージング光学コンポーネント2204’は、三次イメージング光学コンポーネント2205によって結像することができる第2の中間イメージを生成するという点において異なっていると考えられる。三次イメージング光学コンポーネント2205は、光軸2211を有しており、かつ二次イメージング光学コンポーネント2204’によって形成された第2の中間イメージ2206’に焦点合わせするように位置決めされている。三次イメージング光学コンポーネント2205は、CCDセンサのような光検出器に焦点合わせされたイメージを形成する。三次イメージング光学コンポーネント2205は、第1の角度2209と、一次イメージング光学コンポーネントの光軸2207と、の間の第2の角度2211に位置する光軸を有することができる。
【0159】
いずれかの実施の形態においては、光学くさびではなく、前述の機能を実行する類似の素子を使用することができることを言及しておく。例えば、GRIN素子は、例えばレンズアセンブリ2024の光軸に対して垂直な向きにイメージ面を傾斜させる同一または類似の機能を提供することができる。
【0160】
図23Aは、検出モジュールの一例を備えており、また例えば正立型の構成と倒立型の構成を高速に切り換えるために角度ミラー(45°)を選択的に挿入することによって容易な調整および構成を提供する、大部分が矩形の輪郭を示している、
図10の実施の形態のようなDRI顕微鏡の機能性を示す。レーザ2300のような光源からの照明光は、複数のミラー2315によって方向付けられ、シリンドリカルレンズ2310によって成形されて、その結果、照明光は、試料において照明のシートを形成する。オプションとして、最後のミラー2315に関する調整を整列に含めることができる。同一の調整を、共焦点モードとDRモードの切換えのために使用することもできる。ダイクロイックビームスプリッタ2320のようなビームスプリッタは、照明ビームを第1の光路に沿って、ガルボミラー2325または他のタイプの光リダイレクタのようなスキャニング素子を含んでいるスキャン/デスキャンアセンブリへと再方向付ける。ガルボミラーから放出された光は、続いて、例えば照明ビームを対物レンズ2340、例えばテレセントリック対物レンズの周縁領域へと方向付けるための顕微鏡を規定する光学素子2331、2332を通過する。ビームは、斜めの光のシート2342として試料2345へと放出され、このシート2342は、他の実施の形態に関して説明したように、スキャン/デスキャンアセンブリによって、それぞれが複数の深度で照明されている、試料2345の照明された複数の領域へと移動される(すなわち、ガルボミラー等2325の向きに依存して移動される)。
【0161】
斜めのイメージング面からのイメージ光が、同一の対物レンズ2340によって捕捉され、第2の光路に沿って光学素子2331、2332を通過する。このイメージ光は、続いて、同一のガルボミラー2325によってデスキャンされて、ビームスプリッタ2320を通過する。続いて、傾斜された中間イメージ2370が、イメージ形成光学系、例えばレンズ2351、2355および第2の対物レンズ2360を含んでいる望遠鏡によって形成される。特に、この傾斜した中間イメージは、ガルボミラー2325の向きにかかわらず、固定された状態にとどまる。幾つかの好適な実施の形態においては、中間イメージを形成するために使用される望遠鏡および対物レンズ(すなわち、望遠鏡2351、2355および対物レンズ2360)の光学的な特性が、傾斜した中間イメージ2370におけるある程度の歪みを除去するように、照明アームにおける対応するアイテム(すなわち、望遠鏡2331、2332および対物レンズ2340)の光学的な特性に整合される。続いて、デスキャニング、回転、およびイメージングを、
図10に関して考察したように実行することができる。例えば、回転およびイメージングを、対物レンズ2380と、それに続くロングパスフィルタ2381、レンズ2382、および光検出器(例えば、CCD)を含んでいるカメラ2390を含んでいるイメージングモジュールによって実施することができる。
【0162】
正立型の構成と倒立型の構成との高速な切換えを提供するために、望遠鏡の遠位側の素子2332と対物レンズ2340との間に、45°の角度ミラー(図示せず)を選択的に挿入することができる。
【0163】
図23Aの実施の形態においては、単一のミラー2325が、スキャニングおよびデスキャニングのために使用される。また、図示したレイアウトにおいて、直交するアームの整列は、正確なイメージの設定および調整を容易にする。このレイアウトの全体の構成は、共焦点顕微鏡の一般的な構成に類似するものであって、上記において説明したように、共焦点モードとDRIモードの切換えを行うことができる。幾つかの実施の形態においては、上記において考察したように、イメージを回転させるアプローチに起因して発生する、イメージングモジュールと中間イメージを形成する光学系の整列および干渉によって生じる光の損失の問題が存在する。この問題に関する解決手段は、上記において考察しており、また下記の実施の形態においても考察する。
【0164】
図23Bは、
図23Aと関連させて上記において説明したように、検出モジュールの一例を備えており、また例えば正立型の構成と倒立型の構成を高速に切り換えるために角度ミラー(45°)を選択的に挿入することによって容易な調整および構成を提供する、大部分が矩形の輪郭を示している、
図15の実施の形態のようなDRI顕微鏡の機能性を示す。
図23Aにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Bにおけるコンポーネントは、その図における対応する部分と同じように機能する。ここでは、
図15の考察において説明した原理を適用することができる。ここでもまた、リモートフォーカシングの原理を使用して、単一の対物レンズ2360aを2回通過することによってイメージ回転が達成される。照明シートの角度調整はより簡潔になり、またより高い開口数を実現する(すなわち、改善された集光および分解能のためのより短い作動距離を有している中間イメージ回転ステージにおける光伝送を実現する)。イメージ光を対物レンズへと戻すように反射する調整可能なミラー2365が、イメージングのために使用される。ここでもまた、1/4波長板2357を使用して、偏光ビームスプリッタ2356を通過するイメージビームが2回目の通過に基づいて反射されることを保証することができる。反射光または散乱光から、蛍光を発する(または多光子の)対象物に由来するイメージ光を選択するために、ロングパスフィルタ2381が使用される。
【0165】
この
図23Bの実施の形態の1つのヴァリエーションにおいては、第2の対物レンズ2360aの倍率が、第1の対物レンズ2340の倍率よりも大きくなるように選択されている。例えば、第2の対物レンズ2360aの倍率は60×であってよく、それに対し、第1の対物レンズ2340の倍率は20×である。この倍率の不一致が存在する場合には、反射ミラー2365の角度を小さくすることができ(すなわち平坦にすることができ)、これによって光の損失を最小限にすることができ、かつシステムの整列を単純にすることができる。
【0166】
図23Bの構成の欠点は、偏光ビームスプリッタの通過に起因するイメージ光の損失であると考えられる。
図23Cは、試料から受信したイメージ光ビームの分割に起因して失われる可能性がある光を回収するために第3のレンズアセンブリが追加されている、
図23Bの実施の形態に類似するDRI顕微鏡の機能性を示す。
図23Aおよび
図23Bにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Cにおけるコンポーネントは、それらの図における対応する部分と同じように機能する。ここでは、第3の対物レンズ2360bが、
図23Bの構成では、偏光ビームスプリッタ(PBS)2356および付加的なミラー2365による反射に起因して失われた光を捕捉する。第3の対物レンズ2360bによって捕捉された光は、調整可能なミラー2365bによって、対物レンズ2360bへと戻るように反射され、別の箇所で説明する1/4波長板ベースの捕捉技術を使用して、1/4波長板2357bおよび偏光ビームスプリッタ2356を通過する。他の特徴は、本明細書の別の箇所において説明した通りである。
【0167】
図23Dは、交番的な照明からイメージを形成するために光を捕捉して分離する対物レンズ2340の交番的な側から到来する光シート2342、2342’を使用して異なる角度から試料を照明するDRI顕微鏡を示す。
図23Aから
図23Cにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Dにおけるコンポーネントは、それらの図における対応する部分と同じように機能する。この実施の形態は、
図23Cの実施の形態と類似のレイアウトを有しているが、しかしながら、第3の対物レンズ2360bのミラー2365b’の角度は、交番的な照明ビームまたは照明シートから受信した深さ分解イメージング光に対応する、一次対物レンズ2340の反対側からのイメージ光を通過させるために、反対方向に角度付けられている。ここでは、レーザが、シリンドリカルレンズ2310によって光のシートが形成されるように調整されており、また自動化されたリダイレクタ2316が、実線と点線(それぞれ、参照番号2317および2318で表されている)によって示唆されているように、照明ビームを選択的に変位させるために導入されている。最初の瞬間または最初のサイクルの間に、照明ビームは、一次対物レンズ2340の一方の側から試料において角度付けられた照明シート2342を形成するために方向付けられ、また次の瞬間または次のサイクルの間に、入射ビームは、リダイレクタ2316によって一次対物レンズ2340の反対側に切り換えられ、それによって照明ビームまたは照明シートの向きおよび角度が参照番号2342’に表されている向きおよび角度に切り換えられる。主に一次対物レンズ2340の反対側から受信したイメージ光は、ダイクロイックビームスプリッタ2320を介して、偏光ビームスプリッタ2356へと中継され、この場合、第2の対物レンズ2360aおよび第3の対物レンズ2360bのいずれも、各瞬間または各サイクルの間にそれぞれの方向に方向付けられた照明に由来する光の中間イメージを形成および回転するために使用される。
【0168】
サイクル中に、スキャン/デスキャンを、一方の方向に方向付けられた照明ビーム2342を用いて実行することができる。後続のサイクルにおいては、スキャン/デスキャンを、反対の方向に方向付けられた照明ビーム2342’を用いて実行することができる。各サイクルの間に、リダイレクタ2316は、照明ビームの経路を、一次対物レンズ2340の他方の側へと切り換え、それによって方向が変更される。ビームの方向が各瞬間に変更される幾つかの実施の形態においては、リダイレクタ2316が、1回のスキャン/デスキャンサイクルの間に照明ビームの経路を複数回変更する。照明ビームを各サイクルまたは各瞬間に切り換えるいずれの実施の形態においても、偏光ビームスプリッタ2356は、回転された各深さ分解イメージを、偏光イメージスプリッタ2383へと伝送する。第2の対物レンズ2360aから受信したイメージ光に関して、照明エネルギは一方の方向で偏光され、また第3の対物レンズ2360bから受信したイメージ光に関して、照明エネルギは他方の方向で偏光され、それによってイメージビームを、偏光イメージスプリッタ2383によって、例えば1つまたは複数のカメラのようなイメージング装置2390の各部分(または各イメージング装置)にマッピングすることができる。幾つかの実施の形態においては、一方の側における照明からのイメージを、他方の側における照明からのイメージに隣接させて、光検出器アレイに表すことができる。
【0169】
図23Eは、複数の角度で投影された照明ビームまたは照明シートを用いてイメージを収集することによって、表面構造の陰影効果を改善するためのメカニズムを提供するDRI顕微鏡を示す。
図23Aから
図23Dにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Eにおけるコンポーネントは、それらの図における対応する部分と同じように機能する。ここでは、付加的なガルボミラー2319が試料における光シートの平面に平行な平面で旋回されるように(すなわち、図面の平面の手前および奥に旋回されるように)、照明シートは、ガルボミラー2319を使用して角度付けられる。その結果、ビームは、差し込み
図23E1に示されているような対物レンズ2340の周縁領域における異なる位置1、2、3において、対物レンズの背面焦平面に到達することになる。これによって、差し込み
図23E2に示されているように、各位置1、2、3への光のシートの向きが変化し、次に、その向きによって陰の位置が変化し、その結果、そのような陰の位置の変化がなければ照明不足となる可能性がある特徴を表すことができる。イメージ処理を使用して、各イメージ(各イメージは、ガルボミラーAによってシートの方向が異ならされた光によって形成されている)の最適な領域を選択して、最適化された単一のイメージを形成することができる。もちろん、そのように最適化された多くのイメージを結合して単一の3Dイメージを形成することもできる。この実施の形態は、「揺動シート(rocking sheet)」構成と表すことができる。
【0170】
図23Fは、ターレット2380Tを用いる、
図6I、
図10、および
図13Bの実施の形態に機能的に類似するDRI顕微鏡の特徴を示す。
図23Aにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Fにおけるコンポーネントは、その図における対応する部分と同じように機能する。ターレット2380Tは、ターレットにおけるレンズアセンブリの切換えによる倍率の調整を実現するために、検出モジュールの第1のレンズアセンブリの選択を実現することができる。より詳細には、ターレット2380Tの回転によって、複数の第3の対物レンズ2380a、2380bなどのうちの1つが、カメラ2390への光路の途中に挿入される。オプションとして、イメージスプリッタを、カメラ2390の手前に含ませることができる。
【0171】
図23Gは、高フレームレートおよび高感度用の種々の特徴を備えている線形アレイの複数の光電子倍増セルによって複数回行われる点測定でもってスキャンされた線からの戻り光の深さ分解された点測定を達成するために、複数の深度における線によるスキャンおよびデスキャンを行うDRI顕微鏡を示す。
図23Aにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Gにおけるコンポーネントは、その図における対応する部分と同じように機能する。この実施の形態の動作は、試料2345に光のシート2342が投影される代わりに、光のペンシルビーム2342aが試料に投影される点を除いて、
図23Aの実施の形態に類似する。続いて、実質的に光のシートが形成されるように、このペンシルビーム2342aによる掃引が行われる。このことは、
図23Aにおけるシリンドリカルレンズ2310を取り除き、かつ
図23Aの実施の形態におけるガルボミラー2325をガルボミラーのペア2325aに置き換えることによって達成される。ガルボミラーのペア2325aは、実質的に再構成された光のシートを形成するために、端から端までペンシルビームによって掃引が行われるように、また体積を完全に掃引するために、一次対物レンズに向かう方向および一次対物レンズから離れる方向において、ペンシルビームによって掃引が行われるように動作する。したがって、掃引の第1の方向は、図面の平面外である。
【0172】
複数の光電子倍増素子(例えば、10個の素子)を備えているような広帯域線形検出器アレイ2392は、ガルボミラーのペア2325aによってペンシルビームがスキャンおよびデスキャンされたときに、深さ分解光を受信する。(コンポーネント2380~2382を使用する)イメージ回転に関する1つのメカニズムを図示したが、その代わりに、本明細書において説明するイメージ回転に関する代替的なメカニズムのうちのいずれかを使用することもできる。例えば、(より少ない数のピクセルを備えている)線形検出器アレイを、中間イメージ面の位置に直接的に配置することができ、このケースでは、コンポーネント2370~2382に関連付けられた倍率がシステムからは除かれる。線形検出器の各検出器(すなわち、各ピクセル)は、試料における異なる深度から光を受信する。スループットおよびスキャニング速度を高めるために、各光を、並列にクロック制御される別個の信号チャネルによって処理することができる。さらに、各ピクセルは、完全に線形な深さ分解「イメージ」に関して、各深度について受信した可変の照明の最適化を実現する、独立して選択された利得を有することができる。つまり、より深い深度からの光は、より低い強度を有しており、したがって、より浅い深度からの光に比べてより高い利得で補償することができる。
【0173】
この実施の形態は、2光子および内視鏡検査のいずれとも一層の互換性を有するように、深度に依存する検出の構成を拡張する。線形検出器は、単純に試料に対して斜めの焦点合わせを行うことによって、試料における異なる深度を分解し、また慣例の複数層の2光子アプローチおよび共焦点アプローチに関する多くの問題を回避する。例えば、この実施の形態は、ピエゾスキャナおよび対物レンズの移動/同期の必要性を回避し、またコストおよび複雑性の増加をもたらす一時的またはスペクトル的なエンコーディングの使用も回避する。
【0174】
X-Y(またはリサジュー、AOD、MEMSまたは等価のもの)スキャナは、標準的な2光子フレームレートで移動するが、しかしながら線形検出器アレイにおける素子と同数の深度を生じさせる。この実施の形態は、慣例の体積スキャニングに比べて、各検出器が、単一の深度に関して高帯域幅を有することができることから、改善された検出帯域幅を提供することができる。この実施の形態は、また、慣例のカメラ技術に比べて、より高い帯域幅および感度の検出器、例えばAPDアレイおよびPMTアレイの使用も実現する。各検出器素子は、その深度位置に関して固定の利得を有することができるので(ただし、より深い深度の検出器は、そのより深い深度からの減衰された戻りを補償するために、より高い利得/感度を有している)、改善されたダイナミックレンジを提供することもできる。それらの実施の形態においては、線形アレイが、スリットとして動作し、これは、(回転シャッタ型のSPIMに類似する)シート照明に比べて、検出光散乱の影響を低減する。また、この実施の形態における構成を、zステージを用いる慣例の共焦点顕微鏡法を達成するために容易に調整することができる。
【0175】
図23Hは、光のビームを構造化するために使用されるロンキー・ルーリングを用いる、
図23Aの実施の形態を基礎とする実施の形態のコンテキストにおける構造化された照明を示す。
図23Aにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Hにおけるコンポーネントは、その図における対応する部分と同じように機能する。
図23Hの実施の形態においては、照明ビームがビームスプリッタ2320に到達する前の、照明ビームの経路にロンキー・ルーリング素子2316が挿入されている。これによって、一次対物レンズ2340から試料へと放出するための照明のビーム平行格子が生じる。オプションとして、照明ビームがロンキー・ルーリング素子2316に到達する前に、付加的なガルボミラー2312を、照明ビームに追加することができ、これによって、光の格子を試料において揺動させることができ(
図23Eの揺動シート構成に類似する)、それによって、面外の除外の改善および/または超分解能イメージングが実現される。
【0176】
図23Jは、構造化された照明を実施するための代替的なアプローチを示す。
図23Aにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Jにおけるコンポーネントは、その図における対応する部分と同じように機能する。
図23Jの実施の形態においては、変調可能レーザ2302、例えばコヒレントOBISレーザが(
図23Aの実施の形態からの連続的なレーザ2300の代わりに)使用されている。照明光は、高速にスイッチおよびスイッチオフされ、また試料において構造化された照明を生じさせるために、ガルボミラー2312が追加されており、そのガルボミラー2312によって掃引が行われる。ガルボミラー2312は、カメラのイメージフレームレートでラインスキャンだけを実施すればよいことを言及しておく。このアプローチは、顕著な速度低下という犠牲のもとで、セクショニングを改善することが可能であり、またマウスの脳組織のような散乱組織におけるイメージングにとって利点を提供することになる。またこのことを、検出光散乱の影響を改善するために、2光子の実施の形態を用いて実施することもできる。
【0177】
代替的な実施の形態においては、
図23Jに示したガルボミラー2312の追加の代わりに、標準的なガルボミラー2325を双方向ガルボミラー(図示せず)に置換することによって、同一の効果を達成することができる。双方向の掃引の間のレーザのオンオフの状態によって、試料における格子パターンが生じ、これによって構造化された照明が供給される。
【0178】
図23Kは、検出アームにおける倍率が照明アームにおける倍率よりも大きくなっている、
図23Aの実施の形態の1つのヴァリエーションを示す。
図23Aにおけるコンポーネントと参照番号を共有している
図23Kにおけるコンポーネントは、その図における対応する部分と同じように機能する。この実施の形態においては、検出アームにおける第2の対物レンズ2360cの倍率が、照明アームにおける第1の対物レンズ2340の倍率よりも大きい。この不一致は、中間イメージ面2370’の傾斜を低減する。中間イメージ面のこの倍率縮小は、カメラのより簡単な整列、より高いスループット、より高いNA検出、より短いWDの使用、より高いNAレンズを提供することができる。オプションとして、中間イメージ面の傾斜の角度に影響を及ぼすことなく、イメージ回転後に、付加的な倍率を追加することができる。
【0179】
共焦点顕微鏡の構成を使用する幾つかの実施の形態においては、面を満たし、かつ1つの2Dイメージを形成する平面状の照明ビームを形成するために、線による掃引が行われるので、検出器を簡単に露光することができる。このストラテジを、オプティカルセクショニングおよび分解能を改善することができる(例えば、ラインスキャニング共焦点における)検出スリットを有することに類似すると考えられる、検出器におけるローリングシャッタ型の取得と組み合わせることができ、またそれと同期させることができる。
【0180】
幾つかの実施の形態においては、検出光を、通常のやり方で(例えば、第1の方向に沿って)デスキャンさせ、また再び(例えば、第1の方向に直交する第2の方向に沿って)デスキャンさせ、それによって、面を形成する線形ビームの動きを補正することができる。この2次元のデスキャニングは、検出側イメージを、所定の時点に対象物を(斜めのzの方向において)照明する光の線に対応する単一の線に縮小することができる。この入射ビームスキャニング、および/または付加的なデスキャニングは、達成可能な4kHzスキャン/デスキャンレートであるyの掃引レート(例えば、平面あたり~200yのピクセル)を乗算した体積レート(例えば、毎秒~20体積)に等しいラインスキャンレートであってよい。第2の方向に沿った光の検出デスキャニングを、慣例のシリンドリカルレンズ、または完全励起の平面状の照明ビームの類似の形成と組み合わせることもできるか、もしくは第2の方向に沿った光の検出デスキャニングは、平面の形成およびデスキャニングの他の任意の組合せであってもよい。
【0181】
幾つかの実施の形態においては、そのような実現形態において使用される線形検出器は、取得されるz方向に沿った深度の数に対応する複数の素子を備えている、ラインスキャンカメラまたは線形アレイ(例えば、光電子倍増管またはアバランシェフォトダイオード)、もしくは線形アレイ、それどころか個々の検出器へと案内されている線形ファイババンドルであってよい。そのような構成は、イメージングデータを外部の線形イメージングアレイに中継するために線形ファイババンドルを使用することができるので、内視鏡の実現形態にとって有利であると考えられる。
【0182】
明細書および特許請求の範囲全体にわたり、用語「アクチュエータ」および「モータ」には、原動力を生成することができるあらゆるタイプの最終制御素子が含まれると解されるべきである。さらに、光リダイレクタを使用する実施の形態のうちのいずれかにおいては、反射器、またはスキャニングおよび/またはデスキャニングの機能に関して表したかまたは説明したあらゆるタイプの装置、例えば(1つまたは複数の)音響光学偏向器および(1つまたは複数の)空間光変調器を含むあらゆるタイプの制御可能なビーム偏向器を使用することができる。そのようなヴァリエーションは、本開示の対象の付加的な実施の形態と考えられる。
【0183】
図10から
図22においては複数の別個のミラーを示したが、スキャンミラーおよび/またはデスキャンミラーの各々は、ミラー、他のタイプの反射性の光学素子、屈折性の素子、回折性の素子、音響光学変調器、MEMS装置、SLM、または他の任意の光学コンポーネントであってよいと考えられる。
【0184】
光のナロービームによって横方向のスキャンを行って平面を形成する全ての実施の形態においては、種々異なる照明パターンでスキャンを行うことができると認められ、そのような照明パターンには、規則的なプログレッシブパターン、またリサジュー形状のような非直線的なパターン、またはそれどころか不規則なパターン、またランダムなパターンが含まれる。別の種々の照明ビーム形状を設けることができる。本開示の対象の鍵となる特徴は、目標となる対象物の特徴の深さ分解された検出を行う機能、ならびに対象物における照明ビームの角度を、対物レンズの光軸に平行にすることができるか、または対物レンズの光軸に関して角度付けることができる、ことであることは明らかである。それらの考えられるヴァリエーションは、全ての実施の形態および全ての請求項に適用される。照明光が対物レンズの縁部から投影される実施の形態および請求項を修正して、光ビームが中央から投影されて、また光軸に平行にまたはほぼ平行に照準されるようにすることができ、この場合、イメージを形成するために照明された領域から放射された光を収集するために高開口数の対物レンズに由来する十分な光学開口が存在している。
【0185】
本明細書において、「深さ分解」とは、結像される光が、対物レンズの前方の軸線方向の複数の位置から到来することを示すことが意図されている。
【0186】
1つまたは複数の第1の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、対物レンズおよび別のレンズアセンブリ、光源、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリ、および光センサを含んでいる。対物レンズおよび別のレンズアセンブリは、少なくとも軸線方向のフォーカシング収差に関して、同一の構成のものである。対物レンズおよび別のレンズアセンブリは、対物レンズによって受信されたイメージ光が、別のレンズアセンブリを通過するように配置されている。スキャニング/デスキャニング光学アセンブリは、光源からの光を方向付け、それによって平面状の照明ビームを対物レンズから斜めに放出させて、その照明ビームによって体積領域を掃引させる、可動の光再方向付け素子を有している。平面状の掃引照明ビームによって体積領域にわたるスキャンが行われる。可動の光再方向付け素子は、光のシートによる掃引が行われるときに、平面状の照明ビームによって照明された領域から戻ってきた光の焦点を光センサに維持するために、体積領域から受信したイメージ光を再方向付ける。
【0187】
第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらにビームスプリッタを含んでおり、このビームスプリッタは、イメージ光および光源からの光が、隣接している、対物レンズへの経路および対物レンズからの経路を辿り、かつ対物レンズから離れた分割された経路を辿るように位置決めされている分岐点を形成するように配置されている。
【0188】
第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、イメージ光を反射させて別のレンズアセンブリを通過させて戻すように位置決めされている固定の反射器を含んでいる。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、固定の反射器が、別のレンズアセンブリの光軸に関して、所定の角度で方向付けられている。この角度は、対物レンズおよび別のレンズアセンブリによってミラーの位置に形成されることになる中間イメージの角度に応じて選択されている。
【0189】
第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光再方向付け素子が、モータ制御式の反射素子である。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、反射素子が、単一の平面状の反射表面であるかのように、光源からの光の方向の角度変化と、体積領域から受信した光の方向の角度変化と、を同一にする反射特性を有している。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、反射素子が、光源からの光も体積領域から受信した光も入射する、単一の平面状の反射表面を有している。
【0190】
第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光源が、蛍光色素を含んでいる対象物において蛍光を生じさせるように選択された光を生成する。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光源が、光の丸いビームを前述の平面状のビームへと平坦にするビーム平坦化光学素子を含んでいる。
【0191】
第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光センサが、カメラ、複数の光電子倍増素子から成る線形アレイ、および/または単一の光電子倍増素子を含んでいる。
【0192】
第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリが、可動の光学素子を含んでおり、この可動の光学素子を、前述の対物レンズの背面絞りの縁部へと方向付けられた光の平面状のビーム(スキャンモードと表すことができる)と、前述の背面絞りにわたり広がる幅広の照明ビーム(共焦点モードと表すことができる)との間で照明ビームを変化させるために、光源からの光の経路に選択的に位置決めすることができる。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光学素子が、屈折性であり、かつ光源からの光の幅を拡張させる。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光学素子が、屈折性であり、かつ光源からの光の中心線を移動させる。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の背面絞りにわたり広がる幅広の照明ビーム(共焦点モード)を供給するために、前述の可動の光学素子が選択的に位置決めされたときに、事前に規定された範囲にわたり前述の光再方向付け素子の位置を制御するように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の可動の光学素子を選択的に位置決めする共焦点モード制御コマンドに応答して、事前に規定された範囲にわたり前述の光再方向付け素子の位置を制御するように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。
【0193】
第1の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニングアセンブリが、スキャンモードにおいて前述の平面状の照明ビームから戻ってきたイメージ光の中間実像を生成する、光軸を備えているイメージ形成光学系と、前述の中間実像を結像させる検出モジュールと、を含んでおり、光センサが、前述の中間実像のイメージが焦点合わせされるピクセルの線形アレイまたは2次元アレイを含んでいる。検出モジュールは、前述のイメージ形成光学系の光軸に対して斜めである光軸を有しており、これによって、1つのピクセルまたは前述のピクセルの中から選択された1つのピクセルは、共焦点モードにおいては、共焦点ピンホールまたはスリットのように機能することができ、またこれによって、スキャンモードにおいては、前述の検出モジュールの光軸とイメージ形成光学系の光軸とが成す角度が、前述の検出モジュールによって結像された、前述の平面状の照明ビームに沿った複数の地点の軸線方向における位置の変化の補正にとって有効である。
【0194】
1つまたは複数の第2の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、対物レンズ、別のレンズアセンブリ、光源、およびスキャニング/デスキャニング光学アセンブリを含んでいる。対物レンズおよび別のレンズアセンブリは、対物レンズによって受信されたイメージ光が、別のレンズアセンブリを通過するように配置されている。スキャニング/デスキャニング光学アセンブリは、対物レンズの縁部から斜めに放出される光の平面状の掃引ビームを生成するために、光源からの光を方向付ける、1つまたは複数の可動の光再方向付け素子を有しており、光の平面状の掃引ビームは、体積を横切るために移動する。スキャニング/デスキャニング光学アセンブリは、イメージング光センサを含んでいる。1つまたは複数の可動の光再方向付け素子は、前述の光のシートによる掃引が行われるときに、平面状の照明ビームの焦点を光センサに維持するために、体積領域から受信したイメージ光を再方向付ける。スキャニング/デスキャニング光学アセンブリは、可動の光学素子を含んでおり、この可動の光学素子は、前述の対物レンズの背面絞りの縁部へと方向付けられた光のシート(スキャンモードと表すことができる)と、前述の背面絞りにわたり広がる幅広の照明ビーム(共焦点モードと表すことができる)と、の間で照明ビームを変化させるために、光源からの光の経路に選択的に位置決めすることができる。
【0195】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらにビームスプリッタを含んでおり、このビームスプリッタは、イメージ光および光源からの光が、隣接している、対物レンズへの経路および対物レンズからの経路を辿り、かつ対物レンズから離れた分割された経路を辿るように位置決めされている分岐点を形成するように配置されている。
【0196】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、イメージ光を反射させて別のレンズアセンブリを通過させて戻すように位置決めされている固定の反射器を含んでいる。第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、固定の反射器が、別のレンズアセンブリの光軸に関して、所定の角度で方向付けられており、この角度は、対物レンズから斜めに掃引された光のシートの角度のうちの1つまたは複数に応じて選択されている。
【0197】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光再方向付け素子が、モータ制御式の反射素子である。
【0198】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光センサが、カメラ、複数の光電子倍増素子から成る線形アレイ、および/または単一の光電子倍増素子を含んでいる。
【0199】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光源が、光の丸いビームを前述のシートへと平坦にするビーム平坦化光学素子を含んでいる。
【0200】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光学素子が、屈折性であり、かつ光源からの光の幅を拡張させる。第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光学素子が、屈折性であり、かつ光源からの光の中心線を移動させる。
【0201】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の背面絞りにわたり広がる幅広の照明ビーム(共焦点モード)を供給するために、前述の可動の光学素子が選択的に位置決めされたときに、体積領域において焦点合わせされたスポットまたは線によってスキャンを行うように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。
【0202】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の可動の光学素子を選択的に位置決めする共焦点モード制御コマンドに応答して、体積領域において焦点合わせされたスポットまたは線によってスキャンを行うように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。
【0203】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の背面絞りにわたり広がる幅広の照明ビーム(共焦点モード)を供給するために、前述の可動の光学素子が選択的に位置決めされることに応答する時点に、前述の光再方向付け素子の位置の範囲を調整するように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の可動の光学素子を選択的に位置決めする共焦点モード制御コマンドに応答して、複数の位置の対応する範囲にわたり前述の光再方向付け素子の位置を調整するように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。
【0204】
第2の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニングアセンブリが、スキャンモードにおいて前述の平面状の照明ビームから戻ってきたイメージ光の中間実像を生成する、光軸を備えているイメージ形成光学系と、前述の中間実像を結像させる検出モジュールと、を含んでおり、光センサが、前述の中間実像のイメージが焦点合わせされるピクセルの線形アレイまたは2次元アレイを含んでいる。検出モジュールは、前述のイメージ形成光学系の光軸に対して斜めである光軸を有しており、これによって、1つのピクセルまたは前述のピクセルの中から選択された1つのピクセルは、共焦点モードにおいては、共焦点ピンホールまたはスリットのように機能することができ、またこれによって、スキャンモードにおいては、前述の検出モジュールの光軸とイメージ形成光学系の光軸とが成す角度が、前述の検出モジュールによって結像された、前述の平面状の照明ビームに沿った複数の地点の軸線方向における位置の変化の補正にとって有効である。
【0205】
1つまたは複数の第3の実施の形態においては、顕微鏡が、3次元ビューを生成するために、連続的または不連続的な平面状の照明ビームを、目標となる体積に照明してイメージングを行う。顕微鏡は、一次イメージング光学コンポーネント、光源、スキャニング/デスキャニング素子、および二次イメージング光学コンポーネントを含んでいる。一次イメージング光学コンポーネントは、対物レンズを有しており、この対物レンズを、対象物支持部に対して相対的に位置決めすることができる。第1の光学アセンブリは、対物レンズと協働して、前述の対物レンズの前面の領域において平面状のサブ領域の第1の中間イメージを生成するように選択された光学素子を有している。スキャニング/デスキャニング素子は、対物レンズから斜めに放出される光の掃引シートを生成するために、光源からの照明光を方向付け、第1の光学アセンブリを通過させる、可動の光再方向付け素子を有しており、この光の掃引シートによって前述の領域の体積にわたるスキャニングが行われる。スキャニング/デスキャニング素子の可動の光再方向付け素子は、前述の光のシートによる掃引が行われるときに、平面状の照明ビームの焦点を前述の第1の中間イメージの平面に維持するために、さらに、第1の光学アセンブリから受信したイメージ光を方向付ける。二次イメージング光学コンポーネントは、一次イメージング光学コンポーネントの光軸および前述の第1の中間イメージの平面の垂線を有している角度に関して斜めの第1の角度を形成する光軸を有しており、これによって斜めの角度の大きさは、前述の第1の中間イメージの前述の平面に二次イメージング光学コンポーネントを焦点合わせするために要求されることになる角度よりも小さくなる。
【0206】
第3の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、二次イメージング光学コンポーネントが、光軸を備えている三次イメージング光学コンポーネントを含んでおり、この三次イメージング光学コンポーネントは、二次イメージング光学コンポーネントによって形成された第2の中間イメージをイメージング光センサに焦点合わせするように位置決めされている。
【0207】
第3の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、装置が、光軸を備えている三次イメージング光学コンポーネントを含んでおり、この光軸は、第1の角度と、一次イメージング光学コンポーネントの光軸と、の間の第2の角度に位置している。
【0208】
第3の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、一次イメージング光学コンポーネントが、第1の中間イメージは0の倍率を有するようにする別のコンポーネントを含んでいる。
【0209】
第3の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、一次イメージング光学コンポーネントが、対物レンズのものと同一の軸線収差特性を有しており、かつ第1の中間イメージの軸線収差が補償されるように配置されている別のコンポーネントを含んでいる。
【0210】
第3の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、二次イメージング光学コンポーネントが、平面を規定するセンサアレイを有しているイメージング光センサを含んでおり、センサアレイの平面に対する垂線は、二次イメージング光学コンポーネントの光軸に関して角度を成している。
【0211】
1つまたは複数の第4の実施の形態においては、目標となる体積における領域をイメージングするための顕微鏡のようなイメージング装置が、一次イメージング光学コンポーネント、二次イメージング光学コンポーネント、および角度補正素子を含んでいる。一次イメージング光学コンポーネントは、対象物支持部に対して相対的に位置決めすることができる対物レンズを有しており、第1の光学アセンブリ自体は、対物レンズと協働して、前述の対物レンズの前面の領域において平面状の領域の第1の中間イメージを生成するために有効な光学素子を有している。二次イメージング光学コンポーネントは、一次イメージング光学コンポーネントの光軸に平行な光軸を有しており、かつイメージング光センサを配置することができる背面焦平面を有している。角度補正素子は、一次イメージング光学コンポーネントと二次イメージング光学コンポーネントとの間に設けられており、かつ第1の中間イメージを二次イメージング光学コンポーネントの背面焦平面に焦点合わせする。
【0212】
第4の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、角度補正素子が、光学くさびを含んでいる。第4の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、角度補正素子が、屈折素子を含んでいる。
【0213】
第4の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、二次イメージング光学コンポーネントの光軸が、一次イメージング光学コンポーネントの光軸と共線ではない。
【0214】
第4の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、前述の背面焦平面に位置決めされているカメラセンサを含んでいる。
【0215】
第4の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、光源と、可動の光再方向付け素子を備えているスキャニング/デスキャニング素子と、を含んでおり、可動の光再方向付け素子は、対物レンズから斜めに放出される光の掃引シートを生成するために、光源からの照明光を方向付け、一次イメージング光学コンポーネントを通過させ、この光の掃引シートによって前述の領域の体積にわたるスキャニングが行われる。スキャニング/デスキャニング素子の可動の光再方向付け素子は、前述の光のシートによる掃引が行われるときに、平面状の照明ビームの焦点を前述の背面焦平面に維持するために、さらに、一次イメージング光学コンポーネントから受信したイメージ光を方向付ける。
【0216】
1つまたは複数の第5の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、制御可能な光再方向付け素子およびビームスプリッタを含んでいる。制御可能な光再方向付け素子は、体積領域を照明するために、対象物体積にわたり、光源から受信した光ビームによって掃引を行うように位置決めされている。光再方向付け素子は、さらに、光源から受信した光によって照明された対象物体積における複数の深度から光を受信し、受信した光の焦点をイメージングセンサに維持して、体積領域のイメージを形成するように位置決めおよび構成されている。ビームスプリッタは、光源から受信した光を、対象物体積における複数の深度から受信した光から分離するように配置および構成されている。光再方向付け素子は、光源から受信した光および対象物体積における複数の深度から受信した光の両方が入射する、単一の平面状の反射表面を有している。
【0217】
第5の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、ビームスプリッタが、偏光ビームスプリッタまたはダイクロイックビームスプリッタである。
【0218】
第5の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、光源からの光のシートを形成するビーム平坦化素子を含んでいる。対象物体積にわたる掃引に用いられる光は、前述の光のシートの主平面に対して垂直な実質的な成分を有している掃引方向でもって掃引される。
【0219】
第5の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光再方向付け素子が、イメージングセンサにおいて対象物体積の固定のイメージを形成するために制御され、それによって、対象物体積の特徴の変化が、イメージングセンサによって受け取られる。
【0220】
第5の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、顕微鏡が、対象物体積における異なる深度から光を受信し、かつ一次対物レンズの光軸に関する固定のイメージの斜めの向きを補償するように構成されている素子を含んでいる。
【0221】
1つまたは複数の第6の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、対物レンズおよび光源を含んでいる。対物レンズは、対物レンズによって受信されたイメージ光を捕捉して、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリへと伝送する。スキャニング/デスキャニング光学アセンブリは、光源からの光を方向付け、それによって、光の掃引シートを、対物レンズから斜めに放出させる。光の掃引シートによって、体積領域にわたるスキャンが行われる。スキャニング/デスキャニング光学アセンブリは、光センサを含んでいる。可動の光再方向付け素子は、前述の光のシートによる掃引が行われるときに、平面状の照明ビームの焦点を光センサに維持するために、体積領域から受信したイメージ光を再方向付ける。前述の焦点のイメージ光は、前述の対物レンズの光軸の両側において、この対物レンズを通過する光を含んでおり、それによって、対物レンズの絞りの中心部分が捕捉され、目標のイメージを形成するために使用される。
【0222】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の焦点のイメージ光が、前述の対物レンズの絞りの主要な部分を通過する光を含んでいる。
【0223】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、別のレンズアセンブリを含んでおり、この別のレンズアセンブリは、少なくとも軸線方向のフォーカシング収差に関して、同一の構成のものであり、対物レンズおよび別のレンズアセンブリは、対物レンズによって受信されたイメージ光が、別のレンズアセンブリと、イメージ光を反射させて別のレンズアセンブリを通過させて戻すように位置決めされている固定の反射器と、を通過するように配置されている。第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、固定の反射器が、別のレンズアセンブリの光軸に関して、所定の角度で方向付けられており、この角度は、対物レンズから斜めに掃引された光のシートの角度のうちの1つまたは複数に応じて選択されている。
【0224】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリが、可動の光再方向付け素子を含んでいる。第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光再方向付け素子が、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリの能動的に制御される光再方向付け素子によって移動される。第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、反射素子が、単一の平面状の反射表面であるかのように、光源からの光の方向の角度変化と、体積領域から受信した光の方向の角度変化と、を同一にする反射特性を有している。第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、反射素子が、単一の平面状の反射表面を有しており、この反射表面に光源からの光も、体積領域から受信した光も入射する。
【0225】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光源が、蛍光色素を含んでいる対象物において蛍光を生じさせるように選択された光を生成する。第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光源が、光の丸いビームを前述の光のシートへと平坦にするビーム平坦化光学素子を含んでいる。
【0226】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光センサが、カメラ、複数の光電子倍増素子から成る線形アレイ、および/または単一の光電子倍増素子を含んでいる。
【0227】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリが、可動の光学素子を含んでおり、この可動の光学素子は、前述の対物レンズの背面絞りの縁部へと方向付けられた光のシート(スキャンモードと表すことができる)と、前述の背面絞りにわたり広がる幅広の照明ビーム(共焦点モードと表すことができる)と、の間で照明ビームを変化させるために、光源からの光の経路に選択的に位置決めすることができる。第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光学素子が、屈折性であり、かつ光源からの光の幅を拡張させる。第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光学素子が、屈折性であり、かつ光源からの光の中心線を移動させる。
【0228】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の背面絞りにわたり広がる幅広の照明ビーム(共焦点モード)を供給するために、前述の可動の光学素子が選択的に位置決めされたときに、体積領域において焦点合わせされたスポットまたは線によってスキャンを行うように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。
【0229】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の可動の光学素子を選択的に位置決めする共焦点モード制御コマンドに応答して、体積領域において焦点合わせされたスポットまたは線によってスキャンを行うように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。
【0230】
第6の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニングアセンブリが、スキャンモードにおいて前述の平面状の照明ビームから戻ってきたイメージ光の中間実像を生成する、光軸を備えているイメージ形成光学系と、前述の中間実像を結像させる検出モジュールと、を含んでおり、光センサが、前述の中間実像のイメージが焦点合わせされるピクセルの線形アレイまたは2次元アレイを含んでいる。検出モジュールは、前述のイメージ形成光学系の光軸に対して斜めである光軸を有しており、これによって、1つのピクセルまたは前述のピクセルの中から選択された1つのピクセルは、共焦点モードにおいては、共焦点ピンホールまたはスリットのように機能することができ、またこれによって、スキャンモードにおいては、前述の検出モジュールの光軸とイメージ形成光学系の光軸とが成す角度が、前述の検出モジュールによって結像された、前述の平面状の照明ビームに沿った複数の地点の軸線方向における位置の変化の補正にとって有効である。
【0231】
1つまたは複数の第7の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、1つまたは複数のレンズ、光偏向素子、およびスキャニング/デスキャニング装置を含んでいる。1つまたは複数のレンズは、対物レンズを含んでおり、かつ対物レンズの光軸に関して斜めである平面に位置する平面状の照明ビームを形成するために、照明源からの照明ビームを、対物レンズを介して伝送するように配置されている。対物レンズは、結像されるべき対象物を位置決めすることができる前端と、その前端とは反対側の後端と、を有している。対物レンズは、絞りを有しており、この絞りを介して、イメージビームが前述の照明ビームに隣接して前端から後端へと通過し、イメージビームは、絞りの主要な部分を覆い、かつ対物レンズの光軸を通って広がる横断面を有している。光偏向素子は、対物レンズの後端から離れる方向に延びている前述の照明ビームの第1の経路に沿って位置決めされており、照明ビームおよびイメージビームは、前述の第1の経路に沿っている。光偏向素子は、前述の第1の経路に沿ったイメージビームを、照明ビームから離れるように逸らすために、対物レンズに対して相対的に形状設定、寸法設定、および位置決めされており、それによって、イメージビームは第2の経路を辿り、この第2の経路は、照明ビームが辿る第3の経路から離れる方向に進む。スキャニング/デスキャニング装置は、平面状の照明ビームが、前述の対物レンズの前端近傍の体積を掃引し、かつ平面状の照明ビームの焦点が、掃引中に常に検出器に維持されるように、イメージビームおよび照明ビームそれぞれをスキャンおよびデスキャンさせるように位置決めされている。
【0232】
第7の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニング装置が、光偏向素子または音響光学偏向器を旋回させるモータを含んでいる。
【0233】
第7の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光偏向素子が、V字型の反射表面を有している。
【0234】
1つまたは複数の第8の実施の形態においては、マルチモード顕微鏡が、顕微鏡対物レンズ、照明コンポーネント、受信コンポーネント、スキャニング/デスキャニング素子、および光検出モジュールを含んでいる。顕微鏡対物レンズは、絞りおよび光軸を有している。照明コンポーネントは、選択的に第1のビームおよび第2のビームを生成するように構成されており、第1のビームは、対物レンズの絞りの大部分にわたり広がる幅を有しており、かつ前述の光軸にセンタリングされているか、または前述の光軸に関してオフセットされており、第2のビームは、第1のビームよりも小さい絞りの領域および対物レンズの絞りの一方の側に制限されている。受信コンポーネントは、照明ビームの伝播方向とは反対方向に伝播する、前述の絞りを介して受信した光を構成するイメージビームを受信するように位置決めされており、このイメージビームは、前述の絞りの大部分にわたり広がっている。スキャニング/デスキャニング素子は、第1のビーム、第2のビーム、およびイメージビームの経路に可動の光リダイレクタを含んでおり、この可動の光リダイレクタは、照明ビームのスキャンを行い、かつ前述の第1のビームおよび第2のビームならびに前述のイメージビームのそれぞれのデスキャンを行うように位置決めされている。光検出モジュールは、光リダイレクタからの光を受信するように位置決めされており、また光検出モジュールは、イメージング素子を有しており、このイメージング素子は、1つまたは2つの軸線に沿って広がる複数のピクセルを有している。光検出モジュールは、前述のイメージビームからイメージを形成して回転させ、かつそのイメージを前述のイメージング素子にマッピングさせるように適応された光学系を有しており、イメージは、体積イメージングモードにおける、対物レンズの光軸に沿った複数の深度において目標から戻ってきた光の現像を含んでいる。
【0235】
第8の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述のイメージは、対物レンズによって結像された、体積における平面の2次元のイメージを含んでおり、この平面は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。第8の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述のイメージは、対物レンズによって結像された、体積における線の2次元のイメージを含んでおり、この線は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。
【0236】
第8の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光リダイレクタが、立体的な角度範囲にわたる照明ビームおよびイメージビームのスキャンおよびデスキャンを行うために、直交する2つの軸線について旋回されるように適応されている。第8の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光リダイレクタが、所定の角度範囲にわたる照明ビームおよびイメージビームのスキャンおよびデスキャンを行うために旋回されるように適応されている。
【0237】
1つまたは複数の第9の実施の形態においては、第8の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第1のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択されたピクセルのサブセットからの光を使用すること、を含んでいる。
【0238】
1つまたは複数の第10の実施の形態においては、第8の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第1のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択された単一のピクセルからの光を使用すること、を含んでいる。
【0239】
1つまたは複数の第11の実施の形態においては、第8の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第2のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、対象物の体積のイメージを生成するために、前述の複数のピクセルの全てのピクセルからの光を使用すること、を含んでいる。
【0240】
1つまたは複数の第12の実施の形態においては、第8の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択されたピクセルのサブセットからの光を使用することを含んでいる。
【0241】
1つまたは複数の第13の実施の形態においては、第8の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択された単一のピクセルからの光を使用することを含んでいる。
【0242】
1つまたは複数の第14の実施の形態においては、第8の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、対象物の体積のイメージを生成するために、前述の複数のピクセルの全てのピクセルからの光を使用することを含んでいる。
【0243】
1つまたは複数の第15の実施の形態においては、マルチモード顕微鏡が、顕微鏡対物レンズ、照明コンポーネント、受信コンポーネント、スキャニング/デスキャニング素子、および光検出モジュールを含んでいる。顕微鏡対物レンズは、絞りおよび光軸を有している。照明コンポーネントは、選択的に第1のビームおよび第2のビームを生成するように構成されており、第1のビームは、対物レンズの絞りにわたり広がる幅を有しており、かつ前述の光軸にセンタリングされており、第2のビームは、対物レンズの絞りの一方の側における絞りのより小さい領域に制限されている。受信コンポーネントは、照明ビームの伝播方向とは反対方向に伝播する、前述の絞りを介して受信した光を構成するイメージビームを受信するように位置決めされており、このイメージビームは、前述の絞りの大部分にわたり広がっている。スキャニング/デスキャニング素子は、第1のビーム、第2のビーム、およびイメージビームの経路に可動の光リダイレクタを含んでおり、この可動の光リダイレクタは、照明ビームのスキャンを行い、かつ前述の第1のビームおよび第2のビームならびに前述のイメージビームのそれぞれのデスキャンを行うように位置決めされている。光検出モジュールは、光リダイレクタからの光を受信するように位置決めされており、また光検出モジュールは、イメージング素子を有しており、このイメージング素子は、1つまたは2つの軸線に沿って広がる複数のピクセルを有している。光検出モジュールは、前述のイメージビームからイメージを形成して回転させ、かつそのイメージを前述のイメージング素子にマッピングさせるように適応された光学系を有しており、イメージは、体積イメージングモードにおける、対物レンズの光軸に沿った複数の深度において目標から戻ってきた光の現像を含んでいる。
【0244】
第15の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述のイメージは、対物レンズによって結像された、体積における平面の2次元のイメージを含んでおり、この平面は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。第15の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述のイメージは、対物レンズによって結像された、体積における線の2次元のイメージを含んでおり、この線は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。
【0245】
第15の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光リダイレクタが、立体的な角度範囲にわたる照明ビームおよびイメージビームのスキャンおよびデスキャンを行うために、直交する2つの軸線について旋回されるように適応されている。第15の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光リダイレクタが、所定の角度範囲にわたる照明ビームおよびイメージビームのスキャンおよびデスキャンを行うために旋回されるように適応されている。
【0246】
1つまたは複数の第16の実施の形態においては、第15の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第1のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択されたピクセルのサブセットからの光を使用すること、を含んでいる。
【0247】
1つまたは複数の第17の実施の形態においては、第15の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第1のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択された単一のピクセルからの光を使用すること、を含んでいる。
【0248】
1つまたは複数の第18の実施の形態においては、第15の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第2のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、対象物の体積のイメージを生成するために、前述の複数のピクセルの全てのピクセルからの光を使用すること、を含んでいる。
【0249】
1つまたは複数の第19の実施の形態においては、第15の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択されたピクセルのサブセットからの光を使用することを含んでいる。
【0250】
1つまたは複数の第20の実施の形態においては、第15の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択された単一のピクセルからの光を使用することを含んでいる。
【0251】
1つまたは複数の第21の実施の形態においては、第15の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、対象物の体積のイメージを生成するために、前述の複数のピクセルの全てのピクセルからの光を使用することを含んでいる。
【0252】
1つまたは複数の第22の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、対物レンズ、別の光学素子、および検出モジュールを含んでいる。対物レンズは、この対物レンズの前端において体積領域からの光を受信するように配置されている。別の光学素子は、対物レンズからのイメージ光を受信し、かつ体積領域における平面状の領域の第1のイメージを形成するように配置されており、第1のイメージの平面および平面状の領域の平面は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。検出モジュールは、第1のイメージが形成される地点において別の光学素子の光軸に対して相対的な第1の角度で位置決めされている光軸を備えている第1の検出光学系を有しており、第1の角度は、別の光学素子の光軸に対して相対的な第1のイメージの第2の角度よりも小さくなるように選択されており、これによって、別の光学素子は、第1のイメージの前述の平面に対して相対的な角度を形成する平面に焦点合わせされる。検出モジュールは、前述の第1のイメージからイメージ光を受信し、かつ第1のイメージの焦点合わせされていないイメージを形成するように位置決めされている光検出器を含んでいる。
【0253】
第22の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、別の光学素子が、前述の対物レンズと実質的に同一な光学素子を含んでいる。
【0254】
第22の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、平面状の領域を通過する平面状の照明ビームの位置を変化させ、それによって平面状の領域を移動させるように適応された、スキャニング/デスキャニング素子を含んでいる。第22の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、対物レンズから受信したイメージ光を再方向付けることによって、平面状の領域の位置を変化させるように適応された、スキャニング/デスキャニング素子を含んでいる。
【0255】
1つまたは複数の第23の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、対物レンズ、別の光学素子、および検出モジュールを含んでいる。対物レンズは、この対物レンズの前端において体積領域からの光を受信するように配置されている。別の光学素子は、対物レンズからのイメージ光を受信し、かつ体積領域における平面状の領域の第1のイメージを形成するように配置されており、第1のイメージの平面および平面状の領域の平面は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。検出モジュールは、第1のイメージが形成される地点において別の光学素子の光軸に対して相対的な第1の角度で位置決めされている光軸を備えている第1の検出光学系を有しており、第1の角度は、別の光学素子の光軸に対して相対的な第1のイメージの第2の角度よりも小さくなるように選択されており、これによって、別の光学素子は、第1のイメージの前述の平面に対して相対的な角度を形成し、かつ第2のイメージを形成する平面に焦点合わせされる。検出モジュールは、前述の第2のイメージに焦点合わせされた第2の検出光学系と、第2のイメージと一致する検出表面を有するように位置決めされている光検出器と、を含んでいる。
【0256】
第23の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、別の光学素子が、前述の対物レンズと実質的に同一な光学素子を含んでいる。
【0257】
第23の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、平面状の領域を通過する平面状の照明ビームの位置を変化させ、それによって平面状の領域を移動させるように適応された、スキャニング/デスキャニング素子を含んでいる。第23の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、対物レンズから受信したイメージ光を再方向付けることによって、平面状の領域の位置を変化させるように適応された、スキャニング/デスキャニング素子を含んでいる。
【0258】
1つまたは複数の第24の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、対物レンズ、別の光学素子、検出モジュール、および光学プリズムを含んでいる。対物レンズは、この対物レンズの前端において体積領域からの光を受信するように配置されている。別の光学素子は、対物レンズからのイメージ光を受信し、かつ体積領域における平面状の領域の第1のイメージを形成するように配置されており、第1のイメージの平面および平面状の領域の平面は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。検出モジュールは、別の光学素子によって第1のイメージが形成されることになる地点において、その別の光学素子の光軸に平行に、かつその光軸に対して相対的にオフセットされて位置決めされている光軸を備えている第1の検出光学系を有している。光学プリズムは、第1の検出光学系の光軸に直交するように第1のイメージを回転させるために、別の光学素子と検出モジュールとの間に位置決めされている。検出モジュールは、前述の第1のイメージからイメージ光を受信するように位置決めされている光検出器を含んでおり、第1の検出光学系は、光検出器に第1のイメージの最終的なイメージを形成するように適応されている。
【0259】
第24の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、別の光学素子が、前述の対物レンズと実質的に同一な光学素子を含んでいる。
【0260】
第24の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、平面状の領域を通過する平面状の照明ビームの位置を変化させ、それによって平面状の領域を移動させるように適応された、スキャニング/デスキャニング素子を含んでいる。第24の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、対物レンズから受信したイメージ光を再方向付けることによって、平面状の領域の位置を変化させるように適応された、スキャニング/デスキャニング素子を含んでいる。
【0261】
1つまたは複数の第25の実施の形態においては、マルチモード顕微鏡が、顕微鏡対物レンズ、照明コンポーネント、受信コンポーネント、スキャニング/デスキャニング素子、および光検出モジュールを含んでいる。顕微鏡対物レンズは、絞りおよび光軸を有している。照明コンポーネントは、選択的に第1のビームおよび第2のビームを生成するように構成されており、第1のビームは、前述の光軸の一方の側に制限されており、また第2のビームは、その光軸の他方の側に制限されている。受信コンポーネントは、照明ビームの伝播方向とは反対方向に伝播する、前述の絞りを介して受信した光を構成するイメージビームを受信するように位置決めされており、このイメージビームは、前述の絞りの大部分にわたり広がっている。スキャニング/デスキャニング素子は、第1のビーム、第2のビーム、およびイメージビームの経路に可動の光リダイレクタを含んでおり、この可動の光リダイレクタは、照明ビームのスキャンを行い、かつ前述の第1のビームおよび第2のビームならびに前述のイメージビームのそれぞれのデスキャンを行うように位置決めされている。光検出モジュールは、光リダイレクタからの光を受信するように位置決めされており、また光検出モジュールは、イメージング素子を有しており、このイメージング素子は、1つまたは2つの軸線に沿って広がる複数のピクセルを有している。光検出モジュールは、前述のイメージビームからイメージを形成して回転させ、かつそのイメージを前述のイメージング素子にマッピングさせるように適応された光学系を有しており、イメージは、体積イメージングモードにおける、対物レンズの光軸に沿った複数の深度において目標から戻ってきた光の現像を含んでいる。
【0262】
第25の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述のイメージは、対物レンズによって結像された、体積における平面の2次元のイメージを含んでおり、この平面は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。第25の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述のイメージは、対物レンズによって結像された、体積における線の2次元のイメージを含んでおり、この線は、対物レンズの光軸に対して相対的に斜めである。
【0263】
第25の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光リダイレクタが、立体的な角度範囲にわたる照明ビームおよびイメージビームのスキャンおよびデスキャンを行うために、直交する2つの軸線について旋回されるように適応されている。第25の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、可動の光リダイレクタが、所定の角度範囲にわたる照明ビームおよびイメージビームのスキャンおよびデスキャンを行うために旋回されるように適応されている。
【0264】
1つまたは複数の第26の実施の形態においては、第25の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第1のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択されたピクセルのサブセットからの光を使用すること、を含んでいる。
【0265】
1つまたは複数の第27の実施の形態においては、第25の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第1のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択された単一のピクセルからの光を使用すること、を含んでいる。
【0266】
1つまたは複数の第28の実施の形態においては、第25の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、第2のビームを生成するように照明コンポーネントを構成すること、対象物の体積のイメージを生成するために、前述の複数のピクセルの全てのピクセルからの光を使用すること、を含んでいる。
【0267】
1つまたは複数の第29の実施の形態においては、第25の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択されたピクセルのサブセットからの光を使用することを含んでいる。
【0268】
1つまたは複数の第30の実施の形態においては、第25の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、共焦点モード中に単一の地点から生じる前述のイメージビームにおける光を判別するために、複数のピクセルから選択された単一のピクセルからの光を使用することを含んでいる。
【0269】
1つまたは複数の第31の実施の形態においては、第25の実施の形態のうちのいずれかの顕微鏡を使用する方法が、対象物の体積のイメージを生成するために、前述の複数のピクセルの全てのピクセルからの光を使用することを含んでいる。
【0270】
1つまたは複数の第32の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、1つまたは複数のレンズ、光偏向素子、および調整メカニズムを含んでいる。対物レンズを含む1つまたは複数のレンズは、対物レンズの光軸に関して斜めである平面に位置する平面状の照明ビームを形成するために、照明源からの照明ビームを、対物レンズを介して伝送するように配置されている。対物レンズは、結像されるべき対象物を位置決めすることができる前端と、その前端とは反対側の後端と、を有している。対物レンズは、絞りを有しており、この絞りを介して、イメージビームが前述の照明ビームに隣接して前端から後端へと通過する。光偏向素子は、対物レンズの後端から離れる方向に延びている前述の照明ビームの第1の経路に沿って位置決めされており、照明ビームおよびイメージビームは、前述の第1の経路に沿って隣接している。光偏向素子は、前述の第1の経路に沿ったイメージビームを、照明ビームから離れるように逸らすために、対物レンズに対して相対的に形状設定、寸法設定、および位置決めされており、それによって、イメージビームは第2の経路を辿り、この第2の経路は、照明ビームが辿る第3の経路から離れる方向に進む。スキャニング/デスキャニング装置は、平面状の照明ビームが、前述の対物レンズの前端近傍の体積を掃引し、かつ平面状の照明ビームの焦点が検出器に維持されるように、イメージビームおよび照明ビームそれぞれをスキャンおよびデスキャンさせるように位置決めされており、これによって、複数の平面状の照明ビームの平面が掃引によって規定され、それらの平面は、無限に続くインスタンスであるか、または離散的なインスタンスである。調整メカニズムによって、1つまたは複数のレンズの間隔を調整して、前述の平面の隣接するインスタンス間の近位間隔および角度を調整することができる。
【0271】
1つまたは複数の第33の実施の形態においては、イメージング装置、例えば顕微鏡が、光再方向付け素子およびビームスプリッタを含んでいる。光再方向付け素子は、対象物体積の軸線方向の広がりに沿って線を照明するために、その対象物体積にわたり、光源から受信した光ビームによって掃引を行うように位置決めされている。光再方向付け素子は、さらに、光源から受信した光によって照明された対象物体積における複数の深度から光を受信し、受信した光の焦点をイメージングセンサに維持して、体積領域のイメージを形成するように位置決めおよび構成されている。ビームスプリッタは、光源から受信した光を、対象物体積における複数の深度から受信した光から分離するように配置および構成されている。光再方向付け素子は、光源から受信した光および対象物体積における複数の深度から受信した光の両方が入射する、1つまたは複数の平面状の反射表面を有している。
【0272】
第33の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、ビームスプリッタが、偏光ビームスプリッタまたはダイクロイックビームスプリッタである。
【0273】
第33の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージング装置がさらに、光源に由来する光から成る光のシートを形成するビーム平坦化素子を含んでおり、対象物体積にわたる掃引に用いられる光は、前述の光のシートの主平面に対して垂直な実質的な成分を有している掃引方向でもって掃引される。
【0274】
第33の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光再方向付け素子が、イメージングセンサにおいて対象物体積の固定のイメージを形成するために制御され、それによって、対象物体積の特徴の変化が、イメージングセンサによって受け取られる。
【0275】
第33の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、顕微鏡が、対象物体積における異なる深度から光を受信し、かつ一次対物レンズの光軸に関する固定のイメージの斜めの向きを補償するように構成されている素子を含んでいる。
【0276】
1つまたは複数の第34の実施の形態においては、対象物をイメージングするための方法が、照明ビームのスキャニングおよびイメージビームのデスキャニングそれぞれを、対象物体積に光を供給するために、光リダイレクタを使用して、光源からの照明ビームを再方向付けることによって、かつ第1の方向に沿った異なる場所からの光の個々の測定値を検出することができる光検出器に前述の光を供給するために、対象物体積における異なる深度からの光を含んでいるイメージビームを光リダイレクタに再方向付けることによって、行うこと、対象物体積に供給された照明ビームをイメージビームから分離するためにビームスプリッタを使用すること、および対象物体積の照明された領域の固定のイメージを光検出器に供給するために、前述のスキャニングおよびデスキャニング中に光リダイレクタを制御すること、を含んでいる。
【0277】
第34の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームが、対象物における平面を照明する平面状のビームを含んでいる。
【0278】
第34の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法が、対象物体積に供給されるべき光源からの光を屈折させること、または光リダイレクタに供給されるべき対象物体積における異なる深度からの光を屈折させることを含んでいる。
【0279】
第34の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法が、対象物体積における平面を照明するために、光源から受信した光を屈折させることを含んでいる。
【0280】
第34の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法が、対象物体積における異なる深度から受信した光をフィルタリングして、フィルタリングされた固定のイメージをスキャン中に前述の光検出器に供給することを含んでいる。
【0281】
第34の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法が、光検出器によって検出されたスキャンデータを、対象物体積における複数の場所に対応する適切なイメージピクセル位置における2次元(2D)または3次元(3D)のイメージデータに変換することを含んでいる。
【0282】
第34の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法が、対象物体積における異なる深度から受信した光を、固定のイメージの向きに関して補償することを含んでいる。
【0283】
第34の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法が、対象物体積における異なる深度からの光のビーム幅を、絞りを用いて変更することを含んでいる。
【0284】
1つまたは複数の第35の実施の形態においては、イメージングを行うための方法が、照明ビームを、対象物に向かって対物レンズを通過させ、対物レンズの光軸に沿って複数の深度を通過させること、複数の深度から戻ってきた光を含んでいる、対物レンズを介して対象物から戻ってきたイメージ光を受信すること、照明ビームを複数の場所にわたり、対物レンズの光軸の横方向に移動させるために照明ビームを制御すること、および照明ビームが移動されるときに、光検出器の各部分において、複数の深度から戻ってきた光の固定のイメージを生成するために対物レンズを介して戻ってきたイメージ光を制御すること、を含んでいる。前述の制御は、照明ビームおよび対物レンズを介して戻ってきた光が、共通の絞りを介して伝播する、隣接する経路を辿るようにすることである。この方法は、さらに、前述の共通の絞りにおいて、イメージ光を照明ビームおよびイメージ光から分離させることを含むことができる。
【0285】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の分離が、ビームスプリッタを使用して実行される。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、ビームスプリッタが、ダイクロイックビームスプリッタであり、イメージ光および照明ビームが、異なる波長特性を有している。
【0286】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、対物レンズを介して戻ってきた光を制御することが、イメージ光を第1の方向において光学アセンブリを通過させること、および固定のミラーからイメージ光を反射させて、そのイメージ光が反対方向において再び同一の光学アセンブリを通過して戻ってくるように方向付けること、を含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光学アセンブリが、フォーカシング光学系を含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光学アセンブリが、照明ビームによって照明された対象物における特徴の中間実像を形成するために有効である。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光学アセンブリが、前述の対物レンズと同一である。
【0287】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、対物レンズを介して戻ってきたイメージ光を制御することが、照明ビームの移動の各瞬間に、光検出器の各位置において、複数の深度から戻ってきた光の固定のイメージを生成するために有効である。
【0288】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、光源からの照明ビームを可動のミラーに方向付けることを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージ光を制御することが、イメージ光を同一の可動のミラーに方向付けることを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームおよびイメージ光が、同一の可動のミラーに向かって、共通の絞りを通過する。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、同一の可動のミラーが、照明ビームおよびイメージ光の両方を再方向付ける、単一の連続的な平面状の反射表面を有している。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、固定のミラーが、光学アセンブリの光軸に関して、所定の角度で方向付けられている。
【0289】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームの波長特性が、事前に規定された色素の蛍光を生じさせるように選択されており、かつ前述の方法がさらに、前述の事前に規定された色素を前述の対象物の組成に組み込むことを含んでいる。
【0290】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、前述の可動のミラーをモータによって作動させることを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、前述の可動のミラーをガルボモータによって作動させることを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、前述の可動のミラーを、事前に規定されたスキャンシーケンスを実施するプロセッサによって制御されるモータによって作動させることを含んでいる。
【0291】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、光源からの照明ビームを、プロセッサ制御式の光リダイレクタに方向付けることを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光リダイレクタが、モータ作動型の反射素子、モータ作動型の屈折素子、ディジタルマイクロミラー装置(DMD)、微小電気機械システム(MEMS)光導波路、ミラー、または他の適切なMEMS装置、光ファイババンドル、音響光学偏向器(AOD)、空間光変調器(SLM)または他の技術、例えば第1の光リダイレクタと照明光およびイメージ光との特定の空間的な関係を提供するために制御することができる光ダイレクタとして使用することができるMEMS、DMD、またはSLM装置のうちの1つを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光再方向付け素子が、光源からの照明ビームの方向の角度変化と、対象物から受信したイメージ光の方向の角度変化と、を同一にする反射特性を備えた反射素子を含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光リダイレクタが、入射するイメージ光および照明ビームの両方に同一の角度変化を生じさせる。
【0292】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光検出器が、カメラ、CCDセンサ、および/または線形光電子倍増アレイを含んでいる。
【0293】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法がさらに、照明ビームを調節し、それによって照明ビームが平坦な横断面を有するようにすることを含んでいる。
【0294】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することは、照明ビームを非連続的なパターンで移動させるために有効である。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することは、照明ビームを、非線形部分を含んでいるパターンで移動させるために有効である。
【0295】
第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法がさらに、前述の照明ビームの幅を変更すること、および前述の対象物における焦点および焦線から戻ってきた光を判別するために、前述の光検出器から受信したイメージデータを処理すること、を含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の処理が、イメージにおける不鮮明を除去するために、イメージデータをデコンボリューションすることを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の処理が、事前に規定されたピクセルからデータを選択し、光検出器をスリット絞りまたはピンホールのように機能させることを含んでいる。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の幅が変更されているときに、照明ビームの制御によって、焦点または焦線が対物レンズから単一の軸線方向の距離で平面を移動する。第35の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の変更が、深さ分解イメージングモードから共焦点モードへと変更するためのコマンドに応答する。
【0296】
1つまたは複数の第36の実施の形態においては、イメージングを行うための方法が、照明ビームを、対象物に向かって対物レンズを通過させること、対物レンズの光軸に沿って複数の深度を通過させること、複数の深度から戻ってきた光を含んでいる、対物レンズを介して対象物から戻ってきたイメージ光を受信すること、照明ビームを複数の場所にわたり、対物レンズの光軸の横方向に移動させるために照明ビームを制御すること、および照明ビームが移動されるときに、光検出器の各部分において、複数の深度から戻ってきた光の固定のイメージを生成するために対物レンズを介して戻ってきたイメージ光を制御すること、を含んでいる。イメージ光を制御することは、イメージ光を、中間イメージを生成するためのフォーカシング光学系と、中間イメージの平面ではなく、その中間イメージの平面と交差する平面にあるフォーカシング光学系と、を通過させること、および前述のフォーカシング光学系を使用して、前述の光検出器において前述の中間イメージから前述の固定のイメージを生成すること、を含んでいる。
【0297】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第1の制御ステップおよび第2の制御ステップは、照明ビームおよび対物レンズを介して戻ってきた光が、共通の絞りを介して伝播する、隣接する経路を辿るようにすることである。
【0298】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の方法がさらに、前述の共通の絞りにおいて、イメージ光を照明ビームおよびイメージ光から分離させることを含んでいる。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の分離が、ビームスプリッタを使用して実行される。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、ビームスプリッタが、ダイクロイックビームスプリッタであり、イメージ光および照明ビームが、異なる波長特性を有している。
【0299】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、光源からの照明ビームを可動のミラーに方向付けることを含んでいる。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、イメージ光を制御することが、イメージ光を同一の可動のミラーに方向付けることを含んでいる。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームおよびイメージ光が、同一の可動のミラーに向かって、共通の絞りを通過する。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、同一の可動のミラーが、照明ビームおよびイメージ光の両方を再方向付ける、単一の連続的な平面状の反射表面を有している。
【0300】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームの波長特性が、事前に規定された色素の蛍光を生じさせるように選択されており、かつ前述の方法がさらに、前述の事前に規定された色素を前述の対象物の組成に組み込むことを含んでいる。
【0301】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、前述の可動のミラーをモータによって作動させることを含んでいる。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、前述の可動のミラーをガルボモータによって作動させることを含んでいる。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、前述の可動のミラーを、事前に規定されたスキャンシーケンスを実施するプロセッサによって制御されるモータによって作動させることを含んでいる。
【0302】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明ビームを制御することが、光源からの照明ビームをプロセッサ制御式の光リダイレクタに方向付けることを含んでいる。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光リダイレクタが、モータ作動型の反射素子、モータ作動型の屈折素子、ディジタルマイクロミラー装置(DMD)、微小電気機械システム(MEMS)光導波路、ミラー、または他の適切なMEMS装置、光ファイババンドル、音響光学偏向器(AOD)、空間光変調器(SLM)または他の技術、例えば第1の光リダイレクタと照明光およびイメージ光との特定の空間的な関係を提供するために制御することができる光ダイレクタとして使用することができるMEMS、DMD、またはSLM装置のうちの1つを含んでいる。
【0303】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光リダイレクタが、光源からの照明ビームの方向の角度変化と、対象物から受信したイメージ光の方向の角度変化と、を同一にする反射特性を備えた反射素子を含んでいる。第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光リダイレクタが、入射するイメージ光および照明ビームの両方に同一の角度変化を生じさせる。
【0304】
第36の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光検出器が、カメラ、CCDセンサ、および/または線形光電子倍増アレイを含んでいる。
【0305】
1つまたは複数の第37の実施の形態においては、イメージングを行うための方法が、照明ビームを、対象物に向かって対物レンズを通過させること、対物レンズの光軸に沿って複数の深度を通過させること、複数の深度から戻ってきた光を含んでいる、対物レンズを介して対象物から戻ってきたイメージ光を受信すること、照明ビームを複数の場所にわたり、対物レンズの光軸の横方向に移動させるために照明ビームを制御すること、および照明ビームが移動されるときに、光検出器の各部分において、複数の深度から戻ってきた光の固定のイメージを生成するために対物レンズを介して戻ってきたイメージ光を制御すること、を含んでいる。イメージ光を制御することは、イメージ光を、複数の深度から戻ってきた前述の光の中間イメージを生成するように構成されているフォーカシング光学系を通過させることを含んでいる。前述の方法はさらに、フォーカシング光学系において光を受信すること、および受信した光における光線を回転させることを含むことができ、フォーカシング光学系は、光を受信しない場合には、前述の中間イメージを形成することになる。
【0306】
第37の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、ビームを回転させることが、光線を、光学くさびを通過させることを含んでいる。
【0307】
1つまたは複数の第38の実施の形態においては、対象物のイメージを形成するための方法が、第1の光学アセンブリの光軸に対して相対的な第1の角度を形成する主要な寸法を有している領域を光が照明するように、所定の経路に沿って所定の倍率を有している第1のレンズを介して光を対象物に投影すること、第1の光学アセンブリを介して、対象物の前述の領域からのイメージ光を捕捉し、前述の捕捉されたイメージ光を焦点合わせするために、前述のイメージ光を、第1の光学アセンブリの背面絞りを介して、第1の光学アセンブリの倍率よりも大きい第2の倍率を有している第2の光学アセンブリの絞りに中継すること、捕捉されたイメージ光が第2の光学アセンブリによって焦点合わせされる地点が第2の光学アセンブリと第3の光学アセンブリとの間に位置するように配置された第3の光学アセンブリを使用し、第2の光学アセンブリからの光を捕捉し、その捕捉された光から、照明された領域のイメージを形成すること、を含んでいる。結果として、第2の光学アセンブリの光軸に対する、第2の光学アセンブリと第3の光学アセンブリとの間で中継された中間イメージによって形成される角度は、第2の光学アセンブリの倍率が第1の光学アセンブリの倍率と同一であった場合の同一のイメージの角度に比べて低減されている。
【0308】
第38の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリおよび第3の光学アセンブリが、同一の光学アセンブリである。第38の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第3の光学アセンブリを使用することが、イメージ光をミラーから、第2の光学アセンブリへと戻すように反射させることを含んでおり、これによって、第2の光学アセンブリが、第3の光学アセンブリとして動作する。第38の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリおよび第3の光学アセンブリが、物理的に異なる装置であり、かつ異なる倍率を有している。第38の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリの光軸と、第3の光学アセンブリの光軸と、によって角度が形成される。第38の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリからの光を捕捉することが、光を、プリズムを通過させることを含んでおり、これによって、対象物における異なる深度からの光が、前述のプリズムにおいて異なる経路長を有する。第38の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、より大きい倍率とプリズムの複数の経路長との組合せによって、第2の光学アセンブリと第3の光学アセンブリとの間で中間イメージの回転が生じる。
【0309】
1つまたは複数の第39の実施の形態においては、対象物のイメージを形成するための方法が、第1の光学アセンブリの光軸に対して相対的な第1の角度を形成する主要な寸法を有している領域を光が照明するように、所定の経路に沿って第1のレンズを介して光を対象物に投影すること、第1の光学アセンブリを介して、対象物の前述の領域からのイメージ光を捕捉し、前述の捕捉されたイメージ光を焦点合わせするために、前述のイメージ光を、第1の光学アセンブリの背面絞りおよび偏光ビームスプリッタを介して、第2の光学アセンブリの絞りに中継すること、イメージ光がイメージング装置に反射されるように、イメージ光を、第2の光学アセンブリおよび偏光ビームスプリッタへと戻すように反射させること、前述の捕捉されたイメージ光を焦点合わせするために、そのイメージ光を前述の偏光ビームスプリッタから第3の光学アセンブリの絞りへと反射させることによって、第1の光学アセンブリの前述の背面絞りを介して、前述のイメージ光を中継すること、イメージ光を、第3の光学アセンブリおよび偏光ビームスプリッタを通過させて、イメージング装置へと反射させること、を含んでいる。結果として、前述の偏光ビームスプリッタを最初に通過し、そこから最初に反射されたイメージング光が、前述のイメージング装置へと方向付けられる。
【0310】
第39の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリの光学的な特性および第3の光学アセンブリの光学的な特性が同一である。
【0311】
1つまたは複数の第40の実施の形態においては、対象物のイメージを形成するための方法が、第1の時点に、第1の光学アセンブリの光軸に対して相対的な第1の角度を形成する主要な寸法を有している第1の領域を光が照明するように、所定の経路に沿って第1のレンズを介して光を対象物に投影すること、第2の時点に、第1の光学アセンブリの光軸に対して相対的な第2の角度を形成する主要な寸法を有している第2の領域を光が照明するように、所定の経路に沿って第1のレンズを介して光を対象物に投影すること、第1の光学アセンブリを介して、対象物の前述の第1の領域からのイメージ光を捕捉し、前述の捕捉されたイメージ光を焦点合わせするために、前述のイメージ光を、第1の光学アセンブリの背面絞りおよび偏光ビームスプリッタを介して、第2の光学アセンブリの絞りに中継すること、前述のイメージ光がイメージング装置に反射されるように、イメージ光を、前記の第1の領域から、第2の光学アセンブリおよび偏光ビームスプリッタへと戻すように反射させること、前述の捕捉されたイメージ光を焦点合わせするために、そのイメージ光を前述の偏光ビームスプリッタから第3の光学アセンブリの絞りへと反射させることによって、第1の光学アセンブリの前述の背面絞りを介して、前述のイメージ光を対象物の前述の第2の領域から中継すること、前述のイメージ光を前述の第2の領域から第3の光学アセンブリおよび偏光ビームスプリッタを通過させて、イメージング装置へと反射させること、を含んでおり、これによって、前述の偏光ビームスプリッタを最初に通過し、そこから最初に反射されたイメージング光が、前述のイメージング装置へと方向付けられる。
【0312】
第40の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第1の角度および第2の角度が等しく、かつ反対方向に方向付けられている。第40の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第1の領域と第2の領域が交差する。第40の実施の形態または他のいずれかの実施の形態は、光検出アレイの各部分において、第1の領域および第2の領域からのイメージ光からイメージを形成するために、イメージ光を分割することを含むことができる。第40の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリの光学的な特性および第3の光学アセンブリの光学的な特性が同一である。
【0313】
1つまたは複数の第41の実施の形態においては、対象物をイメージングする方法が、各時点において、光をシートとして対象物の複数の深度に投影すること、対象物における同一の特徴が異なる方向で陰を生じさせるようにするために、シートの平面において複数の角度で光のシートを傾斜させること、複数の深度からのイメージ光を捕捉し、その捕捉されたイメージ光から、前述の複数の角度のそれぞれ異なる角度にそれぞれが対応し、かつそれぞれが1つの深度に対応する部分を有している、複数のイメージを形成すること、および単一のイメージを形成するために複数のイメージを組み合わせること、を含んでいる。
【0314】
第41の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の組合せが、別のイメージにおける領域を使用して、1つのイメージにおいて陰が生じた領域を補償することを含んでいる。第41の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、前述の投影が、対物レンズの光軸に対して相対的な角度を形成する光シートを形成することを含んでおり、また前述の捕捉が、対象物から受信した光を、同一の対物レンズを通過させることを含んでおり、さらに前述の方法が、前述の投影、傾斜および捕捉の各ステップを、光軸に対して相対的な前述の光シートの複数の位置または角度に関して繰り返すことを含んでおり、これによって、前述の光のシートによるスキャンが行われ、また前述の複数のイメージの形成が、イメージ光をデスキャニングさせ、それによって前述の複数のイメージを前述の繰返しの間に固定させることを含んでいる。
【0315】
1つまたは複数の第42の実施の形態においては、光学イメージング装置が、ビームスプリッタ、第1の光スキャニング素子、第2の光スキャニング素子、対物レンズ、照明源、および光検出器を含んでいる。照明源は、ビームスプリッタおよび第1の光スキャニング素子を含んでいる第1の光路を介して、対物レンズに照明光を送出する。ビームスプリッタおよび第1の光スキャニング素子は、照明光を対物レンズの周縁領域へと再方向付け、それによって照明光は、対物レンズを通過し、組織において斜めのイメージング面を形成する。組織における斜めのイメージング面の位置は、第1の光スキャニング素子の向きに応じて変化する。対物レンズは、斜めのイメージング面から戻ってきた光を受け取って、戻ってきた光を、ビームスプリッタおよび第2の光スキャニング素子を含んでいる第2の光路に送り、またビームスプリッタおよび第2の光スキャニング素子は、固定の傾斜した中間イメージ面を形成するために、戻ってきた光を第2の光路に沿って進ませる。光検出器は、固定の傾斜した中間イメージ面のイメージを捕捉する。
【0316】
第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、単一の反射表面が、第1の光スキャニング素子としても、第2の光スキャニング素子としても使用される。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、照明光が、単一の反射表面に到達する前に、ビームスプリッタに到達し、かつ戻ってきた光が、ビームスプリッタに到達する前に、単一の反射表面に到達する。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、装置がさらに、第1の光路および第2の光路の両方に配置されている望遠鏡を含んでいる。照明光は、望遠鏡に到達する前に、単一の反射表面に到達し、かつ照明光は、対物レンズに到達する前に、望遠鏡に到達する。戻ってきた光は、望遠鏡に到達する前に、対物レンズに到達し、かつ戻ってきた光は、単一の反射表面に到達する前に、望遠鏡に到達する。
【0317】
第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第1の光スキャニング素子および第2の光スキャニング素子が、相互に同期して移動する異なる反射表面を使用する。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、照明光が、ビームスプリッタに到達する前に、第1の光スキャニング素子に到達し、かつ戻ってきた光が、第2の光スキャニング素子に到達する前に、ビームスプリッタに到達する。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、装置がさらに、第1の光路に配置されている照明望遠鏡と、第2の光路に配置されている戻り光望遠鏡と、を含んでいる。照明光は、照明望遠鏡に到達する前に、第1の光スキャニング素子に到達し、かつ照明光は、対物レンズに到達する前に、照明望遠鏡に到達する。戻ってきた光は、戻り光望遠鏡に到達する前に、対物レンズに到達し、かつ戻ってきた光は、第2の光スキャニング素子に到達する前に、戻り光望遠鏡に到達する。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、第1の光スキャニング素子および第2の光スキャニング素子が、機械的に相互に独立している。
【0318】
第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光検出器が、固定の傾斜された中間イメージ面に直接的に位置決めされている。第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光検出器が、固定の傾斜した中間イメージ面から離れた場所に位置決めされており、また光学イメージング装置がさらに、固定の傾斜した中間イメージ面からの光を光検出器へと進ませる少なくとも1つの望遠鏡を含んでいる。第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光検出器が、固定の傾斜した中間イメージ面から離れた場所に位置決めされており、また光学イメージング装置がさらに、固定の傾斜した中間イメージ面からの光を光検出器へと進ませる光ファイババンドルを含んでいる。
【0319】
第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明源が、ペンシルビームを生成するレーザと、ペンシルビームを光のシートへと拡張させる補助光スキャニング素子と、を含んでおり、かつ光検出器が、線形イメージセンサを含んでいる。第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明源が、ペンシルビームを生成するレーザと、ペンシルビームを光のシートへと拡張させるシリンドリカルレンズと、を含んでおり、かつ光検出器が、2Dイメージセンサを含んでいる。
【0320】
第42の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、戻ってきた光が、照明光による斜めのイメージング面における組織の照明に応答して、斜めのイメージング面において組織から放出された蛍光を含んでいる。
【0321】
1つまたは複数の第43の実施の形態においては、光学イメージング装置が、ビームスプリッタ、光スキャニング素子、対物レンズ、照明源、および光検出器を含んでいる。照明源は、ビームスプリッタおよび光スキャニング素子を含んでいる第1の光路を介して、対物レンズに照明光を送出する。ビームスプリッタおよび光スキャニング素子は、照明光を対物レンズの周縁領域へと再方向付け、それによって照明光は、対物レンズを通過し、組織において斜めのイメージング面を形成し、組織における斜めのイメージング面の位置は、光スキャニング素子の向きに応じて変化する。対物レンズは、斜めのイメージング面から戻ってきた光を受け取って、ビームスプリッタおよび光スキャニング素子を含んでいる第2の光路に送り、またビームスプリッタおよび光スキャニング素子は、固定の傾斜した中間イメージ面を形成するために、戻ってきた光を第2の光路に沿って進ませる。光検出器は、固定の傾斜した中間イメージ面のイメージを捕捉する。
【0322】
第43の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光スキャニング素子が、単一の平面状の反射表面だけを有している。
【0323】
第43の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、照明光が、光スキャニング素子に到達する前に、ビームスプリッタに到達し、かつ戻ってきた光が、ビームスプリッタに到達する前に、光スキャニング素子に到達する。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、装置がさらに、第1の光路および第2の光路の両方に配置されている望遠鏡を含んでおり、照明光が、望遠鏡に到達する前に、光スキャニング素子に到達し、照明光が、対物レンズに到達する前に、望遠鏡に到達し、戻ってきた光が、望遠鏡に到達する前に、対物レンズに到達し、かつ戻ってきた光が、光スキャニング素子に到達する前に、望遠鏡に到達する。
【0324】
1つまたは複数の第44の実施の形態においては、光学イメージングのための方法が、ビームスプリッタおよび第1の光スキャニング素子を含んでいる第1の光路を介して、対物レンズに照明光を送出することを含んでいる。照明光は、対物レンズの周縁領域へと再方向付けられ、それによって照明光は、対物レンズを通過し、組織において斜めのイメージング面を形成し、組織における斜めのイメージング面の位置は、第1の光スキャニング素子の向きに応じて変化する。戻ってきた光は、固定の傾斜した中間イメージ面を形成するために、斜めのイメージング面から、ビームスプリッタおよび第2の光スキャニング素子を含んでいる第2の光路に沿って進む。固定の傾斜した中間イメージ面のイメージが捕捉される。
【0325】
第44の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、単一の反射表面が、第1の光スキャニング素子としても、第2の光スキャニング素子としても使用される。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、照明光が、単一の反射表面に到達する前に、ビームスプリッタに到達し、かつ戻ってきた光が、ビームスプリッタに到達する前に、単一の反射表面に到達する。
【0326】
第44の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、第1の光スキャニング素子および第2の光スキャニング素子が、相互に同期して移動する異なる反射表面を使用する。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、照明光が、ビームスプリッタに到達する前に、第1の光スキャニング素子に到達し、かつ戻ってきた光が、第2の光スキャニング素子に到達する前に、ビームスプリッタに到達する。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、第1の光スキャニング素子および第2の光スキャニング素子が、機械的に相互に独立している。
【0327】
1つまたは複数の第45の実施の形態においては、イメージング装置が、対物レンズおよび別の光学アセンブリ、光源、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリ、光センサ、光再方向付け素子、およびビームスプリッタを含んでいる。対物レンズおよび別の光学アセンブリは、対物レンズによって受信されたイメージ光が、別の光学アセンブリを通過するように配置されている。スキャニング/デスキャニング光学アセンブリは、光再方向付け素子を有しており、この光再方向付け素子は、光源からの照明光を方向付け、照明ビームを、対物レンズを通過させ、かつ体積領域にわたり複数の深度において、体積領域の複数の位置および/または角度に投影し、それによって体積領域にわたる照明ビームによるスキャンが行われる。光再方向付け素子は、体積領域から受信したイメージ光を光センサに再方向付ける。前述の別の光学アセンブリの光学的な特性と協働して、前述の照明ビームによってスキャンが行われるときに、照明ビームによって照明された領域から戻ってくる光の焦点を光センサに維持することが有効である。ビームスプリッタは、イメージ光および照明光が、対物レンズを介して、隣接している経路を辿るが、しかしながら対物レンズから離れた別個の経路を辿るように位置決めされている分岐点を形成するように配置されている。
【0328】
第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、装置がさらに、イメージ光を反射させて別の光学アセンブリを通過させて戻すように位置決めされている固定の反射器を含んでいる。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、固定の反射器が、別の光学アセンブリの光軸に関して、所定の角度で方向付けられており、この角度は、対物レンズおよび別の光学アセンブリによってミラーの位置に形成される中間イメージの角度に応じて選択されている。
【0329】
第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、ビームスプリッタが、ダイクロイックビームスプリッタであり、かつ前述の光源の波長が、ダイクロイックビームスプリッタの特性によって選択された、事前に規定された蛍光材料において蛍光を励起させるように選択されている。
【0330】
第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光再方向付け素子が、モータ作動型の反射素子、モータ作動型の屈折素子、ディジタルマイクロミラー装置(DMD)、微小電気機械システム(MEMS)光導波路、ミラー、または他の適切なMEMS装置、光ファイババンドル、音響光学偏向器(AOD)、空間光変調器(SLM)または他の技術、例えば第1の光リダイレクタと照明光およびイメージ光との特定の空間的な関係を提供するために制御することができる光ダイレクタとして使用することができるMEMS、DMD、またはSLM装置のうちの1つを含んでいる。
【0331】
第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光再方向付け素子が、光源からの照明光の方向の角度変化と、体積領域から受信したイメージ光の方向の角度変化と、を同一にする反射特性を備えた反射素子を含んでいる。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、反射素子が、光源からの照明光も体積領域から受信した光も入射する、単一の平面状の反射表面を有している。
【0332】
第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光源が、事前に規定された蛍光色素を含んでいる対象物において蛍光を生じさせるように選択された光を生成する。第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光センサが、カメラ、複数の光電子倍増素子から成る線形アレイ、または単一の光電子倍増素子を含んでいる。
【0333】
第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、光源が、前述の照明ビームの横断面を平坦にするビーム平坦化光学素子を含んでいる。
【0334】
第45の実施の形態または他のいずれかの実施の形態においては、スキャニング/デスキャニング光学アセンブリが、構成可能な光学素子を含んでおり、この構成可能な光学素子は、照明光の横断面の経路および形状を変更して、深さ分解モードと共焦点モードの切換えを行うために、光源からの光の経路に位置決めされており、共焦点モードにおいては、照明ビームの横断面は、より低いアスペクト比を有しており、かつ深さ分解モードにおいて辿る経路とは異なる経路を辿る。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、構成可能な光学素子が、屈折性のコンポーネントを含んでおり、この屈折性のコンポーネントは、光源に対して相対的に可動であり、かつ入射する光ビームの幅を拡張するように成形されている。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、構成可能な光学素子が、屈折性のコンポーネントを含んでおり、この屈折性のコンポーネントは、光源に対して相対的に可動であり、かつ入射する光ビームの中心線を移動させるように成形されている。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、スキャニング/デスキャニングアセンブリが、共焦点モードにおいて体積領域において焦点合わせされたスポットまたは線の位置を変化させる。それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、前述の可動の光学素子を選択的に位置決めする共焦点モード制御コマンドに応答して、体積領域において焦点合わせされたスポットまたは線によってスキャンを行うように、スキャニング/デスキャニングアセンブリが構成されている。
【0335】
それらの実施の形態のうちの一部の実施の形態においては、スキャニング/デスキャニングアセンブリが、スキャンモードにおいて前述の照明ビームから戻ってきたイメージ光の中間実像を生成する、光軸を備えているイメージ形成光学系と、前述の中間実像を結像させる検出モジュールと、を含んでおり、光センサが、前述の中間実像のイメージが焦点合わせされるピクセルの線形アレイまたは2次元アレイを含んでいる。検出モジュールは、前述のイメージ形成光学系の光軸に対して斜めである光軸を有しており、これによって、1つのピクセルまたは前述のピクセルの中から選択された1つのピクセルは、共焦点モードにおいては、共焦点ピンホールまたはスリットのように機能することができ、またこれによって、スキャンモードにおいては、前述の検出モジュールの光軸とイメージ形成光学系の光軸とが成す角度が、前述の検出モジュールによって結像された、前述の照明ビームに沿った複数の地点の軸線方向における位置の変化の補正にとって有効である。
【0336】
上記において規定したいずれの実施の形態においても、顕微鏡の列挙した特徴を、他の任意のタイプのイメージング装置において使用することができる。何故ならば、光学的な機能を他の大きさの対象物の特徴に適用することができるからである。
【0337】
照明ビーム、光のシート、照明光または他のタイプの出射励起光または出射照明光が列挙された、請求項を含む、いずれの実施の形態においても、付加的な実施の形態を成すために、構造化された照明を代用することができる。いずれの実施の形態にも、当業者には公知であるようなイメージの分解能を高めるためのイメージ処理を提供することができる。超分解能を得るために構造化された照明が使用されるべきことが公知であるようなイメージ処理は、構造化された照明との関連において、本質的に開示されているとみなされる。構造化された照明を使用する装置、方法、またはシステムのいずれにおいても、毎回異なる照明パターンで特定の領域に複数回進入させるために照明ビームを制御することによって、所定の場所において複数のイメージを取得することができるように、照明ビームの移動を制御することができる。このことを、いずれかの適切な順序で実行することができる。
【0338】
光リダイレクタが説明されている全ての実施の形態においては、光リダイレクタが、ミラー、プリズム、音響光学偏向器、電動式レンズ、空間光変調器(SLM)、ビームステアリングミラーまたはビームステアリング光学系、可撓性の光導体または光ファイバ、他のタイプの適応型光学系、もしくは出射光または入射光の方向を制御するための他の任意のメカニズムを含んでおり、また関連付けられたアクチュエータを設けることができる。さらに、関連付けられたアクチュエータを、プロセッサ、コンピュータ、スマートコントローラ、組込み型システム、もしくはプログラミング可能な制御システムの当業者には公知である技術に基づく、下記に挙げるいずれかの制御テクノロジまたはコンピュータテクノロジによって制御することができる。
【0339】
本明細書において説明する制御システムおよび/またはイメージ処理を、ハードウェア、ソフトウェアによってプログラミングされたハードウェア、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェア命令またはそれらの組合せによって実現できると理解されたい。例えば、開示した制御方法および/またはイメージ処理技術を、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されている、プログラミングされた一連の命令を実行するように構成されているプロセッサを使用して実現することができる。例えば、プロセッサには、限定を意図するものではないが、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ装置を含んでいる他のそのようなコンピューティングシステムが含まれると考えられるか、もしくはプロセッサは、集積回路、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでいる制御ロジックから構成されている。命令を、プログラミング言語、例えばJava、C++、C#.netなどに従い提供されるソースコード命令からコンパイルすることができる。またそれらの命令は、例えば、Visual BasicTM言語、Lab VIEW、もしくは他の構造化プログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語に従い提供されるコードおよびデータオブジェクトを含むことができる。プログラミングされた一連の命令およびそれらに関連付けられたデータを、非一時的なコンピュータ可読媒体、例えばコンピュータメモリまたはストレージデバイスに記憶することができ、それらのコンピュータメモリまたはストレージデバイスは、任意の適切なメモリ装置、例えば、限定を意図するものではないが、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクドライブなどであってよい。
【0340】
さらに、制御システムおよび/またはイメージ処理を、単一のプロセッサとして、または分散型のプロセッサとして実施することができる。さらに、本明細書において言及した複数のステップを、単一のプロセッサまたは分散型のプロセッサ(シングルコアおよび/またはマルチコア)において実行することができる。また、本明細書における複数の実施の形態の、またそれらの実施の形態に関する種々の図面に示したプロセス、モジュール、およびサブモジュールを、複数のコンピュータまたはシステムにわたり分散させることができるか、または単一のプロセッサまたはシステムに配置することができる。本明細書において説明した制御システムおよび/またはイメージ処理を実施することに適した、例示的な構造の代替的な実施の形態を下記に挙げる。
【0341】
上記において説明した制御システムおよび/またはイメージ処理を、例えば、プログラミングされた汎用コンピュータ、ミクロコードでプログラミングされた電子装置、ハードワイヤードのアナログロジック回路、コンピュータ可読媒体または信号に記憶されているソフトウェア、光コンピューティング装置、電子装置および/または光学装置のネットワーク化されたシステム、特定用途コンピューティング装置、集積回路装置、半導体チップ、およびコンピュータ可読媒体または信号に記憶されているソフトウェアモジュールまたはオブジェクトとして実施することができる。
【0342】
制御システムおよび/またはイメージ処理(または他のそれらのサブコンポーネントまたはモジュール)の実施の形態を、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、プログラミングされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路素子、ASICまたは他の集積回路、ディジタルシグナルプロセッサ、ハードワイヤードの電子回路または論理回路、例えば離散的な素子回路、プログラミングされた論理回路、例えばプログラマブルロジックデバイス(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)デバイス、などにおいて実施することができる。一般的に、本明細書において説明した機能またはステップを実施することができる任意のプロセスを使用して、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品(非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェアプログラム)の実施の形態を実現することができる。
【0343】
さらに、制御システムおよび/またはイメージ処理の実施の形態を、例えば、種々のコンピュータプラットフォームにおいて使用することができるポータブルなソースコードを提供するオブジェクト指向のソフトウェア開発環境またはオブジェクトを使用して、完全にまたは部分的にソフトウェアで容易に実現することができる。代替的に、制御システムおよび/またはイメージ処理の実施の形態を、例えば標準的な論理回路または超大規模集積回路(VLSI:very-large-scale integration)設計を使用して、部分的または完全にハードウェアで実現することができる。使用されるシステム、特定の機能、および/または特定のソフトウェアシステムまたはハードウェアシステム、マイクロプロセッサ、またはマイクロコンピュータの速度要求および/または効率要求に応じた実施の形態を実現するために、他のハードウェアまたはソフトウェアを使用することができる。制御システムおよび/またはイメージ処理の実施の形態を、本明細書に挙げた機能的な説明から、また光学システム、イメージ処理、および/またはコンピュータプログラム手法の一般的な基本的知識によって、当業者には明らかになる公知のまたは将来開発される、いずれかのシステムまたは構造、装置および/またはソフトウェアを使用して、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現することができる。
【0344】
本願において、特に記載しない限り、単数形の使用は複数形を含んでおり、また「または」の使用は「および/または」を意味している。さらに、用語「含んでいる」または「有している」、もしくは他の形態、例えば「含む」、「含まれる」、「有する」または「有していた」は限定を意味するものではない。本明細書において説明したいずれの範囲も、端点および端点間の全ての値を含むと解される。光学系、コンポーネント、ビーム路、および/または光線間の位置または角度の関係の本明細書におけるいずれの詳細も、10%以下の変動が含まれることが意図されている。一般的に、「実質的に」、「約」、「ほぼ」または類似の語句が本明細書において使用される場合には常に、10%以下の変動が意図されている。
【0345】
さらに、上述の説明を、幾つかのケースでは、実験室において生じた例に適用されるが、しかしながらそれらの例を生産技術に拡張することができる。例えば、複数の量、技術、または構成を、実験室の例に適用する場合、それらは限定と解されるべきではない。
【0346】
付加的な実施の形態をもたらすために、本発明の範囲内で、開示した実施の形態の複数の特徴の組合せ、再配置、省略などを行うことができる。さらに、特定の特徴を、他の特徴を相応に用いずに使用することが有利な場合もある。
【0347】
したがって、本開示に従い、イメージングのためのシステム、方法、および装置が提供されることは明らかである。多数の代替形態、修正形態、およびヴァリエーションを、本開示によって実現することができる。本発明の原理の適用を明らかにするために特定の実施の形態を詳細に図示および説明したが、本発明をそのような原理から逸脱することなく、別のやり方で実現することもできると解される。したがって、出願人は、本発明の精神および範囲内にあるそのような全ての代替形態、修正形態および等価形態、およびヴァリエーションが含まれることを意図している。