(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】新エネルギー自動車の安全運転支援システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2024017593
(22)【出願日】2024-02-08
【審査請求日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】202310136234.8
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522204913
【氏名又は名称】常州工学院
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】趙景波
(72)【発明者】
【氏名】廖連瑩
(72)【発明者】
【氏名】劉海妹
(72)【発明者】
【氏名】孟浩東
(72)【発明者】
【氏名】徐永明
(72)【発明者】
【氏名】陳建鋒
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-503414(JP,A)
【文献】特表2020-518785(JP,A)
【文献】特開2017-191372(JP,A)
【文献】特開2022-157396(JP,A)
【文献】特開2021-169291(JP,A)
【文献】特開2015-102891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0148327(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御ユニット、前記制御ユニットと二方向に接続される車両接収モジュール、速度監視モジュール、及びデータ処理モジュールを含む新エネルギー自動車の安全運転支援システムであって、
前記制御ユニットは、道路イメージシーケンスを収集し、収集された各フレーム画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線を抽出するための画像収集ユニットと、
車両の中軸線を取得し、車線内の車両の位置を明らかにするための中軸線取得モジュールと、
ターンシグナルランプを消灯しているときに、車両の逸脱状態にアラームするための警告モジュールおよびターンシグナルランプモジュールと、
警告モジュールのアラーム時間を計時し、前記速度監視モジュールとの連携により、車両の接収を実現するための時間決めモジュールとを外接することを特徴とする
新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項2】
前記データ処理モジュールは、前記画像収集ユニットおよび前記中軸線取得モジュールによる収集のデータを受信し、中軸と両側車線境界線との間の距離を計算し、設定閾値と比較するためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項3】
前記車両接収モジュールは、より多くの時間を運転者に提供して、走行車線の逸脱を修正するように、車線をはみ出した車両を接収するための車両自動運転システムであることを特徴とする
請求項1に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項4】
前記速度監視モジュールにおける設置閾値は60km/hであり、前記時間決めモジュールにおける設置閾値は2sであり、車両速度が60km/hより大きい場合、2sで車両を自動に接収することを特徴とする
請求項3に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項5】
前記制御ユニットと双方向に接続されるルート計画ユニットをさらに含み、前記ルート計画ユニットにより、車両が車線をはみ出したときに交差点での走行ルートを計画し、対向車線と仮想的にドッキングさせ、目標ルートを生成することを特徴とする
請求項1に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項6】
前記ルート計画ユニットの内部には、車両の位置情報を取得するための地図測位モジュールが設けられることを特徴とする
請求項5に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項7】
自動車の中央コントロールパネルに取り付けられ、車両の走行位置、車線境界線、車両の中軸線を表示するための表示モジュールをさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項8】
前記警告モジュールは、音声放送器、またはステアリングホイール内部に取り付けられる振動モータであることを特徴とする
請求項1に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項9】
車線を有する道路を走行する際に、監視ステップとして、
S1、道路イメージシーケンスをメタ収集し、収集された各フレーム画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線境界線を抽出するステップと、
S2、車両の中軸線を取得し、車両の中軸線と両側の車線境界線の間の距離を計算し、距離閾値と比較するステップと、
S3、距離閾値を超え、かつ車両のターンシグナルランプを点灯させる信号を受信していない場合、警告モジュールにより運転者に警報を出すステップと、
S4、一定時間の警報後、運転者が車両の逸脱を修正していない場合、車両を接収し、自動運転モードをオンにするステップと、を含むことを特徴とする
請求項1~8のいずれか1項に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【請求項10】
車線を有さない交差点を走行する際に、監視ステップとして、
S1、道路イメージシーケンスをメタ収集し、収集された各フレームの画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線境界線を抽出し、既存の車線境界線を仮想的に延長し、対向の車線とドッキングさせるステップと、
S2、車両中軸線を取得し、車両中軸線と両側の仮想車線境界線との距離を計算し、距離閾値と比較するステップと、
S3、距離閾値を超え、かつ車両のターンシグナルランプを点灯させる信号を受信していない場合、警告モジュールにより運転者に警報を出すステップと、
S4、一定時間の警報後、運転者が車両に逸脱を修正していない場合、車両を接収し、自動運転モードをオンにするステップと、を含むことを特徴とする
請求項1~8のいずれか1項に記載の新エネルギー自動車の安全運転支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車安全運転技術分野に関し、特に新エネルギー自動車の安全運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両技術の発展に伴い、車で移動する人が増えている。運転中において、運転者の注意力が集中しなかったり、気が緩んだりして、車両が車線をはみ出して走行して、衝突追突などの事故が発生しやすいため、車線逸脱警報システムが生まれ、自動車が高速で走行している場合、車線逸脱システムは運転者の疲労を効果的に軽減することができる。
【0003】
通常の車線逸脱警報システムは、車両が目標車線をはみ出す直前を判断すると、音またはステアリングホイールの振動によって、運転者に道路修正を促すが、運転者が正常な車線変更を必要とする場合、車両の警報は運転者の車両操作に影響を与えるとともに、車両が高速走行中である場合、一定の音やステアリングホイールの振動の注意喚起時間は、運転者が道路をタイムリーに修正するのに十分ではない可能性があり、さらに事故が発生し、車両や乗員に損傷を与える可能性があるため、上記の問題を解決するための新エネルギー自動車の安全運転支援システムを提案した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術に存在する欠点を解決するために、新エネルギー自動車の安全運転支援システムを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。
【0006】
制御ユニット、前記制御ユニットと二方向に接続される車両接収モジュール、速度監視モジュール、及びデータ処理モジュールを含む新エネルギー自動車の安全運転支援システムであって、前記制御ユニットは、道路イメージシーケンスを収集し、収集された各フレーム画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線を抽出するための画像収集ユニットと、車両の中軸線を取得し、車線内の車両の位置を明らかにするための中軸線取得モジュールと、ターンシグナルランプを消灯しているときに、車両の逸脱状態にアラームするための警告モジュールおよびターンシグナルランプモジュールと、警告モジュールのアラーム時間を計時し、前記速度監視モジュールとの連携により、車両の接収を実現する。
【0007】
本発明の好ましい態様として、データ処理モジュールは、画像収集ユニットおよび中軸線取得モジュールによる収集のデータを受信し、中軸と両側車線境界線との間の距離を計算し、設定閾値と比較するためのものである。
【0008】
本発明の好ましい態様として、車両接収モジュールは、より多くの時間を運転者に提供して、走行車線の逸脱を修正するように、車線をはみ出した車両を接収するための車両自動運転システムである。
【0009】
本発明の好ましい態様として、速度監視モジュールにおける設置閾値は60km/hであり、時間決めモジュールにおける設置閾値は2sであり、車両速度が60km/hより大きい場合、2sで車両を自動に接収する。
【0010】
本発明の好適な態様として、制御ユニットと双方向に接続されるルート計画ユニットをさらに含み、ルート計画ユニットにより車両が車線をはみ出したときに交差点での走行ルートを計画し、対向車線と仮想的にドッキングさせ、目標ルートを生成する。
【0011】
本発明の好ましい態様として、ルート計画ユニットの内部には、車両の位置情報を取得するための地図測位モジュールが設けられる。
【0012】
本発明の好ましい態様として、自動車の中央コントロールパネルに取り付けられ、車両の走行位置、車線境界線、車両の中軸線を表示するための表示モジュールをさらに含む。
【0013】
本発明の好ましい態様として、前記警告モジュールは、音声放送器、またはステアリングホイール内部に取り付けられる振動モータである。
本発明の好ましい態様としては、車線を有する道路を走行する際に、監視ステップとして、S1、道路イメージシーケンスをメタ収集し、収集された各フレーム画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線境界線を抽出するステップと、S2、車両の中軸線を取得し、車両の中軸線と両側の車線境界線の間の距離を計算し、距離閾値と比較するステップと、S3、距離閾値を超え、かつ車両のターンシグナルランプを点灯させる信号を受信していない場合、警告モジュールにより運転者に警報を出すステップと、S4、一定時間の警報後、運転者が車両の逸脱を修正していない場合、車両を接収し、自動運転モードをオンにするステップと、を含む。
【0014】
本発明の好ましい態様の1つとして、車線を有さない交差点を走行する際に、監視ステップとして、S1、道路イメージシーケンスをメタ収集し、収集された各フレームの画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線境界線を抽出し、既存の車線境界線を仮想的に延長し、対向の車線とドッキングさせるステップと、S2、車両中軸線を取得し、車両中軸線と両側の仮想車線境界線との距離を計算し、距離閾値と比較するステップと、S3、距離閾値を超え、かつ車両のターンシグナルランプを点灯させる信号を受信していない場合、警告モジュールにより運転者に警報を出すステップと、S4、一定時間の警報後、運転者が車両に逸脱を修正していない場合、車両を接収し、自動運転モードをオンにするステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
1、本発明は、車両が正常車線変更を行う際に、データ処理ユニットにより、ターンシグナルランプが点灯しているかどうかを識別し、ターンシグナルランプが点灯していると、警告モジュールをオフにして、車両の正常車線変更の時に、警告を行うことを回避し、運転者が車両の正常な操作制御を容易にする。
2、警告モジュールの起動中、本装置の速度監視モジュールと時間決めモジュールの連携により、車両の接収の時間を決めて、車両速度が60km/hより大きい場合、2秒で車両を自動に接収するとともに、車両を減速し、より多くの時間を運転者に提供し、車線逸脱を修正し、事故の発生を減少させる。
3、本発明は、車両が交差点に進入して車線を監視できない場合、車両が車線境界線を出る前に、既存の車線を仮想的に延長し、対向車線とドッキングさせることで、車線境界線のない交差点で、車両が車線をはみ出しているかどうかを警告するのに便利である。
【0016】
以上のように、本発明は、ターンシグナルランプの消灯状態のみにおいて、車両の車線からの逸脱を警告し、運転者の車両の正常な操作を容易にすると同時に、車線を有する道路と車線を有さない交差点では、車両が車線から逸脱したときに一定時間で車両を接収することができ、より多くの時間を運転者に提供し、車線逸脱を修正し、運転者の疲労、気の緩みなどによる無意識車線逸脱事故の発生を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明により提供する新エネルギー自動車の安全運転支援システムの構成ブロック図である。
【
図2】本発明により提供する新エネルギー自動車の安全運転支援システムの車線を有する道路上の監視ステップの構成ブロック図である。
【
図3】本発明により提供する新エネルギー自動車の安全運転支援システムの車線を有さない道路上の監視ステップの構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的態様について、明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明の実施例は本発明の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではない。
【0019】
新エネルギー自動車の安全運転支援システムは、
図1~2のように、制御ユニット、制御ユニットと二方向に接続される車両接収モジュール、速度監視モジュール、及びデータ処理モジュールを含み、車両接収モジュールは、より多くの時間を運転者に提供して、走行車線の逸脱を修正するように、車線をはみ出した車両を接収するための車両自動運転システムであり、車両接収モジュールにより、車線を非意図的にはみ出した自動車を接収し、車両の事故を減少させる。制御ユニットは、画像収集ユニット、中軸線取得モジュール、警告モジュールおよびターンシグナルランプモジュール、及び時間決めモジュールを外接する。画像収集ユニットは、360°パノラマカメラであり、道路イメージシーケンスを収集し、収集された各フレーム画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線を抽出するために使用され、自動車の中央コントロールパネルに取り付けられ、車両の走行位置、車線境界線、車両の中軸線を表示するための表示モジュールをさらに含む。
【0020】
中軸線取得モジュールは、車両の中軸線を取得し、車線内の車両の位置を明らかにするために使用され、データ処理モジュールは、画像収集ユニットおよび中軸線取得モジュールによる収集のデータを受信し、中軸と両側車線境界線との間の距離を計算し、設定閾値と比較するために使用され、しきい値が両側の車線間距離の半分である。
【0021】
警告モジュールおよびターンシグナルランプモジュールでは、警告モジュールはターンシグナルランプを消灯しているときに、車両の逸脱状態にアラームし、運転者への影響を減少し、警告モジュールは、音声放送器、またはステアリングホイール内部に取り付けられる振動モータであり、音声放送方式により、車両逸脱状態を警示し、あるいはターンシグナルランプの振動により、運転者に警告を出す。
【0022】
時間決めモジュールは、警告モジュールのアラーム時間を計時し、速度監視モジュールとの連携により、車両の接収を実現するために使用される。ここで、速度監視モジュールにおける設置閾値は60km/hであり、時間決めモジュールにおける設置閾値は2sであり、車両速度が60km/hより大きい場合、2sで車両を自動に接収する。
【0023】
さらに、制御ユニットと双方向に接続されるルート計画ユニットがさらに含まれ、ルート計画ユニットにより、車両が車線をはみ出したときに、交差点での走行ルートを計画し、対向車線と仮想的にドッキングさせ、目標ルートを生成する。ルート計画ユニットの内部には、車両の位置情報を取得するための地図測位モジュールが設けられる。
実施例
【0024】
車両が車線から逸脱しているかどうかを監視する時、まず画像収集ユニットにより、道路イメージシーケンスを収集し、収集された各フレーム画像に対して、階調化、フィルタ処理及び二値化処理を順に行い、車線を抽出する同時、中軸線取得モジュールにより、車両の中軸線を取得し、車両の中軸線と両側の車線境界線の間の距離を計算し、距離閾値と比較し、距離閾値を超え、かつ車両のターンシグナルランプを点灯させる信号を受信していない場合、警告モジュールにより運転者に警報を出し、一定時間の警報後、運転者が車両の逸脱を修正していない場合、車両を接収し、自動運転モードをオンにし、より多くの時間を運転者に提供して車線逸脱を修正し、運転者の疲労、気の緩みなどによる無意識車線逸脱事故の発生を効果的に低減し、交差点まで走行する際、車両が車線をはみ出す前に、既存の車線を仮想的に延長し、対向車線とドッキングさせることで、車線のない交差点で車両が道路から逸脱しているかどうかを警告するのに便利であり、車線のある道路と車線のない交差点では、車両が車線から逸脱している間に、一定時間で車両を接収することができ、より多くの時間を運転者に提供し、車線逸脱を修正して、運転者の疲労、気の緩みなどによる無意識車線逸脱事故の発生を効果的に低減させる。
【0025】
上記は、本発明の好ましい具体的な実施形態にすぎないが、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではなく、本発明の開示された技術範囲内において、本発明の技術方案およびその発明の構想に基づいて同等の置換または変更を加えた技術者は、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。