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特許7626524位相シフタ、アレイアンテナおよび基地局
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】位相シフタ、アレイアンテナおよび基地局
(51)【国際特許分類】
   H01P 5/12 20060101AFI20250128BHJP
   H01P 5/08 20060101ALI20250128BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20250128BHJP
   H01Q 3/32 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
H01P5/12 B
H01P5/08 Z
H01Q21/06
H01Q3/32
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023539767
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2020141100
(87)【国際公開番号】W WO2022141127
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウエイ,シアオドォン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,チィチアン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,シンミン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ジエジュン
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207559068(CN,U)
【文献】特開2012-114697(JP,A)
【文献】実開平02-044401(JP,U)
【文献】特開2007-013531(JP,A)
【文献】特開2002-261503(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0097388(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 5/12
H01P 5/08
H01Q 21/06
H01Q 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相シフタであって、
摺動媒体と、
信号入力線と、第1の電力分岐線と、第2の電力分岐線とを備える給電ストリップ線路であって、前記信号入力線の一端は外部信号源に導通され、他端は前記第1の電力分岐線および前記第2の電力分岐線の各々に電気的に接続され、前記第1の電力分岐線はジャンプ構造を含み、前記第1の電力分岐線は前記ジャンプ構造を使用することによって前記第2の電力分岐線の一方の側から前記第2の電力分岐線の他方の側にまたがり、前記ジャンプ構造および前記第2の電力分岐線は互いに離間されている、給電ストリップ線路と、を有し、
前記摺動媒体は、前記第1の電力分岐線および前記第2の電力分岐線に前記給電ストリップ線路の延在方向に沿って別々に重なり、前記摺動媒体は、前記位相シフタによって出力される信号の位相を調整するために、前記第1の電力分岐線および前記第2の電力分岐線に対して前記延在方向に摺動する、位相シフタ
【請求項2】
前記信号入力線および前記第2の電力分岐線は両方とも第1の平面に位置し、前記第1の電力分岐線は、前記第1の平面に位置する第1のセグメントおよび第2のセグメントを含み、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントは、前記第2の電力分岐線の2つの対向する側に分散され、前記ジャンプ構造は、第2の平面に位置する接続セグメントを含み、前記接続セグメントは、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントの各々に電気的に接続される、請求項1に記載の位相シフタ
【請求項3】
前記ジャンプ構造は、第1のピンおよび第2のピンをさらに含み、前記第1のピンおよび前記第2のピンは、前記接続セグメントの2つの対向する端部に分散され、前記接続セグメントは、前記第1のピンを介して前記第1のセグメントと接触して導通され、前記接続セグメントは、さらに、前記第2のピンを介して前記第2のセグメントと接触して導通される、請求項2に記載の位相シフタ
【請求項4】
前記第1のピン、前記第2のピン、および前記接続セグメントは、一体構造である、請求項3に記載の位相シフタ
【請求項5】
前記第1のセグメントは、前記信号入力線から遠い第1の端部を含み、前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントに近い第2の端部を含み、第1の開口部および第2の開口部は、それぞれ、前記第1の端部および前記第2の端部に配置され、前記第1のピンは、前記第1の開口部内に延在し、前記第1のセグメントと接触して導通され、前記第2のピンは、前記第2の開口部内に延在し、前記第2のセグメントと接触して導通される、請求項3または4に記載の位相シフタ
【請求項6】
前記接続セグメントは、対向する第1の結合端部および第2の結合端部を含み、前記第1の平面における前記第1の結合端部の突出部は、前記第1のセグメントに少なくとも部分的に重なり、前記第1の結合端部は、結合を通じて前記第1のセグメントに電気的に接続され、
前記第1の平面における前記第2の結合端部の突出部は、前記第2のセグメントに少なくとも部分的に重なり、前記第2の結合端部はまた、結合を通じて前記第2のセグメントに電気的に接続される、
請求項2に記載の位相シフタ
【請求項7】
前記給電ストリップ線路は、プリント回路基板を含み、前記プリント回路基板は、対向して配置された第1の金属面および第2の金属面を含み、前記第1の金属面は、前記第1の平面として構成され、前記第2の金属面は、前記第2の平面として構成される、請求項3から6のいずれか一項に記載の位相シフタ
【請求項8】
前記プリント回路基板はビアを含み、前記ビアは、前記第1の平面と前記第2の平面との間に接続され、前記第1のピンおよび前記第2のピンは、両方とも、前記ビアを通過する導電性要素として構成される、請求項3から5のいずれか一項を引用する請求項7に記載の位相シフタ
【請求項9】
入力整合線、第1の電力整合線、および第2の電力整合線が、前記第2の金属面にさらに配置され、
前記入力整合線は、前記信号入力線に平行に延在し、前記第1の電力整合線は、前記第1の電力分岐線に平行に延在し、前記接続セグメントは、前記第1の電力整合線の一部として構成され、
前記第2の電力整合線は、第3のセグメントおよび第4のセグメントを含み、前記第3のセグメントは、前記接続セグメントの一方の側に位置し、前記第2の電力分岐線に平行に延在し、前記第4のセグメントは、前記接続セグメントの他方の側に位置し、同じく前記第2の電力分岐線に平行に延在する、
請求項7に記載の位相シフタ
【請求項10】
前記第1の平面における前記接続セグメントの前記第1の結合端部の前記突出部と前記第2の電力分岐線との間の挟角αが、45°≦α≦90°の条件を満たす、請求項6、請求項6を引用する請求項7から9のいずれか一項に記載の位相シフタ
【請求項11】
前記第1の平面は前記第2の平面に平行である、請求項2から10のいずれか一項に記載の位相シフタ
【請求項12】
前記給電ストリップ線路は、信号入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートをさらに含み、前記第1の電力分岐線および前記第2の電力分岐線から遠い前記信号入力線の一端は、前記信号入力ポートに接続され、前記信号入力線から遠い前記第1の電力分岐線の一端は、前記第1の出力ポートに接続され、前記信号入力線から遠い前記第2の電力分岐線の一端は、前記第2の出力ポートに接続される、請求項1から11のいずれか一項に記載の位相シフタ
【請求項13】
前記給電ストリップ線路は、遮蔽キャビティをさらに含み、前記信号入力線、前記第1の電力分岐線、および前記第2の電力分岐線はすべて、前記遮蔽キャビティ内に収容されて固定され、前記遮蔽キャビティから絶縁される、請求項1から12のいずれか一項に記載の位相シフタ
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の位相シフタを備える、アレイアンテナ。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の位相シフタ、および/または請求項14に記載のアレイアンテナを備える、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ワイヤレス通信の分野に関し、特に、給電ストリップ線路、給電ストリップ線路が配置される位相シフタ、アレイアンテナ、および基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
給電ストリップ線路は、通信基地局における一般的な構成要素であり、電力分配器、カプラ、フィルタ、および電子チルトなどの無線周波数機能デバイスとして機能して、無線マイクロ波信号の送信を実現し得る。ほとんどの既存の給電ストリップ線路は平面構造である。電気的性能を確保するために、給電ストリップ線路内の電力分配器分岐線は、平面内の異なる伝送経路に沿って延在し、交差または重複によって引き起こされる信号直列接続を回避する。その結果、給電ストリップ線路の平面積を制御することが困難であり、平面積の一部は利用されない場合がある。その結果、給電ストリップ線路の面積比が大きくなり、これは、基地局などの現在の通信デバイスの小型化傾向にそぐわない。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、給電ストリップ線路の面積比を低減するために、3次元給電ストリップ線路構造、3次元給電ストリップ線路構造を含む位相シフタ、アレイアンテナ、および基地局を提供する。本出願は、具体的には、以下の技術的解決策を含む:
【0004】
第1の態様によれば、本出願は、給電ストリップ線路を提供する。給電ストリップ線路は、信号入力線と、第1の電力分岐線と、第2の電力分岐線とを含み、信号入力線の一端は外部信号源に導通され、他端は第1の電力分岐線および第2の電力分岐線の各々に電気的に接続され、第1の電力分岐線はジャンプ構造を含み、第1の電力分岐線はジャンプ構造を使用することによって第2の電力分岐線の一方の側から第2の電力分岐線の他方の側にまたがり、ジャンプ構造および第2の電力分岐線は互いに離間されている。
【0005】
本出願における給電ストリップ線路では、第1の電力分岐線および第2の電力分岐線は、信号入力線に別々に接続されるので、信号入力線から入力された外部電気信号は、第1の電力分岐線および第2の電力分岐線に別々に伝達され得、電気信号は、別々に、第1の電力分岐線の延在経路上で伝送され、第2の電力分岐線の延在経路上で伝送される。第1の電力分岐線および第2の電力分岐線の延在長を互いに異なるように設定することによって、第1の電力分岐線によって出力される電気信号と第2の電力分岐線によって出力される電気信号との間に位相差が生じ得、それに応じて予め設定された傾斜が得られる。
【0006】
本出願では、給電ストリップ線路において、第1の電力分岐線上にジャンプ構造がさらに配置され、これにより、第1の電力分岐線は、第2の電力分岐線の一方の側で特定の距離だけ延在し、また、さらなる延在のためにジャンプ構造を使用して第2の電力分岐線の他方の側にまたがることができる。ジャンプ構造および第2の電力分岐線は互いに離間されている。具体的には、第1の電力分岐線が第2の電力分岐線の一方の側から他方の側にまたがるとき、第1の電力分岐線は第2の電力分岐線と重ならない。これにより、第1の電力分岐線および第2の電力分岐線の各々での電気信号の正常な伝送が保証される。加えて、ジャンプ構造は、第1の電力分岐線の延在範囲を拡張し、給電ストリップ線路の空間領域の利用率を改善し、給電ストリップ線路の全体的な体積(overall volume)を減らし、給電ストリップ線路の電気的機能を確保する。
【0007】
可能な実装形態では、信号入力線および第2の電力分岐線は両方とも第1の平面に位置し、第1の電力分岐線は、第1の平面に位置する第1のセグメントおよび第2のセグメントを含み、第1のセグメントおよび第2のセグメントは、第2の電力分岐線の2つの対向する側に分散され、ジャンプ構造は、第2の平面に位置する接続セグメントを含み、接続セグメントは、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々に電気的に接続される。
【0008】
この実装形態では、第1の電力分岐線は、互いに独立した第1のセグメントおよび第2のセグメントに分割され、第1のセグメントおよび第2のセグメントは、第2の電力分岐線の2つの対向する側に分散され、そのため、第1の電力分岐線、信号入力線、および第2の電力分岐線の主構造はすべて、第1の平面に位置する。これにより、本出願における給電ストリップ線路の本体の平面構造が規定され、第1のセグメント、第2のセグメント、信号入力線、および第2の電力分岐線の同期製造が容易になる。第2の平面に位置する接続セグメントは、第1のセグメントおよび第2のセグメントと別々に協働して、第1のセグメントと第2のセグメントとの間の電気信号伝送を実施する。これにより、ジャンプ構造および第2の電力分岐線が互いに離間されているという条件下で、第1の電力分岐線における電気信号伝送を保証することができる。
【0009】
可能な実装形態では、ジャンプ構造は、第1のピンおよび第2のピンをさらに含み、第1のピンおよび第2のピンは、接続セグメントの2つの対向する端部に分散され、接続セグメントは、第1のピンを介して第1のセグメントと接触して導通され、接続セグメントは、さらに、第2のピンを介して第2のセグメントと接触して導通される。
【0010】
この実装形態では、ジャンプ構造は、接続セグメントの2つの対向する端部に分散された第1のピンおよび第2のピンをさらに含み、第1のピンおよび第2のピンは、それぞれ、第1の平面と第2の平面との間に接続され、そのため、接続セグメントの2つの対向する端部は、それぞれ、第1のセグメントおよび第2のセグメントと接触して導通される。第1のセグメント内で伝送される電気信号は、第1のピン、接続セグメント、および第2のピンを順次介して最終的に第2のセグメントに伝送され、第2のセグメントを介して第1の電力分岐線のエンドポイントに伝送され続ける。
【0011】
可能な実装形態では、第1のピン、第2のピン、および接続セグメントは、一体構造である。
【0012】
この実装形態では、ジャンプ構造は一体的に形成され、接続セグメントと第1のピンおよび第2のピンとの間の接続はより安定する。これにより、第1の電力分岐線の信頼性が向上する。
【0013】
可能な実装形態では、第1のピンおよび第1のセグメントは溶接されて固定され、第2のピンおよび第2のセグメントも溶接されて固定される。
【0014】
この実装形態では、溶接および固定によって、第1のピンと第1のセグメントとの間の確実な接触および導通を確保することができ、第2のピンと第2のセグメントとの間の確実な接触および導通を確保することができる。
【0015】
可能な実装形態では、第1のセグメントは、信号入力線から遠い第1の端部を含み、第2のセグメントは、第1のセグメントに近い第2の端部を含み、第1の開口部および第2の開口部は、それぞれ、第1の端部および第2の端部に配置され、第1のピンは、第1の開口部内に延在し、第1のセグメントと接触して導通され、第2のピンは、第2の開口部内に延在し、第2のセグメントと接触して導通される。
【0016】
この実装形態では、第1の開口部は、第1のピンが第1の開口部内に延在するように、第2のセグメントに近い第1のセグメントの位置に配置され、第2の開口部は、第2のピンも第2の開口部内に延在するように、第1のセグメントに近い第2のセグメントの位置に配置される。これにより、第1のピンと第1のセグメントとの間の確実な接触を確保し、第2のピンと第2のセグメントとの間の確実な接触を確保することができる。
【0017】
可能な実装形態では、ジャンプ構造は弾性であり、ジャンプ構造が第1の開口部および第2の開口部内に別々に延在するとき、第1のピンと第2のピンとの間に弾性変形が形成され、互いに引き寄せるまたは引き離す弾性力が存在する。
【0018】
この実装形態では、溶接および導通に加えて、弾性変形によって、第1のピンと第1の開口部との間の確実な重なり接触が確保され得る。溶接および導通に加えて、弾性変形によって、第2のピンと第2の開口部との間の確実な重なり接触が確保され得る。加えて、第1のピンと第2のピンとの間には、互いに引き寄せるまたは引き離す弾性力が存在し、第1のピンの弾性力と第2のピンの弾性力とが互いに相互作用して、第1のピンおよび第2のピンと第1の開口部および第2の開口部との間の確実な重なり接触を確保する。
【0019】
可能な実装形態では、接続セグメントは、対向する第1の結合端部および第2の結合端部を含み、第1の平面における第1の結合端部の突出部は、第1のセグメントに少なくとも部分的に重なり、第1の結合端部は、結合を通じて第1のセグメントに電気的に接続され、
第1の平面における第2の結合端部の突出部は、第2のセグメントに少なくとも部分的に重なり、第2の結合端部はまた、結合を通じて第2のセグメントに電気的に接続される。
【0020】
この実装形態では、接続セグメントは、第1のセグメントおよび第2のセグメントと接触していないが、第1の結合端部および第2の結合端部を介して第1のセグメントおよび第2のセグメントと相互結合構造を別々に形成する。第1のセグメント内で伝送される電気信号は、結合を通じてジャンプ構造に伝送され、次いで、同じく結合を通じて第2のセグメントに伝送されるので、ジャンプ構造は、第1のセグメント内の電気信号を第2のセグメントに伝送する。
【0021】
一実装形態では、第1の結合端部と第1のセグメントとの間に第1の結合コンデンサが形成され、第2の結合端部と第2のセグメントとの間に第2の結合コンデンサが形成される。
【0022】
この実装形態では、コンデンサ構造は、ジャンプ構造と第1のセグメントおよび第2のセグメントとの間に別々に形成され、結合電気接続は、第1の結合コンデンサおよび第2の結合コンデンサの形態で実装される。
【0023】
可能な実装形態では、絶縁された分離パッドが、第1の結合端部と第1のセグメントとの間、および第2の結合端部と第2のセグメントとの間に別々に充填される。
【0024】
この実装形態では、分離パッドは、第1の結合端部と第1のセグメントとの間に固定を形成し、第2の結合端部と第2のセグメントとの間に固定を形成するために、射出成形などによって形成され得る。分離パッドは、ジャンプ構造と第1のセグメントおよび第2のセグメントとの間の相対位置を確保して、第1の結合コンデンサおよび第2の結合コンデンサの電気的安定性を確保することができる。
【0025】
可能な実装形態では、給電ストリップ線路は、プリント回路基板を含み、プリント回路基板は、対向して配置された第1の金属面および第2の金属面を含み、第1の金属面は、第1の平面として構成され、第2の金属面は、第2の平面として構成される。
【0026】
この実装形態では、給電ストリップ線路は、PCB(printed circuit board、Printed Circuit Board、PCB)ストリップ線路の形態を形成するためにプリント回路基板上に準備される。PCBは、対向して配置された第1の金属面および第2の金属面を有する。第1の金属面は、給電ストリップ線路の第1の平面として構成される。信号入力線、第1のセグメント、第2のセグメント、および第2の電力分岐線は、第1の金属面に配置され得、ジャンプ構造の接続セグメントは、第2の金属面に配置され得る。この場合、第2の金属面は第2の平面として構成され、PCB基板は、給電ストリップ線路のための確実な支持体を形成し得る。
【0027】
可能な実装形態では、プリント回路基板はビアを含み、ビアは、第1の平面と第2の平面との間に接続され、第1のピンおよび第2のピンは、両方とも、ビアを通過する導電性要素として構成される。
【0028】
この実装形態では、ビアは、既存のプロセス技術を使用することによってプリント回路基板上に製造され得る。ビアは、第1の平面と第2の平面との間に接続される。加えて、ビアの位置は、ビアが接続セグメントと第1のセグメントとの間に位置し、接続セグメントと第2のセグメントとの間に位置し得るように配置される。そして、第1のピンおよび第2のピンは、それぞれ、接続セグメントと第1のセグメントとの間に接続され、ビアを介して接続セグメントと第2のセグメントとの間に接続するように配置され、そのため、ジャンプ構造は、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々と確実に重なることができる。
【0029】
可能な実装形態では、第1のピンおよび第2のピンはそれぞれ、ビア内に充填された導電性材料として構成されるか、または
第1のピンおよび第2のピンは、ビアを別々に通過し、それぞれ第1のセグメントおよび第2のセグメントに固定して接続される。
【0030】
この実装形態では、導電性ビアを形成するために、ビアは金属または別の導電性材料で充填される。これにより、第1のピンおよび第2のピンの機能が実現され、接続セグメントが第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々に確実に重なることを保証する。代替的に、第1のピンおよび第2のピンは、導電性要素としてそれぞれ構成されてもよい。ビアを通過した後、導電性要素は、接続セグメントおよび第1のセグメントに重なり、接続セグメントと第2のセグメントとの間に接続されて、第1のセグメントと第2のセグメントとの間のジャンプ構造の電気信号伝送機能を実現する。
【0031】
可能な実装形態では、入力整合線、第1の電力整合線、および第2の電力整合線が、第2の金属面にさらに配置され、
入力整合線は、信号入力線に平行に延在し、第1の電力整合線は、第1の電力分岐線に平行に延在し、接続セグメントは、第1の電力整合線の一部として構成され、
第2の電力整合線は、第3のセグメントおよび第4のセグメントを含み、第3のセグメントは、接続セグメントの一方の側に位置し、第2の電力分岐線に平行に延在し、第4のセグメントは、接続セグメントの他方の側に位置し、同じく第2の電力分岐線に平行に延在する。
【0032】
この実装形態では、第1の外面に対向して配置された第2の外面に、信号入力線のための入力整合線がさらに配置され、入力整合線および信号入力線は協働して、信号源から伝送された電気信号を伝送する。加えて、第1の電力整合線および第2の電力整合線も、第1の電力分岐線および第2の電力分岐線に対してそれぞれ配置される。第1の電力分岐線および第1の電力整合線は協働して、第1の電力分岐線の延在方向における電気信号の伝送を実施し、第2の電力分岐線および第2の電力整合線は協働して、第2の電力分岐線の延在方向における電気信号の伝送を実施する。PCB上の第1の外面と第2の外面との間が分離されているという特徴により、これら2つの外面における線の位置が相対的に固定され、協働による信号伝導を実施するための基礎が得られる。
【0033】
第1の電力整合線が第2の外面に配置される場合、接続セグメントは、第1の電力整合線の一部として構成され得、また、第1のセグメントと第2のセグメントとの間の電気信号の伝送および第1の電力整合線における電気信号の伝送を実施するように構成されることが理解され得る。
【0034】
可能な実装形態では、プリント回路基板上のビアは、代替的に、信号入力線と入力整合線との間、および/または第1の電力分岐線と第1の電力整合線との間、および/または第2の電力分岐線と第2の電力整合線との間に位置してもよく、各線とその線に対応する整合線との間に電気経路を形成し、等価誘電率を調整するように構成される。
【0035】
可能な実装形態では、第1の平面における接続セグメントの突出部と第2の電力分岐線との間の挟角αが、45°≦α≦90°の条件を満たす。
【0036】
この実装形態では、接続セグメントは、第2の電力分岐線にまたがり、第2の電力分岐線と間隔を置いて配置されるので、すなわち、接続セグメントおよび第2の電力分岐線が空間的交差を形成するので、第1の平面における接続セグメントの突出部は、第2の電力分岐線と部分的に重なる。接続セグメントと第2の電力分岐線との間の挟角が設定されるので、接続セグメントと第2の電力分岐線との間の重なり面積(overlapping area)を制御することができ、それにより、接続セグメントと第2の電力分岐線との間の過大な重なり面積によって引き起こされる電気信号干渉が回避される。
【0037】
可能な実装形態では、第1の平面は第2の平面に平行である。
【0038】
この実装形態では、第1の平面は、第2の電力分岐線が位置する平面であり、第2の平面は、接続セグメントが位置する平面である。第1の平面は、第2の平面に平行になるように設定されているので、第2の電力分岐線をまたぐプロセスにおいて、接続セグメントは、第2の電力分岐線との安定した高低差を常に維持する。これは、接続セグメントと第2の電力分岐線との間の信号干渉を制御するのに役立つ。
【0039】
可能な実装形態では、給電ストリップ線路は、信号入力ポート、第1の出力ポート、および第2の出力ポートをさらに含み、第1の電力分岐線および第2の電力分岐線から遠い信号入力線の一端は、信号入力ポートに接続され、信号入力線から遠い第1の電力分岐線の一端は、第1の出力ポートに接続され、信号入力線から遠い第2の電力分岐線の一端は、第2の出力ポートに接続される。
【0040】
この実装形態では、信号入力線は、信号源を受けるために信号入力ポートに接続される。第1の電力分岐線および第2の電力分岐線は、第1の電力分岐線および第2の電力分岐線にそれぞれ接続された信号出力ポートを介してエンドポイントに信号を別々に出力して、給電ストリップ線路の位相割り当て機能を実現する。
【0041】
可能な実装形態では、給電ストリップ線路は、遮蔽キャビティをさらに含み、入力線、第1の電力分岐線、および第2の電力分岐線はすべて、遮蔽キャビティ内に収容されて固定され、遮蔽キャビティから絶縁される。
【0042】
この実装形態では、給電ストリップ線路は、吊り下げストリップ線路として構成され、遮蔽キャビティは、外部信号干渉を遮蔽して、本出願における遮蔽キャビティ内の給電ストリップ線路によって伝送される電気信号の損失を低減することができる。
【0043】
第2の態様によれば、本出願は、位相シフタを提供する。位相シフタは、摺動媒体と、本出願の第1の態様において提供される給電ストリップ線路とを含む。摺動媒体は、第1の電力分岐線および/または第2の電力分岐線に別々に重なり、摺動媒体は、位相シフタによって出力される信号の位相を調整するために、第1の電力分岐線および/または第2の電力分岐線に対して摺動する。
【0044】
本出願の第2の態様によれば、給電ストリップ線路は、位相シフタ内の電力分配器として使用され、摺動媒体は、給電ストリップ線路に対して摺動することによって第1の電力分岐線および第2の電力分岐線の電気長を変化させて、第1の電力分岐線内で伝送される電気信号と第2の電力分岐線内で伝送される電気信号との間の位相差を調整することができる。
【0045】
第3の態様によれば、本出願は、アレイアンテナを提供する。アレイアンテナは、本出願の第1の態様において提供される給電ストリップ線路、および/または本出願の第2の態様において提供される位相シフタを含む。
【0046】
第4の態様によれば、本出願はさらに、基地局を提供する。基地局は、本出願の第1の態様において提供される給電ストリップ線路、および/または本出願の第2の態様において提供される位相シフタ、および/または本出願の第3の態様において提供されるアレイアンテナを含む。
【0047】
可能な実装形態では、基地局は、ビルディングベースバンド処理ユニット、リモート無線ユニット、およびアンテナ給電システムをさらに含む。本出願の第1の態様において提供される給電ストリップ線路、および/または本出願の第2の態様において提供される位相シフタ、および/または本出願の第3の態様において提供されるアレイアンテナは、アンテナ給電システム内に配置される。リモート無線ユニットは、ビルディングベースバンド処理ユニットとアンテナ給電システムとの間に接続される。アンテナ給電システムは、ワイヤレス信号のトランシーバ機能を実現するために、リモート無線ユニットを介してビルディングベースバンド処理ユニットに接続される。
【0048】
本出願の第2の態様から第4の態様において提供される位相シフタ、アレイアンテナ、および基地局では、本出願における給電ストリップ線路が使用されるので、本出願の第1の態様における給電ストリップ線路と同様に、第1の電力分岐線が第2の電力分岐線の2つの側に分散され得、給電ストリップ線路の平面利用率を改善し、給電ストリップ線路の体積比をより小さくし、様々な態様において製品の全体的な体積制御を容易にすることが分かり得る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本出願の一実施形態による基地局内のアンテナ給電システムの概略図である。
図2図1によるアンテナ給電システムにおけるアレイアンテナの内部アーキテクチャの概略図である。
図3図2によるアレイアンテナにおける位相シフタの構造の概略図である。
図4図3による位相シフタにおける給電ストリップ線路の構造の概略図である。
図5a図4による給電ストリップ線路における異なる電力分配器形態の構造の概略図である。
図5b図4による給電ストリップ線路における異なる電力分配器形態の構造の概略図である。
図5c図4による給電ストリップ線路における異なる電力分配器形態の構造の概略図である。
図6図4による給電ストリップ線路の局所構造の概略図である。
図7】従来技術における給電ストリップ線路の構造の概略図である。
図8図4による給電ストリップ線路におけるジャンプ構造の実装形態の構造の概略図である。
図9図8によるジャンプ構造の実装形態の概略分解図である。
図10図8によるジャンプ構造の実装形態の別の観察角度の構造の概略図である。
図11図8によるジャンプ構造の別の実装形態の構造の概略図である。
図12図4による給電ストリップ線路におけるジャンプ構造の別の実装形態の構造の概略図である。
図13図12によるジャンプ構造の実装形態の概略分解図である。
図14図12によるジャンプ構造の別の実装形態の構造の概略図である。
図15図4による給電ストリップ線路におけるジャンプ構造のさらに別の実装形態の構造の概略図である。
図16図15によるジャンプ構造の実装形態の概略分解図である。
図17図15によるジャンプ構造の実装形態の別の観察角度の構造の概略図である。
図18図15によるジャンプ構造の別の実装形態の概略分解図である。
図19図15によるジャンプ構造のさらに別の実装形態の構造の概略図である。
図20図19によるジャンプ構造における第1の金属面の概略平面図である。
図21図19によるジャンプ構造における第2の金属面の概略平面図である。
図22図4による給電ストリップ線路におけるジャンプ構造と第2の電力分岐線との間の整合領域の局所構造の概略図である。
図23】別の実施形態における、図4による給電ストリップ線路におけるジャンプ構造と第2の電力分岐線との間の整合エリアの局所構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では、本出願の実施形態における添付の図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を説明する。説明される実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、すべてではないことは明らかである。創造的な努力なしに本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られるすべての他の実施形態は、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【0051】
本出願における基地局は、図1に示されるビルディングベースバンド処理ユニット(building baseband processing unit、BBU)と、リモート無線ユニット(remote radio unit、RRU)と、アンテナ給電システム500とを含む。リモート無線ユニットは、ビルディングベースバンド処理ユニットとアンテナ給電システム500との間に接続される。複数のアンテナ給電システム500があり得、アンテナ給電システム500と同じ数の複数のリモート無線ユニットがあり得る。各アンテナ給電システム500は、1つのリモート無線ユニットと協働し、複数のアンテナ給電システム500はそれぞれ、対応するリモート無線ユニットを介して1つのビルディングベースバンド処理ユニットに接続されて、無線信号を送受信する機能を実現する。
【0052】
図1に示すアンテナ給電システム500の構造の概略図を参照されたい。アンテナ給電システム500は、アレイアンテナ400と、ポール502と、アンテナ支持体503と、コネクタシール要素504と、接地装置501とを含む。ポール502は、地面に対して固定される。アンテナ支持体503は、アレイアンテナ400とポール502との間に接続され、アレイアンテナ400とポール502との間の固定接続を実現する。いくつかの実施形態では、アンテナ支持体503は、調整可能な支持体としてさらに配置され得、ポール502に対するアレイアンテナ400の向きおよび角度を調整し、アレイアンテナ400の信号送信角度と協働し、アンテナ給電システム500によって送信される信号と地面との間に形成される予め設定された傾斜があることを保証する。本出願における基地局は、任意の公共の場所またはセルに配置され、基地局に対応する領域において信号カバレッジ機能を実現し得る。
【0053】
アレイアンテナ400は、本出願におけるアレイアンテナである。アレイアンテナ400は、接地装置501にさらに電気的に接続され、アレイアンテナ400の接地機能を実現する。アレイアンテナ400から遠い接地装置501の一端は、ポール502にさらに接続されて固定され、ポール502を介して接地機能を実現し得る。代替的に、接地装置501は、アレイアンテナ400の確実な接地機能を確保するために、地面に直接固定されてもよいことが理解され得る。アレイアンテナ400は、通常、密閉された箱体(レドーム)に収容される。機械的性能に関して、箱体は、アレイアンテナ400の内部構成要素を外部環境から保護するために、十分な剛性および強度、ならびに防汚および防水などの能力を有する必要がある。電気的性能に関して、箱体は、アレイアンテナ400の信号送受信機能を確保するために、良好な電磁波透過特性を有する必要がある。コネクタシール要素504は、接地装置501とアレイアンテナ400の箱体との間にさらに配置され得る。接地装置501がアレイアンテナ400から引き出されるとき、コネクタシール要素504を使用して、接地装置501とアレイアンテナ400の箱体との間の密封接続を実現し、アレイアンテナ400の箱体内の構成要素の密封保護をさらに実現することができる。
【0054】
図2に示される本出願におけるアレイアンテナ400の内部アーキテクチャの図を参照されたい。本出願におけるアレイアンテナ400の箱体内には、放射ユニット401、金属反射パネル402、位相シフタ403が配置されている。放射ユニット401は、金属反射パネル402の一方の側に位置し、金属反射パネル402とともに少なくとも1つの独立した放射アレイを形成する。放射ユニット401は、電波を送信または受信するアンテナ素子である。独立した放射アレイ内の複数の放射ユニット401の周波数は、同じであってもよいし、異なる周波数帯域における電波の受信および送信に対応するために異なっていてもよい。金属反射パネル402が放射ユニット401の一方の側に位置する場合、金属反射パネル402は、無線信号を反射し、無線信号が放射ユニット401上で集約されることを可能にして、放射ユニット401によって受信される無線信号を強化することができる。金属反射パネル402は、放射ユニット401において無線信号を反射して、無線信号を外部に送信し、放射ユニット401によって送信される信号の強度を高めるようにさらに構成される。さらに、金属反射パネル402は、放射ユニット401の他方の側(すなわち、逆方向)からの無線信号を遮断または遮蔽して、他方の側からの無線信号による放射ユニット401への干渉を回避するようにさらに構成される。
【0055】
アレイアンテナ400内の位相シフタ403は、本出願における位相シフタであることが理解され得る。位相シフタ403は、放射ユニット401に電気的に接続され、放射ユニット401から遠い位相シフタ403の一方の側は、アンテナインターフェース406にさらに接続され、アンテナインターフェース406を介して基地局のビルディングベースバンド処理ユニット(図示せず)に接続される。基地局のビルディングベースバンド処理ユニットは、信号を生成するように構成され得る。位相シフタ403によって信号に対して位相割り当てが行われた後、信号は、放射ユニット401に伝達されて外部に送信される。代替的に、ビルディングベースバンド処理ユニットは、放射ユニット401によって送信された無線信号を受信するように構成され、無線信号は、位相シフタ403によって実行される位相処理を通して取得される。本出願における位相シフタ403は、無線信号に対して位相調整を実行し、無線信号ビームの傾斜を変更し、通信ネットワークを最適化するように構成される。さらに、送信または較正ネットワーク404およびコンバイナまたはフィルタ405などの機能構成要素が、アレイアンテナ400内にさらに配置され得、無線信号の較正および無線信号の振幅の調整といった動作を実行するように別々に構成される。
【0056】
図3に示される本出願における位相シフタ403の構造の概略図を参照されたい。位相シフタ403は、給電ストリップ線路100および摺動媒体301を含み得る。摺動媒体301は、給電ストリップ線路100に対して摺動し、給電ストリップ線路100の電気長を変更することによって位相シフタ403の位相を調整し得る。本出願における位相シフタ403では、給電ストリップ線路100は、電力分配器の機能を実現するように構成され得る。言い換えると、摺動媒体301は、給電ストリップ線路100によって形成された電力分配器に対して摺動し、位相シフタ403の位相出力を変化させる。いくつかの他の実施形態では、本出願で提供される給電ストリップ線路100は、カプラ、電子チルト、フィルタなどとしてさらに使用され得、マイクロ波無線信号送信および/または位相調整などの機能を実現するために、本出願の基地局で使用されることが理解され得る。
【0057】
本出願の本明細書では、実施形態の説明を容易にするために、給電ストリップ線路100を位相シフタ403内の電力分配器として使用して、実装形態を詳細に説明する。さらに、本出願では、給電ストリップ線路100は、遮蔽キャビティ内にさらに配置され、吊り下げストリップ線路300の構造を形成する。
【0058】
図3と、図4に示される本出願における吊り下げストリップ線路300の概略図とをさらに参照されたい。吊り下げストリップ線路300は、キャビティ200と給電ストリップ線路100とを含む。給電ストリップ線路100は、キャビティ200内に位置し、キャビティ200に対して固定される。給電ストリップ線路100はさらに、キャビティ200に絶縁接続される。いくつかの実施形態では、給電ストリップ線路100とキャビティ200との間に、保護のための1/4波長避雷短絡線がさらに配置され得る。一実施形態では、給電ストリップ線路100は、キャビティ200内に一体的に収容される。加えて、図4から分かるように、給電ストリップ線路100は、主に第1の方向001に沿ってキャビティ200内に延在し、第1の方向001は、給電ストリップ線路100の主延在方向として定義され得る。
【0059】
キャビティ200は、電磁遮蔽性能を有し、給電ストリップ線路100の接地構造として使用され得る。加えて、キャビティ200は、外部信号干渉を遮蔽して、給電ストリップ線路100の電気信号伝送を保証する。言い換えると、キャビティ200は、給電ストリップ線路100の遮蔽キャビティとして使用される。一実施形態では、キャビティ200は、一体的に密閉された構造であってもよく、ストリップ線路100は、より良好な遮蔽効果を達成するために、一体的に密閉されたキャビティ200内に収容される。いくつかの他の実施形態では、図3および図4に示すように、キャビティ200内にビア204が配置され得る。具体的には、図3および図4に示すキャビティ200では、キャビティ200は、対向して配置された上面(図示せず)および下面201と、上面と下面201との間に接続された側面202とを有する。2つの側面202があり、2つの側面202はまた、ストリップ線路100の2つの対向する側に配置される。上面、下面201、および2つの側面202はすべて、第1の方向001に沿って延在し、給電ストリップ線路100の長さ延在方向(第1の方向001)において、キャビティ200は、ビア203が設けられた構造である。言い換えると、キャビティ200は、給電ストリップ線路100の長さ延在方向(第1の方向001)において貫通構造を形成し、ビア203は、第1の方向001に沿ってキャビティ200を貫通する。2つの構造のキャビティ200はいずれも、給電ストリップ線路100に対して確実な遮蔽効果を実現することができる。加えて、ビア203が設けられたキャビティ200は、押出および鋳造などの成形プロセスを使用することによって製造されるのにさらに便利であり、また、キャビティ200内での給電ストリップ線路100の組立てを容易にする。
【0060】
摺動媒体301は、キャビティ200内に摺動可能に接続され、給電ストリップ線路100の一方の側に位置する。図3および図4に示すように、摺動媒体301は、垂直方向に給電ストリップ線路100の上方に位置する。摺動媒体301は、キャビティ200に対して摺動し、給電ストリップ線路100に対する摺動媒体301の位置を調整し得る。給電ストリップ線路100に対する摺動媒体301の位置が異なると、それに応じて給電ストリップ線路100の等価誘電率が変化する。言い換えると、給電ストリップ線路100に対して摺動媒体301を摺動させると、給電ストリップ線路100の電気長が変化し、さらに、給電ストリップ線路100の位相出力が変化し得る。一実施形態では、摺動媒体301は、給電ストリップ線路100の延在方向(第1の方向001)に沿って給電ストリップ線路100に対して摺動し、給電ストリップ線路100のより広い範囲で位相シフト効果を達成する。
【0061】
さらに図4を参照されたい。給電ストリップ線路100は、信号入力線150と、少なくとも2つの電力分岐線とを含む。図4に示されるように、少なくとも2つの電力分岐線は、第1の電力分岐線110、第2の電力分岐線120、第3の電力分岐線130、および第4の電力分岐線140という4つの電力分岐線を含む。給電ストリップ線路100は、信号入力ポート101および信号出力ポート102をさらに含む。また、複数の信号出力ポート102があり、各電力分岐線は、1つの信号出力ポート102に接続される。図4に示すように、第1の電力分岐線110は第1の信号出力ポート1021に接続され、第2の電力分岐線120は第2の信号出力ポート1022に接続され、第3の電力分岐線130は第3の信号出力ポート1023に接続され、第4の電力分岐線140は第4の信号出力ポート1024に接続される。
【0062】
信号入力線150の一端は、信号入力ポート101に接続される。信号入力線150は、信号入力ポート101を介して信号を受信または送信する。本出願のこの実施形態では、信号入力ポート101および信号出力ポート102は、独立したインターフェース構造であり得る。信号入力ポート101はまた、信号入力線150の一端として定義され得、信号出力ポート102はまた、電力分岐線の一端として定義され得る。給電ストリップ線路と外部との間の信号伝送を実現するために、信号入力ポート101および信号出力ポート102に対応するノッチ(図示せず)がキャビティ200上にさらに配置され得ることが理解され得る。
【0063】
信号入力ポート101から遠い信号入力線150の一端は、複数の電力分岐線に導通される。図4に示すように、信号入力ポート101から遠い信号入力線150の端部は、第1の電力分岐線110、第2の電力分岐線120、第3の電力分岐線130、および第4の電力分岐線140に導通される。信号入力ポート101に接続された本体153に加えて、信号入力線150は、本体153に別々に接続された第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152をさらに含む。信号入力ポート101から遠い本体153の一方の側は、最初に、第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152に接続される。第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152が異なる方向に別々に延在した後、信号入力ポート101から遠い第1の入力セグメント151の一端は、第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120に接続され、信号入力ポート101から遠い第2の入力セグメント152の一端は、第3の電力分岐線130および第4の電力分岐線140に接続される。このようにして、信号入力ポート101から入力された電気信号は、本体153から給電ストリップ線路100に入り、次いで、第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152を介して電力分岐線に伝達され得る。
【0064】
第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152は、本体153と電力分岐線とを接続する接続線として使用され、電力分岐線の一部とみなされてもよいことに留意されたい。言い換えると、第1の入力セグメント151は、第1の電力分岐線110と第2の電力分岐線120とが結合された後に本体153に延在する線とも考えられ得、第2の入力セグメント152は、第3の電力分岐線130と第4の電力分岐線140とが結合された後に本体153に延在する線とも考えられ得る。第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152は、単に、給電ストリップ線路100における2つの接続セグメント構造として使用される。第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152の特定のホーミング分割(homing division)は、本出願における給電ストリップ線路100の機能実装に影響を与えない。
【0065】
給電ストリップ線路100が4つの電力分岐線を含む場合、4つの電力分岐線が信号入力線150に直接導通されると、言い換えると、4つの電力分岐線が信号入力線150の本体153に直接接続されると、電気信号が本体153から電力分岐線に流れる際に、電気信号が大きい線幅から狭い線幅に流れるという現象が発生し、これは、給電ストリップ線路100のインピーダンス整合につながらないことが理解され得る。第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152は、電気信号の伝送プロセスにおける線幅変化によって引き起こされる損失を低減するために、電気信号の伝送経路上の線幅変化のための遷移を提供するように配置され得る。
【0066】
別の態様では、本出願の給電ストリップ線路100において、第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152という2つの入力セグメントの配置に限定されない。給電ストリップ線路100が4つよりも多い電力分岐線を含む場合、異なる電力分岐線に接続されるようにより多くの入力セグメントがさらに配置され得る。代替的に、給電ストリップ線路100の電力分岐線が2つまたは3つある場合、入力セグメント移行構造は配置されなくてもよく、第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120は、(図5aおよび図5bに示されるように)信号入力線150に直接接続されるか、または、第1の電力分岐線110、第2の電力分岐線120、および第3の電力分岐線130は、(図5cに示されるように)信号入力線150に接続されて、本出願における給電ストリップ線路100の位相割り当て機能を実現する。
【0067】
図5a、図5b、および図5cの実装形態に示すように、信号入力線150が第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120(図5cでは、第3の電力分岐線130がさらに含まれる)に別々に導通される位置において、信号入力線150によって送られる信号は、第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120(第3の電力分岐線130がさらに含まれてもよい)に別々に導通され得、信号入力線150によって受信される信号も、第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120(第3の電力分岐線130がさらに含まれてもよい)を介して別々に取得され得る。信号入力線150が第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120(第3の電力分岐線130がさらに含まれてもよい)に接続される位置は、電力分配器である。
【0068】
図4を参照されたい。第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152は、異なる延在長を有する。それに応じて、第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120も異なる延在長を有し、第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120の等価誘電率も異なる。第1の入力セグメント151および第1の電力分岐線110を通って第1の信号出力ポート1021に流れる電気信号の位相は、第1の入力セグメント151および第2の電力分岐線120を通って第2の信号出力ポート1022に流れる電気信号の位相とは異なる。それに応じて、第3の電力分岐線130および第4の電力分岐線140の延在長も異なり、第3の信号出力ポート1023および第4の信号出力ポート1024の位相も異なる。このようにして、電気信号が信号入力ポート101から給電ストリップ線路100に流れ込んだ後、電気信号が異なる電力分岐線を通って異なる信号出力ポート102に到達すると、電気信号の位相は異なる。
【0069】
図3を参照すると、本出願における位相シフタ403の場合、摺動媒体301は、第1の入力セグメント151と、第2の入力セグメント152と、各電力分岐線とをさらに覆う。上述したように、各電力分岐線は、主に第1の方向001に沿って延在する。第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152が主に第1の方向001に沿って延在するように配置された後、摺動媒体301は、第1の方向001に沿って第1の入力セグメント151、第2の入力セグメント152、および各電力分岐線を覆い得る。この場合、摺動媒体301は、キャビティ200に対して摺動し、摺動媒体301によって対応して覆われる第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152の長さ、ならびに摺動媒体301によって対応して覆われる各電力分岐線の長さも、同期して変化する。
【0070】
摺動媒体301が第1の入力セグメント151および第1の電力分岐線110を覆うとき、第1の入力セグメント151および第1の電力分岐線110の被覆部分の等価誘電率が変化し得る。第1の入力セグメント151および第1の電力分岐線110の等価誘電率が摺動媒体301の作用下で同期して変化すると、信号入力ポート101から第1の信号出力ポート1021までの実際の電気長もそれに応じて調整される。摺動媒体301の摺動は、第2の電力分岐線120に対する摺動媒体301の被覆長をさらに同期して変化させ、第2の電力分岐線120の等価誘電率の調整と、それに対応する第2の電力分岐線120の電気長の調整を引き起こすことが理解され得る。さらに、第3の電力分岐線130および第4の電力分岐線140の電気長は、同期して調整される。本出願では、位相シフタ403は、摺動媒体301を摺動させることによって、第1の出力ポート1021、第2の出力ポート1022、第3の出力ポート1023、および第4の出力ポート1024の間の位相角差を変化させ、電気信号の位相角を調整する機能を実現し得る。
【0071】
電気信号が、第1の出力ポート1021、第2の出力ポート1022、第3の出力ポート1023、および第4の出力ポート1024から別々に入力され、信号入力ポート101に伝送されると、信号入力ポート101によって取得された電気信号もまた、第1の電力分岐線110、第2の電力分岐線120、第3の電力分岐線130、および第4の電力分岐線140の間の電気長の差により位相調整を受けることが理解され得る。
【0072】
図3に示される構造では、摺動媒体301は、第1の入力セグメント151、第2の入力セグメント152、および各電力分岐線を覆うことに留意されたい。いくつかの他の実施形態では、摺動媒体301は、代替的に、第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152のみを覆い、第1の入力セグメント151および第2の入力セグメント152の電気長を変更することによって信号出力ポート102間の位相差を調整してもよい。代替的に、摺動媒体301は、第1の電力分岐線110、第2の電力分岐線120、第3の電力分岐線130、および第4の電力分岐線140のみを覆い、電力分岐線の電気長を変更することによって信号出力ポート102間の位相差を調整してもよい。
【0073】
図6に示される第1の出力セグメント151の一方の側の給電ストリップ線路100の構造の概略図を参照されたい。第1の電力分岐線110および第2の電力分岐線120は、第1の出力セグメント151の側にさらに配置される。第1の電力分岐線110は、第1の電力分岐線110の延在方向に沿って第1のセグメント10および第2のセグメント20に切断される。第1のセグメント10は、第1の出力セグメント151に近い側に位置し、第1の出力セグメント151に接続される。第2のセグメント20は、第1の信号出力ポート1021に近い側に位置する。加えて、第1のセグメント10および第2のセグメント20は、第2の電力分岐線120の2つの対向する側に分散される。言い換えると、第1のセグメント10は、第1のセグメント10の延在方向に沿って、第1の出力セグメント151から遠い第1の端部11を含み、第1の端部11は、第2の電力分岐線120に近く、第2の電力分岐線120の一方の側に位置し、第2のセグメント20は、第2の電力分岐線120に近い第2の端部21を含み、第2の端部21もまた、第2の電力分岐線120に近く、第1の端部11に対して第2の電力分岐線120の他方の側に位置する。第1のセグメント10および第2のセグメント20は、第2の電力分岐線120の2つの側に分散され、互いから切断されている。
【0074】
第1の電力分岐線110は、ジャンプ構造30をさらに含み、ジャンプ構造30は、第1のセグメント10と第2のセグメント20との間に位置し、第2の電力分岐線120から離間されている。ジャンプ構造30は、第1のセグメント10および第2のセグメント20に対して固定され、第1のセグメント10と第2のセグメント20との間での信号伝送機能を実現するように構成される。具体的には、第1の電力分岐線110は、互いに離間されている第1のセグメント10と第2のセグメント20とに切断されるので、第1の電力分岐線110上を伝送される電気信号が第1の端部11に到達した後、第1の端部11における信号は、第1のセグメント10および第2のセグメント20に対して固定されたジャンプ構造30の作用下で第2の端部21に伝送され、電気信号は、第2のセグメント20を介して第1の信号出力ポート1021にさらに伝送されて、第1の電力分岐線110全体で電気信号を伝送する機能を実現する。
【0075】
図7に示す既存の給電ストリップ線路100aの構造を参照されたい。既存の給電ストリップ線路100aはまた、既存の信号入力線150aと、2つの既存の出力セグメント151aと、複数の既存の電力分岐線110aとを含み、既存の信号入力線150aと、2つの既存の出力セグメント151aと、複数の既存の電力分岐線110aとはすべて、同じ平面に位置する。線は交差しない。特に、本出願における給電ストリップ線路100内の第1の出力セグメント151の一方の側に対応する位置において、既存の出力セグメント151aは、2つの既存の電力分岐線110aにも接続される。加えて、2つの既存の電力分岐線110aは交差しないので、既存の給電ストリップ線路100aには、使用できないアイドル領域103aが存在する。予め設定された延在長に達するために、2つの既存の電力分岐線110aは、2つの電力分岐線が別々に位置する領域のみに延在することができ、相対的な位相差を形成する。2つの既存の電力分岐線110aが、2つの電力分岐線が別々に位置する領域に別々に延在する場合、2つの電力分岐線110aによって必要とされる領域は、延在に必要とされる長さに対応して増加することが理解され得る。既存の電力分岐線110aが交差することができないために形成されるアイドル領域103aの面積を参照すると、既存の給電ストリップ線路100aの全体の面積が相応に増加し、給電ストリップ線路100aのサイズ制御につながらない。サイズが大きくなるほど、既存の給電ストリップ線路100aの輸送および設置コストがさらに増加する。加えて、既存の給電ストリップ線路100aを使用する既存の位相シフタ、アレイアンテナ、および基地局などの製品の体積もまた相応に増加し、それもまた、輸送および設置の助けにならない。
【0076】
しかしながら、本出願では、給電ストリップ線路100は、第1の電力分岐線110を互いに独立した第1のセグメント10および第2のセグメント20に切断し、ジャンプ構造30を介して第1のセグメント10と第2のセグメント20との間の信号伝送を実現するので、第1のセグメント10および第2のセグメント20を、第2の電力分岐線120の2つの対向する側に別々に位置付けることができる。このようにして、第1の電力分岐線110の延在領域が拡張され、アイドル領域が排除される。本出願における給電ストリップ線路100の全体的なサイズが制御され、本出願における給電ストリップ線路100の輸送および設置コストが低減される。
【0077】
特に、本出願の実施形態において提供される吊り下げストリップ線路300の構造では、キャビティ200の内部空間は、コストおよび処理プロセスにより制限される。本出願における給電ストリップ線路100の構造が使用された後は、本出願における給電ストリップ線路100の平面積比は小さくなるので、給電ストリップ線路100のサイズは、同じ傾斜を実装するという前提で圧縮されることができ、その結果、本出願における吊り下げストリップ線路300の全体的な体積も制御することができる。
【0078】
本出願における給電ストリップ線路100が使用されるか、または含まれるので、本出願における位相シフタ403、アレイアンテナ400、および基地局はそれぞれ、より小さい体積を有し、輸送および設置コストも低減されることが理解され得る。
【0079】
給電ストリップ線路100内の複数の電力分岐線について、ジャンプ構造30が設けられ、別の電力分岐線と交差する電力分岐線の具体的な数は、本出願では限定されないことが理解され得る。言い換えると、給電ストリップ線路100内の各電力分岐線の特定の延在長要件に基づいて、複数の電力分岐線のうち、ジャンプ構造30を介して接続された2つの相対的なセグメントへと切断される電力分岐線の数は、ランダムに設定され得る。例えば、第3の電力分岐線130に対してジャンプ構造30を配置してもよく、これにより、第3の電力分岐線130は、第4の電力分岐線140の2つの対向する側に延在することができ、本出願における第2の入力セグメント152に近い給電ストリップ線路100の側の面積利用率が改善される。本出願は、複数の電力分岐線のうちの1つがジャンプ構造30を含む実施形態のみを示す。
【0080】
別の態様では、第1の電力分岐線110について、第1の電力分岐線110が第1のセグメント10および第2のセグメント20に切断されることに基づいて、切断によって得られる第3のセグメント(図示せず)がさらに配置され得、第3のセグメントおよび第2のセグメント20は互いに切断され、第3のセグメントおよび第1のセグメント10は、第2の電力分岐線120の一方の側に位置する。この場合、第2のセグメント20と第3のセグメントとの間の信号伝送機能もジャンプ構造30を介して実現され得、第1の電力分岐線110が第2の電力分岐線120と2回交差するケーブル配線形態は、第1の電力分岐線110の配置につながらない。第1の電力分岐線110は、第4のセグメントおよび第5のセグメントなどの切断された構造がさらに備わっていてもよく、第1の電力分岐線110は、第2の電力分岐線120に対する第1の電力分岐線110の交差を実現するために、複数のジャンプ構造30とともに使用され得ることが理解され得る。具体的な配置方式は、第1の電力分岐線110の延在長および動作要件に基づいて決定され得る。
【0081】
可能な実装形態では、第1のセグメント10、第2のセグメント20、信号入力線150、および第2の電力分岐線120の同期製造を容易にするために、信号入力線150および第2の電力分岐線120の両方が第1の平面(図示せず)に位置し、第1の電力分岐線110の第1のセグメント10および第2のセグメント20も第1の平面に位置する。ジャンプ構造30は、ジャンプ構造30と第2の電力分岐線120との間の相互分離を実現するために、第1の平面の外側に少なくとも部分的に位置する。
【0082】
図8および図9に示されるジャンプ構造30の実装形態を参照されたい。図8および図9に示すように、ジャンプ構造30は、ブリッジジャンパ31の形態で構成される。ジャンパ31は、導電性であり、接続セグメント313と、第1のピン311と、第2のピン312とを含む。第1のピン311および第2のピン312は、接続セグメント313の2つの対向する端部に分散され、言い換えると、接続セグメント313は、第1のピン311と第2のピン312との間に接続される。接続セグメント313の長さ方向は、第1の電力分岐線110の延在方向に沿って配置され、第1のピン311は、第1のセグメント10に近い側に位置し、第2のピン312は、第2のセグメント20に近い側に位置する。接続セグメント313および第2の電力分岐線120は、間隔を置いて配置される。接続セグメント313は、第1のピン311を介して接続セグメント313と第1のセグメント10との間に接続され、第1のセグメント10に対して固定され導通される。接続セグメント313は、第2のピン312を介して接続セグメント313と第2のセグメント20との間にさらに接続され、第2のセグメント20に対して固定され導通される。
【0083】
一実装形態では、第1のピン311、第2のピン312、および接続セグメント313は、一体構造であり、すなわち、ジャンプ構造30は、一体的に形成される。この場合、接続セグメント313と第1のピン311および第2のピン312との間の接続はより安定する。これにより、第1の電力分岐線110の信頼性が向上する。
【0084】
ジャンプ構造30の具体的な形状は、本出願の実施形態では特に限定されない。ジャンプ構造30は、第2の電力分岐線120と交差する円弧であってもよいし、任意の湾曲形状であってもよい。ジャンプ構造が第2の電力分岐線120から分離され、第1のセグメント10と第2のセグメント20との間の電気接続を実現する限り、ジャンプ構造は、本出願における給電ストリップ線路100においてジャンプ構造として使用され得る。一実施形態では、接続セグメント313は、第2の平面にさらに位置し、第1の平面は第2の平面に平行である。したがって、接続セグメント313が第2の電力分岐線120と交差するプロセスでは、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の高低差は常に安定している。これは、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の信号干渉を制御するのに役立つ。
【0085】
図8および図9に示すように、第1のピン311は、溶接によって第1のセグメント10に相対的に固定され導通され得、第2のピン312も、溶接によって第2のセグメント20に相対的に固定され導通され得る。ジャンパ31と第1のセグメント10との間、およびジャンパ31と第2のセグメント20との間には、さらにはんだ50が積層されている。第1の端部11に到達した後、第1のセグメント10から入力された電気信号は、第1のピン311を介して接続セグメント313に伝達され、次いで2の電力分岐線120を横切った後、接続セグメント313を介して第2のピン312に伝送される。最後に、電気信号は、第2のピン312から第2の端部21を通って第2のセグメント20に伝送され、第1の信号出力ポート1021から出力される。反対に、第1の信号出力ポート1021から電気信号が入力されると、電気信号は、第2のセグメント20を介して第2のピン312、接続セグメント313、第1のピン311、第1のセグメント10の順に伝達され、最終的に電力分配器を介して信号入力線150に伝達される。ブリッジジャンパ31は、第1の平面の上方に配置され、第2の電力分岐線120と交差した後、第1のセグメント10および第2のセグメント20に接続されて導通され、第1のセグメント10と第2のセグメント20との間で電気信号を伝送する効果を達成する。
【0086】
図8および図9の実施形態では、第1の開口部111が第1の端部11にさらに配置され、第1の開口部111の外観は、第1のピン311が第1の開口部111を通過することができるように、第1のピン311の外観に対応して配置される(図10参照)。この場合、第1のピン311は、第1のピン311と第1のセグメント10との間の接続の安定性をさらに向上させるために、第1のセグメント10の2つの対向する表面に別々に溶接されて固定され得る。加えて、第1の開口部111は、ジャンパ31を第1のセグメント10に対して位置決めするようにさらに構成され得る。それに応じて、第2の開口部211も第2の端部21に配置され、第2の開口部211の外観も第2のピン312の外観と一致し、第2のピン312は、第2の開口部211を通過し、第2のセグメント20の2つの対向する表面に溶接されて固定され得る。第2の開口部211はまた、ジャンパ31と第2のセグメント20との間の位置決めのために使用されてもよい。
【0087】
一実装形態では、ジャンパ31は弾性である。ジャンパ31の第1のピン311および第2のピン312がそれぞれ第1の開口部111および第2の開口部211内に延在する場合、第1のピン311と第2のピン312との間に弾性変形が発生し、第1のピン311と第2のピン312との間に、互いに引き寄せる弾性力F1(図11参照)が形成される。弾性力F1は、第1のピン311は第1の開口部111の一方の側の内壁に当接することを可能にし、第2のピン312は第2の開口部211の一方の側の内壁に当接することを可能にし、ジャンパ31と第1のセグメント10および第2のセグメント20との間の確実な接触を維持し得る。この場合、ジャンパ31は、第1のセグメント10および第2のセグメント20に当接され得、弾性のジャンパ31に基づいて溶接され得る。両方とも、第1のピン311と第1の開口部111との間、および第2のピン312と第2の開口部211との間の確実な重複接触を確保することができる。
【0088】
第1のピン311と第2のピン312との間に弾性変形が発生すると、第1のピン311と第2のピン312との間に、引き離す弾性力F2がさらに形成され得、前述の実施形態と同様の有益な効果も実現され得ることが理解され得る。
【0089】
別の態様では、溶接または突き合わせ導通(butted conduction)に加えて、第1のピン311および第1のセグメント10は、代替的に、座屈および接着などの方法で突き合わされてもよい。それに応じて、第2のピン312と第2のセグメント20とは、座屈および接着などの方法で突き合わされてもよい。これは、本出願における給電ストリップ線路100の機能実装形態に影響を与えない。
【0090】
一実施形態では、接続セグメント313の線幅は、第1のセグメント10の線幅以下および第2のセグメント20の線幅以下となるようにさらに設定され得る。これを使用して、ジャンパ31と第1のセグメント10および第2のセグメント20との間のインピーダンス整合を制御し、ジャンパ31における損失を低減して、第1の電力分岐線110の全体的な電気的性能を向上させる。
【0091】
図12および図13は、ジャンプ構造30の別の形態の実施形態を示す。図12および図13に示すように、ジャンプ構造30は、パッチ32として構成される。パッチ32は、第1の結合端部321と、第2の結合端部322と、第1の結合端部321と第2の結合端部322との間に接続された接続セグメント313とを含む。パッチ32、第1のセグメント10、および第2のセグメント20は、別々に配置され、第1の平面上の第1の結合端部321の突出部は、第1の端部11と少なくとも部分的に重なる。したがって、第1の端部11および第1の結合端部321は、結合された電気接続を形成し得、第1のセグメント10上の電気信号は、結合方式で第1の結合端部321に伝送される。同様に、第1の平面上の第2の結合端部322の突出部も、第2の端部21と少なくとも部分的に重なる。したがって、第2の結合端部322は、結合方式で電気信号を第2の端部21に伝達し得、電気信号はさらに、第2のセグメント20を介して伝送される。
【0092】
一実装形態では、第1の結合端部321と第1のセグメント10との間に第1の結合コンデンサが形成され、第2の結合端部322と第2のセグメント20との間に第2の結合コンデンサが形成される。コンデンサ構造は、ジャンプ構造30と第1のセグメント10および第2のセグメント20との間に別々に形成され、結合電気接続は、第1の結合コンデンサおよび第2の結合コンデンサの形態で実装される。いくつかの他の実施形態では、結合は、代替的に、インダクタンスを形成することによって、第1の結合端部321と第1のセグメント10との間、および第2の結合端部322と第2のセグメント20との間に実装されてもよい。
【0093】
図14の実施形態を参照されたい。パッチ32の形態のジャンプ構造30では、分離パッド324は、パッチ32と第1の電力分岐線110との間にさらに挟まれる。分離パッド324は絶縁材料であり、射出成形によって形成され得る。分離パッド324は、パッチ32と第1の電力分岐線110との間の絶縁および固定を実施して、第1の結合コンデンサおよび第2の結合コンデンサを形成するように構成される。
【0094】
具体的には、2つの分離パッド324があり、2つの分離パッド324は、第1の結合端部321と第1のセグメント10との間、および第2の結合端部322と第2のセグメント20との間に別々に位置する。第1のセグメント10の第2の端部12および第1の結合端部321は、間隔を置いて配置され、分離パッド324は、第1の結合端部321を固定して支持するように構成される。一実施形態では、2つの分離パッド324は、第1の端部11および第2の端部21に別々に位置し、第1の結合端部321は、第1の端部11に位置する分離パッド324に固定して接続され、第2の結合端部322は、第2の端部21に位置する分離パッド324に固定して接続される。
【0095】
前述の実施形態における給電ストリップ線路100は、板金ストリップの構造に基づいて拡張される。いくつかの他の実施形態では、給電ストリップ線路100は、代替的に、プリント回路基板上に製造されたPCB(Printed Circuit Board、PCB)ストリップ、または別のストリップ形態であってもよい。
【0096】
図15および図16に示す構造を参照されたい。給電ストリップ線路100は、プリント回路基板40をさらに含む。給電ストリップ線路100がキャビティ200内に配置され、キャビティ200とともに吊り下げストリップ線路300を形成する場合、プリント回路基板40がさらに、キャビティ200内に固定される。信号入力線150、第2の電力分岐線120、第1の電力分岐線110、およびジャンプ構造30は、すべてプリント回路基板40上に位置する。プリント回路基板40は、給電ストリップ線路100のための確実な支持を形成し、吊り下げストリップ線路300の実装形態においてキャビティ200に対する給電ストリップ線路100の絶縁および固定を実現し得る。
【0097】
詳細については、図17を参照されたい。プリント回路基板40は、第1の外面41を有する。信号入力線150、第2の電力分岐線120、第1のセグメント10、および第2のセグメント20は、すべて第1の外面41に取り付けられ、第1の外面41上の第1の平面として構成される。言い換えると、信号入力線150、第2の電力分岐線120、第1のセグメント10、および第2のセグメント20を構成することによって形成される第1の平面は、第1の外面41に取り付けられる。プリント回路基板40は、第2の外面42をさらに含み、第2の外面42は、第1の外面41に対向して配置される。接続セグメント313は、第2の外面42に取り付けられ、第2の外面42上に第2の平面(図示せず)を形成するように構成され得る。言い換えると、接続セグメント313を構成することによって形成される第2の平面は、第2の外面42に取り付けられる。このように、第1の平面および第2の平面は、プリント回路基板40上で対向して配置された2つの金属面として形成され、第1の平面は第1の金属面として構成され、第2の平面は第2の金属面として構成される。図17に示すように、接続セグメント313と第2の外面42とは、間隔を置いて配置され、ジャンプ構造30の信号伝送機能も実現することができる。
【0098】
いくつかの他の実施形態では、溝(図示せず)が、相応に、第1の外面41および第2の外面42上にさらに配置されてもよい。溝は、給電ストリップ線路100の線を収容するように構成され、これにより、給電ストリップ線路100の線の少なくとも一部が溝内に収容される。この場合、給電ストリップ線路100の底面は、第1の外面41および第2の外面42よりも低い。いくつかの実施形態では、給電ストリップ線路100が溝内に完全に収容される場合、給電ストリップ線路100の上面は、第1の外面41および第2の外面42とさらに面一になる。これらの実施形態は、PCBストリップのすべての可能な実装形態であり、本出願における給電ストリップ線路100がプリント回路基板40上に位置付けられる実装形態でもある。
【0099】
図16を参照されたい。ビア43は、プリント回路基板40上に配置され、第1の外面41および第2の外面42を貫通し、第1の平面と第2の平面との間に接続される。第1のピン311および第2のピン312は、ビア43を通過する導電性要素として別々に構成され、第1の平面上の第1のセグメント10と第2の平面上の接続セグメント313との間、および第1の平面上の第2のセグメント20と第2の平面上の接続セグメント313との間に接続される。ビア43が、既存のプロセスを使用することによってプリント回路基板40上に製造され得、次いで、第1のピン311および第2のピン312が、ビア43を別々に通過するように配置され、それにより、ジャンプ構造30は、第1のセグメント10および第2のセグメント20の各々に確実に重なることができる。
【0100】
図16に示すように、ジャンプ構造30は、依然としてジャンパ31として配置されている。ジャンパ31の第1のピン311および第2のピン312は、ビア43を別々に通過し、溶接によって第1のセグメント10および第2のセグメント20にそれぞれ固定され導通されて、信号伝送の目的を達成する。図16の実施形態では、ビア43はまた、第1の開口部111および第2の開口部211の構造を形成するように構成されることが理解され得る。図17に示すように、ジャンパ31は、プリント回路基板40の第2の外面42側からビア43内に延在し、第1の外面41側から外部に延在している。この場合、第1のセグメント10および第2のセグメント20は、第1の外面41側で第1のピン311および第2のピン312にそれぞれ溶接されて固定され、第1のピン311および第2のピン312は、溶接およびビア43の共同作用の下で第1のセグメント10および第2のセグメント20にさらにしっかりと接続される。
【0101】
いくつかの他の実装形態では、ビア43は、代替的に、導電性ビア(図示せず)として別々に構成されてもよい。この場合、ビア43は、金属などの導電性材料で充填される。接続セグメント313が第2の外面42に取り付けられ、第1のセグメント10および第2のセグメント20が第1の外面41に取り付けられると、接続セグメント313は、導電性ビアを介して第1のセグメント10および第2のセグメント20に電気的に導通される。いくつかの他の実施形態では、ジャンプ構造30はパッチ32として配置される。パッチ32は、第2の平面として構成され、第2の外面42に取り付けられる。パッチ32は、第1のセグメント10および第2のセグメント20と結合を通じて信号伝送を実行するので、第1の電力分岐線110により信号を伝送する機能も実現される。
【0102】
図18に示す実施形態を参照されたい。入力整合線152、第1の電力整合線112、および第2の電力整合線122が、第2の金属面内にさらに配置される。入力整合線152、第1の電力整合線112、および第2の電力整合線122はすべて、第2の外面42に取り付けられる。さらに、入力整合線152は信号入力線150に平行に延在し、第1の電力整合線112は第1の電力分岐線110に平行に延在し、第2の電力整合線122は第2の電力分岐線120に平行に延在する。入力整合線152はまた、第1の電力整合線112および第2の電力整合線122に接続されることが理解され得る。加えて、図18に示すように、第1の電力整合線112も切断状態にあり、第1の電力整合線112の切断位置は、第1の電力分岐線110内の第1のセグメント10と第2のセグメント20との間の切断位置に対応する。
【0103】
この場合、信号入力線150の延在経路上で、信号入力線150および入力整合線152は、共同で作用し、信号入力ポート101によって送られた電気信号を伝送する。第2の電力整合線122および第2の電力分岐線120もまた、共同で作用して、電気信号を第2の信号出力ポート1022に伝送する。第1の電力整合線122および第1の電力分岐線110は、ジャンプ構造30と協働し、電気信号を第1の信号出力ポート1021に伝送する。図18に示すように、ジャンプ構造30は、ジャンパ31の形態で構成される。ジャンパ31は、ビア43を通過し、第1の電力分岐線110および第1の電力整合線112に接触し、第1の電力分岐線110および第1の電力整合線112の両方に導通している。このようにして、第1の電力分岐線110および第1の電力整合線112上で電気信号を伝送する機能が実現される。
【0104】
一実施形態では、プリント回路基板40は、複数のビア43をさらに有し得る。複数のビア43は、すべて導電性ビアであり、信号入力線150の延在方向に沿って間隔を置いて分散されており、信号入力線150と入力整合線152とを接続し、信号入力線150と入力整合線152との間に電気経路を形成し、信号入力線150と入力整合線152との間のインピーダンス整合を実施するように構成される。複数のビア43はさらに、第1の電力分岐線110と第1の電力整合線112との間、および/または第2の電力分岐線120と第2の電力整合線122との間に配置され、2つの電力分岐線と、2つの電力分岐線に対応する整合線との間に電気経路を形成し、2つの電力分岐線のそれぞれの等価誘電率を調整し得る。
【0105】
一実施形態について、図19を参照し、図20に示される第1の金属面の平面図および図21に示される第2の金属面の平面図を参照されたい。図21に示すように、第1の電力整合線112は、コヒーレントな接続状態にあり、接続セグメント313は、第1の電力整合線112内の線構造の一部として構成される。さらに、図21に示すように、第2の電力整合線122は、第3のセグメント123および第4のセグメント124を含む。第3のセグメント123は、接続セグメント313の一方の側に位置し、第2の電力分岐線120に平行に延在する。第4のセグメント124は、接続セグメント313の他方の側に位置し、同じく第2の電力分岐線120に平行に延在する。言い換えると、第1の電力分岐線110は、第1の金属面上で切断状態にあり、切断された第1のセグメント10および第2のセグメント20は、第2の電力分岐線120の2つの側に分散される。第2の電力整合線122も、第2の金属面上で切断状態にあり、切断された第3のセグメント123および第4のセグメント124は、第1の電力整合線112の2つの側に分散される。
【0106】
第1の電力分岐線110と第1の電力整合線112との間に複数のビア43が配置され、ビア43は導電性ビアであるので、第1の電力整合線112内の線構造の一部として構成された接続セグメント313は、第2の電力分岐線120の2つの側に分散されたビア43を介して、第1のセグメント10上の電気信号を第2のセグメント20に伝送する機能を実現し、第1の電力分岐線110上の電気信号の伝送をさらに実現し得る。複数のビア43はまた、第2の電力分岐線120と第2の電力整合線122との間に配置され、複数のビア43は、接続セグメント313の2つの側に分散される。この場合、第3のセグメント123上の電気信号がビア43を介して第2の電力分岐線120に伝達された後、電気信号は、第2の電力分岐線120との接続セグメント313を横切り、接続セグメント313の他方の側のビア43を介して第4のセグメント124に伝達されて、第2の電力整合線122上の電気信号の伝送を実現する。
【0107】
図22および図23に示す構造を参照されたい。接続セグメント313が第2の電力分岐線120と交差する位置において、第1の平面における接続セグメント313の突出部と第2の電力分岐線120との間に挟角αが形成され、挟角αは、45°≦α≦90°の条件を満たす必要がある。図22および図23の実施形態では、挟角α=90°である。第1の平面における接続セグメント313の突出部は、第2の電力分岐線120と部分的に重なり合い、重なり面積は、挟角αが減少するにつれて増加する。接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の重なり面積が大きいほど、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間に形成される信号干渉が大きくなることを示す。接続セグメント313が第2の電力分岐線120に平行であるとき、すなわち、挟角α=0°であるとき、接続セグメント313は、第2の電力分岐線120に完全に重なり合うことが理解され得る。この場合、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の重なり面積が最も大きく、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の電気信号干渉も最も強い。挟角αの範囲が制限された後、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の重なり面積は、小さい範囲になるように制御されてもよく、挟角α=90°であるとき、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の重なり面積は最小である。そのような設定は、接続セグメント313と第2の電力分岐線120との間の信号干渉を制限し、第1の電力分岐線110と第2の電力分岐線120との間のそれぞれの電気信号の安定した伝送を保証することができる。
【0108】
前述の説明は、本出願の特定の実施形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に考え出される任意の変形または置換、例えば、機械的部分を低減または追加すること、および機械的部分の形状を変更することは、本出願の保護範囲内に入るものとする。矛盾が生じない場合、本出願の実施形態および実施形態における特徴は、相互に組み合わせることができる。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
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