(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】再生可能構成成分を含む洗濯洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/29 20060101AFI20250128BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20250128BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20250128BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20250128BHJP
C11D 7/50 20060101ALI20250128BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
C11D1/29
C11D1/72
C11D1/75
C11D3/37
C11D7/50
C11D17/08
(21)【出願番号】P 2020156940
(22)【出願日】2020-09-18
(62)【分割の表示】P 2018536205の分割
【原出願日】2017-01-06
【審査請求日】2020-09-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-04
(32)【優先日】2016-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】シャロウズ、ウィリアム・コフィン
(72)【発明者】
【氏名】ヒバード、ダニエレ・リン
【合議体】
【審判長】関根 裕
【審判官】瀬下 浩一
【審判官】弘實 由美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-508818(JP,A)
【文献】特表2011-508819(JP,A)
【文献】特表2011-500951(JP,A)
【文献】特表2015-524004(JP,A)
【文献】特表2007-531816(JP,A)
【文献】特表2006-527276(JP,A)
【文献】特表2007-530711(JP,A)
【文献】特表平11-512761(JP,A)
【文献】特表平11-512769(JP,A)
【文献】特表平11-508293(JP,A)
【文献】特表2009-535274(JP,A)
【文献】特開2006-161229(JP,A)
【文献】特開2014-25026(JP,A)
【文献】特開2013-224365(JP,A)
【文献】特開2009-185252(JP,A)
【文献】特開2009-185253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
D06F 1/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物であって、前記組成物が、
3重量%~20重量%の、式R
1-(OCH
2CH
2)
x-O-SO
3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R
1はC
10
~C
14
の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは0.5~8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、
2重量%~
10重量%の、式R
2-(OCH
2CH
2)
y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R
2はC
12
~C
16
の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは0.5~15である)と、
0.1重量%~5重量%のアミンオキシドと、
0.1重量%~5重量%の洗浄ポリマーと、
1重量%~15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、
水と、を含み、
前記透明又は半透明の組成物が、波長410~800ナノメートルで、1cmのキュベットを使用して、50%以上の光透過率を有する、透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が、染料及び増白剤を含まない、請求項1に記載の透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記組成物が、モノエタノールアミンを含まない、請求項1又は2に記載の透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記組成物が、直鎖又は分枝鎖のアルキルベンゼンスルホネートを含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物を含む透明ボトルであって、前記透明ボトルが波長410~800nmで25%を超える光透過率を有する、透明ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再生可能構成成分を含有し、かつ非再生可能構成成分を含有する従来の洗剤処方と、再生可能構成成分を含有する公知の洗剤処方との両方に比べて、良好な性能を示す、洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液体洗濯洗剤は、数十年間にわたって当該技術分野において既知である。現代の洗剤は、クリーニング性能を改善するため、及び消費者に許容される組成物を得るために、石油由来の合成界面活性剤の配合物と、ビルダー、水質調節剤、分散剤、汚れ放出ポリマー、洗浄酵素、及び漂白剤などの任意の数の追加的な成分とからなる場合が多い。数十年にわたる大きな進歩により、洗濯洗剤は、リン酸塩を使用しないようになってきているが、今日の液体洗剤の多くは、生分解性であるが石油由来である合成界面活性剤を使用している。今日使用されている界面活性剤の多くは、例えば、植物由来のものではなく、石油系である。再生可能な成分を含みながら、消費者が許容する性能を提供するような、洗剤組成物の必要性がある。
【0003】
少量の置き換え、例えば、酵素濃度を増加させることによるビルダー及び/又は界面活性剤の濃度の低減、あるいは炭酸塩又は重炭酸塩ビルダー及び生分解性キレート剤に置き換えることによるリン酸塩の除去は、当該技術分野において既知である。しかしながら、複数のタイプの酵素を組み合わせて安定化させる必要がある可能性があり、また失われた性能を補うために、酵素以外の追加成分(例えば、高濃度の光学的増白剤)を必要とする可能性があるため、このストラテジーを組成物中の全ての非再生可能成分の置き換えに適用するのには問題がある。界面活性剤の組み合わせ(脂肪族アルキルエーテルサルフェート、直鎖アルコールエトキシレート、及び非イオン性糖界面活性剤(アルキルポリグリコシド)を含む)を含有する、多酵素系と組み合わせた処方が既知である。「天然のエッセンス」(精油又は他の天然抽出物)と共に、生分解性、非石油由来のアニオン性及び非イオン性の界面活性剤を含む、環境に優しい液体洗濯洗剤組成物が既知である。アルキルポリグリコシド(APG)及び脂肪族アルコールサルフェートと、少なくとも2つの洗浄酵素と、酵素安定化系(例えば、ホウ酸塩及び/又はクエン酸塩及び/又はカルシウム塩)と、d-リモネン又はその他の天然エッセンスと、水及び補助剤とを含み、持続可能性指数が3より大きい液体洗濯洗剤組成物も既知である。
【0004】
また、水、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C14~15パレス-nクエン酸ナトリウム(C14-15 pareth-n, sodium citrate)、パーム核脂肪酸ナトリウム、ホウ酸MEA、ラウレス硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、アルコール、プロピレングリコール、四級化された硫酸化エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、香料、PEG/酢酸ビニルのコポリマー、硬化ヒマシ油、PEI-14 PEG-10/PPG-7コポリマー、エタノールアミン、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸ナトリウム、PEG/PPG-10/2プロピルヘプチルエーテル、ブチルフェニルメチルプロピオナール、ソルビトール、グリセリン、水酸化ナトリウム、ギ酸ナトリウム、硫酸、α-イソメチルイオノン、プロテアーゼ、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、トリプロピレングリコール、グリコシダーゼ、フェニルメチコン、着色料、酢酸ナトリウム、セルラーゼ、フェノキシエタノール、硫酸ナトリウム、シリカ、及びポリナフタレンスルホン酸ナトリウムを含む洗剤が既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
全体として、再生可能な成分を含む既知の洗濯洗剤は、消費者が許容できるレベルの性能は有さず、従来の洗剤と同等の性能を提供するものではない。再生可能構成成分の濃度を高めながら、従来の洗剤と同等の性能を有している洗濯洗剤の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含む洗濯洗剤組成物を提供することにより、1つ以上の必要性を解決しようとするものであり、この組成物は染料及び増白剤を実質的に含まない。
【0007】
本開示は、透明ボトル入りの透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物にも関するものであり、この組成物は、約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含み、この透明又は半透明の組成物は、波長410~800ナノメートルで、1cmのキュベットを使用して、約50%以上の光透過率を有し、この透明ボトルは波長約410~800nmで25%を超える光透過率を有する。
【0008】
本開示は、着色布地を洗濯する方法にも関するものであり、この方法は、洗剤組成物を提供する工程であって、この組成物が、約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含み、この組成物は増白剤及びモノエタノールアミンを実質的に含まない、工程と、この洗剤組成物の一用量を、500倍を超える割合の水中で希釈し、0.8~0.035g/Lの界面活性剤を含む洗浄液を得る工程と、このようにして形成された洗浄液で着色布地を洗浄する工程と、を含み、塩素捕捉効率は、当初の遊離塩素濃度2.4ppmで、少なくとも約90%である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の種々の実施形態の特徴及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるように意図される特定の実施形態の例を含む以下の記述から明らかになるであろう。様々な修正がこの記述及び本発明の実施から当業者には明白であろう。この範囲は開示される特定の形態に限定されるようには意図されず、かつ本発明は、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨及び範囲内に含まれる全ての修正、均等物、及び代替物を網羅する。
【0010】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求又は記述されるものが1つ以上であることを意味すると理解される。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。
【0012】
用語「再生可能な」は、用語「生物を原料とした」、「持続可能な」、「持続可能な由来の」、又は「持続可能な供給源由来の」と同義であり、生物由来の(再生可能な供給源、例えば、植物に由来の)又は「非地質学的由来の」を意味する。「地質学的由来の」は、例えば、石油化学物質、天然ガス、又は石炭に由来することを意味する。「地質学的由来の」材料は、容易に補充又は再生することができない(例えば、植物又は藻類から製造する油とは対照的である)。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「再生可能構成成分」は、再生可能な原料に由来し、再生可能な炭素を含む構成成分を指す。再生可能な原料とは、再生可能な供給源、例えば、植物由来であり、非地質学的由来の原料である。材料は、部分的に再生可能(再生可能炭素含有量が100%未満、再生可能炭素含有量が約1%~約50%)であってもよく、又は100%再生可能(再生可能炭素含有量が100%)であってもよい。再生可能材料を、非再生可能材料と共に配合してもよい。
【0014】
「再生可能炭素」は、ASTM D6866の「材料の生物を原料としたものの含有量の評価」方法に従って評価されてもよい。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「天然油」は、植物又は藻類物質に由来する油を意味する(再生可能油とも呼ばれる)。天然油は、灯油又はその他の化石燃料に基づくものではない。用語「油」としては、油脂、脂肪酸、廃脂、油、又はこれらの混合物が挙げられる。天然油としては、ココナッツオイル、ババスオイル、ヒマシ油、藻類副産物、牛脂油、ボラージオイル、カメリナオイル、キャノーラ(登録商標)油、上質ホワイトグリース、コーヒー油、コーン油、クフェアビスコシッシマ(Cuphea Viscosissima)油、月見草油、魚油、ヘンプオイル、肝油、ジャトロファ油、レスケレラフェンドレリ(Lesquerella Fendleri)油、亜麻仁油、ワサビノキ(Moringa Oleifera)油、マスタードオイル、ニーム油、パーム油、エゴマ油、家禽油、米ぬか油、大豆油、烏臼油、ヒマワリ油、桐油、イエローグリース、調理油、及び他の植物油、堅果油、又は種子油が挙げられるが、これらに限定されない。天然油は典型的に、トリグリセリド、遊離脂肪酸、又はトリグリセリドと遊離脂肪酸の組み合わせ、及びその他の微量化合物を含む。
【0016】
「実質的に含まない」又は「実質的にない」という用語は、本明細書で使用するとき、その成分が完全に存在しないこと、又は単に不純物として若しくは別の成分の意図されない副産物としてのその最少量であることのいずれかを指す。ある構成成分を「実質的に含まない」又はある構成成分が「実質的にない」組成物とは、その組成物が、組成物の重量に対して約0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、又は0.01重量%、又は更には0重量%未満の構成成分を含むことを意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「汚れた材料」は、非特定的に使用され、限定ではないが木綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリル及びこれらに類するもの等の天然繊維、人工繊維及び合成繊維を包む、天然繊維又は人工繊維の網状構造、並びに様々なブレンド及び組み合わせからなる任意のタイプの可撓性材料を指す場合がある。汚れた材料は、限定ではないが、タイル、花崗岩、しっくい、ガラス、複合材料、ビニル、堅木、金属、調理用表面、プラスチック、及びこれらに類するものなどの天然表面、人工表面、及び合成表面を含む任意のタイプの硬質表面、並びにブレンド及び組み合わせを更に指す場合がある。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「染料」は、洗浄組成物の審美性を修正する美的染料、並びに布地に付着し、布地の色合いを変化させることができる染料及び/又は顔料を含む。染料としては、着色剤、顔料、及び色相剤が挙げられる。
【0019】
特に明記しない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、当該構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる構成成分又は組成物の市販の供給源中に存在する場合がある不純物、例えば、残留溶媒又は副産物は除外される。
【0020】
全ての百分率及び比率は、特に指示しない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、特に指示しない限り、全組成物に基づいて計算される。本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0021】
再生可能構成成分を含む洗剤組成物
本明細書で使用するとき、語句「洗剤組成物」又は「洗浄組成物」は、汚れた材料を洗浄するよう設計された組成物及び処方を含む。かかる組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地用柔軟化組成物、布地用強化組成物、布地用消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地トリートメント、アイロン助剤、食器洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物、単位用量処方、遅延送達処方、多孔性基材若しくは不織シート表面又は内部に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者には明白である場合がある他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。かかる組成物を洗濯前処理、洗濯後処理として使用してもよく、あるいは洗濯動作のすすぎ又は洗浄サイクル中に加えてもよい。本洗剤組成物は、液体、粉末、単相又は多相の単位用量、パウチ、錠剤、ゲル、ペースト、固形、又はフレークから選択される形態を有してもよい。
【0022】
本開示は、再生可能構成成分を含み、かつ染み除去及び白色度維持などの良好な性能を示す、布地を洗濯するための洗剤組成物に関する。本明細書で開示される洗剤組成物は、約1重量%から、又は約5重量%から、又は約10重量%から、又は約20重量%から、又は約30重量%から、又は約40重量%から、又は約50重量%から、約40重量%まで、又は約50重量%まで、又は約60重量%まで、又は約70重量%まで、又は約80重量%まで、又は約90重量%まで、又は約100重量%までの再生可能構成成分を含んでもよい。
【0023】
この組成物は、波長410~800ナノメートル、又は570~690ナノメートルで、1センチメートルのキュベットを使用して、少なくとも約50%の光透過率を有してもよく、この組成物は染料を実質的に含まない。
【0024】
あるいは、この組成物の透明度は、可視光波長(約410~800nm)で0.3未満の吸光率を有するとして測定される場合があり、この値は、上記のキュベット及び波長を用いたときの少なくとも約50%の透過率に相当する。本開示の目的において、可視光範囲内の一波長が、50%よりも高い透過率を有する限り、これは透明/半透明であるとみなされる。
【0025】
本開示の洗濯洗剤組成物(複数可)は、再生可能脂肪族アルコール由来のアルキルエーテルサルフェートと、再生可能脂肪族アルコール由来の脂肪族アルコールエトキシレートと、アミンオキシドと、1つ以上の洗浄ポリマー(複数可)と、1,2-プロパンジオールと、水とを含み、この組成物は染料及び増白剤を実質的に含まない。この洗濯洗剤組成物(複数可)は液体であってもよい。
【0026】
アルキルエーテルサルフェート
本明細書に記述される洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して、約1%~約20%、又は約1%~約18%、又は約2%~約15%、又は約3%~約10%の、再生可能脂肪族アルコール由来の1つ以上のアルキルエーテルサルフェート(アルコールエーテルサルフェートとしても知られる)を含んでもよい。
【0027】
本明細書に記述される洗剤組成物は、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mの、1つ以上のアルキルエーテルサルフェートを含んでもよく、式中、R1は、約C8~約C20、又は約C8~約C16、又は約C10~約C14、又は約C12の、偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8、又はxは約0.5~約5、又はxは約0.5~約3であり、Mはアルカリ金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、又はアルカノールアンモニウムカチオンである。Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンであってもよい。
【0028】
アルキルエーテルサルフェートの脂肪酸アルコール部分(R1)は、地質学的由来(例えば、石油由来)ではなく、再生可能供給源由来(例えば、動物又は植物由来)である。再生可能な供給源に由来する脂肪族アルコールは、天然脂肪族アルコールと称される場合がある。天然脂肪族アルコールは、炭素数が偶数であり、末端炭素に単一のアルコール(-OH)が結合している。界面活性剤の脂肪族アルコール部分(R1)は、偶数の炭素鎖分布、例えば、C12、C14、C16、C18などを含んでもよい。
【0029】
アルキルエーテルサルフェートの脂肪族アルコール部分(R1)は天然油由来であってもよい。天然油は、ココナッツ油、パーム核油、パーム油、又はこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。これらの油は、鎖長がC10~C18、特にC10~C16のトリグリセリド及び遊離脂肪酸を最大濃度で含み、特に洗剤に有用である。天然油は、C10~C18鎖長、又はC10~C16鎖長の、トリグリセリド及び遊離脂肪酸を含んでもよい。
【0030】
本明細書に記述されるアルキルエーテルサルフェートは、典型的に、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mで示唆される単一の化合物ではなく、むしろ、アルキルエーテルサルフェートは、様々なポリアルキレンオキシド鎖長及び分子量を有するいくつかの相同体の混合物を含むことが理解される。例えば、式が示唆し得るように、1、2、及び3モルのエチレンオキシドにより従来の水酸化カリウムで触媒されたアルコールのエトキシル化から得られたエトキシル化アルコールサルフェートは、それぞれ、1つ、2つ、及び3つの(CH2CH2O)単位を含む単一の化合物ではない。むしろ、エトキシル化アルコールサルフェートは、エチレンオキシド単位の合計が0~10の範囲で変化するいくつかの相同体の混合物である。したがって、エトキシル化アルコールサルフェートは、いくつかの非エトキシル化(未反応)アルキルサルフェートを含んでもよいことが理解される。
【0031】
本明細書で開示される組成物は、1つ以上のタイプのアルキルエーテルサルフェートを含んでもよく、異なるタイプのアルキルエーテルサルフェートは、炭素鎖長及び/又はエトキシル化度が異なっていてもよい。本明細書に開示される組成物は、アルキルエーテルサルフェートの混合物を含んでもよく、この混合物は、約12~約16個の炭素原子の範囲内の平均(算術平均)炭素鎖長、又は約12個の炭素原子の平均炭素鎖長を有してもよく、また約1モル~4モルのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度、又は1.0モルのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度を有してもよい。
【0032】
アルキルエーテルサルフェートは一般に、塩(例えば、ナトリウムアルキルエーテルサルフェート)として入手可能である。市販されているアルキルエーテルサルフェートとしては、Pilot Chemical製のCALFOAM(登録商標)アルコールエーテルサルフェート、Kao Corporation製のEMAL(登録商標)、LEVENOL(登録商標)、及びLATEMAL(登録商標)製品、並びにStepan製のPOLYSTEP(登録商標)製品が含まれるが、これらのほとんどのEO含有量(例えば、平均3又は4EO)はかなり低い。あるいは、アルキルエーテルサルフェートは、アルコールエトキシレート(すなわち、非イオン性界面活性剤)のスルホン化によって調製されてもよく、例えば、所望の鎖長及びEO含有量を有する市販のアルキルエーテルサルフェートは容易には見出せないが、アルコールエトキシレートは入手可能である。
【0033】
脂肪族アルコールエトキシレート
本明細書に記述される洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して、約1%~約15%、又は約1%~約12%、又は約2%~約10%、又は約3%~約9%の、再生可能脂肪族アルコール由来の1つ以上の脂肪族アルコールエトキシレートを含んでもよい。
【0034】
本明細書に記述される洗剤組成物は、式R2-(OCH2CH2)y-OHの、1つ以上の脂肪族アルコールエトキシレートを含んでもよく、式中、R2は、約C10~約C18、又は約C12~約C16、又は約C12~約C14、又は約C16の、偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、またyは約0.5~約15、又は約2~約12、又は約3~約10である。
【0035】
脂肪族アルコールエトキシレートの脂肪酸アルコール部分(R2)は、地質学的由来(例えば、石油由来)ではなく、再生可能供給源由来(例えば、動物又は植物由来)である。再生可能な供給源に由来する脂肪族アルコールは、天然脂肪族アルコールと称される場合がある。天然脂肪族アルコールは、炭素数が偶数であり、末端炭素に単一のアルコール(-OH)が結合している。界面活性剤の脂肪族アルコール部分(R2)は、偶数の炭素鎖分布、例えば、C12、C14、C16、C18などを含んでもよい。
【0036】
脂肪族アルコールエトキシレートの脂肪族アルコール部分(R2)は天然油由来であってもよい。天然油は、ココナッツ油、パーム核油、パーム油、又はこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。これらの油は、鎖長がC10~C18、特にC10~C16のトリグリセリド及び遊離脂肪酸を最大濃度で含み、特に洗剤に有用である。天然油は、C10~C18鎖長、又はC10~C16鎖長の、トリグリセリド及び遊離脂肪酸を含んでもよい。
【0037】
本明細書に記述される脂肪族アルコールエトキシレートは、典型的に、式R2-(OCH2CH2)y-OHで示唆される単一の化合物ではなく、むしろ、脂肪族アルコールエトキシレートは、様々なポリアルキレンオキシド鎖長及び分子量を有するいくつかの相同体の混合物を含むことが理解される。例えば、式が示唆し得るように、1、2、及び3モルのエチレンオキシドにより従来の水酸化カリウムで触媒されたアルコールのエトキシル化から得られた脂肪族アルコールエトキシレートは、それぞれ、1つ、2つ、及び3つの(CH2CH2O)単位を含む単一の化合物ではない。むしろ、脂肪族アルコールエトキシレートは、エチレンオキシド単位の合計が0~10の範囲で変化するいくつかの相同体の混合物である。したがって、脂肪族アルコールエトキシレートは、いくつかの非エトキシル化(未反応)脂肪族アルコールを含んでもよいことが理解される。
【0038】
本明細書で開示される組成物は、1つ以上のタイプの脂肪族アルコールエトキシレートを含んでもよく、異なるタイプの脂肪族アルコールエトキシレートは、炭素鎖長及び/又はエトキシル化度が異なっていてもよい。本明細書に開示される組成物は、脂肪族アルコールエトキシレートの混合物を含んでもよく、この混合物は、約12~約16個の炭素原子の範囲内の平均(算術平均)炭素鎖長、又は約12個の炭素原子の平均炭素鎖長の範囲内を有してもよく、また約1モル~約15モルのエチレンオキシド、又は約3モル~約10モルのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度を有してもよい。
【0039】
アミンオキシド
本明細書に記述される洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.1%~約5%の、又は約1%~約4%の、又は約1%~約3%の、1つ以上のアミンオキシド界面活性剤を含んでもよい。
【0040】
アミンオキシドは、当該技術分野では多くの場合に「半極性」非イオン性物質と呼ばれる材料である。アミンオキシドの式は、R3N(O)(CH3)2である。この式において、R3は飽和又は不飽和であり、直鎖又は分枝鎖であり、また、約8~約20個、又は10~約16個の炭素原子を含んでもよく、又はR3はC12~C16の第一級アルキルである。本明細書に記述される洗剤組成物は、C12~C14のジメチルアミンオキシドを含んでもよい。C12~C14ジメチルアミンオキシドは、Procter & Gamble Chemicals(Cincinnati,USA)から供給されている。
【0041】
アミンオキシドは、天然脂肪族アルコールなどの再生可能供給源由来であってもよい。アミンオキシドは、アニオン性界面活性剤と相乗的に作用して染みを除去すると考えられる。
【0042】
洗浄ポリマー
本明細書に記述される洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.1重量%~約5重量%の、又は約1重量%~約4重量%の、又は約1重量%~約3重量%の、1つ以上の洗浄ポリマーを含んでもよい。
【0043】
洗剤組成物は1つ以上の洗浄ポリマーを含んでもよい。例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリル酸塩などのポリカルボン酸塩、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマーである。
【0044】
洗剤組成物は、次の一般構造:bis((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)-N+-CxH2x-N+-(CH3)-bis((C2H5O)(C2H4O)n)、(式中、n=20~30であり、またx=3~8である)を有する化合物、又はそのサルフェート又はスルホネート変異型などの1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含んでもよい。
【0045】
洗剤組成物は、1つ以上のアルコキシル化ポリアルキレンイミン又は1つ以上のアルコキシル化ポリアミンを含んでもよい。
【0046】
本洗剤組成物は、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含んでもよい。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基(alkoxylate group)を含んでもよい。これらは、例えば、内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでもよい。かかる化合物は、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらを硫酸化したものを含んでもよいがこれに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体もまた含まれてもよい。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例としては、NH当たり20EO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアがあり、BASFより入手可能である。
【0047】
本明細書に記述される洗剤組成物は、アルコキシル化ポリカルボキシレートを含んでもよい。ポリアクリレートから調製されるものなどのアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加のグリース除去性能を提供するために有用である場合がある。化学的に、これら材料は、7~8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式-(CH2CH2O)m(CH2)nCH3であり、式中、mは、2~3であり、nは、6~12である。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、櫛形ポリマータイプ構造を提供する。分子量は変動する可能性があるが、典型的には、約2000~約50,000の範囲内である。
【0048】
本明細書に記述される洗剤組成物は、両親媒性グラフトコポリマーを含んでもよい。好適な両親媒性グラフトコポリマーとしては、(i)ポリエチレングリコール骨格と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分と、を含む両親媒性グラフトコポリマーが挙げられる。両親媒性グラフトコポリマーの市販の例は、BASFから供給されるSokalan(登録商標)HP22である。好適なポリマーは、ランダムグラフトコポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーを含む。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であってもよく、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの重量比は約40~60であってもよく、ポリエチレンオキシド主鎖は、50エチレンオキシド単位当たり1以下のグラフト点を有してもよい。
【0049】
本開示の洗剤組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの、1つ以上のカルボキシレートポリマーを含んでもよい。カルボキシレートポリマーは、4,000Da~9,000Da又は6,000Da~9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーであってもよい。
【0050】
本開示の洗剤組成物は、以下の構造(I)、(II)、又は(III)のうちの1つにより定義される構造を有する1つ以上の汚れ放出ポリマーを含んでもよく、
(I) -[(OCHR1-CHR2)a-O-OC-Ar-CO-]d
(II) -[(OCHR3-CHR4)b-O-OC-sAr-CO-]e
(III) -[(OCHR5-CHR6)c-OR7]f
式中、
a、b、及びcは、1~200であり、
d、e、及びfは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO3Meにより置換された1,3-置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C1~C18アルキル又はC2~C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立して、H又はC1~C18 n-若しくはイソ-アルキルから選択され、
R7は、直鎖若しくは分枝鎖C1~C18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C2~C30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC8~C30アリール基、又はC6~C30アリールアルキル基である。好適な汚れ放出ポリマーとしては、Repel-o-texポリマー(例えば、Rhodiaにより供給されているRepel-o-tex(登録商標)SF、SF-2、及びSRP6を含む)などのポリエステル汚れ放出ポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Texcare(登録商標)ポリマー(例えば、Clariantにより供給されているTexcare(登録商標)SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300、及びSRN325を含む)が挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquest(登録商標)ポリマー(Sasolにより供給されているMarloquest(登録商標)SLなど)である。
【0051】
本開示の洗剤組成物は、1つ以上のセルロース系ポリマーを含んでもよい。好適なセルロース系ポリマーとしてはアルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースが挙げられる。セルロース系ポリマー(複数可)は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びそれらの混合物(mixures)からなる群から選択されてもよい。カルボキシメチルセルロースは、約0.5~約0.9のカルボキシメチル置換度、及び約100,000Da~約300,000Daの分子量を有してもよい。
【0052】
溶媒
本明細書に記述される洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約1%~約15%の、又は約1%~約12%の、又は約1%~約10%の、1つ以上の溶媒を含んでもよい。液体洗剤組成物、及び液体構成成分を含む洗剤組成物の他の形態(例えば、液体含有単位用量洗剤組成物)は、1つ以上の溶媒と、水とを含有してもよい。
【0053】
好適な溶媒としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、ペルフッ素化アミン、ペルフッ素化及びヒドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、及びこれらの混合物を含む、親油性流体が挙げられる。メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールに代表される低分子量の一級又は二級アルコールも好適である。いくつかの例では、界面活性剤を可溶化するために一価アルコールが使用されてもよく、2~約6個の炭素原子と2~約6個のヒドロキシ基を含有するものなどのポリオール(例えば、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2-プロパンジオール)もまた使用されてもよい。
【0054】
好適な溶媒としては、エタノール、ジエチレングリコール(DEG)、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPD)、ジプロピレングリコール(DPG)、オリガミン(例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA))、グリセリン、プロポキシル化グリセリン、エトキシル化グリセリン、エタノール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコールとも呼ばれる)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、セルロース系エタノール、再生可能プロピレングリコール、再生可能ジプロピレングリコール、再生可能1,3-プロパンジオール、洗剤処方に使用されるその他の溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
本明細書に記述される洗剤組成物は、1,2-プロパンジオール、再生可能1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、再生可能1,3-プロパンジオール、エタノール、セルロース系エタノール、又はこれらの混合物を含む溶媒を、約1重量%~約15重量%含んでもよい。本明細書に記述される洗剤組成物は、1,2-プロパンジオール、再生可能1,2-プロパンジオール、エタノール、セルロース系エタノール、又はこれらの混合物を含む溶媒を、溶媒の重量に対して約1%~約15%含んでもよい。生物を原料としたプロピレングリコールは、米国特許第7,928,148号に記述されており、ADMから入手可能である。生物を原料とした1,3-プロパンジオールは、米国特許第8,436,046号に記述されており、DuPont Tate & Lyle Bio Products Company,LLCから入手可能である。
【0056】
生物を原料としたプロピレングリコールは、ポリオールの触媒水素化分解(水添分解)により製造されてもよい。触媒水素化分解は、糖、グリセロール、及び/又はグリコール等のポリオール類を水素と反応させて他のポリオール類を製造する工程である。このようにして製造されたポリオールは、出発材料よりも平均分子量の低いいくつかのポリオールの混合物を含むことが多い。水素化分解又は水添分解による、ポリオール(糖及びグリセロールなど)の多価アルコール(プロピレングリコール及びエチレングリコールなど)への変換は、これらのアルコール類だけでなく、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、及び2,4-ペンタンジオールなどのいくつかの他の生成物の形成をもたらす。これらの生成物は、プロピレングリコールとエチレングリコールにより不純物として回収される。例えば、ソルビトール等の高級炭水化物の水素化分解によりプロピレングリコールを製造する場合、典型的に、1,2-ブタンジオール、エチレングリコール、1,3-ブタンジオールに加えて、3~5重量%の2,3-ブタンジオールが生成される。米国特許第7,928,148号(米国特許第4,935,102号を引用)は、ソルビトールの水素化分解により生成されるポリオールのリストを開示している(表1)。
【0057】
【0058】
本明細書に記述される洗剤組成物は、約0.01%~約0.1%の多価アルコールを含んでもよい。本明細書に記述される洗剤組成物は、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール及びこれらの混合物からなる群から選択される多価アルコールを含んでもよい。本明細書に記述される洗剤組成物は、約0.01%~約0.1%の2,3-ヘキサンジオールを含んでもよい。
【0059】
水
洗剤組成物(複数可)は、洗剤組成物の重量に対して約1%~約80%の水を含んでもよい。組成物が強力液体洗剤組成物である場合、組成物は典型的には、約40%~約80%の水を含む。組成物がコンパクト液体洗剤である場合、組成物は典型的には、約20%~約60%、又は約30%~約50%の水を含む。組成物が単位用量形態、例えば、水溶性フィルムに封入される場合、組成物は典型的には、20%未満、又は15%未満、又は12%未満、又は10%未満、又は8%未満又は5%未満の水を含む。組成物は、組成物の重量に対して約1%~約20%、又は約3%~約15%、又は約5%~約12%の水を含んでもよい。
【0060】
エタノールアミン
洗剤組成物における使用のために、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのエタノールアミンが既知である。特に、洗浄液中の遊離塩素の濃度を低下させ、それに対応して着色布地に関連する退色を減少させるための、塩素捕捉剤としてのモノエタノールアミンの使用が知られている。本明細書で開示される組成物は、エタノールアミンを実質的に含まなくてもよいが、依然として、効果的な塩素捕捉と着色布地退色低下とを提供する。本明細書に開示される組成物は、モノエタノールアミンを実質的に含まなくてもよい。
【0061】
追加の界面活性剤及び添加剤
本明細書に開示される洗剤組成物は、追加の界面活性剤及び/又は添加剤を含んでもよい。
【0062】
追加の界面活性剤
本明細書に開示される洗剤組成物は、アルキルエーテルサルフェート、脂肪族アルコールエトキシレート、及びアミンオキシドの他に、追加の界面活性剤(例えば、第4の界面活性剤、第5の界面活性剤)を含んでもよい。洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約1%~約75%、又は約2%~約35%、又は約5%~約10%の追加の界面活性剤(例えば、第4の界面活性剤、第5の界面活性剤)を含んでもよい。追加の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0063】
アニオン性界面活性剤
追加の界面活性剤(複数可)は、1つ以上の追加のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。追加のアニオン性界面活性剤は、再生可能界面活性剤であってもよい。好適な追加のアニオン性界面活性剤としては、石油由来のアルコキシル化アルキルサルフェート(例えば、石油由来エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤)、非アルコキシル化アルキルサルフェート、及びスルホン系洗浄界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホネート)が挙げられる。
【0064】
石油由来エトキシル化アルキルサルフェートとしては、水溶性塩、特に約8個~約30個の炭素原子を含有するアルキル基並びにスルホン酸及びその塩を分子構造の中に有する有機硫黄反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルキロールアンモニウム塩が挙げられる(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる)。アルキル基は、約15個の炭素原子~約30個の炭素原子を含んでもよい。エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、エトキシル化アルキルサルフェートの混合物であってもよく、その混合物は約12~30個の炭素原子の範囲の平均(算術平均)炭素鎖長を有してもよく、また約1モル~4モルのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度を有してもよい。このエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、約10個の炭素原子~約18個の炭素原子の炭素鎖長、及び約1~約6モルのエチレンオキシドのエトキシル化度を有してもよい。エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、ピークのあるエトキシレート分布を含んでもよい。
【0065】
非アルコキシル化アルキルサルフェートはまた、本開示の洗剤組成物に添加され、アニオン性界面活性剤構成成分として使用されてもよい。非アルコキシル化、例えば、非エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤の例としては、高級C8~C20合成アルコールの硫酸化により生成されるものが挙げられる。いくつかの例では、一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式ROSO3
-M+を有し、式中、Rは、C8~C20ヒドロカルビル基(この基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい)であり、Mは、水溶化カチオンである。いくつかの例では、Rは、C10~C15アルキルであり、Mは、アルカリ金属である。
【0066】
他の有用なアニオン性界面活性剤は、アルキル基が約9~約15個の炭素原子を直鎖(線状)又は分枝鎖の構成で含有するアルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩を含む。いくつかの例では、アルキル基は、直鎖である。かかる直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として既知である。別の例では、直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約11~14個の平均炭素原子数を有してもよい。具体的な例では、線状直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有してもよく、C11.8 LASと略称される場合がある。LASは、天然材料(バイオパラフィン、天然アルコール及びエステルを含む)由来であってもよい。
【0067】
好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得られる場合があり、好適なLABとしては、商品名Isochem(登録商標)としてSasolにより供給されているもの又は商品名Petrelab(登録商標)としてPetresaにより供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、商品名Hyblene(登録商標)としてSasolにより供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩を用いる。
【0068】
好適なアニオン性界面活性剤は、分枝状サルフェート又は分枝状スルホネート界面活性剤(例えば、分枝状アルキルサルフェート)、分枝状アルキルアルコキシル化サルフェート、及び1つ以上のランダムアルキル分枝(例えば、C1~4アルキル基、典型的にはメチル及び/又はエチル基)を含む分枝状アルキルベンゼンスルホネートから選択されるアニオン性分枝状界面活性剤も含む。分枝洗浄界面活性剤は、中鎖分枝状洗浄界面活性剤、例えば、中鎖分枝状アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝状アルキルベンゼンスルホネートなどの中鎖分枝状アニオン性洗浄界面活性剤であってもよい。分枝状アニオン性界面活性剤は、分枝状修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)を含んでもよい。分枝状アニオン性界面活性剤は、疎水性物鎖に沿ってランダムに配置されたメチル分枝を含む、C12/13のアルコール系界面活性剤、例えば、Sasolから入手可能なSafol(登録商標)、Marlipal(登録商標)を含んでもよい。更に好適な分枝状アニオン性洗浄界面活性剤としては、アンテイソアルコール及びイソアルコールに由来するものが挙げられる。
【0069】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤は、約8~約24個(いくつかの例では、約12~18個)の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート及び二級アルカンスルホネートの水溶性塩である。アルキルベンゼンスルホネートと、上述のパラフィンスルホネート、二級アルカンスルホネート及びアルキルグリセリルエーテルスルホネートとの混合物も有用である。
【0070】
好適な追加の再生可能アニオン性界面活性剤としては、再生可能イソプレノイド系多分枝洗剤アルコール、再生可能アルキルベンゼンスルホネート、再生可能アルコールサルフェート、及び再生可能パラフィンスルホネート(米国特許出願第2015-0240187 A1号に記述されており、参照により本明細書に組み込まれる)、メチルエステルスルホネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート(特にC8~18アルコール(特にタロー及びココナッツ油由来のもの))、並びに(天然)脂肪族アルコール由来のアルキルエーテルカルボキシレート由来のアニオン性界面活性剤が挙げられる。イソプレノイド系界面活性剤及びイソプレノイド誘導体(例えば、ファルネセン系界面活性剤)が既知であり、ファルネセンはAmyrisから入手可能である。
【0071】
アニオン性界面活性剤は酸形で存在してもよく、酸形は中和されて界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOH等の金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態のアニオン性界面活性剤の更なる好適な中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンの非限定例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び当該技術分野において既知の他の直鎖又は分枝鎖アルカノールアミンが挙げられる。アミン中和は完全な又は部分的な程度で行われてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、またアニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0072】
非イオン性界面活性剤
追加の界面活性剤(複数可)は、1つ以上の追加の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.1%~約40%の1つ以上の追加の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.1%~約15%の1つ以上の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.3%~約10%の1つ以上の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0073】
追加の非イオン性界面活性剤は、再生可能界面活性剤であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、C8~C18アルキルエトキシレート(例えば、Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤)、アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はそれらの混合物であってもよいC6~C12のアルキルフェノールアルコキシレート、C12~C18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC6~C12アルキルフェノール縮合物(BASF製のPluronic(登録商標)など)、C14~C22中鎖分枝状アルコール(BA)、C14~C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート(BAEx、式中、xは1~30である)、及びエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0074】
好適な再生可能非イオン性洗浄界面活性剤としては、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド、及びメチルエステルエトキシレート)が挙げられる。
【0075】
カチオン性界面活性剤
追加の界面活性剤(複数可)は、1つ以上の(one or more one or more)カチオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0076】
洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.1%~約10%、又は約0.1%~約7%、又は約0.3%~約5%の1つ以上のカチオン性界面活性剤を含んでもよい。本発明の洗剤組成物は、カチオン性界面活性剤、及びpH7未満又はpH6未満でカチオン性となる界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。
【0077】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは最高26個の炭素原子を有することができ、これらの炭素原子としては、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム、ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド、ポリアミンカチオン性界面活性剤、カチオン性エステル界面活性剤、及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0078】
好適なカチオン性洗浄界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0079】
好適カチオン性浄性界面活性剤は、下記の一般式を有する四級アンモニウム化合物であり、
(R)(R1)(R2)(R3)N+X-
式中、Rは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C6~18アルキル又はアルケニル部分であり、R1及びR2は独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R3は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは、電気的中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、ハロゲン化物(例えば、クロリド)、サルフェート、及びスルホネートが挙げられる。好適なカチオン性洗浄界面活性剤は、モノC6~18アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。非常に好適なカチオン性洗浄界面活性剤は、モノ-C8~10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、モノ-C10~12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ-C10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。
【0080】
双極性イオン性界面活性剤
双極性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双極性イオン性界面活性剤の好適な例としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C8~C18(例えば、C12~C18)のアミンオキシド、並びに、アルキル基をC8~C18とすることができるN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートなどのスルホベタイン及びヒドロキシベタイン、を含むベタインが挙げられる。
【0081】
両性界面活性剤
両性界面活性剤の例としては、二級又は三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であってよく、かつ脂肪族置換基のうちの1つが少なくとも約8個の炭素原子、若しくは約8~約18個の炭素原子を含有し、脂肪族置換基のうちの少なくとも1つがアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有するヘテロ環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。この定義に含まれる化合物の例は、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロパン-1-スルホネート、ナトリウム2-(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ナトリウム2-(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、ジナトリウム3-(N-カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1-スルホネート、ジナトリウムオクタデシル-イミノジアセテート、ナトリウム1-カルボキシメチル-2-ウンデシルイミダゾール、及びナトリウムN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-スルファト-3-ドデコキシプロピルアミンである。好適な両性界面活性剤としては、また、サルコシネート、グリコシネート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0082】
好適な分枝アニオン性界面活性剤としては、ゲルベアルコール系界面活性剤も挙げられる。ゲルべアルコールは、分枝点が常に第2の炭素位置にある、2つの直鎖炭素鎖を有する、分枝状一級単官能性アルコールである。ゲルべアルコールは、化学的には、2-アルキル-1-アルカノールと記述される。ゲルべアルコールは、一般に12個の炭素原子~36個の炭素原子を有する。ゲルベアルコールは、次の式(R1)(R2)CHCH2OHにより表わされてもよく、式中、R1は直鎖アルキル基であり、R2は直鎖アルキル基であり、R1とR2の炭素原子の合計は10~34であり、R1とR2との両方が存在する。ゲルベアルコールは、Sasol製のIsofol(登録商標)アルコールとして、またCognis製のGuerbetolとして市販されている。
【0083】
添加剤
好適な添加剤成分として、ビルダー、構造化剤又は増粘剤、粘度汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、ポリマーグリース洗浄剤、酵素、酵素安定化系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、移染防止剤、キレート剤、抑泡剤、柔軟剤及び香料も挙げられる。
【0084】
酵素
本明細書に記述される組成物は、清浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす1つ以上の酵素を含んでもよい。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含む場合がある酵素カクテルである。前述の追加の酵素は、洗剤組成物中に存在する場合、組成物の重量に対して約0.00001%~約2%、約0.0001%~約1%、又は更には約0.001%~約0.5%の酵素タンパク質の濃度で存在してもよい。
【0085】
酵素安定化系
組成物は、所望により組成物の重量に対して約0.001%~約10%、又は約0.005%~約8%、又は約0.01%~約6%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄酵素と適合性のある任意の安定化系とすることができる。かかる系は、他の処方活性分によって本質的に提供されてもよく、又は、例えば、洗剤に使用可能な酵素の配合者若しくは製造業者によって別個に添加されてもよい。かかる安定化系は、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、塩素漂白捕捉剤及びこれらの混合物を含むことができ、洗剤組成物のタイプ及び物理的形態に応じて異なる安定化問題に対処するように設計される。プロテアーゼを含む水性洗剤組成物の場合は、ボレート、4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸及びこれらの誘導体を含むホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、又はカルシウムホルメート、ナトリウムホルメート及び1,2-プロパンジオールなどの化合物を添加して、安定性を更に改善してもよい。
【0086】
構造化剤/増粘剤
好適な構造化剤/増粘剤としては、ジ-ベンジリデンポリオールアセタール誘導体が挙げられる。流体洗剤組成物は、約0.01重量%~約1重量%、又は約0.05重量%~約0.8重量%、又は約0.1重量%~約0.6重量%、又は更に約0.3重量%~約0.5重量%のジベンジリデンポリオールアセタール誘導体(DBPA)を含んでもよい。DBPA誘導体は、ジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体(DBS)を含んでもよい。
【0087】
好適な構造化剤/増粘剤は、セルロースも含む。流体洗剤組成物は、約0.005重量%~約1重量%のセルロース網状構造を含んでもよい。「バクテリアセルロース」という用語は、CPKelco U.S.によるCELLULON(登録商標)などのアセトバクター属のバクテリアの発酵によって生成された任意のタイプのセルロースを包含し、かつミクロフィブリル化セルロース、網状化バクテリアセルロースなどと一般に称される材料を含む。セルロースの他の供給源としては、ビート、野菜、柑橘類繊維等の植物系材料が挙げられる。
【0088】
好適な構造化剤/増粘剤はまた、コーティングされたバクテリアセルロースも含む。細菌セルロースは、高分子増粘剤で少なくとも部分的にコーティングされてもよい。少なくとも部分的にコーティングされているバクテリアセルロースは、約0.1重量%~約5重量%、又は更には約0.5重量%~約3重量%のバクテリアセルロース、及び約10重量%~約90重量%のポリマー増粘剤を含んでもよい。好適なバクテリアセルロースは、上述のバクテリアセルロースを含んでもよく、また好適な高分子増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、カチオン性ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む。
【0089】
好適な構造化剤/増粘剤はまた、セルロース繊維も含む。組成物は、組成物の重量に対して約0.01~約5%のセルロース繊維を含んでもよい。セルロース繊維は野菜、果物、又は木材から抽出されてもよい。市販の例は、FMC製のAvicel(登録商標)、Fiberstar製のCitri-Fi、又はCosun製のBetafibである。
【0090】
好適な構造化剤/増粘剤は、非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性材料も含む。本組成物は、組成物の重量に対して約0.01~約1%の非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤を含んでもよい。非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般的に、最終流体洗剤組成物への分散を補助するために予め乳化することができる結晶化可能なグリセリドを含んでもよい。結晶化可能なグリセリドは、液体洗剤組成物中で結晶化させることができるという条件で、硬化ヒマシ油つまり「HCO」又はその誘導体を含んでもよい。
【0091】
好適な構造化剤/増粘剤は、高分子構造化剤も含む。本組成物は、約0.01重量%~約5重量%の天然由来及び/又は合成の高分子構造化剤を含んでもよい。本発明において使用される天然由来の高分子構造化剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明において使用する合成高分子構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
好適な構造化剤/増粘剤はまた、ジアミドゲル化剤も含む。外部構造化系は、分子量が約150g/モル~約1,500g/モル、又は更には約500g/モル~約900g/モルのジアミドゲル化剤を含んでもよい。かかるジアミドゲル化剤は、少なくとも2個の窒素原子を含んでよく、前記窒素原子のうちの少なくとも2個は、アミド官能性置換基を形成する。アミド基は、異なっても同一であってもよい。ジアミドゲル化剤の非限定的な例は、N,N’-(2S,2’S)-1,1’-(ドデカン-1,12-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-メチル-1-オキソブタン-2,1-ジイル)ジイソニコチンアミド、ジベンジル(2S,2’S)-1,1’-(プロパン-1,3-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-メチル-1-オキソブタン-2,1-ジイル)ジカルバメート、ジベンジル(2S,2’S)-1,1’-(ドデカン-1,12-ジイルビス(アザンジイル))ビス(1-オキソ-3-フェニルプロパン-2,1-ジイル)ジカルバメートである。
【0093】
あるいは、本明細書に開示される洗剤組成物は、構造化剤及び/又は増粘剤を実質的に含まなくてもよい。
【0094】
アミン
本明細書に記述される組成物において、汚れた材料からのグリース及び粒子の追加的な除去のためにアミンが使用されてもよい。本明細書に記述される組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.1%~約10%、いくつかの例では、約0.1%~約4%、他の例では、約0.1%~約2%の追加のアミンを含んでもよい。追加のアミンの非限定的な例としては、ポリエーテルアミン、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタミン、テトラアミン、又はこれらの組み合わせを挙げられてもよいが、これらに限定されない。好適な追加のアミンの具体的な例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0095】
漂白剤
本発明の洗剤組成物は、1つ以上の漂白剤を含んでもよい。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光触媒、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤を用いる場合、本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物の重量に対して約0.1%~約50%、又は更には約0.1%~約25%の漂白剤を含んでもよい。
【0096】
漂白触媒
本発明の洗剤組成物はまた、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基材へと移動させることができる1つ以上の漂白触媒も含んでもよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双極性イオン、修飾アミン、修飾アミンオキシド、N-スルホニルイミン、N-ホスホニルイミン、N-アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
増白剤、布地色相剤、
市販の蛍光増白剤としては、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な物質の誘導体が挙げられる。本明細書に開示される洗剤組成物は、増白剤(蛍光性増白剤又は光学的増白剤としても知られる)を実質的に含まない。
【0098】
典型的には、色相剤は、布地にブルー又はバイオレットの色合いをもたらす。色相剤は、下記の既知の化学的部類の染料から選択される:アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、予め金属化されたアゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物。色相剤には、染料、染料粘土結合体、有機及び無機顔料、小分子染料、及び高分子染料が挙げられる。本明細書に開示される洗剤組成物は、布地色相剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を実質的に含まなくてもよい。
【0099】
カプセル化剤
組成物は、カプセル化剤を含んでもよい。カプセル化剤は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含んでもよく、シェルはコアを封入する。
【0100】
カプセル化剤は、コアと、シェルと、を含んでもよく、コアは、香料、増白剤、染料、防虫剤、シリコーン、ワックス、着香剤、ビタミン、布地用柔軟剤、スキンケア剤(例えば、パラフィン)、酵素、抗菌剤、漂白剤、感覚剤、又はこれらの混合物から選択される材料を含み、シェルは、ポリエチレン、ポリアミド、所望により他のコモノマーを含有するポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリオレフィン、多糖類(例えば、アルギネート及び/若しくはキトサン)、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、非水溶性無機材料、シリコーン、アミノ樹脂、又はこれらの混合物から選択される材料を含む。シェルがアミノ樹脂を含む場合、アミノ樹脂は、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよい。ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい。
【0101】
カプセル化剤は、コアを含んでもよく、コアは、香料を含んでもよい。カプセル化剤は、シェルを含んでもよく、シェルは、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含んでもよい。カプセル化剤は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含むシェルと、を含んでもよい。
【0102】
好適なカプセル化剤は、コア材料及びシェルを含んでもよい、そのシェルは、コア材料を少なくとも部分的に取り囲む。カプセル化剤のコアは、香料原材料、及び/又は所望により別の材料、例えば、植物油、植物油のエステル、エステル、直鎖若しくは分枝鎖炭化水素、部分的に水素添加されたテルフェニル、ジアルキルフタレート、アルキルビフェニル、アルキル化ナフタレン、石油精、芳香族溶媒、シリコーン油、又はこれらの混合物から選択される材料を含む。
【0103】
カプセル化剤の壁は、アルデヒドとアミンとの反応生成物などの好適な樹脂を含んでもよい。好適なアルデヒドは、ホルムアルデヒドを含む。好適なアミンは、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、又はこれらの混合物を含む。好適なメラミンとしては、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミン、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な尿素としては、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、尿素-レゾルシノール、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0104】
好適なホルムアルデヒド捕捉剤は、カプセル化剤とともに、例えば、カプセルスラリー中で用いてもよく、また/又は、カプセル化剤をかかる組成物に添加する前、添加している間、若しくは添加した後に、組成物に添加してよい。
【0105】
好適なカプセルは、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から購入することができる。
【0106】
香料
香料及び香料成分は、本明細書に記述される洗剤組成物で使用されてもよい。香料及び香料成分の非限定的な例としては、アルデヒド、ケトン、エステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、様々な天然抽出物及び天然エッセンスが挙げられ、これらは、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ジャコウ、パチョリ、バルサミコエッセンス、ビャクダン油、松根油、スギなどの成分の複雑な混合物を含むことができる。完成した香料は、かかる成分の非常に複雑な混合物を含むことができる。完成した香料は、洗剤組成物の重量に対して約0.01%~約2%の範囲の濃度で含まれてもよい。
【0107】
香料送達系
本明細書に開示される洗剤組成物は、1つ以上のタイプの香料送達系を含んでもよい。本明細書で用いるのに好適な香料送達系の非限定例としては、イオウ不含有プロ香料化合物、香料マイクロカプセル(PMC)、シクロデキストリン、ゼオライト及び無機キャリア、デンプン封入アコード、アミン支援型香料送達系(AAD)、ポリアクリレートカプセル、及びイオウ含有プロ香料化合物が挙げられる。
【0108】
複数のタイプの香料送達系の組み合わせを使用することにより、様々な異なる香り付与物質の制御された放出が可能になり、これは1種類のみの香油又は香料送達系が使用された場合に起ることになるように、1種類のみの香料がゆっくりと放出されるより有利である場合がある。本開示の組成物(複数可)は、PMCを含有してもよい。PMCは、壁材料と、壁材料内に封入される香料原材料(PRM)のコア材料と、を含む。PRMは、機械的応力(例えば、摩擦)によって壁材料が破裂した後PMCから放出され、すなわち、PMCからの香料放出は、香油及びイオウ含有プロ香料化合物とは異なる時点である。
【0109】
液体洗剤組成物中のこれらの香料送達系(イオウ含有プロ香料化合物を含まない)の濃度は、組成物の具体的なタイプなどの要因に依存する場合がある。存在する場合、液体洗剤組成物中のこれらの香料送達系の総濃度(イオウ含有プロ香料化合物を含まない)は、少なくとも組成物の重量に対して約0.0001%、又は約0.0001%~約10%、又は約0.001%~約5%、又は約0.1%~約2%である。
【0110】
イオウ含有プロ香料化合物
用語「イオウ含有プロ香料化合物」は、本明細書において、イオウを含有するタイプのプロ香料化合物を指す。用語「プロ香料化合物」は、本明細書において、PRMと他の化学物質との反応によって得られる化合物を指し、これは1つ以上のPRMとこれらの他の化学物質との間に共有結合を有する。PRMはプロ香料化合物と呼ばれる新たな材料へと変換され、次に、これは水又は光又は大気中酸素等の誘因への曝露によって元のPRM(すなわち、変換前)を放出してもよい。
【0111】
イオウ含有プロ香料化合物は、式(I)の化合物を含んでもよい。
Y-S-G-Q (I)
式中、
(i)Yは、以下に示す(Y-1)~(Y-7)からなる群から選択されるラジカルであり、異性体を含み、
【0112】
【化1】
式中、波線は、イオウ結合の場所を表し、点線は、一重結合又は二重結合を表し、
(ii)Gは、2~15個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル又はアルケニルラジカル由来の二価又は三価のラジカルから選択され、
(iii)Qは、水素、-S-Y基、又は-NR
2-Y基から選択され、Yは、独立して上記で定義したように選択され、またR
2は、水素又はC
1~C
3アルキル基から選択される。
【0113】
Gは二価又は三価のラジカルであってもよい。Gは、-OR1、-NR1
2、-COOR1、R1基、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の基で置換された2~15個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル又はアルケニルラジカル由来の二価のラジカルであってもよく、R1は、水素又はC1~C6アルキル又はアルケニル基から選択される。Gは、少なくとも1つの-COOR1基で置換された、好ましくは、-COOR1基で置換された2~15個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル又はアルケニルラジカル由来の二価のラジカルであってもよく、R1は、水素又はC1~C6アルキル又はアルケニル基から選択される。Gは、-CH2CH(COOR1)基を有する直鎖アルキルラジカル由来の二価のラジカルであってもよく、R1は水素又はメチル若しくはエチル基である。Gは、置換又は非置換いずれかの8~15個の炭素原子を有する直鎖アルキルラジカル由来の二価のラジカルであってもよい。
【0114】
イオウ含有プロ香料化合物は式(I)の化合物であってもよく、式中、Yは、上記で定義するようにY-1、Y-2、又はY-3基から選択され、G及びQは、上述の方法のいずれか1つで定義される。
【0115】
イオウ含有プロ香料化合物は、メチル又はエチル2-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イルアミノ)-3-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イルチオ)プロパネート、メチル又はエチル2-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-イルアミノ)-3-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-イルチオ)プロパネート、メチル又はエチル2-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-4-イルアミノ)-3-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-4-イルチオ)プロパネート、メチル又はエチル2-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-4-イルアミノ)-3-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-4-イルチオ)プロパネート、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-1-ブタノン、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)-1-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-2-ブタノン、2-ドデシルスルファニル-5-メチル-ヘプタン-4-オン、2-シクロヘキシル-1-ドデシルスルファニル-ヘプタ-6-エン-3-オン、3-(ドデシルチオ)-5-イソプロペニル-2-メチルシクロヘキサノン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0116】
イオウ含有プロ香料化合物は、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-1-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-2-ブタノン、及び3-(ドデシルチオ)-5-イソプロペニル-2-メチルシクロヘキサノン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0117】
イオウ含有プロ香料化合物は、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-1-ブタノン(Firmenich(Geneva,Switzerland)から入手可能なHaloscent(登録商標)Dなど)であってもよい。
【0118】
イオウ含有プロ香料化合物は、洗剤組成物中に任意の好適な濃度で存在してもよい。イオウ含有プロ香料化合物は、組成物の重量に対して少なくとも約0.00001%、又は約0.0001%~約5%、又は約0.001%~約4%、又は約0.01%~約3%、又は約0.1%~約2%、又は約0.3%~約1%で存在してもよい。
【0119】
移染防止剤
布地洗剤組成物はまた、洗浄プロセス時にある布地から別の布地に染料が移染するのを阻止するのに効果的な1つ以上の材料を含んでもよい。一般に、かかる移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる場合がある。使用される場合、これらの剤は、組成物の重量に対して約0.0001%~約10%、いくつかの例では、組成物の重量に対して約0.01%~約5%、また他の例では、組成物の重量に対して約0.05%~約2%の濃度で使用されてもよい。
【0120】
キレート剤
本明細書に記述される洗浄組成物は、また、1つ以上の金属イオンのキレート剤も含有してもよい。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。かかるキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能置換された芳香族キレート剤、2-ピリジノール-Nーオキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む、酸又は塩の形態で存在することができる。本明細書での使用に好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、Akzo-Nobel製、DuPont製、Dow製のキレート剤、BASF製のTrilon(登録商標)シリーズ、及びNalco製のキレート剤である。
【0121】
キレート剤は、本開示の洗剤組成物の重量に対して約0.005%~約15%、約0.01%~約5%、約0.1%~約3.0%、約0.2%~約0.7%、又は約0.3%~約0.6%で、本開示の洗剤組成物中に存在してもよい。
【0122】
抑泡剤
本明細書に記述される洗剤組成物の中に、泡の形成を低減又は抑制するための化合物を組み込むことができる。抑泡性は、いわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、また前側投入方式の洗濯機において、特に重要である可能性がある。本明細書の洗剤組成物は、組成物の重量に対して0.1%~約10%の抑泡剤を含んでもよい。
【0123】
抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその中の可溶性塩、パラフィンなどの高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18~C40ケトン(例えば、ステアロン)、N-アルキル化アミノトリアジン、好ましくは融点が約100℃未満であるワックス状炭化水素、シリコーン抑泡剤、並びに第二級アルコールが挙げられる。
【0124】
更なる好適な消泡剤は、フェニルプロピルメチル置換ポリシロキサンに由来するものである。
【0125】
洗剤組成物は、シリコーン樹脂及び修飾シリカである一次充填剤と組み合わせたアリール又はアルキルアリール置換基を伴う有機修飾シリコーンポリマーから選択される抑泡剤を含んでもよい。洗剤組成物は、組成物の重量に対して約0.001%~約4.0%のかかる抑泡剤を含んでもよい。
【0126】
洗剤組成物は、a)約80~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン;ステアリン酸オクチル中約5~約14%のMQ樹脂;及び約3~約7%の修飾シリカの混合物;b)約78~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約3~約10%のMQ樹脂;約4~約12%の修飾シリカの混合物;又はc)これらの混合物、から選択される抑泡剤を含み、百分率は、消泡剤の重量に対する。
【0127】
泡増量剤
高起泡が所望される場合、C10~C16アルカノールアミドなどの増泡剤を、洗剤組成物の重量に対して約1%~約10%の範囲の濃度で洗浄組成物に組み込まれてもよい。いくつかの例としては、C10~C14モノエタノール及びジエタノールアミドが挙げられる。所望する場合、MgCl2、MgSO4、CaCl2、CaSO4などの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、洗剤組成物の重量に対して約0.1%~約2%の濃度で添加して、追加の泡をもたらし、グリース除去能を増強してもよい。
【0128】
コンディショニング剤
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含んでもよい。本明細書において有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。低融点のかかる化合物をこの項に含むことは意図されない。高融点脂肪族化合物は、組成物の重量に対して約0.1~約40%、好ましくは約1~約30%、より好ましくは約1.5~約16%、約1.5~約8%、の濃度で組成物に含まれる。
【0129】
本発明の組成物は、非イオン性ポリマーをコンディショニング剤として含んでもよい。
【0130】
この組成物に使用するのに好適なコンディショニング剤としては、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又は別の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に粒子を分散した液体を形成するコンディショニング剤が挙げられる。シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、約0.01~約10%の範囲に及ぶ。
【0131】
本発明の組成物はまた、単独のコンディショニング剤として、又はシリコーン(本願に記述される)などの他のコンディショニング剤と組み合わせたコンディショニング剤としてのいずれかで、約0.05~約3%の少なくとも1つの有機コンディショニング油を含んでもよい。好適なコンディショニング油としては、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステルが挙げられる。
【0132】
布地改良ポリマー
好適な布地改良ポリマーは、典型的には、カチオン性に帯電され、かつ/又は高分子量を有する。この構成成分の好適な濃度は、組成物の重量に対して0.01~50%、好ましくは0.1~15%、より好ましくは0.2~5.0%、そして最も好ましくは0.5~3.0%の範囲内である。布地改良ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、又は2つ以上のタイプのモノマーから形成されてもよい。ポリマーのモノマー重量は一般に、5,000~10,000,000であり、典型的には少なくとも10,000であり、好ましくは100,000~2,000,000の範囲内になる。好ましい布地改良ポリマーは、組成物の意図される用途のpH(pHが一般に、pH3~pH9、好ましくはpH4~pH8の範囲)において、少なくとも約0.2meq/gm、好ましくは少なくとも0.25meq/gm、より好ましくは少なくとも0.3meq/gmのカチオン電荷密度を有することになるが、更に、好ましくは5meq/gm未満、より好ましくは3meq/gm未満、及び最も好ましくは2meq/gm未満のカチオン電荷密度も有することになる。布地改良ポリマーは、天然起源又は合成起源のものであってもよい。
【0133】
真珠光沢剤
本発明の洗濯洗剤組成物は、真珠光沢剤を含んでもよい。真珠光沢剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:雲母、二酸化チタンコーティングした雲母、ビスマスオキシクロリド、魚のうろこ、アルキレングリコールのモノエステル及びジエステル。真珠光沢剤は、エチレングリコールジステアレート(EGDS)であってもよい。
【0134】
衛生及び悪臭
本発明の組成物はまた、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)、及びその亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag+又はナノ銀分散体をゆっくり放出するように設計されているもののうちの1つ以上も含んでもよい。
【0135】
緩衝系
本明細書に記述される洗剤組成物は、水性洗浄動作での使用中に、洗浄水が約7.0~約12、いくつかの例では約7.0~約11のpHを有するように処方されてもよい。推奨される使用レベルでpHを制御する技法としては、緩衝剤、アルカリ、酸の使用が挙げられ、これらは当業者には周知である。これらの技法としては、炭酸ナトリウム、クエン酸若しくはクエン酸ナトリウム、乳酸若しくは乳酸塩、モノエタノールアミン若しくは他のアミン、ホウ酸若しくはホウ酸塩、及び当該技術分野において既知の他のpH調整化合物の使用が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
本明細書の洗剤組成物は、動的な洗浄中pHプロファイルを含んでもよい。かかる洗剤組成物は、(i)水と接触した約3分後に、洗浄液のpHが10を超え、(ii)水と接触した約10分後に、洗浄液のpHが9.5未満になり、(iii)水と接触した約20分間後に、洗浄液のpHが9.0未満になり、そして(iv)所望により、洗浄液の平衡pHが、約7.0~約8.5の範囲になるように、ワックスで覆われたクエン酸粒子を他のpH調整剤とともに使用してもよい。
【0137】
水溶性フィルム
本開示の組成物は、水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)を含むフィルムの中に封入されてもよい。
【0138】
他の添加剤成分
多種多様な他の成分が本明細書の洗剤組成物に使用されてもよく、他の活性成分、担体、向水性物質、加工助材、液体処方用の溶媒、及び固形若しくは他の液体充填剤、エリスロシン、コロイド状シリカ、ワックス、プロバイオティクス、サーファクチン、アミノセルロースポリマー、リシノール酸亜鉛、香料マイクロカプセル、ラムノ脂質、ソホロリピッド、グリコペプチド、メチルエステルスルホネート、メチルエステルエトキシレート、スルホン化エストリド、分解性界面活性剤、バイオポリマー、シリコーン、修飾シリコーン、アミノシリコーン、付着助剤、イナゴマメゴム、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースポリマー、カチオン性グアー、ヒドロトロープ(特に、クメンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、及びナファレン塩)、酸化防止剤、BHT、PVA粒子カプセル化染料若しくは香料、真珠光沢剤、発泡剤、色変化系、シリコーンポリウレタン、乳白剤、錠剤崩壊剤、バイオマス充填剤、速乾性シリコーン、ジステアリン酸グリコール、ヒドロキシエチルセルロースポリマー、疎水性修飾セルロースポリマー若しくはヒドロキシエチルセルロースポリマー、デンプン香料カプセル化剤、乳化油、ビスフェノール酸化防止剤、微細繊維状セルロース構造化剤、プロ香料、スチレン/アクリレートポリマー、トリアジン、石鹸、スーパーオキシドディスムターゼ、ベンゾフェノンプロテアーゼ阻害剤、官能化TiO2、ジブチルリン酸塩、シリカ香料カプセル、及び他の添加剤成分、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、コリンオキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、雲母、二酸化チタンコーティングされた雲母、オキシ塩化ビスマス、並びに他の活性剤が挙げられる。
【0139】
本明細書に記述される組成物はまた、ビタミン及びアミノ酸、例えば、水溶性ビタミン及びそれらの誘導体、水溶性アミノ酸並びにそれらの塩及び/又は誘導体、水不溶性アミノ酸粘度調整剤、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び水不溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加的な界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、ビタミン、ナイアシンアミド、カフェイン、及びミノキシジルも含んでもよい。
【0140】
本開示の組成物はまた、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ(disazo)、カロテノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、C.I.名を有するものなどの水溶性構成成分を包含する植物及び天然の色などの顔料材料も含有してもよい。本発明の洗剤組成物はまた、抗菌剤も含有してもよい。
【0141】
組成物の包装
本明細書に記述される洗剤組成物を、紙、厚紙、プラスチック材料、及び任意の好適な積層物から構築されるものを含む、任意の好適な容器内に包装することができる。本明細書に記述される洗剤組成物は、多区画洗剤組成物として包装もされてもよい。
【0142】
本開示は、透明ボトル入りの透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物にも関するものであり、この組成物は、約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含み、この透明又は半透明の組成物は、波長410~800ナノメートルで、1cmのキュベットを使用して、約50%以上の光透過率を有し、この透明ボトルは波長約410~800nmで25%を超える光透過率を有する。
【0143】
使用してもよい透明ボトル材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)及び/又はポリエチレンテレフタレート(PETE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、及びポリスチレン(PS)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0144】
透明ボトル又は容器は、スペクトルの可視部分(約410~800nm)において、約25%超、又は約30%超、又は約40%超、又は約50%超の透過率を有してもよい。あるいは、ボトルの吸光率は、約0.6未満として測定されてもよく、又は、約25%超の透過率を有することにより測定されてもよく、透過率%は次の式に等しい:
【0145】
【0146】
本開示の目的において、可視光線範囲内のある波長が、約25%を超える透過率を有する限り、これは透明/半透明であるとみなされる。
【0147】
容器又はボトルは、家庭用の液体を貯蔵及び包装するのに好適な任意の形状又はサイズであってよい。例えば、容器は任意のサイズを有してもよいが、通常、容器は約0.05~約15L、又は約0.1~約5L、又は約0.2~約2.5Lの最大容量を有する。この容器は容易な取り扱いに好適であってもよい。例えば、容器は、容器を片手で容易に持ち上げたり運搬したりすることができるようなかかる寸法のハンドル又は部品を有してもよい。容器は、液体洗剤組成物を注ぐために好適な手段、及び容器の再閉鎖の手段を有してもよい。注ぐ手段は、任意のサイズ又は形状であってもよい。閉鎖手段は、任意の形態又はサイズ(例えば、容器を閉じるために容器に螺合又はクリックされる)であってもよい。閉鎖手段は、容器から取り外すことができるキャップであってもよい。あるいは、キャップは、容器が開いているか閉じているかを問わず、容器に取り付けられていてもよい。閉鎖手段も、容器に組み込まれていてもよい。
【0148】
使用方法
本開示は、汚れた材料を洗浄する方法を含む。当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物は、洗濯前処理用途、洗濯洗浄用途、及びホームケア用途における使用に好適である。
【0149】
かかる方法は、洗浄組成物をそのままの形態で、又は洗浄液中に希釈した状態で、汚れた材料の少なくとも一部と接触させる工程と、その後所望により汚れた材料をすすぐ工程とを含むが、これに限らない。所望によるすすぎ工程の前に、汚れた材料に対して洗浄工程を行ってもよい。
【0150】
洗濯の前処理用途での使用のために、方法は、本明細書に記述されている洗浄組成物を汚れた布地と接触させることを含んでもよい。前処理に続いて、汚れた布地を洗濯機で洗濯してもよいし、ないしは別の方法ですすいでもよい。
【0151】
機械洗濯法は、有効量の本発明による機械洗濯用洗浄組成物がその中に溶解又は分与されている洗濯機内で7、汚れた洗濯物を洗浄水溶液で処理することを含んでもよい。洗浄組成物の「有効量」とは、約5L~約65Lの体積の洗浄溶液中に、約20g~約300gの製品が溶解又は分散していることを意味する。水温は、約5℃~約100℃の範囲であってもよい。水と汚れた材料(例えば、布地)との比率は、約1:1~約20:1であってもよい。布地洗濯組成物の文脈において、使用濃度は、また、汚れ及び染みのタイプ並びに程度だけでなく、洗浄水の温度、洗浄水の容量、及び洗濯機のタイプ(例えば、上側投入式、前側投入式、上側投入式、垂直軸型日本タイプ自動洗濯機)にも応じて変化してもよい。
【0152】
本明細書における洗浄組成物は、低温洗浄温度での布地の洗濯に使用されてもよい。布地を洗濯するこれらの方法は、洗濯洗浄組成物を水に送達して、洗浄液を形成する工程と、洗濯する布地を前記洗浄液に加える工程と、を含み、洗浄液の温度は約0℃~約20℃又は約0℃~約15℃又は約0℃~約9℃である。布地は、洗浄組成物を水に接触させる前に、又は水に接触させた後に、又は水に接触させるのと同時に水と接触させてもよい。
【0153】
手洗浄/浸漬方法、及び半自動洗浄機を用いた組み合わせ手洗浄もまた含まれる。
【0154】
本開示は更に、着色布地を洗濯する方法にも関するものであり、この方法は、洗剤組成物を提供する工程であって、この組成物は、約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含み、この組成物は増白剤及びモノエタノールアミンを実質的に含まない、工程と、この洗剤組成物の一用量を、500倍を超える割合の水中で希釈し、0.8~0.035g/Lの界面活性剤を含む洗浄液を得る工程と、このようにして形成された洗浄液で着色布地を洗浄する工程と、を含み、塩素捕捉効率は、当初の遊離塩素濃度2.4ppmで、少なくとも約90%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約40%である。
【0155】
本開示の具体的に想到される態様は、下記の番号付き段落に記述される。
1.約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含む洗濯洗剤組成物であって、この組成物は染料及び増白剤を実質的に含まない、洗濯洗剤組成物。
2.透明ボトル入りの透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物であって、この組成物が、約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含み、この透明又は半透明の組成物が、波長410~800ナノメートルで、1cmのキュベットを使用して、約50%以上の光透過率を有し、この透明ボトルは波長約410~800nmで25%を超える光透過率を有する、液体洗濯洗剤組成物。
3.洗濯洗剤組成物を提供する工程であって、この組成物が、約1重量%~約20重量%の、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3Mのアルキルエーテルサルフェート(式中、R1は約C8~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、xは約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)と、約1重量%~約15重量%の、式R2-(OCH2CH2)y-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、R2は約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含み、この組成物は増白剤及びモノエタノールアミンを実質的に含まない、工程と、この洗剤組成物の一用量を、500倍を超える割合の水中で希釈し、0.8~0.035g/Lの界面活性剤を含む洗浄液を得る工程と、このようにして形成された洗浄液で着色布地を洗浄する工程と、を含む、着色布地を洗濯する方法であって、塩素捕捉効率は、当初の遊離塩素濃度2.4ppmで、少なくとも約90%である。
4.洗剤組成物が、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール及びこれらの混合物からなる群から選択される多価アルコールを含む、段落1~3のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
5.組成物が、約0.01%~約0.1%の多価アルコールを含む、段落1~4のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
6.組成物が、約0.01%~約0.1%の2,3-ヘキサンジオールを含む、段落1~5のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
7.組成物が、直鎖又は分枝鎖のアルキルベンゼンスルホネートを実質的に含まない、段落1~6のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
8.組成物が、モノエタノールアミンを実質的に含まない、段落1~7のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
9.組成物が、リパーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される酵素を含む、段落1~8のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
10.洗浄ポリマーが、変性又は未変性セルロース系ポリマー、ポリカルボキシレート、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタミン、テトラアミン、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、汚れ放出ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落1~9のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
11.洗浄ポリマーが、1つ以上のアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む、段落1~10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
12.組成物が添加剤を含む、段落1~11のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
13.組成物が、構造化剤、ビルダー、布地用柔軟剤、ポリマー又はオリゴマー、酵素、酵素安定剤、漂白系、増白剤、色相剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、香料、香料マイクロカプセル、充填剤又は担体、アルカリ性系、pH制御系、緩衝剤、アルカノールアミン、溶媒、並びにこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を含む、段落1~12のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
14.組成物が、1つ以上の(one or)香料送達系の中から選択された添加剤を含む、段落1~13のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
15.組成物が、香料マイクロカプセル(PMC)、アミン支援型香料送達系(AAD)、ポリアクリレートカプセル、及びイオウ含有プロ香料化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料送達系を含む、段落1~14のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
16.組成物が、チオダマスコンから選択される添加剤を含む、段落1~15のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
17.組成物が、染料及び増白剤を実質的に含まない、段落1~16のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
18.組成物が、モノエタノールアミンを実質的に含まない、段落1~17のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
19.組成物が、直鎖又は分枝鎖のアルキルベンゼンスルホネートを実質的に含まない、段落1~18のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【実施例】
【0156】
実施例1-液体洗濯洗剤組成物
【0157】
【表2】
1.-NH当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
2.両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、-NHにつき24個のエトキシレート基、及び-NHにつき16個のプロポキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
3.DTPAは、Dow Chemical(Midland,Michigan,USA)製のキレート剤のジエチレンテトラアミン五酢酸である。
【0158】
(実施例2)
液体洗濯洗剤組成物における汚れ除去の比較
【0159】
【0160】
技術的染み見本CW120木綿(焦がしバター、調理牛肉、染色ベーコン、動物血液、草、バーベキューソース、グレービー、チョコレートソース、チョコレート豆乳、米澱粉、ブルーベリー、グレープジュース、Lipton紅茶、Nescafeコーヒー、赤ワイン、black Todd clay、USクレイ、液状化粧料、マスタード、及びスパゲティソースを含む)を、Empirical Manufacturing Co.,Inc(Cincinnati,OH)から購入する。見本を、1リットル当たり0.1グラム(1ガロン当たり6グレイン)の硬度の水を用いて、Whirlpool(登録商標)前側投入式洗濯機の中で摂氏38度(華氏100度)で洗浄する。試験で使用した液体洗剤の全量は49グラムであった。
【0161】
標準比色分析測定を使用して、洗浄前と後とのそれぞれの染みに対するL*、a*、及びb*値を得る。L*、a*、及びb*値から、染みレベルを計算する。
【0162】
見本からの染み除去は次のように測定された。
【0163】
【数2】
ΔE
initial=洗浄前の染みレベル
ΔE
washed=洗浄後の染みレベル
【0164】
各タイプの染みの8つの複製を作製する。以下に示すSRI値は、各タイプの染みに対する平均SRI値である。洗浄前の布地の染みレベル(ΔEinitial)は高いが、洗浄のプロセス中に染みが除去されて、洗浄後の染みレベル(ΔEwashed)は下がっている。染みがよく除去されればされるほど、ΔEwashedの値が小さくなり、ΔEinitialとΔEwashedとの間の差(ΔEinitial-ΔEwashed)が大きくなる。したがって、染み除去指数の値は、洗浄のパフォーマンスが良ければ大きくなる。
【0165】
【0166】
これらの結果は、いくつかの既知の環境に優しい洗濯洗剤(Kirkland Signature(商標)及びSeventh Generation(登録商標))並びに既知の従来型洗濯洗剤(Tide(登録商標)Original Scent)に比べて、本開示の組成物(複数可)(F)の驚くべき染み除去効果を示している。
【0167】
実施例3-白色度の維持
CIE白色度指数値(D65照明光)における洗濯前後の差も、追加した試験布地に対して測定する。ΔWI CIEの負の値が大きいほど、製剤の汚れ再付着防止性能が不良であることを示す。データは、分散分析技法を使用して分析する。
【0168】
新品の白色の50%木綿/50%ポリエステル編地の技術的染み見本を、Whirlpool(登録商標)前側投入式洗濯機により、1リットル当たり0.1グラム(1ガロン当たり6グレイン)の硬度の水を用いて、摂氏38度(華氏100度)で、木綿及びポリコットン(polycotton)編地の見本、並びに汚れ(例えば、粘土汚れ、人工の身体汚れ)を含む見本からなる3.9キログラム(8.5ポンド)のバラストとともに洗浄する。試験で使用した液体洗剤の全量は49グラムであった。
【0169】
白色度指数の負の値が大きいほど、布地が灰色になっていることを示す(0の値は、新しい白色布地に対応する)。
【0170】
白色度指数(「WI」)は、色測定の3つの構成要素(色相、彩度、及び明度)を含む、式により計算される色の適性評価であり、これは次いで標準白色値の指標にもなる。CIE白色度は次式により表わされる:WI=Y-(800×x)-(1700×y)+813.7、式中、Y、x、及びyは比色分析値である。更なる情報が、Rolf Griesser,Ciba-Geigy Ltd,「hiteness and Tint」,June,1993という刊行物から入手できる。
【0171】
【0172】
表4は、新品の白色50%木綿/50%ポリエステル編地に対する、Tide(登録商標)Original Scent HE、本開示の組成物F(表2を参照)、及びSeventh Generation(登録商標)Lavender & Blue Eucalyptus Natural Laundry Detergentの白色維持値を示す。
【0173】
(実施例4)
液体洗濯洗剤組成物の塩素捕捉試験データ
次亜塩素酸ナトリウム(Clorox漂白剤、有効成分6%)0.04mLを1Lの脱イオン水に入れて、2.4ppmの塩素水溶液を調製した。この溶液を0.25Lのアリコートに分ける。各試験洗剤は、前側投入方式洗濯機条件(塩素水0.25L当たり0.60gの洗剤)となる濃度で、各塩素水溶液と完全に混合されている。各洗剤の遊離塩素を捕捉する能力は、遊離塩素試験キット、CHEMets(登録商標)Kit K-2505の取扱説明に従って測定され、各洗剤について残留遊離塩素(FCR)が測定される。各洗剤の塩素捕捉効率(CSE)は次のように算出される:
【0174】
【0175】
試験処方:処方G、H、I、及びJはそれぞれ、下記の点を除き、同じ原材料濃度を含有していた:処方Gは、2.5%のアミンオキシド、0.45%のDTPA、1.5%のエトキシル化ポリエチレンイミン、及び1.3%の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含有していた。処方Hは、アミンオキシド、DTPA、エトキシル化ポリエチレンイミン、又は両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含有していなかった。処方Iは、アミンオキシド、DTPA、又は両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含まず、かつ1.5%のエトキシル化ポリエチレンイミンを含有していた。処方Jは、アミンオキシド、DTPA、エトキシル化ポリエチレンイミンを含まず、1.3%の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含有していた。
【0176】
【表6】
4.-NH当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
5.両親媒性アルコキシレート化グリース洗浄ポリマーは、-NHにつき24個のエトキシル基、及び-NHにつき16個のプロポキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
6.DTPAは、Dow Chemical(Midland,Michigan,USA)製のキレート剤のジエチレンテトラアミン五酢酸である。
【0177】
結果:
【0178】
【0179】
これらの結果は、1つ以上のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマー及び生物を原料としたアルキルエーテルサルフェートを含み、かつモノエタノールアミンを実質的に含まない組成物は、洗浄液から96%以上の遊離塩素を除去することができるが、一方で既知の環境に優しい組成物は遊離塩素を21%だけしか除去できなかったことを示している。洗浄液中の遊離塩素は、複数回の洗浄サイクルにわたって、退色の原因になることが示されている。洗浄溶液から遊離塩素を除去する能力は、着色布地の色の維持に役立ち、着色布地の寿命を延長するのに役立つ可能性がある。
【0180】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、かかる寸法のそれぞれは、記載された値とその値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0181】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と任意の組み合わせで、任意のかかる発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれる文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0182】
本発明の特定の実施形態を例示及び記述してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるかかる全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲で網羅することが意図される。