(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】リニアモータのための液冷式コア組立体、およびそのようなコア組立体を備えるリニアモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 41/03 20060101AFI20250128BHJP
H02K 9/19 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
H02K41/03 A
H02K9/19 A
H02K9/19 B
H02K9/19 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020191846
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2023-09-13
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502149218
【氏名又は名称】エテル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・イヴ・グリヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ルフェーヴル
(72)【発明者】
【氏名】ロイク・モレノ
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-218730(JP,A)
【文献】特開2005-237059(JP,A)
【文献】特開2015-177590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/03
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアモータのための液冷式コア組立体(10)であって、
中央部(12a)、当該中央部(12a)の2つの対向する側面から延在しかつそれらの間にスロット(17)を形成する歯(16)、当該歯(16)に巻回されたコイル、前記中央部(12a)にわたって延在する軸方向冷却流体通路(18)、および当該通路(18)の内側に配置された冷却導管(30)を有する、鉄芯(12)と、
当該鉄芯(12)のそれぞれの2つの他の対向する側面に取り付けられた液体供給部(20)および液体収集部(40)を備える冷却装置であって、前記液体供給部および液体収集部(20、40)が前記冷却導管(30)と流体連通する、冷却装置と、
前記液体供給部(20)と流体連通する入口接続具(70)、および前記液体収集部(40)と流体連通する出口接続具(72)と、
を備え、
前記液体供給部(20)が、液体供給導管(24)、および当該液体供給導管(24)と流体連通しかつそれぞれの導管(30)の第1の端部分(30a)に封止的に接続されたチャネル(26)を備え、前記液体収集部(40)が、液体収集導管(44)、および当該液体収集導管(44)と流体連通しかつ前記それぞれの導管(30)の第2の端部分(30b)に封止的に接続されたチャネル(46)を備え、
前記鉄芯(12)が、前記冷却流体通路(18)と交互に並ぶ形で前記中央部(12a)にわたって延在する軸方向通り穴(19)をさらに備え、
前記液体供給部および液体収集部(20、40)が、ねじ(50)により前記鉄芯(12)に組み付けられ、
前記ねじ(50)が、前記鉄芯(12)の通り穴(19)に沿って延在する、
液冷式コア組立体(10)。
【請求項2】
請求項
1に記載の液冷式コア組立体(10)において、各導管(30)の前記第1および第2の端部分(30a、30b)が、前記それぞれの2つの他の対向する側面から、それぞれの液体供給部および液体収集部(20、40)の対応するチャネル(26、46)の端部分(27、47)の内側に突出する、液冷式コア組立体(10)。
【請求項3】
請求項
2に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記端部分(27、47)が、封止具受入部分(27a、47a)を備え、当該封止具受入部分(27a、47a)の内側では、好ましくはOリングである封止具(32)が、各導管(30)の前記第1および第2の端部分(30a、30b)の周りに取り付けられる、液冷式コア組立体(10)。
【請求項4】
請求項
1に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記通路(18)および前記通り穴(19)の中心軸が、前記鉄芯の前記中央部(12a)をわたる平面内で位置合わせされ、当該平面が、前記中央部(12a)の前記2つの対向する側面間で実質的に等距離に位置する、液冷式コア組立体(10)。
【請求項5】
請求項
1または
4に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記通路(18)および前記通り穴(19)のそれぞれが、前記中央部(12a)の前記2つの対向する側面の一方および他方にそれぞれ配置された2つのスロット(16)と位置合わせされる、液冷式コア組立体(10)。
【請求項6】
請求項
1に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記液体供給部(20)が、ねじ穴(28)を備え、前記液体収集部(40)が、通り穴(48)を備え、前記ねじ(50)が、
前記液体収集部(40)のそれぞれの通り穴(48)に沿って延在し、前記ねじ(50)の端部分が、前記液体供給部(20)の前記対応するねじ穴(28)にねじ込まれる、液冷式コア組立体(10)。
【請求項7】
請求項
6に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記液体収集部(40)の前記液体収集導管(24)にまたがる前記ねじ(50)の区間の周りにねじスリーブ(49)が配置されて、前記区間を前記液体収集導管から封止する、液冷式コア組立体(10)。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記液体供給部および液体収集部(20、40)のそれぞれが、前記コイルの一部分を受け入れるために、前記鉄芯(12)の前記2つの他の対向する側面のそれぞれの側面とともにコンパートメントを形成するT形状断面を有する、液冷式コア組立体(10)。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載の液冷式コア組立体(10)において、入口管(22)が、前記液体供給導管(24)の内側に取り付けられ、前記入口管(22)が、前記入口接続具(70)と流体連通し、かつ、前記入口管(22)の端部分(22a)が前記供給導管(24)の長さの3分の1の位置と3分の2の位置との間に配置されるように前記液体供給導管(24)の一部分に沿って延在し、前記端部分(22a)が、好ましくは前記供給導管の長さの中央に配置される、液冷式コア組立体(10)。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記鉄芯(12)のそれぞれの第1および第2の外側部ならびに前記液体供給部および液体収集部(20、40)のそれぞれの第1および第2の外側部に組み付けられた第1および第2の取付部(60a、60b)を備え、前記入口接続具および出口接続具(70、72)が、前記第1および第2の取付部(60a、60b)のうちの一方の中に取り付けられる、液冷式コア組立体(10)。
【請求項11】
請求項
10に記載の液冷式コア組立体(10)において、前記コイルの電気的接続のためのケーブルグランド(74)が、前記入口接続具および出口接続具(70、72)を備える前記取付部(60a)に取り付けられる、液冷式コア組立体(10)。
【請求項12】
永久磁石組立体に摺動可能に取り付けられた請求項1から
11のいずれか一項に記載の液冷式コア組立体(10)を備える、リニアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、単一の積層スタックで作られた鉄芯を備える、リニアモータのための液冷式コア組立体に関する。本発明はまた、液冷式コア組立体を備えるリニアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]リニアモータのための主要部/モータとしての液冷式コア組立体は、当技術分野においてよく知られており、多くの解決策がすでに提案されている。
[0003]例えば、米国特許出願公開第2019131831号は、スロットおよび線形溝がそれぞれ設けられた各2つの対向する側面を有する第1のコアおよび第2のコアを備える、リニアモータのためのコア組立体を開示している。線形溝を備える第1および第2のコアの側面は、複数の平行なチャネルを形成するように互いに取り付けられ、チャネルの内側には、2つの冷却蛇行部の一部分が配置される。しかし、コア組立体は、製造するのが難しく、それにより、リニアモータの全費用への負の影響を有する。
【0003】
[0004]EP1120890は、コイルのためのスロットを両側に有する単一の積層スタックを備える、リニアモータのためのコア組立体を開示している。リニアモータは、その上部表面の中心に長手方向溝を有する頂部コアカバーを備える。冷媒を通すためのU形状の冷却パイプが溝内に収容され、それにより、積層スタックの上方部分およびユーザインターフェースのみを冷却する。積層スタックの一様でない冷却は、リニアモータの力対接地面積比を低減させる欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2019131831号
【文献】EP1120890
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]したがって、本発明の目的は、製造するのが容易でありかつ対費用効果の高い、リニアモータのための液冷式コア組立体を提供することである。
[0006]本発明の別の目的は、既知の解決策に優る改善された力対接地面積比を有する、リニアモータのための液冷式コア組立体を提供することである。
【0006】
[0007]本発明の別の目的は、鉄芯の内側および顧客インターフェースの両方の効率的で一様な冷却を伴う、リニアモータのための液冷式コア組立体を提供することである。
[0008]本発明のさらなる目的は、顧客によって提供される永久磁石組立体の構成に対応するように容易に適合され得る顧客インターフェースを備える液冷式コア組立体を提供することである。
【0007】
[0009]本発明のなおもさらなる目的は、永久磁石組立体に摺動可能に取り付けられた液冷式コア組立体を備えるリニアモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0010]これらの目的は、
中央部、中央部の2つの対向する側面から延在しかつそれらの間にスロットを形成する歯、歯に巻回されたコイル、中央部にわたって延在する軸方向冷却流体通路、および前述の通路の内側に取り付けられた冷却導管を有する、鉄芯と、
前述の鉄芯のそれぞれの2つの他の対向する側面に取り付けられた液体供給部および液体収集部を備える冷却装置であって、液体供給部および液体収集部の両方が前述の冷却導管と流体連通する、冷却装置と、
液体供給部と流体連通する入口接続具、および液体収集部と流体連通する出口接続具と、
を備える、リニアモータのための液冷式コア組立体によって達成される。
【0009】
[0011]一実施形態では、液体供給部は、液体供給導管、および液体供給導管と流体連通しかつそれぞれの導管の第1の端部分に封止的に接続されたチャネルを備える。液体収集部は、液体収集導管、および液体収集導管と流体連通しかつ前述のそれぞれの導管の第2の端部に封止的に接続されたチャネルを備える。
【0010】
[0012]一実施形態では、各導管の第1および第2の端部分は、前述のそれぞれの2つの他の対向する側面から、それぞれの液体供給部および液体収集部の対応するチャネルの端部分の内側に突出する。
【0011】
[0013]一実施形態では、液体供給部および液体収集部の各チャネルの端部分は、封止具受入部分を備え、封止具受入部分の内側では、好ましくはOリングである封止具が、各導管の前述の第1および第2の端部分の周りに取り付けられる。
【0012】
[0014]一実施形態では、鉄芯は、冷却流体通路と交互に並ぶ形で中央部にわたって延在する軸方向通り穴をさらに備える。
[0015]一実施形態では、前述の通路および前述の通り穴の中心軸は、鉄芯の中央部をわたる平面内で位置合わせされ、この平面は、中央部の前述の2つの対向する側面間で実質的に等距離に位置する。
【0013】
[0016]一実施形態では、軸方向冷却流体通路および通り穴のそれぞれは、中央部の前述の2つの対向する側面の一方および他方にそれぞれ配置された2つのスロットと位置合わせされる。
【0014】
[0017]一実施形態では、軸方向冷却流体通路および通り穴のそれぞれは、中央部の前述の2つの対向する側面の一方および他方にそれぞれ配置された2つのスロットと位置合わせされる。
【0015】
[0018]一実施形態では、液体供給部および液体収集部は、ねじにより鉄芯に組み付けられる。
[0019]一実施形態では、液体供給部は、ねじ穴を備え、液体収集部は、通り穴を備える。ねじは、液体収集部のそれぞれの通り穴および鉄芯の通り穴に沿って延在する。ねじの端部分は、液体供給部の対応するねじ穴にねじ込まれる。
【0016】
[0020]一実施形態では、液体収集部の液体収集導管にまたがるねじの区間の周りにねじスリーブが配置されて、前述の区間を液体収集導管から封止する。
[0021]一実施形態では、液体供給部および液体収集部のそれぞれは、コイルの一部分を受け入れるために、鉄芯の前述の2つの他の対向する側面のそれぞれの側面とともにコンパートメントを形成するT形状断面を有し、このT形状断面は、前述の液体供給部および液体収集部の全長に沿って一定である。
【0017】
[0022]一実施形態では、入口管が、液体供給導管の内側に取り付けられる。入口管は、入口接続具と流体連通し、かつ、入口管の端部分が供給導管の長さの3分の1の位置と3分の2の位置との間に配置されるように液体供給導管の一部分に沿って延在する。入口管の端部分は、供給導管の長さの中央に配置されることが好ましい。
【0018】
[0023]一実施形態では、液冷式コア組立体は、鉄芯のそれぞれの第1および第2の外側部ならびに液体供給部および液体収集部のそれぞれの第1および第2の外側部に組み付けられた第1および第2の取付部を備える。入口接続具および出口接続具は、前述の第1および第2の取付部のうちの一方の中に取り付けられる。
【0019】
[0024]一実施形態では、入口接続具は、インターフェースが周囲温度にとどまることを確実にするために、可能な限り顧客インターフェースに近接して配置される。
[0025]一実施形態では、コイルの電気的接続のためのケーブルグランドが、入口接続具および出口接続具を備える取付部に取り付けられる。
【0020】
[0026]本発明の別の態様は、永久磁石組立体に摺動可能に取り付けられた上述の液冷式コア組立体を備えるリニアモータに関する。
[0027]本発明は、例として挙げられかつ図によって示されたいくつかの実施形態に関する説明により、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態による、単一の積層スタックで作られたリニアモータのための鉄芯、および鉄芯の軸方向冷却流体通路の内側に嵌合されるように適合された冷却管の分解組立斜視図である。
【
図2】冷却管がそれらのそれぞれの冷却流体通路の内側に取り付けられた、
図1に類似した図である。
【
図3】冷却管を含まない、
図2の鉄芯の上面図である。
【
図4】別の実施形態による、
図3に類似した図である。
【
図5】一実施形態による液体供給部の上面斜視図である。
【
図7】液体供給部または液体収集部の断面図である。
【
図8】液体供給部の対応するチャネルに封止的に接続された冷却管の端部分の拡大断面図である。
【
図9】液体収集部の対応するチャネルに封止的に接続された冷却管の端部分の拡大断面図である。
【
図10】液冷式コア組立体の部分的な斜視図である。
【
図11】一実施形態による液冷式コア組立体の断面図である。
【
図12】別の実施形態による液冷式コア組立体の部分的な断面図である。
【
図13】
図13aは、永久磁石組立体への接続のための顧客インターフェースの接続部の構成が異なる、液冷式コア組立体の上面図である。
図13bは、永久磁石組立体への接続のための顧客インターフェースの接続部の構成が異なる、液冷式コア組立体の上面図である。
図13cは、永久磁石組立体への接続のための顧客インターフェースの接続部の構成が異なる、液冷式コア組立体の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0028]本発明の文脈において、液冷式コア組立体は、リニアモータの永久磁石組立体に摺動可能に取り付けられるように構成されたモータ、可動部品、スライダまたはグライダとして理解されるべきである。さらに、本発明の文脈において、「顧客インターフェース」という用語は、永久磁石組立体に摺動可能に取り付けられるべきコア組立体の部分として理解されるべきである。
【0023】
[0029]
図1~4および10を参照すると、液冷式コア組立体10は、積層スタックで作られた鉄芯12を備える。磁性の鉄芯12は、鉄芯12の2つの外側部13a、13bの間に延在する中央部12aを備える。歯16が、鉄芯12の2つの長手方向辺14a、14bに沿って、中央部12aの対向する2つの側面から延在する。中央部12aの一方の側上の歯16間に形成されるスロット17は、中央部12aの対向する側上の歯16間に形成されるスロット17と位置合わせされる。
【0024】
[0030]軸方向冷却流体通路18および通り穴19が、鉄芯12に穿孔される。通り穴19は、軸方向冷却流体通路18と交互に並ぶ形で鉄芯12の中央部12aにわたって延在する。通路18および通り穴19の中心軸は、鉄芯12の長手方向に沿って鉄芯12の中央部12aをわたる平面内で位置合わせされることが好ましく、この平面は、そこから歯16が延在する中央部12aの対向する2つの側面間で実質的に等距離に位置する。
【0025】
[0031]冷却流体通路18および通り穴19のそれぞれは、中央部12aの前述の対向する2つの側面の一方および他方にそれぞれ配置された2つの対応するスロット17と位置合わせされる。通路および通り穴18、19はまた、
図4に示された実施形態によれば、対応する2つの向かい合った歯16と位置合わせされ得るが、この構成は、隣り合った歯16間での漂遊磁束循環(magnetic stray flux circulating)を増大させるので、引力相殺(attraction force cancellation)には最適ではない。
【0026】
[0032]
図1および2に詳細に示されるように、好ましくは管30の形態である冷却導管が、冷却流体通路18に挿入される。管を使用することにより、腐食を生じさせ得る流体漏れが積層の層間で起こらないことが確実とされる。鉄芯12は、通路18の直径を大きくするために、冷却管30の挿入前に加熱される。これは、通路18の直径が周囲温度においてその初期サイズに戻るときに、積層スタックと冷却管30との間の非常に緊密な機械公差および最適な熱伝達を確実とする。各冷却管30は、鉄芯12の中央部12aの上面側15aおよび底面側15bからそれぞれ突出する第1および第2の端部分30a、30bを備える。
【0027】
[0033]
図10を参照すると、液冷式コア組立体10は、鉄芯12の中央部12aのそれぞれの上面側および底面側15a、15bに取り付けられた液体供給部20および液体収集部40を含む冷却装置を備える。液体供給部20および液体収集部40の両方は、モータの長さに切断されたアルミニウム押出し部品として製造される。
【0028】
[0034]
図5、6および7を参照すると、液体供給部20および液体収集部40のそれぞれは、それらの全長に沿ってそれぞれの供給部20および収集部40を貫通して延在する、液体供給導管24および液体収集導管44(
図7および11)をそれぞれ備える。液体供給導管24および液体収集導管44の断面は、それらの全長に沿って一定であることが好ましい。
【0029】
[0035]液体供給導管24は、例えば、部分的な上方円筒状部分24aと、液体供給部40の幅にわたって延在する下方部分24bとを備える。下方部分24bの形状は、流体流れに起因する液体供給導管24内の圧力損失を可能な限り減少させる冷却流体貯槽を提供する利点を有する。液体収集導管44の形状は、液体供給部20および液体収集部40に対して同じ押出し型を使用することによりそれらの製造作業を単純化するために、液体供給導管24の形状と同一であることが好ましい。
【0030】
[0036]液体供給部20および液体収集部40のそれぞれは、それぞれの液体供給導管24および液体収集導管44と流体連通するチャネル26、46を備える。
図10に詳細に示されるように、液体供給部20の各チャネル26の端部分27は、それぞれの冷却管30の第1の端部分30aに封止的に接続され、一方で、液体収集部40の各チャネル46の端部分27は、それぞれの冷却管30の第2の端部分30bに封止的に接続される。
【0031】
[0037]より詳細には、
図7および8を参照すると、液体供給部20の各チャネル26の端部分27は、封止具受入部分27a、および管端部受入部分27bを備える。封止具受入部分27aは、円筒状であってもよく、または、好ましくは
図6に示されるように矩形の機械仕上げ面とされ得る。同様に、液体収集部20の各チャネル46の端部分47は、
図10に示されるように、
図9に示されるような封止具受入部分および管端部受入部分を備える。
【0032】
[0038]
図11および12に最もよく示されるように、入口管22が、液体供給導管24の部分的な上方円筒状部分24aの内側に取り付けられる。入口管22は、入口接続具70と流体連通し、かつ、入口管22の端部分22aが供給導管24の全長の3分の1の位置と3分の2の位置との間に配置されるように液体供給導管24の一部分に沿って延在する。入口管22の端部分22aは、供給導管24の全長の中央近くに配置されることが好ましい。入口管22の長さは、
図12に示されるように、液冷式コア組立体10のサイズに適合される。
【0033】
[0039]入口管22は、リニアモータの液冷式コア組立体10の長さ方向に延在する液体供給導管24の長さの中央において冷却液が液体供給導管24の下方部分24b内に流れることを確実とし、それにより、コア組立体内部の圧力勾配および温度勾配が回避される。
【0034】
[0040]
図11を参照すると、液体供給部20および液体収集部40は、ねじ50により、鉄芯12のそれぞれの上面側15aおよび底面側15bに組み付けられる。この点に関して、液体供給部20は、ねじ穴28を備え、一方で、液体収集部40は、通り穴48を備える。
【0035】
[0041]ねじ50は、液体収集部40のそれぞれの通り穴48および鉄芯12の通り穴19に沿って延在し、ねじ50の端部分は、液体供給部20の対応するねじ穴28にねじ込まれる。液体収集部40の液体収集導管44にまたがるねじ50の区間の周りにねじスリーブ49が配置されて、ねじ50を液体収集部から封止する。
【0036】
[0042]液体供給部20および液体収集部40のそれぞれは、コイル(図示せず)の座巻を受け入れるために、鉄芯12の前述の2つの他の対向する側面のそれぞれの側面とともにコンパートメントを形成するT形状断面を有する。
【0037】
[0043]
図10を参照すると、第1および第2の取付部60a、60bが、鉄芯12ならびに液体供給部20および液体収集部40のそれぞれの第1および第2の外側部に組み付けられる。第1および第2の取付部60a、60bのそれぞれは、
図5から7に示されるように液体供給部20および液体収集部40に設けられた長手方向スロット29の対応する管状部分内に調節されたセルフタッピングねじにより、液体供給部20および液体収集部40のそれぞれの外側部に接続される。
【0038】
[0044]一方の取付部60aは、接続具を受け入れる円筒状またはねじ付きの部分62、64を備え、この部分62、64内には、
図11に示されるように、冷却装置の入口接続具70および出口接続具72が取り付けられる。入口接続具70は、インターフェースが周囲温度にとどまることを確実にするために、可能な限り顧客インターフェース21に近接して配置される。追加的な円筒状またはねじ付きの部分66が、取付部60a上に設けられ、この部分66内には、鉄芯12の歯16に巻回されたコイル(図示せず)の電気的接続のために、ケーブルグランド74が取り付けられる。
【0039】
[0045]例えば
図11に示されるように、いかなる漏れも回避するために、それぞれの供給部20および収集部40の液体供給導管24および液体収集導管44の両方の端部分の周りで第1および第2の取付部60a、60b上に封止溝68が配置される。
【0040】
[0046]例えば
図5に示されるように、顧客インターフェース21は、液冷式コア組立体10をリニアモータの永久磁石組立体に組み付けるためのねじ穴21aを備える。顧客インターフェースは、小規模な修正を介して顧客の永久磁石組立体の構成に従うように容易に適合され得る。例えば、顧客インターフェース21上のねじ穴21aのピッチ、サイズ、および/または数は、
図13a、13bおよび13cに示されるように、変更され得る。
【符号の説明】
【0041】
10 液冷式コア組立体
12 磁気コア
12a 中央部
13a、13b 外側部
14a、14b 長手方向側面
15a 上面側
15b 底面側
16 歯
17 スロット
18 冷却流体通路
19 通り穴
20 液体供給部
21 顧客インターフェース
21a ねじ穴
22 入口管
22a 端部分
24 液体供給導管
24a 部分的円筒状部分
24b 下方部分
26 チャネル
27 端部分
27a 封止具受入部分
27b 管端部受入部分
28 ねじ穴
29 長手方向スロット
30 冷却管
30a、30b 端部分
32 Oリング
40 液体収集部
44 液体収集導管
46 チャネル
47 端部分
48 通り穴
49 ねじスリーブ
50 ねじ
60a 第1の取付部
60b 第2の取付部
62、64 接続具受入部分
66 ケーブルグランド受入部分66
68 封止リング
70 入口接続具
72 出口接続具
74 ケーブルグランド