(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】プログラムおよび当該プログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20250128BHJP
G06F 40/166 20200101ALI20250128BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20250128BHJP
【FI】
G06F3/04842
G06F40/166
G06F3/0488
(21)【出願番号】P 2021066749
(22)【出願日】2021-04-09
【審査請求日】2024-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォーゲル フレデリック
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-210149(JP,A)
【文献】特開2016-012196(JP,A)
【文献】LINEがぜんぶわかる本 完全保存版 ,株式会社洋泉社 江澤 隆志,2018年09月25日,66-67頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06F 40/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
テキストの入力を受け付ける処理と、
入力されたテキストをディスプレイに表示する処理と、
前記ディスプレイの表示の中で示唆対象を決定する示唆対象決定処理と、
前記示唆対象に対応する一つ以上の絵表示が存在する場合に、前記ディスプレイに当該絵表示の示唆リストを表示するリスト表示処理と、
前記示唆リストに含まれる一つの絵表示を指定する指定操作を受け付ける処理と、
前記指定操作を受けた絵表示の使用を確定させる表示確定処理と、
前記示唆対象の変更操作を受け付ける処理と、を実行させるプログラムを含み、
前記示唆対象決定処理は、前記ディスプレイの表示の中で、前記示唆対象を前記変更操作に対応するものに変更する対象変更処理を含
み、
前記変更操作は、
前記ディスプレイに表示されたテキストの少なくとも一部を前記示唆対象とするための操作と、
前記ディスプレイにおける、テキストの非入力箇所を前記示唆対象とするための操作と、を含むプログラム。
【請求項2】
前記表示確定処理は、
前記示唆対象がテキストを含む場合に、前記指定操作を受けた絵表示を当該テキストに置き換えて、その使用を確定させる処理と、
前記示唆対象が前記非入力箇所である場合に、前記指定操作を受けた絵表示を前記テキストに追記して、その使用を確定させる処理と、を含む請求項
1に記載のプログラム。
【請求項3】
コンピュータに、
テキストの入力を受け付ける処理と、
入力されたテキストをディスプレイに表示する処理と、
前記ディスプレイの表示の中で示唆対象を決定する示唆対象決定処理と、
前記示唆対象に対応する一つ以上の絵表示が存在する場合に、前記ディスプレイに当該絵表示の示唆リストを表示するリスト表示処理と、
前記示唆リストに含まれる一つの絵表示を指定する指定操作を受け付ける処理と、
前記指定操作を受けた絵表示の使用を確定させる表示確定処理と、
前記示唆対象の変更操作を受け付ける処理と、を実行させるプログラムを含み、
前記示唆対象決定処理は、前記ディスプレイの表示の中で、前記示唆対象を前記変更操作に対応するものに変更する対象変更処理を含み、
前記コンピュータに、前記示唆対象を明示する印を前記ディスプレイに表示させる処理を実行させるプログラムを更に含み、
前記変更操作は、前記ディスプレイを右スワイプする操作と、前記ディスプレイを左スワイプする操作とを含み、
前記リスト表示処理は、前記右スワイプの操作を受けて表示中の示唆リストの左側から新たな示唆リストをディスプレイに登場させる処理と、前記左スワイプの操作を受けて表示中の示唆リストの右側から新たな示唆リストをディスプレイに登場させる処理とを含み、
前記対象変更処理は、前記右スワイプの操作を受けて前記印が左に移動するように前記示唆対象を変更する処理と、前記左スワイプの操作を受けて前記印が右に移動するように前記示唆対象を変更する処理とを含
むプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、
テキストの入力を受け付ける処理と、
入力されたテキストをディスプレイに表示する処理と、
前記ディスプレイの表示の中で示唆対象を決定する示唆対象決定処理と、
前記示唆対象に対応する一つ以上の絵表示が存在する場合に、前記ディスプレイに当該絵表示の示唆リストを表示するリスト表示処理と、
前記示唆リストに含まれる一つの絵表示を指定する指定操作を受け付ける処理と、
前記指定操作を受けた絵表示の使用を確定させる表示確定処理と、
前記示唆対象の変更操作を受け付ける処理と、を実行させるプログラムを含み、
前記示唆対象決定処理は、前記ディスプレイの表示の中で、前記示唆対象を前記変更操作に対応するものに変更する対象変更処理を含み、
前記コンピュータに、前記示唆対象を明示する印を前記ディスプレイに表示させる処理を実行させるプログラムを更に含み、
前記変更操作は、前記ディスプレイを右スワイプする操作と、前記ディスプレイを左スワイプする操作とを含み、
前記リスト表示処理は、前記右スワイプの操作を受けて表示中の示唆リストの左側から新たな示唆リストをディスプレイに登場させる処理と、前記左スワイプの操作を受けて表示中の示唆リストの右側から新たな示唆リストをディスプレイに登場させる処理とを含み、
前記対象変更処理は、前記右スワイプの操作を受けて前記印が右に移動するように前記示唆対象を変更する処理と、前記左スワイプの操作を受けて前記印が左に移動するように前記示唆対象を変更する処理とを含
むプログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
入力されたテキストの使用を確定させる処理を更に実行させ、
前記リスト表示処理は、使用が確定されていない未確定テキストに対する変換候補のリストとは異なる位置に絵表示の示唆リストを表示するものである、請求項1
乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記絵表示は、
文字コードが割り当てられた絵文字と、
画像で構成されたスタンプと、を含み、
前記表示確定処理は、
前記指定操作を受けた絵表示が絵文字である場合に、当該絵文字の使用を即座に確定させる処理と、
前記指定操作を受けた絵表示がスタンプである場合に、前記ディスプレイに当該スタンプのプレビューを表示する処理と、
プレビュー表示されたスタンプについての承認操作を受け付ける処理と、
前記承認操作を受けて当該スタンプの使用を確定させる処理と、を含む請求項1乃至
5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
入力されたテキストの使用を確定させる処理と、
確定されたテキストおよび確定された絵表示の一部または全部を指定する確定表示指定操作を受け付ける処理と、を実行させるプログラムを更に含み、
前記示唆対象決定処理は、前記確定表示指定操作で指定された部分を前記示唆対象とする処理を含む請求項1乃至
6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
テキストの入力を受け付ける処理と、
入力されたテキストをディスプレイに表示する処理と、
前記ディスプレイの表示の中で示唆対象を決定する示唆対象決定処理と、
前記示唆対象に対応する一つ以上の絵表示が存在する場合に、前記ディスプレイに当該絵表示の示唆リストを表示するリスト表示処理と、
前記示唆リストに含まれる一つの絵表示を指定する指定操作を受け付ける処理と、
前記指定操作を受けた絵表示の使用を確定させる表示確定処理と、を実行させるプログラムを含み、
前記指定操作は、
第一の手法で前記一つの絵表示を指定する第一指定操作と、
前記第一の手法とは異なる第二の手法で前記一つの絵表示を指定する第二指定操作と、を含み、
前記表示確定処理は、
前記第一指定操作を受けた絵表示を前記示唆対象に置き換えて、その使用を確定させる第一確定処理と、
前記第二指定操作を受けた絵表示を前記示唆対象に追記して、その使用を確定させる第二確定処理と、を含むプログラム。
【請求項9】
前記絵表示は、
文字コードが割り当てられた絵文字と、
画像で構成されたスタンプと、を含み、
前記第一確定処理および前記第二確定処理は、何れも、
前記指定操作を受けた絵表示が絵文字である場合に、当該絵文字の使用を即座に確定させる処理と、
前記指定操作を受けた絵表示がスタンプである場合に、前記ディスプレイに当該スタンプのプレビューを表示する処理と、
プレビュー表示されたスタンプについての承認操作を受け付ける処理と、
前記承認操作を受けて当該スタンプの使用を確定させる処理と、を含む請求項
8に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項1乃至
9の何れか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、プログラムおよび当該プログラムを記録した記録媒体に係り、特に絵表示を含むメッセージの作成を支援するうえで好適なプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、メッセージの作成を支援する入力支援装置が開示されている。この入力支援装置は、ユーザによる文字並びに絵文字の入力を受け付ける。そして、特定の絵文字が入力された場合は、その絵文字と連携可能な他の絵文字を探索して、連携可能な絵文字が存在する場合は、その絵文字を入力候補としてユーザに示唆する。その結果、提示された絵文字に対してユーザが入力操作を行うと、その絵文字が既出の絵文字に追記されてメッセージの一部となる。このような入力支援装置によれば、ユーザは、絵文字を用いたメッセージを容易に作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、絵文字やスタンプ(以下、両者を区別する必要がない場合は、それらを「絵表示」と称する)をメッセージに含めるための支援方法としては、入力されたテキストの内容に合致する絵表示を、入力候補としてユーザに示唆することが考えられる。より具体的には、入力されたテキストのうち未確定の文字または文字列と、使用可能な絵表示のリストとを照合して、前者に対応する絵表示が存在する場合に、それらを入力候補として表示することが考えられる。
【0005】
一般に、テキストに絵表示を含めてメッセージを作成する場合、ユーザは、様々な意図を持って入力操作を行う。例えば、入力した一連の文字列のうち、絵表示に変換したい部分が、その全部である場合もあれば、その一部である場合もある。また、絵表示を、文字または文字列に置き換えて使用したい場合もあれば、既存のテキストに絵表示を追記して使用したい場合もある。しかしながら、上述した特許文献1に記載の支援の手法を含めて、従来は、そのようなユーザの多様な意図を、簡単な操作で正しくメッセージに反映させるための支援の手法が提案されていなかった。
【0006】
この開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、絵表示を含むメッセージの作成に当たり、ユーザの意図を、簡易な操作で正しくメッセージに反映させるためのプログラムを提供することを第一の目的とする。
【0007】
また、この開示は、絵表示を含むメッセージの作成に当たり、ユーザの意図を、簡易な操作で正しくメッセージに反映させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様は、上記の目的を達成するため、コンピュータに、テキストの入力を受け付ける処理と、入力されたテキストをディスプレイに表示する処理と、前記ディスプレイの表示の中で示唆対象を決定する示唆対象決定処理と、前記示唆対象に対応する一つ以上の絵表示が存在する場合に、前記ディスプレイに当該絵表示の示唆リストを表示するリスト表示処理と、前記示唆リストに含まれる一つの絵表示を指定する指定操作を受け付ける処理と、前記指定操作を受けた絵表示の使用を確定させる表示確定処理と、前記示唆対象の変更操作を受け付ける処理と、を実行させるプログラムを含み、前記示唆対象決定処理は、前記ディスプレイの表示の中で、前記示唆対象を前記変更操作に対応するものに変更する対象変更処理を含むプログラム、または当該プログラムを記録した記録媒体であることが好ましい。
【0009】
また、本開示の第二の態様は、コンピュータに、テキストの入力を受け付ける処理と、入力されたテキストをディスプレイに表示する処理と、前記ディスプレイの表示の中で示唆対象を決定する示唆対象決定処理と、前記示唆対象に対応する一つ以上の絵表示が存在する場合に、前記ディスプレイに当該絵表示の示唆リストを表示するリスト表示処理と、前記示唆リストに含まれる一つの絵表示を指定する指定操作を受け付ける処理と、前記指定操作を受けた絵表示の使用を確定させる表示確定処理と、を実行させるプログラムを含み、前記指定操作は、第一の手法で前記一つの絵表示を指定する第一指定操作と、前記第一の手法とは異なる第二の手法で前記一つの絵表示を指定する第二指定操作と、を含み、前記表示確定処理は、前記第一指定操作を受けた絵表示を前記示唆対象に置き換えて、その使用を確定させる第一確定処理と、前記第二指定操作を受けた絵表示を前記示唆対象に追記して、その使用を確定させる第二確定処理とを含むプログラム、または当該プログラムを記録した記録媒体であることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の第1および第2の態様によれば、絵表示を含むメッセージの作成に当たり、ユーザの意図を、簡易な操作で正しくメッセージに反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1で用いられるユーザ端末の構成を説明するための図である。
【
図2】本開示の実施の形態1における入力支援の手法を説明するための図である。
【
図3】本開示の実施の形態1において、ユーザ端末内部で実行される処理の流れを瀬悦明するためのフローチャートである。
【
図4】本開示の実施の形態2における入力支援の手法を説明するための図である。
【
図5】本開示の実施の形態2において、ユーザ端末内部で実行される処理の流れを瀬悦明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本開示の実施の形態1で用いられるユーザ端末10の構成を説明するための図である。本実施形態では、ユーザ端末10がスマートフォンである場合について説明する。但し、ユーザ端末10は、スマートフォンに限定されるものではなく、タブレット端末や汎用のコンピュータシステムであってもよい。
【0013】
ユーザ端末10は、CPU(Central Processing Unit)18を備えている。CPU18は、バス配線20を介して、ユーザ端末10が備える各種のハードウェア要素と接続されている。バス配線20には、例えば、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)24、ストレージ26等の各種メモリ装置が接続されている。
【0014】
ストレージ26は、フラッシュROM等の不揮発性メモリを含んでいる。各種のアプリケーションの実行に必要なプログラムやデータは、ストレージ26に格納されている。CPU18は、ストレージ26に格納されているプログラムに沿って処理を進めることにより、本実施形態における入力支援の機能を実現する。
【0015】
ユーザ端末10は、また、通信インターフェース28を備えている。ユーザ端末10は、通信インターフェース28を介して、外部の機器と無線での通信を確立することができる。
【0016】
ユーザ端末10は、更に、操作部30および表示部32を備えている。操作部30は、各種の機械的なスイッチ機構および電子的なセンサ機構に加えて、表示部32と一体化されたタッチパネルを含んでいる。以下、タッチパネルについては「表示部32」の一部であるものとして説明を進める。
【0017】
[実施の形態1の動作]
図2は、ユーザ端末10が提供する入力支援の手法を説明するための図である。ユーザ端末10には、メッセージングサービスのアプリケーションがインストールされている。以下、このアプリケーションを「メッセージアプリ」と称する。メッセージアプリのプログラムは、外部のサーバが備える記録媒体に格納されている。ユーザ端末10には、そのサーバからダウンロードしたプログラムがインストールされている。
【0018】
図2の上段は、上記のメッセージアプリの立ち上げ後に、ユーザ端末10の表示部32に表示された第一画面例32-1を示している。第一画面例32-1にはメッセージ作成領域40が含まれている。メッセージ作成領域40は、表示部32のほぼ中央に位置している。メッセージ作成領域40には、作成の過程にあるメッセージが表示される。メッセージを構成する個々の文字は、第一画面例32-1の下方に表示されるキーボード領域にて、所望の文字をタップすることで入力することができる。ここでは、具体的には、メッセージ作成領域40に「hello」の文字列が入力されている。
【0019】
メッセージ作成領域40の下には、変換候補領域42が示されている。変換候補領域42には、メッセージ作成領域40に入力されたテキストのうち未確定な部分から予測できる変換候補のリストが表示される。第一画面例32-1では、「hello」の入力に対して、変換候補として「hello」「Hello」「HELLO」等が変換候補領域42に挙げられている。ストレージ26には、変換候補に関するデータベースが構築されている。変換候補の予測は、未確定の文字または文字列とそのデータベースとを照合することで行われる。
【0020】
第一画面例32-1において、メッセージ作成領域40の上には、示唆領域44が表示されている。本実施形態のメッセージアプリでは、メッセージを構成する要素として、文字の他に、絵文字およびスタンプを用いることができる。ここでは、文字コードが割り当てられた絵を「絵文字」とし、画像で構成された絵を「スタンプ」と称する。また、絵文字とスタンプを区別する必要がない場合は、それらを「絵表示」と称する。
【0021】
ストレージ26には、文字または文字列と絵表示との対応を定めたデータベースが格納されている。ユーザ端末10は、メッセージ作成領域40に表示されたテキスト中に未確定な部分が存在する場合に、その部分に対応する絵表示を上記のデータベースにおいて探索する。その結果、対応する絵表示が見つからない場合は、示唆領域44は表示されない。一方、対応する絵表示が見つかると、示唆領域44がポップアップ表示され、その中にそれらの絵表示が示される。
【0022】
図2の下段左側の表示は、表示部32の第二画面例32-2を示している。第二画面例32-2は、第一画面例32-1の示唆領域44に示された絵表示候補の一つに対して第一指定操作46が行われることで表示される。
【0023】
第一指定操作46は、指定した絵表示を、その絵表示に対応する文字または文字列に置き換えてメッセージの一部とするための操作である。例えば、第一指定操作46は、以下の操作で実現される。
【0024】
1.示唆領域44に表示されている絵表示群の中で、使用したい絵表示(例えばウサギの絵文字)をタップする。このタップを受けて、プレビュー表示として、タップされた絵表示を一時的に拡大して表示することとしてもよい。
【0025】
2.上記の処理でタップした絵表示を更にタップする。タップの対象が絵文字である場合は、第二画面例32-2に示すように、このタップにより、メッセージ作成領域40の表示が「hello」から「ウサギの絵文字」に置き換えられる。タップの対象がスタンプである場合は、メッセージ作成領域40の「hello」が消えて、代わりにタップされたスタンプがメッセージとして通信相手に送信される。
【0026】
図2の下段右側の表示は、表示部32の第三画面例32-3を示している。第三画面例32-3は、第一画面例32-1の示唆領域44に示された絵表示候補の一つに対して第二指定操作48が行われることで表示される。
【0027】
第二指定操作48は、指定した絵表示を、その絵表示を既存のテキストに追記してメッセージの一部とするための操作である。例えば、第二指定操作48は、以下の操作で実現される。
【0028】
1.第一指定操作の場合と同様に、先ず、示唆領域44に表示されている絵表示群の一つをタップする。その結果、プレビュー表示として、タップされた絵表示が一時的に拡大されてもよい。
2.上記の処理でタップした絵表示を右または左にスワイプする。或いは、その絵表示をダブルタップする。タップの対象が絵文字である場合は、第三画面例32-3に示すように、この操作によってメッセージ作成領域40の「hello」の後ろに「ウサギの絵文字」が追記される。タップの対象がスタンプである場合は、メッセージ作成領域40に「hello」が維持されたまま、タップされたスタンプがメッセージとして通信相手に送信される。
【0029】
以後、テキストの入力が再開されると、メッセージ作成領域40に、既存のメッセージに続いて、新たに入力された文字が未確定部分として表示される。そして、既定の送信操作が実行されると、その時点でメッセージ作成領域40に表示されていたメッセージが、送信相手に向けて送信される。
【0030】
[実施の形態1における処理の流れ]
図3は、
図2を参照して説明した入力支援を実現するために本実施形態のユーザ端末10において実行される処理の流れを説明するための図である。
図3に示すルーチンは、ユーザ端末10においてメッセージアプリが立ち上げられた後に、繰り返し実行される。
【0031】
図3に示すルーチンでは、先ず、テキスト入力が新たに行われたか否かが判別される(ステップ100)。新たなテキスト入力が認められない場合は、ステップ102~106の処理がジャンプされ、速やかに後述するステップ108の処理が実行される。
【0032】
一方、新たなテキスト入力が認められた場合は、入力された文字がメッセージ作成領域40に追加して表示される。また、未確定な文字または文字列から変換候補が予測され、予測された変換候補のリストが変換候補領域42に表示される(ステップ102)。
【0033】
次に、メッセージ作成領域40に表示されている未確定の文字または文字列に対応する絵表示の示唆候補が存在するか否かが判別される(ステップ104)。その結果、示唆候補が存在しなければ、ステップ106の処理がジャンプされ、即座にステップ108の処理が実行される。
【0034】
一方、示唆候補の存在が認められた場合は、示唆領域44がポップアップ表示され、その中に絵表示の示唆リストが表示される(ステップ106)。
【0035】
次に、メッセージ作成領域40に表示されている未確定の文字または文字列に対して、確定操作が行われたか否かが判別される(ステップ108)。例えば、表示部32のキーボード領域に含まれる「リターンキー」がタップされたか否かが判別される。その結果、確定操作の実行が認められなかった場合は、ステップ110の処理がジャンプされ、次にステップ112の処理が実行される。
【0036】
一方、確定操作の実行が認められた場合は、それまで未確定の状態に置かれていた文字または文字列が、メッセージの一部として確定される。また、未確定の文字または文字列に対応して表示されていた変換候補のリストがリセットされる(ステップ110)。上記のリセットの処理では、例えば、変換候補領域42における表示を消滅させることができる。或いは、変換候補領域42の表示を、一般的に使用頻度の高い変換候補のリストに置き換えても良い。更には、変換候補領域42の表示を、ユーザの変換履歴から予測される変換候補のリストに置き換えてもよい。
【0037】
次に、示唆リストに含まれる絵表示の一つに対して第一指定操作が実行されたか否かが判別される(ステップ112)。具体的には、示唆領域44に表示されている絵表示候補の一つに対して、
図2を参照して説明した第一指定操作が実行されたか否かが判別される。
【0038】
その結果、第一指定操作の実行が認められた場合は、メッセージ作成領域40に表示されている未確定の文字または文字列に置き換えて、指定された絵表示の候補がメッセージの一部として確定される(ステップ114)。具体的には、その絵表示が絵文字である場合は、その絵文字が、メッセージ作成領域40において、未確定であった文字または文字列に置き換えられる。また、上記の絵表示がスタンプである場合は、未確定の文字または文字列が消去され、代わりにそのスタンプが通信相手に送信される。上記の処理と同時に、絵表示の示唆領域44は表示部32から消滅する。
【0039】
上記ステップ114の処理が実行されると、メッセージ作成領域40内に未確定の文字または文字列が存在しなくなる。このため、その処理が終わると、上記ステップ110の場合と同様に、変換候補領域42の表示がリセットされる(ステップ116)。
【0040】
上記ステップ112が実行される時点で、絵表示の示唆リストが表示されていない場合は、第一指定操作が実行される可能性が無い。この場合、ステップ112の判定が否定される。また、ステップ112が実行される時点で示唆リストが表示されていても、一定時間が経過するか、他の処理の実行が認められた場合は、ステップ112の判定が否定される。これらの場合は、次に、第二指定操作が実行されたか否かが判別される(ステップ118)。
【0041】
本ステップ118では、具体的には、示唆領域44に表示されている絵表示候補の一つに対して、
図2を参照して説明した第二指定操作が実行されたか否かが判別される。ここでは、上記ステップ112の場合と同様に、示唆リストが表示されていない場合、一定の時間が経過した場合、および他の処理が実行された場合は、第二指定操作の実行が認められないと判別される。この場合、速やかに今回のルーチンが終了される。以後、各所の表示が維持されたまま、再びステップ100以降の処理が実行されることになる。
【0042】
上記ステップ118において、第二指定操作の実行が認められた場合は、メッセージ作成領域40に表示されている未確定の文字または文字列に追記して、指定された絵表示の候補がメッセージの一部として確定される(ステップ120)。
【0043】
具体的には、指定された絵表示が絵文字である場合は、その絵文字が、既存のテキストに続いてメッセージ作成領域40に追加される。また、上記の絵表示がスタンプである場合は、既存のテキストがメッセージとして確定されると共に、指定されたスタンプが通信相手に送信される。以後、ステップ114の場合と同様に、示唆領域44の表示は消滅する。
【0044】
また、上記の処理が終了すると、ステップ116が実行された場合と同様に、未確定の文字または文字列が消滅するため、予測されていた変換候補領域42の表示がリセットされる。
【0045】
以上説明した通り、本実施形態によれば、ユーザは、文字入力の後に、テキストの未確定部分に絵表示を置き換える操作と、テキストに絵表示を追記する操作とを、選択的に実行することができる。このため、本実施形態によれば、ユーザの意図を、簡単な操作で正しくメッセージに反映させるための入力支援を提供することができる。
【0046】
[実施の形態1の変形例]
ところで、上述した実施の形態1では、第一指定操作を「タップ」+「タップ」とし、第二指定操作を「タップ」+「スワイプ」または「タップ」+「ダブルタップ」としている。しかしながら、それらの操作は、両者が異なっていれば足り、上記の操作に限定されるものではない。
【0047】
また、実施の形態1では、絵表示の使用を確定する前にプレビュー表示を行うことを前提として第一指定操作および第二指定操作を夫々二段階操作としているが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、確定前のプレビュー表示を省くこととして、それらの操作を一段階操作で完結させることとしてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態1では、絵表示の示唆リストに関するデータベース、並びに変換候補を予測するためのデータベースを、共にユーザ端末10のストレージ26に格納させることとしている。しかしながら、本開示はこのような構成に限定されるものではない。例えば、それらのデータベースの一方または双方をクラウド上に配置して、通信を介して示唆リストおよび変換候補リストを作成することとしてもよい。
【0049】
実施の形態2.
次に、
図1と共に、
図4および
図5を参照して本開示の実施の形態2について説明する。本実施形態における入力支援の機能は、実施の形態1の場合と同様に、
図1に示すハードウェア構成を有するユーザ端末10において実現することができる。また、本実施形態における入力支援は、実施の形態1の場合と同様に、
図1に示すユーザ端末10において、CPU18が、ストレージ26に格納されているメッセージアプリのプログラムに沿って処理を進めることにより実現される。
【0050】
[実施の形態2の特徴]
実施の形態1の入力支援では、メッセージ作成領域40に入力されたテキストのうち、未確定な文字または文字列に対して絵表示の示唆リストが提供される。このような支援方法では、メッセージ作成領域40に、文字が新たに入力される度に、絵表示のデータベースと照合される文字または文字列が変化する。以下、このような文字または文字列、つまり絵表示の示唆リストを示す対象を「示唆対象」とする。
【0051】
このような入力支援の手法によれば、ユーザは、使用したい絵表示が表示された段階で、一旦テキスト入力を中止して、絵表示の使用を確定させる必要がある。そして、絵表示の使用を確定した後に、再びテキスト入力を開始することになる。仮に、使用したい絵表示が示唆リストの一部として示されている状態で更なる文字入力が行われれば、「意図する示唆対象」+「新たな入力文字」が新たな示唆対象となり、使用したい絵表示が示唆リストから消えてしまう。この場合、使用を欲する絵表示を使用するためには、未確定の文字列を一旦消去して、もう一度「意図する示唆対象」を入力しなければならない。
【0052】
本実施形態の入力支援は、実施の形態1における上記の不都合を解消する点に特徴を有している。具体的には、一連の文字入力により未確定の文字または文字列を含むテキストがメッセージ作成領域40に表示されている状態で、ユーザの求めに応じて「示唆対象」を変更することで、事後的にユーザの意図に沿った示唆リストを出現させ得る点に特徴を有している。
【0053】
[実施の形態2の動作]
図4は、本実施形態おける入力支援の手法を説明するための図である。
図4の最上段は、ユーザ端末10でメッセージアプリを立ち上げた後に表示部32に表示された画面の例を示す。ここでは、この画面を「第四画面例32-4」とする。第四画面例32-4において、メッセージ作成領域40には、「Hello!」の文字が表示されている。ここでは、「Hello!」の文字列全てが未確定であり、その全体が「示唆対象」であるものとする。メッセージ作成領域40には、「Hello!」の全体が示唆対象であることを明示するために、「Hello!」の全体と重なるように示唆対象印50-1が表示されている。
【0054】
本実施形態のメッセージアプリでは、「Hello」に対応する絵表示、並びに「!」に対応する絵表示は準備されているが、「Hello!」に対応する絵表示は準備されていない。このため、第四画面例32-4には、絵表示の示唆リストが表示されていない。
【0055】
本実施形態では、メッセージの作成過程において、ユーザによる示唆対象の変更操作を受け付けることとしている。例えば、メッセージ作成領域40において行われる右または左向きのスワイプ操作を変更操作として受け付ける。
【0056】
図4の中段は、第四画面例32-4に対して変更操作52-1が施されることにより表示された第五画面例32-5を示す。示唆リストが示されていない状況下では、右スワイプおよび左スワイプの何れが実施された場合でも、その操作を変更操作52-1として受け付ける。この操作を受け付けると、既定のルールに従って新たな「示唆対象」が決定される。本実施形態では、具体的には、以下のルールに従って「示唆対象」が決定される。
【0057】
1.メッセージ作成領域40に表示されている未確定の文字または文字列の一部または全部であること。
2.対応する絵表示が存在している文字または文字列のブロックであること。
3.最も右側に位置する文字または文字列のブロックであること。
4.1~3の条件を満たすブロックの中で最小であること。
【0058】
第五画面例32-5では、このルールに従って、「!」が示唆対象とされている。また、その状態を明示するべく「!」と重なるように、示唆対象印50―2が表示されている。
【0059】
第五画面例32-5には、示唆領域44が表示されており、その中に、示唆対象「!」に対応する示唆リストが示されている。ユーザは、「!」が意図する示唆対象であり、示唆領域44の中に使用したい絵表示を見出すことができれば、その絵表示をメッセージの一部として確定させることができる。一方、「!」が意図する示唆対象ではなく、第五画面例32-5の示唆領域44内に使用したい絵表示が存在しない場合は、示唆対象を更に変更することができる。
【0060】
図4の下段左側は、第五画面例32-5の示唆領域44に対して、左スワイプの変更操作52-2が施されることにより表示された第六画面例32-6を示す。第六画面例32-6の示唆領域44には、あたかも、第五画面例32-5では示唆領域44の右側に隠れていた示唆リストが左スワイプに引きずられて出現したかの如く、新たな示唆リストが表示される。この動作と同期して、メッセージ作成領域40では、示唆対象印が右側に移動する。具体的には、Hello!の右側に位置する入力待ちの箇所に、カーソル状の示唆対象印50-3が表示される。このように、変更操作52-2によれば、第五画面例32-5の状態から、変更操作の種別に応じた方向に示唆対象を変更し、その結果、新たな示唆リストを出現させることができる。
【0061】
図4の下段右側は、第五画面例32-5の示唆領域44に対して、右スワイプの変更操作52-3が施されることにより表示された第七画面例32-7を示す。第七画面例32-7の示唆領域44には、あたかも、第五画面例32-5では示唆領域44の左側に隠れていた示唆リストが右スワイプに引きずられて出現したかの如く、新たな示唆リストが表示される。この動作と同期して、メッセージ作成領域40では、「!」の左に位置する文字列ブロックである「Hello」と重なるように示唆対象印50-4が表示される。このように、右スワイプの変更操作52-3によっても、第五画面例32-5の状態から、変更操作の種別に応じた方向に示唆対象を変更して、新たな示唆リストを出現させることができる。
【0062】
ところで、上記の動作によれば、「示唆対象」を変更することで、事後的にユーザの意図に沿った示唆リストを出現させ得ることに加えて、下記のようなユーザエクスペリエンスを提供することができる。
1.変更操作(例えば52-2、52-3)のスワイプ方向と、示唆リストが新たに出現してくる方向とが合致している。
2.示唆リストが新たに出現してくる方向と、示唆対象印(例えば50-2、50-3,50-4)の移動方向が合致している。
これにより、ユーザは、変更操作の方向に対して、違和感なく示唆対象の移動方向を受け入れることができる。
【0063】
また、本実施形態では、第六画面例32-6に示すように、文字の入力待ちの箇所(文字非入力の箇所)が示唆対象として想定されている。更に、本実施形態では、未確定の文字または文字列の左側に位置する文字非入力の箇所も示唆対象として想定されている。そして、これらの箇所が示唆対象とされた場合は、一般的に使用頻度が高い絵表示、或いはユーザの変換履歴において使用頻度の高い絵表示等を、示唆リストとして表示する。これにより、本実施形態の入力支援は、ユーザによる絵表示利用の、一層の容易化を実現している。
【0064】
[実施の形態2における処理の流れ]
図5は、
図4を参照して説明した入力支援を実現するために、本実施形態のユーザ端末10において実行される処理の流れを説明するための図である。
図5に示すルーチンは、ユーザ端末10においてメッセージアプリが立ち上げられた後、繰り返し実行される。尚、
図5において、上記
図3に示す要素と同一の要素については、共通する符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0065】
図5に示すルーチンでは、
図3に示すルーチンの場合と同様に、先ず、ステップ100~ステップ110の処理が実行される。これにより、入力されたテキストの未確定部分について絵表示の示唆候補が存在していれば、示唆領域44に示唆リストが表示される。また、未確定部分について絵表示の示唆候補が存在しなければ、示唆リストは表示されない。
【0066】
何れの状況下でも、ステップ100~110の処理に続いて、示唆対象の変更を求める変更操作が実行されたか否かが判別される(ステップ130)。一定時間が経過した場合、および他の操作が実行された場合は、変更操作の実行は認められないと判断される。この場合、ステップ132~136の処理がジャンプされ、以後速やかにステップ112以降の処理が実行される。
【0067】
一方、ステップ130において、変更操作の実行が認められた場合は、先ず、メッセージ作成領域40の中から示唆対象を抽出するための探索が行われる(ステップ132)。より具体的には、メッセージ作成領域40の中で、対応する絵表示の候補を有する文字ブロック、並びに文字の非入力箇所が探索される。例えば、メッセージ作成領域40に「Hello!」と入力されている場合は、「!」「Hello」「Hell」「H」、並びにHello!右側および左側の非入力箇所が示唆対象の候補として抽出される。このようにして抽出された示唆対象の候補には、夫々識別子が付される。
【0068】
次に、探索の結果得られた候補のうち、何れを示唆対象とするかが決定される。具体的には、現在の示唆リストの表示状態と、受け付けた変更操作とに基づいて、示唆対象とするべき候補の識別子iが決定される(ステップ134)。例えば、第四画面例32-4の状態で変更操作52-1が実行された場合は、上述した1~4の条件を満たす「!」に付された識別子がiとなる。また、第五画面例32-5の状態で左スワイプの変更操作52-2が実行された場合は、「!」の右側に位置する非入力箇所に付された識別子がiとされる。また、例えば、示唆対象がテキストの左端に位置する「H」である状態で、示唆対象を更に左に移動させる右スワイプの変更操作52-3が行われた場合は、テキスト左側の非入力箇所の識別子がiとされる。
【0069】
上記の処理が終わると、決定されたiを識別子に持つ示唆対象に対応する示唆リスト、つまり第i示唆リストが示唆領域44に表示される(ステップ136)。これにより、ユーザが意図する通りに示唆対象を変更することができ、その示唆対象に対応する示唆リストを、ユーザ端末10の表示部32に出現させることができる。
【0070】
以後、実施の形態1の場合と同様にステップ112~120の処理が実行される。これにより、実施の形態1の場合と同様に、第一指定操作による絵表示の置き換え、および第二指定操作による絵表示の追記を実現することができる。
【0071】
[実施の形態2の変形例]
ところで、上述した実施の形態2では、左スワイプの変更操作52-2が実行された場合に、示唆リストの出現方向(右)に合わせて、示唆対象を右側に移動させることとしている(50-2→50-3の変化を参照)。同様に、右スワイプの変更操作52-3が実行された場合に、示唆リストの出現方向(左)に合わせて、示唆対象を左側に移動させることとしている(50-2→50-4の変化を参照)。しかしながら、示唆対象の移動方向は、示唆リストの出現方向ではなく、スワイプの方向と一致させることとしてもよい。このような仕様によれば、示唆リストの出現方向と示唆対象の移動方向との一致ではなく、スワイプの方向と示唆対象の移動方向との一致に注目するユーザに対して、直観的な操作感覚を提供することができる。
【0072】
また、上述した実施の形態2では、絵表示の示唆リストを事後的に変更する技術を、実施の形態1で説明した技術、つまり絵表示の置き換えと追記の選択を可能とする技術に組み合わせることとしている。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではく、前者の技術を、後者の技術と組み合わせることなく単独で用いることとしてもよい。
【0073】
また、上述した実施の形態2では、入力されたテキスト中の未確定部分の中で、事後的な示唆対象の変更を認めることとしている。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではない。事後的な示唆対象の変更は、テキスト中の確定済みの文字を含む範囲で認めることとしてもよい。
【0074】
また、上述した実施の形態2では、第五画面例32-5、第六画面例32-6、および第七画面例32-7に、何れも12個の絵表示を含む示唆領域44をポップアップさせることとしている。しかしながら、個々の示唆対象に対応する絵表示の数は必ずしも同一ではない。このため、示唆領域44は、対応する絵表示の数に応じて拡縮することとしてもよい。例えば、対応する絵表示が4つである場合は、4つの絵表示を示すに足る大きさに示唆領域44を縮小してもよい。また、対応する絵表示が16個存在する場合は、それらが一画面で示唆できるように示唆領域44を拡大してもよい。
【0075】
或いは、示唆対象に対応する絵表示が、既定の数に満たない場合には、示唆対象に応じた絵表示に加えて、ユーザの使用履歴に応じた絵表示や、一般的に使用頻度の高い絵表示を示唆リストに含めることとしてもよい。例えば、示唆領域44の標準サイズを12個の絵表示を示す大きさに設定しておき、示唆対象に対応する絵表示が4つしか存在しない場合は、その4つの絵表示と共に、使用履歴等に応じた8つの絵表示を示唆領域44に表示することとしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 ユーザ端末
18 CPU
26 ストレージ
30 操作部
32 表示部
32-1 第一画面例
32-2 第二画面例
32-3 第三画面例
32-4 第四画面例
32-5 第五画面例
32-6 第六画面例
32-7 第七画面例
40 メッセージ作成領域
42 変換候補領域
44 示唆領域
46 第一指定操作
48 第二指定操作
50-1~50-4 示唆対象印
52-1~52-3 変更操作