(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】基板作業装置および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
(21)【出願番号】P 2021178108
(22)【出願日】2021-10-29
【審査請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】東野 昌記
(72)【発明者】
【氏名】所 均
(72)【発明者】
【氏名】田端 伸章
(72)【発明者】
【氏名】古本 和生
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-261410(JP,A)
【文献】特開2006-140519(JP,A)
【文献】特開2019-145736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して作業を行う作業部と、
第1撮像対象を下方から撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部による撮像の際に前記第1撮像対象に対して下方から光を照射する第1照明と、
第2撮像対象を上方から撮像する第2撮像部と、
前記第2撮像部による撮像の際に前記第2撮像対象に対して上方から光を照射する第2照明と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部による撮像を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1照明および前記第2撮像部を上下方向に対向させた状態で前記第1照明から光を照射させながら前記第1照明を前記第2撮像部により撮像して前記第1照明の光量を測定する第1照明測定処理と、前記第2照明および前記第1撮像部を上下方向に対向させた状態で前記第2照明から光を照射させながら前記第2照明を前記第1撮像部により撮像して前記第2照明の光量を測定する第2照明測定処理とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、基板作業装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1照明測定処理により測定した前記第1照明の光量に基づいて前記第1照明の明るさの調整を行う制御と、前記第2照明測定処理により測定した前記第2照明の光量に基づいて前記第2照明の明るさの調整を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1に記載の基板作業装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1照明測定処理により測定した前記第1照明の光量に基づいて前記第1照明の明るさの適否を判断する制御と、前記第2照明測定処理により測定した前記第2照明の光量に基づいて前記第2照明の明るさの適否を判断する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1または2に記載の基板作業装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1照明の明るさの適否に基づいて前記第1照明の劣化を判定する制御と、前記第2照明の明るさの適否に基づいて前記第2照明の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項3に記載の基板作業装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1照明の光量と前記第1照明に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて前記第1照明の劣化を判定する制御と、前記第2照明の光量と前記第2照明に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて前記第2照明の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項4に記載の基板作業装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1照明の劣化の判定に基づいて前記第1照明の交換を促す通知を行う制御と、前記第2照明の劣化の判定に基づいて前記第2照明の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項4または5に記載の基板作業装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1照明に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて前記第1照明の交換を促す通知を行う制御と、前記第2照明に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて前記第2照明の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2撮像部により前記第1照明を撮像する場合に、前記第1照明を点灯するとともに、前記第2照明を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御と、前記第1撮像部により前記第2照明を撮像する場合に、前記第2照明を点灯するとともに、前記第1照明を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1照明に使用開始時から供給された累積の電流量が第1しきい値を超えた場合に前記第1照明測定処理を行う制御と、前記第2照明に使用開始時から供給された累積の電流量が第2しきい値を超えた場合に前記第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1照明または前記第2撮像部の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて前記第1照明測定処理を行う制御と、前記第2照明または前記第1撮像部の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて前記第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1撮像部による前記第1撮像対象の撮像結果から前記第1撮像対象の認識エラーが発生した場合に前記第1照明測定処理を行う制御と、前記第2撮像部による前記第2撮像対象の撮像結果から前記第2撮像対象の認識エラーが発生した場合に前記第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1照明の劣化による光量の予測値と前記第1照明の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第3しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第4しきい値よりも大きい場合に、前記第1照明が劣化以外により光量が低下していると判定する制御と、前記第2照明の劣化による光量の予測値と前記第2照明の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第5しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第6しきい値よりも大きい場合に、前記第2照明が劣化以外により光量が低下していると判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項13】
基板に対して部品を実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに保持されて前記基板に実装される前記部品を含む第1撮像対象を下方から撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部による撮像の際に前記第1撮像対象に対して下方から光を照射する第1照明と、
前記基板を含む第2撮像対象を上方から撮像する第2撮像部と、
前記第2撮像部による撮像の際に前記第2撮像対象に対して上方から光を照射する第2照明と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部による撮像を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1照明および前記第2撮像部を上下方向に対向させた状態で前記第1照明から光を照射させながら前記第1照明を前記第2撮像部により撮像して前記第1照明の光量を測定する第1照明測定処理と、前記第2照明および前記第1撮像部を上下方向に対向させた状態で前記第2照明から光を照射させながら前記第2照明を前記第1撮像部により撮像して前記第2照明の光量を測定する第2照明測定処理とのうち少なくとも1つを行うように構成されている、部品実装装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第2撮像部により前記第1照明を撮像する場合に、平面視において複数の撮像領域に分割して、前記第2撮像部を前記第1照明に対して水平方向に移動させながら複数の撮像領域において撮像を行うように構成されている、請求項13に記載の部品実装装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第2撮像部の撮像範囲と前記第1照明の大きさとに基づいて、複数の撮像領域に分割する数を決定するように構成されている、請求項14に記載の部品実装装置。
【請求項16】
前記第1照明は、前記部品に対して側方から光を照射するサイド照明と、前記第1撮像部の光軸と重なる方向に光を照射する第1同軸照明と、前記第1撮像部の周辺に配置された第1メイン照明とを含み、
前記制御部は、前記第2撮像部により前記第1照明を撮像する場合に、前記サイド照明、前記第1同軸照明および前記第1メイン照明を各々個別に点灯させて撮像を行い、前記サイド照明、前記第1同軸照明および前記第1メイン照明の各々の照明の光量を測定するように構成されている、請求項13~15のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項17】
前記第2照明は、前記第2撮像部の光軸と重なる方向に光を照射する第2同軸照明と、前記第2撮像部の周辺に配置された第2メイン照明とを含み、
前記制御部は、前記第1撮像部により前記第2照明を撮像する場合に、前記第2同軸照明および前記第2メイン照明を各々個別に点灯させて撮像を行い、前記第2同軸照明および前記第2メイン照明の各々の照明の光量を測定するように構成されている、請求項13~16のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板作業装置および部品実装装置に関し、特に、撮像部および撮影の際に光を照射する照明を備える基板作業装置および部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像部および撮影の際に光を照射する照明を備える部品実装装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、基板に対して部品を実装する実装ヘッドと、実装ヘッドに保持される部品を下方から撮像する撮像部と、撮像部による撮像の際に実装ヘッドに保持される部品に対して上方から光を照射する照明と、を備える部品実装装置が開示されている。この特許文献1の部品実装装置では、撮像部と照明との間に部品が配置される前に、撮像部により照明を撮像して、照明の輝度情報を取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の部品実装装置では、部品に対して上方から照明により光を照射し、部品に対して下方から撮像部により撮像し、撮像部と照明との間に部品が配置される前に、撮像部により照明を撮像して、照明の輝度情報を取得している。このため、部品に対して撮像部と同じ側(下側)から照明により光を照射して部品を撮像する場合には、撮像部により照明を撮像することが困難である。また、従来では、部品に対して撮像部と同じ側から照明により光を照射して部品を撮像する装置において、照明の光量を測定するために、照明に対向して配置した治具に対して照明により光を照射し、照明の光が照射されている治具を撮像部により撮像して、照明の光量を測定することが知られている。この場合には、照明の光量を測定するための治具を用いる必要があるため、照明の光量を容易に測定することが困難である。そこで、部品(撮像対象)に対して撮像部と同じ側から照明により光を照射して部品を撮像する装置において、照明の光量を容易に測定することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、撮像対象に対して撮像部と同じ側から照明により光を照射して撮像対象を撮像する装置において、照明の光量を容易に測定することが可能な基板作業装置および部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による基板作業装置は、基板に対して作業を行う作業部と、第1撮像対象を下方から撮像する第1撮像部と、第1撮像部による撮像の際に第1撮像対象に対して下方から光を照射する第1照明と、第2撮像対象を上方から撮像する第2撮像部と、第2撮像部による撮像の際に第2撮像対象に対して上方から光を照射する第2照明と、第1撮像部および第2撮像部による撮像を制御する制御部とを備え、制御部は、第1照明および第2撮像部を上下方向に対向させた状態で第1照明から光を照射させながら第1照明を第2撮像部により撮像して第1照明の光量を測定する第1照明測定処理と、第2照明および第1撮像部を上下方向に対向させた状態で第2照明から光を照射させながら第2照明を第1撮像部により撮像して第2照明の光量を測定する第2照明測定処理とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による基板作業装置では、上記のように、第1照明および第2撮像部を上下方向に対向させた状態で第1照明から光を照射させながら第1照明を第2撮像部により撮像して第1照明の光量を測定する第1照明測定処理と、第2照明および第1撮像部を上下方向に対向させた状態で第2照明から光を照射させながら第2照明を第1撮像部により撮像して第2照明の光量を測定する第2照明測定処理とのうち少なくとも1つを行う制御部を設ける。これにより、第1撮像対象に対して第1撮像部と同じ下方から光を照射する第1照明の光量を、第2撮像部により直接撮像により測定する場合には、治具などの専用の部材に第1照明から光を照射して第1撮像部により撮像して光量を測定する場合と異なり、第1照明の光量を容易に測定することができる。また、第2撮像対象に対して第2撮像部と同じ下方から光を照射する第2照明の光量を、第1撮像部により直接撮像により測定する場合には、治具などの専用の部材に第2照明から光を照射して第2撮像部により撮像して光量を測定する場合と異なり、第2照明の光量を容易に測定することができる。また、撮像対象に対して撮像部と同じ側から照明により光を照射して撮像対象を撮像する装置において、照明の光量を容易に測定することができる。また、作業者が目視により照明の光量を確認する作業を行う必要がないので、作業者による作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第1照明測定処理により測定した第1照明の光量に基づいて第1照明の明るさの調整を行う制御と、第2照明測定処理により測定した第2照明の光量に基づいて第2照明の明るさの調整を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明に対向する位置の撮像部により撮像して測定した照明の光量に基づいて照明の明るさの調整を行うことができるので、治具などの専用の部材を用いることなく容易に照明の明るさの調整を行うことができる。
【0010】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第1照明測定処理により測定した第1照明の光量に基づいて第1照明の明るさの適否を判断する制御と、第2照明測定処理により測定した第2照明の光量に基づいて第2照明の明るさの適否を判断する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明に対向する位置の撮像部により撮像して測定した照明の光量に基づいて照明の明るさの適否を判断することができるので、治具などの専用の部材を用いることなく容易に照明の明るさの適否を判断することができる。また、作業者が目視の作業により照明の明るさの適否を判断する必要がないので、作業者による作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、第1照明の明るさの適否に基づいて第1照明の劣化を判定する制御と、第2照明の明るさの適否に基づいて第2照明の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明に対向する位置の撮像部の撮像に基づく照明の明るさの適否から照明の劣化の状態を精度よく判定することができる。
【0012】
上記照明の劣化を判定する処理を行う構成において、好ましくは、制御部は、第1照明の光量と第1照明に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて第1照明の劣化を判定する制御と、第2照明の光量と第2照明に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて第2照明の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明に供給された累積の電気量に基づいて劣化の判定を行うことにより、照明の使用による劣化が限界に達する前に、照明の劣化を確認することができる。
【0013】
上記照明の劣化を判定する処理を行う構成において、好ましくは、制御部は、第1照明の劣化の判定に基づいて第1照明の交換を促す通知を行う制御と、第2照明の劣化の判定に基づいて第2照明の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明の使用による劣化が限界に達する前に照明の交換を促すことができるので、劣化した照明を用いて撮像対象を撮像することに起因するエラー(不具合)が生じるのを効果的に抑制することができる。
【0014】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第1照明に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて第1照明の交換を促す通知を行う制御と、第2照明に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて第2照明の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明に供給された累積の電流量に基づいて照明の劣化を推定して、照明の使用による劣化が限界に達する前に照明の交換を促すことができる。
【0015】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第2撮像部により第1照明を撮像する場合に、第1照明を点灯するとともに、第2照明を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御と、第1撮像部により第2照明を撮像する場合に、第2照明を点灯するとともに、第1照明を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、光量を測定する対象の照明以外の外乱光が撮像部に映り込むのを抑制することができるので、対象の照明の光量を精度よく測定することができる。
【0016】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第1照明に使用開始時から供給された累積の電流量が第1しきい値を超えた場合に第1照明測定処理を行う制御と、第2照明に使用開始時から供給された累積の電流量が第2しきい値を超えた場合に第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明に供給された累積の電流量がしきい値を超えた場合に照明の光量を測定する処理が行われるので、照明の光量の測定を使用開始からある程度時間が経過した適切なタイミングにおいて行うことができる。
【0017】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第1照明または第2撮像部の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて第1照明測定処理を行う制御と、第2照明または第1撮像部の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、メンテナンスにより照明および撮像部の曇りやごみなどの汚れが清掃されて取り除かれた状態において、撮像部により照明を撮像して照明の光量を測定することができるので、精度よく照明の光量を測定することができる。
【0018】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第1撮像部による第1撮像対象の撮像結果から第1撮像対象の認識エラーが発生した場合に第1照明測定処理を行う制御と、第2撮像部による第2撮像対象の撮像結果から第2撮像対象の認識エラーが発生した場合に第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、撮像対象の認識エラーが照明の光量の低下に起因しているか否かを判断することができるので、認識エラーの原因を正確に判断することができる。
【0019】
上記第1の局面による基板作業装置において、好ましくは、制御部は、第1照明の劣化による光量の予測値と第1照明の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第3しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第4しきい値よりも大きい場合に、第1照明が劣化以外により光量が低下していると判定する制御と、第2照明の劣化による光量の予測値と第2照明の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第5しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第6しきい値よりも大きい場合に、第2照明が劣化以外により光量が低下していると判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。このように構成すれば、照明および撮像部の曇りやごみなどの汚れにより照明の光量が低下しているのか、照明の劣化により照明の光量が低下しているのかをしきい値に基づいて判断することができるので、照明の劣化を容易に精度よく判断することができる。
【0020】
この発明の第2の局面による部品実装装置は、基板に対して部品を実装する実装ヘッドと、実装ヘッドに保持されて基板に実装される部品を含む第1撮像対象を下方から撮像する第1撮像部と、第1撮像部による撮像の際に第1撮像対象に対して下方から光を照射する第1照明と、基板を含む第2撮像対象を上方から撮像する第2撮像部と、第2撮像部による撮像の際に第2撮像対象に対して上方から光を照射する第2照明と、第1撮像部および第2撮像部による撮像を制御する制御部とを備え、制御部は、第1照明および第2撮像部を上下方向に対向させた状態で第1照明から光を照射させながら第1照明を第2撮像部により撮像して第1照明の光量を測定する第1照明測定処理と、第2照明および第1撮像部を上下方向に対向させた状態で第2照明から光を照射させながら第2照明を第1撮像部により撮像して第2照明の光量を測定する第2照明測定処理とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0021】
この発明の第2の局面による部品実装装置では、上記のように、第1照明および第2撮像部を上下方向に対向させた状態で第1照明から光を照射させながら第1照明を第2撮像部により撮像して第1照明の光量を測定する第1照明測定処理と、第2照明および第1撮像部を上下方向に対向させた状態で第2照明から光を照射させながら第2照明を第1撮像部により撮像して第2照明の光量を測定する第2照明測定処理とのうち少なくとも1つを行う制御部を設ける。これにより、第1撮像対象に対して第1撮像部と同じ下方から光を照射する第1照明の光量を、第2撮像部により直接撮像により測定する場合には、治具などの専用の部材に第1照明から光を照射して第1撮像部により撮像して光量を測定する場合と異なり、第1照明の光量を容易に測定することができる。また、第2撮像対象に対して第2撮像部と同じ下方から光を照射する第2照明の光量を、第1撮像部により直接撮像により測定する場合には、治具などの専用の部材に第2照明から光を照射して第2撮像部により撮像して光量を測定する場合と異なり、第2照明の光量を容易に測定することができる。また、撮像対象に対して撮像部と同じ側から照明により光を照射して撮像対象を撮像する装置において、照明の光量を容易に測定することが可能な部品実装装置を提供することができる。
【0022】
上記第2の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、第2撮像部により第1照明を撮像する場合に、平面視において複数の撮像領域に分割して、第2撮像部を第1照明に対して水平方向に移動させながら複数の撮像領域において撮像を行うように構成されている。このように構成すれば、第1照明の水平方向の大きさが第2撮像部の撮像範囲よりも大きい場合でも、第1照明を複数の撮像領域に分割して撮像することができるので、第1照明全体の光量を確実に測定することができる。
【0023】
この場合、好ましくは、制御部は、第2撮像部の撮像範囲と第1照明の大きさとに基づいて、複数の撮像領域に分割する数を決定するように構成されている。このように構成すれば、過不足なく撮像領域を分割することができるので、第1照明全体を効率よく撮像することができる。
【0024】
上記第2の局面による部品実装装置において、好ましくは、第1照明は、部品に対して側方から光を照射するサイド照明と、第1撮像部の光軸と重なる方向に光を照射する第1同軸照明と、第1撮像部の周辺に配置された第1メイン照明とを含み、制御部は、第2撮像部により第1照明を撮像する場合に、サイド照明、第1同軸照明および第1メイン照明を各々個別に点灯させて撮像を行い、サイド照明、第1同軸照明および第1メイン照明の各々の照明の光量を測定するように構成されている。このように構成すれば、第1照明のサイド照明、第1同軸照明および第1メイン照明の光量を個別に測定するので、サイド照明、第1同軸照明および第1メイン照明の各々の光量を精度よく測定することができる。
【0025】
上記第2の局面による部品実装装置において、好ましくは、第2照明は、第2撮像部の光軸と重なる方向に光を照射する第2同軸照明と、第2撮像部の周辺に配置された第2メイン照明とを含み、制御部は、第1撮像部により第2照明を撮像する場合に、第2同軸照明および第2メイン照明を各々個別に点灯させて撮像を行い、第2同軸照明および第2メイン照明の各々の照明の光量を測定するように構成されている。このように構成すれば、第2照明の第2同軸照明および第2メイン照明の光量を個別に測定するので、第2同軸照明および第2メイン照明の各々の光量を精度よく測定することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記のように、撮像対象に対して撮像部と同じ側から照明により光を照射して撮像対象を撮像する装置において、照明の光量を容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態による部品実装装置の概略を示した平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による部品実装装置の制御的な構成を示したブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態による部品実装装置の部品認識撮像部を示した側面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による部品実装装置の部品認識撮像部を示した平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による部品実装装置の基板認識撮像部を示した側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による部品実装装置の部品認識撮像部の照明の光量の測定を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態による部品実装装置の基板認識撮像部の照明の光量の測定を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態による部品実装装置の部品認識撮像部の照明の撮像の際の撮像領域の分割を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態による部品実装装置の照明の劣化による光量の低下を説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による部品実装装置の照明の劣化以外による光量の低下を説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施形態による部品実装装置の光量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1~
図10を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0030】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板SをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Sに部品31を実装する部品実装装置である。
【0031】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、移動機構5と、移動機構6と、部品認識撮像部7と、制御部8とを備えている。なお、部品認識撮像部7は、特許請求の範囲の「第1撮像部」の一例である。また、部品実装装置100は、特許請求の範囲の「基板作業装置」の一例である。
【0032】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板SをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Sを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Sの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0033】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、実装ヘッド42に部品31を供給するテープフィーダ30が配置される。また、部品供給部3には、複数のテープフィーダ30が配置可能に構成されている。
【0034】
テープフィーダ30は、部品31を保持した部品供給テープを送り出しながら部品31を供給する。具体的には、テープフィーダ30は、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープが巻き付けられたリールを保持している。また、テープフィーダ30は、リールの部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すように構成されている。テープフィーダ30は、Y方向の先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、コネクタなどの電子部品を含む。
【0035】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識撮像部43とを含んでいる。なお、基板認識撮像部43は、特許請求の範囲の「第2撮像部」の一例である。
【0036】
実装ヘッド42は、基板Sに対して作業を行うように構成されている。実装ヘッド42は、基板Sに部品31を実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3に配置されたテープフィーダ30から供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Sに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ30から供給される部品31を吸着して保持し、基板Sにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。なお、実装ヘッド42は、特許請求の範囲の「作業部」の一例である。
【0037】
基板認識撮像部43は、第2撮像対象としての基板Sを上方から撮像する。基板認識撮像部43は、基板Sの位置および姿勢を認識するために、基板SのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Sにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。
【0038】
また、基板認識撮像部43には、基板認識撮像部43による撮像の際に第2撮像対象としての基板Sに対して上方から光を照射する第2照明が設けられている。第2照明は、
図2および
図5に示すように、基板認識撮像部43の光軸と重なる方向に光を照射する同軸照明432と、基板認識撮像部43の周辺に配置されたメイン照明431とを含む。メイン照明431および同軸照明432は、各々LED(発光ダイオード)などの光源を有している。また、同軸照明432は、ハーフミラー433に光が反射されて、基板Sに対して光を照射する。また、基板認識撮像部43は、ハーフミラー433を透過する光により基板Sを撮像する。また、メイン照明431および同軸照明432は、個別に点灯させることが可能である。なお、メイン照明431は、特許請求の範囲の「第2メイン照明」の一例であり、同軸照明432は、特許請求の範囲の「第2同軸照明」の一例である。
【0039】
移動機構5は、
図1に示すように、モータ51を含んでいる。移動機構5は、モータ51を駆動させることにより、移動機構5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。移動機構5は、両端部が移動機構6により支持されている。
【0040】
移動機構6は、基台1上に固定されている。X1側の移動機構6は、モータ61を含んでいる。移動機構6は、モータ61を駆動させることにより、移動機構5を移動機構6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が移動機構5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、移動機構5が移動機構6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。つまり、移動機構5および6は、実装ヘッド42を水平方向に移動させるように構成されている。
【0041】
部品認識撮像部7は、第1撮像対象としての部品31を下方から撮像する。部品認識撮像部7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識撮像部7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部7は、部品31の実装に先立って部品31を撮像して部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。
【0042】
また、部品認識撮像部7には、部品認識撮像部7による撮像の際に第1撮像対象としての部品31に対して下方から光を照射する第1照明が設けられている。第1照明は、
図2および
図3に示すように、部品31に対して側方から光を照射するサイド照明72と、部品認識撮像部7の光軸と重なる方向に光を照射する同軸照明73と、部品認識撮像部7の周辺に配置されたメイン照明71とを含む。メイン照明71、サイド照明72および同軸照明73は、各々LED(発光ダイオード)などの光源を有している。また、同軸照明73は、ハーフミラー731に光が反射されて、部品31に対して光を照射する。また、部品認識撮像部7は、ハーフミラー731を透過する光によりに部品31を撮像する。また、メイン照明71、サイド照明72および同軸照明73は、個別に点灯させることが可能である。なお、メイン照明71は、特許請求の範囲の「第1メイン照明」の一例であり、同軸照明73は、特許請求の範囲の「第1同軸照明」の一例である。
【0043】
制御部8は、一対のコンベア2による基板Sの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、部品認識撮像部7および基板認識撮像部43による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。
【0044】
具体的には、制御部8は、制御的な構成として、CPU(中央演算処理装置)81と、記憶装置82と、メモリ83と、表示部84と、入力装置85と、カメラI/F86と、照明コントローラ87とを備えている。
【0045】
記憶装置82は、基板Sの情報、部品31の情報、実装動作を行うプログラムなどが格納されている。記憶装置82は、たとえば、HDD(ハードディスクドライブ)や、SSD(ソリッドステートドライブ)などを含んでいる。
【0046】
メモリ83は、CPU81の動作の際に情報が記憶されるように構成されている。表示部84は、部品実装装置100の状態や、生産している基板Sの情報などが表示されるように構成されている。入力装置85は、ユーザの部品実装装置100に対する操作が入力されるように構成されている。入力装置85は、たとえば、マウス、キーボード、スイッチ、タッチパネルなどが含まれる。
【0047】
カメラI/F(インターフェース)86は、部品認識撮像部7および基板認識撮像部43が接続されている。また、カメラI/F86は、CPU81に接続されている。これにより、CPU81と、部品認識撮像部7および基板認識撮像部43とをそれぞれ接続するように構成されている。
【0048】
照明コントローラ87は、CPU81の制御によりメイン照明431、同軸照明432、メイン照明71、サイド照明72および同軸照明73の各々点灯させるように構成されている。また、CPU81は、メイン照明431、同軸照明432、メイン照明71、サイド照明72および同軸照明73の点灯のタイミングを制御する。また、CPU81は、メイン照明431、同軸照明432、メイン照明71、サイド照明72および同軸照明73の光量を調整する制御を行う。具体的には、CPU81は、メイン照明431、同軸照明432、メイン照明71、サイド照明72および同軸照明73に供給する電流値を調整して、光量の調整を行う。または、CPU81は、メイン照明431、同軸照明432、メイン照明71、サイド照明72および同軸照明73に供給する電流のデューティ比(オン・オフの時間の比)を調整して、光量の調整を行う。
【0049】
ここで、本実施形態では、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)および基板認識撮像部43を上下方向に対向させた状態で第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)から光を照射させながら第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を基板認識撮像部43により撮像して第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量を測定する第1照明測定処理(
図6参照)と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)および部品認識撮像部7を上下方向に対向させた状態で第2照明(メイン照明431、同軸照明432)から光を照射させながら第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を部品認識撮像部7により撮像して第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量を測定する第2照明測定処理(
図7参照)とのうち少なくとも1つを行う。
【0050】
また、制御部8は、第1照明測定処理により測定した第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の明るさの調整を行う制御と、第2照明測定処理により測定した第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の明るさの調整を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0051】
また、制御部8は、第1照明測定処理により測定した第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化を判断する制御と、第2照明測定処理により測定した第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化を判断する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0052】
制御部8は、第1照明測定処理により測定した第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の明るさの適否を判断する制御と、第2照明測定処理により測定した第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の明るさの適否を判断する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。また、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の明るさの適否に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化を判定する制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の明るさの適否に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0053】
また、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量と第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化を判定する制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量と第2照明(メイン照明431、同軸照明432)に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0054】
具体的には、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に供給された電流の累計を記憶装置82に記憶する。また、制御部8は、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)に供給された電流の累計を記憶装置82に記憶する。そして、制御部8は、記憶装置82に記憶されている第1照明および第2照明の電流の累計の値に基づいて、第1照明および第2照明の発光素子(LED)の劣化を判定する。
【0055】
また、制御部8は、記憶装置82に記憶されている第1照明(第2照明)の電流の累計の値がしきい値を超えた場合に、第1照明測定処理(第2照明測定処理)により第1照明(第2照明)の光量を測定する。
【0056】
また、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化の判定に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の交換を促す通知を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化の判定に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0057】
制御部8は、第1照明および第2照明の劣化の判定により、第1照明および第2照明の光量が交換推奨しきい値より低い場合に、交換を推奨する通知を行う。交換を推奨する通知は、たとえば、表示部84、外部の制御装置、または、作業者が携帯する携帯端末などに送信されて通知される。なお、交換推奨しきい値は、第1照明および第2照明の交換が必須となる光量よりも高く設定されている。
【0058】
また、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の交換を促す通知を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0059】
また、制御部8は、基板認識撮像部43により第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を撮像する場合に、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を点灯するとともに、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御と、部品認識撮像部7により第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を撮像する場合に、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を点灯するとともに、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0060】
また、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に使用開始時から供給された累積の電流量が第1しきい値を超えた場合に第1照明測定処理を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)に使用開始時から供給された累積の電流量が第2しきい値を超えた場合に第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0061】
図9に示すように、制御部8は、第1照明および第2照明の累計の点灯時間が設定時間T1に達した以降、第1照明および第2照明の光量の低下の割合が増加して、設定されたしきい値以下となった場合、または、補正電流の値が設定されたしきい値以上となった場合に、第1照明および第2照明の交換を促す通知を行う。なお、補正電流は、第1照明および第2照明の光量が低下している場合に、光量を向上させるために、補正される電流である。つまり、第1照明および第2照明の光量が低下すると、補正電流は増加する。
【0062】
また、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)、基板認識撮像部43、光学系(レンズ、ハーフミラー)または、カバー(照明のカバー)の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて第1照明測定処理を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)、部品認識撮像部7、光学系(レンズ、ハーフミラー)または、カバー(照明のカバー)の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0063】
また、制御部8は、部品認識撮像部7による第1撮像対象(部品31)の撮像結果から第1撮像対象(部品31)の認識エラーが発生した場合に第1照明測定処理を行う制御と、基板認識撮像部43による第2撮像対象(基板S)の撮像結果から第2撮像対象(基板S)の認識エラーが発生した場合に第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0064】
また、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化による光量の予測値と第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第3しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第4しきい値よりも大きい場合に、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)が劣化以外により光量が低下していると判定する制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化による光量の予測値と第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第5しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第6しきい値よりも大きい場合に、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)が劣化以外により光量が低下していると判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。
【0065】
図10に示すように、制御部8は、第1照明および第2照明の劣化による光量の予測変化(低下)と、実際に測定した光量の変化とを比較して、予測変化と実際の光量の変化との差がしきい値よりも大きい場合には、第1照明および第2照明の劣化による光量の低下と判定しない。そして、制御部8は、この場合、第1照明および第2照明の光量の低下が他の原因(たとえば、第1照明、第2照明、部品認識撮像部7または基板認識撮像部43への異物(ホコリなど)の付着、部品認識撮像部7への部品の脱落、部品認識撮像部7または基板認識撮像部43に設けられたレンズの汚れ)により第1照明および第2照明の光量が低下していると判断する。
【0066】
また、制御部8は、基板認識撮像部43により第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を撮像する場合に、平面視において複数の撮像領域に分割して、基板認識撮像部43を第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に対して水平方向に移動させながら複数の撮像領域において撮像を行うように構成されている。
【0067】
また、制御部8は、基板認識撮像部43の撮像範囲と第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の大きさとに基づいて、複数の撮像領域に分割する数を決定するように構成されている。
【0068】
図8に示すように、制御部8は、基板認識撮像部43の撮像範囲に基づいて、複数の撮像領域A1~A9に分割して、順次撮像を行う。撮像領域A1~A9は、端部がわずかに重なるように設定される。そして、制御部8は、複数の撮像領域A1~A9に分けて撮像を行った撮像結果を合成することにより、第1照明全体の撮像画像を取得する。
【0069】
また、制御部8は、基板認識撮像部43により第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を撮像する場合に、サイド照明72、同軸照明73およびメイン照明71を各々個別に点灯させて撮像を行い、サイド照明72、同軸照明73およびメイン照明71の各々の照明の光量を測定するように構成されている。
【0070】
また、制御部8は、部品認識撮像部7により第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を撮像する場合に、同軸照明432およびメイン照明431を各々個別に点灯させて撮像を行い、同軸照明432およびメイン照明431の各々の照明の光量を測定するように構成されている。
【0071】
(光量調整処理)
次に、
図11を参照して、部品実装装置100の制御部8による光量調整処理について説明する。
【0072】
図11のステップS1において、制御部8は、基板認識撮像部43を移動させて、基板認識撮像部43および部品認識撮像部7を上下方向に対向させる。具体的には、制御部8は、ヘッドユニット4をXY方向に移動させて、基板認識撮像部43を移動させる。そして、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)および基板認識撮像部43が上下方向に対向されるとともに、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)および部品認識撮像部7が上下方向に対向される。
【0073】
ステップS2において、制御部8は、照明を撮像する。具体的には、
図6に示すように、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)から光を照射させながら第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を基板認識撮像部43により撮像する。また、
図7に示すように、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)から光を照射させながら第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を部品認識撮像部7により撮像する。
【0074】
ステップS3において、制御部8は、撮像対象の照明のサイズよりも撮像部の撮像範囲が大きいか否かを判断する。撮像範囲の方が大きければ、ステップS7に進み、撮像範囲の方が小さければ、ステップS4に進む。ステップS4において、制御部8は、複数回の撮像を行う処理に移行する。具体的には、平面視において複数の撮像領域に分割して、照明に対して撮像部を水平方向に相対移動させながら複数の撮像領域において撮像を行う処理に移行される。
【0075】
ステップS5において、制御部8は、撮像対象の照明全体を撮像したか否かを判断する。撮像対象の照明全体を撮像していれば、ステップS6に進み、撮像対象の照明全体を撮像していなければ、ステップS1に戻る。ステップS6において、制御部8は、撮像画像を結合する。つまり、制御部8は、撮像領域を分割して撮像した撮像画像を、撮像領域に合わせて並べて合成する。
【0076】
ステップS7において、制御部8は、照明の状態を確認する。ステップS8において、制御部8は、照明の指定範囲の平均輝度値が規格値内か否かを判断する。照明の指定範囲の平均輝度値が規格値内であれば、光量調整処理が終了される。照明の指定範囲の平均輝度値が規格値外であれば、ステップS9に進む。
【0077】
ステップS9において、制御部8は、照明を点灯させる電流値を大きくすることが可能か否かを判断する。電流値を大きくすることができれば、ステップS10に進み、電流値を大きくすることができなければ、ステップS11に進む。ステップS10において、制御部8は、照明を点灯する際の電流値を変更する。具体的には、制御部8は、照明を明るくするように、照明を点灯させる電流値を大きくする。なお、制御部8は、照明を明るくするように、点灯のために照明に電力を供給する際のデューティ比を大きくしてもよい。その後、ステップS1に戻る。
【0078】
ステップS11において、制御部8は、エラーを通知する。ステップS12において、制御部8は、作業者に照明の清掃を促す通知を行う。作業者による照明の清掃後、ステップS1に戻る。
【0079】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0080】
本実施形態では、上記のように、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)および基板認識撮像部43を上下方向に対向させた状態で第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)から光を照射させながら第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を基板認識撮像部43により撮像して第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量を測定する第1照明測定処理と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)および部品認識撮像部7を上下方向に対向させた状態で第2照明(メイン照明431、同軸照明432)から光を照射させながら第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を部品認識撮像部7により撮像して第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量を測定する第2照明測定処理とのうち少なくとも1つを行う制御部8を設ける。これにより、第1撮像対象(部品31)に対して部品認識撮像部7と同じ下方から光を照射する第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量を、基板認識撮像部43により直接撮像により測定する場合には、治具などの専用の部材に第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)から光を照射して部品認識撮像部7により撮像して光量を測定する場合と異なり、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量を容易に測定することができる。また、第2撮像対象に対して基板認識撮像部43と同じ上方から光を照射する第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量を、部品認識撮像部7により直接撮像により測定する場合には、治具などの専用の部材に第2照明(メイン照明431、同軸照明432)から光を照射して基板認識撮像部43により撮像して光量を測定する場合と異なり、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量を容易に測定することができる。また、撮像対象に対して撮像部と同じ側から照明により光を照射して撮像対象を撮像する装置において、照明の光量を容易に測定することができる。また、作業者が目視により照明の光量を確認する作業を行う必要がないので、作業者による作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明測定処理により測定した第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の明るさの調整を行う制御と、第2照明測定処理により測定した第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の明るさの調整を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明に対向する位置の撮像部により撮像して測定した照明の光量に基づいて照明の明るさの調整を行うことができるので、治具などの専用の部材を用いることなく容易に照明の明るさの調整を行うことができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明測定処理により測定した第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化を判断する制御と、第2照明測定処理により測定した第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化を判断する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明に対向する位置の撮像部により撮像して測定した照明の光量に基づいて照明の劣化を判断することができるので、治具などの専用の部材を用いることなく容易に照明の劣化を判断することができる。また、作業者が目視の作業により照明の劣化を判断する必要がないので、作業者による作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の明るさの適否に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化を判定する制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の明るさの適否に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明に対向する位置の撮像部の撮像に基づく照明の明るさの適否から照明の劣化の状態を精度よく判定することができる。
【0084】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量と第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化を判定する制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量と第2照明(メイン照明431、同軸照明432)に使用開始時から供給された累積の電流量とに基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化を判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明に供給された累積の電気量に基づいて劣化の判定を行うことにより、照明の使用による劣化が限界に達する前に、照明の劣化を確認することができる。
【0085】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化の判定に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の交換を促す通知を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化の判定に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明の使用による劣化が限界に達する前に照明の交換を促すことができるので、劣化した照明を用いて撮像対象を撮像することに起因するエラー(不具合)が生じるのを効果的に抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の交換を促す通知を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)に使用開始時から供給された累積の電流量に基づいて第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の交換を促す通知を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明に供給された累積の電流量に基づいて照明の劣化を推定して、照明の使用による劣化が限界に達する前に照明の交換を促すことができる。
【0087】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、基板認識撮像部43により第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を撮像する場合に、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を点灯するとともに、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御と、部品認識撮像部7により第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を撮像する場合に、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を点灯するとともに、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を消灯または光量を撮像時よりも小さくして点灯する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、光量を測定する対象の照明以外の外乱光が撮像部に映り込むのを抑制することができるので、対象の照明の光量を精度よく測定することができる。
【0088】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に使用開始時から供給された累積の電流量が第1しきい値を超えた場合に第1照明測定処理を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)に使用開始時から供給された累積の電流量が第2しきい値を超えた場合に第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明に供給された累積の電流量がしきい値を超えた場合に照明の光量を測定する処理が行われるので、照明の光量の測定を使用開始からある程度時間が経過した適切なタイミングにおいて行うことができる。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)または基板認識撮像部43の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて第1照明測定処理を行う制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)または部品認識撮像部7の清掃を含むメンテナンスの終了指示に基づいて第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、メンテナンスにより照明および撮像部の曇りやごみなどの汚れが清掃されて取り除かれた状態において、撮像部により照明を撮像して照明の光量を測定することができるので、精度よく照明の光量を測定することができる。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、部品認識撮像部7による第1撮像対象(部品31)の撮像結果から第1撮像対象(部品31)の認識エラーが発生した場合に第1照明測定処理を行う制御と、基板認識撮像部43による第2撮像対象(基板S)の撮像結果から第2撮像対象(基板S)の認識エラーが発生した場合に第2照明測定処理を行う制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、撮像対象の認識エラーが照明の光量の低下に起因しているか否かを判断することができるので、認識エラーの原因を正確に判断することができる。
【0091】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の劣化による光量の予測値と第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第3しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第4しきい値よりも大きい場合に、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)が劣化以外により光量が低下していると判定する制御と、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の劣化による光量の予測値と第2照明(メイン照明431、同軸照明432)の光量の測定値とを比較し、予測値より測定値が小さく、かつ、予測値と測定値との差が第5しきい値より大きい場合、または、測定値の低下の割合が第6しきい値よりも大きい場合に、第2照明(メイン照明431、同軸照明432)が劣化以外により光量が低下していると判定する制御とのうち少なくとも1つを行うように構成されている。これにより、照明および撮像部の曇りやごみなどの汚れにより照明の光量が低下しているのか、照明の劣化により照明の光量が低下しているのかをしきい値に基づいて判断することができるので、照明の劣化を容易に精度よく判断することができる。
【0092】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、基板認識撮像部43により第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を撮像する場合に、平面視において複数の撮像領域に分割して、基板認識撮像部43を第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)に対して水平方向に移動させながら複数の撮像領域において撮像を行うように構成されている。これにより、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の水平方向の大きさが基板認識撮像部43の撮像範囲よりも大きい場合でも、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を複数の撮像領域に分割して撮像することができるので、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)全体の光量を確実に測定することができる。
【0093】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、基板認識撮像部43の撮像範囲と第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)の大きさとに基づいて、複数の撮像領域に分割する数を決定するように構成されている。これにより、過不足なく撮像領域を分割することができるので、第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)全体を効率よく撮像することができる。
【0094】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、基板認識撮像部43により第1照明(メイン照明71、サイド照明72、同軸照明73)を撮像する場合に、サイド照明72、同軸照明73およびメイン照明71を各々個別に点灯させて撮像を行い、サイド照明72、同軸照明73およびメイン照明71の各々の照明の光量を測定するように構成されている。これにより、第1照明のサイド照明72、同軸照明73およびメイン照明71の光量を個別に測定するので、サイド照明72、同軸照明73およびメイン照明71の各々の光量を精度よく測定することができる。
【0095】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8は、部品認識撮像部7により第2照明(メイン照明431、同軸照明432)を撮像する場合に、同軸照明432およびメイン照明431を各々個別に点灯させて撮像を行い、同軸照明432およびメイン照明431の各々の照明の光量を測定するように構成されている。これにより、第2照明の同軸照明432およびメイン照明431の光量を個別に測定するので、同軸照明432およびメイン照明431の各々の光量を精度よく測定することができる。
【0096】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0097】
たとえば、上記実施形態では、本発明の基板作業装置を部品実装装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の基板作業装置を、基板に対してマスクを用いて半田を印刷する印刷装置に適用してもよい。この場合、印刷装置は、第1撮像対象としてのマスクを下方から撮像する第1撮像部と、第1撮像部による撮像の際にマスクに対して下方から光を照射する第1照明と、第2撮像対象としての基板を上方から撮像する第2撮像部と、第2撮像部による撮像の際に基板に対して上方から光を照射する第2照明と、を備えている。
【0098】
また、上記実施形態では、部品を下方から撮像する部品認識撮像部(第1撮像部)が基台上に固定されて配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品認識撮像部(第1撮像部)がヘッドユニットに配置されて、移動可能に設けられていてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、照明がLEDを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、照明は、LED以外の発光素子を含んでいてもよい。たとえば、照明は、半導体レーザを含んでいてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、ヘッドユニットが1つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘッドユニットを複数設けてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、基板を搬送するコンベアが一対設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板を搬送するコンベアが複数対設けられていてもよい。たとえば、並行して基板を搬送可能であり、並行して基板に部品を実装可能な部品実装装置に本発明を適用してもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0103】
7 部品認識撮像部(第1撮像部)
8 制御部
31 部品(第1撮像対象)
42 実装ヘッド(作業部)
43 基板認識撮像部(第2撮像部)
71 メイン照明(第1照明、第1メイン照明)
72 サイド照明(第1照明)
73 同軸照明(第1照明、第1同軸照明)
100 部品実装装置(基板作業装置)
431 メイン照明(第2照明、第2メイン照明)
432 同軸照明(第2照明、第2同軸照明)
S 基板(第2撮像対象)