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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
   H10F 39/12 20250101AFI20250128BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20250128BHJP
   G02B 1/14 20150101ALI20250128BHJP
   G02B 1/11 20150101ALI20250128BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G02B5/20 101
G02B1/14
G02B1/11
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023045349
(22)【出願日】2023-03-22
(65)【公開番号】P2024084096
(43)【公開日】2024-06-24
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】18/064,296
(32)【優先日】2022-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】王俊元
(72)【発明者】
【氏名】王柏翔
(72)【発明者】
【氏名】呉翰林
(72)【発明者】
【氏名】蔡鴻仁
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0112201(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0118932(US,A1)
【文献】国際公開第2019/124562(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/136469(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/230186(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0170220(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0365640(US,A1)
【文献】特開2022-081392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G02B 5/20
G02B 1/14
G02B 1/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフォトダイオードを含む光電変換層と、
前記光電変換層上に配置された反射防止層と、
前記反射防止層の上方に配置された下地層と、
前記下地層上に配置され、複数の下部メタユニットと前記下部メタユニット間の充填物とを含む下部メタ層であって、前記充填物は前記下地層から連続的に延在し、前記充填物の材料は前記下地層の材料と同じである下部メタ層と、
前記下部メタ層の上方に配置され、複数の上部メタユニットと複数の空気リセスとを含む上部メタ層であって、前記複数の空気リセスは2つの隣接する上部メタユニットの間にそれぞれ配置される上部メタ層と、
を含み、
前記下部メタユニットのそれぞれの幅は70nm~500nmの範囲にあり、前記上部メタユニットのそれぞれの幅は70nm~500nmの範囲にあり、前記上部メタ層の有効屈折率は1.3~1.6の範囲にあり、前記下部メタユニットの屈折率は1.4~2.6の範囲にあり、前記下地層の屈折率は1.2~1.8の範囲にあり、前記下部メタユニットの前記屈折率は、前記下地層の前記屈折率よりも大きいことを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記光電変換層は、前記フォトダイオードのそれぞれを分離する複数のディープトレンチアイソレーションをさらに含み、前記下部メタユニットの底面から前記反射防止層の上面までの前記下地層の高さが、以下の式に基づくことを特徴とする請求項1に記載の光学装置であって、
【数1】
ここで、hは前記下部メタユニットの底面から前記反射防止層の上面までの前記下地層の高さであり、
htは前記下地層の理論上の高さであり、
pは画素寸法であり、2つの隣接するディープトレンチアイソレーション間の距離によって決定され、
nは前記下地層の前記屈折率であり、
λは前記上部メタ層と前記下部メタ層を通過する光の設計波長帯域の中心波長であることを特徴とする光学装置。
【請求項3】
前記反射防止層と前記下地層との間に配置されたカラーフィルター層をさらに含み、
前記カラーフィルター層は複数のカラーフィルターを含み、それぞれの前記カラーフィルターは1つまたは2つのフォトダイオードに対応し、前記下地層の高さは前記下部メタユニットの底面から前記カラーフィルター層の上面までであることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記カラーフィルター層は、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含み、
前記複数の下部メタユニットは、前記第1のカラーフィルターおよび前記第2のカラーフィルターの上方に配置され、前記第3のカラーフィルターの上方には配置されないことを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記複数の上部メタユニットおよび前記複数の空気リセスを等角にかつ連続的に裏打ちするキャッピング層をさらに含み、前記複数の空気リセスは前記上部メタ層に残されることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記上部メタユニットの屈折率は1.4~2.6の範囲にあり、前記キャッピング層の屈折率は1.4~1.6の範囲にあり、前記上部メタユニットの前記屈折率は、前記キャッピング層の前記屈折率とは異なることを特徴とする請求項に記載の光学装置。
【請求項7】
前記上部メタ層は前記下部メタ層に対してグローバルシフトを有し、前記グローバルシフトは、前記上部メタ層のエッジが、前記下部メタ層の対応するエッジからオフセットすることにより定義され、前記上部メタ層の前記上部メタユニットは内部シフトを有し、前記内部シフトは、前記上部メタユニットのそれぞれの中線が、前記上部メタユニットのそれぞれの元の中線からある距離だけオフセットすることにより定義されることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
前記上部メタ層と前記下部メタ層の間に配置された中間メタ層をさらに含み、前記中間メタ層は複数の中間メタユニットを含み、第1の層と第2の層に配置され、前記第1の層は前記上部メタユニットに接続し、前記第2の層は前記下部メタ層に接続し、前記第1の層および前記第2の層は、前記下地層によって隔てられていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
カラーフィルター層と内部間隔層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部間隔層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置され、前記光電変換層は、前記フォトダイオードのそれぞれを分離する複数のディープトレンチアイソレーションをさらに含み、
前記カラーフィルター層は複数のカラーフィルターを含み、それぞれの前記カラーフィルターは四つのフォトダイオードに対応し、前記下部メタユニットの底面から前記カラーフィルター層の上面までの前記下地層の高さは、以下の式に基づくことを特徴とする請求項1に記載の光学装置であって、
【数2】
ここで、hは前記下部メタユニットの底面から前記カラーフィルター層の上面までの前記下地層の高さであり、
htは前記下地層の理論上の高さであり、
pは画素寸法であり、2つの隣接するディープトレンチアイソレーション間の距離によって決定され、
nは前記下地層の前記屈折率であり、
λは前記上部メタ層と前記下部メタ層を通過する光の設計波長帯域の中心波長であることを特徴とする光学装置。
【請求項10】
カラーフィルター層と内部間隔層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部間隔層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置され、
前記カラーフィルター層は、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含み、
前記複数の下部メタユニットは、前記第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターの上方に配置され、
前記複数の上部メタユニットは、前記第1のカラーフィルターおよび前記第2のカラーフィルターの上方に配置され、前記第3のカラーフィルターの上方には配置されないことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
カラーフィルター層と内部間隔層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部間隔層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置され、
前記カラーフィルター層は、第1のカラーフィルターおよび第2のカラーフィルターを含み、前記第1のカラーフィルターの方の前記フォトダイオードは、第1の方向に沿って延在し、前記第1の方向に実質的に垂直な第2の方向に沿って配列し、前記第2のカラーフィルターの方の前記フォトダイオードは、前記第2の方向に沿って延在し、前記第1の方向に沿って配列することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項12】
カラーフィルター層と内部間隔層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部間隔層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置され、
前記下部メタユニットのそれぞれの対称軸は、前記上部メタユニットのそれぞれの対称軸とずれていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項13】
カラーフィルター層と内部間隔層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部間隔層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置され、
前記下部メタユニットは1つの層に配置され、前記下部メタユニットは前記上部メタユニットに接続することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項14】
カラーフィルター層と内部間隔層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部間隔層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置され
記上部メタユニットの屈折率は1.4~2.6の範囲にあり、前記下部メタユニットの前記屈折率は前記上部メタユニットの前記屈折率と同じであり、
前記内部間隔層の屈折率は、前記下部メタユニットの前記屈折率および前記上部メタユニットの前記屈折率と同じかまたは異なることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項15】
カラーフィルター層と内部間隔層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部間隔層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置され
記下部メタユニットのそれぞれの高さは50nm~500nmの範囲にあり、前記上部メタユニットのそれぞれの高さは50nm~500nmの範囲にあり、前記内部間隔層の高さは0~500nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学装置に関する。より具体的には、本開示は、多層メタサーフェスを有する光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の発展に伴い、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(別名CIS)の小型化技術が強く求められている。CISでは、光学装置内の素子の配置と寸法が光の焦点距離に影響を与える。光の焦点距離は、素子の厚さにさらに影響を与える。さらに、光の異なる領域は、光学装置の異なるタイプにも適している。したがって、光の前記焦点距離を短縮するために、より薄い厚さの光学装置が必要である。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様は、光学装置を提供することである。前記光学装置は、光電変換層、反射防止層、下地層、下部メタ層、および上部メタ層を含む。前記光電変換層は、複数のフォトダイオードを含む。前記反射防止層は、前記光電変換層上に配置される。前記下地層は前記反射防止層上に配置される。前記下部メタ層は、前記下地層上に配置され、複数の下部メタユニットと前記下部メタユニット間の充填物を含み、前記充填物が前記下地層から連続的に延在し、前記充填物の材料は前記下地層の材料と同じである。前記上部メタ層は、前記下部メタ層の上方に配置され、複数の上部メタユニットと複数の空気リセスを含み、ここで、前記複数の空気リセスは、2つの隣接する上部メタユニットの間にそれぞれ配置される。
【0004】
いくつかの実施形態では、前記下部メタユニットの底面から前記反射防止層の上面までの前記下地層の高さは、以下の式に基づく。
【数1】
ここで、hは前記下部メタユニットの底面から前記反射防止層の上面までの前記下地層の高さであり、htは前記下地層の理論上の高さであり、pは画素寸法であり、ここで前記画素寸法は2つの隣接するディープトレンチアイソレーション間の距離によって決定され、nは前記下地層の屈折率であり、λは前記上部メタ層と前記下部メタ層を通過する光の設計波長帯域の中心波長である。
【0005】
いくつかの実施形態では、前記光学装置は、前記反射防止層と前記下地層との間に配置されたカラーフィルター層をさらに含む。前記カラーフィルター層は複数のカラーフィルターを含み、それぞれの前記カラーフィルターは1つまたは2つのフォトダイオードに対応し、前記下地層の高さは前記下部メタユニットの底面から前記カラーフィルター層の上面までである。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記カラーフィルター層は、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含む。前記複数の下部メタユニットは、前記第1のカラーフィルターおよび前記第2のカラーフィルターの上方に配置され、前記第3のカラーフィルターの上方には配置されない。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記上部メタ層の有効屈折率は1.3~1.6の範囲にあり、前記下部メタユニットの屈折率は1.4~2.6の範囲にあり、前記下地層の屈折率は1.2~1.8の範囲にあり、前記下部メタユニットの前記屈折率は、前記下地層の前記屈折率よりも大きい。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記光学装置の前記上部メタ層は、前記複数の上部メタユニットおよび前記複数の空気リセスを等角にかつ連続的に裏打ちするキャッピング層をさらに含み、前記複数の空気リセスは前記上部メタ層に残される。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記上部メタユニットの屈折率は1.4~2.6の範囲にあり、前記キャッピング層の屈折率は1.4~1.6の範囲にあり、前記上部メタユニットの前記屈折率は、前記キャッピング層の前記屈折率とは異なる。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記上部メタ層は前記下部メタ層に対してグローバルシフトを有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記上部メタ層の前記上部メタユニットは内部シフトを有し、前記内部シフトは負のシフトおよび正のシフトを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記光学装置は、前記上部メタ層と前記下部メタ層の間に配置された中間メタ層をさらに含み、前記中間メタ層は複数の中間メタユニットを含み、第1の層と第2の層に配置され、前記第1の層は前記上部メタユニットに接続し、前記第2の層は前記下部メタ層に接続し、前記第1の層および前記第2の層は、前記下地層によって隔てられている。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記光学装置は、カラーフィルター層と内部空間層をさらに含み、前記カラーフィルター層は、前記光電変換層と前記下地層との間に配置され、前記内部空間層は、前記複数の下部メタユニットと前記複数の上部メタユニットとの間に連続的に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記カラーフィルター層は複数のカラーフィルターを含み、それぞれの前記カラーフィルターは四つのフォトダイオードに対応し、前記下部メタユニットの底面から前記カラーフィルター層の上面までの前記下地層の高さは、以下の式に基づく。
【数2】
ここで、hは前記下部メタユニットの底面から前記カラーフィルター層の上面までの前記下地層の高さであり、htは前記下地層の理論上の高さであり、pは画素寸法であり、ここで前記画素寸法は、2つの隣接するディープトレンチアイソレーション間の距離によって決定され、nは前記下地層の屈折率であり、λは前記上部メタ層と前記下部メタ層を通過する光の設計波長帯域の中心波長である。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記カラーフィルター層は、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含む。前記複数の下部メタユニットは、前記第1のカラーフィルター、前記第2のカラーフィルター、および前記第3のカラーフィルターの上方に配置される。前記複数の上部メタユニットは、前記第1のカラーフィルターおよび前記第2のカラーフィルターの上方に配置され、前記第3のカラーフィルターの上方には配置されない。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記カラーフィルター層は、第1のカラーフィルターおよび第2のカラーフィルターを含み、前記第1のカラーフィルターの方の前記フォトダイオードは、第1の方向に沿って延在し、前記第1の方向に実質的に垂直な第2の方向に沿って配列し、前記第2のカラーフィルターの方の前記フォトダイオードは、前記第2の方向に沿って延在し、前記第1の方向に沿って配列する。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記下部メタユニットのそれぞれの対称軸は、前記上部メタユニットのそれぞれの対称軸とずれている。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記下部メタユニットは1つの層に配置され、前記下部メタユニットは前記上部メタユニットに接続する。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記下部メタユニットの屈折率は1.4~2.6の範囲にあり、前記上部メタユニットの屈折率は1.4~2.6の範囲にあり、前記下部メタユニットの前記屈折率は前記上部メタユニットの前記屈折率と同じである。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記内部空間層の屈折率は、前記下部メタユニットの前記屈折率または前記上部メタユニットの前記屈折率と同じである。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記内部空間層の屈折率は、前記下部メタユニットの前記屈折率および前記上部メタユニットの前記屈折率とは異なる。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記下部メタユニットのそれぞれの幅は70nm~500nmの範囲にあり、前記上部メタユニットのそれぞれの幅は70nm~500nmの範囲にあり、前記下部メタユニットのそれぞれの高さは50nm~500nmの範囲にあり、前記上部メタユニットのそれぞれの高さは50nm~500nmの範囲にあり、前記内部空間層の高さは0~500nmの範囲にある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに読むと最もよく理解され得る。業界の標準的な慣行に従って、さまざまな構成が一定の縮尺で描かれていないことに注意されたい。実際、説明を明確にするために、さまざまな構成の寸法を任意に増減することができる。
図1】本開示の一実施形態による光学装置の断面図である。
図2図1の光学装置の別の断面図である。
図3図1および図2の光学装置のカラーフィルター層および上部メタ層の上面図である。
図4図1および図2の光学装置のカラーフィルター層および下部メタユニットの上面図である。
図5図1の光学装置の他の実施形態による光学装置の断面図である。
図6】本開示の一実施形態による光学装置の断面図である。
図7図6の光学装置のカラーフィルター層および上部メタユニットの上面図である。
図8図6の光学装置のカラーフィルター層および下部メタユニットの上面図である。
図9】本開示の一実施形態による光学装置の断面図である。
図10図9の光学装置のカラーフィルター層および下部メタユニットの上面図である。
図11】本開示の一実施形態による光学装置の断面図である。
図12図11の光学装置のカラーフィルター層および上部メタユニットの上面図である。
図13図11の光学装置のカラーフィルター層および下部メタユニットの上面図である。
図14A】本開示の一実施形態による光学装置の断面図である。
図14B図14Aの光学装置の他の実施形態によるカラーフィルター層および上部メタユニットの上面図である。
図15】本開示の一実施形態による光学装置の断面図である。
図16図15の光学装置のカラーフィルター層の上面図である。
図17A】本開示のいくつかの実施形態による光学装置の断面図である。
図17B】本開示のいくつかの実施形態による光学装置の断面図である。
図17C図17Aおよび図17Bの光学装置のカラーフィルター層の上面図である。
図18A】本開示のいくつかの実施形態による光学装置の断面図である。
図18B】本開示のいくつかの実施形態による光学装置の断面図である。
図18C図18Aおよび図18Bの光学装置のカラーフィルター層の上面図である。
図19】本開示のいくつかの実施形態による光学装置の断面図である。
図20】本開示のいくつかの実施形態による光学装置の断面図である。
図21】本開示のいくつかの実施形態による光学装置の断面図である。
図22A図6の光学装置を製造する様々な段階の断面図である。
図22B図6の光学装置を製造する様々な段階の断面図である。
図22C図6の光学装置を製造する様々な段階の断面図である。
図22D図6の光学装置を製造する様々な段階の断面図である。
図22E図6の光学装置を製造する様々な段階の断面図である。
図22F図6の光学装置を製造する様々な段階の断面図である。
図22G図6の光学装置を製造する様々な段階の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を単純化するために構成要素および配置の具体例を以下に記載する。これらは、もちろん、単なる例であり、限定することを意図するものではない。例えば、以下の説明における第2の構成の上方または上の第1の構成の形成は、第1および第2の構成が直接接触して形成される実施形態を含み得るし、第1および第2の構成が直接接触しないように、追加の構成が第1および第2の構成の間に形成され得る実施形態を含み得る。さらに、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、単純化および明確化を目的としており、それ自体、説明される様々な実施形態および/または構成間の関係を示すものではない。
【0025】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して様々な要素を説明しているが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上のいずれかおよびすべての組み合わせを含む。
【0026】
さらに、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるように、ある要素または構成と別の要素または構成との関係を説明するためのものであり、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれた向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図する。装置は他の方向を向いていてもよく(90度または他の向きに回転してもよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子も同様に解釈され得る。
【0027】
CISの分野では、光学装置内の素子のこの配置および寸法が光の焦点距離に影響し、光学装置の厚さおよび性能に影響を与える。本開示は、光の焦点距離を短縮するためにCIS上に積層されたハイブリッドな誘電環境を有する多層メタサーフェスを提供する。開示された光学装置は、位相差を調整することによって光の焦点距離を短縮することができる。この位相差は、異なる屈折率を持つ異なる材料によって調整される。光が異なる屈折率を持つ異なる材料(ハイブリッドな誘電環境)を透過した後、光のこのエネルギーはより短い距離に集中する傾向がある。したがって、光の焦点距離を短くすることができる。その結果、開示された光学装置の下地層の厚さを減少させることができ、それによって、光学装置の全体の寸法を減少させ、光学装置の性能を向上させることができる。
【0028】
図1は、本開示の一実施形態による光学装置100の断面図である。光学装置100は、光電変換層110、カラーフィルター層120、下地層130、下部メタ層BML、上部メタ層TML、および反射防止層170を含む。光電変換層110は、複数のフォトダイオード112および複数のディープトレンチアイソレーション(DTI)114を含む。DTI114は、フォトダイオード112のそれぞれを分離する。反射防止層170は、光電変換層110上に配置される。カラーフィルター層120は、反射防止層170上に配置される。下地層130は、カラーフィルター層120上に配置される。下部メタ層BMLは、複数の下部メタユニット140と、下部メタユニット140の間の充填物F1とを含む。充填物F1は、図1に示すように、下地層130から連続的に延びる。充填物F1の材料は、下地層130の材料と同じである。上部メタ層TMLは、下部メタ層BMLの上方に配置される。上部メタ層TMLは、複数の上部メタユニット152および複数の空気リセス154を含み、複数の空気リセス154は、2つの隣接する上部メタユニット152の間にそれぞれ配置される。
【0029】
いくつかの実施形態では、上部メタ層TMLの有効屈折率は、下部メタユニット140の屈折率よりも小さい。いくつかの実施形態では、下部メタユニット140の屈折率は、下地層130の屈折率よりも大きい。いくつかの実施形態では、上部メタユニット152の屈折率は、1.45、1.5、1.55、1.6、または1.65など、1.4~1.7の範囲にある。いくつかの実施形態では、上部メタ層TMLの有効屈折率は、1.35、1.4、1.45、1.5、または1.55など、1.3~1.6の範囲にある。本明細書における有効屈折率は、上部メタユニット152の屈折率および空気リセス154の屈折率によって計算される平均値であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、下部メタユニット140の屈折率は、1.8、2、2.2、または2.4など、1.4~2.6の範囲にある。いくつかの実施形態では、下地層130の屈折率は、1.3、1.4、1.5、1.6、または1.7など、1.2~1.8の範囲にある。
【0030】
図1に示されるように、カラーフィルター層120は、反射防止層170と下地層130との間に配置される。画素寸法pは、2つの隣接するDTI114間の距離によって決定される。画素寸法pは、画素長または画素幅として理解することができる。下部メタユニット140の底面140sからカラーフィルター層120の上面120sまでの下地層130の高さhは、以下の式に基づく。
【数3】
ここで、htは下地層130の理論上の高さ、pは画素寸法、nは下地層130の屈折率、λは上部メタ層TMLと下部メタ層BMLを通過する光Lの設計波長帯域の中心波長である。一実施形態では、λ=530nm、n=1.45、p=0.8μmであるため、理論上の高さhtは1.66μmとなる。本開示のいくつかの実施形態では、画素寸法pは0.8μmであり、高さhは0.25nm~0.6nmの範囲にある。
【0031】
図2は、図1の光学装置100の別の断面図である。図3は、図1および図2の光学装置100のカラーフィルター層120および上部メタ層TMLの上面図である。図4は、図1および図2の光学装置100のカラーフィルター層120および下部メタユニット140の上面図である。具体的には、図3は、図1の線A-A’に沿った断面における光学装置100の上部メタ層TMLの上面図であり、明確にするためにカラーフィルター層120が示されている。図4は、図1の線B-B’および図2の線C-C’に沿った断面における光学装置100の下部メタユニット140の上面図であり、明確にするためにカラーフィルター層120が示されている。
【0032】
図1図3に示すように、上部メタユニット152は、上部メタユニット152b、152c1、152c4を含む。上部メタユニット152b、152c1、152c4は、X方向およびY方向に沿って配列され、Z方向に沿って延在する。本明細書における上部メタユニット152bの「b」は、カラーフィルター(図3に示されるカラーフィルター121~124など)のその境界の上方に配置される上部メタユニットを表すことが理解され得る。ここで上部メタユニット152c1、152c4の「c」は、カラーフィルター(図3に示されるカラーフィルター121~124など)の中心の上方に配置される上部メタユニットを表す。「152c」の後の数字は、カラーフィルター121~124の最後の数字に対応する。例えば、図3に示すように、上部メタユニット152c1はカラーフィルター121に対応し、上部メタユニット152c4はカラーフィルター124に対応する。図1図2、および図4に示すように、下部メタユニット140は、下部メタユニット141、142、144を含み、下部メタユニット141、142、144の「14」の後の数字は、カラーフィルター121、122、124の最後の数字に対応する。下部メタユニット141、142、144は、X方向及びY方向に沿って配列され、Z方向に沿って延在する。
【0033】
図1および図3を参照されたい。カラーフィルター層120は、カラーフィルター121~124のような複数のカラーフィルターを含む。カラーフィルター121~124のそれぞれは、分離グリッド125によって分離される。それぞれの分離グリッドは、金属グリッド126を含み、金属グリッド126の材料は、W、TiN、CuまたはAlなどの吸収材料または金属を含むことができる。カラーフィルター121~124は互いに異なる。いくつかの実施形態では、カラーフィルター121はカラーフィルター124と同じである。いくつかの実施形態では、カラーフィルター121~124のそれぞれは、緑、赤、青、白、黄、シアン、マゼンタ、または他の画素であり得る。いくつかの実施形態では、カラーフィルター121、124は緑の画素であり、カラーフィルター122は赤の画素であり、カラーフィルター123は青の画素である。
【0034】
図1および図2に示すように、それぞれのカラーフィルター(カラーフィルター121~124)は、1つのフォトダイオード112に対応する。図1図3に示すように、上部メタユニット152c1はカラーフィルター121の中心に対応し、上部メタユニット152c4はカラーフィルター124の中心に対応し、上部メタユニット152bは、カラーフィルター121~124のその境界に対応する。いくつかの実施形態では、上部メタユニットのいくつか(上部メタユニット152c1、152c4、152bなど)は、図3に示すように、カラーフィルター121、122、124の上方に配置され、カラーフィルター123の上方には配置されない。
【0035】
図1及び図4に示すように、下部メタユニット141はカラーフィルター121の中心に対応し、下部メタユニット142はカラーフィルター122の中心に対応する。図2および図4に示されるように、下部メタユニット144は、カラーフィルター124の中心に対応する。上部メタユニット152および下部メタユニット140の数およびサイズは、下地層130の高さhの減少を達成するために調整することができる。いくつかの実施形態では、下部メタユニットのいくつか(下部メタユニット141、142、144など)は、図4に示すように、カラーフィルター121、122、124の上方に配置され、カラーフィルター123の上方には配置されない。
【0036】
もう一度図1を参照されたい。いくつかの実施形態では、光学装置100は、上部メタ層TMLと下部メタユニット140との間に配置された内部空間層Sをさらに含む。いくつかの実施形態では、内部空間層Sの屈折率は、下部メタユニット140の屈折率と同じである。いくつかの実施形態では、光学装置100の製造プロセスに基づいて、内部空間層Sの屈折率は、下部メタユニット140の屈折率とは異なる。いくつかの実施形態では、記光学装置100の製造プロセスに基づいて、内部空間層Sは、光学装置100に存在しなくてもよい。
【0037】
図5は、図1の光学装置100の他の実施形態による光学装置100aの断面図である。光学装置100aの上部メタ層TMLは、キャッピング層510をさらに含む。キャッピング層510は、上部メタユニット152(上部メタユニット152c1、152c4、152bを含む)および空気リセス154を等角にかつ連続的に裏打ちし、複数の空気リセス154は、2つの隣接する上部メタユニット152の間にそれぞれ配置される。具体的には、上部メタユニット152c1は、2つの隣接する上部メタユニット152bの間に配置される。換言すれば、空気リセス154は上部メタ層に残される。キャッピング層510は、上部メタユニット152を保護するように構成される。いくつかの実施形態では、キャッピング層510の屈折率は、1.45、1.5、または1.55など、1.4~1.6の範囲にある。いくつかの実施形態では、上部メタユニット152の屈折率は、キャッピング層510の屈折率とは異なる。いくつかの実施形態では、上部メタユニット152は、酸化物または窒化物によって作ることができる。
【0038】
同じまたは類似の構成は、同じまたは類似の参照番号によってラベル付けされ、同じまたは類似の構成の説明は、以下の図では繰り返されない。いくつかの要素(例えば、光L)は、明瞭化のために以下の図には図示されていないことを理解されたい。
【0039】
図6は、本開示の一実施形態による光学装置600の断面図である。図6の光学装置600と図5の光学装置100aとの間の違いは、下部メタユニット140、上部メタユニット152、および上部メタユニット160の数および配置である。
【0040】
図7は、図6の光学装置600のカラーフィルター層120および上部メタユニット160の上面図である。図8は、図6の光学装置600のカラーフィルター層120および下部メタユニット140の上面図である。具体的には、図7は、図6の線D-D’に沿った断面における光学装置600の上部メタユニット160の上面図であり、図8は、図6の線E-E’に沿った断面における光学装置600の下部メタユニット140の上面図であり、明瞭化のためにカラーフィルター層120が示されている。
【0041】
図6および図7に示すように、上部メタユニット160は、上部メタユニット161~164、160bを含む。ここで、上部メタユニット161~164の「16」の後の数字は、カラーフィルター121~124の最後の数字に対応することが理解され得る。上部メタユニット161~164は、カラーフィルター121~124の上方に配置される。ここで、上部メタユニット160bの「b」は、カラーフィルター121~124のその境界の上方に配置された上部メタユニットを表す。上部メタユニット161~164、160bは、X方向およびY方向に沿って配列され、Z方向に沿って延在する。
【0042】
図6および図8に示すように、下部メタユニット140は、下部メタユニット141、142、144、140bを含む。本明細書における下部メタユニット141、142、144の「14」の後の数字は、カラーフィルター121、122、124の最後の数字に対応することが理解され得る。下部メタユニット141、142、144は、カラーフィルター121、122、124の上方に配置される。ここで、下部メタユニット140bの「b」は、カラーフィルター121~124の境界の上方に配置された下部メタユニットを表す。下部メタユニットのいくつか(下部メタユニット141、142、144など)は、図8に示すように、カラーフィルター121、122、124の上方に配置され、カラーフィルター123の上方には配置されない。
【0043】
図6に示すように、光学装置600は、下部メタユニット140の上方に配置された上部メタユニット160を含み、ここで、キャッピング層510は、上部メタユニット160(上部メタユニット161、162、160bを含む)を等角にかつ連続的に裏打ちしている。具体的には、キャッピング層510は、上部メタユニット160の上面および側壁を覆う。内部空間層Sは、図6に示すように、下部メタユニット141、142、140bと上部メタユニット161、162、160bとの間に連続的に配置される。空気リセス154は、2つの隣接する上部メタユニット160の間にそれぞれ配置される。具体的には、上部メタユニット161は、2つの隣接する上部メタユニット160bの間に配置され、上部メタユニット162は、2つの隣接する上部メタユニット160bの間に配置される。図6図8を参照されたい。カラーフィルター121の対称軸は、下部メタユニット141の対称軸および上部メタユニット161の対称軸と一致する。空気リセス154と上部メタユニット160またはキャッピング層510のうちの少なくとも1つとの組み合わせは、「ハイブリッドな誘電環境」と呼ぶことができることを理解されたい。図6の実施形態では、上部メタ層TMLは、内部空間層S、上部メタユニット160、キャッピング層510、および空気リセス154の組み合わせである。下部メタ層BMLは、下部メタユニット140と充填物F1との組み合わせである。
【0044】
いくつかの実施形態では、上部メタユニット160の屈折率は、1.8、2、2.2、または2.4など、1.4~2.6の範囲にある。いくつかの実施形態では、下部メタユニット140の屈折率は、上部メタユニット160の屈折率と同じである。いくつかの実施形態では、上部メタユニット160および/または下部メタユニット140は、Al、SiO、TiO、Ta、SiN、透明有機材料、またはそれらの組み合わせによって作ることができる。いくつかの実施形態では、下部メタユニット140のそれぞれの幅は、100、200、300、または400nmなど、70nm~500nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、上部メタユニット160のそれぞれの幅は、100、200、300、または400nmなど、70nm~500nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、下部メタユニット140のそれぞれの幅は、上部メタユニット160のそれぞれの幅より大きくても、同じでも、または小さくてもよい。いくつかの実施形態では、下部メタユニット140のそれぞれの高さは、100、200、300、または400nmなど、50nm~500nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、上部メタユニット160のそれぞれの高さは、100、200、300、または400nmなど、50nm~500nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、内部空間層Sの高さは、50、100、200、300、または400nmなど、0~500nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、キャッピング層510(図5および図6に示される)の厚さは、50、80、100、120、または140nmなど、20nm~150nmの範囲にある。
【0045】
図6を参照されたい。上部メタ層TMLと下部メタ層BMLは、位相調整層としての機能を持つ。上部メタ層TMLは、光Lからの受光面を有する。光Lは、上部メタ層TML(キャッピング層510、空気リセス154、および上部メタユニット160を含む)および下部メタ層BML(下部メタユニット140および充填物F1を含む)を通過し、これにより、位相差を徐々に調整する。具体的には、空気(すなわち空気リセス154)、キャッピング層510、上部メタユニット160、下部メタユニット140、および下地層130の屈折率が異なるため、位相差を調整するために、異なる屈折率を持つ十分な界面を提供できる。言い換えれば、メタ層の数が多いほど、そこにある光Lの焦点距離が短くなる可能性があり、開示された光学装置の、下部メタユニット140の底面140sからカラーフィルター層120の上面120s(または、図21に示されるように、反射防止層170の上面170s)までの下地層130の厚さ(高さh)は、減少が可能である。それぞれのメタ層(上部メタ層TML、後述する中間メタ層MML、下部メタ層BMLなど)のΔnの勾配は、効果的に位相をよりスムーズに変化させ、最終的に焦点距離を短くすることができる。Δnは|nenvironment-nmeta|によって定義され、nenvironmentは有効屈折率で有り得る。例えば、ハイブリッドな誘電環境は空気リセス154およびキャッピング層510から構成され、ハイブリッドな誘電環境の有効屈折率は1と上部メタユニット(すなわち、図6に示される上部メタユニット160または図5に示される上部メタユニット152)の屈折率との間である。
【0046】
上部メタユニット160を有する実施形態において、図6を参照すると、下地層130の高さhを計算する場合、λは上部メタ層TMLおよび下部メタ層BMLを通過する光Lの設計波長帯域の中心波長である。
【0047】
図9は、本開示の一実施形態による光学装置900の断面図である。図9の光学装置900と図6の光学装置600との間の違いは、下部メタユニット140の配置である。図10は、図9の光学装置900のカラーフィルター層120および下部メタユニット140の上面図である。具体的には、図10は、図9の線F-F’に沿った断面における光学装置900の下部メタユニット140の上面図であり、明確にするためにカラーフィルター層120が示されている。
【0048】
より具体的には、図6の下部メタユニット142は、図9の下部メタユニット142Aに置き換えられ、下部メタユニット142Aのサイズは、下部メタユニット142のサイズよりも大きい。図6の下部メタユニット140bは、図9の下部メタユニット140bfに置き換えられる。ここで下部メタユニット140bfの「f」は「オフセット」を表すことが理解され得る。図9に示すように、カラーフィルター122の対称軸は、下部メタユニット142Aの対称軸と一致する。図9および図10に示されるように、下部メタユニット140bfのそれぞれは、カラーフィルター121、122、124のそれぞれの間の境界の上方に配置され、距離Dだけオフセットする。より具体的には、下部メタユニット142Aの中心に基づいて、図10に示すように、入射光が通常の方向にある場合、X方向およびY方向の下部メタユニット140bfのそれぞれは、同じ距離Dだけオフセットする。図10の実施形態は「内部シフト」と呼ぶことができ、内部シフトは「負のシフト」および「正のシフト」を含む。負のシフトは、正のシフトに関連して名付けられていることが理解され得る。例えば、下部メタユニット140bfの1つが左にシフトされ、他の下部メタユニット140bfの1つが右にシフトされる。また、下部メタユニット140bfの1つが上方にシフトされ、他の下部メタユニット140bfの1つが下方にシフトされる。
【0049】
図11は、本開示の一実施形態による光学装置1100の断面図である。図11の光学装置1100と図6の光学装置600との間の違いは、下部メタユニット140の数を含む。図12は、図11の光学装置1100のカラーフィルター層120および上部メタユニット160の上面図である。図13は、図11の光学装置1100のカラーフィルター層120および下部メタユニット140の上面図である。具体的には、図12は、図11の線G-G’に沿った断面における光学装置1100の上部メタユニット160の上面図であり、図13は、図11の線H-H’に沿った断面における光学装置1100の下部メタユニット140の上面図であり、ここでは、明確にするためにカラーフィルター層120が示されている。
【0050】
上部メタユニット160および下部メタユニット140の数およびサイズは、光学装置の要件に従って調整して、下地層130の高さhの減少を達成できることが理解され得る。図11に示すように、上部メタユニット160のサイズは、下部メタユニット140のサイズと同じである。
【0051】
図12に示されるように、上部メタユニットのいくつか(上部メタユニット161、162、164、160bなど)は、カラーフィルター121、122、124の上方に配置され、カラーフィルター123の上には配置されない。図13に示すように、下部メタユニット141~144はそれぞれカラーフィルター121~124の上に配置される。
【0052】
図14Aは、本開示の一実施形態による光学装置1400の断面図である。光電変換層110、カラーフィルター層120、下部メタ層BML、上部メタ層TMLの全てがシフトする。1つの層が別の層に対してシフトされるとき、それは「グローバルシフト」と呼ばれ得ることが理解される。このため、カラーフィルター121下のフォトダイオード112、カラーフィルター121、下部メタユニット141、上部メタユニット161の対称軸がずれている。同様に、下部メタユニット142の対称軸は、上部メタユニット162の対称軸とずれている。いくつかの他の実施形態では、下部メタ層BMLの下部メタユニット140のそれぞれは、追加のシフトを有し得る。同様に、上部メタ層TMLの上部メタユニット160のそれぞれも追加のシフトを有し得るので、以下の図14Bの説明を参照されたい。
【0053】
図14Bは、図14Aの光学装置1400の他の実施形態によるカラーフィルター層120および上部メタユニット160の上面図である。図14Aおよび図14Bの中線Mb1、Mb2、Mb3は、それぞれ図14Aの上部メタユニット160b1、160b2、160b3の中線を表す。図14Aおよび図14Bの中線M1、M2は、それぞれ、図14Aの上部メタユニット161、162の中線を表す。図14Bに示すように、上部メタユニット161、162、164、160bのそれぞれは、異なる量の距離をオフセットする。具体的には、上部メタユニット160b1はオフセット距離d1を有し、上部メタユニット161はオフセット距離d2を有し、上部メタユニット160b2はシフトせず、上部メタユニット162はオフセット距離d3を有し、上部メタユニット160b3は、オフセット距離d4を有する。オフセット距離d1~d4は、互いに同じであっても異なっていてもよい。図14Bの上部メタユニット160のシフトは上部メタ層TMLにあるので、図14Bの実施形態は「内部シフト」と呼ぶことができる。より具体的には、上部メタユニット160b1は「ネガティブシフト」と呼ぶことができ、上部メタユニット161、162、160b3のそれぞれは「ポジティブシフト」と呼ぶことができる。
【0054】
図15は、本開示の一実施形態による光学装置1500の断面図である。図16は、図15の光学装置1500のカラーフィルター層120の上面図である。図15の光学装置1500と図6の光学装置600との違いは、フォトダイオード112の数である。具体的には、図16に示すように、カラーフィルター121~124のそれぞれは、四つのフォトダイオード112(QPD)に対応する。画素寸法p(画素長または画素幅を含む)も、2つの隣接するDTI114間の距離によって決定される。光学装置1500の実施形態では、下部メタユニット140の底面140sからカラーフィルター層120の上面120sまでの下地層130の高さhは、以下の式に基づく。
【数4】
ここで、htは下地層130の理論上の高さ、pは画素寸法、nは下地層130の屈折率、λは上部メタ層TMLと下部メタ層BMLを通過する光Lの設計波長帯域の中心波長である。
【0055】
もう一度図6、9、11、14A、15を参照されたい。光学装置600、900、1100、1400、1500内の下部メタユニット140は、X方向に沿って1つの層に配置され、下部メタユニット140は上部メタユニット160に接続する。
【0056】
図17Aおよび図17Bは、本開示のいくつかの実施形態による光学装置1700A、1700Bの断面図である。光電変換層110は、二つのフォトダイオード(DPD)112で画素を分離するために、複数の内部ディープトレンチアイソレーション(DTI)113をさらに含む。図17Aの光学装置1700Aと図6の光学装置600との違いは、内部DTI113と、フォトダイオード112の数である。図17Aの光学装置1700Aと図17Bの光学装置1700Bとの間の違いは、内部DTI113である。図17Aに示されるように、フォトダイオード112は、内部DTI113およびDTI114によって離間される。内部DTI113のそれぞれは、2つの隣接するDTI114の間に配置されることに注意されたい。したがって、DTI114は、「外部DTI114」として理解することもできる。図17Bに示すように、外部DTI114の間に配置された内部DTI113はなく、2つの隣接する外部DTI114に二つのフォトダイオード112が配置されている。
【0057】
図17Cは、図17Aおよび図17Bの光学装置1700A、1700Bのカラーフィルター層120の上面図であり、フォトダイオード112が示されている。具体的には、カラーフィルター121~124のそれぞれは、二つのフォトダイオード112(DPD)に対応し、画素寸法p(画素長または画素幅を含む)は、2つの隣接する外部DTI114間の距離によって決定される。
【0058】
図18Aおよび図18Bは、本開示のいくつかの実施形態による光学装置1800A、1800Bの断面図である。具体的には、図17Aの光学装置1700Aと図18Aの光学装置1800Aとの違いは、カラーフィルター121の下のフォトダイオード112の配置である。同様に、図17Bの光学装置1700Bと図18Bの光学装置1800Bとの間の相違点も、カラーフィルター121の下のフォトダイオード112の配置である。
【0059】
図18Cは、図18Aおよび図18Bの光学装置1800A、1800Bのカラーフィルター層120の上面図であり、フォトダイオード112が示されている。図17C図18Cとの違いは、カラーフィルター121の下のフォトダイオード112の配置である。具体的には、図17Cに示すように、カラーフィルター121、122、123、124の方のフォトダイオード112は全てY方向に延在し、X方向に沿って配列されている。図18Cに示すように、カラーフィルター121の方のフォトダイオード112は、X方向に沿って延在し、Y方向に沿って配列され、カラーフィルター122、123、124の方のフォトダイオード112は、Y方向に延在し、X方向に沿って配列されている。図18Cにおいて、カラーフィルター121~124のそれぞれが二つのフォトダイオード112(DPD)にも対応すること、画素寸法p(画素長または画素幅を含む)が2つの隣接する外部DTI114間の距離によって決定されること、が理解され得る。
【0060】
図17Aから図17Cの実施形態および図18Aから図18Cの実施形態では、下部メタユニット140の底面140sからカラーフィルター層120の上面120sまでの下地層130の高さhは、以下の式に基づく。
【数5】
ここで、htは下地層130の理論上の高さ、pは画素寸法、nは下地層130の屈折率、λは上部メタ層TMLと下部メタ層BMLを通過する光Lの設計波長帯域の中心波長である。
【0061】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による光学装置1900の断面図である。図19の光学装置1900と図6の光学装置600との間の違いは、上部メタ層TML、中間メタ層MML、および下部メタ層BMLを含むメタ層の数を含む。中間メタ層MMLは、上部メタ層TMLと下部メタ層BMLとの間に配置される。中間メタ層MMLは、複数の中間メタユニット180を含み、中間メタユニット180の材料は、上部メタユニット160および/または下部メタユニット140の材料と同じである。具体的には、空気リセス154は、中間メタユニット180の上方に配置される。下部メタユニット140、中間メタユニット180、および上部メタユニット160のパターン(配列)は、同じであっても異なっていてもよい。
【0062】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による光学装置2000の断面図である。光学装置2000は、上部メタ層TML、中間メタ層MML、及び下部メタ層BMLを含む。中間メタ層MMLは、中間メタユニット180を含み、第1の層L1と第2の層L2に配列される。光学装置2000の中間メタユニット180は、X方向に沿って配列される。このような実施形態では、下部メタ層BMLは、第3の層L3と呼ぶことができる。図20に示すように、第1の層L1(中間メタユニット180)は上部メタユニット160に接続し、第2の層L2(中間メタユニット180)は第3の層L3(すなわち、下部メタ層BML)に接続し、第1の層L1と第2の層L2は、下地層130aによって離間されている。図20の実施形態では、下地層130aが第1の層L1と第2の層L2との間に配置される。下地層130aの材料は、下地層130の材料と同じである。中間メタユニット180の材料は、上部メタユニット160および/または下部メタユニット140の材料と同じである。下部メタユニット140、中間メタユニット180、及び上部メタユニット160のパターン(配列)は同じであっても異なっていてもよい。
【0063】
図21は、本開示のいくつかの実施形態による光学装置2100の断面図である。図21の光学装置2100は、図20の光学装置2000と類似しているが、異なるメタユニットのパターン(配列)が異なる。具体的には、図20の下部メタユニット140のパターンは図21のものと異なり、図20の中間メタユニット180のパターンは図21のものと異なり、図20の上部メタユニット160のパターンは図21のものとは異なる。さらに、図21に示されるように、光学装置2100は、カラーフィルター層120を含まない。このような実施形態では、第3の層L3(下部メタユニット140)の底面140sから反射防止層170の上面170sまでの下地層130の高さhは、上述の式に基づき、ここで、画素寸法pは、隣接する2つのDTI114間の距離によって決定される。図21に示される光学装置2100が1つのカラーフィルター(カラーフィルター121、122)に対応する1つのフォトダイオード112であるという事実にもかかわらず、四つのフォトダイオード112(QPD)が他の実施形態にも適用されることが理解され得る(すなわち、四つのフォトダイオード112は、図15および図16に示されるように、1つのカラーフィルターに対応する)。図20の光学装置2000および図21の光学装置2100のそれぞれの層(すなわち、第1の層L1、第2の層L2、および第3の層L3)の数およびサイズは、下地層130の高さhの減少を達成するために調整することができる。
【0064】
図22Aから図22Gは、図6の光学装置600を製造する様々な段階の断面図である。図22Aから図22Gによって示されるプロセスの前、間、および後に追加の操作を提供することができ、プロセスの追加の実施形態のために、以下に説明する操作のいくつかを置き換えまたは削除できることが理解され得る。操作/プロセスの順序は交換可能である。
【0065】
図22Aに示すように、光電変換層110、反射防止層170、カラーフィルター層120、下地層130の材料層からなる積層型装置が提供される。図22Aおよび図22Bに示すように、複数の開口部を有するパターン化されたフォトレジストマスクPR1が、下地層130上に形成される。図22Bおよび図22Cに示すように、パターン化されたフォトレジストマスクPR1によってエッチングプロセスが実行され、複数の開口部を有するパターンで下地層130が形成される。図22Cおよび図22Dに示すように、下部メタユニット140の材料層は、化学的機械的平坦化プロセスを実行する前に、下地層130の開口部を充填する。
【0066】
図22Dおよび図22Eに示すように、複数の開口部を有するパターン化されたフォトレジストマスクPR2が、下地層130上に形成される。図22Eおよび図22Fに示すように、パターン化されたフォトレジストマスクPR2によってエッチングプロセスが実行され、複数の開口部を有するパターンで上部メタユニット160が形成され、下部メタユニット140が下地層130の上部に埋め込まれ、内部空間層Sが下部メタユニット140上に残る。内部空間層Sが残存する実施形態では、内部空間層Sの上面の一部が露出する。他の実施形態において、内部空間層Sは、図22Eから図22Fまでのエッチングプロセスにおいて下部メタユニット140上に残らず、下地層130の上面の一部が露出する。図22Fおよび図22Gに示すように、キャッピング層510は、上部メタユニット160の上面および側壁上ならびに内部空間層Sの露出した上面上に形成される。
【0067】
本開示は、光の焦点距離を短縮するためにCIS上に積層されたハイブリッドな誘電環境を有する多層メタサーフェスを提供する。光が異なる屈折率を持つ異なる材料(ハイブリッドな誘電環境)を透過した後、光のエネルギーはより短い距離に集中する傾向がある。したがって、光の焦点距離を短くすることができる。その結果、開示された光学装置の下地層の厚さを減少させることができ、それによって、光学装置の全体の寸法を減少させ、光学装置の性能を向上させることができる。
【0068】
上記は、当業者が本開示の態様をよりよく理解し得るように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、本明細書で紹介した実施形態の同じ目的を実行し、および/または同じ利点を達成するために、他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として、本開示を容易に使用できることを理解すべきである。当業者はまた、そのような同等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱しないこと、および同業者が本開示の精神および範囲から逸脱することなく本明細書において様々な変更、置換、および改変を行い得ることを認識するべきである。
【符号の説明】
【0069】
100、100a、600、900、1100、1400、1500、1700A、1700B、1800A、1800B、1900、2000、2100…光学装置、 110…光電変換層、 112…フォトダイオード、 113、114…ディープトレンチアイソレーション(DTI)、 120…カラーフィルター層、 120s…上面、 121、122、123、124…カラーフィルター、 125…分離グリッド、 126…金属グリッド、 130、130a…下地層、 140、140b、140bf、141、142、142A、144…下部メタユニット、 140s…底面、 152、152b、152c1、152c4、160、161、162、163、164、160b、160b1、160b2、160b3…上部メタユニット、 154…空気リセス、 170…反射防止層、 180…中間メタユニット、 510…キャッピング層。
BML…下部メタ層、 d1、d2、d3、d4…オフセット距離、 F1…充填物、 h…高さ、 L…光、 L1…第1の層、 L2…第2の層、 M1、M2、Mb1、Mb2、Mb3…中線、 MML…中間メタ層、 p…画素寸法、 PR1、PR2…フォトレジストマスク、 S…内部空間層、 TML…上部メタ層。
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
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図11
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図14A
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図15
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図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19
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図21
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G