(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】音響出力装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
(21)【出願番号】P 2023081853
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2018564150の分割
【原出願日】2017-12-13
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2017013706
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517415654
【氏名又は名称】ambie株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100118094
【氏名又は名称】殿元 基城
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【氏名又は名称】野田 薫央
(72)【発明者】
【氏名】三原 良太
(72)【発明者】
【氏名】細田 育英
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0243723(US,A1)
【文献】特開2006-148186(JP,A)
【文献】特開2005-064909(JP,A)
【文献】特開2002-010385(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067700(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04R 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳介の
外周部の両面にそれぞれ押し当てられる第1の押当部と第2の押当部を有し前記耳介を挟んだ状態で耳に装着される装着部を備え、
前記装着部は長手方向が
全体として周方向になるように屈曲された形状に形成され、
前記装着部の両端部にそれぞれ前記第1の押当部と前記第2の押当部が設けられ、
前記第2の押当部の前記周方向外側に音声出力用の開口が形成され、
前記第1の押当部と前記第2の押当部の間に隙間が形成され、
前記隙間に前記耳介が相対的に挿入されて前記装着部が前記耳に装着される
音響出力装置。
【請求項2】
前記装着部が一対設けられ、
前記一対の装着部が組み合わせ可能にされた
請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項3】
前記第1の押当部と前記第2の押当部の表面が外方に凸の曲面に形成された
請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項4】
前記長手方向における両端部以外の部分が中間部として設けられ、
前記長手方向における一端部の最大の太さと前記長手方向における他端部の最大の太さとが前記中間部の最大の太さより太くされた
請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項5】
前記長手方向における両端部以外の部分が中間部として設けられ、
前記長手方向における一端間の距離が前記中間部の内周における2点を結ぶ距離のうちの最大の距離より小さくされた
請求項1に記載の音響出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は耳に装着されて使用される音響出力装置についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
耳に装着されてヘッドホンやイヤホンとして使用されスピーカーから音声の出力が行われる音響出力装置がある。
【0003】
音響出力装置は、近年、室内で使用される態様の他に、室外で使用される態様も増加している。従って、音響出力装置においては、良好な音声の出力が確保される他に、携帯性の向上等の利便性が確保されることも望ましい。
【0004】
上記のような音響出力装置においては、不使用時には耳から取り外された状態において、バッグやポケット等に収容されて携帯されることが多く、近年、小型のタイプが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載された音響出力装置にあっては、筐体が挿入部と伝達部材によって構成され、伝達部材の内部に音声出力用のドライバーとして電気音響変換素子と振動体が配置され、挿入部の内外において移動可能な栓が設けられている。挿入部には外部の音声の聞き取りを可能とする貫通孔が形成されている。
【0006】
この音響出力装置は、挿入部の一部が外耳道に挿入され、伝達部材が挿入部の前側において耳珠及び対耳珠に接した状態で耳に装着される。電気音響変換素子に生じる振動は振動体から伝達部材に伝達され、伝達された振動が耳骨から頭蓋骨等を介して脳に伝達されて音声の認識が行われる。外部の音声は栓と鼓膜の間の空間にまで振動して使用者に伝達され、このとき栓を移動させることにより外部の音声の聞こえ方を変化させることが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のような音響出力装置には、コードを介して音声信号等の電気的信号が入出力されるものも多いが、このようなコードが接続されたタイプの音響出力装置において、携帯時に耳に装着される部分とコードが絡み合ってしまうと、耳への迅速な装着ができなくなる等、使い勝手が低下するおそれがある。
【0009】
そこで、本技術音響出力装置は、上記した問題点を克服し、使い勝手の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、本技術に係る音響出力装置は、耳介の両面にそれぞれ押し当てられる第1の押当部と第2の押当部を有し前記耳介を挟んだ状態で耳に装着される装着部を備え、前記装着部が一対設けられ、前記一対の装着部が組み合わせ可能にされたものである。
【0011】
これにより、不使用時等に一対の装着部を組み合わせた状態にすることが可能になる。
【0012】
第2に、上記した音響出力装置においては、前記装着部は長手方向が周方向になるように屈曲された形状に形成され、前記長手方向における両端間に隙間が形成され、前記装着部は前記長手方向における両端部が互いに離接する方向へ弾性変形可能にされることが望ましい。
【0013】
これにより、耳に対する装着時及び取外時に装着部が弾性変形される。
【0014】
第3に、上記した音響出力装置においては、前記装着部の前記両端部にそれぞれ前記第1の押当部と前記第2の押当部が設けられることが望ましい。
【0015】
これにより、装着部の両端部がそれぞれ耳介の両面に押し当てられる。
【0016】
第4に、上記した音響出力装置においては、前記装着部における前記両端部以外の部分が中間部として設けられ、前記長手方向における一端間の距離が前記中間部の内周におけ
る2点を結ぶ距離のうちの最大の距離より小さくされることが望ましい。
【0017】
これにより、音響出力装置が耳に装着された状態において中間部が耳介に接触し難い。
【0018】
第5に、上記した音響出力装置においては、前記第1の押当部と前記第2の押当部の表面が外方に凸の曲面に形成されることが望ましい。
【0019】
これにより、耳介に音響出力装置から過度の負荷が付与されない。
【0020】
第6に、上記した音響出力装置においては、前記装着部における前記両端部以外の部分が中間部として設けられ、前記長手方向における一端部の最大の太さと前記長手方向における他端部の最大の太さとが前記中間部の最大の太さより太くされることが望ましい。
【0021】
これにより、装着部を組み合わせた状態において両端部を中間部の内側に挿入した状態で位置させることが可能になる。
【0022】
第7に、上記した音響出力装置においては、前記装着部は複数の部材が結合されて構成され、前記装着部は外面にカバーが密着された状態で覆われることが望ましい。
【0023】
これにより、装着部が外側からカバーに覆われるため、複数の部材の間に隙間が生じていても隙間がカバーによって閉塞される。
【0024】
第8に、上記した音響出力装置においては、前記装着部の外面が曲面に形成されることが望ましい。
【0025】
これにより、音響出力装置は曲面が押し当てられた状態で耳に装着される。
【発明の効果】
【0026】
本技術によれば、不使用時等に一対の装着部を組み合わせた状態にすることが可能になり、コード同士又はコードと装着部の絡まりを防止して使い勝手の向上を図ることができる。
【0027】
尚、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図2乃至
図12と共に本技術音響出力装置の実施の形態を示すものであり、本図は、音響出力装置が装着される耳の斜視図である。
【
図5】音響出力装置を
図4とは異なる方向から見た状態で示す分解斜視図である。
【
図7】音響出力装置が耳に装着された状態を示す斜視図である。
【
図8】音響出力装置が耳に装着された状態を
図7とは異なる角度から見た状態で示す斜視図である。
【
図9】音響出力装置が弾性変形される前の状態を示す側面図である。
【
図10】音響出力装置が装着された状態を示す側面図である。
【
図11】音響出力装置が組み合わされた状態を示す斜視図である。
【
図12】音響出力装置が電子機器に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本技術音響出力装置を実施するための形態を添付図面に従って説明する。
【0030】
以下に示した実施の形態は、本技術音響出力装置をイヤホンに適用したものである。但し、本技術の適用範囲はイヤホンに限られることはなく、ヘッドホン等の他の各種の音響出力装置に広く適用することができる。
【0031】
<耳の構造>
先ず、音響出力装置が装着される耳の構造について説明する(
図1及び
図2参照)。
【0032】
耳100、100は頭部200の一部とされており、それぞれ耳介101と頭部200の内部に存在する鼓膜や三半規管や蝸牛等の各部とから成る。頭部200のうち耳介101の内側の部分はそれぞれ側頭部201、201であり、耳介101は側頭部201、201から左方又は右方に突出されている。
【0033】
耳介101は内側空間150を有するように全体として略前方に開口された浅い凹状にされ、外周部が耳輪102と称される部分と耳輪102に連続され側頭部201の近傍に位置された耳輪脚103と称される部分とを有している。
【0034】
耳輪102の内側の部分は凹状の舟状窩104と称され、舟状窩104の内側における下側略半分の部分は凸状の対耳輪105と称される。対耳輪105の上方には対耳輪105に連続して二股状の凸状の部分が存在し、この二股状の部分のうちの外側の部分と内側の部分がそれぞれ対耳輪上脚106と対耳輪下脚107と称される。対耳輪上脚106と対耳輪下脚107の間の部分は凹状の三角窩108と称され、対耳輪105及び対耳輪下脚107の内側の部分は凹状の耳甲介艇109と称される。
【0035】
対耳輪105の下側に連続する部分は側頭部201側に稍膨出され、対耳珠110と称される部分である。対耳珠110に対向する側頭部201側の部分は対耳珠110側に稍膨出された耳珠111と称され、耳輪102の下側に連続する下端部が耳垂112と称される。
【0036】
対耳珠110と耳珠111の間の部分には外耳道113の入口である外耳孔113aが存在し、外耳道113は鼓膜や三半規管等に連通されている。耳介101の内側空間150のうち、対耳輪105と対耳輪下脚107と耳輪脚103によって囲まれた空間、即ち、耳甲介艇109の前側の空間は耳甲介腔114と称され、外耳道113の外耳孔113aに連通されている。内側空間150のうち耳甲介腔114の下側に連続しU字状に開いた空間は珠間切痕115と称される空間である。
【0037】
耳介101の内側空間150は耳甲介腔114と珠間切痕115と外耳道113の外耳孔113a付近の空間とを含み、舟状窩104、対耳輪105、対耳輪上脚106、対耳輪下脚107、三角窩108、対耳珠110及び耳珠111の前側の空間をも含む空間である。
【0038】
<音響出力装置の概略構成>
次に、音響出力装置1、1の構成について説明する(
図3乃至
図6参照)。音響出力装置1、1は一方が左の耳100用として使用され他方が右の耳100用として使用される。但し、何れか一方の音響出力装置1を使用して音声の聞き取りを行ってもよい。
【0039】
音響出力装置1は装着部2とスピーカー3を有している。
【0040】
装着部2は筐体4と着脱体5と接続部材6が結合されて構成されている。
【0041】
装着部2は長手方向が周方向になるように屈曲された形状に形成され、全体として周方向に延びる形状に形成されている。装着部2は外面が外方に凸の曲面に形成されている。装着部2は長手方向における一端部がスピーカー配置部7として設けられ、長手方向における他端部が音声出力部8として設けられ、スピーカー配置部7と音声出力部8の間の部分が中間部9として設けられている。
【0042】
筐体4は、例えば、樹脂材料によって形成され、一部がスピーカー配置部7として機能し他の部分が中間部9として機能する。筐体4は第1の部材10と第2の部材11が結合されて構成されている(
図4乃至
図6参照)。第1の部材10と第2の部材11は、長手方向に直交する方向において結合されることにより筐体4を構成する。
【0043】
第1の部材10は略円弧状に形成されたベース部12とベース部12の長手方向における一端に連続された配置部13とベース部12の長手方向における他端に連続された連結部14とから成る。ベース部12には長手方向に延びる溝部12aが形成されている。配置部13には溝部12aに連続して配置凹部13aが形成されている。連結部14は円筒状に形成され、内部空間が溝部12aに連続された音声用孔14aとして形成されている。
【0044】
配置部13の外面側には浅い取付凹部13bが形成されている。配置部13には取付凹部13bと配置凹部13aに連通されたコード挿入孔13cが形成されている。
【0045】
第2の部材11は略円弧状に形成されたベース部15とベース部15の長手方向における一端に連続された配置部16とから成る。ベース部15には長手方向に延びる溝部15aが形成されている。配置部16には溝部15aに連続して配置凹部16aが形成されている。
【0046】
第1の部材10と第2の部材11は、例えば、接着によってベース部12とベース部15が結合されると共に配置部13と配置部16が結合される。第1の部材10と第2の部材11が結合された状態においては、溝部12aと溝部15aによって音導空間17が形成され、配置凹部13aと配置凹部16aによって配置空間18が形成される。
【0047】
第1の部材10と第2の部材11が結合されて筐体4が構成された状態において、配置空間18にスピーカー3が配置される。スピーカー3としては、例えば、ダイナミック型のドライバーユニットが用いられている。尚、配置空間18にはスピーカー3の他に、スピーカー3に電力を供給するための電池(バッテリー)やスピーカー3を制御する制御基板等が配置されてもよい。
【0048】
着脱体5は、例えば、シリコンやゴム材料によって形成され、内部に音声用孔19が形成されている(
図6参照)。音声用孔19は一端が音声出力用の開口19aとして形成されている。着脱体5は音声用孔19の延びる方向が長手方向にされ、長手方向における略半分の部分が結合部20として設けられ、他の略半分の部分が先端部21として設けられている。結合部20は中間部9の一部として機能し、先端部21は音声出力部8として機能する。
【0049】
着脱体5は結合部20の内周部が外嵌部20aとして設けられ、外嵌部20aが着脱体5の他の部分より硬度の高い材料によって形成されている。着脱体5は筐体4に着脱可能にされ、外嵌部20aが連結部14に外嵌されることにより筐体4に連結される。
【0050】
装着部2は筐体4のスピーカー配置部7と着脱体5の先端部21とが対向した状態に構成されており、スピーカー配置部7の先端部21に対向する部分が第1の押当部22として設けられ、先端部21のスピーカー配置部7に対向する部分が第2の押当部23として設けられ、第1の押当部22と第2の押当部23の間には隙間Aが形成されている。第1の押当部22と第2の押当部23は音響出力装置1が耳100に装着された状態においてそれぞれ耳介101の両面に押し当てられる部分である。第1の押当部22と第2の押当部23の表面は外方に凸の緩やかな曲面に形成されている。
【0051】
また、装着部2は長手方向における両端部以外の部分が中間部9として設けられ、長手方向における一端間の距離Aが中間部9の内周における2点を結ぶ距離のうちの最大の距離Hより小さくされている。
【0052】
装着部2は第1の押当部22と第2の押当部23が互いに離接する方向へ弾性変形可能にされている。
【0053】
接続部材6は被取付板部24と被取付板部24から突出されたコード挿通部25とから成る(
図3乃至
図5参照)。接続部材6にはコード挿通部25と被取付板部24の間で貫通されたコード挿通孔6aが形成されている。接続部材6は被取付板部24が取付凹部13bに挿入された状態で筐体4に接着等により取り付けられる。接続部材6が筐体4に取り付けられた状態においては、コード挿通孔6aがコード挿入孔13cに連通される。
【0054】
筐体4には連結部14を除いた部分がカバー26によって覆われ、カバー26は筐体4の外面に密着される。カバー26は弾性変形可能なシリコンやゴム材料によって形成され、厚みが薄くされ袋状に形成されている。カバー26の一端面には開口部26aが形成されている。カバー26には配置孔26bが形成されている。
【0055】
カバー26によって筐体4が覆われた状態においては、カバー26が筐体4の外面に密着され、開口部26aが連結部14とベース部12の境界部分に位置され、配置孔26bに接続部材6が配置された状態にされる。従って、筐体4は連結部14が開口部26aから突出され、接続部材6はコード挿通部25が配置孔26bから突出された状態にされる。
【0056】
上記のように、装着部2は少なくとも第1の部材10と第2の部材11の複数の部材が結合されて構成され、外面にカバー26が密着された状態で覆われている。
【0057】
従って、装着部2が外側からカバー26に覆われるため、第1の部材10と第2の部材11の間に隙間が生じていても隙間がカバー26によって閉塞され、スピーカー3から出力される音声の外部への漏れを防止することができる。
【0058】
また、第1の部材10と第2の部材11は接着によって結合されるため、接着剤が筐体4の外面側にはみ出す可能性があるが、接着剤がはみ出した場合においても、はみ出した接着剤がカバー26によって閉塞され、接着剤のはみ出しを防止する構造を筐体4に形成する必要がなく、製造コストの低減及び接着作業における作業性の向上を図ることができる。
【0059】
さらに、接着剤のはみ出しを防止する手段としては、例えば、筐体4の厚みの範囲に接着剤の漏出を防止する立壁や溝等を形成する手段があるが、カバー26により立壁や溝等を形成する必要がないため、その分、筐体4の厚みを薄くすることが可能である。従って、筐体4の内部に形成される音声を導くための空間の径を大きくすることが可能になり、
音声の良好な出力状態を確保することができる。
【0060】
接続部材6のコード挿通孔6aと筐体4のコード挿入孔13cにはコード27が挿入され、コード27の一端部が制御基板又はスピーカー3に接続される。コード27の中間部分には、例えば、図示しないリモコン装置が接続されており、リモコン装置の操作によってスピーカー3から出力される音声の種類の変更や音量の変更等を行うことが可能にされている。
【0061】
尚、左の耳100用の音響出力装置1から導出されたコード27と右の耳100用の音響出力装置1から導出されたコード27とは、何れも中間部分が同一のリモコン装置に接続されている。
【0062】
コード27の他端部は音声(音声信号)の発生源として用いられる音楽プレーヤー等の図示しない外部機器に接続される。従って、外部機器から出力される音声信号がコード27を介してスピーカー3に伝達され、スピーカー3から音声の出力が行われる。また、コード27を介して外部機器からスピーカー3に電力が供給され、スピーカー3の駆動が可能とされている。
【0063】
<音響出力装置の耳に対する装着状態>
以下に、音響出力装置1の耳100に対する装着状態について説明する(
図7乃至
図10参照)。
【0064】
音響出力装置1は、一部を除いた部分がカバー26によって覆われた状態で装着部2が耳介101の外周部、例えば、耳輪102を前後から挟んだ状態で耳100に装着される(
図7及び
図8参照)。
【0065】
音響出力装置1が耳100に装着されるときに、耳輪102は、第1の押当部22と第2の押当部23が離隔する方向へ弾性変形された状態(
図9参照)で第1の押当部22と第2の押当部23の間に相対的に挿入され、耳輪102が挿入された状態において音響出力装置1が弾性復帰されて耳100に装着される(
図10参照)。音響出力装置1が耳100に装着された状態においては、装着部2の第1の押当部22と第2の押当部23がそれぞれ耳介101の両面に接して押し当てられた状態にされる。
【0066】
尚、第1の押当部22はカバー26によって覆われているため、装着部2は第1の押当部22がカバー26を介して耳介101に押し当てられて接した状態にされる。
【0067】
第1の押当部22は耳介101の後面に接し第2の押当部23は耳介101の前面に接した状態にされる。従って、スピーカー配置部7に配置されたスピーカー3は耳介101の後側に位置される。
【0068】
このとき第1の押当部22と第2の押当部23の表面が外方に凸の曲面に形成されているため、曲面が押し当てられた状態で音響出力装置1が耳100に装着されるため、耳介101に音響出力装置1から過度の負荷が付与されず、耳100に対する音響出力装置1の良好な装着状態を確保することができる。
【0069】
尚、上記には、第1の押当部22と第2の押当部23の表面が曲面に形成された例を示したが、第1の押当部22と第2の押当部23の表面の少なくとも一方が平面に形成されていてもよい。
【0070】
音響出力装置1は、上記のように耳100に装着されるが、特に、音響出力装置1の一
部を側頭部201と耳介101の境界部分である耳介101の根元部分に引掛けて装着する必要がないため、女性等の長髪の使用者において毛髪が音響出力装置1と干渉することがなく、使用者の毛髪の長さに拘わらず安定した装着状態を確保することができる。
【0071】
また、ピアス等のアクセサリーを耳100に装着している場合においても、アクセサリーの装着部分、例えば、耳垂112以外の位置に音響出力装置1を装着することができ、使い勝手の向上を図った上で安定した装着状態を確保することができる。
【0072】
尚、上記には、装着部2の各一部が耳介101の外周部を挟んだ状態で音響出力装置1が耳100に装着される例を示したが、装着部2の各一部が耳介101の外周部以外の部分を挟んだ状態で音響出力装置1が耳100に装着されてもよい。
【0073】
一方、音響出力装置1の耳100からの取り外しは、第1の押当部22と第2の押当部23が離隔する方向へ音響出力装置1を弾性変形させ音響出力装置1を耳介101から離隔させることにより行うことができる。
【0074】
上記したように、装着部2は長手方向が周方向になるように屈曲された形状に形成され、長手方向における両端間に隙間Aが形成され、装着部2は長手方向における両端部が互いに離接する方向へ弾性変形可能にされている。
【0075】
従って、耳100に対する装着時及び取外時に装着部2が弾性変形されるため、耳に対する装着及び取外を容易に行うことができると共に耳に対する安定した装着状態を確保することができる。
【0076】
また、音響出力装置1にあっては、装着部2の両端部にそれぞれ第1の押当部22と第2の押当部23が設けられているため、装着部2の両端部がそれぞれ耳介101の両面に押し当てられる。
【0077】
従って、耳介101に押し当てられる部分が装着部2の両端部になり、第1の押当部22から第2の押当部23までの長さが音響出力装置1の全長になり、音響出力装置1の小型化を確保した上で耳100に対する安定した装着状態を確保することができる。
【0078】
さらに、装着部2における両端部以外の部分が中間部9として設けられ、長手方向における一端間の距離Aが中間部9の内周における2点を結ぶ距離のうちの最大の距離Hより小さくされている。
【0079】
従って、音響出力装置1が耳100に装着された状態において中間部9が耳介101に接触し難く、耳100に対して中間部9からの負荷を生じることなく音響出力装置1を耳100に装着することができる。
【0080】
さらにまた、装着部2の外面が曲面に形成されているため、音響出力装置1は曲面が押し当てられた状態で耳100に装着されるため、耳100に対する良好な装着状態を確保することができる。
【0081】
上記のように音響出力装置1が耳100に装着された状態において、着脱体5は先端部が耳介101に非接触の状態で耳介101の内側空間150に位置される。着脱体5は外耳孔113aの全体を塞がない状態にされ、開口19aが外耳孔113a付近に位置される。
【0082】
このように音響出力装置1が耳100に装着された状態において、装着部2の開口19
aが耳介101の内側空間150に位置されるため、開口19aが外耳道113に近付いて位置され、スピーカー3から出力される音声と外部の音声との良好な認識性を確保することができる。
【0083】
また、音響出力装置1は耳100に装着された状態において装着部2の開口19aを有する部分が耳100に非接触の状態とされるため、音声が発せられる開口19aを有する部分が耳100に接触されない状態になる。
【0084】
従って、音響出力装置1から出力される音声と外部の音声との良好な認識性を確保することができると共に耳100に対する装着状態における違和感の発生を低減することができる。
【0085】
さらに、音響出力装置1が耳100に装着された状態において、開口19aが外耳孔113a付近に位置されるため、装着部2を導かれた音声が開口19aから外耳道113へ向けて発せられ、音声を良好に聞き取ることができる。
【0086】
尚、音響出力装置1が耳100に装着された状態において、装着部2の開口19aが耳甲介腔114に位置されていてもよい。
【0087】
この場合にも装着部2の開口19aが外耳道113に近付いて位置されるため、スピーカー3から出力される音声と外部の音声との良好な認識性を確保することができる。
【0088】
また、着脱体5の開口19aは外耳道113又は耳甲介腔114に位置されていなくてもよく、耳介101の内側空間150に位置されていれば外耳道113及び耳甲介腔114から離れて位置されていてもよい。
【0089】
尚、使用者の耳100の形状や大きさによっては、着脱体5の開口19aが耳介101の内側空間150の外側に位置されていてもよい。
【0090】
また、音響出力装置1が耳100に装着された状態において、耳介101の前側に装着部2の内部に配置されたスピーカー3等の構造物が存在しないため、耳介101の前側に存在する構造物が小さく、頭部伝達関数への影響が抑制されて空間知覚能力の低下を抑制することができる。
【0091】
さらに、開口19aを有する着脱体5は、筐体4の連結部14に対して着脱可能にされている。従って、着脱体5を耳100の大きさや形状等に応じて取り替えることが可能になり、耳100の大きさや形状等に拘わらず音声の良好な聞取状態を確保することができる。
【0092】
例えば、着脱体5を長さの異なるものに取り替えることにより、音響出力装置1が耳100に装着された状態において開口19aを所望の位置に位置させることが可能になり、音響出力装置1の使い勝手の向上を図ることができる。
【0093】
さらに、音響出力装置1には着脱体5の連結時に着脱体5に挿入される連結部14が設けられているため、連結部14が着脱体5に挿入されることにより着脱体5が連結部14に連結され、着脱体5の連結部14に対する連結作業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0094】
さらにまた、装着部2にカバー26が取り付けられることにより、カバー26の厚み分によりカバー26と第2の押当部23の間の隙間が隙間Aより小さくなり、音響出力装置
1が装着された状態において耳介101が第1の押当部22と第2の押当部23によって十分な圧力で挟まれ、音響出力装置1の耳100への安定した装着状態を確保することができる。
【0095】
加えて、連結部14に外嵌される着脱体5の外嵌部20aは着脱体5の他の部分より硬度の高い材料によって形成されている。従って、音響出力装置1が耳100に対する装着時及び取外時に弾性変形又は弾性復帰されたときに、着脱体5の結合部20が連結部14に対して変形し難いため、着脱体5の筐体4からの脱落を防止することができる。
【0096】
また、外嵌部20aが着脱体5の他の部分より硬度の高い材料によって形成されていることにより、結合部20が変形し難く、着脱体5の筐体4に対する捲れを防止することもできる。
【0097】
尚、着脱体5は変形(屈曲)可能であり変形された状態が保持される材料(フレキシブルナ材料)によって形成されていてもよい。着脱体5がこのような材料によって形成されることにより、音響出力装置1が耳100に装着された状態において、着脱体5を所望の状態に変形させて、例えば、開口19aを外耳道113に近付けたりすることや、開口19aから発せられる音声の向きを必要に応じて変更することが可能になる。
【0098】
また、連結部14と着脱体5の双方が変形(屈曲)可能であり変形された状態が保持される材料によって形成されていてもよい。連結部14と着脱体5がこのような材料によって形成されることにより、音響出力装置1が耳100に装着された状態において、装着部2を所望の状態に変形させて、例えば、開口19aを外耳道113に近付けたりすることや、開口19aから発せられる音声の向きを必要に応じて変更することが可能になる。
【0099】
さらに、装着部2の耳100への装着時に耳100の形や大きさに応じて装着部2を変形することが可能になるため、音響出力装置1の耳100への安定した装着状態を確保することができる。
【0100】
さらにまた、一対の音響出力装置1、1を使用する場合には、音響出力装置1、1がステレオタイプとして機能し、音響出力装置1、1の機能性の向上が図られ良質の音声を聞き取ることができる。また、左右の耳100、100に対して重量的に良好なバランスが確保され、音響出力装置1、1を安定した状態で左右の耳100、100に装着することができる。
【0101】
尚、上記にはスピーカー3が装着部2の長手方向における一端部に設けられたスピーカー配置部7に配置された例を示したが、スピーカー3は装着部2の長手方向における他端部又は他端部よりの位置に配置されてもよい。
【0102】
<音響出力装置の組み合わせ状態等>
以下に、音響出力装置1、1の組み合わせ状態等について説明する(
図11及び
図12参照)。
【0103】
音響出力装置1、1にあっては、両者を組み合わせて保持される状態にすることが可能である(
図11参照)。
【0104】
音響出力装置1、1の組み合わせは、両者を向き合わせた状態でスピーカー配置部7、7と音声出力部8、8の位置関係を直交する位置にし、少なくとも一方を他方に近付けていくことにより行うことができる。音響出力装置1、1が組み合わせられるときには、音響出力装置1、1において互いにスピーカー配置部7と音声出力部8の間にスピーカー配
置部7と音声出力部8が挿入されていく。
【0105】
このとき音響出力装置1、1において互いにスピーカー配置部7、7と音声出力部8、8が離隔する方向へ弾性変形され、互いにスピーカー配置部7、7と音声出力部8、8がスピーカー配置部7、7と音声出力部8、8を乗り越えることにより弾性復帰される。互いにスピーカー配置部7と音声出力部8の間にスピーカー配置部7と音声出力部8が挿入されていくときには、装着部2、2の外面同士(装着部2の外面とカバー26の外面)が摺接されるが、音響出力装置1、1においては装着部2、2の外面が外方に凸の曲面に形成されているため、互いのスピーカー配置部7と音声出力部8の挿入を円滑に行うことができる。
【0106】
音響出力装置1、1が組み合わされた状態においては、互いにスピーカー配置部7、7と音声出力部8、8が中間部9、9の内側に位置され、音響出力装置1、1が離れ難い状態にされている。
【0107】
一方、音響出力装置1、1の組み合わせを解除するときには、両者を引き離す方向へ動かし弾性変形させた後に弾性復帰させることにより行うことができる。
【0108】
このように、音響出力装置1にあっては、装着部2、2が組み合わせ可能にされているため、不使用時に一対の装着部2、2を組み合わせた状態にして携帯又は保管することができ、携帯時及び保管時に、耳に装着される部分である装着部2、2とコード27及びコード27同士の絡まりを防止して使い勝手の向上を図ることができる。
【0109】
また、装着部2は長手方向における一端部であるスピーカー配置部7の最大の太さと長手方向における他端部である音声出力部8の最大の太さとが中間部9の最大の太さより太くされている。
【0110】
従って、装着部2、2を組み合わせた状態において両端部であるスピーカー配置部7、7と音声出力部8、8を中間部9、9の内側に挿入した状態で位置させることが可能になり、組み合わせた状態において外れ難く、装着部2、2を安定した状態で組み合わせることができる。
【0111】
一方、音響出力装置1、1は両者の組み合わせ以外に、他の構造物や機器等に取り付けて保管等を行うことも可能である(
図12参照)。
【0112】
例えば、携帯電話等の電子機器50において音響出力装置1を使用する場合等に、電子機器50の外周部51をスピーカー配置部7と音声出力部8の間に挿入し、外周部51を両面側からスピーカー配置部7と音声出力部8によって挟持した状態で音響出力装置1を電子機器50に取り付けて保管等を行うことが可能である。外周部51を両面側からスピーカー配置部7と音声出力部8によって挟持した状態においては、弾性力によって音響出力装置1にスピーカー配置部7と音声出力部8が互いに近付く方向への付勢力が付与されており、振動等によって音響出力装置1が電子機器50から脱落し難い状態にされている。
【0113】
このような使用(保管)は、例えば、一時的に音楽の聴き取りを停止し音響出力装置1を耳100から取り外すとき等においても行うことができる。
【0114】
上記のように、音響出力装置1は、例えば、携帯電話等の電子機器50の外周部51を挟持した状態で外周部51に取り付けることが可能にされているため、携帯や保管等が容易であり、使い勝手の向上を図ることができる。
【0115】
また、携帯時及び保管時に、耳100に装着される部分である装着部2とコード27及びコード27同士の絡まりを防止して使い勝手の向上を図ることができる。
【0116】
<その例>
尚、音響出力装置1、1にあっては、左の耳100用の音響出力装置1と右の耳100用の音響出力装置1の内部構成が同様の構成にされていてもよく、また、左の耳100用の音響出力装置1と右の耳100用の音響出力装置1の内部構成が異なる構成にされていてもよい。
【0117】
例えば、一方の音響出力装置1における装着部2の内部にスピーカー3と図示しない電池と図示しない中継基板が配置され、他方の音響出力装置1における装着部2の内部にスピーカー3と図示しない制御基板が配置されていてもよい。
【0118】
一方の音響出力装置1の中継基板と他方の音響出力装置1の制御基板とはコード27によって接続されている。電池の電力は一方の音響出力装置1のスピーカー3と中継基板に供給され、中継基板からコード27を介して他方の音響出力装置1の制御基板とスピーカー3にも供給される。また、制御基板における通信用回路の無線通信によって受信した音声信号が、一方の音響出力装置1のスピーカー3に送信されると共にコード27及び中継基板を介して他方の音響出力装置1のスピーカー3に送信される。受信した音声信号は音声に変換されてそれぞれスピーカー3、3から出力される。
【0119】
上記のように、音響出力装置1、1にあっては、無線通信により音声信号の受信が行われる構成にすることが可能であるため、利便性及び使い勝手の向上を図ることができる。
【0120】
尚、音響出力装置1においては、無線通信によって音楽プレーヤー等の外部機器からの音声信号を受信し、受信した音声信号を変換してスピーカー3から音声として出力することや、音楽プレーヤーとの接続認証等のペアリング処理が可能とされていてもよい。音声信号を受信するための無線通信としては、例えば、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)やWiFi(Wireless Fidelity)、接続認証等のペアリング処理用の無線通信としてのNFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信に対応したものであってもよい。
【0121】
また、音響出力装置1、1にあっては、一方の音響出力装置1にのみ電池が配置されているため、音響出力装置1、1の全体として軽量化を図ることができると共に内部構造の簡素化を図ることができる。
【0122】
さらに、音響出力装置1においては、上記のように軽量化が図られるため、耳100に装着された状態において耳100に過度の負荷が付与されず、耳100への違和感のない良好な装着状態を確保することができる。
【0123】
尚、装着部2の内部に配置される電池は使い捨てタイプであってもよく充電可能なタイプであってもよい。特に、電池が使い捨てタイプである場合には、装着部2の一部が開閉可能とされ、電池の交換が可能な構成にされていることが望ましい。また、電池が充電可能なタイプである場合にも装着部2の一部が開閉可能とされ、電池の交換が可能とされていてもよい。
【0124】
<本技術>
本技術は、以下のような構成にすることができる。
【0125】
(1)
耳介の両面にそれぞれ押し当てられる第1の押当部と第2の押当部を有し前記耳介を挟んだ状態で耳に装着される装着部を備え、
前記装着部が一対設けられ、
前記一対の装着部が組み合わせ可能にされた
音響出力装置。
【0126】
(2)
前記装着部は長手方向が周方向になるように屈曲された形状に形成され、
前記長手方向における両端間に隙間が形成され、
前記装着部は前記長手方向における両端部が互いに離接する方向へ弾性変形可能にされた
前記(1)に記載の音響出力装置。
【0127】
(3)
前記装着部の前記両端部にそれぞれ前記第1の押当部と前記第2の押当部が設けられた
前記(2)に記載の音響出力装置。
【0128】
(4)
前記装着部における前記両端部以外の部分が中間部として設けられ、
前記長手方向における一端間の距離が前記中間部の内周における2点を結ぶ距離のうちの最大の距離より小さくされた
前記(2)又は前記(3)に記載の音響出力装置。
【0129】
(5)
前記第1の押当部と前記第2の押当部の表面が外方に凸の曲面に形成された
前記(1)から前記(4)の何れかに記載の音響出力装置。
【0130】
(6)
前記装着部における前記両端部以外の部分が中間部として設けられ、
前記長手方向における一端部の最大の太さと前記長手方向における他端部の最大の太さとが前記中間部の最大の太さより太くされた
前記(2)から前記(5)の何れかに記載の音響出力装置。
【0131】
(7)
前記装着部は複数の部材が結合されて構成され、
前記装着部は外面にカバーが密着された状態で覆われた
前記(1)から前記(6)の何れかに記載の音響出力装置。
【0132】
(8)
前記装着部の外面が曲面に形成された
前記(1)から前記(7)の何れかに記載の音響出力装置。
【符号の説明】
【0133】
100…耳、101…耳介、1…音響出力装置、2…装着部、3…スピーカー、4…筐体、9…中間部、22…第1の押当部、23…第2の押当部、26…カバー