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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】窒化物半導体発光素子
(51)【国際特許分類】
   H10H 20/82 20250101AFI20250128BHJP
   H10H 20/825 20250101ALI20250128BHJP
   H10H 20/817 20250101ALI20250128BHJP
   H01S 5/343 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
H10H20/82
H10H20/825
H10H20/817
H01S5/343 610
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023220368
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼尾 一史
(72)【発明者】
【氏名】松倉 勇介
(72)【発明者】
【氏名】ペルノ シリル
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510296(JP,A)
【文献】特開2003-188414(JP,A)
【文献】特開2016-088803(JP,A)
【文献】特表2002-531945(JP,A)
【文献】特開2008-034862(JP,A)
【文献】特開2007-112633(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0143966(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10H 20/00 - 20/858
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成長面がオフ角を有するc面からなる基板と、
前記成長面上に形成された、AlNからなるAlNバッファ層と、
前記AlNバッファ層上に形成されたn型半導体層と、
前記n型半導体層上に形成された、紫外光を発する活性層と、
前記活性層上に形成されたp型半導体層と、を備え、
前記AlNバッファ層の上面は、複数のテラスと、前記テラス同士を繋ぐ複数のステップとを有するステップ・テラス構造を有し、
前記複数のステップの高さの平均値は、5.0nm以上7.1nm以下であり、
前記複数のテラスの幅の平均値は、250nm以上350nm以下である、
窒化物半導体発光素子。
【請求項2】
前記複数のステップの高さの平均値は、7.0nm未満である、
請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項3】
前記複数のテラスの幅の平均値は、325nm以下である、
請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項4】
前記n型半導体層と前記活性層との間に、前記活性層側の位置ほどAl組成比が高くなる組成傾斜層を更に有する、
請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項5】
前記p型半導体層上に形成され、前記活性層から発される光を反射する反射電極を更に備え、
前記p型半導体層は、p型のGaNからなるp型コンタクト層を有し、
前記p型コンタクト層の膜厚は、50nm以下である、
請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板と、基板上に形成された下地層と、下地層上に形成された第一クラッド層と、第一クラッド層上に形成された紫外光を発する発光層と、発光層上に形成された第二クラッド層とを備える紫外線発光素子が開示されている。特許文献1に記載の紫外線発光素子においては、下地層と第一クラッド層との界面のステップ高さが10nm以上60nm以下とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-29607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の紫外線発光素子においては、ステップ高さが比較的小さい例についての光出力は検討されていない。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、光出力の向上を図ることができる窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記の目的を達成するため、成長面がオフ角を有するc面からなる基板と、前記成長面上に形成された、AlNからなるAlNバッファ層と、前記AlNバッファ層上に形成されたn型半導体層と、前記n型半導体層上に形成された、紫外光を発する活性層と、前記活性層上に形成されたp型半導体層と、を備え、前記AlNバッファ層の上面は、複数のテラスと、前記テラス同士を繋ぐ複数のステップとを有するステップ・テラス構造を有し、前記複数のステップの高さの平均値は、5.0nm以上7.1nm以下であり、前記複数のテラスの幅の平均値は、250nm以上350nm以下である、窒化物半導体発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光出力の向上を図ることができる窒化物半導体発光素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態における、窒化物半導体発光素子の構成を概略的に示す模式図である。
図2】実施の形態における、窒化物半導体発光素子の一部を拡大した模式断面図である。
図3A】実施例1と同様の製造条件で成長されたウエハのAlNバッファ層の上面のAFM像である。
図3B図3Aの一点鎖線箇所の断面プロファイルである。
図4A】比較例1と同様の製造条件で成長されたウエハのAlNバッファ層の上面のAFM像である。
図4B図4Aの一点鎖線箇所の断面プロファイルである。
図5】実験例における、平均ステップ高さと光出力との関係を示すグラフである。
図6】実験例における、平均テラス幅と光出力との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
【0010】
(窒化物半導体発光素子1)
図1は、窒化物半導体発光素子1の構成を概略的に示す模式図である。なお、図1において、窒化物半導体発光素子1(以下、単に「発光素子1」ともいう。)の各半導体層の積層方向の寸法比は、必ずしも実際のものと一致するものではない。以後、発光素子1の各半導体層の積層方向(すなわち基板2の底面に直交する方向)を上下方向という。また、上下方向の一方側であって、基板2における各半導体層が成長される側(例えば図1の上側)を上側とし、その反対側(例えば図1の下側)を下側とする。なお、上下の表現は便宜的なものであり、例えば発光素子1の使用時における、鉛直方向に対する発光素子1の姿勢を限定するものではない。
【0011】
発光素子1は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又は半導体レーザ(LD:Laser Diode)を構成するものである。本形態において、発光素子1は、紫外領域の波長の光を発する発光ダイオードを構成するものである。特に、本形態の発光素子1は、中心波長が240nm以上365nm以下の紫外光を発する。発光素子1は、例えば殺菌(例えば空気浄化、浄水等)、医療(例えば光線治療、計測・分析等)、UVキュアリング等の分野において用いることができる。
【0012】
発光素子1は、基板2上に、AlNバッファ層3、n型半導体層4、組成傾斜層5、活性層6、電子ブロック層7及びp型半導体層8を順次備える。また、発光素子1は、n型半導体層4上に設けられたn側電極11と、p型半導体層8上に設けられたp側電極12とを備える。
【0013】
発光素子1を構成する半導体としては、例えば、AlGaIn1-a-bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)にて表される2~4元系のIII族窒化物半導体を用いることができる。本形態においては、発光素子1を構成する半導体として、AlGa1-cN(0≦c≦1)にて表される2元系又は3元系のIII族窒化物半導体を用いている。これらのIII族元素の一部は、ホウ素(B)、タリウム(Tl)等に置き換えてもよい。また、窒素の一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置き換えてもよい。
【0014】
基板2は、活性層6が発する光を透過する材料からなる。基板2は、サファイア(Al)基板である。図2は、発光素子1の上下方向に平行な模式断面図であって、AlNバッファ層3の周囲を拡大した模式断面図である。基板2の上面にて構成される成長面21は、オフ角θを有するc面からなる。オフ角θは、例えば0.2°以上1.5°以下、より好ましくは1.0°±0.3°(すなわち0.7°以上1.3°以下)である。なお、図2はあくまでも模式図であり、基板2の成長面21及びAlNバッファ層3の上面31の形状は実際のものと異なり得る。
【0015】
基板2の成長面21は、オフ角θを有するc面にて構成された複数のテラスT1と、テラスT1同士を繋ぐ複数のステップS1とを有するステップ・テラス構造を有する。ステップ・テラス構造は、テラスT1とステップS1とが交互に多段状に形成されたものである。基板2は、特に限定されないが、例えば、オフ角θが0.2°でテラス幅の平均値が60.2nmのもの、オフ角θが0.6°でテラス幅の平均値が20.1nmのもの、オフ角θが1.0°でテラス幅の平均値が12.0nmのもの、オフ角θが1.5°でテラス幅の平均値が8.0nmのものとしてもよい。また、基板2として、例えば窒化アルミニウム(AlN)基板又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板等を用いてもよい。
【0016】
AlNバッファ層3は、基板2上に形成されている。AlNバッファ層3は、アンドープの窒化アルミニウムにより形成されている。アンドープの半導体層とは、その半導体層の形成時に意図的に不純物の添加が行われていない半導体層を意味し、不可避的に含まれる微量の不純物を含む半導体層もアンドープの半導体層とする。
【0017】
AlNバッファ層3は、ステップフロー成長により形成されており、AlNバッファ層3の上面31は、上下方向に直交する仮想平面に対して傾斜した複数のテラスT2と、テラスT2同士を繋ぐ複数のステップS2とを有するステップ・テラス構造を有する。
【0018】
AlNバッファ層3の上面31において、ステップS2の高さHの平均値は、7.1nm以下であり、テラスT2の幅の平均値は、350nm以下である。これにより、AlNバッファ層3を下地層として形成される活性層6が適度に平坦化され、活性層6から発される光の単色性が向上する結果、発光素子1の所望の波長帯での光出力が向上するものと推測される。ステップS2の高さHとは、上下方向におけるステップS2の長さである。テラスT2の幅とは、上下方向に直交する方向のうち、テラスT2及びステップS2が連続する方向(例えば図2の左右方向)におけるテラスT2の長さである。以後、AlNバッファ層3の上面31におけるステップS2の高さHの平均値を「平均ステップ高さ」ともいい、AlNバッファ層3の上面31におけるテラスT2の幅Wの平均値を「平均テラス幅」ともいう。
【0019】
平均ステップ高さは、7.0nm未満が好ましく、平均テラス幅は、325nm以下がより好ましい。また、AlNバッファ層3にステップフロー成長を生じさせる観点から、平均ステップ高さは5.0nm以上、平均テラス幅は250nm以上であることが好ましい。
【0020】
平均ステップ高さは、例えば、以下のように算出できる。まず、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にてAlNバッファ層3の表面形状を測定する。そして、測定されたAFM像から、テラスT2及びステップS2が連続する方向と上下方向との双方に沿った断面プロファイルを少なくとも1つ抽出する。そして、抽出された少なくとも1つの断面プロファイルに現れる複数のステップS2の高さHの合計をステップS2の数で除算することで、ステップS2の高さHの平均値が得られる。
【0021】
また、平均テラス幅は、例えば、前述のように抽出された少なくとも1つの断面プロファイルに現れるテラスT2の幅の合計をテラスT2の数で除算することで得られる。
【0022】
なお、AlNバッファ層3の上に、アンドープのAlGa1-pN(0≦p≦1)からなるバッファ層を含んでいてもよい。
【0023】
n型半導体層4は、AlNバッファ層3上に形成されている。n型半導体層4は、例えば、n型不純物がドープされたAlGa1-qN(0≦q≦1)により形成されたn型クラッド層である。本形態において、n型不純物としては、シリコン(Si)を用いた。n型半導体層4以外の、n型不純物を含む半導体層においても同様である。なお、n型不純物としては、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)又はテルル(Te)等を用いてもよい。n型半導体層4のAl組成比qは、例えば45%以上65%以下である。
【0024】
n型半導体層4の上面の形状は、AlNバッファ層3の上面31の形状が引き継がれる。このとき、n型半導体層4は、所定の膜厚までは、膜厚が増える程n型半導体層4の上面の形状が平坦化されるが、n型半導体層4の膜厚が所定の膜厚を超えると、膜厚の増加に伴うn型半導体層4の上面の形状の変化は略なくなるものと考えられる。n型半導体層4は、通電を生じさせる半導体層であるため、通電可能なように比較的大きな膜厚(例えば1μm以上)に形成されるが、n型半導体層4において通常採られる膜厚は、前記所定の膜厚よりも大きい。本形態において、n型半導体層4の膜厚は、例えば1600nm以上3600nm以下である。n型半導体層4は、単層構造でもよく、多層構造でもよい。
【0025】
組成傾斜層5は、n型半導体層4上に形成されている。組成傾斜層5は、AlGa1-rN(0≦r≦1)からなる。組成傾斜層5の上下方向の各位置におけるAl組成比は、上側の位置程大きくなっている。なお、組成傾斜層5は、例えば上下方向の極一部の領域(例えば組成傾斜層5の上下方向の全体の5%以下の領域)に、上側に向かうにつれてAl組成比が大きくならない領域を含んでいてもよい。
【0026】
組成傾斜層5は、その下端部のAl組成比が、組成傾斜層5の下側に隣接するn型半導体層4の上端部のAl組成比と略同一(例えば差が5%以内)であることが好ましい。また、組成傾斜層5は、その上端部のAl組成比が、組成傾斜層5の上側に隣接する障壁層61の下端部のAl組成比と略同一(例えば差が5%以内)であることが好ましい。組成傾斜層5には、シリコンがドープされている。組成傾斜層5のシリコン濃度は、例えば5.0×1018atoms/cm以上、5.0×1019atoms/cm以下である。
【0027】
活性層6は、組成傾斜層5上に形成されている。本形態の活性層6は、複数の井戸層621,622を有する多重量子井戸構造である。活性層6は、中心波長が240nm以上365nm以下の紫外光を発することができるよう、バンドギャップが調整されている。本形態のように、活性層6が多重量子井戸構造である場合、光出力の向上の観点から、活性層6が発する紫外光の中心波長は、250nm以上300nm以下が好ましく、260nm以上290nm以下がより好ましい。本形態において、活性層6は、障壁層61と井戸層621,622とを3つずつ有し、障壁層61と井戸層621,622とが交互に積層されている。活性層6においては、下端に障壁層61が位置しており、上端に井戸層622が位置している。
【0028】
各障壁層61は、AlGa1-sN(0<s≦1)により形成されている。各障壁層61のAl組成比sは、例えば75%以上95%以下である。また、各障壁層61の膜厚は、例えば2nm以上50nm以下である。
【0029】
井戸層621,622は、AlGa1-tN(0<t<1)により形成されている。各井戸層621,622のAl組成比tは、障壁層61のAl組成比sよりも小さい(すなわちt<s)。
【0030】
3つの井戸層621,622は、最も下側に配された井戸層である最下井戸層621と、最下井戸層621以外の2つの井戸層である上側井戸層622とで構成が異なっている。例えば、最下井戸層621の膜厚は、2つの上側井戸層622のそれぞれの膜厚よりも1nm以上大きく、かつ、最下井戸層621のAl組成比は、2つの上側井戸層622のそれぞれのAl組成比よりも2%以上大きい。本形態において、上側井戸層622は、2nm以上4nm以下の膜厚を有するとともに25%以上45%以下のAl組成比を有し、最下井戸層621は、4nm以上6nm以下の膜厚を有するとともに35%以上55%以下のAl組成比を有する。最下井戸層621の膜厚と各上側井戸層622との膜厚の差は、2nm以上4nm以下とすることができる。
【0031】
最下井戸層621のAl組成比を、上側井戸層622のAl組成比よりも大きくすることにより、最下井戸層621の結晶性が向上する。これは、最下井戸層621とn型半導体層4とのAl組成比の差が小さくなるためである。最下井戸層621の結晶性が向上することにより、最下井戸層621から上側に形成される活性層6の各半導体層の結晶性も向上する。これにより、活性層6におけるキャリアの移動度が向上し、光出力が向上する。かかる効果は、最下井戸層621の膜厚が大きくなるほど顕著であるが、発光素子1全体の電気抵抗値が増加することを抑制する観点から最下井戸層621の膜厚は所定値以下となるよう設計される。
【0032】
なお、本形態において、活性層6は、井戸層621,622が3つの多重量子井戸構造である例を示したが、これに限られず、井戸層が2つ又は4つ以上である多重量子井戸構造であってもよい。また、活性層6は、井戸層を1つのみ有する単一量子井戸構造であってもよい。
【0033】
電子ブロック層7は、活性層6上に形成されている。電子ブロック層7は、活性層6からp型半導体層8側へ電子がリークするオーバーフロー現象の発生を抑制すること(以後、電子ブロック効果ともいう)によって活性層6への電子注入効率を向上させる役割を有する。電子ブロック層7は、下側から順に、第1層71と第2層72とを積層した積層構造を有する。
【0034】
第1層71は、活性層6上に設けられている。第1層71は、例えばAlGa1-uN(0<u≦1)からなる。第1層71のAl組成比uは、例えば90%以上であり、本形態においては窒化アルミニウムにて構成されている。第1層71の膜厚は、例えば0.5nm以上5.0nm以下である。
【0035】
第2層72は、例えばAlGa1-vN(0<v<1)からなる。第2層72のAl組成比vは、第1層71のAl組成比tよりも小さく(すなわちv<t)、例えば70%以上90%以下である。第2層72の膜厚は、第1層71の膜厚よりも大きく、例えば15nm以上100nm以下である。
【0036】
Al組成比が大きい半導体層ほど電気抵抗値が大きくなるため、Al組成比が比較的高い第1層71の膜厚を大きくし過ぎると発光素子1の全体の電気抵抗値の過度な上昇を招く。そのため、第1層71の膜厚はある程度小さくすることが好ましい。一方、第1層71の膜厚を小さくすると、トンネル効果によって電子が第1層71を下側から上側にすり抜ける確率が増大し得る。そこで、本形態の発光素子1においては、第1層71上に第2層72を形成することで、電子ブロック層7の全体を電子がすり抜けることを抑制している。
【0037】
第1層71及び第2層72のそれぞれは、アンドープの層、n型不純物を含有する層、p型不純物を含有する層、又はn型不純物及びp型不純物の双方を含有する層とすることができる。p型不純物としては、マグネシウム(Mg)を用いることができるが、マグネシウム以外にも、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又は炭素(C)等を用いてもよい。他のp型不純物を含む半導体層においても同様である。各電子ブロック層7が不純物を含有する場合において、各電子ブロック層7が含有する不純物は、各電子ブロック層7の全体に含まれていてもよいし、各電子ブロック層7の一部に含まれていてもよい。本形態において、電子ブロック層7の全体は、アンドープの層である。
【0038】
p型半導体層8は、電子ブロック層7上に形成されている。p型半導体層8は、電子ブロック層7よりもAl組成比が小さく、p型不純物がドープされたAlGa1-wN(0≦w≦1)により形成されている。本形態において、p型半導体層8は、下側から順に、p型クラッド層81及びp型コンタクト層82を有する。
【0039】
p型クラッド層81は、電子ブロック層7の上面に接するよう設けられている。p型クラッド層81のAl組成比は、電子ブロック層7におけるp型クラッド層81に隣接する半導体層(すなわち第2層72)のAl組成比よりも小さく、p型コンタクト層82のAl組成比よりも大きくすることができる。p型クラッド層81の膜厚は、例えば9nm以上105nm以下である。
【0040】
p型コンタクト層82は、後述するp側電極12が接続された層であり、p型不純物が高濃度にドープされている。p型コンタクト層82は、p側電極12とのオーミックコンタクトを実現すべくAl組成比が低くなるよう構成されており(例えば10%以下)、かかる観点からp型の窒化ガリウム(GaN)により形成することが好ましい。Al組成比が低いp型コンタクト層82は活性層6から発された紫外光を吸収し得るため、p型コンタクト層82の膜厚は50nm以下であることが好ましく、25nm以下がより好ましい。また、p型コンタクト層82の膜厚は、ショートの発生を抑制する観点から5nm以上が好ましい。
【0041】
n側電極11は、n型半導体層4における活性層6から上側に露出した露出面41に形成されている。n側電極11は、例えば、n型半導体層4の上にチタン(Ti)、アルミニウム、チタン、窒化チタン(TiN)が順に積層された多層膜とすることができる。また、後述するように発光素子1がフリップチップ実装される場合、n側電極11は、活性層6が発する紫外光を反射可能な材料にて構成されていてもよい。
【0042】
p側電極12は、p型半導体層8の上面に形成されている。p側電極12は、例えば、ロジウム(Rh)から構成することができる。本形態において、p側電極12は、活性層6が発する光の中心波長において50%以上、好ましくは60%以上の反射率を有する反射電極であるが、これに限られない。
【0043】
発光素子1は、図示しないパッケージ基板にフリップチップ実装されて使用され得る。すなわち、発光素子1は、上下方向におけるn側電極11及びp側電極12が設けられた側をパッケージ基板側に向け、n側電極11及びp側電極12のそれぞれが、金バンプ等を介してパッケージ基板に実装される。フリップチップ実装された発光素子1は、基板2側(すなわち下側)から光が取り出される。なお、これに限られず、発光素子1は、ワイヤボンディング等によりパッケージ基板に実装されてもよい。また、本形態において、発光素子1は、n側電極11及びp側電極12の双方が発光素子1の上側に設けられた、いわゆる横型の発光素子としたが、これに限られず、縦型の発光素子であってもよい。縦型の発光素子は、n側電極とp側電極とによって活性層がサンドイッチされた発光素子である。
【0044】
(発光素子1の製造方法)
次に、本形態の発光素子1の製造方法の一例につき説明する。
本形態においては、有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により、円板状の基板2上に、AlNバッファ層3、n型半導体層4、組成傾斜層5、活性層6、電子ブロック層7及びp型半導体層8を順次エピタキシャル成長させる。すなわち、本形態においては、チャンバ内に円板状の基板2を設置し、基板2上に形成される各半導体層の原料ガスをチャンバ内に導入することによって基板2上に各半導体層が形成される。各半導体層をエピタキシャル成長させるための原料ガスとしては、アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、ガリウム源としてトリメチルガリウム(TMG)、窒素源としてアンモニア(NH)、シリコン源としてテトラメチルシラン(TMSi)、マグネシウム源としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いることができる。
【0045】
なお、MOCVD法は、有機金属化学気相エピタキシ法(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)と呼ばれることもある。また、基板2上に各半導体層をエピタキシャル成長させるに際しては、分子線エピタキシ法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、ハイドライド気相エピタキシ法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)等の他のエピタキシャル成長法を用いることも可能である。
【0046】
本形態の発光素子1の製造方法においては、AlNバッファ層3の上面31における平均ステップ高さが7.1nm以下かつ平均テラス幅が350nm以下となるよう製造条件が設計される。例えば、AlNバッファ層3の成長速度を速くすると、平均ステップ高さが低くなる傾向がある。AlNバッファ層3の成長速度の調整は、例えばAlNバッファ層3における成長温度、原料ガスの供給量等を調整することで実現可能である。各製造条件の適切値は、他の製造条件によっても変わり得るし、使用する製造装置によっても変わり得る。また、AlNバッファ層3の上面31の形状は、成長速度だけではなく、基板2の成長面21の形状の影響も受ける。以上のように、AlNバッファ層3の上面31に影響を及ぼす要素が適宜調整されることで、AlNバッファ層3がステップフロー成長されてその上面31が前述した形状に形成される。
【0047】
円板状の基板2上に各半導体層を形成した後、p型半導体層8上の一部、すなわちn型半導体層4の露出面41になる部分以外の部位にマスクを形成する。そして、マスクを形成していない領域を、p型半導体層8の上面から上下方向のn型半導体層4の途中までエッチングにより除去する。これにより、n型半導体層4に、上側に向かって露出する露出面41が形成される。露出面41の形成後、マスクを除去する。
【0048】
次いで、n型半導体層4の露出面41上にn側電極11を形成し、p型半導体層8上にp側電極12を形成する。n側電極11及びp側電極12は、例えば、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法などの周知の方法により形成してよい。以上により完成したものを、所望の寸法に切り分けることにより、1つのウエハから図1に示すような発光素子1が複数製造される。
【0049】
(実施の形態の作用及び効果)
本形態の発光素子1において、AlNバッファ層3の上面31は、複数のテラスT2と、テラスT2同士を繋ぐ複数のステップS2とを有するステップ・テラス構造を有する。そして、AlNバッファ層3の上面31において、平均ステップ高さは7.1nm以下であり、平均テラス幅は350nm以下である。それゆえ、発光素子1の光出力の向上を図ることができる。これは、AlNバッファ層3を下地層として形成される活性層6が適度に平坦化され、活性層6から発される光の単色性が向上する結果、発光素子1の所望の波長帯での光出力が向上するものと推測される。これらの数値については、後述する実験例にて裏付けられる。
【0050】
また、平均ステップ高さは、7.0nm未満である。それゆえ、発光素子1の光出力の一層の向上を図ることができる。この数値については、後述する実験例にて裏付けられる。
【0051】
また、平均テラス幅は、325nm以下である。それゆえ、発光素子1の光出力の一層の向上を図ることができる。この数値については、後述する実験例にて裏付けられる。
【0052】
また、発光素子1は、n型半導体層4と活性層6との間に、活性層6側の位置ほどAl組成比が高くなる組成傾斜層5を更に有する。それゆえ、活性層6の結晶性が向上するため、前述のように平均ステップ高さを7.1nm以下とするとともに平均テラス幅を350nm以下とすることで活性層6が平坦化されることと相まって光出力が一層向上しやすくなる。
【0053】
また、発光素子1は、p側電極12が反射電極からなり、p型コンタクト層82の膜厚が50nm以下である。すなわち、本形態の発光素子1は、活性層6からp側電極12側に発される紫外光が、p側電極12に反射されて基板2側から取り出される構成を有する。かかる構成を有する場合、活性層6から基板2側に直接的に発される直接出射光と、活性層6からp側電極12に反射されて基板2側から取り出される反射出射光とが互いに強め合って干渉するよう、直接出射光と反射出射光との位相差が設計される。しかしながら、各半導体層の界面の平坦性が悪い場合は、各半導体層の界面において光散乱が生じやすくなる結果、直接出射光と反射出射光との位相が揃い難くなって光出力の向上が損なわれるおそれがある。一方、本形態の発光素子1は、前述のように、AlNバッファ層3の上面31における平均ステップ高さを7.1nm以下、平均テラス幅を350nm以下としているため、AlNバッファ層3上に成膜される各半導体層も同様にステップの高さ及びテラス幅のそれぞれが小さくなる(すなわち平坦性が向上する)と考えられる。そのため、本形態の発光素子1においては、各半導体層の界面での光散乱の発生が抑制され、直接出射光と反射出射光との位相が揃いやすくなる結果、光出力の向上を図りやすくなる。
【0054】
以上のごとく、本形態によれば、光出力の向上を図ることができる窒化物半導体発光素子を提供することができる。
【0055】
[実験例]
本実験例は、AlNバッファ層の上面における平均ステップ高さ及び平均テラス幅を種々変更したときのウエハの光出力を評価した例である。なお、本実験例にて用いた構成要素の名称のうち、既出の形態において用いた名称と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素を表す。
【0056】
本実験例においては、実施例1~5及び比較例1~3に係るウエハを準備した。下記表1に示すごとく、実施例1~5及び比較例1~3に係るウエハは、実施の形態における発光素子と基本構造が同じである。実施例1~5及び比較例1~3の違いは、詳細は後述するが、平均ステップ高さ及び平均テラス幅である。実施例1~5及び比較例1~3に係るウエハに共通する基本構成を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
表1に記載の各層のAl組成比は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により測定したAlの二次イオン強度から推定した値である。また、表1における組成傾斜層のAl組成比の欄は、組成傾斜層の上下方向の各位置のAl組成比が、組成傾斜層の下端から上端までにかけて、55%から85%まで漸増していることを表している。実施例1~5及び比較例1~3に係るウエハにおいて、基板は、オフ角が1.0°±0.3°のc面が成長面のものを用いた。
【0059】
また、実施例1~5及び比較例1~3に係るウエハについて、平均ステップ高さ及び平均テラス幅を算出した。これらの算出方法について以下説明する。
【0060】
平均ステップ高さの算出は、次のように行った。まず、実施例1~5及び比較例1~3のそれぞれの製造条件と同等の製造条件でAlNバッファ層まで成長させたウエハを準備した。次いで、各ウエハのAlNバッファ層の上面の形状を、AFMにて測定した。実施例1と同様の製造条件で成長されたウエハのAlNバッファ層の上面のAFM像を図3Aに示しており、比較例1と同様の製造条件で成長されたウエハのAlNバッファ層の上面のAFM像を図4Aに示している。本実施例においては、各ウエハの上面の中央位置において、5μm四方の範囲を測定した。
【0061】
次いで、次いで得られた各AFM像において、任意の5か所、上下方向及びテラス及びステップが連続する方向の双方に沿った断面プロファイルを取得した。図3Aの一点鎖線箇所の断面プロファイルを図3Bに示しており、図4Aの一点鎖線箇所の断面プロファイルを図4Bに示している。
【0062】
そして、各AFM像から得られた5つの断面プロファイルから、現れているすべてのステップS2の高さHを測定して平均をとることで平均ステップ高さを算出した。なお、図3Bにおいては、極めて小さいステップも現れているが、このような極めて小さいステップも1つのステップとしてカウントしている。
【0063】
また、平均テラス幅の算出は、各AFM像から得られた5つの断面プロファイルから、現れているすべてのテラスT2の幅Wを測定して平均をとることで行った。本実験例においては、図3B及び図4Bに示されるような断面プロファイルにおいて、テラスT2の左右両側に位置する上凸の頂点同士の左右方向(すなわち上下方向に直交する方向のうち、テラス及びステップが連続する方向)の長さをテラスT2の幅Wとみなした。図3Bにおいては、極めて小さいテラスも現れているが、このような極めて小さいテラスも1つのテラスとしてカウントしている。
【0064】
なお、図3B及び図4Bにおいては、左右両端に現れているテラスは途中で切れており、テラス全体の正確な幅が測定できない。このように、一部のみしか現れていないテラスについては、平均テラス幅の算出に当たっては無視した。左右両端にステップが現れており、ステップが途中で切れている場合も同様である。
【0065】
以上のようにして算出された実施例1~5及び比較例1~3に係る平均ステップ高さ及び平均テラス幅を表2に示す。なお、表2においては、実施例1~5及び比較例1~3に係るウエハの光出力も記載しているが、これについては後述する。
【0066】
【表2】
【0067】
表2に示すごとく、実施例1~5は、平均ステップ高さが7.1nm以下、平均テラス幅が350nm以下を満たしており、比較例1~3は、平均ステップ高さが7.1nmを超えているとともに平均テラス幅が350nmを超えている。
【0068】
そして、実施例1~5及び比較例1~3のそれぞれにおいて、オンウエハの状態で20mAの電流を流し、光出力を測定した。実施例1~5及び比較例1~3のそれぞれの光出力は、実施例1~5及び比較例1~3のそれぞれの下側(すなわち基板側)に設置した光検出器によって測定した。平均ステップ高さと光出力との関係を図5に示し、平均テラス幅と光出力との関係を図6に示す。なお、実施例1~5及び比較例1~3の発光波長は、260nm以上290nm以下であった。
【0069】
表2、図5及び図6から分かるように、平均ステップ高さが7.1nm以下、かつ平均テラス幅が350nm以下の実施例1~5は、平均ステップ高さが7.1nmを超えるとともに平均テラス幅が350nmを超える比較例1~3と比べ、高い光出力が得られる。
【0070】
また、実施例1~4のように、平均ステップ高さを7.0nm未満とすることで、光出力を一層高めることができる。また、平均ステップ高さが高い程、平均テラス幅が大きくなる傾向があり、平均ステップ高さを7.0nm未満とする観点から、平均テラス幅は325nm以下であることが好ましい。
【0071】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0072】
[1]本発明の第1の実施態様は、成長面21がオフ角θを有するc面からなる基板2と、前記成長面21上に形成された、AlNからなるAlNバッファ層3と、前記AlNバッファ層3上に形成されたn型半導体層4と、前記n型半導体層4上に形成された、紫外光を発する活性層6と、前記活性層6上に形成されたp型半導体層8と、を備え、前記AlNバッファ層3の上面31は、複数のテラスT2と、前記テラスT2同士を繋ぐ複数のステップS2とを有するステップ・テラス構造を有し、前記複数のステップS2の高さHの平均値は、7.1nm以下であり、前記複数のテラスT2の幅Wの平均値は、350nm以下である、窒化物半導体発光素子1である。
これにより、窒化物半導体発光素子1の光出力の向上を図ることができる。
【0073】
[2]本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記複数のステップS2の高さHの平均値が、7.0nm未満であることである。
これにより、窒化物半導体発光素子1の光出力の一層の向上を図ることができる。
【0074】
[3]本発明の第3の実施態様は、第1又は第2の実施態様において、前記複数のテラスT2の幅Wの平均値が、325nm以下であることである。
これにより、窒化物半導体発光素子1の光出力の一層の向上を図ることができる。
【0075】
[4]本発明の第4の実施態様は、第1乃至第3のいずれか1つの実施態様において、前記n型半導体層4と前記活性層6との間に、前記活性層6側の位置ほどAl組成比が高くなる組成傾斜層5を更に有することである。
これにより、窒化物半導体発光素子1の光出力の一層の向上を図ることができる。
【0076】
[5]本発明の第5の実施態様は、第1乃至第4のいずれか1つの実施態様において、前記p型半導体層8上に形成され、前記活性層6から発される光を反射する反射電極12を更に備え、前記p型半導体層8が、p型のGaNからなるp型コンタクト層82を有し、前記p型コンタクト層82の膜厚が、50nm以下であることである。
これにより、窒化物半導体発光素子1の光出力の一層の向上を図ることができる。
【0077】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、前述した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、前記各実施の形態の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…窒化物半導体発光素子
12…p側電極(反射電極)
2…基板
21…成長面
3…AlNバッファ層
31…上面
4…n型半導体層
5…組成傾斜層
6…活性層
8…p型半導体層
82…p型コンタクト層
H…ステップの高さ
S2…ステップ
T2…テラス
θ…基板のオフ角
【要約】
【課題】光出力の向上を図ることができる窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】窒化物半導体発光素子は、成長面21がオフ角θを有するc面からなる基板2と、成長面21上に形成された、AlNからなるAlNバッファ層3と、AlNバッファ層3上に形成されたn型半導体層4と、n型半導体層4上に形成された、紫外光を発する活性層と、活性層上に形成されたp型半導体層と、を備える。AlNバッファ層3の上面31は、複数のテラスT2と、テラスT2同士を繋ぐ複数のステップS2とを有するステップ・テラス構造を有する。複数のステップS2の高さHの平均値は、7.1nm以下である。複数のテラスT2の幅Wの平均値は、350nm以下である。
【選択図】図2
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6